走行支援情報表示装置
【課題】 コーナ手前の必要減速度のレベルをドライバが容易に把握できるようにすること。
【解決手段】 コーナにおける走行支援のための情報表示を行う走行支援情報表示装置であって、車両の現在位置情報と所与の地図情報とに基づいて、進行方向前方のコーナを検出するコーナ検出手段と、該コーナの形状に関するコーナ情報を取得するコーナ情報取得手段と、該コーナ情報に基づいて、該コーナを安全に走行するための基準走行速度を算出し、現時点までの車両の走行態様に基づいて、該コーナに前記基準走行速度で進入するために必要な減速度を算出する必要減速度算出手段と、前記必要減速度を表す表示を視認可能に出力する表示出力手段とを備える。
【解決手段】 コーナにおける走行支援のための情報表示を行う走行支援情報表示装置であって、車両の現在位置情報と所与の地図情報とに基づいて、進行方向前方のコーナを検出するコーナ検出手段と、該コーナの形状に関するコーナ情報を取得するコーナ情報取得手段と、該コーナ情報に基づいて、該コーナを安全に走行するための基準走行速度を算出し、現時点までの車両の走行態様に基づいて、該コーナに前記基準走行速度で進入するために必要な減速度を算出する必要減速度算出手段と、前記必要減速度を表す表示を視認可能に出力する表示出力手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーナにおける走行支援のための情報表示を行う走行支援情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カーブ(コーナ)を通過可能な通過車速(目標車速)を推定し、現在の車速が目標車速よりも高い場合に、減速を促す警報発令若しくは目標車速まで減速させる減速制御を行う車両制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開11−222055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来技術による警報発令では、ドライバは、現在の車速が目標車速よりも高いことだけしか把握できず、どの程度の減速が必要なのか又は減速の必要性がどの程度高いのかを判断できないため、減速を促す警報発令として不十分な点がある。また、コーナが連続する連続コーナに対して特別な考慮がされていないため、連続コーナにおける走行支援として不十分な一面がある。
【0004】
本発明は、このような不都合を鑑みてなされたものであり、コーナ走行に対して効果的な走行支援を可能とする走行支援情報表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一局面によれば、
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コーナ走行に対して効果的な走行支援を可能とする走行支援情報表示装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0008】
図1は、本発明による車両制御装置の一実施例を示すシステム構成図である。本実施形態の車両制御装置は、統合マネージャ10を備える。統合マネージャ10は、通常的なECU(電子制御ユニット)と同様、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。
【0009】
統合マネージャ10は、以下で詳説する如く、地図データベース20内に格納されているコーナ情報(後述する)に基づいて、車両進行方向前方に迫るコーナを把握し、当該コーナを安全に通過できるように、必要に応じて各種制御対象デバイスに各種制御指示を出して統合制御を行う制御装置である。
【0010】
上記の制御対象デバイスは、ブレーキ、エンジンやトランスミッションのような車両の運動を制御する装置のみならず、後述するインジケータ14の他、ディスプレイやオーディオのような警報装置として機能できる装置を含む。従って、統合マネージャ10からこれらの制御対象デバイスに送信される制御指示には、運動制御装置に対する加減速指示や、警報装置に対する加減速を促す警報出力指示が含まれる。
【0011】
統合マネージャ10には、CAN(controller area network)などの適切なバスを介して、上記の制御デバイスの他、車両内の各種の電子部品(車速センサのような各種センサや各種ECU)が接続される。特に、本実施形態の統合マネージャ10には、ナビゲーション装置の主要機能を実現するナビゲーションECU20が接続される。ナビゲーションECU20は、マイクロコンピュータで構成され、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えている。
【0012】
ナビゲーションECU20には、DVD、CD−ROM等の記録媒体上に地図データを保有する地図データベース22や、地図表示や経路案内表示を映像により出力する液晶ディスプレイ等の表示装置24、ユーザインターフェースとなるタッチパネル等の操作入力部26等が接続されている。
【0013】
ナビゲーションECU20には、自車位置検出手段28を備えている。自車位置検出手段28は、GPS(Global Positioning System)受信機、ビーコン受信機及びFM多重受信機や、車速センサやジャイロセンサ等の各種センサを含む。自車位置検出手段28は、GPS受信機によりGPSアンテナを介してGPS衛星が出力するGPS信号を受信する。自車位置検出手段28は、GPS信号を所定形式の信号に変換してナビゲーションECU20に供給する。ナビゲーションECU20は、GPS信号や各種センサから供給された信号に基づいて、現在の車両位置及び車両方位を演算する。
【0014】
地図データベース22には、地図データが格納されている。地図データには、通常的なものと同様、交差点・高速道路の合流点/分岐点に各々対応する各ノードの座標情報、隣接するノードを接続するリンク情報、各リンクに対応する道路の幅員情報、各リンクに対応する国道・県道・高速道路等の道路種別、各リンクの通行規制情報及び各リンク間の通行規制情報等が含まれている。
【0015】
本実施形態の地図データベース22には、更に、コーナの形状に関する情報としてコーナ情報が含まれている。
【0016】
図2は、典型的なコーナを示す説明図である。コーナは、図2に示すように、クロソイド曲線(緩和曲線)の形状を有する入口側のクロソイド区間XC、一定曲率区間XF、及び、出口側のクロソイド区間XCからなる。尚、図2に示す入口側のクロソイド区間XC及び出口側のクロソイド区間XCには直線区間XSが接続されている。尚、以下、説明の都合上、用語“コーナ”は、「一定曲率区間XF及びその前後のクロソイド区間XCからなる区間」と定義し、クロソイド区間XC全体を含むものと定義する。
【0017】
コーナ情報は、図2に示すように、各クロソイド区間XCの開始点及び終了(座標値)、各一定曲率区間XFの開始点及び終了点、一定曲率区間XFの曲率半径R[m]、カントα[%]、旋回角度θ[rad]、クロソイド区間XCの区間長LC[m]及び一定曲率区間XFの区間長LF[m]若しくはその類を含む。このようなコーナ情報は、複数のコーナに対してコーナ毎に生成され、地図データベース22に格納されている。
【0018】
ここで、一般的なナビゲーション装置の地図データには、これらのコーナ情報は含まれていない。典型的には、コーナは点情報の集合として管理されている。かかる地図データに対しては、これらの点情報から上記のコーナ情報(曲率半径Rや区間長LF、LCなど)が予め算出・生成され、これらがコーナ情報として地図データベース22に格納されてもよい。
【0019】
或いは、コーナ情報は、一般的なナビゲーション装置の地図データに代えて若しくはそれに加えて、詳細な実測データを用いて導出されたものであってもよく、若しくは、当該コーナを実走行した際に得られる横加速度データ(センサ出力)に基づいて逆算的に導出されたものであってもよい。前者の場合として、具体的には各種入手可能な工事図面から曲率情報を導出してもよく、又は、航空写真から道路のセンターラインに対して形状点列を打点し、当該打点データを解析して曲率情報を導出してもよい。
【0020】
尚、地図データベース22内にこれらのコーナ情報を事後的に追記・更新する構成の場合には、地図データベース22はハードディスクのような書き込み可能な記録媒体により構成されてよい。
【0021】
本実施形態の統合マネージャ10は、以下で詳説するように、コーナにおける走行支援のための情報表示制御に特徴を有する。以下、特徴的な構成を各実施例に分けて説明する。
【実施例1】
【0022】
図3は、実施例1によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10が、進行方向前方にコーナが存在する際に実行する主要処理のフローチャートである。
【0023】
先ず、ステップ100として、ナビゲーションECU20は、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方のコーナを検出する。
【0024】
続くステップ110として、ナビゲーションECU20は、当該検出したコーナに係るコーナ情報を地図データベース22内から検索して取り出し、当該取り出したコーナ情報を統合マネージャ10に送信する。このようにしてナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、統合マネージャ10によりステップ200以降の処理が実行される。
【0025】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0026】
先ず、ステップ200として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて、コーナ手前の減速可能区間長[m]を把握する。ここで、減速可能区間長とは、現在の車両位置からコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点までの距離とする。
【0027】
