車両用ナビゲーション装置、方法およびプログラム
【課題】 ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することのできる車両用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 車両用ナビゲーション装置1は、車両を運転するユーザごとに車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録部5と、ユーザごとの運転履歴情報に基づいてユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成部6と、出発地から目的地までの目的経路の経路情報を記憶する経路情報記憶部4と、ユーザ情報および経路情報に基づいてユーザの運転特性に応じて案内情報を作成する案内情報作成部9とを備える。目的経路を車両が走行するときに、案内情報作成部9で作成された案内情報がユーザに対して通知される。
【解決手段】 車両用ナビゲーション装置1は、車両を運転するユーザごとに車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録部5と、ユーザごとの運転履歴情報に基づいてユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成部6と、出発地から目的地までの目的経路の経路情報を記憶する経路情報記憶部4と、ユーザ情報および経路情報に基づいてユーザの運転特性に応じて案内情報を作成する案内情報作成部9とを備える。目的経路を車両が走行するときに、案内情報作成部9で作成された案内情報がユーザに対して通知される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーション装置に関し、特にユーザに通知する案内情報をユーザごとの運転特性に応じて作成する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの経路案内をして、ユーザの運転をサポートする装置である。このような車両用ナビゲーション装置では、出発地および目的地をユーザが設定すると、出発地から目的地までの目的経路の探索が行われる。そして、探索された目的経路が、車両用ナビゲーション装置の画面に表示されるとともに、経路に応じた音声案内がユーザに通知される。
【0003】
ところが、車両用ナビゲーション装置が提供する経路案内は、常にユーザに必要とされるとは限らない。例えば、ユーザが目的地までの経路を知っているような場合には、過度な経路案内の情報はユーザにとって不要である。
【0004】
そこで、従来、簡易ガイドモードと詳細ガイドモードの使い分けを行うナビゲーション装置が知られている。この従来のナビゲーション装置では、良く知っている目的地(所定回数以上設定されたことがある目的地)へ経路案内する場合には、簡易な経路案内を行う簡易ガイドモードが実行され、あまり知らない目的地(所定回数未満しか設定されたことがない目的地)へ経路案内する場合には、詳細な経路案内を行う詳細ガイドモードが実行される(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−301525号公報(第5−9頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のナビゲーション装置では、簡易ガイドモードと詳細ガイドモードとで経路案内の内容は異なるものの、それぞれの経路案内の内容は、すべてのユーザに対して同じである。つまり、簡易ガイドモードの経路案内の内容は、すべてのユーザに対して同じであり、詳細ガイドモードの経路案内の内容は、すべてのユーザに対して同じである。
【0006】
ところが、車両を運転するユーザ(ドライバ)は、それぞれ各自の運転特性を持っている。例えば、他のユーザにとっては、経路案内の指示が分かるような場合であっても、あるユーザにとっては、経路案内の指示が分かり難く、その経路通りに車両を走行させようとしても、経路中の所定の地点でしばしば道を間違えてしまうことがある。例えば、複数の交差点が狭い間隔で設けられその中の一つの交差点で右折または左折する場合、あるユーザにとっては、経路案内の指示が分かり難いことがある。また、特に目印になるような建物や標識がない交差点の場合、五叉路や六叉路などの複雑な交差点である場合にも、あるユーザにとっては、経路案内の指示が分かり難いことがある。そのような場合であっても、従来のナビゲーション装置では、すべてのユーザに対して同じ経路案内を通知していた。
【0007】
すなわち、従来のナビゲーション装置では、経路案内の内容をユーザごとに対応させることはできず、ユーザごとに適した経路案内の情報を提供することができなかった。そうすると、ユーザは、そのユーザが必要とする経路案内の情報を適切に得ることができないことになる。例えば、経路中の所定の地点でしばしば道を間違えてしまうユーザには、より多くの詳細な情報が必要であるにもかかわらず、十分な経路案内の情報が提供されないことになる。一方、その所定の地点でほとんど道を間違えることのないユーザには、経路案内の情報を過剰に提供していることとなる。ユーザが車両の運転を行うときには、歩行者や対向車などにも十分に注意を払う必要があるため、過剰な情報のなかから必要な情報のみを取捨選択しなければならないとすると、運転中のユーザに過度の負荷がかかることになる。
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することのできる車両用ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録手段と、前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成手段と、出発地から目的地までの目的経路の経路情報を記憶する経路情報記憶手段と、前記ユーザ情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成する案内情報作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
これにより、車両を運転するユーザごとに運転履歴情報が記録され、その運転履歴情報に基づいてユーザの運転特性に応じた案内情報がユーザごとに作成されるので、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができる。したがって、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0011】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記履歴情報記録手段は、前記ユーザが前記車両を運転するごとに、前記運転履歴情報を記録し、前記ユーザ情報作成手段は、前記ユーザが前記車両を運転するごとに、前記ユーザ情報を更新する。
【0012】
これにより、ユーザが車両を運転する度に、運転履歴情報が記録され、その運転履歴情報に基づいてユーザ情報が更新されるので、ユーザの運転特性を反映したユーザ情報を作成することができる。この場合、ユーザが車両を運転する回数が多いほど、ユーザの運転特性をより良く反映したユーザ情報を作成することができる。
【0013】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記運転履歴情報は、前記ユーザが運転した車両の走行経路の履歴を示す走行履歴情報を含み、前記ユーザ情報生成手段は、前記走行履歴情報に基づいて、前記ユーザの走行経路中の途中地点において、前記ユーザの走行経路が予定の走行経路から外れる間違え確率を示すユーザ間違え情報を作成するユーザ間違え情報作成手段を備え、前記案内情報作成手段は、前記ユーザ間違え情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路中の途中地点を走行するときに、前記途中地点における前記ユーザの間違え確率に応じた経路案内情報を作成する経路案内情報作成手段を備えている。
【0014】
これにより、走行履歴情報に基づいてユーザ間違え情報が作成され、ユーザ間違え情報に基づいて経路案内情報が作成されるので、車両が目的経路中の途中地点を走行するときに、その車両を運転するユーザごとに、ユーザの間違え確率に応じた適切な経路案内情報を提供することができる。
【0015】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記案内情報作成手段は、前記目的経路中の途中地点における前記ユーザの間違え確率が第1の基準確率よりも低いときに、通常の経路案内情報より簡単な経路案内情報を作成し、前記目的経路中の途中地点における前記ユーザの間違え確率が第2の基準確率よりも高いときに、通常の経路案内情報より詳細な経路案内情報を作成する。
【0016】
これにより、所定の地点におけるユーザの間違え確率が第1の基準確率よりも低いときには、簡単な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、所定の地点でユーザがほとんど道を間違えない場合には、その所定の地点を簡単に説明する経路案内情報またはその地点の説明を省略した経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道をほとんど間違えるおそれのない地点を走行するときに、運転中のユーザに過剰な情報が提供されるのを抑えることができる。一方、所定の地点におけるユーザの間違え確率が第2の基準確率よりも高いときには、詳細な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、所定の地点でユーザがしばしば道を間違える場合には、その所定の地点をより詳しく説明する経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0017】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記目的経路中の途中地点に前記ユーザの間違え確率が第3の基準確率よりも高い苦手地点が含まれるときに、前記苦手地点を含んだ目的経路を、前記苦手地点を除外した新しい目的経路に変更する経路変更手段を備えている。
【0018】
これにより、目的経路中にユーザの間違え確率が第3の基準確率よりも高い苦手地点が含まれるときには、苦手地点を含んだ目的経路から、苦手地点を除外した新しい目的経路に変更される。例えば、所定の地点(苦手地点)でユーザがいつも道を間違えてしまうような場合には、その苦手地点を除外した新しい目的経路がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0019】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記ユーザが前記目的経路に沿って前記車両を運転するときに目印になる情報として、目印情報検知手段により検出された目印情報を受け付ける目印情報受付手段を備え、前記案内情報作成手段は、前記目印情報に基づいて、前記経路案内情報を作成する。
【0020】
これにより、ユーザが目的経路に沿って車両を運転するときに目印となる目印情報に基づいて、経路案内情報が作成される。すなわち、目印情報を用いた分かりやすい経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0021】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記ユーザが前記目的経路に沿って前記車両を運転しているときに前記目的経路中の途中地点を探索中であるか否かを判定するユーザ探索中判定手段を備え、前記案内情報作成手段は、前記ユーザ探索中判定手段によって前記ユーザが前記目的経路中の途中地点を探索中であると判定されたときに、通常の経路案内情報より詳細な経路案内情報を作成する。
【0022】
これにより、ユーザが目的経路中の途中地点を探索中であるときに、詳細な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、ユーザが走行速度を落として車両を走行しながら途中地点(道を曲がる地点など)を探している場合や、ユーザが頻繁に視線を動かして途中地点の目印を探している場合には、その途中地点をより詳しく説明する経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0023】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記運転履歴情報は、前記ユーザが前記車両を運転したときの前記車両の走行動作に伴う前記ユーザの運転動作の有無の履歴を示す運転動作履歴情報を含み、前記ユーザ情報生成手段は、前記運転動作履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記車両を運転して所定の走行動作をするときに、前記ユーザが前記走行動作に伴う所定の運転動作をするのを忘れる動作忘れ確率を示すユーザ動作忘れ情報を作成するユーザ動作忘れ情報作成手段を備え、前記案内情報作成手段は、前記ユーザ動作忘れ情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路中で前記ユーザが前記所定の走行動作を忘れずに行うべき要注意地点を決定する要注意地点決定手段と、前記要注意地点において前記車両が前記所定の走行動作を行うときに、前記ユーザに前記所定の運転動作を促すように通知する運転動作案内情報を作成する運転動作案内情報作成手段とを備えている。
【0024】
