説明

胃保持型製剤およびそれらの製造方法

本発明は、弱ゲル化剤、強ゲル化剤およびガス発生剤の混合物とともに粒状化された活性物質を含む胃保持型製剤ならびに前記製剤を製造するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胃保持型(gastroretentive)製剤、特に錠剤、および前記製剤を製造するための方法に関する。
【0002】
経口投与される薬物の、胃腸管からの吸収に影響を及ぼす重要な因子は、胃腸管における通過時間である。
【0003】
いくつかの活性物質、例えばメトホルミンおよびシプロフロキサシンは、胃から空腸まで、すなわち胃腸管の上部でのみ吸収されるとして知られている。
【0004】
したがって、最小限の活性物質で最大の効率を上げるためには、製剤が胃の中で長時間保持され、その中で活性物質を持続放出させることが有益である。
【0005】
このように胃で持続放出される製剤を得るために、いくつかの試みがすでに行われている。かかる試みは、米国特許第6797283号(Edgren他)、米国特許出願第20030232081号などにおける多層錠の使用によるもの、または米国特許第6635280号(Shell他)および米国特許第6660300号(Timmins他)などにおける、摂取するには十分小さく摂取後に膨張する錠剤、ならびに米国特許第6261601号(Talwar他)などにおける、崩壊剤および発泡剤をさらに含む錠剤によるものである。
【0006】
しかし、これらの製剤は十分に満足のいくものではなく、胃腸管のさらに上部で保持されることができ、活性物質を胃で数時間放出することができる製剤が依然として必要とされている。
【0007】
思いがけなくおよび驚いたことに、本発明者らは、弱ゲル化剤、強ゲル化剤およびガス発生剤の混合物とともに粒状化された活性物質を含む胃保持型製剤を用いて、これらの目的が実現されることを見出した。
【0008】
本発明において、「弱ゲル化剤」は、それが25℃で2.6%W/V分散水の形である場合に175センチポアズ未満の粘度を示す化合物である。
【0009】
「強ゲル化剤」は、それが25℃で1%W/V水溶液の形である場合に少なくとも600センチポアズの粘度を示す化合物である。
【0010】
いずれの理論によっても関連付けられることなく、弱ゲル化剤は、それ自体が急速な湿潤性を有するので、マトリックスがより速く膨張するのを促進し、発泡剤は、胃の媒質との反応中にガスを遊離させ、錠剤が胃の中で浮遊し続けるのに役立つと考えられている。強ゲル化剤の使用は、膨張した錠剤マトリックスに剛性をもたらし、遊離したガスを錠剤マトリックス中に閉じ込めるのに役立つ。
【0011】
言い換えれば、胃の酸性環境がゲル化マトリックスのコアに入ると、それはガス遊離剤と反応してガスを遊離させる。遊離したガスは、ゲルマトリックス中に閉じ込められており、薬物がゲル化マトリックスから拡散または導出されるとゲル化マトリックスの表面上にゆっくりと放出される。放出されたガスは、ゲル化マトリックスの表面上に吸着されて、該表面上に気泡層を形成し、ゲル化マトリックスの溶解または浸食を制御するのに役立ち、次には該マトリックスからの薬物の放出を制御するのに役立つ。組成物は、長時間胃にとどまり、ほとんどすべての薬物を胃で放出し吸収される。
【0012】
本発明によると、胃保持型製剤は、持続放出作用を有するモノリシックな医薬組成物であり、薬物がさらに優れた治療効果のための最大吸収量を有する胃で保持され、それによって部位特異的ドラッグデリバリーシステムとして働く。
【0013】
該製剤は、非常に溶けやすい薬物および/またはある程度溶けやすいか、または溶けにくい薬物の両方に適している。
【0014】
この特異的デリバリーシステムのおかげで、本発明による製剤は、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、グレパフロキサシン、エノキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、テマフロキサシン、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、スパルフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシンおよびモキシフロキサシンなどのフルオロキノロン系の抗菌性物質、アモキシシリンおよびセファレキシンの塩基または塩の形態での誘導体、ならびに塩酸メトホルミン、グリクラジドなどの抗糖尿病物質、塩酸ジルチアゼム、酒石酸メトプロロールまたはコハク酸メトプロロールなどの抗高血圧薬に特に有用である。
【0015】
活性物質の量は、製剤の総重量に対して、10から90重量%まで、好ましくは20から80重量%まで、さらに好ましくは50から75重量%までの範囲である。
【0016】
弱ゲル化剤は、微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの共処理材料、好ましくはAVICEL(登録商標)CL611、AVICEL(登録商標)RC581およびAVICEL(登録商標)RC591という商標で販売されているものを含む群から選択される。
【0017】
強ゲル化剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースを除くヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、寒天、ゼラチン、加工デンプン、カルボキシビニルポリマーのコポリマー、アクリレートのコポリマー、オキシエチレンおよびオキシプロピレンのコポリマーならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0018】
