説明

車両の走行支援装置

【課題】他車両の走行状態に基づいて路面状態を推定し、自車両の減速制御に反映させる。
【解決手段】車両に搭載され基地局20または他車両Voとの間で通信可能な双方向無線機5と、双方向無線機5により取得された情報に基づき車両の走行支援を行う演算部6と、を備えた車両の走行支援装置1において、道路情報を記憶する道路情報記憶部4と、道路情報記憶部4に記憶された道路上の車両位置を検出するGPS受信器2と、車両の走行状態を検出する走行状態検出部3と、を備え、双方向無線機5は基地局20または他車両Voとの間で車両位置情報および走行状態情報を送受信し、演算部6は双方向無線機5により取得された他車両の走行状態に基づいて該他車両の車両位置における路面状態を推定するとともに、推定された路面状態に基づいて自車両Vmの減速制御または乗員に対する警告を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、減速支援などを行う車両の走行支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自車両と他車両との間で行う車車間通信により他車両の走行状態情報を取得し、自車両の走行状態と車車間通信により取得した他車両の走行状態情報に基づいて衝突の発生を予測し、衝突の発生が予測された場合に該他車両の走行状態に応じて衝突の衝撃を低減するように自車両の走行を制御する走行支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−22263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、衝突回避の場合に限らず、車両を制動する場合には、路面状態に応じた減速制御を行うのが好ましく、そのためには路面状態を把握する必要がある。しかしながら、自車両が路面の摩擦係数(以下、路面μと略す)を自立で推測できる範囲は限られており、見通し外での推測は困難である。
【0004】
そのため、例えばカーブなどの見通しの悪い場所の路面状態が滑り易くなっていても自車両は当該場所の路面μを予測できないため、路面状態に応じた適正な減速制御を行うのが困難であるという課題があった。
【0005】
そこで、この発明は、通信により取得した他車両の走行状態情報に基づいて路面状態を推定し、自車両の減速制御等に反映させることができる車両の走行支援装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る車両の走行支援装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、車両に搭載され車外情報提供設備(例えば、後述する実施例における基地局20)または他車両との間で通信可能な通信手段(例えば、後述する実施例における双方向無線機5)と、前記通信手段により取得された情報に基づき車両の走行支援を行う走行支援手段(例えば、後述する実施例における演算部6)と、を備えた車両の走行支援装置(例えば、後述する実施例における走行支援装置1)において、道路情報を記憶する記憶手段(例えば、後述する実施例における道路情報記憶部4)と、前記記憶手段に記憶された道路上の車両位置を検出する位置検出手段(例えば、後述する実施例におけるGPS受信器2)と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段(例えば、後述する実施例における走行状態検出部3)と、を備え、前記通信手段は前記車外情報提供設備または他車両との間で車両位置情報および走行状態情報を送受信し、前記走行支援手段は前記通信手段により取得された他車両の走行状態情報に基づいて該他車両の車両位置における路面状態を推定するとともに、推定された路面状態に基づいて自車両の減速制御または乗員に対する警告を行うことを特徴とする。
このように構成することにより、他車両が位置している場所の路面状態に応じた自車両の減速制御や乗員への警告を実行することができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記走行状態検出手段は車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサを含み、前記走行支援手段は、前記通信手段により取得された他車両の車両位置情報から算出される該他車両の移動速度が所定値以下であり、且つ、前記通信手段により取得された該他車両のヨーレートの値が第1の判定閾値以上の場合には、該他車両の車両位置における路面の摩擦係数が低いと判定することを特徴とする。
このように構成することにより、他車両の移動速度が低いにも関わらず該他車両のヨーレートが大きいことから、該他車両がスピンしていると推定することができ、他車両がスピンするくらい路面の摩擦係数が低いと判定することができる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1の判定閾値は、他車両の移動速度および前記記憶手段に記憶されている道路情報に基づいて算出されることを特徴とする。
