説明

表示装置

【課題】観察者の目の前方に配置するヘッドマウント式表示装置に関し、小型化を可能にする。
【解決手段】表示素子55から発射されて結像素子56を通った光が通る第1及び第2の焦点を有する第1の楕円体51の一部として形成された第1の凹面鏡53と、第2の焦点と共通の位置に配置される第3の焦点及び第4の焦点を有する第2の楕円体52の一部として形成された第2の凹面鏡54とを備え、表示素子から発射された光が第1の焦点の近傍に集光され、第1の焦点を通った光が第1の凹面鏡によって反射されて共通の第2及び第3の焦点に向かって進み、第2及び第3の焦点を通った光が第2の凹面鏡によって反射されて第4の焦点の近傍に集光され、観察者の目が第4の焦点の近傍に配置されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示素子等の表示素子の画像を観察者の目の直ぐ前で見るヘッドマウントディスプレイ又は眼鏡型ディスプレイと呼ばれる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの表示装置は、例えば、特開平5−134208号公報(特許文献1)、同5−210069号公報、同5−328261号公報、同7−46513号公報、同9−189880号公報、同11−64781号公報、及び特許第2910111号等に開示されている。さらに、導光体を含む表示装置は、特開平2−297516号公報、同5−304645号公報、及び同9−73043号公報に開示されている。
【0003】
このタイプの表示装置は、液晶パネル等の表示素子と、表示素子で形成された画像を拡大するための凸レンズや凹面鏡等の結像素子とからなる。添付図面の図14は従来の眼鏡型ディスプレイの光学系を示す図である。図14において、1は表示素子、2は結像素子、3は結像素子2で拡大された表示素子1の虚像、4は観察者の瞳である。拡散光が表示素子1に照射され、表示素子1を通った光は結像素子2を通って観察者の瞳4に入射する。従って、観察者は結像素子2で拡大された表示素子1の虚像3を見ることができる。表示素子の入射光源側には散乱光生成のための拡散面1aが配置される。
【0004】
この場合、光源として蛍光管が用いられる。しかし、蛍光管は大きくかつ重いので、観察者の目の直ぐ前方に配置される眼鏡型ディスプレイに蛍光管を用いることは難しい。
図15は実質的な点光源である発光素子6を用いた例を示す。発光素子6は発散性の光を出射し、表示素子1を通った発散性の光は、結像素子2を通って収束性の光となって観察者の瞳4に入射する。この場合、発散性の光が表示素子1に照射されるので、結像素子2は表示素子1に近い位置に配置される必要がある。しかし、結像素子2は表示素子1に近い位置に配置されるため、収差が大きくなって画像の品質が低下する。このために、図16に示されるように、表示の品質を向上するために複数の結像素子2、2aを設けることが必要になる。そのため、表示装置全体が大型化し、重くなるという問題点がある。
【0005】
また、上記特開平5−134208号公報では、表示装置の小型化を実現するために、2焦点を有する楕円体を利用することを提案している。すなわち、図17に示されるように、楕円体7の一部を利用して凹面鏡8を形成し、表示素子1と偏心レンズ群2xを通った光が楕円体7の第1の焦点P1を通り、凹面鏡8で反射した光が第2の焦点P2を通り、第2の焦点P2に観察者の瞳4を配置させるようになっている。こうすれば、第1の焦点を通った光は凹面鏡8で反射して確実に第2の焦点を通り、瞳4に入射する。
【0006】
しかし、図17に示す表示装置では、観察者が表示装置を装着したときに、表示素子1及び偏心レンズ群2xが観察者の瞳4の横に位置し、観察者の側頭部(耳の近くの部分)と干渉する可能性がある。このために、表示装置は表示素子1及び偏心レンズ群2xが観察者の側頭部と干渉しないように構成される必要があり、表示装置を十分に小さくすることができない。
【0007】
また、楕円体7の2焦点を利用する構成は、表示画面が歪みやすい。つまり、第1の焦点P1から発散する光の角度が、第2の焦点P2で集光される光の角度とは同じにならない。従って、瞳4に入射する光の角度が表示素子1を通った光の角度となるようにするために、表示素子1の近傍に偏心レンズ群2xとして複雑な複数の偏心レンズを配置しなければならない。このため、表示装置を十分に小型化できないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−134208号公報
【特許文献2】特開平5−210069号公報
【特許文献3】特開平5−328261号公報
【特許文献4】特開平7−46513号公報
【特許文献5】特開平9−189880号公報
【特許文献6】特開平11−64781号公報
【特許文献7】特許第2910111号
【特許文献8】特開平2−297516号公報
【特許文献9】特開平5−304645号公報
【特許文献10】特開平9−73043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上記した問題点を解決するためになされたもので、小型化可能な、画像を観察者の目の直ぐ前方で見る表示装置を提供することである。
本発明のさらなる目的は、画像を観察者の目の直ぐ前で見ることができ、かつ、観察者の側頭部と干渉しないように構成されることのできる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による表示装置は、表示素子と、結像素子と、該表示装置から発射されて該結像素子を通った光が通る第1の焦点及び第2の焦点を有する第1の楕円体の一部として形成された第1の凹面鏡と、該第2の焦点と共通の位置に配置される第3の焦点及び第4の焦点を有する第2の楕円体の一部として形成された第2の凹面鏡とを備え、該表示素子から発射された光が該第1の焦点の近傍に集光され、該第1の焦点を通った光が該第1の凹面鏡によって反射されて共通の第2及び第3の焦点に向かって進み、該第2及び第3の焦点を通った光又はそれと同等の光が該第2の凹面鏡によって反射されて該第4の焦点の近傍に集光され、観察者の目が第4の焦点の近傍に配置されるようにして、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができるようにしたことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、第2の焦点と第3の焦点とが共通の位置に配置された第1の楕円体及び第2の楕円体を用いて第1の凹面鏡及び第2の凹面鏡を形成することにより、より好ましくは第1の楕円体及び第2の楕円体を等価の回転楕円体とすることにより、光学系の対称性を向上させることができる。よって、従来のように複雑な複数の偏心レンズを用いる必要がなくなり、装置全体を小型、軽量なものとすることができる。
【0012】
さらに、本発明は上記2つの特徴を組み合せてなる表示装置を提供する。
さらに、本発明による表示装置は、観察者の目の前方に配置する表示装置であって、表示素子と、該表示素子から発射された光を集光させる結像素子と、該結像素子を通った光が入射する入射面を有する導光体と、該導光体を通った光を受けるように該導光体に設けられる凹面鏡とからなり、該凹面鏡は第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円体の一部として形成され、該結像素子を通った光が該導光体の内部で複数回反射して光があたかも第2の焦点P2から該凹面鏡に入射するように該凹面鏡に入射し、該凹面鏡によって反射された光は第1の焦点に又はその近傍に集光され、観察者の目に入射するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
