説明

課金及び/又は認証管理方法

【課題】携帯端末を用いてキオスク端末のサービスを利用する際の課金及び/又は携帯端末の認証を、管理サーバを用いて管理できるようにすること。
【解決手段】デジタルカメラ100に配置される所定の操作ボタンの操作に応答して、デジタルカメラ100が携帯電話機200に接続要求を送信し(ステップS14)、携帯電話機200が該接続要求の受信に応答して管理サーバ300に対して接続要求を送信し(ステップS16)、管理サーバ300が、該接続要求の受信に応答して、課金の可否判断及び/又は上記携帯電話機200の認証処理の可否判断を行い、課金を行うと判断した場合及び/又は携帯電話機200の認証処理を行うと判断した場合には、キオスク端末400に接続要求を行い(ステップS24)、該記キオスク端末が該接続要求の受信に応答してデジタルカメラ100との間で通信接続を確立する(ステップS26〜S40)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の情報端末と、携帯電話機等の携帯端末と、上記携帯端末の利用に対する課金及び/又は上記携帯端末の認証を管理する管理サーバと、サービスを提供するキオスク端末と、を有する課金及び/又は認証システムにおける課金及び/又は認証管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラで撮影した画像は、有線又は無線通信によりパーソナルコンピュータ(以下、PCと略記する)に送信し、そのPCで加工されたりデータベースに蓄積されて、検索/利用されることが行われている。
【0003】
一方、近年、デジタルカメラで撮影した画像の出力機器として、写真プリントサービスなどの情報通信端末(キオスク端末)が利用されるようになってきた。このキオスク端末を利用することで、外出先であっても撮影画像を写真としてプリント出力できる。また、該キオスク端末より管理サーバに撮影画像を送信して、そこに保管したり、撮影画像をプリントアウトして自宅に郵送や宅配することも可能となっている。
【0004】
また、デジタルカメラで撮影した画像を携帯電話機に無線LAN等により送信し、該携帯電話機から電子メールの添付ファイルとしてメールサーバに送信する技術が特許文献1に提案されている。この技術により、撮影画像をキオスク端末を介することなく管理サーバに送信して、保管或いはプリントアウトするという利用法も考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−191077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているような手法では、画像という大容量のデータを送信するため、その送信容量がかさむこととなる。携帯電話機等の携帯端末のインターネット使用料金は、PC等での通常のインターネット接続料金に加えて割高であるばかりか、一般に、送受信されるデータ量で課金されるので、多数の画像を送信するには適していない。
【0007】
一方、キオスク端末を利用すれば、枚数単位の料金となるため、画像データのサイズにはそれほど影響されず、安価に画像データを送信することができる。しかしながら、キオスク端末では、その都度料金を支払わなければならず、ユーザにとっては面倒であるという問題がある。また、例えば月単位といった所定期間分の利用料金を一括して支払えるようにするためには、何らかの利用者の認証処理が必要となり、その認証処理にも面倒な操作が必要となる。
【0008】
携帯電話機では、その端末番号により一意にユーザを特定できるため、管理サーバで携帯電話機によるサービス利用に対する課金を管理したり及び/又は携帯電話機の認証を管理したりすることが行われている。
【0009】
しかし、この携帯電話機の端末番号によるユーザ特定機能を用いた課金及び/又は認証手法をキオスク端末の提供するサービスで利用できるようにする提案は未だなされていない。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、携帯電話機等の携帯端末を用いてキオスク端末のサービスを利用する際の課金及び/又は携帯端末の認証を、管理サーバを用いて管理することが可能な課金及び/又は認証管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課金及び/又は認証管理方法の一態様は、
