説明

自動運転システム及び自動運転方法

【課題】本発明の目的は、車両に所望の走行パターンを精度良く再現させるための自動運転システム及び自動運転方法を提供することである。
【解決手段】記憶部30Bは、位置目標値時系列データ及び車速目標値時系列データを記憶する。ハンドル駆動システム60は、位置目標値時系列データが記述する位置目標値と第2車両の位置とに基づいて第2車両のハンドル11Bの操舵角を制御する。ペダル駆動システム70は、車速目標値時系列データが記述する車速目標値と第2車両の車速とに基づいて第2車両のアクセルペダル12B又はブレーキペダル13Bの踏み込み量を制御する。ペダル駆動システムは、ペダルオフセットを用いて踏み込み量を制御する。調整部は、位置の変化を表す位置時系列データ、車速の変化を表す車速時系列データ、位置目標値時系列データ、及び車速目標値時系列データに基づいて、ペダルオフセットを調整するためのペダルオフセット調整値を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の自動運転に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両の自動操縦制御を開示している。この自動操縦制御においては、測位される自車位置に基づき、自車両を目標進行路に沿って自動操縦することが可能となっている。すなわち、操作スイッチを通じたユーザ入力により設定された目標速度を維持するように、スロットル弁が駆動され、自動ブレーキが作動される。また、進行方向を変える場合には、自動操舵が実行される。
【0003】
【特許文献1】特開2006−322752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、車両に所望の走行パターンを精度良く再現させるための自動運転システム及び自動運転方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、(発明を実施するための最良の形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための最良の形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0006】
本発明による自動運転システムは、第1車両(1A、1B)の位置変化及び車速変化を表す位置目標値時系列データ(32)及び車速目標値時系列データ(33)を記憶する記憶部(30B)と、第2車両(1B)の位置を取得する位置取得部(20B)と、前記第2車両の車速を取得する車速取得部(21B)と、前記位置目標値時系列データが記述する位置目標値と前記位置とに基づいて前記第2車両のハンドル(11B)の操舵角を制御するハンドル駆動システム(60)と、前記車速目標値時系列データが記述する車速目標値と前記車速とに基づいて前記第2車両のアクセルペダル(12B)及びブレーキペダル(13B)の踏み込み量を制御するペダル駆動システム(70)と、調整部(50)とを具備する。前記ペダル駆動システムは、前記車速目標値及び前記車速に基づいて目標踏み込み量を計算する車速コントローラ(71)と、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの一方の踏み込み量としての第1踏み込み量を検出する踏み込み量センサ(76A、76B)と、前記目標踏み込み量と前記第1踏み込み量との差、ペダルゲイン、及びペダルオフセットに基づいて踏み込み量制御値を計算する踏み込み量コントローラ(72A、72B)と、前記踏み込み量制御値に基づいて前記一方を操作するペダル駆動装置(77A、77B)とを備える。前記記憶部は、前記位置の変化を表す位置時系列データ(42)及び前記車速の変化を表す車速時系列データ(43)を記憶する。前記調整部は、前記位置時系列データ、前記車速時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記車速目標値時系列データに基づいて、前記ペダルオフセットを調整するためのペダルオフセット調整値を出力する。
【0007】
前記記憶部は、傾斜区間(82)を記述する傾斜データ(80)を記憶する。前記位置時系列データ、前記車速時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記車速目標値時系列データは、前記傾斜区間内の走行に基づいて取得された傾斜区間走行データを含む。前記調整部は、前記傾斜区間走行データに基づかないで前記ペダルオフセット調整値を出力する。
【0008】
前記ハンドル駆動システムは、前記位置目標値及び前記位置に基づいて目標操舵角を計算するハンドル操舵コントローラ(61)と、前記操舵角を検出するハンドル操舵角センサ(65)と、前記目標操舵角と前記操舵角との差、ハンドルゲイン、及びハンドルオフセットに基づいて操舵角制御値を計算する操舵角コントローラ(62)と、前記操舵角制御値に基づいて前記ハンドルを操作するハンドル駆動装置(67)とを備える。前記記憶部は、前記操舵角の変化を表す操舵角時系列データ(44)を記憶する。前記調整部は、前記第1車両のハンドル操舵角変化を表す操舵角目標値時系列データ(34)、前記操舵角時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記位置時系列データに基づいて、前記ハンドルオフセットを調整するためのハンドルオフセット調整値を出力する。
【0009】
本発明による自動運転システムは、第1車両(1A、1B)の位置変化、車速変化及びハンドル操舵角変化を表す位置目標値時系列データ(32)、車速目標値時系列データ(33)及び操舵角目標値時系列データ(34)を記憶する記憶部(30B)と、第2車両(1B)の位置を取得する位置取得部(20B)と、前記第2車両の車速を取得する車速取得部(21B)と、前記位置目標値時系列データが記述する位置目標値と前記位置とに基づいて前記第2車両のハンドル(11B)の操舵角を制御するハンドル駆動システム(60)と、前記車速目標値時系列データが記述する車速目標値と前記車速とに基づいて前記第2車両のアクセルペダル(12B)及びブレーキペダル(13B)の踏み込み量を制御するペダル駆動システム(70)と、調整部(50)とを具備する。前記ハンドル駆動システムは、前記位置目標値及び前記位置に基づいて目標操舵角を計算するハンドル操舵コントローラ(61)と、前記操舵角を検出するハンドル操舵角センサ(65)と、前記目標操舵角と前記操舵角との差、ハンドルゲイン及びハンドルオフセットに基づいて操舵角制御値を計算する操舵角コントローラ(62)と、前記操舵角制御値に基づいて前記ハンドルを操作するハンドル駆動装置(67)とを備える。前記記憶部は、前記位置の変化を表す位置時系列データ(42)及び前記操舵角の変化を表す操舵角時系列データ(44)を記憶する。前記調整部は、前記操舵角目標値時系列データ、前記操舵角時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記位置時系列データに基づいて、前記ハンドルオフセットを調整するためのハンドルオフセット調整値を出力する。
【0010】
上記自動運転システムにおいて、前記第1車両と前記第2車両とは別々の車両である場合がある。
【0011】
上記自動運転システムにおいて、前記第1車両と前記第2車両とは同一の車両である場合がある。
【0012】
