説明

自動分析装置及び反応容器

【課題】同一反応容器でより幅広い分析作業に対応することができる自動分析装置及び反応容器を提供する。
【解決手段】被測定物を入れる反応容器4と、この反応容器4に側方から測定光を照射する光源26と、反応容器4の透過光を検出し被測定物の吸光度変化を測定する分光光度計10とを備えた自動分析装置であって、反応容器4が、測定光の透過する高さSによって光路長dが連続的に変化するように形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血清や尿等の生体試料の定性・定量分析を行う自動分析装置及び反応容器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置では、反応容器に側面から測定光を照射して反応容器の透過光を検出することで反応容器内の検体の吸光度を測定するが、一般に反応容器はガラスやプラスチック等の透光材質で有底角筒状に形成されているため、光路長は反応容器毎に一つの値に定まっている。光路長が一定であると検体によっては測定限界を超える測定項目も増え、検体を一定濃度に希釈してから再検査せざるを得なかった。
【0003】
それに対し、一回の測定で信頼性の高いデータを得る方法として、反応容器を階段状に形成して1つの反応容器に長さの異なる複数の光路を確保し、測定光を反応容器の各段部を透過させることで複数の異なる吸光度が得る技術が提唱されている(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−101381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、反応容器の製作段階で各々の光路長が定まってしまうため、適正な光路長の段差部がない場合には適正な光路長の段差部を持つ別の反応容器を選択する必要があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、同一反応容器でより幅広い分析作業に対応することができる自動分析装置及び反応容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、被測定物を入れる反応容器と、この反応容器に側方から測定光を照射する光源と、前記反応容器の透過光を検出し被測定物の吸光度変化を測定する光度計とを備えた自動分析装置であって、前記反応容器が、測定光の透過する高さによって光路長が連続的に変化するように形成されていることを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記反応容器の測定光の入射面及び透過面の少なくともいずれかが上方又は下方に向かって測定光の進行方向に傾斜していることを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、第2の発明において、前記反応容器の測定光と平行な面が台形状であることを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、第2の発明において、前記反応容器の測定光と平行な面が三角形状であることを特徴とする。
【0011】
第5の発明は、第1−第4のいずれかの発明において、測定項目毎に光路長が選択可能な画面を表示する表示装置を備えたことを特徴とする。
【0012】
第6の発明は、第1−第5のいずれかの発明において、濃度既知の標準液を被測定物として前記反応容器の複数の光路長でそれぞれ取得した測定結果を、濃度の異なる複数の標準液を被測定物としてそれぞれ同一光路長で取得した測定結果に換算し、この換算結果から多点検量線を作成する手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
第7の発明は、第1−第6のいずれかの発明において、濃度既知の標準液を被測定物として前記反応容器の複数の光路長でそれぞれ取得した測定結果から複数の検量線を作成する手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
第8の発明は、第1−第7のいずれかの発明において、複数の濃度既知の標準液を被測定物として前記反応容器の複数の光路長でそれぞれ取得した測定結果から、低濃度領域の長い光路長で取得された測定結果、及び高濃度領域の短い光路長で取得された測定結果を削除し、残りの測定結果から検量線を作成することを特徴とする。
【0015】
