説明

計測装置、検査装置及び計測方法

【課題】高速に搬送される計測対象の物体の3次元形状計測を高精度に行う。
【解決手段】プロジェクタ2は、Y軸方向に並ぶ明暗ピッチによりコード化されたスリットパターンがX軸方向に複数配列され、Y位置が同じビットデータを各スリットパターンから抽出してX軸方向に沿って並べたときのビット列の値がY軸方向に沿って線形に変化するように各スリットパターンがコード化されたスリットパターン像を、物体Mの搬送経路上に投影する。撮像装置3は、物体MがX軸方向に搬送されスリットパターン像を通過する様子を、プロジェクタ2とは異なる角度から撮像する。コード生成部6は、撮像された動画像に基づいて、物体M上における計測対象の位置が、各スリットパターンにそれぞれ到達したときの明暗をコード化する。高さ算出部7は、コード化されたコードに基づいて、計測対象の位置の高さを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の3次元計測を行う計測装置、検査装置及び計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を用いた3次元形状計測法の1つとして、コード化パターン光投影法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】J. L. Posdamer, M. D. Altschler, "Surface Measurement by Space-Encoded Projected Beam Systems", Computer Graphics and Image Processing vol.18, No1, pp.1-17, 1982.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この方法では、異なる時刻に複数のパターン光各々を投影する必要があるため、計測対象となる物体が高速で移動している場合には、正確な3次元形状の計測が困難になる。このため、この方法を、生産ライン上で高速搬送されるワークの3次元形状計測にそのまま適用するのは適切ではない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高速に搬送される計測対象の物体の3次元形状計測を高精度に行うことができる計測装置、検査装置及び計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る計測装置は、
物体の搬送方向に直交する直交方向に並ぶ明暗ピッチによりコード化されたスリットパターンが前記搬送方向に複数配列され、前記直交方向に関する位置が同じビットデータを前記各スリットパターンから抽出して所定の順番で並べたときのビット列の値が前記直交方向に沿って線形に変化するように、前記各スリットパターンがコード化されたスリットパターン像を、前記搬送方向に搬送される物体の搬送経路上に投影するプロジェクタと、
前記物体が前記搬送方向に搬送され前記スリットパターン像を通過する様子を、前記プロジェクタとは異なる角度から撮像する撮像装置と、
前記撮像装置により撮像された動画像に基づいて、前記物体上における計測対象の位置が、前記各スリットパターンにそれぞれ到達したときの明暗をコード化するコード生成部と、
前記コード生成部によってコード化されたコードに基づいて、前記計測対象の位置の高さを算出する高さ算出部と、
を備える。
【0007】
この場合、前記コード生成部は、
前記計測対象の位置が、前記各スリットパターンに到達する各時刻において撮像された画像から、その時刻で前記計測対象の位置が到達した前記スリットパターンに対応するライン画像をそれぞれ抽出し、
前記各時刻に対応して抽出されたライン画像を、それぞれ2値画像に変換し、
変換された2値画像のうち、前記計測対象の位置に対応するビット値を前記搬送方向に沿って並べることにより、前記計測対象の位置に対応するコードを生成する、
こととしてもよい。
【0008】
前記各スリットパターンは、
2進コード又はグレイコードのいずれかでコード化されている、
こととしてもよい。
【0009】
本発明の第2の観点に係る検査装置は、
本発明の計測装置を用いて、物体の異常を検査する。
【0010】
本発明の第3の観点に係る計測方法は、
物体の搬送方向に直交する直交方向に並ぶ明暗ピッチによりコード化されたスリットパターンが前記搬送方向に複数配列され、前記直交方向に関する位置が同じビットデータを前記各スリットパターンから抽出して所定の順番で並べたときのビット列の値が前記直交方向に沿って線形に変化するように、前記各スリットパターンがコード化されたスリットパターン像を、プロジェクタを用いて、前記搬送方向に搬送される物体の搬送経路上に投影する投影工程と、
前記搬送方向に搬送され前記スリットパターン像を前記物体が通過する様子を、前記プロジェクタとは異なる角度から撮像する撮像工程と、
前記撮像工程において撮像された動画像に基づいて、前記物体上における計測対象の位置が、前記各スリットパターンにそれぞれ到達したときの明暗をコード化するコード生成工程と、
前記コード生成工程においてコード化されたコードに基づいて、前記計測対象の位置の高さを算出する高さ算出工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、物体の搬送方向と交差する方向に明暗ピッチでコード化されたスリットパターンが、物体の搬送方向に複数配列されているので、物体を高速に搬送したままで物体上の同一位置が複数のスリットパターン各々に到達したときのその位置の明暗を順次撮像することができる。
