説明

転写印刷用スタンプ製造方法および電子デバイス

【課題】気泡の除去を容易にするとともに変形を抑えた転写印刷用スタンプの製造方法および電子デバイスを提供する。
【解決手段】転写印刷用スタンプ5は、通気性シート3に樹脂を含浸させて通気性シート3を第1樹脂層100中に含まれるように構成させている。これにより、第1樹脂層100中に含まれる気泡を通気性シート3の隙間を通して容易に脱気させることができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消することができる。また、通気性シート3は、第1樹脂層100中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプ5の強度を高めることができ、変形を抑えることができる。そのため、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント法により形成された、微細パターン形成のための転写印刷用スタンプの製造方法、およびその転写印刷用スタンプを用いて製造された電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示ディスプレイやイメージセンサなどの光マトリックスデバイスは、薄膜トランジスタやコンデンサなどの多数の電子デバイスが組み合わされて構成されている。この電子デバイスの製造は、リソグラフィ法以外にも印刷技術を応用した方法で行われている。例えば、凹凸パターンが形成されたスタンプ(転写型ともいう)に真空蒸着法などにより物質を堆積させて、その物質を製品用基板上に転写させて微細パターンを形成させている。この転写印刷に用いられるスタンプは、ナノインプリント法(技術)により形成されている。
【0003】
ナノインプリント法は、樹脂などを基板にコーティングした後に、凹凸パターンを有する原版を押しつけることで凹凸パターンを形成したり、原版に樹脂をコーティングすることで凹凸パターンを形成したりしている。
【0004】
ところで、スタンプの製造方法は、例えば、原版(マスター版)にPDMS(Polydimethylsiloxane)をコーティング(塗布)し、そのコーティングされたPDMS層上にスタンプ用基板を接着させている。そして、原版からPDMS層および基板を剥離させている。これにより、マスター版の凹凸パターンが形成されたPDMS層を有するスタンプを製造している(例えば特許文献1)。
【0005】
このようなスタンプの製造方法には、基板とPDMS層とを接触させる際に、基板とPDMS層との間に気泡が混入してしまうという問題がある。気泡が混入すると、凹凸パターンが欠損してしまうなど転写印刷を高品質に行うことができなくなる。また、転写させる物質を堆積させる真空時に、スタンプ内の気泡が膨張して破裂してスタンプを破損させてしまうこともある。特許文献1では、基板とPDMS層とを接触させる速度を所定の範囲に精密に制御することにより気泡を除去する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−080865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、気泡を除去するために基板とPDMS層との接触速度を精密に制御するための装置が必要であり、必ずしも簡易な方法とは言えないという問題点がある。また、例えば、PDMSのみでスタンプを製造しようにも、PDMSは、非常に柔らかいシリコーンゴムであり、伸びやすく、また、熱膨張率も大きいので(200〜400ppm/℃)、大面積のものになると寸法精度が出ないという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、気泡の除去を容易にするとともに変形を抑えた転写印刷用スタンプの製造方法、およびその転写印刷用スタンプを用いて製造された電子デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法は、原版に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層を形成する工程と、前記第1樹脂層上に通気性シートを載置して前記通気性シートに前記第1樹脂を含浸させる工程と、前記第1樹脂層を硬化させる工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法によれば、第1樹脂層上に通気性シートを載置して通気性シートに第1樹脂を含浸させている。すなわち、通気性シートを用いることにより、第1樹脂層中に含まれる気泡を通気性シートの隙間を通して容易に脱気させることができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消することができる。また、通気性シートは、第1樹脂層中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプの強度を高めることができ、変形を抑えることができる。そのため、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。
