説明

触媒の回収方法及びマイクロリアクタ

【課題】流動触媒を用いた反応後に連続的に触媒を回収可能な触媒の回収方法、及び、マイクロリアクタを提供すること。
【解決手段】触媒を含む反応液を微小流路内で送液する反応工程、該反応液に触媒分離液を合流させて、触媒粒子を成長させる成長工程、及び、成長した触媒粒子を回収する回収工程、を含むことを特徴とする触媒の回収方法。触媒及び前記触媒と反応する対象物を含む反応液を送液する第一の微小流路と、前記反応液と、触媒分離液とを送液する第二の微小流路と、前記第二の微小流路から、成長した触媒粒子を回収する回収流路とを有することを特徴とするマイクロリアクタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒の回収方法及びマイクロリアクタに関する。
【背景技術】
【0002】
化学反応においては、反応条件を穏和にしたり、反応率や選択率を向上させるなどの目的で反応触媒を用いることが広く行われている。また、反応触媒を反応終了後に回収することが行われている。
【0003】
特許文献1には、高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩及び一般式(C652P−R−O(CH2nCOOH(ここで、Pはp−フェニレン基であり、nは6〜18の整数である)で表されるカルボン酸又はそのアルカリ金属塩を吸着させたマグネタイト微粒子の有機溶媒サスペンションに、ハロゲン化ロジウム及びトリフェニルホスフィンを順次添加し、反応させることを特徴とする水添用触媒の製造方法が開示されており、上記の方法により得られた水添用触媒を、水添反応に用いた後、反応混合物に磁界を加えて触媒を分離する方法が開示されている。
また、特許文献2には、a)触媒金属コロイドを沈殿物としてフィルター上に濃縮し;b)それから沈殿物を含有するフィルターを焼却させて灰を形成し、該触媒金属コロイドの触媒金属を酸化し;c)及びその後、灰から該触媒金属を回収すること、を含む流動体から触媒金属を回収する方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−64744号公報
【特許文献2】特開2003−247028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、流動触媒を用いた反応後に連続的に触媒を回収可能な触媒の回収方法、及び、マイクロリアクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は、以下の<1>及び<7>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<6>、<8>〜<11>とともに以下に記載する。
<1> 触媒を含む反応液を微小流路内で送液する反応工程、該反応液に触媒分離液を合流させて、触媒粒子を成長させる成長工程、及び、成長した触媒粒子を回収する回収工程、を含むことを特徴とする触媒の回収方法、
<2> 前記触媒分離液の比重が、前記反応液の比重よりも大きい、上記<1>に記載の触媒の回収方法、
<3> 前記触媒が、二酸化チタン、酸化スズ、及び、それらの表面改質物、並びに、白金、ニッケル、パラジウム及びそれらの配位化合物よりなる群から選択される少なくとも1つを含む、上記<1>又は上記<2>に記載の触媒の回収方法、
<4> 前記触媒分離液がpH調整剤を含む、上記<1>〜上記<3>いずれか1つに記載の触媒の回収方法、
<5> 前記触媒分離液が界面活性剤又は凝集剤を含む、上記<1>〜上記<3>いずれか1つに記載の触媒の回収方法、
<6> 前記触媒分離液が反応液から触媒金属成分のみを析出する、上記<1>〜上記<5>いずれか1つに記載の触媒の回収方法、
<7> 触媒及び前記触媒の存在下に反応する対象物を含む反応液を送液する第一の微小流路と、前記反応液と、触媒分離液とを送液する第二の微小流路と、前記第二の微小流路から、成長した触媒粒子を回収する回収流路とを有することを特徴とするマイクロリアクタ、
<8> 触媒を含む第一液を送液する微小流路と、前記触媒の存在下に反応する対象物を含む第二液を送液する微小流路とを有する、上記<7>に記載のマイクロリアクタ、
<9> 触媒分離液を送液する微小流路を有する、上記<7>又は上記<8>に記載のマイクロリアクタ、
<10> 前記回収流路の流路幅が拡散方程式により決定された、上記<7>〜上記<9>いずれか1つに記載のマイクロリアクタ、
<11> 前記触媒分離液が、鉛直方向下方から反応液と合流する、上記<7>〜上記<10>いずれか1つに記載のマイクロリアクタ。
【発明の効果】
【0007】
上記<1>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、触媒粒子を連続的に回収することができる。