記憶手段に記憶されている道路情報から道路のカーブ形状を認識し、他車両の移動速度とカーブ形状に基づいて適正な走行状態で発生するヨーレートを算出し、これを第1の判定閾値とすることにより、他車両のヨーレートの値が第1の判定閾値以上の場合には他車両がスピン状態であると推定することができる。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記走行支援手段は、前記通信手段により取得された他車両の走行状態に基づいて該他車両の車両正面方向を推定するとともに、推定された該他車両の車両正面方向と前記記憶手段に記憶された道路進行方向との偏差が第2の判定閾値以上の場合には該他車両の車両位置における路面の摩擦係数が低いと判定することを特徴とする。
このように構成することにより、他車両の車両正面方向と道路進行方向との偏差が第2の判定閾値以上の場合には該他車両がスピンしていると推定することができ、他車両がスピンするくらい路面の摩擦係数が低いと判定することができる。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の発明において、前記走行支援手段は、推定された前記他車両の車両正面方向と前記記憶手段に記憶された道路進行方向との偏差が大きいほど該他車両の車両位置における路面の摩擦係数が低いと判定することを特徴とする。
このように構成することにより、路面の摩擦係数を適正に推定することができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、他車両が位置している場所の路面状態に応じた自車両の減速制御や乗員への警告を実行することができるので、他車両との衝突回避を適切に行うことができるとともに、乗員への警告を適切なタイミングで行うことができる。
【0012】
請求項2および請求項3に係る発明によれば、他車両のヨーレートに基づいて摩擦係数の低い路面状態であることを適正に推定することができる。
【0013】
請求項4および請求項5に係る発明によれば、他車両の車両正面方向と道路進行方向との偏差に基づいて、摩擦係数の低い路面状態であることを適正に推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明に係る車両の走行支援装置の実施例を図1から図5の図面を参照して説明する。
この実施例では、例えば図2に示すように、自車両Vmが直線路を走行し、直線路の進行方向前方にはカーブが存在し、自車両Vmの走行車線の前方を走行する他車両である先行車両Voがカーブでスピンした場合を想定する。
【0015】
自車両Vmは図1に示すように走行支援装置1を備えている。走行支援装置1は、GPS受信器(位置検出手段)2、走行状態検出部(走行状態検出手段)3、道路情報記憶部(記憶手段)4、双方向無線機(通信手段)5、演算部(走行支援手段)6、ナビゲーション装置7、スピーカ(警告手段)8、ブレーキ装置(制動手段)9、シートベルト(警告手段)10を備えている。
【0016】
GPS受信器2は、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号や、例えば適宜の基地局を利用してGPS信号の誤差を補正して測位精度を向上させるためのD(Differential)GPS信号等の測位信号を受信し、自車両Vmの現在位置情報として演算部6へ出力する。
【0017】
走行状態検出部3は、自車両Vmの走行状態情報として、例えば自車両Vmの走行速度(車速)を検出する車速センサや、ヨーレート(車両重心の上下方向軸回りの回転角速度)を検出するヨーレートセンサや、車速センサやヨーレートセンサの出力を適宜に処理して自車両Vmの絶対位置座標(X,Y,Z)を算出する絶対位置算出装置などを備えて構成されており、検出した自車両Vmの走行状態情報を演算部6へ出力する。
【0018】
道路情報記憶部4は、道路に係るノード情報およびカーブ情報を道路データとして記憶しており、ノード情報は、例えば道路形状を把握するための座標点のデータであり、カーブ情報は、例えばリンク(つまり、各ノード間を結ぶ線)上に設定されたカーブの開始点および終了点に加えて、カーブの曲率に係る情報(例えば、カーブの曲率や半径Rおよび極性)と、カーブの深さに係る情報(例えば、カーブの通過に要する旋回角θやカーブの長さ等)とから構成されている。
【0019】
双方向無線機5は、自車両Vmの走行状態情報(例えば、自車両Vmの位置情報としての絶対位置座標、速度、ヨーレート等)をアンテナ5aを介して他車両Voや基地局(車外情報提供設備)20に送信するとともに、他車両Voや基地局20から送信された他車両Voの走行状態情報(例えば、他車両Voの位置情報としての絶対位置座標、速度、ヨーレート等)を受信し、受信した走行状態情報を演算部6へ出力する。
