車両のナビゲーション装置
【課題】本発明は、車両のナビゲーション装置において、車両停車時における操作性を向上しつつ、車両走行時の視認性を確保して、また車室前方のレイアウト効率を高め、さらにドライバーへの情報伝達も迅速に行なうことができる車両のナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ステップS6でYES判断、すなわち停車と判断した場合には、ステップS7に移行する。このステップS7では、ディスプレイユニット11を下方位置に設定(移動)する。一方、ステップS6でNO判断、すなわち車両走行中と判断した場合には、ステップS10に移行する。このステップS7では、ディスプレイユニット11を上方位置に設定(移動)する。
【解決手段】ステップS6でYES判断、すなわち停車と判断した場合には、ステップS7に移行する。このステップS7では、ディスプレイユニット11を下方位置に設定(移動)する。一方、ステップS6でNO判断、すなわち車両走行中と判断した場合には、ステップS10に移行する。このステップS7では、ディスプレイユニット11を上方位置に設定(移動)する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のナビゲーション装置に関し、特に、画像表示を行なう画像出力手段と、乗員の操作を入力する操作入力手段とを一体に構成した入出力部を備えた車両のナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の走行経路を車室内のモニター等の画像出力手段に表示してドライバー等に車両の誘導経路等を認識させる車両のナビゲーション装置が知られている。
【0003】
この車両のナビゲーション装置は、道路地図情報や自車の現在地情報等を表示するモニター等の画像出力手段と、乗員が目的地の入力したり、画面表示を切換えるボタンやスイッチ等の操作入力手段とを有し、この画像出力手段と操作入力手段とを、操作性の観点等から、一体的に構成するのが一般的である。
【0004】
ところで、ナビゲーション装置では、ドライバーに車両走行中、誘導経路等を認識させる必要があるため、できるだけドライバーの視線を動かさないように、フロントガラス近傍位置で、道路情報等を認識させたいという要求がある。
【0005】
そこで、下記特許文献1では、通常のモニター(表示装置)とは別に、フロントガラスにヘッドアップディスプレイを設け、ドライバーの視線移動を少なくして、車両の誘導経路等を認識させるナビゲーション装置が開示されている。
【0006】
このナビゲーション装置によると、操作入力のためのモニターとは別にヘッドアップディスプレイを設けているため、ドライバーは、車両走行中に前方視線を動かすことなく、現実の前方道路との対応を容易に取ることができる。
【0007】
【特許文献1】特開平9−178506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ナビゲーション装置の操作性を考慮すると、ドライバーの手が届き易い場所に操作入力手段が設定される方が良いため、前述の特許文献1では明確に開示されていないが、操作入力のためのモニターは、インストルメントパネル下部に設置していると考えられる。
【0009】
しかし、このように、同じ道路情報等を出力表示するモニターとディスプレイを、インストルメントパネルの上下に別々に設定すると、車室前方のレイアウトスペースが大きく制限されることになり、また、モニター等を余分に設けなければならないため、生産コストも増加する。
【0010】
さらに、同じ道路情報等が、異なるモニターとディスプレイで表示されると、操作する画面と視認する画面とが異なるため、ドライバーは両者の画面情報の一致を頭の中で行いながら、両画面を視認する必要があり、ドライバーに対して瞬時に的確な情報伝達を行なえないおそれがある。
【0011】
そこで、本発明は、車両のナビゲーション装置において、車両停車時における操作性を向上しつつ、車両走行時の視認性を確保して、また車室前方のレイアウト効率を高め、さらにドライバーへの情報伝達も迅速に行なうことができる車両のナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の車両のナビゲーション装置は、道路地図上に自車の現在位置を表示して車両の走行経路の案内表示を行なう画像出力手段と該画像出力部の出力状態を操作する操作手段とを有する入出力部を備えた車両のナビゲーション装置であって、前記入出力部をインストルメントパネルに対して上下方向に移動可能とする移動手段と、車両の停車状態を検出する停車状態検出手段と、該停止状態検出手段で停車を検出した時には前記入出力部を下方位置に設定するとともに、車両走行時には前記入出力部を上方位置に設定する設定位置制御手段とを備えたものである。
【0013】
上記構成によれば、設定位置制御手段によって、入出力部は、停車時にはインストルメントパネル下方位置に設定され、車両走行時には入出力部がインストルメントパネル上方位置に設定されることになる。
このため、同一の入出力部を、停止時にはドライバーが操作し易いインストルメントパネル下部に位置させ、走行中にはドライバーが視認し易いインストルメントパネル上部に位置させることができる。
なお、ここでの入出力部とは、操作ボタンが表示画面と一体的に設けられたディスプレイユニットや、ディスプレイ画面の枠内で入出力操作が行える一部の画面などが含まれる概念である。
また、入出力部に備えられる操作手段は、機械的なボタン式のものであってもよい。
【0014】
この発明の一実施態様においては、前記停車状態検出手段を、車速が所定値以下、変速機のパーキングレンジ選択、パーキングブレーキの作動、ナビゲーション装置の車両停止信号の少なくとも1つの状態を検出することで構成したものである。
上記構成によれば、車速が所定値以下、変速機のパーキングレンジ選択、パーキングブレーキの作動、ナビゲーション装置の車両停止信号の少なくとも1つによって、車両の停止状態が検出されることになる。
よって、既存のセンサやスイッチ等をそのまま利用して、車両の停車状態を、確実に検出することができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、前記操作手段を、画像出力手段に表示される操作ボタンをタッチすることで操作信号を入力するタッチパネルで構成したものである。
上記構成によれば、画像出力部の出力状態を、入出力部に設けたタッチパネルで操作することができる。
よって、操作性の良いタッチパネルでナビゲーション装置の操作性も高めることができるため、より操作性を向上することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、前記入出力部を、インストルメントパネルに対して上下方向に延設したディスプレイの一部として構成したものである。
上記構成によれば、上下方向に延設した一つのディスプレイの中で、入出力部が上下に移動することになる。
よって、入出力部をインストルメントパネルに対して上下方向に移動させる移動手段を、簡易に構成することができる。
また、このように一つのディスプレイの中で入出力部を上下に移動させることで、残りの画面を他の機器の画面として利用でき、インストルメントパネル内の各機器のレイアウト効率を高めることができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、前記入出力部の上下方向位置を乗員が任意に設定することができる位置調整手段を備えたものである。
上記構成によれば、乗員は、位置調整手段によって入出力部の上下方向位置を自由に変更(調整)することができる。
このため、入出力部の上下位置を、乗員のニーズに合わせた位置に設定することができる。
よって、入出力部の位置を乗員の要求に応じて、より適切な位置に変更することができるため、ナビゲーション装置の操作性や視認性に加え、利便性も高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、同一の入出力部を、停止時にはドライバーが操作し易いインストルメントパネル下部に位置させ、走行中にはドライバーが視認し易いインストルメントパネル上部に位置させることができる。
よって、車両のナビゲーション装置において、車両停車時における操作性を向上しつつ、車両走行時の視認性を確保して、また車室前方のレイアウト効率を高め、さらにドライバーへの情報伝達も迅速に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態について、以下、図面に基づいて詳述する。
図1は第一実施形態の車両のナビゲーション装置を設置したインストルメントパネルを車室内方側から見た正面図である。図2は、図1のA−A矢視断面図であり、この断面図にドライバーを一点鎖線で加えて示した図である。
【0020】