これにより、運転動作履歴情報に基づいてユーザ動作忘れ情報が作成され、ユーザ動作忘れ情報に基づいて目的経路中の要注意地点が決定されて、要注意地点における運転動作案内情報が作成される。したがって、ユーザが車両を運転して目的経路中の要注意地点を走行するときに、その車両を運転するユーザごとに、ユーザの動作忘れ確率に応じた適切な運転動作案内情報を提供することができる。
【0025】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記ユーザが前記車両を運転するときに注意すべき情報として、注意情報検知手段により検知された注意情報を受け付ける注意情報受付手段を備え、前記案内情報作成手段は、前記注意情報に基づいて、前記運転動作案内情報を前記ユーザに通知するときの優先順位付けを行う優先順位付け手段を備えている。
【0026】
これにより、ユーザが車両を運転するときに注意すべき注意情報に基づいて、ユーザに通知される運転動作案内情報の優先付けが行われる。したがって、車両を運転するユーザごとに、そのユーザが必要とする運転動作案内情報を優先的に提供することができ、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0027】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記案内情報作成手段は、前記目的経路中の途中地点の一部のみについて、前記案内情報を作成する。
【0028】
これにより、目的経路中の途中地点の一部のみの案内情報が作成されるので、目的経路中の途中地点の全部について案内情報を作成する場合に比べて、案内情報の作成量が少なくて済み、案内情報の作成の負荷を軽減することができる。
【0029】
本発明の車両用ナビゲーション方法は、車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録し、前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成し、前記ユーザ情報および出発地から目的地までの目的経路の経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成することを特徴とする。
【0030】
これによっても、上記のように、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができる。したがって、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0031】
本発明の車両用ナビゲーションプログラムは、メモリに格納されてナビゲーション機能を実現するためのプログラムであって、コンピュータを、車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録手段、前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成手段、前記ユーザ情報および出発地から目的地までの目的経路の経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成する案内情報作成手段、として機能させることを特徴とする。
【0032】
これによっても、上記のように、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができる。したがって、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができるので、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態の車両用ナビゲーション装置、方法およびプログラムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、例えば、自動車に搭載されるカーナビゲーション装置として用いられる場合を例示する。このカーナビゲーション装置は、ユーザに通知する案内情報をユーザごとの運転特性に応じて作成するナビゲーション機能を有している。このナビゲーション機能は、カーナビゲーション装置のメモリやHDDに格納されているプログラムによって実現される。
【0035】
本発明の実施の形態のカーナビゲーション装置1の構成を示すブロック図を図1に示す。ここでは、まず、カーナビゲーション装置1の主要な構成について概略を説明する。図1に示すように、カーナビゲーション装置1は、液晶ディスプレイなどの表示部2と、リモコンやタッチパネルなどの入力部3を備えている。また、カーナビゲーション装置1は、出発地から目的地までの経路情報を記憶する経路情報記憶部4と、ユーザ(ドライバ)ごとに車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録部5を備えている。ここでは、経路情報記憶部4が、本発明の経路情報記憶手段に相当し、履歴情報記録部5が、本発明の履歴情報記録手段に相当する。
【0036】
また、カーナビゲーション装置1は、運転履歴情報に基づいてユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成部6を備えている。ここでいうユーザの運転特性には、ユーザが所定の交差点で道を間違えやすい間違えやすさや、ユーザが所定の運転動作を忘れてしまう運転動作の忘れやすさ等が含まれる。したがって、ユーザ情報とは、所定の運転特性をもつユーザのユーザモデルを示す情報であるともいえる。ユーザ情報作成部6は、ユーザ間違え情報を作成するユーザ間違え情報作成部7と、ユーザ動作忘れ情報を作成するユーザ動作忘れ情報作成部8を備えている。ここでは、ユーザ情報作成部6が、本発明のユーザ情報作成手段に相当する。ユーザ間違え情報作成部7が、本発明のユーザ間違え情報作成手段に相当し、ユーザ動作忘れ情報作成部8が、本発明のユーザ動作忘れ情報作成手段に相当する。
【0037】
また、カーナビゲーション装置1は、ユーザ情報と経路情報から案内情報を作成する案内情報作成部9を備えている。この案内情報は、目的経路を車両が走行するときにユーザに対して通知するものである。案内情報作成部9は、経路案内情報を作成する経路案内情報作成部10と、運転動作案内情報を作成する運転動作案内情報作成部11を備えており、さらに、目的経路中の要注意地点を決定する要注意地点決定部12と、ユーザに通知する運転動作案内情報の優先順位付けを行う優先順位付け部13を備えている。ここでは、案内情報作成部9が、本発明の案内情報作成手段に相当する。また、経路案内情報作成部10が、本発明の経路案内情報作成手段に相当し、運転動作案内情報作成部11が、本発明の運転動作案内情報作成手段に相当する。また、要注意地点決定部12が、本発明の要注意地点決定手段に相当し、優先順位付け部13が、本発明の優先順位付け手段に相当する。
【0038】
また、カーナビゲーション装置1は、目的経路中に苦手地点が含まれるときに目的経路を変更する経路変更部14と、対物センサ15や天気センサ16などのセンサ17からの注意情報を受け付ける注意情報受付部18を備えている。ここでは、経路変更部14が、本発明の経路変更手段に相当し、注意情報受付部18が、本発明の注意情報受付手段に相当する。また、センサ17が注意情報検知手段に相当する。
【0039】
また、カーナビゲーション装置1は、車外カメラ19や視線カメラ20などのカメラ21からの目印情報を受け付ける目印情報受付部22を備えている。ここでは、目印情報受付部22が、本発明の目印情報受付手段に相当する。また、カメラ21が目印情報検知手段に相当する。
【0040】
また、カーナビゲーション装置1は、車両を運転しているユーザ(ドライバ)が目的経路中の途中地点(道を曲がる地点など)を探索中であるか否かを判定するユーザ探索中判定部23を備えている。ここでは、ユーザ探索中判定部23が、本発明のユーザ探索中判定手段に相当する。
【0041】
つづいて、カーナビゲーション装置1の各構成について詳細に説明する。図2は、経路情報記憶部4に記憶される経路情報の一例を示した説明図である。図2に示すように、経路情報は、出発地から目的地までの目的経路の情報を有している。図2では、出発地を出て、道路Aを進み、交差点Aで右折し、道路Bを進み、交差点Bを左折して、道路Cを進み、目的地へ到着する経路が例示されている。なお、出発地は、ユーザが手動で所定の出発地を設定してもよく、また、カーナビゲーション装置1に備えられたGPS機能により、車両の現在位置の情報を入手して自動的に出発地として設定してもよい。
【0042】
履歴情報記録部5は、ユーザが車両を1回運転するごとに運転履歴情報を記録する。この運転履歴情報には、車両の走行経路の履歴を示す走行履歴情報と、車両の走行動作に伴うユーザの運転動作の有無の履歴を示す運転動作履歴情報が含まれる。
【0043】
ここでは、まず、走行履歴情報を利用したナビゲーション機能について説明する。図3は、走行履歴情報の一例を示した説明図である。この走行履歴情報は、予定の走行経路(設定された目的経路)に対して、実際にユーザが運転する車両が走行した経路を示すものである。図3では、出発地を出て、道路Aを進み、交差点Aで右折し、道路Bを進み、交差点Eを左折して、道路Eを進み、目的地へ到着したときの走行履歴情報が例示されている。なお、この走行履歴情報は、ユーザAが平日の昼間に車両を運転したときのものとして記録されている。この走行履歴情報では、予定の走行経路では交差点Bで左折するところを、実際には交差点Eで左折したことが記録されている。
【0044】
ユーザ情報作成部6は、ユーザが車両を1回運転するごとにユーザ情報を更新する。このユーザ情報には、ユーザの走行経路が予定の走行経路から外れる間違え確率を示すユーザ間違え情報と、車両の走行動作に伴う運転動作をし忘れる動作忘れ確率を示すユーザ動作忘れ情報が含まれる。図4は、ユーザ間違え情報作成部7が作成するユーザ間違え情報の一例を示した説明図である。図4のユーザ間違え情報では、目的経路中の途中地点である各交差点(交差点A、交差点B、…)における間違え確率が、ユーザごとに記録されている。なお、図4では、平日/休日ごと、昼間/夜間ごとに区別して記録されたユーザ間違え情報が例示されている。
【0045】
例えば、ユーザ間違え情報作成部7は、図3の走行履歴情報(ユーザAが平日の昼間に、予定の走行経路では交差点Bで左折するところを実際には交差点Eで左折したという走行履歴情報)に基づいて、図4に示すユーザ間違え情報の項目のうち、ユーザAの平日昼間の交差点Bの間違え確率の値を上げる。一方、ユーザ間違え情報作成部7は、図3の走行履歴情報(ユーザAが平日の昼間に、予定の走行経路どおり交差点Aで右折したという走行履歴情報)に基づいて、図4に示すユーザ間違え情報の項目のうち、ユーザAの平日昼間の交差点Aの間違え確率の値を下げる。
【0046】
図5は、経路案内情報作成部10が作成する経路案内情報の一例を示した説明図である。図5に示すように、経路案内情報は、ユーザの運転する車両が目的経路中の途中地点(交差点A、交差点B、…)を走行するときにユーザに対して通知する案内情報である。この経路案内情報は、ユーザ間違え情報と経路情報に基づいて、目的経路の途中地点におけるユーザの間違え確率に応じて作成される。
【0047】
例えば、ユーザの間違い確率が、所定の第1の基準確率(例えば30%)よりも低い場合には、通常の経路案内情報よりも簡単な経路案内情報が作成される。図4に示した例では、ユーザAが休日の昼間に運転するときに交差点Aにおける間違い確率は25%である。この場合、図5に示すように、交差点Aでは、通常の経路案内情報(例えば「300m先、交差点Aを右折してください」)よりも簡単な経路案内情報(例えば「交差点Aを右折してください」)が作成される。あるいは、この場合、交差点Aでは経路案内情報を全く作成しないものとしてもよい。
【0048】
また、ユーザの間違い確率が、所定の第2の基準確率(例えば70%)よりも高い場合には、通常の経路案内情報よりも詳細な経路案内情報が作成される。図4に示した例では、ユーザAが休日の昼間に運転するときに交差点Bにおける間違い確率は75%である。この場合、図5に示すように、交差点Bでは、通常の経路案内情報(例えば「300m先、交差点Bを左折してください」)よりも詳細な経路案内情報(例えば「300m先、ガソリンスタンドが角にある交差点Bを左折してください」)が作成される。
【0049】
経路変更部14は、目的経路中の途中地点に、ユーザの間違い確率が、所定の第3の基準確立(例えば80%)よりも高い苦手地点が含まれるときには、その目的経路を新目的経路(苦手地点を除外した新しい目的経路)に変更する。図6は、目的経路の変更を説明するための説明図である。例えば、ユーザAが休日の夜間に車両を運転するときに、図6(a)に示すように目的経路の途中地点に交差点Bが含まれているような場合がある。図4に示した例では、ユーザAの休日夜間の交差点Bの間違え確率は85%であり、交差点Bは苦手地点に該当する。その場合、図6(a)の目的経路は、図6(b)に示すような新目的経路(目的経路の途中地点から苦手地点(交差点B)を除外した新しい目的経路)に変更される。
【0050】
図7は、新しい目的経路の経路情報(新経路情報)の一例を示した説明図である。図7に示すように、新経路情報では、目的経路の途中地点から苦手地点(交差点B)を除外されている。図7では、出発地を出て、道路Aを進み、交差点Dで右折して、道路Cを進み、目的地へ到着する経路に変更された例が示されている。
【0051】
また、経路案内情報作成部10は、車外カメラ19や視線カメラ20などのカメラ21からの目印情報に基づいて、詳細な経路案内情報を作成する。車外カメラ19は、車両の前方を撮影するカメラである。車外カメラ19で撮影された画像はコンピュータ等によって画像処理が施されて、ユーザが目的経路に沿って車両を運転するときに目印となる目印情報が抽出される。例えば、車外カメラ19で撮影した車両前方の画像から、交差点Bを左折するときの目印となるガソリンスタンドの看板等の情報が抽出される。このような目印情報に基づいて、経路案内情報作成部10では詳細な経路案内情報(例えば、「すぐ先、ガソリンスタンド「○○○」が角にある交差点を左折してください」)が作成される。