上記<2>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、容易に触媒粒子を回収することができる。
上記<3>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、触媒粒子の成長が容易であり、触媒粒子の回収率に優れる。
上記<4>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、容易に触媒を回収可能な粒子径へ成長させることができる。
上記<5>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、容易に触媒を回収可能な粒子径へ成長させることができる。
上記<6>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より効率的に触媒を回収することができる。
上記<7>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、連続的に触媒粒子を回収可能なマイクロリアクタを提供することができる。
上記<8>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より回収効率に優れたマイクロリアクタを提供することができる。
上記<9>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より回収効率に優れたマイクロリアクタを提供することができる。
上記<10>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より回収効率に優れたマイクロリアクタを提供することができる。
上記<11>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より回収効率に優れたマイクロリアクタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本実施形態の触媒の回収方法は、触媒を含む反応液を微小流路内で送液する反応工程、該反応液に触媒分離液を合流させて、触媒粒子を成長させる成長工程、及び、成長した触媒粒子を回収する回収工程、を含むことを特徴とする。
また、本実施形態のマイクロリアクタは、触媒及び前記触媒と反応する対象物を含む反応液を送液する第一の微小流路と、前記反応液と、触媒分離液とを送液する第二の微小流路と、前記第二の微小流路から、成長した触媒粒子を回収する回収流路とを有することを特徴とする。
【0009】
(触媒の回収方法)
本実施形態の触媒の回収方法は、(1)触媒を含む反応液を微小流路内で送液する反応工程、(2)該反応液に触媒分離液を合流させて、触媒粒子を成長させる成長工程、及び、(3)成長した触媒粒子を回収する回収工程、を含むことを特徴とする。
以下、それぞれの工程について説明する。
【0010】
(1)反応工程
反応工程では、触媒を含む反応液を微小流路内で送液する。反応液は微小流路内を送液されながら触媒の存在下に反応が進行する。なお、本実施形態において、予め触媒の存在下に反応を進行させ、反応が終了した反応液を送液してもよいが、微小流路内を送液しながら反応を進行させることが好ましい。微小流路内での反応はより均一に進行し、目的の反応を効率よく行うことができるので好ましい。
【0011】
<微小流路>
反応液を送液する微小流路としては、数〜数千μmの幅(円相当流路直径)の流路が好ましく用いられる。本実施形態の触媒の回収方法において、微小流路は、マイクロスケールであるので、寸法及び流速がいずれも小さく、レイノルズ数は2,300以下である。したがって、微小流路内においては、通常の流路のような乱流支配ではなく層流支配である。
ここで、レイノルズ数(Re)は、下記式で表されるものであり、2,300以下のとき層流支配となる。
Re=uL/ν (u:流速、L:代表長さ、ν:動粘性係数)
【0012】
本実施形態において、微小流路の等価直径(円相当流路直径)は、5mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましく、0.8mm以下であることがさらに好ましく、0.5mm以下であることが特に好ましい。また、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることがさらに好ましい。微小流路の等価直径が上記範囲内であると、流路詰まりを生じにくく、また、層流支配とすることができるので好ましい。
【0013】
<触媒>
触媒は、一般的に溶液に溶かして、あるいは分散させて使用する均一系触媒(homogeneous catalyst)と、固相のままで用いる不均一系触媒(heterogeneous catalyst)に大別される。
