説明

薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法

【課題】本発明は、レーザーリフトオフ工程を利用した転写工程を改善することによって、薄膜キャパシタのための誘電体膜の損傷を最小化することができる薄膜キャパシタ内蔵型配線基板を提供する。
【解決手段】本発明は、第1基板上に犠牲層を形成する段階と、上記犠牲層上に誘電体膜を形成する段階と、上記誘電体膜上に第1電極層を形成する段階と、上記第1電極層が第2基板の上面に接合されるように上記第1基板を上記第2基板上に配置する段階と、上記第1基板を通して上記犠牲層にレーザービームを照射して上記犠牲層を分解させる段階と、上記第2基板から上記第1基板を分離する段階と、上記誘電体膜上に第2電極層を形成する段階とを含む薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷回路基板のような配線基板の製造方法に関し、より詳しくは、レーザーリフトオフ工程を利用して薄膜キャパシタを実現する薄膜キャパシタ内蔵型配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型、軽量化、高速化、高周波化が進むにつれ、高密度化に対する全方位的要求が増えてきた。これを現実に反映するために、受動及び/または能動素子を基板内に集積することで効率を高めようとする技術に関する研究が活発に行われている。
【0003】
これに関して、電子機器の小型化を達成するために印刷回路基板(Pringted Circuit Board:PCB)の表面に実装される抵抗、キャパシタ、インダクターのような多くの受動素子をPCB基板内に内蔵する研究も行われている。受動素子のうちキャパシタは約60%程度を占め、他の受動素子に比して多くのパーセントを占めるので、内蔵型(埋め込み)キャパシタに対する関心が高くなっている。このように、その表面に実装されるキャパシタをPCB内に内蔵することによって40%程度のサイズ縮小の効果を得ることができるだけでなく、高周波での低いインピーダンス (10pH)によって高周波における電気的特性向上の効果を得ることができる。
【0004】
このような内蔵型キャパシタは、一般的に2つの銅箔(伝導層)と、その間のフリーフラグの絶縁層を含んで成る。一例として、特許文献1では伝導性ホイルの間に硬化されてない誘電シートを挿み込み、積層工程によってキャパシタ内蔵型印刷回路基板を製造する技術を提示している。また、特許文献2では誘電体を利用した高温薄膜内蔵型キャパシタを提示しており、具体的に高温熱処理(400〜800℃)による伝導層の酸化を防止するためにバリアー層を形成することを提示している。
【0005】
このように、薄膜キャパシタの誘電体膜が高い誘電率を有するためには結晶化のための高温の熱処理工程が求められる。
【0006】
しかしながら、従来のPCBに内蔵されるキャパシタの場合、各絶縁層の主材は高分子であるので、400〜800℃程度の高温での熱処理工程は基板の変形を引き起こすため実際に適用できない。
【0007】
また、銅箔上に誘電体膜を蒸着して熱処理する過程において、銅箔が酸化し易くなる問題がある。この場合に、酸化された界面の影響によりキャパシタの望む特性が大きく低下する恐れがある。
【0008】
かかる問題のために、高温熱処理を要する誘電体膜を有する内蔵型キャパシタを、印刷回路基板のような多層配線基板に有益に適用できる工程の開発が切実に求められている状況である。
【特許文献1】米国登録特許第5,261,153号
【特許文献2】米国登録特許第6,541,137号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記した従来技術の問題を解決すべく、本発明の一目的は、レーザーリフトオフ工程を利用した転写工程を改善することによって、薄膜キャパシタのための誘電体膜の損傷を最小化することができる薄膜キャパシタ内蔵型多層配線基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、第1基板上に犠牲層を形成する段階と、上記犠牲層上に誘電体膜を形成する段階と、上記誘電体膜上に第1電極層を形成する段階と、上記第1電極層が第2基板の上面に接合されるように上記第1基板を上記第2基板上に配置する段階と、上記第1基板を通して上記犠牲層にレーザービームを照射して上記犠牲層を分解させる段階と、上記第2基板から上記第1基板を分離する段階と、上記誘電体膜上に第2電極層を形成する段階とを含む薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法を提供する。
【0011】
好ましく、上記犠牲層は、上記第1基板物質のエネルギーバンドギャップより低いエネルギーバンドギャップを有する物質から成ることができる。
【0012】
上記犠牲層には、インジウム柱石酸化物(ITO)、LaSr1−xCoO(LSCO)、LaPb1−xCoO(LPCO)、PbO及びGaNから成る群より選択された物質を用いることができる。
