説明

置換ジヒドロイミダゾールおよび腫瘍の処置におけるその使用

本発明は、式rac-(I)


(式中、基および記号は本明細書に定義のとおりである)
のジヒドロイミダゾール;MDM2タンパク質とp53様ペプチドの相互作用の阻害剤としてのその使用、当該化合物を含む新規な医薬製剤、温血動物、とりわけヒトの治療的処置に使用するための当該化合物、増殖性疾患の処置における、またはMDM2タンパク質とp53様ペプチドの相互作用の調節に応答する増殖性疾患の処置に有用な医薬製剤の製造のためのその使用、当該化合物を含む、例えばMDM2タンパク質とp53様ペプチドの相互作用の調節に応答する増殖性疾患の処置に有用な医薬製剤、当該化合物を温血動物に投与することを含む処置方法、そして/または当該化合物の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換ジヒドロイミダゾール、MDM2タンパク質とp53様ペプチドの相互作用の阻害剤としてのその使用、当該化合物を含む新規な医薬製剤、温血動物、とりわけヒトの治療的処置に使用するための当該化合物、増殖性疾患の処置における、またはMDM2タンパク質とp53様ペプチドの相互作用の調節に応答する増殖性疾患の処置に有用な医薬製剤の製造のためのその使用、当該化合物を含む、例えばMDM2タンパク質とp53様ペプチドの相互作用の調節に応答する増殖性疾患の処置に有用な医薬製剤、当該化合物を温血動物に投与することを含む処置方法、そして/または当該化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
p53は、がんの発生に対する宿主保護に中心的な役割を有する腫瘍抑制タンパク質である。これは細胞完全性を保護し、永続的に損傷を受けたクローン細胞の増殖を、増殖停止またはアポトーシスの誘導によって予防する。分子レベルでは、p53は細胞サイクルおよびアポトーシスの制御に関与する遺伝子のパネルを活性化することができる転写因子である。p53は、細胞レベルでMDM2によって緊密に制御されている強力な細胞サイクル阻害剤である。MDM2およびp53はフィードバック制御ループを形成する。MDM2はp53と結合し、p53制御遺伝子をトランス活性化するその能力を阻害することができる。さらに、MDM2はp53のユビキチン依存性分解を仲介する。p53はMDM2遺伝子の発現を活性化することができ、したがってMDM2タンパク質の細胞レベルを上昇させる。このloフィードバック制御ループは、MDM2とp53の両方が正常増殖している細胞内で低いレベルで保たれていることを保証する。MDM2はまた、細胞サイクル制御に中心的な役割を有するE2Fのコファクターでもある。MDM2のp53(E2F)に対する比は、多くのがんにおいて調節不全である。pl6INK4/pl9ARF座において頻繁に生じる分子欠損は、例えば、MDM2タンパク質分解に影響することが示されている。腫瘍細胞における野生型p53でのMDM2−p53相互作用の阻害は、p53の蓄積、細胞サイクル停止および/またはアポトーシスを導くであろう。
【0003】
したがって、MDM2アンタゴニストは、単剤または広いスペクトルの他の抗腫瘍治療との組合せとして、がん治療への新規なアプローチを提供することができる。この戦略の成否は、MDM2−p53相互作用の阻害についての多様な巨大分子ツール(例えば、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド)の使用によって示される。MDM2はp53のように保存的結合領域を介してE2Fとも結合して、サイクリンAのE2F依存性転写を活性化する。このことは、MDM2アンタゴニストがp53変異細胞に影響し得ることを示唆している。MDM2アンタゴニストであるcis−2,4,5−トリフェニル−イミダゾリンは、先行技術文献、例えばWO2003051359A1に記載されている。本発明において、本明細書に記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾールが薬物動態プロファイルにおいて既知のMDM2アンタゴニストよりも優れており、したがって本明細書に記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾールが増殖性疾患の処置用医薬製剤の開発のためにより好適であることを見出した。
【発明の概要】
【0004】
発明の詳細な説明
本発明は、とりわけ式rac-(I)
【化1】

〔式中、
Rは
(a) −C(O)R、ここで
はNRaRbを意味し、ここでRaおよびRbは互いに独立して、
水素、
置換もしくは非置換C1−C10アルキル;
5〜10個の炭素原子を含み、部分飽和もしくは完全部分飽和である置換もしくは非置換単環式もしくは二環式環系;または
完全飽和もしくは完全不飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単環式環系を意味するか;または
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、完全飽和もしくは部分飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単環式環系を意味するか;または
は置換もしくは非置換C1−C8アルキル、置換もしくは非置換C3−C4−シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または完全不飽和、部分飽和もしくは完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単もしくは二環式環系を意味し;
【0005】
(b) C1−C6アルキル、これは非置換であるか、または置換もしくは非置換アリールまたは完全不飽和であり、2〜6個の炭素原子とNおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系で置換されており;
(c) C3−C5アルケニル;
(d) −SO−R、ここでRは置換もしくは非置換C1−C4アルキル、C3−C5アルケニルまたは置換もしくは非置換アリールを意味するか;または
(e) 水素であり;
R’はC1−C6アルキルを意味し、
mは0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
は有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXは独立して、−OH、C1−C2アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、−CHOCHおよび−CHOCHCHから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個が独立してヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、CF、−CHOCH、−CHOCHCH、−OCHCH、OCHCFおよび−ORから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個がそれらが結合している2個の炭素原子と一体となって、S、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員飽和環を形成し、ここで
はF、−OCH、−N(CH)CH、Cl、Br、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和5および6員環から選択され、そして
は3〜5員飽和環であり;
【0006】
はハロ、NO、CNまたは−CCHを意味し;
は水素またはハロを意味し;
は水素またはヒドロキシを意味し;
Aはアルキル、非置換であるか、もしくはアルキルで置換されたシクロアルキル、または下位式(Ia)
【化2】

{式中、Yはハロ、NO、CNまたは−CCHを意味する}
の基であり;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリール;または
C(O)Zを意味し、ここで
Zは
ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、置換もしくは非置換C1−C6アルキルでモノもしくはジ置換されたアミノ、または完全不飽和、部分飽和もしくは完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単もしくは二環式環系、かかる環系を意味する〕
のジヒドロイミダゾールおよびその互変異性体、
および当該ジヒドロイミダゾールまたは当該互変異性体の塩に関する。
【0007】
本発明はとりわけ、
Rが
(a) −C(O)R、ここで
がNRaRbを意味し、ここでRaおよびRbは互いに独立して、
水素、
置換もしくは非置換C1−C10アルキル;
5〜10個の炭素原子を含み、部分飽和もしくは完全部分飽和である置換もしくは非置換単環式もしくは二環式環系;または
完全飽和もしくは完全不飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単環式環系を意味するか;または
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、完全飽和もしくは部分飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単環式環系を意味するか;または
が置換もしくは非置換C1−C8アルキル、置換もしくは非置換C3−C4−シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または完全不飽和、部分飽和もしくは完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単もしくは二環式環系を意味し;
【0008】
(b) C1−C4アルキル、これは非置換であるか、または置換もしくは非置換アリールまたは完全不飽和であり、2〜6個の炭素原子とNおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系で置換されており;
(c) C3−C5アルケニル;
(d) −SO−R、ここでRは置換もしくは非置換C1−C4アルキル、C3−C5アルケニルまたは置換もしくは非置換アリールを意味するか;または
(e) 水素であり;
R’がC1−C6アルキルを意味し、
mが0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
が有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXが独立して、−OH、C1−C2アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、−CHOCHおよび−CHOCHCHから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個が独立してヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、CF、−CHOCH、−CHOCHCH、−OCHCH、OCHCFおよび−ORから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個がそれらが結合している2個の炭素原子と一体となって、S、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員飽和環を形成し、ここで
がF、−OCH、−N(CH)CH、Cl、Br、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和5および6員環から選択され、そして
が3〜5員飽和環であり;
【0009】
がハロ、NO、CNまたは−CCHを意味し;
およびYが水素を意味し;
Aが下位式(Ia)の基であり、式中、Yがハロ、NO、CNまたは−CCHを意味し;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリール;または
C(O)Zを意味し、ここで
Zが
ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、置換もしくは非置換C1−C6アルキルでモノもしくはジ置換されたアミノ、または完全不飽和、部分飽和もしくは完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単もしくは二環式環系、かかる環系を意味する、
式rac-(I)のジヒドロイミダゾールに関する。
【0010】
より具体的には、本発明は
Rが
(a) −C(O)R、ここで
がNRaRbを意味し、
ここでRaおよびRbが互いに独立して、
− 非置換であるか、またはシアノでモノ、ジもしくはトリ置換されたC1−C10アルキル、非置換であるか、またはフェニルで置換されたC1−C4アルコキシ、C3−C6シクロアルキル、ヒドロキシ、カルバモイル、N−C1−C4アルキルカルバモイル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ;不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜10個の炭素原子とN、OおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式または二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、C2−C4アルカノイルもしくはオキソで置換されている);または非置換であるか、またはハロ、アミノスルホニルもしくは完全飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されている)でモノまたはジ置換されたフェニル;
− 水素、
− 5〜10個の炭素原子を含み、部分飽和または完全部分飽和であり、所望によりヒドロキシ、ヒドロキシC1−C4アルキルまたはカルバモイルで置換された単環式または二環式環系;または
− 完全飽和または完全不飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されている)であるか;または
【0011】
ここでRaとRbがそれらが結合している窒素原子と一体となって、完全飽和または部分飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式環系を意味し、当該環系は非置換であるか、またはヒドロキシ、C2−C4アルカノイル、カルバモイル、C1−C4アルコキシカルボニル、非置換であるか、またはヒドロキシ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルまたはピロリジニルカルボニル;ピリミジニル、フェニル、C1−C4アルキルピペリジニルまたはオキソで置換されたC1−C4アルキル;フェニル、ピロリジニル、(1H)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾリルでモノまたはジ置換されているか、または

− 非置換であるか、またはアミノで置換されたC1−C8アルキル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルキル−フェニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、完全不飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはオキソで;またはジ(C1−C4アルキル)−アミノで置換されたフェニルで置換されている);
− 非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されたC3−C4−シクロアルキル;
− モルホリニル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノまたはジ(C1−C4アルキル)−アミノ−スルホニルで置換されたフェニル;または
− 完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはハロ、オキソ、C1−C4アルキル、チエニル−C1−C4アルキル、ハロフェニル−C1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニルまたはフェニルで置換されている);
【0012】
(b) C1−C4アルキル、これは
− C1−C4アルキル、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシまたはシアノでモノまたはジ置換されたフェニル;または
− 完全不飽和であり、2〜6個の炭素原子とNおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系で置換されており;
(c) C3−C5アルケニル;
(d) −SO−R、ここでR
− C1−C4アルキル、これはジ(C1−C4アルキル)−アミノ、完全飽和であり、4〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系はC1−C4アルキル、ヒドロキシC1−C4アルキルまたはオキソで置換されている)で置換されており;
− C3−C5アルケニル;
− ナフチル;または
− ハロで置換されたフェニルを意味し;または
(e) 水素であり;
【0013】
R’がC1−C6アルキルを意味し、
mが0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
が有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXが独立して、−OH、C1−C2アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、−CHOCHおよび−CHOCHCHから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個が独立してヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、CF、−CHOCH、−CHOCHCH、−OCHCH、OCHCFおよび−ORから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個がそれらが結合している2個の炭素原子と一体となって、S、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員飽和環を形成し、ここで
がF、−OCH、−N(CH)CH、Cl、Br、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和5および6員環から選択され、そして
が3〜5員飽和環であり;
【0014】
はCl、Br、NO、CNまたは−CCHを意味し;
およびYが水素を意味し;
Aが下位式(Ia)の基であり、ここでYはCl、Br、NO、CNまたは−CCHを意味し;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリール;または
C(O)Zを意味し、ここで
【0015】
Zが
− ヒドロキシまたはC1−C4アルコキシ;
− 非置換であるか、またはフルオロで置換されたC1−C6アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、アミノカルボニル、C1−C4アルキルアミノカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、シアノ、C3−C6シクロアルキル、完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニルおよびオキソ;または非置換であるか、またはC1−C4アルキルピペラジニル、ハロもしくはアミノスルホニルで置換されたフェニルで置換されている)でモノまたはジ置換されたアミノ;
C3−C5アルキニル;1,2−ジヒドロ−インダニル、フェニルまたはC4−C6シクロアルキル;または
− 完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソ、フェニル、ピロリジニル、アミノカルボニル、C1−C4アルコキシカルボニルまたはピリミジルで置換されている)を意味する;
式rac-(I)のジヒドロイミダゾール、またはその互変異性体、
または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の塩を提供する。
【0016】
好ましいものは、
Rが
(a) −C(O)R、ここで
がNRaRbを意味し、
ここでRaおよびRbが互いに独立して、
− 非置換であるか、またはシアノでモノ、ジもしくはトリ置換されたC1−10アルキル、非置換であるか、またはフェニルで置換されたC1−4アルコキシ、C3−C6シクロアルキル、ヒドロキシ、カルバモイル、N−C1−C4アルキルカルバモイル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ;不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜10個の炭素原子とN、OおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式または二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、C2−C4アルカノイルもしくはオキソで置換されている);または非置換であるか、またはハロ、アミノスルホニルもしくは完全飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されている)でモノまたはジ置換されたフェニル;
− 水素、
− 5〜10個の炭素原子を含み、部分飽和または完全部分飽和であり、所望によりヒドロキシ、ヒドロキシC1−C4アルキルまたはカルバモイルで置換された単環式または二環式環系;または
− 完全飽和または完全不飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されている)であるか;または
【0017】
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、完全飽和または部分飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式環系を意味し、当該環系は非置換であるか、またはヒドロキシ、C2−C4アルカノイル、カルバモイル、C1−C4アルコキシカルボニル、非置換であるか、またはヒドロキシ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルまたはピロリジニルカルボニル;ピリミジニル、フェニル、C1−C4アルキルピペリジニルまたはオキソで置換されたC1−C4アルキル;フェニル、ピロリジニル、(1H)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾリルでモノまたはジ置換されているか、または