第9の発明は、被測定物の吸光度変化を測定する光度計を備えた自動分析装置に用いられ、受け入れた被測定物に測定光を透過させるための反応容器であって、測定光の透過する高さによって光路長が連続的に変化するように形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、同一反応容器でより幅広い分析作業に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係る反応容器の一構成例を測定光の光軸と直交する方向から見た鉛直断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る反応容器を複数有する反応容器ブロックの一構成例の外観構成を表した斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の全体構成を表す概略図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る自動分析装置で1種類の標準液から作成した多点検量線の一例である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る自動分析装置で1種類の標準液から作成した複数の検量線の一例である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る自動分析装置による検量線作成のための関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
図3は本実施の形態の自動分析装置の全体構成を表す概略図である。
【0020】
図3に示した自動分析装置は、サンプルディスク機構1と、試薬ディスク機構5と、反応ディスク3とを備えている。
【0021】
サンプルディスク機構1には多数の試料容器25が設置されている。このサンプルディスク機構1の傍らには血清サンプリング機構2が配置されており、試料容器25内の試料は、血清サンプリング機構2のサンプルノズル27によって吸引され、反応ディスク3に設置された所定の反応容器4に注入される。
【0022】
試薬ディスク機構5には多数の試薬容器6が設置されている。この試薬ディスク機構5の傍らには試薬ピペッティング機構7が配置されており、試薬容器6内の試薬は、試薬ピペッティング機構7の試薬ノズル28によって吸引され、反応ディスク3に設置された所定の反応容器4に注入される。
【0023】
反応ディスク3は、恒温槽9によって全体が所定の温度に保持され、その外周部上には被測定物を入れる多数(例えば120個程度)の反応容器4(詳細は後述)が環状に設置されている。この反応ディスク3の内周側には対向位置に来た反応容器4に側方から測定光を照射する光源26が、外周側には反応容器4の透過光を検出し被測定物の吸光度変化を測定する分光光度計10が配置されており、反応容器4は光源26及び分光光度計10の間に位置している。反応容器4は測光容器を兼ねる。また反応ディスク3の傍らには、反応容器4に注入された試料と試薬の混合液(被測定物)を撹拌棒29によって撹拌する撹拌機構8や、被測定物の吸光度を測定済みの反応容器4や撹拌棒29を洗浄する洗浄機構11が配置されている。
【0024】
なお、19はマイクロコンピュータ、23はインターフェース、18は変換器(A/D変換器及びLog変換器)、17は試薬用ピペッタ、16は洗浄水ポンプ、15は血清用ピペッタである。また、20はプリンタ、21は表示装置(例えばCRT)、22は記憶装置としてのハードディスク、24は操作パネルである。
【0025】
上記構成の自動分析装置を操作する場合、操作者は、まず操作パネル24で分析依頼情報を入力する。操作者が入力した分析依頼情報はマイクロコンピュータ19内のメモリ(図示せず)に記憶される。マイクロコンピュータ19のメモリに記憶された分析依頼情報に従って、サンプルディスク機構1の所定の位置にセットされた試料容器25内の測定対象試料は、血清用ピペッタ15及び血清サンプリング機構2のサンプルノズル27によって反応容器4に所定量分注される。サンプルノズル27は洗浄機構11によって水洗浄される。また、当該反応容器4には、試薬用ピペッタ17及び試薬ピペッティング機構7の試薬ノズル28によって試薬ディスク5の所定の位置にセットされた試薬容器6内の試薬が所定量分注される。試薬ノズル28は水洗浄された後、次の反応容器4のための試薬を分注する。反応容器4内の試料と試薬の混合液(被測定物)は、撹拌機構8の撹拌棒29により撹拌される。撹拌棒29は水洗浄された後、次の反応容器4内の混合液を撹拌する。
【0026】