不均一系触媒とは、触媒が反応系と別個の相を形成しているものをいい、固体触媒による気相や液相の反応系が大半であり、固体触媒ともいわれる。均一系触媒と比して、生成物からの触媒の分離や再処理が容易である一方、触媒作用は固体表面に限定され、反応分子の吸着、表面反応及び反応生成物の脱着の諸過程が触媒の効果に大きな影響を与える。
一方、均一系触媒とは、反応物相と触媒相が均一な相で作用する触媒であり、気相における分解、酸化などの反応で作用するNO、Br2、I2などの気相均一系触媒、気相・液相で作用する、酸、塩基触媒の他、主として液相で作用する可溶性金属塩、金属錯体等の金属微粒子、酵素が例示できる。
本実施形態において、触媒は、均一系触媒であり、可溶性金属塩及び金属微粒子を含む金属触媒であることが好ましい。
【0014】
本実施形態において、触媒としては、二酸化チタン、酸化スズ、二酸化チタン、及び、それら(酸化チタン、酸化スズ、二酸化チタン)の表面改質物、白金、ニッケル、パラジウム、及び、それら(白金、ニッケル、パラジウム)の配位化合物が例示できる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、成長工程で触媒粒子に成長させる観点から、配位パラジウム触媒、酸化チタン触媒が好適である。
【0015】
パラジウム触媒とは、この分野でパラジウム触媒として用いられているものであれば全て含まれるが、Pd(0)、Pd(I)、Pd(II)由来のものが好ましく挙げられる。
Pd(0)由来のものとしてはPd(0)そのもの(配位子等を有さないもの)及び配位子が配位したPd(0)錯体が含まれ、Pd(I)由来のものには、例えば[ジクロロ−μ−ビスビス(ジメチルホスフィノ)メタン]二パラジウ(Pd2Cl2[(CH32PCH2P(CH322)、ジクロロ−μ−ビスビス[(ジフェニルホスフィノ)メタン]二パラジウム(Pd2Cl2[Ph2PCH2PPh22)等が挙げられ、Pd(II)由来のものとしては例えばPd(II)塩が好ましく挙げられ、これには、例えばPd(II)ハロゲン化物(塩化物、臭化物、ヨウ化物等)、Pd(II)カルボン酸塩(例えば酢酸塩及びプロピオン酸塩)等が含まれる。中でもPd(0)及びPd(II)塩が好ましく、Pd(0)がより好ましい。
【0016】
Pd(0)錯体の配位子としては、例えば1,5−シクロオクタジエン(COD)、ジベンジリデンアセトン(DBA)、ビピリジン(BPY)、フェナントロリン(PHE)、ベンゾニトリル(PhNC)、イソシアニド(RNC)、トリエチルアルシン(As(Et)3);ジメチルフェニルホスフィン(P(CH32Ph)、ジフェニルホスフィノフェロセン(dPPf)、トリメチルホスフィン(P(CH33)、トリエチルホスフィン(P(Et)3)、トリtert−ブチルホスフィン(P(tBu)3)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy3)、トリメトキシホスフィン(P(OCH33)、トリエトキシホスフィン(P(OEt)3)、トリtert−ブトキシホスフィン(P(OtBu)3)、トリフェニルホスフィン(PPh3)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(DPPE)、トリフェノキシホスフィン(P(OPh)3)等の有機ホスフィン配位子等が挙げられ、中でも有機ホスフィン配位子が好ましく、特にトリフェニルホスフィン、トリtert−ブチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィン等が好ましい。これらの中でもさらにトリフェニルホスフィンが好ましい。
パラジウム触媒が配位子を有するPd(0)である場合、その配位子の数は、調製の際に使用する直鎖型有機高分子化合物の種類や架橋反応条件等により異なるが、通常1〜4個であり、それら単体又は反応とかかわりのない微粒子(例えばSiO2やAl23、活性炭など)に担持させたものを使用してもよい。
【0017】
本実施形態に使用する酸化チタン触媒とは、この分野で酸化チタン触媒として用いられているものであれば全て含まれ、具体的には、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型の結晶構造を持つ二酸化チタンが用いられる。特に光触媒として汎用されているアナターゼ型の微粒子触媒が多くの反応に適している。酸化チタン触媒は単体で用いてもよいし、反応とかかわりのない微粒子(例えばSiO2やAl23、活性炭など)に担持させ、分散性を改善した触媒粒子を使用してもよい。
【0018】
金属微粒子を無機微粒子及び高分子微粒子の表面に担持させて触媒として機能させる場合において、その担持母粒子としては、SiO2、Al23、ZnO、TiO2、CaTiO3、活性炭、ポリスチレンなどが好ましく、特に水系溶媒を用いる時は、表面積が大きく、かつ、微小な粒子が得られる、多孔質SiO2が好ましい。
【0019】
<反応液>
本実施形態において、反応液は、触媒と、該触媒の存在下に反応する対象物とを少なくとも含むものであり、反応する対象物としては特に限定されない。