図1に示すように、この実施形態では、車室前部に設置されるインストルメントパネル1を、車幅方向全幅にわたって延びるインパネ上面部2と、車幅方向中央位置で上下方向に延びるセンターパネル3と、ドライバー席側(図面では左側)に設けたメータパネル4と、助手席側に設けたグローブボックス5とを備えて構成している。
【0021】
このインストルメントパネル1の上方には、フロントガラス6を前下がりに前傾配置して、その両側には上方に延びるフロントピラー7,7を配置している。また、メータパネル4のドライバー側(手前側)には、ステアリングホイール8を配置している。
【0022】
そして、センターパネル3の下方には、自動変速機のシフトレバー9を、シフトパネル10上に立設して、ドライバーが操作しやすい位置にシフトレバー9を位置させている。
【0023】
このうち、上下方向に延びるセンターパネル3には、上下方向で昇降するナビゲーション装置の入出力部であるディスプレイユニット11を設定している。図1の状態は、車両走行中におけるディスプレイユニット11の位置を示したものであり、ディスプレイユニット11は、走行中、センターパネル3の最上位に位置するように設定されている。なお、ディスプレイユニット11の昇降機構については後述する。
【0024】
このディスプレイユニット11は、中央に横長の画像出力手段たるモニター表示部12を設け、その周縁にフレーム部13を設けている。また、このフレーム部13の右側下部には、矩形のシーソータイプのマニュアルスイッチ14を設けており、さらに、モニター表示部12内部には、操作手段たるタッチパネル式の操作ボタン15を設けている。
【0025】
モニター表示部12には、ナビゲーション装置の画像情報T(例えば、地図情報、現在地情報、経路案内情報、到着時間情報、渋滞情報等)が表示され、ドライバー等に適切な情報を与えるように構成している。
また、タッチパネル式の操作ボタン15は、画面の切換や目的地の入力等、ナビゲーション装置を操作するために必要な情報をドライバー等が入力できるように構成している。
なお、この操作ボタン15を、前述のマニュアルスイッチ14と同様に、フレーム部13に機械的なスイッチボタンとして構成してもよい。
【0026】
前述のマニュアルスイッチ14は、ドライバー等がシーソー操作によって上下に押圧することで、後述する制御システムによって、ディスプレイユニット11を昇降させるように構成している。
【0027】
ディスプレイユニット11の背面位置には、上下方向に延びるバックプレート21が設けられており、センターパネル3の中央部でディスプレイユニット11が上下移動するための溝凹部21aを構成している。
【0028】
このバックプレート21の中央位置には、車室内の室温等を制御するエアコン装置の操作ユニット22(図2参照)を設置している。この操作ユニット22は、ボックス状の本体部22aと、バックプレート21表面に露出する操作ボタン22b(図1参照)と、空調状態を表示する表示パネル22cとを備えている。
また、この操作ユニット22の両側位置のセンターパネル3には、空調エアを車室内に送風する空調吹出口23,23を設置している。
【0029】
前述のように、本実施形態のナビゲーション装置のディスプレイユニット11は、センターパネル3を上下方向に昇降移動するように構成している。このため、図2に示すように、ディスプレイユニット11は、インストルメントパネル1の上部に位置した時(11A)にはドライバーの前方視線PLに近い位置に位置することになり、インストルメントパネル1の下部に位置した時(11B)にはドライバーの手PHの位置に近い位置に位置することになる。
【0030】
次に、図3〜図5により、このディスプレイユニットの昇降機構及びその制御システムについて説明する。図3は昇降機構の詳細側面図、図4は昇降機構のシステムブロック図、図5は昇降機構を制御する制御フローチャートである。
【0031】
図3に示すように、昇降機構30は、ディスプレイユニット11両側のセンターパネル3に設けた上下方向に延びるレール凹部31に沿って左右一対で設置されており(図3では右側のみ)、ディスプレイユニット11に対して固定されて昇降部材となる上下二つのナット機構32,32と、このナット機構32,32に螺合してナット機構32,32を上下方向に昇降させる略上下方向に延びるボールスクリュー33と、このボールスクリュー33の下方に位置してボールスクリュー33を回転駆動する正逆回転可能なステッピングモータ34と、を有して構成している。
【0032】
このうち、ボールスクリュー33の上端を上部取付ブラケット35で回動自在に軸支固定するとともに、ステッピングモータ34を下部取付ブラケット36で強固に固定して、昇降機構30をセンターパネル3のレール凹部31内に固設している。
【0033】
こうして、昇降機構30を構成することで、ステッピングモータ34を回転駆動することで、ナット機構32,32を上下動させて、ディスプレイユニット11を上下方向に自由に昇降移動させることができる。
【0034】
図4に示すように、昇降機構30を制御する制御ブロックは、昇降機構30の上下移動の演算処理等を行なう中央処理手段たるCPU40を備え、そのCPU40に対して入力手段たる、車速センサ41、Pレンジスイッチ42、パーキングブレーキスイッチ43、マニュアルスイッチ14、ポジションセンサ44、GPSセンサ45を接続し、また、出力手段たる、ステッピングモータ34、ディスプレイユニット(モニター表示部)11、スピーカ46を接続することで構成している。
【0035】
この入力手段のうち、車速センサ41からは、現在の車両の車速信号が、Pレンジスイッチ42からは、自動変速機のPレンジ(パーキングレンジ)選択信号が、パーキングブレーキスイッチ43からは、パーキングブレーキ作動信号が、それぞれ入力されるように構成している。
これら入力手段の入力信号によって、車両の停止状態を検出するように構成している。
【0036】
また、その他の入力手段では、マニュアルスイッチ14からは、ドライバー等がディスプレイユニット11を任意に上下動させる操作信号が、ポジションセンサ44からは、ディスプレイユニット11の上下位置信号が、さらに、GPSセンサ45からは、車両の現在地情報等が、それぞれ入力されるように構成している。
また、このCPU40には、制御フローや作動状態等を記憶するメモリ47を接続しており、さらに、通常のナビゲーション装置のナビCPU48も接続している。なお、これらのCPU40,48は、一体にして構成してもよい。
【0037】
そして、このナビCPU48には、入力手段として前述のタッチパネル式の操作ボタン15(表示画面によって変化する)を接続しており、ドライバー等からのナビゲーション装置への操作信号を入力するように構成している。また、このナビCPU48で演算処理された画像情報等は、前述のディスプレイユニット(モニター表示部)11から出力表示されるように構成している。
【0038】
次に、図5の制御フローチャートで昇降機構の作動等について説明する。
【0039】
まず、ステップS1で各種検出信号の読込みを行なう。この読込み作業は、常時行っており、ナビゲーション装置の電源がOFFの状態でも、待機電力によって行っている。
次に、ステップS2でナビゲーション装置の電源がONかを判定する。ここでNO判断、すなわち、電源OFFの場合はそのままリターンに移行する。一方、YES判断の場合は、ステップS3に移行する。
【0040】
ステップS3では、マニュアルスイッチ14の操作があったかを判断する。ドライバー等がマニュアルスイッチ14の操作でディスプレイユニット11の上下位置を調整(移動)しようとしているのかを判断するのである。
具体的には、図1に示す、シーソータイプのマニュアルスイッチ14を、ドライバー等が操作しているのかを判断する。
【0041】
このステップS3でYES判断をした場合には、ステップS4に移行して、マニュアルスイッチ14の操作量に応じて、ディスプレイユニット11を上方又は下方へ移動させる。
【0042】
このディスプレイユニット11の移動は、マニュアルスイッチ14の押圧時間及び方向から、ステッピングモータ34の回転量と回転方向を求めて、この回転量と回転方向によりステッピングモータ34を正転又は逆転させて、ボールスクリュー33を所定量回転させることにより、ディスプレイユニット11を上下移動させる。
【0043】
次に、ステップS5に移行して、ディスプレイユニット11のモニター表示部12に移動方向を表示する。このように表示を行なうことで、ドライバー等に対して、ディスプレイユニット11の移動方向を確実に認識させることができ、マニュアルスイッチ14の誤操作を防止することができる。
【0044】
一方、ステップS3でNO判断の場合には、ドライバー等がマニュアルスイッチ14を操作していないことから、ステップS6に移行する。
このステップS6では、車両が停車か判定される。この停車判定は、前述の入力手段のうち、車速センサ41、Pレンジスイッチ42、パーキングブレーキスイッチ43からの入力信号で判定する。例えば、車速0km/h以下で、Pレンジスイッチ42と、パーキングブレーキスイッチ43のいずれからも作動信号を受けた場合に、車両の停車を判断する。
