説明

表示装置

【課題】フリンジフィールドスイッチングモードで駆動する液晶表示装置の作製方法において、フォトマスク数を削減することで製造工程の簡略化及び製造コストの削減をする。
【解決手段】透光性を有する絶縁基板上に第1の透明導電膜及び第1の金属膜を順に成膜し積層し、第1のフォトマスクである多階調マスクを用いて第1の透明導電膜及び第1の金属膜を形状加工し、絶縁膜、第1の半導体膜、第2の半導体膜、第2の金属膜を順に成膜し積層し、第2のフォトマスクである多階調マスクを用いて第2の金属膜、第2の半導体膜を形状加工し、保護膜を成膜し、第3のフォトマスクを用いて保護膜を形状加工し、第2の透明導電膜を成膜し、第4のフォトマスクを用いて第2の透明導電膜を形状加工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体装
置及びその作製方法に関する。
【0002】
なお、本明細書において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指し、電気光学装置、半導体回路及び電子機器は全て半導体装置であり、例えば、
液晶を用いた表示装置などに代表される電気光学装置及び、これらの電気光学装置を部品
として搭載した電子機器が含まれる。
【背景技術】
【0003】
液晶テレビやパーソナルコンピュータのディスプレイ、携帯電話など広く普及している表
示装置の多くは、非晶質シリコンを用いた薄膜トランジスタ(以下、アモルファスシリコ
ンTFTと呼ぶ。)をスイッチング素子として利用した液晶表示装置が用いられている。
【0004】
アモルファスシリコンTFTをスイッチング素子として利用した液晶表示装置のひとつに
FFS(Fringe Field Switching)モードLCDがある。FFS
モードLCDとは、IPS(In−Plane Switching)モードLCDの開
口率及び透過率を改善するための技術であり、特許文献1に詳しい記載がされている。
【0005】
アモルファスシリコンTFTは従来6枚のマスクを用い、フォトリソグラフィ工程によっ
て積層構造を形成する。しかし、以前より製造コストの削減や歩留まりを向上させるため
に工程数を減少させることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−235763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フォトリソグラフィは、フォトレジストの塗布、プリベーク、フォトマスクを用いた露
光工程、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程などからなる。さらにこれらに加
えて洗浄工程や検査工程など、多数の工程が一つのフォトリソグラフィ工程に含まれる。
【0008】
従って、従来の6枚のフォトマスクを用いてアモルファスシリコンTFTを作製するこ
とはフォトリソグラフィ工程を6回繰り返すことになるため、製造工程におけるスループ
ットや製造コストを決定する大きな要因となる。このため、フォトマスク数の削減は、製
造にかかる時間および製造コストの削減を意味しており、フォトマスク数の削減は量産と
いう観点から大きな課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、従来の6枚マスクプロセスによる工程数を削減するために、マスク数を4枚と
して製造した半導体装置およびその作製方法に関するものである。図3乃至6は本発明の
半導体装置の作製方法の一例を示したものである。本作製工程では、透明導電膜上にゲー
トメタルを積層させ、第1の多階調マスクであるハーフトーンフォトマスクまたはグレー
トーンフォトマスクを用いた露光技術を使用し、透明導電膜が単層として存在する領域と
、透明導電膜と金属膜が積層の形でそのまま残存する領域とを作り分けることを特徴とす
る。ここで、透明導電膜が単層の部分をFFSモードLCDの電極(以下、コモン電極と
呼ぶ。)とする。
【0010】
また、本発明では第2の多階調マスクであるハーフトーンフォトマスクまたはグレートー
ンフォトマスクを用いた露光技術を使用してアモルファスシリコン膜の加工を行うことを
特徴とする。
【0011】
以上の2つの多階調マスクを用いることにより、従来の6枚マスクよりマスク数を削減し
たプロセスが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、下記に述べるような効果が期待できる。
