説明

衝突回避装置

【課題】自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避されて、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、運転者によるアクセル操作の意思を尊重しつつ、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された直後に自車両が急発進しないようにする衝突回避装置を提供する。
【解決手段】本発明の衝突回避装置は、自車両周辺の障害物を検知し、当該障害物との衝突を回避する衝突回避システムを備えた衝突回避装置であって、自車両周辺の障害物を検知する障害物検知手段と、衝突回避システムによってブレーキを制御するブレーキ制御手段と、ブレーキ制御手段によって自車両のブレーキを制御した後、当該障害物との衝突を回避したか否かを判定する衝突回避判定手段と、当該障害物との衝突を回避したと判定された場合、予め設定された制限駆動力を超えてエンジン駆動力を上昇させないエンジン駆動力制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両周辺における障害物との衝突を回避する衝突回避装置に関し、より特定的には、衝突回避終了後における自車両の発進および停止を制御する衝突回避装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両には、衝突回避システムが装備され、自車両周辺の障害物を検知して、当該障害物との衝突を未然に回避する技術が普及している。従来の衝突回避装置は、自動制動システムを用いて、自動的にブレーキを制御することによって、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突を未然に回避している。
【0003】
さらに、例えば、特許文献1に記載の自動制御装置では、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避されて、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、運転者がアクセル操作をしていれば、当該自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しないようにしている。これは、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された場合であっても、その直後に、自車両が急発進しないようにするためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3325590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の自動制御装置では、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、運転者がアクセル操作をしていれば、自動制動システムによる自動ブレーキ制御の解除を禁止しているため、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された場合であっても、自動制動システムによる自動ブレーキ制御が継続的に解除されずに、自車両が発進できないという状態に陥ってしまう場合がある。
【0006】
例えば、従来の自動制御装置では、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、運転者がアクセル操作をしていれば、自動制動システムによる自動ブレーキ制御が解除されずに自車両は停止した状態となるため、運転者は、アクセル操作を継続したり、アクセルペダルをさらに踏み込む操作を行ったりする。しかし、従来の自動制御装置では、運転者によるアクセル操作が継続されても、自動制動システムによる自動ブレーキ制御の解除を禁止しているため、運転者によるアクセル操作の意思に反して、自動制動システムによる自動ブレーキ制御が継続的に解除されないという状態に陥ってしまう。
【0007】
例えば、自動制動システムによる自動ブレーキ制御によって、自車両が交差点内に停止した場合であって、上述したような、運転者によるアクセル操作の意思に反して、自車両が発進できないという状態に陥ってしまえば、後続車両の走行を妨害し、さらには、後続車両との衝突といった2次災害が発生する可能性がある。
【0008】
それ故に、本発明の目的は、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避されて、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、運転者によるアクセル操作の意思を尊重しつつ、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された直後に、自車両が急発進しないようにする衝突回避装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の衝突回避装置は、自車両周辺の障害物を検知し、当該障害物との衝突を回避する衝突回避システムを備えた衝突回避装置であって、自車両周辺の障害物を検知する障害物検知手段と、衝突回避システムによってブレーキを制御するブレーキ制御手段と、ブレーキ制御手段によって自車両のブレーキを制御した後、障害物検知手段によって検知された障害物との衝突を回避したか否かを判定する衝突回避判定手段と、衝突回避判定手段によって障害物との衝突を回避したと判定された場合、予め設定された制限駆動力を超えてエンジン駆動力を上昇させないエンジン駆動力制御手段とを備える。
かかる構成により、車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避されて、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、エンジン駆動力制御手段は、予め設定された制限駆動力を超えてエンジン駆動力を上昇させないため、運転者によるアクセル操作の意思を尊重しつつ、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された直後に、自車両が急発進しないようにすることができる。
【0010】
好ましいエンジン駆動力制御手段は、衝突回避判定手段によって障害物との衝突を回避したと判定された場合、運転者のアクセル操作があるか否かを判定するアクセル操作判定手段を含み、アクセル操作判定手段によって運転者のアクセル操作があると判定された場合、予め設定された制限駆動力以下でエンジン駆動力を上昇させることを特徴とする。
かかる構成により、車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避されて、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、アクセル操作判定手段によって運転者のアクセル操作があると判定された場合、駆動力制御手段は、予め設定された制限駆動力以下でエンジン駆動力を上昇させるため、運転者によるアクセル操作の意思を尊重しつつ、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された直後に、自車両が急発進しないようにすることができる。
【0011】
また、好ましいエンジン駆動力制御手段は、運転者のアクセル操作よるエンジン駆動力であるアクセル操作駆動力を取得するアクセル操作駆動力取得手段と、制限駆動力と、アクセル操作駆動力取得手段によって取得されたアクセル操作駆動力とを比較するエンジン駆動力比較手段と、エンジン駆動力比較手段によってアクセル操作駆動力が制限駆動力以上と判定された場合、制限駆動力をエンジン駆動力として設定し、エンジン駆動力比較手段によってアクセル操作駆動力が制限駆動力未満と判定された場合、アクセル操作駆動力をエンジン駆動力として設定するエンジン駆動力設定手段とを、さらに含むことを特徴とする。