なお、ここで入力される車速は、直接、車輪速等を検出して得た車速信号であってもよいし、ABS装置(図示せず)やエンジン制御装置(図示せず)等で用いた車速信号を読込んでもよい。さらには、ナビゲーション装置で用いた車速信号から車両の停止を判断してそのまま利用してもよい。
【0045】
また、GPSセンサ45からは、車両の現在地の情報を取り込んで、車両移動がない場合に、停車と判断してもよい。
【0046】
また、以上の実施形態では、複数のセンサ信号に基いて車両の停車を判断したが、車速センサ41、Pレンジスイッチ42、パーキングブレーキスイッチ43、さらには、ナビゲーション装置の停車判断の情報のいずれかの信号だけで、停車を判定するように構成してもよい。
【0047】
ステップS6でYES判断、すなわち停車と判断した場合には、ステップS7に移行する。このステップS7では、ディスプレイユニット11を下方位置に設定(移動)する。
【0048】
この下方位置への設定は、ステッピングモータ34を一方向(ディスプレイユニット11が降下する方向)に回転させてボールスクリュー33をその方向に回転させることで、ナット機構32,32を下方に移動させる。これにより、ディスプレイユニット11がセンターパネル3の下部に位置することになる。
なお、このディスプレイユニット11の位置制御は、ポジションセンサ44によってディスプレイユニット11の位置を検出して、フィードバック制御によって、ステッピングモータ34の回転量を制御して行なう。
【0049】
次に、ステップS8に移行して、ディスプレイユニット11のモニター表示部12に下方移動を表示する。この場合も、ドライバー等に対して、ディスプレイユニット11の移動方向を認識させることで、ドライバー等に安心感を与えることができる。
【0050】
さらに、ステップS9に移行して、音声案内、例えば「ディスプレイユニットが下方に下がります」との音声案内をスピーカ46から出力する。この音声案内によって、ディスプレイユニット11を見ていないドライバー等に対して注意喚起を行ない、ディスプレイユニット11の移動時の他の部材との干渉を防ぐことができる。
【0051】
一方、ステップS6でNO判断、すなわち車両走行中と判断した場合には、ステップS10に移行する。このステップS7では、ディスプレイユニット11を上方位置に設定(移動)する。
【0052】
この上方位置への設定は、ステッピングモータ34を他方向(ディスプレイユニット11が上昇する方向)に回転させてボールスクリュー33を、その方向に回転させることで、ナット機構32,32を上方に移動させる。これにより、ディスプレイユニット11がセンターパネル3の上部に位置することになる。
このディスプレイユニット11の位置制御も、フィードバック制御で行っている。
【0053】
次に、ステップS11に移行して、ディスプレイユニット11のモニター表示部12に上方移動を表示する。この場合も、ドライバー等に対して、ディスプレイユニット11の移動方向を認識させることで、ドライバー等に安心感を与えることができる。
【0054】
さらに、ステップS12に移行して、音声案内、例えば「ディスプレイユニットが上方に上がります」との音声案内をスピーカ46から出力する。この音声案内によっても、同様に、ディスプレイユニット11を見ていないドライバーに対して注意喚起を行なうことができる。
【0055】
このような制御フローで昇降機構30が作動することにより、ディスプレイユニット11は、マニュアルスイッチ14で操作される場合以外は、車両停車時にセンターパネル3の下部、すなわちインストルメントパネル1の下部に位置して(図2の11B参照)、車両走行時にセンターパネル3の上部、すなわちインストルメントパネル1の上部に位置する(図2の11A参照)ことになる。
【0056】
なお、この制御フローでは、詳細に説明していないが、マニュアルスイッチ14等で、マニュアル操作によってディスプレイユニット11が動くマニュアルモードと、自動的にディスプレイユニット11が動くオートモードを切換えるように構成して、ディスプレイユニット11の移動位置が確実に保持されるように制御してもよい。
すなわち、シーソータイプのマニュアルスイッチ14の上又は下を押圧することでマニュアルモードに移行し、そのまま押圧しつづけることでディスプレイユニット11が上下に移動するように構成して、マニュアルスイッチ14の押圧操作が終わっても、ディスプレイユニット11の位置が保持されるように制御することが考えられる。
【0057】
また、オートモードについても、前回のフローでディスプレイユニット11が停車によって下方に移動していれば、今回のフローでも停車であれば、ディスプレイユニット11の位置が保持されるように制御することが考えられる。なお、マニュアルモードからオートモードへの復帰は、マニュアルスイッチ14の中心を押圧することで行なうことが考えられる。
【0058】
このように、ディスプレイユニット11の位置を確実に保持するように制御することで、ディスプレイユニット11の移動制御を、より安定して行なうことができる。
【0059】
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について詳述する。
この実施形態の車両のナビゲーション装置は、ディスプレイユニット11をインストルメントパネル1に対して上下方向に移動可能とする昇降機構30と、車両の停車状態を検出する車速センサ41等とを備え、車速センサ41等で停車を検出した時にはディスプレイユニット11を下方位置に設定するとともに、車両走行時にはディスプレイユニット11を上方位置に設定するように、昇降機構30を制御している。
【0060】
これにより、停車時には、ディスプレイユニット11がインストルメントパネル1の下方位置に設定され、車両走行時には、ディスプレイユニット11がインストルメントパネル1の上方位置に設定されるため、同一のディスプレイユニット11が、停止時にはドライバーが操作し易いインストルメントパネル1の下部に位置して、走行中にはドライバーが視認し易いインストルメントパネル1の上部に位置することになる。
よって、車両のナビゲーション装置において、車両停車時における操作性を向上しつつ、車両走行時の視認性を確保して、また車室前方、特にインストルメントパネル1周りのレイアウト効率を高め、さらにドライバーへの情報伝達も、同一のディスプレイユニット11で行なうことで、迅速に行なうことができる。
【0061】
また、この実施形態では、車両の停車状態を、車速が所定値以下、自動変速機のパーキングレンジ選択、パーキングブレーキの作動、ナビゲーション装置の信号によって検出するようにしている。
これにより、コストを余計に掛けることなく、既存のセンサやスイッチ等を利用して、車両の停車状態を確実に検出することができる。
【0062】
また、この実施形態では、ナビゲーション装置の操作を、ディスプレイユニット11のモニター表示部12に表示されるタッチパネル式の操作ボタン15で行なうようにしている。
これにより、操作性の良いタッチパネル式の操作ボタン15でナビゲーション装置の操作性を高めることができる。
よって、よりナビゲーション装置の操作性を向上することができる。
【0063】
また、この実施形態では、ディスプレイユニット11の上下方向位置をドライバー等が任意に設定することができるマニュアルスイッチ14を備えている。
これにより、ドライバー等は、ディスプレイユニット11の上下方向位置を自由に変更(調整)することができる。
よって、ディスプレイユニット11の上下位置を、乗員のニーズに合わせた位置に設定することができ、ナビゲーション装置の操作性や視認性に加え、利便性も高めることができる。
【0064】
なお、この実施形態に、さらに構成要素を加えた実施形態として、図2において二点鎖線で示すように、バックプレート21の上部と下部に、小物収容ボックス50,51を設けることが考えられる。
【0065】
すなわち、車両停車時には、ディスプレイユニット11が下方に移動するため、バックプレート21の上部に、停車時に物入れを行うことができる第一小物収容ボックス50を設けて、一方、車両走行時には、ディスプレイユニット11が上方に移動するため、バックプレート21の下部に、走行時に物入れを行うことができる第二小物収容ボックス51を設けることが考えられる。
【0066】
特に、下部位置の第二小物収容ボックス51では、車両停車時にディスプレイユニット11で閉鎖されるため、防犯のためシークレットボックスとして使用することができたり、ETCカードの挿入口(図示せず)を設定することで、ETCカードの盗難を防ぐことができる。
【0067】
次に、図6〜図8で第二実施形態について説明する。図6は車両走行時のインストルメントパネルのセンターパネルを示した詳細正面図、図7は車両停車時のインストルメントパネルのセンターパネルを示した詳細正面図、図8は本実施形態の制御フローチャートである。
なお、その他の構成要素については、昇降機構がないだけで、基本的にはほぼ同様である。
