説明

航空機の識別およびドッキング誘導システム

【課題】到来する航空機等の対象物を適当な停止点まで正確且つ能率的に追跡する。
【解決手段】到来する対象物(12)を追跡するシステムは、光パルスを発生する手段(20)と、そのパルスを外方に、到来する対象物に投射し、その対象物からそのパルスを反射させる手段(21,22,24,25)と、その対象物から反射した光パルスを収集する手段(20)と、システムを較正すべく、投射光パルスを既知の角度方向にかつ既知の距離に配置された較正要素に指向させる手段(26)と、所定点から延びる仮想軸線に対する位置を検出し、その対象物とその所定点の間の距離を検出して、その対象物の位置の追跡を可能とする手段(62)と、を有し、レーザ走査に関する情報を反映し既知の形状を表わす輪郭テーブルと比較される比較テーブルを生成し、各反射パルスについて対象物のノーズから測定装置までの距離の分布を記録する距離分布テーブルを生成し、予定停止位置までの平均距離を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物(目標)の位置を探知し、識別し且つ誘導(トラッキング)するためのシステムに関するものである。特に、本発明は航空機の位置の探知、識別およびドッキング(ドック入れ)誘導システム、ならびに飛行場にある対象物(目標)の位置を探知し、識別し、さらにこのような飛行場において航空機を安全且つ効率的にドッキングするための地上トラフィック管制方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、旅客、貨物共に著しく増え、また離着陸および他の航空機の地上におけるトラフィックを含む航空機の他のトラフィックが増えてきた。また、貨物の荷降ろし、配送サービスおよびすべての航空機の運行中のメンテナンスおよび支援に必要な地上支援車両も著しく増えてきた。このように地上トラフィックが大幅に増加したことにより、また飛行場にある航空機の識別ならびにドッキングに関してより多くの管制が必要になり、またより多くの安全性の確保が必要になってきた。
【0003】
飛行場における航空機の存在ならびに他のトラフィック状況を検出するために提案された従来技術によるシステムの例として、米国特許第4995102号、欧州特許第188757 号、およびPCT公開出願WO93/13104号およびWO93/145416号の各明細書に開示されたシステムがある。
【0004】
しかし、これらの従来のシステムは、特に、例えば霧や雪、あるいはひょう、あられ、みぞれ等が降る状況で遭遇するような視界を悪くする悪天候の下では、飛行場上にある航空機の存在を検知するのに満足できるものではなかった。さらに、従来の刊行物に開示されたシステムはいずれも接近しつつある航空機の特定の形状(configuration) を識別することも確認することもできなかった。さらにまた、従来のシステムでは、航空機を空港のローディング・ゲートのような指定された停止点または停止位置まで追跡・誘導し、ドッキングするための充分な技術を提供することができなかった。また、従来のシステムは、ローディング・ゲートにおける計測装置を充分に較正・調整(calibrate) することができる技術を提供することができなかった。
【0005】
従って、広い範囲の大気の状況にわたって飛行場にある航空機や他の地上移動体を安全に且つ信頼性をもって検出することができるシステムを提供することは長年にわたる問題であった。
【0006】
さらに、航空機のような対象物を検出するだけでなく、例えば、そのときの支配的な気象状況や地上のトラフィック(移動体)の量には関係なく必要な程度の確実性をもって検出された航空機等の検出対象物の有効な識別、およびそのような対象物の識別確認を行うためのシステムが長年にわたって必要であると考えられてきた。
【0007】
また、到来する航空機等の対象物を空港のローディング・ゲートのような適当な停止点まで正確且つ能率的に追跡且つ誘導することができるシステムの必要性も長年にわたって考えられてきたが、未だ実現されていない。さらに、このようなシステムに対する正確で効率的な較正・調整技術を提供することも長年にわたって解決を必要とする問題点となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許US4,995,102
【特許文献2】欧州特許EP188,757
【特許文献3】WO93/13104
【特許文献4】WO93/15416
【発明の概要】
【0009】
前述した諸問題を解消するために、飛行場内で、航空機のような対象物を、正確に、安全に、効果的に無駄なく位置決めし、かつそのような対象物(のアイデンティティ・・・機種、所属、便名など)を適正に識別し確認することができるシステムと方法が要望されている。更に、航空機のような対象物の追跡(トラッキング)とドッキングの誘導を、特にリアルタイム動作モードで、行うためのシステムと方法とが要望されている。また更に、そのような動作システムの較正を行うシステムと方法が要望されている。
【0010】
従って、上記のようなシステムと方法とを提供することが、この発明の主たる目的である。これに関連して、飛行場内における航空機のアイデンティティを確認するのみならず、その正確な位置を精密に検出できるドッキング誘導システムを提供することがこの発明の特別の目的である。この発明の上記とは別の目的は、飛行場内における航空機のドッキングや駐機(パーキング)を管制する1人または複数の人間に対して、このシステムと、パーソナル・コンピュータ間の通信手段およびその他の方法を利用して、表示ユニットを介して、情報を供給して、全体的な動作をモニタすることである。
【0011】
また別の目的は、デジタル的に高精度のドッキング管制システムの安全性を確保し、かつそのような管制システムをコスト的に極めて効率的な形で構築することである。
【0012】
更にまた別の目的は、操縦士、副操縦士または航空機のドッキングを行う他の人々が利用できるように、接近しつつある航空機停止点までの距離に関する情報を含めて、航空機のドッキング情報の表示を行うようにすることである。上記以外の重要な目的は、ドッキングさせようとしている当該形式の航空機の位置決めや進入方向が所要の適正な径路(ライン)から外れないようにする、自動比較および測定を行うことであり、特に、航空機の前方に在って、その形式の航空機のドッキングと形式判別のために、適切な中心線からどれだけ左方にまたは右方にずれているかの距離情報を表示しているディスプレイ(表示器)からカウントダウン形式で、ドッキング位置までの距離に関する情報を肉視できる形でフィードバックすることである。
【0013】
更に、別の目的は、操縦士または副操縦士に方向の指示を与えるだけでなく、航空機が適切にかつ安全にドッキングできるように、エプロンの走査を行うシステムを提供することである。他の目的は、正確な駐機位置を極めて小さな許容範囲をもって設定できるように、特に高感度のシステムを提供することである。
【0014】
更なる目的は、非常に融通性が高く、かつ新しい航空機の形式や代替または2次の駐機停止位置および飛行場内の航空機の識別、誘導およびドッキングに関する上記以外の情報などの追加というような、新しい動作パラメータを組込むことのできる、システムを提供することである。
【0015】
この発明の、上記のおよびその他の目的は、飛行場の捕捉域内に位置している到来対象物の方向に向けて、例えばミラーから、レーザ・パルスのような光パルスを投射し、その対象物から反射する、その対象物の存在を表わす光パルスを集めることによって、対象物の存在を検出するシステムと方法を用いることによって、達成される。同様に、この技術によれば、上記捕捉域内における航空機の検出と、その航空機の位置を知ることができる。
【0016】