かかる構成により、エンジン駆動力比較手段は、制限駆動力とアクセル操作駆動力とを比較し、エンジン駆動力設定手段は、制限駆動力がアクセル操作駆動力に到達するまでは、制限駆動力をエンジン駆動力として設定するため、運転者によるアクセル操作の意思を尊重しつつ、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された直後に、自車両が急発進しないようにすることができる。
【0012】
さらに、好ましい制限駆動力は、所定の勾配で上昇することを特徴とする。
かかる構成により、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された直後のエンジン駆動力が急激に上昇することがないため、自車両が急発進しないようにすることができる。
【0013】
また、好ましいエンジン駆動力制御手段は、衝突回避判定手段によって障害物との衝突を回避したと判定されてから所定の期間経過まで、エンジン駆動力を上昇させないことを特徴とする。
かかる構成により、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避されてから所定の期間経過まで、自車両は停止状態となるため、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避されてから即時に自車両が走行し始めることがなく、運転者に安全を確認させることもできる。
【0014】
また、好ましくは、本発明の衝突回避装置は、衝突回避判定手段によって障害物との衝突を回避したと判定された際の自車両位置における道路勾配を判定する道路勾配判定手段と、道路勾配判定手段によって判定された道路勾配に応じて、エンジン駆動力制御手段によるエンジン駆動力の制御を解除するエンジン駆動力制御解除手段とを、さらに備えることを特徴とする。
かかる構成により、エンジン駆動力制御解除手段は、自車両位置における道路勾配に応じてエンジン駆動力制御手段によるエンジン駆動力の制御を解除するため、運転者によるアクセル操作の意思に反する急坂路でのずり下がりを回避することができる。
【0015】
また、好ましくは、本発明の衝突回避装置は、衝突回避判定手段によって障害物との衝突を回避したと判定された際の自車両位置における道路勾配によって自車両が後退することを検知する後退検知手段を、さらに備え、エンジン駆動力制御解除手段は、後退検知手段によって自車両が後退したと検知された場合、エンジン駆動力制御手段によるエンジン駆動力の制御を解除することを特徴とする。
かかる構成により、後退検知手段は、自車両位置における道路勾配によって自車両が後退することを検知するため、エンジン駆動力制御解除手段は、自車両が後退したと検知された場合、エンジン駆動力制御手段によるエンジン駆動力の制御を解除するため、運転者によるアクセル操作の意思に反する急坂路でのずり下がりを即時に回避することができる。
【0016】
また、好ましくは、本発明の衝突回避装置は、道路勾配判定手段によって判定された道路勾配に応じて、衝突回避判定手段によって障害物との衝突を回避したと判定された際の自車両位置における道路勾配によって自車両が後退することを推定する後退推定手段を、さらに備え、エンジン駆動力制御解除手段は、後退推定手段によって自車両が後退すると推定された場合、エンジン駆動力制御手段によるエンジン駆動力の制御を解除することを特徴とする。
かかる構成により、後退推定手段は、自車両位置における道路勾配によって自車両が後退することを推定し、エンジン駆動力制御解除手段は、自車両が後退すると推定された場合、エンジン駆動力制御手段によるエンジン駆動力の制御を解除するため、自車両が実際に後退したことを検知しなくても、運転者によるアクセル操作の意思に反する急坂路でのずり下がりを回避することができる。
【0017】
また、好ましくは、本発明の衝突回避装置は、衝突回避判定手段によって障害物との衝突を回避したと判定された際の自車両位置における道路勾配を判定する道路勾配判定手段と、道路勾配判定手段によって判定された道路勾配に基づいて、制限駆動力を補正する制限駆動力補正手段とを、さらに備え、エンジン駆動力制御手段は、制限駆動力補正手段によって補正された制限駆動力以下でエンジン駆動力を上昇させることを特徴とする。
かかる構成により、制限駆動力補正手段は、自車両位置における道路勾配に基づいて制限駆動力を補正し、エンジン駆動力制御手段は、補正された制限駆動力以下でエンジン駆動力を上昇させるため、運転者によるアクセル操作の意思に反する急坂路でのずり下がりを予め回避することができる。
【0018】
また、好ましい制限駆動力補正手段は、自車両位置における道路勾配によって自車両が後退しないエンジン駆動力であるオフセット量を、制限駆動力に追加することを特徴とする。
かかる構成により、制限駆動力補正手段は、オフセット量を制限駆動力に追加し、自車両位置における道路勾配によって自車両が後退しない最低保障エンジン駆動力が担保されるため、運転者によるアクセル操作の意思に反する急坂路でのずり下がりを予め確実に回避することができる。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の衝突回避方法は、自車両周辺の障害物を検知し、当該障害物との衝突を回避する衝突回避システムを備えた衝突回避装置が実行する衝突回避方法であって、自車両周辺の障害物を検知する障害物検知ステップと、衝突回避システムによってブレーキを制御するブレーキ制御ステップと、ブレーキ制御ステップで自車両のブレーキを制御した後、障害物検知ステップで検知された障害物との衝突を回避したか否かを判定する衝突回避判定ステップと、衝突回避判定ステップで障害物との衝突を回避したと判定された場合、予め設定された制限駆動力を超えてエンジン駆動力を上昇させないエンジン駆動力制御ステップとを含む。
かかる構成により、車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避されて、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、エンジン駆動力制御ステップで予め設定された制限駆動力を超えてエンジン駆動力を上昇させないため、運転者によるアクセル操作の意思を尊重しつつ、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された直後に、自車両が急発進しないようにすることができる。
【0020】
また、上記目的を達成するために、上述した本発明の衝突回避装置の各構成が行うそれぞれの処理は、一連の処理手順を与える衝突回避方法として捉えることができる。この方法は、一連の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムの形式で提供される。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で、コンピュータに導入されてもよい。
【発明の効果】
【0021】
上述のように、本発明の衝突回避装置によれば、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避されて、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、運転者によるアクセル操作の意思を尊重しつつ、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された直後に、自車両が急発進しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100の概略構成を示す機能ブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100が実行する衝突回避方法200の処理の流れを示すフローチャート
【図3】エンジン駆動力制御ステップS250の詳細な処理の流れを示すフローチャート
【図4】図3に示したエンジン駆動力制御ステップS250における自車両の速度、ブレーキ制動力、およびエンジン駆動力を示す図