この構成によれば、小型で、簡単な構成の表示装置を得ることができる。この場合、導光体は一対の対向する平坦な表面と、該平坦な表面に対して傾斜した傾斜面とを有し、該結像素子を通った光は該傾斜面上で集光され、該一対の対向する平坦な表面によって反射される、ようにするのが好ましい。また、該入射面は該傾斜面であり、あるいは該入射面は該平坦な表面の一部であって該入射面から入射した光が該傾斜面で反射される、ようにするのが好ましい。
【0014】
さらに、本発明による表示装置は、観察者の目の前方に配置する表示装置であって、表示素子と、該表示素子に照射する光あるいは該表示素子を通った光を略平行光にする光学素子と、該光学素子を通った光が入射する凹面鏡とからなり、該凹面鏡は回転放物面の一部として形成され、該凹面鏡によって反射された光は該回転放物面の焦点に又はその近傍に集光され、観察者の目に入射するようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
この構成によれば、小型で、簡単な構成の表示装置を得ることができる。この場合、光学素子は回転放物面の一部として形成されたさらなる凹面鏡からなる、ようにするのが好ましい。また、該凹面鏡及び該さらなる凹面鏡は導光体に設けられている、ようにするのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、小型で、低価格で製造することができる表示装置を得ることができる。また、本発明によれば、頭部に装着可能な、超小型の表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図3の表示装置の光学系の第1実施例を示す図である。
【図2】図1の光学系の変形例を示す図である。
【図3】本発明に係わる観察者の目の直ぐ前で見る表示装置を示す斜視図である。
【図4】図1及び図2の光学系の作用を説明する図である。
【図5】図1の光学系の変形例を示す図である。
【図6】図5の光学系の変形例を示す図である。
【図7】図6の光学系の変形例を示す図である。
【図8】図7の光学系の変形例を示す図である。
【図9】図5の光学系の変形例を示す図である。
【図10】シースルーの機能をもった表示装置に適用される光学系を示す図である。
【図11】図10の光学系の変形例を示す図である。
【図12】発光素子の発光点の位置を調節する機能を備えた光学系の例を示す図である。
【図13】他の状態にある図12の光学系を示す図である。
【図14】従来の眼鏡型ディスプレイの光学系を示す図である。
【図15】他の従来例を示す図である。
【図16】他の従来例を示す図である。
【図17】楕円体に基づいて形成された光学系を有する他の従来例を示す図である。
【図18】図3の表示装置の光学系の第2実施例を示す図である。
【図19】図18の光学系の変形例を示す図である。
【図20】図19の導光体を示す図である。
【図21】図19の導光体の変形例を示す図である。
【図22】図19の導光体の変形例を示す図である。
【図23】図18から図23までを参照して説明した表示装置の第1の楕円体及び第2の楕円体を示す図である。
【図24】3次元的に配置された第1の楕円体及び第2の楕円体を示す図である。
【図25】図24の光学系を含む表示装置を示す図である。
【図26】シールスルー機能を付加した光学系の例を示す図である。
【図27】図26の光学系の変形例を示す図である。
【図28】図26の光学系の変形例を示す図である。
【図29】本発明の光学系のさらなる変形例を示す図である。
【図30】本発明の光学系のさらなる変形例を示す図である。
【図31】本発明の光学系のさらなる変形例を示す図である。
【図32】図3の表示装置の光学系のさらなる実施例を示す図である。
【図33】図32の光学系の変形例を示す図である。
【図34】図33の導光体の一部を示す拡大図である。
【図35】図3の表示装置の光学系のさらなる実施例を示す図である。
【図36】図35の第1及び第2の反射鏡の配置の例を示す図である。
【図37】図35の第1及び第2の反射鏡の配置の例を示す図である。
【図38】図35の表示装置の光学系の変形例を示す図である。
【図39】図38の表示装置の光学系の変形例を示す図である。
【図40】図38の表示装置の光学系の変形例を示す図である。
【図41】図39の表示装置の光学系の変形例を示す図である。
【図42】図41の表示装置の光学系の変形例を示す図である。
【図43】図40の表示装置の光学系の変形例を示す図である。
【図44】図41の表示装置の光学系の変形例を示す図である。
【図45】図43の表示装置の光学系の変形例を示す図である。
【図46】図44の表示装置の光学系の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図3は本発明に係わる観察者の目の直ぐ前方で見るヘッドマウントディスプレイ又は眼鏡型ディスプレイと呼ばれる表示装置10を示している。この表示装置10は観察者12の顔に装着される眼鏡タイプの表示装置である。表示装置10は、表示装置10を観察者12の顔に装着するための眼鏡状の本体構造と、本体構造に組み込まれた光学系とを有する。例においては、表示装置の本体構造は、眼鏡又はゴーグルとして示されている。しかし、本発明は眼鏡又はゴーグル状の本体構造をもった表示装置に限定されるものではない。表示装置の本体構造は、例えば、頭を取り巻くベルトや、ヘルメット、カチャーシャのような構造や、耳掛けタイプのもの,眼鏡へクリップで装着するもの等種々のものを採用することができる。
【0019】
図1は、図3の表示装置10の光学系14の第1実施例を示す図である。光学系14は、発光素子16と、発光素子16で照明される透過型表示素子18と、表示素子18を通った光を通過させる結像素子20とからなる。さらに、光学素子22が発光素子16と表示素子18との間に配置される。24は観察者12の瞳である。
【0020】
発光素子16は実質的な点光源であり、マスク26の微小な開口部に配置される。表示素子18は電気信号に応じて画像を形成するあらゆるタイプの表示器を使用することができる。結像素子20及び光学素子22はともに凸レンズで構成される。発光素子16は光学素子22の焦点の位置に配置され、よって発光素子16から出射される発散光は平行光として表示素子18に入射する。
【0021】
結像素子20は、結像素子20の一方の側に第1の焦点20aを有し、結像素子20の他方の側に第2の焦点20bを有する。Fは結像素子20の焦点距離である。表示素子18は結像素子20と結像素子20の第1の焦点20aとの間で第1の焦点20aに近い位置に配置される。よって、結像素子20によって表示素子18の虚像が形成される。さらに、発光素子16から照射された光が結像素子20の第2の焦点20bで集光されるようになっている。つまり、発光素子16の像が結像素子20の第2の焦点20bに形成される。
【0022】
表示装置10は、表示装置10を観察者12の顔に装着したときに、結像素子20の第2の焦点20bが瞳24に位置するようになっている。このため、集光性の光が観察者12の瞳24において最も絞られる。