この発明は、また、検出した対象物のアイデンティティ即ち、例えば、適正な形式の航空機がドッキング設備に近接しつつありその航空機はそこにドッキングすべきであると判定できるような情報、を確認するシステムおよび方法を提供するものである。このような確認のシステムおよび方法は、レーザ・パルスのような光パルスを角座標形式で対象物に投射し、この対象物からの反射パルスを検出装置に収集する装置および方法を含むものであって、この検出装置は、検出された形状が或る既知の対象物の形状と一致するかどうかを決めるために、この反射パルスを上記既知の対象物の形状に相当する輪郭または外形の特徴(プロファイル)と比較することができるものである。
【0017】
更に、この発明は到来する対象物を追跡するシステムと方法を提供するもので、それは、レーザ・パルスのような光パルスを到来対象物に投射し、その対象物から反射した光を収集して、所定のドッキング地点から投射される仮想軸線に対するこの対象物の位置を確かめかつその対象物の位置を決めるためこの対象物と上記所定の地点との間の距離を求めるために、使用する方法である。
【0018】
このように、本発明は、接近しつつある航空機を探知または捕捉し、指定された捕捉域または管制域内でその航空機の識別または確認をするもので、これは航空機のドッキング手順を開始するに当たって基本的なことである。
【0019】
その後、この発明に従って、表示が行われ、この表示により、乗客が降り貨物などの荷降ろしをする適切なドッキング域に、この識別済みの航空機をドッキングすることができるようになる。
【0020】
この発明は、これまで一般に必要とされていた、ドッキング域のエプロンに埋込まねばならないセンサを、使用せずに、上記の諸機能を果たすものである。これによって、設置に要する時間と関連コストだけでなく設置後の維持費用を大幅に低減し得ることになる。その上、この発明は、エプロンの工事を必要とせずに、またこれまでドッキング誘導システムに使用されていた従来装置の場合には上記工事に付帯して必要であった空港ドッキング域の使用中断の事態を招くことなしに、既存のシステムに、この新しいシステムを取付けることを可能とするものである。
【0021】
この発明のシステムの好ましい実施形態では、航空機を空港のゲートに移動させる操縦士は、例えばそのゲートの上に取付けられていて、彼がブレーキ作動を開始せねばならぬ地点に対するその航空機の位置を表示する、リアルタイム・ディスプレイを利用することができる。また、このディスプレイには、その航空機を最も迅速にゲートに到着させるためにその形式の航空機が採るべき所定の径路(ライン)に対するその航空機の横方向位置も、表示される。
【0022】
この発明のシステムに採用されるソフトウェアは、好ましくは、このシステムの主たる計算作業を行いまたハードウェアを制御する、4個のモジュールからなっている。これらのモジュールは、捕捉用のもの、識別用のもの、追跡用のものおよびシステムの較正用のものを含んでいる。
【0023】
この発明の好ましい実施形態では、ドッキング・ゲートの前面の区域を走査するために光パルスを投射するよう装置に指示するために、捕捉モジュールが使用される。即ち、レーザ・パルスのようなパルスを反射させ投射するのにミラーを使用するときは、この捕捉モジュールは、レーザ・パルスがその区域に侵入する対象物を検出するまで、この区域を走査するようにレーザを指向させ続ける。レーザ・パルスが一旦対象物を検出すると、捕捉モジュールはその対象物の距離と角度位置を計算して、追跡モジュールに制御信号を送る。
【0024】
この追跡モジュールは、一旦活動状態にされると、到来航空機をゲートまで追跡して、その間予定の停止点に対する当該航空機の横方向位置と距離に関する情報を生成する。この情報を使って、操縦士は、航空機のコースを修正しかつゲートに位置的に整合した予定ドッキング位置で航空機が停止することになるように正確な地点でブレーキをかけることができる。この追跡期間に、識別モジュールは、先ず検出された対象物を走査して、その輪郭が予期していた形式の航空機の基準輪郭と整合するかどうかを判定する。その輪郭が整合しなければ、システムはそれを管制塔(エアポート・タワー)に連絡し、信号を送ってドッキング作用を停止させる。
【0025】
最後に、較正モジュールは、その距離と角度の測定値を較正して、レーザ・レンジ・ファインダのような検出装置の読みが航空機の位置と角度に正しく対応するようにする。このモジュールは、捕捉モジュールと追跡モジュールの動作期間中周期的に働いて、システムが正確な動作を持続するようにする。
【0026】
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明することにより本発明の特徴ならびに効果を明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、空港で使用されるシステムを示す図である。
【図2】図2は、本発明の好ましいシステムの一般的な構成をブロックの形で示した図である。
【図3】図3は、接近しつつある航空機の検出と識別を行うために設けられたドッキング・ゲートの前の検出領域を示す平面図である。
【図4】図4は、システムの主ルーチンおよびドッキング・モードを例示するフローチャートである。
【図5】図5は、システムの較正モードを例示するフローチャートである。
【図6】図6は、較正モードにおける構成要素を例示する図である。
【図7】図7は、システムの捕捉モードを例示するフローチャートである。
【図8】図8は、システムの追跡フェーズを例示するフローチャートである。
【図9】図9は、システムの高さ測定フェーズを例示するフローチャートである。
【図10】図10は、システムの識別フェーズを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
テーブルIは、本発明のシステムにおける航空機の識別を行うために採用された水平方向の基準輪郭(外形)を表わすテーブルの好ましい実施形態である。
【0029】
テーブルIIは、航空機を有効且つ効率的にドッキングするための本発明のシステムで採用される比較テーブルの好ましい実施形態である。
【0030】
まず、図1乃至図10およびテーブル(表)I、IIを参照する。各図面およびテーブルを通じて同じ参照番号は同じ要素を示すものとする。以下の詳細な説明を通じて、図示されたフローチャート中で示されている番号の付された各ステップは、それに関連する説明の後に括弧書きした要素番号によって概略的に示されている。
【0031】
図1を参照して説明すると、図1および他の図面中の参照番号10によって全体的に示された本発明のシステムは、対象物の計算による位置探知、その対象物の識別の確認、およびその対象物の追跡を行う。対象物は航空機12であることが望ましい。動作について説明すると、管制塔14は、航空機(飛行機)12を着陸させた後で、上記システムに対して航空機がゲート16に接近しつつあること、予期される(予定された)航空機の型、種類またはタイプ(例えば、ボーイング747機、ロッキードL1011機等)の情報を通知する。次いで、システム10は、航空機12として識別する対象物の位置を決定するまでゲート16の前の領域を走査する。次いで、システム10は航空機12の輪郭(外形の特徴、プロファイル)を予期される航空機の型に対する基準となる輪郭と比較する。位置が決定された航空機が予期される輪郭と一致または整合しなければ、システム10は管制塔14に情報あるいは信号を送り、ドッキング機能を遮断する。
【0032】
対象物が予期される航空機12であれば、システム10はパイロットに対して適正な停止点までの残りの距離およびその航空機の横方向位置をリアルタイムで表示することにより、その航空機をゲート16まで追跡・誘導する。航空機12の横方向位置31はディスプレイ(表示器)18上に表示され、それによってパイロットは正しい角度からゲート16に接近するように航空機12の位置を修正することができる。航空機12が一旦停止点53に到達すると、このことはディスプレイ18上に表示され、パイロットは航空機を停止させる。本発明のシステム10を採用すると、航空機12が一旦停止したときには、その航空機はゲート16と正確に整列しており、地上作業員がゲート16の位置調整を行う必要のないことに注目する必要がある。