本発明による自動運転方法は、第1車両(1A、1B)を人が運転するステップと、自動運転制御則に基づいて第2車両(1B)を自動運転するステップと、前記自動運転制御則を調整するステップとを具備する。前記人が運転するステップは、前記第1車両の位置変化及び車速変化を表す位置目標値時系列データ(32)及び車速目標値時系列データ(33)を取得するステップを備える。前記自動運転するステップは、前記第2車両の位置及び車速を取得するステップと、前記位置目標値時系列データが記述する位置目標値と前記位置とに基づいて前記第2車両のハンドル(11B)の操舵角を制御するステップと、前記車速目標値時系列データが記述する車速目標値と前記車速とに基づいて前記第2車両のアクセルペダル(12B)及びブレーキペダル(13B)の踏み込み量を制御するステップと、前記位置の変化を表す位置時系列データ(42)及び前記車速の変化を表す車速時系列データ(43)を取得するステップとを備える。前記踏み込み量を制御するステップは、前記車速目標値及び前記車速に基づいて目標踏み込み量を計算するステップと、前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの一方の踏み込み量としての第1踏み込み量を検出するステップと、前記目標踏み込み量と前記第1踏み込み量との差、ペダルゲイン、及びペダルオフセットに基づいて踏み込み量制御値を計算するステップと、前記踏み込み量制御値に基づいて前記一方を操作するステップとを備える。前記調整するステップは、前記位置時系列データ、前記車速時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記車速目標値時系列データに基づいて、前記ペダルオフセットを調整するためのペダルオフセット調整値を出力するステップを含む。
【0013】
前記位置時系列データ、前記車速時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記車速目標値時系列データは、傾斜区間(82)内の走行に基づいて取得された傾斜区間走行データを含む場合がある。この場合、前記出力するステップにおいて、前記ペダルオフセット調整値は前記傾斜区間走行データに基づかないで出力される。
【0014】
前記人が運転するステップは、前記第1車両のハンドル操舵角変化を表す操舵角目標値時系列データ(34)を取得するステップを備える。前記操舵角を制御するステップは、前記位置目標値及び前記位置に基づいて目標操舵角を計算するステップと、前記操舵角を検出するステップと、前記目標操舵角と前記操舵角との差、ハンドルゲイン、及びハンドルオフセットに基づいて操舵角制御値を計算するステップと、前記操舵角制御値に基づいて前記ハンドルを操作するステップとを備える。前記自動運転するステップは、前記操舵角の変化を表す操舵角時系列データ(44)を取得するステップを備える。前記調整するステップは、前記操舵角目標値時系列データ、前記操舵角時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記位置時系列データに基づいて、前記ハンドルオフセットを調整するためのハンドルオフセット調整値を出力するステップを含む。
【0015】
本発明による自動運転方法は、第1車両(1A、1B)を人が運転するステップと、自動運転制御則に基づいて第2車両(1B)を自動運転するステップと、前記自動運転制御則を調整するステップとを具備する。前記人が運転するステップは、前記第1車両の位置変化、車速変化、及びハンドル操舵角変化を表す位置目標値時系列(32)データ、車速目標値時系列データ(33)及び操舵角目標値時系列データ(34)を取得するステップを備える。前記自動運転するステップは、前記第2車両の位置及び車速を取得するステップと、前記位置目標値時系列データが記述する位置目標値と前記位置とに基づいて前記第2車両のハンドル(11B)の操舵角を制御するステップと、前記車速目標値時系列データが記述する車速目標値と前記車速とに基づいて前記第2車両のアクセルペダル(12B)及びブレーキペダル(13B)の踏み込み量を制御するステップと、前記操舵角を検出するステップと、前記位置の変化を表す位置時系列データ(42)及び前記操舵角の変化を表す操舵角時系列データ(44)を取得するステップを備える。前記操舵角を制御するステップは、前記位置目標値及び前記位置に基づいて目標操舵角を計算するステップと、前記目標操舵角と前記操舵角との差、ハンドルゲイン、及びハンドルオフセットに基づいて操舵角制御値を計算するステップと、前記操舵角制御値に基づいて前記ハンドルを操作するステップとを備える。前記調整するステップは、前記操舵角目標値時系列データ、前記操舵角時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記位置時系列データに基づいて、前記ハンドルオフセットを調整するためのハンドルオフセット調整値を出力するステップを含む。
【0016】
上記自動運転方法において、前記第1車両と前記第2車両とは別々の車両である場合がある。
【0017】
上記自動運転方法において、前記第1車両と前記第2車両とは同一の車両である場合がある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、車両に所望の走行パターンを精度良く再現させるための自動運転システム及び自動運転方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付図面を参照して、本発明による自動運転システム及び自動運転方法を実施するための最良の形態を以下に説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る自動運転システムは、図1に示す車両1Aと、図3に示す車両1Bとを備える。人(ドライバ)が車両1Aを運転したときの走行パターンを車両1Bが自動運転で精度良く再現することが求められる。
【0021】
図1を参照して、車両1Aは、ハンドル11Aと、アクセルペダル12Aと、ブレーキペダル13Aと、ハンドル操舵角センサ17Aと、GPS装置14Aと、ジャイロ15Aと、車輪エンコーダ16Aと、踏み込み量センサ18Aと、踏み込み量センサ19Aと、車両位置演算装置20Aと、車速演算装置21Aと、記憶部30Aとを備える。ハンドル操舵角センサ17Aは、ハンドル11Aの操舵角θrを検出し、記憶部30Aに出力する。GPS装置14Aは、GPS衛星からの信号に基づいて車両1Aの位置を検出する。ジャイロ15Aは、角度又は角速度を検出するジャイロスコープを備える。車輪エンコーダ16Aは、車両1Aが備える車輪の回転を検出するロータリーエンコーダを含む。車両位置演算装置20Aは、GPS装置14Aが検出した位置、ジャイロ15Aが検出した角度又は角速度、及び車輪エンコーダ16A検出した車輪の回転に基づいて車両1Aの二次元位置(Xr,Yr)を演算して取得し、記憶部30Aに出力する。車速演算装置21Aは、GPS装置14Aが検出した位置、ジャイロ15Aが検出した角度又は角速度、及び車輪エンコーダ16Aが検出した車輪の回転に基づいて車両1Aの車速Vrを演算して取得し、記憶部30Aに出力する。踏み込み量センサ18Aは、アクセルペダル12Aの踏み込み量Arを検出し、記憶部30Aに出力する。踏み込み量センサ19Aは、ブレーキペダル13Aの踏み込み量Brを検出し、記憶部30Aに出力する。記憶部30Aは、操舵角θr、位置(Xr,Yr)、車速Vr、アクセルペダル踏み込み量Ar、及びブレーキペダル踏み込み量Brを蓄積して走行パターンデータ31を取得し、走行パターンデータ31を記憶する。
【0022】