【0013】
好ましくは、上記第1基板は上記レーザービームの波長に該当するエネルギーより大きいバンドギャップを有する物質から成ることができる。
【0014】
上記第1基板には、サファイア、石英、硝子、酸化マグネシウム、アルミン酸ランタン、溶融シリカ、ジルコニアから構成された群より選択される物質から成る基板を用いることができる。
【0015】
上記誘電体膜には、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、チタン酸バリウム(BT)、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)、チタン酸ビスマスランタン(BLT)、マグネシウムニオブ酸鉛チタン酸鉛(PMN−PT)、亜鉛ニオブ酸鉛チタン酸鉛(PZN−PT)であることができる。
【0016】
上記第1及び第2電極層は、Au、Ag、Ni、Cu、Al、Pt、Ti、Ir、IrO、Ru、RuOから構成された群より選択される物質から成ることができる。このような第1及び第2電極層は、PVD、CVD、ALD、スクリーン印刷法、メッキ法、及びインクジェット印刷法から成る群より選択される一つの方法を利用して形成することができる。
【0017】
必要に応じて、上記第2基板から上記第1基板を分離する段階の後に、上記誘電体膜上に残存した上記犠牲層物質が除去されるように上記誘電体膜の表面を洗浄する段階をさらに含むことができる。
【0018】
上記第1基板を上記第2基板上に配置する段階では、上記第1電極層と基板の接合のために、別途の接合物質を用いることができる。即ち、本段階は、上記第1基板の第1電極層及び上記第2基板の上面の少なくとも一面に接合物質を適用する段階と、上記接合物質を利用して上記第1基板の第1電極層を上記第2基板上に接合させる段階とで実現することができる。上記接合物質には高分子物質である接合樹脂を用いることができる。
【0019】
必要なキャパシタ領域の設計に応じて、上記第1及び第2電極層の少なくとも一つは所定のパターンを有するように形成することができる。
【0020】
必要に応じて、上記誘電体膜を形成する段階と、上記第1電極層を形成する段階の間にバリアー層を形成する段階をさらに含むことができる。この場合に、上記バリアー層には、Ti、Cr、Alまたはその合金、或はTiNまたはTaNのような物質であることができる。
【0021】
多層配線基板の実現のために、上記第2電極層を形成する段階後に、上記第2電極層上に導電ライン及び/または導電性バイアホールを有する少なくとも一つの絶縁層を形成する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、レーザーリフトオフ工程を利用して高温で熱処理することで優れた誘電体特性を有する誘電体薄膜を採用した薄膜キャパシタを印刷回路基板のように熱処理条件に脆弱な絶縁基材上に効果的に実現することができる。
【0023】
さらに、本発明では犠牲層を利用することにより、レーザー照射の際に誘電体膜に発生される損傷領域を殆ど発生させないので、良質の薄膜キャパシタを実現するのに好ましく適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。
【0025】
図1(a)乃至図1(c)は本発明の一実施形態による薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法に採用される薄膜キャパシタ用被転写構造物の形成工程を説明するための各工程別断面図である。
【0026】
図1(a)に示すように、本方法は第1基板11の上に犠牲層12を形成する段階から開始される。
【0027】
上記犠牲層12は用いられるレーザーによって付加されるエネルギーによって分解可能な物質から成る層を言い、後続工程においてレーザーは上記第1基板11を透過して犠牲層を分解させる。
【0028】
このような犠牲層12の選択的な除去のために、レーザーのエネルギーを犠牲層12の位置に集中させる焦点調整方式を採用することができるが、好ましくは、使用されるレーザービームの波長に応じて上記第1基板11及び犠牲層12の物質を適切に選択することが好ましい。
【0029】
即ち、上記第1基板11はレーザーが透過できるように、上記レーザービームの波長に該当するエネルギーより大きいバンドギャップを有する物質から成ることができる。このような第1基板11には、好ましく、透明基板を使用することができる。上記透明基板には、サファイア、石英、硝子、酸化マグネシウム、アルミン酸ランタン、溶融シリカ、ジロコニアから選択された一つの基板であることができる。
【0030】
また、上記犠牲層12は、上記第1基板11の物質のエネルギーバンドギャップより低いエネルギーバンドギャップを有する物質から成ることが好ましい。このような犠牲層12にはインジウム柱石酸化物、LaSr1‐xCoO(LSCO)、LaPb1−xCoO(LPCO)、PbOまたはGaNを用いることができる。
【0031】
次いで、図1(b)に示すように、上記犠牲層12の上に所望の誘電体膜14を形成する。
