説明

表面形状測定装置

【課題】表面形状測定装置の配線系統をできるだけ省き、装置の簡素化を図る。
【解決手段】表面形状測定装置10は、測定対象物12の表面に光を照射する光源14と、測定対象物12の表面上の反射点P1からの反射光を第一の反射光と第二の反射光に分離するビームスプリッタ18と、第一の反射光を反射する第一のミラー20と、第二の反射光を反射する第二のミラー22と、を備えている。さらに、第一のミラー20から反射した第一の反射光及び第二のミラー20から反射した第二の反射光を受光する撮像面30を備える撮像器24を備えている。この撮像器24は、ビームスプリッタ18から第一のミラー20を経由して撮像面30まで到る光路長とビームスプリッタ18から第二のミラー22を経由して撮像面30まで到る光路長とが異なるように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
測定対象物の表面に光を照射し、その反射光に基づいて当該測定対象物の表面形状を非接触、非破壊で測定する表面形状測定装置が従来から知られている。この測定装置として、特許文献1のように測定対象物表面上の反射点の上下方向の変位と、反射点における測定対象物表面の角度変化を測定できるものが知られている。
【0003】
従来の表面形状測定装置を図32に示す。従来の表面形状測定装置100は、レーザ光を測定対象物102表面に照射する光源104と、測定対象物102の表面から反射した反射光106を2つの反射光108、110に分離するビームスプリッタ112とを備えている。さらに、一方の反射光108を受光する第一の撮像器114と、他方の反射光110を受光する第二の撮像器116と、第一の撮像器114のアナログ信号をデジタル信号に変換する第一のA/D変換器115と、第二の撮像器116のアナログ信号をデジタル信号に変換する第二のA/D変換器117とを備えている。さらに、第一のA/D変換器115及び第二のA/D変換器117からの信号を受け取る演算部119を備えている。ここで、ビームスプリッタ112から第一の撮像器114までの距離L1と、ビームスプリッタ112から第二の撮像器116までの距離L2とが異なるように各撮像器が配置されている。
【0004】
表面形状の測定に先立ち、表面形状装置の各構成機器の位置合わせを行う。すなわち、測定対象物102の基準点P1を定め、基準点P1からの反射光106がビームスプリッタ112の中心点118を通るとともに、ビームスプリッタ112を透過した第二の反射光110が第二の撮像器116の中心点を通るようにそれぞれの機器を位置合わせする。この位置合わせで定まった反射光106の軌跡が基準光路BPとなる。
【0005】
上記の位置合わせ後、表面形状測定を行う。当該測定においては、測定対象物と表面形状測定装置100とを図示しないステージ等によって相対移動させる。表面形状測定において、図33に示すように光源104からの光を反射する測定対象物102表面上の反射点P2が基準点P1とは異なる位置にあるか、反射点P2における測定対象物102の表面と、基準点P1における表面との間に角度ずれがあると、反射光は基準光路BPと異なる軌跡を通ってビームスプリッタ112及び第一、第二の撮像器114、116に入射する。
【0006】
演算部119は、第一の撮像器114の撮像面における基準光路BPと受光位置とのずれy1を算出する。同様に、第二の撮像器116の撮像面における基準光路BPと受光位置とのずれy2を算出する。ずれy1は、ビームスプリッタ112の中心点から距離L1離れた位置における基準光路BPと反射光106とのずれを表わし、ずれy2は、ビームスプリッタ112の中心点から距離L2離れた位置における基準光路BPと反射光106とのずれを表わしている。これら異なる2点のずれy1、y2に基づいて、演算部119は反射光106の基準光路BPに対する角度ずれθとビームスプリッタ112における入射ずれ幅をaを求める。さらにこの角度ずれθ及びずれ幅aと、予め測定した基準点P1からビームスプリッタ112までの距離とに基づいて、反射点P2における測定対象物102の表面と基準点P1における測定対象物102の表面の角度差βと、基準点P1から反射点P2への上下方向の変位Δdを求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−85395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の表面形状測定装置は、2組の撮像器およびA/D変換器が必要であり、さらにそれぞれに対して配線系統を設ける必要がある。しかし、電気機器や配線系統をできるだけ省き、装置の簡素化を図りたいという要請がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は表面形状測定装置に関するものである。当該表面形状測定装置は、測定対象物表面に光を照射する光源と、光源と測定対象物とを相対移動させるステージと、測定対象物表面上の反射点からの反射光を第一の反射光と第二の反射光に分離するビームスプリッタと、第一の反射光を反射する第一のミラーと、第二の反射光を反射する第二のミラーと、を備えている。さらに、第一のミラーにて反射した第一の反射光及び第二のミラーにて反射した第二の反射光を受光する撮像面を備えるとともに、ビームスプリッタから第一のミラーを経由して撮像面まで到る光路長とビームスプリッタから第二のミラーを経由して撮像面まで到る光路長とが異なるように撮像面が配置された撮像器を備えている。さらに、撮像面における第一の反射光及び第二の反射光の受光位置に基づいて、反射点の相対的な位置変化と、反射点における測定対象物表面の相対的な角度変化との少なくとも一つを算出する演算部と、を備えている。
【0010】
また、上記発明において、演算部は、撮像器から送られた撮像面の画像データにおける第一の反射光と第二の反射光との干渉縞を低減する干渉縞低減処理を行うとともに、干渉縞低減処理後の画像データにおける第一及び第二の反射光の受光位置を求めることが好適である。
【0011】
また、上記発明において、演算部は干渉縞低減処理として、撮像器から送られた画像データを2次元フーリエ変換し、2次元フーリエ変換された画像データに対してガウシアンフィルタ処理を行うことにより干渉縞の空間周波数成分の振幅を低減させ、ガウシアンフィルタ処理後の画像データを2次元フーリエ逆変換することが好適である。
【0012】
また、上記発明において、第一の反射光と第二の反射光との干渉縞を低減する干渉縞低減手段を備えることが好適である。
【0013】
また、上記発明において、干渉縞低減手段は、第一のミラーと第二のミラーの少なくともいずれか一方を振動させる振動器を備えることが好適である。
【0014】
また、上記発明において、第一の光路長と第二の光路長との差の変動幅が光源の中心波長の1/2以上になるように振動器の振幅が設定されることが好適である。
【0015】
また、上記発明において、撮像面に投影された第1の反射光及び第2の反射光の振幅が第一の反射光及び第二の反射光の撮像面上の受光位置の測定に用いられる測定値の最小単位未満となるように振動器の振幅が設定されることが好適である。
【0016】
また、上記発明において、撮像器は受光素子を備えており、受光素子の露光時間は第一の光路長と第二の光路長との差の変動の半周期以上であることが好適である。
【0017】
また、上記発明において、光源から基準面に対して光を照射した際に、基準面から反射するとともにビームスプリッタによって分離された第一の反射光と第二の反射光が撮像面上で一致するように、ビームスプリッタ、第一のミラー、第二のミラー、撮像器の配置が設定されていることが好適である。この場合において、配置が設定された際の基準面から撮像面に至る光路が基準光路として設定されることが好適である。さらに、ビームスプリッタ、第一のミラー、第二のミラー、撮像器の相対位置及び相対角度を維持したままこれらを移動可能であって、その移動方向が、基準光路のうちビームスプリッタに入射するとともにビームスプリッタに分離される前の基準光路に対して平行方向または垂直方向である、光学系ステージを備えることが好適である。
【0018】