【図5】エンジン駆動力を0に制御する場合における、エンジン駆動力制御ステップS250の詳細な処理の流れを示すフローチャート
【図6】図5に示したエンジン駆動力制御ステップS250における自車両の速度、ブレーキ制動力、およびエンジン駆動力を示す図
【図7】本発明の第2の実施形態に係る衝突回避装置700の概略構成を示す機能ブロック図
【図8】本発明の第2の実施形態に係る衝突回避装置700が実行する衝突回避方法800の処理の流れを示すフローチャート
【図9】本発明の第3の実施形態に係る衝突回避装置900の概略構成を示す機能ブロック図
【図10】本発明の第3の実施形態に係る衝突回避装置900が実行する衝突回避方法のうち、エンジン駆動力制御ステップS250の詳細な処理の流れを示すフローチャート
【図11】道路勾配θとオフセット量Fとの関係を示す図
【図12】図10に示したエンジン駆動力制御ステップS250における自車両の速度、ブレーキ制動力、およびエンジン駆動力を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の各実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100の概略構成を示す機能ブロック図である。図1において、衝突回避装置100は、障害物検知手段110と、衝突回避ブレーキ制御手段120と、衝突回避判定手段130と、エンジン駆動力制御手段140とを備える。なお、エンジン駆動力制御手段140は、アクセル操作駆動力取得手段141と、アクセル操作判定手段142と、制限駆動力取得手段143と、エンジン駆動力比較手段144と、エンジン駆動力設定手段145とを含む。
【0024】
障害物検知手段110は、自車両周辺の障害物を検知する。具体的には、障害物検知手段110は、例えば、ミリ波センサ、画像センサ、およびレーザーレーダなどの自車両周辺を監視する周辺監視センサであって、自車両周辺の車両、自転車、および歩行者などを障害物として検知する。
【0025】
衝突回避ブレーキ制御手段120は、障害物検知手段110によって検知された障害物との衝突を回避するためにブレーキを制御する。具体的には、衝突回避ブレーキ制御手段120は、ブレーキ制御ECU(Electronic Control Unit)であって、例えば、車速センサ、加速度センサ、アクセルペダル開度センサ、ミリ波センサ、および画像センサを含み、各センサによって取得された情報に基づいて、自動的に自車両のブレーキを制御する。衝突回避ブレーキ制御手段120は、衝突回避システムにおいて、自動的に自車両のブレーキを制御する自動制動システムである。
【0026】
より詳細には、車速センサは、自車両の走行速度を検知し、加速度センサは、自車両の加速度を検知し、アクセルペダル開度センサは、自車両のアクセル開度を検知する。ミリ波センサは、自車両と障害物検知手段110によって検知された障害物との距離、相対速度、および相対加速度を検知し、画像センサは、障害物検知手段110によって検知された障害物の詳細情報(例えば、自動車、自転車、歩行者など)を検知する。そして、自動制動システムを用いて自動的に自車両のブレーキを制御して、当該障害物の手前で自車両を停止させることによって、または、当該障害物との相対速度を小さくすることによって、当該障害物との衝突を回避する。
【0027】
衝突回避判定手段130は、衝突回避ブレーキ制御手段120によって自車両のブレーキを制御した後、障害物検知手段110によって検知された障害物との衝突を回避したか否かを判定する。具体的には、衝突回避判定手段130は、車速センサによって自車両の車速が0であることを検知した場合(自車両が停止したことを検知した場合)、または、ミリ波センサによって自車両と障害物との相対速度がプラスであることを検知した場合(自車両と障害物とが離れていくことを検知した場合)、障害物との衝突を回避したと判定する。なお、衝突回避判定手段130は、さらに、加速度センサによって検知された自車両の加速度、およびミリ波センサによって検知された障害物との相対加速度などに基づいて、障害物との衝突を回避したと判定しても構わない。
【0028】
エンジン駆動力制御手段140は、衝突回避判定手段130によって障害物との衝突を回避したと判定された場合、予め設定された制限駆動力を超えてエンジン駆動力を上昇さないように制御する。具体的には、エンジン駆動力制御手段140は、エンジン制御ECU(Electronic Control Unit)であって、自車両のエンジン駆動力を制御する。以下に、エンジン駆動力制御手段140について、詳細に説明する。
【0029】
アクセル操作駆動力取得手段141は、運転者のアクセル操作よるエンジン駆動力であるアクセル操作駆動力を取得する。具体的には、アクセル操作駆動力取得手段141は、運転者がアクセルペダルを踏むことによるエンジン駆動力を取得する。
【0030】
アクセル操作判定手段142は、衝突回避判定手段130によって障害物との衝突を回避したと判定された場合、運転者のアクセル操作があるか否かを判定する。より詳細には、アクセル操作判定手段142は、障害物との衝突が回避されて、衝突回避ブレーキ制御手段120による自車両のブレーキ制御を解除しようとする際に、運転者がアクセルペダルを踏んでいるか否かを判定する。
【0031】
制限駆動力取得手段143は、メモリなどの記録手段(図示せず)によって予め記録されている制限駆動力を取得する。
【0032】
エンジン駆動力比較手段144は、制限駆動力取得手段143によって取得された制限駆動力と、アクセル操作駆動力取得手段141によって取得されたアクセル操作駆動力とを比較する。
【0033】
エンジン駆動力設定手段145は、エンジン駆動力比較手段144によってアクセル操作駆動力が制限駆動力以上と判定された場合、制限駆動力をエンジン駆動力として設定する。一方、エンジン駆動力設定手段145は、エンジン駆動力比較手段144によってアクセル操作駆動力が制限駆動力未満と判定された場合、アクセル操作駆動力をエンジン駆動力として設定する。
【0034】
そして、エンジン制御ECUは、エンジン駆動力設定手段145によって設定されたエンジン駆動力を用いて、自車両のエンジンを駆動する。なお、エンジン駆動力制御手段140におけるエンジン駆動力の制御方法の詳細は、後述する。
【0035】
このように、本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100は、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、運転者によるアクセル操作がある場合は、制限駆動力またはアクセル操作駆動力を設定することによって、自車両のエンジン駆動力を制御している。一方、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、運転者によるアクセル操作がない場合は、自車両が急発進することがなく、単に、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除すればよい。
【0036】
なお、上述した各機能ブロックは、例えば、衝突回避システムにおける衝突回避ECUである制御手段(図示せず)によって制御されている。
【0037】
次に、本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100が実行する衝突回避方法について、処理の流れを詳しく説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100が実行する衝突回避方法200の処理の流れを示すフローチャートである。図2において、衝突回避方法200は、障害物検知ステップS210と、衝突回避ブレーキ開始判定ステップS220と、衝突回避ブレーキ制御ステップS230と、衝突回避ブレーキ終了判定ステップS240と、エンジン駆動力制御ステップS250とを含む。
【0038】
障害物検知ステップS210において、障害物検知手段110は、自車両周辺の障害物を検知する。ここでは、例えば、ミリ波センサによって、自車両の前方を走行中の車両を検知するものとする。