【0052】
また、視線カメラ20は、ユーザ(ドライバ)の目の動きを撮影するカメラである。視線カメラ20で撮影された画像はコンピュータ等によって画像処理が施されて、ユーザの視線の方向(角度)の情報が得られる。例えば、視線カメラ20で得られたユーザの視線の方向と、車外カメラ19で得られた車両前方の画像から、ユーザが視線を向けている対象物(例えば信号機)の情報が抽出される。このような目印情報に基づいて、経路案内情報作成部10では詳細な経路案内情報(例えば、「いま見ている信号の次の交差点を左折してください」)が作成される。なお、カメラ21は、上記の車外カメラ19や視線カメラ20に限られるものではなく、ユーザが目的経路に沿って車両を運転するときに目印になる目印情報を取得することができるものであれば、いかなるカメラであってもよい。
【0053】
ユーザ探索中判定部23は、ユーザ(ドライバ)の運転する車両の速度情報と目的経路の道路情報に基づいて、ユーザが目的経路中の途中地点を探索中であるか否かを判定する。例えば、渋滞していないときにはいつも制限速度と同程度の速度で車両を運転するユーザに対して、目的経路の「制限速度が時速60kmであり、現在渋滞は発生していない」という道路情報と、「時速40km以下で走行中である」という車両の速度情報から、ユーザは車両の走行速度を落として、目的経路中の途中地点を探索中であると判定される。
【0054】
また、ユーザ探索中判定部23は、視線カメラ20から得られるユーザの視線動き頻度の情報に基づいて、ユーザが目的経路中の途中地点を探索中であるか否かを判定する。例えばは、「ユーザの視線が一箇所に定まらず、ユーザが視線を動かす頻度が高い」という情報から、ユーザは頻繁に視線を動かして、目的経路中の途中地点(の目印)を探索中であると判定される。
【0055】
そして、経路案内情報作成部10は、ユーザ探索中判定部23によってユーザが目的経路中の途中地点を探索中であると判定された場合には、その途中地点をより詳しく説明する経路案内情報(例えば、「次の信号を左折してください。ガソリンスタンド「○○○」や、コンビニエンスストア「×××」が目印です。」)を作成する。
【0056】
つぎに、運転動作履歴情報を利用したナビゲーション機能について説明する。図8は、運転動作履歴情報の一例を示した説明図である。この運転動作履歴情報は、ユーザが車両を運転したときに、車両の走行動作に伴う所定の運転動作をユーザが行ったか否かの履歴を示すものである。ここで、車両の走行動作とは、左折、右折、車線変更などの車両の動きをいい、ユーザの運転動作とは、左折をするときの目視、左折や右折や車線変更をするときの方向指示器(ウィンカー)による合図、左折や右折をするときの十分な減速などのユーザの動きをいう。図8の例では、交差点Aで右折をするときに、ウィンカーによる合図をして減速をしたこと、交差点Bで左折するときに、ウィンカーによる合図をして減速をしたものの目視を忘れたことが記録されている。なお、この運転動作履歴情報は、ユーザAが平日の昼間に車両を運転したときのものとして記録されている。
【0057】
図9は、ユーザ動作忘れ情報作成部8が作成するユーザ動作忘れ情報の一例を示した説明図である。図9のユーザ動作忘れ情報では、車両の走行動作(左折、右折)に伴うユーザの運転動作(目視、ウィンカー、減速)の動作忘れ確率が、ユーザごとに記録されている。なお、図9では、平日/休日ごと、昼間/夜間ごとに区別して記録されたユーザ動作忘れ情報が例示されている。
【0058】
例えば、ユーザ動作忘れ情報作成部8は、図8の運転動作履歴情報(ユーザAが平日の昼間、交差点Bで左折するときに目視をし忘れたという運転動作履歴情報)に基づいて、図9に示すユーザ動作忘れ情報の項目のうち、ユーザAの平日昼間における左折の目視の動作忘れ確率を上げる。一方、ユーザ動作忘れ情報作成部8は、図8の運転動作履歴情報(ユーザAが平日の昼間、交差点Aで右折するときにウィンカーによる合図や減速を行い、交差点Bで左折するときにウィンカーによる合図や減速を行ったという運転動作履歴情報)に基づいて、図9に示すユーザ動作忘れ情報の項目のうち、ユーザAの平日昼間における左折と右折のウィンカーと減速目視の動作忘れ確率を下げる。
【0059】
図10は、運転動作案内情報作成部11が作成する運転動作案内情報の一例を示した説明図である。この運転動作案内情報は、要注意地点決定部12で決定された要注意地点において、ユーザに対して所定の運転動作を促すように通知する案内情報である。
【0060】
このとき、要注意地点決定部12は、ユーザ動作忘れ情報と経路情報に基づいて、目的経路中でユーザが所定の走行動作を忘れずに行うべき要注意地点を決定する。本実施の形態では、目的経路の途中地点におけるユーザの動作忘れ確率に応じて、要注意地点が決定される。
【0061】
例えば、目的経路の途中地点において車両が所定の走行動作を行うときに、その走行動作に伴うユーザの運転動作の動作忘れ確率が、所定の第4の基準確率(例えば70%)よりも高い場合には、その地点が要注意地点として決定される。図9に示した例では、ユーザが休日の昼間に左折をするときの目視の動作忘れ確率は75%である。そして、経路情報には、目的経路中の交差点Bにおいて左折を行うという情報が含まれている。したがって、この場合には、交差点Bが要注意地点として決定される。
【0062】
そして、運転動作案内情報作成部11は、上記のようなユーザ動作忘れ情報と経路情報に基づいて、図10に示すような運転動作案内情報を作成する。例えば、交差点B(要注意地点)で左折するときの運転動作案内情報として、「しっかり目視をしましょう」という案内情報が作成される。
【0063】
優先順位付け部13は、対物センサ15や天気センサ16などのセンサ17からの注意情報に基づいて、ユーザに通知する運転案内情報の優先順位付けを行う。対物センサ15は、車両の前方または後方に障害物(車両や歩行者)が存在するか否かを検知するセンサである。図11には、対物センサ15から得られる注意情報(対物センサ情報)の一例が示される。図11の例では、前方と後方のそれぞれについて、中央/右/左ごとに障害物(車両や歩行者)の有無が検知されている。天気センサ16は、現在の天候、気温、時刻などの情報を検知するセンサである。図12には、天気センサ16から得られる注意情報(天気センサ情報)の一例が示される。なお、センサ17は、上記の対物センサ15や天気センサ16に限られるものではなく、ユーザが車両を運転するときに注意すべき注意情報を検知することができるものであれば、いかなるセンサであってもよい。
【0064】
上記のような対物センサ情報や天気センサ情報などの注意情報は、注意情報受付部18によって受け付けられる。そして、優先順位付け部13は、これらの注意情報(対物センサ情報や天気センサ情報)に基づいて、ユーザに通知する運転案内情報の優先順位付けを行う。例えば、交差点B(要注意地点)で左折するときに、「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報と「手前から十分に減速しましょう」という運転動作案内情報が作成された場合、車両の左側に歩行者がいるという対物センサ情報が得られたときには、「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報の優先順位を上げる。一方、現在の天候が雪であるという天気センサ情報が得られたときには、「手前から十分に減速しましょう」という運転動作案内情報の優先順位を上げる。
【0065】
なお、上記のような注意情報は、車外カメラ19や視線カメラ20などのカメラ21から取得してもよい。例えば、交差点B(要注意地点)で左折するときに、「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報と「手前から十分に減速しましょう」という運転動作案内情報が作成された場合、ユーザ(ドライバ)が目視をしていないという注意情報が視線カメラ20により得られたときには、「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報の優先順位を上げる。
【0066】
そして、案内情報作成部9は、上記のようにして作成された経路案内情報と運転動作案内情報を合成して、ユーザに通知される案内情報を作成する。例えば、図13には、案内情報の一例が示される。図13の案内情報は、図5に示した経路案内情報と図10に示した運転動作案内情報を合成したものである。本実施の形態では、案内情報作成部9は、目的経路中の途中地点の一部のみについて、上記のような案内情報を作成するように構成されている。
【0067】
以上のように構成された本実施の形態のカーナビゲーション装置1について、図14のデータフローダイアグラム(DFD)を用いてその動作を説明する。ここでは、本発明の特徴であるナビゲーション機能の動作、すなわち、ユーザに通知する案内情報をユーザごとの運転特性に応じて作成するナビゲーション機能の動作について説明する。
【0068】
図14に示すように、本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、履歴情報記録部5に記録された走行履歴情報に基づいて、ユーザ間違え情報作成部7がユーザ間違え情報を更新する(S1)。例えば、図3に示すような走行履歴情報に基づいて、図4に示すようなユーザ間違え情報の更新が行われる。
【0069】
経路案内情報作成部10は、このユーザ間違え情報と経路情報に基づいて、目的経路の途中地点における間違え確率を抽出する(S2)。経路変更部14は、目的経路の途中地点の間違え確率に応じて、目的経路中に苦手地点が含まれている場合には目的経路の変更を行って、新しい目的経路を設定する(S3)。例えば、図6(a)に示す目的経路から図6(b)に示す新しい目的経路に、目的経路の変更が行われる。
【0070】
経路案内情報作成部10は、新しい目的経路の経路情報(新経路情報)とユーザ間違え情報に基づいて、新目的経路の途中地点における間違え確率(新間違え確率)を抽出する(S4)。そして、経路案内情報作成部10は、新経路情報と新間違え確率に基づいて、経路案内情報の作成を行う(S5)。例えば、図5に示すような経路案内情報が作成される。
【0071】
また、図14に示すように、本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、履歴情報記録部5に記録された運転動作履歴情報に基づいて、ユーザ動作忘れ情報作成部8がユーザ動作忘れ情報を更新する(S6)。例えば、図8に示すような運転動作履歴情報に基づいて、図9に示すようなユーザ動作忘れ情報の更新が行われる。
【0072】
このユーザ動作忘れ情報と新経路情報に基づいて、要注意地点決定部12が要注意地点の決定を行って、運転動作案内情報作成部11が要注意地点での動作忘れ確率を抽出する(S7)。そして、要注意地点での動作忘れ確率と新経路情報に基づいて、運転動作案内情報作成部11が運転動作案内情報を作成して、優先順位付け部13がその運転動作案内情報の優先付けを行う(S8)。例えば、図10に示すような運転動作案内情報が作成される。
【0073】
そして、案内情報作成部9が、経路案内情報と運転動作案内情報に基づいて、案内情報の作成を行う(S9)。例えば、図5に示す経路案内情報と図10に示す運転動作案内情報に基づいて、図13に示すような案内情報が作成される。
【0074】
このような本実施の形態のカーナビゲーション装置1によれば、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができるので、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0075】
すなわち、本実施の形態では、車両を運転するユーザごとに運転履歴情報が記録され、その運転履歴情報に基づいてユーザの運転特性に応じた案内情報がユーザごとに作成されるので、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができる。したがって、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0076】
また、本実施の形態では、ユーザが車両を運転する度に、運転履歴情報が記録され、その運転履歴情報に基づいてユーザ情報が更新されるので、ユーザの運転特性を反映したユーザ情報を作成することができる。この場合、ユーザが車両を運転する回数が多いほど、ユーザの運転特性をより良く反映したユーザ情報を作成することができる。
【0077】
また、本実施の形態では、走行履歴情報に基づいてユーザ間違え情報が作成され、ユーザ間違え情報に基づいて経路案内情報が作成されるので、車両が目的経路中の途中地点を走行するときに、その車両を運転するユーザごとに、ユーザの間違え確率に応じた適切な経路案内情報を提供することができる。
【0078】
また、本実施の形態では、所定の地点におけるユーザの間違え確率が第1の基準確率よりも低いときには、簡単な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、所定の地点でユーザがほとんど道を間違えない場合には、その所定の地点を簡単に説明する経路案内情報またはその地点の説明を省略した経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道をほとんど間違えるおそれのない地点を走行するときに、運転中のユーザに過剰な情報が提供されるのを抑えることができる。一方、所定の地点におけるユーザの間違え確率が第2の基準確率よりも高いときには、詳細な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、所定の地点でユーザがしばしば道を間違える場合には、その所定の地点をより詳しく説明する経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0079】
