車両用ノイズキャンセル装置及び車両用ノイズキャンセルシステム
【課題】ノイズキャンセル実行及び不実行を選択できると共に、ノイズキャンセル実行選択時であっても車両走行状況によってノイズキャンセルを実行或いは停止できるようにする。
【解決手段】車両用ノイズキャンセル装置2は、車両に発生するノイズを収集するマイク6と、制御部5と、ノイズキャンセル選択スイッチ12と、ナビゲーション装置10と、消音用スピーカ9とを備え、前記制御部5は、ノイズキャンセル選択スイッチ12がオンのときには、ナビゲーション装置10が取得した車両走行状況が、ノイズキャンセル実行条件を満足したときに、消音用スピーカ9により消音用音波を出力し、ノイズキャンセル選択スイッチ12がオフのときには消音用音波を出力しない。
【解決手段】車両用ノイズキャンセル装置2は、車両に発生するノイズを収集するマイク6と、制御部5と、ノイズキャンセル選択スイッチ12と、ナビゲーション装置10と、消音用スピーカ9とを備え、前記制御部5は、ノイズキャンセル選択スイッチ12がオンのときには、ナビゲーション装置10が取得した車両走行状況が、ノイズキャンセル実行条件を満足したときに、消音用スピーカ9により消音用音波を出力し、ノイズキャンセル選択スイッチ12がオフのときには消音用音波を出力しない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザーにより任意にノイズキャンセル実行可能な車両用ノイズキャンセル装置及び車両用ノイズキャンセルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ノイズキャンセル装置としては特許文献1に記載された技術が知られている。このものでは、マイクでエンジンから発せられる騒音をマイクで拾い、この騒音に対する消音用の音波信号を出力させ、もって騒音を低減もしくはキャンセル(以下ノイズキャンセルという)するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−60515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のノイズキャンセルは、騒音源に対して消音用の音波信号(逆位相音波信号)を出力するものであり、エネルギー消費を伴うものである。
ところが上述の従来技術では、常にノイズキャンセルを行うようにしているため、ノイズキャンセルが不要な場合(例えば昼間の時間帯での住宅地や、郊外など)には、消費エネルギーの無駄を来す。又、車のエンジン音などを楽しみたいユーザー(運転者)にとっては、常にノイズキャンセルが作動しているとその楽しみがなくなる。
又、夜間〜早朝の時間帯での住宅地などでは、ノイズキャンセルするほうが好ましい。
【0005】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーにおいてノイズキャンセル実行及び不実行を選択できると共に、ノイズキャンセル実行選択時であっても車両走行状況によってノイズキャンセルを実行或いは停止でき、省エネも図ることが可能となる車両用ノイズキャンセル装置及び車両用ノイズキャンセルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の車両用ノイズキャンセル装置は、車両に発生するノイズを収集するノイズ収集手段と、自車位置や、自車位置周囲環境、あるいは現在時刻などの車両走行状況を、ノイズを消音するためのノイズキャンセル実行条件として設定したキャンセル条件設定手段と、ノイズをキャンセルするか否かをユーザーが入力するノイズキャンセル選択入力手段と、自車位置検出や自車位置周囲環境及び現在時刻の取得が可能な車両走行状況取得手段と、ノイズを消音するための消音用音波を出力する消音用音波出力手段と、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをする旨の入力があったときには、前記車両走行状況取得手段が取得した車両走行状況が、前記キャンセル条件設定手段により設定されたノイズキャンセル実行条件を満足したときに、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力し、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをしない旨の入力があったときには消音用音波を出力しないノイズキャンセル制御手段とを備えて構成される。
【0007】
この請求項1の車両用ノイズキャンセル装置によれば、ユーザーがノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルすることが選択されると、車両走行状況が、キャンセル条件設定手段により設定されたノイズキャンセル実行条件を満足したことを条件に消音用音波が出力されることでノイズキャンセルが実行されるから、例えば、夜間時における住宅地や、病院などの特定地域といった車両走行状況をノイズキャンセル実行条件に予め設定しておけば、夜間時に住宅地を走行しているときや、病院地域を走行しているときにはノイズキャンセルを実行するようにできる。又、ユーザーがノイズキャンセルしない選択をすれば、一律的にノイズキャンセルを停止でき、エンジン音など車両音をそのまま出すことで歩行者や他車へ自車接近を知らせたり、エンジン音を楽しんだりできる。このときは、消音用音波の出力がないから省エネに寄与できる。このように、ユーザーにおいてノイズキャンセル実行及び不実行を選択できると共に、ノイズキャンセル実行選択時であっても車両走行状況によってノイズキャンセルを実行或いは停止でき、省エネも図ることが可能となる。
【0008】
又、請求項2の車両用ノイズキャンセル装置は、車両の速度情報を取得する車両速度情報取得部と、この車両速度情報取得部で取得した速度情報から消音用音波が波干渉によって増幅するエリアを割り出す増幅エリア割り出し手段と、前記消音用音波出力手段とは別に、増幅抑止用音波を出力する増幅抑止用音波出力手段を備え、前記ノイズキャンセル制御手段は、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力している状況では、前記増幅エリア割り出し手段により割り出した消音用音波の増幅エリアに対して、前記増幅抑止用音波出力手段から増幅抑止用音波を出力するところに特徴を有する。
【0009】
車両の走行中に、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力している状況では、車両のある位置で出力された消音用音波と、これから進んだ別の位置で出力された消音用音波が干渉して音が増幅されることがある。この増幅エリアは車両の速度から予測できるものである。
上述の請求項2においては、増幅エリア割り出し手段により割り出した消音用音波の増幅エリアに対して、前記増幅抑止用音波出力手段から増幅抑止用音波を出力するから、消音用音波による音増幅を抑止することができる。
【0010】
請求項3の車両用ノイズキャンセル装置は、他車と通信可能な車車間通信手段と、報知手段と、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力している状況では他車に対してノイズキャンセル実行中である旨を前記車車間通信手段を介して送信し、又、他車からノイズキャンセル実行中で旨を前記車車間通信手段を介して受信したときにはノイズキャンセル実行中の車両が接近中である旨を前記報知手段により報知する通信制御手段とを設けたところに特徴を有する。
【0011】
この請求項3においては、自車がノイズキャンセル実行中であるときには、この旨を他車に知らせることができて、他車において、ノイズキャンセル実行中の静かな車両の接近を知ることができる。又、他車がノイズキャンセル実行中である場合も、自車において知ることができる。
【0012】