【0020】
演算部6は、CPU(中央演算装置)を備えて構成され、双方向無線機5により受信した他車両Voの走行状態情報に基づいて路面状態を推定し、推定した路面状態に応じて自車両Vmの減速制御や警告制御を実行する。
【0021】
ナビゲーション装置7は、GPS受信器2から入力した自車両Vmの現在位置情報および走行状態検出部3で検出した自車両の絶対位置座標に基づいて、自車両Vmの現在位置および進行方向を検知し、この検知結果に基づき、道路情報記憶部4に格納された道路情報に対してマップマッチングを行い、表示画面上での自車両Vmの現在位置の表示位置を制御すると共に、検出された自車両Vmの現在位置あるいは各種スイッチやキーボード等を介して操作者により入力された適宜の車両位置に対して、表示画面上での地図表示を制御する。
【0022】
スピーカ8は、演算部6から出力される制御指令に応じて警報音あるいは合成音声を発する。この実施例において、スピーカ8は警告手段を構成する。
ブレーキ装置9は、演算部6から出力される制御指令に応じて自車両Vmのブレーキアクチュエータを作動させて、ブレーキアシスト(減速支援)を行う。
シートベルト装置10は、衝突の可能性がある場合に、演算部6から出力される制御指令に応じて自車両Vmのシートベルトアクチュエータを作動させシートベルトを引き込むことで、自車両Vmの乗員に体感的な警告を行う。この実施例において、シートベルト装置10は警告手段を構成する。
【0023】
一方、他車両Voは、GPS受信器2、走行状態検出部3、道路情報記憶部4、双方向無線機5、演算部6、ナビゲーション装置7、スピーカ8を備えている。これら各構成は自車両Vmのものと同じであるので説明を省略する。
【0024】
次に、自車両Vmの走行支援装置1の演算部6において実行される走行支援処理について、前述したように自車両Vmの走行車線の前方を走行する先行車両(他車両)VoがカーブDcでスピンした場合を例にして、図3のフローチャートに従って説明する。なお、図3のフローチャートに示す走行支援処理ルーチンは一定時間毎に繰り返し実行される。
【0025】
ステップS01において、自車両Vmの走行状態検出部3からの入力に基づいて自車両Vmの推定走行軌跡を算出する。
次に、ステップS02に進み、双方向無線機5を介して取得した先行車両Voの位置情報に基づいて、自車両Vmの推定走行軌跡上に先行車両Voが存在するか否かを判定する。
ステップS02における判定結果が「NO」である場合には、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0026】
ステップS02における判定結果が「YES」である場合には、ステップS03に進み、自車両Vmと先行車両Voの絶対位置座標に基づいて自車両Vmと先行車両Voとの相対距離を算出するとともに、先行車両Voの移動履歴に基づいて先行車両Voの移動速度を算出する。
次に、ステップS04に進み、自車両Vmの車速と先行車両Voの移動速度から算出した相対速度と、相対距離に基づいて、自車両Vmと先行車両Voが現在の走行状態を維持した場合に自車両Vmが先行車両Voと接触するまでの時間(衝突時間TTC)を算出する。
【0027】
次に、ステップS05に進み、自車両Vmが現在位置から先行車両Voの手前で停止するために必要な停止減速度Gを算出する。
次に、ステップS06に進み、先行車両Voの走行状態情報に基づいて先行車両Voの現在位置における路面状態を推定する。路面状態の推定は、他車両Voのヨーレートに基づいて、あるいは、先行車両Voの車両正面方向に基づいて路面μを推定することによって行われる。路面状態推定処理については後述する。
【0028】
次に、ステップS07に進み、ステップS06で推定した路面μに応じた目標減速度Gtを設定する。ここでは、路面μが小さいほど目標減速度Gtを小さい値に設定し、路面μが小さいときの方が路面μが大きいときよりも遠い地点からブレーキアシストを実行するようにする。
次に、ステップS08に進み、ステップS07で設定した目標減速度GtがステップS05で算出した停止減速度Gよりも小さいか否かを判定する。
【0029】
ステップS08における判定結果が「YES」(Gt<G)である場合には、ステップS09に進み、自車両Vmに対して最大制動を実行させるべく、ブレーキ装置9に最大制動指令を出力し、本ルーチンの実行を一旦終了する。つまり、自車両Vmを路面μに応じた目標減速度Gtとなるように制動したのでは先行車両Voに接触してしまうので、この場合には最大制動で対処する。
一方、ステップS08における判定結果が「NO」(Gt≧G)である場合には、目標減速度Gtとなる制動力が得られるようにブレーキ装置9に制動制御指令を出力し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