情報端末と、携帯端末と、上記携帯端末の利用に対する課金及び/又は上記携帯端末の認証を管理する管理サーバと、サービスを提供するキオスク端末と、を有する課金及び/又は認証システムにおいて、上記情報端末を用いて上記キオスク端末のサービスを利用する際の課金及び/又は携帯端末の認証を、上記管理サーバを用いて管理する課金及び/又は認証管理方法であって、
上記情報端末に配置される所定の操作部の操作に応答して、上記情報端末が上記携帯端末に第1の接続要求を送信する第1の接続要求送信ステップと、
上記携帯端末が、上記第1の接続要求の受信に応答して、上記管理サーバに対して第2の接続要求を送信する第2の接続要求送信ステップと、
上記管理サーバが、上記第2の接続要求の受信に応答して、課金の可否判断及び/又は上記携帯端末の認証処理の可否判断を行う判断ステップと、
上記管理サーバが、上記判断ステップにおいて、課金を行うと判断した場合及び/又は携帯端末の認証処理を行うと判断した場合には、上記キオスク端末に第3の接続要求を行う第3の接続要求送信ステップと、
上記キオスク端末が、上記第3の接続要求の受信に応答して、上記情報端末との間で通信接続を確立する第1の接続確立ステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯端末を用いてキオスク端末のサービスを利用する際の課金及び/又は携帯端末の認証を、管理サーバを用いて管理することが可能な課金及び/又は認証管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1(A)は、本発明の一実施形態に係る課金及び/又は認証管理方法が適用された課金及び/又は認証システムの構成を示す図であり、図1(B)は、該課金及び/又は認証システムのより詳細な構成を示す図である。
【図2】図2は、課金及び/又は認証システムにおける情報端末としてのデジタルカメラと、携帯端末としての携帯電話機と、管理サーバと、キオスク端末と、アクセスポイントとの間の通信プロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0015】
本発明の一実施形態に係る課金及び/又は認証管理方法が適用された課金及び/又は認証システムは、図1(A)に示すように、情報端末としてのデジタルカメラ100と、携帯端末としての携帯電話機200と、上記携帯電話機200の利用に対する課金及び/又は上記携帯電話機の認証を管理する管理サーバ300と、サービスを提供するキオスク端末400と、から構成される。また、無線通信機能を持たないキオスク端末400でもデジタルカメラ100と無線通信可能とするためのアクセスポイント500を含む。
【0016】
デジタルカメラ100は、無線通信機能を持ち、写真画像を記録する記憶媒体が内蔵されている。携帯電話機200は、無線通信機能とインターネット接続機能を備え、デジタルカメラ100の接続要求を検出して、管理サーバ300に接続要求を行うためのアプリケーションがインストールされている。キオスク端末400は、アクセスポイント500を介して上記デジタルカメラ100と無線により接続する通信機能と、上記デジタルカメラ100の記憶媒体に記録された写真画像を表示して、ネットワーク経由で他の管理サーバ300に各種情報を問い合わせる機能とを備えた機器である。このキオスク端末400は、各地の店舗等に設置されるものであるが、図1(A)では、図面の簡略化のために代表して一つのみを示している。管理サーバ300は、携帯電話機200の端末番号を利用してユーザを特定して課金管理及び/又は認証管理を行う機能や、コンテンツ管理、写真画像の一時保管管理、写真の印刷などの機能を備え、上記ネットワークを介してキオスク端末400によって制御される機器である。
【0017】
上記デジタルカメラ100は、具体的には、図1(B)に示すように、カメラ機能部110、情報端末部120、アンテナ130、記憶媒体140、デジタル/アナログ変換機150、スピーカ160、及びLANコネクタ170から構成されている。
【0018】
カメラ機能部110は、撮影レンズや撮像素子等を含む撮像モジュール111と、該撮像モジュール111で得られた画像信号に対してガンマ補正やホワイトバランス等の信号処理を施したり、圧縮処理等を行う画像エンジンLSI112と、を含む。
【0019】