続くステップ210として、統合マネージャ10は、コーナにおける一定曲率区間XFの曲率半径R及びカントαを用いて、当該コーナ走行時の目標速度Vtg[m/s]を算出する。この際、目標速度Vtgは、所定の横加速度(旋回横加速度)の許容限度値をGy[m/s2]としたとき、Gy=Vtg2/R+α・g/100なる関係に基づいて、Vtg={R(Gy−α・g/100)}1/2により導出されてよい(gは重力加速度)。尚、許容限度値Gyは、車種毎に異なる走行性能等の相違に応じて適宜設定される設計値であるが、可変値であってよく、例えば安全性を重視するユーザに対しては下方修正されてもよい。目標速度Vtgは、コーナ毎に予め生成されていてもよく、この場合、各コーナの目標速度Vtgは、統合マネージャ10のアクセス可能なメモリに記憶されていてもよく、若しくは、統合マネージャ10に上記ステップ110でコーナ情報の一部として供給されても良い。
【0028】
続くステップ220として、統合マネージャ10は、現時点までの車両の走行態様に基づいて、該コーナに目標速度Vtgで進入するために必要な減速度を算出する。具体的には、統合マネージャ10は、現在の車速をV0[m/s]として、コーナの入口側クロソイド区間XCの開始点で目標速度Vtgとなるように減速可能区間内で減速する場合の必要減速度Gr[m/s2]を算出する。この算出では、簡易的に現在の車速V0が維持されるものと仮定してもよく、或いは、現在までの車速の履歴に基づいて推定可能な以後の加減速態様が加味されてもよい。
【0029】
続くステップ230では、統合マネージャ10は、インジケータ14により、必要減速度を表す表示を視認可能に出力する。インジケータ14は、例えばメーター内のような、運転中のドライバの視野に入りやすい視認性の良い場所に配置される。或いは、インジケータ14は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)により車両のフロントガラス上に表示されるものであってもよい。
【0030】
図4は、インジケータ14の一例を示す。図4に示すインジケータ14は、複数の表示セクション14aを備える。各表示セクション14aは、点灯及び非点灯の切り替えが独立的に制御可能であり、また、異なる色による点灯が可能とされている。このインジケータ14によれば、表示セクション14aの数の相違や、点灯色の相違及びそれらの組み合わせにより、必要減速度のレベルの相違(ひいては注意喚起度)を一目で認識できる。尚、インジケータ14は、必要減速度等のレベルに応じて異なる表示状態を提供できるものであれば、如何なるものであってよい。
【0031】
図5は、インジケータ14の表示状態の変化規則の一例を示す。図5に示すインジケータ14は、7段階に振り分けられる必要減速度のレベルに応じて、図5に示すような表示状態となるよう表示制御される。例えば、必要減速度Gr[m/s2]が0.1[m/s2]に満たない場合、レベル1として、最も左側の表示セクション14aが注意喚起度の低い色G(例えば緑色)で点灯される。必要減速度Gr[m/s2]の増加に伴って、点灯される表示セクション14aが左側から順に増加する。例えば、必要減速度Grが0.3〜0.4[m/s2]の場合、レベル4として、左側から2つ目までの表示セクション14aが注意喚起度の低い色Gで点灯され、且つ、左側から4つ目までの表示セクション14aが注意喚起度の中くらいの色Y(例えば黄色)で点灯される。必要減速度Grが0.6[m/s2]を超えた場合、レベル7として、6つの全ての表示セクション14aが注意喚起度の高い色R(例えば赤色)で点灯される。
【0032】
このように本実施例によれば、ドライバは、インジケータ14の表示状態を一目するだけで、前方コーナの入り口までの必要減速度のレベルを容易に把握することができる。これにより、ドライバによる自主的で且つ適切な度合いの減速が促進され、コーナ走行に対して効果的な走行支援が実現される。
【0033】
尚、上記のステップ220、230の処理は、車両がコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点より手前β[m](βの値については後述)の地点に到達するまで所定周期毎に繰り返し実行されてよい。この場合、上述のインジケータ14による注意喚起に応答した運転者の運転動作や、考えられる介入減速制御により生じうる車両の走行状態の変化を反映させつつ、走行支援を継続することができる。
【0034】
また、本実施例において、必要減速度とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の必要減速度をどのレベルとするか)は、ユーザにより選択設定されるものであってもよい。或いは、この対応関係は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖、好みなどといったようなユーザ毎に異なりうるので、統合マネージャ10は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖などを考慮して適応的に調整してもよい。この場合、統合マネージャ10は、通常走行時、各ユーザの運転態様を収集・学習することでドライバモデル12(図1参照)を構築しておき、かかるドライバモデル12に基づいて各ユーザに応じたレベルを決定してよい。
【実施例2】
【0035】
図6は、実施例2によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10が、進行方向前方にコーナが存在する際に実行する主要処理のフローチャートである。
【0036】
上記実施例1と同様に、ステップ100及びステップ110により、ナビゲーションECU20が、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方のコーナを検出し、当該検出したコーナに係るコーナ情報が統合マネージャ10に送信される。ナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、ステップ300以降において、統合マネージャ10による処理が開始される。
【0037】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0038】
先ず、ステップ300として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて、コーナ手前の減速可能区間長[m]を把握する。ここで、減速可能区間長とは、現在の車両位置からコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点までの距離とする。
【0039】
続くステップ310として、統合マネージャ10は、コーナにおける一定曲率区間XFの曲率半径R及びカントαを用いて、当該コーナ走行時に車両に発生するだろうと予測される予測横加速度Gy’を算出する。予測横加速度Gy’は、コーナ走行時の予測速度V1[m/s]を用いて、Gy’=V12/R+α・g/100なる関係に基づいて導出されてよい。予測速度V1は、単純に現時点の車速が維持される想定してもよく、若しくは、車速の履歴(加速度など)に基づいて予測できる加減速態様を反映して導出されてもよい。
【0040】
続くステップ320として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて該コーナを安全に走行するための基準横加速度Gref[m/s2]を算出し、基準横加速度Grefと予測横加速度Gy’との差(以下、「横G差分」という)を算出する。尚、基準横加速度Gref[m/s2]は、上述の許容限度値Gyと同一の意味を有する基準値又は目標値であってよく、予めコーナ毎に生成・記憶されたものが用いられても良い。この場合、各コーナの基準横加速度Grefは、統合マネージャ10のアクセス可能なメモリに記憶されていてもよく、若しくは、統合マネージャ10に上記ステップ110でコーナ情報の一部として供給されても良い。また、基準横加速度Grefは、可変値であってよく、例えば安全性を重視するユーザに対しては下方修正されてもよい。
【0041】
続くステップ330では、統合マネージャ10は、インジケータ14により、横G差分を表す表示を視認可能に出力する。インジケータ14の構成等は、特に言及しない限り、上述の実施例1と同様である。
【0042】
図7は、インジケータ14の表示状態の変化規則の一例を示す。図7に示すインジケータ14は、7段階に振り分けられる横G差分のレベルに応じて、図7に示すような表示状態となるよう表示制御される。例えば、横G差分[m/s2]が0.1[m/s2]に満たない場合、レベル1として、最も左側の表示セクション14aが注意喚起度の低い色G(例えば緑色)で点灯される。横G差分の増加に伴って、点灯される表示セクション14aが左側から順に増加する。例えば、横G差分が0.3〜0.4[m/s2]の場合、レベル4として、左側から2つ目までの表示セクション14aが注意喚起度の低い色Gで点灯され、且つ、左側から4つ目までの表示セクション14aが注意喚起度の中くらいの色Y(例えば黄色)で点灯される。横G差分が0.6[m/s2]を超えた場合、レベル7として、全ての6つの表示セクション14aが注意喚起度の高い色R(例えば赤色)で点灯される。
【0043】
このように本実施例によれば、ドライバは、インジケータ14の表示状態を一目するだけで、前方コーナ走行時に基準横加速度Grefをどの程度超えた横加速度が発生するか(即ち横G差分のレベル)を容易に把握することができる。これにより、ドライバによる自主的で且つ適切な度合いの減速が促進され、コーナ走行に対して効果的な走行支援が実現される。
【0044】
尚、上記のステップ310〜330の処理は、車両がコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点を通過するまで所定周期毎に繰り返し実行されてよい。この場合、上述のインジケータ14による注意喚起に応答した運転者の運転動作や、考えられる介入減速制御により生じうる車両の走行状態の変化を反映させつつ、走行支援を継続することができる。
【0045】
また、本実施例において、横G差分とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の横G差分をどのレベルとするか)は、ユーザにより選択設定されるものであってもよい。或いは、この対応関係は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖、好みなどといったようなユーザ毎に異なりうるので、統合マネージャ10は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖などを考慮して適応的に調整してもよい。この場合、統合マネージャ10は、通常走行時、各ユーザの運転態様を収集・学習することでドライバモデル12(図1参照)を構築しておき、かかるドライバモデル12に基づいて各ユーザに応じたレベルを決定してよい。