このように、この走行支援装置1によれば、先行車両Voが位置している場所の路面状態に応じた自車両の減速制御や乗員への警告を実行することができるので、先行車両Voとの衝突回避を適切に行うことができるとともに、乗員への警告を適切なタイミングで行うことができる。
【0030】
次に、ステップS06において実行する路面状態推定処理について図4および図5のフローチャートに従って説明する。
図4は、他車両Voのヨーレートに基づいて路面μを推定する路面状態推定処理を示すフローチャートである。
まず、道路情報記憶部4から推定走行軌跡の進行方向前方のカーブ情報を取得し(ステップS101)、前方カーブの半径Rと先行車両Voの移動速度に基づいて先行車両Voがスピンせずにカーブを走行した場合に発生するヨーレート値(規範ヨーレート)を算出し、これを第1の判定閾値Y0に設定する(ステップS102)。
【0031】
次に、双方向無線機5を介して取得した先行車両Voの移動速度が所定値以下であるか否かを判定し(ステップS103)、所定値より大きい場合には本ルーチンの実行を一旦終了する。先行車両Voの移動速度が所定値以下である場合には、双方向無線機5を介して取得した先行車両Voの実ヨーレート値Yが第1の判定閾値Y0以上か否かを判定し(ステップS104)、実ヨーレート値Yが第1の判定閾値Y0以上である場合には、先行車両Voがスピンしたものと判定し、スピンするくらい路面μが低いと判定して(ステップS105)、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、実ヨーレート値Yが第1の判定閾値Y0よりも小さい場合には、路面μは通常(乾いた舗装路相当)であると判定し(ステップS106)、本ルーチンの実行を一旦終了する。
このように、先行車両Voのヨーレートに基づいて路面μを適正に推定することができる。
【0032】
図5は、他車両Voの車両正面方向に基づいて路面μを推定する路面状態推定処理を示すフローチャートである。
まず、双方向無線機5を介して取得した先行車両Voのヨーレート値を積算することにより、先行車両Voの車両正面方向θiを算出(推定)する(ステップS201)。
次に、双方向無線機5を介して取得した先行車両Voの位置情報に基づき、先行車両Voが位置する道路情報を道路情報記憶部4から取得し、先行車両Voが位置する道路の進行方向(道路進行方向)θdを読み込む(ステップS202)。
【0033】
そして、先行車両Voの車両正面方向θiと先行車両Voが位置する道路の進行方向θdとの偏差Δθを算出し(ステップS203)、偏差Δθが第2の判定閾値以上か否かを判定する(ステップS204)。
偏差Δθが第2の判定閾値以上である場合には、先行車両Voがスピンしたものと判定し、スピンするくらい路面μが低いと判定して(ステップS205)、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、偏差Δθが第2の判定閾値よりも小さい場合には、路面μは通常(乾いた舗装路相当)であると判定し(ステップS206)、本ルーチンの実行を一旦終了する。
なお、ステップS205において、偏差Δθの大きさに応じて路面μの大きさを推定することも可能であり、その場合には、偏差Δθが大きいほど路面μが小さいと推定する。
このように、先行車両Voの車両正面方向θiと道路進行方向θdとの偏差Δθに基づいて、路面μを適正に推定することができる。
【0034】
この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、先行車両Voの走行状態情報に基づいて先行車両Voの現在位置における路面状態(路面μ)を推定し、路面μに応じた制動制御を実行しているが、この制動制御と並行して、推定した路面μに応じて警告レベルを変化する警告制御を実行してもよい。例えば、シートベルトを引き込んで乗員に警告を行うプリテンショナーを装備している場合には、推定した路面μに応じて設定した目標減速度Gtが0.2G以下の場合には、シートベルトを複数回弱く引くようにシートベルト装置10に制御指令を出力し、目標減速度Gtが0.2Gより大きく0.4G以下の場合には、シートベルトを強く引くようにシートベルト装置10に制御指令を出力してもよい。
また、スピーカ8から警報音を発して乗員に警告を行う場合には、目標減速度Gtが大きくなるにしたがってスピーカ8の警報音の音量を大きくしたり、断続的に警報音を発する場合には目標減速度Gtが大きくなるにしたがって警報音の発生周期を短くするなどしてもよい。
【0035】
前述した実施例では自車両の走行車線を走行する先行車両を他車両としたが、対向車線を走行する対向車両を他車両とし、自車両の走行支援を行うことも可能である。