請求項4の車両用ノイズキャンセル装置は、省エネを選択するか否かをユーザーが入力する省エネ選択用入力手段を備え、前記ノイズキャンセル制御手段が、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをする旨の入力があって、且つ前記省エネ選択用入力手段により省エネをしない選択の入力があるときに、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力するところに特徴を有する。
【0013】
この請求項4においては、ユーザーが省エネをしないことを意識したことを前提に、ノイズキャンセルを実行することができる。
請求項5の車両用ノイズキャンセルシステムにおいては、車両用ノイズキャンセル装置が請求項1と同様の作用効果を奏するのに加え、当該車両用ノイズキャンセル装置がノイズキャンセル実行中であるときには、路側装置が、道路近傍の路側報知手段により当該ノイズキャンセル実行中の車両が接近していることを報知できて、歩行者にその旨を報知でき、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態を示す車両用ノイズキャンセルシステムのブロック図
【図2】各構成部品の概略的配置を示す図
【図3】ナビゲーション装置のブロック図
【図4】路側装置の路側表示部を示す道路部分の斜視図
【図5】表示装置部分を示す車内の斜視図
【図6】表示装置の画面を示す図
【図7】ノイズキャンセル実行条件を概念的に示す図
【図8】制御部の制御内容を示す図(その1)
【図9】制御部の制御内容を示す図(その2)
【図10】制御部の制御内容を示す図(その3)
【図11】消音用音波の増幅を概念的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図1ないし図11を参照して説明する。図1には車両用ノイズキャンセルシステムの機能的構成をブロック図で示している。この車両用ノイズキャンセルシステム1は、車両用ノイズキャンセル装置2と、路側装置3と、ノイズキャンセル要求信号発生装置4とを備えて構成されている。
【0016】
前記車両用ノイズキャンセル装置2は、車両14(図2、図4参照)に搭載されており、ノイズキャンセル条件設定手段、ノイズキャンセル制御手段、増幅エリア割り出し手段、車車間通信制御手段としての制御部5と、ノイズ収集手段としてのマイク6と、省エネ選択用入力手段としての省エネ選択スイッチ7と、増幅抑止用音波出力手段としての増幅抑止用スピーカ8と、消音用音波出力手段としての消音用スピーカ9と、車両走行状況取得手段及び車両速度取得手段としてのナビゲーション装置10と、記憶部11と、ノイズキャンセル選択入力手段としてのノイズキャンセル選択スイッチ12と、車車間通信手段及び路車間通信手段を兼用する通信部13と、増幅検出マイク29とを備えて構成されている。
【0017】
前記制御部5は、CPUやRAM、RAMを有するマイクロコンピュータから構成されている。前記マイク6は、エンジンなどのノイズ発生部の音を拾う(収集)ものであり、車両14のエンジンルームに向けて設けられている。又、前記省エネ選択スイッチ7は、ユーザー(ドライバ)が省エネをする又はしないといった意思を示すために、車両14のインストルメントパネルに設けられていてユーザーにより操作される。
【0018】
前記増幅抑止用スピーカ8は、指向性スピーカからなり、車両14の適宜箇所2か所(例えば車両14やや後部左右部)に、制御部5が備えた向き変更機構により向き変更可能に設けられている。
【0019】
又、消音用スピーカ9は2個の例えば無指向性スピーカからなり、これは例えば前記エンジンルーム近傍と車両14後部に設けられている。
前記記憶部11は例えば不揮発性メモリからなり、予め設定された、或いはユーザーが設定したノイズキャンセル条件を記憶しておくためのものである。
【0020】
前記ノイズキャンセル選択スイッチ12は、車両14のインストルメントパネルに設けられていてユーザー(ドライバ)により操作される。
前記通信部13の無線通信方式は、ブルートゥース、DSRC、赤外線、携帯電話などの通信網を利用した通信方式が考えられる。この通信部13は後述するナビゲーション装置10に接続されている。
前記増幅検出マイク29は、増幅発生検出手段であり、例えば車両14の後部に設けられており、車両14の走行時に前記消音用スピーカ9による音の干渉により音量が増幅しているか否かを検出するためのものである。
【0021】
前記ナビゲーション装置10は、図3に示すように、そのナビゲーション動作を制御する機能を有した制御回路(経路探索手段、音声案内手段、発話時間算出手段、車両速度検出手段)15に、位置検出器(車両位置取得手段)16、地図データベース(地図データ記憶手段に相当)17、表示装置18、操作スイッチ群19、音声出力装置20、リモコンセンサ21、外部メモリ22、前記通信部13などを接続して構成されている。
制御回路15は、CPU、ROM、RAM、I/Oインタフェース及びこれらを接続するバスラインなど(何れも図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成されている。
【0022】
位置検出器16は、GPS(Global Positioning System)受信機23、ジャイロセンサ24、車両の走行速度を検出する車速センサ25などから構成されている。位置検出器16は、上記各位置検出要素の検出信号を補間しながら高精度に車両の位置を検出するようになっている。なお、要求される検出精度によってはこれらの一部のみで構成してもよいし、さらに、車両の加速度を検出する加速度センサなどを加えてもよい。
【0023】
地図データベース17は、CD−ROM、DVD−ROM、或いはハードディスク、不揮発性の半導体メモリなどのような大容量の情報記録媒体を利用して構成されたものであり、地図表示のための地図描画用データ、マップマッチング、経路探索、経路案内などの種々の処理に必要な道路データ、交差点の詳細データから成る交差点データ、背景レイヤのための背景データ、地名などを表示するための地名データの他に、住宅街、住宅が疎らな区域、工業地区、施設情報(病院とか、公園、店舗)などのデータベース、電話番号と施設の対応を示す電話番号データベースなど、多様な地図データが記憶されている。
【0024】
表示装置18は、経路案内などのための表示装置であるが、車両用ノイズキャンセル装置2の報知手段も兼用している。車両14の運転席近傍に設置される。
操作スイッチ群19は、表示装置5の周辺に配置されたメカニカルスイッチや当該表示装置5のディスプレイ上に形成されたタッチパネルスイッチなどから成り、各種のデータや設定事項などの操作に係るコマンドを制御回路15に与えるために設けられている。
【0025】
音声出力装置20は、経路案内に関連した音声ガイドを行うためのものであり、音声合成回路、アンプ、スピーカなどを備えたものある。
リモコンセンサ21は、リモコン26からの操作信号を受信して制御回路15に与える構成となっている。
【0026】
外部メモリ22は、フラッシュメモリなどのデータ書き換え可能な不揮発性メモリより構成されたもので、例えば他の規格の情報記録媒体に対応するためのプログラムソフトを記憶したり、特定データ(走行軌跡の履歴やデジタルカメラにより取り込んだ任意の画像データなど)の保存や呼出などを行ったりするために設けられている。
【0027】
この他、前記制御回路15は、前記位置検出器16により検出した自車位置情報や、車速情報を前記制御部5に送信する。
又、前記路側装置3は、路側の適宜箇所(例えば歩行者が多い道路など)に設置された路車間通信手段としての路側通信部27と、同じく歩行者が多い道路などの路側の適宜箇所に設けられた路側報知手段としての路側表示部28とを有してなり、路側通信部27が前記通信部13から送信されたノイズキャンセル実行中情報を受信すると、ノイズキャンセル実行中の車両が接近中である旨を路側表示部28に点灯或いは点滅表示(報知)させる。上記路側通信部27は路車間通信制御手段としての機能する。
