説明

車両用の湾曲したガラス板構造体を製造する方法

本発明は、フィルム複合体(26)を形成するために、合成樹脂フィルム(22)がマトリックス(24)によって湾曲したガラス板(18)に押し付けられ、合成樹脂フィルムをガラス板上に積層するために、フィルム複合体が大気圧よりも低い圧力で熱処理され、フィルム複合体を形成し、かつカバーフィルムをガラス板に上に固定するために、合成樹脂フィルムがカバーフィルムとして形成され、かつこのカバーフィルムとガラス板の間に接着剤層が入れられる、車両用の湾曲したガラス板構造体を製造するための方法に関する。本発明に従い、マトリックス(24)とカバーフィルムの間からの空気の流出を容易にするために、圧力を下げる前に、少なくとも1つの可撓性のスペーサ(30)が、接着剤層(20)を備えていないカバーフィルム(22)の範囲においてカバーフィルムとガラス板(18)の間に挿入され、カバーフィルムがエッジ範囲(38)を備え、このエッジ範囲がカバーフィルムの中央(42)側にパーフォレーション(42)を有し、エッジ範囲の少なくとも一部がスペーサ上に載せられ、積層後パーフォレーションを有するエッジ範囲がパーフォレーションに沿って切断除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1または20の前提部分に記載した車両用の湾曲したガラス板構造体を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の方法は特許文献1に記載されている。この場合、車両ルーフ用の湾曲したガラス板は、ポリビニルブチラールからなる接着層によって、ポリエステルまたはポリカーボネートからなる引き裂き防止層に積層される。この積層は、オートクレーブプロセスで引き裂き防止層を、ポリカーボネートまたは金属からなる剛性のマトリックスによってあるいはグラスファイバ材料からなる可撓性のマトリックスによってガラス板に押し付け、続いてこの層列を排気し、圧力処理および熱処理によって積層する。積層が行われた後で、引き裂き防止層上に付着していないマトリックスは再び除去される。
【0003】
類似の方法が特許文献2に記載されている。この場合、ガラス板と同じ形を有するガラスマトリックスによって接着層と透明な合成樹脂層を湾曲したガラス板に押し付け、それによってオートクレーブ内でガラス板に積層される層列を形成することにより、車両用ガラス板が製造される。積層が行われた後で、ガラスマトリックスは再び除去される。
【0004】
特許文献3には、冒頭に述べた種類の他の方法が記載されている。この場合、合成樹脂層をガラス板に押し付けるために、弾性的なシリコンゴムが使用される。積層プロセスは真空袋に入れてオートクレーブ内で行われる。この場合、他の緩衝材料がマトリックスと真空袋の内壁の間に挿入される。
【0005】
このような積層方法は一般的に、マトリックス表面(平らでもよいし、湾曲していてもよい)と合成樹脂フィルム表面の間の接触面に、空気が閉じ込められるという問題がある。その理由はガラス板の三次元的な湾曲にある。本来の積層の前に、大気の押圧力の結果として空気路を押圧することにより、三次元的な湾曲は残留空気の閉じ込めを促進する。このような残留空気は積層プロセス中に積層体に加えられる熱に基づいて膨張し、両表面の分離後、楕円形、円形または丸められた形の窪みが、積層後冷えたフィルム複合体内に残る。このような窪みは光学的なレンズとして作用し、従って光学的なゆがみとして眼で感じられる。
【0006】
特許文献4には、2枚のガラス板を積層するための積層方法が記載されている。この場合、両ガラスを互いに積層するために、両ガラス板の間に、平行な溝を有する接着層が挿入される。この溝は両ガラス板の一方と接着層の間の空気閉じ込めを防止する。更に、このような方法が個々のガラス板のためにも適用可能であると記載されている。
【0007】
特許文献5には、両板の間の空気閉じ込めを回避するために、構造化された形、例えば平行な帯状の形をした接着剤を、接着すべき2枚の板の間に挿入する積層方法が記載されている。
【0008】
特許文献6には、合成樹脂フィルムをガラス板に積層するために積層方法が記載されている。この場合、排気のために被覆フィルムが使用される。この被覆フィルムは合成樹脂フィルムに載せられ、ざらざらした表面を有するので、合成樹脂フィルムの表面に付着せず、それによってガラス板と合成樹脂フィルムの間のエア抜きを容易にする。
【0009】
特許文献7には、合成樹脂フィルムを備えた車両ルーフ用の湾曲したガラス板を積層するための方法が記載されている。この場合、一実施の形態では、圧力を下げる前に、表面微細構造体を有する付着しない層、特に硬質の絹が合成樹脂フィルムとマトリックスの間に挿入される。それによって、マトリックスと合成樹脂フィルムの間からの空気の流出が容易になる。この場合、表面微細構造体は合成樹脂フィルム上にはっきり見えないほど小さい。他の実施の形態では、圧力低下の前に、ガラス板のエッジ範囲内において、ガラスフリース帯がガラス板と合成樹脂フィルムとの間に挿入される。それによって、ガラス板と合成樹脂フィルムの間からの空気の流出が容易になる。ガラスフリース帯は接着層が存在しない範囲内に設けられている。この接着層は合成樹脂フィルムとガラス板の接着を行う。
【0010】