【0011】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法は、前記第1樹脂層を硬化させる前に、前記第1樹脂層の周囲を減圧する工程を備えていることが好ましい。これにより、第1樹脂層中に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。
【0012】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法は、原版に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層を形成する工程と、前記第1樹脂層上に第2樹脂をコーティングして第2樹脂層を形成する工程と、前記第2樹脂層上に通気性シートを載置して、前記通気性シートに前記第2樹脂を含浸させながら前記第1樹脂層上に前記通気性シートを載置する工程と、前記第2樹脂層を硬化させる工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法によれば、原版に形成された硬化後の第1樹脂層上に第2樹脂をコーティングして第2樹脂層を形成し、第2樹脂層上に通気性シートを載置して、通気性シートに第2樹脂を含浸させながら第1樹脂層上に通気性シートを載置している。すなわち、通気性シートを用いることにより、第2樹脂層中に含まれる気泡を通気性シートの隙間を通して容易に脱気させることができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消することができる。また、通気性シートは、第2樹脂層中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプの強度を高めることができ、変形を抑えることができる。そのため、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。
【0014】
また、通気性シートを第1樹脂層上に載置する前に、第2樹脂層を形成している。通気性シートを載置した際に、第2樹脂が通気性シートの面内の隙間から染み込むことにより、通気性シートのズレを抑えることができる。また、第2樹脂層を硬化させることにより、通気性シートと第2樹脂層とを、第1樹脂層と一体にすることができる。すなわち、通気性シートを第1樹脂層側に容易に固定させることができる。
【0015】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法において、前記第2樹脂層を硬化させる前に、前記第2樹脂層の周囲を減圧する工程を備えていることが好ましい。これにより、第2樹脂層中に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。
【0016】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法において、前記第2樹脂層から突出している前記通気性シートに第3樹脂をコーティングして前記通気性シートに第3樹脂を含浸させて第3樹脂層を形成する工程と、前記第3樹脂層を硬化させる工程と、を備えていることが好ましい。通気性シートに含浸させた第3樹脂層中に含まれる気泡を通気性シートの隙間を通して容易に脱気させることができる。また、通気性シートが第3樹脂層中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプの強度を高めることができ、変形を抑えることができる。
【0017】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法において、前記第3樹脂層を硬化させる前に、前記第3樹脂層の周囲を減圧する工程を備えていることが好ましい。これにより、第3樹脂層中に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。
【0018】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法は、原版に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層を形成する工程と、前記第1樹脂層を硬化させる工程と、前記原版に形成された硬化後の前記第1樹脂層上に第2樹脂をコーティングして第2樹脂層を形成する工程と、前記第2樹脂層上に通気性シートを載置して、前記通気性シートに前記第2樹脂を含浸させながら前記第1樹脂層上に前記通気性シートを載置する工程と、前記第2樹脂層から突出している前記通気性シートに第3樹脂をコーティングして前記通気性シートに第3樹脂を含浸させて第3樹脂層を形成する工程と、前記第2樹脂層および前記第3樹脂層を硬化させる工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法によれば、原版に形成された硬化後の第1樹脂層上に第2樹脂をコーティングして第2樹脂層を形成し、第2樹脂層上に通気性シートを載置して、通気性シートに第2樹脂を含浸させながら第1樹脂層上に通気性シートを載置している。また、第2樹脂層から突出している通気性シートに第3樹脂をコーティングして通気性シートに第3樹脂を含浸させて第3樹脂層を形成している。すなわち、通気性シートを用いることにより、第2樹脂層および第3樹脂層中含まれる気泡を通気性シートの隙間を通して、同時にかつ容易に脱気させることができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消することができる。また、通気性シートは、第2樹脂層および第3樹脂層中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプの強度を高めることができ、変形を抑えることができる。そのため、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。また、製造工程を簡単にすることができる。