前述した実施例では、他車両との車車間通信により他車両の走行状態情報をリアルタイムに取得し、該他車両との衝突を回避する態様で説明したが、この発明は、衝突回避に限るものではなく、例えば、カーブの安定走行のために自車両がカーブに進入するときに介入ブレーキ(例えば、ブレーキアシスト装置や自動ブレーキ装置など)を介入させて減速支援を行う、いわゆるカーブ進入ブレーキアシストにも適用可能である。その場合には、他車両の走行状態情報をリアルタイムに取得しなくてもよく、例えば、基地局20に蓄積された不特定の他車両の過去(例えば、現在から所定時間前まで)の走行状態情報であってもよく、このような過去の他車両の走行状態情報に基づいて当該カーブの路面状態を推定することができる。
基地局(車外情報提供設備)20は、路側設備であってもよいし、インターネット上のサーバであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明に係る車両の走行支援装置の実施例における機能ブロック図である。
【図2】前方カーブでスピンした先行車両に対して自車両の走行支援装置が作動した場合を示す説明図である。
【図3】前記実施例における走行支援処理を示すフローチャートである。
【図4】前記実施例における路面状態推定処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】前記実施例における路面状態推定処理の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1 車両の走行支援装置
2 GPS受信器(位置検出手段)
3 走行状態検出部(走行状態検出手段)
4 道路情報記憶部(記憶手段)
5 双方向無線機(通信手段)
6 演算部(走行支援手段)
20 基地局(車外情報提供設備)
Vm 自車両
Vo 先行車両(他車両)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され車外情報提供設備または他車両との間で通信可能な通信手段と、
前記通信手段により取得された情報に基づき車両の走行支援を行う走行支援手段と、
を備えた車両の走行支援装置において、
道路情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された道路上の車両位置を検出する位置検出手段と、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
を備え、前記通信手段は前記車外情報提供設備または他車両との間で車両位置情報および走行状態情報を送受信し、前記走行支援手段は前記通信手段により取得された他車両の走行状態情報に基づいて該他車両の車両位置における路面状態を推定するとともに、推定された路面状態に基づいて自車両の減速制御または乗員に対する警告を行うことを特徴とする車両の走行支援装置。
【請求項2】
前記走行状態検出手段は車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサを含み、
前記走行支援手段は、前記通信手段により取得された他車両の車両位置情報から算出される該他車両の移動速度が所定値以下であり、且つ、前記通信手段により取得された該他車両のヨーレートの値が第1の判定閾値以上の場合には、該他車両の車両位置における路面の摩擦係数が低いと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行支援装置。
【請求項3】
前記第1の判定閾値は、他車両の移動速度および前記記憶手段に記憶されている道路情報に基づいて算出されることを特徴とする請求項2に記載の車両の走行支援装置。
【請求項4】
前記走行支援手段は、前記通信手段により取得された他車両の走行状態に基づいて該他車両の車両正面方向を推定するとともに、推定された該他車両の車両正面方向と前記記憶手段に記憶された道路進行方向との偏差が第2の判定閾値以上の場合には該他車両の車両位置における路面の摩擦係数が低いと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行支援装置。
【請求項5】
前記走行支援手段は、推定された前記他車両の車両正面方向と前記記憶手段に記憶された道路進行方向との偏差が大きいほど該他車両の車両位置における路面の摩擦係数が低いと判定することを特徴とする請求項4に記載の車両の走行支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−287480(P2008−287480A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131561(P2007−131561)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】