【0013】
従来のアモルファスシリコンTFTが一般的に6枚マスクで製造されているのに対し、本
発明では4枚マスクでTFTを作製することが可能である。本発明によるマスク数削減プ
ロセスを採用することで、作製工程を従来よりも少なくすることができるため、製造にか
かる時間及び半導体装置の製造コストを削減することが可能となる。
【0014】
また、従来よりもマスク数を減らすことで、フォトマスクの位置あわせの回数が減り、別
のフォトマスク同士との位置ずれによる歩留まりの低下が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】半導体装置の作製方法を説明するための上面図。
【図2】半導体装置の作製方法を説明するための上面図。
【図3】半導体装置の作製方法を説明するための断面図。
【図4】半導体装置の作製方法を説明するための断面図。
【図5】半導体装置の作製方法を説明するための断面図。
【図6】半導体装置の作製方法を説明するための断面図。
【図7】半導体装置の作製方法を説明するための断面図。
【図8】本発明を実施することで作製される半導体装置を用いてできる製品図。
【図9】本発明を実施することで作製される半導体装置を用いてできる製品図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、以下に説明する。但し、本発明は実施可能な範囲において、
多くの異なる態様で実施することが可能である。本発明の趣旨及びその範囲から逸脱する
ことなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
従って、本実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は本発明の半導体装置の作製方法を用いてできるFFSモードLCDにおけるアクテ
ィブマトリクス基板の平面図の一例である。ここでは簡略化のため、マトリクス状に配置
された複数の画素のうち1つの画素の構成を示している。
【0018】
図1に示すように、アクティブマトリクス基板は、ガラスのような透光性を有する絶縁基
板上にコモン電極101が配置され、ゲート配線102、コモン配線103、各ゲート配
線102及びコモン配線103と交差して配置されるソース配線104を複数有している
。ゲート配線上にはアモルファスシリコン層105及びドレイン配線106を有しており
、TFTが形成されている。各画素のコモン電極同士は配線107を介してそれぞれ電気
的に接続している。
【0019】
また、ゲート配線102、コモン配線103及びソース配線104とで囲まれた領域には
画素電極108が配置されている。TFTと画素電極108はコンタクトホール109を
介して電気的に接続している。
【0020】
図3乃至6は、本発明の4枚マスクプロセスにより、基板301上にFFSモードアクテ
ィブマトリクス液晶表示装置の画素部のTFT部300a、ソース配線との接続端子部3
00b、ゲート配線との接続端子部300cを作製する方法を示している。TFT部30
0aは図1におけるX−X’断面の作製プロセスの模式図を示しており、ソース配線との
接続端子部300bは図2(A)におけるY−Y’断面の作製プロセスの模式図を示して
おり、ゲート配線との接続端子部300cは図2(B)におけるZ−Z’断面の作製プロ
セスの模式図を示している。
【0021】
図3(A)に示すように、基板301上に第1の透明導電膜302をスパッタリング法に
より全面に成膜し、第1の透明導電膜302上に第1の金属膜303をスパッタリング法
により成膜して積層する。基板301はアモルファスシリコンTFTの作製に従来から使
用されるガラスを用いればよい。第1の透明導電膜302の材料としてはインジウムスズ
酸化物(ITO)が好ましい。また第1の金属膜303はゲート電極及びゲート配線とな
るものである。前記第1の金属膜303の材料としてはAl、Mo、W、Tiなどの低抵
抗金属材料が好ましいが、Mo等の高融点金属をAl等の低融点金属のバリア膜として使
用した積層構造にしても良い。第1の金属膜を積層構造とすることによりAlのヒロック
発生を抑えることができる。
【0022】
また、図3(A)までの工程は連続的に行われ、マルチチャンバを用いて連続スパッタリ
ングを行うことも可能である。若しくは、市販されているITOが全面に塗布されたガラ
ス基板を用いて、第1の金属膜303のみをスパッタリング法により成膜することも可能