情報端末部120は、CPUやメモリから構成されるサービス(アプリケーション)実行部121と、該サービス実行部121に接続された操作部122、LED123、IrDA124、無線LANモジュール125、及び表示機LCD126とからなる。
【0020】
ここで、サービス実行部121は、一つ以上のサービス(アプリケーション)を実行すると共に、情報端末部120の各種機能を制御するものである。なお、このサービス実行部121は、CPU内、あるいは外部不揮発性メモリ等に格納されている情報処理プログラムをCPUで順次処理していくことで、情報端末部120が有する各種機能を実現するように構成されている。操作部122は、シャッタ釦や十字釦等のユーザが操作する部材である。LED123は、ユーザに当該デジタルカメラ100の状態を告知するための発光部である。IrDA124は、赤外線により外部に情報を発信するための赤外光の発光部である。無線LANモジュール125は、アンテナ130を使用してキオスク端末400と無線通信を行うものである。表示機LCD126は、上記カメラ機能部110で撮像した写真画像を表示したり、操作部122の操作に応じてメニューや各種情報を表示するものである。
【0021】
記憶媒体140は、上記カメラ機能部110で撮像した写真画像を保存するためのメモリカード等であり、該デジタルカメラ100に内蔵して取り外しができないものであっても良いし、該デジタルカメラ100に対して着脱自在なものであっても構わない。
【0022】
デジタル/アナログ変換機150は、サービス実行部121で発生した、ユーザに当該デジタルカメラ100の状態を告知するためのメッセージをアナログの音声信号に変換して、スピーカ160によって発声するためのものである。
【0023】
そして、LANコネクタ170は、ケーブルによりインターネット等のネットワークに有線接続するためのものである。
【0024】
また、キオスク端末400は、具体的には、図1(B)に示すように、情報端末部410、プリンタ420、及びLANコネクタ430から構成されている。
【0025】
情報端末部410は、CPUやメモリから構成されるサービス(アプリケーション)実行部411と、該サービス実行部411に接続された操作部412、LED413、IrDA受信部414、及び表示機LCD415とからなる。
【0026】
ここで、サービス実行部121は、一つ以上のサービス(アプリケーション)を実行すると共に、情報端末部410の各種機能を制御するものである。なお、このサービス実行部411は、CPU内、あるいは外部不揮発性メモリ等に格納されている情報処理プログラムをCPUで順次処理していくことで、情報端末部410が有する各種機能を実現するように構成されている。操作部412は、各種釦等のユーザが操作する部材である。LED413は、ユーザに当該キオスク端末400の状態を告知するための発光部である。IrDA受信部414は、赤外線により外部からの情報を受信するための赤外光の受光部である。表示機LCD415は、上記デジタルカメラ100から受信した写真画像を表示したり、操作部412の操作に応じてメニューや各種情報を表示するものである。なお、上記操作部412は、この表示機LCD415の画面上にタッチキーとして構成することで、釦部材の個数を増やすことなく、多数の釦を設けたのと同様の効果が得られる。
【0027】
プリンタ420は、上記デジタルカメラ100から受信した写真画像を印刷するためのものである。場合によっては、このプリンタ420を備えないキオスク端末400も構成できる。
【0028】
そして、LANコネクタ430は、ケーブルによりインターネット等のネットワーク600に有線接続するためのものであり、ネットワークを介して管理サーバ300と通信可能となっている。
【0029】
また、アクセスポイント500は、具体的には、図1(B)に示すように、無線LANモジュール510とアンテナ520とから構成されている。
【0030】
無線LANモジュール510は、キオスク端末400と有線接続され、アンテナ520を使用してデジタルカメラ100とキオスク端末400との間の無線通信を行うものである。
【0031】
次に、このような構成の課金及び/又は認証システムの動作を説明する。
デジタルカメラ100とキオスク端末400とで無線LANを経由して通信を開始するにあたり、通信の初期設定を確立するのに必要な設定をデジタルカメラ100及び/又はアクセスポイント500側にしておく。これにより、デジタルカメラ100からのアクセスポイント500を介したキオスク端末400との通信を起動することが可能になり、通信開始のキオスク端末400側の処理量を低減することができる。