図2は、走行パターンデータ31のデータ構成を示す。走行パターンデータ31は、車両位置目標値時系列データ32と、車速目標値時系列データ33と、ハンドル操舵角時系列データ34と、アクセルペダル踏み込み量時系列データ35と、ブレーキペダル踏み込み量時系列データ36を含む。車両位置目標値時系列データ32は、車両1Aの位置(Xr,Yr)の変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける位置(Xr,Yr)、(Xr,Yr)、(Xri+1,Yri+1)、(Xr,Yr)を位置目標値として記述している。車速目標値時系列データ33は、車両1Aの車速Vrの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける車速Vr、Vr、Vri+1、Vrを車速目標値として記述している。ハンドル操舵角時系列データ34は、操舵角θrの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける操舵角θr、θr、θri+1、θrを記述している。アクセルペダル踏み込み量時系列データ35は、アクセルペダル踏み込み量Arの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおけるアクセルペダル踏み込み量Ar、Ar、Ari+1、Arを記述している。ブレーキペダル踏み込み量時系列データ36は、ブレーキペダル踏み込み量Brの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおけるブレーキペダル踏み込み量Br、Br、Bri+1、Brを記述している。
【0023】
人の運転で車両1Aがテストコースを走行する。このとき、走行パターンデータ31が取得される。
【0024】
図3を参照して、車両1Bは、ハンドル11Bと、アクセルペダル12Bと、ブレーキペダル13Bと、GPS装置14Bと、ジャイロ15Bと、車輪エンコーダ16Bと、自動運転装置10を備える。自動運転装置10は、車両位置演算装置20Bと、車速演算装置21Bと、記憶部30Bと、調整部50と、ハンドル駆動システム60と、ペダル駆動システム70を備える。調整部50は、例えば、コンピュータである。記憶部30Bは、走行パターンデータ31を記憶する。
【0025】
自動運転装置10は、自動運転制御則に基づいて、車両位置目標値時系列データ32及び車速目標値時系列データ33が表す走行パターンを車両1Bが再現するようにハンドル11B、アクセルペダル12B、及びブレーキペダル13Bを操作する。自動運転装置10により車両1Bが自動運転されるとき、車両1Bは無人である。しかし、車両1Bを運転しない人が自動運転中の車両1Bに乗ることはあり得る。
【0026】
GPS装置14Bは、GPS衛星からの信号に基づいて車両1Bの位置を検出する。ジャイロ15Bは、角度又は角速度を検出するジャイロスコープを備える。車輪エンコーダ16Bは、車両1Bが備える車輪の回転を検出するロータリーエンコーダを含む。車両位置演算装置20Bは、GPS装置14Bが検出した位置、ジャイロ15Bが検出した角度又は角速度、及び車輪エンコーダ16Bが検出した車輪の回転に基づいて車両1Bの二次元位置(X,Y)を演算して取得し、位置(X,Y)をハンドル駆動システム60及び記憶部30Bのために出力する。車速演算装置21Bは、GPS装置14Bが検出した位置、ジャイロ15Bが検出した角度又は角速度、及び車輪エンコーダ16Bが検出した車輪の回転に基づいて車両1Bの車速Vを演算して取得し、車速Vをペダル駆動システム70及び記憶部30Bのために出力する。
【0027】
記憶部30Bは、位置目標値(Xr,Yr)をハンドル駆動システム60に出力する。ここで、記憶部30Bは、自動運転の開始時刻に位置目標値(Xr,Yr)を出力し、位置目標値(Xr,Yr)、(Xri+1,Yri+1)、(Xr,Yr)等をそれぞれ対応する時刻に出力する。記憶部30Bは、車速目標値Vrをペダル駆動システム70のために出力する。ここで、記憶部30Bは、自動運転の開始時刻に車速目標値Vrを出力し、車速目標値Vr、Vri+1、Vr等をそれぞれ対応する時刻に出力する。
【0028】
ハンドル駆動システム60は、位置目標値(Xr,Yr)及び位置(X,Y)に基づいて、ハンドル11Bの操舵角θを制御する。ハンドル駆動システム60は、操舵角θを検出し、内部で使用するほかに記憶部30Bへ出力する。ペダル駆動システム70は、車速目標値Vr及び車速Vに基づいて、アクセルペダル12Bの踏み込み量A及びブレーキペダル13Bの踏み込み量Bを制御する。ペダル駆動システム70は、アクセルペダル踏み込み量A及びブレーキペダル踏み込み量Bを検出し、内部で使用するほかに記憶部30Bへ出力する。
【0029】
記憶部30Bは、操舵角θ、位置(X,Y)、車速V、アクセルペダル踏み込み量A、及びブレーキペダル踏み込み量Bを蓄積して無人走行データ41を取得し、無人走行データ41を記憶する。無人走行データ41は、自動運転走行データとも称される。無人走行データ41は、自動運転制御則を調整するために使用される。
【0030】
図4は、無人走行データ41のデータ構成を示す。無人走行データ41は、車両位置時系列データ42と、車速時系列データ43と、ハンドル操舵角時系列データ44と、アクセルペダル踏み込み量時系列データ45と、ブレーキペダル踏み込み量時系列データ46を含む。車両位置時系列データ42は、車両1Bの位置(X,Y)の変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける位置(X,Y)、(X,Y)、(Xi+1,Yi+1)、(X,Y)を記述している。ここで、時刻0は自動運転の開始時刻に対応する。車速時系列データ43は、車両1Bの車速Vの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける車速V、V、Vi+1、Vを記述している。ハンドル操舵角時系列データ44は、操舵角θの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける操舵角θ、θ、θi+1、θを記述している。アクセルペダル踏み込み量時系列データ45は、アクセルペダル踏み込み量Aの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおけるアクセルペダル踏み込み量A、A、Ai+1、Aを記述している。ブレーキペダル踏み込み量時系列データ46は、ブレーキペダル踏み込み量Bの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおけるブレーキペダル踏み込み量B、B、Bi+1、Bを記述している。
【0031】
図5を参照してハンドル駆動システム60を説明する。ハンドル駆動システム60は、ハンドル操舵コントローラ61と、操舵角コントローラ62と、ハンドル操舵角センサ65と、ハンドル駆動装置67を備える。ハンドル駆動装置67は、サーボドライバ63と、モータ64を備える。ハンドル操舵角センサ65は、例えば、ロータリーエンコーダを備える。ハンドル操舵角センサ65は、操舵角θを検出して出力する。
【0032】
ハンドル操舵コントローラ61は、位置目標値(Xr,Yr)及び位置(X,Y)に基づいて、目標操舵角θ*を計算する。
【0033】
図6を参照して、ハンドル操舵コントローラ61は、車両1Bの過去の位置(Xn−1,Yn−1)を始点、車両1Bの現在の位置(X,Y)を終点とするベクトルと、位置(X,Y)を始点、車両1Bが現在いるべき位置(Xr,Yr)を終点とするベクトルとのなす角αを計算する。
【0034】
ハンドル操舵コントローラ61は、ゲインG61及び角αに基づいて、下記式を用いて目標操舵角θ*を計算する。
【数1】