また、上記発明において、測定対象物表面における反射点を移動させるサンプルステージを備えることが好適である。さらに、演算部は、撮像面における第一の反射光及び第二の反射光の受光位置に基づいて、反射点を通過するとともに反射点における測定対象物表面に平行な直線を求めることが好適である。加えて、演算部は、隣り合う反射点間の、反射点の移動方向における中点で、隣り合う反射点を通過するそれぞれの直線が交わるとの条件を用いて、それぞれの前記反射点の相対的な位置変化を算出することが好適である。
【0019】
また、本発明は表面形状測定方法に関する。当該方法は、光源から測定対象物表面に光を照射し、測定対象物表面上の反射点からの反射光をビームスプリッタにより第一の反射光と第二の反射光に分離し、第一のミラーにより第一の反射光を反射し、第二のミラーにより第二の反射光を反射する。さらに、ビームスプリッタから第一のミラーを経由して撮像面まで到る光路長と、ビームスプリッタから第二のミラーを経由して撮像面まで到る光路長とが異なるように撮像面を配置するとともに、第一のミラーにて反射した第一の反射光及び第二のミラーにて反射した第二の反射光を撮像面により受光し、撮像面における第一の反射光及び第二の反射光の受光位置に基づいて、反射点の相対的な位置変化と、反射点における測定対象物表面の相対的な角度変化との少なくとも一つを算出する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、従来よりも電気機器や配線系統の簡素化された表面形状測定装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態に係る表面形状測定装置を例示する図である。
【図2】本実施形態に係る表面形状測定装置を例示する図である。
【図3】撮像器が取得した画像データを例示する図である。
【図4】基準光路に対する反射光のずれの算出過程を説明する図である。
【図5】基準光路に対する反射光のずれの算出過程を説明する図である。
【図6】基準光路に対する反射光のずれの算出過程を説明する図である。
【図7】測定対象物の表面の角度変化の算出過程を説明する図である。
【図8】反射点の変位の算出過程を説明する図である。
【図9】測定対象物の表面の角度変化の算出過程を説明する図である。
【図10】本実施形態に係る表面形状測定装置による測定結果を例示する図である。
【図11】干渉縞を例示する図である。
【図12】干渉縞低減処理を説明する図である。
【図13】干渉縞低減処理を説明する図である。
【図14】干渉縞低減処理を説明する図である。
【図15】本実施形態に係る表面形状測定装置による測定結果を例示する図である。
【図16】他の実施形態に係る表面形状測定装置を例示する図である。
【図17】他の実施形態に係る表面形状測定装置による測定結果を例示する図である。
【図18】干渉縞低減手段を設けた表面形状測定装置を例示する図である。
【図19】光の干渉現象を説明する図である。
【図20】光の干渉現象を説明する図である。
【図21】光の干渉現象を説明する図である。
【図22】光強度の積算値を求める際の模式図である。
【図23】干渉縞低減手段を用いた表面形状測定の方法を説明する図である。
【図24】干渉縞低減手段を用いた表面形状測定装置による測定結果を例示する図である。
【図25】干渉縞低減手段を用いた表面形状測定装置による測定結果を例示する図である。
【図26】本実施形態に係る表面形状測定装置を例示する図である。
【図27】本実施形態に係る表面形状測定装置を例示する図である。
【図28】撮像面の移動を説明する図である。
【図29】表面形状の演算方法を説明する図である。
【図30】表面形状測定装置による測定結果を例示する図である。
【図31】表面形状測定装置による測定結果を例示する図である。
【図32】従来の表面形状測定装置を例示する図である。
【図33】従来の表面形状測定装置を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に本実施形態に係る表面形状測定装置を例示する。この表面形状測定装置10は、例えば車体ボデーや金型等、光沢面や鏡面を有する部材表面の形状測定等に使用される。表面形状測定装置10は、測定対象物12の表面に光を照射する光源14と、測定対象物12の表面上の反射点からの反射光を受ける受光部16とを含んで構成されている。受光部16は、反射光の一部を透過させ、他の一部を反射させるビームスプリッタ18と、分離された各反射光を反射する第一のミラー20及び第二のミラー22と、第一及び第二のミラー20、22からの反射光を受光する撮像器24を備えている。さらに受光部16は、撮像器24と電気的に接続されたA/D変換器26と、A/D変換器26と電気的に接続された演算部28とを備えている。また、表面形状測定装置10は、光源14及び受光部16と測定対象物12とを相対移動させるステージ29を備えている。
【0023】
光源14は測定対象物12に対してスポット光を照射する。光源14は発光源及びレンズを備えており、例えば半導体レーザ素子及び当該半導体レーザ素子から射出されたレーザ光を集光するコリメートレンズを含んで構成される。
【0024】
ビームスプリッタ18は内部に分離面19が形成されており、この分離面19において測定対象物12からの反射光の一部が透過し一部が反射する。なお、ビームスプリッタ18は透過光路におけるずれの発生がないキューブ型ビームスプリッタ等の光学部材を用いることが好適である。さらに、反射光と透過光とを等価(1:1)に分離できるハーフミラー等の光学部材を用いることが好適である。つまり、キューブ型のハーフミラーを使用することが好適である。図1に示す実施形態においてはビームスプリッタ18としてキューブ型ハーフミラーが使用されている。
【0025】
第一のミラー20及び第二のミラー22はビームスプリッタ18からの透過光又は反射光を反射する反射鏡であり、例えば平面鏡が用いられる。第一のミラー20はビームスプリッタ18からの反射光の光路上に配置され、また第二のミラー22は透過光の光路上に配置される。また、ビームスプリッタ18から透過光又は反射光が第一のミラー20及び第二のミラー22から逸れてしまわないように、第一のミラー20及び第二のミラー22の反射面の幅は、ビームスプリッタ18の幅以上となるように形成されていることが好適である。
【0026】
撮像器24は第一のミラー20及び第二のミラー22からの反射光を受光する受光素子が二次元的に(縦方向及び横方向に)複数個形成された撮像面30を備えている。撮像器24は例えばCCDカメラまたはCMOSカメラから構成される。
【0027】
第一のミラー20、第二のミラー22、撮像器24の配置はそれぞれビームスプリッタ18の配置に応じて定まる。第一のミラー20は、ビームスプリッタ18の分離面19にて反射された光が射出される反射光射出面34に対して第一のミラー20の反射面が平行となるとともに、第一のミラー20の中心点C2から分離面19に下ろした垂線が分離面19の中心点C1を通るように第一のミラー20が配置される。
【0028】
同様に、第二のミラー22は、ビームスプリッタ18の分離面19を透過した光が射出される透過光射出面32に対して第二のミラー20の反射面が平行となるとともに、第二のミラー22の中心点C3から分離面19に下ろした垂線が分離面19の中心点C1を通るように第二のミラー22が配置される。
【0029】
また、分離面19の中心点C1から第一のミラー20の中心点C2までの離間距離L1と分離面19の中心点C1から第二のミラー22の中心点C3までの離間距離L2は互いに異なるように(L1≠L2)第一のミラー20及び第二のミラー22が配置される。これら離間距離L1、L2は図示しない記憶部に記憶される。
【0030】
さらに撮像器24は、撮像面30がビームスプリッタ18を挟んで第一のミラー20の反射面と向かい合うとともに、第一のミラー20の中心点C2から分離面19を通過する垂線が撮像面30の中心点C4を通るように撮像器24が配置される。分離面19の中心点C1から撮像面30の中心点C4までの距離L3はL1、L2とともに記憶部に記憶される。
【0031】
また、A/D変換器26は撮像器24から送られた画像データのアナログ信号をデジタル信号に変換する。演算部28はA/D変換器26から送られた画像データを演算処理するために設けられており、例えばCPU等の演算処理回路を備えている。