特許文献8から、曲げられた積層セットを予備プレスするための方法が知られている。この場合、空気を通さない2枚のカバーが積層セットの外側エッジから間隔をおいて重ねられ、積層セットのための真空室を形成する。
【0011】
特許文献9には、車両用の湾曲したガラス板構造体を製造するための方法が記載されている。この場合、湾曲したガラス板の一方の側に、熱可塑性層が載せられる。この熱可塑性層は被覆材の側方の膨らみ部によって覆われる。この膨らみ部はガラス板のエッジを取り囲み、ガラス板の他の側で積層時のシールを行う。
【0012】
特許文献10には、合わせガラス板を製造するための方法が記載されている。この場合、積層の際に、ゴム弾性的なダイヤフラムに圧力が加えられ、それによって積層すべき合成樹脂フィルムをガラス板に押し付ける。
【0013】
未公開の独国特許出願の書類整理番号10 2004 034 175.3には、車両用の湾曲したガラス板構造体を製造するための積層方法が記載されている。カバーフィルムとガラス板の間あるいはマトリックスとガラス板の間にスペーサが使用される。
【特許文献1】米国特許第5,622,580号明細書
【特許文献2】米国特許第3,806,387号明細書
【特許文献3】米国特許第3,960,627号明細書
【特許文献4】US 2002/0155302 A1
【特許文献5】US 2004/0016506 A1
【特許文献6】DE 38 51 997 T2
【特許文献7】DE 103 23 234 A1
【特許文献8】DE 35 11 396 A1
【特許文献9】DE 30 44 717 C2
【特許文献10】DE−OS 2 424 085
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、積層されたフィルム複合体のできるだけ良好な視覚的品質が得られ、特に積層過程中の空気閉じ込めによって発生する、フィルム複合体内の光学的ゆがみが回避される、車両用の湾曲したガラス板構造体を製造するための積層方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は本発明に従い、請求項1または20に記載した方法によって解決される。その際、カバーフィルムとガラス板の間に可撓性のスペーサを設けることにより、積層プロセス中の空気の閉じ込めが減少または回避されるので、積層された製品において、光学的ゆがみとして生じる窪みまたは中空室の形をした表面構造体の異常が発生しない。
【0016】
請求項1の解決策の場合、スペーサがカバーフィルムとガラス板の間だけでなく、同時にマトリックスとガラス板の間に設けられると特に有利である。それによって、積層プロセス中のエア抜きが更に改善され、空気閉じ込めが回避される。特に、マトリックスとガラス板の間にスペーサを設けることにより、マトリックスがカバーフィルムに強すぎる押圧力で押し付けられて、カバーフィルムとマトリックスの間の範囲のエア抜きが妨害されることが回避される。
【0017】
請求項20の解決策の場合、パーフォレーションに基づいて容易に分離可能なカバーフィルムのエッジ範囲を設けることにより、分離可能なこのエッジ範囲がスペーサとしてある程度作用すると、特に有利である。それによって、カバーフィルムの本来のエッジ、すなわち分離可能なエッジ範囲を除去した後残るエッジが、マトリックスによって加えられる押圧力を受けないので、カバーフィルムの中央に残る範囲のエア抜きが改善され、空気閉じ込めは、存在するとしても、分離可能なエッジ範囲に移動させられる。
【0018】
本発明の有利な実施形は従属請求項から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、添付の図に基づいて本発明を例示的に詳しく説明する。
【0020】
図1には、上室10と、ダイヤフラム12によってこの上室から分離された下室14とを有するラミネータが示してある。下室14内には、好ましくは金属で作られた凹形の下型16が配置されている。下型16の凸形の凹部内には、湾曲したガラス板18が挿入されている。このガラス板には更に、接着剤層20が塗布されている。この接着剤層は好ましくは溶融接着フィルムである。溶融接着フィルム20は、それに載せた合成樹脂カバーフィルム22をガラス18に連結する働きをする。カバーフィルム22には更に、可撓性マトリックス24が載せられている。このマトリックスは少なくともガラス18の中央範囲またはフィルム20,22によって形成されたフィルム複合体26の中央範囲を被覆している。
【0021】
積層プロセスの良好な所定温度制御を達成するために、下型16を加熱することができる。下形16の湾曲はガラス板18の湾曲に一致しているかあるいはガラス板18の湾曲よりも大きめである。
【0022】
ガラス板18は好ましくは球状またはダブルシリンダ状に湾曲し、強化安全ガラスから作られている。ガラス板構造体は積層状態で例えば透明なルーフ要素として、例えば開放可能な車両ルーフの調節可能な透明リッドとしてあるいはガラス固定要素としてあるいは車両のウインドシールド、リヤウインドウまたはサイドウインドウとして使用可能である。
【0023】
接着剤層20は好ましくは熱可塑性ポリウレタン(TPU)、PVBまたはEVAからなる溶融接着フィルムとして形成されている。
【0024】