【0028】
ノイズキャンセル要求信号発生装置4は、歩行者が多い道路や見通しの悪い交差点などの路側に設置されており、常時又は車両通過時にノイズキャンセル実行を要求する旨の信号を出力する。
【0029】
前記車両用ノイズキャンセル装置2の制御部5は、ノイズキャンセル実行条件が予め設定されており、このノイズキャンセル実行条件を図7に示している。この図7から分かるように、このノイズキャンセル実行条件は次の条件Ja=「1」、Jb=「1」、Jc=「1」、Jd=「1」の少なくとも一つを満足することである。
【0030】
条件Ja=「1」(論理値「1」)は、ユーザーがノイズキャンセル選択スイッチ12をオンしたこと(これはJ1=「1」、オフはJ1=「0」)と、自車のノイズ音量(マイク6でノイズ収集して制御部2で計測)が予め定められた基準値より大であること(これはJ2=「1」、未満であるとJ2=「0」)と、自車走行地域が車密度が大なる大通り(この地域情報はナビゲーション装置10から取得)であること(これはJ3=「1」、そうでないないときJ3=「0」)と、さらに省エネ選択スイッチ7がオフであること(J4=「1」、オンであるときJ4=「0」)とをアンド条件で満足することである。
【0031】
又、条件Jb=「1」は、路側のノイズキャンセル実行要求信号発生装置4からノイズキャンセル実行要求信号を受信したこと(受信しないときにはJb=「0」)である。
又、条件Jc=「1」は、自車走行地域が病院や学校などの特別指定地域であることである(当該特別指定地域でないときにはJc=「0」)。
又、条件Jd=「1」は、自車の走行地域が住宅街であって(J5=「1」、そうでないときはJ5=「0」)、且つ時間(この時間情報はナビゲーション装置10から取得)が夜から早朝にかけての時間帯である(J6=「1」、そうでないときにはJ6=「0」)こと。
【0032】
さらに、ノイズキャンセル不実行条件としては、上記条件Ja〜Jdがいずれも「0」、又は、ノイズキャンセル選択スイッチ12がオフ(J1=「0」)がある。
さて、上述した車両用ノイズキャンセルシステム1の動作について説明する。まず図8には車両用ノイズキャンセル装置2の制御部5における制御内容を示している。ステップS1では、ノイズキャンセル選択スイッチ12がユーザー(ドライバ)によってオン操作(ノイズキャンセルを実行するための操作)がされたか否かを判断し、オフ操作されていれば(「NO」)、ノイズキャンセルは実行しない。
ノイズキャンセル選択スイッチ12がオン操作されれば、ステップS2に移行して、マイク6によりノイズ音量を測定し、次のステップS3でナビゲーション装置10より時刻情報及び自車位置情報といった車両走行状況情報を取得する。
【0033】
そしてステップS4では、上記車両走行状況情報を前記設定されたノイズキャンセル実行条件と照合する。次のステップS5で、車両走行状況情報が前記設定されたノイズキャンセル実行条件(図7の条件Ja=「1」、Jb=「1」、Jc=「1」、Jd=「1」のいずれか)に合致(満足)することが判断されると(「YES」)、ステップS6で再度ノイズを収集し、ステップS7で消音用音波信号(逆位相信号)を生成する。
【0034】
そしてステップS8でこの消音用音波信号を2つの消音用スピーカ9から出力させて、ノイズキャンセルを実行し、これによりノイズがキャンセル(無音化)される。次のステップS9でノイズキャンセル実行中である旨を通信部13から無差別方向に発信する。
【0035】
又、前記制御部5は上記図8の制御と並行して、或いは適宜割り込んで図9に示す制御も実行している。この図9において、ステップT1では他車からノイズキャンセル実行中情報を受信したか否かを判断しており、受信すればステップT2に移行してナビゲーション装置10にこのノイズキャンセル実行中情報を送信し、ナビゲーション装置10はステップT3に示すように表示装置18の画面18M(図6参照)にノイズキャンセル実行中の車両(無音車)が接近中である旨の表示(警告、この場合、音声案内でも良い)を行なう。これにより、ノイズキャンセル実行中の他車が接近していることを自車14のユーザーが知ることができる。
【0036】
前記ステップT1で他車からノイズキャンセル実行中情報を受信していないときにはステップT4に移行して、上記警告はしない。
なお、ステップS9でノイズキャンセル実行中である旨を通信部13から無差別方向に発信すした場合、この発信が路側装置3の路側通信部27で受信されると、該路側通信部27が該路側表示部28を点灯又は点滅される。これにより歩行者などがノイズキャンセル実行中の車両が接近していることを知ることができる。
【0037】
さらに、制御部5は、上述した制御と並行して、或いは適宜割り込んで図10に示す制御も実行している。ステップU1で、現在、ノイズキャンセル実行中であることが判断されると、ステップU2に移行し、増幅検出マイク29により収集した音を取得して、消音用音波信号の増幅音量が予め定められた基準値(人が聞こえる程度の基準値)より大であるか否かを判断する。
【0038】
この判断の趣旨は次にある。図11に示すように、車両14が位置P1からP2に移動する際に、位置P1での消音用音波信号と位置P2での消音用音波信号とが干渉して増幅し、音量が大きくなることがある。この音量が上記基準値を超えると、増幅エリアでは歩行者などに騒音として聞こえることがある。このような増幅による騒音が発生しているか否かを前記ステップU2で判断している。
【0039】
このステップU3で、増幅音量が基準値より大であると判断されると、ステップU3に移行し、自車の車両速度(これはナビゲーション装置10から取得する)と消音用音波信号の特性(例えば周波数や波形、これは制御部5自身で作成しているから既知である)とから増幅エリアを特定する。
【0040】
次のステップU4では、増幅抑止スピーカ8から、特定された増幅エリアへ向けて増幅抑制用の音波を出力する。これにより増幅された音波が消音される。
このような本実施形態の車両用ノイズキャンセル装置2によれば、ノイズキャンセル選択スイッチ12によりノイズキャンセルをする旨の入力(オン)があったときには、ナビゲーション装置10が取得した車両走行状況が、予め設定されたノイズキャンセル実行条件を満足したときに、消音用スピーカ9により消音用音波を出力するつまりノイズキャンセルを実行するようにしたから、ユーザーがノイズキャンセルを行なうという意思のもとでは、自車の走行地域が、夜間〜早朝時における住宅地(図7の条件Jd=「1」)、病院など(条件Jd=「1」)、路側からのノイズキャンセル実行要求があった場合(条件Jc=「1」)のいずれかであれば、ノイズキャンセル実行することで無音運転をすることができる。
【0041】
又、自車の走行地域が、夜間〜早朝時における住宅地でなく(図7の条件Jd=「0」)、病院などでもなく(条件Jd=「0」)、路側からのノイズキャンセル実行要求がない場合(条件Jc=「0」)でもない場合には、ノイズキャンセル選択12がオンで、且つ自車のノイズ音量が大で、且つ車密度が大な大通りであって、且つ省エネ選択スイッチがオフ(ユーザーの省エネを選択しない意思によってオフされる)であるときに限ってノイズキャンセルを実行する。
【0042】
又、ノイズキャンセル選択スイッチ12によりノイズキャンセルをしない(オフ)の入力であったときにはノイズキャンセルは不実行となる。従って、ユーザーがノイズキャンセルをしたくないときには、該ノイズキャンセル選択スイッチ12をオフ操作すれば良い。従って、運転音を楽しみたい場合や、歩行者に運転音で車両接近を知らせたい場合にこれを実現できる。又、この場合には省エネを図ることができる。
【0043】