【0046】
また、本実施例において、横G差分に代えて、予測横加速度Gy’そのものをレベル付けすることをも可能である。この場合であっても、ドライバは、インジケータ14の表示状態を一目するだけで、前方コーナ走行時に発生するだろう予測横加速度Gy’を把握できるので、例えば比較的高い速度でコーナに進入することが予測される状況下において、インジケータ14による高い注意喚起によって、ドライバによる自主的で且つ適切な度合いの減速が促進される。
【実施例3】
【0047】
実施例3は、上記の実施例1と実施例2の組み合わせに関する好ましい実施例に関する。
【0048】
図8は、実施例3によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10が、進行方向前方にコーナが存在する際に実行する主要処理のフローチャートである。
【0049】
上記実施例1、2と同様に、ステップ100及びステップ110により、ナビゲーションECU20が、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方のコーナを検出し、当該検出したコーナに係るコーナ情報が統合マネージャ10に送信される。ナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、以後、統合マネージャ10は、車両がコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点を通過するまで、下記のステップ400〜420の処理を所定周期毎に繰り返し実行する。
【0050】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0051】
先ず、ステップ400として、統合マネージャ10は、実施例1と同様の方法で、必要減速度Gr[m/s2]を算出すると共に、実施例2と同様の方法で、基準横加速度Grefと予測横加速度Gy’との差(横G差分)を算出する。
【0052】
続くステップ410として、統合マネージャ10は、例えば図5及び図7に示すような振り分け規則に従って、必要減速度Grの大きさに応じて、所定数(本例では7つ)の段階を持つレベルに振り分けると共に、横G差分の大きさに応じて、同一数の段階を持つレベルに振り分ける。
【0053】
続くステップ420として、統合マネージャ10は、割り振られた必要減速度GrのレベルLv(以下、「減レベルLv」)と、割り振られた横G差分のレベルLv(以下、「横レベルLv」)とのうち、小さいほうのレベルに従って、インジケータ14を表示制御する。即ち、減レベルLvと横レベルLvの小さい方が採用される。これは、車両の位置がコーナの直前に来ると、減速可能区間長がゼロに近くなって減レベルLvが跳ね上がり、減レベルLvの信頼性が低下するからである。この観点から、統合マネージャ10は、車両がコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点より手前β[m]の地点に到達するまでは(βは上記減レベルLvの跳ね上がりの影響を受けない十分大きな値)、減レベルLv又は横レベルLvを採用し、それ以後は横レベルLvを採用することとしても良い。
【0054】
尚、本実施例において、必要減速度とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の必要減速度をどのレベルとするか)や、横G差分とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の横G差分をどのレベルとするか)は、ユーザにより選択設定されるものであってもよい。或いは、これらの対応関係は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖、好みなどといったようなユーザ毎に異なりうるので、統合マネージャ10は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖などを考慮して適応的に調整してもよい。この場合、統合マネージャ10は、通常走行時、各ユーザの運転態様を収集・学習することでドライバモデル12(図1参照)を構築しておき、かかるドライバモデル12に基づいて各ユーザに応じたレベルを決定してよい。
【実施例4】
【0055】
実施例4は、上記の実施例3を連続コーナにおける走行支援に応用したものである。
【0056】
図9は、本実施例が適用される典型的な連続コーナを示す説明図である。図9に示す例では、現在の車両位置に対して進行方向前方に、3つのコーナが連続する連続コーナが存在している。尚、図9に示す例では、3つのコーナのうち最も手前にある第1コーナは、一番緩やかなコーナであり、それに後続する第2コーナは、第1コーナよりも急なコーナであり、それに後続する最終の第3コーナは、第2コーナよりも急なコーナである。
【0057】
図10は、実施例4によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10が、進行方向前方にコーナが存在する際に実行する主要処理のフローチャートである。
【0058】
上記実施例3と同様に、ステップ100及びステップ110により、ナビゲーションECU20が、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方の連続コーナを検出し、当該検出した連続コーナに係るコーナ情報が統合マネージャ10に送信される。ナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、ステップ500以降において、統合マネージャ10による処理が開始される。
【0059】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0060】
先ず、ステップ500として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて、連続コーナの各コーナ手前の減速可能区間長[m]を把握する。この際、統合マネージャ10は、連続コーナの第1コーナ(本例では一番目のコーナ)手前の減速可能区間長L1については、現在の車両位置から第1コーナに係る入口側クロソイド区間XCの開始点までの距離で把握する。第2コーナ手前の減速可能区間長L2は、第2コーナ手前の直線区間XSの長さであり、第3コーナ手前の減速可能区間長L3は、第3コーナ手前の直線区間XSの長さである。
【0061】
続くステップ510として、統合マネージャ10は、統合マネージャ10は、連続コーナを構成する各コーナに対してそれぞれ独立的に、実施例1と同様の方法で、必要減速度Gr[m/s2]を算出する。この際、統合マネージャ10は、各コーナでそれぞれの目標速度Vtgが実現されると想定して(即ち、各減速可能区間で適切な速度調整がなされると想定して)、後のコーナに対する必要減速度Gr[m/s2]を算出してよい。即ち、第i番目のコーナの出口では、当該第i番目のコーナ走行時の目標速度Vtg(i)が実現され、従って、第i+1番目のコーナに対しては、V0(i+1)がVtg(i)となると想定する。但し、V0(i+1)は、第i+1番目のコーナ手前で生じうる予測に基づく加減速態様を反映して導出されてもよい。
【0062】
同様に、統合マネージャ10は、連続コーナを構成する各コーナに対してそれぞれ独立的に、実施例2と同様の方法で、基準横加速度Grefと予測横加速度Gy’との差(横G差分)を算出する。この際、統合マネージャ10は、同様に、各コーナでそれぞれの目標速度Vtgが実現されると想定して、後のコーナにおける横G差分[m/s2]を算出してよい。即ち、第i番目のコーナの出口では、当該第i番目のコーナ走行時の目標速度Vtg(i)が実現され、従って、第i+1番目のコーナに対しては、予測速度V1(i+1)がVtg(i)となると想定する。但し、予測速度V1(i+1)は、同様に、第i+1番目のコーナ手前で生じうる予測に基づく加減速態様を反映して導出されてもよい。
【0063】
続くステップ520として、統合マネージャ10は、例えば図5及び図7に示すような振り分け規則に従って、必要減速度Grの大きさに応じて、所定数(本例では7つ)の段階を持つレベルに振り分けると共に、横G差分の大きさに応じて、同一数の段階を持つレベルに振り分ける。この処理は、連続コーナを構成する各コーナに対してそれぞれ独立的になされる。これにより、第i番目のコーナに対して、減レベルLvと横レベルLvとの組み合わせ(減Lv(i)、横Lv(i))が得られる。
【0064】
続くステップ530として、統合マネージャ10は、各コーナに対する(減Lv(i)、横Lv(i))の小さい方のレベルC(i)=min(減Lv(i)、横Lv(i))を抽出し、それらの中の最大のレベルに従って、インジケータ14を表示制御する。例えば、図9に示す連続コーナにおいて、第1コーナのレベルC(1)=横Lv(1)=2であり、第2コーナのレベルC(2)=減Lv(2)=4であり、第3コーナのレベルC(3)=横Lv(3)=6である場合、最大のレベルC(3)=6に従って、レベル6の点灯状態がインジケータ14において実現される。従って、この場合、第1コーナに対するレベルが2であり比較的低いにも拘らず、第1コーナの手前からレベル6の点灯状態がインジケータ14において実現される。
【0065】
このように本実施例によれば、あるコーナ手前の減速可能区間におけるインジケータ14の表示状態が、当該コーナのコーナ形状のみならず、当該コーナ以降のコーナ形状をも考慮して決定されるので、連続コーナ全体を視野に入れた走行支援が実現される。従って、例えば、あるコーナが緩やかでその手前の減速可能区間ではさほど減速が必要でない場合であっても、急コーナが後に控えている場合には、当該緩やかなコーナの手前の減速可能区間において注意喚起度のインジケータ14の点灯状態が実現されるので、当該緩やかなコーナの手前の減速可能区間における減速が効果的に促進され、後に控える急コーナの手前での急な減速が効果的に防止される。
【0066】
