説明

薬剤供給ユニット

【課題】 薬剤スティックを整列させる作業を必要とすることなく、確実に所定数だけ供給する。
【解決手段】 筒状で両端部を封止された袋内に薬剤を収容してなる薬剤スティック5が複数収納される薬剤収納容器3と、該薬剤収納容器3が着脱自在に装着され、前記薬剤スティック5を1つずつ供給する薬剤供給部4とを備える。前記薬剤供給部4を、前記薬剤スティック5を長手方向に搬送可能とする通路14を有する搬送手段10と、該搬送手段10によって搬送された薬剤スティック5を、その長手方向に直交する斜め下方に移動させる傾斜面11aを備えた薬剤供給容器11と、該薬剤供給容器11に回転駆動可能に配設され、前記傾斜面11aに従って移動した薬剤スティック5を外周部に形成した保持凹部22に保持して搬送するロータ12とを備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スティック状の袋に収容された薬剤の供給に適した薬剤供給ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スティック状の薬剤(薬剤スティック)、例えば、袋に包装されたアンプルを供給するための装置として、特開2000−255651号公報に開示のものがある。
【0003】
この装置では、容器本体内に包装アンプルを上下方向に整列させた状態で収容し、下端部に設けたロータを回転させることにより、その外周面に形成した収容溝を介して前記包装アンプルを1つずつ供給することができるようになっている。
【特許文献1】特開2000−255651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の装置では、包装アンプルを一旦容器本体内で整列させるという煩雑な作業を必要とする。このため、包装アンプル等の薬剤スティックを整列させることなく、所定数だけ適切に供給することの可能な装置が切望されていた。
【0005】
そこで、本発明は、薬剤スティックを整列させる作業を必要とすることなく、確実に所定数だけ供給することのできる薬剤供給ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、筒状で両端部を封止された袋内に薬剤を収容してなる薬剤スティックが複数収納される薬剤収納容器と、該薬剤収納容器が着脱自在に装着され、前記薬剤スティックを1つずつ供給する薬剤供給部とを備えた薬剤供給ユニットにおいて、
前記薬剤供給部を、
前記薬剤スティックを、その長手方向にのみ搬送可能とする通路を有する搬送手段と、
該搬送手段によって搬送された薬剤スティックを、その長手方向に直交する斜め下方に移動させる傾斜面を備えた薬剤供給容器と、
該薬剤供給容器に回転駆動可能に配設され、前記傾斜面に沿って移動した薬剤スティックを外周部に形成した保持凹部に保持して搬送するロータとを備えた構成としたものである。
【0007】
この構成により、搬送手段を駆動して薬剤スティックを確実にその長手方向に搬送することができる。搬送された薬剤スティックは、さらに薬剤供給容器で傾斜面に従って移動するので、ロータを回転させることにより保持凹部で保持して供給することが可能である。
【0008】
前記薬剤供給容器は、前記薬剤スティックの搬送方向に向かって斜め下方に傾斜し、
前記ロータの保持凹部は、下方側に位置する逃がし凹部の一部に、薬剤スティックが保持溝に保持される際の傾きを矯正して保持溝への侵入を補助する当接面を形成するのが好ましい。
【0009】
前記薬剤収納容器は、薬剤スティックをその長手方向に送り出す送出手段を備え、
前記薬剤供給部の搬送手段による薬剤スティックの搬送速度を、前記送出手段による搬送速度よりも大きくすると、薬剤供給容器への薬剤スティックの供給状態を安定させることが可能となる点で好ましい。
【0010】
前記ロータが適切に正転しない場合、ロータを所定時間逆転した後、再度正転させると、薬剤スティックの詰まりを迅速に解消することが可能となる点で好ましい。
【0011】
前記薬剤収納容器は、前記薬剤供給部に装着した際、前記薬剤供給部の通路に連通する開口部と、前記薬剤供給部から離脱した際、前記開口部を閉鎖するドアとを備え、
前記薬剤収納容器は、薬剤スティックをその長手方向に送り出す送出手段を備え、