又、本実施形態の車両用ノイズキャンセル装置2によれば、車両の速度情報を取得し、取得した速度情報から消音用音波が波干渉によって増幅するエリアを割り出し、消音用スピーカ9により消音用音波を出力している状況つまりノイズキャンセル実行中では、前記割り出した消音用音波の増幅エリアに対して、増幅抑止用スピーカ8からから増幅抑止用音波を出力するようにしたから、消音用音波による音増幅を抑止することができる。
【0044】
又、本実施形態の車両用ノイズキャンセル装置2においては、他車と通信可能な通信部13(車車間通信手段)と、報知手段である表示装置18と、制御部5で構成される車車間通信制御手段とを備え、この通信制御手段が、消音用スピーカ9により消音用音波を出力している状況では他車に対してノイズキャンセル実行中である旨を前記通信部13を介して送信し、又、他車からノイズキャンセル実行中で旨を前記通信部13を介して受信したときにはノイズキャンセル実行中の車両が接近中である旨を表示装置18により報知する。
【0045】
これによれば、自車がノイズキャンセル実行中であるときには、この旨を他車に知らせることができて、他車において、ノイズキャンセル実行中の静かな車両の接近を知ることができ、又、他車がノイズキャンセル実行中である場合も、自車において知ることができる。
【0046】
また、本実施形態の車両用ノイズキャンセル装置2においては、省エネを選択するか否かを入力する省エネ選択スイッチ7を備え、制御部5で構成されるノイズキャンセル制御手段が、ノイズキャンセル選択スイッチ12によりノイズキャンセルをする旨の入力があって、且つ前記省エネ選択スイッチ7により省エネをしない選択の入力があるときに、前記消音用スピーカ9により消音用音波を出力する。
【0047】
これによれば、ユーザーが省エネをしないことを意識したことを前提に、ノイズキャンセルを実行することができる。
又、本実施形態の車両用ノイズキャンセルシステム1においては、車両用ノイズキャンセル装置2がノイズキャンセル実行中であるときには、路側装置3が、道路近傍の路側表示部28により当該ノイズキャンセル実行中の車両が接近していることを報知できて、歩行者にその旨を報知でき、安全性が向上する。
【0048】
本発明は、上述の実施形態に限られず、次のように変更して実施しても良い。ノイズキャンセル実行条件は、適宜変更しても良い。又、省エネ選択用入力手段は必要に応じて設けても良い。又、各スイッチ(入力手段)はナビゲーション装置のスイッチを利用しても良い。
【符号の説明】
【0049】
図面中、1は車両用ノイズキャンセルシステム、2は車両用ノイズキャンセル装置、3は路側装置、4はノイズキャンセル要求信号発生装置、5は制御部(ノイズキャンセル条件設定手段、ノイズキャンセル制御手段、通信制御手段及び増幅エリア割り出し手段)、6はマイク(ノイズ収集手段)、7は省エネ選択スイッチ(省エネ選択用入力手段)、8は増幅抑止用スピーカ(増幅抑止用音波出力手段)、9は消音用スピーカ(消音用音波出力手段)、10はナビゲーション装置(車両走行状況取得手段、車両速度取得手段)、12はノイズキャンセル選択スイッチ(ノイズキャンセル選択入力手段)、13は通信部(車車間通信手段、路車間通信手段)、18は表示装置(報知手段)、27は路側通信部(路車間通信手段、路側報知制御手段)、28は路側表示部(路側報知手段)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザーにより任意にノイズキャンセル実行可能な車両用ノイズキャンセル装置及び車両用ノイズキャンセルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ノイズキャンセル装置としては特許文献1に記載された技術が知られている。このものでは、マイクでエンジンから発せられる騒音をマイクで拾い、この騒音に対する消音用の音波信号を出力させ、もって騒音を低減もしくはキャンセル(以下ノイズキャンセルという)するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−60515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のノイズキャンセルは、騒音源に対して消音用の音波信号(逆位相音波信号)を出力するものであり、エネルギー消費を伴うものである。
ところが上述の従来技術では、常にノイズキャンセルを行うようにしているため、ノイズキャンセルが不要な場合(例えば昼間の時間帯での住宅地や、郊外など)には、消費エネルギーの無駄を来す。又、車のエンジン音などを楽しみたいユーザー(運転者)にとっては、常にノイズキャンセルが作動しているとその楽しみがなくなる。
又、夜間〜早朝の時間帯での住宅地などでは、ノイズキャンセルするほうが好ましい。
【0005】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、ユーザーにおいてノイズキャンセル実行及び不実行を選択できると共に、ノイズキャンセル実行選択時であっても車両走行状況によってノイズキャンセルを実行或いは停止でき、省エネも図ることが可能となる車両用ノイズキャンセル装置及び車両用ノイズキャンセルシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の車両用ノイズキャンセル装置は、車両に発生するノイズを収集するノイズ収集手段と、自車位置や、自車位置周囲環境、あるいは現在時刻などの車両走行状況を、ノイズを消音するためのノイズキャンセル実行条件として設定したキャンセル条件設定手段と、ノイズをキャンセルするか否かをユーザーが入力するノイズキャンセル選択入力手段と、自車位置検出や自車位置周囲環境及び現在時刻の取得が可能な車両走行状況取得手段と、ノイズを消音するための消音用音波を出力する消音用音波出力手段と、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをする旨の入力があったときには、前記車両走行状況取得手段が取得した車両走行状況が、前記キャンセル条件設定手段により設定されたノイズキャンセル実行条件を満足したときに、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力し、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをしない旨の入力があったときには消音用音波を出力しないノイズキャンセル制御手段とを備えて構成される。
【0007】
この請求項1の車両用ノイズキャンセル装置によれば、ユーザーがノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルすることが選択されると、車両走行状況が、キャンセル条件設定手段により設定されたノイズキャンセル実行条件を満足したことを条件に消音用音波が出力されることでノイズキャンセルが実行されるから、例えば、夜間時における住宅地や、病院などの特定地域といった車両走行状況をノイズキャンセル実行条件に予め設定しておけば、夜間時に住宅地を走行しているときや、病院地域を走行しているときにはノイズキャンセルを実行するようにできる。又、ユーザーがノイズキャンセルしない選択をすれば、一律的にノイズキャンセルを停止でき、エンジン音など車両音をそのまま出すことで歩行者や他車へ自車接近を知らせたり、エンジン音を楽しんだりできる。このときは、消音用音波の出力がないから省エネに寄与できる。このように、ユーザーにおいてノイズキャンセル実行及び不実行を選択できると共に、ノイズキャンセル実行選択時であっても車両走行状況によってノイズキャンセルを実行或いは停止でき、省エネも図ることが可能となる。
【0008】