【0068】
この実施形態は、ディスプレイユニット111自体を、上下方向に大きく且つ長く構成して、このディスプレイユニット111のモニター表示部112の中で、ナビゲーション装置の画面120とオーディオ装置の画面130とエアコン装置の画面140とを一度に表示するように構成し、これらの表示位置を走行時と停車時とで変化させるように構成したものである。
【0069】
図6で、第二実施形態の全体構造について説明する。
インストルメントパネル1のセンターパネル3に、上下方向に長く略長方形状に形成されたディスプレイユニット111を設置して、このディスプレイユニット111のモニター表示部112に、上方からナビゲーション画面120、オーディオ画面130、エアコン画面140を順に表示するように構成している。
【0070】
このモニター表示部112は、全面がタッチパネルとして構成されており、各画面120,130,140に表示された操作ボタン121,131,141を押圧操作することにより、各装置を操作できるように構成している。
【0071】
また、右側の空調噴出口23の下方位置のセンターパネル3には、シーソータイプのマニュアルスイッチ114を設けており、このマニュアルスイッチ114で、ナビゲーション画面120の位置をドライバー等の操作によって任意に変更できるように構成している。
【0072】
その他の構成要素については、第一実施形態と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
図7は、車両停車時のセンターパネル3を示した図であるが、この図に示すように、車両停車時には、ナビゲーション画面120は、最下部に表示されて、最上部にはエアコン画面140が表示されるように構成している。また、ナビゲーション画面120が最下部に位置する時には、走行時(図6参照)に比較して、操作ボタン121が増加するように表示され(例えば、目的地を入力する目的地ボタン122が追加して表示される)、ドライバー等の操作性を高めるように構成している。
【0074】
図8によって、本実施形態の制御フローについて説明する。なお、この制御フローにおいても、図5の制御フローと同様のステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
この制御フローにおいても、ステップS3でマニュアルスイッチ114の操作があったかを判断して、YES判断でマニュアルスイッチ114の操作があったと判断した場合には、ステップS104に移行する。
【0076】
ステップS104では、マニュアルスイッチ114の操作量に応じてナビゲーション画面120を移動させる。例えば、マニュアルスイッチ14を上方に操作した場合は、現在表示されている位置よりも上方位置に表示して、下方に操作した場合には、下方位置に表示するようにしている。これにより、ドライバーの要求に合致した位置にナビゲーション画面120を表示させることができる。
【0077】
一方、ステップS3でNO判断だった場合には、この実施形態も、ステップS4に移行して停車かを判定する。
【0078】
ステップS4でYES判断の場合には、ステップS107に移行する。ステップS107では、ナビゲーション画面120を下方位置に設定(表示)する(図7参照)。これにより、第一実施形態と同様に、ドライバー等が手で操作しやすい位置にナビゲーション画面120が表示されることになり、操作性を向上することができる。
【0079】
その後、ステップS109で音声案内、例えば、「ナビゲーション画面が下方位置に表示されます」との音声案内をスピーカ46で出力する。このように音声案内することで、ドライバーは、ナビゲーション画面120が移動したことを、直接モニター表示部112を見ていなくても認識することができる。
【0080】
ステップS4でNO判断の場合には、ステップS110に移行する。ステップS110では、ナビゲーション画面120を上方位置に設定(表示)する(図8参照)。これにより、第一実施形態と同様に、インストルメントパネル1の上部にナビゲーション画面120が表示され、ナビゲーション画面120の視認性を高めることができる。
【0081】
その後、ステップS112で音声案内、例えば、「ナビゲーション画面が上方位置に表示されます」との音声案内をスピーカ46で出力する。これにより、この場合も、ドライバーは、ナビゲーション画面120が移動したことを、直接モニター表示部112を見ていなくても認識することができる。
【0082】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
この実施形態の車両のナビゲーション装置は、インストルメントパネル1に対して上下方向に延設したディスプレイユニット111の一部に、入出力部たるナビゲーション画面120を表示するように構成し、車両停車時にはナビゲーション画面120を下方に表示して、車両走行時にはナビゲーション画面120を下方に表示するようにしている。
これにより、上下方向に延設した一つのディスプレイユニット111のモニター表示部112の中で、ナビゲーション画面120が上下方向に移動することになる。
よって、入出力部たるナビゲーション画面120をインストルメントパネル1に対して上下方向に移動させる移動手段を、第一実施形態のように、昇降機構30等の構成要素を設けることなく、簡易に構成することができる。
また、このように一つのディスプレイユニット111のモニター表示部112の中でナビゲーション画面120を上下に移動させることで、残りの画面を他の機器の画面(130,140参照)として利用でき、インストルメントパネル1の各機器のレイアウト効率を高めることができる。
【0083】
また、ナビゲーション画面120が上方に位置するときと、下方に位置するときとで、操作ボタン121の数を変化、具体的には、下方に位置するときに目的地ボタン122等を増加して表示させることにより、操作性の向上と視認性の向上の両立を、さらに図ることができる。
【0084】
その他の作用効果については、第一実施形態と同様である。
【0085】
以上、この発明の構成と、前述の実施形態との対応において、
この発明の入出力部は、実施形態のディスプレイユニット11、ナビゲーション画面120に対応し、
以下、同様に
移動手段は、昇降機構30、ディスプレイユニット111に対応し、
停車状態検出手段は、車速センサ41、Pレンジスイッチ42、パーキングブレーキスイッチ43、GPSセンサ45に対応し、
設定位置制御手段は、ステップS7、ステップS8の処理を行なうCPU40に対応するも
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車両のナビゲーション装置に適用する実施形態を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第一実施形態の車両のナビゲーション装置を設置したインストルメントパネルを車室内方側から見た正面図。
【図2】図1のA−A矢視断面図にドライバーを一点鎖線で加えた図。
【図3】昇降機構の詳細側面図。
【図4】昇降機構のシステムブロック図。
【図5】昇降機構を制御する制御フローチャート。
【図6】第二実施形態の車両走行時のインストルメントパネルのセンターパネルを示した詳細正面図。
【図7】車両停車時のインストルメントパネルのセンターパネルを示した詳細正面図。
【図8】第二実施形態の制御フローチャート。
【符号の説明】
【0087】
1…インストルメントパネル
3…センターパネル
11…ディスプレイユニット
12…モニター表示部
15…操作ボタン
30…昇降機構
111…ディスプレイユニット
120…ナビゲーション画面
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のナビゲーション装置に関し、特に、画像表示を行なう画像出力手段と、乗員の操作を入力する操作入力手段とを一体に構成した入出力部を備えた車両のナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の走行経路を車室内のモニター等の画像出力手段に表示してドライバー等に車両の誘導経路等を認識させる車両のナビゲーション装置が知られている。
【0003】
この車両のナビゲーション装置は、道路地図情報や自車の現在地情報等を表示するモニター等の画像出力手段と、乗員が目的地の入力したり、画面表示を切換えるボタンやスイッチ等の操作入力手段とを有し、この画像出力手段と操作入力手段とを、操作性の観点等から、一体的に構成するのが一般的である。
【0004】
ところで、ナビゲーション装置では、ドライバーに車両走行中、誘導経路等を認識させる必要があるため、できるだけドライバーの視線を動かさないように、フロントガラス近傍位置で、道路情報等を認識させたいという要求がある。
【0005】
そこで、下記特許文献1では、通常のモニター(表示装置)とは別に、フロントガラスにヘッドアップディスプレイを設け、ドライバーの視線移動を少なくして、車両の誘導経路等を認識させるナビゲーション装置が開示されている。