図2は図1の光学系14の変形例を示す図である。図2の光学系14は図1の光学系14と同様の部材を含み、図2の光学系14の作用は図1の光学系14の作用とほぼ同様である。図2では、発光素子16は点光源である発光ダイオードからなり、表示素子18は偏光子18a、18bで挟まれた液晶パネルからなる。光学素子22は結像素子20の第1の焦点20aよりも表示素子18の近くに配置されている。従って、図2の光学系14は図1の光学系14よりも短くすることができる。
【0023】
図4は図1及び図2の光学系14の作用を説明する図である。上記したように、平行光が表示素子18に入射し、そして、表示素子18は結像素子20と結像素子20の第1の焦点20aとの間で第1の焦点20aに近い位置に配置される。表示素子18は結像素子20と結像素子20の第1の焦点20aとの間に配置されるので、結像素子20によって表示素子18の虚像28が形成される。そして、表示素子18は虚像28ができる条件内で結像素子20の第1の焦点20aに近い位置に配置される。つまり、表示素子18は結像素子20から離して配置され、解像度の低下によって画像の品質が低下しないようになっている。好ましくは、表示素子18は結像素子20から結像素子20の焦点距離の半分以上離れた位置に配置される。実施例においては、結像素子20の焦点距離は22mmであり、表示素子18は結像素子20から12mmの位置に配置される。
【0024】
発光素子16の像が結像素子20の第2の焦点20bに形成され、表示装置10を観察者12の顔に装着したときに、結像素子20の第2の焦点20bが瞳24に位置するようになっている。このため、集光性の光が観察者12の瞳24において最も絞られ、あたかも観察者12は壁30に設けられたピンホールを通して表示を見るようになる。
【0025】
人間の目をカメラとしてとらえると、瞳24上にピンホールがあれば、ピンホールカメラと同様の原理で近くの像もよく見ることができる。本発明では、物理的にピンホールを形成する代わりに、光学的にバーチャルピンホールを形成している。結像素子20の第1の焦点20aの近傍に表示素子18を配置することで、観察者12は表示素子18の虚像28をピンホールカメラと同じようによく見ることができる。通常は観察者の目の近くにある虚像は見えにくいが、ピンホールカメラの原理を応用することにより、長焦点深度となり、目から虚像までの距離がそれほど離れていなくても虚像を見ることができる。一方、図14を参照して説明したように、光が絞られないである幅をもって瞳に入射した場合には、目から虚像までの距離がそれほど離れていないと虚像をよく見ることができないので、通常は、瞳からより離れた位置により大きな虚像が形成されるように光学系を構成する。本発明は上記したように構成することにより、光学系をより小型化し、低価格で製造することができる。
【0026】
図5は図1の光学系14の変形例を示す図である。図5の光学系14は図1の光学系14と同様の部材を含み、図5の光学系14の作用は図1の光学系14の作用とほぼ同様である。図5では、表示素子18は反射型の表示素子からなり、一部の光を透過させ且つ残りの一部の光を反射させる光分離手段としてのハーフミラー32が発光素子16と表示素子18との間に配置される。発光素子16から発射された発散性の光の一部はハーフミラー32で反射されて結像素子20を通り、表示素子18を照射する。表示素子18で反射された光は結像素子20及びハーフミラー32を透過して観察者12の瞳24に向かう。
【0027】
光が発光素子16からハーフミラー32を通って表示素子18へ向かうときには、発散光が結像素子20によって平行光に変換されるので、この結像素子20は図1の光学素子22の機能を含む。つまり、光学素子22と結像素子20とは共通の素子からなる。そして、光がハーフミラー32から瞳24へ向かうときには、発光素子16の像が結像素子20の第2の焦点20bに形成される。
【0028】
図6は図5の光学系14の変形例を示す図である。図6の光学系14は図5の光学系14と同様の部材を含み、図6の光学系14の作用は図5の光学系14の作用とほぼ同様である。図6では、表示素子18は液晶パネルとして形成され、表示素子18の入射側及び出射側に偏光子18a、18bが配置される。偏光子18aは発光素子16とハーフミラー32との間に配置され、偏光子18bはハーフミラー32と瞳24との間に配置される。
【0029】
図7は図6の光学系14の変形例を示す図である。図7の光学系14は図6の光学系14と同様の部材を含み、図7の光学系14の作用は図6の光学系14の作用とほぼ同様である。図7では、偏光子18aは発光素子16とハーフミラー32との間に配置され、偏光子18bはハーフミラー32に接着されている。
図8は図6の光学系14の変形例を示す図である。図8の光学系14は図6の光学系14と同様の部材を含み、図8の光学系14の作用は図6の光学系14の作用とほぼ同様である。図8では、偏光子18aが表示素子18の光入射面側に配置されている。この例は、強誘電液晶のように反射型液晶パネルと1枚の偏光子で表示可能な表示素子18の場合に適用できる。
【0030】
図9は図5の光学系14の変形例を示す図である。図9の光学系14は図5の光学系14と同様の部材を含み、図9の光学系14の作用は図5の光学系14の作用とほぼ同様である。図9では、図5のハーフミラー32の代わりに偏光ビームスプリッタ34が配置されている。偏光ビームスプリッタ34は一方の偏光を透過させ且つもう一方の偏光を反射させる光分離手段として作用する。偏光ビームスプリッタ34を使用すれば、図6から図8の偏光子18a、18bを省略することができ、光量のロスを低減することができる。なお、偏光ビームスプリッタ34の代わりに、特定偏光を反射するフィルム(例えば、3M社製のDBEF、HMF)を用いることもできる。
【0031】
図10はシースルーの機能をもった表示装置に適用される光学系14を示す図である。発光素子16からの光を直接に結像素子20と表示素子18に入射させ、表示素子18で反射した光をハーフミラー36で反射させて観察者12の瞳24に入射させている。外部光38がハーフミラー36を透過して観察者12の瞳24に入射する。従って、観察者12は表示画像とともに、ハーフミラー36を介して外部(例えばコンピュータのキーボード)を見ることができる。1つの偏光子18aが表示素子18の前に配置されているが、必要に応じて、偏光子を発光素子の近傍及びハーフミラー36の近傍に配置することができる。なお、外部環境の光が眩しいときには、調光用のパネル(液晶パネル等)をハーフミラー36の外側に配置することもできる。このようにして、外部からの光と表示素子18からの光を合わせるコンバイナを構成することができる。
【0032】
図11は図10の光学系の変形例を示す図である。この例では、光学系は透明なプラスチックからなる導光板40を含み、導光板40の途中に偏光ビームスプリッタ34を形成している。発光素子16は導光板40の一端部に配置され、導光板40の他端部は直角に曲げられてプリズム40aを形成している。発光素子16から発射された光は導光板40及び偏光ビームスプリッタ34を通り、プリズム40aで反射し、結像素子20を通り、表示素子18で反射して、逆の経路を通り、偏光ビームスプリッタ34で反射して観察者12の瞳24に入射する。外部光38が偏光ビームスプリッタ34を透過して観察者12の瞳24に入射する。従って、観察者12は表示画像とともに、偏光ビームスプリッタ34を介して外部を見ることができる。導光板40は薄いので、目の前に容易に配置でき、あるいは眼鏡への後付けが容易な構成である。