【0020】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法は、前記第2樹脂層および前記第3樹脂層を硬化させる前に、前記第2樹脂層および前記第3樹脂層の周囲を減圧する工程を備えていることが好ましい。これにより、前記第2樹脂層および前記第3樹脂層中に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。
【0021】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法は、原版に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層を形成する工程と、前記第1樹脂層を硬化させる工程と、硬化後の前記第1樹脂層上に通気性シートを載置する工程と、前記通気性シートに第4樹脂をコーティングして前記通気性シートに第4樹脂を含浸させて第4樹脂層を形成する工程と、前記第4樹脂層を硬化させる工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0022】
本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法によれば、第1樹脂層上に載置された通気性シートに第4樹脂をコーティングして、通気性シートに第4樹脂を含浸させて第4樹脂層を形成している。すなわち、通気性シートを用いることにより、第4樹脂層の液中に含まれる気泡を通気性シートの隙間を通して容易に脱気させることができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消することができる。また、通気性シートは、第4樹脂層中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプの強度を高めることができ、変形を抑えることができる。そのため、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。また、製造工程を簡単にすることができる。
【0023】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法において、前記第4樹脂層を硬化させる前に、前記第4樹脂層の周囲を減圧する工程を備えていることが好ましい。これにより、第4樹脂層中に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。
【0024】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法において、前記第2樹脂層を硬化させる工程の後、前記通気性シートを冷却する冷却部を前記通気性シートに取り付ける工程を備えていることが好ましい。これにより、転写印刷用スタンプの熱を効率良く除去することができる。
【0025】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法において、前記通気性シートは、ガラス繊維で構成されることが好ましい。これにより、高い耐熱性の他に、ある程度の透明性を持たせることができる。
【0026】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法において、前記通気性シートは、金属またはカーボン繊維で構成されることが好ましい。通気性シートとして金属またはカーボン繊維を用いているので、転写印刷用スタンプの熱伝導率を良くすることができる。
【0027】
また、本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法において、前記通気性シートを載置する前に前記第1樹脂層を硬化させる工程とを備えていることが好ましい。これにより、通気性シートが転写印刷用スタンプの凹凸パターン表面に飛び出ることを防ぐことができるとともに、通気シートの載置を容易に行うことができる。
【0028】
また、本発明に係る電子デバイスは、上述の転写印刷用スタンプの製造方法で製造された前記転写印刷用スタンプを用いて製造されている。すなわち、気泡の除去を容易にするとともに変形を抑えた転写印刷用スタンプで用いているので、高品質な転写印刷により製造された電子デバイスを得ることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る転写印刷用スタンプの製造方法によれば、通気性シートに樹脂を含浸させて通気性シートを樹脂層中に含まれるように構成させている。これにより、樹脂層中に含まれる気泡を通気性シートの隙間を通して容易に脱気させることができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消することができる。また、通気性シートは、樹脂層中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプの強度を高めることができ、変形を抑えることができる。そのため、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施例1に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示すフローチャートである。