弱および強ゲル化剤の両方の総重量は、製剤の総重量に対して、2から40重量%まで、好ましくは3から30重量%まで、さらに好ましくは5から25重量%までの範囲である。
【0019】
弱ゲル化剤と強ゲル化剤との比率は、1:1から1:10の間、好ましくは1:2から1:8まで、さらに好ましくは1:3から1:5の間の範囲である。
【0020】
活性物質と弱および強ゲル化剤の両方との比率は、1:99から99:1まで、好ましくは1:1から20:1まで、さらに好ましくは2:1から15:1までの範囲である。
【0021】
ガス発生剤は、それが胃液などの酸性媒質と接触するとガスを発生する化合物である。前記ガス発生剤は、水溶性の炭酸塩、亜硫酸塩および重炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、炭酸カルシウムなど、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0022】
ガス発生剤の量は、製剤の総重量に対して、5から30重量%まで、好ましくは10から25重量%まで、さらに好ましくは12から22重量%までの範囲である。
【0023】
ガス発生剤は、本発明による製剤中、活性物質の顆粒内部に、もしくは製剤の賦形剤として、または両方に存在してよい。
【0024】
したがって、第一の実施形態によると、ガス発生剤の少なくとも一部は活性物質の顆粒中に存在し、すなわち、ガス発生剤の少なくとも一部は、弱および強ゲル化剤の混合物ならびに活性物質と一緒に、場合によって他の造粒剤と一緒に粒状化されており、ガス発生剤の残りの部分は製剤の賦形剤とともに存在し、すなわち、活性物質とともに粒状化されていない。
【0025】
第二の実施形態によると、ガス発生剤の全体量は製剤の賦形剤とともに存在し、すなわち、弱および強ゲル化剤の混合物ならびに活性物質とともに、場合によって他の造粒剤とともに粒状化されていない。
【0026】
本発明による胃保持型製剤は、
(A)微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの共処理材料を含む群から選択される弱ゲル化剤、および
(B)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースを除くヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、寒天、ゼラチン、加工デンプン、カルボキシビニルポリマーのコポリマー、アクリレートのコポリマー、オキシエチレンおよびオキシプロピレンのコポリマーならびにこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはキサンタンガムである、少なくとも1種の強ゲル化剤、
(C)場合によって、低粘性HPMC、PVP、ポリメタクリル酸コポリマー(Eudragit E100)およびこれらの混合物からなる群から選択される結合剤、
の混合物とともに粒状化された活性物質を含み、該製剤はまたガス発生剤を含む。
【0027】
本発明の第三の実施形態によると、活性物質は、希釈剤もしくはコロイド状二酸化ケイ素などの帯電防止剤、またはこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤(D)とともに粒状化されてもよい。
【0028】
結合剤(C)の量は、製剤の総重量に対して、0から10重量%まで、好ましくは0.5から5重量%まで、さらに好ましくは1から3重量%までの範囲である。
【0029】
本発明の製剤中で使用される顆粒は、前記結合剤(C)のアルコール溶液または含水アルコール溶液を使用する湿式造粒によって調製される。好ましくは、造粒に使用されるアルコールは、エチルアルコールまたはイソプロピルアルコールである。
【0030】
本発明による製剤は、希釈剤、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、着香剤、着色剤およびこれらの混合物からなる群から選択される賦形剤をさらに含むことができる。
【0031】
一般に使用される希釈剤は、乳糖、リン酸水素カルシウム、微結晶性セルロースおよびこれらの混合物であってよい。
【0032】
潤滑剤は、ステアリン酸塩、特にステアリン酸マグネシウム、グリセリルベハネート、コロイド状二酸化ケイ素およびこれらの混合物などの、従来通り使用されているものである。
【0033】
湿潤剤は、ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物であってよい。
【0034】
好ましくは、本発明による製剤は錠剤である。
【0035】
錠剤は、フィルムコーティングの技術分野において一般に使用されている、適したポリマー材料でフィルムコートされてよい。フィルムコーティングは、製剤の外観を良くし、不快な味を遮蔽し、かつ/または水分から保護することによって製剤の安定性を向上させ、しかも組成物からの薬剤の放出率には全く影響を与えない。
【0036】
本発明はさらに、本発明による製剤を製造するための方法に関する。
【0037】
第一の実施形態によると、該方法は以下のステップを含む。すなわち、
(1)活性物質が、(A)弱ゲル化剤と(B)強ゲル化剤との混合物、および場合によって、希釈剤もしくは帯電防止剤またはこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤(D)と乾式混合されるステップと、
(2)場合によって、得られた乾式混合物が、アルコールまたはアルコールと水との混合物に溶かした少なくとも1種の結合剤(C)とともに粒状化されるステップと、