【0012】
したがって、スリットパターン像の動画像を撮像すれば、その動画像に基づいて、物体上の同一位置に対応する各スリットパターンの明暗をコード化することが可能となり、コード化されたコードに基づいて、コード化パターン光投影法を用いて、物体上の各位置の高さを算出することができる。これにより、搬送方向に高速搬送される物体の3次元形状計測を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る計測装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】ワールド座標系と対象座標系との関係を説明するための図(その1)である。
【図3】ワールド座標系と対象座標系との関係を説明するための図(その2)である。
【図4】図4(A)乃至図4(C)は、図1の撮像装置によって撮像される動画像の一例を示す図である。
【図5】図1のコンピュータによって実行されるコード生成処理及び高さ算出処理のフローチャートである。
【図6】物体上のライン(Xm,Y)が位置xkに到達した様子を説明するための図である。
【図7】2値画像からコードへの変換を模式的に示す図である。
【図8】算出された高さに基づく物体の3次元形状の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る計測装置100の構成について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る計測装置100は、搬送装置1によって搬送される物体M(例えば回路基板)の3次元形状を計測する。計測装置100は、プロジェクタ2と、撮像装置3と、コンピュータ4と、を備える。
【0016】
以下では、絶対座標系としてのワールド座標系xyzを規定し、ワールド座標系xyzを用いて説明を行う。このワールド座標系xyzでは、搬送装置1による物体Mの搬送方向をx方向として、投影されたスリットパターン光による各スリットパターンの長手方向をy方向とし、高さ方向をz方向としている。
【0017】
搬送装置1は、物体Mをx軸方向(正確には+x方向)に搬送する。物体Mを搬送する速度は、v[m/s]である。
【0018】
プロジェクタ2は、コード化されたスリットパターン像をx軸方向に搬送される物体Mの搬送路上に投影する。このスリットパターン像は、物体の搬送方向(x軸方向)と交差するy軸方向に明暗ピッチによりコード化されたスリットパターンが、x軸方向に複数配列されたものである。
【0019】
図2には、スリットパターン像の上面図が示されている。図2に示すように、各スリットパターンは、等間隔でx軸方向に並んでいる。本実施形態では、k番目のスリットパターンの投影位置をx=xK(k=1、2、・・・、n)[m]とする。ただし、x0=0[m]とする。
【0020】
各スリットパターンでは、明るい部分を1とし、暗い部分を0としている。本実施形態では、各スリットパターンは、Jビットのコードでコード化されている。各スリットパターンは、y軸方向に関する位置が同じビットデータを各スリットパターンから抽出して所定の順番で(例えばx軸方向に沿って)並べたときのビット列の値がy軸方向に沿って線形に変化するように(順に大きくなるように)コード化されている。各スリットパターンのコードとして2進コードが採用されている。
【0021】
本実施形態では、スリットパターンの本数をn(nは2以上の整数)とする。これにより、最終的に物体M上の各位置に対応して生成されるコードのビット長はnとなる。
【0022】
また、本実施形態では、図2に示すように、計測対象である物体Mに従ってワールド座標系xyz上を動く相対座標系としての対象座標系XYZも規定されている。対象座標系では、物体Mの搬送方向をXとし、スリットパターンが延びる方向をY方向とし、高さ方向をZ方向としている。
【0023】
この対象座標系XYZを用いれば、物体M上の位置を(X、Y)として表現することができる。また、本実施形態では、X位置がXmである物体M上の位置を、ライン位置(Xm、Y)として表現する。物体MのXY平面は、このライン位置(Xm、Y)、すなわち(X1、Y)から(XM、Y)までのライン位置に分割される。
【0024】
この対象座標系XYZでは、原点が物体Mの基準位置に固定されている。ワールド座標系xyzと対象座標系XYZとは、物体Mの搬送方向(x軸方向)以外は常に一致している。
【0025】
図3に示すように、対象座標系xyzは、物体Mの動きに応じて、ワールド座標系xyz上を+x方向に速度vで移動する。ワールド座標系xyzの原点と対象座標系XYZの原点とが一致してからの時間をtとすると、以下の式が成り立つ。
【数1】

【0026】
図1に戻り、撮像装置3は、プロジェクタ2とは異なる位置に設置されている。撮像装置3は、物体Mが搬送方向(x軸方向)に搬送されスリットパターン像を通過する様子を撮像する。図4(A)乃至図4(C)には、撮像された動画像の一部が示されている。図4(A)乃至図4(C)に示すように、撮像装置2により、物体Mがスリットパターン像に差し掛かってから抜けるまでの動画像が撮像される。
【0027】
図1に戻り、コンピュータ4は、撮像装置3で撮像された動画像を解析して、物体Mの3次元形状を求める。本実施形態で求められる物体Mの3次元形状とは、物体M上の位置(Xm、Yj)(m=1、2、…、M;j=1、2、…、J)における高さの集合である。
【0028】