尚、本実施例において、簡易的に、各コーナに対する必要減速度Grのレベルのみを比較して最大となる必要減速度Grのレベルに従って、インジケータ14を表示制御することも可能であり、この場合、上述のコーナ直前での必要減速度Grの跳ね上がりによる不都合を防止すべく、車両がコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点より手前β[m]の地点に到達するまでの評価レベルに従って、インジケータ14を表示制御することとしてもよい。
【0067】
同様に、各コーナに対する横G差分のレベルのみを比較して最大となる必要減速度Grのレベルに従って、インジケータ14を表示制御することも可能である。また、横G差分に代えて、予測横加速度Gy’をレベル付けすることをも可能である。
【0068】
また、本実施例では、各コーナにおける必要減速度Gr等のレベルが、各コーナで独立的に導出され、その中の最大のレベルを選択することで、先行コーナでのインジケータ14の点灯状態に後続コーナでの減速必要度が最終段で反映されるようにしているが、各コーナにおける必要減速度Gr等を算出する段で、後続コーナでの減速必要度が反映されるようにしてもよい。例えば、後続コーナが急である場合、先行コーナでの目標速度Vtgを下方修正して必要減速度Gr等を算出することで、先行コーナでのインジケータ14の点灯状態に後続コーナでの減速必要度が反映されるようにすることができる。
【0069】
また、本実施例において、必要減速度とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の必要減速度をどのレベルとするか)や、横G差分とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の横G差分をどのレベルとするか)は、ユーザにより選択設定されるものであってもよい。或いは、これらの対応関係は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖、好みなどといったようなユーザ毎に異なりうるので、統合マネージャ10は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖などを考慮して適応的に調整してもよい。この場合、統合マネージャ10は、通常走行時、各ユーザの運転態様を収集・学習することでドライバモデル12(図1参照)を構築しておき、かかるドライバモデル12に基づいて各ユーザに応じたレベルを決定してよい。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0071】
例えば、上述の実施例では、精度・信頼性の向上の観点から、図11に示すように、水平面に対する道路の幅方向の勾配、即ちカントαを考慮して目標速度Vtgで導出されているが、上り勾配や下り勾配のような水平面に対する道路の長手方向の勾配が更に考慮されてもよい。但し、本発明は、これらが何れも考慮されない構成を除外するものでない。
【0072】
また、上述では、コーナを「一定曲率区間XF及びその前後のクロソイド区間XCからなる区間」と定義し、減速可能区間を、コーナ手前の直線区間XSと定義しているが、コーナを「一定曲率区間XF及びその前後のクロソイド区間XCの一部からなる区間」と定義し、減速可能区間を、「コーナ手前の直線区間XS+それに後続するクロソイド区間XCの一部からなる区間」と定義することも可能である。
【0073】
また、上述の実施例では、ナビゲーションECU20及び統合マネージャ10が別々のハードウェアで構成されているが、単一のハードウェアにより具現化することも当然に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明による車両制御装置の一実施例を示すシステム構成図である。
【図2】コーナの説明図である。
【図3】実施例1によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関するフローチャートである。
【図4】インジケータ14の一例を示す図である。
【図5】必要減速度Grのレベルに応じたインジケータ14の表示状態の変化規則の一例を示す図である。
【図6】実施例2によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関するフローチャートである。
【図7】横G差分のレベルに応じたインジケータ14の表示状態の変化規則の一例を示す図である。
【図8】実施例3によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関するフローチャートである。
【図9】連続コーナの説明図である。
【図10】実施例4によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関するフローチャートである。
【図11】カントαの説明図である。
【符号の説明】
【0075】
10 統合マネージャ
12 ドライバモデル
14 インジケータ
20 ナビゲーションECU
22 地図データベース
24 表示装置
26 操作入力部
28 自車位置検出手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーナにおける走行支援のための情報表示を行う走行支援情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カーブ(コーナ)を通過可能な通過車速(目標車速)を推定し、現在の車速が目標車速よりも高い場合に、減速を促す警報発令若しくは目標車速まで減速させる減速制御を行う車両制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開11−222055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来技術による警報発令では、ドライバは、現在の車速が目標車速よりも高いことだけしか把握できず、どの程度の減速が必要なのか又は減速の必要性がどの程度高いのかを判断できないため、減速を促す警報発令として不十分な点がある。また、コーナが連続する連続コーナに対して特別な考慮がされていないため、連続コーナにおける走行支援として不十分な一面がある。
【0004】
本発明は、このような不都合を鑑みてなされたものであり、コーナ走行に対して効果的な走行支援を可能とする走行支援情報表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一局面によれば、
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コーナ走行に対して効果的な走行支援を可能とする走行支援情報表示装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0008】
図1は、本発明による車両制御装置の一実施例を示すシステム構成図である。本実施形態の車両制御装置は、統合マネージャ10を備える。統合マネージャ10は、通常的なECU(電子制御ユニット)と同様、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。
【0009】
統合マネージャ10は、以下で詳説する如く、地図データベース20内に格納されているコーナ情報(後述する)に基づいて、車両進行方向前方に迫るコーナを把握し、当該コーナを安全に通過できるように、必要に応じて各種制御対象デバイスに各種制御指示を出して統合制御を行う制御装置である。
【0010】
上記の制御対象デバイスは、ブレーキ、エンジンやトランスミッションのような車両の運動を制御する装置のみならず、後述するインジケータ14の他、ディスプレイやオーディオのような警報装置として機能できる装置を含む。従って、統合マネージャ10からこれらの制御対象デバイスに送信される制御指示には、運動制御装置に対する加減速指示や、警報装置に対する加減速を促す警報出力指示が含まれる。
【0011】
統合マネージャ10には、CAN(controller area network)などの適切なバスを介して、上記の制御デバイスの他、車両内の各種の電子部品(車速センサのような各種センサや各種ECU)が接続される。特に、本実施形態の統合マネージャ10には、ナビゲーション装置の主要機能を実現するナビゲーションECU20が接続される。ナビゲーションECU20は、マイクロコンピュータで構成され、CPU、ROM、RAM、I/O等を備えている。
【0012】
ナビゲーションECU20には、DVD、CD−ROM等の記録媒体上に地図データを保有する地図データベース22や、地図表示や経路案内表示を映像により出力する液晶ディスプレイ等の表示装置24、ユーザインターフェースとなるタッチパネル等の操作入力部26等が接続されている。
【0013】
ナビゲーションECU20には、自車位置検出手段28を備えている。自車位置検出手段28は、GPS(Global Positioning System)受信機、ビーコン受信機及びFM多重受信機や、車速センサやジャイロセンサ等の各種センサを含む。自車位置検出手段28は、GPS受信機によりGPSアンテナを介してGPS衛星が出力するGPS信号を受信する。自車位置検出手段28は、GPS信号を所定形式の信号に変換してナビゲーションECU20に供給する。ナビゲーションECU20は、GPS信号や各種センサから供給された信号に基づいて、現在の車両位置及び車両方位を演算する。
【0014】
地図データベース22には、地図データが格納されている。地図データには、通常的なものと同様、交差点・高速道路の合流点/分岐点に各々対応する各ノードの座標情報、隣接するノードを接続するリンク情報、各リンクに対応する道路の幅員情報、各リンクに対応する国道・県道・高速道路等の道路種別、各リンクの通行規制情報及び各リンク間の通行規制情報等が含まれている。
【0015】
本実施形態の地図データベース22には、更に、コーナの形状に関する情報としてコーナ情報が含まれている。
【0016】
図2は、典型的なコーナを示す説明図である。コーナは、図2に示すように、クロソイド曲線(緩和曲線)の形状を有する入口側のクロソイド区間XC、一定曲率区間XF、及び、出口側のクロソイド区間XCからなる。尚、図2に示す入口側のクロソイド区間XC及び出口側のクロソイド区間XCには直線区間XSが接続されている。尚、以下、説明の都合上、用語“コーナ”は、「一定曲率区間XF及びその前後のクロソイド区間XCからなる区間」と定義し、クロソイド区間XC全体を含むものと定義する。
【0017】