− 非置換であるか、またはアミノで置換されたC1−C8アルキル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルキル−フェニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、完全不飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはオキソで;またはジ(C1−C4アルキル)−アミノで置換されたフェニルで置換されている);
− 非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されたC3−C4−シクロアルキル;
− モルホリニル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノまたはジ(C1−C4アルキル)−アミノ−スルホニルで置換されたフェニル;または
− 完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはハロ、オキソ、C1−C4アルキル、チエニル−C1−C4アルキル、ハロフェニル−C1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニルまたはフェニルで置換されている)を意味し;
【0018】
(b) C1−C4アルキル、これは
− C1−C4アルキル、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシまたはシアノでモノまたはジ置換されたフェニル;または
− 完全不飽和であり、2〜6個の炭素原子とNおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系で置換されており;
(c) C3−C5アルケニル;
(d) −SO−R、ここでR
C1−C4アルキル、これはジ(C1−C4アルキル)−アミノ、完全飽和であり、4〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系はC1−C4アルキル、ヒドロキシC1−C4アルキルまたはオキソで置換されている)で置換されており;
C3−C5アルケニル;
ナフチル;または
ハロで置換されたフェニルを意味し;または
(e) 水素であり;
【0019】
R’はC1−C6アルキルを意味し、
mは0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
は有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXが独立して水素およびC1−C4アルコキシから選択され、
がハロを意味し;
およびYが水素を意味し;
Aが下位式(Ia)の基であり、ここでYがハロを意味し;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリール;または
C(O)Zを意味し、ここで
【0020】
Zが
C1−C4アルコキシ;
非置換であるか、またはフルオロで置換されたC1−C6アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、アミノカルボニル、C1−C4アルキルアミノカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、シアノ、C3−C6シクロアルキル、完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニルおよびオキソ;または非置換であるか、またはC1−C4アルキルピペラジニル、ハロもしくはアミノスルホニルで置換されたフェニルで置換されている)でモノまたはジ置換されたアミノ;
C3−C5アルキニル;1,2−ジヒドロ−インダニル、フェニルまたはC4−C6シクロアルキル;または
完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソ、フェニル、ピロリジニル、アミノカルボニル、C1−C4アルコキシカルボニルまたはピリミジルで置換されている)を意味する、
式rac-(I)のジヒドロイミダゾールである。
【0021】
より好ましいものは、
Rが
(a) −C(O)R、ここで
がNRaRbを意味し、
ここでRaおよびRbは互いに独立して、
非置換であるか、またはシアノでモノ、ジもしくはトリ置換されたC1−C10アルキル、非置換であるか、またはフェニルで置換されたC1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、カルバモイル、N−C1−C4アルキルカルバモイル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、ピリジル、ピロリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、フリル、インドリル、イソクロマニル、ベンゾチエニル;非置換であるか、またはハロ、モルホリニル、ピペリジニル、アミノスルホニルもしくはC1−C4アルキルピペラジニルでモノもしくはジ置換されたフェニル;C3−C6シクロアルキル;モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、C1−C4アルキルピペラジニル、非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはオキソで置換されたピロリジニル;C1−C4アルキル−ピラジニル、または非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはC2−4アルカノイルで置換されたピペリジニル;
非置換であるか、またはヒドロキシ、ヒドロキシC1−C4アルキルもしくはカルバモイルで置換されたC5−C6シクロアルキル;
水素、
インダニル、2,3−ジヒドロ−ヒドロキシ−インダニル、2,3−ジヒドロ−2−インダニル、
C1−C4アルキル−ピラゾリルまたは
C1−C4アルキルで置換されたピペリジニルを意味するか;または
【0022】
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、
非置換であるか、またはC2−C4アルカノイル、非置換であるか、もしくはヒドロキシ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルもしくはピロリジニルカルボニルで置換されたC1−C4アルキル;ピリミジニル、フェニル、C1−C4アルキルピペリジニルまたはオキソでモノまたはジ置換されたピペラジン;
ヒドロキシC1−C4アルキルで置換されたピロリジン、
非置換であるか、またはフェニル、ベンジル、ピロリジニル、(1H)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾリル、カルバモイル、C1−C4アルコキシカルボニル、ヒドロキシまたはヒドロキシC1−C4アルキルで置換されたピペリジン;
テトラヒドロ−ピリミジン;
C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタン、フェニルC1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタンまたは
モルホリンを意味するか;または
【0023】

非置換であるか、またはアミノで置換されたC1−C8アルキル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルキル−フェニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、イミダゾリル、C1−C4アルキル−イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ピリジル、インドリル、N−C1−C4アルキル−インドリル;またはジ(C1−C4アルキル)−アミノで置換されたフェニル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されたC3−C4−シクロアルキル;
モルホリニル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノまたはジ(C1−C4アルキル)−アミノ−スルホニルで置換されたフェニル;
N−C1−C4アルキル−インドリル;N−C1−C4アルキル−イミダゾリル;キノキサリニル;C1−C4アルキルでモノまたはジ置換されたピラゾロ[1,5−a]ピリミジニル;[1,6]ナフチリジニル;フェニルまたはC1−C4アルキルで置換されたオキサゾリル;C1−C4アルキルおよびハロでモノ、ジまたはトリ置換されたピラゾリル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキルまたはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたピペリジニル;オキソでジ置換されたテトラヒドロピリミジル、C1−C4アルキル、チエニル−C1−C4アルキル、クロロフェニル−C1−C4アルキルおよびオキソから成る群から独立して選択される基でモノまたはジ置換されたピロリジニルを意味し;
【0024】
(b) C1−C4アルキル、これは
C1−C4アルキル、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシまたはシアノでモノまたはジ置換されたフェニル;
ピリジル;または
ベンゾ[c]−1−オキサ−2,5−ジアゾリルで置換されており;
(c) C3−C5アルケニル;
(d) −SO−R、ここでR
ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニル、またはC1−C4アルキル、ヒドロキシC1−C4アルキルもしくはオキソでさらに置換されたピペラジニルで置換されているC1−C4アルキル;
C3−C5アルケニル;
ナフチル;または
ハロで置換されたフェニルを意味し;または
(e) 水素であり;
【0025】
R’がC1−C6アルキルを意味し、
mが0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
が有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXが独立して水素およびC1−C4アルコキシから選択され、
がハロを意味し;
およびYが水素を意味し;
Aが下位式(Ia)の基であり、ここでYがハロを意味し;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリール;またはC(O)Zを意味し、ここで
【0026】
Zが
C1−C4アルコキシ;
非置換であるか、またはフルオロで置換されたC1−C6アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、アミノカルボニル、C1−C4アルキルアミノカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、シアノ、C3−C6シクロアルキル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、C1−C4アルキルピリミジル、C1−C4アルキルピラジニル、フリル、ジヒドロイソクロマニル、テトラヒドロ−ピラニル、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピロリジニル、C1−C4アルキルピロリジニル、2−オキソ−ピロリジニル、ピペリジニル、C1−C4アルキルカルボニルピペリジニル、C1−C4アルキルピペリジニル、C1−C4アルキルピペラジニル;または非置換であるか、もしくはC1−C4アルキルピペラジニル、ハロもしくはアミノスルホニルで置換されたフェニルでモノまたはジ置換されたアミノ;または
C3−C5アルキニル;ピリジル、チアゾリル、C1−C4アルキルオキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリミジル、C1−C4アルキルピラゾリル、1,2−ジヒドロ−インダニル、フェニルまたはC4−C6シクロアルキル;
ピロリジニル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソもしくはピリミジルで置換されたピペラジニル;
非置換であるか、またはフェニル、ピロリジニル、アミノカルボニルもしくはC1−C4アルコキシカルボニルで置換されたピペリジニル;
モルホリニル;
テトラヒドロチアゾリル;または
C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタンを意味する、
式rac-(I)のジヒドロイミダゾールである。
【0027】
極めて好ましいものは、
Rが
(a) −C(O)R、ここで
がNRaRbを意味し、
ここでRaおよびRbが互いに独立して、
非置換であるか、またはシアノでモノ、ジもしくはトリ置換されたC1−C10アルキル、非置換であるか、またはフェニルで置換されたC1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、ピリジル、1−ピロリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、フリル、3−インドリル、イソクロマニル、ベンゾチエニル;非置換であるか、またはクロロ、モルホリニル、ピペリジニル、アミノスルホニルもしくはC1−C4アルキルピペラジニルでモノまたはジ置換されたフェニル;C3−C6シクロアルキル;モルホリン−4−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、C1−C4アルキルピペラジニル、非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはオキソで置換されたピロリジニル;C1−C4アルキル−ピラジニル、または非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはC2−4アルカノイルで置換されたピペリジニル;
非置換であるか、またはヒドロキシ、ヒドロキシC1−C4アルキルもしくはカルバモイルで置換されたC5−C6シクロアルキル;
水素、
インダニル、2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシ−インダニル、2,3−ジヒドロ−2−インダニル、
1−C1−C4アルキル−ピラゾリルまたは
C1−C4アルキルで置換された4−ピペリジニルであるか;または
【0028】
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、
非置換であるか、またはC2−C4アルカノイル、非置換であるか、またはヒドロキシ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルもしくは1−ピロリジニルカルボニルで置換されたC1−C4アルキル;2−ピリミジニル、フェニル、C1−C4アルキルピペリジニルまたはオキソでモノまたはジ置換されたピペラジン;
ヒドロキシC1−C4アルキルで置換されたピロリジン、
非置換であるか、またはフェニル、ベンジル、1−ピロリジニル、(1H)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル、カルバモイル、C1−C4アルコキシカルボニル、ヒドロキシまたはヒドロキシC1−C4アルキルで置換されたピペリジン
テトラヒドロ−ピリミジン;
4−C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタン、4−ベンジル−1,4−ジアザ−シクロヘプタンまたは
モルホリンを意味するか;または
【0029】

