説明

車両用セキュリティー装置及び車両用セキュリティーシステム

【課題】消費電力を低減することができる車両用セキュリティー装置及び車両用セキュリティーシステムを提供すること。
【解決手段】車両用セキュリティー装置10は、イモビライザーECU11、リモートセキュリティーECU12、ディスプレイ14、操作部15、電源制御部16などを備える。イモビライザーECU11は、キー40から送信される識別信号及び/又はリモートセキュリティーECU12から出力されるリモートセット信号・リモートアンセット信号に基づいてエンジン30の駆動禁止、駆動許可を制御するものであり、リモートセット信号が送信され、イモビをセットしている場合は、キー40から正規の識別信号が送信されると、電源制御部16にて電源状態をACCオン、もしくはIGオンに電源遷移することによって、ディスプレイ14、及び操作部15にてリモートイモビのセットを解除することが可能な状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用セキュリティー装置及び車両用セキュリティーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、正規キーと共に車両が盗難されてしまった場合に、その盗難された車両を使用不能にすることで盗難された車両の不正使用を防止することを目的とした車両用セキュリティーシステムがある。
【0003】
この車両用セキュリティーシステムでは、正規のキーと共に車両が盗まれてしまった場合に、その車両の正規の所有者が基地局に盗難を届け出ると、基地局が無線通信によって車両のエンジンの駆動禁止要求を示す信号を車両に対して送信する。そして、この駆動禁止要求を示す信号を受信した車両はエンジンの駆動を禁止する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−146185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示す車両用セキュリティーシステムにおいて、基地局から送信された駆動禁止要求を示す信号に基づく制御を解除する場合、車両に解除装置を設けておき、その解除装置が操作された場合に解除することが考えられる。
【0005】
したがって、解除装置は、ユーザーが解除したい時に電源が供給されて、動作できる状態である必要がある。しかしながら、解除装置に常時電源を供給しておくと消費電力が増加するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、消費電力を低減することができる車両用セキュリティー装置及び車両用セキュリティーシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の車両用セキュリティー装置は、固有の識別信号を送信する電子キー、及び車両の動力装置の駆動禁止要求、駆動許可要求を示す駆動要求信号を送信する遠隔地にある通信装置と通信可能な車両用セキュリティー装置であって、電子キーとの通信を行うキー通信手段と、遠隔地にある通信装置との通信を行う遠隔通信手段と、キー通信手段に送信される識別信号及び/又は遠隔通信手段に送信される駆動要求信号に基づいて動力装置を制御する制御手段と、ユーザーからの指示によって駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく動力装置の制御を解除する解除手段とを備え、制御手段は、遠隔通信手段にて駆動禁止要求を示す駆動要求信号を受信して動力装置を駆動禁止としており、キー通信手段に送信される識別信号が正規の識別信号である場合のみ、車載電源からの電源遷移を解除手段がユーザーからの指示を受け付けることができるように許可することを特徴とするものである。
【0008】
このように、遠隔通信手段にて駆動禁止要求を示す駆動要求信号を受信して動力装置を駆動禁止としており、キー通信手段に送信される識別信号が正規の識別信号である場合のみ、車載電源からの電源遷移を解除手段がユーザーからの指示を受け付けることができるように許可することによって消費電力を低減することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の車両用セキュリティー装置では、固有の識別信号を送信する電子キー、及び車両の動力装置の駆動禁止要求、駆動許可要求を示す駆動要求信号を送信する遠隔地にある通信装置と通信可能な車両用セキュリティー装置であって、電子キーとの通信を行うキー通信手段と、遠隔地にある通信装置との通信を行う遠隔通信手段と、キー通信手段に送信される識別信号及び/又は遠隔通信手段に送信される駆動要求信号に基づいて動力装置を制御する制御手段と、ユーザーからの指示に基づいて駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく動力装置の制御を解除する解除手段と、常時車両用電源から電源供給され、車両のドアロックスイッチの操作を検出するドアロックスイッチ検出手段とを備え、制御手段は、遠隔通信手段にて駆動禁止要求を示す駆動要求信号を受信して動力装置を駆動禁止としており、ドアロックスイッチ検出手段が車両のドアロックスイッチの操作を検出した場合のみ、車載電源からの電源遷移を解除手段がユーザーからの指示を受け付けることができるように許可することを特徴とするものである。
【0010】
一般的にドアロックスイッチの操作を検出するドアロックスイッチ検出手段は、常時電源が供給されているものである。そこで、遠隔通信手段にて駆動禁止要求を示す駆動要求信号を受信して動力装置を駆動禁止としており、ドアロックスイッチ検出手段が車両のドアロックスイッチの操作を検出した場合のみ、車載電源からの電源遷移を解除手段がユーザーからの指示を受け付けることができるように許可することによっても消費電力を低減することができる。