【0033】
本発明の表示装置では、光が一点に結像されるために見る位置が制限される(視域が狭い)。そこで、本発明の表示装置を眼鏡等に取りつけた場合、発光素子16の発光点の位置を調節し、発光素子16の像を適切な位置(観察者の瞳の位置)に結像させるようにするのが好ましい。
図12及び図13は発光素子16の発光点の位置を調節する機能を備えた光学系の例を示す図である。図12はある状態にある光学系を示し、図13は他の状態にある図12の光学系を示す。光学系は透明なプラスチックからなる導光板42を含み、導光板42の途中に偏光ビームスプリッタ34を形成している。発光素子16は導光板42の一端部に配置され、結像素子20及び表示素子18は導光板42の他端部に配置される。
【0034】
目位置センサ43、44が導光板42に配置されており、観察者12の瞳24を位置を検出できるようになっている。発光素子16はLEDアレイとして形成され、複数のLED16a、16b、16cを含む。LED16a、16b、16cの配置のピッチは瞳24の大きさ以下になっている。目位置センサ43、44が検出した瞳24を位置に応じて、使用するLED16a、16b、16cを選択するようになっている。
【0035】
図12では、中央のLED16bが選択され、このLED16bから発射された光は導光板42及び偏光ビームスプリッタ34を通り、結像素子20を通り、表示素子18で反射して、逆の経路を通り、偏光ビームスプリッタ34で反射して観察者12の瞳24に入射する。
図13では、点線で示された瞳24が実線で示された瞳24の位置に移動している。そこで、左のLED16aが選択され、このLED16aから発射された光は導光板42及び偏光ビームスプリッタ34を通り、結像素子20を通り、表示素子18で反射して、逆の経路を通り、偏光ビームスプリッタ34で反射して観察者12の瞳24に入射する。このようにして、光が一点に結像されるタイプの表示装置でも、視域を広くすることができる。なお、発光素子16は1次元のLEDアレイとして形成されているが、2次元のLEDアレイとして形成されることもできる。
【0036】
なお、表示素子18のRGB画素中の1つの色画像を表示し、表示画像に応じた色を発光素子16で発光し、順番に色を変える時分割カラーを実現することもできる。
図18は図3の表示装置の光学系の第2実施例を示す図である。この例の光学系14は2つの等価な楕円体51、52に基づいて形成されている。第1の楕円体51は第1の焦点P1及び第2の焦点P2を有し、第2の楕円体52は第3の焦点P3及び第4の焦点P4を有する。第2の焦点P2と第3の焦点P3とは共通の位置に配置されている。第1の凹面鏡53が第1の楕円体51の一部に配置され、第2の凹面鏡54が第2の楕円体52の一部に配置されている。
【0037】
より詳細には、この表示装置の光学系14は、表示素子55と、結像素子56と、表示素子55から発射されて結像素子56を通った光が通る第1の焦点P1及び第2の焦点P2を有する第1の楕円体51の一部として形成された第1の凹面鏡53と、第2の焦点P2と共通の位置に配置される第3の焦点P3及び第4の焦点P4を有する第2の楕円体52の一部として形成された第2の凹面鏡54とを備える。
【0038】
表示素子55から発射された光が第1の焦点P1に又はその近傍に集光され、第1の焦点P1を通った発散光が第1の凹面鏡53によって反射されて共通の第2及び第3の焦点P2、P3に向かって進みその焦点に又はその近傍に集光され、第2及び第3の焦点P2、P3を通った発散光が第2の凹面鏡54によって反射されて第4の焦点P4の近傍に集光され、観察者の目(瞳24)が第4の焦点P4の近傍に配置されるようになっている。従って、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができる。
【0039】
表示素子55は、光源を備えた透過型又は反射型の液晶表示パネル、微小な光線をスキャニングによって画像を形成することができる小型ミラーの表示素子、または自発光型のEL表示素子とすることができる。表示素子55とは別に光源を設けることもできる。
このように、第2の焦点P2と第3の焦点P3とが共通の位置に配置された第1の楕円体51及び第2の楕円体52を用いて第1の凹面鏡53及び第2の凹面鏡54を形成することにより、より好ましくは第1の楕円体51及び第2の楕円体52を等価の回転楕円体とすることにより、光学系の対称性を向上させることができる。よって、従来のように複雑な複数の偏心レンズを用いる必要がなくなり、装置全体を小型、軽量なものとすることができる。
【0040】
結像素子56は単純な凸レンズでよいので、ベースとなる第1の楕円体51及び第2の楕円体52を小さなものとすることができる。従って、表示装置は小型化される。特に、表示装置を観察者の顔又は頭に装着する場合、顔面上にはできるだけ物がない方がよく、また、表示素子55と観察者の目との間の距離がある程度離れていることが必要であるので、表示素子55は顔面から離れた所(例えば側頭部)に配置されるのが望ましい。そこで、表示装置は観察者の顔面と平行な方向に長くなるように構成されるのが好ましい。第1の楕円体51及び第2の楕円体52を用いた本発明では、この要求を満足すべく、表示装置は観察者の顔面と平行に長くなるように適切に構成されるが、観察者の顔面と垂直な方向の厚さは大きくならない。
【0041】
図18においては、第1の焦点P1、第2の焦点P2、第3の焦点P3、及び第4の焦点P4は、一直線上に配置されており、第1の凹面鏡53は光学系14の上記焦点を通る線に対して第2の凹面鏡54の反対側に配置されている。
図19及び図20は図18の光学系14の変形例を示す図である。図19においては、第1の焦点P1、第2の焦点P2、第3の焦点P3、及び第4の焦点P4(又は導光体内の反射を展開した第1から第4の焦点P1〜P4に対応する焦点)は、一直線上に配置されており、第1の凹面鏡53は光学系14の上記焦点を通る線に対して第2の凹面鏡54の同じ側に配置されている。そして、導光体58が第1の凹面鏡53と第2の凹面鏡54との間に設けられている。
【0042】
導光体58は第1から第4の焦点P1、P2、P3、焦点P4を通る線と平行に延びる細長い透明なガラス又はプラスチックの部材であり、互いに平行な平面58a、58bを有する。第1の凹面鏡53は導光体58の一端に配置され、第2の凹面鏡54は導光体58の他端に配置される。この場合には、光は第2及び第3の焦点P2、P3を通らないで、導光体58の内部を進むが、その光の進行は第2及び第3の焦点P2、P3を通った場合と同様である。
【0043】
すなわち、表示素子55から出射された光が第1の焦点P1に又はその近傍に集光され、第1の焦点P1から発散した光が第1の凹面鏡53によって反射されて共通の第2及び第3の焦点P2、P3に向かって進む。光は導光体58の表面(平面58a、58b)において数回反射を繰り返す。従って、第1の凹面鏡53から共通の第2及び第3の焦点P2、P3に向かって進んだ光は実際には共通の第2及び第3の焦点P2、P3を通らないが、導光体58の内部において共通の第2及び第3の焦点P2、P3と同等の仮想の焦点において集光され、仮想の焦点を通った発散光が第2及び第3の焦点P2、P3を通った光と同等の光として第2の凹面鏡54によって反射されて第4の焦点P4の近傍に集光され、観察者の目(瞳24)が第4の焦点P4の近傍に配置されるようになっている。従って、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができる。