又、請求項2の車両用ノイズキャンセル装置は、車両の速度情報を取得する車両速度情報取得部と、この車両速度情報取得部で取得した速度情報から消音用音波が波干渉によって増幅するエリアを割り出す増幅エリア割り出し手段と、前記消音用音波出力手段とは別に、増幅抑止用音波を出力する増幅抑止用音波出力手段を備え、前記ノイズキャンセル制御手段は、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力している状況では、前記増幅エリア割り出し手段により割り出した消音用音波の増幅エリアに対して、前記増幅抑止用音波出力手段から増幅抑止用音波を出力するところに特徴を有する。
【0009】
車両の走行中に、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力している状況では、車両のある位置で出力された消音用音波と、これから進んだ別の位置で出力された消音用音波が干渉して音が増幅されることがある。この増幅エリアは車両の速度から予測できるものである。
上述の請求項2においては、増幅エリア割り出し手段により割り出した消音用音波の増幅エリアに対して、前記増幅抑止用音波出力手段から増幅抑止用音波を出力するから、消音用音波による音増幅を抑止することができる。
【0010】
請求項3の車両用ノイズキャンセル装置は、他車と通信可能な車車間通信手段と、報知手段と、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力している状況では他車に対してノイズキャンセル実行中である旨を前記車車間通信手段を介して送信し、又、他車からノイズキャンセル実行中で旨を前記車車間通信手段を介して受信したときにはノイズキャンセル実行中の車両が接近中である旨を前記報知手段により報知する通信制御手段とを設けたところに特徴を有する。
【0011】
この請求項3においては、自車がノイズキャンセル実行中であるときには、この旨を他車に知らせることができて、他車において、ノイズキャンセル実行中の静かな車両の接近を知ることができる。又、他車がノイズキャンセル実行中である場合も、自車において知ることができる。
【0012】
請求項4の車両用ノイズキャンセル装置は、省エネを選択するか否かをユーザーが入力する省エネ選択用入力手段を備え、前記ノイズキャンセル制御手段が、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをする旨の入力があって、且つ前記省エネ選択用入力手段により省エネをしない選択の入力があるときに、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力するところに特徴を有する。
【0013】
この請求項4においては、ユーザーが省エネをしないことを意識したことを前提に、ノイズキャンセルを実行することができる。
請求項5の車両用ノイズキャンセルシステムにおいては、車両用ノイズキャンセル装置が請求項1と同様の作用効果を奏するのに加え、当該車両用ノイズキャンセル装置がノイズキャンセル実行中であるときには、路側装置が、道路近傍の路側報知手段により当該ノイズキャンセル実行中の車両が接近していることを報知できて、歩行者にその旨を報知でき、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態を示す車両用ノイズキャンセルシステムのブロック図
【図2】各構成部品の概略的配置を示す図
【図3】ナビゲーション装置のブロック図
【図4】路側装置の路側表示部を示す道路部分の斜視図
【図5】表示装置部分を示す車内の斜視図
【図6】表示装置の画面を示す図
【図7】ノイズキャンセル実行条件を概念的に示す図
【図8】制御部の制御内容を示す図(その1)
【図9】制御部の制御内容を示す図(その2)
【図10】制御部の制御内容を示す図(その3)
【図11】消音用音波の増幅を概念的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図1ないし図11を参照して説明する。図1には車両用ノイズキャンセルシステムの機能的構成をブロック図で示している。この車両用ノイズキャンセルシステム1は、車両用ノイズキャンセル装置2と、路側装置3と、ノイズキャンセル要求信号発生装置4とを備えて構成されている。
【0016】
前記車両用ノイズキャンセル装置2は、車両14(図2、図4参照)に搭載されており、ノイズキャンセル条件設定手段、ノイズキャンセル制御手段、増幅エリア割り出し手段、車車間通信制御手段としての制御部5と、ノイズ収集手段としてのマイク6と、省エネ選択用入力手段としての省エネ選択スイッチ7と、増幅抑止用音波出力手段としての増幅抑止用スピーカ8と、消音用音波出力手段としての消音用スピーカ9と、車両走行状況取得手段及び車両速度取得手段としてのナビゲーション装置10と、記憶部11と、ノイズキャンセル選択入力手段としてのノイズキャンセル選択スイッチ12と、車車間通信手段及び路車間通信手段を兼用する通信部13と、増幅検出マイク29とを備えて構成されている。
【0017】
前記制御部5は、CPUやRAM、RAMを有するマイクロコンピュータから構成されている。前記マイク6は、エンジンなどのノイズ発生部の音を拾う(収集)ものであり、車両14のエンジンルームに向けて設けられている。又、前記省エネ選択スイッチ7は、ユーザー(ドライバ)が省エネをする又はしないといった意思を示すために、車両14のインストルメントパネルに設けられていてユーザーにより操作される。
【0018】
前記増幅抑止用スピーカ8は、指向性スピーカからなり、車両14の適宜箇所2か所(例えば車両14やや後部左右部)に、制御部5が備えた向き変更機構により向き変更可能に設けられている。
【0019】
又、消音用スピーカ9は2個の例えば無指向性スピーカからなり、これは例えば前記エンジンルーム近傍と車両14後部に設けられている。
前記記憶部11は例えば不揮発性メモリからなり、予め設定された、或いはユーザーが設定したノイズキャンセル条件を記憶しておくためのものである。
【0020】
前記ノイズキャンセル選択スイッチ12は、車両14のインストルメントパネルに設けられていてユーザー(ドライバ)により操作される。
前記通信部13の無線通信方式は、ブルートゥース、DSRC、赤外線、携帯電話などの通信網を利用した通信方式が考えられる。この通信部13は後述するナビゲーション装置10に接続されている。
前記増幅検出マイク29は、増幅発生検出手段であり、例えば車両14の後部に設けられており、車両14の走行時に前記消音用スピーカ9による音の干渉により音量が増幅しているか否かを検出するためのものである。
【0021】
前記ナビゲーション装置10は、図3に示すように、そのナビゲーション動作を制御する機能を有した制御回路(経路探索手段、音声案内手段、発話時間算出手段、車両速度検出手段)15に、位置検出器(車両位置取得手段)16、地図データベース(地図データ記憶手段に相当)17、表示装置18、操作スイッチ群19、音声出力装置20、リモコンセンサ21、外部メモリ22、前記通信部13などを接続して構成されている。
制御回路15は、CPU、ROM、RAM、I/Oインタフェース及びこれらを接続するバスラインなど(何れも図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成されている。
【0022】
位置検出器16は、GPS(Global Positioning System)受信機23、ジャイロセンサ24、車両の走行速度を検出する車速センサ25などから構成されている。位置検出器16は、上記各位置検出要素の検出信号を補間しながら高精度に車両の位置を検出するようになっている。なお、要求される検出精度によってはこれらの一部のみで構成してもよいし、さらに、車両の加速度を検出する加速度センサなどを加えてもよい。
【0023】