【0011】
また、請求項3に記載の車両用セキュリティー装置では、制御手段は、電源遷移を許可した場合であっても、駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく動力装置の制御を解除するまでは、動力装置の駆動許可を禁止することを特徴とするものである。
【0012】
このように、電源遷移を許可した場合、正規の電子キーがあるか、もしくは、ドアロックスイッチが操作されているかであるので、動力装置を駆動許可とすることも可能である。しかしながら、電源遷移を許可した場合であっても、駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく動力装置の制御を解除するまでは、動力装置の駆動許可を禁止することによってセキュリティー性の向上させることができる。
【0013】
また、キー通信手段に送信される識別信号に基づいて、車両におけるステアリングのロック及びロックの解除も制御する場合は、請求項4に示すように、電源遷移を許可した場合であっても、少なくとも駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく動力装置の制御を解除するまでは、ステアリングのロックの解除も禁止すると好ましい。
【0014】
また、解除手段としては、請求項5に示すように、駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく動力装置の制御を解除するための画像を表示する表示手段と、ユーザーによって操作されるものであり、画像に対応する操作が可能な操作手段とを含み、操作手段にて表示手段に表示された画像に基づいた操作がなされた場合に動力装置の制御を解除するものとすることができる。
【0015】
また、解除手段としては、請求項6に示すように、ユーザーによって操作されるものであり、ユーザーの操作によって動力装置の制御を解除する操作装置を含むものであってもよい。
【0016】
また、解除手段としては、請求項7に示すように、ユーザーによって発声された音声が所定の条件を満たすか否かを判定する音声認識装置を含み、音声認識装置にて音声が所定の条件を満たすと判定された場合に動力装置の制御を解除するものであってもよい。
【0017】
また、解除手段としては、請求項8に示すように、ユーザーの生体情報が所定の条件を満たすか否かを判定する生体情報判定装置を含み、生体情報判定装置にて生体情報が所定の条件を満たすと判定された場合に動力装置の制御を解除するものであってもよい。
【0018】
また、請求項9に示すように、車載電源からの電源遷移を解除手段がユーザーからの指示を受け付けることができるように許可する場合、車載電源の電源遷移をアクセサリーオンもしくはイグニッションオンにするようにしてもよい。
【0019】
また、請求項10に記載の車両用セキュリティー装置では、制御手段は、車載電源の電源遷移を制御するものであり、車載電源からの電源遷移を解除手段がユーザーからの指示を受け付けることができるように許可する場合、アクセサリーオン及びイグニッションオンすることなく、解除手段に電源を供給することを特徴とするものである。
【0020】
このように、車載電源からの電源遷移を解除手段がユーザーからの指示を受け付けることができるように許可する場合、アクセサリーオン及びイグニッションオンすることなく、解除手段に電源を供給することによって消費電力をより一層低減することができる。
【0021】
また、請求項11に記載の車両用セキュリティーシステムでの作用・効果に関しては、上述の請求項1乃至請求項10と同様であるため説明を省略する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。なお、本発明の実施の形態は、以下の実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態における車両用セキュリティーシステムの概略構成を示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態における車両用セキュリティー装置の動作を示すタイムチャートである。
【0024】
図1に示すように、車両用セキュリティーシステムは、車両用セキュリティー装置10、エンジンECU20、エンジン30、キー40、基地局50、データセンター60、携帯電話70、ディスプレイ14、操作部15などを備える。
【0025】
車両用セキュリティー装置10は、車両内に設けられるものであり、イモビライザーECU11、アンテナ11a、リモートセキュリティーECU12、通信ECU13、アンテナ13a、ディスプレイ14、操作部15、電源制御部16などを備える。
【0026】
イモビライザーECU11は、本発明の制御手段及び解除手段の一部に相当するものであり、マイクロコンピュータを主体として構成されるもので、ROM、RAM、EEPROMなどのメモリやインターフェース回路あるいはデータ転送用のバスライン、及び本発明の電子キーに相当するキー40との通信を行うアンテナ11aなどを備える。なお、イモビライザーECU11は、電源制御部16の電源状態(IG、ACC、OFF)が検出可能となっている。
【0027】
このイモビライザーECU11は、キー40から送信された識別信号、及びリモートセキュリティーECU12から出力されるリモートセット信号・リモートアンセット信号に基づいて、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動禁止・駆動許可を示す駆動信号を出力する。なお、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動禁止・駆動許可を示す駆動信号を出力することを、イモビライザー機能のセット・アンセット、もしくは、イモビのセット、アンセットと称する。また、リモートセキュリティーECU12から出力されるリモートセット信号・リモートアンセット信号に基づいて、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動禁止・駆動許可を示す駆動信号を出力することを、リモートイモビライザー機能のセット・アンセット、もしくは、リモートイモビのセット、アンセットと称する。