また、本実施の形態では、目的経路中にユーザの間違え確率が第3の基準確率よりも高い苦手地点が含まれるときには、苦手地点を含んだ目的経路から、苦手地点を除外した新しい目的経路に変更される。例えば、所定の地点(苦手地点)でユーザがいつも道を間違えてしまうような場合には、その苦手地点を除外した新しい目的経路がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0080】
また、本実施の形態では、ユーザが目的経路に沿って車両を運転するときに目印となる目印情報に基づいて、経路案内情報が作成される。すなわち、目印情報を用いた分かりやすい経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0081】
例えば、車外カメラ19で撮影した車両前方の画像から、交差点Bを左折するときの目印となるガソリンスタンドの看板等の情報が抽出された場合、この目印情報に基づいた詳細な経路案内情報(例えば、「すぐ先、ガソリンスタンド「○○○」が角にある交差点を左折してください」)が作成される。また、視線カメラ20で得られたユーザの視線の方向と、車外カメラ19で得られた車両前方の画像から、ユーザが視線を向けている対象物(例えば信号機)の情報が抽出された場合。この目印情報に基づいた詳細な経路案内情報(例えば、「いま見ている信号の次の交差点を左折してください」)が作成される。
【0082】
また、本実施の形態では、ユーザが目的経路中の途中地点(道を曲がる地点など)を探索中であるときに、詳細な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、ユーザが走行速度を落として車両を走行しながら途中地点を探している場合や、ユーザが頻繁に視線を動かして途中地点の目印を探している場合には、その途中地点をより詳しく説明する経路案内情報(例えば、「次の信号を左折してください。ガソリンスタンド「○○○」や、コンビニエンスストア「×××」が目印です。」)がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0083】
また、本実施の形態では、運転動作履歴情報に基づいてユーザ動作忘れ情報が作成され、ユーザ動作忘れ情報に基づいて目的経路中の要注意地点が決定されて、要注意地点における運転動作案内情報が作成される。したがって、ユーザが車両を運転して目的経路中の要注意地点を走行するときに、その車両を運転するユーザごとに、ユーザの動作忘れ確率に応じた適切な運転動作案内情報を提供することができる。
【0084】
例えば、交差点を左折するときに目視をするのを忘れることが多いユーザに対しては、目的経路中の左折地点で「しっかり目視をしましょう」などの運転動作案内情報が提供される。また、車線変更するときに方向指示器による合図をするのを忘れることが多いユーザに対しては、目的経路中の車線変更地点で「ウィンカーを出しましょう」などの運転動作案内情報が提供される。また、交差点を左折する手前で十分な減速をするのを忘れることが多いユーザに対しては、目的経路中の左折の手前地点で「手前から十分に減速しましょう」などの運転動作案内情報が提供される。
【0085】
また、本実施の形態では、ユーザが車両を運転するときに注意すべき注意情報に基づいて、ユーザに通知される運転動作案内情報の優先付けが行われる。したがって、車両を運転するユーザごとに、そのユーザが必要とする運転動作案内情報を優先的に提供することができ、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0086】
例えば、交差点を左折するときに対物センサ15によって歩行者が検知された場合には、「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報のほうが「手前から十分に減速しましょう」という運転動作案内情報よりも優先的にユーザに提供される。また、天気センサ16によって雨や雪が降っていることが検知された場合には、「手前から十分に減速しましょう」という運転動作案内情報のほうが「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報よりも優先的にユーザに提供される。
【0087】
また、本実施の形態では、目的経路中の途中地点の一部のみの案内情報が作成されるので、目的経路中の途中地点の全部について案内情報を作成する場合に比べて、案内情報の作成量が少なくて済み、案内情報の作成の負荷を軽減することができる。
【0088】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0089】
例えば、上記の実施の形態では、1台の車両に対してユーザ(ドライバ)が複数人の場合を例示して説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、ユーザ(ドライバ)は1台の車両に対して1人であってもよい。
【0090】
1台の車両を複数のユーザ(ドライバ)で使用する場合、車両を運転するユーザを個別に識別するユーザ識別手段が備えられることが望ましいが、このユーザ識別手段は必ずしも備えられなくてもよい。また、このユーザ識別手段は、手動で(ユーザからの入力によって)車両を運転するユーザを識別してもよく、自動で(ユーザからの入力によらずに)車両を運転するユーザを識別してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明にかかる車両用ナビゲーション装置は、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができるので、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができるという効果を有し、例えば、自動車に搭載されるカーナビゲーション装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施の形態のカーナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の経路情報記憶部に記憶される経路情報の説明図である。
【図3】本実施の形態の走行履歴情報の説明図である。
【図4】本実施の形態のユーザ間違え情報の説明図である。
【図5】本実施の形態の経路案内情報の説明図である。
【図6】本実施の形態における目的経路の変更を説明するための説明図である。(a)変更前の目的経路の説明図である。(b)変更後の目的経路(苦手地点を除外した新しい目的経路)の説明図である。
【図7】本実施の形態の新しい目的経路の経路情報(新経路情報)の説明図である。
【図8】本実施の形態の運転動作履歴情報の説明図である。
【図9】本実施の形態のユーザ動作忘れ情報の説明図である。
【図10】本実施の形態の運転動作案内情報の説明図である。
【図11】本実施の形態の対物センサ情報の説明図である。
【図12】本実施の形態の天気センサ情報の説明図である。
【図13】本実施の形態の案内情報の説明図である。
【図14】本実施の形態のカーナビゲーション装置の動作説明のためのデータフローダイアグラム(DFD)である。
【符号の説明】
【0093】
1 カーナビゲーション装置
4 経路情報記憶部
5 履歴情報記録部
6 ユーザ情報作成部
7 ユーザ間違え情報作成部
8 ユーザ動作忘れ情報作成部
9 案内情報作成部
10 経路案内情報作成部
11 運転動作案内情報作成部
12 要注意地点決定部
13 優先順位付け部
14 経路変更部
18 注意情報受付部
22 目印情報受付部
23 ユーザ探索中判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーション装置に関し、特にユーザに通知する案内情報をユーザごとの運転特性に応じて作成する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの経路案内をして、ユーザの運転をサポートする装置である。このような車両用ナビゲーション装置では、出発地および目的地をユーザが設定すると、出発地から目的地までの目的経路の探索が行われる。そして、探索された目的経路が、車両用ナビゲーション装置の画面に表示されるとともに、経路に応じた音声案内がユーザに通知される。
【0003】
ところが、車両用ナビゲーション装置が提供する経路案内は、常にユーザに必要とされるとは限らない。例えば、ユーザが目的地までの経路を知っているような場合には、過度な経路案内の情報はユーザにとって不要である。
【0004】
そこで、従来、簡易ガイドモードと詳細ガイドモードの使い分けを行うナビゲーション装置が知られている。この従来のナビゲーション装置では、良く知っている目的地(所定回数以上設定されたことがある目的地)へ経路案内する場合には、簡易な経路案内を行う簡易ガイドモードが実行され、あまり知らない目的地(所定回数未満しか設定されたことがない目的地)へ経路案内する場合には、詳細な経路案内を行う詳細ガイドモードが実行される(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−301525号公報(第5−9頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のナビゲーション装置では、簡易ガイドモードと詳細ガイドモードとで経路案内の内容は異なるものの、それぞれの経路案内の内容は、すべてのユーザに対して同じである。つまり、簡易ガイドモードの経路案内の内容は、すべてのユーザに対して同じであり、詳細ガイドモードの経路案内の内容は、すべてのユーザに対して同じである。
【0006】
ところが、車両を運転するユーザ(ドライバ)は、それぞれ各自の運転特性を持っている。例えば、他のユーザにとっては、経路案内の指示が分かるような場合であっても、あるユーザにとっては、経路案内の指示が分かり難く、その経路通りに車両を走行させようとしても、経路中の所定の地点でしばしば道を間違えてしまうことがある。例えば、複数の交差点が狭い間隔で設けられその中の一つの交差点で右折または左折する場合、あるユーザにとっては、経路案内の指示が分かり難いことがある。また、特に目印になるような建物や標識がない交差点の場合、五叉路や六叉路などの複雑な交差点である場合にも、あるユーザにとっては、経路案内の指示が分かり難いことがある。そのような場合であっても、従来のナビゲーション装置では、すべてのユーザに対して同じ経路案内を通知していた。
【0007】
すなわち、従来のナビゲーション装置では、経路案内の内容をユーザごとに対応させることはできず、ユーザごとに適した経路案内の情報を提供することができなかった。そうすると、ユーザは、そのユーザが必要とする経路案内の情報を適切に得ることができないことになる。例えば、経路中の所定の地点でしばしば道を間違えてしまうユーザには、より多くの詳細な情報が必要であるにもかかわらず、十分な経路案内の情報が提供されないことになる。一方、その所定の地点でほとんど道を間違えることのないユーザには、経路案内の情報を過剰に提供していることとなる。ユーザが車両の運転を行うときには、歩行者や対向車などにも十分に注意を払う必要があるため、過剰な情報のなかから必要な情報のみを取捨選択しなければならないとすると、運転中のユーザに過度の負荷がかかることになる。
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することのできる車両用ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の車両用ナビゲーション装置は、車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録手段と、前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成手段と、出発地から目的地までの目的経路の経路情報を記憶する経路情報記憶手段と、前記ユーザ情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成する案内情報作成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
これにより、車両を運転するユーザごとに運転履歴情報が記録され、その運転履歴情報に基づいてユーザの運転特性に応じた案内情報がユーザごとに作成されるので、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができる。したがって、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0011】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記履歴情報記録手段は、前記ユーザが前記車両を運転するごとに、前記運転履歴情報を記録し、前記ユーザ情報作成手段は、前記ユーザが前記車両を運転するごとに、前記ユーザ情報を更新する。
【0012】
これにより、ユーザが車両を運転する度に、運転履歴情報が記録され、その運転履歴情報に基づいてユーザ情報が更新されるので、ユーザの運転特性を反映したユーザ情報を作成することができる。この場合、ユーザが車両を運転する回数が多いほど、ユーザの運転特性をより良く反映したユーザ情報を作成することができる。