前記薬剤収納容器を前記薬剤供給部から離脱させる際、前記送出手段を逆転駆動させると、薬剤収納容器から薬剤スティックが零れ落ちたり、ドアに挟まったりすることなく、適切に取り外すことができる点で好ましい。
【0012】
前記薬剤供給容器の傾斜面に、前記薬剤スティックの搬送方向に沿う両端部に板厚方向に向かって窪んだ段部を形成すると、薬剤スティックの詰まりを確実に回避することが可能となる点で好ましい。
【0013】
前記ロータの少なくとも一端面に円形プレートを一体化すると、ロータの回転によって薬剤スティックが傾くことを防止して確実に排出できる点で好ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、薬剤スティックを搬送手段によって長手方向にのみ搬送可能とし、ロータによって1つずつ供給可能としたので、薬剤スティックを整列させる手間が省け、作業性を格段に向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係る薬剤供給ユニット1がマトリックス状に配設された薬剤供給装置2を示す。薬剤供給ユニット1は、図2〜図5に示すように、薬剤供給装置2に着脱される薬剤収納容器3と、薬剤供給装置2に固定された薬剤供給部4とで構成される。
【0017】
薬剤収納容器3は、図2〜図5に示すように、上面が開口する略箱状で、薬剤スティック5がランダムに収容されている。薬剤スティック5としては、例えば、アンプルを筒状の袋に収容し、その両端部を封止した包装アンプルが挙げられ、図8に示すように、円筒状の胴部5aの両端部がその外径よりも幅広の封止部5bとなっている。薬剤収納容器3は、底面の側縁部に沿う部分が本発明に係る送出手段である第1ベルトコンベア6で構成され、他の部分が第1ベルトコンベア6に向かって傾斜する傾斜面3aとなっている。第1ベルトコンベア6は、図5に示すように、両端部に配設した回転軸6a,6bの一端側にベルト6cを掛け渡した構成である。一方の回転軸6aにはギア(図示せず)が一体化されている。このギアには、薬剤供給部4に配設した第1モータ7から、その回転軸及びそこに一体化したギア(図示せず)を介して動力が伝達される。薬剤収納容器3の一端壁の一部には、ドア8が、支軸8aを中心として回動可能に設けられ、スプリング9によって閉鎖方向に付勢されている。
【0018】
薬剤供給部4は、図2に示すように、本発明に係る搬送手段である第2ベルトコンベア10と、薬剤供給容器11と、その内部に配設されるロータ12とを備える。
【0019】
第2ベルトコンベア10は、両側に形成される側壁13によって薬剤スティック5の長さよりも短い幅寸法に形成された通路14の底面を構成する。側壁13にはセンサ13aが設けられ、通過する薬剤スティック5の有無を検出する。第2ベルトコンベア10は、前記センサ13aの検出信号に基づいて駆動制御され、薬剤スティック5を後述する薬剤供給容器11に直に供給できるように待機させる。第2ベルトコンベア10は、前記第1ベルトコンベア6と同様に、図5に示すように、回転軸10a,10bにベルト10cを掛け渡した構成で、一方の回転軸10aにはギア10dを介して第2モータ15の駆動力が伝達される。また、前記通路14の入口上部には押圧部16が突設されている。押圧部16は、薬剤収納容器3を薬剤供給部4に装着する際、ドア8の上部を押圧して回動させ、薬剤収納容器3と通路14とを連通する。
【0020】
薬剤供給容器11は、図2及び図3に示すように、略箱状で、第2ベルトコンベア10から、その搬送方向に向かって斜め下方に傾斜している。薬剤供給容器11の上面開口部は、ヒンジ部52bによって回動自在に連結された扉52によって開閉されている。扉52には、透光性を有するプレートによって閉鎖された、スリット状の3つの覗き孔52aが並設されている。また、薬剤供給容器11は、底面の一部が搬送方向に直交する方向に向かって斜め下方に傾斜する傾斜面11aで構成されている。傾斜面11aの両端部には板厚方向に窪んだ段部50がそれぞれ形成され、第2ベルトコンベア10によって搬送された薬剤スティック5が、その両端部の幅広部分で傾斜面11aに引っ掛かり、詰まることを防止する。傾斜面11aの最下部に位置する薬剤スティック5は、一端壁に設けた第1薬剤検出センサ17によって検出される。傾斜面11aの側方には、後述するロータ12が配設され、図6(c)に示すように一端壁にはロータ12の回転位置を検出するための回転位置検出センサ(ホールIC)18が配設されている。また、その上方部分にはブラシ19を有するガイド壁20と、ロータ12の保持凹部22に保持された薬剤スティック5を検出するための第2薬剤検出センサ21とがそれぞれ設けられている。ガイド壁20及びブラシ19は余分な薬剤スティック5を掻き落とし、ロータ12の保持凹部22に薬剤スティック5を1つだけ保持可能とする。