例えば、パラジウム触媒を使用する例としては、ハロゲン化アリール/アルケニルを末端オレフィンとクロスカップリングさせて、置換オレフィンを合成するMizoroki-Heck反応、有機ホウ素化合物と有機ハロゲン化合物とをクロスカップリングさせるSuzuki-Miyaura Cross Coupling反応、有機ハロゲン化物又は有機トリフラートと有機スズ化合物との間でクロスカップリングを行う、Migita-Kosugi-Stille Cross Coupling反応等が例示できる。
【0020】
また、酸化チタン触媒を使用する例としては、有機化合物の分解が例示できる。すなわち、酸化チタン及び有機化合物を含有する反応液を送液しつつ、光を照射することで有機化合物を分解する反応が例示できる。
その他、均一系触媒を使用する公知の反応から適宜選択することができ、特に限定されない。
【0021】
反応液中の触媒は、粒子形状であってもよいし、溶解していてもよく、特に限定されないが、体積平均粒子径が10μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。体積平均粒子径が10μm以下であると、一般的な流路サイズでは詰まりを生じにくく、また、比表面積が大きいことから、反応が速やかに進行するので好ましい。なお、体積平均粒子径が10μm以下である態様は、触媒が溶解している場合をも含むものである。
【0022】
また、触媒及び該触媒と反応する対象物の他に、溶媒を含有することが好ましく、微小流路内を送液する観点から、反応液の粘度が1〜200mPa・sであることが好ましく、1〜80mPa・sであることがより好ましい。上記の粘度となるように、使用する溶媒を適宜選択すればよい。
溶媒としては、特に限定されず水(イオン交換水、蒸留水)、MEK(メチルエチルケトン)、THF(テトラヒドロフラン)、酢酸エチル等、反応に用いられる公知の溶媒から適宜選択することができる。
また、必要とされる反応条件に従って、反応液のpH、温度等を適宜選択することが好ましい。
【0023】
反応液の送液速度は特に限定されず、微小流路の流路径、目的とする回収速度等に応じて適宜選択することができるが、0.001〜100ml/hであることが好ましく、0.01〜50ml/hであることがより好ましい。送液速度が上記範囲内であると、流路詰まりを生じにくく、また、処理速度に優れるので好ましい。
反応液の微小流路への送液はマイクロシリンジ、ロータリーポンプ、スクリューポンプ、遠心ポンプ、ピエゾポンプ等で圧入することが好ましい。
【0024】
反応液は、予め触媒含有液と前記触媒と反応する対象物の含有液を導入する2つの流路によって微小流路内に送液してもよいし、予め触媒と、該触媒と反応する対象物とを含む反応液を調製して、微小流路に送液することもでき、特に限定されない。
【0025】
(2)成長工程
成長工程は、該反応液に触媒分離液を合流させて、触媒粒子を成長させる工程である。
本実施形態において、成長工程は、触媒分離液を合流させることにより、反応液中の触媒を、該反応液中の触媒より大きい触媒粒子に成長させるものであれば、特に限定されない。
成長した触媒粒子の粒子径は、特に限定されないが、触媒の分離が可能な大きさであることが好ましく、体積平均粒子径が30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。また、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
成長した触媒粒子の体積平均粒子径が30μm以上であると、回収に適する粒径となり、触媒粒子の回収が容易であるので好ましい。また、触媒粒子の体積平均粒子径が流路の円相当直径の1/10以下であると、流路詰まりを生じにくいので好ましい。
【0026】
成長工程は、触媒分離液と反応液を層流状態で合流させることにより、触媒分離液と反応液の界面で触媒粒子の成長を促すものであってもよいし、触媒分離液と反応液を合流させた後、例えば、流路外から超音波振動を与える、流路を振動させる、流路内に邪魔板を設ける等して、触媒分離液と反応液を混合して送液するものであってもよく、特に限定されない。
なお、触媒分離液の送液は、上述の反応液の送流と同様に、マイクロシリンジ、ロータリーポンプ、スクリューポンプ、遠心ポンプ、ピエゾポンプ等で圧入することが好ましく、好ましい送液速度も同様である。
【0027】
<触媒分離液>
触媒分離液は、触媒を含む反応液が送液されている微小流路に合流させることにより、反応液中の触媒よりも大きな触媒粒子に成長させることができるものであれば、特に限定されず、使用する触媒及び反応系等により適宜選択することが好ましい。
具体的には触媒分離液がpH調整剤を含む態様、界面活性剤又は凝集剤のいずれか一方を含む態様が例示できる。
【0028】