地図データベース17は、CD−ROM、DVD−ROM、或いはハードディスク、不揮発性の半導体メモリなどのような大容量の情報記録媒体を利用して構成されたものであり、地図表示のための地図描画用データ、マップマッチング、経路探索、経路案内などの種々の処理に必要な道路データ、交差点の詳細データから成る交差点データ、背景レイヤのための背景データ、地名などを表示するための地名データの他に、住宅街、住宅が疎らな区域、工業地区、施設情報(病院とか、公園、店舗)などのデータベース、電話番号と施設の対応を示す電話番号データベースなど、多様な地図データが記憶されている。
【0024】
表示装置18は、経路案内などのための表示装置であるが、車両用ノイズキャンセル装置2の報知手段も兼用している。車両14の運転席近傍に設置される。
操作スイッチ群19は、表示装置5の周辺に配置されたメカニカルスイッチや当該表示装置5のディスプレイ上に形成されたタッチパネルスイッチなどから成り、各種のデータや設定事項などの操作に係るコマンドを制御回路15に与えるために設けられている。
【0025】
音声出力装置20は、経路案内に関連した音声ガイドを行うためのものであり、音声合成回路、アンプ、スピーカなどを備えたものある。
リモコンセンサ21は、リモコン26からの操作信号を受信して制御回路15に与える構成となっている。
【0026】
外部メモリ22は、フラッシュメモリなどのデータ書き換え可能な不揮発性メモリより構成されたもので、例えば他の規格の情報記録媒体に対応するためのプログラムソフトを記憶したり、特定データ(走行軌跡の履歴やデジタルカメラにより取り込んだ任意の画像データなど)の保存や呼出などを行ったりするために設けられている。
【0027】
この他、前記制御回路15は、前記位置検出器16により検出した自車位置情報や、車速情報を前記制御部5に送信する。
又、前記路側装置3は、路側の適宜箇所(例えば歩行者が多い道路など)に設置された路車間通信手段としての路側通信部27と、同じく歩行者が多い道路などの路側の適宜箇所に設けられた路側報知手段としての路側表示部28とを有してなり、路側通信部27が前記通信部13から送信されたノイズキャンセル実行中情報を受信すると、ノイズキャンセル実行中の車両が接近中である旨を路側表示部28に点灯或いは点滅表示(報知)させる。上記路側通信部27は路車間通信制御手段としての機能する。
【0028】
ノイズキャンセル要求信号発生装置4は、歩行者が多い道路や見通しの悪い交差点などの路側に設置されており、常時又は車両通過時にノイズキャンセル実行を要求する旨の信号を出力する。
【0029】
前記車両用ノイズキャンセル装置2の制御部5は、ノイズキャンセル実行条件が予め設定されており、このノイズキャンセル実行条件を図7に示している。この図7から分かるように、このノイズキャンセル実行条件は次の条件Ja=「1」、Jb=「1」、Jc=「1」、Jd=「1」の少なくとも一つを満足することである。
【0030】
条件Ja=「1」(論理値「1」)は、ユーザーがノイズキャンセル選択スイッチ12をオンしたこと(これはJ1=「1」、オフはJ1=「0」)と、自車のノイズ音量(マイク6でノイズ収集して制御部2で計測)が予め定められた基準値より大であること(これはJ2=「1」、未満であるとJ2=「0」)と、自車走行地域が車密度が大なる大通り(この地域情報はナビゲーション装置10から取得)であること(これはJ3=「1」、そうでないないときJ3=「0」)と、さらに省エネ選択スイッチ7がオフであること(J4=「1」、オンであるときJ4=「0」)とをアンド条件で満足することである。
【0031】
又、条件Jb=「1」は、路側のノイズキャンセル実行要求信号発生装置4からノイズキャンセル実行要求信号を受信したこと(受信しないときにはJb=「0」)である。
又、条件Jc=「1」は、自車走行地域が病院や学校などの特別指定地域であることである(当該特別指定地域でないときにはJc=「0」)。
又、条件Jd=「1」は、自車の走行地域が住宅街であって(J5=「1」、そうでないときはJ5=「0」)、且つ時間(この時間情報はナビゲーション装置10から取得)が夜から早朝にかけての時間帯である(J6=「1」、そうでないときにはJ6=「0」)こと。
【0032】
さらに、ノイズキャンセル不実行条件としては、上記条件Ja〜Jdがいずれも「0」、又は、ノイズキャンセル選択スイッチ12がオフ(J1=「0」)がある。
さて、上述した車両用ノイズキャンセルシステム1の動作について説明する。まず図8には車両用ノイズキャンセル装置2の制御部5における制御内容を示している。ステップS1では、ノイズキャンセル選択スイッチ12がユーザー(ドライバ)によってオン操作(ノイズキャンセルを実行するための操作)がされたか否かを判断し、オフ操作されていれば(「NO」)、ノイズキャンセルは実行しない。
ノイズキャンセル選択スイッチ12がオン操作されれば、ステップS2に移行して、マイク6によりノイズ音量を測定し、次のステップS3でナビゲーション装置10より時刻情報及び自車位置情報といった車両走行状況情報を取得する。
【0033】
そしてステップS4では、上記車両走行状況情報を前記設定されたノイズキャンセル実行条件と照合する。次のステップS5で、車両走行状況情報が前記設定されたノイズキャンセル実行条件(図7の条件Ja=「1」、Jb=「1」、Jc=「1」、Jd=「1」のいずれか)に合致(満足)することが判断されると(「YES」)、ステップS6で再度ノイズを収集し、ステップS7で消音用音波信号(逆位相信号)を生成する。
【0034】
そしてステップS8でこの消音用音波信号を2つの消音用スピーカ9から出力させて、ノイズキャンセルを実行し、これによりノイズがキャンセル(無音化)される。次のステップS9でノイズキャンセル実行中である旨を通信部13から無差別方向に発信する。
【0035】
又、前記制御部5は上記図8の制御と並行して、或いは適宜割り込んで図9に示す制御も実行している。この図9において、ステップT1では他車からノイズキャンセル実行中情報を受信したか否かを判断しており、受信すればステップT2に移行してナビゲーション装置10にこのノイズキャンセル実行中情報を送信し、ナビゲーション装置10はステップT3に示すように表示装置18の画面18M(図6参照)にノイズキャンセル実行中の車両(無音車)が接近中である旨の表示(警告、この場合、音声案内でも良い)を行なう。これにより、ノイズキャンセル実行中の他車が接近していることを自車14のユーザーが知ることができる。
【0036】
前記ステップT1で他車からノイズキャンセル実行中情報を受信していないときにはステップT4に移行して、上記警告はしない。
なお、ステップS9でノイズキャンセル実行中である旨を通信部13から無差別方向に発信すした場合、この発信が路側装置3の路側通信部27で受信されると、該路側通信部27が該路側表示部28を点灯又は点滅される。これにより歩行者などがノイズキャンセル実行中の車両が接近していることを知ることができる。
【0037】
さらに、制御部5は、上述した制御と並行して、或いは適宜割り込んで図10に示す制御も実行している。ステップU1で、現在、ノイズキャンセル実行中であることが判断されると、ステップU2に移行し、増幅検出マイク29により収集した音を取得して、消音用音波信号の増幅音量が予め定められた基準値(人が聞こえる程度の基準値)より大であるか否かを判断する。
【0038】
この判断の趣旨は次にある。図11に示すように、車両14が位置P1からP2に移動する際に、位置P1での消音用音波信号と位置P2での消音用音波信号とが干渉して増幅し、音量が大きくなることがある。この音量が上記基準値を超えると、増幅エリアでは歩行者などに騒音として聞こえることがある。このような増幅による騒音が発生しているか否かを前記ステップU2で判断している。
【0039】
このステップU3で、増幅音量が基準値より大であると判断されると、ステップU3に移行し、自車の車両速度(これはナビゲーション装置10から取得する)と消音用音波信号の特性(例えば周波数や波形、これは制御部5自身で作成しているから既知である)とから増幅エリアを特定する。