コーナ情報は、図2に示すように、各クロソイド区間XCの開始点及び終了(座標値)、各一定曲率区間XFの開始点及び終了点、一定曲率区間XFの曲率半径R[m]、カントα[%]、旋回角度θ[rad]、クロソイド区間XCの区間長LC[m]及び一定曲率区間XFの区間長LF[m]若しくはその類を含む。このようなコーナ情報は、複数のコーナに対してコーナ毎に生成され、地図データベース22に格納されている。
【0018】
ここで、一般的なナビゲーション装置の地図データには、これらのコーナ情報は含まれていない。典型的には、コーナは点情報の集合として管理されている。かかる地図データに対しては、これらの点情報から上記のコーナ情報(曲率半径Rや区間長LF、LCなど)が予め算出・生成され、これらがコーナ情報として地図データベース22に格納されてもよい。
【0019】
或いは、コーナ情報は、一般的なナビゲーション装置の地図データに代えて若しくはそれに加えて、詳細な実測データを用いて導出されたものであってもよく、若しくは、当該コーナを実走行した際に得られる横加速度データ(センサ出力)に基づいて逆算的に導出されたものであってもよい。前者の場合として、具体的には各種入手可能な工事図面から曲率情報を導出してもよく、又は、航空写真から道路のセンターラインに対して形状点列を打点し、当該打点データを解析して曲率情報を導出してもよい。
【0020】
尚、地図データベース22内にこれらのコーナ情報を事後的に追記・更新する構成の場合には、地図データベース22はハードディスクのような書き込み可能な記録媒体により構成されてよい。
【0021】
本実施形態の統合マネージャ10は、以下で詳説するように、コーナにおける走行支援のための情報表示制御に特徴を有する。以下、特徴的な構成を各実施例に分けて説明する。
【実施例1】
【0022】
図3は、実施例1によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10が、進行方向前方にコーナが存在する際に実行する主要処理のフローチャートである。
【0023】
先ず、ステップ100として、ナビゲーションECU20は、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方のコーナを検出する。
【0024】
続くステップ110として、ナビゲーションECU20は、当該検出したコーナに係るコーナ情報を地図データベース22内から検索して取り出し、当該取り出したコーナ情報を統合マネージャ10に送信する。このようにしてナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、統合マネージャ10によりステップ200以降の処理が実行される。
【0025】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0026】
先ず、ステップ200として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて、コーナ手前の減速可能区間長[m]を把握する。ここで、減速可能区間長とは、現在の車両位置からコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点までの距離とする。
【0027】
続くステップ210として、統合マネージャ10は、コーナにおける一定曲率区間XFの曲率半径R及びカントαを用いて、当該コーナ走行時の目標速度Vtg[m/s]を算出する。この際、目標速度Vtgは、所定の横加速度(旋回横加速度)の許容限度値をGy[m/s2]としたとき、Gy=Vtg2/R+α・g/100なる関係に基づいて、Vtg={R(Gy−α・g/100)}1/2により導出されてよい(gは重力加速度)。尚、許容限度値Gyは、車種毎に異なる走行性能等の相違に応じて適宜設定される設計値であるが、可変値であってよく、例えば安全性を重視するユーザに対しては下方修正されてもよい。目標速度Vtgは、コーナ毎に予め生成されていてもよく、この場合、各コーナの目標速度Vtgは、統合マネージャ10のアクセス可能なメモリに記憶されていてもよく、若しくは、統合マネージャ10に上記ステップ110でコーナ情報の一部として供給されても良い。
【0028】
続くステップ220として、統合マネージャ10は、現時点までの車両の走行態様に基づいて、該コーナに目標速度Vtgで進入するために必要な減速度を算出する。具体的には、統合マネージャ10は、現在の車速をV0[m/s]として、コーナの入口側クロソイド区間XCの開始点で目標速度Vtgとなるように減速可能区間内で減速する場合の必要減速度Gr[m/s2]を算出する。この算出では、簡易的に現在の車速V0が維持されるものと仮定してもよく、或いは、現在までの車速の履歴に基づいて推定可能な以後の加減速態様が加味されてもよい。
【0029】
続くステップ230では、統合マネージャ10は、インジケータ14により、必要減速度を表す表示を視認可能に出力する。インジケータ14は、例えばメーター内のような、運転中のドライバの視野に入りやすい視認性の良い場所に配置される。或いは、インジケータ14は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)により車両のフロントガラス上に表示されるものであってもよい。
【0030】
図4は、インジケータ14の一例を示す。図4に示すインジケータ14は、複数の表示セクション14aを備える。各表示セクション14aは、点灯及び非点灯の切り替えが独立的に制御可能であり、また、異なる色による点灯が可能とされている。このインジケータ14によれば、表示セクション14aの数の相違や、点灯色の相違及びそれらの組み合わせにより、必要減速度のレベルの相違(ひいては注意喚起度)を一目で認識できる。尚、インジケータ14は、必要減速度等のレベルに応じて異なる表示状態を提供できるものであれば、如何なるものであってよい。
【0031】
図5は、インジケータ14の表示状態の変化規則の一例を示す。図5に示すインジケータ14は、7段階に振り分けられる必要減速度のレベルに応じて、図5に示すような表示状態となるよう表示制御される。例えば、必要減速度Gr[m/s2]が0.1[m/s2]に満たない場合、レベル1として、最も左側の表示セクション14aが注意喚起度の低い色G(例えば緑色)で点灯される。必要減速度Gr[m/s2]の増加に伴って、点灯される表示セクション14aが左側から順に増加する。例えば、必要減速度Grが0.3〜0.4[m/s2]の場合、レベル4として、左側から2つ目までの表示セクション14aが注意喚起度の低い色Gで点灯され、且つ、左側から4つ目までの表示セクション14aが注意喚起度の中くらいの色Y(例えば黄色)で点灯される。必要減速度Grが0.6[m/s2]を超えた場合、レベル7として、6つの全ての表示セクション14aが注意喚起度の高い色R(例えば赤色)で点灯される。
【0032】
このように本実施例によれば、ドライバは、インジケータ14の表示状態を一目するだけで、前方コーナの入り口までの必要減速度のレベルを容易に把握することができる。これにより、ドライバによる自主的で且つ適切な度合いの減速が促進され、コーナ走行に対して効果的な走行支援が実現される。
【0033】
尚、上記のステップ220、230の処理は、車両がコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点より手前β[m](βの値については後述)の地点に到達するまで所定周期毎に繰り返し実行されてよい。この場合、上述のインジケータ14による注意喚起に応答した運転者の運転動作や、考えられる介入減速制御により生じうる車両の走行状態の変化を反映させつつ、走行支援を継続することができる。
【0034】
また、本実施例において、必要減速度とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の必要減速度をどのレベルとするか)は、ユーザにより選択設定されるものであってもよい。或いは、この対応関係は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖、好みなどといったようなユーザ毎に異なりうるので、統合マネージャ10は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖などを考慮して適応的に調整してもよい。この場合、統合マネージャ10は、通常走行時、各ユーザの運転態様を収集・学習することでドライバモデル12(図1参照)を構築しておき、かかるドライバモデル12に基づいて各ユーザに応じたレベルを決定してよい。
【実施例2】
【0035】
図6は、実施例2によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10が、進行方向前方にコーナが存在する際に実行する主要処理のフローチャートである。
【0036】
上記実施例1と同様に、ステップ100及びステップ110により、ナビゲーションECU20が、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方のコーナを検出し、当該検出したコーナに係るコーナ情報が統合マネージャ10に送信される。ナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、ステップ300以降において、統合マネージャ10による処理が開始される。
【0037】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0038】
先ず、ステップ300として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて、コーナ手前の減速可能区間長[m]を把握する。ここで、減速可能区間長とは、現在の車両位置からコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点までの距離とする。
【0039】
続くステップ310として、統合マネージャ10は、コーナにおける一定曲率区間XFの曲率半径R及びカントαを用いて、当該コーナ走行時に車両に発生するだろうと予測される予測横加速度Gy’を算出する。予測横加速度Gy’は、コーナ走行時の予測速度V1[m/s]を用いて、Gy’=V12/R+α・g/100なる関係に基づいて導出されてよい。予測速度V1は、単純に現時点の車速が維持される想定してもよく、若しくは、車速の履歴(加速度など)に基づいて予測できる加減速態様を反映して導出されてもよい。