【0013】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記運転履歴情報は、前記ユーザが運転した車両の走行経路の履歴を示す走行履歴情報を含み、前記ユーザ情報生成手段は、前記走行履歴情報に基づいて、前記ユーザの走行経路中の途中地点において、前記ユーザの走行経路が予定の走行経路から外れる間違え確率を示すユーザ間違え情報を作成するユーザ間違え情報作成手段を備え、前記案内情報作成手段は、前記ユーザ間違え情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路中の途中地点を走行するときに、前記途中地点における前記ユーザの間違え確率に応じた経路案内情報を作成する経路案内情報作成手段を備えている。
【0014】
これにより、走行履歴情報に基づいてユーザ間違え情報が作成され、ユーザ間違え情報に基づいて経路案内情報が作成されるので、車両が目的経路中の途中地点を走行するときに、その車両を運転するユーザごとに、ユーザの間違え確率に応じた適切な経路案内情報を提供することができる。
【0015】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記案内情報作成手段は、前記目的経路中の途中地点における前記ユーザの間違え確率が第1の基準確率よりも低いときに、通常の経路案内情報より簡単な経路案内情報を作成し、前記目的経路中の途中地点における前記ユーザの間違え確率が第2の基準確率よりも高いときに、通常の経路案内情報より詳細な経路案内情報を作成する。
【0016】
これにより、所定の地点におけるユーザの間違え確率が第1の基準確率よりも低いときには、簡単な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、所定の地点でユーザがほとんど道を間違えない場合には、その所定の地点を簡単に説明する経路案内情報またはその地点の説明を省略した経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道をほとんど間違えるおそれのない地点を走行するときに、運転中のユーザに過剰な情報が提供されるのを抑えることができる。一方、所定の地点におけるユーザの間違え確率が第2の基準確率よりも高いときには、詳細な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、所定の地点でユーザがしばしば道を間違える場合には、その所定の地点をより詳しく説明する経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0017】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記目的経路中の途中地点に前記ユーザの間違え確率が第3の基準確率よりも高い苦手地点が含まれるときに、前記苦手地点を含んだ目的経路を、前記苦手地点を除外した新しい目的経路に変更する経路変更手段を備えている。
【0018】
これにより、目的経路中にユーザの間違え確率が第3の基準確率よりも高い苦手地点が含まれるときには、苦手地点を含んだ目的経路から、苦手地点を除外した新しい目的経路に変更される。例えば、所定の地点(苦手地点)でユーザがいつも道を間違えてしまうような場合には、その苦手地点を除外した新しい目的経路がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0019】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記ユーザが前記目的経路に沿って前記車両を運転するときに目印になる情報として、目印情報検知手段により検出された目印情報を受け付ける目印情報受付手段を備え、前記案内情報作成手段は、前記目印情報に基づいて、前記経路案内情報を作成する。
【0020】
これにより、ユーザが目的経路に沿って車両を運転するときに目印となる目印情報に基づいて、経路案内情報が作成される。すなわち、目印情報を用いた分かりやすい経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0021】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記ユーザが前記目的経路に沿って前記車両を運転しているときに前記目的経路中の途中地点を探索中であるか否かを判定するユーザ探索中判定手段を備え、前記案内情報作成手段は、前記ユーザ探索中判定手段によって前記ユーザが前記目的経路中の途中地点を探索中であると判定されたときに、通常の経路案内情報より詳細な経路案内情報を作成する。
【0022】
これにより、ユーザが目的経路中の途中地点を探索中であるときに、詳細な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、ユーザが走行速度を落として車両を走行しながら途中地点(道を曲がる地点など)を探している場合や、ユーザが頻繁に視線を動かして途中地点の目印を探している場合には、その途中地点をより詳しく説明する経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0023】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記運転履歴情報は、前記ユーザが前記車両を運転したときの前記車両の走行動作に伴う前記ユーザの運転動作の有無の履歴を示す運転動作履歴情報を含み、前記ユーザ情報生成手段は、前記運転動作履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記車両を運転して所定の走行動作をするときに、前記ユーザが前記走行動作に伴う所定の運転動作をするのを忘れる動作忘れ確率を示すユーザ動作忘れ情報を作成するユーザ動作忘れ情報作成手段を備え、前記案内情報作成手段は、前記ユーザ動作忘れ情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路中で前記ユーザが前記所定の走行動作を忘れずに行うべき要注意地点を決定する要注意地点決定手段と、前記要注意地点において前記車両が前記所定の走行動作を行うときに、前記ユーザに前記所定の運転動作を促すように通知する運転動作案内情報を作成する運転動作案内情報作成手段とを備えている。
【0024】
これにより、運転動作履歴情報に基づいてユーザ動作忘れ情報が作成され、ユーザ動作忘れ情報に基づいて目的経路中の要注意地点が決定されて、要注意地点における運転動作案内情報が作成される。したがって、ユーザが車両を運転して目的経路中の要注意地点を走行するときに、その車両を運転するユーザごとに、ユーザの動作忘れ確率に応じた適切な運転動作案内情報を提供することができる。
【0025】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置は、前記ユーザが前記車両を運転するときに注意すべき情報として、注意情報検知手段により検知された注意情報を受け付ける注意情報受付手段を備え、前記案内情報作成手段は、前記注意情報に基づいて、前記運転動作案内情報を前記ユーザに通知するときの優先順位付けを行う優先順位付け手段を備えている。
【0026】
これにより、ユーザが車両を運転するときに注意すべき注意情報に基づいて、ユーザに通知される運転動作案内情報の優先付けが行われる。したがって、車両を運転するユーザごとに、そのユーザが必要とする運転動作案内情報を優先的に提供することができ、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0027】
また、本発明の車両用ナビゲーション装置では、前記案内情報作成手段は、前記目的経路中の途中地点の一部のみについて、前記案内情報を作成する。
【0028】
これにより、目的経路中の途中地点の一部のみの案内情報が作成されるので、目的経路中の途中地点の全部について案内情報を作成する場合に比べて、案内情報の作成量が少なくて済み、案内情報の作成の負荷を軽減することができる。
【0029】
本発明の車両用ナビゲーション方法は、車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録し、前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成し、前記ユーザ情報および出発地から目的地までの目的経路の経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成することを特徴とする。
【0030】
これによっても、上記のように、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができる。したがって、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0031】
本発明の車両用ナビゲーションプログラムは、メモリに格納されてナビゲーション機能を実現するためのプログラムであって、コンピュータを、車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録手段、前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成手段、前記ユーザ情報および出発地から目的地までの目的経路の経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成する案内情報作成手段、として機能させることを特徴とする。
【0032】
これによっても、上記のように、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができる。したがって、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができるので、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態の車両用ナビゲーション装置、方法およびプログラムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、例えば、自動車に搭載されるカーナビゲーション装置として用いられる場合を例示する。このカーナビゲーション装置は、ユーザに通知する案内情報をユーザごとの運転特性に応じて作成するナビゲーション機能を有している。このナビゲーション機能は、カーナビゲーション装置のメモリやHDDに格納されているプログラムによって実現される。
【0035】
本発明の実施の形態のカーナビゲーション装置1の構成を示すブロック図を図1に示す。ここでは、まず、カーナビゲーション装置1の主要な構成について概略を説明する。図1に示すように、カーナビゲーション装置1は、液晶ディスプレイなどの表示部2と、リモコンやタッチパネルなどの入力部3を備えている。また、カーナビゲーション装置1は、出発地から目的地までの経路情報を記憶する経路情報記憶部4と、ユーザ(ドライバ)ごとに車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録部5を備えている。ここでは、経路情報記憶部4が、本発明の経路情報記憶手段に相当し、履歴情報記録部5が、本発明の履歴情報記録手段に相当する。
【0036】
また、カーナビゲーション装置1は、運転履歴情報に基づいてユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成部6を備えている。ここでいうユーザの運転特性には、ユーザが所定の交差点で道を間違えやすい間違えやすさや、ユーザが所定の運転動作を忘れてしまう運転動作の忘れやすさ等が含まれる。したがって、ユーザ情報とは、所定の運転特性をもつユーザのユーザモデルを示す情報であるともいえる。ユーザ情報作成部6は、ユーザ間違え情報を作成するユーザ間違え情報作成部7と、ユーザ動作忘れ情報を作成するユーザ動作忘れ情報作成部8を備えている。ここでは、ユーザ情報作成部6が、本発明のユーザ情報作成手段に相当する。ユーザ間違え情報作成部7が、本発明のユーザ間違え情報作成手段に相当し、ユーザ動作忘れ情報作成部8が、本発明のユーザ動作忘れ情報作成手段に相当する。
【0037】
また、カーナビゲーション装置1は、ユーザ情報と経路情報から案内情報を作成する案内情報作成部9を備えている。この案内情報は、目的経路を車両が走行するときにユーザに対して通知するものである。案内情報作成部9は、経路案内情報を作成する経路案内情報作成部10と、運転動作案内情報を作成する運転動作案内情報作成部11を備えており、さらに、目的経路中の要注意地点を決定する要注意地点決定部12と、ユーザに通知する運転動作案内情報の優先順位付けを行う優先順位付け部13を備えている。ここでは、案内情報作成部9が、本発明の案内情報作成手段に相当する。また、経路案内情報作成部10が、本発明の経路案内情報作成手段に相当し、運転動作案内情報作成部11が、本発明の運転動作案内情報作成手段に相当する。また、要注意地点決定部12が、本発明の要注意地点決定手段に相当し、優先順位付け部13が、本発明の優先順位付け手段に相当する。
【0038】
また、カーナビゲーション装置1は、目的経路中に苦手地点が含まれるときに目的経路を変更する経路変更部14と、対物センサ15や天気センサ16などのセンサ17からの注意情報を受け付ける注意情報受付部18を備えている。ここでは、経路変更部14が、本発明の経路変更手段に相当し、注意情報受付部18が、本発明の注意情報受付手段に相当する。また、センサ17が注意情報検知手段に相当する。
【0039】
また、カーナビゲーション装置1は、車外カメラ19や視線カメラ20などのカメラ21からの目印情報を受け付ける目印情報受付部22を備えている。ここでは、目印情報受付部22が、本発明の目印情報受付手段に相当する。また、カメラ21が目印情報検知手段に相当する。