【0028】
すなわち、イモビライザーECU11は、イモビをセットする場合、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動禁止を示す駆動信号を出力することによってエンジン30を駆動禁止とする。そして、イモビライザーECU11は、イモビをアンセットする場合、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動許可を示す駆動信号を出力することによってエンジン30を駆動許可とする。
【0029】
また、イモビライザーECU11は、リモートイモビをセットしている場合、正規のキー40から識別信号が送信されても、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動禁止を示す駆動信号を出力することによってエンジン30の駆動禁止を維持する。そして、イモビライザーECU11は、リモートイモビをアンセット(リモートイモビのセットを解除)している場合、正規のキー40から識別信号が送信されると、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動許可を示す駆動信号を出力することによってエンジン30を駆動許可とする。
【0030】
さらに、イモビライザーECU11は、リモートセキュリティーECU12から出力されるリモートセット信号を受信したのみの状態である、リモートイモビライザー機能のセット待ち状態(待機状態)を有する。なお、このリモートイモビライザー機能の待機状態をリモートイモビの待機状態と称する。
【0031】
また、イモビライザーECU11は、キー40から送信された識別信号、及びリモートセキュリティーECU12から出力されるリモートセット信号・リモートアンセット信号などに基づいて、すなわち、イモビのセット・アンセット状態、リモートイモビのセット・アンセット状態、及びキー40から送信された識別信号などに基づいて電源制御部16の電源遷移を制御する。
【0032】
車両のキー40は、本発明における電子キーに相当するものであり、携帯可能なカードキーである。このキー40は、固有の識別信号(IDコード)を有する通信装置部(図示省略)を備えており、この通信装置部はアンテナ11aからの呼掛け信号に応答して、識別信号を含む応答信号を発信する。また、アンテナ11aは、エンジン30を始動するためのキースロット(図示省略)付近に備えられており、キースロット内部にはスイッチ(図示省略)が設けられている。キー40がキースロットに差し込まれることによってスイッチがオンとなり、キー40の通信装置部とアンテナ11aとの間で通信が行われる。
【0033】
なお、所定時間毎にアンテナ11aから呼掛け信号を送信するようにしてもよいし、スタート/ストップスイッチ(図示省略)が押圧操作されると呼掛け信号を送信するようにしてもよい。
【0034】
リモートセキュリティーECU12は、本発明の制御手段の一部に相当するものであり、マイクロコンピュータを主体として構成されるもので、ROM、RAM、EEPROMなどのメモリやインターフェース回路あるいはデータ転送用のバスラインなどを備える。リモートセキュリティーECU12は、後ほど説明する通信ECU13から出力されるリモートセット信号・リモートアンセット信号をイモビライザーECU11へ出力する。なお、リモートセット信号は、本発明における車両の動力装置の駆動禁止要求を示す駆動要求信号に相当するものであり、リモートアンセット信号は、本発明における車両の動力装置の駆動許可要求を示す駆動要求信号に相当するものである。
【0035】
通信ECU13は、本発明の遠隔通信手段に相当するものであり、マイクロコンピュータを主体として構成されるもので、ROM、RAM、EEPROMなどのメモリやインターフェース回路あるいはデータ転送用のバスライン、及び本発明の遠隔地にある通信装置に相当する基地局50との通信を行うアンテナ13aなどを備える。そして、通信ECU13は、基地局50から送信されるリモートセット信号・リモートアンセット信号をリモートセキュリティーECU12へ出力する。なお、この通信ECU13としては、無線電話回線、インターネット回線などに接続可能なものであればよく、車載電話などを用いるようにしてもよい。
【0036】
ディスプレイ14、及び操作部15は、本発明における解除手段の一部に相当するものであり、後ほど説明する電源制御部16から電源が供給されることによって、画像の表示や入力操作などの動作が可能となる。ディスプレイ14は、液晶表示パネルとバックライトとにより構成される表示画面を備える。このディスプレイ14はイモビライザーECU11から出力される画像信号に基づいてリモートイモビのセットの解除(アンセット)に関連する情報(画像)、すなわちリモートセット信号に基づく制御を解除するための情報(画像)などを表示する。なお、ディスプレイ14は、ナビゲーション装置で用いるディプレイを用いるようにしてもよい。
【0037】
操作部15は、本発明における解除手段の一部に相当するものである。この操作部15は、ディスプレイ14の表示画面の表示面側に設けられる透過式のタッチパネルであり、ディスプレイ14の表示画面に表示された画像に対応する操作が可能である。
【0038】