【0035】
操舵角コントローラ62は、目標操舵角θ*と操舵角θの差(θ*−θ)が正の場合、差(θ*−θ)と、ゲインG62と、オフセットΔθとに基づいて、下記式を用いて操舵角制御値θ**を計算する。
【数2】

【0036】
操舵角コントローラ62は、目標操舵角θ*と操舵角θの差(θ*−θ)が負の場合、差(θ*−θ)と、ゲインG62と、オフセットΔθとに基づいて、下記式を用いて操舵角制御値θ**を計算する。
【数3】

【0037】
操舵角コントローラ62は、目標操舵角θ*と操舵角θの差(θ*−θ)が正でも負でもない場合、下記式を用いて操舵角制御値θ**を計算する。
【数4】

【0038】
ここで、操舵角θ、目標操舵角θ*、及び操舵角制御値θ**の符号が正であることはハンドルを右に切ることに対応し、操舵角θ、目標操舵角θ*、及び操舵角制御値θ**の符号が負であることはハンドルを左に切ることに対応する。
【0039】
ハンドル駆動装置67は、操舵角制御値θ**に基づいてハンドル11Bを操作する(ハンドル11Bを回す)。
【0040】
図7を参照してペダル駆動システム70を説明する。ペダル駆動システム70は、車速コントローラ71と、アクセル踏み込み量コントローラ72Aと、踏み込み量センサ76Aと、ペダル駆動装置77Aと、ブレーキ踏み込み量コントローラ72Bと、踏み込み量センサ76Bと、ペダル駆動装置77Bを備える。ペダル駆動装置77Aは、サーボドライバ73Aと、モータ74Aと、回転/並進変換機構75Aを備える。ペダル駆動装置77Bは、サーボドライバ73Bと、モータ74Bと、回転/並進変換機構75Bを備える。回転/並進変換機構75A及び75Bは、回転運動を並進運動に変換する。踏み込み量センサ76Aは、例えば、ストロークセンサを備える。踏み込み量センサ76Aは、アクセルペダル踏み込み量Aを検出して出力する。踏み込み量センサ76Bは、例えば、ストロークセンサを備える。ペダル駆動装置77Bは、ブレーキペダル踏み込み量Bを検出して出力する。
【0041】
車速コントローラ71は、車速Vr及び車速Vに基づいて、アクセルペダル目標踏み込み量A*及びブレーキペダル目標踏み込み量B*を計算する。車速コントローラ71は、車速Vrと車速Vの差(Vr−V)が正のとき、差(Vr−V)及びゲインG71に基づいて下記式からアクセルペダル目標踏み込み量A*を計算し、下記式で示されるブレーキペダル目標踏み込み量B*を求める。
【数5】

【0042】
車速コントローラ71は、車速Vrと車速Vの差(Vr−V)が負のとき、下記式で示されるアクセルペダル目標踏み込み量A*を求め、差(Vr−V)及びゲインG71に基づいて下記式からブレーキペダル目標踏み込み量B*を計算する。
【数6】

【0043】
車速コントローラ71は、車速Vrと車速Vの差(Vr−V)が正でも負でもない場合、下記式で示されるアクセルペダル目標踏み込み量A*及びブレーキペダル目標踏み込み量B*を求める。
【数7】

【0044】
アクセル踏み込み量コントローラ72Aは、アクセルペダル目標踏み込み量A*とアクセルペダル踏み込み量Aの差(A*−A)と、ゲインG72と、オフセットΔAとに基づいて、下記式を用いてアクセルペダル踏み込み量制御値A**を計算する。
【数8】

ブレーキ踏み込み量コントローラ72Bは、ブレーキペダル目標踏み込み量B*とブレーキペダル踏み込み量Bの差(B*−B)と、ゲインG72と、オフセットΔBとに基づいて、下記式を用いてブレーキペダル踏み込み量制御値B**を計算する。
【数9】

【0045】
ペダル駆動装置77Aは、アクセルペダル踏み込み量制御値A**に基づいてアクセルペダル12Bを操作する(アクセルペダル12Bを踏み込む)。ペダル駆動装置77Bは、ブレーキペダル踏み込み量制御値B**に基づいてブレーキペダル13Bを操作する(ブレーキペダル13Bを踏み込む)。
【0046】
自動運転で車両1Bがテストコースを走行する。このとき、無人走行データ41が取得される。
【0047】
次に、自動運転制御則の調整について説明する。
【0048】
図8は、調整部50が備える操舵角コントローラ調整部51を示す。操舵角コントローラ調整部51は、操舵角微分部511と、移動距離算出部512と、検出部513と、操舵時間遅れ算出部514と、比較部515と、操舵角オフセット調整値出力部516を備える。
【0049】
図9は、調整部50が備えるアクセル踏み込み量コントローラ調整部52を示す。アクセル踏み込み量コントローラ調整部52は、車速微分部521と、移動距離算出部522と、検出部523と、アクセル時間遅れ算出部524と、比較部525と、アクセルオフセット調整値出力部526を備える。
【0050】
図10は、調整部50が備えるブレーキ踏み込み量コントローラ調整部53を示す。ブレーキ踏み込み量コントローラ調整部53は、車速微分部531と、移動距離算出部532と、検出部533と、ブレーキ時間遅れ算出部534と、比較部535と、ブレーキオフセット調整値出力部536を備える。
【0051】
操舵角コントローラ調整部51、アクセル踏み込み量コントローラ調整部52、及びブレーキ踏み込み量コントローラ調整部53は、例えば、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムに従って動作するCPUを用いて実現される。
【0052】
図11は、走行パターンデータ31に基づいて計算される移動距離時系列データ37、ハンドル操舵角微分値時系列データ38、及び車速目標値微分値時系列データ39を示す。
【0053】
図12は、無人走行データ41に基づいて計算される移動距離時系列データ47、ハンドル操舵角微分値時系列データ48、及び車速微分値時系列データ49を示す。
【0054】
操舵角コントローラ調整部51の動作を説明する。
【0055】
操舵角微分部511は、ハンドル操舵角時系列データ34に基づいてハンドル操舵角微分値時系列データ38を計算する。ハンドル操舵角微分値時系列データ38は、操舵角θrの微分値(dθ/dt)rの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける操舵角微分値(dθ/dt)r、(dθ/dt)r、(dθ/dt)ri+1、(dθ/dt)rを記述している。操舵角微分部511は、ハンドル操舵角時系列データ44に基づいてハンドル操舵角微分値時系列データ48を計算する。ハンドル操舵角微分値時系列データ48は、操舵角θの微分値(dθ/dt)の変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける操舵角微分値(dθ/dt)、(dθ/dt)、(dθ/dt)i+1、(dθ/dt)を記述している。
【0056】
移動距離算出部512は、車両位置目標値時系列データ32に基づいて移動距離時系列データ37を計算する。移動距離時系列データ37は、移動距離Mrの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける移動距離Mr、Mr、Mri+1、Mrを記述している。例えば、時刻0から時刻tまでの移動距離Mrは、下記式を用いて計算される。
【数10】

移動距離算出部512は、移動距離時系列データ37の場合と同様に、車両位置時系列データ42に基づいて移動距離時系列データ47を計算する。移動距離時系列データ47は、移動距離Mの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける移動距離M、M、Mi+1、Mを記述している。
【0057】
図13は、予め設定された操舵角オフセット評価区間を示す。操舵角オフセット評価区間は、例えば、テストコースのカーブ部分に対応する区間である。
【0058】
検出部513は、操舵角オフセット評価区間内で、操舵角θrの微分値が操舵速度閾値Ahdthを超えたときの移動距離Mrを検出する。例えば、時刻tから時刻tの間において位置(Xr,Yr)が操舵角オフセット評価区間に含まれる場合、操舵角θrの微分値が最初に操舵速度閾値Ahdthを超えた時刻tk1(t<tk1<t)を検出し、時刻tk1における移動距離Mrk1を検出する。更に、検出部513は、操舵角オフセット評価区間内で、操舵角θの微分値が操舵速度閾値Ahdthを超えたときの移動距離Mと車速Vを検出する。例えば、時刻tから時刻tの間において位置(X,Y)が操舵角オフセット評価区間に含まれる場合、操舵角θの微分値が最初に操舵速度閾値Ahdthを超えた時刻tl1(t<tl1<t)を検出し、時刻tl1における移動距離Ml1と車速Vl1を検出する。
【0059】
操舵時間遅れ算出部514は、移動距離の差(Mrk1−Ml1)と車速Vl1とに基づいて、下記式を用いて操舵時間遅れΔThdを計算する。
【数11】