である。
【0023】
図3(B)に示すように、フォトリソグラフィ法等により形成された第1のフォトマスク
を用いて第1の透明導電膜302及び第1の金属膜303をウエットエッチング法または
ドライエッチング法によりエッチングし、図3(C)に示すように第1の透明導電膜30
2を第1の透明導電層3021a、3022a、3021cまた、第1の金属膜303を
第1の金属層3031a、3032a、3031cに形状加工する。第1の透明導電層3
022aは後にFFSモードLCDのコモン電極として使われる。ここで多階調マスクを
第1のフォトマスクとしてハーフトーンフォトマスクまたはグレートーンフォトマスクを
用いた露光技術を使用し、膜厚に差を有する第1のフォトレジスト304a、304cを
形成する。第1の透明導電膜302のみのパターンを形成する箇所のフォトレジストを、
第1の透明導電膜302と第1の金属膜303の積層を残存させる箇所のフォトレジスト
よりも膜厚を薄くする。
【0024】
従来では、第1の透明導電膜302及び第1の金属膜303のパターニングはフォトマス
クを2枚使用していた。すなわち、第1の透明導電膜をスパッタリング法等により基板全
面に成膜後、第1のフォトマスクを用いて第1のレジストを形成し、第1のレジストを用
いて第1の透明導電膜をエッチングしパターニングし、その後、基板全面に第1の金属膜
をスパッタリング法等により成膜し、第2のフォトマスクを用いて第2のレジストを形成
し、第2のレジストを用いて第1の金属膜をエッチングしパターニングしていた。
【0025】
それに対し、本発明では第1の透明導電膜及び第1の金属膜をスパッタリング法等によっ
て連続的に成膜し、多階調マスクを用いて第1の透明導電膜及び第1の金属膜をエッチン
グしパターニングすることができる。このため従来よりもフォトマスクを1枚削減するこ
とができ、レジスト形成工程や露光工程等を含むフォトリソグラフィ工程を1回少なくす
ることができるので、素子の作製工程が簡略化される。
【0026】
第1の透明導電膜302のみのパターンを形成する箇所と第1の透明導電膜302、第1
の金属膜303の積層を残存させる箇所の距離は非常に近い。そのため、通常のフォトマ
スクを用いて正確にパターニングを行うのは困難である。このように、非常に狭い領域で
パターニングを行わなければならない場合、第1の透明導電膜302のみのパターンを形
成する箇所のフォトレジストと、第1の透明導電膜302、第1の金属膜303の積層を
残存させる箇所のフォトレジストを別々に形成してパターニングを行うとフォトマスクの
位置合わせに僅かなズレが起こることがある。しかし、多階調フォトマスクを用いること
でフォトマスクの位置あわせのズレが起きにくくなり、微細加工が容易になる。
【0027】
図3(C)に示すように、アッシング処理を行い、変形された第1のフォトレジスト30
5a、305cを形成する。
【0028】
図3(D)に示すように、変形した第1のフォトレジスト305a、305cを用いて、
第1の金属層3031a、3032a、3031cをウエットエッチング法によりエッチ
ングし、ゲート電極306、ゲート配線307及びコモン電極101を形成する。次にア
ッシング処理を行い、変形された第1のフォトレジスト305a、305cを除去する。
【0029】
図4(A)に示すように、基板全面にゲート絶縁膜406をプラズマCVD法等により成
膜する。ゲート絶縁膜の材料としては窒化珪素膜や酸化珪素膜、あるいはこれらの積層物
を用いる。
【0030】
ゲート絶縁膜406上に第1の半導体膜407としてアモルファスシリコン膜をプラズマ
CVD法等で成膜する。第1の半導体膜407は後にチャネル領域を形成するものであり
、導電性を付与する不純物をドープしないノンドープのアモルファスシリコン膜である。
【0031】
第1の半導体膜407上に第2の半導体膜408としてn型アモルファスシリコン膜をプ
ラズマCVD法等で成膜する。第2の半導体膜408は、後にソース領域及びドレイン領
域を形成するものであり、燐を高濃度にドープしn型の導電性を付与したアモルファスシ
リコン膜(na−Si膜)である。
【0032】
以上のゲート絶縁膜406、第1の半導体膜407、第2の半導体膜408はマルチチャ
ンバ型のCVD装置を用いることで、連続して成膜することも可能である。
【0033】
第2の半導体膜408上に第2の金属膜409をスパッタリング法等で成膜する。第2の