カバーフィルム22は例えばPETまたはポリカーボネート(PC)またはPMMAによって作ることができ、例えばガラス板18の破壊の際の破片飛散防止あるいはガラス板に設けられた電気的な機能要素の保護あるいは機械的な応力(例えば剪断)や環境影響に対する機能層の保護の働きをする。そのために、カバーフィルム22はそのエッジ領域が車体に固定連結されているかあるいは車体に固定連結された保持要素に連結されている。これは基本的には、例えばねじ止めまたは締付けによって純機械的に行うことができる。しかし好ましくは、カバーフィルム22はそのエッジ領域が車体または保持要素に接着されるかまたはガラス板18を車体に連結する働きをする被覆発泡体内に一緒に挿入される。これにより、カバーフィルム22はガラス板18の破壊時に張られ、それによって一方では乗員が車両から外に飛び出したり、物が車両内に侵入することを防止し、他方ではガラス板18の破片を保持する。
【0025】
ガラス板18とフィルム複合体26は好ましくは透明にまたは半透明に形成されている。
【0026】
マトリックス24は例えば薄いガラスまたは金属箔であり、それぞれ層厚が1mmよりも薄い。薄いガラスの場合には好ましくは、マトリックスの十分な可撓性と十分な硬さを兼ね備えるために、化学的に硬化可能であるアルカリ質を含まない薄いガラスが使用される。薄いガラスは特に、一般的に電子表示器で使用されるいわゆるディスプレイガラスである。薄いガラスのマトリックスのフィルム複合体26寄りの側には、フィルム複合体26に押し付ける前の塵埃粒子の静電的な引き寄せを防止するために、電気的にアース可能な金属層をコーティングすることができる。マトリックス24のコーティングはいわゆるナノコーティングであってもよい。このナノコーティングは積層過程でのフィルム複合体26へのマトリックス24の付着を防止するので、積層過程においてマトリックス24はフィルム複合体26上で横方向に摺動可能である。
【0027】
マトリックス24は好ましくは、積層すべきガラス板18の湾曲に適合して湾曲している第2のガラス板である。
【0028】
マトリックス24が金属フィルムとして形成されている場合、積層後のフィルム複合体26の適当な表面品質を保証するために、マトリックスは好ましくは高光沢研磨される。材料としては例えばアルミニウム、黄銅またはばね鋼が考慮の対象になる。更に、フィルム複合体26寄りの金属フィルムの側を、適当な方法でコーティング、例えば光沢ニッケルメッキすることができる。
【0029】
積層するために、下室14が気密に閉鎖されるまで、ダイヤフラム12は下降させられる。続いて、上室12と下室14の両方が真空引きされる。その際特に、フィルム複合体26とガラス板18の間の空気と、マトリックス24とフィルム複合体26の間の空気を完全に除去すべきである。というのは、閉じ込められた残留空気が積層体の視覚的な外見を非常に悪化させるからである。使用される負圧は例えば約50ミリバールの中高真空である。次に、スペーサ(図1に図示せず)を用いて空気排出をできるだけ効果的に達成するための手段について説明する。
【0030】
十分な真空が下室14内で達成されているときに、上室10に通気され、すなわち上室が大気圧となり一方、下室14は更に真空引きされる。これにより、下室14に対して約1バールの正圧が生じるので、ダイヤフラム12はこの正圧によってマトリックス24の上面に押し付けられ、マトリックス24はその下面がフィルム複合体26に押し付けられる。そのとき同時に、フィルム複合体26が高い温度まで加熱されることにより、本来の積層過程が開始される。この加熱は例えば、加熱可能な下型16によって行われる。溶融接着フィルム20が例えばポリウレタンである場合、約95〜150°Cの温度が合目的である。この場合、加熱相を約15分間続けて、そしてこの温度レベルを30〜45分間保つことができる。
【0031】
続いて、フィルム複合体26が室温まで冷却される。そして、フィルム複合体26によって積層されたガラス板18をラミネータから取り出すために、下室14に通気することができる。その際、マトリックス24は上方へ引き出される。
【0032】
積層ダイヤフラム12は積層過程の間、その可撓性によってマトリックス24に接触する。マトリックスは更に、その可撓性に基づいて、予め湾曲したガラス板18の湾曲とほぼ同じように湾曲する。更に、ガラス板18は下型16の凸形の凹部によって、それに相応した形に保たれる。
【0033】
積層過程にとって1バールの圧力が不十分である場合には、通気した後で、コンプレッサから5バールまでの圧力の圧縮空気をラミネータの上室10に供給することができる。それによって、マトリックス24は1〜5バールの圧力でフィルム複合体26に押し付けられる。
【0034】
図1には、積層過程において上室10に通気され、下室14が真空引きされているときのラミネータが示してある。
【0035】
積層過程は基本的には、ラミネータ内ではなく、循環炉またはオートクレーブ内で行うことができる。この場合、下型を使用しないで、ガラス板18がフィルム複合体26およびマトリックス24と共に真空袋に入れられ、続いて真空袋が真空密閉され、ポンプで真空引きされる。そして、真空袋は真空引きされた状態でオートクレーブまたは循環炉内で例えば95〜150°Cまで加熱され、そしてオートクレーブを使用する場合には積層プロセスを実施するために例えば2〜15バールの圧力が供給される。真空袋の使用は、同時に複数のガラス板を1つのセットの形で(例えば5枚のガラス板を重ねて)収容することができるという利点がある。