【0032】
また、ステージ29は測定対象物12を載置して光源14及び受光部16と測定対象物12とを相対移動させる。ステージ29はXYステージであっても、XYステージに回転ステージを組み合わせたステージであってもよい。また、測定対象物12に対してステージ29を設ける代わりに、測定対象物12は固定し、光源14及び受光部16に対してステージ29を設けても良い。
【0033】
このように、本実施形態における表面形状測定装置においては、従来よりも撮像器及びA/D変換器の個数を減らすとともに、撮像器とA/D変換器およびA/D変換器と演算部を結ぶ配線系統を従来より低減させている。つまり、従来よりも配線系統や電気機器を省いた簡素化された表面形状測定装置の提供が可能となる。
【0034】
なお、図1においては第一のミラー20及び第二のミラー22の二つのミラーを用いたが、どちらか一方のミラーをビームスプリッタ18と一体化させてもよい。つまり、ビームスプリッタ18の透過光射出面32又は反射光射出面34のどちらか一方にアルミ等の金属膜を蒸着させて反射鏡の機能を持たせるようにしてもよい。これにより装置構成の一層の簡素化が図られる。
【0035】
次に、本実施形態に係る表面形状測定装置10による表面測定について説明する。表面形状測定に先立ってそれぞれの機器の位置合わせを行う。まず、図1に示すように測定対象物12の基準点P1を定める。さらに光源14から基準点P1にスポット光を照射したときに、第一のミラー20から撮像器24の撮像面30に向かう反射光と、第2のミラー22から撮像面30に向かう反射光が、当該撮像面30上で一致する(重なる)様に、ビームスプリッタ18、第一のミラー20、第2のミラー22及び撮像器24の配置を定める。例えば、基準点P1からの反射光が、ビームスプリッタ18の中心点C1を通るとともに、ビームスプリッタ18の分離面19を透過した透過光が第二のミラー22の中心点C3を通るように受光部16の角度や位置を調整する。このように受光部16を配置したとき、上述した配置関係により、ビームスプリッタ18の分離面19は反射光に対して45°の角度をなすようになる。また、反射光は第一のミラー20の中心点C2、撮像器24の撮像面30の中心点C4を通過する様になる。
【0036】
なお、以下では、上記位置合わせ後の基準点P1からの反射光の軌跡を基準光路BPとする。ここで、基準光路BPとは基準点P1→分離面19→第一のミラー20→分離面19→撮像面30の経路を通る反射光(後述する第一の反射光42)と、基準点P1→分離面19→第二のミラー22→分離面19→撮像面30の経路を通る反射光(後述する第二の反射光44)の両者を含むものとする。さらに、基準光路BPが基準点P1から分離面19まで延伸する方向をX軸とし、紙面においてX軸に直交する軸をY軸とし、X軸及びY軸に直交する軸、つまり紙面に対して垂直方向に延伸する軸をZ軸とする。
【0037】
また、この位置決め工程において、XY平面における基準点P1への入射角α(反射の法則より、反射角もαとなる)及びXZ平面における基準点P1への入射角β(図1はXY平面のため図示を省略)と、基準点P1からビームスプリッタ18の分離面19の中心点C1までの距離dを実測により求める。さらにこれらの値を演算部28に電気的に接続された図示しない記憶部に記憶させる。
【0038】
次に、測定対象物12と表面形状測定装置10とをステージ29によって相対移動させ、測定対象物の表面形状測定を行う。図2に示すように、相対移動に伴い、測定対象物12の表面上の反射点P2が基準点P1と紙面上下方向にずれたり、また反射点P2における表面と基準点P1における表面との角度ずれが生じると、反射点P2からの反射光40は基準光路BPとは異なる軌跡を通ってビームスプリッタ18に入射する。表面形状測定装置10は、基準光路BPと反射光40とのずれに基づいて、反射点P2の基準点P1からの位置ずれ及び角度ずれを算出する。
【0039】
ビームスプリッタ18に入射した反射光40は分離面19において分離される。分離面19にて反射された反射光42(以下、第一の反射光42と呼ぶ)は第一のミラー20の中心点C2(図示を省略)からずれた位置で反射した後、再び分離面19に向かい、当該分離面19を透過した後、撮像面30に入射する。撮像面30における第一の反射光42の入射位置の座標を(ε1,η1)で表わす。
【0040】
また、分離面19を透過した光(以下、第二の反射光44と呼ぶ)は第二のミラー22の中心点C3からずれた位置で反射した後、再び分離面19に向かい、当該分離面19にて反射した後、撮像面30に入射する。撮像面30における第二の反射光44の入射位置の座標を(ε2,η2)で表わす。ここで、第一の反射光42と第二の反射光44とはその光路長が異なっており、反射光40が基準光路BPと異なる角度で入射した場合、反射光40から分離した第一の反射光42と第二の反射光44の光路長の差に応じて撮像面30における両者の入射位置は異なるものとなる。言い換えると、反射光40が基準光路BPと異なる角度で入射した場合、(ε1,η1)≠(ε2,η2)となる。なお、反射光40が基準光路BPと平行であって分離面19において基準光路BPとずれた位置に入射したときには、(ε1,η1)=(ε2,η2)であり、少なくともε1かη1(したがってε2かη2)のどちらかが非ゼロの値を取る。
【0041】
図1にて説明した様に、撮像器24が撮像した画像データはA/D変換器26を介して演算部28に送られる。演算部28では撮像器24の画像データをもとに第一の反射光42の入射位置(ε1,η1)及び第二の反射光の入射位置(ε2,η2)を算出する。本実施形態においては光源14から射出される光は進行方向に対する断面形状が円形のスポット光であるため、画像データにおいては図3に示すようにそれぞれの反射光は円形形状を成している。演算部28はそれぞれのビームスポットにおける輝度(強度)分布に基づいて輝度のピーク地点、つまり、ビームスポットの中心点を求め、当該ピーク地点の座標をそれぞれの反射光の入射座標として算出する。
【0042】
次に演算部28は2つの座標(ε1,η1)、(ε2,η2)に基づいて基準光路BPに対する反射光40の位置ずれ及び角度ずれを算出する。さらにこの位置ずれ、角度ずれに基づいて反射点P2の基準点P1からの位置ずれおよび反射点P2と基準点P1における測定表面の角度ずれを求める。
【0043】
まず2つの座標(ε1,η1)、(ε2,η2)から反射光40の位置ずれ及び角度ずれを算出する方法について説明する。位置ずれ及び角度ずれと2つの座標(ε1,η1)、(ε2,η2)との関係を説明する模式図を図4に示す。図4において、分離面19から座標(ε1,η1)が示された撮像面までの距離は第一の反射光42の光路長に対応し、分離面19から座標(ε2,η2)が示された撮像面までの距離は第二の反射光44の光路長に対応している。基準光路BPと反射光40との間の位置ずれ、角度ずれはY軸方向及びZ軸方向のずれに分解することができる。分離面19におけるY軸方向の位置ずれ幅をa、またY軸方向のずれ角をθで表わす。また、分離面19におけるZ軸方向の位置ずれ幅をb、またZ軸方向のずれ角をφで表わす。演算部28は2つの座標(ε1,η1)、(ε2,η2)からずれ幅a、b及びずれ角θ、φを算出する。
【0044】
図5にはXY平面における反射光の軌跡が示されている。以下、この図を用いてY軸方向のずれ幅a及びずれ角θを算出する方法を説明する。なお、ここではビームスプリッタ18の分離面19を透過して第二のミラー22で反射する第二の反射光44の軌跡のみを示し、他方の第一の反射光42については図示を省略する。図5に示されているように、撮像面30における第二の反射光44のY軸座標ε2は、以下のずれが足し合わされたものとなる。すなわち、分離面19における反射光40(及び第二の反射光44)と基準光路BPとのY軸方向の位置ずれaと、分離面19から第二のミラー22に到達するまでに生じるずれa1と、第二のミラー22から分離面19に到達するまでに生じるずれa2と、分離面19から撮像面30に到達するまでに生じるずれa3の和が、撮像面30における第二の反射光44のY軸座標ε2となる。ここで、ε2とa、θとの関係は下記数式1のように表すことができる。
【0045】
【数1】