リモートイモビのセットの解除に関連する情報(画像)とは、例えば、リモートイモビをアンセット(リモートイモビのセットを解除)するための要求の入力画面、リモートイモビをアンセット(リモートイモビのセットを解除)するための暗証番号の入力画面などを含むものである。そして、ディスプレイ14の表示画面に表示された画像に対応する操作とは、アンセットするための要求を入力する操作や暗証番号を入力する操作を含むものである。
【0039】
なお、本実施の形態においては、解除手段は、ディスプレイ14と操作部15(タッチパネル)とを含む例を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ディスプレイ14の周囲やオーバーヘッドモジュールに設けられた操作スイッチ、センターコンソールなどに設けられるジョイスティックなどであってもよい。さらに、解除手段は、ユーザーによって発声された音声が所定の条件を満たすか否かを判定する音声認識装置、ユーザーの生体情報(指紋、声紋など)が所定の条件を満たすか否かを判定する生体情報判定装置などであってもよい。
【0040】
電源制御部16は、本発明の制御手段の一部に相当するものであり、マイクロコンピュータを主体として構成されるもので、ROM、RAM、EEPROMなどのメモリやインターフェース回路あるいはデータ転送用のバスラインなどを備える。そして、電源制御部16は、車載電源であるバッテリー(図示省略)と接続されており、イモビライザーECU11からの指示に基づいて電源遷移を切り換えることによって、車載装備各部(ディスプレイ14、操作部15、エンジンECU20など)への給電状態を切り換える。
【0041】
エンジンECU20は、マイクロコンピュータを主体として構成されるもので、ROM、RAM、EEPROMなどのメモリやインターフェース回路あるいはデータ転送用のバスラインなどを備える。エンジンECU20は、イモビライザーECU11がイモビをアンセットしている場合(エンジン30の駆動許可を示す駆動信号が出力された場合)のみ、図示しないイグニッションスイッチからの始動信号に基づいて、スターターモータ、燃料噴射装置、点火装置の動作を開始させる。これにより、スターターモータが回転しつつエンジン30に燃料が噴射され点火プラグが点火することによってエンジン30を始動する(駆動許可とする)。
【0042】
また、エンジンECU20は、イモビライザーECU11がイモビをセットしている場合(エンジン30の駆動禁止を示す駆動信号が出力された場合)は、スターターモータ、燃料噴射装置、点火装置の動作を開始させない。つまり、エンジンECU20は、エンジン30を始動させない(駆動禁止とする)。
【0043】
また、基地局50は、本発明の遠隔地にある通信装置に相当するものであり、通信ECU13や携帯電話70等と無線通信を行うことができ、さらに多数の車両情報を管理しているデータセンター60と接続されている。本実施の形態における車両用セキュリティーシステムにおいては、車両が盗まれてしまった場合、車両のユーザーは、携帯電話70を使用して基地局50と通信を行い、これによりデータセンター60に対して盗難を届け出る。この盗難の届けを受領したデータセンター60は、リモートセット信号を基地局50に対して出力する。このリモートセット信号を受信した基地局50は、リモートセット信号を車両(通信ECU13)に対して送信する。
【0044】
また、盗まれた車両などが発見された場合、車両のユーザーは、携帯電話70を使用して基地局50と通信を行い、これによってデータセンター60に対して盗難車の発見を届け出る。この盗難車の発見の届けを受領したデータセンター60は、リモートイモビをアンセット(リモートイモビのセットを解除)するために、リモートアンセット信号を基地局50に対して出力する。このリモートアンセット信号を受信した基地局50は、リモートアンセット信号を車両(通信ECU13)に対して送信する。
【0045】
このように、本実施の形態における車両用セキュリティーシステムは、リモートイモビをアンセット(リモートイモビのセットを解除)する場合、基地局50からリモートアンセット信号を送信するか、ディスプレイ14及び操作部15を用いて行うことが可能である。これによって、盗難された車両が電波(リモートアンセット信号)の届かない場所などにあった場合でもリモートイモビをアンセット(リモートイモビのセットを解除)することが可能となる。
【0046】
ここで、図2のタイムチャートに基づいて、本実施の形態における車両用セキュリティーシ装置の動作を説明する。
【0047】
例えば、悪意のある第三者によってキー40ごと車両を盗まれ、キー40がキースロットに差し込まれると、イモビライザーECU11は、キー40から送信された識別信号に基づいて、正規のキー40であるか否かを判定し、正規のキー40であると判定した場合は、図2(c)のスタート(左端)からA点までの間のようにイモビをアンセットとする。したがって、車両は、悪意のある第三者がキー40を用いてイグニッションスイッチをオンするなどによって、図2(a)、(b)のスタート(左端)からA点までの間に示すように、電源状態がイグニッション(図中ではIGと記載)、車両は走行中となり、悪意のある第三者によって自由に不正使用されることとなる。
【0048】
そこで、車両が盗まれてしまった場合、車両の正規のユーザーは、携帯電話70を使用して基地局50と通信を行い、これによりデータセンター60に対して盗難を届け出る。この盗難の届けを受領したデータセンター60は、リモートセット信号を基地局50に対して出力する。このリモートセット信号を受信した基地局50は、図2(d)のA点に示すようにリモートセット信号を車両(通信ECU13)に対して送信することによってリモートイモビセット要求を行う。
【0049】
通信ECU13は、アンテナ13aを介してリモートセット信号を受信する。そして、通信ECU13は、受信したリモートセット信号をリモートセキュリティーECU12に出力する。リモートセキュリティーECU12は、受信したリモートセット信号をイモビライザーECU11に出力する。