金属膜409の一部は後にソース配線及びドレイン配線を形成する。第2の金属膜409
はAl等の低抵抗金属材料が好ましいが、ゲート電極材料と同様に、Mo、W、Tiなど
の高融点金属材料をAl等の低融点金属のバリア膜として使用した積層構造にしてもよい
。積層構造にすることによってAlのヒロック発生を抑えることができる。
【0034】
図4(B)に示すように、第2の金属膜409をパターニングするために第2のフォトレ
ジスト410a、410bを形成する。ここで、多階調マスクを第2のフォトマスクとし
てハーフトーンフォトマスク及びグレートーンフォトマスクを用いた露光技術を使用し、
膜厚に差を有するフォトレジストを形成する。後にチャネル領域となる箇所のレジストの
膜厚を他の箇所のレジストの膜厚よりも薄くする。
【0035】
図4(C)に示すように、第2のフォトマスクを用いて、第2のフォトレジスト410a
、410bを形成し、第2の金属膜409をウエットエッチング法またはドライエッチン
グ法によりエッチングし、第2の金属層409a、409bを形成し、第2の半導体膜4
08及び第1の半導体膜407をドライエッチング法によりエッチングし、第2の半導体
層408a、408b及び第1の半導体層407a、407bを形成する。
【0036】
図5(A)に示すように、第2のフォトレジスト410a、410bをアッシング処理し
、変形された第2のフォトレジスト511a、511bを形成し、第2の金属層409a
を露出させる。露出された第2の金属層409aをドライエッチング法によりエッチング
し、第2の半導体層408aをウエットエッチング法によりエッチングする。これにより
、第2の半導体層4081a、4082a(ソース領域・ドレイン領域)、と第2の金属
層4091a、4092a(ソース配線・ドレイン配線)を形成する。この際、第2の半
導体層408aの残渣があると残渣を介してソース領域からドレイン領域へ電流がリーク
し、TFTとして機能しないことが考えられる。このため、エッチングする際には第2の
半導体層408aが完全に取り除けるように、第1の半導体層407aまでオーバーエッ
チングしチャネル領域を形成する。このため、第1の半導体層は厚めに成膜するとよい。
【0037】
従来では、コモン電極部及びチャネル領域の形成の際、まず、コモン電極上方に積層され
ている第1の半導体膜407、第2の半導体膜408、第2の金属膜409をエッチング
しパターニングしコモン電極上方のゲート絶縁膜を露出させる。その後、ゲート電極上方
の第2の半導体層408a、第2の金属層409aをエッチングしパターニングし第2の
半導体層4081a、4082a、と第2の金属層4091a、4092a及びチャネル
領域を形成していた。つまり、コモン電極部及びチャネル領域の形成において、2枚のフ
ォトマスクを用いていた。
【0038】
それに対し、本発明では多階調マスクを用いることでコモン電極上方のゲート絶縁膜の露
出とチャネル領域の形成を1枚のマスクで行うことができる。このため従来よりもフォト
マスクを1枚削減することができ、レジスト形成工程や露光工程等を含むフォトリソグラ
フィ工程を1回少なくすることができるので、素子の作製工程が簡略化される。また、チ
ャネル形成は非常に狭い箇所をパターニングするため、多階調マスクを用いることでフォ
トマスクの位置合わせにズレが起きにくくなり、微細加工が容易になる。
【0039】
図5(B)に示すように、変形された第2のフォトレジスト511a、511bを除去し
、基板全面に保護膜512をプラズマCVD法等で成膜する。保護膜512の材料として
は窒化珪素等が好ましい。
【0040】
従来のアモルファスシリコンTFTは、半導体層にガラス基板側からNaなどのアルカリ
金属等の侵入、あるいは、液晶側から汚染物の侵入があるとTFT特性の劣化や動作不良
を引き起こす可能性があり、素子の信頼性が低下する原因となっていた。このため、アモ
ルファスシリコン層を窒化珪素膜で覆っていた。本発明を用いてアモルファスシリコンT
FTを作製したとしても、アモルファスシリコン層を窒化珪素膜で覆うことができ、本発
明においても窒化珪素膜は汚染物のチャネル部への侵入を防ぐ保護膜として作用しており
、信頼性が向上する。
【0041】
図5(C)に示すように、第3のフォトマスクを用いて、第3のフォトレジスト513a
、513b、513cを形成し、形成した第3のフォトレジスト513a、513b、5
13cを用いて保護膜512をドライエッチング法によりエッチングする。保護膜512