【0060】
比較部515は、操舵時間遅れΔThdを予め設定された操舵角オフセット修正閾値Thdthと比較する。
【0061】
操舵角オフセット調整値出力部516は、操舵時間遅れΔThdが操舵角オフセット修正閾値Thdth以上の場合、操舵角オフセット調整値として+δθを出力する。操舵角コントローラ62は、古いオフセットΔθにδθが加算された新しいオフセットΔθを次回からの自動運転制御において用いる。
【0062】
操舵角オフセット調整値出力部516は、操舵時間遅れΔThdが−Thdthより大きく+Thdthより小さい場合、操舵角オフセット調整値を出力しない。操舵角コントローラ62は、オフセットΔθを調整しない。
【0063】
操舵角オフセット調整値出力部516は、操舵時間遅れΔThdが−Thdth以下の場合、操舵角オフセット調整値として−δθを出力する。操舵角コントローラ62は、古いオフセットΔθからδθが減算された新しいオフセットΔθを次回からの自動運転制御において用いる。
【0064】
操舵時間遅れΔThdが−Thdthより大きく+Thdthより小さくなるまで、自動運転と自動運転制御則の調整とを繰り返す。
【0065】
操舵角コントローラ調整部51を用いてオフセットΔθを修正することで、ハンドル11Bに固有の遊び量に対応するように自動運転制御則が調整される。したがって、車両1Bは、車両位置目標値時系列データ32及び車速目標値時系列データ33が表す走行パターンを精度良く再現することが可能である。
【0066】
次に、アクセル踏み込み量コントローラ調整部52の動作を説明する。
【0067】
車速微分部521は、車速目標値時系列データ33に基づいて車速目標値微分値時系列データ39を計算する。車速目標値微分値時系列データ39は、車速Vrの微分値(dV/dt)rの変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける車速微分値(dV/dt)r、(dV/dt)r、(dV/dt)ri+1、(dV/dt)rを記述している。車速微分部521は、車速時系列データ43に基づいて車速微分値時系列データ49を計算する。車速微分値時系列データ49は、車速Vの微分値(dV/dt)の変化を表し、時刻0、t、ti+1、tにおける車速微分値(dV/dt)、(dV/dt)、(dV/dt)i+1、(dV/dt)を記述している。
【0068】
移動距離算出部522は、移動距離算出部512と同様に、移動距離時系列データ37及び移動距離時系列データ47を計算する。
【0069】
図14は、予め設定されたアクセルオフセット評価区間を示す。アクセルオフセット評価区間は、移動距離の範囲として定義されている。アクセルオフセット評価区間は、例えば、テストコースのカーブ部分の後半とその直後の直線部分とに対応する。
【0070】
検出部523は、アクセルオフセット評価区間内で、車速Vrの微分値が加速加速度閾値Aacthを超えたときの移動距離Mrを検出する。例えば、時刻tから時刻tの間において移動距離Mrがアクセルオフセット評価区間に含まれる場合、速度Vrの微分値が最初に加速加速度閾値Aacthを超えた時刻tk2(t<tk2<t)を検出し、時刻tk2における移動距離Mrk2を検出する。更に、検出部523は、アクセルオフセット評価区間内で、車速Vの微分値が加速加速度閾値Aacthを超えたときの移動距離Mと車速Vを検出する。例えば、時刻tから時刻tの間において移動距離Mがアクセルオフセット評価区間に含まれる場合、車速Vの微分値が最初に速加速度閾値Aacthを超えた時刻tl2(t<tl2<t)を検出し、時刻tl2における移動距離Ml2と車速Vl2を検出する。
【0071】
アクセル時間遅れ算出部524は、移動距離の差(Mrk2−Ml2)と車速Vl2とに基づいて、下記式を用いてアクセル時間遅れΔTacを計算する。
【数12】

【0072】
比較部525は、アクセル時間遅れΔTacを予め設定されたアクセルオフセット修正閾値Tacthと比較する。
【0073】
アクセルオフセット調整値出力部526は、アクセル時間遅れΔTacがアクセルオフセット修正閾値Tacth以上の場合、アクセルオフセット調整値として+δAを出力する。アクセル踏み込み量コントローラ72Aは、古いオフセットΔAにδAが加算された新しいオフセットΔAを次回からの自動運転制御において用いる。
【0074】
アクセルオフセット調整値出力部526は、アクセル時間遅れΔTacが−Tacthより大きく+Tacthより小さい場合、アクセルオフセット調整値を出力しない。アクセル踏み込み量コントローラ72Aは、オフセットΔAを調整しない。
【0075】
アクセルオフセット調整値出力部526はアクセル時間遅れΔTacが−Tacth以下の場合、アクセルオフセット調整値として−δAを出力する。アクセル踏み込み量コントローラ72Aは、古いオフセットΔAからδAが減算された新しいオフセットΔAを次回からの自動運転制御において用いる。
【0076】
アクセル時間遅れΔTacが−Tacthより大きく+Tacthより小さくなるまで、自動運転と自動運転制御則の調整とを繰り返す。
【0077】
アクセル踏み込み量コントローラ調整部52を用いてオフセットΔAを修正することで、アクセルペダル12Bに固有の効き始めまでの踏み込み量に対応するように自動運転制御則が調整される。したがって、車両1Bは、車両位置目標値時系列データ32及び車速目標値時系列データ33が表す走行パターンを精度良く再現することが可能である。
【0078】
次に、ブレーキ踏み込み量コントローラ調整部53の動作を説明する。
【0079】
車速微分部531は、車速微分部521と同様に、車速目標値微分値時系列データ39及び車速微分値時系列データ49を計算する。
【0080】
移動距離算出部532は、移動距離算出部512と同様に、移動距離時系列データ37及び移動距離時系列データ47を計算する。
【0081】
図15は、予め設定されたブレーキオフセット評価区間を示す。ブレーキオフセット評価区間は、移動距離の範囲として定義されている。ブレーキオフセット評価区間は、例えば、テストコースのカーブ部分の直前の直線部分に対応する。
【0082】
検出部533は、ブレーキオフセット評価区間内で、車速Vrの微分値が減速加速度閾値Abkthを超えたときの移動距離Mrを検出する。例えば、時刻tから時刻tの間において移動距離Mrがブレーキオフセット評価区間に含まれる場合、速度Vrの微分値が最初に減速加速度閾値Abkthを超えた時刻tk3(t<tk3<t)を検出し、時刻tk3における移動距離Mrk3を検出する。更に、検出部533は、ブレーキオフセット評価区間内で、車速Vの微分値が減速加速度閾値Abkthを超えたときの移動距離Mと車速Vを検出する。例えば、時刻tから時刻tの間において移動距離Mがブレーキオフセット評価区間に含まれる場合、車速Vの微分値が最初に減速速度閾値Abkthを超えた時刻tl3(t<tl3<t)を検出し、時刻tl3における移動距離Ml3と車速Vl3を検出する。
【0083】
ブレーキ時間遅れ算出部534は、移動距離の差(Mrk3−Ml3)と車速Vl3とに基づいて、下記式を用いてブレーキ時間遅れΔTbkを計算する。
【数13】