触媒分離液は、反応液中の触媒粒子を、より大きな触媒粒子へと凝集させるものであってもよいし、反応液から触媒金属成分のみを十分回収可能な30μm以上のサイズで析出するもの、また、析出した粒子を30μm以上のサイズに凝集させるもの、等のいずれの手法であってもよい。
反応液から触媒金属成分のみを析出する場合、反応液中において、触媒は溶解状態であり、触媒金属成分を析出させることで触媒粒子へと成長させる。
【0029】
触媒として配位パラジウム触媒を使用する場合には、配位パラジウム触媒は水及び有機溶媒に溶解するが、失活した0価の金属パラジウムは、溶解しないことが知られている。そこで、配位パラジウム触媒を使用する場合には、反応が終了した反応液を失活させると、金属パラジウムが析出してくるので、回収することができる。
【0030】
また、一般に、等電点付近では、静電的な反発力が弱まるため、粒子が凝集する傾向にある。そこで、金属粒子触媒を使用した場合には、該金属粒子の等電点付近のpHに調整することによって、粒径を大きく成長させることができる。
触媒分離液がpH調整剤を含有する場合、該pH調整剤としては特に限定されず、無機酸、無機塩基、有機酸又は有機塩基のいずれも使用することができる。
【0031】
さらに、触媒分離液は、界面活性剤又は凝集剤を含有することもできる。
界面活性剤としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤;またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を例示することができ、凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム水溶液(PAC)、硫酸アルミ水溶液(硫酸バンド)、塩化第二鉄水溶液などが挙げられ、目的に応じて適宜選択することが好ましい。
【0032】
具体的には、ポリスチレン樹脂の分散液とポリ塩化アルミニウム水溶液の組合せ、又は、ポリエステル樹脂と硫酸アルミニウム水溶液の組合せが好ましく例示できる。
【0033】
また、前記触媒分離液の比重が、反応液の比重よりも大きいことも好ましい。この場合、反応液を微小流路内で上に送液し、触媒分離液を微小流路内で下に送液して層流を形成させることにより、安定した界面の形成が可能であるので好ましい。また、成長した触媒粒子の比重が触媒分離液よりも重い場合、触媒粒子の沈降反応を利用して、触媒粒子を回収できるので好ましい。
【0034】
(3)回収工程
本実施形態において、回収工程では、成長した触媒粒子を回収する。
前記回収の仕方は特に限定されず、濾過(フィルトレーション)により回収することもできるし、成長工程で送流されている触媒粒子の濃度、すなわち、成長工程における触媒粒子の濃度よりも濃縮された触媒粒子分散液として回収してもよい。
【0035】
回収工程では、触媒粒子の沈降又は浮上を利用して触媒粒子を濃縮して回収してもよく、例えば、特開2006−116520号公報に記載の方法が例示できる。また、流路を横断する方向に電解を生じさせて触媒粒子を回収してもよく、例えば特開2006−187770号公報に記載の方法が例示できる。また、微小流路に曲がり部を設け、遠心力を利用して粒子を回収する方法が例示でき、例えば、特開2004−33008号公報、Xu Ji et al, "A CENTRIFUGATION-ENHANCED HIGH-EFFICIENCY MICRO-FILTER WITH SPIRAL CHANNEL", IEEE TRANSDUCERS &EUROSENSORS 2007 (The 14th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems), pp.1865-1868に記載の方法が例示できる。
【0036】
本実施形態において、触媒分離液及び反応液を送液する微小流路の下流に、成長した触媒粒子を回収するための回収流路を設けることも好ましい。また、回収流路の流路幅を拡散方程式で決定することが好ましい。
拡散方程式の一般解は、以下の式で与えられる。
【0037】
【数1】

【0038】
水平方向に2種の溶液が層流される場合、濃度50%の位置が常に流路の中心となるように濃度最大の点が動くと考えられる。
拡散がゼロとなる位置で分岐して回収すれば、触媒分離液と反応液の界面で触媒粒子が凝集及び/又は析出する場合、理論上完全に凝集及び/又は析出した触媒粒子を回収することができる。
【0039】
図を参照して説明する。
図1左図は、回収流路の流路幅を拡散方程式で決定したマイクロリアクタの平面図である。反応液と触媒分離液を、それぞれ幅及び高さが1.0mmの矩形の流路に送流し、Y字流路で合流させ、長さ50mmの合流流路を層流状態で送液している。