【0036】
真空袋の代わりに、いわゆる真空リップリングを使用することができる。この真空リップリングは、内面にスリットを有し、フィルム複合体を備えたガラス板にかぶせられるホースである。この場合、リップが真空密閉を行うので、真空リップリングは真空袋に似た方法でポンプによって真空引きすることができる。
【0037】
マトリックス24とカバーフィルム22の間の空間の良好な排気は、フィルム複合体26の見た目を良くするために重要である。というのは、積層過程中、マトリックス24とカバーフィルム22の間にある気泡が、カバーフィルム22の表面に窪みを形成し得るからである。この窪みは光学レンズとして作用し、フィルム複合体26を通しての眺望をゆがめる。これは溶融接着フィルム20とガラス板18の間の範囲についてもあてはまる。この場合、そこには気泡の形をした空気が残って見える。
【0038】
図2はカバーフィルム22を上から見た図である。カバーフィルムは中央範囲42と、この中央範囲42をリング状に取り囲むエッジ範囲38を有する。このエッジ範囲は、互いに接続するスリット40として形成された、中央範囲42をリング状に取り囲むパーフォレーションによって、積層後中央範囲42から分離可能である。この分離は、個々のパーフォレーションスリット40の間に残るウェブ44を例えばカッターによって切断することによって行われる。中央範囲42のエッジ側には、フィルムを完全に貫通する穴46が設けられている。カバーフィルム22を車体または車体に連結された保持要素に連結する際に、接着剤または発泡被覆剤が上記穴を経てカバーフィルム22を通過することができる。従って、カバーフィルム22が発泡被覆剤または接着剤に固着されるので、非常に高い引き抜き強さと共に確実な破片飛散防止機能が保証される。しかしながら、基本的には他の固着手段、例えば中央範囲42のエッジにおけるカバーフィルム22の表面の構造化またはコーティングを使用することができる。
【0039】
図3は、ガラス板18に積層する際のカバーフィルム22のエッジ範囲を示す断面図である。この場合、マトリックス24がカバーフィルム22を押し付けている。カバーフィルム22とガラス板18の間には接着剤層20が設けられている。カバーフィルム22のエッジ部分には接着剤層20が設けられていない。接着剤層20を備えていないエッジ部分は、分離可能なエッジ範囲38と、穴46を設けた中央範囲42のエッジ範囲を含んでいる。接着剤層を備えていないエッジ部分は、穴46を越えて内側へ延在している。
【0040】
接着剤層を備えていないエッジ部分にはスペーサ30が設けられている。このスペーサ
はカバーフィルム22とガラス板18の間に位置し、外側エッジが好ましくは、分離可能なエッジ範囲38の外側エッジ並びにガラス板18の外側エッジと面一である。マトリックス24は少なくとも、分離可能なエッジ範囲38の外側エッジまで延在している。スペーサ30はカバーフィルム22にもガラス板18にも付着しないで、好ましくは再使用できるように形成されている。スペーサの材料としては例えば紙、テフロンのような合成樹脂、ゴム製品が用いられる。スペーサ30は分離可能なエッジ範囲38と共に、カバーフィルム22の中央範囲42の気泡の侵入を防止する働きをする。この気泡侵入は窪みまたは中空室の形をした表面構造の異常をもたらすことになり、これは見た目のゆがみを生じる。このような異常は、カバーフィルム面に出現する、堤防状部または掻き傷プロファイルに似た形をしている。スペーサ30はリング状に形成され、それによって接着剤層20の外周エッジを取り囲み、カバーフィルム22のエッジ範囲への接着剤層20の侵入を防止する。そのために、スペーサ30の多数の帯状要素を設けてもよい。この帯状要素は一緒にリング状構造体を形成する。
【0041】
積層過程の終了後、スペーサ30は取り外され、分離可能なエッジ範囲38がパーフォレーションスリット40の間のウェブ44の分離によって、カバーフィルム22の中央範囲42から分離除去される。接着剤層20から突出する中央範囲42のエッジ範囲内のアンダーカット部は、後で形成される発泡被覆部または接着部内でのカバーフィルム22の固着を改善する働きをする。この場合、アンダーカット部に発泡被覆剤または接着剤が充填される。
【0042】
カバーフィルム22は好ましくはPETからなり一方、接着剤層は好ましくはPVBによって形成されている。マトリックス24は好ましくは、ガラス板18の形に対応して形成されたガラス板である。
【0043】
図5には、カバーフィルム22の分離可能なエッジ範囲38がスペーサ30の部分52によって置き換えられた変形実施の形態が示してある。この部分54はスペーサ30のベース部分50上に固定しないで載せてもよいし、例えば接着によってベース部分に固定連結してもよい。ベース部分50は、図3の例のように接着剤層20を備えていないカバーフィルム22の穴46付き範囲内に延在するスペーサ30の第1範囲を形成する。一方、載置または接着した部分54は、その下にあるベース部分50の一部と共に第2範囲48を形成している。この第2範囲は第1範囲よりも大きな厚さを有し、積層時にマトリックス24とガラス板18の間に位置する。それによって、マトリックス24からカバーフィルム22のエッジに加えられる押圧力を低減することができ、従ってカバーフィルム22とマトリックス24の間の範囲のエア抜きが改善される。その際、第1範囲50は接着剤層20の外側に接続し一方、第2範囲48はカバーフィルム22の外側に接続している。圧力を低下させる前に、第1範囲50が接着剤層20よりも大きな厚さを有し、第2範囲48が接着剤層20と接着フィルム22の合計よりも大きな厚さを有すると合目的である。第2範囲48の外側エッジは好ましくは、ガラス板18の外側エッジと面一である。