【0021】
ロータ12は、図2及び図6(c)に示すように、略円筒状で、外周面には対称位置2箇所に保持凹部22が形成されている。この保持凹部22は、前記薬剤スティック5の胴部を保持する保持溝23と、その両端部に形成される逃がし凹部24a,24bとからなる。一方の逃がし凹部24aは、保持溝23に薬剤スティック5の胴部5aを保持した状態で、封止部5bとは非接触となるように形成されている。他方の逃がし凹部24bは、その一部が保持溝23を構成する湾曲面と同一面内に配設された当接面24cとなっている。これにより、薬剤供給容器11の最下部に位置する薬剤スティック5をロータ12の保持凹部22で保持する際、薬剤スティック5が傾斜した状態となって詰まり等を生じさせることが防止される。またロータ12の一端面(逃がし凹部24b側)には薄肉の円形プレート51が一体化されている。円形プレート51は、薬剤供給容器11を構成する側壁に形成した凹部(図示せず)内に位置し、側壁内面とは面一となっている。円形プレート51は、ロータ12が保持溝23に薬剤スティック5を保持して回転する際、薬剤スティック5が薬剤供給容器11の側壁と接触して傾くことを防止する。これにより、薬剤スティック5の搬送動作を安定させることが可能となる。ロータ12は一端面中央部の回転軸12aにプーリ12bが一体化され、そのプーリ12bに掛け渡したベルト12cを介してモータ25から動力が伝達され、正逆回転する。また、ロータ12の一端面には前記保持凹部22に対応する位置にマグネット26がそれぞれ設けられている。ロータ12が所定位置(定位置)に回転すれば、前記回転位置検出センサ18によってマグネット26が検出され、ロータ12が定位置で停止する。また、このとき、保持凹部22に保持された薬剤スティック5が第2薬剤検出センサ21によって検出可能となる。
【0022】
次に、前記薬剤供給ユニット1の動作について説明する。
【0023】
薬剤スティック5の供給動作では、まず、第2薬剤検出センサ21により、定位置に停止したロータ12の保持凹部22に薬剤スティック5があるか否かを検出する。薬剤スティック5が検出されれば、ロータ12を回転させ、この薬剤スティック5を供給し、検出されなければ、第1薬剤検出センサ17により、薬剤供給容器11に薬剤スティック5があるか否かを検出する。
【0024】
薬剤スティック5が検出されれば、ロータ12を回転させることにより、その保持凹部22に検出された薬剤スティック5を保持して供給する。この薬剤スティック5が適切に供給されたか否かは、前記同様、第2薬剤検出センサ21での検出信号に基づいて判断する。
【0025】
一方、薬剤スティック5が検出されなければ、第1モータ7及び第2モータ15を同期して駆動させ、第1ベルトコンベア6及び第2ベルトコンベア10を動作させる。これにより、薬剤収納容器3内の薬剤スティック5を通路14から薬剤供給容器11へと搬送する。薬剤スティック5は、通路14の幅が狭いため、横向きのままで通過できず、必ず長手方向に沿って搬送される。なお、各モータ25への印加電圧やギア比を変更することにより、第2ベルトコンベア10に比べて第1ベルトコンベア6による搬送速度を増大させると、薬剤スティック5が詰まりにくく、スムーズな搬送が可能となる点で好ましい。
【0026】
薬剤供給容器11に搬送された薬剤スティック5は、傾斜面11aによって斜め下方に移動し、前記第1薬剤検出センサ17に検出されることにより、ロータ12を回転させ、前記第2薬剤検出センサ21により、薬剤スティック5が1つ供給されたことを検出する。
【0027】