【0044】
図19の導光体58は互いに平行な平面58a、58bを有するものに限定されない。例えば、第1の楕円体51及び第2の楕円体52を互いに異なる形状にしたり、垂直以外の角度で目に入射するように設計した場合には、この限りではない。また、導光体58は全反射の条件を満たす場合には、反射膜を付加する必要はない。
【0045】
図20では、第1の凹面鏡53及び第2の凹面鏡54は導光体58の同じ側に配置され、光は矢印LI の方向に導光体58に入射し、導光体58内で奇数回反射して、矢印LO の方向に導光体58から出射する。
図21は導光体58の変形例を示す図である。この導光体58では、第1の凹面鏡53及び第2の凹面鏡54は導光体58の反対側に配置され、光は矢印LI の方向に導光体58に入射し、導光体58内で偶数回反射して、矢印LO の方向に導光体58から出射する。
【0046】
図22は導光体58の変形例を示す図である。この導光体58は、屈曲部を有し、観察者の顔及び頭の半分に適合した形状に形成されている。屈曲部には反射膜60が設けられているが、全反射条件を満たす場合には反射膜60を付加しなくてもよい。こうすれば、表示素子55の配置の自由度が高くなる。
図23は図18から図23までを参照して説明した表示装置の第1の楕円体51及び第2の楕円体52を示す図である。図23においては、第1の楕円体51及び第2の楕円体52は例えばX−Y平面内に配置されている。
【0047】
図24は図23の光学系の変形例を示し、3次元的に配置された第1の楕円体51及び第2の楕円体52を示す図である。図24においては、第1の楕円体51はX−Y平面内に配置され、第2の楕円体52はX−Y平面に対して傾斜した平面内に配置されている。第1の凹面鏡53及び第2の凹面鏡54は図23及び図24に示されていない。第1及び第4の焦点P1、P4は矢印で示され、第2及び第3の焦点P2、P3は図23及び図24の座標の原点に相当する。第2及び第3の焦点P2、P3は共通であるので、上記した光の進行の原理はこの場合にも同様に適用される。
【0048】
図25は図24の光学系を含む表示装置を示す図である。表示装置の本体構造は略して眼鏡10aとして示されている。光学系は表示素子55と導光体58とを含む。光学系の他の部材は省略されている。図25の導光体58は、図22の導光体58を図24の第1の楕円体51及び第2の楕円体52の構成に従って変形したものである。図22においては、導光体58は屈曲し、第2の凹面鏡54は目の前にあり、第1の凹面鏡53及び表示素子55は例えば耳の横にあり、表示素子55は第1の凹面鏡53の外側にある。
【0049】
図25の導光体58は図22の導光体58と同様に屈曲し、第2の凹面鏡54は目の前にあり、第1の凹面鏡53及び表示素子55は例えば耳の横にある。この場合、図24の第1の楕円体51及び第2の楕円体52の構成に従って、表示素子55は第1の凹面鏡53の下側に位置するようになる。61Aは回路部であり、61Bはケーブルである。
【0050】
図26から図28はシールスルー機能を付加した光学系の例を示す図である。図26において、第2の凹面鏡54は半透過性を有する反射鏡である。第2の凹面鏡54は、多層誘電体膜や、クロム、アルミニウムや、銀、チタン等の膜で形成することができる。透過率は膜の材料や厚さ等の設計で任意に選択できる。シールスルー機能を有するためには、背景光62が第2の凹面鏡54を透過でき、しかし屈折が小さくて背景像の歪みが小さいようにするのがよい。そのためには、背景光62の入射面と出射面とが平行であることが必要であり、導光体58に補正板64を付加するのが好ましい。
【0051】
図27においては、第2の凹面鏡54をホログラムを用いて形成している。この場合、第2の凹面鏡54の形状は平坦であるが、第2の凹面鏡54をホログラムとして形成しているので、上記したように第2の楕円体52の一部と同様な反射を実現することができ、且つ透過率を制御することができる。第2の凹面鏡54の形状は平坦であるので、補正板64の形状も簡単になる。
【0052】
図28においては、ホログラムを用いて形成した第2の凹面鏡54を導光体58の平坦面に配置している。こうすれば、補正板64を付加する必要がない。
図29から図31は本発明の光学系のさらなる変形例を示す図である。
図29においては、図1に示される第1の光学系と図22に示される第2の光学系とを組み合わせた光学系を示す。すなわち、第1の光学系は、発光素子16と、光学素子22と、透過型表示素子18と、結像素子20とからなる。アパーチャ66が結像素子20の第2の焦点の位置に配置される。第2の光学系は、第1の凹面鏡53と、第2の凹面鏡54と、導光体58とからなる。図18において、表示素子55の発散光を第1の焦点P1を通って第1の凹面鏡53に向かって照射したのと同様に、アパーチャ66を通った発散光を第1の凹面鏡53に向かって照射する。アパーチャ66は第2の光学系の第1の焦点P1に位置する。これによって、アパーチャ66において認識された画像と同様の画像を瞳24において認識することができる。
【0053】
図30においては、反射型表示素子18が使用される。他の構成は図29の構成と同様である。
図31においては、表示素子は、発光素子16とマイクロミラー68とによって構成される。発光素子16はレーザー等とすることができる。発光素子16はマイクロミラー68に向かって微小な光線を発射する。マイクロミラー68はMEMS(Micro Electro Mechanical System )のような角度が可変できるデバイスであって、光線をスキャニングすることができる。このスキャニングに合わせて発光素子16の光量を変調すれば、画像となる。マイクロミラー68は液晶パネルと比べて非常に小さく、小型の表示素子を実現できる。図では1つのマイクロミラー68が示されているが、単純なMEMSを2個用いてXY方向にスキャニングさせてもよい。
【0054】
図32は図3の表示装置の光学系のさらなる実施例を示す図である。この例の光学系14は、表示素子55と、結像素子56と、導光体71と、凹面鏡72とからなる。導光体71はガラスや樹脂などの光透過物質で作られ、互いに平行で平坦な表面71a、71b、及び平坦な光入射面71cを有する。凹面鏡72は導光体71の光入射面71cとは反対側の端部に設けられている。凹面鏡72は第1の焦点P1及び第2の焦点P2を有する回転楕円体73の一部に基づいて形成されている。導光体71の表面71a、71bは凹面鏡72の第1の焦点P1及び第2の焦点P2を通る線と平行である。
【0055】
表示素子55から発射され、結像素子56を通った光が導光体71の光入射面71cに入射し、光入射面71c上の仮想の焦点P2′に又はその近傍に集光されるようになっている。仮想の焦点P2′を通った発散光は導光体71の表面71a、71bにおいて数回反射(全反射)を繰り返し、光があたかも第2の焦点P2から凹面鏡72に入射するように凹面鏡72に入射する。凹面鏡72によって反射された光は第1の焦点P1に又はその近傍に集光され、観察者の目(瞳24)に入射する。従って、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができる。仮想の焦点P2′を透過しない光はノイズ光となることがあるので、仮想の焦点P2′の位置にアパーチャを配置するのが望ましい。