【0040】
また、カーナビゲーション装置1は、車両を運転しているユーザ(ドライバ)が目的経路中の途中地点(道を曲がる地点など)を探索中であるか否かを判定するユーザ探索中判定部23を備えている。ここでは、ユーザ探索中判定部23が、本発明のユーザ探索中判定手段に相当する。
【0041】
つづいて、カーナビゲーション装置1の各構成について詳細に説明する。図2は、経路情報記憶部4に記憶される経路情報の一例を示した説明図である。図2に示すように、経路情報は、出発地から目的地までの目的経路の情報を有している。図2では、出発地を出て、道路Aを進み、交差点Aで右折し、道路Bを進み、交差点Bを左折して、道路Cを進み、目的地へ到着する経路が例示されている。なお、出発地は、ユーザが手動で所定の出発地を設定してもよく、また、カーナビゲーション装置1に備えられたGPS機能により、車両の現在位置の情報を入手して自動的に出発地として設定してもよい。
【0042】
履歴情報記録部5は、ユーザが車両を1回運転するごとに運転履歴情報を記録する。この運転履歴情報には、車両の走行経路の履歴を示す走行履歴情報と、車両の走行動作に伴うユーザの運転動作の有無の履歴を示す運転動作履歴情報が含まれる。
【0043】
ここでは、まず、走行履歴情報を利用したナビゲーション機能について説明する。図3は、走行履歴情報の一例を示した説明図である。この走行履歴情報は、予定の走行経路(設定された目的経路)に対して、実際にユーザが運転する車両が走行した経路を示すものである。図3では、出発地を出て、道路Aを進み、交差点Aで右折し、道路Bを進み、交差点Eを左折して、道路Eを進み、目的地へ到着したときの走行履歴情報が例示されている。なお、この走行履歴情報は、ユーザAが平日の昼間に車両を運転したときのものとして記録されている。この走行履歴情報では、予定の走行経路では交差点Bで左折するところを、実際には交差点Eで左折したことが記録されている。
【0044】
ユーザ情報作成部6は、ユーザが車両を1回運転するごとにユーザ情報を更新する。このユーザ情報には、ユーザの走行経路が予定の走行経路から外れる間違え確率を示すユーザ間違え情報と、車両の走行動作に伴う運転動作をし忘れる動作忘れ確率を示すユーザ動作忘れ情報が含まれる。図4は、ユーザ間違え情報作成部7が作成するユーザ間違え情報の一例を示した説明図である。図4のユーザ間違え情報では、目的経路中の途中地点である各交差点(交差点A、交差点B、…)における間違え確率が、ユーザごとに記録されている。なお、図4では、平日/休日ごと、昼間/夜間ごとに区別して記録されたユーザ間違え情報が例示されている。
【0045】
例えば、ユーザ間違え情報作成部7は、図3の走行履歴情報(ユーザAが平日の昼間に、予定の走行経路では交差点Bで左折するところを実際には交差点Eで左折したという走行履歴情報)に基づいて、図4に示すユーザ間違え情報の項目のうち、ユーザAの平日昼間の交差点Bの間違え確率の値を上げる。一方、ユーザ間違え情報作成部7は、図3の走行履歴情報(ユーザAが平日の昼間に、予定の走行経路どおり交差点Aで右折したという走行履歴情報)に基づいて、図4に示すユーザ間違え情報の項目のうち、ユーザAの平日昼間の交差点Aの間違え確率の値を下げる。
【0046】
図5は、経路案内情報作成部10が作成する経路案内情報の一例を示した説明図である。図5に示すように、経路案内情報は、ユーザの運転する車両が目的経路中の途中地点(交差点A、交差点B、…)を走行するときにユーザに対して通知する案内情報である。この経路案内情報は、ユーザ間違え情報と経路情報に基づいて、目的経路の途中地点におけるユーザの間違え確率に応じて作成される。
【0047】
例えば、ユーザの間違い確率が、所定の第1の基準確率(例えば30%)よりも低い場合には、通常の経路案内情報よりも簡単な経路案内情報が作成される。図4に示した例では、ユーザAが休日の昼間に運転するときに交差点Aにおける間違い確率は25%である。この場合、図5に示すように、交差点Aでは、通常の経路案内情報(例えば「300m先、交差点Aを右折してください」)よりも簡単な経路案内情報(例えば「交差点Aを右折してください」)が作成される。あるいは、この場合、交差点Aでは経路案内情報を全く作成しないものとしてもよい。
【0048】
また、ユーザの間違い確率が、所定の第2の基準確率(例えば70%)よりも高い場合には、通常の経路案内情報よりも詳細な経路案内情報が作成される。図4に示した例では、ユーザAが休日の昼間に運転するときに交差点Bにおける間違い確率は75%である。この場合、図5に示すように、交差点Bでは、通常の経路案内情報(例えば「300m先、交差点Bを左折してください」)よりも詳細な経路案内情報(例えば「300m先、ガソリンスタンドが角にある交差点Bを左折してください」)が作成される。
【0049】
経路変更部14は、目的経路中の途中地点に、ユーザの間違い確率が、所定の第3の基準確立(例えば80%)よりも高い苦手地点が含まれるときには、その目的経路を新目的経路(苦手地点を除外した新しい目的経路)に変更する。図6は、目的経路の変更を説明するための説明図である。例えば、ユーザAが休日の夜間に車両を運転するときに、図6(a)に示すように目的経路の途中地点に交差点Bが含まれているような場合がある。図4に示した例では、ユーザAの休日夜間の交差点Bの間違え確率は85%であり、交差点Bは苦手地点に該当する。その場合、図6(a)の目的経路は、図6(b)に示すような新目的経路(目的経路の途中地点から苦手地点(交差点B)を除外した新しい目的経路)に変更される。
【0050】
図7は、新しい目的経路の経路情報(新経路情報)の一例を示した説明図である。図7に示すように、新経路情報では、目的経路の途中地点から苦手地点(交差点B)を除外されている。図7では、出発地を出て、道路Aを進み、交差点Dで右折して、道路Cを進み、目的地へ到着する経路に変更された例が示されている。
【0051】
また、経路案内情報作成部10は、車外カメラ19や視線カメラ20などのカメラ21からの目印情報に基づいて、詳細な経路案内情報を作成する。車外カメラ19は、車両の前方を撮影するカメラである。車外カメラ19で撮影された画像はコンピュータ等によって画像処理が施されて、ユーザが目的経路に沿って車両を運転するときに目印となる目印情報が抽出される。例えば、車外カメラ19で撮影した車両前方の画像から、交差点Bを左折するときの目印となるガソリンスタンドの看板等の情報が抽出される。このような目印情報に基づいて、経路案内情報作成部10では詳細な経路案内情報(例えば、「すぐ先、ガソリンスタンド「○○○」が角にある交差点を左折してください」)が作成される。
【0052】
また、視線カメラ20は、ユーザ(ドライバ)の目の動きを撮影するカメラである。視線カメラ20で撮影された画像はコンピュータ等によって画像処理が施されて、ユーザの視線の方向(角度)の情報が得られる。例えば、視線カメラ20で得られたユーザの視線の方向と、車外カメラ19で得られた車両前方の画像から、ユーザが視線を向けている対象物(例えば信号機)の情報が抽出される。このような目印情報に基づいて、経路案内情報作成部10では詳細な経路案内情報(例えば、「いま見ている信号の次の交差点を左折してください」)が作成される。なお、カメラ21は、上記の車外カメラ19や視線カメラ20に限られるものではなく、ユーザが目的経路に沿って車両を運転するときに目印になる目印情報を取得することができるものであれば、いかなるカメラであってもよい。
【0053】
ユーザ探索中判定部23は、ユーザ(ドライバ)の運転する車両の速度情報と目的経路の道路情報に基づいて、ユーザが目的経路中の途中地点を探索中であるか否かを判定する。例えば、渋滞していないときにはいつも制限速度と同程度の速度で車両を運転するユーザに対して、目的経路の「制限速度が時速60kmであり、現在渋滞は発生していない」という道路情報と、「時速40km以下で走行中である」という車両の速度情報から、ユーザは車両の走行速度を落として、目的経路中の途中地点を探索中であると判定される。
【0054】
また、ユーザ探索中判定部23は、視線カメラ20から得られるユーザの視線動き頻度の情報に基づいて、ユーザが目的経路中の途中地点を探索中であるか否かを判定する。例えばは、「ユーザの視線が一箇所に定まらず、ユーザが視線を動かす頻度が高い」という情報から、ユーザは頻繁に視線を動かして、目的経路中の途中地点(の目印)を探索中であると判定される。
【0055】
そして、経路案内情報作成部10は、ユーザ探索中判定部23によってユーザが目的経路中の途中地点を探索中であると判定された場合には、その途中地点をより詳しく説明する経路案内情報(例えば、「次の信号を左折してください。ガソリンスタンド「○○○」や、コンビニエンスストア「×××」が目印です。」)を作成する。
【0056】
つぎに、運転動作履歴情報を利用したナビゲーション機能について説明する。図8は、運転動作履歴情報の一例を示した説明図である。この運転動作履歴情報は、ユーザが車両を運転したときに、車両の走行動作に伴う所定の運転動作をユーザが行ったか否かの履歴を示すものである。ここで、車両の走行動作とは、左折、右折、車線変更などの車両の動きをいい、ユーザの運転動作とは、左折をするときの目視、左折や右折や車線変更をするときの方向指示器(ウィンカー)による合図、左折や右折をするときの十分な減速などのユーザの動きをいう。図8の例では、交差点Aで右折をするときに、ウィンカーによる合図をして減速をしたこと、交差点Bで左折するときに、ウィンカーによる合図をして減速をしたものの目視を忘れたことが記録されている。なお、この運転動作履歴情報は、ユーザAが平日の昼間に車両を運転したときのものとして記録されている。
【0057】
図9は、ユーザ動作忘れ情報作成部8が作成するユーザ動作忘れ情報の一例を示した説明図である。図9のユーザ動作忘れ情報では、車両の走行動作(左折、右折)に伴うユーザの運転動作(目視、ウィンカー、減速)の動作忘れ確率が、ユーザごとに記録されている。なお、図9では、平日/休日ごと、昼間/夜間ごとに区別して記録されたユーザ動作忘れ情報が例示されている。
【0058】
例えば、ユーザ動作忘れ情報作成部8は、図8の運転動作履歴情報(ユーザAが平日の昼間、交差点Bで左折するときに目視をし忘れたという運転動作履歴情報)に基づいて、図9に示すユーザ動作忘れ情報の項目のうち、ユーザAの平日昼間における左折の目視の動作忘れ確率を上げる。一方、ユーザ動作忘れ情報作成部8は、図8の運転動作履歴情報(ユーザAが平日の昼間、交差点Aで右折するときにウィンカーによる合図や減速を行い、交差点Bで左折するときにウィンカーによる合図や減速を行ったという運転動作履歴情報)に基づいて、図9に示すユーザ動作忘れ情報の項目のうち、ユーザAの平日昼間における左折と右折のウィンカーと減速目視の動作忘れ確率を下げる。
【0059】
図10は、運転動作案内情報作成部11が作成する運転動作案内情報の一例を示した説明図である。この運転動作案内情報は、要注意地点決定部12で決定された要注意地点において、ユーザに対して所定の運転動作を促すように通知する案内情報である。
【0060】
このとき、要注意地点決定部12は、ユーザ動作忘れ情報と経路情報に基づいて、目的経路中でユーザが所定の走行動作を忘れずに行うべき要注意地点を決定する。本実施の形態では、目的経路の途中地点におけるユーザの動作忘れ確率に応じて、要注意地点が決定される。
【0061】
例えば、目的経路の途中地点において車両が所定の走行動作を行うときに、その走行動作に伴うユーザの運転動作の動作忘れ確率が、所定の第4の基準確率(例えば70%)よりも高い場合には、その地点が要注意地点として決定される。図9に示した例では、ユーザが休日の昼間に左折をするときの目視の動作忘れ確率は75%である。そして、経路情報には、目的経路中の交差点Bにおいて左折を行うという情報が含まれている。したがって、この場合には、交差点Bが要注意地点として決定される。
【0062】
そして、運転動作案内情報作成部11は、上記のようなユーザ動作忘れ情報と経路情報に基づいて、図10に示すような運転動作案内情報を作成する。例えば、交差点B(要注意地点)で左折するときの運転動作案内情報として、「しっかり目視をしましょう」という案内情報が作成される。
【0063】
優先順位付け部13は、対物センサ15や天気センサ16などのセンサ17からの注意情報に基づいて、ユーザに通知する運転案内情報の優先順位付けを行う。対物センサ15は、車両の前方または後方に障害物(車両や歩行者)が存在するか否かを検知するセンサである。図11には、対物センサ15から得られる注意情報(対物センサ情報)の一例が示される。図11の例では、前方と後方のそれぞれについて、中央/右/左ごとに障害物(車両や歩行者)の有無が検知されている。天気センサ16は、現在の天候、気温、時刻などの情報を検知するセンサである。図12には、天気センサ16から得られる注意情報(天気センサ情報)の一例が示される。なお、センサ17は、上記の対物センサ15や天気センサ16に限られるものではなく、ユーザが車両を運転するときに注意すべき注意情報を検知することができるものであれば、いかなるセンサであってもよい。
【0064】
上記のような対物センサ情報や天気センサ情報などの注意情報は、注意情報受付部18によって受け付けられる。そして、優先順位付け部13は、これらの注意情報(対物センサ情報や天気センサ情報)に基づいて、ユーザに通知する運転案内情報の優先順位付けを行う。例えば、交差点B(要注意地点)で左折するときに、「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報と「手前から十分に減速しましょう」という運転動作案内情報が作成された場合、車両の左側に歩行者がいるという対物センサ情報が得られたときには、「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報の優先順位を上げる。一方、現在の天候が雪であるという天気センサ情報が得られたときには、「手前から十分に減速しましょう」という運転動作案内情報の優先順位を上げる。