【0050】
イモビライザーECU11は、リモートセキュリティーECU12からリモートセット信号が出力された場合、キー40の識別信号に基づいてイモビをアンセットしている間は、イモビのアンセットを維持する。つまり、イモビライザーECU11は、図2(c)(d)のA点からB点に示すように、イモビのアンセットを維持し、リモートイモビを待機状態とすることによって、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動禁止を示す駆動信号の出力を禁止する。
【0051】
したがって、図2(a)(b)のA点からB点までの間に示すように、車両が停止したり、電源状態がACC、OFFとなったりした場合であっても、イモビライザーECU11がイモビのアンセットを維持して、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動許可を示す駆動信号を出力するので、車両は、走行可能な状態となる。
【0052】
キー40の識別信号に基づいてエンジンECU20に対してエンジン30の駆動許可を示す駆動信号を出力している時、車両は、走行中であったり、車両が走行車線上にあったりする場合が多い。したがって、イモビライザーECU11は、キー40の識別信号に基づいてイモビをアンセットしている間にリモートセット信号が出力された場合、イモビのアンセットを維持してエンジンECU20に対してエンジン30の駆動許可を示す駆動信号を出力することによって、車両が走行車線上にある場合などには、エンジン30を駆動禁止にすることを防止できるので、交通の流れを妨げることを防止することができる。つまり、盗難された車両がエンストしたり、信号待ちの時にエンジン30を停止したりした場合には、エンジン30を駆動禁止にすることを防止できるので、交通の流れを妨げることを防止することができる。
【0053】
また、このように、イモビライザーECU11は、キー40の識別信号に基づいてイモビをアンセットしている間にリモートセット信号が出力された場合、イモビのアンセットを維持してエンジンECU20に対してエンジン30の駆動許可を示す駆動信号を出力することによって、リモートアンセット信号の誤送信など、リモートイモビの誤動作が生じた場合であってもエンジン30を駆動禁止にすることを防止できる。
【0054】
なお、イモビライザーECU11は、図2(c)(d)のA点からB点に示すように、イモビのアンセットを維持し、リモートイモビを待機状態としている場合、リモートセキュリティーECU12からリモートアンセット信号が出力されると、この待機状態を解除するようにすると好ましい。
【0055】
次に、イモビライザーECU11がエンジン30を駆動禁止とする場合に関して説明する。すなわち、イモビライザーECU11がイモビライザー機能及びリモートイモビライザー機能をセットする場合に関して説明する。
【0056】
イモビライザーECU11は、図2(d)のA点からB点に示すように、基地局50からリモートセキュリティーECU12を介してリモートセット信号を受信して、リモートイモビを待機状態としている場合、図2(e)のB点からC点に示すようにキー40がキースロットから抜かれ、図2(a)(b)に示すように電源状態がOFFとなり、車両状態が駐車になるとイモビ及びリモートイモビをセットする。すなわち、イモビライザーECU11は、キースロットからキー40が抜かれ、キー40からの識別信号がなく正規のキー40がキースロットに差し込まれていないと判定するとイモビ及びリモートイモビをセットする。イモビをセットする場合、イモビライザーECU11は、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動禁止を示す駆動信号を出力することによってエンジン30を駆動禁止とする。
【0057】
そして、イモビライザーECU11は、イモビ及びリモートイモビをセットしている間(例えば、図2(c)(d)のB点以降)は、正規のキー40がキースロットに差し込まれたとしても、イモビをアンセットにはせず、イモビのセットを維持する。これは、悪意のある第三者による車両の継続的な不正使用を防止するためである。
【0058】
さらに、図2(e)のC点、E点に示すように、イモビライザーECU11は、リモートセット信号が送信され、イモビをセットしている場合、キー40から送信された識別信号に基づいて、正規のキー40であるか否かを判定し、正規のキー40であると判定すると(図2では、キー状態有りと示す)、イモビ及びリモートイモビのセットを維持した状態で電源制御部16にて電源状態をACCオン(アクセサリーオン)、もしくはIGオン(イグニッションオン)に電源遷移する。
【0059】
このように、電源状態をACCオン、もしくはIGオンに電源遷移すると、ディスプレイ14、及び操作部15は、画像の表示や入力操作などの動作が可能となる。すなわち、電源状態をACCオン、もしくはIGオンに電源遷移することによって、ディスプレイ14、及び操作部15にてリモートイモビをアンセット(リモートイモビのセットを解除)することが可能な状態とすることができる。ただし、このように電源状態をACCオン、もしくはIGオンに電源遷移した場合であっても、すなわち、正規のキー40であると判定した場合であっても、少なくともリモートイモビのセットを解除(アンセット)するまではイモビのセットを維持する。
【0060】
なお、正規のキー40であると判定している状態でスタート/ストップスイッチ(図示省略)が押圧操作された時点で電源状態をACCオンに電源遷移し、正規のキー40であると判定している状態でブレーキ(図示省略)が踏まれ、スタート/ストップスイッチ(図示省略)が押圧操作された時点でIGオンに電源遷移するようにしてもよい。また、正規のキー40であると判定している状態でスタート/ストップスイッチ(図示省略)が一回押圧操作された時点で電源状態をACCオンに電源遷移し、その後所定時間内にスタート/ストップスイッチ(図示省略)が再度押圧操作された時点で電源状態をIGオンに電源遷移するようにしてもよい。