より具体的には、コンピュータ4は、記憶部5と、コード生成部6と、高さ算出部7と、を備える。
【0029】
記憶部5には、撮像装置3により撮像された動画像が記憶される。
【0030】
コード生成部6は、撮像装置3により撮像され、記憶部5に記憶された動画像に基づいて、物体M上における計測対象の位置(X、Y)が、各スリットパターンにそれぞれ到達したときの明暗をコード化する。
【0031】
高さ算出部7は、コード生成部6によって生成されたコードに基づいて、物体Mの計測対象の位置(X、Y)の高さを算出する。これにより、物体Mの3次元形状が明らかとなる。
【0032】
次に、本実施形態に係る計測装置100の動作について説明する。
【0033】
図5には、計測装置100を用いた計測方法、すなわちコンピュータ4によって実行されるコード生成処理及び高さ算出処理のフローチャートが示されている。コード生成処理及び高さ算出処理は、撮像装置2により、図4(A)乃至図4(C)に示すような動画像が撮像され、記憶部5に記憶されると開始される。
【0034】
まず、コード生成部6は、カウンタ値mを0に初期化する(ステップS1)。続いて、コード生成部6は、カウンタ値mを1インクリメントする(ステップS2)。
【0035】
続いて、コード生成部6は、時刻tk(k=1、2、…、n)を抽出する(ステップS3)。時刻tkとは、図6に示すように、スリットパターン光が投影されるx位置xkに、対象座標系におけるX位置Xmが到達する時点である。この時刻tkは、式(1)に基づいて、以下のように定められる。
【数2】

【0036】
時刻tkにおいて、X位置Xmに対応するライン画像Ik(tk,y)は、以下の式のように表される。これは、ライン画像Ik(tk,y)が、対象座標系XYZの関数I(X,Y)という形で表せるということを示している。
【数3】

【0037】
続いて、コード生成部6は、記憶部5に記憶された動画像から、ライン画像Ik(tk、y)を抽出する(ステップS4)。ライン画像Ik(tk、y)とは、k番目のスリットパターン光に対応したx位置xkのライン画像である。より具体的には、ライン画像I1(t1、y)、I2(t2、y)、…、In(tn、y)が抽出される。
【0038】
続いて、コード生成部6は、ライン画像Ik(tk,y)を2値画像Bk(Xm,Y)に変換する(ステップS5)。これにより、2値画像B1(Xm、Y)、B2(Xm、Y)、B3(Xm、Y)、…、Bn(Xm,Y)が得られる。各2値画像Bk(X,Y)(k=1、2、…、n)は、バッファリングされる。
【0039】
続いて、コード生成部6は、2値画像Bk(Xm、Y)(k=1、2、…、n)を、次式を用いて、ラインコードG(Xm、Yj)(j=1、2、…、J)に変換する(ステップS6)。
【数4】


図7には、2値画像Bk(Xm、Yj)(k=1、2、…、n)から、ラインコードG(Xm、Yj)が算出される様子が模式的に示されている。図7に示すように、行方向に延びる2値画像Bk(Xm、Yj)のビットデータを、列方向に抽出していくことにより、J個のラインコードG(Xm、Yj)が生成される。J個のラインコードG(Xm、Yj)はバッファリングされる。
【0040】
続いて、コード生成部6は、カウンタ値mがMに達したか否かを判定する(ステップS7)。ここでは、まだm=1であるので、判断は否定され(ステップS7;No)、ステップS2に戻る。
【0041】
以降、カウンタ値mがインクリメントされてMに到達するまで、ステップS2→S3→S4→S5→S6→S7が繰り返される。これにより、ライン位置X1、X2、X3、X4、…に、それぞれ対応するラインコードG(X1、Yj)、G(X2、Yj)、G(X3、Yj)、G(X4、Yj)、…が算出される。
【0042】
カウンタ値mがMになると(ステップS7;Yes)、コード生成部6は、これまでに生成されたラインコードG(Xm、Yj)(m=1、2、…、M)を順に並べて合成し、物体Mの2次元コードG(X、Y)を生成する(ステップS8)。
【0043】
続いて、高さ算出部7は、生成された物体Mの2次元コードG(X、Y)に基づいて、物体M上の位置(X、Y)の高さ位置を算出する(ステップS9)。2次元コードG(X、Y)は、撮像装置3から物体M上のXY面の位置(X、Y)が見える角度に対応している。高さ算出部7は、2次元コードG(X、Y)とこの角度の関係が登録されたテーブルを参照して、2次元コードG(X、Y)に対応する角度を求め、三角測量法を用いて、求められた角度に基づいて、位置(X、Y)における物体Mの高さを算出する(ステップS9)。これにより、物体Mの3次元形状が明らかとなる。
【0044】
図8には、このようにして求められたコンピュータマウスの3次元形状が示されている。
【0045】
求められた物体Mの3次元形状は、物体Mの異常の検査に用いることができる。例えば、物体Mとしての回路基板の導線が一部欠損している場合には、物体Mの3次元形状が、設計上の3次元形状とは異なるようになる。コンピュータ4は、計測された物体Mの3次元形状と、設計上の物体Mの3次元形状との違いを検出することにより、物体Mの欠陥を検出することができる。
【0046】
以上詳細に説明したように、本実施形態によれば、物体Mの搬送方向(x軸方向)と交差する方向に明暗ピッチでコード化されたスリットパターンが、x軸方向に複数配列されているので、物体Mを高速に搬送したままで物体M上の同一位置が複数のスリットパターン各々に到達したときのその位置の明暗を順次撮像することができる。
【0047】