【0065】
なお、上記のような注意情報は、車外カメラ19や視線カメラ20などのカメラ21から取得してもよい。例えば、交差点B(要注意地点)で左折するときに、「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報と「手前から十分に減速しましょう」という運転動作案内情報が作成された場合、ユーザ(ドライバ)が目視をしていないという注意情報が視線カメラ20により得られたときには、「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報の優先順位を上げる。
【0066】
そして、案内情報作成部9は、上記のようにして作成された経路案内情報と運転動作案内情報を合成して、ユーザに通知される案内情報を作成する。例えば、図13には、案内情報の一例が示される。図13の案内情報は、図5に示した経路案内情報と図10に示した運転動作案内情報を合成したものである。本実施の形態では、案内情報作成部9は、目的経路中の途中地点の一部のみについて、上記のような案内情報を作成するように構成されている。
【0067】
以上のように構成された本実施の形態のカーナビゲーション装置1について、図14のデータフローダイアグラム(DFD)を用いてその動作を説明する。ここでは、本発明の特徴であるナビゲーション機能の動作、すなわち、ユーザに通知する案内情報をユーザごとの運転特性に応じて作成するナビゲーション機能の動作について説明する。
【0068】
図14に示すように、本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、履歴情報記録部5に記録された走行履歴情報に基づいて、ユーザ間違え情報作成部7がユーザ間違え情報を更新する(S1)。例えば、図3に示すような走行履歴情報に基づいて、図4に示すようなユーザ間違え情報の更新が行われる。
【0069】
経路案内情報作成部10は、このユーザ間違え情報と経路情報に基づいて、目的経路の途中地点における間違え確率を抽出する(S2)。経路変更部14は、目的経路の途中地点の間違え確率に応じて、目的経路中に苦手地点が含まれている場合には目的経路の変更を行って、新しい目的経路を設定する(S3)。例えば、図6(a)に示す目的経路から図6(b)に示す新しい目的経路に、目的経路の変更が行われる。
【0070】
経路案内情報作成部10は、新しい目的経路の経路情報(新経路情報)とユーザ間違え情報に基づいて、新目的経路の途中地点における間違え確率(新間違え確率)を抽出する(S4)。そして、経路案内情報作成部10は、新経路情報と新間違え確率に基づいて、経路案内情報の作成を行う(S5)。例えば、図5に示すような経路案内情報が作成される。
【0071】
また、図14に示すように、本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、履歴情報記録部5に記録された運転動作履歴情報に基づいて、ユーザ動作忘れ情報作成部8がユーザ動作忘れ情報を更新する(S6)。例えば、図8に示すような運転動作履歴情報に基づいて、図9に示すようなユーザ動作忘れ情報の更新が行われる。
【0072】
このユーザ動作忘れ情報と新経路情報に基づいて、要注意地点決定部12が要注意地点の決定を行って、運転動作案内情報作成部11が要注意地点での動作忘れ確率を抽出する(S7)。そして、要注意地点での動作忘れ確率と新経路情報に基づいて、運転動作案内情報作成部11が運転動作案内情報を作成して、優先順位付け部13がその運転動作案内情報の優先付けを行う(S8)。例えば、図10に示すような運転動作案内情報が作成される。
【0073】
そして、案内情報作成部9が、経路案内情報と運転動作案内情報に基づいて、案内情報の作成を行う(S9)。例えば、図5に示す経路案内情報と図10に示す運転動作案内情報に基づいて、図13に示すような案内情報が作成される。
【0074】
このような本実施の形態のカーナビゲーション装置1によれば、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができるので、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0075】
すなわち、本実施の形態では、車両を運転するユーザごとに運転履歴情報が記録され、その運転履歴情報に基づいてユーザの運転特性に応じた案内情報がユーザごとに作成されるので、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができる。したがって、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0076】
また、本実施の形態では、ユーザが車両を運転する度に、運転履歴情報が記録され、その運転履歴情報に基づいてユーザ情報が更新されるので、ユーザの運転特性を反映したユーザ情報を作成することができる。この場合、ユーザが車両を運転する回数が多いほど、ユーザの運転特性をより良く反映したユーザ情報を作成することができる。
【0077】
また、本実施の形態では、走行履歴情報に基づいてユーザ間違え情報が作成され、ユーザ間違え情報に基づいて経路案内情報が作成されるので、車両が目的経路中の途中地点を走行するときに、その車両を運転するユーザごとに、ユーザの間違え確率に応じた適切な経路案内情報を提供することができる。
【0078】
また、本実施の形態では、所定の地点におけるユーザの間違え確率が第1の基準確率よりも低いときには、簡単な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、所定の地点でユーザがほとんど道を間違えない場合には、その所定の地点を簡単に説明する経路案内情報またはその地点の説明を省略した経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道をほとんど間違えるおそれのない地点を走行するときに、運転中のユーザに過剰な情報が提供されるのを抑えることができる。一方、所定の地点におけるユーザの間違え確率が第2の基準確率よりも高いときには、詳細な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、所定の地点でユーザがしばしば道を間違える場合には、その所定の地点をより詳しく説明する経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0079】
また、本実施の形態では、目的経路中にユーザの間違え確率が第3の基準確率よりも高い苦手地点が含まれるときには、苦手地点を含んだ目的経路から、苦手地点を除外した新しい目的経路に変更される。例えば、所定の地点(苦手地点)でユーザがいつも道を間違えてしまうような場合には、その苦手地点を除外した新しい目的経路がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0080】
また、本実施の形態では、ユーザが目的経路に沿って車両を運転するときに目印となる目印情報に基づいて、経路案内情報が作成される。すなわち、目印情報を用いた分かりやすい経路案内情報がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違えやすい地点を走行するときに、道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0081】
例えば、車外カメラ19で撮影した車両前方の画像から、交差点Bを左折するときの目印となるガソリンスタンドの看板等の情報が抽出された場合、この目印情報に基づいた詳細な経路案内情報(例えば、「すぐ先、ガソリンスタンド「○○○」が角にある交差点を左折してください」)が作成される。また、視線カメラ20で得られたユーザの視線の方向と、車外カメラ19で得られた車両前方の画像から、ユーザが視線を向けている対象物(例えば信号機)の情報が抽出された場合。この目印情報に基づいた詳細な経路案内情報(例えば、「いま見ている信号の次の交差点を左折してください」)が作成される。
【0082】
また、本実施の形態では、ユーザが目的経路中の途中地点(道を曲がる地点など)を探索中であるときに、詳細な経路案内情報がユーザに提供される。例えば、ユーザが走行速度を落として車両を走行しながら途中地点を探している場合や、ユーザが頻繁に視線を動かして途中地点の目印を探している場合には、その途中地点をより詳しく説明する経路案内情報(例えば、「次の信号を左折してください。ガソリンスタンド「○○○」や、コンビニエンスストア「×××」が目印です。」)がユーザに提供される。したがって、ユーザが道を間違える確率を低く抑えることができる。
【0083】
また、本実施の形態では、運転動作履歴情報に基づいてユーザ動作忘れ情報が作成され、ユーザ動作忘れ情報に基づいて目的経路中の要注意地点が決定されて、要注意地点における運転動作案内情報が作成される。したがって、ユーザが車両を運転して目的経路中の要注意地点を走行するときに、その車両を運転するユーザごとに、ユーザの動作忘れ確率に応じた適切な運転動作案内情報を提供することができる。
【0084】
例えば、交差点を左折するときに目視をするのを忘れることが多いユーザに対しては、目的経路中の左折地点で「しっかり目視をしましょう」などの運転動作案内情報が提供される。また、車線変更するときに方向指示器による合図をするのを忘れることが多いユーザに対しては、目的経路中の車線変更地点で「ウィンカーを出しましょう」などの運転動作案内情報が提供される。また、交差点を左折する手前で十分な減速をするのを忘れることが多いユーザに対しては、目的経路中の左折の手前地点で「手前から十分に減速しましょう」などの運転動作案内情報が提供される。
【0085】
また、本実施の形態では、ユーザが車両を運転するときに注意すべき注意情報に基づいて、ユーザに通知される運転動作案内情報の優先付けが行われる。したがって、車両を運転するユーザごとに、そのユーザが必要とする運転動作案内情報を優先的に提供することができ、運転中のユーザの負荷を軽減することができる。
【0086】
例えば、交差点を左折するときに対物センサ15によって歩行者が検知された場合には、「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報のほうが「手前から十分に減速しましょう」という運転動作案内情報よりも優先的にユーザに提供される。また、天気センサ16によって雨や雪が降っていることが検知された場合には、「手前から十分に減速しましょう」という運転動作案内情報のほうが「しっかり目視をしましょう」という運転動作案内情報よりも優先的にユーザに提供される。
【0087】
また、本実施の形態では、目的経路中の途中地点の一部のみの案内情報が作成されるので、目的経路中の途中地点の全部について案内情報を作成する場合に比べて、案内情報の作成量が少なくて済み、案内情報の作成の負荷を軽減することができる。
【0088】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0089】
例えば、上記の実施の形態では、1台の車両に対してユーザ(ドライバ)が複数人の場合を例示して説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、ユーザ(ドライバ)は1台の車両に対して1人であってもよい。
【0090】
1台の車両を複数のユーザ(ドライバ)で使用する場合、車両を運転するユーザを個別に識別するユーザ識別手段が備えられることが望ましいが、このユーザ識別手段は必ずしも備えられなくてもよい。また、このユーザ識別手段は、手動で(ユーザからの入力によって)車両を運転するユーザを識別してもよく、自動で(ユーザからの入力によらずに)車両を運転するユーザを識別してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上のように、本発明にかかる車両用ナビゲーション装置は、車両を運転するユーザごとに、ユーザの運転特性に応じた適切な案内情報を提供することができるので、ユーザに過剰な案内情報が提供されるのを抑制し、運転中のユーザの負荷を軽減することができるという効果を有し、例えば、自動車に搭載されるカーナビゲーション装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本実施の形態のカーナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の経路情報記憶部に記憶される経路情報の説明図である。
【図3】本実施の形態の走行履歴情報の説明図である。
【図4】本実施の形態のユーザ間違え情報の説明図である。
【図5】本実施の形態の経路案内情報の説明図である。
【図6】本実施の形態における目的経路の変更を説明するための説明図である。(a)変更前の目的経路の説明図である。(b)変更後の目的経路(苦手地点を除外した新しい目的経路)の説明図である。
【図7】本実施の形態の新しい目的経路の経路情報(新経路情報)の説明図である。
【図8】本実施の形態の運転動作履歴情報の説明図である。
【図9】本実施の形態のユーザ動作忘れ情報の説明図である。
【図10】本実施の形態の運転動作案内情報の説明図である。
【図11】本実施の形態の対物センサ情報の説明図である。
【図12】本実施の形態の天気センサ情報の説明図である。
【図13】本実施の形態の案内情報の説明図である。