【0033】
図2を参照すると、システム10はレーザ・レンジ・ファインダ(LRF)20、2個のミラー(鏡)21、22、ディスプレイ18、2個のステップ・モータ24、25、およびマイクロプロセッサ26からなる。ここで使用されるLRFとしてはレーザ・アトランタ社(Laser Atlanta Corporation) から市販されているものが適しており、このLRFはレーザ・パルスを放射し、距離を隔てた位置にある対象物から反射されたそのパルスの反射波を受信し、これらの対象物までの距離を計算することができるものである。
【0034】
システム10は、LRF20の一連のポート(端子)とマイクロプロセッサ26との間を接続ライン28で接続して構成されている。LRF20はこの接続ライン28を通じて約1/400秒毎にマイクロプロセッサ26に測定データを送出する。全体を参照番号23で示されたシステム10のハードウェアはプログラムされたマイクロプロセッサ26により制御される。さらに、マイクロプロセッサ26はディスプレイ18にデータを供給する。パイロットへのインタフェースとして、ディスプレイ18のユニットはゲート16の上に設置されており、航空機がその停止位置からどの程度離れているか、システムが推測している型の航空機30が接近しつつあること、さらに航空機の横方向位置31をパイロットに知らせる。このディスプレイを使用すると、航空機が正しい角度でゲート16に確実に到達することができるようにパイロットは航空機12の接近状況を調整することができる。もしディスプレイ18が間違った型の航空機30を表示していると、パイロットは航空機が損傷を受ける前に接近を停止(アボート)することができる。仮にシステムがより大型の747機を737機と誤って操縦させたとすると非常に甚大な被害・損傷を与えるので、この二重のチェックによって乗客、航空機、空港設備の安全を確保するようにする。
【0035】
ディスプレイ18に加えて、マイクロプロセッサ26はLRF20からのデータを処理し、そのデータを接続ライン32を経てステップ・モータ21、22に供給してレーザ20の方向を制御する。ステップ・モータ24、25はミラー21、22に結合されており、マイクロプロセッサ26からの命令に応答して上記の各ミラーを移動させる。従って、ステップ・モータ24、25を制御することによってマイクロプロセッサ26はミラー21、22の角度を変化させて、LRF20からのレーザ・パルスの照準を定めることができる。
【0036】
ミラー21、22はレーザ・パルスを空港のエプロン(tarmac)を超えて外に反射させることによりレーザの照準を定める。好ましい実施形態では、LRF20は移動せず、レーザによる走査はミラーによって行われる。一方のミラー22はレーザの水平角を制御し、他方のミラー21は垂直角を制御する。ステップ・モータ24、25を付勢することにより、マイクロプロセッサ26はミラーの角度を制御し、それによってレーザ・パルスの方向を制御する。
【0037】
システム10は約0.1度の角度ステップで±10度の角度の範囲内で水平方向に連続的に走査する。この0.1度の角度ステップは、Escap(エスカップ) EDM−453ステップ・モータを使用した場合は、1ステップ当たり16マイクロステップと等価である。1回の角度ステップは読取りユニットからの各応答に対して、即ち約2.5ミリ秒毎に実行される。垂直ミラー21は、2.5ミリ秒(ms)毎に1ステップの割合で約0.1度の角度ステップで+20度と−30度の間で垂直走査を行うように制御される。垂直ミラー21は、航空機のノーズ(機首)の高さが決定されつつあるとき、および航空機12が識別されつつあるときに、垂直走査するために使用される。追跡モード期間中、垂直ミラー21は航空機12のノーズの先端部を追跡する水平走査を維持するように連続的に調整される。
【0038】
図3を参照して説明すると、システム10はその前方のフィールドを距離的に3つの部分に分割する。約50メートル離れた最も遠い区域は捕捉域(ゾーン)である。システム10は、この捕捉域で、航空機のノーズを検知し、航空機12の横方向(lateral) および縦方向(longitudinal)の位置の概算の推定値を求める。捕捉域50の内側は識別領域51になっており、この領域51においてシステム10は航空機12の輪郭を記憶されている輪郭と照合する。システム10は、ディスプレイ18上の所定のラインに対するこの領域における航空機12の横方向位置を示す。最後に、LRF20に最も近くに表示または追跡領域52が設けられている。表示位置または追跡領域52においてシステム10は正しい停止位置に対する航空機12の横方向位置および縦方向位置を最も高い精度で表示する。表示領域または追跡領域52の終端は停止点53になっている。停止点53において航空機はゲート16における正しい位置にある。
【0039】
システム10は、ハードウェアおよびソフトウェアに加えてこのシステム10が遭遇する可能性のある全ての型の航空機に対する基準輪郭を含むデータベースを含んでいる。システム10は、このデータベース内に航空機の型に対する予想されるエコーのパターンを示す水平方向および垂直方向の輪郭のような各型の航空機の輪郭を記憶している。
【0040】
次にテーブルIを参照して説明する。システム10はテーブルIの形式で水平方向の輪郭を保持している。テーブルIの行40は角度のステップを表しており、列41は航空機の型に対する停止位置からの距離を表している。表示された行40の他に、テーブルIには、LRF20からの各位置における航空機のノーズに対する垂直角を与える行42、輪郭に対する形状または形式(フォーム)の係数(factor)kを与える行44、および各輪郭距離に対する輪郭値の番号(数)を与える行45が含まれている。テーブルIの主部43には各走査角における航空機の型に対する予期される距離および停止点53からの距離が含まれている。
【0041】
理論的にはテーブルIは50個の角度のステップと停止位置53までの50個の距離、即ち全部で50×50=2500個のエントリ(項目)を含む必要がある。しかし、輪郭は全ての距離における全ての角度からの応答を予期するものではないので、実際にはテーブルIは全体的にはるかに少ない値を含んでいる。典型的なテーブルでは実際には500乃至1000個の値が含まれていることが期待される。周知のプログラミング技術によれば、テーブル全体の記憶に必要な容量のメモリを使用することなく、部分的に完全なテーブルを維持する方法を提供することができる。
【0042】
システム10は、水平輪郭に加えて各型の航空機の垂直輪郭を保持している。この輪郭は、その行が垂直方向の角度ステップによって目盛づけされること、およびその列の目盛りは水平輪郭よりも少ない数の停止位置からの距離を含んでいることを除けば、水平輪郭と同じ形態で記憶されている。垂直輪郭は、識別領域51においてLRF20からの距離の指定された範囲内で行われる航空機12の識別とそのノーズの高さを決定するためにのみ使用されるので、垂直輪郭の列の数は少なくてよい。その結果、垂直輪郭は、必要としない値に対して記憶スペースを無駄に使用することなくその範囲内にある予期されるエコーのみを記憶している。
【0043】
システム10は、次に説明する処理を用いて航空機の位置を探知し、識別し、追跡するために前述のハードウェアおよびデータベースを使用している。
【0044】