【0084】
比較部535は、ブレーキ時間遅れΔTbkを予め設定されたブレーキオフセット修正閾値Tbkthと比較する。
【0085】
ブレーキオフセット調整値出力部536は、ブレーキ時間遅れΔTbkがブレーキオフセット修正閾値Tbkth以上の場合、ブレーキオフセット調整値として+δBを出力する。ブレーキ踏み込み量コントローラ72Bは、古いオフセットΔBにδBが加算された新しいオフセットΔBを次回からの自動運転制御において用いる。
【0086】
ブレーキオフセット調整値出力部536は、ブレーキ時間遅れΔTbkが−Tbkthより大きく+Tbkthより小さい場合、ブレーキオフセット調整値を出力しない。ブレーキ踏み込み量コントローラ72Bは、オフセットΔBを調整しない。
【0087】
ブレーキオフセット調整値出力部536はアクセル時間遅れΔTbkが−Tbkth以下の場合、ブレーキオフセット調整値として−δBを出力する。ブレーキ踏み込み量コントローラ72Bは、古いオフセットΔBからδBが減算された新しいオフセットΔBを次回からの自動運転制御において用いる。
【0088】
ブレーキ時間遅れΔTbkが−Tbkthより大きく+Tbkthより小さくなるまで、自動運転と自動運転制御則の調整とを繰り返す。
【0089】
ブレーキ踏み込み量コントローラ調整部53を用いてオフセットΔBを修正することで、ブレーキペダル13Bに固有の効き始めまでの踏み込み量に対応するように自動運転制御則が調整される。したがって、車両1Bは、車両位置目標値時系列データ32及び車速目標値時系列データ33が表す走行パターンを精度良く再現することが可能である。
【0090】
本実施形態に係る調整部50は、操舵角コントローラ調整部51、アクセル踏み込み量コントローラ調整部52、及びブレーキ踏み込み量コントローラ調整部53の全てを備えることが望ましいが、操舵角コントローラ調整部51、アクセル踏み込み量コントローラ調整部52、及びブレーキ踏み込み量コントローラ調整部53から選択される少なくとも一つを備えればよい。
【0091】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る調整部50は、第1の実施形態に係る調整部50に操舵制御ゲイン調整部54及び車速制御ゲイン調整部55が追加されたものである。本実施形態に係る調整部50は、操舵角コントローラ調整部51、アクセル踏み込み量コントローラ調整部52、及びブレーキ踏み込み量コントローラ調整部53のかわりに操舵制御ゲイン調整部54及び車速制御ゲイン調整部55を備えてもよい。本実施形態に係る調整部50は、操舵制御ゲイン調整部54及び車速制御ゲイン調整部55の両方を備えても良く、一方だけを備えてもよい。操舵制御ゲイン調整部54及び車速制御ゲイン調整部55は、例えば、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムに従って動作するCPUを用いて実現される。
【0092】
図16を参照して、操舵制御ゲイン調整部54は、無人走行データ41と走行パターンデータ31との比較に基づいて、ゲイン調整値δG61を出力する。ゲイン調整値δG61は、正の値をとる場合と、負の値をとる場合とがある。ハンドル操舵コントローラ61は古いゲインG61にゲイン調整値δG61を加算した新しいゲインG61を次回からの自動運転制御において用いる。車両位置目標値時系列データ32及び車速目標値時系列データ33と車両位置時系列データ42及び車速時系列データ43との誤差が設定した範囲内になるまで、自動運転と自動運転制御則の調整とを繰り返す。
【0093】
操舵制御ゲイン調整部54によりゲインG61を修正することで、自動運転制御則が調整される。したがって、車両1Bは、車両位置目標値時系列データ32及び車速目標値時系列データ33が表す走行パターンを精度良く再現することが可能である。
【0094】
図17を参照して、車速制御ゲイン調整部55は、無人走行データ41と走行パターンデータ31との比較に基づいて、ゲイン調整値δG71を出力する。ゲイン調整値δG71は、正の値をとる場合と、負の値をとる場合とがある。車速コントローラ71は古いゲインG71にゲイン調整値δG71を加算した新しいゲインG71を次回からの自動運転制御において用いる。車両位置目標値時系列データ32及び車速目標値時系列データ33と車両位置時系列データ42及び車速時系列データ43との誤差が設定した範囲内になるまで、自動運転と自動運転制御則の調整とを繰り返す。
【0095】
車速制御ゲイン調整部55によりゲインG71を修正することで、自動運転制御則が調整される。したがって、車両1Bは、車両位置目標値時系列データ32及び車速目標値時系列データ33が表す走行パターンを精度良く再現することが可能である。
【0096】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る車両1Bは、第1の実施形態又は第2の実施形態にかかる車両1Bと下記点で異なり、その他の点は同じである。
【0097】
図18に示すように、第3の実施形態に係る記憶部30は、走行パターンデータ31及び無人走行データ41に加えて傾斜データ80を記憶する。
【0098】
図19に示すように、傾斜データ80は、テストコースの平坦区間81及び傾斜区間82を記述する。車両位置目標値時系列データ32、ハンドル操舵角時系列データ34、車両位置時系列データ42、及びハンドル操舵角時系列データ44は、平坦区間81内の走行に基づいて取得された平坦区間走行データと傾斜区間82内の走行に基づいて取得された傾斜区間走行データを含む。傾斜区間を走行中には、アクセルペダル及びブレーキペダルの操作以外の要因(例えば路面の傾き)が車両1A及び車両1Bの車速に大きな影響を及ぼす。
【0099】
図18を参照して、アクセル踏み込み量コントローラ調整部52は、平坦区間走行データに基づき、傾斜区間走行データに基づかないで、アクセルオフセット調整値δAを出力する。
【0100】
図20を参照して、ブレーキ踏み込み量コントローラ調整部53は、平坦区間走行データに基づき、傾斜区間走行データに基づかないで、ブレーキオフセット調整値δBを出力する。
【0101】
図21を参照して、車速制御ゲイン調整部55は、平坦区間走行データに基づき、傾斜区間走行データに基づかないで、ゲイン調整値δG71を出力する。
【0102】
本実施形態においては、傾斜区間走行データに基づかないで自動運転制御則を調整するため、自動運転と自動運転制御則の調整とを繰り返す回数が少なくて済む。
【0103】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る調整部50は、上述の操舵角コントローラ調整部51、アクセル踏み込み量コントローラ調整部52、ブレーキ踏み込み量コントローラ調整部53、操舵制御ゲイン調整部54、及び車速制御ゲイン調整部55のかわりに走行パターンデータ調整部56を備える。走行パターンデータ調整部56は、例えば、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムに従って動作するCPUを用いて実現される。
【0104】
図22を参照して、走行パターンデータ調整部56は、走行パターンデータ31と無人走行データ41との比較に基づいて、走行パターンデータ31の車両位置目標値時系列データ32及び車速目標値時系列データ33を修正して走行パターンデータ31−1を生成する。走行パターンデータ31−1は、車両位置目標値時系列データ32が修正された車両位置目標値時系列データ32−1と車速目標値時系列データ33が修正された車速目標値時系列データ33−1とを備える。次回の自動運転において、走行パターンデータ31のかわりに走行パターンデータ31−1が用いられる。
【0105】