【0040】
続くステップ320として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて該コーナを安全に走行するための基準横加速度Gref[m/s2]を算出し、基準横加速度Grefと予測横加速度Gy’との差(以下、「横G差分」という)を算出する。尚、基準横加速度Gref[m/s2]は、上述の許容限度値Gyと同一の意味を有する基準値又は目標値であってよく、予めコーナ毎に生成・記憶されたものが用いられても良い。この場合、各コーナの基準横加速度Grefは、統合マネージャ10のアクセス可能なメモリに記憶されていてもよく、若しくは、統合マネージャ10に上記ステップ110でコーナ情報の一部として供給されても良い。また、基準横加速度Grefは、可変値であってよく、例えば安全性を重視するユーザに対しては下方修正されてもよい。
【0041】
続くステップ330では、統合マネージャ10は、インジケータ14により、横G差分を表す表示を視認可能に出力する。インジケータ14の構成等は、特に言及しない限り、上述の実施例1と同様である。
【0042】
図7は、インジケータ14の表示状態の変化規則の一例を示す。図7に示すインジケータ14は、7段階に振り分けられる横G差分のレベルに応じて、図7に示すような表示状態となるよう表示制御される。例えば、横G差分[m/s2]が0.1[m/s2]に満たない場合、レベル1として、最も左側の表示セクション14aが注意喚起度の低い色G(例えば緑色)で点灯される。横G差分の増加に伴って、点灯される表示セクション14aが左側から順に増加する。例えば、横G差分が0.3〜0.4[m/s2]の場合、レベル4として、左側から2つ目までの表示セクション14aが注意喚起度の低い色Gで点灯され、且つ、左側から4つ目までの表示セクション14aが注意喚起度の中くらいの色Y(例えば黄色)で点灯される。横G差分が0.6[m/s2]を超えた場合、レベル7として、全ての6つの表示セクション14aが注意喚起度の高い色R(例えば赤色)で点灯される。
【0043】
このように本実施例によれば、ドライバは、インジケータ14の表示状態を一目するだけで、前方コーナ走行時に基準横加速度Grefをどの程度超えた横加速度が発生するか(即ち横G差分のレベル)を容易に把握することができる。これにより、ドライバによる自主的で且つ適切な度合いの減速が促進され、コーナ走行に対して効果的な走行支援が実現される。
【0044】
尚、上記のステップ310〜330の処理は、車両がコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点を通過するまで所定周期毎に繰り返し実行されてよい。この場合、上述のインジケータ14による注意喚起に応答した運転者の運転動作や、考えられる介入減速制御により生じうる車両の走行状態の変化を反映させつつ、走行支援を継続することができる。
【0045】
また、本実施例において、横G差分とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の横G差分をどのレベルとするか)は、ユーザにより選択設定されるものであってもよい。或いは、この対応関係は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖、好みなどといったようなユーザ毎に異なりうるので、統合マネージャ10は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖などを考慮して適応的に調整してもよい。この場合、統合マネージャ10は、通常走行時、各ユーザの運転態様を収集・学習することでドライバモデル12(図1参照)を構築しておき、かかるドライバモデル12に基づいて各ユーザに応じたレベルを決定してよい。
【0046】
また、本実施例において、横G差分に代えて、予測横加速度Gy’そのものをレベル付けすることをも可能である。この場合であっても、ドライバは、インジケータ14の表示状態を一目するだけで、前方コーナ走行時に発生するだろう予測横加速度Gy’を把握できるので、例えば比較的高い速度でコーナに進入することが予測される状況下において、インジケータ14による高い注意喚起によって、ドライバによる自主的で且つ適切な度合いの減速が促進される。
【実施例3】
【0047】
実施例3は、上記の実施例1と実施例2の組み合わせに関する好ましい実施例に関する。
【0048】
図8は、実施例3によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10が、進行方向前方にコーナが存在する際に実行する主要処理のフローチャートである。
【0049】
上記実施例1、2と同様に、ステップ100及びステップ110により、ナビゲーションECU20が、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方のコーナを検出し、当該検出したコーナに係るコーナ情報が統合マネージャ10に送信される。ナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、以後、統合マネージャ10は、車両がコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点を通過するまで、下記のステップ400〜420の処理を所定周期毎に繰り返し実行する。
【0050】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0051】
先ず、ステップ400として、統合マネージャ10は、実施例1と同様の方法で、必要減速度Gr[m/s2]を算出すると共に、実施例2と同様の方法で、基準横加速度Grefと予測横加速度Gy’との差(横G差分)を算出する。
【0052】
続くステップ410として、統合マネージャ10は、例えば図5及び図7に示すような振り分け規則に従って、必要減速度Grの大きさに応じて、所定数(本例では7つ)の段階を持つレベルに振り分けると共に、横G差分の大きさに応じて、同一数の段階を持つレベルに振り分ける。
【0053】
続くステップ420として、統合マネージャ10は、割り振られた必要減速度GrのレベルLv(以下、「減レベルLv」)と、割り振られた横G差分のレベルLv(以下、「横レベルLv」)とのうち、小さいほうのレベルに従って、インジケータ14を表示制御する。即ち、減レベルLvと横レベルLvの小さい方が採用される。これは、車両の位置がコーナの直前に来ると、減速可能区間長がゼロに近くなって減レベルLvが跳ね上がり、減レベルLvの信頼性が低下するからである。この観点から、統合マネージャ10は、車両がコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点より手前β[m]の地点に到達するまでは(βは上記減レベルLvの跳ね上がりの影響を受けない十分大きな値)、減レベルLv又は横レベルLvを採用し、それ以後は横レベルLvを採用することとしても良い。
【0054】
尚、本実施例において、必要減速度とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の必要減速度をどのレベルとするか)や、横G差分とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の横G差分をどのレベルとするか)は、ユーザにより選択設定されるものであってもよい。或いは、これらの対応関係は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖、好みなどといったようなユーザ毎に異なりうるので、統合マネージャ10は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖などを考慮して適応的に調整してもよい。この場合、統合マネージャ10は、通常走行時、各ユーザの運転態様を収集・学習することでドライバモデル12(図1参照)を構築しておき、かかるドライバモデル12に基づいて各ユーザに応じたレベルを決定してよい。
【実施例4】
【0055】
実施例4は、上記の実施例3を連続コーナにおける走行支援に応用したものである。
【0056】
図9は、本実施例が適用される典型的な連続コーナを示す説明図である。図9に示す例では、現在の車両位置に対して進行方向前方に、3つのコーナが連続する連続コーナが存在している。尚、図9に示す例では、3つのコーナのうち最も手前にある第1コーナは、一番緩やかなコーナであり、それに後続する第2コーナは、第1コーナよりも急なコーナであり、それに後続する最終の第3コーナは、第2コーナよりも急なコーナである。
【0057】
図10は、実施例4によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10が、進行方向前方にコーナが存在する際に実行する主要処理のフローチャートである。
【0058】
上記実施例3と同様に、ステップ100及びステップ110により、ナビゲーションECU20が、車両の現在位置と地図データに基づいて進行方向前方の連続コーナを検出し、当該検出した連続コーナに係るコーナ情報が統合マネージャ10に送信される。ナビゲーションECU20からコーナ情報が供給されると、ステップ500以降において、統合マネージャ10による処理が開始される。
【0059】
以下、前提として、統合マネージャ10には、ナビゲーションECU20の自車位置検出手段28により検出される自車位置情報及び車速センサからの自車速情報が、所定周期毎に供給されており、統合マネージャ10は、常時、最新の車両位置及び車速を算出・把握しているものとする。
【0060】
先ず、ステップ500として、統合マネージャ10は、コーナ情報に基づいて、連続コーナの各コーナ手前の減速可能区間長[m]を把握する。この際、統合マネージャ10は、連続コーナの第1コーナ(本例では一番目のコーナ)手前の減速可能区間長L1については、現在の車両位置から第1コーナに係る入口側クロソイド区間XCの開始点までの距離で把握する。第2コーナ手前の減速可能区間長L2は、第2コーナ手前の直線区間XSの長さであり、第3コーナ手前の減速可能区間長L3は、第3コーナ手前の直線区間XSの長さである。
【0061】