【0061】
次に、イモビライザーECU11がエンジン30を駆動許可とする場合に関して説明する。すなわち、イモビライザーECU11がイモビライザー機能及びリモートイモビライザー機能をアンセット(セットの解除)する場合に関して説明する。
【0062】
まず、基地局50を用いてアンセットする場合に関して説明する。例えば、盗難された車両が発見され、車両の正規のユーザーが車両に乗車できる状態である場合、車両の正規のユーザーは、携帯電話70を使用して基地局50と通信を行い、これによりデータセンター60に対して車両の発見を届け出る。この車両の発見の届けを受領したデータセンター60は、リモートアンセット信号を基地局50に対して出力する。このリモートアンセット信号を受信した基地局50は、リモートアンセット信号を車両(通信ECU13)に対して送信することによってリモートイモビアンセット要求を行う。
【0063】
通信ECU13は、アンテナ13aを介してリモートアンセット信号を受信する。そして、通信ECU13は、受信したリモートアンセット信号をリモートセキュリティーECU12に出力する。リモートセキュリティーECU12は、受信したリモートアンセット信号をイモビライザーECU11に出力する。
【0064】
イモビライザーECU11は、リモートセキュリティーECU12からリモートアンセット信号が出力された場合、リモートイモビをアンセットとする。ただし、イモビライザーECU11は、キー40の識別信号に基づいてイモビをセットしている間は、リモートセキュリティーECU12からリモートアンセット信号が出力されリモートイモビをアンセットとした場合であっても、イモビのセットを維持するようにすると好ましい。つまり、イモビライザーECU11は、リモートイモビをアンセットとしても、イモビのセットは維持することによって、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動禁止を示す駆動信号の出力を維持するので、車両は、正規のキー40がない場合は走行不可の状態となる。
【0065】
ここで、例えば、リモートイモビのアンセットに伴ってイモビをアンセットした場合を考える。イモビライザーECU11は、リモートイモビのアンセットに伴ってイモビをアンセットすると、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動許可を示す駆動信号を出力してしまう。したがって、リモートイモビのアンセットに伴ってイモビをアンセットすると、車両は、正規のキー40をもっていなくても走行させることが可能となってしまう。そこで、本実施の形態に示すように、イモビライザーECU11は、キー40の識別信号に基づいてイモビをセットしている間は、リモートセキュリティーECU12からリモートアンセット信号が出力されリモートイモビをアンセットとした場合であっても、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動禁止を示す駆動信号の出力を維持することによって、悪意のある第三者による車両の継続的な不正使用を抑制することができる。
【0066】
そして、イモビライザーECU11は、リモートイモビをアンセットとしている時に、キー40がキースロットに差し込まれると、キー40から送信された識別信号に基づいて正規のキー40であるか否かを判定し、正規のキー40であると判定した場合はイモビをアンセットとする。
【0067】
次に、ディスプレイ14及び操作部15を用いてアンセットする場合に関して説明する。図2(e)のC点、E点に示すように、イモビライザーECU11は、リモートセット信号が送信され、イモビをセットしている場合(イモビ及びリモートイモビがセット)、電源制御部16にて電源状態がACCオン(アクセサリーオン)、もしくはIGオン(イグニッションオン)に電源遷移すると、ディスプレイ14、及び操作部15は、画像の表示や入力操作などの動作が可能となる。
【0068】
そして、イモビライザーECU11は、ディスプレイ14の表示画面にリモートイモビのセットの解除に関連する画像(例えば、リモートイモビのセットを解除するための要求の入力画面、リモートイモビのセットを解除するための暗証番号の入力画面など)を表示する。この状態において、操作部15からディスプレイ14の表示画面に表示されたリモートイモビのセットの解除に関連する画像に対応する操作(例えば、アンセットするための要求を入力する操作、暗証番号を入力する操作)がなされた場合、イモビライザーECU11は、リモートイモビをアンセットとする。
【0069】
ただし、イモビライザーECU11は、キー40の識別信号に基づいてイモビをセットしている間は、操作部15からディスプレイ14の表示画面に表示されたリモートイモビのセットの解除に関連する画像に対応する操作がなされた場合であってもイモビのセットを維持する。つまり、イモビライザーECU11は、リモートイモビをアンセットとしても、イモビのセットは維持することによって、エンジンECU20に対してエンジン30の駆動禁止を示す駆動信号の出力を維持するので、車両は、正規のキー40がない場合は走行不可の状態となる。
【0070】
このように、リモートセット信号が送信され、イモビをセットしている場合(イモビ及びリモートイモビがセット)は、キー40から正規の識別信号が送信されると、電源制御部16にて電源状態をACCオン(アクセサリーオン)、もしくはIGオン(イグニッションオン)に電源遷移することによって消費電力を低減することができる。
【0071】