図23を参照して、走行パターンデータ31−Nを用いた自動運転において、無人走行データ41−Nが取得される。ここで、Nは任意の自然数である。走行パターンデータ調整部56は、走行パターンデータ31と無人走行データ41―Nとの比較に基づいて、走行パターンデータ31−Nの車両位置目標値時系列データ32−N及び車速目標値時系列データ33−Nを修正して走行パターンデータ31−(N+1)を生成する。走行パターンデータ31−(N+1)は、車両位置目標値時系列データ32−Nが修正された車両位置目標値時系列データ32−(N+1)と車速目標値時系列データ33−Nが修正された車速目標値時系列データ33−(N+1)を備える。次回の自動運転において、走行パターンデータ31−(N+1)が用いられる。
【0106】
走行パターンデータ31と無人走行データ41−Nとの誤差が所定の範囲内になるまで、自動運転と走行パターンデータの修正とが繰り返される。
【0107】
本実施形態においても、車両1Bは、車両位置目標値時系列データ32及び車速目標値時系列データ33が表す走行パターンを精度良く再現することが可能である。
【0108】
上記各実施形態において、車両1Aと車両1Bとは同一の車両であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両のブロック図である。
【図2】図2は、走行パターンデータのデータ構成を示す。
【図3】図3は、第1の実施形態に係る他の車両のブロック図である。
【図4】図4は、無人走行データのデータ構成を示す。
【図5】図5は、第1の実施形態に係るハンドル駆動システムを示すブロック図である。
【図6】図6は、角αを説明する説明図である。
【図7】図7は、第1の実施形態に係るペダル駆動システムを示すブロック図である。
【図8】図8は、第1の実施形態に係る操舵角コントローラ調整部を示すブロック図である。
【図9】図9は、第1の実施形態に係るアクセル踏み込み量コントローラ調整部を示すブロック図である。
【図10】図10は、第1の実施形態に係るブレーキ踏み込み量コントローラ調整部を示すブロック図である。
【図11】図11は、移動距離時系列データ、ハンドル操舵角微分値時系列データ及び車速目標値微分値時系列データを示す。
【図12】図12は、移動距離時系列データ、ハンドル操舵角微分値時系列データ及び車速微分値時系列データを示す。
【図13】図13は、操舵角オフセット調整値を出力する方法を説明する説明図である。
【図14】図14は、アクセルオフセット調整値を出力する方法を説明する説明図である。
【図15】図15は、ブレーキオフセット調整値を出力する方法を説明する説明図である。
【図16】図16は、本発明の第2の実施形態に係る操舵制御ゲイン調整部を示す。
【図17】図17は、第2の実施形態に係る車速制御ゲイン調整部を示す。
【図18】図18は、本発明の第3の実施形態に係るアクセル踏み込み量コントローラ調整部を示す。
【図19】図19は、傾斜データが表す傾斜区間及び平坦区間を説明する説明図である。
【図20】図20は、第3の実施形態に係るブレーキ踏み込み量コントローラ調整部を示す。
【図21】図21は、第3の実施形態に係る車速制御ゲイン調整部を示す。
【図22】図22は、本発明の第4の実施形態に係る走行パターンデータ調整部を示す。
【図23】図23は、第4の実施形態に係る走行パターンデータ調整部を示す。
【符号の説明】
【0110】
1A、1B…車両
10…自動運転装置
11A、11B…ハンドル
12A、12B…アクセルペダル
13A、13B…ブレーキペダル
14A、14B…GPS装置
15A、15B…ジャイロ
16A、16B…車輪エンコーダ
17A、17B…ハンドル操舵角センサ
18A、18B…踏み込み量センサ
19A、19B…踏み込み量センサ
20A、20B…車両位置演算装置
21A、21B…車速演算装置
30A、30B…記憶部
31…走行パターンデータ
32…車両位置目標値時系列データ
33…車速目標値時系列データ
34…ハンドル操舵角時系列データ
35…アクセルペダル踏み込み量時系列データ
36…ブレーキペダル踏み込み量時系列データ
37…移動距離時系列データ
38…ハンドル操舵角微分値時系列データ
39…車速目標値微分値時系列データ
41…無人走行データ
42…車両位置時系列データ
43…車速時系列データ
44…ハンドル操舵角時系列データ
45…アクセルペダル踏み込み量時系列データ
46…ブレーキペダル踏み込み量時系列データ
47…移動距離時系列データ
48…ハンドル操舵角微分値時系列データ
49…車速微分値時系列データ
50…調整部
51…操舵角コントローラ調整部
511…操舵角微分部
512…移動距離算出部
513…検出部
514…操舵時間遅れ算出部
515…比較部
516…操舵角オフセット調整値出力部
52…アクセル踏み込み量コントローラ調整部
521…車速微分部
522…移動距離算出部
523…検出部
524…アクセル時間遅れ算出部
525…比較部
526…アクセルオフセット調整値出力部
53…ブレーキ踏み込み量コントローラ調整部
531…車速微分部
532…移動距離算出部
533…検出部
534…ブレーキ時間遅れ算出部
535…比較部
536…ブレーキオフセット調整値出力部
54…操舵制御ゲイン調整部
55…車速制御ゲイン調整部
56…走行パターンデータ調整部
60…ハンドル駆動システム
61…ハンドル操舵コントローラ
62…操舵角コントローラ
63…サーボドライバ
64…モータ
65…ハンドル操舵角センサ
67…ハンドル駆動装置
70…ペダル駆動システム
71…車速コントローラ
72A…アクセルペダル踏み込み量コントローラ
72B…ブレーキペダル踏み込み量コントローラ
73A、73B…サーボドライバ
74A、74B…モータ
75A、75B…回転/並進変換機構
76A、76B…踏み込み量センサ
77A、77B…ペダル駆動装置
80…傾斜データ
81…平坦区間
82…傾斜区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車両の位置変化及び車速変化を表す位置目標値時系列データ及び車速目標値時系列データを記憶する記憶部と、
第2車両の位置を取得する位置取得部と、
前記第2車両の車速を取得する車速取得部と、
前記位置目標値時系列データが記述する位置目標値と前記位置とに基づいて前記第2車両のハンドルの操舵角を制御するハンドル駆動システムと、
前記車速目標値時系列データが記述する車速目標値と前記車速とに基づいて前記第2車両のアクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み量を制御するペダル駆動システムと、
調整部と
を具備し、
前記ペダル駆動システムは、
前記車速目標値及び前記車速に基づいて目標踏み込み量を計算する車速コントローラと、
前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの一方の踏み込み量としての第1踏み込み量を検出する踏み込み量センサと、
前記目標踏み込み量と前記第1踏み込み量との差、ペダルゲイン、及びペダルオフセットに基づいて踏み込み量制御値を計算する踏み込み量コントローラと、
前記踏み込み量制御値に基づいて前記一方を操作するペダル駆動装置と
を備え、
前記記憶部は、前記位置の変化を表す位置時系列データ及び前記車速の変化を表す車速時系列データを記憶し、
前記調整部は、前記位置時系列データ、前記車速時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記車速目標値時系列データに基づいて、前記ペダルオフセットを調整するためのペダルオフセット調整値を出力する
自動運転システム。
【請求項2】
前記記憶部は、傾斜区間を記述する傾斜データを記憶し、
前記位置時系列データ、前記車速時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記車速目標値時系列データは、前記傾斜区間内の走行に基づいて取得された傾斜区間走行データを含み、
前記調整部は、前記傾斜区間走行データに基づかないで前記ペダルオフセット調整値を出力する
請求項1の自動運転システム。
【請求項3】
前記ハンドル駆動システムは、
前記位置目標値及び前記位置に基づいて目標操舵角を計算するハンドル操舵コントローラと、
前記操舵角を検出するハンドル操舵角センサと、