をエッチングすることでTFT部300aにおいては、第2の金属層4092aが露出し
て、画素電極とのコンタクトホールとなる。ソース配線との接続端子部300bにおいて
は、第2の金属層409bが露出する。露出した金属層409bが接続端子となり、AC
F(Anisotropic Conductive Film)などの導電性接着剤を
介してFPC(Flexible Print Circuit)などと電気的に接続さ
れる。ゲート配線との接続端子部300cにおいては、ゲート絶縁膜406をドライエッ
チング法によりエッチングし、第1の金属層3031cを露出させる。露出した第1の金
属層3031cが接続端子となる。
【0042】
図6(A)に示すように、第3のフォトレジスト513a、513b、513cをアッシ
ング処理して取り除き、第2の透明導電膜614をスパッタリング法等により基板全面に
成膜する。第2の透明導電膜614の材料としてはITOが好ましい。
【0043】
図6(B)に示すように、第4のフォトマスクを用いて第4のフォトレジスト615a、
615b、615cを形成し、第4のフォトレジスト615a、615b、615cを用
いて、第2の透明導電膜614をウエットエッチング法によりエッチングし複数のスリッ
トを形成する。
【0044】
図6(C)に示すように、第4のフォトレジスト615a、615b、615cをアッシ
ング処理して取り除く。露出した第2の透明導電層6141a、6142aは画素電極、
第2の透明導電層614b、614cは透明電極として機能する。
【0045】
図2(A)及び(B)は、図3乃至6におけるY−Y’、Z−Z’断面に対応した上面図
である。FPCと電気的に接続する接続端子部200a及び200bを示している。なお
、図2は保護膜512などを省略している。ソース配線との接続端子部200aは、第2
の金属層であるソース配線409b上に透明電極416bが配置されている。ソース配線
409bと透明電極416bとはコンタクトホール204を介して電気的に接続されてい
る。ゲート配線との接続端子部200bはゲート配線307上に透明電極416cが配置
されている。ゲート配線307と透明電極416cとはコンタクトホール205を介して
電気的に接続されている。
(実施の形態2)
【0046】
本実施の形態では、TFTのチャネル形成領域として機能する薄膜に微結晶シリコン膜を
用いる例について図7に示すTFT断面図を用いて説明する。尚、図3乃至6に対応する
箇所については同じ符号を用いて説明する。
【0047】
微結晶シリコン膜は周波数が数十MHz〜数百MHzの高周波プラズマCVD法、または
、周波数が1GHz以上のマイクロ波プラズマCVD法により形成することができる。代
表的にはSiH、Siなどの水素化珪素を水素で希釈して形成することができる
。尚、水素化珪素の代わりにSiHCl、SiHCl、SiCl、SiF等を
用いることができる。
【0048】
実施の形態1に従って、基板上に第1の透明導電膜及び第1の金属膜を全面に成膜し、多
階調マスクを第1のフォトマスクとして用いてパターニングする。
【0049】
基板全面にゲート絶縁膜、第3の半導体膜、第1の半導体膜、第2の半導体膜,第2の金
属膜を順に積層する。第3の半導体膜としては、微結晶シリコン膜、第1の半導体膜とし
ては、アモルファスシリコン膜、第2の半導体膜としては、n型アモルファスシリコン膜
(na−Si膜)を用いることができる。尚、ゲート絶縁膜、第3の半導体膜、第1の
半導体膜、第2の半導体膜は連続して成膜することが可能である。第1の半導体膜は第3
の半導体膜が酸化されるのを防ぐ目的で用いられる。次に、図4(b)のように第2の金
属膜上に、多階調マスクである第2のフォトマスクを用いて、第2のフォトレジスト41
0aを形成する。次に、図4(c)のように第2のフォトレジスト410aを用いてエッ
チングして、第3の半導体層701a、第1の半導体層407a、第2の半導体層408
a,第2の金属層409aを形成する。
【0050】
さらに図5(a)のように第2のフォトレジスト410aをアッシングして変形された第
2のフォトレジスト511aを用いてエッチングして、第2の金属層4091a、409
2a、n第2の半導体層4081a、4082aを形成する。この際、第2の半導体層4
08aの残渣が残らないようにオーバーエッチングする。
【0051】
以下、実施の形態1に従って、保護膜512を基板全面に成膜し、第3のフォトマスクを