【0039】
衝突回避ブレーキ開始判定ステップS220において、衝突回避ブレーキ制御手段120は、自車両と、障害物検知ステップS210で検知された車両との衝突を回避するために、ブレーキ制御を開始するか否かを判定する。具体的には、自車両の速度および加速度、障害物として検知された車両との距離および相対速度などに基づいて、自車両と、当該障害物として検知された車両との衝突を回避するために、自動制動システムによる自動ブレーキ制御が必要か否か判定する。
【0040】
ブレーキ制御を開始する場合(自動ブレーキ制御が必要な場合)、衝突回避ブレーキ制御ステップS230の処理に進む(衝突回避ブレーキ開始判定ステップS220のYes)。一方、ブレーキ制御を開始しない場合(自動ブレーキ制御が必要でない場合)、障害物検知ステップS210の処理に戻る(衝突回避ブレーキ開始判定ステップS220のNo)。換言すれば、障害物検知ステップS210および衝突回避ブレーキ開始判定ステップS220を繰り返すことによって、自動制動システムによる自動ブレーキ制御が必要となる障害物を監視している。
【0041】
衝突回避ブレーキ制御ステップS230において、衝突回避ブレーキ制御手段120は、自車両と、障害物検知ステップS210で検知された車両との衝突を回避するために、自動制動システムによるブレーキ制御を行う。
【0042】
衝突回避ブレーキ終了判定ステップS240において、衝突回避判定手段130は、衝突回避ブレーキ制御ステップS230で自車両のブレーキを制御した後、自車両と、当該障害物として検知された車両との衝突を回避したか否かを判定する。ここでは、例えば、速度センサによって、自車両の速度が0である場合(自車両が停止した場合)、自車両と、当該障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定するものとする。
【0043】
自車両と、当該障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定された場合、エンジン駆動力制御ステップS250の処理に進む(衝突回避ブレーキ終了判定ステップS240のYes)。一方、自車両と、当該障害物として検知された車両との衝突を回避していないと判定された場合、衝突回避ブレーキ制御ステップS230の処理に戻る(衝突回避ブレーキ終了判定ステップS240のNo)。換言すれば、衝突回避ブレーキ制御ステップS230および衝突回避ブレーキ終了判定ステップS240を繰り返すことによって、自車両と、当該障害物として検知された車両との衝突が回避されるまで、自動制動システムによる自動ブレーキ制御が行われている。
【0044】
エンジン駆動力制御ステップS250において、エンジン駆動力制御手段140は、予め設定された制限駆動力以下でエンジン駆動力を上昇させる。以下に、エンジン駆動力の制御方法について、詳細を説明する。
【0045】
図3は、エンジン駆動力制御ステップS250の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。図3において、エンジン駆動力制御ステップS250は、アクセル操作判定ステップS251と、アクセル操作駆動力取得ステップS252と、制限駆動力取得ステップS253と、エンジン駆動力比較ステップS254と、制限駆動力設定ステップS255と、アクセル操作駆動力設定ステップS256とを含む。
【0046】
アクセル操作判定ステップS251において、アクセル操作判定手段142は、運転者のアクセル操作があるか否かを判定する。具体的には、運転者がアクセルペダルを踏んでいるか否かを判定する。運転者がアクセルペダルを踏んでいると判定した場合、アクセル操作駆動力取得ステップS252の処理に進む(アクセル操作判定ステップS251のYes)。一方、運転者がアクセルペダルを踏んでいないと判定した場合、自車両が急発進することがないため、エンジン駆動力制御ステップS250の処理を終了し(アクセル操作判定ステップS251のNo)、衝突回避装置100は、単に、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除すればよい。
【0047】
アクセル操作駆動力取得ステップS252において、アクセル操作駆動力取得手段141は、運転者のアクセル操作よるエンジン駆動力であるアクセル操作駆動力を取得する。より詳細には、通常、運転者がアクセルペダルを踏むことによって駆動するエンジンの駆動力を取得する。なお、ここでは、運転者がアクセルペダルを踏むことによる通常のエンジン駆動力で、実際にエンジンを駆動させるわけではない。
【0048】
制限駆動力取得ステップS253において、制限駆動力取得手段143は、例えば、メモリによって予め記録されている制限駆動力を取得する。ここで、制限駆動力とは、エンジン駆動力の上限が設定された駆動力であって、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする時点からの経過時間に応じて、徐々に上昇するように設定されている。
【0049】
エンジン駆動力比較ステップS254において、エンジン駆動力比較手段144は、制限駆動力取得ステップS253で取得された制限駆動力と、アクセル操作駆動力取得ステップS252で取得されたアクセル操作駆動力とを比較する。アクセル操作駆動力が制限駆動力以上と判定された場合、制限駆動力設定ステップS255の処理に進む(エンジン駆動力比較ステップS254のYes)。一方、アクセル操作駆動力が制限駆動力未満と判定された場合、アクセル操作駆動力設定ステップS256の処理に進む(エンジン駆動力比較ステップS254のNo)。
【0050】
制限駆動力設定ステップS255において、エンジン駆動力設定手段145は、制限駆動力をエンジン駆動力として設定して、当該設定されたエンジン駆動力を用いて、自車両のエンジンを駆動する。そして、エンジン駆動力比較ステップS254の処理に戻る。
【0051】
アクセル操作駆動力設定ステップS256において、エンジン駆動力設定手段145は、アクセル操作駆動力をエンジン駆動力として設定して、当該設定されたエンジン駆動力を用いて、自車両のエンジンを駆動する。
【0052】
換言すれば、徐々に上昇する制限駆動力がアクセル操作駆動力に到達するまで、エンジン駆動力比較ステップS254および制限駆動力設定ステップS255を繰り返すことによって、制限駆動力で自車両のエンジンを駆動する。そして、徐々に上昇する制限駆動力がアクセル操作駆動力に到達すれば、アクセル操作駆動力設定ステップS256によって、運転者がアクセルペダルを踏むことによる通常のエンジン駆動力で自車両のエンジンを駆動する。
【0053】
図4は、図3に示したエンジン駆動力制御ステップS250における自車両の速度、ブレーキ制動力、およびエンジン駆動力を示す図である。図4において、時刻Tsは、衝突回避ブレーキ開始時刻であり、時刻Teは、衝突回避ブレーキ終了時刻であり、時刻Tc1は、エンジン駆動力切り替え時刻である。
【0054】
時刻Tsは、衝突回避ブレーキ開始判定ステップS220においてブレーキ制御を開始すると判定され、衝突回避ブレーキ制御ステップS230において自動制動システムによるブレーキ制御が開始された時点である。時刻Tsにおいて、ブレーキ制動力が上昇し、エンジン駆動力が下降する。それに伴い、自車両の速度が減少する。
【0055】
時刻Teは、衝突回避ブレーキ終了判定ステップS240において、自車両と、障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定された時点である。本実施形態では、自車両の速度が0である場合(自車両が停止した場合)、自車両と、障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定するものとしている。つまり、時刻Teにおいて、自車両の速度が0である。
【0056】
時刻Teにおいて、運転者によるアクセル操作がない場合、ブレーキ制動力を下降させ、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除すればよいが、ここでは、運転者によるアクセル操作があるものとし、エンジン駆動力が制御される。