【0032】
本工程で採用される第1基板は、転写する領域を提供する基板物質(例えば、PCB)より熱的耐久性の強い物質で採用できるので、誘電特性の改善のための高温の熱処理工程を伴うか、或は高温の成膜工程を有益に採用することができる。例えば、上記誘電体膜14は、金属有機前駆体(metal organic precursor)を利用して通常のゾルゲル(sol−gel)法で形成した後に高温の熱処理が適用される工程を使用することができ、高温の物理的蒸着及び化学的蒸着工程も有用に採用することができる。
【0033】
上記誘電体膜14はチタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛、チタン酸バリウム、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム、チタン酸ビスマスランタン、マグネシウムニオブ酸鉛チタン酸鉛、または亜鉛ニオブ酸鉛チタン酸鉛であることができる。
【0034】
次いで、図1(c)に示すように、上記誘電体膜14の上に薄膜キャパシタの電極を成す第1電極層16を形成する。このような第1電極層16は電気的伝導性を有する金属または酸化物であることができる。例えば、Au、Ag、Ni、Cu、Al、Pt、Ti、Ir、IrO、RuまたはRuOを用いることができる。上記第1伝導層16は公知されたPVD、CVD、ALD、スクリーン印刷法、メッキ法、インクジェット印刷法などを利用して形成することができる。好ましくは、スパッタリングと電子ビーム蒸発法などのようなPVD法を利用して形成することができる。第1電極層は必要に応じて所望のパターンを有するように形成することができる。このようなパターニング工程によって必要なキャパシタ領域を定義することができる。
【0035】
また、上記誘電体膜14と第1電極層16の間の接着性を改善したり金属伝導層の拡散及び酸化を防止するために、それらの間にバリアー層(図示せず)をさらに形成することも可能である。このようなバリアー層にはTi、Cr、Al、Taまたはその合金、或はTaN、TiNのような物質を用いることができる。
【0036】
このような工程によって得られた薄膜キャパシタのための被転写構造物は、レーザーリフトオフ工程を利用した薄膜キャパシタ工程によって望む領域に転写することができる。
【0037】
図2(a)乃至図2(d)は、本発明の一実施形態による薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法のうち、転写過程及び薄膜キャパシタ形成過程を説明するための各工程別断面図である。
【0038】
先ず、図2(a)に示すように、転写領域、即ちキャパシタ形成領域を有する第2基板21を用意する。上記第2基板21は高分子樹脂から成る基板であって、代表的に印刷回路基板(PCB)の製造工程で用いられるCCL(copperclad layer)のようなコアまたは追加された絶縁層であることができる。上記第2基板21の上には、図1(c)で製造された被転写構造物が付着される転写領域上に接着層23を形成することができる。勿論、これと異なって、上記接着層123は被転写構造物の接着面を提供する第1電極層16の表面に形成することができ、上記第2基板21及び上記第1電極層16全てに形成することができる。このような接着層23は高分子樹脂から成る通常の硬化性材料であることができる。
【0039】
次いで、図2(b)のように、上記第1電極層16が上記第2基板21の上面に接合されるように上記第1基板11を上記第2基板21の上に配置する。
【0040】
ここで、図2(b)に示す被転写構造物は、図1(a)乃至図1(c)の工程によって製造された形態で理解することができる。即ち、上記被転写構造物は透明基板のような第1基板11に設けられた犠牲層12、誘電体膜14及び第1電極層16とを含む。本実施形態では、接着層23を利用して第1電極層16と上記第2基板21を接合させる形態を例示したが、加熱圧着のような他の公知された接合技術を使用することができる。
【0041】
次に、図2(c)のように、上記第1基板11を通してレーザービーム(L)を照射し、上記犠牲層12を分解する工程を実施する。
【0042】
照射されたレーザービーム(L)は、上記第1基板11と誘電体膜14の間の上記犠牲層12で吸収され、その犠牲層12で局所的な温度上昇を発生させ、それによりDと表したように犠牲層12の物質を分解させることができる。本工程では、エネルギーが集中されて分解される犠牲層12を採用することによって、誘電体膜14に対する損傷を最小化しながら上記誘電体膜14を第1基板11から分離させることが可能である。
【0043】
本発明で提案された犠牲層12が存在しない場合には、誘電体膜14との界面にエネルギーが集中され熱分解されるので、図3に示すように、誘電体膜14の損傷領域が存在することができる。レーザービームの出力及び照射方式を調節することで、損傷領域を減少させることができるが、約数十nmまたは100nmの損傷領域が不可避に発生される。このような領域は低い誘電率を有するので、全体キャパシタの容量を低くする問題がある。そのため、精密な容量を実現するための誘電体膜14の設計が難しくなる問題がある。