図1右図は、合流からYmmの地点における相対濃度を示している。ここで、流路長が50mmであるので、Y=50mmの曲線に着目すれば、流路の幅中心から約0.15mmで相対濃度が0となっている。従って、図1左図において、触媒分離液と反応液との界面から0.15mmの点から左側を触媒回収液として回収すれば、界面において生じた触媒粒子を、ほぼ完全に回収することができる。
【0040】
(マイクロリアクタ)
本実施形態のマイクロリアクタは、触媒及び前記触媒の存在下に反応する対象物を含む反応液を送液する第一の微小流路と、前記反応液と、触媒分離液とを送液する第二の微小流路と、前記第二の微小流路から、成長した触媒粒子を回収する回収流路とを有することを特徴とする。
図2は、本実施態様のマイクロリアクタ1の一実施態様を示す概念模式図である。
触媒を含む第一液Aを微小流路2を介して送液し、また、該触媒の存在下に反応する対象物を含む第二液Bを微小流路3を介して送液する。A液及びB液を、例えば衝突型マイクロミキサ4で混合し、混合液である反応液Cを第一の微小流路5に送液する。第一の微小流路5の長さは、反応に必要とされる時間に応じて適宜決定することが好ましい。また、第一の微小流路5は、反応条件に応じて、加熱、撹拌(混合)等を行うこともでき、所望の反応条件に応じて、送液条件を適宜選択することが好ましい。なお、図2では、触媒としては触媒10が含有されている。
十分な反応を行った後、第一の微小流路5の反応液Cに対して、触媒分離液Dを送液する。触媒分離液Dは触媒分離液導入路6を介して、第二の微小流路7に送液される。
第二の微小流路7では、反応液C及び触媒分離液Dが層流下で送液されている。図2において、反応液と触媒分離液の界面において、触媒10の凝集が生じ、触媒10よりも大きな粒子径を有する触媒粒子11へ成長している。該触媒粒子11を回収流路8を介して回収し、反応液は、反応液回収流路9から回収する。これにより、反応液C中の触媒を回収することができる。
なお、図2では、触媒を含む第一液Aと、触媒と反応する対象物を含む第二液Bとを、それぞれ送液してミキシングしているが、本実施態様はこれに限定されるものではなく、予め第一液A及び第二液Bを混合してから反応液Cを第一の微小流路に送液してもよく、特に限定されない。また、触媒、反応液、触媒分離液としては、本実施態様の回収方法で記載したそれぞれを好適に使用することができる。
【実施例】
【0041】
以下、実施例に基づき本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は、断らない限り「重量部」の意味である。
【0042】
<実施例1>
実施例1では、Suzuki-Miyauchi Coupling反応を行った後、パラジウム触媒を析出させて回収した。
図3は実施例1で使用したマイクロリアクタの構成概念図である。
以下に示すA液、B液、C液及びD液は、60.0ml/hにて送液した。
A液:0.1mol/L ブロモベンゾニトリル含水THF(75%)溶液
B液:0.1mol/L 4−フェニルボロン酸含水THF(75%)溶液
C液:触媒(Pd/SiO2触媒、中心粒径:2.5μm)を10wt%で分散させた、0.1mol/L NaHCO3溶液
D液:0.2mol/L HNO3溶液
【0043】
A液(60.0ml/h)を微小流路30を介して、また、B液(60.0ml/h)は微小流路31を介して、IMM社製マイクロミキサ32に送液し、マイクロミキサ32にて混合し、その混合物を微小流路33(φ1.0mm、長さ0.5m、テフロン(登録商標)チューブ)に送液した。
次に、C液を微小流路35を介して中心衝突型マイクロリアクタ(Kinetic-energy Mixing Reactor)34に送液(60.0ml/min)し、A液及びB液の混合液と、C液とを混合した。上記A液〜C液の混合液(反応液)を第一の微小流路36(φ1.0mm、長さ3.0m、SUS管)に送液した。前記第一の微小流路36は、ヒーター37にて75℃で加熱保持し、Suzuki-Miyauchi Coupling反応を終了させた。
その後、温度が30℃以下となったところで、上記D液を微小流路38を介して送液(60.0ml/h)し、前記反応液と上下の層流場となるように、第二の微小流路39(φ1.0mm、長さ2.5m、テフロン(登録商標)チューブ)に送液した。なお、反応液を上層、D液を下層となるように送液した。
C液中に含まれていたPd/SiO2微粒子は、界面のpHが7.0〜9.3であるため、D液側で凝集し沈殿する。一方、反応生成物であるビフェニル化合物はTHF側(上層)に溶解したまま存在する。そこで、上層を微小流路41から分離回収し(120.0ml/h)、蒸留することにより、目的の生成物を得ることができる。一方、Pdを含有する水溶性液体は下層の回収流路40から回収することができた(120.0ml/h)。
ここで、下層に含まれるPd/SiO2粒子の平均粒子径は35μmであった。
【0044】
<実施例2>
実施例2では、パラジウム触媒をマイクロ流路内で合成し、その後該触媒を用いてSuzuki-Miyauchi Coupling反応を行い、さらに反応後に触媒の回収(分離)を行った。