【0057】
エンジン駆動力は、運転者のアクセル操作よるエンジン駆動力であるアクセル操作駆動力(細実線で示す)と、一定勾配を有する制限駆動力(一点鎖線で示す)とのいずれかが設定される。
【0058】
具体的には、時刻Teから時刻Tc1までは、アクセル操作駆動力が制限駆動力以上であるため、エンジン駆動力比較ステップS254および制限駆動力設定ステップS255を繰り返すことによって、制限駆動力で自車両のエンジンを駆動する。
【0059】
そして、時刻Tc1において、一定勾配を有する制限駆動力が徐々に上昇して、アクセル操作駆動力に到達し、アクセル操作駆動力が制限駆動力未満となるため、アクセル操作駆動力設定ステップS256によって、運転者がアクセルペダルを踏むことによる通常のエンジン駆動力で自車両のエンジンを駆動する。
【0060】
なお、ここでは、自車両と、障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定された時点で、ブレーキ制動力を下降させ、エンジン駆動力を上昇させ始めていた(時刻Te)。しかし、自車両と、障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定された時点から所定期間経過後に、ブレーキ制動力を下降させ、エンジン駆動力を上昇させ始めても構わない。自車両と、障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定された時点から即時に自車両が走行し始めると、運転者にとって違和感が生じるおそれがあるためである。当該所定期間を設けることにより、運転者に安全を確認させることもできる。
【0061】
なお、制限駆動力は、例えば、停止した時点の自車両と、障害物として検知された車両との距離D、および運転者の反応時間Tなどに基づいて設定されている。エンジン駆動力に対応する自車両の速度で、自車両と当該車両との距離Dから接近したとしても、自車両と当該車両との衝突前に運転者が反応できることが条件である。換言すれば、制限駆動力でエンジンを駆動した場合、自車両と当該車両との衝突までの時間が反応時間T内である。
【0062】
また、徐々に上昇する制限駆動力は、一定勾配であっても構わないし、例えば、所定の関数で示される曲線勾配であっても構わない。また、制限駆動力は、メモリによって予め記録されているものに限定されるわけでなく、例えば、アクセルペダル開度に応じて、可変にしても構わない。
【0063】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100および衝突回避方法200によれば、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避されて、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、運転者によるアクセル操作の意思を尊重しつつ、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された直後に、自車両が急発進しないようにすることができる。
【0064】
より具体的には、運転者がアクセルペダルを踏んでいることに呼応してエンジン駆動を上昇させて自車両を発進させるものの、制限駆動力を設けることによって自車両の急発進を抑止している。自車両は、停止状態が継続することがなく、運転者がアクセルペダルを踏んでいることに呼応して発進するため、運転者にとって違和感が少ない。
【0065】
なお、上述した本実施形態に係る衝突回避装置100では、時刻Teにおいて、ブレーキ制動力を下降させ、同時に、エンジン駆動力を上昇させる制御を行っていたが、エンジン駆動力は、時刻Teから所定時間経過後に上昇させ始めても構わない。図5は、エンジン駆動力を0に制御する場合における、エンジン駆動力制御ステップS250の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。図5において、図3に示したエンジン駆動力制御ステップS250の詳細な処理の流れを示すフローチャートと同一の構成については、同一の参照符号を付すことによって、詳細な説明は省略する。
【0066】
図5に示すエンジン駆動力制御ステップS250は、図3に示したエンジン駆動力制御ステップS250に比べて、エンジン駆動力制御ステップS257が含まれている点で異なる。アクセル操作判定ステップS251で運転者のアクセル操作があると判定された場合、エンジン駆動力制御ステップS257の処理に進む(アクセル操作判定ステップS251のYes)。
【0067】
エンジン駆動力制御ステップS257において、エンジン駆動力制御手段140は、自車両と、当該障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定されてから所定の期間経過まで、エンジン駆動力を上昇させないように制御する。
【0068】
図6は、図5に示したエンジン駆動力制御ステップS250における自車両の速度、ブレーキ制動力、およびエンジン駆動力を示す図である。図6において、時刻Tsおよび時刻Teは、図4と同様に、衝突回避ブレーキ開始時刻および衝突回避ブレーキ終了時刻であり、時刻Tc2は、図4の時刻Tc1に相当するエンジン駆動力切り替え時刻である。
【0069】
時刻Twは、エンジン駆動力上昇開始時刻であり、期間Tewは、時刻Teから時刻Twまでの所定期間であって、エンジン駆動力抑制期間である。
【0070】
時刻Teにおいて、自車両の速度が0となり、衝突回避ブレーキ終了判定ステップS240において、自車両と、障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定されている。ここで、運転者によるアクセル操作があるものとし(アクセル操作判定ステップS251のYes)、エンジン駆動力制御ステップS257において、時刻Twまで、エンジン駆動力が上昇しないように制御されている(期間Tew)。
【0071】
次に、時刻Twから時刻Tc2までの期間において、エンジン駆動力は、運転者のアクセル操作よるエンジン駆動力であるアクセル操作駆動力(細実線で示す)と、一定勾配を有する制限駆動力(一点鎖線で示す)とのいずれかが設定される。
【0072】
具体的には、時刻Twから時刻Tc2までは、アクセル操作駆動力が制限駆動力以上であるため、エンジン駆動力比較ステップS254および制限駆動力設定ステップS255を繰り返すことによって、制限駆動力で自車両のエンジンを駆動する。
【0073】
そして、時刻Tc2において、一定勾配を有する制限駆動力が徐々に上昇して、アクセル操作駆動力に到達し、アクセル操作駆動力が制限駆動力未満となるため、アクセル操作駆動力設定ステップS256によって、運転者がアクセルペダルを踏むことによる通常のエンジン駆動力で自車両のエンジンを駆動する。
【0074】
このように、自車両と、障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定された時点から所定期間であるエンジン駆動力抑制期間(期間Tew)、エンジン駆動力が上昇しないように制御されている。これにより、自車両と、障害物として検知された車両との衝突を回避したと判定された時点から即時に自車両が走行することがなく、衝突回避後の所定期間、運転者に周囲の安全を確認させることができる。
【0075】
なお、衝突回避後の所定期間経過後には、運転者がアクセルペダルを踏んでいることに呼応して発進するため、停止状態が継続することがなく、一方、制限駆動力を設けることによって自車両の急発進を抑止している。
【0076】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態では、本発明の第1の実施形態で示したようにエンジン駆動力を制御した後、さらに、道路勾配に対応して当該エンジン駆動力の制御を解除する衝突回避装置および衝突回避方法について説明する。