反応容器4は恒温槽9により一定温度に保持されている。反応容器4には、光源26から測定光が入射され、反応容器4及びその内部の被測定物を透過した透過光が分光光度計10によって測光される。反応の過程は一定時間毎に分光光度計10によって測光され、設定された2つの波長を用いて混合液の吸光度が測定される。分光光度計10で測定された吸光度は、変換器(A/D変換器及びLog変換器)18によってディジタル信号化されて濃度値に換算され、インターフェース23を介してマイクロコンピュータ19に取り込まれる。マイクロコンピュータ19に取り込まれた濃度値は、適宜ハードディスク22に保存されたり、プリンタ20やCRT21に出力されたりする。測定が終了した反応容器4は洗浄機構11により水洗浄される。洗浄の終了した反応容器4は次の分析に順次使用される。
【0027】
次に本実施の形態における反応容器4の構成について説明する。
【0028】
図2は複数の反応容器4を有する反応容器ブロックの一構成例の外観構成を表した斜視図、図1は測定光の光軸と直交する方向から見た反応容器4の一構成例の鉛直断面図である。
【0029】
図2に示したように、反応容器4は、円弧状のプレート32の外周部に複数並べて設けられており、このプレート32を反応ディスク3に取り付けることで反応ディスク32の外周部に反応容器4の環状の列が形成される。プレート32は固定ピン穴35にピン(図示せず)を入れることで反応ディスク3に対して位置決めされ、固定ネジ穴34にネジ(図示せず)をねじ込むことで反応ディスク3に固定される。また、プレート32には、反応ディスク3に対して取り付け、取り外しをする場合に掴む取っ手33が設けられている。
【0030】
図1に示したように、反応容器4は、成型用の段階で、測光時に光軸に平行となる2面が上底よりも下底の方が短い台形状の形状をしている。反応容器4の測定光の光軸に交わる面、すなわち入射光面(測定光が入射する面)4aと透過光面(透過光が出射する面)4bは測定光の光軸に対して傾斜している。本実施の形態の場合、入射光面4aは下方に向かって、透過光面4bは上方に向かってそれぞれ測定光の進行方向に傾斜しているが、両面4a,4bの傾斜方向が同じであっても、測定光の光軸と平行な2面が上方又は下方に窄まる形状であれば良い。また、入射光面4a、透過光面4bのいずれかが測定光の光軸と直交する構成(鉛直面)であっても良い。また反応容器4は、測定光の光軸に平行な2面が下方に窄まる三角形状に形成された形状をしていても良い。この場合も、入射光面4a、透過光面4bのいずれかが測定光の光軸と直交する構成(鉛直面)であっても良い。
【0031】
このように構成することにより、測定光の透過する反応容器4の底面4cからの高さSによって光路長dが連続的に変化する。反応容器4の底面4cから任意の高さの光路に測定光を透過させる(任意の高さの光路を透過した測定光を受光する)ことで、光路長dを最小値から最大値の間で任意に設定することができる。本例の場合、入射光面4a及び透過光面4bが平面であるため光路長dは高さSに正比例し、例えば底面4cから高さS1,S2,S3(S1<S2<S3)の部分を透過する測定光の光路長d1,d2,d3には、S1:S2:S3=d1:d2:d3の関係が成立する。但し、入射光面4a及び透過光面4bが平面で光路長dが高さSに正比例する構成に限らず、入射光面4a及び透過光面4bを曲面とし、高さSの増減に応じて光路長dが増減する構成とすることもできる。
【0032】
なお、異なる光路長の測定結果を取得する場合、例えば光源26及び分光光度計10、或いは反応ディスク3が昇降する構成とすることもできるし、光源26及び分光光度計10の受光部の対を上下に多数並設しておき、設定の光路長に対応する対の受光部の検出結果を採用する構成とすることもできる。
【0033】
次に反応容器4を用いた検量線作成方法について説明する。
【0034】
本実施の形態の反応容器4を用いれば、最大値から最小値の間の値であれば、反応容器4を交換しなくても光路長dを任意に設定することができるので、同一反応容器でより幅広い分析作業に対応することができる。また、同一の被測定物で異なる任意の複数の光路長の吸光度測定結果を得ることで測定領域の拡大、高濃度検体の希釈や再検査の大幅な減少、低濃度検体の高精度測定の実現を図ることができ、また被測定物中の異物を検知して測定値に対する信頼性を向上させることができる。さらには、以下に説明するように、(1)1種類の標準液による2点以上の多点検量線、(2)1種類の標準液による複数の検量線、が作成可能である。
【0035】
(1)多点検量線の作成
本実施の形態の反応容器4を用い、1種類の標準液で多点検量線を作成する方法を説明する。ここでは、リニア2点の直線検量線を例示する。
【0036】