【図2】実施例1に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図3】実施例1に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図4】実施例1に係る転写印刷用スタンプの斜視図である。
【図5】ガラス繊維にシリコーンゴム(PDMS)を含浸させて形成された転写印刷用スタンプを一部拡大して示す平面図である。
【図6】実施例2に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示すフローチャートである。
【図7】実施例2に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図8】実施例2に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図9】実施例2に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図10】実施例2に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図11】実施例2に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図12】実施例3に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示すフローチャートである。
【図13】実施例3に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図14】実施例3に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図15】実施例3に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図16】実施例4に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示すフローチャートである。
【図17】実施例4に係る通気性シートの一例を示した模式図である。
【図18】実施例4に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図19】平織りの金属メッシュシートにシリコーンゴム(PDMS)を含浸させて形成された転写印刷用スタンプを一部拡大して示す平面図である。
【図20】実施例4に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。
【図21】実施例5に係る薄膜トランジスタの製造工程を示すフローチャートである。
【図22】実施例5に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す縦断面図である。
【図23】実施例5に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す縦断面図である。
【図24】実施例5に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す縦断面図である。
【図25】実施例5に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す縦断面図である。
【図26】実施例5に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す縦断面図である。
【図27】実施例5に係る薄膜トランジスタの製造工程を示す縦断面図である。
【実施例1】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の実施例1に係る転写印刷用スタンプの製造方法を説明する。図1を参照する。図1は、実施例1に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示すフローチャートである。図2または図3は、転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。なお、以下の説明では転写印刷用スタンプを適宜「スタンプ」と称する。
【0032】
〔ステップS01〕第1樹脂層の形成
図2に示すように、原版1に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層100を形成する。第1樹脂層100は、例えばシリコーンゴム(PDMS)で形成されている。第1樹脂のコーティングは、スピンコート法やスリットコート法などで行われる。
【0033】
〔ステップS02〕通気性シートの載置