以下同様にして、所定数量の薬剤スティック5を供給するまで、前述の動作を繰り返す。そして、前記動作により両センサ18,21で薬剤スティック5を検出できない場合、欠品であると判断し、その旨を報知させる。作業者は、その報知命令に従って、薬剤供給装置2の薬剤供給部4から薬剤収納容器3を取り外す。このとき、第1ベルトコンベア6を駆動すると共に、第2ベルトコンベア10を逆転駆動する。これにより、薬剤収納容器のドア8の近傍に位置する薬剤スティック5が移動し、薬剤収納容器3を取り外した際、ドア8の回動を妨げることなく、スムーズに閉鎖させる。また、取り外された薬剤収納容器3に薬剤スティック5を収容する場合には、薬剤スティック5を整列させる必要がなく、短時間で作業が済む。そして、薬剤収納容器3を薬剤供給部4に装着する。このとき、押圧部16が薬剤収納容器3のドア8を回動させ、通路14と連通させる。これにより、薬剤スティック5の搬送が可能となる。
【0028】
また、薬剤スティック5の供給動作中に、回転位置検出センサ18での検出信号がなく、ロータ12が薬剤スティック5の詰まり等により回転不良を起こした場合には、一旦ロータ12を所定時間だけ逆回転させた後、正回転させる。これにより、薬剤スティック5の詰まり等を迅速に解消して良好な供給状態に回復させることができる。なお、ロータ12の逆回転処理によっても、回転不良が解消しなければ、エラー報知すると共に、装置を停止させるようにすればよい。
【0029】
なお、前記実施形態では、薬剤収納容器3の一端側開口をドア8によって開閉するようにしたが、図9(a)及び(b)に示すように、支軸60aを中心として回動するドア60を設けるようにしてもよい。
【0030】
ドア60は、両端部が直角に屈曲した側壁を有し、そこには係合孔60bが形成されている。係合孔60bにフック61の一端に形成された係合突部61bが係脱する。フック61は、中間部分に形成した軸部61aを薬剤収納容器3内で固定されている。そして、薬剤収納容器3を薬剤供給装置2に装着した後、図示しない突起等によって押込部61cが押し込まれることにより弾性変形し、係合突部61bを係合孔60bから脱落させる。ドア60は、係合孔60bから係合突部61bが脱落することにより、自重により支軸60aを中心として図9(a)中、反時計回り方向に回動する。また、ドア60は、図10に示すように、リンク63a,63bを介して支軸64aを中心として回動操作可能に設けたレバー64を薬剤収納容器3に対して押し込み操作することにより回動し、一端側開口部の下半分を閉鎖する。レバー64には切欠部64bが形成され、薬剤収納容器3に設けた軸部65が係脱する。これにより、レバー64の押し込み位置すなわちリンク63a,63bを介してドア60の開放位置が規制される。
【0031】
レバー64は、薬剤収納容器3を薬剤供給装置2から取り外す際に利用される。すなわち、通常の取り外し作業では、ドア60は図示しないソレノイドによって自動的に閉鎖されるが、ドア60及びその近傍の薬剤の数量が多い場合等に、ドア60をスムーズに閉鎖できず、薬剤がアンプル等であれば破損することも考えられる。そこで、ソレノイドからドア60に作用させる力を、薬剤を破損させない程度とし、ドア60が閉鎖されない場合にレバー64が突出するので、適切に閉鎖されているか否かを確認することができる。レバー64が突出している場合には、このレバー64を手動操作してドア60を閉鎖させる。但し、レバー64を操作する感触から薬剤が破損する恐れがある場合には、薬剤の落下に注意しつつ、そのまま薬剤収納容器3を取り外す。
【0032】
また、前記薬剤収納容器3内の第1ベルトコンベア6には、図9(a)に示すような突起62を形成するようにしてもよい。これによれば、第1ベルトコンベア6の終端で横向きとなって滞留しようとする薬剤スティック5を強制的に縦向きとして第2ベルトコンベア10へと搬送可能となる点で好ましい。
【0033】