【0006】
このナビゲーション装置によると、操作入力のためのモニターとは別にヘッドアップディスプレイを設けているため、ドライバーは、車両走行中に前方視線を動かすことなく、現実の前方道路との対応を容易に取ることができる。
【0007】
【特許文献1】特開平9−178506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ナビゲーション装置の操作性を考慮すると、ドライバーの手が届き易い場所に操作入力手段が設定される方が良いため、前述の特許文献1では明確に開示されていないが、操作入力のためのモニターは、インストルメントパネル下部に設置していると考えられる。
【0009】
しかし、このように、同じ道路情報等を出力表示するモニターとディスプレイを、インストルメントパネルの上下に別々に設定すると、車室前方のレイアウトスペースが大きく制限されることになり、また、モニター等を余分に設けなければならないため、生産コストも増加する。
【0010】
さらに、同じ道路情報等が、異なるモニターとディスプレイで表示されると、操作する画面と視認する画面とが異なるため、ドライバーは両者の画面情報の一致を頭の中で行いながら、両画面を視認する必要があり、ドライバーに対して瞬時に的確な情報伝達を行なえないおそれがある。
【0011】
そこで、本発明は、車両のナビゲーション装置において、車両停車時における操作性を向上しつつ、車両走行時の視認性を確保して、また車室前方のレイアウト効率を高め、さらにドライバーへの情報伝達も迅速に行なうことができる車両のナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の車両のナビゲーション装置は、道路地図上に自車の現在位置を表示して車両の走行経路の案内表示を行なう画像出力手段と該画像出力部の出力状態を操作する操作手段とを有する入出力部を備えた車両のナビゲーション装置であって、前記入出力部をインストルメントパネルに対して上下方向に移動可能とする移動手段と、車両の停車状態を検出する停車状態検出手段と、該停止状態検出手段で停車を検出した時には前記入出力部を下方位置に設定するとともに、車両走行時には前記入出力部を上方位置に設定する設定位置制御手段とを備えたものである。
【0013】
上記構成によれば、設定位置制御手段によって、入出力部は、停車時にはインストルメントパネル下方位置に設定され、車両走行時には入出力部がインストルメントパネル上方位置に設定されることになる。
このため、同一の入出力部を、停止時にはドライバーが操作し易いインストルメントパネル下部に位置させ、走行中にはドライバーが視認し易いインストルメントパネル上部に位置させることができる。
なお、ここでの入出力部とは、操作ボタンが表示画面と一体的に設けられたディスプレイユニットや、ディスプレイ画面の枠内で入出力操作が行える一部の画面などが含まれる概念である。
また、入出力部に備えられる操作手段は、機械的なボタン式のものであってもよい。
【0014】
この発明の一実施態様においては、前記停車状態検出手段を、車速が所定値以下、変速機のパーキングレンジ選択、パーキングブレーキの作動、ナビゲーション装置の車両停止信号の少なくとも1つの状態を検出することで構成したものである。
上記構成によれば、車速が所定値以下、変速機のパーキングレンジ選択、パーキングブレーキの作動、ナビゲーション装置の車両停止信号の少なくとも1つによって、車両の停止状態が検出されることになる。
よって、既存のセンサやスイッチ等をそのまま利用して、車両の停車状態を、確実に検出することができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、前記操作手段を、画像出力手段に表示される操作ボタンをタッチすることで操作信号を入力するタッチパネルで構成したものである。
上記構成によれば、画像出力部の出力状態を、入出力部に設けたタッチパネルで操作することができる。
よって、操作性の良いタッチパネルでナビゲーション装置の操作性も高めることができるため、より操作性を向上することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、前記入出力部を、インストルメントパネルに対して上下方向に延設したディスプレイの一部として構成したものである。
上記構成によれば、上下方向に延設した一つのディスプレイの中で、入出力部が上下に移動することになる。
よって、入出力部をインストルメントパネルに対して上下方向に移動させる移動手段を、簡易に構成することができる。
また、このように一つのディスプレイの中で入出力部を上下に移動させることで、残りの画面を他の機器の画面として利用でき、インストルメントパネル内の各機器のレイアウト効率を高めることができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、前記入出力部の上下方向位置を乗員が任意に設定することができる位置調整手段を備えたものである。
上記構成によれば、乗員は、位置調整手段によって入出力部の上下方向位置を自由に変更(調整)することができる。
このため、入出力部の上下位置を、乗員のニーズに合わせた位置に設定することができる。
よって、入出力部の位置を乗員の要求に応じて、より適切な位置に変更することができるため、ナビゲーション装置の操作性や視認性に加え、利便性も高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、同一の入出力部を、停止時にはドライバーが操作し易いインストルメントパネル下部に位置させ、走行中にはドライバーが視認し易いインストルメントパネル上部に位置させることができる。
よって、車両のナビゲーション装置において、車両停車時における操作性を向上しつつ、車両走行時の視認性を確保して、また車室前方のレイアウト効率を高め、さらにドライバーへの情報伝達も迅速に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態について、以下、図面に基づいて詳述する。
図1は第一実施形態の車両のナビゲーション装置を設置したインストルメントパネルを車室内方側から見た正面図である。図2は、図1のA−A矢視断面図であり、この断面図にドライバーを一点鎖線で加えて示した図である。
【0020】
図1に示すように、この実施形態では、車室前部に設置されるインストルメントパネル1を、車幅方向全幅にわたって延びるインパネ上面部2と、車幅方向中央位置で上下方向に延びるセンターパネル3と、ドライバー席側(図面では左側)に設けたメータパネル4と、助手席側に設けたグローブボックス5とを備えて構成している。
【0021】
このインストルメントパネル1の上方には、フロントガラス6を前下がりに前傾配置して、その両側には上方に延びるフロントピラー7,7を配置している。また、メータパネル4のドライバー側(手前側)には、ステアリングホイール8を配置している。
【0022】
そして、センターパネル3の下方には、自動変速機のシフトレバー9を、シフトパネル10上に立設して、ドライバーが操作しやすい位置にシフトレバー9を位置させている。
【0023】
このうち、上下方向に延びるセンターパネル3には、上下方向で昇降するナビゲーション装置の入出力部であるディスプレイユニット11を設定している。図1の状態は、車両走行中におけるディスプレイユニット11の位置を示したものであり、ディスプレイユニット11は、走行中、センターパネル3の最上位に位置するように設定されている。なお、ディスプレイユニット11の昇降機構については後述する。
【0024】
このディスプレイユニット11は、中央に横長の画像出力手段たるモニター表示部12を設け、その周縁にフレーム部13を設けている。また、このフレーム部13の右側下部には、矩形のシーソータイプのマニュアルスイッチ14を設けており、さらに、モニター表示部12内部には、操作手段たるタッチパネル式の操作ボタン15を設けている。
【0025】
モニター表示部12には、ナビゲーション装置の画像情報T(例えば、地図情報、現在地情報、経路案内情報、到着時間情報、渋滞情報等)が表示され、ドライバー等に適切な情報を与えるように構成している。
また、タッチパネル式の操作ボタン15は、画面の切換や目的地の入力等、ナビゲーション装置を操作するために必要な情報をドライバー等が入力できるように構成している。
なお、この操作ボタン15を、前述のマニュアルスイッチ14と同様に、フレーム部13に機械的なスイッチボタンとして構成してもよい。
【0026】
前述のマニュアルスイッチ14は、ドライバー等がシーソー操作によって上下に押圧することで、後述する制御システムによって、ディスプレイユニット11を昇降させるように構成している。
【0027】
ディスプレイユニット11の背面位置には、上下方向に延びるバックプレート21が設けられており、センターパネル3の中央部でディスプレイユニット11が上下移動するための溝凹部21aを構成している。