用いて保護膜512をパターニングする。第2の透明導電膜614を基板全面に成膜し、
第4のフォトマスクを用いて第2の透明導電膜614をパターニングする。なお、本実施
の形態で用いられた、ゲート絶縁膜、第1の透明導電膜、第2の透明導電膜、第1の金属
膜、第2の金属膜、保護膜は実施の形態1に記載された材料を用いることができる。
【0052】
第3の半導体膜を用いることで、第1の半導体膜のみを用いた場合と比べて移動度がより
大きなTFTを作製することができる。
(実施の形態3)
【0053】
本発明の半導体装置の作製方法を用いてできる電子機器として、テレビ、ビデオカメラ、
デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーシ
ョンシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソ
ナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯
型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigita
l Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示し
うるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それら電子機器の具体例を図8乃至
9に示す。
【0054】
図8(A)はデジタルカメラであり、本体801、表示部802、撮像部、操作キー80
3、シャッターボタン804等を含む。なお、図8(A)は表示部802側からの図であ
り、撮像部は示していない。本発明により、より安価で信頼性の高いデジタルカメラが実
現できる。
【0055】
図8(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体805、筐体806、表示部
807、キーボード808、外部接続ポート809、ポインティングデバイス810等を
含む。本発明により、より安価で信頼性の高いノート型パーソナルコンピュータが実現で
きる。
【0056】
図8(C)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であ
り、本体811、筐体812、第1の表示部813、第2の表示部814、記録媒体(D
VD等)読込部815、操作キー816、スピーカ部817等を含む。第1の表示部81
3は主として画像情報を表示し、第2の表示部814は主として文字情報を表示する。な
お、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明により
、安価で信頼性の高い画像再生装置を実現することができる。
【0057】
図8(D)は表示装置であり、筐体818、支持台819、表示部820、スピーカ82
1、ビデオ入力端子822などを含む。この表示装置は、上述した実施の形態で示した作
製方法により形成したTFTをその表示部820及び駆動回路に用いることにより作製さ
れる。なお、表示装置には液晶表示装置、発光装置などがあり、具体的にはコンピュータ
用、テレビ受信用、広告表示用などのすべての情報表示用表示装置が含まれる。本発明に
より、安価で信頼性の高い表示装置を実現することができる。
【0058】
また、図9で示す携帯電話機901は、操作スイッチ類902、マイクロフォン903な
どが備えられた本体(A)904と、表示パネル(A)905、表示パネル(B)906
、スピーカ907等が備えられた本体(B)908とが蝶番909で開閉可能に連結され
ている。表示パネル(A)905と表示パネル(B)906は、回路基板910と共に本
体(B)908の筐体911の中に収納される。表示パネル(A)905及び表示パネル
(B)908の画素部は筐体911に形成された開口窓から視認できるように配置される

【0059】
表示パネル(A)905と表示パネル(B)908は、その携帯電話機901の機能に応
じて画素数などの仕様を適宜設定することができる。例えば表示パネル(A)905を主
画面とし、表示パネル(B)906を副画面として組み合わせることができる。本発明に
より、安価で信頼性の高い携帯情報端末を実現することができる。
【0060】
本実施の形態に係る携帯電話機901は、その機能や用途に応じてさまざまな態様に変容
しうる。例えば、蝶番909の部位に撮像素子を組み込んで、カメラ付きの携帯電話機と