非置換であるか、またはアミノで置換されたC1−C8アルキル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルキル−フェニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、イミダゾリル、C1−C4アルキル−イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ピリジル、インドリル、N−C1−C4アルキル−インドリル;またはジ(C1−C4アルキル)−アミノで置換されたフェニル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されたC3−C4−シクロアルキル;
モルホリニル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノまたはジ(C1−C4アルキル)−アミノ−スルホニルで置換されたフェニル;
N−C1−C4アルキル−インドリル;N−C1−C4アルキル−イミダゾリル;キノキサリニル;C1−C4アルキルでジ置換されたピラゾロ[1,5−a]ピリミジニル;[1,6]ナフチリジニル;フェニルまたはC1−C4アルキルで置換されたオキサゾリル;C1−C4アルキルおよびクロロでジまたはトリ置換されたピラゾリル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキルまたはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたピペリジニル;オキソでジ置換されたテトラヒドロピリミジル、C1−C4アルキル、チエニル−C1−C4アルキル、クロロフェニル−C1−C4アルキルおよびオキソから成る群から独立して選択される基でモノまたはジ置換されたピロリジニルを意味し;
【0030】
(b) C1−C4アルキル、これは
C1−C4アルキル、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシまたはシアノでモノまたはジ置換されたフェニル;
ピリジル;または
ベンゾ[c]−1−オキサ−2,5−ジアゾリルで置換されており;
(c) C3−C4アルケニル;
(d) SO−R、ここでR
ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニル、またはC1−C4アルキル、ヒドロキシC1−C4アルキルもしくはオキソでさらに置換されたピペラジニルで置換されているC1−C4アルキル;
C3−C4アルケニル;
ナフチル;または
フルオロで置換されたフェニルで置換されており;または
(e) 水素であり;
【0031】
R’はC1−C6アルキルを意味し、
mは0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
は有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXが独立して水素およびC1−C4アルコキシから選択され、
がハロを意味し;
およびYが水素を意味し;
Aが下位式(Ia)の基であり、ここでYがハロを意味し;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリール;
またはC(O)Zを意味し、ここで
【0032】
Zが
C1−C4アルコキシ;C1−C4アルキル;
非置換であるか、またはフルオロで置換されたC1−C6アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、アミノカルボニル、C1−C4アルキルアミノカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、シアノ、C3−C6シクロアルキル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、C1−C4アルキルピリミジル、C1−C4アルキルピラジニル、フリル、ジヒドロ−イソクロマニル、テトラヒドロ−ピラニル、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピロリジニル、C1−C4アルキルピロリジニル、2−オキソ−ピロリジニル、ピペリジニル、C1−C4アルキルカルボニルピペリジニル、C1−C4アルキルピペリジニル、C1−C4アルキルピペラジニル;または非置換であるか、もしくはC1−C4アルキルピペラジニル、フルオロもしくはアミノスルホニルで置換されたフェニルでモノまたはジ置換されたアミノ;または
C3−C5アルキニル;ピリジル、チアゾリル、C1−C4アルキルオキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリミジル、C1−C4アルキルピラゾリル、1,2−ジヒドロ−インダニル、フェニルまたはC4−C6シクロアルキル;
ピロリジニル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソもしくはピリミジルで置換されたピペラジニル;
非置換であるか、またはフェニル、ピロリジニル、アミノカルボニルもしくはC1−C4アルコキシカルボニルで置換されたピペリジニル;
モルホリニル;
テトラヒドロチアゾリル;または
4−C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタンを意味する;
式rac-(I)のさらなるジヒドロイミダゾール、またはその互変異性体、
または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の塩である。
【0033】
とりわけ好ましいものは、下記実施例に記載の化合物である。
【0034】
上記に加えて、式rac-(I)において下記意味が独立して、集合的に、または何れかの組合せもしくはサブコンビネーションで好ましい:
1. 式rac-(I)のジヒドロイミダゾールのジヒドロイミダゾール環のC−5の絶対立体配置が“R”である、
2. EがC(O)Zを意味し、ここでZが本明細書に定義の意味を有する、
3. Zが
C1−C4アルコキシ;
非置換であるか、またはフルオロで置換されたC1−C6アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、アミノカルボニル、C1−C4アルキルアミノカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、シアノ、C3−C6シクロアルキル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、C1−C4アルキルピリミジル、C1−C4アルキルピラジニル、フリル、ジヒドロ−イソクロマニル、テトラヒドロ−ピラニル、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピロリジニル、C1−C4アルキルピロリジニル、2−オキソ−ピロリジニル、ピペリジニル、C1−C4アルキルカルボニルピペリジニル、C1−C4アルキルピペリジニル、C1−C4アルキルピペラジニル;または非置換であるか、もしくはC1−C4アルキルピペラジニル、フルオロもしくはアミノスルホニルで置換されたフェニルでモノまたはジ置換されたアミノ;または
C3−C5アルキニル;ピリジル、チアゾリル、C1−C4アルキルオキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリミジル、C1−C4アルキルピラゾリル、1,2−ジヒドロ−インダニル、フェニルまたはC4−C6シクロアルキル;
ピロリジニル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソもしくはピリミジルで置換されたピペラジニル;
非置換であるか、またはフェニル、ピロリジニル、アミノカルボニルもしくはC1−C4アルコキシカルボニルで置換されたピペリジニル;
モルホリニル;
テトラヒドロチアゾリル;または
4−C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタンを意味する。
【0035】
本明細書において使用される一般用語は、異なることが記載されていない限り、好ましくはこの開示の文脈内で下記意味を有する:
接頭語「低級」は、基が最大7個まで、とりわけ最大4個までの炭素原子を有していることを意味し、問題の基は直鎖または1回もしくは複数回の分岐を有する分枝鎖である。
【0036】
化合物、塩等に複数表現を用いるとき、これは1個の化合物、塩等も意味している。
【0037】
何れかの不斉炭素原子は、(R)−、(S)−または(R,S)−立体配置、好ましくは(R)−または(S)−立体配置で存在していてもよい。したがって当該化合物は、異性体の混合物として、または純粋な異性体として、好ましくはエナンチオマー純粋なジアステレオマーとして存在していてもよい。
【0038】
本発明はまた、式rac-(I)のジヒドロイミダゾールの可能な互変異性体に関する。
【0039】
ハロまたはハロゲンは、異なることが定義されていないとき、好ましくはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、最も好ましくはフルオロ、クロロまたはブロモである。
【0040】
アルキルは、好ましくは1〜10個、好ましくは1〜8個の炭素原子を有するアルキルであり、そして直鎖または分枝鎖である;好ましくは、アルキルはメチル、エチル、1,1−ジメチル−エチル、プロピル、例えばn−プロピルまたはイソプロピル、ブチル、例えばn−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルまたは1,5−ジメチル−ヘキシルである。
【0041】
置換もしくは非置換アルキルは、好ましくは非置換であるか、または置換もしくは非置換アリール、シアノ、非置換であるか、またはフェニル、ヒドロキシ、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、アミノ、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルキル−フェニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、ピリジル、1−ピロリル、イミダゾリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、ピラゾリル、フリル、インドリル、N−C1−C4アルキル−インドリル、イソクロマニル、ベンゾチエニルで置換されたC1−4アルコキシ;非置換であるか、またはクロロ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニル、ピペリジニル、アミノスルホニルもしくはC1−C4アルキルピペラジニルでモノもしくはジ置換されたフェニル;C3−C6シクロアルキル;モルホリン−4−イル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、C1−C4アルキルピペラジニル、非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはオキソで置換されたピロリジニル;C1−C4アルキル−ピラジニル;非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはC2−C4アルカノイルで置換されたピペリジニル;または完全不飽和であり、2〜6個の炭素原子とNおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系でモノ、ジまたはトリ置換された、上記定義のアルキルを意味する。
【0042】
アルコキシは好ましくはC1−C6アルコキシ、とりわけメトキシおよびイソプロポキシである。
【0043】
ヒドロキシアルキルはとりわけヒドロキシ−C1−C4アルキル、好ましくはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチルまたは2−ヒドロキシ−2−プロピルである。
【0044】
アルケニルは、好ましくはC2−C5アルケニル、より好ましくはC3−C5アルケニルであり、とりわけ2−プロペニルまたは2−ブテニルを意味する。
【0045】
アルカノイルは、好ましくはホルミルまたはC1−C4アルキルカルボニル、とりわけアセチルである。
【0046】
置換もしくは非置換C3−C4−シクロアルキルは、とりわけ非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されたシクロプロピルまたはクロブチルを意味する。
【0047】
アリールは非置換であるかまたは置換されていてよく、とりわけ非置換であるか、またはC1−C4アルキル、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、シアノ、モルホリニル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノまたはジ(C1−C4アルキル)−アミノ−スルホニルでモノまたはジ置換されたフェニルを意味する。
【0048】
5〜10個の炭素原子を含み、部分飽和または完全飽和である置換もしくは非置換単環式または二環式環系は、とりわけ好ましくは非置換であるか、またはヒドロキシ、ヒドロキシC1−C4アルキルもしくはカルバモイルで置換された単環式C5−C6シクロアルキル;インダニル、2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシ−インダニルまたは2,3−ジヒドロ−2−インダニルを意味する。
【0049】
完全もしくは部分飽和または完全不飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1または2個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単環式環系は、とりわけ非置換であるか、またはC2−C4アルカノイル、非置換であるか、またはヒドロキシ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルもしくは1−ピロリジニルカルボニルで置換されたC1−C4アルキル;2−ピリミジニル、フェニル、C1−C4アルキルピペリジニルまたはオキソでモノまたはジ置換されたピペラジン;ヒドロキシC1−C4アルキルで置換されたピロリジン、非置換であるか、またはフェニル、ベンジル、1−ピロリジニル、(1H)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル、カルバモイル、C1−C4アルコキシカルボニル、ヒドロキシまたはヒドロキシC1−C4アルキルで置換されたピペリジンテトラヒドロ−ピリミジン;4−C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタン、4−ベンジル−1,4−ジアザ−シクロヘプタン、モルホリンまたは1−C1−C4アルキル−ピラゾリルを意味する。
【0050】
完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単もしくは二環式環系は、とりわけ、N−C1−C4アルキル−インドリル;N−C1−C4アルキル−イミダゾリル;キノキサリニル;C1−C4アルキルでジ置換されたピラゾロ[1,5−a]ピリミジニル;[1,6]ナフチリジニル;フェニルまたはC1−C4アルキルで置換されたオキサゾリル;C1−C4アルキルおよびクロロでジまたはトリ置換されたピラゾリル;非置換であるか、またはC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、フェニル、ピロリジニル、アミノカルボニルまたはC1−C4アルコキシカルボニルで置換されたピペリジニル;4−C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタニル;テトラヒドロチアゾリル;オキソでジ置換されたテトラヒドロピリミジル、非置換であるか、またはC1−C4アルキル、チエニル−C1−C4アルキル、クロロフェニル−C1−C4アルキルおよびオキソから成る群から独立して選択される基でモノまたはジ置換されたピロリジニル;モルホリニル;非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソまたはピリミジルで置換されたピペラジニルを意味する;
【0051】
完全不飽和であり、2〜6個の炭素原子とNおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単もしくは二環式環系は、とりわけベンゾ[c]−1−オキサ−2,5−ジアゾリルである。
【0052】
遊離形の新規化合物と、例えば新規化合物の精製または同定における中間体として使用することができる、その塩形のものとの密接な関係性の観点から、本明細書における遊離化合物に関するあらゆる記載は、適切かつ便宜であるとき、対応する塩についても言及しているものと理解される。
【0053】
かかる塩、とりわけ薬学的に許容される塩は、例えば酸付加塩として、好ましくは有機酸または無機酸で、塩基性窒素原子を有する式rac-(I)のジヒドロイミダゾールから形成させる。好適な無機酸は、例えば塩酸のようなハロゲン酸、硫酸またはリン酸である。
【0054】
単離または精製の目的で、薬学的に許容されない塩、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩を用いることも可能である。治療的使用のためには、薬学的に許容される塩または遊離化合物のみを(医薬組成物の形態で適用可能であるとき)使用するため、これらが好ましい。
【0055】
式rac-(I)のジヒドロイミダゾールは、本明細書に記載のとおり、有用な薬理学的特性を有する。
【0056】
本発明の化合物は、多様な腫瘍細胞系に対して強い抗腫瘍活性を示す。この抗腫瘍活性は、本発明の化合物およびその薬学的に許容される塩が抗がん剤であり得ることを示している。
【0057】
式rac-(I)のジヒドロイミダゾールのp53とMDM2タンパク質間の相互作用阻害能を、例えば組換えGSTタグ化MDM2をp53のMDM2相互作用領域に類似するペプチドと結合させるELISA(酵素結合イムノソルベントアッセイ)によって測定することができる(Bottger et al., J. Mol. Bio. 1997, Vol. 269, pas. 744-756)。このペプチドを96ウェルプレートの表面に、ストレプトアビジン被覆ウェルに結合するN末端ビオチンを介して不動化する。MDM2を各ウェルに抗MDM2マウスモノクローナル抗体(SMP−14、Santa Cruz Biotech)の存在下で加える。未結合のMDM2タンパク質を除去した後、ペルオキシダーゼ結合2次抗体(抗マウスIgG、Roche Molecular Biochemicals)およびペプチド結合MDM2の量を、ペルオキシダーゼ基質(MTB Microwell Peroxydase Substrate System、Kirkegaard & Perry Labs)を加えて熱量分析的に測定する。
【0058】
試験プレートをストレプトアビジン(PBS中5mg/ml)で2時間被覆し、その後PBS(リン酸緩衝化食塩水)で洗浄し、2mg/ml ウシ血清アルブミン(Sigma)および0.05% ツイーン20(Sigma)を含むPBS中ブロッキングバッファー 150mlで、4℃で一晩ブロックして作成する。ビオチニル化ペプチド(1mM)を50ml ブロッキングバッファー中で各ウェルに加え、1時間インキュベーション後、広く洗浄する。試験化合物を分離96ウェルプレート中で希釈し、MDM2タンパク質と抗MDM2抗体の混合物を含む化合物インキュベーションプレートに3連で加える。20分インキュベーション後、プレート内容物を試験プレートに移し、さらに1時間インキュベートする。2次抗マウスIgG抗体を前述の試験プレートに加え、その後PBS中0.05% ツイーンで3回洗浄する。最後に、ペルオキシダーゼ基質を各ウェルに加え、プレートリーダー(MR7000, Dynatech)を用いて450nmで吸収を測定する。試験化合物の阻害活性を、処理ウェル対非処理ウェルの結合MDM2の割合として測定し、IC50を計算する。
【0059】
上記のもののようなアッセイにおいて、本発明の化合物は、例えば約70nM〜約2mMのIC50を示す。
【0060】
これらの研究に基づいて、式rac-(I)のジヒドロイミダゾールはとりわけ増殖性疾患に対する治療効果を示す。好ましくは、増殖性障害はがんであり、最も好ましくはがんは乳がん、結腸がん、肺がんまたは前立腺がんである。
【0061】
薬物動態データを下記の試験によって得ることができる:
試験する式rac-(I)のジヒドロイミダゾールを、IFACREDO, FranceのメスOF1マウスに投与するために、最初にN−メチル−ピロリドン(NMP)に溶解させ、次いでPEG300で最終濃度10% v/v NMP:90% v/v PEG300に希釈して当該化合物の透明溶液を製造して製剤する。10mL/kg体重の一定体積を送達するように濃度を調節する。当該化合物を、使用の直前に製造する。製剤化した化合物を経口的に、胃管栄養法によって投与し、用量50mg/kgを投与する。割当時間で、マウス(各時点で4匹)を3%イソフルランで医学酸素中に麻酔し、血液サンプルをヘパリン化(約30IU/mL)チューブで心臓穿刺して得る。該動物を、麻酔から回復させずに殺す。血漿を血液から遠心分離(10,000g、5分)して製造し、速やかに分析するか、または−70℃で凍結保存する。
【0062】
血漿サンプル(10〜250μL)を、例えば5μL 内部標準でスパイクし、200μL 0.1M NaOHおよび500μL クロロホルムと1.5mL エッペンドルフチューブ内で混合し、エッペンドルフミキサーで10分間激しく撹拌する。その後、混合物を遠心分離し(3分、10’000×g)、有機相を2次エッペンドルフチューブに移し、真空遠心分離(Speedvac 5301)によって蒸発乾固させる。乾燥残渣を例えば、0.1%ギ酸を含む250μL 水中10% v/v アセトニトリル中に溶解させる。続く分析を、例えば真空脱気装置、バイナリポンプおよび冷却自動サンプラーシステム(HTS PAL, CTC Analytics, Zwingen, Switzerland)と組み合わせた恒温カラムコンパートメントを備えた高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(HPLC/MS−MS)によって、Agilent 1100 Series(Agilent, Palo Alto, CA, USA)HPLCシステムを用いて行う。サンプル(5−15μL)を例えば、Ultra Phenylカラム(粒子径3μm、50×1mm; Restek, Bellefonte, USA)に、同じ材質のガードカラム(4×2mm)(Phenomenex, Torrance, USA)で注入する。水で平衡化し、1分間の潜伏期間の後、サンプルを例えば直線グラジエント 0.2% v/v ギ酸を含む水中0−100%アセトニトリルで11分間、流速60μL/分で溶出させる。次のサンプルのために、例えば3分間100%水で再平衡させて初期状態として、カラムを作成する。
【0063】
分離を例えばカラム温度40℃で行う。カラム流出物を例えば、Masslynx(商標)3.5ソフトウェア(Micromass, Manchester, UK)によって制御される、イオン化技術としてエレクトロスプレーイオン化陽性モード(ESI+)を用いる3段階4重極マススペクトロメーター(Quattro Ultima(商標), Micromass, Manchester, UK)のイオン源に、直接導入する。化合物をMS/MSで検出し、次に親化合物のフラグメンテーションを行う。定量の限界を、例えば0.002nmol/Lで測定する。キャリブレーション曲線を、上記のとおり処理する血漿中、固定量の内部標準を含む既知の量の化合物で構築する。未知サンプルの濃度を、名目濃度(横座標)に対する内部標準の生成物(縦座標)と、分析物の選択した娘イオンのピーク面積比のプロットから計算する。回帰分析を、Quanlynx(商標), Masslynx(商標)ソフトウェア 3.5 (Micromass, Manchester, UK)を用いて行う。
【0064】
式rac-(I)のジヒドロイミダゾールを単独で、または1種以上の他の治療剤と組み合わせて投与することができ、可能な組合せ治療は、固定された組合せ剤の形態、または本発明の化合物と1種以上の他の治療剤を別個に、または互いに独立して投与する形態、または固定された組合せ剤と1種以上の他の治療剤の組合せ投与の形態を取る。さらにまたはそれに加えて、式rac-(I)のジヒドロイミダゾールは、とりわけ化学療法、放射線療法、免疫療法、外科手術またはこれらの組合せと組み合わせた腫瘍治療のために投与することができる。長期治療は、上記他の治療戦略の中でのアジュバント治療として等しく可能である。他の可能な処置は、腫瘍退縮後の患者の状態を維持する治療、または例えばリスクのある患者における化学予防治療である。
【0065】
可能な組合せのための治療剤は、とりわけ1種以上の抗増殖性化合物、細胞増殖抑制化合物または細胞毒性化合物、例えば化学療法剤または下記群から選択される多様な薬剤であるが、これらに限定されない:ポリアミン生合成の阻害剤、とりわけセリン/スレオニンプロテインキナーゼ、例えばプロテインキナーゼCの阻害剤、またはチロシンプロテインキナーゼ、例えばEGF受容体チロシンキナーゼ、VEGF受容体チロシンキナーゼの阻害剤、例えばPTK787、Avastin(登録商標)、またはPDGF受容体チロシンキナーゼの阻害剤、例えばSTI571、サイトカイン、負の増殖制御剤、例えばTGF−βまたはIFN−β、アロマターゼインヒビター、例えばレトロゾールまたはアナストロゾール、SH2とリン酸化タンパク質の相互作用の阻害剤、抗エストロゲン剤、トポイソメラーゼI阻害剤、例えばイリノテカン、トポイソメラーゼII阻害剤、未償還活性化剤、例えばパクリタキセル、ディスコデルモリドまたはエポチロン、アルキル化剤、抗新生物性代謝拮抗剤、例えばゲムシタビンまたはカペシタビン、プラチナ化合物、例えばカルボプラチンまたはシスプラチン、抗血管形成化合物、ゴナドレリンアゴニスト、抗アンドロゲン剤、ビスホスホネート、例えばAREDIA(登録商標)またはZOMETA(登録商標)、およびトラスツズマブ。コード番号、一般名または商品名で同定した活性剤の構造は、標準的概要書“The Merck Index”の現行版またはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)から得ることができる。対応する内容を、参照により本明細書の一部とする。
【0066】
本発明によって、式rac-(I)のジヒドロイミダゾールまたはその互変異性体、または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の薬学的に許容される塩を、増殖性疾患を有する動物、好ましくは温血動物、とりわけヒトの処置に使用することができる。より具体的には、本発明は、増殖性疾患の処置用医薬の製造における式rac-(I)のジヒドロイミダゾールまたはその互変異性体、または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0067】
さらにまた、本発明はMDM2タンパク質とp53様ペプチドの相互作用の調節に応答する疾患を処置する方法であって、式rac-(I)のジヒドロイミダゾールまたはその互変異性体、または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の薬学的に許容される塩を当該疾患に有効な量で、かかる処置を必要とする温血動物に投与することを含む方法を提供する。
【0068】
本発明の化合物を、本発明の新規化合物に対して今までは適用されてないが、自体公知の方法、とりわけmが0であり、他の記号および基は式(I)の化合物について定義の意味を有する式rac-(I)の化合物の合成のための下記方法によって特徴付けられる方法によって製造することができる:
式rac-(II)
【化3】