【0044】
スペーサ30は、圧力を加えたときにガラス板の破壊を防止できるほど可撓性である。圧力を加えた後で、スペーサ30は、接着剤層20とカバーフィルム22の厚さの合計に等しい厚さを有する。
【0045】
スペーサ30のベース部分50は例えば紙またはゴムによって形成可能であり一方、上側部分54は好ましくはカバーフィルム22と同じ材料、特にPETからなっている。
【0046】
スペーサ30は、カバーフィルム22と接着剤層20の外側エッジを取り囲むために、リング状に形成可能である。そのために、スペーサ30は複数の帯状要素からなっていてもよい。この帯状要素はリング状の形にするために互いに横に並べて配置される。その際、上側部分54の一部範囲だけを下側部分50に連結し、他の範囲を固定しないで載せるだけにすることができる。
【0047】
更に、スペーサの第2範囲は次のように形成可能である。すなわち、上側部分54によって完全に覆われ、それによって外周エッジ範囲全体において第1範囲またはベース部分50よりも厚いかあるいは上側部分54が外周エッジ範囲の一部範囲にのみ設けられ、それによってスペーサの第2範囲48が所定の部分においてのみ第1範囲よりも厚くなるように形成可能である。後者の実施形の一例が図6,7に示してある。この場合、スペーサ30の上側部分54が周方向において若干の切欠き52を有する。この切欠き内ではスペーサの表面がベース層50によってのみ形成される。上側部分54が積層過程中マトリックス24によって加えられた押圧力で圧縮されると、マトリックス24は切欠かれた範囲52においてベース層50の表面に接触する。従って、積層過程中、マトリックス24とベース層50の直接的な接触によって、側方へのベース層の移動が防止される。
【0048】
図6,7に示した思想は、カバーフィルム22の分離可能なエッジ範囲38が図6,7のスペーサの上側部分54の機能を受け持つ図2,3に示した変形の場合にも適用可能である。これは図10に概略的に示してある。ここでは、カバーフィルム22の分離可能なエッジ範囲38が切欠き52を有し、この切欠きのところでマトリックスが1段のスペーサ30に接触し、その結果マトリックスによって押圧力を加えると、外側へのスペーサのスライドが防止される。
【0049】
図4には、図5のスペーサの変形が示してある。この変形の場合には、スペーサ30は異なる材料によって形成されないで、一体に形成されている。この場合、隆起した第2範囲48はスペーサ30の適当な形状付与によって生じる。これは例えばスペーサ30の圧縮、例えば折り返し部の押込によって行うことができる。
【0050】
この場合、スペーサ30の材料としては、図5のスペーサ30の下層50と同じ材料、好ましくは紙、合成樹脂例えばテフロンまたはゴムが使用される。
【0051】
すべてのケースにおいて、スペーサ30はカバーフィルム22にもガラス板18にも、更にマトリックス24にも付着しないように形成されている。
【0052】
本発明の場合基本的には、積層の前に、すなわちマトリックス24に圧力を加えない状態で、マトリックス24がフィルム複合体26に全面では接触しないように、スペーサ30が形成されている。それによって、少なくとも排気の開始時に、マトリックス24とフィルム複合体26の間の中間室から空気をきわめて良好に排出することができ、従って空気の閉じ込めを回避することができる。他方では、積層過程の進行時、すなわちほぼ完全に排気されたときにおよび積層過程のために温度が上昇したときに、フィルム複合体26に対するマトリックス24の所望な面積の接触が妨げられないように、スペーサ30は可撓性であるべきである。換言すると、積層中の条件で、マトリックス24がほぼ面状にフィルム複合体26に接触し得るように、スペーサ30はマトリックス24によって加えられる押圧力によって圧縮される。
【0053】
図8には、図1の変形が示してある。この場合、積層過程はラミネータの代わりに、オートクレーブまたは空気循環炉において真空袋内で行われる。
【0054】
その際、第1ガラス板18Aには溶融接着フィルム20が載せられ、この溶融接着フィルムにはカバーフィルム22が載せられる。同じように形成された第2ガラス板18Bはカバーフィルム22に載せられ、マトリックスとしての働きをする。カバーフィルム22のエッジ範囲は図2,3の実施の形態の場合のように形成されている。すなわち、カバーフィルム22はそれをガラス板18Aに取付けた後でパーフォレーション40で分離することができるエッジ範囲38を有する。この場合、スペーサ30は、ガラス板18Aと、カバーフィルム22のエッジ範囲38および固着穴46を有する、エッジ範囲に接続するカバーフィルムの範囲との間に設けられている。
【0055】