【0046】
同様に、ビームスプリッタ18の分離面19から反射される第一の反射光42について、撮像面30における反射光42のY軸座標ε1と、反射光42と基準光路BPとのY軸方向の位置ずれaおよび角度ずれθとの関係は、下記数式2のように表すことができる。
【0047】
【数2】

【0048】
次に、基準光路BPと反射光42、44のZ軸方向のずれの算出について説明する。図6には第二の反射光44の軌跡が示されている。なお、図6においては図示を簡略化するために、第二の反射光44の全軌跡のうち、分離面19から第二のミラー22までの軌跡のみを示している。当該軌跡における基準光路BPに対するZ軸方向のずれ幅は図6に示すように((L2−a)/cosθ))tanφで表わすことができる。さらに第二の反射光44の残りの軌跡、すなわち第二の反射光44から分離面19までのずれ幅と、分離面19から撮像面30までのずれ幅を考慮すると、撮像面30における第二の反射光44のZ軸座標η2とb、φの関係は下記数式3のように表すことができる。
【0049】
【数3】

【0050】
同様に、撮像面30における第一の反射光42のZ軸座標η1とb、φとの関係は下記数式4のように表すことができる。
【0051】
【数4】

【0052】
さらに、ε1、ε2に関する数式1、2より、2点間のY軸方向の距離DL(図3参照)を用いて下記数式5を導くことができる。
【0053】
【数5】

【0054】
同様に、η1、η2に関する数式3、4より、2点間のZ軸方向の距離DT(図3参照)を用いて下記数式6を導くことができる。
【0055】
【数6】

【0056】
数式5において、DLは撮像器24の画像データから得ることができる。また、ΔLは位置決め時に予め実測により記憶されている。これらの値を数式5に代入することによって、反射光40の基準光路BPに対するY軸方向のずれ角θを求めることができる。
【0057】
さらに、θが求められ、DTは撮像器24の画像データから得ることができることから、数式6において反射光40の基準光路BPに対するZ軸方向のずれ角φも求めることができる。
【0058】
なお、ε及びηの単位として、撮像面30の原点からの距離ではなく、画素の行列番号が使用される場合がある。例えば、εが画素の行番号を示し、ηが列番号を示す場合がある。このような場合は、距離DLおよび距離DTの演算の際に、画素間距離Sを用いることが好適である。すなわち、DL=|ε1−ε2|×S及びDT=|η1−η2|×Sとの演算を実行することによって、DL及びDTの実際の距離を求めることが可能となる。
【0059】
さらに、測定対象物12表面上の反射点P2を移動させ、その移動ごとに距離DL及び距離DTを取得する場合は、これらの値を規格化する処理を行ってもよい。例えば、距離DLを用いて説明すると、測定対象物12表面上の異なるi点(iは1以上の整数)に光を照射させた場合、それぞれの反射点に対応するDL1、DL2、・・・DLiが得られる。さらに、DLの平均値DLave=(ΣDLi)/iを求める。次に、DL1、DL2、・・・DLiのそれぞれから平均値DLaveを引き、DL1n、・・・DLinを得る。このDLinを用いて角度θを求める。つまり、数式5から、θ=tan(DLin/2・ΔL)-1によりθを求める。
【0060】
数式1または数式2において、ε1、ε2は撮像器24の画像データから得ることができ、また、L1、L2、L3は上述した様に既知である。さらに数式5からθが求められることから、これらの値を数式1または数式2に代入することにより、分離面19における反射光40の基準光路BPに対するY軸方向の位置ずれ幅aを求めることができる。
【0061】
また、上述によりθに加えてφが求められたので、数式3または4に基づいて分離面19における反射光40の基準光路BPに対するZ軸方向の位置ずれ幅bを求めることができる。
【0062】
なお、上述の数式1−6においては、光源14からビームスプリッタ18までレンズを設けないことを前提にしている。これに対して光源14からビームスプリッタ18までの間にレンズを設けた場合における各パラメータの算出方法について以下に説明する。まず、レンズの焦点距離をfとすると、ε1、ε2、η1、η2、L1、L2、L3、θ、φの関係は以下の数式7のように表すことができる。
【0063】
【数7】

【0064】
ここで、i=1、2であり、また、δ及びκは本実施形態では数式7の行列式を成立させるためのダミーパラメータとして扱う。数式7から、下記数式8、9が得られる。
【0065】
【数8】