第1樹脂層100上に通気性シート3を載置して、通気性シート3に第1樹脂を含浸させる。通気性シート3は、その面内に隙間を有している。例えば、繊維などがシート状になったもの、あるいは、金属の線が織られるなどして形成されたメッシュシートで構成される。通気性シート3は、繊維などが織られたものでも織られていないものでもよい。また、通気性シート3は、ガラス繊維、PETなどからなるプラスチック繊維、金属またはカーボンで構成される。本実施例では、通気性シート3としてガラス繊維を用いる。なお、プラスチック繊維は、隙間の大きいものが好ましい。
【0034】
第1樹脂層100に通気性シート3を載置すると、第1樹脂が通気性シート3の面内の隙間に入り込む。すなわち、通気性シート3には第1樹脂が含浸される。そして、通気性シート3に第1樹脂を含浸させながら、原版1の凸部面を基準として予め設定された高さに保持される。例えば図2に示すように、第1樹脂層100は通気性シート3を内部に含むように構成される。また、第1樹脂層100は通気性シート3全体を含まず、その一部を含んで状態で構成してもよい。
【0035】
〔ステップS03〕第1樹脂層の脱気
ステップS04の第1樹脂層100を硬化させる前に、第1樹脂層100の周囲を減圧して例えば真空状態にする。これにより、第1樹脂層100に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。ステップS02で載置した通気性シート3が隙間を有しているので、第1樹脂層中に含まれる気泡を、隙間を通して脱気することができる。すなわち、通気性シート3と原版1との間に気泡が存在しても、図2の矢印のように通気性シート3の隙間を通って気泡を脱気させることができる。また、仮に、隙間を有さない部材の場合は、気泡が入ってしまうと、隙間を有さない部材と原版1との隙間から脱気させることになる。しかしながら、一旦入ってしまった気泡をその隙間から脱気させることは難しい。
【0036】
〔ステップS04〕第1樹脂層の硬化
第1樹脂層100を脱気させた後、第1樹脂層100を硬化させる。第1樹脂層100の硬化は樹脂の性質により異なる。例えば、熱硬化型のものであれば加熱して、紫外線硬化型のものであればUV照射して、また、その他常温で放置して硬化させるものであれば常温放置(例えば6時間程度)して行われる。
【0037】
〔ステップS05〕剥離
ステップS01〜S04によりスタンプ5が形成される。スタンプ5は、図3に示すように、原版1から剥離(離型)される。
【0038】
図4は、転写印刷用スタンプの斜視図である。スタンプ5の原版1と接していた面には、原版1の凹凸パターンである例えば凸部100aが形成されている。例えば通気性シート3として、ガラス繊維を用いた場合には、高い耐熱性の他に、ある程度の透明性を持たせることができる。ある程度の透明性があれば、スタンプ5越しに、すなわちスタンプ5裏面から目視による位置合わせをすることができる。図5は、ガラス繊維にシリコーンゴム(PDMS)を含浸させて形成された転写印刷用スタンプを一部拡大して示す平面図である。符号pはガラス繊維を示す。
【0039】
上述した実施例1に係る転写印刷用スタンプ5の製造方法によれば、第1樹脂層100上に通気性シート3を載置して、通気性シート3に第1樹脂を含浸させている。すなわち、通気性シート3を用いることにより、第1樹脂層100中に含まれる気泡を通気性シート3の隙間を通して容易に脱気させることができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消することができる。また、通気性シート3は、第1樹脂層100中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプ5の強度を高めることができ、変形を抑えることができる。そのため、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。
【0040】
また、第1樹脂層100を硬化させる前に、第1樹脂層100の周囲を減圧している。これにより、第1樹脂層100中に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。
【実施例2】
【0041】
以下、図面を参照して本発明の実施例2に係る転写印刷用スタンプの製造方法を説明する。図6を参照する。図6は、実施例2に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示すフローチャートである。図7〜図11は、転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。なお、実施例1と重複する部分の説明は省略する。
【0042】
実施例2の転写印刷用スタンプの製造方法は、通気性シート3を載置する前に第1樹脂層100を薄く形成し、硬化させている。
【0043】
〔ステップS11〕第1樹脂層の形成
図7に示すように、原版1に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層100を形成する。第1樹脂層100は、例えばシリコーンゴム(PDMS)で形成されている。第1樹脂のコーティングは、スピンコート法やスリットコート法などで行われる。第1樹脂層100の膜厚は、原版1の凸部面から50μm以下であることが好ましい。これにより、原版1の凹凸パターンを精度良く第1樹脂層100に転写(形成)させることができる。また、後述する通気性シート3などの芯となる部材までの距離が大きくなると、シリコーンゴム単体の硬化収縮が大きく現れるので、芯となる部材を設ける効果が小さくなってしまう。