次に、図4を参照して説明する。マイクロプロセッサ上で機能するソフトウェアは、較正モード60、捕捉モード62およびドックキング・モード64の各サブルーチンを含んだメイン(主)ルーチンを実行する。マイクロプロセッサは、まず較正モード60を実行し、次いで捕捉モード62を実行し、次いでドッキング(ドック入り)・モード64を実行する。航空機12がドッキングしたときに、そのプログラムの実行が終了する。次に、これらのモードについて以下詳細に説明する。
【0045】
較正モード
システム上の精度を確保するために、マイクロプロセッサ26は、航空機12を捕捉する前に、さらにその追跡の期間において種々の間隔で、図5に例示されている手順に従って自己較正するようにプログラムされている。システム10を較正することによって、ステップ・モータ24、25と目標方向との間の対応関係を確実に知ることができる。また、LRF20の距離測定能力も点検する。
【0046】
次に図6を参照して説明する。システム10は、較正を行うために既知の位置にある四角形のプレート66を使用する。プレート66はLRF20から6m離れた位置にLRF20と同じ高さに取り付けられている。
【0047】
較正を行うために、システムはまず角度(α,β)を(0,0)に設定してレーザ・ビームをまっすぐ前方に指向させる。次いで、システムは、レーザ・ビームを後方の後部ミラーまたは付属ミラー68に向け、さらにこのミラーから較正プレート66に指向させるように、垂直ミラー22を傾斜させる(100)。マイクロプロセッサ26は、ステップ・モータ24、25を用いて、較正プレート66の中心が見つかるまでミラー21、22を動かす。マイクロプロセッサ26は、較正プレート66の中心を見つけると、その中心点における角度(αcp,βcp)を記憶して、それを記憶されている期待される角度と比較する(102)。また、システム10は、検出(通知)されたプレート66の中心までの距離を記憶されている期待値(基準値)と比較する(102)。検出された値が記憶されていた値と一致または整合しなかった場合には、マイクロプロセッサ26は、両方の角度が一致または整合するまで期待値(角度)を決定する較正定数を修正する(104、106)。しかし、検出された値と装置に記憶されている値との偏差(deviation) が過大である場合には、警報(ALARM) が発せられる(108)。
【0048】
捕捉モード
最初に、航空管制塔14は、飛行機12の到来が予期されることと予期される飛行機の型とをシステム10に伝える。その信号によって、ソフトウェアが図8に示された捕捉モード62に入る。捕捉モード62において、マイクロプロセッサ26はステップ・モータ24、25を用いて、飛行機12を求めて捕捉域50を水平走査するようにレーザ・ビームを指向させる。この水平走査は、捕捉域50の中心点における予期される型の航空機のノーズの高さに対応する垂直角で行われる。
【0049】
マイクロプロセッサ26は、走査の正確な高さを決定するためにレーザ・パルスの垂直角を次の式に従って計算する。
βf = arctan[(H−h)/lf]
ここで、H=地面からのLRF20の高さ、h=予期される航空機のノーズの高さ(lf )、lf=LRF20から捕捉域50の中心までの距離である。この式からミラー21の垂直角が得られ、その垂直角で探索(サーチ)を行うことによって、捕捉域50の中心の位置における予期される航空機12の正確な高さでの探索が可能になる。その代替構成として、システム10は、或る距離における相異なる様々な型の航空機のβfの値をデータベースに記憶することとしてもよい。但し、記憶されたβfを用いる場合には、システム10はLRF20から所定の1つの距離だけ隔たった位置においてだけ航空機12を捕捉することになるので、システム10の柔軟性が制限されることになる。
【0050】
マイクロプロセッサ26は、捕捉域50に対してこの垂直角を用いて、約0.1度のパルス間隔で水平走査を行うようにレーザを指向させる。マイクロプロセッサ26は、LRF20の中心線(センタ・ライン)からの水平角αを、装置に設定した±αmaxの間の範囲で変化させて水平走査を行う。典型的には、αmaxを50に設定する。このときのαmaxは、0.1度のパルスを用いた場合には5度に相当する。即ち、その走査角は10度である。
【0051】
レーザ・パルスを放射すると、捕捉域50に存在する対象物からエコーまたは反射波が返って来る。LRF20の検出装置は、反射パルスを捕捉し、パルスの送信(送出)とエコーの受信(受取り)の間の時間差から対象物までの距離を計算し、各エコーに対して算出された距離の値をマイクロプロセッサ26に送出する。マイクロプロセッサ26は、データ記憶装置中の各別のレジスタに捕捉域50の各1度のセクタ毎にエコーまたはヒット(hit)の総数を記憶させる(70)。パルスは0.1度の間隔で発生するので、各セクタに対して最大10個のエコーが生じる。マイクロプロセッサ26は、このヒット総数をSαで表される変数の形で記憶する。ここで、αは、1〜10の値で、10度の捕捉域50の各1度刻みの値である。
【0052】
マイクロプロセッサ26は、1セクタ当たりのヒット数を記憶させることに加えて、データ記憶装置に各ヒットまたは各エコーにおけるLRF20の位置から対象物までの距離を記憶する。各反射毎の距離を記憶するには、捕捉域50の各1度について最大10個までのヒット数、または取り得る100個の値を記憶する充分な容量の記憶媒体が必要である。多くの場合、エントリ(項目)の大部分のものは空なので、周知のプログラミング手法を用いれば、これらの値に対して固定的に割り当てられるこの記憶容量を100個のレジスタ未満に減少させることができる。
【0053】
この1走査分のデータが利用可能になると、マイクロプロセッサ26は、その走査におけるSαを合計してエコー総数STを計算する。次に、マイクロプロセッサ26は、それぞれの隣接する3つのセクタにおける最大のエコー合計数SMを計算する(72)。即ち、Sαは(Sα−1,Sα,Sα+1)の合計の最大値である。
【0054】
マイクロプロセッサ26は、SMおよびSTを計算した後、そのエコーが到来飛行機12から返って来たものであるかどうかを判断する。SMが24以下であれば、マイクロプロセッサ26は、飛行機12を見つけなかったこととして、捕捉モード62の開始点に戻る。エコーの合計数の最大値SMが24より大きい場合は(74)、“存在する可能性のある”飛行機12の位置が求められる。“存在する可能性のある”飛行機12の位置が求められた場合は、マイクロプロセッサ26は、SM/STの値が0.5より大きいかどうか、または最大数の合計を有する隣接する3つのセクタの中に、走査期間に受信した全エコー(総数)のうちの少なくとも半分のエコー(半数)が含まれているかどうかをチェックする。
【0055】
SM/STが0.5より大きい場合には、マイクロプロセッサ26はエコーの中心の位置を計算する(78、82)。エコーの中心の方位角(角度位置)は、次の式に従って計算される。
αt= αV+(Sα+1− Sα−1)/(Sα−1+ Sα+ Sα+1)
ここで、SαはSMを与えたSαであり、αV(av)はSαに対応する角度セクタである。
【0056】
エコーの中心の縦方向位置(lt 、lはLの小文字)は次の式に従って計算される。
【数1】

ここで、laviは、セクタαVから返って来たエコーの元のパルスに対する測定値または対象物までの距離である。また、nは、各セクタにおける測定値の合計数である(78、82)。測定値の数は最大10個なので、nは10以下である。
【0057】
一方、SM/ST<0.5である場合には、エコーは狭い範囲(レンジ)に存在するスノーノイズまたはその他のアーティファクト(他で発生した不要信号)によって生じたものと考えられる。そのエコー発生の原因が狭い範囲にある航空機によるものである場合には、その航空機はたぶん中心線に結構近い位置にあり、αtは上述の計算値ではなくて0(ゼロ)であり、ltは中央の3つのセクタによって得られた平均距離であると仮定できる(80)。距離分布または距離が過大であるときは、マイクロプロセッサ26は、航空機12を見つけなかったとして、捕捉モード62の開始点に戻る(81)。