【0028】
このバックプレート21の中央位置には、車室内の室温等を制御するエアコン装置の操作ユニット22(図2参照)を設置している。この操作ユニット22は、ボックス状の本体部22aと、バックプレート21表面に露出する操作ボタン22b(図1参照)と、空調状態を表示する表示パネル22cとを備えている。
また、この操作ユニット22の両側位置のセンターパネル3には、空調エアを車室内に送風する空調吹出口23,23を設置している。
【0029】
前述のように、本実施形態のナビゲーション装置のディスプレイユニット11は、センターパネル3を上下方向に昇降移動するように構成している。このため、図2に示すように、ディスプレイユニット11は、インストルメントパネル1の上部に位置した時(11A)にはドライバーの前方視線PLに近い位置に位置することになり、インストルメントパネル1の下部に位置した時(11B)にはドライバーの手PHの位置に近い位置に位置することになる。
【0030】
次に、図3〜図5により、このディスプレイユニットの昇降機構及びその制御システムについて説明する。図3は昇降機構の詳細側面図、図4は昇降機構のシステムブロック図、図5は昇降機構を制御する制御フローチャートである。
【0031】
図3に示すように、昇降機構30は、ディスプレイユニット11両側のセンターパネル3に設けた上下方向に延びるレール凹部31に沿って左右一対で設置されており(図3では右側のみ)、ディスプレイユニット11に対して固定されて昇降部材となる上下二つのナット機構32,32と、このナット機構32,32に螺合してナット機構32,32を上下方向に昇降させる略上下方向に延びるボールスクリュー33と、このボールスクリュー33の下方に位置してボールスクリュー33を回転駆動する正逆回転可能なステッピングモータ34と、を有して構成している。
【0032】
このうち、ボールスクリュー33の上端を上部取付ブラケット35で回動自在に軸支固定するとともに、ステッピングモータ34を下部取付ブラケット36で強固に固定して、昇降機構30をセンターパネル3のレール凹部31内に固設している。
【0033】
こうして、昇降機構30を構成することで、ステッピングモータ34を回転駆動することで、ナット機構32,32を上下動させて、ディスプレイユニット11を上下方向に自由に昇降移動させることができる。
【0034】
図4に示すように、昇降機構30を制御する制御ブロックは、昇降機構30の上下移動の演算処理等を行なう中央処理手段たるCPU40を備え、そのCPU40に対して入力手段たる、車速センサ41、Pレンジスイッチ42、パーキングブレーキスイッチ43、マニュアルスイッチ14、ポジションセンサ44、GPSセンサ45を接続し、また、出力手段たる、ステッピングモータ34、ディスプレイユニット(モニター表示部)11、スピーカ46を接続することで構成している。
【0035】
この入力手段のうち、車速センサ41からは、現在の車両の車速信号が、Pレンジスイッチ42からは、自動変速機のPレンジ(パーキングレンジ)選択信号が、パーキングブレーキスイッチ43からは、パーキングブレーキ作動信号が、それぞれ入力されるように構成している。
これら入力手段の入力信号によって、車両の停止状態を検出するように構成している。
【0036】
また、その他の入力手段では、マニュアルスイッチ14からは、ドライバー等がディスプレイユニット11を任意に上下動させる操作信号が、ポジションセンサ44からは、ディスプレイユニット11の上下位置信号が、さらに、GPSセンサ45からは、車両の現在地情報等が、それぞれ入力されるように構成している。
また、このCPU40には、制御フローや作動状態等を記憶するメモリ47を接続しており、さらに、通常のナビゲーション装置のナビCPU48も接続している。なお、これらのCPU40,48は、一体にして構成してもよい。
【0037】
そして、このナビCPU48には、入力手段として前述のタッチパネル式の操作ボタン15(表示画面によって変化する)を接続しており、ドライバー等からのナビゲーション装置への操作信号を入力するように構成している。また、このナビCPU48で演算処理された画像情報等は、前述のディスプレイユニット(モニター表示部)11から出力表示されるように構成している。
【0038】
次に、図5の制御フローチャートで昇降機構の作動等について説明する。
【0039】
まず、ステップS1で各種検出信号の読込みを行なう。この読込み作業は、常時行っており、ナビゲーション装置の電源がOFFの状態でも、待機電力によって行っている。
次に、ステップS2でナビゲーション装置の電源がONかを判定する。ここでNO判断、すなわち、電源OFFの場合はそのままリターンに移行する。一方、YES判断の場合は、ステップS3に移行する。
【0040】
ステップS3では、マニュアルスイッチ14の操作があったかを判断する。ドライバー等がマニュアルスイッチ14の操作でディスプレイユニット11の上下位置を調整(移動)しようとしているのかを判断するのである。
具体的には、図1に示す、シーソータイプのマニュアルスイッチ14を、ドライバー等が操作しているのかを判断する。
【0041】
このステップS3でYES判断をした場合には、ステップS4に移行して、マニュアルスイッチ14の操作量に応じて、ディスプレイユニット11を上方又は下方へ移動させる。
【0042】
このディスプレイユニット11の移動は、マニュアルスイッチ14の押圧時間及び方向から、ステッピングモータ34の回転量と回転方向を求めて、この回転量と回転方向によりステッピングモータ34を正転又は逆転させて、ボールスクリュー33を所定量回転させることにより、ディスプレイユニット11を上下移動させる。
【0043】
次に、ステップS5に移行して、ディスプレイユニット11のモニター表示部12に移動方向を表示する。このように表示を行なうことで、ドライバー等に対して、ディスプレイユニット11の移動方向を確実に認識させることができ、マニュアルスイッチ14の誤操作を防止することができる。
【0044】
一方、ステップS3でNO判断の場合には、ドライバー等がマニュアルスイッチ14を操作していないことから、ステップS6に移行する。
このステップS6では、車両が停車か判定される。この停車判定は、前述の入力手段のうち、車速センサ41、Pレンジスイッチ42、パーキングブレーキスイッチ43からの入力信号で判定する。例えば、車速0km/h以下で、Pレンジスイッチ42と、パーキングブレーキスイッチ43のいずれからも作動信号を受けた場合に、車両の停車を判断する。
なお、ここで入力される車速は、直接、車輪速等を検出して得た車速信号であってもよいし、ABS装置(図示せず)やエンジン制御装置(図示せず)等で用いた車速信号を読込んでもよい。さらには、ナビゲーション装置で用いた車速信号から車両の停止を判断してそのまま利用してもよい。
【0045】
また、GPSセンサ45からは、車両の現在地の情報を取り込んで、車両移動がない場合に、停車と判断してもよい。
【0046】
また、以上の実施形態では、複数のセンサ信号に基いて車両の停車を判断したが、車速センサ41、Pレンジスイッチ42、パーキングブレーキスイッチ43、さらには、ナビゲーション装置の停車判断の情報のいずれかの信号だけで、停車を判定するように構成してもよい。
【0047】
ステップS6でYES判断、すなわち停車と判断した場合には、ステップS7に移行する。このステップS7では、ディスプレイユニット11を下方位置に設定(移動)する。
【0048】
この下方位置への設定は、ステッピングモータ34を一方向(ディスプレイユニット11が降下する方向)に回転させてボールスクリュー33をその方向に回転させることで、ナット機構32,32を下方に移動させる。これにより、ディスプレイユニット11がセンターパネル3の下部に位置することになる。
なお、このディスプレイユニット11の位置制御は、ポジションセンサ44によってディスプレイユニット11の位置を検出して、フィードバック制御によって、ステッピングモータ34の回転量を制御して行なう。
【0049】
次に、ステップS8に移行して、ディスプレイユニット11のモニター表示部12に下方移動を表示する。この場合も、ドライバー等に対して、ディスプレイユニット11の移動方向を認識させることで、ドライバー等に安心感を与えることができる。
【0050】
さらに、ステップS9に移行して、音声案内、例えば「ディスプレイユニットが下方に下がります」との音声案内をスピーカ46から出力する。この音声案内によって、ディスプレイユニット11を見ていないドライバー等に対して注意喚起を行ない、ディスプレイユニット11の移動時の他の部材との干渉を防ぐことができる。
【0051】
一方、ステップS6でNO判断、すなわち車両走行中と判断した場合には、ステップS10に移行する。このステップS7では、ディスプレイユニット11を上方位置に設定(移動)する。
【0052】