まず、オペレーターは濃度0以外の濃度既知の標準液を1本準備する。そして操作パネル24を操作し、表示装置21に表示されるキャリブレーション設定画面(図示せず)で反応容器4の底面4cからの距離S1,S2を2点設定し、これにより異なる距離の光路長d1,d2を決定し、さらにキャリブレーションの実行を操作パネル24で指示する。上記距離S1,S2は測定項目毎に設定可能である。
【0037】
キャリブレーションの実行の指示を受けたら、マイクロコンピュータ19は、反応容器4の底面4cから距離S1,S2の光路長d1,d2を透過した測定光を測定し、吸光度A1,A2を測定する。このとき、ランベルト・ベールの法則で知られるように「E=ecl」(E:吸光度,e:モル吸光係数,c:モル濃度,I:光路長)の関係が成立し、分光光度計10の吸光度は反応容器4内の光吸収物質の濃度、反応容器4の光路長dに比例する。この原理を基礎としてマイクロコンピュータ19の記憶部には予め所定のプログラムが格納されており、マイクロコンピュータ19は、濃度既知の標準液を被測定物として反応容器4の複数の光路長(この場合d1,d2)でそれぞれ取得した測定結果を、濃度の異なる複数の標準液を被測定物としてそれぞれ同一光路長(例えばd1)で取得した測定結果に換算し、この換算結果から多点検量線を作成することができる。例えばd1:d2=1:2、すなわちd2=2×d1である場合、光路長d2で得られた吸光度A2は、2倍の濃度の標準液を測定した場合の光路長d1の吸光度に置き換えることができる。すなわち、濃度Cxの1種類の標準液の光路長d1,d2の測定結果から、既知の異なる濃度Cx,2Cxの標準液の同一光路長d1の結果を想定し、図4に示した2点検量線を得ることができる。光路長dの設定数を増やすことで、3点以上の直線又は曲線検量線を作成することもできる。
【0038】
1種類の標準液で多点検量線を得る場合、通常は濃度の異なる複数の標準液の測定が必要な検量線を1種類の標準液で作成でき、高価な標準液や試薬の使用頻度が減少しランニングコストの低減にもつながる。また、光路長が連続的に変更できるため、プロットする各点の間隔や数を用途に応じて調整することで検量線の信頼性を向上させることができる。また、得られる吸光度は光路長に比例し、光路長は反応容器4の形状に対応するので、検量線の作成の容易化の効果も期待できる。
【0039】
(2)複数の検量線の作成
続いて、本実施の形態の反応容器4を用いて1種類の標準液で同時に複数の検量線を作成する方法を説明する。ここでは、リニア1点の直線検量線を2本作成する場合を例示する。
【0040】
まず、オペレーターは濃度0以外の濃度既知の標準液を1本準備する。そして操作パネル24を操作し、表示装置21に表示されるキャリブレーション設定画面(図示せず)で反応容器4の底面4cからの距離S1,S2を2点設定し、これにより異なる距離の光路長d1,d2を決定し、さらにキャリブレーションの実行を操作パネル24で指示する。上記距離S1,S2は測定項目毎に設定可能である。
【0041】
キャリブレーションの実行の指示を受けたら、マイクロコンピュータ19は、反応容器4の底面4cから距離S1,S2の光路長d1,d2を透過した測定光を測定し、吸光度A1,A2を測定する。マイクロコンピュータ19の記憶部には予め所定のプログラムが格納されており、マイクロコンピュータ19は、濃度既知の標準液を被測定物として反応容器4の複数の光路長(この場合d1,d2)でそれぞれ取得した測定結果から複数の検量線(検量線1,2)を作成することができる。光路長dの設定数を増やすことで、3本以上の検量線を作成することができる。
【0042】
1種類の標準液で複数の検量線が作成できるので、反応容器4内の気泡や異物の混入によってある光路長で測定結果が大きく逸脱した場合、他の光路長で測定した結果を報告することで再検査を不要とすることができる。
【0043】
ここで、上記のようにして得られた検量線は、測定感度の関係上、以下の可能性が推定される。光路長d1,d2,d3(d1<d2<d3)を設定した場合、d2を標準光路長、d1は標準光路長d2に対して短い光路長、d3は標準光路長d2にたいした長い光路長としたとき(d1<d2<d3)、光路長d1で得られる直線検量線は、標準液の低濃度域でリニアとなり、高濃度域ではリニアから乖離し易い。一方、光路長d3で得られる直線検量線は、標準液の高濃度域でリニアとなり、低濃度域ではリニアから乖離し易い。
【0044】
そこで、マイクロコンピュータ19は、図6に示すように複数の濃度既知の標準液を被測定物として反応容器4の複数の光路長dでそれぞれ取得した測定結果から、低濃度領域(低濃度の標準液)の長い光路長で取得された測定結果36、及び高濃度領域(高濃度の標準液)の短い光路長で取得された測定結果37を削除し、残りの測定結果から検量線38を作成する。これにより、適正範囲内で測定された結果のみを使用して検量線を作成することができ、信頼性をより向上させることができる。