【0058】
航空機12の位置を計算した後で、システム10はドッキング・モード64に切り換わる。
【0059】
ドッキング・モード
図4に示されているドッキング・モードは、追跡(トラッキング)フェーズ84、高さ測定フェーズ86および識別フェーズ88の3つのフェーズ(段階)を含んで成る。追跡フェーズ84では、システム10は、到来する航空機12の位置をモニタ(監視)し、ディスプレイ18を介して軸位置(axial location、軸の周りの位置)31に関する情報(方位角情報)および航空機の停止点53からの距離を操縦士に提供する。システム10は水平走査によって航空機12の追跡を開始する。
【0060】
図8を参照して説明すると、追跡フェーズ84における第1(最初)の走査の期間、マイクロプロセッサ26は、
(αt−αp−10)と(αt+αp+10)
の間の角度で、所定の単一角度ステップ(刻み)αまたは好ましくは0.1度間隔(刻み)のレーザ・パルスを送出するようにLRF20に指示する。ここで、αtは捕捉モード62の期間に決定されたエコー中心の方位角であり、αpは距離の値を含む現在の輪郭の列(column)における最大の方位角(角度位置)である。
【0061】
第1の走査の後、
(αt−αp−10)と(αs+αp+10)
の間の角度で、LFR値を受信する毎に1ステップずつ前後にαをステップ移動させる。ここで、αsは前の走査の期間に決定された方位角(アジマス、azimuth )である。
【0062】
追跡フェーズ84の期間、垂直角βは、基準輪郭テーブルIから得られるLRF20からの現在の距離において識別された航空機12の追跡に必要なレベルに設定される。現在の輪郭列はltより小さくかつltに最も近い位置を表す列である。
【0063】
マイクロプロセッサ26は、停止点53からの距離を用いて、輪郭テーブルI上の航空機の現在の距離に対する垂直角を見つける。第1の走査の間、捕捉モード62において算出された距離ltによって、輪郭テーブルIの適正な列が決定され、従って航空機12に対するその角度が決定される。マイクロプロセッサ26は、後続の各走査毎に、停止点53からの現在の距離に応じた輪郭テーブルIの列におけるβを用いる(112)。
【0064】
マイクロプロセッサ26は、走査によって得たデータと水平輪郭テーブルI上のデータを用いて、比較テーブルIIを作成する。テーブルIIを参照すると、この比較テーブルIIは、2次元のテーブルであり、各行に目盛(インデックス)91で示されたパルス番号(数)または角度ステップ番号(数)iが示されている。この目盛を用いて、テーブルの各行における列で表される次の情報にアクセスできる。
li92:その角度ステップにおける対象物までの測定距離(lはLの小文字)。
lki93:変位によって生じたスキュー(傾斜)を補償した測定値(=li−量(sm(最新走査期間における合計変位量)−量i×sp(最新の走査における各ステップの期間の平均変位量));即ち、li−(sm−isp))
di 94:その生成された輪郭と基準輪郭の間の距離(=rij(jで表される輪郭距離における対応する角度に対する輪郭値)−lki)。
ai95:航空機のノーズと測定装置の間の距離(=rj50(0(ゼロ)度における基準輪郭値)−di)。
ac96:各ステップ後の推定ノーズ距離(=am(最新の走査の終了時点におけるノーズ距離)−量i×sp)。
ad:推定ノーズ距離と測定ノーズ距離の間の差(=(ai−ae)の絶対値)。
Note(備考)97:航空機によって生じたと思われるエコーを示す。
【0065】
追跡フェーズ84における第1の走査の期間に、システム10は、ltの値より小さくかつltの値に最も近い航空機の位置jを表す水平輪郭の列を用いる。それぞれの新しい走査毎に、(am−sm)より小さくかつ(am−sm)に最も近い値を有する輪郭列が選択される。ここで、amは最も新しく測定した航空機12までの距離であり、smは最新の走査期間における航空機の変位量である。さらに、輪郭の値をαsだけ横方向に移動して航空機の縦方向位置を補償する(112)。
【0066】
また、マイクロプロセッサ26は、各走査期間に距離分布テーブル(DDT、Distance Distribution Table )を作成する。このテーブルは比較テーブルII中のai値の分布を含んでいる。従って、DDTは、10〜100mの範囲における1m刻みの増分変化(increment) における比較テーブルII中のaiの各値の発生数を表すエントリを有する。
【0067】
システム10は、各走査後にDDTを用いて、正しい停止点53までの平均距離amを計算する。マイクロプロセッサ26は、DDT中のデータを走査して、DDTにおける隣接する2つのエントリの値の合計が最大のものを見つける。次に、マイクロプロセッサ26は、DDT中の最大の合計を有するその2つの行のうちのいずれか一方に対応するaiに対するエントリを含む各行に対して、比較テーブルII中のNote97の列にフラグを立てる(114)。
【0068】
次いで、システム10は横方向の偏差(deviation) またはオフセットを決定する。マイクロプロセッサ26は、まず、次の値を設定する。
2d=αmax−αmin
ここで、αmaxおよびαminは、それぞれ比較テーブルIIにおける連続するフラグの立ったdi 値のブロックに対する最大および最小のαの値である。また、マイクロプロセッサ26は、次の計算を行う。
ブロック中のフラグの立ったdiの上半分に対して
Y1=Σdi
ブロック中のフラグの立ったdiの下半分に対して
Y2=Σdi
Y1およびY2を用いて“a”(116)を次のように計算する。
a=k×(Y1−Y2)/d2
ここで、kは基準輪郭中で与えられた値である。“a”が所定値、好ましくは1、を越えた場合は、“a”にほぼ等しい横方向の偏差があると仮定される。次いで、比較テーブルIIのli列が“a”ステップ分だけ移動され、比較テーブルIIが再計算される。この処理は、“a”が経験的に決定された値、好ましくは1、より小さくなるまで継続する。li列の合計の移動量αsは横方向の偏差またはオフセットに等しいと考えられる(116)。横方向のオフセットが所定値、好ましくは1、より大きい場合は、輪郭は次の走査を行う前に横方向に調整される(118、120)。
【0069】
横方向のオフセットをチェックした後、マイクロプロセッサ26は、輪郭の横方向の調整量の合計を供給する。この合計はディスプレイ18上の航空機12の横方向位置31に対応する(122)。
【0070】
次に、マイクロプロセッサ26は、次の式に従って航空機のノーズまでの距離amを計算する。
am=Σ(フラグの立ったai)/N
ここで、Nはフラグの立ったaiの総数である。マイクロプロセッサ26は、amに基づいて、航空機のノーズまでの距離から停止点53までのLRF20の距離を差し引いて、航空機12から停止点53までの距離を計算する。(124)。
【0071】
マイクロプロセッサ26は、停止点までの距離を計算した後、最新の走査期間における平均変位smを計算する。この最新の走査における変位は次の式で計算される。
Sm=am−1−am
ここで、am−1およびamは最新の2つの走査に属する。追跡フェーズ84における第1(最初)の走査に対してSmが0(ゼロ)に設定される。
【0072】
各ステップにおける平均変位spは次の式で計算される。
Sp=Sm/P
ここで、Pは最新の走査サイクルに対するステップ総数である。
【0073】
マイクロプロセッサ26は、ディスプレイ18、29への表示によって停止点53までの距離を操縦士に通知する。各走査後、停止位置29、53までの距離を表示することによって、操縦士は常に、飛行機12の停止位置からの距離に関する常時更新された情報をリアルタイムで受取る。