〔式中、記号および基は式rac-(I)の化合物について定義の意味を有する〕
の化合物を、第1の工程において、好適な薬剤と反応させて、環窒素上の水素を保護基PGで置換し、そして第2の工程において、二酸化炭素と共にブチルリチウムのような強塩基で脱保護して、式rac-(III)
【化4】

〔式中、記号および基は式rac-(I)の化合物について定義の意味を有する〕
のカルボン酸を得る。保護基PGを好適な反応条件下で切断して、式rac-(I)の化合物を得る;
(ここで、上記式rac-(II)およびrac-(III)の出発化合物は、保護形態で、塩形成基が存在し、かつ塩形での反応が可能であるときは、所望により、および/または塩形で、さらなる官能基と共に存在していてもよい);
式rac-(I)の化合物の保護誘導体の何れかのさらなる保護基を除去し;
そして、所望により、得られる式rac-(I)の化合物を他の式rac-(I)の化合物に変換し、遊離形の式rac-(I)の化合物を塩形に変換し、得られる塩形の式rac-(I)の化合物を遊離化合物または他の塩に変換し、そして/または式rac-(I)の化合物の異性体の混合物を個々の異性体に分離する。
【0069】
他の式rac-(I)のジヒドロイミダゾールを、得られる式rac-(I)のジヒドロイミダゾールから、当該技術分野において既知のアルキル化またはアシル化反応によって製造することができる。
【0070】
式rac-(II)の出発物質は、先行技術文献、とりわけUS 2004/0259867、US 2004/0259884、WO03/051360A1、WO03/051359A1 および WO2005/110996A1から既知であるか、または本明細書に記載の方法と同様に製造することができる。
【0071】
保護基は前駆体に既に存在していてもよく、望まれない2次的反応、例えばアシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解および同様の反応に関与する官能基を保護するべきである。保護基の特徴は、それ自体が容易に、すなわち望ましくない2次的反応なしに、典型的には加溶媒分解、還元、光分解または酵素活性によって、例えば生理的条件に類似する条件下で除去され、そしてそれが最終生成物には存在しないことである。どの保護基が本明細書に記載の反応に好適であるかは、当業者に既知であるか、容易に確立することができる。
【0072】
かかる保護基による当該官能基の保護、保護基それ自体、およびその除去反応は、例えば下記ペプチド合成のための標準的な参考書、および保護基についての専門書、例えばJ. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973、“Methoden der organischen Chemie” (Methods of organic chemistry), Houben-Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、および T. W. Greene, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Wiley, New Yorkに記載されている。
【0073】
塩は、通常遊離化合物に、例えば好適な塩基性薬剤、例えばアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、またはアルカリ金属ヒドロキシド、例えば炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処理して変換することができる。
【0074】
立体異性体混合物、例えばジアステレオマーの混合物を、自体公知の方法で、好適な分離方法によってその対応する異性体に分離することができる。ジアステレオマー混合物は例えば、分画結晶化、クロマトグラフィー、溶媒分配および同様の方法によって個々のジアステレオマーに分離することができる。この分離は出発化合物のレベルで、または式(I)の化合物それ自体において行うことができる。エナンチオマーは、例えばエナンチオマー純粋なキラル酸との塩形成によるジアステレオマー塩の形成によって、またはクロマトグラフィー、例えばキラルリガンドを含むクロマトグラフ基質を用いるHPLCによって分割することができる。
【0075】
本明細書に記載の全ての方法工程を、既知の反応条件下、好ましくは具体的に記載のもので、好ましくは使用する試薬に不活性であり、これらを溶解させることができる溶媒または希釈剤の非存在下または通常存在下、触媒、縮合剤または中和剤、例えばイオン交換剤、典型的には例えばH+形態のカチオン交換剤の非存在下または存在下、反応および/または反応物のタイプに依存して、低温、常温または高温で、例えば−100℃〜約190℃、好ましくは約−80℃〜−60℃、室温、−20〜40℃で、または使用する溶媒の沸点で、大気圧下、または加圧下が適切であるとき密封容器中で、および/または不活性雰囲気、例えばアルゴンまたは窒素下で行うことができる。
【0076】
塩は全ての出発化合物および遷移体に、これらが塩形成基を含むとき、存在していてもよい。反応が阻害されないならば、塩がかかる化合物の反応中に存在していてもよい。
【0077】
全ての反応段階で、生じる異性体混合物を個々の異性体、例えばジアステレオマーまたはエナンチオマーに、または異性体の混合物、例えばラセミ体またはジアステレオマー混合物に分離することができる。
【0078】
本発明はまた、何れかの段階で遷移体として得られる化合物から開始して残りの段階を行うか、または何れかの段階で処理を中断するか、または出発物質を反応条件下で形成させるか、もしくは当該出発物質を反応性誘導体もしくは塩の形態で使用するか、または本発明の方法によって得られる化合物を製造して当該化合物をインサイチュで処理する形態に関する。好ましい態様において、好ましいと、とりわけ、とりわけ好ましいと、第1に好ましいおよび/または上記好ましいと記載の化合物を導く出発物質から開始する。
【0079】
好ましい態様において、式rac-(I)のジヒドロイミダゾールを実施例に記載の方法および方法工程に従って、またはそれと同様にして、製造する。
【0080】
本発明はまた、有効成分として式rac-(I)のジヒドロイミダゾールを含み、とりわけ冒頭に記載の疾患の処置に使用することができる医薬組成物に関する。温血動物、とりわけヒトに経腸投与、例えば経鼻、頬側、直腸またはとりわけ、経口投与するための、および非経腸投与、例えば静脈内、筋肉内または皮下投与するための組成物がとりわけ好ましい。該組成物は有効成分を単独で、または好ましくは薬学的に許容される担体と共に含む。有効成分の投与量は、処置する疾患、および種、年齢、体重および個体の状態、個体の薬物動態データおよび投与形態に依存する。
【0081】
本発明はとりわけ、式rac-(I)のジヒドロイミダゾール、互変異性体または薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0082】
本発明はまた、ヒトおよび動物の体の予防的またはとりわけ治療的マネージメントのための方法に使用する医薬組成物、(とりわけ腫瘍の処置用組成物の形態における)その製造方法、および腫瘍疾患、とりわけ上記のものを処置する方法に関する。
【0083】
本発明はまた、活性成分(有効成分)として式rac-(I)のジヒドロイミダゾールを含む医薬組成物の製造のための方法、および式rac-(I)のジヒドロイミダゾールの使用に関する。
【0084】
該医薬組成物は、有効成分約1%〜約95%を含み、単位用量投与形態は好ましい態様において、有効成分約20%約90%を含み、そして単位用量タイプではない形態は、好ましい態様において有効成分約20%を含む。単位用量形態は、例えばコーティングおよび非コーティング錠剤、アンプル、バイアル、座薬またはカプセル剤である。さらなる投与形態は、例えば軟膏、クリーム、ペースト、泡、チンキ、リップスティック、ドロップ、スプレー、分散剤等である。例えば、カプセル剤は有効成分約0.05g〜約1.0gを含む。
【0085】
本発明の医薬組成物は、自体公知の方法で、例えば常套の混合、造粒、コーティング、溶解または凍結乾燥プロセスにおいて製造する。
【0086】
経口投与用医薬組成物を例えば、有効成分と1種以上の固体担体を混合し、所望により得られた混合物を造粒し、該混合物または顆粒を処理し、所望または必要により、さらなる賦形剤を加えて錠剤または錠剤コアを形成させて得ることができる。
【0087】
例えば非経腸投与に使用されるような溶液は、輸液溶液としても使用することができる。
【0088】
本発明はまた、本明細書に上記した病的状態の1つ、とりわけ対応する腫瘍性疾患を処置するプロセスまたは方法に関する。式rac-(I)のジヒドロイミダゾールまたはその薬学的に許容される塩をそれ自体で、またはとりわけ医薬組成物の形態で、予防的または治療的に、好ましくは前記疾患に有効な量で、かかる処置を必要とする温血動物、例えばヒトに投与することができる。体重約70kgの個体の場合、投与する1日用量は本発明の化合物約0.05g〜約5g、好ましくは約0.25g〜約1.5gである。
【0089】
下記実施例を、本発明の説明のために、本発明の範囲を限定することなく提供する。
【0090】
略語
【表1】