ガラス板18Bはガラス板18Aのためのマトリックスとしての働きをするだけでなく、他のガラスリッドの構成部材にもなる。というのは、ガラス板18A上の構造物と同じ構造物、すなわち接着フィルム20、カバーフィルム22およびスペーサ30がガラス板18Bに載せられるからである。第2ガラス板18Bのカバーフィルム22上には、第3ガラス板24が載せられる。この第3ガラス板は図示した例ではマトリックスとしてのみ働き、他のリッドを形成しない。しかしながら、基本的には、2枚よりも多いガラス板、例えば10枚までのガラス板を上下に重ねて配置することができる。このガラス板はマトリックスとしておよびリッドのガラスとして作用する。
【0056】
重ねられたガラス板は一緒に真空袋60に入れられる。真空袋は排気され、そしてカバーフィルム22をガラス板18A,18Bに積層する熱処理を行うために、オートクレーブまたは空気循環炉内に挿入される。
【0057】
複数のガラス板を同時に積層することにより、製造方法全体を加速することができる。
【0058】
図8の方法の場合には、分離可能なエッジ範囲38を有するカバーフィルム22と1段のスペーサ30を備えた図8に示した構造体の代わりに、例えば図4〜7に示すような本発明による他のエッジ形状またはスペーサ形状を使用することができる。
【0059】
図10には図2の実施の形態の変形が示してある。この場合、カバーフィルム22の分離可能なエッジ範囲38はその外側エッジに、外側に突出する折り曲げ可能な固定舌片62,64を備えている。この場合、例えば固定舌片62は上方へ90°折り曲げられ、固定舌片64は下方へ90°折り曲げられ、続いてこの位置で接着テープによってマトリックスに固定可能である。その後で、マトリックスはガラス板18または溶融接着フィルム20に載せられたカバーフィルム22に載せられる。これにより、分離可能なエッジ範囲38が外側へ滑り落ちることが防止される。この滑り落ちはマトリックスによる押圧力の付勢に起因する。この滑り落ち防止は、図8の実施の形態の場合のように、積層時に複数のガラス板が重ねられるときに効果的である。この場合、各カバーフィルム22は固定舌片62,64を備えている。固定舌片の思想は、例えば図4,5の実施の形態で示すような2段式スペーサ30の場合にも使用可能である。この場合、積層の際のスペーサ30の外側への滑り落ちを防止するために、折り曲げ可能な固定舌片はスペーサ30の外側エッジに配置される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】湾曲した下型上に配置された湾曲したガラス板と、その上に配置されたフィルムと、その上に配置されたマトリックスの、ラミネータ内における閉鎖状態を示す概略断面図であり、この場合スペーサは図示していない。
【図2】パーフォレーションによって容易に分離可能なエッジ範囲を有するカバーフィルムの概略平面図である。
【図3】積層の前にスペーサを挿入した、図3のカバーフィルムのエッジ範囲の概略的な断面図である。
【図4】積層の前にスペーサを挿入した、他の実施の形態によるカバーフィルムのエッジ範囲の概略断面図である。
【図5】スペーサの変形実施の形態を示す、図4と同様な図である。
【図6】リング状スペーサの概略平面図である。
【図7】図6のA−A線に沿った断面図である。
【図8】図1のプロセスの変形を示す図であり、この場合積層過程はラミネータの代わりにオートクレーブ内において真空袋内で行われる。
【図9】変形実施の形態を示す、図2と同様な図である。
【図10】他の変形実施の形態を示す、図2と同様な図である。
【符号の説明】
【0061】
10…上側のラミネータ室、12…ラミネータダイヤフラム、14…下側のラミネータ室、16…下型、18…ガラス板、18A…ガラス板、18B…ガラス板、20…溶融接着フィルム、22…カバーフィルム、24…マトリックス、26…20と22からなるフィルム複合体、30…スペーサ、38…22の分離可能なエッジ範囲、40…パーフォレーション、42…22の中央範囲、44…40の間のウェブ、46…固着穴、48…30の厚い範囲、50…30の薄い範囲またはベース部分、52…54内の切欠き、54…30の上側部分、60…真空袋、62…22の固定舌片、64…22の固定舌片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム複合体(26)を形成するために、合成樹脂フィルム(22)がマトリックス(24)によって湾曲したガラス板(18)に押し付けられ、合成樹脂フィルムをガラス板上に積層するために、フィルム複合体が大気圧よりも低い圧力で熱処理され、フィルム複合体を形成し、かつカバーフィルムをガラス板に上に固定するために、合成樹脂フィルムがカバーフィルムとして形成され、かつこのカバーフィルムとガラス板の間に接着剤層が入れられる、車両用の湾曲したガラス板構造体を製造するための方法において、マトリックスとカバーフィルムの間からの空気の流出を容易にするために、圧力を下げる前に、第1範囲(50)と少なくとも一部(48)がこの第1範囲よりも厚い第2範囲(48,50)とを有する可撓性のスペーサ(30)の前記第1範囲が、接着剤層(20)を備えていないカバーフィルム(22)の範囲においてカバーフィルムとガラス板(18)の間に挿入され、スペーサの前記第2範囲がマトリックス(24)とガラス板の間に挿入されることを特徴とする方法。
【請求項2】