この上方位置への設定は、ステッピングモータ34を他方向(ディスプレイユニット11が上昇する方向)に回転させてボールスクリュー33を、その方向に回転させることで、ナット機構32,32を上方に移動させる。これにより、ディスプレイユニット11がセンターパネル3の上部に位置することになる。
このディスプレイユニット11の位置制御も、フィードバック制御で行っている。
【0053】
次に、ステップS11に移行して、ディスプレイユニット11のモニター表示部12に上方移動を表示する。この場合も、ドライバー等に対して、ディスプレイユニット11の移動方向を認識させることで、ドライバー等に安心感を与えることができる。
【0054】
さらに、ステップS12に移行して、音声案内、例えば「ディスプレイユニットが上方に上がります」との音声案内をスピーカ46から出力する。この音声案内によっても、同様に、ディスプレイユニット11を見ていないドライバーに対して注意喚起を行なうことができる。
【0055】
このような制御フローで昇降機構30が作動することにより、ディスプレイユニット11は、マニュアルスイッチ14で操作される場合以外は、車両停車時にセンターパネル3の下部、すなわちインストルメントパネル1の下部に位置して(図2の11B参照)、車両走行時にセンターパネル3の上部、すなわちインストルメントパネル1の上部に位置する(図2の11A参照)ことになる。
【0056】
なお、この制御フローでは、詳細に説明していないが、マニュアルスイッチ14等で、マニュアル操作によってディスプレイユニット11が動くマニュアルモードと、自動的にディスプレイユニット11が動くオートモードを切換えるように構成して、ディスプレイユニット11の移動位置が確実に保持されるように制御してもよい。
すなわち、シーソータイプのマニュアルスイッチ14の上又は下を押圧することでマニュアルモードに移行し、そのまま押圧しつづけることでディスプレイユニット11が上下に移動するように構成して、マニュアルスイッチ14の押圧操作が終わっても、ディスプレイユニット11の位置が保持されるように制御することが考えられる。
【0057】
また、オートモードについても、前回のフローでディスプレイユニット11が停車によって下方に移動していれば、今回のフローでも停車であれば、ディスプレイユニット11の位置が保持されるように制御することが考えられる。なお、マニュアルモードからオートモードへの復帰は、マニュアルスイッチ14の中心を押圧することで行なうことが考えられる。
【0058】
このように、ディスプレイユニット11の位置を確実に保持するように制御することで、ディスプレイユニット11の移動制御を、より安定して行なうことができる。
【0059】
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について詳述する。
この実施形態の車両のナビゲーション装置は、ディスプレイユニット11をインストルメントパネル1に対して上下方向に移動可能とする昇降機構30と、車両の停車状態を検出する車速センサ41等とを備え、車速センサ41等で停車を検出した時にはディスプレイユニット11を下方位置に設定するとともに、車両走行時にはディスプレイユニット11を上方位置に設定するように、昇降機構30を制御している。
【0060】
これにより、停車時には、ディスプレイユニット11がインストルメントパネル1の下方位置に設定され、車両走行時には、ディスプレイユニット11がインストルメントパネル1の上方位置に設定されるため、同一のディスプレイユニット11が、停止時にはドライバーが操作し易いインストルメントパネル1の下部に位置して、走行中にはドライバーが視認し易いインストルメントパネル1の上部に位置することになる。
よって、車両のナビゲーション装置において、車両停車時における操作性を向上しつつ、車両走行時の視認性を確保して、また車室前方、特にインストルメントパネル1周りのレイアウト効率を高め、さらにドライバーへの情報伝達も、同一のディスプレイユニット11で行なうことで、迅速に行なうことができる。
【0061】
また、この実施形態では、車両の停車状態を、車速が所定値以下、自動変速機のパーキングレンジ選択、パーキングブレーキの作動、ナビゲーション装置の信号によって検出するようにしている。
これにより、コストを余計に掛けることなく、既存のセンサやスイッチ等を利用して、車両の停車状態を確実に検出することができる。
【0062】
また、この実施形態では、ナビゲーション装置の操作を、ディスプレイユニット11のモニター表示部12に表示されるタッチパネル式の操作ボタン15で行なうようにしている。
これにより、操作性の良いタッチパネル式の操作ボタン15でナビゲーション装置の操作性を高めることができる。
よって、よりナビゲーション装置の操作性を向上することができる。
【0063】
また、この実施形態では、ディスプレイユニット11の上下方向位置をドライバー等が任意に設定することができるマニュアルスイッチ14を備えている。
これにより、ドライバー等は、ディスプレイユニット11の上下方向位置を自由に変更(調整)することができる。
よって、ディスプレイユニット11の上下位置を、乗員のニーズに合わせた位置に設定することができ、ナビゲーション装置の操作性や視認性に加え、利便性も高めることができる。
【0064】
なお、この実施形態に、さらに構成要素を加えた実施形態として、図2において二点鎖線で示すように、バックプレート21の上部と下部に、小物収容ボックス50,51を設けることが考えられる。
【0065】
すなわち、車両停車時には、ディスプレイユニット11が下方に移動するため、バックプレート21の上部に、停車時に物入れを行うことができる第一小物収容ボックス50を設けて、一方、車両走行時には、ディスプレイユニット11が上方に移動するため、バックプレート21の下部に、走行時に物入れを行うことができる第二小物収容ボックス51を設けることが考えられる。
【0066】
特に、下部位置の第二小物収容ボックス51では、車両停車時にディスプレイユニット11で閉鎖されるため、防犯のためシークレットボックスとして使用することができたり、ETCカードの挿入口(図示せず)を設定することで、ETCカードの盗難を防ぐことができる。
【0067】
次に、図6〜図8で第二実施形態について説明する。図6は車両走行時のインストルメントパネルのセンターパネルを示した詳細正面図、図7は車両停車時のインストルメントパネルのセンターパネルを示した詳細正面図、図8は本実施形態の制御フローチャートである。
なお、その他の構成要素については、昇降機構がないだけで、基本的にはほぼ同様である。
【0068】
この実施形態は、ディスプレイユニット111自体を、上下方向に大きく且つ長く構成して、このディスプレイユニット111のモニター表示部112の中で、ナビゲーション装置の画面120とオーディオ装置の画面130とエアコン装置の画面140とを一度に表示するように構成し、これらの表示位置を走行時と停車時とで変化させるように構成したものである。
【0069】
図6で、第二実施形態の全体構造について説明する。
インストルメントパネル1のセンターパネル3に、上下方向に長く略長方形状に形成されたディスプレイユニット111を設置して、このディスプレイユニット111のモニター表示部112に、上方からナビゲーション画面120、オーディオ画面130、エアコン画面140を順に表示するように構成している。
【0070】
このモニター表示部112は、全面がタッチパネルとして構成されており、各画面120,130,140に表示された操作ボタン121,131,141を押圧操作することにより、各装置を操作できるように構成している。
【0071】
また、右側の空調噴出口23の下方位置のセンターパネル3には、シーソータイプのマニュアルスイッチ114を設けており、このマニュアルスイッチ114で、ナビゲーション画面120の位置をドライバー等の操作によって任意に変更できるように構成している。
【0072】
その他の構成要素については、第一実施形態と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
図7は、車両停車時のセンターパネル3を示した図であるが、この図に示すように、車両停車時には、ナビゲーション画面120は、最下部に表示されて、最上部にはエアコン画面140が表示されるように構成している。また、ナビゲーション画面120が最下部に位置する時には、走行時(図6参照)に比較して、操作ボタン121が増加するように表示され(例えば、目的地を入力する目的地ボタン122が追加して表示される)、ドライバー等の操作性を高めるように構成している。
【0074】
図8によって、本実施形態の制御フローについて説明する。なお、この制御フローにおいても、図5の制御フローと同様のステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
この制御フローにおいても、ステップS3でマニュアルスイッチ114の操作があったかを判断して、YES判断でマニュアルスイッチ114の操作があったと判断した場合には、ステップS104に移行する。
【0076】