してもよい。また、操作スイッチ類902、表示パネル(A)905、表示パネル(B)
906を一つの筐体内に収めた構成としても、上記した作用効果を奏することができる。
また、表示部を複数個備えた情報表示端末に本実施の形態の構成を適用しても、同様な効
果を得ることができる。
【0061】
以上のように、本発明の実施の形態1乃至2の作製方法を用いて、様々な電子機器を完成
させることができる。
【符号の説明】
【0062】
200a:ソース配線との接続端子部の平面図
200b:ゲート配線との接続端子部の平面図
300a:TFT部の断面図
300b:ソース配線との接続端子部の断面図
300c:ゲート配線との接続端子部の断面図
101:コモン電極
102:ゲート配線
103:コモン配線
104:アモルファスシリコン層
105:ドレイン配線
106:コモン電極同士を接続する配線
107:配線
108:画素電極
204:コンタクトホール
205:コンタクトホール
301:ガラス基板
302:第1の透明導電膜
3021a:第1の透明導電層
3022a:第1の透明導電層
3021c:第1の透明導電層
303:第1の金属膜
3031a:第1の金属層
3032a:第1の金属層
3031c:第1の金属層
304a:第1のフォトレジスト
304c:第1のフォトレジスト
305a:変形された第1のフォトレジスト
305c:変形された第1のフォトレジスト
306:ゲート電極
307:ゲート配線
406:ゲート絶縁膜
407:第1の半導体膜
407a:第1の半導体層
407b:第1の半導体層
408:第2の半導体膜
408a:第2の半導体層
408b:第2の半導体層
409:第2の金属膜
409a:第2の金属層
409b:第2の金属層
410a:第2のフォトレジスト
410b:第2のフォトレジスト
511a:変形された第2のフォトレジスト
511b:変形された第2のフォトレジスト
512:保護膜
513a:第3のフォトレジスト
513b:第3のフォトレジスト
513c:第3のフォトレジスト
614:第2の透明導電膜
6141a:第2の透明導電層
6142a:第2の透明導電層
614b:第2の透明導電層
614c:第2の透明導電層
615a:第4のフォトレジスト
615b:第4のフォトレジスト
615c:第4のフォトレジスト
701a:第3の半導体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する絶縁基板上に第1の透明導電膜と第1の金属膜を順に形成し、
多階調マスクである第1のフォトマスクを用いて第1の透明導電膜と第1の金属膜の積層を残存させる部分と第1の透明導電膜のみを残存させる部分とで膜厚の異なる第1のレジストを形成し、
前記第1のレジストで前記第1の透明導電膜と第1の金属膜を形状加工しゲート電極を形成し、
前記ゲート電極上に絶縁膜、第1の半導体膜、第2の半導体膜、第2の金属膜を順に形成し、
多階調マスクである第2のフォトマスクを用いてチャネル領域形成部とソース領域形成部及びドレイン領域形成部とで膜厚の異なる第2のレジストを形成し、
前記第2のレジストで前記第1の半導体膜、前記第2の半導体膜、前記第2の金属膜を形状加工し、薄膜トランジスタ形成部を形成し、前記第2のレジストをアッシングして、第3のレジストを形成し、前記第3のレジストで前記薄膜トランジスタ形成部にチャネル領域、ドレイン領域、ソース領域を形成して、薄膜トランジスタを形成し、
前記薄膜トランジスタ上に保護膜を形成し、
第3のフォトマスクを用いてコンタクトホール形成部以外の領域に第4のレジストを形成し、
前記第4のレジストで前記保護膜を形状加工しコンタクトホールを形成し、
前記保護膜上に第2の透明導電膜を形成し、
第4のフォトマスクを用いて画素電極形成部に第5のレジストを形成し、
前記第5のレジストで前記第2の透明導電膜を形状加工し、画素電極を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−42174(P2013−42174A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−249214(P2012−249214)
【出願日】平成24年11月13日(2012.11.13)
【分割の表示】特願2008−303603(P2008−303603)の分割
【原出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】