【0077】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る衝突回避装置700の概略構成を示す機能ブロック図である。図7において、衝突回避装置700は、障害物検知手段110と、衝突回避ブレーキ制御手段120と、衝突回避判定手段130と、エンジン駆動力制御手段140と、道路勾配判定手段710と、エンジン駆動力制御解除手段720とを備える。なお、図7において、図1に示した本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100と同一の構成については、同一の参照符号を付すことによって、詳細な説明は省略する。本実施形態では、主に、本発明の第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0078】
本実施形態に係る衝突回避装置700は、本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100に加えて、道路勾配判定手段710と、エンジン駆動力制御解除手段720とを備えている。
【0079】
道路勾配判定手段710は、衝突回避判定手段130によって障害物との衝突を回避したと判定された際の自車両位置における道路勾配を判定する。具体的には、例えば、自車両が後退した場合、急坂路でのずり下がりであると認識し、自車両位置における道路勾配を判定しても構わない。また、車速センサおよび/または加速度センサによって自車両の速度変化および/または自車両の加速度変化に基づいて、自車両位置における道路勾配を判定しても構わない。
【0080】
エンジン駆動力制御解除手段720は、道路勾配判定手段710によって判定された道路勾配に応じて、エンジン駆動力制御手段140によるエンジン駆動力の制御を解除する。換言すれば、単に、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除する状態であって、制限駆動力で自車両のエンジンを駆動するのではなく、運転者がアクセルペダルを踏むことによる通常のエンジン駆動力で自車両のエンジンを駆動する。
【0081】
次に、本発明の第2の実施形態に係る衝突回避装置700が実行する衝突回避方法について、処理の流れを詳しく説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る衝突回避装置700が実行する衝突回避方法800の処理の流れを示すフローチャートである。図8において、衝突回避方法800は、障害物検知ステップS210と、衝突回避ブレーキ開始判定ステップS220と、衝突回避ブレーキ制御ステップS230と、衝突回避ブレーキ終了判定ステップS240と、エンジン駆動力制御ステップS250と、道路勾配判定ステップS810と、エンジン駆動力制御解除ステップS820とを含む。なお、図8において、図2に示した本発明の第1の実施形態に係る衝突回避方法200と同一の構成については、同一の参照符号を付すことによって、詳細な説明は省略する。本実施形態では、主に、本発明の第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0082】
本実施形態に係る衝突回避方法800は、本発明の第1の実施形態に係る衝突回避方法200に加えて、道路勾配判定ステップS810と、エンジン駆動力制御解除ステップS820とを含んでいる。
【0083】
エンジン駆動力制御ステップS250でエンジン駆動力を制御した後、道路勾配判定ステップS810において、道路勾配判定手段710は、自車両位置における道路勾配を判定する。具体的には、道路勾配判定手段710は、例えば、後退検知手段によって自車両が後退することを検知し、自車両位置における道路は、自車両が後退する勾配であることを判定する。
【0084】
本発明の第1の実施形態で述べたように、エンジン駆動力制御ステップS250において、自車両と当該自車両周辺に検知された障害物との衝突が回避された直後に、自車両が急発進しないように、エンジン駆動力を制御しているものの、自車両位置における道路勾配によっては、運転者によるアクセル操作の意思に反する急坂路でのずり下がりが発生してしまう。その結果、自車両と当該自車両周辺の車両との衝突が発生する可能性もある。
【0085】
したがって、自車両位置における道路は、自車両が後退する勾配であると判定された場合(道路勾配判定ステップS810のYes)、エンジン駆動力制御解除ステップS820において、エンジン駆動力制御解除手段720は、エンジン駆動力制御ステップS250におけるエンジン駆動力の制御を解除する。
【0086】
一方、自車両位置における道路は、自車両が後退する勾配でないと判定された場合(道路勾配判定ステップS810のNo)、そのままエンジン駆動力制御ステップS250におけるエンジン駆動力の制御を継続すればよい。
【0087】
このように、後退検知手段によって自車両が後退することを検知した場合、自車両は、制限駆動力で制限されるエンジン駆動力でなく、運転者がアクセルペダルを踏むことによる通常のエンジン駆動力でエンジンが駆動され、運転者によるアクセル操作の意思に反する急坂路でのずり下がりを回避することができる。
【0088】
また、道路勾配判定手段710は、後退検知手段によって自車両が後退することを検知し、自車両位置における道路は、自車両が後退する勾配であることを判定していたが、その他の手法を用いても構わない。例えば、車速センサおよび/または加速度センサによって自車両の速度変化および/または自車両の加速度変化に基づいて、自車両位置における道路勾配を算出し、自車両位置における道路は、自車両が後退する勾配であるか否かを推定しても構わない。
【0089】
自車両位置における道路勾配θは、自車両の速度の単位時間当たりの変化量dV、および自車両の前後加速度センサ値Gxに基づいて、以下の(数1)を用いて算出することができる。
θ=sin-1[Gx−dV/g] ・・・(数1)
【0090】
ここで、自車両のずり下がりが発生する道路勾配閾値θtを、メモリ等の記録手段に予め設定しておき、道路勾配θ≧道路勾配閾値θtである場合、自車両位置における道路は、自車両が後退する勾配であると推定すればよい。自車両位置における道路は、自車両が後退する勾配であると推定されれば、道路勾配判定ステップS810において、自車両位置における道路は、自車両が後退する勾配であることを判定する。
【0091】
なお、道路状態(例えば、路面が濡れているなど)、および自車両の乗員人数によって、道路勾配閾値θtを可変に設定しても構わない。
【0092】
このように、自車両が実際に後退したことを検知しなくても、自車両の速度変化および/または自車両の加速度変化に基づいて、自車両が後退すると推定することによって、エンジン駆動力制御解除ステップS820において、エンジン駆動力制御解除手段720は、エンジン駆動力制御ステップS250におけるエンジン駆動力の制御を解除することができる。
【0093】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る衝突回避装置700および衝突回避方法800によれば、本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100および衝突回避方法200によって得られる効果に加えて、さらに、運転者によるアクセル操作の意思に反する急坂路でのずり下がりを回避することができる。
【0094】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態では、本発明の第1の実施形態で示したようにエンジン駆動力を制御する際、予め道路勾配を考慮したエンジン駆動力で自車両のエンジンを駆動する衝突回避装置および衝突回避方法について説明する。
【0095】
図9は、本発明の第3の実施形態に係る衝突回避装置900の概略構成を示す機能ブロック図である。図9において、衝突回避装置900は、障害物検知手段110と、衝突回避ブレーキ制御手段120と、衝突回避判定手段130と、エンジン駆動力制御手段910とを備える。なお、エンジン駆動力制御手段910は、アクセル操作駆動力取得手段141と、アクセル操作判定手段142と、エンジン駆動力比較手段144と、エンジン駆動力設定手段145と、道路勾配判定手段911と、オフセット量取得手段912と、制限駆動力取得/補正手段913とを含む。