スペーサ(30)の第2範囲(48,50)が挿入状態でカバーフィルム(22)のエッジに接続していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
スペーサ(30)の第1範囲(50)が挿入状態で接着剤層(20)のエッジに接続していることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
圧力を下げる前に、スペーサ(30)の第1範囲(50)が接着剤層(20)よりも厚いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
圧力を下げる前に、スペーサ(30)の第2範囲(48,50)が接着剤層(20)とカバーフィルム(22)の全体厚さよりも厚いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
スペーサ(30)が一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
スペーサ(30)の第1範囲(50)と第2範囲(48)の厚さの差が圧縮によって生じることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
スペーサ(30)が紙、合成樹脂例えばテフロンまたはゴム製品からなっていることを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
第1範囲(50)と、この第1範囲よりも厚い第2範囲(48)の少なくとも一部(54)とが、異なる材料によって形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第1範囲よりも厚い第2範囲(48)の少なくとも一部が、第1範囲の材料(50)に載置されたまたはこの材料に固定連結、特に接着された層(54)として形成されていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
載置された層(54)または第1範囲の材料(50)に固定連結された層が、合成樹脂、特にPETによって形成されていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
載置された層(54)または第1範囲の材料(50)に固定連結された層が、カバーフィルム(22)と同じ材料からなっていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1範囲(50)が厚紙からなっていることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
第2範囲(48)の材料(54)が第1範囲の材料(50)を一部だけ覆っていることを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
スペーサ(30)がリング状に形成され、接着剤層(20)のエッジを取り囲んでいることを特徴とする請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
スペーサ(30)が複数の帯状要素によって形成されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
スペーサ(30)の外側エッジがガラス板(18)のエッジとほぼ面一であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
スペーサ(30)がカバーフィルム(22)にもガラス板(18)またはマトリックス(24)にも付着しないように形成されていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
カバーフィルム(22)とガラス板(18)の間のスペーサ(30)が設けられたカバーフィルムの範囲が、カバーフィルムを貫通する穴(46)を有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
フィルム複合体(26)を形成するために、合成樹脂フィルム(22)がマトリックス(18B,24)によって湾曲したガラス板(18,18A,18B)に押し付けられ、合成樹脂フィルムをガラス板上に積層するために、フィルム複合体が大気圧よりも低い圧力で熱処理され、フィルム複合体を形成し、かつカバーフィルムをガラス板に上に固定するために、合成樹脂フィルムがカバーフィルムとして形成され、かつこのカバーフィルムとガラス板の間に接着剤層が入れられる、車両用の湾曲したガラス板構造体を製造するための方法において、マトリックス(18B,24)とカバーフィルムの間からの空気の流出を容易にするために、圧力を下げる前に、少なくとも1個の可撓性のスペーサ(30)が、接着剤層(20)を備えていないカバーフィルム(22)の範囲においてカバーフィルムとガラス板(18,18A,18B)の間に挿入され、カバーフィルムのエッジ範囲(38)がカバーフィルムの中央(42)側にパーフォレーション(40)を有し、エッジ範囲の少なくとも一部がスペーサ上に位置し、積層後パーフォレーションを有するエッジ範囲がパーフォレーションによって分離除去されることを特徴とする方法。
【請求項21】
パーフォレーションが互いに接続するスリット(40)として形成され、隣接するスリットがウェブ(44)によって分離されていることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