【0032】
従来、デジタルカメラ100とキオスク端末400とをUSB(Universal Serial Bus)ケーブルで接続し、ネットワークの設定情報を交換して初期設定を簡単に登録し、その後、デジタルカメラ100の電源を起動させ、通信をするといったことが行われている。
【0033】
この初期設定を無線で行う場合、WPS(Wi−Fi Protected Setup)と称される、無線LAN機器の接続とセキュリティの設定を利用する。このWPSは、無線LAN関連の業界団体「Wi−Fiアライアンス」が仕様を固め、2007年1月から対応機器の認定を行っているものである。
【0034】
WPSは、クライアント(子機)としてデジタルカメラ100を無線LANに登録するしくみを提供する。デジタルカメラ100のクライアントの登録などを担う機器をレジストラと呼ぶ。このWPSで用意されている仕組みは、プッシュボタン方式と、PIN(personal identification number)コード方式と、の2通りがある。
【0035】
プッシュボタン方式では、アクセスポイント500とクライアントのそれぞれに搭載した専用ボタンを押せば、ESSID(extended service set identifier)識別子とWPA2(Wi−Fi Protected Access 2)暗号化方式のセキュリティ設定が自動的に完了する。この場合は、アクセスポイントがレジストラの役割を果たす。このプッシュボタン方式は、クライアントがゲーム機やプリンタのようにキーボードを装備しない機器に向く方式である。
【0036】
一方、PINコード方式では、クライアントに予め割り振られた4桁あるいは8桁の数字を、すでにネットワークに参加している機器からレジストラに登録する。この場合、ESSIDとWPA2の設定が施された状態でクライアントとアクセスポイント500の接続が成立する。
【0037】
ここで、IEEE802.11の通信プロトコルについて説明を行うと、無線LANにおけるネットワーク識別子の一つとしてESSIDを利用している。ESSIDは所謂ネットワーク名としての役割を果たす。
【0038】
インフラストラクチャモードのネットワーク構成の場合、基本となる一つのアクセスポイントと、その配下の複数の無線LAN端末で構成されるネットワークをBSS(Basic Service Set)と呼ぶが、その際に使用する識別子をBSSIDと呼ぶ。また、複数のBSSで構成されるネットワークのことをESSと呼び、その際に使用される識別子をESSIDと呼ぶ(本明細書では、特に記述がない場合、SSIDはこのESSIDを指しているものとする)。SSIDの設定は、意図しないネットワークに繋がらないようにするため、又は繋ぐ端末あるいは機器を識別するためのものである。つまり、アクセスポイントと無線LAN端末は同じSSIDを設定しないと接続が不可能になる。この機能を使ってある程度使用者を制限することができるが、アクセスポイントはビーコンと呼ばれるパケットデータを周期的に配信している。このビーコンパケットの中には、無線LAN端末が接続に必要なアクセスポイントのSSID名が含まれているので、この電波が届く範囲の無線LAN端末にアクセスポイントの存在を知らせている。また、SSID名を知ることができるので、このビーコンのSSIDで接続先を設定し、下記の手順で自動的に接続を行う。
【0039】
ビーコンのデータ構成は、データ部(要素ID、送信するコマンドの長さ、ID、フォーマットタイプなどの情報が含まれる)と、アプリケーション部(デバイスタイプ、UUID、サービス参照URL、デバイス名、IPアドレスが含まれる)と、からなる。
【0040】
本実施形態では、PINコード方式を採用し、アクセスポイント500が、デバイス(デジタルカメラ)検出用の情報として上記PINコードをSSIDとして上記アプリケーション部に含めたビーコンを、無線LANモジュール510によりアンテナ520より発信するものとする。
【0041】
図2は、本課金及び/又は認証システムにおけるデジタルカメラ100と、携帯電話機200と、管理サーバ300と、キオスク端末400と、アクセスポイント500との間の通信プロセスを示す図である。なおここでは、PINコード方式の場合を例に説明する。
【0042】