【0091】
下記実施例を、本発明の説明のために、本発明の範囲を限定することなく提供する。温度は摂氏度(℃)で測定する。異なることが記載されていない限り、反応を室温で行う。
【実施例】
【0092】
実施例
下記分析システムを用いた:
分取MPLC(システム1):Labomatic MPLC システム、直線グラジエント:ヘキサン/tert−ブチルメチルエーテル 90:10から50:50で50分、次にヘキサン/tert−ブチルメチルエーテル 50:50で40分溶出、カラム:200g シリカゲル順相。
【0093】
分析LC−MSシステム(システム2):Micromass ZQ MS検出を有するWaters 2795 HPLC システム−グラジエント 0.05% TFA/アセトニトリルを含む水と0.05% TFA、95:5から5:95で8分、直線グラジエント、流速:1.4mL/分、カラム:Macherey-Nagel 70/4.6 Nucleosil 100-3 C18、プレカラム:CC 8/3 Nucleosil 100-3 C18。
【0094】
分取LC−MS(システム3):Micromass ZQ MS検出を有するWaters 2525 HPLC システム。0.1% TFAを含む5%水性アセトニトリルで1分溶出、次に5%水性アセトニトリルから95%水性アセトニトリル(いずれも0.1% TFAを含む)の直線グラジエントで7分、流速30mL/分でWaters Sunfire(商標)prep C-18カラム 19×100mm、5umを用いる。所望の生成物を質量検出に基づいて1つの分画で回収する。
【0095】
分析LC−MS(システム4):Micromass ZQ MS 検出を有するWaters 2795 HPLCシステム−グラジエント 0.05% TFA/アセトニトリルを含む水と0.05% TFA、95:5から5:95で4分、直線グラジエント、流速:1.8mL/分、カラム:Macherey-Nagel 70/4.6 Nucleosil 100-3 C18、プレカラム: CC 8/3 Nucleosil 100-3 C18。
【0096】
分取LC−MSシステム(システム5):Micromass ZQ MS 検出を有するWaters 2525 HPLC システム。0.1% TFAを含む20%水性アセトニトリルで2分溶出、次に20%水性アセトニトリルから75%水性アセトニトリル(いずれも0.1% TFAを含む)の直線グラジエントで8分、流速30mL/分でWaters Sunfire(商標)prep C-18カラム 19×100mm、5umを用いる。所望の生成物をマスおよびUV(220nm)よって混合分画で回収する。
【0097】
分取LC−MSシステム(システム6):Micromass ZQ MS検出を有するWaters 2525 HPLC システム。0.1% TFAを含む5%水性アセトニトリルで1分溶出、次に20%水性アセトニトリルから80%水性アセトニトリル(いずれも0.1% TFAを含む)の直線グラジエントで7分、流速30mL/分でWaters Sunfire(商標)prep C-18カラム 19×100mm、5umを用いる。所望の生成物を質量検出に基づいて1つの分画で回収する。
【0098】
分析LC−MSシステム(システム7): Micromass ZQ MS 検出を有するWaters 2795 HPLC システム−グラジエント 0.05% TFAを含む/アセトニトリルと0.05% TFA、95:5から5:95で8分、直線グラジエント、流速:1.4mL/分、次に0.05% TFAを含む水95%で2分間溶出、カラム:Macherey-Nagel 70/4.6 Nucleosil 100-3 C18、プレカラム: CC 8/3 Nucleosil 100-3 C18。
【0099】
分取LC−MS システム(システム8):Micromass ZQ MS 検出を有するWaters 2525 HPLCシステム−グラジエント 0.1% トリフルオロ酢酸を含む下記組成の水性アセトニトリルを移動相として、流速30ml/分でWaters Sunfire(商標)C-18カラム19×100mm、5μmで用いる:直線グラジエント 5%水性アセトニトリルから50%水性アセトニトリルで1.5分、次に直線グラジエント 50%水性アセトニトリルから95%水性アセトニトリルで7.5分、次に直線グラジエント95%水性アセトニトリルから100%アセトニトリルで1.0分。生成物の回収をMSシグナルによって開始する。
【0100】
分析LC−MSシステム(システム9):Micromass ZMD MSを有するAgilent 1100 LC HPLC システム。移動相として2種グラジエントA(5% アセトニトリルと0.2%ギ酸を含む水)およびB(0.2%ギ酸を含むアセトニトリル)を、流速0.7ml/分でWaters X Terra(商標)C-18カラム 3×30mm、2.5μmで用いる:95%Aで0.5分間定組成溶離、次に直線グラジエント95%から5% Aで3.0分、次に5% Aで1分間定組成溶離。
【0101】
実施例1:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルトリフルオロ酢酸塩
500mL丸底フラスコ中、trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1,5−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル5−エチルエステル(工程1.9、14g、22.3mmol)をジクロロメタン中10% v/v トリフルオロ酢酸(100mL)の氷冷溶液に加える。反応混合物を0℃で0.5時間、次に室温で10時間撹拌する。真空下で濃縮後、表題化合物を白色固体として得る、1HNMR (400Hz, DMSO-d6) δ 1.28 (3H, t), 1.37 (6H, d), 3.91 (3H, s), 4.36-4.41 (2H, m), 4.93 (1H, t), 6.16 (1H, s), 6.84 (2H, t), 7.05-7.12 (4H, m), 7.28 (4H, t), 7.86 (1H, d), 10.6 (1H, s), 11.29 (1H, s)。
【0102】
工程1.1:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンズアミド
500mL丸底フラスコ中、4−メトキシサリチル酸(20g、118.9mmol)、塩化オキサリル(20.5mL、237.88mmol)およびジクロロメタン(100mL)0℃で0.5時間撹拌し、次に40−50℃で2時間温める。溶媒および過剰の塩化オキサリルを減圧下で蒸発させる。残渣をジクロロメタン(200mL)に再び溶解させ、アンモニアガスでこの溶液を1時間パージし、次にこれを48時間室温で撹拌する。溶媒を除去し、粗物質を熱酢酸エチル中に再溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、表題化合物を淡黄色固体として得る、1HNMR (400Hz, DMSO-d6) δ 3.81 (3H, s), 6.41 (2H, s), 7.73 (2H, t), 8.21 (1H, s), 13.43 (1H, s)。
【0103】
工程1.2:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾニトリル
1L丸底フラスコ中、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンズアミド(工程1.1、19.5g、116.76mmol)、トリエチルアミン(33mL、234.12mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(23.3mL、140.48mmol)および無水ジクロロメタン(500mL)を混合し、反応混合物を0.5時間、氷冷条件、次に室温で12時間撹拌する。反応混合物を蒸留水(2×100mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させ、粗物質をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中15%酢酸エチル)に供して、表題化合物を淡黄色固体として得る、1HNMR (400Hz, CDCl3) δ 3.90 (3H, s), 6.97 (2H, t), 7.65 (1H, d)。
【0104】
工程1.3:2−イソプロポキシ−4−メトキシ−ベンゾニトリル
250mL丸底フラスコ中、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾニトリル(工程1.2、9.11g、61.07mmol)、炭酸カリウム(17g、122.3mmol)、2−ヨードプロパン(12mL、122.28mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド(70mL)を12時間70℃で撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過する。濾液を水(500mL)で希釈し、ヘキサン中50%酢酸エチルで抽出し;有機層を水(2×200mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させる。最終的に、純粋な表題化合物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、ヘキサン中10%酢酸エチル)によって、淡黄色固体として得る、1HNMR (400Hz, CDCl3) δ 1.37 (6H, d), 3.82 (3H, s), 4.55-4.62 (1H, m), 6.43-6.49 (2H, m), 7.45 (1H, d)。
【0105】
工程1.4:4−クロロ−N−[(S)−2−[(4−クロロ−ベンジルidene)−アミノ]−1,2−ビス−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド
1L丸底フラスコ中、4−クロロベンズアルデヒド(100g、711.4mmol))および酢酸アンモニウム(200g)を200℃で5時間加熱する。反応混合物を冷却し、水で希釈し、得られた固体を焼結漏斗で濾過し、固体を空気中で数時間乾燥させる。これをヘキサン中10%酢酸エチルで洗浄して未反応の4−クロロベンズアルデヒドを除去し、最終的に所望の表題化合物を、結晶状白色固体として得る。
【0106】
工程1.5:(1S,2R)−1,2−ビス−(4−クロロ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
1L丸底フラスコ中、4−クロロ−N−[(S)−2−[(4−クロロ−ベンジルidene)−アミノ]−1,2−ビス−(4−クロロ−フェニル)−エチル]−ベンズアミド(工程1.4、80g、156mmol)および70%硫酸(350mL)を160℃で4時間還流させる。反応混合物を冷却し、砕いた氷(500g)に注ぐ。水層を酢酸エチルで洗浄して不純物を除去する。水層のpHを4M 水酸化ナトリウム水溶液で調節し、酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、表題化合物を白色結晶固体として得る。
【0107】
工程1.6:2−イソプロポキシ−4−メトキシ−ベンズイミド酸塩酸エチルエステル
250mL丸底フラスコ中に2−イソプロポキシ−4−メトキシ−ベンゾニトリル(工程1.3、16g、83.66mmol)および無水エタノール(70mL)を加え、乾燥塩化水素ガスをこの溶液に1時間通し、6時間室温で撹拌する。反応物を減圧下で濃縮して、粘性の液体を得る。最終的にこれをメチルt−ブチルエーテルから結晶化する。表題化合物を白色結晶固体として得る、1HNMR (400Hz, DMSO-d6)δ 1.35 (6H, d), 1.43 (3H, t), 3.88 (3H, s), 4.55 (2H, q), 4.88-4.94 (1H, m), 6.72-6.80 (2H, m), 7.75 (1H, d), 10.5 (1H, br s), 11.1 (1H, br, s)。
【0108】
工程1.7:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール
250mL丸底フラスコ中、2−イソプロポキシ−4−メトキシ−ベンズイミド酸塩酸エチルエステル(工程1.6、14g、51.13mmol)、(1S,2R)−1,2−ビス−(4−クロロ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン(工程1.5、14.4g、51.23mol)および無水エタノール(170mL)を90℃で12時間還流させる。反応混合物を冷却し、減圧下で蒸発させる。所望の化合物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、100%酢酸エチル)によって、淡黄色固体として得る、1HNMR (400Hz, CDCl3) δ 1.37 (6H, d), 3.86 (3H, s), 4.70-4.73 (1H, m), 5.40 (2H, s), 6.53 (1H, s), 6.63 (1H, dd), 6.89 (4H, d), 7.03 (4H, d), 8.39 (1H, d)。
【0109】
工程1.8:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
500mL丸底フラスコ中、4,5−ビス−(4−クロロフェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール(工程1.7、15.5g、34mmol)、ジメチルアミノピリジン(6.2g、51mmol)、ジ−tert−ブチルジカルボネート(15.6mL、68mmol)およびテトラヒドロフラン(150mL)を室温で12時間撹拌する。反応混合物を減圧下で蒸発させ、表題化合物をカラムクロマトグラフィー(100−200メッシュシリカゲル、10%酢酸エチル)によって淡黄色固体として得る、1HNMR (400Hz, CDCl3) δ 1.16 (9H, s), 1.32 (3H, d), 1.42 (3H, d), 3.82 (3H, s), 4.66 (1H, t), 5.50 (1H, d), 5.60 (1H, d), 6.48 (2H, d), 6.94-7.08 (8H, m), 7.43 (1H, d)。
【0110】
工程1.9:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1,5−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル5−エチルエステル
500mL2首丸底フラスコに、tert−ブチルリチウム(テトラヒドロフラン中1.7M)(25.42mL、43.21mmol)を、冷温(−78℃)で、trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(工程1.8、16g、28.8mmol)の無水テトラヒドロフラン(60mL)溶液に、撹拌下、アルゴン雰囲気下で加える。該混合物を−40℃に温める。0.5時間後、反応混合物を−78℃に再冷却し、無水テトラヒドロフラン(30mL)中に溶解させたクロロギ酸エチル(3.75g、34.56mmol)を加える。反応混合物を室温で12時間撹拌する。反応を飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチする。濃縮後、残渣を酢酸エチルで抽出する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(中性アルミナ、ヘキサン中3%酢酸エチル)で精製する、1HNMR (400Hz, CDCl3) δ 1.15 (9H, s), 1.20-1.25 (6H, m), 1.36 (3H, d), 3.82 (3H, s), 4.23-4.28 (2H, q), 4.62 (1H, t), 6.12 (1H, s), 6.46-6.50 (2H, m), 6.99-7.01 (4H, m), 7.06-7.10 (4H, m), 7.40 (2H, d)。
【0111】
実施例2:1−(4−アセチル−ピペラジン−1−カルボニル)−trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
1−クロロカルボニル−trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(30mg、0.051mmol)の1,2−ジクロロエタン(1mL)溶液を、1−アセチルピペラジン(10.2mg、0.08mmol)とトリエチルアミン(28.4μL、0.203mmol)の混合物に、5℃に冷却して、撹拌下、加える。反応混合物を5℃で30分間撹拌する。該溶液を減圧下で蒸発させる。粗生成物を、分取LC−MSシステム(システム3)を用いて精製して、所望の化合物を得る、LC−MS(システム4)([M+H]+ = 681.25, 保持時間 = 3.22分)。
【0112】
工程2.1:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルトリフルオロアセテート塩(実施例1、1.746g、2.722mmol)を酢酸エチル(100mL)中に溶解させ、飽和炭酸カリウム水溶液で4回(4×50mL)抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で乾燥させて、trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル遊離塩基を淡黄色粉末として得る。単離生成物をLC−MS(システム4)で同定する([M+H]+ = 527.08, 保持時間 = 3.28分)。
【0113】
工程2.2:1−クロロカルボニル−trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(工程2.1、2.5g、4.74mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液を0℃に冷却し、連続的にトリエチルアミン(1.33mL、9.54mmol)およびホスゲン(7.0mL、14.2mmol、トルエン中20%)を加える。反応混合物を0℃、アルゴン雰囲気下で30分間撹拌する。溶媒および過剰の薬剤を減圧下で蒸発させ、残渣をMPLC分取システム(システム1)で精製して、所望の化合物を白色泡状物として得る、LC−MS (システム2)([M+H]+ = 589.01, 保持時間 = 7.47分)。
【0114】
実施例3:ウレア誘導体
1−クロロカルボニル−trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(工程2.2、15mg、0.025mmol)の1,2−ジクロロエタン(0.5mL)溶液を、多様なアミン(1.5当量)とトリエチルアミン(4当量)のジクロロメタン(0.5mL)溶液に、5℃で冷却して加える。反応混合物を5℃で30分間撹拌する。該溶液をニードル気流エバポレーターで蒸発させる。残渣を分取LC−MSシステム(システム5)で精製を行い、LC−MS(システム4)で制御する。
【化5】