【図14】本実施の形態のカーナビゲーション装置の動作説明のためのデータフローダイアグラム(DFD)である。
【符号の説明】
【0093】
1 カーナビゲーション装置
4 経路情報記憶部
5 履歴情報記録部
6 ユーザ情報作成部
7 ユーザ間違え情報作成部
8 ユーザ動作忘れ情報作成部
9 案内情報作成部
10 経路案内情報作成部
11 運転動作案内情報作成部
12 要注意地点決定部
13 優先順位付け部
14 経路変更部
18 注意情報受付部
22 目印情報受付部
23 ユーザ探索中判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録手段と、
前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成手段と、
出発地から目的地までの目的経路の経路情報を記憶する経路情報記憶手段と、
前記ユーザ情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成する案内情報作成手段と、
を備えたことを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記履歴情報記録手段は、前記ユーザが前記車両を運転するごとに、前記運転履歴情報を記録し、
前記ユーザ情報作成手段は、前記ユーザが前記車両を運転するごとに、前記ユーザ情報を更新することを特徴とする請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記運転履歴情報は、前記ユーザが運転した車両の走行経路の履歴を示す走行履歴情報を含み、
前記ユーザ情報生成手段は、前記走行履歴情報に基づいて、前記ユーザの走行経路中の途中地点において、前記ユーザの走行経路が予定の走行経路から外れる間違え確率を示すユーザ間違え情報を作成するユーザ間違え情報作成手段を備え、
前記案内情報作成手段は、前記ユーザ間違え情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路中の途中地点を走行するときに、前記途中地点における前記ユーザの間違え確率に応じた経路案内情報を作成する経路案内情報作成手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記案内情報作成手段は、
前記目的経路中の途中地点における前記ユーザの間違え確率が第1の基準確率よりも低いときに、通常の経路案内情報より簡単な経路案内情報を作成し、
前記目的経路中の途中地点における前記ユーザの間違え確率が第2の基準確率よりも高いときに、通常の経路案内情報より詳細な経路案内情報を作成することを特徴とする請求項3に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記目的経路中の途中地点に前記ユーザの間違え確率が第3の基準確率よりも高い苦手地点が含まれるときに、前記苦手地点を含んだ目的経路を、前記苦手地点を除外した新しい目的経路に変更する経路変更手段を備えたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記ユーザが前記目的経路に沿って前記車両を運転するときに目印になる情報として、目印情報検知手段により検出された目印情報を受け付ける目印情報受付手段を備え、
前記案内情報作成手段は、前記目印情報に基づいて、前記経路案内情報を作成することを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記ユーザが前記目的経路に沿って前記車両を運転しているときに前記目的経路中の途中地点を探索中であるか否かを判定するユーザ探索中判定手段を備え、
前記案内情報作成手段は、前記ユーザ探索中判定手段によって前記ユーザが前記目的経路中の途中地点を探索中であると判定されたときに、通常の経路案内情報より詳細な経路案内情報を作成する請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記運転履歴情報は、前記ユーザが前記車両を運転したときの前記車両の走行動作に伴う前記ユーザの運転動作の有無の履歴を示す運転動作履歴情報を含み、
前記ユーザ情報生成手段は、前記運転動作履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記車両を運転して所定の走行動作をするときに、前記ユーザが前記走行動作に伴う所定の運転動作をするのを忘れる動作忘れ確率を示すユーザ動作忘れ情報を作成するユーザ動作忘れ情報作成手段を備え、
前記案内情報作成手段は、
前記ユーザ動作忘れ情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路中で前記ユーザが前記所定の走行動作を忘れずに行うべき要注意地点を決定する要注意地点決定手段と、
前記要注意地点において前記車両が前記所定の走行動作を行うときに、前記ユーザに前記所定の運転動作を促すように通知する運転動作案内情報を作成する運転動作案内情報作成手段とを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記ユーザが前記車両を運転するときに注意すべき情報として、注意情報検知手段により検知された注意情報を受け付ける注意情報受付手段を備え、
前記案内情報作成手段は、前記注意情報に基づいて、前記運転動作案内情報を前記ユーザに通知するときの優先順位付けを行う優先順位付け手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記案内情報作成手段は、前記目的経路中の途中地点の一部のみについて、前記案内情報を作成することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項11】
車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録し、
前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成し、
前記ユーザ情報および出発地から目的地までの目的経路の経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成することを特徴とする車両用ナビゲーション方法。
【請求項12】
メモリに格納されてナビゲーション機能を実現するためのプログラムであって、
コンピュータを、
車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録手段、
前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成手段、
前記ユーザ情報および出発地から目的地までの目的経路の経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成する案内情報作成手段、
として機能させることを特徴とする車両用ナビゲーションプログラム。
【請求項1】
車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録手段と、
前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成手段と、
出発地から目的地までの目的経路の経路情報を記憶する経路情報記憶手段と、
前記ユーザ情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成する案内情報作成手段と、
を備えたことを特徴とする車両用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記履歴情報記録手段は、前記ユーザが前記車両を運転するごとに、前記運転履歴情報を記録し、
前記ユーザ情報作成手段は、前記ユーザが前記車両を運転するごとに、前記ユーザ情報を更新することを特徴とする請求項1に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記運転履歴情報は、前記ユーザが運転した車両の走行経路の履歴を示す走行履歴情報を含み、
前記ユーザ情報生成手段は、前記走行履歴情報に基づいて、前記ユーザの走行経路中の途中地点において、前記ユーザの走行経路が予定の走行経路から外れる間違え確率を示すユーザ間違え情報を作成するユーザ間違え情報作成手段を備え、
前記案内情報作成手段は、前記ユーザ間違え情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路中の途中地点を走行するときに、前記途中地点における前記ユーザの間違え確率に応じた経路案内情報を作成する経路案内情報作成手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記案内情報作成手段は、
前記目的経路中の途中地点における前記ユーザの間違え確率が第1の基準確率よりも低いときに、通常の経路案内情報より簡単な経路案内情報を作成し、
前記目的経路中の途中地点における前記ユーザの間違え確率が第2の基準確率よりも高いときに、通常の経路案内情報より詳細な経路案内情報を作成することを特徴とする請求項3に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記目的経路中の途中地点に前記ユーザの間違え確率が第3の基準確率よりも高い苦手地点が含まれるときに、前記苦手地点を含んだ目的経路を、前記苦手地点を除外した新しい目的経路に変更する経路変更手段を備えたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記ユーザが前記目的経路に沿って前記車両を運転するときに目印になる情報として、目印情報検知手段により検出された目印情報を受け付ける目印情報受付手段を備え、
前記案内情報作成手段は、前記目印情報に基づいて、前記経路案内情報を作成することを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記ユーザが前記目的経路に沿って前記車両を運転しているときに前記目的経路中の途中地点を探索中であるか否かを判定するユーザ探索中判定手段を備え、
前記案内情報作成手段は、前記ユーザ探索中判定手段によって前記ユーザが前記目的経路中の途中地点を探索中であると判定されたときに、通常の経路案内情報より詳細な経路案内情報を作成する請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記運転履歴情報は、前記ユーザが前記車両を運転したときの前記車両の走行動作に伴う前記ユーザの運転動作の有無の履歴を示す運転動作履歴情報を含み、
前記ユーザ情報生成手段は、前記運転動作履歴情報に基づいて、前記ユーザが前記車両を運転して所定の走行動作をするときに、前記ユーザが前記走行動作に伴う所定の運転動作をするのを忘れる動作忘れ確率を示すユーザ動作忘れ情報を作成するユーザ動作忘れ情報作成手段を備え、
前記案内情報作成手段は、
前記ユーザ動作忘れ情報および前記経路情報に基づいて、前記目的経路中で前記ユーザが前記所定の走行動作を忘れずに行うべき要注意地点を決定する要注意地点決定手段と、
前記要注意地点において前記車両が前記所定の走行動作を行うときに、前記ユーザに前記所定の運転動作を促すように通知する運転動作案内情報を作成する運転動作案内情報作成手段とを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項9】
前記ユーザが前記車両を運転するときに注意すべき情報として、注意情報検知手段により検知された注意情報を受け付ける注意情報受付手段を備え、
前記案内情報作成手段は、前記注意情報に基づいて、前記運転動作案内情報を前記ユーザに通知するときの優先順位付けを行う優先順位付け手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項10】
前記案内情報作成手段は、前記目的経路中の途中地点の一部のみについて、前記案内情報を作成することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。
【請求項11】
車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録し、
前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成し、
前記ユーザ情報および出発地から目的地までの目的経路の経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成することを特徴とする車両用ナビゲーション方法。
【請求項12】
メモリに格納されてナビゲーション機能を実現するためのプログラムであって、
コンピュータを、
車両を運転するユーザごとに、前記車両の運転履歴情報を記録する履歴情報記録手段、
前記ユーザごとの運転履歴情報に基づいて、前記ユーザの運転特性を示すユーザ情報を作成するユーザ情報作成手段、
前記ユーザ情報および出発地から目的地までの目的経路の経路情報に基づいて、前記目的経路を前記車両が走行するときに前記ユーザに対して通知する案内情報を、前記ユーザの運転特性に応じて作成する案内情報作成手段、
として機能させることを特徴とする車両用ナビゲーションプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−64483(P2008−64483A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239745(P2006−239745)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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