まず、携帯電話機200において、デジタルカメラ100の接続要求を検出して、管理サーバ300に接続要求を行うためのアプリケーションを起動しておく(ステップS10)。
【0043】
そして、デジタルカメラ100に配置される所定の操作ボタンの操作に応答して(ステップS12)、デジタルカメラ100は、無線LANモジュール125により、携帯電話機200を探して、携帯電話機200に無線LANで接続要求を送信する(ステップS14)。なお、無線LANではなく、IrDA124を用いた赤外線通信や、Bluetooth(登録商標)等の無線通信やFelica(登録商標)等の電磁誘導通信で接続要求を行っても良いことは勿論である。
【0044】
携帯電話機200は、上記アプリケーションの起動後、図2に破線で示す時点、すなわち、携帯電話機200が管理サーバ300に対して接続要求を送信するよりも前に、管理サーバ300のURLを取得しておく。これは、キオスク端末400又はアクセスポイント500からFelicaで取得したり、所定操作でキオスク端末400の表示機LCD126に表示した管理サーバ300のURLを2次元コード化したQRコードを読み取って取得したりすることで行う。そして、携帯電話機200は、上記デジタルカメラ100からの接続要求の受信に応答して、インターネット等のネットワーク600を介して、管理サーバ300に対して接続要求を送信する(ステップS16)。
【0045】
管理サーバ300は、上記携帯電話機200からの接続要求の受信に応答して、課金の可否判断及び/又は上記携帯電話機200の認証処理の可否判断を行う(ステップSS18)。このとき、デジタルカメラ100を特定するためのPINコードを携帯電話機200のダイヤル数値ボタンを使用して入力して、携帯電話機200から管理サーバ300に送信し、管理サーバ300では、例えば、携帯電話機200の端末番号をID、PINコードをパスワードとして、キオスク端末400が提供する有料サービスへの会員登録状況を判定して課金の可否判断を行ったり、携帯電話機200の認証処理の可否判断を行う。
【0046】
そして、この課金の可否判断及び/又は上記携帯電話機200の認証処理の可否判断の判断結果を、管理サーバ300より、携帯電話機200に送信し(ステップS20)、携帯電話機200は、その判断結果の受信に応答して、その判断結果の表示、例えば「課金OK」等の表示を行う(ステップS22)。なお、この判断結果の送信/受信及び表示は省略しても構わない。
【0047】
可否判断及び/又は上記携帯電話機200の認証処理の可否判断において、課金を行うと判断した場合及び/又は携帯電話機200の認証処理を行う(即ち、認証OK)と判断した場合には、管理サーバ300は、ネットワーク600を介して、キオスク端末400に接続要求を行う(ステップS24)。このとき、上記携帯電話機200から受信したPINコードもキオスク端末400に送信する。
【0048】
キオスク端末400のサービス実行部411は、LANコネクタ430によって上記接続要求を受信すると、それに応答して、アクセスポイント500との間で通信接続の確立を行う(ステップS26)。このとき、上記管理サーバ300から受信したPINコードもアクセスポイント500に送信する。
【0049】
そして、キオスク端末400とアクセスポイント500との間で通信が確立したならば、アクセスポイント500は、デジタルカメラ100との自動接続モードに移行し(ステップS28)、アクセスポイント500とデジタルカメラ100との間で無線接続の確立を行う。
【0050】
なお、ここでは、アクセスポイント500を使用する例を説明するが、キオスク端末400が無線通信機能を備える場合には、アクセスポイント500を介することなく、上記キオスク端末400が、上記管理サーバ300からの接続要求の受信に応答して、デジタルカメラ100との間で通信接続を確立するようにしても良いことは勿論である。
【0051】
自動接続モードにおいて、アクセスポイント500は、マルチキャストで通信接続設定要求を行う(ステップS30)。これは、IEEE802.11シーケンスを利用してビーコンにネットワーク参加を開始するための情報(キオスク端末400から受信したPINコード)を含めて送信することにより行う。
【0052】
自身のPINコードを含むビーコンを無線LANモジュール125で受信すると、デジタルカメラ100のサービス実行部121は、無線LANモジュール125により暗号キー要求をアクセスポイント500に対して送信する(ステップS32)。