【0096】
なお、図9において、図1に示した本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100と同一の構成については、同一の参照符号を付すことによって、詳細な説明は省略する。本実施形態では、主に、本発明の第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0097】
本実施形態に係る衝突回避装置900は、本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100のエンジン駆動力制御手段140に代えて、エンジン駆動力制御手段910を備えている。具体的には、道路勾配判定手段911と、オフセット量取得手段912と、制限駆動力取得/補正手段913とを含む。
【0098】
道路勾配判定手段911は、衝突回避判定手段130によって障害物との衝突を回避したと判定された際の自車両位置における道路勾配を判定する。具体的には、例えば、車速センサおよび/または加速度センサによって自車両の速度変化および/または自車両の加速度変化に基づいて、自車両位置における道路勾配を判定する。
【0099】
オフセット量取得手段912は、道路勾配判定手段911によって判定された道路勾配に応じたオフセット量を取得する。ここで、オフセット量は、メモリなどの記録手段によって予め設定されており、自車両位置における道路勾配によって自車両が後退しないエンジン駆動力である。
【0100】
制限駆動力取得/補正手段913は、メモリなどの記録手段によって予め設定されている制限駆動力を取得し、オフセット量取得手段912によって取得されたオフセット量を最低保障エンジン駆動力として、当該制限駆動力に加算する。
【0101】
そして、エンジン駆動力比較手段144は、オフセット量が加算された制限駆動力と、アクセル操作駆動力取得手段141によって取得されたアクセル操作駆動力とを比較する。
【0102】
エンジン駆動力設定手段145は、エンジン駆動力比較手段144によってアクセル操作駆動力が、オフセット量が加算された制限駆動力以上と判定された場合、オフセット量が加算された制限駆動力をエンジン駆動力として設定する。一方、エンジン駆動力設定手段145は、エンジン駆動力比較手段144によってアクセル操作駆動力が、オフセット量が加算された制限駆動力未満と判定された場合、アクセル操作駆動力をエンジン駆動力として設定する。
【0103】
このように、本発明の第3の実施形態に係る衝突回避装置900は、自動制動システムによる自動ブレーキ制御を解除しようとする際に、予め道路勾配を考慮したオフセット量が加算された制限駆動力またはアクセル操作駆動力を設定することによって、自車両のエンジン駆動力を制御している。
【0104】
次に、本発明の第3の実施形態に係る衝突回避装置900が実行する衝突回避方法について、処理の流れを詳しく説明する。先ず、本実施形態に係る衝突回避方法の基本的な処理の流れは、図2に示した本発明の第1の実施形態に係る衝突回避方法200の処理の流れと同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0105】
図10は、本発明の第3の実施形態に係る衝突回避装置900が実行する衝突回避方法のうち、エンジン駆動力制御ステップS250の詳細な処理の流れを示すフローチャートである。図10において、図3に示したエンジン駆動力制御ステップS250の詳細な処理の流れを示すフローチャートと同一の構成については、同一の参照符号を付すことによって、詳細な説明は省略する。
【0106】
図10に示すエンジン駆動力制御ステップS250は、図3に示したエンジン駆動力制御ステップS250に比べて、道路勾配判定ステップS258と、補正制限駆動力取得ステップS259とが含まれている点で異なる。本実施形態では、主に、本発明の第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0107】
制限駆動力取得ステップS253の前に、道路勾配判定ステップS258において、道路勾配判定手段911は、自車両位置における道路勾配を判定する。具体的には、例えば、車速センサおよび/または加速度センサによって自車両の速度変化および/または自車両の加速度変化に基づいて、上述した(数1)を用いて、自車両位置における道路勾配θを算出する。
【0108】
そして、自車両のずり下がりが発生する道路勾配閾値θtを、メモリ等の記録手段に予め設定しておき、道路勾配θ≧道路勾配閾値θtである場合、自車両位置における道路は、自車両が後退する勾配であると判定し、補正制限駆動力取得ステップS259の処理に進む(道路勾配判定ステップS258のYes)。
【0109】
一方、道路勾配θ<道路勾配閾値θtである場合、自車両位置における道路は、自車両が後退しない勾配であると判定し、制限駆動力取得ステップS253の処理に進む(道路勾配判定ステップS258のNo)。この場合、以降の処理は、本発明の第1の実施形態に示した処理と同一である。
【0110】
補正制限駆動力取得ステップS259において、オフセット量取得手段912は、道路勾配判定ステップS258で算出された道路勾配θに応じたオフセット量を取得する。図11は、道路勾配θとオフセット量Fとの関係を示す図である。道路勾配θが大きくなるに従って、道路勾配によって自車両が後退しない十分なエンジン駆動力が必要となる。つまり、図11に示すように、道路勾配θが大きくなるに従って、自車両のずり下がりを抑止するための最低保障エンジン駆動力であるオフセット量Fも大きくなる。
【0111】
なお、オフセット量は、車両が走行する道路にうち、想定される最大の道路勾配θmに応じたオフセット量Fmを固定値として設定しても構わないし、道路状態(例えば、路面が濡れているなど)、および自車両の乗員人数によって、可変値として詳細に設定しても構わない。
【0112】
そして、制限駆動力取得/補正手段913は、当該オフセット量Fを制限駆動力に加算して、オフセット量Fが加算された制限駆動力を取得する。
【0113】
エンジン駆動力比較ステップS254において、エンジン駆動力比較手段144は、補正制限駆動力取得ステップS259で取得されたオフセット量が加算された制限駆動力と、アクセル操作駆動力取得ステップS252で取得されたアクセル操作駆動力とを比較する。アクセル操作駆動力が、オフセット量が加算された制限駆動力以上と判定された場合、制限駆動力設定ステップS255の処理に進む(エンジン駆動力比較ステップS254のYes)。一方、アクセル操作駆動力が、オフセット量が加算された制限駆動力未満と判定された場合、アクセル操作駆動力設定ステップS256の処理に進む(エンジン駆動力比較ステップS254のNo)。
【0114】
図12は、図10に示したエンジン駆動力制御ステップS250における自車両の速度、ブレーキ制動力、およびエンジン駆動力を示す図である。図12において、時刻Tsおよび時刻Teは、図4と同様に、衝突回避ブレーキ開始時刻および衝突回避ブレーキ終了時刻であり、時刻Tc3は、図4の時刻Tc1に相当するエンジン駆動力切り替え時刻である。
【0115】
時刻Teにおいて、エンジン駆動力について、オフセット量F分だけ急激に上昇させている。当該上昇させたエンジン駆動力(オフセット量F)は、道路勾配によって自車両が後退しないために必要なエンジン駆動力であるため、エンジン駆動力を急激に上昇させても自車両の速度が急激に上昇することはない。換言すれば、急坂路において、自車両が急発進することなく、自車両のずり下がりを抑止している。
【0116】
時刻Teから時刻Tc3までの期間において、エンジン駆動力は、運転者のアクセル操作よるエンジン駆動力であるアクセル操作駆動力(細実線で示す)と、オフセット量が加算された制限駆動力(一点鎖線で示す)とのいずれかが設定される。
【0117】