(3)ガス発生剤が、ステップ(2)から得られる顆粒と、場合によって、希釈剤、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、着香剤、着色剤およびこれらの混合物を含む群から選択される賦形剤と乾式混合されるステップと、
(4)次いで、混合物が圧縮され錠剤にされるステップと、
(5)場合によって、錠剤がフィルムコートされるステップである。
【0038】
第二の実施形態によると、該方法は以下のステップを含む。すなわち、
(1)活性物質が、(A)弱ゲル化剤と(B)強ゲル化剤との混合物、および場合によって、希釈剤もしくは帯電防止剤またはこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤(D)、およびガス発生剤の少なくとも一部と乾式混合されるステップと、
(2)場合によって、得られた乾式混合物が、アルコールまたはアルコールと水との混合物に溶かした少なくとも1種の結合剤(C)とともに粒状化されるステップと、
(3)ガス発生剤の残りの部分があれば、ステップ(2)から得られる顆粒と、場合によって、希釈剤、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、着香剤、着色剤およびこれらの混合物を含む群から選択される賦形剤と乾式混合されるステップと、
(4)次いで、混合物が圧縮され錠剤にされるステップと、
(5)場合によって、錠剤がフィルムコートされるステップである。
【0039】
本発明は、以下の実施例によってさらに例証される。
【0040】
実施例
実施例1
【0041】
【表1】

【0042】
塩酸メトホルミン(2%の余分量を入れておく)、Avicel CL611、キサンタンガムを、高剪断ミキサーまたはプラネタリーミキサーなどの適した混合機の中で一緒に混合した。
【0043】
PVP K30をイソプロピルアルコールおよび水に溶かした溶液とともに、この混合物を粒状化した。この湿塊を、3.5から5.5%の間の含水量が得られるまで乾燥器中で乾燥させた。
【0044】
乾燥させた塊を、20メッシュスクリーンを通して較正し、適したブレンダーの中で重炭酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0045】
得られた混合物を、16ステーションを備えた回転式打錠機(FetteまたはSuvac型機器)を使用して、錠剤重量880mgで、以下の錠剤パラメーターを用いて圧縮し錠剤にした。
機械速度:25〜27rpm
錠剤形状−両凸カプレット
サイズ−長さ19mmおよび幅9mm
硬さ−120〜160N。
【0046】
錠剤については、0.1N HClにおける溶出を、USPII型装置を使用して、100RPMで試験した。溶出結果は以下の通りである。
【0047】
時間(時間) 累積放出百分率
(重量で表される)
1 31.10
2 45.20
4 65.40
6 78.00
8 88.10
12 97.70。
【0048】
実施例2
【0049】
【表2】

【0050】
シプロフロキサシン、Avicel CL611、キサンタンガム、コロイド状二酸化ケイ素および重炭酸ナトリウムを、高剪断ミキサーまたはプラネタリーミキサーなどの適した混合機の中で一緒に混合した。PVP K30をイソプロピルアルコールに溶かした溶液とともに、この混合物を粒状化した。この湿塊を、1.5から3.0%の間の含水量が得られるまで乾燥器中で乾燥させた。乾燥させた塊を、20メッシュスクリーンを通して較正し、適したブレンダーの中でステアリン酸マグネシウムと混合した。得られた混合物を、回転式打錠機を使用して、錠剤重量685mgで以下の錠剤パラメーターを用いて圧縮し錠剤にした。
錠剤形状−両凸カプレット
サイズ−長さ16mmおよび幅8mm
硬さ−100〜160N。
【0051】
錠剤を以下の組成を有するコーティング溶液でコートした。
乳糖一水和物: 19.17%
タルク: 2.87%
二酸化チタン: 1.43%
ポリソルベート80: 0.1%
水: 76.39%。
【0052】
コーティングは、錠剤製剤のコア重量の1.50から2%の間で行った。
【0053】
錠剤については、0.1N HClにおける溶出を、USPII型装置を使用して、50RPMで試験した。溶出結果は以下の通りである。
【0054】
時間(時間) 累積放出百分率
(重量で表される)
1 37.18
2 56.09
4 77.14
6 92.59
8 98.26

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの共処理材料である弱ゲル化剤、強ゲル化剤ならびにガス発生剤の混合物とともに粒状化された活性物質を含む胃保持型製剤。
【請求項2】
前記強ゲル化剤が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースを除くヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、寒天、ゼラチン、加工デンプン、カルボキシビニルポリマーのコポリマー、アクリレートのコポリマー、オキシエチレンおよびオキシプロピレンのコポリマーならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の胃保持型製剤。
【請求項3】
前記活性物質もまた、(C)結合剤とともに、および場合によって、(D)希釈剤、帯電防止剤またはこれらの混合物を含む群から選択される添加剤とともに粒状化される、請求項1または2に記載の胃保持型製剤。
【請求項4】
希釈剤、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、着香剤、着色剤およびこれらの混合物からなる群から選択される賦形剤をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の胃保持型製剤。