【0044】
〔ステップS12〕第1樹脂層の脱気
ステップS13の第1樹脂層100を硬化させる前に、原版1を含む第1樹脂層100の周囲を減圧して例えば真空状態にする。これにより、第1樹脂層100の液中に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。
【0045】
〔ステップS13〕第1樹脂層の硬化
原版1に形成された第1樹脂層100を脱気させた後、第1樹脂層100を硬化させる。第1樹脂層100の硬化は、樹脂の性質により、熱、UV照射、その他常温放置させることにより行われる。
【0046】
〔ステップS14〕第2樹脂層の形成
図8に示すように、原版1に形成された硬化後の第1樹脂層100上に第2樹脂をコーティングして第2樹脂層200を形成する。第2樹脂層200は、例えば、第1樹脂と同様にPDMSで形成されている。また、第2樹脂のコーティングは、スピンコート法やスリットコート法などにより行われる。
【0047】
〔ステップS15〕通気性シートの載置
図9に示すように、第2樹脂層200上に通気性シート3を載置して、通気性シート3に第2樹脂を含浸させながら第1樹脂層100上に通気性シート3を載置する。通気性シート3は、例えばガラス繊維を用いるものとする。
【0048】
第2樹脂層200に通気性シート3を載置すると、第2樹脂が通気性シート3の面内の隙間に入り込む。そして、通気性シート3が第2樹脂を含浸させながら第1樹脂層100上に載置されると、第2樹脂層200は、通気性シート3を一部含んだ状態となる。第2樹脂層200を事前にコーティングすることで、通気性シート3を載置した際にずれることが少なく、通気性シート3を固定し易くすることができる。
【0049】
〔ステップS16〕第2樹脂層の脱気
ステップS17の第2樹脂層200を硬化させる前に、第2樹脂層200の周囲を減圧して例えば真空状態にする。これにより、第2樹脂層200に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。ステップS15で載置した通気性シート3が隙間を有しているので、第2樹脂層中に含まれる気泡を、隙間を通して脱気することができる。すなわち、通気性シート3と第1樹脂層100との間に気泡が存在しても、通気性シート3の隙間を通って気泡を脱気させることができる。
【0050】
〔ステップS17〕第2樹脂層の硬化
第2樹脂層200中に含まれる気泡を通気性シート3の隙間を通じて脱気された後、第2樹脂層200を硬化させる。第2樹脂層200の硬化は、樹脂の性質により、熱、UV照射、その他常温放置させることにより行われる。これにより、通気性シート3および第2樹脂層200が、第1樹脂層100と一体になって固定される。
【0051】
〔ステップS18〕第3樹脂層の形成
図10に示すように、第2樹脂層200から突出している通気性シート3に第3樹脂をコーティングして通気性シート3に第3樹脂を含浸させて第3樹脂層300を形成する。通気性シート3が例えばガラス繊維の場合は、繊維の端が飛び出ないように第3樹脂で覆うように成膜する。塗布された第3樹脂は、通気性シート3の面内の隙間を入り込み、第3樹脂層300は通気性シート3の一部を含んだ状態となる。
【0052】
〔ステップS19〕第3樹脂層の脱気
ステップS20の第3樹脂層300を硬化させる前に、第3樹脂層300の周囲の雰囲気を減圧して例えば真空状態にする。これにより、第3樹脂層300中に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。また、通気性シート3に含浸させた第3樹脂層300中に含まれる気泡を通気性シート3の隙間を通して容易に脱気させることができる。
【0053】
〔ステップS20〕第3樹脂層の硬化
第3樹脂層300の脱気の後、第3樹脂層300を硬化させる。第3樹脂層300の硬化は、樹脂の性質により、熱、UV照射、その他常温放置させることにより行われる。
【0054】
〔ステップS21〕剥離
ステップS11〜S20によりスタンプ6が形成される。スタンプ6は、図11に示すように、原版1から剥離(離型)される。
【0055】
上述した実施例2に係る転写印刷用スタンプ6の製造方法によれば、原版1に形成された硬化後の第1樹脂層100上に第2樹脂をコーティングして第2樹脂層200を形成し、第2樹脂層200上に通気性シート3を載置して、通気性シート3に第2樹脂を含浸させながら第1樹脂層100上に通気性シート3を載置している。また、第2樹脂層200から突出している通気性シート3に第3樹脂をコーティングして通気性シート3に第3樹脂を含浸させて第3樹脂層300を形成している。すなわち、通気性シート3を用いることにより、第2樹脂層200および第3樹脂層300中に含まれる気泡を通気性シート3の隙間を通して容易に脱気させることができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消することができる。また、通気性シート3は、第2樹脂層200および第3樹脂層300中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプ6の強度を高めることができ、変形を抑えることができる。そのため、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。