なお、本実施の形態においては、リモートセット信号・リモートアンセット信号は、基地局50から送信される例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。リモートセット信号・リモートアンセット信号は、車両のエンジン30の駆動禁止要求と駆動許可要求を示す駆動要求信号を送信する遠隔地にある通信装置であれば本発明の目的は達成できるものである。
【0072】
また、イモビライザーECU11は、キー40から送信される識別信号に基づいてステアリング(図示省略)のロック及びロックの解除を制御するようにしてもよい。すなわち、イモビライザーECU11は、キー40から正規の識別信号が送信されない場合はステアリングをロックし、キー40から正規の識別信号が送信された場合はステアリングのロックを解除する。ただし、リモートセット信号が送信され、イモビをセットしている場合(イモビ及びリモートイモビがセット)は、キー40から正規の識別信号が送信されると、電源制御部16にて電源状態をACCオン(アクセサリーオン)、もしくはIGオン(イグニッションオン)に電源遷移するものの、ステアリングのロックの解除は禁止する。
【0073】
また、本実施の形態においては、リモートセット信号が送信され、イモビをセットしている場合(イモビ及びリモートイモビがセット)は、キー40から正規の識別信号が送信されると、電源制御部16にて電源状態をACCオン(アクセサリーオン)、もしくはIGオン(イグニッションオン)に電源遷移する例を用いて説明したが、ドアロックスイッチ(図示省略)の操作に基づいて電源遷移を行うようにしてもよい。一般的にドアロックスイッチの操作を検出するドアロックスイッチ検出部(図示省略)は、常時電源が供給されているものである。そこで、リモートセット信号が送信され、イモビをセットしている場合(イモビ及びリモートイモビがセット)、ドアロックスイッチ検出部が車両のドアロックスイッチの操作を検出した場合のみ、電源制御部16にて電源状態をACCオン(アクセサリーオン)、もしくはIGオン(イグニッションオン)に電源遷移することによっても消費電力を低減することができる。
【0074】
また、本実施の形態においては、リモートセット信号が送信され、イモビをセットしている場合(イモビ及びリモートイモビがセット)は、キー40から正規の識別信号が送信されると、電源制御部16にて電源状態をACCオン(アクセサリーオン)、もしくはIGオン(イグニッションオン)に電源遷移する例を用いて説明したが、ACCオン及びIGオンにすることなくディスプレイ14及び操作部15のみに電源供給できるように電源遷移するようにしてもよい。このように、ACCオン及びIGオンにすることなくディスプレイ14及び操作部15のみに電源供給できるように電源遷移することによって、消費電力をより一層低減することができる。
【0075】
また、本実施の形態においては、基地局50との通信に携帯電話70を用いる場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、家などに据付の電話機などであってもよい。
【0076】
また、本発明の実施の形態においては、車両用セキュリティー装置10は、イモビライザーECU11、アンテナ11a、リモートセキュリティーECU12、通信ECU13、アンテナ13aを備える例を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。キー40との通信を行うキー通信部と、基地局50との通信を行う遠隔通信部と、キー通信部に送信される識別信号、及び遠隔通信部に送信されるリモートセット信号・リモートアンセット信号に基づいてエンジンの駆動禁止、駆動許可を制御する制御部を備えるものであれば本発明の目的を達成できるものである。例えば、車両用セキュリティー装置10は、キー通信部、遠隔通信部、制御部を備える制御装置などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態における車両用セキュリティーシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における車両用セキュリティー装置の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0078】
10 車両用セキュリティー装置、11 イモビライザーECU、11a アンテナ、12 リモートセキュリティーECU、13 通信ECU、13a アンテナ、14 ディスプレイ、15 操作部、16 電源制御部、20 エンジンECU、30 エンジン、40 キー、50 基地局、60 データセンター、70 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有の識別信号を送信する電子キー、及び車両の動力装置の駆動禁止要求、駆動許可要求を示す駆動要求信号を送信する遠隔地にある通信装置と通信可能な車両用セキュリティー装置であって、
前記電子キーとの通信を行うキー通信手段と、
遠隔地にある前記通信装置との通信を行う遠隔通信手段と、
前記キー通信手段に送信される前記識別信号及び/又は前記遠隔通信手段に送信される前記駆動要求信号に基づいて前記動力装置を制御する制御手段と、
ユーザーからの指示によって前記駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく前記動力装置の制御を解除する解除手段とを備え、
前記制御手段は、前記遠隔通信手段にて前記駆動禁止要求を示す駆動要求信号を受信して前記動力装置を駆動禁止としており、前記キー通信手段に送信される前記識別信号が正規の識別信号である場合のみ、車載電源からの電源遷移を前記解除手段が前記ユーザーからの指示を受け付けることができるように許可することを特徴とする車両用セキュリティー装置。
【請求項2】
固有の識別信号を送信する電子キー、及び車両の動力装置の駆動禁止要求、駆動許可要求を示す駆動要求信号を送信する遠隔地にある通信装置と通信可能な車両用セキュリティー装置であって、