【0040】
次のステップU4では、増幅抑止スピーカ8から、特定された増幅エリアへ向けて増幅抑制用の音波を出力する。これにより増幅された音波が消音される。
このような本実施形態の車両用ノイズキャンセル装置2によれば、ノイズキャンセル選択スイッチ12によりノイズキャンセルをする旨の入力(オン)があったときには、ナビゲーション装置10が取得した車両走行状況が、予め設定されたノイズキャンセル実行条件を満足したときに、消音用スピーカ9により消音用音波を出力するつまりノイズキャンセルを実行するようにしたから、ユーザーがノイズキャンセルを行なうという意思のもとでは、自車の走行地域が、夜間〜早朝時における住宅地(図7の条件Jd=「1」)、病院など(条件Jd=「1」)、路側からのノイズキャンセル実行要求があった場合(条件Jc=「1」)のいずれかであれば、ノイズキャンセル実行することで無音運転をすることができる。
【0041】
又、自車の走行地域が、夜間〜早朝時における住宅地でなく(図7の条件Jd=「0」)、病院などでもなく(条件Jd=「0」)、路側からのノイズキャンセル実行要求がない場合(条件Jc=「0」)でもない場合には、ノイズキャンセル選択12がオンで、且つ自車のノイズ音量が大で、且つ車密度が大な大通りであって、且つ省エネ選択スイッチがオフ(ユーザーの省エネを選択しない意思によってオフされる)であるときに限ってノイズキャンセルを実行する。
【0042】
又、ノイズキャンセル選択スイッチ12によりノイズキャンセルをしない(オフ)の入力であったときにはノイズキャンセルは不実行となる。従って、ユーザーがノイズキャンセルをしたくないときには、該ノイズキャンセル選択スイッチ12をオフ操作すれば良い。従って、運転音を楽しみたい場合や、歩行者に運転音で車両接近を知らせたい場合にこれを実現できる。又、この場合には省エネを図ることができる。
【0043】
又、本実施形態の車両用ノイズキャンセル装置2によれば、車両の速度情報を取得し、取得した速度情報から消音用音波が波干渉によって増幅するエリアを割り出し、消音用スピーカ9により消音用音波を出力している状況つまりノイズキャンセル実行中では、前記割り出した消音用音波の増幅エリアに対して、増幅抑止用スピーカ8からから増幅抑止用音波を出力するようにしたから、消音用音波による音増幅を抑止することができる。
【0044】
又、本実施形態の車両用ノイズキャンセル装置2においては、他車と通信可能な通信部13(車車間通信手段)と、報知手段である表示装置18と、制御部5で構成される車車間通信制御手段とを備え、この通信制御手段が、消音用スピーカ9により消音用音波を出力している状況では他車に対してノイズキャンセル実行中である旨を前記通信部13を介して送信し、又、他車からノイズキャンセル実行中で旨を前記通信部13を介して受信したときにはノイズキャンセル実行中の車両が接近中である旨を表示装置18により報知する。
【0045】
これによれば、自車がノイズキャンセル実行中であるときには、この旨を他車に知らせることができて、他車において、ノイズキャンセル実行中の静かな車両の接近を知ることができ、又、他車がノイズキャンセル実行中である場合も、自車において知ることができる。
【0046】
また、本実施形態の車両用ノイズキャンセル装置2においては、省エネを選択するか否かを入力する省エネ選択スイッチ7を備え、制御部5で構成されるノイズキャンセル制御手段が、ノイズキャンセル選択スイッチ12によりノイズキャンセルをする旨の入力があって、且つ前記省エネ選択スイッチ7により省エネをしない選択の入力があるときに、前記消音用スピーカ9により消音用音波を出力する。
【0047】
これによれば、ユーザーが省エネをしないことを意識したことを前提に、ノイズキャンセルを実行することができる。
又、本実施形態の車両用ノイズキャンセルシステム1においては、車両用ノイズキャンセル装置2がノイズキャンセル実行中であるときには、路側装置3が、道路近傍の路側表示部28により当該ノイズキャンセル実行中の車両が接近していることを報知できて、歩行者にその旨を報知でき、安全性が向上する。
【0048】
本発明は、上述の実施形態に限られず、次のように変更して実施しても良い。ノイズキャンセル実行条件は、適宜変更しても良い。又、省エネ選択用入力手段は必要に応じて設けても良い。又、各スイッチ(入力手段)はナビゲーション装置のスイッチを利用しても良い。
【符号の説明】
【0049】
図面中、1は車両用ノイズキャンセルシステム、2は車両用ノイズキャンセル装置、3は路側装置、4はノイズキャンセル要求信号発生装置、5は制御部(ノイズキャンセル条件設定手段、ノイズキャンセル制御手段、通信制御手段及び増幅エリア割り出し手段)、6はマイク(ノイズ収集手段)、7は省エネ選択スイッチ(省エネ選択用入力手段)、8は増幅抑止用スピーカ(増幅抑止用音波出力手段)、9は消音用スピーカ(消音用音波出力手段)、10はナビゲーション装置(車両走行状況取得手段、車両速度取得手段)、12はノイズキャンセル選択スイッチ(ノイズキャンセル選択入力手段)、13は通信部(車車間通信手段、路車間通信手段)、18は表示装置(報知手段)、27は路側通信部(路車間通信手段、路側報知制御手段)、28は路側表示部(路側報知手段)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に発生するノイズを収集するノイズ収集手段と、
自車位置や、自車位置周囲環境、あるいは現在時刻などの車両走行状況を、ノイズを消音するためのノイズキャンセル実行条件として設定したキャンセル条件設定手段と、
ノイズをキャンセルするか否かをユーザーが入力するノイズキャンセル選択入力手段と、
自車位置検出や自車位置周囲環境及び現在時刻の取得が可能な車両走行状況取得手段と、
ノイズを消音するための消音用音波を出力する消音用音波出力手段と、
前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをする旨の入力があったときには、前記車両走行状況取得手段が取得した車両走行状況が、前記キャンセル条件設定手段により設定されたノイズキャンセル実行条件を満足したときに、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力し、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをしない旨の入力があったときには消音用音波を出力しないノイズキャンセル制御手段と
を備えたことを特徴とする車両用ノイズキャンセル装置。
【請求項2】
車両の速度情報を取得する車両速度情報取得部と、
この車両速度情報取得部で取得した速度情報から消音用音波が波干渉によって増幅するエリアを割り出す増幅エリア割り出し手段と、
前記消音用音波出力手段とは別に、増幅抑止用音波を出力する増幅抑止用音波出力手段を備え、
前記ノイズキャンセル制御手段は、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力している状況では、前記増幅エリア割り出し手段により割り出した消音用音波の増幅エリアに対して、前記増幅抑止用音波出力手段から増幅抑止用音波を出力することを特徴とする請求項1に記載の車両用ノイズキャンセル装置。
【請求項3】
他車と通信可能な車車間通信手段と、
報知手段と、
前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力している状況では他車に対してノイズキャンセル実行中である旨を前記車車間通信手段を介して送信し、又、他車からノイズキャンセル実行中で旨を前記通信手段を介して受信したときにはノイズキャンセル実行中の車両が接近中である旨を前記報知手段により報知する車車間通信制御手段とを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ノイズキャンセル装置。