【0074】
航空機12が表示領域52に存在する場合は、横方向の位置31および縦方向の位置29がディスプレイ18上に供給される(126、128)。マイクロプロセッサ26が航空機12の位置を表示した後、追跡フェーズは終了する。
【0075】
追跡フェーズを完了した後、マイクロプロセッサ26は、追跡が失敗しなかったこと(航空機を見失わなかったこと)を、最新の走査においてフラグの立った行の総数を測定値またはエコーの総数で除した値が0.5より大きいことをチェックすることによって確認する(83)。即ち、エコーのうちの50%より多い割合のものが基準輪郭に対応しない場合は、追跡は失敗となる。追跡が失敗し、かつ航空機12が停止点から12mより長い距離だけ離れた位置にある場合は、システム10は捕捉モード62に戻る(85)。追跡が失敗し、かつ航空機12が停止点から12m以下離れた位置にある場合は、システム10は停止サイン(表示)をターン・オンして、操縦士に追跡が失敗したことを通知する(85、87)。
【0076】
追跡が失敗しなかった場合は、マイクロプロセッサ26は、ノーズの高さが求められたかどうかを判断する(130)。高さがまだ求められていない場合は、マイクロプロセッサ26は、高さ測定フェーズ86に入る。高さが既に求められていた場合は、マイクロプロセッサ26は、航空機が識別できたかどうかを確認する(132)。
【0077】
図9に示された高さ測定フェーズにおいて、マイクロプロセッサ26は、LRF20に垂直走査するように指示して、ノーズの高さを求める。システムはノーズの高さを用いることによってノーズの先端部(tip)を横切る水平走査を確実に行う。
【0078】
マイクロプロセッサ26は、ノーズの高さをチェックするために、βを所定値βmax に設定し、次いで、βが別の所定値βminに到達するまで1つの受信/反射パルス毎に1回0.1度間隔でステップを減少させる。βminおよびβmaxは、装置設定期間に設定され、典型的にはそれぞれ−20度および30度である。βがβminに到達した後は、マイクロプロセッサ26は、βがβmaxになるまでステップ・モータ24、25にステップの増加を指示する。この垂直走査はαを前の走査の方位角(アジマス)αsに設定して行われる。
【0079】
マイクロプロセッサ26は、測定した航空機の距離を用いて、測定した距離に最も近い垂直輪郭テーブル中の列を選択する(140)。マイクロプロセッサ26は、走査によって得たデータおよび垂直輪郭テーブル上のデータを用いて比較テーブルIIを作成する。図4を参照して説明すると、比較テーブルIIは、2次元テーブルであり、各行に目盛91で示されたパルス番号(数)または角度ステップ番号(数)iが示されている。この目盛を用いて、テーブルの各行における各列に示されている次の情報にアクセスすることができる。
【0080】
li 92:この角度ステップにおける対象物までの測定距離。
lki 93:変位によって生じたスキュー(傾斜)を補償した測定値(=li−量(Sm(最新走査期間における合計変位量)−量i×sp(最新の走査における各ステップの期間の平均変位量));即ち、li−(Sm−isp))。
di 94:その生成された輪郭と基準輪郭との間の距離(=rij(jで表される輪郭距離における対応する角度に対する輪郭値)−lki)。
ai 95:航空機のノーズと測定装置の間の距離(=rj50(0(ゼロ)度における基準輪郭値)−di)。
ac 96:各ステップ後の推定ノーズ距離(=am(最新の走査の終了時点におけるノーズ距離)−量i×sp)。
ad:推定ノーズ距離と測定ノーズ距離の間の差(=(ai−ae)の絶対値)。
Note(備考)97:航空機12によって生じたと思われるエコーを示す。
【0081】
また、マイクロプロセッサ26は、各走査期間に、距離分布テーブル(DDT)を作成する。このテーブルは比較テーブルII中のai値の分布を含んでいる。従って、DDTは10〜100mの範囲における1m刻みの増分変化において比較テーブルII中のαiの各値の発生数を表すエントリを有する。
【0082】
システム10は、各走査後にDDTを用いて正しい停止点53までの平均距離amを計算する。マイクロプロセッサ26は、DDT中のデータを走査して、DDT中の隣接する2つのエントリの値の合計が最大のものを見つける。次に、マイクロプロセッサ26は、DDT中の最大の合計を有する2つの行のうちのいずれか一方に対応するaiに対するエントリを含む各行に対して、比較テーブルII中のNote97にフラグを立てる(142)。
【0083】
正確な停止点53までの平均距離の計算が完了すると、マイクロプロセッサ26は、最新走査期間の平均変位smを計算する。最新の走査期間における変位は次の式で計算される。
sm=am−1−am
ここで、am−1およびamは最新の2つの走査に属する。追跡フェーズ84における第1の走査に対してsmが0(ゼロ)に設定される。
【0084】
各ステップにおける平均変位spは次の式で計算される。
sp=sm/P
ここで、Pは最新の走査サイクル(周期)に対するステップ総数である。
【0085】
実際のノーズの高さの計算は、公称のノーズの高さ、即ち空状態のときの予期された航空機の所定の高さを、垂直方向偏差または高さの偏差に加算して得られる。従って、システム10は、ノーズの高さを求めるために、まず、垂直方向の偏差または高さの偏差を求める(144)。垂直方向の偏差は次の設定を行って計算される。
2d=βmax−βmin
ここで、βmaxおよびβminは、それぞれ比較テーブルIIにおける連続するフラグの立ったブロックのdi値に対する最大および最小のβの値である。また、マイクロプロセッサ26は、次の計算を行う。
ブロック中のフラグの立ったdiの上半分に対して
Y1=Σdi
ブロック中のフラグの立ったdiの下半分に対して
Y2=Σdi
Y1およびY2を用いて“a”を次のように計算する。
a=k×(Y1−Y2)/d2
ここで、kは基準輪郭中で与えられた値である。“a”が所定値、好ましくは1、を越えた場合は、“a”にほぼ等しい垂直方向の偏差があると仮定される。次いで、li列が“a”ステップ分だけ移動され、比較テーブルIIが再びスクリーン表示され、“a”が再計算される。この処理は、“a”が所定値、好ましくは1、より小さくなるまで継続する。li列の合計の移動量βsは高さ方向の偏差に等しいと考えられる(144)。次に、垂直方向の比較テーブルII中のβj値がβj+Δβjに調整される。ここで、高さの偏差Δβjは次の式で表される。
Δβj=βs×(amβ+as)/(aj+as)
ここで、amβはβsを計算したときの有効値amである。
【0086】
高さの偏差を求めた後、マイクロプロセッサ26は、高さの偏差が所定値、好ましくは1より大きいかどうかをチェックする(146)。その偏差がその所定値よりも大きい場合は、マイクロプロセッサ26は、そのオフセットに対応して輪郭を垂直方向に調整する(148)。マイクロプロセッサ26は、公称のノーズの高さからの偏差を垂直方向の調整量として記憶させる(150)。航空機の実際の高さは公称のノーズの高さプラス偏差である。高さ測定フェーズ86を完了すると、マイクロプロセッサ26は追跡フェーズ84に戻る。
【0087】
マイクロプロセッサ26は、ノーズの高さを既に求めていた場合は、高さ測定フェーズ86をスキップして(飛ばして)、航空機12が識別されたかどうかを判断する(130、132)。航空機12が識別されていた場合は、マイクロプロセッサ26は、航空機12が停止点に到達したかどうかをチェックする(134)。停止点に到達していた場合は、マイクロプロセッサ26は停止サインをターン・オンして、システム10はドッキング・モード64を完了させる(136)。航空機12が停止点に到達していない場合は、マイクロプロセッサ26は追跡フェーズ84に戻る(134)。
【0088】