【0053】
アクセスポイント500は、この暗号キー要求の受信に応答して、無線通信を行うための第1の暗号キーをデジタルカメラ100に送信し、更に、通信のセキュリティを確保するための、無線通信設定に利用される無線接続設定情報(暗号キー、暗号方法)を第2の暗号キーとして生成して、その第2の暗号キーを上記第1の暗号キーを使って暗号化して、デジタルカメラ100に送信する(ステップS34)。
【0054】
デジタルカメラ100のサービス実行部121は、無線LANモジュール125による上記第1の暗号キー及び第2の暗号キーの受信に応答して、無線LANモジュール125により自動接続モード終了要求をアクセスポイント500に対して送信する(ステップS36)。そして、サービス実行部121は、受信した第2の暗号キーを先に受信した第1の暗号キーにより復元し、得られた無線接続設定情報(暗号キー、暗号方法)を、ユーザが見ることができないメモリ領域に格納して、接続設定が終了する(ステップS38)。
【0055】
また、アクセスポイント500は、上記自動接続モード終了要求の受信に応答して、自動接続モードを終了する(ステップS40)。
【0056】
以上のようなデジタルカメラ100とアクセスポイント500との間の無線通信の自動設定処理が完了した後は、デジタルカメラ100及びアクセスポイント500は無線LANモードとなり(ステップS42,S44)、デジタルカメラ100から、無線LANを経由して、アクセスポイント500を介したキオスク端末400との通信を起動する起動ステップ(例えば、HTTP(Hypertext transfer protocol)による通信プロセスの部分)と、デジタルカメラ100から、無線LANを経由して、キオスク端末400と通信を行う通信ステップと、を順に実行して、デジタルカメラ100内部に記録されている写真を閲覧などアプリケーションを実行する。これは、上記無線通信自動設定処理を行った後であれば、何時でも実行することができる。
【0057】
利用されるサービスとしては、例えば、デジタルカメラ100の記憶媒体140に記憶された写真画像のプリントや保管等がある。この場合には、キオスク端末400のサービス実行部411は、アクセスポイント500を介してデジタルカメラ100に対して、記憶媒体140に記憶されている写真画像の画像ファイルの内、予め設定されている所定の条件(ファイル情報(更新時間や作成時間、アクセス時間、ファイル名)や画像ファイルのヘッダに含まれている属性情報(画像サイズ、撮影情報、サムネイル画像、等)に合致する画像ファイルのファイル情報と、その画像ファイルのヘッダに含まれているサムネイル画像データとを順次転送する転送要求を行う。デジタルカメラ100はこの転送要求を受けて、上記所定の条件に合致するデータをアクセスポイント500を介してキオスク端末400に送信し、キオスク端末400は、当該データを受信する。
【0058】
その後、ユーザは、キオスク端末400に送信されたサムネイル画像により印刷や管理サーバ300への保管を望む写真画像データを検索した後、キオスク端末400を操作してその画像データをアクセスポイント500を介してデジタルカメラ100からキオスク端末400に転送して、確認の上、管理サーバ300への保管や、当該キオスク端末400のプリンタ420又は管理サーバ300が提供するプリントサービスによる印刷、等を実施することができる。
【0059】
そして、このようなサービス利用の終了が指示されたならば、デジタルカメラ100は、サービス利用を終了して、アクセスポイント500を介してキオスク端末400に対してサービスの終了を送信する。
【0060】
キオスク端末400のサービス実行部411は、このサービス終了の受信に応答して、当該サービスが有料サービスであれば、ユーザのサービス利用量に基づく課金情報をネットワーク600を介して管理サーバ300に送信する。
【0061】
そして、管理サーバ300では、その課金情報の受信に応答して、上記携帯電話機200の端末番号による既存の課金処理を実行して、利用料金を徴収することとなる。
【0062】
以上のように、本一実施形態によれば、携帯端末である携帯電話機200を用いてキオスク端末400のサービスを利用する際の課金及び/又は携帯電話機200の認証を、管理サーバ300を用いて管理することが可能な課金及び/又は認証管理方法を提供することができる。
【0063】
これにより、キオスク端末400を利用して安価に画像データを送信することが可能となる。