【0056】
このように、導光体71を観察者の顔に対して横方向に配置することによって、表示素子55及び結像素子56が観察者の側頭部(耳の近くの部分)と干渉するすることがないように表示装置を構成することができる。
光入射面71cは、表示素子55から発射され、結像素子56を通った光が光入射面71cに垂直に入射するように、平坦な表面71a、71bに対する傾きで形成されるのが望ましい。しかし、楕円形の凹面鏡72での光の反射は光軸の両側において反射角度が変わるため、瞳24に入射する画像にひずみが生じることがある。光入射面71cの角度を調整すること、または、ひずみ補正レンズを表示素子55と光入射面71cとの間に挿入することによって、画像のひずみを緩和することが可能になる。また、小型で軽量の表示装置を実現することができる。
【0057】
図33は図32の光学系14の変形例を示す図である。図34は図33の導光体の一部を示す拡大図である。図32では表示素子55及び結像素子56は観察者の顔とは遠い側に配置されていた。これに対して、図33及び図34の例では表示素子55及び結像素子56は観察者の顔に近い側に配置されている。こうすれば、表示素子55や結像素子56は観察者の側頭部(耳付近)に容易に配置されることができる。
【0058】
このため、導光体71の光入射面71cは表面71aの一部として形成され、図32において光入射面71cであった傾斜面71dには反射膜74が配置される。反射膜74の代わりに全反射面としてもよい。従って、表示素子55及び結像素子56を通った光は光入射面71cから導光体71の内部に入り、反射膜74の反射面で反射して、反射膜74上の仮想の焦点P2′に又はその近傍に集光されるようになっている。前述したのと同様に、仮想の焦点P2′を通った発散光は導光体71の表面71a、71bにおいて数回反射(全反射)を繰り返し、凹面鏡72に入射し且つ反射された光は第1の焦点P1に又はその近傍に集光され、観察者の目(瞳24)に入射する。従って、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができる。
【0059】
仮想の焦点P2′は集光点であるので、反射膜74は小さくてよい。反射膜74は導光体71の傾斜面71dの一部にのみアルニウムや銀等の金属又は酸化物の多層膜等の反射膜材料を蒸着して形成し、傾斜面71dの他の部分は入射光を透過させるようにする。こうすれば、図32の例で述べたアパーチャの機能が付与され、仮想の焦点P2′を透過しない光がノイズ光となるのを抑制することができる。また、傾斜面71dの非反射部分には光吸収層を設けてもよく、例えば反射膜74を形成した後に酸化クロムや黒色インク等の黒色の物質を傾斜面71d全体に塗布してもよい。
【0060】
図35は図3の表示装置の光学系のさらなる実施例を示す図である。この例の光学系14は、表示素子55と、結像素子56と、第1の焦点P1を有する第1の回転放物面76の一部に基づいて形成された第1の凹面鏡77と、第2の焦点P2を有する第2の回転放物面78の一部に基づいて形成された第2の凹面鏡79とからなる。
【0061】
表示素子55から出射され、結像素子56を通った光が第2の回転放物面78の第2の焦点P2に又はその近傍に集光され、第2の焦点P2を通った発散光は第2の凹面鏡79で反射されて平行光となる。平行光は第1の凹面鏡77へ入射し、第1の凹面鏡77によって反射された光は第1の焦点P1に又はその近傍に集光され、観察者の目(瞳24)に入射する。従って、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができる。
【0062】
このように、平行光を第1の凹面鏡77へ入射させることによって、小型で軽量の表示装置を実現することができる。平行光をつくり出す手段として、第2の凹面鏡79を利用している。好ましくは、第1の回転放物面76と第2の回転放物面78とは焦点距離が同じで、中心軸を一致して配置される。このようにすれば、対称性が高く、ひずみのない画像を形成することができる。第2の焦点P2を通過しない光はノイズ光となるので、第2の焦点P2にアパーチャを配置し、ノイズ光を抑制することができる。
【0063】
第1及び第2の反射鏡77、79は適切なホルダに取付けられ、第1の反射鏡77と第2の反射鏡79との間は空間となっていて、平行光は空間を進む。
図36及び図37は第1及び第2の反射鏡77、79の配置の例を示す図である。図36においては、第1及び第2の反射鏡77、79は柱状のガラス又はアクリル樹脂等のプラスチックからなる導光体80の両端に配置されている。光は導光体80の内部を平行光として伝播する。導光体80は型を使用した成型により作り、第1及び第2の反射鏡77、79は導光体80の両端にアルミニウムを蒸着する。
【0064】
図37においては、第1及び第2の反射鏡77、79は中空筒状の導光体80aの両端に配置されている(第1の反射鏡77は示されていない)。光は導光体80aの内部の空洞内を平行光として伝播する。導光体80aは型を使用した成型により作り、第1及び第2の反射鏡77、79は別途作成して導光体80aの両端に接着する。導光体80aの内部には空気があればよいが、鏡面に塵がつかないようにするためには、導光体80aを封止するのがよい。また、結露を防ぐため、導光体80aの内部に窒素ガス等のガスを充填し、あるいは真空にしてもよい。
【0065】
図38は図35の表示装置の変形例を示す図である。この例の光学系14は、表示素子55と、結像素子56と、第1の焦点P1を有する第1の回転放物面76の一部に基づいて形成された第1の凹面鏡77と、表示素子55から発射され、結像素子56を通った光を平行光にするためのレンズ81とからなる。結像素子56の焦点の位置にはアパーチャ82が配置される。レンズ81で作られた平行光は第1の凹面鏡77へ入射し、第1の凹面鏡77によって反射された光は第1の焦点P1に又はその近傍に集光され、観察者の目(瞳24)に入射する。従って、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができる。
【0066】
図39は図38の表示装置の光学系の変形例を示す図である。この例の光学系14は、第1の凹面鏡77が導光体80の一端に設けられている点を除くと、図38の例と同様である。放物面形状の凹面鏡は一般的な球面レンズと比べると形状が複雑で加工が容易ではない。従って、放物面形状の凹面鏡の数は少ない方がよい。従って、図38及び図39においては、1つの放物面形状の凹面鏡を使用している。導光体80の入射面は図示の例では平面であるが、導光体80の入射面は結像素子56の作用をもつ形状に形成してもよい。また、表示素子55に入射する光が収束光である場合には、結像素子56を省略してもよい。
【0067】