続くステップ510として、統合マネージャ10は、統合マネージャ10は、連続コーナを構成する各コーナに対してそれぞれ独立的に、実施例1と同様の方法で、必要減速度Gr[m/s2]を算出する。この際、統合マネージャ10は、各コーナでそれぞれの目標速度Vtgが実現されると想定して(即ち、各減速可能区間で適切な速度調整がなされると想定して)、後のコーナに対する必要減速度Gr[m/s2]を算出してよい。即ち、第i番目のコーナの出口では、当該第i番目のコーナ走行時の目標速度Vtg(i)が実現され、従って、第i+1番目のコーナに対しては、V0(i+1)がVtg(i)となると想定する。但し、V0(i+1)は、第i+1番目のコーナ手前で生じうる予測に基づく加減速態様を反映して導出されてもよい。
【0062】
同様に、統合マネージャ10は、連続コーナを構成する各コーナに対してそれぞれ独立的に、実施例2と同様の方法で、基準横加速度Grefと予測横加速度Gy’との差(横G差分)を算出する。この際、統合マネージャ10は、同様に、各コーナでそれぞれの目標速度Vtgが実現されると想定して、後のコーナにおける横G差分[m/s2]を算出してよい。即ち、第i番目のコーナの出口では、当該第i番目のコーナ走行時の目標速度Vtg(i)が実現され、従って、第i+1番目のコーナに対しては、予測速度V1(i+1)がVtg(i)となると想定する。但し、予測速度V1(i+1)は、同様に、第i+1番目のコーナ手前で生じうる予測に基づく加減速態様を反映して導出されてもよい。
【0063】
続くステップ520として、統合マネージャ10は、例えば図5及び図7に示すような振り分け規則に従って、必要減速度Grの大きさに応じて、所定数(本例では7つ)の段階を持つレベルに振り分けると共に、横G差分の大きさに応じて、同一数の段階を持つレベルに振り分ける。この処理は、連続コーナを構成する各コーナに対してそれぞれ独立的になされる。これにより、第i番目のコーナに対して、減レベルLvと横レベルLvとの組み合わせ(減Lv(i)、横Lv(i))が得られる。
【0064】
続くステップ530として、統合マネージャ10は、各コーナに対する(減Lv(i)、横Lv(i))の小さい方のレベルC(i)=min(減Lv(i)、横Lv(i))を抽出し、それらの中の最大のレベルに従って、インジケータ14を表示制御する。例えば、図9に示す連続コーナにおいて、第1コーナのレベルC(1)=横Lv(1)=2であり、第2コーナのレベルC(2)=減Lv(2)=4であり、第3コーナのレベルC(3)=横Lv(3)=6である場合、最大のレベルC(3)=6に従って、レベル6の点灯状態がインジケータ14において実現される。従って、この場合、第1コーナに対するレベルが2であり比較的低いにも拘らず、第1コーナの手前からレベル6の点灯状態がインジケータ14において実現される。
【0065】
このように本実施例によれば、あるコーナ手前の減速可能区間におけるインジケータ14の表示状態が、当該コーナのコーナ形状のみならず、当該コーナ以降のコーナ形状をも考慮して決定されるので、連続コーナ全体を視野に入れた走行支援が実現される。従って、例えば、あるコーナが緩やかでその手前の減速可能区間ではさほど減速が必要でない場合であっても、急コーナが後に控えている場合には、当該緩やかなコーナの手前の減速可能区間において注意喚起度のインジケータ14の点灯状態が実現されるので、当該緩やかなコーナの手前の減速可能区間における減速が効果的に促進され、後に控える急コーナの手前での急な減速が効果的に防止される。
【0066】
尚、本実施例において、簡易的に、各コーナに対する必要減速度Grのレベルのみを比較して最大となる必要減速度Grのレベルに従って、インジケータ14を表示制御することも可能であり、この場合、上述のコーナ直前での必要減速度Grの跳ね上がりによる不都合を防止すべく、車両がコーナの入口側クロソイド区間XCの開始点より手前β[m]の地点に到達するまでの評価レベルに従って、インジケータ14を表示制御することとしてもよい。
【0067】
同様に、各コーナに対する横G差分のレベルのみを比較して最大となる必要減速度Grのレベルに従って、インジケータ14を表示制御することも可能である。また、横G差分に代えて、予測横加速度Gy’をレベル付けすることをも可能である。
【0068】
また、本実施例では、各コーナにおける必要減速度Gr等のレベルが、各コーナで独立的に導出され、その中の最大のレベルを選択することで、先行コーナでのインジケータ14の点灯状態に後続コーナでの減速必要度が最終段で反映されるようにしているが、各コーナにおける必要減速度Gr等を算出する段で、後続コーナでの減速必要度が反映されるようにしてもよい。例えば、後続コーナが急である場合、先行コーナでの目標速度Vtgを下方修正して必要減速度Gr等を算出することで、先行コーナでのインジケータ14の点灯状態に後続コーナでの減速必要度が反映されるようにすることができる。
【0069】
また、本実施例において、必要減速度とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の必要減速度をどのレベルとするか)や、横G差分とレベルとの対応関係(即ち、どの範囲の横G差分をどのレベルとするか)は、ユーザにより選択設定されるものであってもよい。或いは、これらの対応関係は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖、好みなどといったようなユーザ毎に異なりうるので、統合マネージャ10は、ユーザ(ドライバ)の運転技量、癖などを考慮して適応的に調整してもよい。この場合、統合マネージャ10は、通常走行時、各ユーザの運転態様を収集・学習することでドライバモデル12(図1参照)を構築しておき、かかるドライバモデル12に基づいて各ユーザに応じたレベルを決定してよい。
【0070】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0071】
例えば、上述の実施例では、精度・信頼性の向上の観点から、図11に示すように、水平面に対する道路の幅方向の勾配、即ちカントαを考慮して目標速度Vtgで導出されているが、上り勾配や下り勾配のような水平面に対する道路の長手方向の勾配が更に考慮されてもよい。但し、本発明は、これらが何れも考慮されない構成を除外するものでない。
【0072】
また、上述では、コーナを「一定曲率区間XF及びその前後のクロソイド区間XCからなる区間」と定義し、減速可能区間を、コーナ手前の直線区間XSと定義しているが、コーナを「一定曲率区間XF及びその前後のクロソイド区間XCの一部からなる区間」と定義し、減速可能区間を、「コーナ手前の直線区間XS+それに後続するクロソイド区間XCの一部からなる区間」と定義することも可能である。
【0073】
また、上述の実施例では、ナビゲーションECU20及び統合マネージャ10が別々のハードウェアで構成されているが、単一のハードウェアにより具現化することも当然に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明による車両制御装置の一実施例を示すシステム構成図である。
【図2】コーナの説明図である。
【図3】実施例1によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関するフローチャートである。
【図4】インジケータ14の一例を示す図である。
【図5】必要減速度Grのレベルに応じたインジケータ14の表示状態の変化規則の一例を示す図である。
【図6】実施例2によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関するフローチャートである。
【図7】横G差分のレベルに応じたインジケータ14の表示状態の変化規則の一例を示す図である。
【図8】実施例3によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関するフローチャートである。
【図9】連続コーナの説明図である。
【図10】実施例4によるナビゲーションECU20及び統合マネージャ10の処理に関するフローチャートである。
【図11】カントαの説明図である。
【符号の説明】
【0075】
10 統合マネージャ
12 ドライバモデル
14 インジケータ
20 ナビゲーションECU
22 地図データベース
24 表示装置
26 操作入力部
28 自車位置検出手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲率を持つ道路区間であるコーナにおける走行支援のための情報表示を行う走行支援情報表示装置であって、
車両の現在位置情報と所与の地図情報とに基づいて、進行方向前方のコーナを検出するコーナ検出手段と、
該コーナの形状に関するコーナ情報を取得するコーナ情報取得手段と、
該コーナ情報を用いて、該コーナを安全に走行するための基準走行速度と、現時点までの車両の走行態様との関係に基づいて、該コーナに前記基準走行速度で進入するために必要な減速度を算出する必要減速度算出手段と、
前記必要減速度を表す表示を視認可能に出力する表示出力手段とを備えることを特徴とする、走行支援情報表示装置。
【請求項2】
前記表示出力手段により出力される表示の状態は、前記必要減速度算出手段により算出される必要減速度のレベルに応じて段階的に変化する、請求項1に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項3】
前記基準走行速度は、コーナの曲率半径と、コーナ走行時に発生する車両の横加速度の許容最大値とに基づいて、算出される、請求項1又は2に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項4】
2以上のコーナが連続する連続コーナにおける走行支援のための情報表示を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の走行支援情報表示装置であって、
前記コーナ検出手段は、進行方向前方の連続コーナを検出し、
前記コーナ情報取得手段は、前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得し、
前記必要減速度算出手段は、前記コーナ情報に基づいて、前記必要減速度を前記連続コーナの各コーナに対して算出し、
前記表示出力手段は、前記必要減速度算出手段により算出される各必要減速度のうち、最大の必要減速度に基づいて前記表示を出力する、走行支援情報表示装置。
【請求項5】
曲率を持つ道路区間であるコーナにおける走行支援のための情報表示を行う走行支援情報表示装置であって、