【0115】
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【0116】
実施例4:trans−4,5−ビス−(4−クロロフェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(ピリジン−4−イルメチル)−アミドトリフルオロ酢酸塩
trans−4,5−ビス−(4−クロロフェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(工程4.1;50mg、0.1mmol)の250μL N,N−ジメチルホルムアミド溶液に、撹拌下、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(76mg、0.2mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(35μL、0.2mmol)を加える。反応物を1時間、室温で撹拌する。4−アミノメチルピリジン(21μL、0.2mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(35μL、0.2mmol)の250μL N,N−ジメチルホルムアミド溶液を加える。反応物を一晩室温で撹拌する。粗物質を分取LC−MSシステム(システム3)を用いて直接精製して、所望の化合物を得る、LC−MS(システム2)([M+H]+ = 598.09, 保持時間 = 2.63分)。
【0117】
工程4.1:trans−4,5−ビス−(4−クロロフェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−3H−イミダゾール−4−カルボン酸
trans−4,5−ビス−(4−クロロフェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルトリフルオロ酢酸塩(実施例1、1g、1.56mmol)の水(3mL)およびエタノール(3mL)溶液に、1N 水酸化カリウム溶液(7.8mL、7.8mmol)を加える。反応を密封容器マイクロウェーブ加熱下、120℃で10分間、Biotage Initiator(商標)を用いて行う(前撹拌:15秒、吸収レベル:高)。反応混合物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、固体クエン酸でpH=7まで中和する。水層を酢酸エチル(3×25mL)で抽出する。合併した有機層を塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、所望の化合物を淡白色固体として得る。単離生成物をLC−MS(システム4)で同定する([M+H]+ = 499.01, 保持時間 = 3.03分)。
【0118】
実施例5:アミド誘導体
trans−4,5−ビス−(4−クロロフェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(実施例1、1.68g、3.36mmol)の22mL N,N−ジメチルホルムアミド溶液に、撹拌下、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(2.55g、6.73mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.35mL、13.5mmol)を加える。反応物を1時間室温で撹拌する。この溶液を96ウェルラックの各チューブにわたって分配する(250μL、0.04mmol)。各チューブにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(14μL、0.08mmol)を加え、次に85種類のアミンの1つ(0.08mmol、2当量)を加える。ラックを一晩室温で振盪する。粗生成物を、分取LC−MSシステム(システム3)を用いて精製する。
【化6】

【0119】
【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【0120】
実施例6:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−1−(3−メトキシ−ベンジル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
【化7】

trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(実施例1、25mg、0.047mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)の溶液に、連続的に炭酸セシウム(31.2mg、0.0948mmol)および1−ブロモメチル−3−メトキシ−ベンゼン(15.3mg、1.2mmol)を加える。反応混合物を激しく一晩、室温で撹拌する。ガラスフリッターで濾過した後、該溶液を、分取LC−MSシステム(システム5)を用いて直接精製して、所望の化合物をトリフルオロ酢酸塩として得る、LC−MS(システム4)([M+H]+ = 647.23, 保持時間 = 3.60分)。
【0121】
実施例7:N−アルキル化誘導体
実施例6に記載の方法によって、下記化合物を製造する。
【化8】

【表18】

【0122】
実施例8:1−アシル−trans−4,5−ジヒドロイミダゾール
ガラスチューブのアレイに55種類のカルボン酸RCOOH(0.08mmol)の1つを、各チューブに加える。200μL trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(1.44g、2.73mmol)の19.2ml N,N−ジメチルホルムアミド溶液を、各チューブに加え、次いで各チューブにトリエチルアミン(11.8μL、0.085mmol)を加える。N,N−ジメチルホルムアミド中プロピルホスホン酸無水物(54μL、0.085mmol)の50%溶液をゆっくりと、室温で該反応混合物に加える。全チューブをアルミニウムキャップで封し、室温で80時間、継続的に300rpmでの振盪下反応させる。アレイを50℃で17時間、さらに48時間、65℃でインキュベートする。メタノール(0.8mL)を各チューブに加え、反応混合物を0.45μm PTFA膜で個々に濾過する。濾液を分取LC−MS方法(システム8)で精製する。
【化9】

【0123】
【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【0124】
(a)対応するN−BOC保護カルボン酸を合成に用いる
N−BOC脱保護方法:所望のN−BOC保護化合物を含むフラクションをプールし、溶媒を蒸発させる。トリフルオロ酢酸(400μl)、ジクロロメタン(500μl)および水(100μl)の混合物を加える。反応混合物を室温で17時間静置し、その後溶媒を除去する。
【0125】
実施例9:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−1−エテンスルホニル−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
トリエチルアミン(712.5μL、5.12mmol)と2−クロロエタンスルホニルクロライド(549μL、5.12mmol)を連続的に、trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(工程2.1、450mg、0.853mmol)のジクロロメタン(13mL)溶液に加える。反応物を一晩室温で撹拌する。蒸発後、得られた残渣を、順相(40g SiO、流速40mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)Companion(商標)フラッシュクロマトグラフィーシステムで、直線グラジエント:ヘキサン/tert−ブチルメチルエーテル 50:50で2分間、次いで50:50から100% tert−ブチルメチルエーテルで16分間溶離で精製する。生成物を白色固体として単離し、LC−MS(システム4)で同定する([M+H]+ = 617.06, 保持時間 = 3.84分)。
【0126】
実施例10:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−1−(2−モルホリン−4−イル−エタンスルホニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−1−エテンスルホニル−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(実施例11、18mg、0.029mmol)のトルエン(700μL)溶液に、モルホリン(9μL、0.1mmol)を加える。該反応を、密封容器マイクロウェーブ加熱下、120℃で10分間、Biotage Initiator(商標)を用いて行う(前撹拌:15秒、吸収レベル:通常、マイクロウェーブバイアルサイズ 0.5−2mL)。蒸発後、得られた残渣を、標準相(40g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)Companion(商標)フラッシュクロマトグラフィーシステムで、直線グラジエント:ジクロロメタン100%で2分、次いでジクロロメタン/tert−ブチルメチルエーテル50:50で13分溶離、ジクロロメタン/tert−ブチルメチルエーテル50:50で5分間溶離で精製する。生成物を白色固体として単離し、LC−MS(システム4)で同定する([M+H]+ = 704.22, 保持時間 = 3.30分)。
【0127】
実施例11:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−1−{2−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−エタンスルホニル}−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−1−エテンスルホニル−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(実施例11、30mg、0.049mmol)のトルエン(700μL)溶液に、ヒドロキシエチルピペラジン(20.9μL、0.17mmol)を加える。該反応を、密封容器マイクロウェーブ加熱下、120℃で10分間、Biotage Initiator(商標)を用いて行う(前撹拌:15秒、吸収レベル:通常、マイクロウェーブバイアルサイズ 0.5−2mL)。蒸発後、得られた残渣を、標準相(40g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)Companion(商標)フラッシュクロマトグラフィーシステムで、直線グラジエント:ジクロロメタン100%で2分、次いでジクロロメタン/tert−ブチルメチルエーテル50:50で13分溶離、ジクロロメタン/tert−ブチルメチルエーテル50:50で5分間溶離で精製する。生成物を白色固体として単離し、LC−MS(システム4)で同定する([M+H]+ = 747.30, 保持時間 = 3.17分)。
【0128】
実施例12:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−1−[2−(3−オキソ−ピペラジン−1−イル)−エタンスルホニル]−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−1−エテンスルホニル−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(実施例11、30mg、0.049mmol)のトルエン(700μL)溶液に2−オキソ−ピペラジン(17mg、0.17mmol)を加える。該反応を、密封容器マイクロウェーブ加熱下、120℃で10分間、Biotage Initiator(商標)を用いて行う(前撹拌:15秒、吸収レベル:通常、マイクロウェーブバイアルサイズ 0.5−2mL)。蒸発後、得られた残渣を、順相(40g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)Companion(商標)フラッシュクロマトグラフィーシステムで、直線グラジエント:ジクロロメタン100%で2分、次いでジクロロメタン/メタノール90:10で20分溶離で精製する。生成物を白色固体として単離し、LC−MS(システム4)で同定する([M+H]+ = 717.21, 保持時間 = 3.40分)。
【0129】
実施例13:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−1−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エタンスルホニル]−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−1−エテンスルホニル−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(実施例 11、30mg、0.049mmol)のトルエン(700μL)溶液にN−メチル−ピペラジン(18.9μL、0.17mmol)を加える。該反応を、密封容器マイクロウェーブ加熱下、120℃で10分間、Biotage Initiator(商標)を用いて行う(前撹拌:15秒、吸収レベル:通常、マイクロウェーブバイアルサイズ 0.5−2mL)。蒸発後、得られた残渣を、標準相(40g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)Companion(商標)フラッシュクロマトグラフィーシステムで、直線グラジエント:ジクロロメタン100%で2分、次いでジクロロメタン/メタノール80:20で18分溶離で精製する。生成物を白色固体として単離し、LC−MS(システム4)で同定する([M+H]+ = 717.25, 保持時間 = 3.22分)。
【0130】
実施例14:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−1−(2−ジエチルアミノ−エタンスルホニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−1−エテンスルホニル−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(実施例11、30mg、0.049mmol)のトルエン(700μL)溶液にN,N−ジエチルアミン(17.7μL、0.17mmol)を加える。該反応を、密封容器マイクロウェーブ加熱下、120℃で10分間、Biotage Initiator(商標)を用いて行う(前撹拌:15秒、吸収レベル:通常、マイクロウェーブバイアルサイズ 0.5−2mL)。蒸発後、得られた残渣を、標準相(40g SiO、流速18mL/分)のIsco Combiflash(登録商標)Companion(商標)フラッシュクロマトグラフィーシステムで、直線グラジエント:ジクロロメタン100%で2分、次いでジクロロメタン/tert−ブチルメチルエーテル45:55で20分溶離で精製する。生成物を白色固体として単離し、LC−MS(システム4)で同定する([M+H]+ = 690.24, 保持時間 = 3.35分)。
【0131】
実施例15:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−1−イソブチル−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−3H−イミダゾール−4−カルボン酸
trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(工程2.1、50mg、0.095mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.6mL)溶液に、連続的に炭酸セシウム(62.4mg、0.190mmol)、臭化イソブチル(15.5μl、0.142mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(3.50mg、0.00948mmol)を加える。該反応を、密封容器加熱下、80℃で一晩おこなう。ガラスフリッターで濾過し、得られた溶液を分取LC−MSシステム(システム5)を用いて直接精製して、所望の化合物を得る、LC−MS(システム4)([M+H]+ = 555.12, 保持時間 = 3.46分)。
【0132】
実施例16:trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−5−エトキシカルボニル−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3H−イミダゾール−1−イウム
trans−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(50mg、0.095mmol)のニトロメタン(0.4mL)溶液に、連続的に酸化バリウム(18.9mg、0.123mmol)およびヨードメタン(29.5μl、0.474mmol)を加える。該反応を、アルゴン下、密封容器加熱下、80℃で4時間行う。ガラスフリッターで濾過し、得られた溶液を分取LC−MSシステム(システム5)を用いて直接精製して、所望の化合物を得る、LC−MS(システム4)([M+H]+ = 555.07, 保持時間 = 3.50分)。
【0133】
実施例17:軟カプセル剤
各々有効成分として上記実施例に記載の式Iの化合物の1つ0.05gを含む5000個の軟ゼラチンカプセル剤を、下記のとおりに製造する:
【表25】

製造方法:微粉化した有効成分をLauroglykol(登録商標)(プロピレングリコールラウレート、Gattefosse S.A., Saint Priest, France)に懸濁し、湿潤摩砕機で摩砕して粒子サイズ約1〜3μmとする。混合物0.419gを軟ゼラチンカプセルに、カプセル充填機を用いて充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式rac-(I)
【化1】

〔式中、
Rは
(a) −C(O)R、ここで
はNRaRbを意味し、ここでRaおよびRbは互いに独立して、
水素、
置換もしくは非置換C1−C10アルキル;
5〜10個の炭素原子を含み、部分飽和もしくは完全部分飽和である置換もしくは非置換単環式もしくは二環式環系;または
完全飽和もしくは完全不飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単環式環系を意味するか;または
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、完全飽和もしくは部分飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単環式環系を意味するか;または
は置換もしくは非置換C1−C8アルキル、置換もしくは非置換C3−C4−シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または完全不飽和、部分飽和もしくは完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単もしくは二環式環系を意味し;
(b) C1−C6アルキル、これは非置換であるか、または置換もしくは非置換アリールまたは完全不飽和であり、2〜6個の炭素原子とNおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系で置換されており;
(c) C3−C5アルケニル;
(d) −SO−R、ここでRは置換もしくは非置換C1−C4アルキル、C3−C5アルケニルまたは置換もしくは非置換アリールを意味するか;または
(e) 水素であり;
R’はC1−C6アルキルを意味し、
mは0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
は有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXは独立して、−OH、C1−C2アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、−CHOCHおよび−CHOCHCHから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個が独立してヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、CF、−CHOCH、−CHOCHCH、−OCHCH、OCHCFおよび−ORから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個がそれらが結合している2個の炭素原子と一体となって、S、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員飽和環を形成し、ここで
はF、−OCH、−N(CH)CH、Cl、Br、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和5および6員環から選択され、そして
はC3−C5シクロアルキルであり;
はハロ、NO、CNまたは−CCHを意味し;
は水素またはハロを意味し;
は水素またはヒドロキシを意味し;
Aはアルキル、非置換であるか、もしくはアルキルで置換されたシクロアルキル、または下位式(Ia)
【化2】