具体的には、時刻Teから時刻Tc3までは、アクセル操作駆動力が、オフセット量が加算された制限駆動力以上であるため、エンジン駆動力比較ステップS254および制限駆動力設定ステップS255を繰り返すことによって、オフセット量が加算された制限駆動力で自車両のエンジンを駆動する。
【0118】
そして、時刻Tc3において、オフセット量が加算された制限駆動力が徐々に上昇して、アクセル操作駆動力に到達し、アクセル操作駆動力が、オフセット量が加算された制限駆動力未満となるため、アクセル操作駆動力設定ステップS256によって、運転者がアクセルペダルを踏むことによる通常のエンジン駆動力で自車両のエンジンを駆動する。
【0119】
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る衝突回避装置900および衝突回避方法によれば、本発明の第1の実施形態に係る衝突回避装置100および衝突回避方法200によって得られる効果に加えて、さらに、運転者によるアクセル操作の意思に反する急坂路でのずり下がりを予め回避することができる。
【0120】
また、本発明の各実施形態では、エンジン駆動力を制御する方法について説明したが、スロットル開度を制御することによっても、本発明の各実施形態で説明した効果と、同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、衝突回避終了後における自車両のエンジン駆動力を制御する衝突回避装置に適用可能であって、特に、運転者によるアクセル操作の意思を尊重しつつ、自車両の急発進を抑止する場合などに有用である。
【符号の説明】
【0122】
100、700、900 衝突回避装置
110 障害物検知手段
120 衝突回避ブレーキ制御手段
130 衝突回避判定手段
140、910 エンジン駆動力制御手段
141 アクセル操作駆動力取得手段
142 アクセル操作判定手段
143 制限駆動力取得手段
144 エンジン駆動力比較手段
145 エンジン駆動力設定手段
710、911 道路勾配判定手段
720 エンジン駆動力制御解除手段
912 オフセット量取得手段
913 制限駆動力取得/補正手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両周辺の障害物を検知し、当該障害物との衝突を回避する衝突回避システムを備えた衝突回避装置であって、
前記自車両周辺の障害物を検知する障害物検知手段と、
前記衝突回避システムによってブレーキを制御するブレーキ制御手段と、
前記ブレーキ制御手段によって前記自車両のブレーキを制御した後、前記障害物検知手段によって検知された障害物との衝突を回避したか否かを判定する衝突回避判定手段と、
前記衝突回避判定手段によって前記障害物との衝突を回避したと判定された場合、予め設定された制限駆動力を超えてエンジン駆動力を上昇させないエンジン駆動力制御手段とを備える、衝突回避装置。
【請求項2】
前記エンジン駆動力制御手段は、
前記衝突回避判定手段によって前記障害物との衝突を回避したと判定された場合、運転者のアクセル操作があるか否かを判定するアクセル操作判定手段を含み、
前記アクセル操作判定手段によって前記運転者のアクセル操作があると判定された場合、前記予め設定された制限駆動力以下でエンジン駆動力を上昇させることを特徴とする、請求項1に記載の衝突回避装置。
【請求項3】
前記エンジン駆動力制御手段は、
前記運転者のアクセル操作よるエンジン駆動力であるアクセル操作駆動力を取得するアクセル操作駆動力取得手段と、
前記制限駆動力と、前記アクセル操作駆動力取得手段によって取得されたアクセル操作駆動力とを比較するエンジン駆動力比較手段と、
前記エンジン駆動力比較手段によって前記アクセル操作駆動力が前記制限駆動力以上と判定された場合、前記制限駆動力をエンジン駆動力として設定し、前記エンジン駆動力比較手段によって前記アクセル操作駆動力が前記制限駆動力未満と判定された場合、前記アクセル操作駆動力をエンジン駆動力として設定するエンジン駆動力設定手段とを、さらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の衝突回避装置。
【請求項4】
前記制限駆動力は、所定の勾配で上昇することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の衝突回避装置。
【請求項5】
前記エンジン駆動力制御手段は、前記衝突回避判定手段によって前記障害物との衝突を回避したと判定されてから所定の期間経過まで、エンジン駆動力を上昇させないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の衝突回避装置。
【請求項6】
前記衝突回避判定手段によって前記障害物との衝突を回避したと判定された際の自車両位置における道路勾配を判定する道路勾配判定手段と、
前記道路勾配判定手段によって判定された道路勾配に応じて、前記エンジン駆動力制御手段によるエンジン駆動力の制御を解除するエンジン駆動力制御解除手段とを、さらに備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の衝突回避装置。
【請求項7】
前記衝突回避判定手段によって前記障害物との衝突を回避したと判定された際の自車両位置における道路勾配によって前記自車両が後退することを検知する後退検知手段を、さらに備え、
前記エンジン駆動力制御解除手段は、前記後退検知手段によって前記自車両が後退したと検知された場合、前記エンジン駆動力制御手段によるエンジン駆動力の制御を解除することを特徴とする、請求項6に記載の衝突回避装置。
【請求項8】
前記道路勾配判定手段によって判定された道路勾配に応じて、前記衝突回避判定手段によって前記障害物との衝突を回避したと判定された際の自車両位置における道路勾配によって前記自車両が後退することを推定する後退推定手段を、さらに備え、
前記エンジン駆動力制御解除手段は、前記後退推定手段によって前記自車両が後退すると推定された場合、前記エンジン駆動力制御手段によるエンジン駆動力の制御を解除することを特徴とする、請求項6〜7のいずれかに記載の衝突回避装置。
【請求項9】
前記衝突回避判定手段によって前記障害物との衝突を回避したと判定された際の自車両位置における道路勾配を判定する道路勾配判定手段と、
前記道路勾配判定手段によって判定された道路勾配に基づいて、前記制限駆動力を補正する制限駆動力補正手段とを、さらに備え、
前記エンジン駆動力制御手段は、前記制限駆動力補正手段によって補正された制限駆動力以下でエンジン駆動力を上昇させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の衝突回避装置。
【請求項10】
前記制限駆動力補正手段は、前記自車両位置における道路勾配によって前記自車両が後退しないエンジン駆動力であるオフセット量を、前記制限駆動力に追加することを特徴とする請求項9に記載の衝突回避装置。
【請求項11】
自車両周辺の障害物を検知し、当該障害物との衝突を回避する衝突回避システムを備えた衝突回避装置が実行する衝突回避方法であって、
前記自車両周辺の障害物を検知する障害物検知ステップと、
前記衝突回避システムによってブレーキを制御するブレーキ制御ステップと、
前記ブレーキ制御ステップで前記自車両のブレーキを制御した後、前記障害物検知ステップで検知された障害物との衝突を回避したか否かを判定する衝突回避判定ステップと、
前記衝突回避判定ステップで前記障害物との衝突を回避したと判定された場合、予め設定された制限駆動力を超えてエンジン駆動力を上昇させないエンジン駆動力制御ステップとを含む、衝突回避方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−61932(P2012−61932A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206786(P2010−206786)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】