図4は、実施例2で使用したマイクロリアクタ50の構成概念図である。
以下に示すA液〜F液を使用した。
A液:140℃の塩化パラジウム(II)+トリフェニルホスフィン+ジメチルスルホキシド(0.1:0.5:17(モル比))(送液速度 60.0ml/h)
B液:ヒドラジン水和物(滴下速度0.024mol/h)
C液:0.1mol/L ブルもベンゾニトリル含水THF(75%)溶液(送液速度:150ml/h)
D液:0.1mol/L 4−フェニルボロン酸含水THF(75%)溶液(送液速度:150ml/h)
E液:イオン交換水(送液速度:600ml/h)
F液:酢酸エチル溶液(送液速度:300ml/h)
【0045】
微小流路51内で140℃まで加熱したA液に微小流路52を介してB液を滴下し、微小流路53(φ1.0mm、長さ2m、テフロン(登録商標)チューブ)を送液することによって、Pd錯体を合成した。120℃まで徐冷し、発生したN2を気液の層分離でセトラー付きのY字分岐微小流路54より除去した。これにより、触媒であるPd(PPh34の合成が溶媒中に溶解した状態で完了した。
上記触媒を含む溶液を微小流路55(φ1.0mm長さ3mのテフロン(登録商標)チューブ)に送液し、75℃まで冷却した。
次に前記触媒を含む溶液に、微小流路56を介してC液を、微小流路57を介してD液を送液し、75℃の保持下で衝突型の混合を行い、混合液を微小流路59(φ1.0mm、長さ3m、テフロン(登録商標)チューブ)に送液した。これにより、溶媒中に溶解した状態でビフェニル化合物を得た。
【0046】
次に、E液を微小流路60を介して送液し、F液を微小流路61を介して送液し、層流場で前記ビフェニル化合物を含有する溶液(ビフェニル化合物含有溶液)と合流させ、微小流路62を送液した。微小流路62は、3重管型であり(中心φ0.5mm、長さ1m)、最外周にE液を、中心にF液を送液した。
E液とビフェニル化合物含有溶液が混和したため、E液に溶解しない触媒Pdとビフェニルの微粒子が析出した。F液はそれ以外の溶媒と混和しないため、重力の影響でF液中に前述のビフェニル化合物及びPd粒子が沈殿するが、ビフェニル化合物はF液に可溶なためにF液中に溶解し、その液を層流下で分離しフィルタリング(20μmメッシュナイロン)することでPdのみを除去することができた。
また、残った溶液の溶媒を揮発させ、目的のビフェニル化合物を得た。
【0047】
ここで、C液及びD液と混合する前に微小流路59から溶液を回収したところ、パラジウム錯体は完全に溶解した状態であった。一方、フィルタリングされた触媒は、平均粒子径42μmであった。
【0048】
なお、Pdをナノ粒子が錯体中に埋め込まれるように共重合させつつ、反応に適したサイズまでしか成長させなかったポリマーナノ粒子を触媒として使用し、反応後、再びポリマーを再重合させ、分級できる(又はフィルトレーションできる)サイズまで成長させた後、回収する方法でもよい。
【0049】
<実施例3>
実施例3では、本実施形態のマイクロリアクタを用いて、排水の浄化を行った。
図5は、本実施例で使用したマイクロリアクタ70の概念図である。また、図6は、実施例3で使用したマイクロリアクタの寸法図面(平面図)である。
凝集・合一法で作製したトナーの洗浄液には、不純物である金属イオンや、反応過程で残った残留有機物などが存在している。排水中に含まれる金属イオンは、イオン交換膜等で除去できるが、有機物は分解することが困難である。
本実施例では、水系に分散できるように、SiO2の表面にTiO2を担持させた微粒子(平均粒子径1.2μm)を触媒とし、微小流路内で廃液と混合し、TiO2の光触媒効果で有機物を分解した。
【0050】
なお、実施例3で使用したマイクロリアクタは、ガラス基板(厚さ2.5mm)に0.5mmの溝加工を行って流路を作製し、溝(微小流路)を作製した前記ガラス基板の上に、蓋としてガラス基板(厚さ1.0mm)を拡散接合し、作製した。
【0051】
以下のA液からC液を使用した。
A液:触媒分散液(pH 7.0、触媒:SiO2/TiO2コート、平均粒子径1.2μm、12vol%水分散液)
B液:トナー洗浄液
C液:次亜塩素酸水溶液(pH1.7)
なお、本実施例において、A液及びB液の合計流量は100ml/hとし、C液の流量は、100ml/hとした。
【0052】
触媒微粒子を含有するA液を微小流路71を介して送液し、トナー洗浄液であるB液を微小流路72を介して送液し、衝突型ミキサ73で混合し、混合流路74に送液した。混合流路74では光照射を行い、酸化チタンの光触媒反応を利用してB液中の有機物を分解した。
【0053】
十分に光触媒反応が進行した後、微小流路75を介して、C液を送液し、反応液及びC液を混合流路76に層流下に送液した。次亜塩素酸水溶液とA液及びB液の混合液との界面において、触媒粒子の凝集が生じた。凝集した触媒粒子は、回収流路77を介して回収し、反応液は微小流路78から排出した。