【請求項4】
省エネを選択するか否かをユーザーが入力する省エネ選択用入力手段を備え、
前記ノイズキャンセル制御手段は、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをする旨の入力があって、且つ前記省エネ選択用入力手段により省エネをしない選択の入力があるときに、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用ノイズキャンセル装置。
【請求項5】
車両用ノイズキャンセル装置と、この車両用ノイズキャンセル装置と路車間通信手段を介して通信が可能な路側装置とを備えた車両用ノイズキャンセルシステムであって、
前記車両用ノイズキャンセル装置は、
車両に発生するノイズを収集するノイズ収集手段と、
自車位置や、自車位置周囲環境、あるいは現在時刻などの車両走行状況を、ノイズを消音するためのノイズキャンセル実行条件として設定したキャンセル条件設定手段と、
ノイズをキャンセルするか否かをユーザーが入力するノイズキャンセル選択入力手段と、
自車位置検出や自車位置周囲環境及び現在時刻の取得が可能な車両走行状況取得手段と、
ノイズを消音するための消音用音波を出力する消音用音波出力手段と、
前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをする旨の入力があったときには、前記車両走行状況取得手段が取得した車両走行状況が、前記キャンセル条件設定手段により設定されたノイズキャンセル実行条件を満足したときに、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力し、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをしない旨の入力があったときには消音用音波を出力せず、消音用音波出力中はノイズキャンセル実行中であることを前記路車間通信手段を介して前記路側装置に送信するノイズキャンセル制御手段とを備え、
前記路側装置は、
道路近傍に設けられた路側報知手段と、
道路近傍に設けられ前記通信手段を介して前記車両用ノイズキャンセル装置からノイズキャンセル実行中である情報を受け取ったときに、前記路側報知手段にノイズキャンセル実行中の車両が接近中であることを報知させる路側報知制御手段とを備えたことを特徴とする車両用ノイズキャンセルシステム。
【請求項1】
車両に発生するノイズを収集するノイズ収集手段と、
自車位置や、自車位置周囲環境、あるいは現在時刻などの車両走行状況を、ノイズを消音するためのノイズキャンセル実行条件として設定したキャンセル条件設定手段と、
ノイズをキャンセルするか否かをユーザーが入力するノイズキャンセル選択入力手段と、
自車位置検出や自車位置周囲環境及び現在時刻の取得が可能な車両走行状況取得手段と、
ノイズを消音するための消音用音波を出力する消音用音波出力手段と、
前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをする旨の入力があったときには、前記車両走行状況取得手段が取得した車両走行状況が、前記キャンセル条件設定手段により設定されたノイズキャンセル実行条件を満足したときに、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力し、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをしない旨の入力があったときには消音用音波を出力しないノイズキャンセル制御手段と
を備えたことを特徴とする車両用ノイズキャンセル装置。
【請求項2】
車両の速度情報を取得する車両速度情報取得部と、
この車両速度情報取得部で取得した速度情報から消音用音波が波干渉によって増幅するエリアを割り出す増幅エリア割り出し手段と、
前記消音用音波出力手段とは別に、増幅抑止用音波を出力する増幅抑止用音波出力手段を備え、
前記ノイズキャンセル制御手段は、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力している状況では、前記増幅エリア割り出し手段により割り出した消音用音波の増幅エリアに対して、前記増幅抑止用音波出力手段から増幅抑止用音波を出力することを特徴とする請求項1に記載の車両用ノイズキャンセル装置。
【請求項3】
他車と通信可能な車車間通信手段と、
報知手段と、
前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力している状況では他車に対してノイズキャンセル実行中である旨を前記車車間通信手段を介して送信し、又、他車からノイズキャンセル実行中で旨を前記通信手段を介して受信したときにはノイズキャンセル実行中の車両が接近中である旨を前記報知手段により報知する車車間通信制御手段とを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ノイズキャンセル装置。
【請求項4】
省エネを選択するか否かをユーザーが入力する省エネ選択用入力手段を備え、
前記ノイズキャンセル制御手段は、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをする旨の入力があって、且つ前記省エネ選択用入力手段により省エネをしない選択の入力があるときに、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用ノイズキャンセル装置。
【請求項5】
車両用ノイズキャンセル装置と、この車両用ノイズキャンセル装置と路車間通信手段を介して通信が可能な路側装置とを備えた車両用ノイズキャンセルシステムであって、
前記車両用ノイズキャンセル装置は、
車両に発生するノイズを収集するノイズ収集手段と、
自車位置や、自車位置周囲環境、あるいは現在時刻などの車両走行状況を、ノイズを消音するためのノイズキャンセル実行条件として設定したキャンセル条件設定手段と、
ノイズをキャンセルするか否かをユーザーが入力するノイズキャンセル選択入力手段と、
自車位置検出や自車位置周囲環境及び現在時刻の取得が可能な車両走行状況取得手段と、
ノイズを消音するための消音用音波を出力する消音用音波出力手段と、
前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをする旨の入力があったときには、前記車両走行状況取得手段が取得した車両走行状況が、前記キャンセル条件設定手段により設定されたノイズキャンセル実行条件を満足したときに、前記消音用音波出力手段により消音用音波を出力し、前記ノイズキャンセル選択入力手段によりノイズキャンセルをしない旨の入力があったときには消音用音波を出力せず、消音用音波出力中はノイズキャンセル実行中であることを前記路車間通信手段を介して前記路側装置に送信するノイズキャンセル制御手段とを備え、
前記路側装置は、
道路近傍に設けられた路側報知手段と、
道路近傍に設けられ前記通信手段を介して前記車両用ノイズキャンセル装置からノイズキャンセル実行中である情報を受け取ったときに、前記路側報知手段にノイズキャンセル実行中の車両が接近中であることを報知させる路側報知制御手段とを備えたことを特徴とする車両用ノイズキャンセルシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−152820(P2011−152820A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14180(P2010−14180)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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