ステップS104では、マニュアルスイッチ114の操作量に応じてナビゲーション画面120を移動させる。例えば、マニュアルスイッチ14を上方に操作した場合は、現在表示されている位置よりも上方位置に表示して、下方に操作した場合には、下方位置に表示するようにしている。これにより、ドライバーの要求に合致した位置にナビゲーション画面120を表示させることができる。
【0077】
一方、ステップS3でNO判断だった場合には、この実施形態も、ステップS4に移行して停車かを判定する。
【0078】
ステップS4でYES判断の場合には、ステップS107に移行する。ステップS107では、ナビゲーション画面120を下方位置に設定(表示)する(図7参照)。これにより、第一実施形態と同様に、ドライバー等が手で操作しやすい位置にナビゲーション画面120が表示されることになり、操作性を向上することができる。
【0079】
その後、ステップS109で音声案内、例えば、「ナビゲーション画面が下方位置に表示されます」との音声案内をスピーカ46で出力する。このように音声案内することで、ドライバーは、ナビゲーション画面120が移動したことを、直接モニター表示部112を見ていなくても認識することができる。
【0080】
ステップS4でNO判断の場合には、ステップS110に移行する。ステップS110では、ナビゲーション画面120を上方位置に設定(表示)する(図8参照)。これにより、第一実施形態と同様に、インストルメントパネル1の上部にナビゲーション画面120が表示され、ナビゲーション画面120の視認性を高めることができる。
【0081】
その後、ステップS112で音声案内、例えば、「ナビゲーション画面が上方位置に表示されます」との音声案内をスピーカ46で出力する。これにより、この場合も、ドライバーは、ナビゲーション画面120が移動したことを、直接モニター表示部112を見ていなくても認識することができる。
【0082】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
この実施形態の車両のナビゲーション装置は、インストルメントパネル1に対して上下方向に延設したディスプレイユニット111の一部に、入出力部たるナビゲーション画面120を表示するように構成し、車両停車時にはナビゲーション画面120を下方に表示して、車両走行時にはナビゲーション画面120を下方に表示するようにしている。
これにより、上下方向に延設した一つのディスプレイユニット111のモニター表示部112の中で、ナビゲーション画面120が上下方向に移動することになる。
よって、入出力部たるナビゲーション画面120をインストルメントパネル1に対して上下方向に移動させる移動手段を、第一実施形態のように、昇降機構30等の構成要素を設けることなく、簡易に構成することができる。
また、このように一つのディスプレイユニット111のモニター表示部112の中でナビゲーション画面120を上下に移動させることで、残りの画面を他の機器の画面(130,140参照)として利用でき、インストルメントパネル1の各機器のレイアウト効率を高めることができる。
【0083】
また、ナビゲーション画面120が上方に位置するときと、下方に位置するときとで、操作ボタン121の数を変化、具体的には、下方に位置するときに目的地ボタン122等を増加して表示させることにより、操作性の向上と視認性の向上の両立を、さらに図ることができる。
【0084】
その他の作用効果については、第一実施形態と同様である。
【0085】
以上、この発明の構成と、前述の実施形態との対応において、
この発明の入出力部は、実施形態のディスプレイユニット11、ナビゲーション画面120に対応し、
以下、同様に
移動手段は、昇降機構30、ディスプレイユニット111に対応し、
停車状態検出手段は、車速センサ41、Pレンジスイッチ42、パーキングブレーキスイッチ43、GPSセンサ45に対応し、
設定位置制御手段は、ステップS7、ステップS8の処理を行なうCPU40に対応するも
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる車両のナビゲーション装置に適用する実施形態を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第一実施形態の車両のナビゲーション装置を設置したインストルメントパネルを車室内方側から見た正面図。
【図2】図1のA−A矢視断面図にドライバーを一点鎖線で加えた図。
【図3】昇降機構の詳細側面図。
【図4】昇降機構のシステムブロック図。
【図5】昇降機構を制御する制御フローチャート。
【図6】第二実施形態の車両走行時のインストルメントパネルのセンターパネルを示した詳細正面図。
【図7】車両停車時のインストルメントパネルのセンターパネルを示した詳細正面図。
【図8】第二実施形態の制御フローチャート。
【符号の説明】
【0087】
1…インストルメントパネル
3…センターパネル
11…ディスプレイユニット
12…モニター表示部
15…操作ボタン
30…昇降機構
111…ディスプレイユニット
120…ナビゲーション画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図上に自車の現在位置を表示して車両の走行経路の案内表示を行なう画像出力手段と該画像出力部の出力状態を操作する操作手段とを有する入出力部を備えた車両のナビゲーション装置であって、
前記入出力部をインストルメントパネルに対して上下方向に移動可能とする移動手段と、
車両の停車状態を検出する停車状態検出手段と、
該停止状態検出手段で停車を検出した時には前記入出力部を下方位置に設定するとともに、車両走行時には前記入出力部を上方位置に設定する設定位置制御手段とを備えた
車両のナビゲーション装置。
【請求項2】
前記停車状態検出手段を、車速が所定値以下、変速機のパーキングレンジ選択、パーキングブレーキの作動、ナビゲーション装置の車両停止信号の少なくとも1つの状態を検出することで構成した
請求項1記載の車両のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記操作手段を、画像出力手段に表示される操作ボタンをタッチすることで操作信号を入力するタッチパネルで構成した
請求項1又は2記載の車両のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記入出力部を、インストルメントパネルに対して上下方向に延設したディスプレイの一部として構成した
請求項3記載の車両のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記入出力部の上下方向位置を乗員が任意に設定することができる位置調整手段を備えた
請求項1〜4いずれか記載の車両のナビゲーション装置。
【請求項1】
道路地図上に自車の現在位置を表示して車両の走行経路の案内表示を行なう画像出力手段と該画像出力部の出力状態を操作する操作手段とを有する入出力部を備えた車両のナビゲーション装置であって、
前記入出力部をインストルメントパネルに対して上下方向に移動可能とする移動手段と、
車両の停車状態を検出する停車状態検出手段と、
該停止状態検出手段で停車を検出した時には前記入出力部を下方位置に設定するとともに、車両走行時には前記入出力部を上方位置に設定する設定位置制御手段とを備えた
車両のナビゲーション装置。
【請求項2】
前記停車状態検出手段を、車速が所定値以下、変速機のパーキングレンジ選択、パーキングブレーキの作動、ナビゲーション装置の車両停止信号の少なくとも1つの状態を検出することで構成した
請求項1記載の車両のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記操作手段を、画像出力手段に表示される操作ボタンをタッチすることで操作信号を入力するタッチパネルで構成した
請求項1又は2記載の車両のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記入出力部を、インストルメントパネルに対して上下方向に延設したディスプレイの一部として構成した
請求項3記載の車両のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記入出力部の上下方向位置を乗員が任意に設定することができる位置調整手段を備えた
請求項1〜4いずれか記載の車両のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2008−107238(P2008−107238A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291320(P2006−291320)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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