パーフォレーション(44)を有するエッジ範囲(38)がリング状に形成され、カバーフィルム(22)の中央範囲(42)を取り囲んでいることを特徴とする請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
パーフォレーション(44)を有するエッジ範囲(38)の外側エッジが、スペーサ(30)の外側エッジとほぼ面一であることを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
パーフォレーション(44)を有するエッジ範囲(38)の外側エッジと、スペーサ(30)の外側エッジが、ガラス板(18)のエッジとほぼ面一であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
スペーサ(30)が、カバーフィルム(22)にもガラス板(18,18A,18B)にも付着しないように形成されていることを特徴とする請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
スペーサ(30)がパーフォレーション(44)を越えて内側に延在していることを特徴とする請求項20〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
パーフォレーション(44)を有する範囲(38)に対して内側に位置しかつカバーフィルムとガラス板(18,18A,18B)の間のスペーサ(30)が設けられたカバーフィルム(22)の範囲(42)が、カバーフィルムを貫通する穴(46)を備えていることを特徴とする請求項20〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
スペーサ(30)が再使用可能であることを特徴とする請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
マトリックス(18B,24)がガラス板として形成されていることを特徴とする請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
カバーフィルム(22)と接着剤層によって形成されたフィルム複合体がマトリックスとしての働きをするガラス板(18B)の他方の側に、他のマトリックス(24)によって押し付けられて、熱処理によってこのガラス板に積層されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
両ガラス板(18A,18B)とマトリックス(24)が真空袋に入れられ、この真空袋が排気され、そして排気された真空袋内にあるガラス板がオートクレーブ内で熱処理されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
マトリックス(18B,24)がガラス板(18,18A)の湾曲と同じかまたは小さな湾曲を有することを特徴とする請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
カバーフィルム(22)がPET,PCまたはPMMAからなっていることを特徴とする請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
接着剤層(20)がPVB,PU,EVAまたはアイオノマーフィルムからなっていることを特徴とする請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
熱処理がラミネータ、循環炉またはオートクレーブ内で行われることを特徴とする請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
合成樹脂フィルムがカバーフィルム(22)として形成され、このカバーフィルムがガラス板(18,18A,18B)への機械的な作用に対する保護部材としてまたはガラス板損傷時の破片飛散防止部材および乗員保護部材として作用することを特徴とする請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
分離可能なエッジ範囲(38)がそのエッジに、外側に突出する折り曲げ可能な固定舌片(62,64)を備えていることを特徴とする請求項20〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
スペーサ(30)がそのエッジに、外側に突出する折り曲げ可能な固定舌片を備えていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−542068(P2008−542068A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513917(P2008−513917)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【国際出願番号】PCT/DE2006/000924
【国際公開番号】WO2006/128430
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(591018763)ベバスト・アクチィエンゲゼルシャフト (102)
【Fターム(参考)】