航空機12が識別されなかった場合は、マイクロプロセッサ26は航空機12が停止点53から12m以下の距離だけ離れた位置にあるかどうかをチェックする(133)。航空機12が停止点53から12m以下の距離だけ離れている場合には、システム10は停止サインをターン・オンして、識別が失敗したことを操縦士に通知する(135)。停止サインを表示した後、システム10はドッキング機能を遮断する。
【0089】
航空機が停止点53から12mより長い距離だけ離れた位置にある場合には、マイクロプロセッサ26は、図10に示された識別フェーズに入る(133、88)。識別フェーズ88において、マイクロプロセッサ26は、別の垂直走査の結果および輪郭テーブルの内容を反映させるように比較テーブルIIを作成する(152、154)。前の走査では高さを求めるのには充分ではあるが識別を行うには不充分なデータしか供給されなかったので、識別フェーズ88において別の垂直走査が実行される。実際のところ、肯定的(うまく)識別がなされるまでには数回の走査を行う必要がある。垂直方向のオフセットを計算し(156)、そのオフセットが過大であるかどうかをチェックし(158)、オフセットが所定量、好ましくは1、より小さくなるまでオフセットに対応する輪郭を垂直方向に調整した(160)後で、マイクロプロセッサ26は、輪郭とマークされたエコーとの間の平均距離(average distance)と、この平均距離(average distance)とマークされたエコーの間の平均距離(mean distance) とを計算する(162)。
【0090】
垂直走査および水平走査の後で、測定された輪郭と修正された輪郭の間の平均距離dm と、この平均距離からの偏差Tとを次の式に従って計算する。
dm=Σdi/N
T =Σ|di−dm|/N
両方の輪郭に対してTが所定値、好ましくは5、より小さく、かつ充分な数のエコーを受信した場合には、航空機12は正しい型であると判断される(164)。充分な数のエコーが受信されたかどうかは次の式に従って判断される。
N/サイズ>0.75
ここで、Nは“受け付けた”エコーの数であり、“サイズ”は存在し得る値の数の最大数である。航空機12が正しい型ではなかった場合は、マイクロプロセッサは停止サイン136をターン・オンし、ドッキング・モード64を中断する。マイクロプロセッサ26は、識別フェーズ88を終了させて、追跡フェーズ84に戻る。
【0091】
以上、本願発明を特定の実施形態を用いて説明したが、発明の精神および請求の範囲を逸脱することなく多くの変形を行うことが可能であることは、この分野の専門家には明らかである。
【0092】
【表1】

【0093】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光パルスを発生する光パルス発生手段と、
前記パルスを外方に、到来する対象物に投射して走査し、前記対象物から前記パルスを反射させる手段と、
前記対象物から反射した光パルスを収集する手段と、
所定点から延びる仮想軸線に対する前記対象物の位置を検出し、前記対象物と前記所定点の間の距離を検出して、前記対象物の位置の追跡を可能とする手段と、
既知の角度方向にかつ既知の距離に配置された較正要素に前記光パルスを指向させて、反射されて収集された光パルスに基づいて角度方向および距離を較正する手段と、
を有し、
前記走査に関する情報を反映し、既知の形状を表す輪郭テーブルと比較される比較テーブル、を生成し、
各反射パルスについて前記対象物のノーズから測定装置までの距離の分布を記録する距離分布テーブルを生成し、
予定停止位置までの前記対象物の平均距離を計算し、
前記平均距離を前記対象物の追跡において用いる、
到来する対象物を追跡するためのシステム。
【請求項2】
光パルスを発生する光パルス発生手段と、
前記パルスを外方に、到来する対象物に投射して走査し、前記対象物から前記パルスを反射させる手段と、
前記対象物から反射した光パルスを収集する光パルス収集手段と、
所定点から延びる仮想軸線に対する前記対象物の位置を検出し、前記対象物と前記所定点の間の距離を検出して、前記対象物の位置の追跡を可能とする手段と、
を有し、
既知の角度方向にかつ既知の距離に配置された較正要素から反射されて収集された光パルスに基づいて角度方向および距離の検出を較正し、
前記走査に関する情報を反映し、既知の形状を表す輪郭テーブルと比較される比較テーブル、を生成し、
各反射パルスについて前記対象物のノーズから測定装置までの距離の分布を記録する距離分布テーブルを生成し、
予定停止位置までの前記対象物の平均距離を計算し、
前記平均距離を前記対象物の追跡において用いる、
到来する対象物を追跡するためのシステム。
【請求項3】
前記停止位置までの前記平均距離を、距離分布テーブルの最大合計値を有する2つの隣接エントリに対応する比較テーブル中のエントリについて記録された前記停止位置までの距離を平均化することによって計算する、請求項1または2に記載された追跡システム。
【請求項4】
前記対象物から前記停止点までの距離、前記対象物の形式、および中心に対する前記対象物の位置が、表示器に表示される、請求項1乃至3に記載の追跡システム。
【請求項5】
平均停止距離が、航空機に搭載されたコンピュータに連絡されて、その航空機が前記停止位置に到達したとき、前記コンピュータが航空機を停止させ得るように構成された、請求項1乃至4のいずれかに記載の追跡システム。
【請求項6】
検出された対象物の形状を確認するためのシステムであって、
対象物に角座標式に光パルスを投射する手段と、
前記対象物から反射した光パルスを収集し、検出された前記対象物の形状を決定する手段と、
前記検出された形状を既知の対象物の形状に相当する輪郭と比較し、この検出された形状が前記既知の形状に対応するかどうかを決定する手段と、
ミラーシステムを具えていて前記投射された光パルスを指向させる指向手段であって、前記確認するためのシステムを較正すべく、前記投射された光パルスを、この指向手段から既知の角度方向にかつ既知の距離に配置された較正素子(要素)に指向させる指向手段と、
を有する、システム。
【請求項7】
光パルスが、この光パルスを外方に投射するように調整する手段を具えた前記ミラーシステムに投射される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ミラーシステムが、プログラムされたマイクロプロセッサの制御の下でステップ・モータによって作動される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
マイクロプロセッサは捕捉域の各走査における反射パルスの数を総計し、
前記マイクロプロセッサは、相隣接する3個のセクタについて、反射パルスの最大合計値を判定し、
前記マイクロプロセッサは、隣接する3個のセクタについての反射パルスの最大合計値が前記3個の隣接するセクタ内に投射されたパルスの総数のうちの少なくとも所定の最小数であり、かつ前記最大合計値を有する3個のセクタにおける反射パルスの数が前記捕捉域を走査したときの反射パルスの総数の2分の1より多ければ、対象物が検出されたと判断するものである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
到来する対象物を追跡する手段を有し、この追跡する手段が、
所定点から延びる仮想軸線に対する前記到来する対象物の位置を検出し、また前記対象物と前記所定点の間の距離を検出し、それによって前記対象物の位置の追跡を可能とする手段を具えるものである、請求項6乃至9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
収集された光パルスに関する情報であって、既知の対象物の形状を表わす輪郭テーブルと比較される情報、を含む比較テーブルを生成し、
各収集された光パルスについて前記対象物から前記収集手段までの距離の分布を記録する距離分布テーブルを生成し、