図40及び図41はそれぞれ図38及び図39の表示装置の光学系の変形例を示す図である。図40においては、反射膜83がレンズ81と第1の凹面鏡77との間に挿入され、光路を折り曲げるようになっている。図40においては、反射膜83がレンズ81と導光板80の端部との間に挿入され、光路を折り曲げるようになっている。このようにすることによって、多くの光学部品を観察者の顔面から外れた位置、即ち観察者の側頭部(耳付近)に近い位置に配置することができる。表示装置の重心が顔面に近い位置にあると、表示装置を装着したときに重量感を感じ、疲れやすい。自然な装着感を実現するには、可能な限り部品を顔面の近くに配置しない方がよい。なお、反射膜83の代わりに、全反射面とすることもできる。
【0068】
図42は図41の表示装置の光学系の変形例を示す図である。この例では、導光板80が直角に曲がった形状に形成され、反射膜83がレンズ81と導光板80の端部との間に挿入され、反射膜84が導光板80の屈曲部に挿入され、光路を折り曲げるようになっている。なお、反射膜83、84の代わりに、全反射面とすることもできる。このようにすることによって、表示装置の構成を観察者の顔及び頭部によりフィットするようにすることができる。図示の例においては、表示素子55からレンズ81を含む装置の部分が観察者の側頭部から外側に突き出した方向に配置されているが、反射膜83が配置される導光板80の端部の表面を図42の紙面に対して45度傾斜した角度で形成し、表示素子55からレンズ81を含む装置の部分を導光板80から下向きに指向させるようにすることができる。こうすれば、表示素子55からレンズ81を含む装置の部分を眼鏡のツルのように耳にかけることができるようになる。
【0069】
図42の表示装置は例えば図25に示される表示装置と同様ににして使用されることができる。
図43は図40の表示装置の光学系の変形例を示す図である。この例は、図40の光学系に図1に示される第1の光学系の発光素子16と、光学素子22とを加えたものである。発光素子16及び光学素子22は平行光をつくり出し、表示素子55及び結像素子56を通った光はアパーチャ82で集光され、アパーチャ82を通った発散光を導光体80に導き、第1の凹面鏡77で反射された光が瞳24に入射する。よって、アパーチャ82において認識された画像と同様の画像を瞳24において認識することができる。
【0070】
図44は図41の表示装置の光学系の変形例を示す図である。この例では、発光素子16が設けられていにとともに、結像素子56aが発光素子16の前に設けられている。発光素子16及び結像素子56aを通った光はアパーチャ82で集光され、アパーチャ82を通った発散光を導光体80に導き、第1の凹面鏡77で反射された光が瞳24に入射する。よって、アパーチャ82において認識された画像と同様の画像を瞳24において認識することができる。
【0071】
図45は図43の表示装置の光学系の変形例を示す図である。図45においては、反射型表示素子55が使用される。他の構成は図43の構成と同様である。
図46は図43の表示装置の光学系の変形例を示す図である。図31の場合と同様に、図46においては、表示素子は、発光素子16とマイクロミラー68とによって構成される。発光素子16はレーザー等とすることができる。発光素子16はマイクロミラー68に向かって微小な光線を発射する。マイクロミラー68はMEMSのような角度が可変できるデバイスであって、光線をスキャニングすることができる。このスキャニングに合わせて発光素子16の光量を変調すれば、画像となる。図では1つのマイクロミラー68が示されているが、単純なMEMSを2個用いてXY方向にスキャニングさせてもよい。
【0072】
図43から図46では、放物面形状の第1の凹面鏡77が使用されているが、放物面形状の第1の凹面鏡77の代わりに、図32から図34に示される楕円形状の凹面鏡72を使用することもできる。
(付記)
以上の説明から把握される本発明の技術思想は以下の通りである。
【0073】
1.観察者の目の前方に配置する表示装置であって、発光素子と、該発光素子で照明される表示素子と、該表示素子を通った光を通過させる結像素子とからなり、該表示素子は該結像素子と該結像素子の第1の焦点との間で該第1の焦点に近い位置に配置され、よって該結像素子によって該表示素子の虚像が形成され、さらに、該発光素子から照射された光が該結像素子の第2の焦点で集光されるようにしたことを特徴とする表示装置。
【0074】
2.該発光素子と該表示素子との間に該表示素子に入射する光を平行光にする光学素子が配置されることを特徴とする付記1に記載の表示装置。
3.該表示素子は透過型の表示素子であり、該光学素子は該表示素子の一方の側に配置され、該結像素子は該表示素子の反対の側に配置されることを特徴とする付記2に記載の表示装置。
【0075】
4.該表示素子は反射型の表示素子であり、該光学素子と該結像素子とは共通の素子からなることを特徴とする付記2に記載の表示装置。
5.表示素子と、結像素子と、該表示素子から発射されて該結像素子を通った光が通る第1の焦点及び第2の焦点を有する第1の楕円体の一部として形成された第1の凹面鏡と、該第2の焦点と共通の位置に配置される第3の焦点及び第4の焦点を有する第2の楕円体の一部として形成された第2の凹面鏡とを備え、該表示素子から発射された光が該第1の焦点の近傍に集光され、該第1の焦点を通った光が該第1の凹面鏡によって反射されて共通の第2及び第3の焦点に向かって進み、該第2及び第3の焦点を通った光又はそれと同等の光が該第2の凹面鏡によって反射されて該第4の焦点の近傍に集光され、観察者の目が該第4の焦点の近傍に配置されるようにして、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができるようにしたことを特徴とする表示装置。
【0076】
6.該第1の凹面鏡及び該第2の凹面鏡は、導光体に設けられていることを特徴とする付記5に記載の表示装置。
7.該第1の焦点、該第2の焦点、該第3の焦点、及び該第4の焦点は一直線上にあることを特徴とする付記5に記載の表示装置。
8.該第1の焦点、該第2の焦点、該第3の焦点、及び該第4の焦点は一直線上にないことを特徴とする付記5に記載の表示装置。
【0077】
9.該第2の凹面鏡は光透過性を有することを特徴とする付記5に記載の表示装置。
10.観察者の目の前方に配置する表示装置であって、発光素子と、該発光素子で照明される表示素子と、該表示素子を通った光を通過させる結像素子とからなり、該表示素子は該結像素子と該結像素子の第1の焦点との間で該第1の焦点に近い位置に配置され、よって該結像素子によって該表示素子の虚像が形成され、さらに、該発光素子から照射された光が該結像素子の第2の焦点で集光されるようにし、
該結像素子の第2の焦点と共通な第3の焦点及び第4の焦点を有する第1の楕円体の一部として形成された第1の凹面鏡と、該第4の焦点と共通の位置に配置される第5の焦点及び第6の焦点を有する第2の楕円体の一部として形成された第2の凹面鏡とを備え、該表示素子から発射された光が該第3の焦点の近傍に集光され、該第3の焦点を通った光が該第1の凹面鏡によって反射されて共通の第4及び第5の焦点に向かって進み、該第4及び第5の焦点を通った光又はそれと同等の光が該第2の凹面鏡によって反射されて該第6の焦点の近傍に集光され、観察者の目が該第6の焦点の近傍に配置されるようにして、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができるようにしたことを特徴とする表示装置。
【0078】