【0066】
【数9】

【0067】
さらに数式8、9から下記数式10−13を導くことができる。
【0068】
【数10】

【0069】
【数11】

【0070】
【数12】

【0071】
【数13】

【0072】
なお、数式10−13において、ΔL=2|L2−L1|である。数式8−13から、基準光路BPに対する反射光40のずれ幅a、b及びずれ角θ、φが求められる。
【0073】
数式1−6、または数式10−13により、基準光路BPに対する反射光40のずれ幅a、b及びずれ角θ、φが求められると、次に演算部28は測定対象物12表面上の反射点P2と基準点P1との位置ずれ幅と、基準点P1と反射点P2における、測定対象物12表面の角度差(角度変位)を算出する。ここで、求める位置ずれ幅は測定対象物12の表面からの高さ方向のずれΔd1及び幅方向のずれΔd2(図8参照)とし、また、角度差はXY平面における角度差γ1(図7参照)及びXZ平面における角度差γ2(図9参照)とする。
【0074】
Δd1、Δd2、γ1、γ2は種々の方法によって求められるが、以下にそのうちの一つの解法を示す。図7には基準点P1における測定対象物12の表面と、反射点P2における測定対象物12の表面とのXY平面上の角度差γ1の求め方が例示されている。反射点P2における入射角と反射角は等しいから、図7より両者はともにα−γ1となる。さらに、反射光40と基準光路BPとの仮想的な交点P3と、P2を起点として基準面50(基準点P1における測定対象物12の表面)と平行に引いた線分と基準光路BPとの交点P4を設け、三角形P2P3P4に着目すると、下記数式14により角度差γ1を求めることができる。
【0075】
【数14】

【0076】
さらに、基準点P1と反射点P2との位置ずれ幅Δd1及びΔd2を求める。図8において、基準点P1、反射点P2、及び上述した点P3からなる三角形P1P2P3と、点P3と、反射光40が分離面19に入射した入射点P5と、点P5から基準光路BPに下ろした垂線と基準光路BPとの交点P6からなる三角形P3P5P6に着目する。この二つの三角形は相似関係にあり、図8に示すそれぞれの辺の長さから下記数式15、16が成り立つ。
【0077】
【数15】

【0078】
【数16】

【0079】
数式15において、aは数式1、数式2、数式10により、θは数式5、数式12により求められている。また、光源14の入射角αは予め実測等により取得されている。したがって、これらの値を数式16に代入することによりΔd1及びΔd2を求めることができる。
【0080】
次に、基準点P1における測定対象物12の表面と、反射点P2における測定対象物12の表面との、XZ平面における角度差γ2を求める。図9において、反射点P2から基準面50に平行な線分を引くと、下記数式17により角度差γ2を求めることができる。
【0081】
【数17】