{式中、Yはハロ、NO、CNまたは−CCHを意味する}
の基であり;そして
Eはハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリールを意味するか;または
C(O)Zを意味し、ここで
Zは
ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、置換もしくは非置換C1−C6アルキルでモノもしくはジ置換されたアミノ、または完全不飽和、部分飽和もしくは完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を該環中に含む置換もしくは非置換単もしくは二環式環系を意味する〕
のジヒドロイミダゾールまたはその互変異性体、
または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の塩。
【請求項2】
Rが
(a) −C(O)R、ここで
がNRaRbを意味し、ここでRaおよびRbが互いに独立して、
水素、
置換もしくは非置換C1−C10アルキル;
5〜10個の炭素原子を含み、部分飽和もしくは完全部分飽和である置換もしくは非置換単環式もしくは二環式環系;または
完全飽和もしくは完全不飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単環式環系を意味するか;または
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、完全飽和もしくは部分飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単環式環系を意味するか;または
が置換もしくは非置換C1−C8アルキル、置換もしくは非置換C3−C4−シクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または完全不飽和、部分飽和もしくは完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単もしくは二環式環系を意味し;
(b) C1−C4アルキル、これは非置換であるか、または置換もしくは非置換アリールまたは完全不飽和であり、2〜6個の炭素原子とNおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系で置換されており;
(c) C3−C5アルケニル;
(d) −SO−R、ここでRは置換もしくは非置換C1−C4アルキル、C3−C5アルケニルまたは置換もしくは非置換アリールを意味するか;または
(e) 水素であり;
R’がC1−C6アルキルを意味し、
mが0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
が有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXが独立して、−OH、C1−C2アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、−CHOCHおよび−CHOCHCHから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個が独立してヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、CF、−CHOCH、−CHOCHCH、−OCHCH、OCHCFおよび−ORから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個がそれらが結合している2個の炭素原子と一体となって、S、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員飽和環を形成し、ここで
がF、−OCH、−N(CH)CH、Cl、Br、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和5および6員環から選択され、そして
がC3−C5シクロアルキルであり;
がハロ、NO、CNまたは−CCHを意味し;
およびYが水素を意味し;
Aが下位式(Ia)の基であり、式中、Yがハロ、NO、CNまたは−CCHを意味し;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリールを意味するか;または
C(O)Zを意味し、ここで
Zが
ヒドロキシ、C1−C4アルコキシ、置換もしくは非置換C1−C6アルキルでモノもしくはジ置換されたアミノ、または完全不飽和、部分飽和もしくは完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を含む置換もしくは非置換単もしくは二環式環系、かかる環系を意味する、
請求項1に記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾールまたはその互変異性体、
または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の塩。
【請求項3】
Rが
(a) −C(O)R、ここで
がNRaRbを意味し、
ここでRaおよびRbは互いに独立して、
− 非置換であるか、またはシアノでモノ、ジもしくはトリ置換されたC1−10アルキル、非置換であるか、またはフェニルで置換されたC1−4アルコキシ、C3−C6シクロアルキル、ヒドロキシ、カルバモイル、N−C1−C4アルキルカルバモイル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ;不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜10個の炭素原子とN、OおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式または二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、C2−C4アルカノイルもしくはオキソで置換されている);または非置換であるか、またはハロ、アミノスルホニルもしくは完全飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されている)でモノまたはジ置換されたフェニル;
− 水素、
− 5〜10個の炭素原子を含み、部分飽和または完全部分飽和であり、所望によりヒドロキシ、ヒドロキシC1−C4アルキルまたはカルバモイルで置換された単環式または二環式環系;または
− 完全飽和または完全不飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されている)を意味するか;または
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、完全飽和または部分飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式環系を意味し、当該環系は非置換であるか、またはヒドロキシ、C2−C4アルカノイル、カルバモイル、C1−C4アルコキシカルボニル、非置換であるか、またはヒドロキシ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルまたはピロリジニルカルボニル;ピリミジニル、フェニル、C1−C4アルキルピペリジニルまたはオキソで置換されたC1−C4アルキル;フェニル、ピロリジニル、(1H)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾリルでモノまたはジ置換されているか、または

− 非置換であるか、またはアミノで置換されたC1−C8アルキル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルキル−フェニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、完全不飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはオキソで;またはジ(C1−C4アルキル)−アミノで置換されたフェニルで置換されている);
− 非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されたC3−C4−シクロアルキル;
− モルホリニル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノまたはジ(C1−C4アルキル)−アミノ−スルホニルで置換されたフェニル;または
− 完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはハロ、オキソ、C1−C4アルキル、チエニル−C1−C4アルキル、ハロフェニル−C1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニルまたはフェニルで置換されている)を意味し;
(b) C1−C4アルキル、これは
− C1−C4アルキル、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシまたはシアノでモノまたはジ置換されたフェニル;または
− 完全不飽和であり、2〜6個の炭素原子とNおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系で置換されており;
(c) C3−C5アルケニル;
(d) −SO−R、ここでR
− C1−C4アルキル、これはジ(C1−C4アルキル)−アミノ、完全飽和であり、4〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系はC1−C4アルキル、ヒドロキシC1−C4アルキルまたはオキソで置換されている)で置換されており;
− C3−C5アルケニル;
− ナフチル;または
− ハロで置換されたフェニル;
を意味し、または
(e) 水素であり;
R’がC1−C6アルキルを意味し、
mが0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
が有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXが独立して、−OH、C1−C2アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、−CHOCHおよび−CHOCHCHから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個が独立してヒドロキシ、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、Cl、Br、F、CF、−CHOCH、−CHOCHCH、−OCHCH、OCHCFおよび−ORから選択されるか、またはX、XおよびXの1個がHであり、他の2個がそれらが結合している2個の炭素原子と一体となって、S、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5または6員飽和環を形成し、ここで
がF、−OCH、−N(CH)CH、Cl、Br、NおよびOから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む不飽和5および6員環から選択され、そして
がC3−C5シクロアルキルであり;
がCl、Br、NO、CNまたは−CCHを意味し;
およびYが水素を意味し;
Aが下位式(Ia)の基であり、ここでYはCl、Br、NO、CNまたは−CCHを意味し;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリール;または
C(O)Zを意味し、ここで
Zが
− ヒドロキシまたはC1−C4アルコキシ;
− 非置換であるか、またはフルオロで置換されたC1−C6アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、アミノカルボニル、C1−C4アルキルアミノカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、シアノ、C3−C6シクロアルキル、完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニルおよびオキソ;または非置換であるか、またはC1−C4アルキルピペラジニル、ハロもしくはアミノスルホニルで置換されたフェニルで置換されている)でモノまたはジ置換されたアミノ;
C3−C5アルキニル;1,2−ジヒドロ−インダニル、フェニルまたはC4−C6シクロアルキル;または
− 完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソ、フェニル、ピロリジニル、アミノカルボニル、C1−C4アルコキシカルボニルまたはピリミジルで置換されている)を意味する;
請求項1に記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾールまたはその互変異性体、
または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の塩。
【請求項4】
Rが
(a) −C(O)R、ここで
がNRaRbを意味し、
ここでRaおよびRbが互いに独立して、
− 非置換であるか、またはシアノでモノ、ジもしくはトリ置換されたC1−10アルキル、非置換であるか、またはフェニルで置換されたC1−4アルコキシ、C3−C6シクロアルキル、ヒドロキシ、カルバモイル、N−C1−C4アルキルカルバモイル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ;不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜10個の炭素原子とN、OおよびSから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式または二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、C2−C4アルカノイルもしくはオキソで置換されている);または非置換であるか、またはハロ、アミノスルホニルもしくは完全飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1もしくは2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されている)でモノまたはジ置換されたフェニル;
− 水素、
− 5〜10個の炭素原子を含み、部分飽和または完全部分飽和であり、所望によりヒドロキシ、ヒドロキシC1−C4アルキルまたはカルバモイルで置換された単環式または二環式環系;または
− 完全飽和または完全不飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されている);または
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、完全飽和または部分飽和であり、2〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される1または2個のヘテロ原子を含む単環式環系を意味し、当該環系は非置換であるか、またはヒドロキシ、C2−C4アルカノイル、カルバモイル、C1−C4アルコキシカルボニル、非置換であるか、またはヒドロキシ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルまたはピロリジニルカルボニル;ピリミジニル、フェニル、C1−C4アルキルピペリジニルまたはオキソで置換されたC1−C4アルキル;フェニル、ピロリジニル、(1H)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾリルでモノまたはジ置換されているか、または

− 非置換であるか、またはアミノで置換されたC1−C8アルキル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルキル−フェニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、完全不飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはオキソで;またはジ(C1−C4アルキル)−アミノで置換されたフェニルで置換されている);
− 非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されたC3−C4−シクロアルキル;
− モルホリニル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノまたはジ(C1−C4アルキル)−アミノ−スルホニルで置換されたフェニル;または
− 完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはハロ、オキソ、C1−C4アルキル、チエニル−C1−C4アルキル、ハロフェニル−C1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニルまたはフェニルで置換されている)を意味し;
(b) C1−C4アルキル、これは
− C1−C4アルキル、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシまたはシアノでモノまたはジ置換されたフェニル;または
− 完全不飽和であり、2〜6個の炭素原子とNおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系で置換されており;
(c) C3−C5アルケニル;
(d) −SO−R、ここでR
C1−C4アルキル、これはジ(C1−C4アルキル)−アミノ、完全飽和であり、4〜5個の炭素原子とNおよびOから選択される2個のヘテロ原子を含む単環式環系(当該環系はC1−C4アルキル、ヒドロキシC1−C4アルキルまたはオキソで置換されている)で置換されており;
C3−C5アルケニル;
ナフチル;または
ハロで置換されたフェニルを意味するか;または
(e) 水素であり;
R’がC1−C6アルキルを意味し、
mが0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
が有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXが独立して水素およびC1−C4アルコキシから選択され、
がハロを意味し;
およびYが水素を意味し;
Aが下位式(Ia)の基であり、ここでYがハロを意味し;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリール;または
C(O)Zを意味し、ここで
Zが
C1−C4アルコキシ;
非置換であるか、またはフルオロで置換されたC1−C6アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、アミノカルボニル、C1−C4アルキルアミノカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、シアノ、C3−C6シクロアルキル、完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニルおよびオキソ;または非置換であるか、またはC1−C4アルキルピペラジニル、ハロもしくはアミノスルホニルで置換されたフェニルで置換されている)でモノまたはジ置換されたアミノ;
C3−C5アルキニル;1,2−ジヒドロ−インダニル、フェニルまたはC4−C6シクロアルキル;または
完全不飽和、部分飽和または完全飽和であり、2〜8個の炭素原子とN、SおよびOから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む単もしくは二環式環系(当該環系は非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソ、フェニル、ピロリジニル、アミノカルボニル、C1−C4アルコキシカルボニルまたはピリミジルで置換されている)を意味する;
請求項1に記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾールまたはその互変異性体、
または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の塩。
【請求項5】
Rが
(a) −C(O)R、ここで
がNRaRbを意味し、
ここでRaおよびRbが互いに独立して、
非置換であるか、またはシアノでモノ、ジもしくはトリ置換されたC1−10アルキル、非置換であるか、またはフェニルで置換されたC1−4アルコキシ、ヒドロキシ、カルバモイル、N−C1−C4アルキルカルバモイル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、ピリジル、ピロリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、フリル、インドリル、イソクロマニル、ベンゾチエニル;非置換であるか、またはハロ、モルホリニル、ピペリジニル、アミノスルホニルもしくはC1−C4アルキルピペラジニルでモノもしくはジ置換されたフェニル;C3−C6シクロアルキル;モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、C1−C4アルキルピペラジニル、非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはオキソで置換されたピロリジニル;C1−C4アルキル−ピラジニル、または非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはC2−4アルカノイルで置換されたピペリジニル;
非置換であるか、またはヒドロキシ、ヒドロキシC1−C4アルキルもしくはカルバモイルで置換されたC5−6シクロアルキル;
水素、
インダニル、2,3−ジヒドロ−ヒドロキシ−インダニル、2,3−ジヒドロ−2−インダニル、
C1−C4アルキル−ピラゾリルまたは
C1−C4アルキルで置換されたピペリジニルを意味するか;または
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、
非置換であるか、またはC2−C4アルカノイル、非置換であるか、もしくはヒドロキシ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルもしくはピロリジニルカルボニルで置換されたC1−C4アルキル;ピリミジニル、フェニル、C1−C4アルキルピペリジニルまたはオキソでモノまたはジ置換されたピペラジン;
ヒドロキシC1−C4アルキルで置換されたピロリジン、
非置換であるか、またはフェニル、ベンジル、ピロリジニル、(1H)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾイミダゾリル、カルバモイル、C1−C4アルコキシカルボニル、ヒドロキシまたはヒドロキシC1−C4アルキルで置換されたピペリジン;
テトラヒドロ−ピリミジン;
C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタン、フェニルC1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタン、または
モルホリンを意味するか;または