車両の現在位置情報と所与の地図情報とに基づいて、進行方向前方のコーナを検出するコーナ検出手段と、
該コーナの曲率半径に関する情報を含むコーナ情報を取得するコーナ情報取得手段と、
該コーナ情報と、現時点までの車両の走行態様とに基づいて、該コーナ走行時に車両に発生するだろうと予測される予測横加速度を算出する予測横加速度算出手段と、
前記予測横加速度算出手段により算出される予測横加速度を表す表示を視認可能に出力する表示出力手段とを備えることを特徴とする、走行支援情報表示装置。
【請求項6】
前記表示出力手段により出力される表示の状態は、前記予測横加速度算出手段により算出される予測横加速度のレベルに応じて段階的に変化する、請求項5に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項7】
前記表示の状態と各レベルとの対応関係は、ユーザにより調整可能とされる、請求項2又は6に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項8】
前記表示の状態と各レベルとの対応関係は、実走行時に取得される実走行データに基づく学習結果に基づいて、運転者の運転態様に適合される、請求項2又は6に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項9】
2以上のコーナが連続する連続コーナにおける走行支援のための情報表示を行う請求項5〜8のいずれか1項に記載の走行支援情報表示装置であって、
前記コーナ検出手段は、進行方向前方の連続コーナを検出し、
前記コーナ情報取得手段は、前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得し、
前記予測横加速度算出手段は、前記コーナ情報に基づいて、前記予測横加速度を前記連続コーナの各コーナに対して算出し、
前記表示出力手段は、前記予測横加速度算出手段により算出される各予測横加速度のうち、最大の予測横加速度に基づいて前記表示を出力する、走行支援情報表示装置。
【請求項10】
コーナ情報を用いて、該コーナを安全に走行するための基準走行速度と、現時点までの車両の走行態様との関係に基づいて、該コーナに前記基準走行速度で進入するために必要な減速度を算出する必要減速度算出手段を更に備え、
前記表示出力手段は、前記必要減速度算出手段により算出される必要減速度を、その大きさに応じて、所定数の段階を持つレベルに振り分けると共に、前記予測横加速度算出手段により算出される予測横加速度を、その大きさに応じて、前記必要減速度に係るレベルと同一数の段階を持つレベルに振り分け、前記必要減速度を表す表示と前記予測横加速度を表す表示のうち前記レベルの低い方の表示を出力する、請求項5に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項11】
2以上のコーナが連続する連続コーナにおける走行支援のための情報表示を行う請求項10項に記載の走行支援情報表示装置であって、
前記コーナ検出手段は、進行方向前方の連続コーナを検出し、
前記コーナ情報取得手段は、前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得し、
前記予測横加速度算出手段は、前記コーナ情報に基づいて、前記予測横加速度を前記連続コーナの各コーナに対して算出し、
前記必要減速度算出手段は、前記コーナ情報に基づいて、前記必要減速度を前記連続コーナの各コーナに対して算出し、
前記表示出力手段は、それぞれのコーナ毎に、前記予測横加速度及び前記必要減速度に対するレベルの振り分けを行い、それぞれのコーナにおける低い方のレベルの中で最大となるレベルに係る前記表示を出力する、走行支援情報表示装置。
【請求項12】
前記予測横加速度に代えて、該予測横加速度とコーナを安全に走行するための基準横加速度との差が用いられる、請求項5〜11のいずれか1項に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項1】
曲率を持つ道路区間であるコーナにおける走行支援のための情報表示を行う走行支援情報表示装置であって、
車両の現在位置情報と所与の地図情報とに基づいて、進行方向前方のコーナを検出するコーナ検出手段と、
該コーナの形状に関するコーナ情報を取得するコーナ情報取得手段と、
該コーナ情報を用いて、該コーナを安全に走行するための基準走行速度と、現時点までの車両の走行態様との関係に基づいて、該コーナに前記基準走行速度で進入するために必要な減速度を算出する必要減速度算出手段と、
前記必要減速度を表す表示を視認可能に出力する表示出力手段とを備えることを特徴とする、走行支援情報表示装置。
【請求項2】
前記表示出力手段により出力される表示の状態は、前記必要減速度算出手段により算出される必要減速度のレベルに応じて段階的に変化する、請求項1に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項3】
前記基準走行速度は、コーナの曲率半径と、コーナ走行時に発生する車両の横加速度の許容最大値とに基づいて、算出される、請求項1又は2に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項4】
2以上のコーナが連続する連続コーナにおける走行支援のための情報表示を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の走行支援情報表示装置であって、
前記コーナ検出手段は、進行方向前方の連続コーナを検出し、
前記コーナ情報取得手段は、前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得し、
前記必要減速度算出手段は、前記コーナ情報に基づいて、前記必要減速度を前記連続コーナの各コーナに対して算出し、
前記表示出力手段は、前記必要減速度算出手段により算出される各必要減速度のうち、最大の必要減速度に基づいて前記表示を出力する、走行支援情報表示装置。
【請求項5】
曲率を持つ道路区間であるコーナにおける走行支援のための情報表示を行う走行支援情報表示装置であって、
車両の現在位置情報と所与の地図情報とに基づいて、進行方向前方のコーナを検出するコーナ検出手段と、
該コーナの曲率半径に関する情報を含むコーナ情報を取得するコーナ情報取得手段と、
該コーナ情報と、現時点までの車両の走行態様とに基づいて、該コーナ走行時に車両に発生するだろうと予測される予測横加速度を算出する予測横加速度算出手段と、
前記予測横加速度算出手段により算出される予測横加速度を表す表示を視認可能に出力する表示出力手段とを備えることを特徴とする、走行支援情報表示装置。
【請求項6】
前記表示出力手段により出力される表示の状態は、前記予測横加速度算出手段により算出される予測横加速度のレベルに応じて段階的に変化する、請求項5に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項7】
前記表示の状態と各レベルとの対応関係は、ユーザにより調整可能とされる、請求項2又は6に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項8】
前記表示の状態と各レベルとの対応関係は、実走行時に取得される実走行データに基づく学習結果に基づいて、運転者の運転態様に適合される、請求項2又は6に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項9】
2以上のコーナが連続する連続コーナにおける走行支援のための情報表示を行う請求項5〜8のいずれか1項に記載の走行支援情報表示装置であって、
前記コーナ検出手段は、進行方向前方の連続コーナを検出し、
前記コーナ情報取得手段は、前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得し、
前記予測横加速度算出手段は、前記コーナ情報に基づいて、前記予測横加速度を前記連続コーナの各コーナに対して算出し、
前記表示出力手段は、前記予測横加速度算出手段により算出される各予測横加速度のうち、最大の予測横加速度に基づいて前記表示を出力する、走行支援情報表示装置。
【請求項10】
コーナ情報を用いて、該コーナを安全に走行するための基準走行速度と、現時点までの車両の走行態様との関係に基づいて、該コーナに前記基準走行速度で進入するために必要な減速度を算出する必要減速度算出手段を更に備え、
前記表示出力手段は、前記必要減速度算出手段により算出される必要減速度を、その大きさに応じて、所定数の段階を持つレベルに振り分けると共に、前記予測横加速度算出手段により算出される予測横加速度を、その大きさに応じて、前記必要減速度に係るレベルと同一数の段階を持つレベルに振り分け、前記必要減速度を表す表示と前記予測横加速度を表す表示のうち前記レベルの低い方の表示を出力する、請求項5に記載の走行支援情報表示装置。
【請求項11】
2以上のコーナが連続する連続コーナにおける走行支援のための情報表示を行う請求項10項に記載の走行支援情報表示装置であって、
前記コーナ検出手段は、進行方向前方の連続コーナを検出し、
前記コーナ情報取得手段は、前記連続コーナの形状に関するコーナ情報を取得し、
前記予測横加速度算出手段は、前記コーナ情報に基づいて、前記予測横加速度を前記連続コーナの各コーナに対して算出し、
前記必要減速度算出手段は、前記コーナ情報に基づいて、前記必要減速度を前記連続コーナの各コーナに対して算出し、
前記表示出力手段は、それぞれのコーナ毎に、前記予測横加速度及び前記必要減速度に対するレベルの振り分けを行い、それぞれのコーナにおける低い方のレベルの中で最大となるレベルに係る前記表示を出力する、走行支援情報表示装置。
【請求項12】
前記予測横加速度に代えて、該予測横加速度とコーナを安全に走行するための基準横加速度との差が用いられる、請求項5〜11のいずれか1項に記載の走行支援情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−146783(P2006−146783A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338995(P2004−338995)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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