11.観察者の目の前方に配置する表示装置であって、表示素子と、該表示素子から発射された光を集光させる結像素子と、該結像素子を通った光が入射する入射面を有する導光体と、該導光体を通った光を受けるように該導光体に設けられる凹面鏡とからなり、該凹面鏡は第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円体の一部として形成され、該結像素子を通った光が該導光体の内部で複数回反射して光があたかも第2の焦点P2から該凹面鏡に入射するように該凹面鏡に入射し、該凹面鏡によって反射された光は第1の焦点に又はその近傍に集光され、観察者の目に入射するようにしたことを特徴とする表示装置。
【0079】
12.該導光体は一対の対向する平坦な表面と、該平坦な表面に対して傾斜した傾斜面とを有し、該結像素子を通った光は該傾斜面上で集光され、該一対の対向する平坦な表面によって反射されることを特徴とする付記11に記載の表示装置。
13.観察者の目の前方に配置する表示装置であって、表示素子と、該表示素子に照射する光あるいは該表示素子を通った光を略平行光にする光学素子と、該光学素子を通った光が入射する凹面鏡とからなり、該凹面鏡は回転放物面の一部として形成され、該凹面鏡によって反射された光は該回転放物面の焦点に又はその近傍に集光され、観察者の目に入射するようにしたことを特徴とする表示装置。
【0080】
14.該光学素子は回転放物面の一部として形成されたさらなる凹面鏡からなることを特徴とする付記13に記載の表示装置。
15.該凹面鏡及び該さらなる凹面鏡は導光体に設けられていることを特徴とする付記14に記載の表示装置。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のように、本発明によれば、小型で低価格な表示装置として、ヘッドマウント式又は眼鏡型の表示装置、あるいはこれに類するあらゆる小型又は超小型の、例えば携帯型のような、表示装置(ディスプレイ)として利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
16 発光素子
18 表示素子
20 結像素子
22 光学素子
24 瞳
28 虚像
32 ハーフミラー
34 偏光ビームスプリッタ
40 導光板
43、44 目位置センサ
51、52 楕円体
53、54 凹面鏡
55 表示素子
56 結像素子
58 導光体
71 導光体
72 凹面鏡
73 回転楕円体
74 反射膜
76、78 回転放物面
77、79 凹面鏡
80 導光体
81 レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示素子と、結像素子と、該表示素子から発射されて該結像素子を通った光が通る第1の焦点及び第2の焦点を有する第1の楕円体の一部として形成された第1の凹面鏡と、該第2の焦点と共通の位置に配置される第3の焦点及び第4の焦点を有する第2の楕円体の一部として形成された第2の凹面鏡とを備え、該表示素子から発射された光が該第1の焦点の近傍に集光され、該第1の焦点を通った光が該第1の凹面鏡によって反射されて共通の第2及び第3の焦点に向かって進み、該第2及び第3の焦点を通った光又はそれと同等の光が該第2の凹面鏡によって反射されて該第4の焦点の近傍に集光され、観察者の目が該第4の焦点の近傍に配置されるようにして、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができるようにしたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
該第1の凹面鏡及び該第2の凹面鏡は、導光体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
該第2の凹面鏡は光透過性を有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
観察者の目の前方に配置する表示装置であって、発光素子と、該発光素子で照明される表示素子と、該表示素子を通った光を通過させる結像素子とからなり、該表示素子は該結像素子と該結像素子の第1の焦点との間で該第1の焦点に近い位置に配置され、よって該結像素子によって該表示素子の虚像が形成され、さらに、該発光素子から照射された光が該結像素子の第2の焦点で集光されるようにし、
該結像素子の第2の焦点と共通な第3の焦点及び第4の焦点を有する第1の楕円体の一部として形成された第1の凹面鏡と、該第4の焦点と共通の位置に配置される第5の焦点及び第6の焦点を有する第2の楕円体の一部として形成された第2の凹面鏡とを備え、該表示素子から発射された光が該第3の焦点の近傍に集光され、該第3の焦点を通った光が該第1の凹面鏡によって反射されて共通の第4及び第5の焦点に向かって進み、該第4及び第5の焦点を通った光又はそれと同等の光が該第2の凹面鏡によって反射されて該第6の焦点の近傍に集光され、観察者の目が該第6の焦点の近傍に配置されるようにして、観察者の目の前方に形成された表示を見ることができるようにしたことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
観察者の目の前方に配置する表示装置であって、表示素子と、該表示素子から発射された光を集光させる結像素子と、該結像素子を通った光が入射する入射面を有する導光体と、該導光体を通った光を受けるように該導光体に設けられる凹面鏡とからなり、該凹面鏡は第1の焦点及び第2の焦点を有する楕円体の一部として形成され、該結像素子を通った光が該導光体の内部で複数回反射して光があたかも第2の焦点P2から該凹面鏡に入射するように該凹面鏡に入射し、該凹面鏡によって反射された光は第1の焦点に又はその近傍に集光され、観察者の目に入射するようにしたことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
該導光体は一対の対向する平坦な表面と、該平坦な表面に対して傾斜した傾斜面とを有し、該結像素子を通った光は該傾斜面上で集光され、該一対の対向する平坦な表面によって反射されることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
観察者の目の前方に配置する表示装置であって、表示素子と、該表示素子に照射する光あるいは該表示素子を通った光を略平行光にする光学素子と、該光学素子を通った光が入射する凹面鏡とからなり、該凹面鏡は回転放物面の一部として形成され、該凹面鏡によって反射された光は該回転放物面の焦点に又はその近傍に集光され、観察者の目に入射するようにしたことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
該光学素子は回転放物面の一部として形成されたさらなる凹面鏡からなることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2011−118402(P2011−118402A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293838(P2010−293838)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【分割の表示】特願2000−333380(P2000−333380)の分割
【原出願日】平成12年10月31日(2000.10.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】