【請求項5】
前記ガス発生剤が、水溶性の炭酸塩、亜硫酸塩および重炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の胃保持型製剤。
【請求項6】
前記結合剤が、低粘性HPMC、PVP、ポリメタクリル酸コポリマー(Eudragit E100)およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の胃保持型製剤。
【請求項7】
活性物質の量が、製剤の総重量に対して、10から90重量%まで、好ましくは20から80重量%まで、さらに好ましくは50から75重量%までの範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載の胃保持型製剤。
【請求項8】
弱および強ゲル化剤の両方の総重量が、製剤の総重量に対して、2から40重量%まで、好ましくは3から30重量%まで、さらに好ましくは5から25重量%までの範囲である、請求項1から7のいずれか一項に記載の胃保持型製剤。
【請求項9】
前記弱ゲル化剤と前記強ゲル化剤との比率が、1:1から1:10の間、好ましくは1:2から1:8まで、さらに好ましくは1:3から1:5の間の範囲である、請求項1から8のいずれか一項に記載の胃保持型製剤。
【請求項10】
前記活性物質と弱および強ゲル化剤の両方との比率が、1:99から99:1まで、好ましくは1:1から20:1まで、さらに好ましくは2:1から15:1までの範囲である、請求項1から9のいずれか一項に記載の胃保持型製剤。
【請求項11】
前記活性物質が、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ペフロキサシン、グレパフロキサシン、エノキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、テマフロキサシン、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、スパルフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシンおよびモキシフロキサシンなどのフルオロキノロン系の抗菌性物質、アモキシシリン、セファレキシンの塩または塩基の形態での誘導体、ならびに塩酸メトホルミン、グリクラジドなどの抗糖尿病物質、塩酸ジルチアゼム、酒石酸メトプロロールまたはコハク酸メトプロロールなどの抗高血圧薬から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の胃保持型製剤。
【請求項12】
(1)活性物質を、(A)微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの共処理材料である弱ゲル化剤と(B)強ゲル化剤との混合物、ならびに場合によって、希釈剤もしくは帯電防止剤またはこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤(D)、ガス発生剤、(C)結合剤と乾式混合するステップと、
(2)場合によって、得られた乾式混合物を、アルコールまたはアルコールと水との混合物に溶かした少なくとも1種の結合剤(C)とともに粒状化するステップと、
(3)ガス発生剤を、ステップ(2)から得られる顆粒と、場合によって、希釈剤、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、着香剤、着色剤およびこれらの混合物を含む群から選択される賦形剤と乾式混合するステップと、
(4)混合物を圧縮して錠剤にするステップと、
(5)場合によって、(4)において得られる錠剤をフィルムコーティングするステップと
を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の製剤を製造するための方法。
【請求項13】
(1)活性物質を、(A)微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの共処理材料である弱ゲル化剤と(B)強ゲル化剤との混合物、ならびに場合によって、希釈剤もしくは帯電防止剤またはこれらの混合物を含む群から選択される少なくとも1種の添加剤(D)、ならびにガス発生剤の少なくとも一部と乾式混合するステップと、
(2)場合によって、得られた乾式混合物を、アルコールまたはアルコールと水との混合物に溶かした少なくとも1種の結合剤(C)とともに粒状化するステップと、
(3)ガス発生剤の残りの部分があれば、ステップ(2)から得られる顆粒と、場合によって、希釈剤、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、着香剤、着色剤およびこれらの混合物を含む群から選択される賦形剤と乾式混合するステップと、
(4)混合物を圧縮して錠剤にするステップと、
(5)場合によって、錠剤をフィルムコーティングするステップと
を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の製剤を製造するための方法。

【公表番号】特表2009−501777(P2009−501777A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522096(P2008−522096)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002636
【国際公開番号】WO2007/010400
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(502423510)
【氏名又は名称原語表記】ETHYPHARM
【Fターム(参考)】