また、前記実施形態では、第2ベルトコンベア10によって直接薬剤供給容器11に薬剤スティック5を供給するようにしたが、図11に示すように、ヒンジ部63bを中心として回動可能な一対のドア63を設けるのが好ましい。このドア63は、図10中、前方側にのみ回動可能で、図示しないスプリングによって図11に示す閉鎖位置に復帰可能となっている。このため、薬剤スティック5がドア63で詰まり搬送不能となるといった不具合は発生しない。ドア63の対向縁は下方に向かうに従って徐々に離間する傾斜部63aとなっている。また、ドア63の背面(図11では裏面)が下方に向かって前面側に向かって徐々に傾斜している。そして、これら傾斜構造によって搬送する薬剤スティック5がアンプルであっても(本実施形態では、アンプルも薬剤スティック5に含むものとする。)、ドア63に挟まって破損するといった不具合が未然に防止可能となる。なお、前記ドア63は、前記ドア8と同様に、上縁部を支軸として回動する1枚のプレートで構成するようにしても構わない。また、ドア63に代えて、下方に向かって突出する複数本の弾性髭からなるブラシを設けるようにしてもよい。
【0034】
さらに、前記実施形態では、薬剤供給容器11からロータ12によって薬剤スティック5を排出するようにしたが、図12に示すように、ピッカー70によって排出するようにしてもよい。
【0035】
ピッカー70は、支軸71を中心としてリンク73の一端部に保持部72を一体化したもので、支軸71をモータ79により回転する回転ディスク74の対称な位置2箇所に固定されている。支軸71はリンク73の他端部は、回転ディスク74の回転中心に向かってスプリング75で付勢され、薬剤供給容器11に固定したカム76の外周縁に沿って移動する。これにより、リンク73に固定した保持部72は、モータ79を駆動して回転ディスク74を回転させることにより、薬剤保持用の湾曲面を、図12中、2点鎖線で示すように方向変換させながら移動させる。なお、前記カム76の外周縁には小突起を複数設けるようにしてもよい。すなわち、リンク73が小突起を摺接すると、保持部72が微小範囲で揺動し、保持部72に2本以上の薬剤が保持されることを確実に防止することができる。
【0036】
また、回転ディスク74の前面中央部には円錐状の突出部77が一体化されている。突出部77は回転ディスク74が回転する際、起立した薬剤スティック5を横向きに整列させる役割を果す。但し、突出部77は、1箇所に限らず、2箇所以上に設けてもよい。例えば、回転中心を中心とする点対称の位置に設けることも可能である。なお、薬剤供給容器11の内面には傾斜部3aが形成され、この傾斜部3aによっても薬剤を横向きに整列可能としている。
【0037】
また、薬剤供給容器11は、回転ディスク74の鉛直上方位置の開口部78を介して背面側に排出路80を備えている。排出路80の終端にはソレノイド81の駆動により開閉するシャッター82が設けられている。
【0038】
前記ピッカー70を備えた薬剤供給容器11によれば、ピッカー70の保持部72に薬剤を確実に1つずつ保持することができる。薬剤供給容器11は傾斜して設けられているので、ピッカー70が鉛直上方位置に回動した時点で、保持部72に保持された薬剤は開口部78を通過して排出路80へと移動する。このとき、カム76に突起を設けてリンク73を介して保持部72を揺動させると、保持部72に保持した薬剤スティック5をスムーズに排出路80へと排出することが可能となる。排出路80では、その終端に配設したシャッター82によって薬剤が一旦保持され、ソレノイド81の駆動によりシャッター82が開放されることにより排出される。なお、排出路80は、薬剤スティック5がピッカー70の回転方向に沿って転がることにより排出可能な位置に配置するようにしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係る薬剤供給装置の全体外略図である。
【図2】本実施形態に係る薬剤供給ユニットの部分破断斜視図である。
【図3】本実施形態に係る薬剤供給ユニットの斜視図である。
【図4】本実施形態に係る薬剤供給ユニットの平面図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】(a)は図5の矢視a図、(b)はb−b断面図、(c)はc−c断面図である。
【図7】(a)は図2に示すロータの正面図、(b)は側面図である。
【図8】薬剤スティックの斜視図である。
【図9】他の実施形態に係る薬剤収納容器を示し、(a)は部分側面図、(b)はその平面図である。
【図10】図9(a)に示す薬剤収納容器の反対側の側面図である。
【図11】第2ベルトコンベアから薬剤供給容器への出口に設けたドアの例を示す正面図である。