【0044】
このような問題を解決するために、本発明では分離する界面で犠牲層12を配置し、その犠牲層12をレーザービーム(L)によって除去し、第1基板11を分離させることにより、誘電体膜14が損傷することなくレーザーリフトオフ工程を利用した転写方案を提供する。図4は本発明によって製造された薄膜キャパシタ用被転写構造物の一例として犠牲層除去後に、基板を分離させた状態で撮影した写真である。図4に示すように、強誘電体膜上には図3で示す損傷領域が存在しないことが確認できる。
【0045】
本発明で使用されるレーザー(L)の種類及び照射方法は、犠牲層の選択的分解を保障する条件であれば限定されないが、例えば、エキシマレーザーまたはNd:YAGレーザーなどが好ましく使用することができ、円形、四角形スポットまたはラインなどのような多様なビーム形状を有するレーザー照射位置を移動させ全体面積にスキャニングする方式で使用することができる。
【0046】
次いで、図2(d)のように、第1基板11を除去した後に、上記誘電体膜14の上に第2電極層26を形成して薄膜キャパシタを完成することができる。
【0047】
本工程で形成される第2電極層26は、第1電極層16と類似するように電気的伝導性を有する金属または酸化物であることができる。例えば、Au、Ag、Ni、Cu、Al、Pt、Ti、Ir、IrO、Ru又はRuOを用いることができる。上記第2電極層26は公知されたPVD、CVD、ALD、スクリーン印刷法、メッキ法、インクジェット印刷法などを利用して形成することができる。また、必要に応じて第2電極層26も第1電極層16と類似するようにキャパシタ領域が定義されるよう、所望のパターンを有するように追加的なパターニング工程が適用できる。
【0048】
また、上記誘電体膜14と第2電極層26の間の接着性を改善したり、金属伝導層の拡散及び酸化を防止するために、バリアー層(図示せず)を追加的に形成することも可能である。このようなバリアー層にはTi、Cr、Al、Taまたはその合金、或はTiNまたはTaNのような物質を用いることができる。
【0049】
一方、本工程に先立って誘電体膜14の損傷領域が発生しなくても、犠牲層12の物質が完全に誘電体膜14の上で除去されず、部分的に残存する恐れがある。このような犠牲層16の残留物質は誘電特性に好ましくないので、除去されるように洗浄工程をさらに適用することが好ましい。本洗浄工程は適切な選択性を有するエッチャントを利用した湿式エッチングまたはイオンビームミーリング工程などの多様な公知された方法を使用することができる。
【0050】
後続して、本発明では印刷回路基板の通常的な製造工程によって上記形成された薄膜上下部の伝導層上に所望の回数で絶縁層と伝導層を交互に形成することができる。即ち、上記第2電極層26を形成する段階の後に、上記第2電極層26の上に導電ライン及び/または導電性バイアホールを有する少なくとも一つの絶縁層を形成し所望の印刷回路基板のような配線回路基板構造を製造することができる。例えば、このような絶縁層では伝導層を有するRCC(resin coated copper)を使用することができる。
【0051】
本発明は上述した実施の形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の請求範囲によって限定しようとする。従って、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で、当該技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態による薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法に採用される薄膜キャパシタ用被転写構造物の形成工程を説明するための各工程別断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法のうち、転写過程及び薄膜キャパシタの形成過程を説明するための各工程別断面図である。
【図3】犠牲層のないレーザーリフトオフ工程によって得られた誘電体膜を示す。
【図4】本発明の一実施例によって製造された薄膜キャパシタ用被転写構造物を示す。
【符号の説明】
【0053】
11 第1基板
12 犠牲層
14 誘電体膜
16 第1電極層
21 第2基板
23 接着層

26 第2電極層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板上に犠牲層を形成する段階と、
前記犠牲層上に誘電体膜を形成する段階と、
前記誘電体膜上に第1電極層を形成する段階と、
前記第1電極層が第2基板の上面に接合されるように前記第1基板を前記第2基板上に配置する段階と、
前記第1基板を通して前記犠牲層にレーザービームを照射し前記犠牲層を分解させる段階と、
前記第2基板から前記第1基板を分離する段階と、