【0056】
また、通気性シート3を第1樹脂層100上に載置する前に、第2樹脂層200を形成している。通気性シート3を載置した際に、第2樹脂が通気性シート3の面内の隙間から染み込むことにより、通気性シート3のズレを抑えることができる。また、第2樹脂層200を硬化させることにより、通気性シート3および第2樹脂層200を、第1樹脂層100と一体にすることができる。すなわち、通気性シート3を第1樹脂層100側に容易に固定させることができる。
【0057】
また、通気性シート3を載置する前に第1樹脂層100を硬化させている。すなわち、第1樹脂層100の硬化後に通気性シート3を第1樹脂層100上に載置しているので、通気性シート3の例えばガラス繊維の繊維端が、スタンプ6の凹凸パターン表面に飛び出ることを防ぐことができるとともに、通気シート3の載置を容易に行うことができる。
【実施例3】
【0058】
次に、図面を参照して本発明の実施例3に係る転写印刷用スタンプの製造方法を説明する。図12を参照する。図12は、実施例3に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示すフローチャートである。図13〜図15は、転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。なお、各実施例と重複する部分の説明は省略する。
【0059】
実施例2の転写印刷用スタンプの製造方法では、通気性シート3を第1樹脂層100上に載置する前に、第2樹脂層200を形成している。しかしながら、実施例3の転写印刷用スタンプの製造方法では、第2樹脂層200を形成せずに、直接、通気性シート3を第1樹脂層100上に載置する。
【0060】
〔ステップS31〜S33〕第1樹脂層の形成、脱気および硬化
実施例2のステップS11〜S13と図7同様である。すなわち、原版1に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層100を形成する。第1樹脂層100を硬化させる前に第1樹脂層100に含まれる気泡を積極的に脱気させる。そして、第1樹脂層100を硬化させる。
【0061】
〔ステップS34〕通気性シートの載置
図13に示すように、原版1に形成された硬化後の第1樹脂層100上に通気性シート3を載置する。通気性シート3は、例えばガラス繊維を用いるものとする。
【0062】
〔ステップS35〕第4樹脂層の形成
図14に示すように、通気性シート3に第4樹脂をコーティングして通気性シート3に第4樹脂を含浸させて第4樹脂層400を形成する。第4樹脂のコーティングは、スピンコート法やスリットコート法などにより行われる。コーティングされた第4樹脂は、通気性シート3の面内の隙間を入り込み、第4樹脂層400は通気性シート3を覆った状態で形成される。
【0063】
〔ステップS36〕第4樹脂層の脱気
ステップS37の第4樹脂層400を硬化させる前に、第4樹脂層400の周囲を減圧して例えば真空状態にする。これにより、第4樹脂層400の液中に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。
【0064】
〔ステップS37〕第4樹脂層の硬化
第4樹脂層400の脱気の後、第4樹脂層400を硬化させる。第4樹脂層400の硬化は、樹脂の性質により、熱、UV照射、その他常温放置させることにより行われる。
【0065】
〔ステップS38〕剥離
ステップS31〜S37によりスタンプ7が形成される。スタンプ7は、図15に示すように、原版1から剥離(離型)される。
【0066】
上述した実施例3に係る転写印刷用スタンプ7の製造方法によれば、第1樹脂層100上に載置された通気性シート3に第4樹脂をコーティングして、通気性シート3に第4樹脂を含浸させて第4樹脂層400を形成している。すなわち、通気性シート3を用いることにより、第4樹脂層400の液中に含まれる気泡を通気性シート3の隙間を通して容易に脱気させることができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消することができる。また、通気性シート3は、第4樹脂層400中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプ7の強度を高めることができ、変形を抑えることができる。そのため、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。
【0067】
また、実施例2の転写印刷用スタンプの製造方法では、第2樹脂層200を形成せずに、直接、通気性シート3を第1樹脂層100上に載置し、その後に第4樹脂層400をコーティングしている。すなわち、実施例2のステップS14とS16とS17を省略することができるので、製造工程を簡単にすることができる。
【実施例4】
【0068】
次に、図面を参照して本発明の実施例4に係る転写印刷用スタンプの製造方法を説明する。図16を参照する。図16は、実施例4に係る転写印刷用スタンプの製造工程を示すフローチャートである。また、図18または図20は、転写印刷用スタンプの製造工程を示す縦断面図である。なお、各実施例と重複する部分の説明は省略する。
【0069】