【図12】他の実施形態に係る薬剤供給部を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【符号の説明】
【0040】
1…薬剤供給ユニット
2…薬剤供給装置
3…薬剤収納容器
4…薬剤供給部
5…薬剤スティック
6…第1ベルトコンベア
8…ドア
10…第2ベルトコンベア
11…薬剤供給容器
12…ロータ
14…通路
15…第2モータ
17…第1薬剤検出センサ
18…回転位置検出センサ
21…第2薬剤検出センサ
22…保持凹部
23…保持溝
24a,24b…逃がし凹部
26…マグネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状で両端部を封止された袋内に薬剤を収容してなる薬剤スティックが複数収納される薬剤収納容器と、該薬剤収納容器が着脱自在に装着され、前記薬剤スティックを1つずつ供給する薬剤供給部とを備えた薬剤供給ユニットにおいて、
前記薬剤供給部を、
前記薬剤スティックを、その長手方向にのみ搬送可能とする通路を有する搬送手段と、
該搬送手段によって搬送された薬剤スティックを、その長手方向に直交する斜め下方に移動させる傾斜面を備えた薬剤供給容器と、
該薬剤供給容器に回転駆動可能に配設され、前記傾斜面に沿って移動した薬剤スティックを外周部に形成した保持凹部に保持して搬送するロータと、
を備えた構成としたことを特徴とする薬剤供給ユニット。
【請求項2】
前記薬剤供給容器は、前記薬剤スティックの搬送方向に向かって斜め下方に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の薬剤供給ユニット。
【請求項3】
前記ロータの保持凹部は、下方側に位置する逃がし凹部の一部に、薬剤スティックが保持溝に保持される際の傾きを矯正して保持溝への侵入を補助する当接面を形成したことを特徴とする請求項2に記載の薬剤供給ユニット。
【請求項4】
前記薬剤収納容器は、薬剤スティックをその長手方向に送り出す送出手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の薬剤供給ユニット。
【請求項5】
前記薬剤供給部の搬送手段による薬剤スティックの搬送速度を、前記送出手段による送出速度よりも大きくしたことを特徴とする請求項4に記載の薬剤供給ユニット。
【請求項6】
前記ロータが適切に正転しない場合、ロータを所定時間逆転した後、再度正転させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の薬剤供給ユニット。
【請求項7】
前記薬剤収納容器は、前記薬剤供給部に装着した際、前記薬剤供給部の通路に連通する開口部と、前記薬剤供給部から離脱した際、前記開口部を閉鎖するドアとを備えたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の薬剤供給ユニット。
【請求項8】
前記薬剤収納容器を前記薬剤供給部から離脱させる際、前記送出手段を逆転駆動させることを特徴とする請求項7に記載の薬剤供給ユニット。
【請求項9】
前記薬剤供給容器の傾斜面に、前記薬剤スティックの搬送方向に沿う両端部に板厚方向に向かって窪んだ段部を形成したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の薬剤供給ユニット。
【請求項10】
前記ロータの少なくとも一端面に円形プレートを一体化したことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の薬剤供給ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−31160(P2007−31160A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246325(P2006−246325)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【分割の表示】特願2001−278132(P2001−278132)の分割
【原出願日】平成13年9月13日(2001.9.13)
【出願人】(592246705)株式会社湯山製作所 (202)
【Fターム(参考)】