【0082】
以上の演算により、基準点P1と反射点P2との位置ずれ幅Δd1及びΔd2、及び、基準点P1における測定対象物12の表面と、反射点P2における測定対象物12の表面との角度差γ1及びγ2を求めることができる。
【0083】
図10に本実施形態に係る表面形状測定装置10による測定結果を示す。縦軸は第一の反射光42と第二の反射光44のピーク位置間隔であり、横軸はXY平面における基準光路BPと反射光40とのY軸方向のずれ角θである。またグラフ中の斜線は微少角領域における数式5の近似式DL=2・ΔL・θを示している。図10により、測定結果が理論式とよく一致していることが理解される。
【0084】
なお、θの値が比較的小さい領域において、DLの値にばらつきがある箇所が見られる。これは第一の反射光42と第二の反射光44とが撮像面30上で重なって干渉縞が発生することに起因している。すなわち、光源14からの光がコヒーレント光である場合、光路長の差により第一の反射光42と第二の反射光44とが重ね合わされると干渉縞が発生する。この干渉縞を図11に示す。図11においては第一の反射光42と第二の反射光44の殆どの部分(95%程度)を重複させている。図11に示すような干渉縞が生じることによってスポット光における強度分布が乱れ、正確な強度のピーク位置の算出が困難となる。そこで、以下に説明するように演算部28において画像データから干渉縞の成分を低減させる処理(干渉縞低減処理)を実施することが好適である。
【0085】
撮像器24からA/D変換器26を介して画像データが送られると、演算部28は当該画像データに対して2次元フーリエ変換を行う。図11にて示したように、干渉縞は水平方向に沿って発生しており、画像データのパワースペクトルは図12に示すように水平空間方向に沿って強度が分布するようになる。
【0086】
さらに演算部28はフーリエ変換後の画像データに対してガウシアンフィルタ処理を行う。ガウシアンフィルタのパワースペクトルを図13に例示する。ガウシアンフィルタはパワースペクトル上の強度を空間周波数別に重み付けするフィルタ関数であり、パワースペクトルの原点(波数0)において最大の重み付けを行い、その周辺に向かうにしたがってガウス分布に沿って重み付けが小さくなる。干渉縞の空間周波数成分は原点から離れた位置に分布するため、ガウシアンフィルタ処理を行うことにより干渉縞の空間周波数成分の振幅が低減する。なお、フーリエ変換後の画像データをF(u,v)とし、ガウシアンフィルタをH(u,v)とし、ガウシアンフィルタ処理後の画像データをG(u,v)で表わすと、3者の関係はG(u,v)=F(u,v)・H(u,v)となる。
【0087】
さらに演算部28はガウシアンフィルタ処理後の画像データをG(u,v)に対して2次元フーリエ逆変換を行う。逆変換後の画像データを図14に示す。図14に示されるように、干渉縞低減処理によって画像データから干渉縞がほぼ除去される。したがってスポット光のピーク位置を正確に算出することができる。
【0088】
図15の上段に図10、すなわち干渉縞低減処理を実施しなかった場合の表面形状測定結果を示し、下段に干渉縞低減処理を実施した場合の表面形状測定結果を示す。この図に示されているように、干渉縞低減処理を実施することにより、θの値が比較的小さい領域においても値のばらつきを小さくすることができる。なお、干渉縞を低減させる別の方法として、光源14にスーパールミネッセントダイオード等の低コヒーレンス光源を使用してもよい。
【0089】
また、第一の反射光42と第二の反射光44との干渉を防止するため、それぞれの光路上にシャッタを設けて、交互にシャッタを開閉するようにしてもよい。例えば図16に示すように、ビームスプリッタ18と第一のミラー20との間に第一のシャッタ60を設けるとともに、ビームスプリッタ18と第二のミラー22との間に第二のシャッタ62を設ける。第一のシャッタ60と第二のシャッタ62は交互に開閉され、したがって撮像面30には第一の反射光42と第二の反射光44が交互に入射する。このように、本実施形態においてはシャッタ60、62を設けることで第一の反射光42と第二の反射光44が同時に撮像面30に入射することを回避している。第一の反射光42と第二の反射光44との同時入射が避けられることから、第一の反射光42と第二の反射光44が撮像面30上で干渉することが防止される。干渉が防止されることから、第一の反射光42と第二の反射光44のビームスポットの中心点を容易に求めることができる。
【0090】
図17の上段にシャッタを設けない表面形状測定装置を用いた場合の表面形状測定結果を示し、下段にシャッタ60、62を設けた表面形状測定装置を用いた場合の表面形状測定結果を示す。この図の、特に干渉が起こりやすい0〜4mradの領域を参照すると、シャッタを設けた表面形状装置を用いることで、シャッタを設けない場合と比較して理論式により即した測定結果が得られることが理解される。
【0091】
また、干渉縞低減処理を行う代わりに、図18に示すような干渉縞低減手段を設けても良い。干渉縞低減手段は振動器を含んで構成され、第一のミラー20と第二のミラー22の少なくとも一方に設けられている。振動器は第一のミラー20または第二のミラー22を加振することの可能な機器であればよく、例えば振動モータ72から構成される。振動モータ72は例えばモータ本体74とモータ本体74の出力軸に固定された偏心ウェイト76を含んで構成される。偏心ウェイト76の重心はモータ本体74の中心軸からずれており、したがって当該中心軸周りに偏心ウェイト76を回転させると振動モータ72が振動する。この振動が第一のミラー20または第二のミラー22に伝達される。
【0092】
振動モータ72の振幅は光源14の中心波長に基づいて設定される。光の干渉強度は第一の反射光42と第二の反射光44の位相差に応じて変化する。光源14の中心波長をλ、任意の整数をk、第1の反射光42及び第二の反射光44の電場の振幅をEとする。光強度は電場の振幅の絶対値の二乗で与えられる。そのため、第1の反射光42及び第二の反射光44のそれぞれの光強度Iは|E|2である。図19に示すように、第一の反射光42と第二の反射光44の位相差がkλであるときは第一の反射光42と第二の反射光44の山と山、谷と谷の部分が重なり合い、干渉光の強度は最大値|2E|2=4Iとなる。さらに位相がずれて(位相差が増加して)(k+1/2)λになると図20に示すように第一の反射光42の山と谷がそれぞれ第二の反射光44の谷と山に重なって打ち消しあい、干渉光の強度は最小値0となる。さらに位相がずれて(k+1)λになると再び干渉光の強度は最大値4Iとなる。このように干渉光の強度は図21に示すように周期λで変化する。このとき、位相差が変化する所定期間に亘って干渉光の強度を積算することによって干渉縞を低減することができる。具体的には、少なくとも、位相差が強度最大値4Iを取るkλから最小値0をとる(k+1/2)λまで変化したときの干渉光の強度を積算する。この積算値は最大値と最小値の中間値、すなわち、第1の反射光42または第2の反射光44を単独で照射した場合の光強度2I付近の値となる。
【0093】
位相差を変化させながら第一の反射光42及び第二の反射光44の強度を積算するときの模式図を図22に例示する。第一の反射光42と第二の反射光44が重なる部分に干渉縞80ができる。このとき、第一の反射光42と第二の反射光44の位相差を変化させると、暗い部分は明るくなり、明るい部分は暗くなるというように干渉部分の各地点で光強度が変化する。この強度変化の周期は図21に示したようにλであり、また強度は最小値0から最大値4Iまで変化する。ここで、位相差の変動期間に亘って干渉光の強度を積算した場合、干渉部分の各地点において光強度の周期と強度の最大値及び最小値はほぼ同一となることから、干渉部分の各地点における光強度の積算値はほぼ均一な値となる。その結果、図22下段に示すように、積算値に基づいた画像データには干渉縞80が現れなくなる。このように、位相差の変化に基づく光の強度の積算値を求めることで干渉の影響を低減することが可能となる。
【0094】
第一の反射光42と第二の反射光44の位相差を変化させるために、本実施形態においては第一の反射光42と第二の反射光44の少なくともいずれか一方の光路長を変化させる。すなわち、図23に示すように、ビームスプリッタ18の分離面19から第一のミラー20を経由して撮像面30までに至る光路長をL10とし、分離面19から第二のミラー22を経由して撮像面30までに至る光路長をL20とすると、|L10−L20|の最大値から最小値までの値がλ/2以上となるように光路長の差を変化させる。例えば、第一のミラー20と第二のミラー22の少なくとも一方の、光路に沿った方向における振幅がΔλ/4となるようにする。具体的には、第一のミラー20に振動モータ72を設け、光源14として中心波長が632.8nmのHe−Neレーザ光源を使用した場合には、振動モータ72の振幅を158.2nm以上とする。振動モータ72の振幅はモータ本体74の回転軸と偏心ウェイト76の重心との距離を変更することによって調整することができる。具体的には偏心ウェイト76を回転軸中心に回動可能な2枚のウェイトから構成し、この2枚のウェイトの配置を調整することで重心の位置を調整することができる。
【0095】