【0045】
患者検体を測定する場合、吸光度が分光光度計10の測定範囲内であれば問題はない。しかし、吸光度が分光光度計10の測定範囲を超える高濃度検体を測定する場合、反応容器4の底面4cからの距離が最短の光路長で測定することで希釈せずに測定が可能となる。
【符号の説明】
【0046】
1 サンプルディスク
2 血清サンプリング機構
3 反応ディスク
4 反応容器
5 試薬ディスク
6 試薬容器
7 試薬ピペッティング機構
8 攪拌機構
9 恒温槽
10 分光光度計
11 洗浄機構
12 吸引ノズル
13 洗浄剤
14 洗剤注入ノズル
15 血清用ピペッタ
16 洗浄水ポンプ
17 試薬用ピペッタ
18 変換器
19 マイクロコンピュータ
20 プリンタ
21 表示装置
22 ハードディスク
23 インターフェース
24 操作パネル
25 試料容器
26 光源
27 サンプルノズル
28 試薬ノズル
29 攪拌棒
33 取っ手
34 固定ネジ穴
35 固定ピン穴
36 高濃度領域の長い光路長で取得された測定結果
37 低濃度領域の短い光路長で取得された測定結果
38 検量線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物を入れる反応容器と、この反応容器に側方から測定光を照射する光源と、前記反応容器の透過光を検出し被測定物の吸光度変化を測定する光度計とを備えた自動分析装置であって、
前記反応容器が、測定光の透過する高さによって光路長が連続的に変化するように形成されていることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1の自動分析装置において、前記反応容器の測定光の入射面及び透過面の少なくともいずれかが上方又は下方に向かって測定光の進行方向に傾斜していることを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項2の自動分析装置において、前記反応容器の測定光と平行な面が台形状であることを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項2の自動分析装置において、前記反応容器の測定光と平行な面が三角形状であることを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項1−4のいずれかの自動分析装置において、測定項目毎に光路長が選択可能な画面を表示する表示装置を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項1−5のいずれかの自動分析装置において、濃度既知の標準液を被測定物として前記反応容器の複数の光路長でそれぞれ取得した測定結果を、濃度の異なる複数の標準液を被測定物としてそれぞれ同一光路長で取得した測定結果に換算し、この換算結果から多点検量線を作成する手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
請求項1−6のいずれかの自動分析装置において、濃度既知の標準液を被測定物として前記反応容器の複数の光路長でそれぞれ取得した測定結果から複数の検量線を作成する手段を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項8】
請求項1−7のいずれかの自動分析装置において、複数の濃度既知の標準液を被測定物として前記反応容器の複数の光路長でそれぞれ取得した測定結果から、低濃度領域の長い光路長で取得された測定結果、及び高濃度領域の短い光路長で取得された測定結果を削除し、残りの測定結果から検量線を作成することを特徴とする自動分析装置。
【請求項9】
被測定物の吸光度変化を測定する光度計を備えた自動分析装置に用いられ、受け入れた被測定物に測定光を透過させるための反応容器であって、
測定光の透過する高さによって光路長が連続的に変化するように形成されていることを特徴とする反応容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−175342(P2010−175342A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17186(P2009−17186)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】