回収流路の幅は拡散方程式により決定し、凝集した(成長した)触媒粒子を回収した。
なお、TiO2微粒子のpH等電点は約6.0であり、pH6前後では粒子間の反発力がないため凝集し、それより離れていると(例えば、pH=2又はpH=12)、反発力が強くなり、分散する。一般的には、pH7前後で分散することが要求されるため、表面をSiO2被覆することで、等電点をpH2〜4に変化させている。
これらの現象は「DLVO理論」で解明され、その解説は「最新顔料分散技術」技術情報協会発行、67−74ページ、(1993)に詳しい。また、DLVO理論で解明されるポテンシャルカーブは、それぞれのpHで図7(a)、(b)のようになると予想される。
本実施例では、次亜塩素酸を用いてpHを2程度にシフトさせることにより、等電点付近のpHとし、触媒粒子を凝集させ、フィルタリング等が可能な大きさに成長させることができた。なお、濾過された触媒粒子の体積平均粒子径は、32μmであった。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】回収流路の流路幅を拡散方程式で決定したマイクロリアクタの平面図、及び、合流からYmmの地点における相対濃度を示すグラフである。
【図2】本実施態様のマイクロリアクタの一実施態様を示す概念模式図である。
【図3】実施例1で使用したマイクロリアクタの構成概念図である。
【図4】実施例2で使用したマイクロリアクタの構成概念図である。
【図5】実施例3で使用したマイクロリアクタの概念図である。
【図6】実施例3で使用したマイクロリアクタの寸法図面(平面図)である。
【図7】DLVO理論で解明されるポテンシャルカーブである。
【符号の説明】
【0055】
1 マイクロリアクタ
2、3 微小流路
4 衝突型マイクロミキサ
5 第一の微小流路
6 触媒分離液導入路
7 第二の微小流路
8 回収流路
9 反応液回収流路
10 触媒
11 触媒粒子
30、31、33、35、38、41 微小流路
32 マイクロミキサ
34 マイクロリアクタ
36 第一の微小流路
37 ヒーター
39 第二の微小流路
40 回収流路
50 マイクロリアクタ
51、52、53、54、55、56、57、59、60、61、62 微小流路
70 マイクロリアクタ
71、72、75、78 微小流路
73 衝突型ミキサ
74 混合流路
76 混合流路
77 回収流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒を含む反応液を微小流路内で送液する反応工程、
該反応液に触媒分離液を合流させて、触媒粒子を成長させる成長工程、及び、
成長した触媒粒子を回収する回収工程、を含むことを特徴とする
触媒の回収方法。
【請求項2】
前記触媒分離液の比重が、前記反応液の比重よりも大きい、請求項1に記載の触媒の回収方法。
【請求項3】
前記触媒が、二酸化チタン、酸化スズ、及び、それらの表面改質物、並びに、白金、ニッケル、パラジウム及びそれらの配位化合物よりなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の触媒の回収方法。
【請求項4】
前記触媒分離液がpH調整剤を含む、請求項1〜3いずれか1つに記載の触媒の回収方法。
【請求項5】
前記触媒分離液が界面活性剤又は凝集剤を含む、請求項1〜3いずれか1つに記載の触媒の回収方法。
【請求項6】
前記触媒分離液が反応液から触媒金属成分のみを析出する、請求項1〜5いずれか1つに記載の触媒の回収方法。
【請求項7】
触媒及び前記触媒の存在下に反応する対象物を含む反応液を送液する第一の微小流路と、
前記反応液と、触媒分離液とを送液する第二の微小流路と、
前記第二の微小流路から、成長した触媒粒子を回収する回収流路とを有することを特徴とする
マイクロリアクタ。
【請求項8】
触媒を含む第一液を送液する微小流路と、前記触媒の存在下に反応する対象物を含む第二液を送液する微小流路とを有する、請求項7に記載のマイクロリアクタ。
【請求項9】
触媒分離液を送液する微小流路を有する、請求項7又は8に記載のマイクロリアクタ。
【請求項10】
前記回収流路の流路幅が拡散方程式により決定された、請求項7〜9いずれか1つに記載のマイクロリアクタ。
【請求項11】
前記触媒分離液が、鉛直方向下方から反応液と合流する、請求項7〜10いずれか1つに記載のマイクロリアクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−75844(P2010−75844A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246977(P2008−246977)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】