前記電子キーとの通信を行うキー通信手段と、
遠隔地にある前記通信装置との通信を行う遠隔通信手段と、
前記キー通信手段に送信される前記識別信号及び/又は前記遠隔通信手段に送信される前記駆動要求信号に基づいて前記動力装置を制御する制御手段と、
ユーザーからの指示に基づいて前記駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく前記動力装置の制御を解除する解除手段と、
常時車両用電源から電源供給され、前記車両のドアロックスイッチの操作を検出するドアロックスイッチ検出手段とを備え、
前記制御手段は、前記遠隔通信手段にて前記駆動禁止要求を示す駆動要求信号を受信して前記動力装置を駆動禁止としており、前記ドアロックスイッチ検出手段が前記車両のドアロックスイッチの操作を検出した場合のみ、車載電源からの電源遷移を前記解除手段が前記ユーザーからの指示を受け付けることができるように許可することを特徴とする車両用セキュリティー装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記電源遷移を許可した場合であっても、前記駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく前記動力装置の制御を解除するまでは、前記動力装置の駆動許可を禁止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用セキュリティー装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記キー通信手段に送信される前記識別信号に基づいて、前記車両におけるステアリングのロック及びロックの解除も制御するものであり、前記電源遷移を許可した場合であっても、少なくとも前記駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく前記動力装置の制御を解除するまでは、前記ステアリングのロックの解除を禁止することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用セキュリティー装置。
【請求項5】
前記解除手段は、前記駆動禁止要求を示す駆動要求信号に基づく前記動力装置の制御を解除するための画像を表示する表示手段と、ユーザーによって操作されるものであり、前記画像に対応する操作が可能な操作手段とを含み、前記操作手段にて前記表示手段に表示された画像に基づいた操作がなされた場合に前記動力装置の制御を解除することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用セキュリティー装置。
【請求項6】
前記解除手段は、前記ユーザーによって操作されるものであり、当該ユーザーの操作によって前記動力装置の制御を解除する操作装置を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用セキュリティー装置。
【請求項7】
前記解除手段は、前記ユーザーによって発声された音声が所定の条件を満たすか否かを判定する音声認識装置を含み、当該音声認識装置にて当該音声が所定の条件を満たすと判定された場合に前記動力装置の制御を解除することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用セキュリティー装置。
【請求項8】
前記解除手段は、前記ユーザーの生体情報が所定の条件を満たすか否かを判定する生体情報判定装置を含み、当該生体情報判定装置にて当該生体情報が所定の条件を満たすと判定された場合に前記動力装置の制御を解除することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用セキュリティー装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記車載電源の電源遷移をオフ、アクセサリーオン、イグニッションオンと制御するものであり、前記車載電源からの電源遷移を前記解除手段が前記ユーザーからの指示を受け付けることができるように許可する場合、前記車載電源の電源遷移をアクセサリーオンもしくはイグニッションオンにすることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の車両用セキュリティー装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記車載電源の電源遷移を制御するものであり、前記車載電源からの電源遷移を前記解除手段が前記ユーザーからの指示を受け付けることができるように許可する場合、アクセサリーオン及びイグニッションオンすることなく、前記解除手段に電源を供給することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の車両用セキュリティー装置。
【請求項11】
携帯性を有し、固有の識別信号を送信する電子キーと、
車両の動力装置の駆動禁止要求と駆動許可要求を示す駆動要求信号を送信することによって当該動力装置を遠隔操作する通信装置と、
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の車両用セキュリティー装置と、
を備えることを特徴とする車両用セキュリティーシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−276595(P2007−276595A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−104614(P2006−104614)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】