前記対象物の前記検出された位置からこの対象物の予定停止位置までの平均距離を計算する、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
停止位置までの平均距離の計算が、距離分布テーブル中の最大合計値を有する2つの隣接するエントリに対応する、比較テーブル中のエントリについて記録されている前記停止位置までの距離を平均化することによって行われる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
平均停止距離を航空機に搭載してあるコンピュータに連絡して、その航空機が前記停止位置に到達したとき前記コンピュータがその航空機を停止させ得るように構成された、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記光パルスは前記較正素子から反射されて検出器で受取られ、
光源に対する前記素子の検出された角度方向を、前記検出器で受取られた前記パルスに基づいてかつ所定の角度パラメータに従って決定し、
前記検出された角度方向を前記既知の角度方向と比較して、この検出された角度方向が前記既知の角度方向に対応するかどうかを決定する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
前記検出された角度方向と前記既知の角度方向が対応しない場合は、この検出された角度方向を前記既知の角度方向と実質的に対応した状態となるように、角度パラメータを調整する機能を有する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
所定の距離パラメータに基づいて、前記光源から前記較正素子までの検出された距離を測定する手段と、
前記検出された距離を前記光源から前記較正素子までの既知の距離と比較して、前記検出された距離が前記既知の距離に対応するかどうかを判定する手段と、
を有する、請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
前記検出された距離と前記既知の距離が対応しなかった場合には、検出された距離が既知の距離と実質的に対応するように、距離パラメータを調整する手段を有する、請求項14乃至16のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
水平面における前記投射光パルスを指向させる前記手段からの前記較正素子の角度方向および距離を、垂直面における前記投射光パルスを指向させる前記手段からの前記較正素子の角度方向および距離を一定に維持しながら、較正する、請求項6乃至17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
検出された航空機の形状を確認するための航空機識別およびドッキングシステムであって、
水平平面上で角座標式に航空機に対してレーザ光パルスを外向きに連続的に投射する第1ミラーと、前記航空機に対して垂直平面上で角座標式にレーザ光パルスを外向きに連続的に投射する第2ミラーとを有する、調整可能なミラー構体と、
前記航空機から反射された光パルスを収集しこの航空機の検出された形状を決定する手段と、
前記検出された形状を既知の航空機の形状に相当する輪郭と比較し、前記検出された形状が前記既知の形状に対応しているかどうかを判定する手段と、
前記投射された光パルスを指向させる指向手段であって、前記システムを較正すべく、前記投射された光パルスを、この指向手段から既知の角度方向にかつ既知の距離に配置された較正素子に指向させる指向手段と、
を有する、システム。
【請求項20】
前記投射された光パルスを指向させる指向手段が前記ミラー構体を有する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
検出された航空機の形状を確認するための航空機識別およびドッキングガイダンスシステムであって、
水平平面上で角座標式に航空機に対してレーザ光パルスを外向きに連続的に投射する第1ミラーと、前記航空機に対して垂直平面上で角座標式にレーザ光パルスを外向きに連続的に投射する第2ミラーとを有する、調整可能なミラー構体と、
前記航空機から反射された光パルスを収集し前記航空機の検出された形状を決定する手段と、
前記検出された形状を既知の航空機の形状に相当する輪郭と比較し、前記検出された形状が前記既知の形状に対応しているかどうかを判定する手段と、
較正目標の中心の得られた反射角度および距離と、記憶されているそれぞれの対応する基準値との間のそれぞれの差のうちのいずれかの差が過大な場合に警告を発生する手段と、
を有する、システム。
【請求項22】
航空機識別およびドッキングガイダンスシステムにおいて、検出された対象物の形状を確認するための方法であって、
対象物に対して角座標式に光パルスを投射し、
前記パルスを反射させて検出器に戻し、この反射パルスに基づいて前記対象物の検出された形状を決定し、
前記検出された形状を既知の対象物の形状に相当する輪郭と比較し、
前記検出された形状が前記既知の形状に対応しているかどうかを判定し、
前記検出された形状を既知の対象物の形状に相当する輪郭と比較して前記検出された形状が前記の既知の形状に対応するかどうかを判定し、
前記システムを較正すべく、投射された光パルスを指向させる手段から既知の角度方向にかつ既知の距離に配置された較正素子に前記投射された光パルスを指向させ、
前記投射された光パルスを指向させる手段が調整可能なミラーシステムを有するものである、方法。
【請求項23】
既知の対象物の形状に相当する輪郭が、停止点から種々の距離における予測された反射パルスのセットから成るものである、請求項22に記載された方法。
【請求項24】
対象物を識別するようにマイクロプロセッサがプログラムされる、請求項22または23に記載された方法。
【請求項25】
航空機識別およびドッキングガイダンスシステムにおいて、検出された対象物の形状を確認するための方法であって、
対象物に対して角座標式に光パルスを投射し、
前記パルスを反射させて検出器に戻し、この反射パルスに基づいて前記対象物の検出された形状を決定し、
前記検出された形状を既知の対象物の形状に相当する輪郭と比較し、
前記検出された形状が前記既知の形状に対応しているかどうかを判定し、
前記検出された形状を既知の対象物の形状に相当する輪郭と比較して前記検出された形状が前記の既知の形状に対応するかどうかを判定し、
前記システムを較正すべく、投射された光パルスを指向させる手段から既知の角度方向にかつ既知の距離に配置された較正素子に前記投射された光パルスを指向させ、
前記投射された光パルスを指向させる手段が調整可能なミラーシステムを有するものであり、
さらに、較正目標の中心の得られた反射角度および距離と、記憶されているそれぞれの対応する基準値との間のそれぞれの差のうちのいずれかの差が過大な場合に警告を発生する、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−288253(P2009−288253A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206148(P2009−206148)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【分割の表示】特願2007−1972(P2007−1972)の分割
【原出願日】平成6年10月14日(1994.10.14)
【出願人】(500421509)セイフゲイト インターナシヨナル アーベー (2)
【氏名又は名称原語表記】Safegate International AB
【住所又は居所原語表記】Stenaldersgatan 2A, S−213 76 MALMO, Sweden
【Fターム(参考)】