したがって、スリットパターン像の動画像を撮像すれば、その動画像に基づいて、物体上の同一位置に対応する各スリットパターンの明暗をコード化することが可能となり、コード化されたコードに基づいて、コード化パターン光投影法を用いて、物体M上の各位置の高さを算出することができる。これにより、x軸方向に高速搬送される物体Mの3次元形状計測を高精度に行うことができる。
【0048】
なお、本実施形態では、スリットパターン像のコードとして、2進コードを採用したが、本発明はこれには限られず、グレイコードを採用するようにしてもよい。
【0049】
また、各スリットパターンは離間して配置されている必要はなく、連続して配置されるようにしてもよい。また、物体Mの搬送方向(x軸方向)の中央に明暗ピッチが長いスリットパターンを配置し、両側になればなるほど、明暗ピッチが短いスリットパターンを配置するようにしてもよい。
【0050】
スリットパターンのビット長や、本数は、求められる高さの検出精度等に応じて決定すればよい。
【0051】
なお、上記実施の形態において、実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述のスレッドを実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0052】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0053】
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0054】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、物体の3次元プロファイルを計測するのに好適であり、特に、搬送装置で高速に搬送される物体の3次元プロファイルの計測を行うのに好適である。
【符号の説明】
【0056】
1 搬送装置
2 プロジェクタ
3 撮像装置
4 コンピュータ
5 記憶部
6 コード生成部
7 高さ算出部
100 計測装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の搬送方向に直交する直交方向に並ぶ明暗ピッチによりコード化されたスリットパターンが前記搬送方向に複数配列され、前記直交方向に関する位置が同じビットデータを前記各スリットパターンから抽出して所定の順番で並べたときのビット列の値が前記直交方向に沿って線形に変化するように、前記各スリットパターンがコード化されたスリットパターン像を、前記搬送方向に搬送される物体の搬送経路上に投影するプロジェクタと、
前記物体が前記搬送方向に搬送され前記スリットパターン像を通過する様子を、前記プロジェクタとは異なる角度から撮像する撮像装置と、
前記撮像装置により撮像された動画像に基づいて、前記物体上における計測対象の位置が、前記各スリットパターンにそれぞれ到達したときの明暗をコード化するコード生成部と、
前記コード生成部によってコード化されたコードに基づいて、前記計測対象の位置の高さを算出する高さ算出部と、
を備える計測装置。
【請求項2】
前記コード生成部は、
前記計測対象の位置が、前記各スリットパターンに到達する各時刻において撮像された画像から、その時刻で前記計測対象の位置が到達した前記スリットパターンに対応するライン画像をそれぞれ抽出し、
前記各時刻に対応して抽出されたライン画像を、それぞれ2値画像に変換し、
変換された2値画像のうち、前記計測対象の位置に対応するビット値を前記搬送方向に沿って並べることにより、前記計測対象の位置に対応するコードを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記各スリットパターンは、
2進コード又はグレイコードのいずれかでコード化されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計測装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の計測装置を用いて、物体の異常を検査する検査装置。
【請求項5】
物体の搬送方向に直交する直交方向に並ぶ明暗ピッチによりコード化されたスリットパターンが前記搬送方向に複数配列され、前記直交方向に関する位置が同じビットデータを前記各スリットパターンから抽出して所定の順番で並べたときのビット列の値が前記直交方向に沿って線形に変化するように、前記各スリットパターンがコード化されたスリットパターン像を、プロジェクタを用いて、前記搬送方向に搬送される物体の搬送経路上に投影する投影工程と、
前記搬送方向に搬送され前記スリットパターン像を前記物体が通過する様子を、前記プロジェクタとは異なる角度から撮像する撮像工程と、
前記撮像工程において撮像された動画像に基づいて、前記物体上における計測対象の位置が、前記各スリットパターンにそれぞれ到達したときの明暗をコード化するコード生成工程と、
前記コード生成工程においてコード化されたコードに基づいて、前記計測対象の位置の高さを算出する高さ算出工程と、
を含む計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−208005(P2012−208005A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73679(P2011−73679)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【Fターム(参考)】