ここで、振動モータ72が光路に沿った方向にのみ振動するのではなく、他方向、例えば第一のミラー20または第二のミラー22の反射面に平行な方向にも振動する場合がある。この場合、ミラーの振動によって撮像器24の撮像面30上に投影された第一の反射光42と第二の反射光44のビームスポットがぶれることになる。このぶれの振幅が過大になると、撮像面30上におけるビームスポットの中心位置を正確に測定することが困難となるおそれがある。そこで、振動モータ72の振幅は、ビームスポットの測定に影響を及ぼさない範囲に設定することが好適である。具体的には、撮像面30上のビームスポットの振幅を、ビームスポットの中心位置の測定に用いられる測定値の最小単位未満とすることが好適である。例えば演算部28において撮像面30の画像データを解析する最小単位が1μmであるときは、振動モータ72の振幅を1μm未満とする。このように、ビームスポットの振幅を測定系の最小単位未満とすることで、ミラーの振動に伴う測定誤差の発生を抑制することが可能となる。
【0096】
また、撮像器24の受光素子における露光時間(電荷蓄積期間)は振動モータ72の振動周期に応じて設定される。上述したように、第一の反射光42と第二の反射光44の位相差を少なくともkλから(k+1/2)λまで変化させたときの干渉光の強度を積算することによって光の干渉の影響を低減できる。このことから、受光素子の露光時間は位相差がkλから(k+1/2)λまで変動する期間以上とすればよい。つまり、受光素子の露光時間T0を光路長の差|L10−L20|の変化周期Tの半値T/2以上となるように設定する。具体的には受光素子の露光時間T0を振動モータ72の振動周期の半値以上となるようにする。なお、受光素子の露光時間が予め設定されている場合は、この露光時間に応じて振動モータ72の周期を調整してもよい。
【0097】
図24の上段に干渉縞低減手段70を設けない場合の表面形状測定結果を示し、下段に干渉縞低減手段70を設けた場合の表面形状測定結果を示す。この図において、下段の直線は理論値を示している。また、図25の上段に干渉縞低減手段70を設けない場合の測定結果の標準偏差を示し、下段に干渉縞低減手段70を設けた場合の測定結果の標準偏差を示す。これらの図に示されているように、干渉縞低減手段70を設けることにより干渉縞の影響が軽減され、θの値が比較的小さい領域においても理論値によく近似し、また値のばらつきも小さいことが理解される。
【0098】
なお、ステージ29の移動等によって測定対象物12表面上の反射点を移動させる場合、測定対象物12の表面の角度変化が急激であると、図26に示すように、反射光40がビームスプリッタ18から逸れてしまって撮像面30上に反射光のビームスポットが投影されないおそれがある。そこで、このような場合でも撮像面30が反射光を捉えることのできるように、光学系を移動させる移動手段を備えることが好適である。
【0099】
図27に、光学系の移動手段を備えた表面形状測定装置10を例示する。移動手段は、例えば、光学系ステージ90であってよい。光学系ステージ90には、ビームスプリッタ18、第一のミラー20、第二のミラー22、撮像器24が配置され、これらを移動可能としている。
【0100】
なお、ビームスプリッタ18、第一のミラー20、第二のミラー22、撮像器24のそれぞれの相対位置及び相対角度が変化すると、分離面19の中心点C1から第一のミラー20の中心点C2までの離間距離L1、分離面19の中心点C1から第二のミラー22の中心点C3までの離間距離L2、及び、分離面19の中心点C1から撮像面30の中心点C4までの離間距離L3が、移動前後で変化してしまう。その結果、これらの値を利用する数式1−6の計算結果が上記変化の影響を受けてしまい、表面形状測定の精度が低下してしまうおそれがある。
【0101】
そこで、光学系ステージ90は、ビームスプリッタ18、第一のミラー20、第二のミラー22、撮像器24のそれぞれの相対位置及び相対角度を維持したままこれらを移動可能であることが好適である。例えば、図示しない固定手段によってビームスプリッタ18、第一のミラー20、第二のミラー22、撮像器24のそれぞれを光学系ステージ90に固定してもよい。また、反射点P2とビームスプリッタ18との間に、光路を変更する(曲げる)ミラー92を設けている場合は、当該ミラー92も光学系ステージ90に固定してもよい。
【0102】
さらに、光学系ステージ90の移動後の基準光路BPが移動前の基準光路BPと非平行であると、移動前の反射点における角度θ及び角度φと、移動後の反射点における角度θ及び角度φとで0°の位置を示す基準軸が異なってしまう。その結果、移動前後で角度測定の精度が異なってしまい、正確な表面形状を測定することが困難となるおそれがある。そこで、光学系ステージ90の移動前後で基準光路BPを平行に保つように光学系ステージ90の移動方向を定めることが好適である。具体的には、基準光路BPのうち、ビームスプリッタ18に入射するとともに、分離面19によって分離される前の基準光路BP1に対して平行な方向または垂直な方向を、光学系ステージ90の移動方向とすることが好適である。
【0103】
また、光学系ステージ90を移動させる際に、撮像面30に投影された第一の反射光42及び第二の反射光44のビームスポットの位置を基準にして移動させてもよい。図28に示すように、第一の反射光42及び第二の反射光44の中点94を求める。さらに、現時点での撮像面30の中心(原点)96が中点94から離間している場合に、当該中心96が中点94に最も近づくように光学系ステージ90を移動させる。
【0104】
図28では、光学系ステージ90により、撮像面30は紙面上下方向のみに移動可能としている。また、中点94及び中心96は紙面上下方向及び左右方向にずれているものとする。この場合、中点94及び中心96の紙面上下方向の位置を揃えるように撮像面30を動かす。
【0105】
測定対象物を走査して、走査毎に反射点P21・・・P2iを求める場合、隣り合う反射点P2i-1及びP2iにおける測定対象物表面の角度変化は、基準点P1と反射点P2iにおける測定対象物の角度変化と比較して小さい場合が多い。したがって、反射点P2i-1に対応する2つのビームスポットの中点94を撮像面30の中心96に近づけておけば、次の反射点P2iにおいて、反射光が撮像面30から逸れる可能性は低くなる。
【0106】
また、上述したように、ビームスプリッタ18、第一のミラー20、第二のミラー22、撮像器24のそれぞれの相対位置及び相対角度を維持したままこれらを移動させるとともに、その移動方向を、基準光路BP1に平行な方向または垂直な方向に設定した場合、ビームスプリッタ18、第一のミラー20、第二のミラー22、撮像器24のそれぞれの距離L1〜L3、ならびに、角度θ及びφは移動前後で精度が維持される。さらに、撮像面30の中心96が光学系ステージ90の移動前後で変化するが、撮像面30の2点間の距離DL(図3における|ε1−ε2|)及びDT(|η1−η2|)は光学系ステージ90の移動前後で精度が維持される。したがって、距離DL、DT、距離L1〜L3、角度θ、φのみを用いる数式5、6は、光学系ステージ90の移動前後で精度が維持される。
【0107】
一方、撮像面30上の1点(例えば(ε1,η1))を用いる数式10〜13は、光学系ステージ90の移動前後で精度が異なってしまう。したがって、光学系ステージ90を用いる際には、これらの数式は使用しないことが好適である。そうなると、異なる反射点P2間の高さ方向のずれΔd1及び幅方向のずれΔd2を求めることが困難となる。このような場合、以下のような演算処理を行うことが好適である。
【0108】
演算部28は、測定対象物12を移動させるステージ29の位置xiにおける角度θi及びφiを算出する。ここで、ステージの位置xiは、測定対象物12表面上の反射点の移動方向成分の座標として扱ってよい。したがって、異なる反射点P2i-1と反射点P2i間の幅方向のずれΔd2は、Δd2=xi−xi-1より求めることができる。
【0109】
次に、異なる反射点P2間の高さ方向のずれΔd1について説明する。上述したように、角度θi及びφiは、基準光路BPに対する反射光の角度を表している。また、数式14及び図7に示すように、反射点xiにおける測定対象物12表面と基準面50との角度γ1iは、γ1i=θi/2によって求めることができる。同様にして、反射点xiにおける測定対象物12表面と基準面50との角度γ2iは、γ2i=φi/2によって求めることができる。
【0110】
以下の計算は角度θiとφiとで同様であるため、角度θiのみを例に挙げて説明する。基準面50の法線ベクトルと反射点xiにおける測定対象物12表面の法線ベクトルとのなす角は、γ1i(=θi/2)となる。このことから、反射点xiにおける測定対象物12表面の法線ベクトルの成分は(tan(θi/2),1)で表すことができる。
【0111】
さらに、反射点xiを通過するとともに、反射点xiにおける測定対象物12表面に平行な直線の関数を求める。図29に示すように、ステージ29の移動方向に直交する軸をy軸とすると、反射点の座標は(xi,yi)と表すことができる。反射点xiを通過するとともに、反射点xiにおける測定対象物12表面に平行な直線liは、座標(xi,yi)を通過し、さらに法線ベクトル(tan(θi/2))に直交する傾きを持つものと考えられることから、下記数式18が成り立つ。
【0112】
【数18】