【0064】
また、有料サービスに対する課金も、面倒な操作無く行うことができる。
【0065】
さらに、携帯電話機200が認証OKとならない限り、デジタルカメラ100との無線通信が行えないので、デジタルカメラ100の認証処理を省略することができる。
【0066】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0067】
例えば、情報端末としてデジタルカメラを例に説明したが、PDA等の他の携帯可能な端末であれば、どのようなものでも良い。また、写真画像データだけでなく、音楽データやゲームデータ等、サービス対象のデータの種類は問わない。
【0068】
また、管理サーバ300は、ネットワークプリントやネットワークストレージの管理サーバだけでなく、課金管理機能を持たないが認証管理機能が必要な自宅PC等であっても構わない。
【符号の説明】
【0069】
100…デジタルカメラ、 110…カメラ機能部、 111…撮像モジュール、 112…画像エンジンLSI、 120,410…情報端末部、 121,411…サービス実行部、 122,412…操作部、 123,413…LED、 124…IrDA、 125,510…LANモジュール、 126,415…表示機LCD、 130,520…アンテナ、 140…記憶媒体、 150…デジタル/アナログ変換機、 160…スピーカ、 170,430…LANコネクタ、 200…携帯電話機、 300…管理サーバ、 400…キオスク端末、 414…IrDA受信部、 420…プリンタ、 500…アクセスポイント、 600…ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末と、携帯端末と、上記携帯端末の利用に対する課金及び/又は上記携帯端末の認証を管理する管理サーバと、サービスを提供するキオスク端末と、を有する課金及び/又は認証システムにおいて、上記情報端末を用いて上記キオスク端末のサービスを利用する際の課金及び/又は携帯端末の認証を、上記管理サーバを用いて管理する課金及び/又は認証管理方法であって、
上記情報端末に配置される所定の操作部の操作に応答して、上記情報端末が上記携帯端末に第1の接続要求を送信する第1の接続要求送信ステップと、
上記携帯端末が、上記第1の接続要求の受信に応答して、上記管理サーバに対して第2の接続要求を送信する第2の接続要求送信ステップと、
上記管理サーバが、上記第2の接続要求の受信に応答して、課金の可否判断及び/又は上記携帯端末の認証処理の可否判断を行う判断ステップと、
上記管理サーバが、上記判断ステップにおいて、課金を行うと判断した場合及び/又は携帯端末の認証処理を行うと判断した場合には、上記キオスク端末に第3の接続要求を行う第3の接続要求送信ステップと、
上記キオスク端末が、上記第3の接続要求の受信に応答して、上記情報端末との間で通信接続を確立する第1の接続確立ステップと、
を有することを特徴とする課金及び/又は認証管理方法。
【請求項2】
上記課金及び/又は認証管理システムは、上記情報端末と無線接続するための上記キオスク端末に接続されたアクセスポイントを更に含み、
上記第1の通信接続確立ステップは、
上記キオスク端末と上記アクセスポイントとの間で通信接続を行う第2の接続確立ステップと、
上記アクセスポイントと上記情報端末との間で無線接続を行う第3の接続確立ステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の課金及び/又は認証管理方法。
【請求項3】
上記管理サーバが、上記判断ステップの判断結果を上記携帯端末に送信する判断結果送信ステップと、
上記携帯端末が、上記判断ステップの判断結果の受信に応答して、上記判断ステップにおける判断結果を表示する表示ステップと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の課金及び/又は認証管理方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−250429(P2010−250429A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97031(P2009−97031)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】