非置換であるか、またはアミノで置換されたC1−C8アルキル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルキル−フェニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、イミダゾリル、C1−C4アルキル−イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ピリジル、インドリル、N−C1−C4アルキル−インドリル;またはジ(C1−C4アルキル)−アミノで置換されたフェニル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されたC3−C4−シクロアルキル;
モルホリニル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノまたはジ(C1−C4アルキル)−アミノ−スルホニルで置換されたフェニル;
N−C1−C4アルキル−インドリル;N−C1−C4アルキル−イミダゾリル;キノキサリニル;C1−C4アルキルでモノまたはジ置換されたピラゾロ[1,5−a]ピリミジニル;[1,6]ナフチリジニル;フェニルまたはC1−C4アルキルで置換されたオキサゾリル;C1−C4アルキルおよびハロでモノ、ジまたはトリ置換されたピラゾリル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキルまたはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたピペリジニル;オキソでジ置換されたテトラヒドロピリミジル、またはC1−C4アルキル、チエニル−C1−C4アルキル、クロロフェニル−C1−C4アルキルおよびオキソから成る群から独立して選択される基でモノまたはジ置換されたピロリジニルを意味し;
(b) C1−C4アルキル、これは
C1−C4アルキル、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシまたはシアノでモノまたはジ置換されたフェニル;
ピリジル;または
ベンゾ[c]−1−オキサ−2,5−ジアゾリルで置換されており;
(c) C3−C5アルケニル;
(d) −SO−R、ここでR
ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニル、またはC1−C4アルキル、ヒドロキシC1−C4アルキルもしくはオキソでさらに置換されたピペラジニルで置換されているC1−C4アルキル;
C3−C5アルケニル;
ナフチル;または
ハロで置換されたフェニルを意味し;または
(e) 水素であり;
R’がC1−C6アルキルを意味し、
mが0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
が有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXが独立して水素およびC1−C4アルコキシから選択され、
がハロを意味し;
およびYが水素を意味し;
Aが下位式(Ia)の基であり、ここでYがハロを意味し;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリール;またはC(O)Zを意味し、ここで
Zが
C1−C4アルコキシ;
非置換であるか、またはフルオロで置換されたC1−C6アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、アミノカルボニル、C1−C4アルキルアミノカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、シアノ、C3−C6シクロアルキル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、C1−C4アルキルピリミジル、C1−C4アルキルピラジニル、フリル、ジヒドロイソクロマニル、テトラヒドロ−ピラニル、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピロリジニル、C1−C4アルキルピロリジニル、2−オキソ−ピロリジニル、ピペリジニル、C1−C4アルキルカルボニルピペリジニル、C1−C4アルキルピペリジニル、C1−C4アルキルピペラジニル;または非置換であるか、もしくはC1−C4アルキルピペラジニル、ハロもしくはアミノスルホニルで置換されたフェニルでモノまたはジ置換されたアミノ;または
C3−C5アルキニル;ピリジル、チアゾリル、C1−C4アルキルオキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリミジル、C1−C4アルキルピラゾリル、1,2−ジヒドロ−インダニル、フェニルまたはC4−C6シクロアルキル;
ピロリジニル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソもしくはピリミジルで置換されたピペラジニル;
非置換であるか、またはフェニル、ピロリジニル、アミノカルボニルもしくはC1−C4アルコキシカルボニルで置換されたピペリジニル;
モルホリニル;
テトラヒドロチアゾリル;または
C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタンを意味する;
請求項1に記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾールまたはその互変異性体、
または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の塩。
【請求項6】
Rが
(a) −C(O)R、ここで
はNRaRbを意味し、
ここでRaおよびRbが互いに独立して、
非置換であるか、またはシアノでモノ、ジもしくはトリ置換されたC1−10アルキル、非置換であるか、またはフェニルで置換されたC1−4アルコキシ、ヒドロキシ、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、ピリジル、1−ピロリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、フリル、3−インドリル、イソクロマニル、ベンゾチエニル;非置換であるか、またはクロロ、モルホリニル、ピペリジニル、アミノスルホニルもしくはC1−C4アルキルピペラジニルでモノまたはジ置換されたフェニル;C3−C6シクロアルキル;モルホリン−4−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、C1−C4アルキルピペラジニル、非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはオキソで置換されたピロリジニル;C1−C4アルキル−ピラジニル、または非置換であるか、またはC1−C4アルキルもしくはC2−4アルカノイルで置換されたピペリジニル;
非置換であるか、またはヒドロキシ、ヒドロキシC1−C4アルキルもしくはカルバモイルで置換されたC5−6シクロアルキル;
水素、
インダニル、2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシ−インダニル、2,3−ジヒドロ−2−インダニル、
1−C1−C4アルキル−ピラゾリルまたは
C1−C4アルキルで置換された4−ピペリジニルを意味するか;または
ここでRaとRbはそれらが結合している窒素原子と一体となって、
非置換であるか、またはC2−C4アルカノイル、非置換であるか、またはヒドロキシ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニルもしくは1−ピロリジニルカルボニルで置換されたC1−C4アルキル;2−ピリミジニル、フェニル、C1−C4アルキルピペリジニルまたはオキソでモノまたはジ置換されたピペラジン;
ヒドロキシC1−C4アルキルで置換されたピロリジン、
非置換であるか、またはフェニル、ベンジル、1−ピロリジニル、(1H)−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンズイミダゾール−1−イル、カルバモイル、C1−C4アルコキシカルボニル、ヒドロキシまたはヒドロキシC1−C4アルキルで置換されたピペリジン;
テトラヒドロ−ピリミジン;
4−C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタン、4−ベンジル−1,4−ジアザ−シクロヘプタン、または
モルホリンを意味するか;または

非置換であるか、またはアミノで置換されたC1−C8アルキル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルキル−フェニルカルボニルアミノ、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、イミダゾリル、C1−C4アルキル−イミダゾリル、ピラゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ピリジル、インドリル、N−C1−C4アルキル−インドリル;またはジ(C1−C4アルキル)−アミノで置換されたフェニル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキルで置換されたC3−C4−シクロアルキル;
モルホリニル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノまたはジ(C1−C4アルキル)−アミノ−スルホニルで置換されたフェニル;
N−C1−C4アルキル−インドリル;N−C1−C4アルキル−イミダゾリル;キノキサリニル;C1−C4アルキルでジ置換されたピラゾロ[1,5−a]ピリミジニル;[1,6]ナフチリジニル;フェニルまたはC1−C4アルキルで置換されたオキサゾリル;C1−C4アルキルおよびクロロでジまたはトリ置換されたピラゾリル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキルまたはC1−C4アルキルカルボニルで置換されたピペリジニル;オキソでジ置換されたテトラヒドロピリミジル、C1−C4アルキル、チエニル−C1−C4アルキル、クロロフェニル−C1−C4アルキルおよびオキソから成る群から独立して選択される基でモノまたはジ置換されたピロリジニルを意味し;
(b) C1−C4アルキル、これは
C1−C4アルキル、トリフルオロメチル、C1−C4アルコキシ、トリフルオロメトキシまたはシアノでモノまたはジ置換されたフェニル;
ピリジル;または
ベンゾ[c]−1−オキサ−2,5−ジアゾリルで置換されており;
(c) C3−C4アルケニル;
(d) SO−R、ここでR
ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、モルホリニル、またはC1−C4アルキル、ヒドロキシC1−C4アルキルもしくはオキソでさらに置換されたピペラジニルで置換されているC1−C4アルキル
C3−C4アルケニル;
ナフチル;または
フルオロで置換されたフェニルであり;または
(e) 水素であり;
R’がC1−C6アルキルを意味し、
mが0または1である、ただし、mが1であるとき、R’が結合している窒素原子は正に荷電しており、
が有機酸または無機酸由来のアニオンであり、
、XおよびXが独立して水素およびC1−C4アルコキシから選択され、
がハロを意味し;
およびYが水素を意味し;
Aが下位式(Ia)の基であり、ここでYがハロを意味し;そして
Eがハロ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルチオ、フェニルチオ、B(OH)、ホルミル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキル、C2−C5アルケニル、C2−C5アルカノイル、ヒドロキシC1−C4アルキル、ジ−C1−C4アルキルアミノアルキル、アリール、アリールオキシ、hetアリール、アミノ、C1−C4アルキルアミノ、ジ−C1−C4アルキルアミノ、アリールアミノ、アリール(C1−C4アルキル)アミノ、C(O)C(O)C1−C4アルコキシ、C(S)N(H)アリール;
またはC(O)Zを意味し、ここで
Zが
C1−C4アルコキシ;C1−C4アルキル;
非置換であるか、またはフルオロで置換されたC1−C6アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、アミノカルボニル、C1−C4アルキルアミノカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、シアノ、C3−C6シクロアルキル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、C1−C4アルキルピリミジル、C1−C4アルキルピラジニル、フリル、ジヒドロ−イソクロマニル、テトラヒドロ−ピラニル、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピロリジニル、C1−C4アルキルピロリジニル、2−オキソ−ピロリジニル、ピペリジニル、C1−C4アルキルカルボニルピペリジニル、C1−C4アルキルピペリジニル、C1−C4アルキルピペラジニル;または非置換であるか、もしくはC1−C4アルキルピペラジニル、フルオロもしくはアミノスルホニルで置換されたフェニルでモノまたはジ置換されたアミノ;または
C3−C5アルキニル;ピリジル、チアゾリル、C1−C4アルキルオキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリミジル、C1−C4アルキルピラゾリル、1,2−ジヒドロ−インダニル、フェニルまたはC4−C6シクロアルキル;
ピロリジニル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソもしくはピリミジルで置換されたピペラジニル;
非置換であるか、またはフェニル、ピロリジニル、アミノカルボニルもしくはC1−C4アルコキシカルボニルで置換されたピペリジニル;
モルホリニル;
テトラヒドロチアゾリル;または
4−C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタンである;
請求項1〜4のいずれかに記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾールまたはその互変異性体、
または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の塩。
【請求項7】
ジヒドロイミダゾール環のC−5の絶対立体配置がRである、請求項1〜6のいずれかに記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾール。
【請求項8】
EがC(O)Zを意味し、そして
Zが
C1−C4アルコキシ;
非置換であるか、またはフルオロで置換されたC1−C6アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノ、アミノカルボニル、C1−C4アルキルアミノカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、シアノ、C3−C6シクロアルキル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、C1−C4アルキルイミダゾリル、C1−C4アルキルピリミジル、C1−C4アルキルピラジニル、フリル、ジヒドロ−イソクロマニル、テトラヒドロ−ピラニル、テトラヒドロフリル、モルホリニル、ピロリジニル、C1−C4アルキルピロリジニル、2−オキソ−ピロリジニル、ピペリジニル、C1−C4アルキルカルボニルピペリジニル、C1−C4アルキルピペリジニル、C1−C4アルキルピペラジニル;または非置換であるか、もしくはC1−C4アルキルピペラジニル、フルオロもしくはアミノスルホニルで置換されたフェニル;またはC3−C5アルキニル;ピリジル、チアゾリル、C1−C4アルキルオキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリミジル、C1−C4アルキルピラゾリル、1,2−ジヒドロ−インダニル、フェニルまたはC4−C6シクロアルキルでモノまたはジ置換されたアミノ;
ピロリジニル;
非置換であるか、またはC1−C4アルキル、ジ(C1−C4アルキル)−アミノC1−C4アルキル、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルピペリジニル、オキソもしくはピリミジルで置換されたピペラジニル;
非置換であるか、またはフェニル、ピロリジニル、アミノカルボニルもしくはC1−C4アルコキシカルボニルで置換されたピペリジニル;
モルホリニル;
テトラヒドロチアゾリル;または
4−C1−C4アルキル−1,4−ジアザ−シクロヘプタンを意味する、
請求項1〜7のいずれかに記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾール。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾール、またはその互変異性体、または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項10】
増殖性疾患を有する動物、好ましくは温血動物、とりわけヒトの処置に使用するための、請求項1〜8のいずれかに記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾール、またはその互変異性体、または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の薬学的に許容される塩。
【請求項11】
増殖性疾患の処置用医薬の製造における、請求項1〜8のいずれかに記載の式rac-(I)のジヒドロイミダゾール、またはその互変異性体、または当該ジヒドロイミダゾールもしくはその互変異性体の薬学的に許容される塩の使用。
【請求項12】
請求項1に記載の式rac-(I)(式中、mは0であり、他の記号および基は請求項1の式Iの化合物について定義の意味を有する)のジヒドロイミダゾールの製造方法であって、式rac-(II)
【化3】

〔式中、記号および基は式rac-(I)の化合物について請求項1に定義の意味を有する〕
の化合物を、第1の工程において、好適な薬剤と反応させて、環窒素上の水素を保護基PGで置換し、そして第2の工程において、二酸化炭素と共に強塩基で脱保護して、式rac-(III)
【化4】

〔式中、記号および基は式rac-(I)の化合物について定義の意味を有する〕
のカルボン酸を得て、保護基PGを好適な反応条件下で切断した後;
(ここで、上記式rac-(II)およびrac-(III)の出発化合物は、保護形態の、塩形成基が存在し、かつ塩形での反応が可能であるとき所望により、および/または塩形のさらなる官能基と共に存在していてもよい);
式rac-(I)の化合物の保護誘導体の何れかのさらなる保護基を除去し;
そして、所望により、得られる式rac-(I)の化合物を他の式rac-(I)の化合物に変換し、遊離形の式rac-(I)の化合物を塩形に変換し、得られる塩形の式rac-(I)の化合物を遊離化合物または他の塩に変換し、そして/または式rac-(I)の化合物の異性体の混合物を個々の異性体に分離する、方法。

【公表番号】特表2010−510974(P2010−510974A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537654(P2009−537654)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062804
【国際公開番号】WO2008/065068
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】