前記誘電体膜上に第2電極層を形成する段階とを含む薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記犠牲層は、前記第1基板物質のエネルギーバンドギャップより低いエネルギーバンドギャップを有する物質から成ることを特徴とする、請求項1記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記犠牲層は、インジウム柱石酸化物(ITO)、LaSr1−xCoO(LSCO)、LaPb1−xCoO(LPCO)、PbO及びGaNから成る群より選択されることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記第1基板は、前記レーザービームの波長に該当するエネルギーより大きいバンドギャップを有する物質から成ることを特徴とする、請求項1記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記第1基板は、サファイア、石英、硝子、酸化マグネシウム、アルミン酸ランタン、溶融シリカ、ジルコニアから構成された群より選択される物質から成ることを特徴とする、請求項3記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記誘電体膜は、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛、チタン酸バリウム、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム、チタン酸ビスマスランタン、マグネシウムニオブ酸鉛チタン酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛チタン酸鉛から構成された群より選択される物質から成ることを特徴とする、請求項1記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記第1及び第2電極層の少なくとも一層は、Au、Ag、Ni、Cu、Al、Pt、Ti、Ir、IrO、Ru、RuOから構成された群より選択される物質から成ることを特徴とする、請求項1記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記第1及び第2電極層の少なくとも一つは、PVD、CVD、ALD、スクリーン印刷法、メッキ法、及びインクジェット印刷法で構成された群より選択される一つの方法を利用して形成することを特徴とする、請求項1記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記第2基板から前記第1基板を分離する段階の後に、前記誘電体膜上に残存する前記犠牲層の物質が除去されるように、前記誘電体膜の表面を洗浄する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記第1基板を前記第2基板上に配置する段階は、前記第1基板の第1電極層及び前記第2基板の上面の少なくとも一面に接合物質を適用する段階と、前記接合物質を利用して前記第1基板の第1電極層を前記第2基板上に接合させる段階を含むことを特徴とする、請求項1記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項11】
前記接合物質は、高分子物質である接合樹脂であることを特徴とする、請求項10記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項12】
前記第1及び第2電極層は、所定のパターンを有することを特徴とする、請求項1記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項13】
前記誘電体膜を形成する段階と、前記第1電極層を形成する段階の間にバリアー層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項14】
前記バリアー層は、Ti、Cr、Al、Taまたはその合金から成ることを特徴とする、請求項13記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項15】
前記第2電極層上に導電ライン及び/または導電性バイアホールを有する少なくとも一つの絶縁層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載の薄膜キャパシタ内蔵型配線基板の製造方法。
【請求項16】
請求項1乃至請求項15のいずれか1項の製造方法により製造された薄膜キャパシタ内蔵型配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−166757(P2008−166757A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321378(P2007−321378)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】