【0113】
ここで、ni=tan(θi/2)である。さらに、演算部28は、隣り合う前記反射点から延びるそれぞれの直線が交わる条件を定めるとともに、この条件に基づいて、反射点のy座標を算出する。例えば、隣り合う反射点のx軸方向の中点において、それぞれの直線が交わるとの条件を定める。具体的には、反射点(xi-1,yi-1)と反射点(xi,yi)のx軸方向の中点は(xi-1+xi)/2と表すことができる。この中点において、反射点(xi,yi)から延びる直線liと、反射点(xi-1,yi-1)から延びる直線li-1が交わるものと仮定すると、以下の数式19が成り立つ。
【0114】
【数19】

【0115】
同様にして、反射点(xi,yi)と反射点(xi+1,yi+1)の中点((xi+xi+1)/2,(yi+yi+1)/2)について、以下の数式20が成り立つ。
【0116】
【数20】

【0117】
さらに、数式19と数式20を足し合わせることで、下記数式21を導くことができる。
【0118】
【数21】

【0119】
数式21の右辺はすべて既知であるため、すべてのiに対する連立方程式を解くことにより、反射点の高さyiを求めることができる。また、各反射点の高さyiを求めることができることから、異なる反射点間の高さ方向のずれΔd1も求めることができる。
【0120】
上記の演算方法を用いた、測定対象物12の表面形状の測定結果を図30に示す。図30の横軸は反射点のx座標(水平位置、ステージ29の移動方向)を表し、縦軸は反射点のy座標(高さ)を表している。測定対象物12として、曲率半径の異なる凹面ミラーを用いた。すなわち、曲率半径の公証値が2000mm、3000mm、5000mm、7000mm、10000mmの凹面ミラーの鏡面をそれぞれ測定した。
【0121】
図31に、測定値に基づく曲率半径と、公証値に基づく曲率半径との比較を示す。横軸は公証値に基づく曲率半径の値を示し、縦軸は測定値に基づく曲率半径の値を示している。また、グラフの直線は、横軸の値と縦軸の値とが一致する点を結んだものである。また、プロットは公証値に対する測定値の位置を示すものである。図31に示されているように、各プロットは直線近傍に位置しており、本測定方法では高い精度で表面形状を測定可能であることが理解される。
【符号の説明】
【0122】
10 表面形状測定装置、12 測定対象物、14 光源、16 受光部、18 ビームスプリッタ、19 分離面、20 第一のミラー、22 第二のミラー、24 撮像器、26 A/D変換器、28 演算部、29 ステージ、30 撮像面、32 透過光射出面、40 反射光、42 第一の反射光、44 第二の反射光、60 第一のシャッタ、62 第二のシャッタ、72 振動モータ、74 モータ本体、76 偏心ウェイト、90 光学系ステージ、92 ミラー、94 第一の反射光と第二の反射光の中点、96 撮像面の中心。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物表面に光を照射する光源と、
前記測定対象物表面上の反射点からの反射光を第一の反射光と第二の反射光に分離するビームスプリッタと、
前記第一の反射光を反射する第一のミラーと、
前記第二の反射光を反射する第二のミラーと、
前記第一のミラーにて反射した前記第一の反射光及び前記第二のミラーにて反射した前記第二の反射光を受光する撮像面を備えるとともに、前記ビームスプリッタから前記第一のミラーを経由して前記撮像面まで到る第一の光路長と前記ビームスプリッタから前記第二のミラーを経由して前記撮像面まで到る第二の光路長とが異なるように前記撮像面が配置された撮像器と、
前記撮像面における前記第一の反射光及び前記第二の反射光の受光位置に基づいて、前記反射点の相対的な位置変化と、前記反射点における前記測定対象物表面の相対的な角度変化との少なくとも一つを算出する演算部と、
を備えることを特徴とする、表面形状測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の表面形状測定装置であって、
前記演算部は、前記撮像器から送られた前記撮像面の画像データにおける前記第一の反射光と前記第二の反射光との干渉縞を低減する干渉縞低減処理を行うとともに、前記干渉縞低減処理後の前記画像データにおける前記第一及び第二の反射光の受光位置を求めることを特徴とする、表面形状測定装置。
【請求項3】
請求項2記載の表面形状測定装置であって、前記演算部は前記干渉縞低減処理として、前記撮像器から送られた前記画像データを2次元フーリエ変換し、2次元フーリエ変換された前記画像データに対してガウシアンフィルタ処理を行うことにより前記干渉縞の空間周波数成分の振幅を低減させ、前記ガウシアンフィルタ処理後の前記画像データを2次元フーリエ逆変換することを特徴とする、表面形状測定装置。
【請求項4】
請求項1記載の表面形状測定装置であって、前記第一の反射光と前記第二の反射光との干渉縞を低減する干渉縞低減手段を備えることを特徴とする、表面形状測定装置。
【請求項5】
請求項4記載の表面形状測定装置であって、前記干渉縞低減手段は、前記第一のミラーと前記第二のミラーの少なくともいずれか一方を振動させる振動器を備えることを特徴とする、表面形状測定装置。
【請求項6】
請求項5記載の表面形状測定装置であって、前記第一の光路長と前記第二の光路長との差の変動幅が前記光源の中心波長の1/2以上になるように前記振動器の振幅が設定されることを特徴とする、表面形状測定装置。
【請求項7】
請求項6記載の表面形状測定装置であって、前記撮像面に投影された前記第1の反射光及び前記第2の反射光の振幅が前記第一の反射光及び前記第二の反射光の前記撮像面上の受光位置の測定に用いられる測定値の最小単位未満となるように前記振動器の振幅が設定されることを特徴とする、表面形状測定装置。
【請求項8】
請求項7記載の表面形状測定装置であって、前記撮像器は受光素子を備えており、前記受光素子の露光時間は前記第一の光路長と前記第二の光路長との差の変動の半周期以上であることを特徴とする、表面形状測定装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の表面形状測定装置であって、前記光源から基準面に対して光を照射した際に、前記基準面から反射するとともに前記ビームスプリッタによって分離された前記第一の反射光と前記第二の反射光が前記撮像面上で一致するように、前記ビームスプリッタ、前記第一のミラー、前記第二のミラー、前記撮像器の配置が設定され、
前記配置が設定された際の前記基準面から前記撮像面に至る光路が基準光路として設定され、
前記ビームスプリッタ、前記第一のミラー、前記第二のミラー、前記撮像器の相対位置及び相対角度を維持したままこれらを移動可能であって、その移動方向が、前記基準光路のうち前記ビームスプリッタに入射するとともに前記ビームスプリッタに分離される前の基準光路に対して平行方向または垂直方向である、光学系ステージを備えることを特徴とする、表面形状測定装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の表面形状測定装置であって、
前記測定対象物表面上の前記反射点を移動させるサンプルステージを備え、
前記演算部は、
前記撮像面における前記第一の反射光及び前記第二の反射光の受光位置に基づいて、前記反射点を通過するとともに前記反射点における前記測定対象物表面に平行な直線を求め、
隣り合う前記反射点間の、前記反射点の移動方向における中点で、前記隣り合う反射点を通過するそれぞれの前記直線が交わるとの条件を用いて、それぞれの前記反射点の相対的な位置変化を算出することを特徴とする、表面形状測定装置。
【請求項11】
光源から測定対象物表面に光を照射し、
前記測定対象物表面上の反射点からの反射光をビームスプリッタにより第一の反射光と第二の反射光に分離し、
第一のミラーにより前記第一の反射光を反射し、
第二のミラーにより前記第二の反射光を反射し、
前記ビームスプリッタから前記第一のミラーを経由して撮像面まで到る光路長と、前記ビームスプリッタから前記第二のミラーを経由して前記撮像面まで到る光路長とが異なるように前記撮像面を配置するとともに、前記第一のミラーにて反射した前記第一の反射光及び前記第二のミラーにて反射した前記第二の反射光を前記撮像面により受光し、
前記撮像面における前記第一の反射光及び前記第二の反射光の受光位置に基づいて、前記反射点の相対的な位置変化と、前記反射点における前記測定対象物表面の相対的な角度変化との少なくとも一つを算出することを特徴とする、表面形状測定方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図15】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図33】
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【図2】
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【図3】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図18】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−225898(P2012−225898A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253486(P2011−253486)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】