前記目標操舵角と前記操舵角との差、ハンドルゲイン、及びハンドルオフセットに基づいて操舵角制御値を計算する操舵角コントローラと、
前記操舵角制御値に基づいて前記ハンドルを操作するハンドル駆動装置と
を備え、
前記記憶部は、前記操舵角の変化を表す操舵角時系列データを記憶し、
前記調整部は、前記第1車両のハンドル操舵角変化を表す操舵角目標値時系列データ、前記操舵角時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記位置時系列データに基づいて、前記ハンドルオフセットを調整するためのハンドルオフセット調整値を出力する
請求項1又は2の自動運転システム。
【請求項4】
第1車両の位置変化、車速変化及びハンドル操舵角変化を表す位置目標値時系列データ、車速目標値時系列データ及び操舵角目標値時系列データを記憶する記憶部と、
第2車両の位置を取得する位置取得部と、
前記第2車両の車速を取得する車速取得部と、
前記位置目標値時系列データが記述する位置目標値と前記位置とに基づいて前記第2車両のハンドルの操舵角を制御するハンドル駆動システムと、
前記車速目標値時系列データが記述する車速目標値と前記車速とに基づいて前記第2車両のアクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み量を制御するペダル駆動システムと、
調整部と
を具備し、
前記ハンドル駆動システムは、
前記位置目標値及び前記位置に基づいて目標操舵角を計算するハンドル操舵コントローラと、
前記操舵角を検出するハンドル操舵角センサと、
前記目標操舵角と前記操舵角との差、ハンドルゲイン及びハンドルオフセットに基づいて操舵角制御値を計算する操舵角コントローラと、
前記操舵角制御値に基づいて前記ハンドルを操作するハンドル駆動装置と
を備え、
前記記憶部は、前記位置の変化を表す位置時系列データ及び前記操舵角の変化を表す操舵角時系列データを記憶し、
前記調整部は、前記操舵角目標値時系列データ、前記操舵角時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記位置時系列データに基づいて、前記ハンドルオフセットを調整するためのハンドルオフセット調整値を出力する
自動運転システム。
【請求項5】
前記第1車両と前記第2車両とは別々の車両である
請求項1乃至4のいずれかに記載の自動運転システム。
【請求項6】
前記第1車両と前記第2車両とは同一の車両である
請求項1乃至4のいずれかに記載の自動運転システム。
【請求項7】
第1車両を人が運転するステップと、
自動運転制御則に基づいて第2車両を自動運転するステップと、
前記自動運転制御則を調整するステップと
を具備し、
前記人が運転するステップは、前記第1車両の位置変化及び車速変化を表す位置目標値時系列データ及び車速目標値時系列データを取得するステップを備え、
前記自動運転するステップは、
前記第2車両の位置及び車速を取得するステップと、
前記位置目標値時系列データが記述する位置目標値と前記位置とに基づいて前記第2車両のハンドルの操舵角を制御するステップと、
前記車速目標値時系列データが記述する車速目標値と前記車速とに基づいて前記第2車両のアクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み量を制御するステップと、
前記位置の変化を表す位置時系列データ及び前記車速の変化を表す車速時系列データを取得するステップと
を備え、
前記踏み込み量を制御するステップは、
前記車速目標値及び前記車速に基づいて目標踏み込み量を計算するステップと、
前記アクセルペダル及び前記ブレーキペダルの一方の踏み込み量としての第1踏み込み量を検出するステップと、
前記目標踏み込み量と前記第1踏み込み量との差、ペダルゲイン、及びペダルオフセットに基づいて踏み込み量制御値を計算するステップと、
前記踏み込み量制御値に基づいて前記一方を操作するステップと
を備え、
前記調整するステップは、前記位置時系列データ、前記車速時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記車速目標値時系列データに基づいて、前記ペダルオフセットを調整するためのペダルオフセット調整値を出力するステップを含む
自動運転方法。
【請求項8】
前記位置時系列データ、前記車速時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記車速目標値時系列データは、傾斜区間内の走行に基づいて取得された傾斜区間走行データを含み、
前記出力するステップにおいて、前記ペダルオフセット調整値は前記傾斜区間走行データに基づかないで出力される
請求項7の自動運転方法。
【請求項9】
前記人が運転するステップは、前記第1車両のハンドル操舵角変化を表す操舵角目標値時系列データを取得するステップを備え、
前記操舵角を制御するステップは、
前記位置目標値及び前記位置に基づいて目標操舵角を計算するステップと、
前記操舵角を検出するステップと、
前記目標操舵角と前記操舵角との差、ハンドルゲイン、及びハンドルオフセットに基づいて操舵角制御値を計算するステップと、
前記操舵角制御値に基づいて前記ハンドルを操作するステップと
を備え、
前記自動運転するステップは、前記操舵角の変化を表す操舵角時系列データを取得するステップを備え、
前記調整するステップは、前記操舵角目標値時系列データ、前記操舵角時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記位置時系列データに基づいて、前記ハンドルオフセットを調整するためのハンドルオフセット調整値を出力するステップを含む
請求項7又は8の自動運転方法。
【請求項10】
第1車両を人が運転するステップと、
自動運転制御則に基づいて第2車両を自動運転するステップと、
前記自動運転制御則を調整するステップと
を具備し、
前記人が運転するステップは、前記第1車両の位置変化、車速変化、及びハンドル操舵角変化を表す位置目標値時系列データ、車速目標値時系列データ及び操舵角目標値時系列データを取得するステップを備え、
前記自動運転するステップは、
前記第2車両の位置及び車速を取得するステップと、
前記位置目標値時系列データが記述する位置目標値と前記位置とに基づいて前記第2車両のハンドルの操舵角を制御するステップと、
前記車速目標値時系列データが記述する車速目標値と前記車速とに基づいて前記第2車両のアクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込み量を制御するステップと、
前記操舵角を検出するステップと、
前記位置の変化を表す位置時系列データ及び前記操舵角の変化を表す操舵角時系列データを取得するステップと
を備え、
前記操舵角を制御するステップは、
前記位置目標値及び前記位置に基づいて目標操舵角を計算するステップと、
前記目標操舵角と前記操舵角との差、ハンドルゲイン、及びハンドルオフセットに基づいて操舵角制御値を計算するステップと、
前記操舵角制御値に基づいて前記ハンドルを操作するステップと
を備え、
前記調整するステップは、前記操舵角目標値時系列データ、前記操舵角時系列データ、前記位置目標値時系列データ、及び前記位置時系列データに基づいて、前記ハンドルオフセットを調整するためのハンドルオフセット調整値を出力するステップを含む
自動運転方法。
【請求項11】
前記第1車両と前記第2車両とは別々の車両である
請求項7乃至10のいずれかに記載の自動運転方法。
【請求項12】
前記第1車両と前記第2車両とは同一の車両である
請求項7乃至10のいずれかに記載の自動運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−89698(P2010−89698A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263210(P2008−263210)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】