実施例4の転写印刷用スタンプの製造方法は、通気性シート3を冷却する冷却部9を通気性シート3に取り付ける工程を備えている。
【0070】
〔ステップS41〜S43〕第1樹脂層の形成、脱気および硬化
実施例2のステップS11〜S13と図7同様である。すなわち、原版1に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層100を形成する。第1樹脂層100を硬化させる前に第1樹脂層100に含まれる気泡を積極的に脱気させる。そして、第1樹脂層100を硬化させる。
【0071】
〔ステップS44〕第2樹脂層の形成
実施例1のステップS14および図7と同様である。すなわち、原版1に形成された硬化後の第1樹脂層100上に第2樹脂をコーティングして第2樹脂層200を形成する。第2樹脂は、例えば、第1樹脂と同様にPDMSを用いる。第2樹脂のコーティングは、スピンコート法やスリットコート法などにより行われる。
【0072】
〔ステップS45〕通気性シートの載置
第2樹脂層200上に通気性シート3を載置して、通気性シート3に第2樹脂を含浸させながら第1樹脂層100上に通気性シート3を載置する。通気性シート3は、例えば、ステンレス、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等の金属およびカーボン繊維など熱伝導性の良いもので構成されている。また、通気性シート3は、金属線やカーボン繊維などをメッシュシートで構成される。メッシュシートは、図17に示すように、(a)縦横の線を1本ずつ交互に織る方法で織られた通常の平織りしたものや、(b)特殊な織り方で織られた綾織りしたもの、(c)縦横の線が一体化になったものが挙げられる。例えば、αメッシュ(メッシュ株式会社製)が挙げられる。通気性シート3は、熱伝導率が1(W・m−1・K−1)より大きいことが好ましい。また、通気性シート3は、スタンプを剥離させやすくするために100μm以下の薄いものであることが好ましい。本実施例では、通気性シート3は、金属のメッシュシートを用いるものとする。
【0073】
〔ステップS46〕第2樹脂層の脱気
ステップS47の第2樹脂層200を硬化させる前に、第2樹脂層200の周囲を減圧して例えば真空状態にする。これにより、第2樹脂層200の液中に含まれる気泡を積極的に脱気させることができる。
【0074】
〔ステップS47〕第2樹脂層の硬化
第2樹脂層200が脱気された後、第2樹脂層200を硬化させる。第2樹脂層200の硬化は、樹脂の性質により、熱、UV照射、その他常温放置させることにより行われる。
【0075】
〔ステップS48〕剥離
ステップS41〜S47によりスタンプ8が形成される。スタンプ8は、図18に示すように、原版1から剥離(離型)される。なお、図19は、平織りの金属メッシュシートにシリコーンゴム(PDMS)を含浸させて形成された転写印刷用スタンプを一部拡大して示す平面図である。符号qは、平織りの金属メッシュシートである。通気性シート3の隙間、すなわち、メッシュシートの網目の隙間を介して見ることで、スタンプ7裏面から目視による位置合わせをすることができる。
【0076】
〔ステップS49〕冷却部の取付
図20を参照する。ステップS47の第2樹脂層200を硬化する工程の後、第2樹脂層200から突出している通気性シート3に冷却部9を取り付ける。冷却部9は、例えば、銅(Cu)等の金属板であることが好ましい。通気性シート3と冷却部9との接合は、溶接によるものであってもよい。圧着やハンダ付けによるものであってもよい。あるいは、伝導性Agペーストやその他熱伝導性のよいものであってもよい。すなわち、冷却部9は、これらの接合部11を介在させて通気性シート3に取り付けられている。
【0077】
なお、冷却部9は、さらに熱容量の大きな筐体に取り付けてもよい。また、冷却部9は、冷却することに加え、一定温度に加熱できるような構成としてもよい。すなわち、冷却部9は、通気性シート3の冷却および加熱を選択的に行うように構成してもよい。
【0078】
上述した実施例4に係る転写印刷用スタンプ8の製造方法によれば、原版1に形成された硬化後の第1樹脂層100上に第2樹脂をコーティングして第2樹脂層200を形成し、第2樹脂層200上に通気性シート3を載置して、通気性シート3に第2樹脂を含浸させながら第1樹脂層100上に通気性シート3を載置している。すなわち、通気性シート3を用いることにより、第2樹脂層200の液中に含まれる気泡を通気性シート3の隙間を通して容易に脱気させることができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消することができる。また、通気性シート3は、第2樹脂層200で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプ8の強度を高めることができ、変形を抑えることができる。そのため、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。
【0079】
通気性シート3として金属およびカーボン繊維を用いているので、転写印刷用スタンプ8の熱伝導率を良くすることができる。すなわち、従来のスタンプは主に樹脂でできているので、その熱伝導率が悪く、真空蒸着法やスパッタ法などにより、スタンプの凹凸パターンの表面に転写物質を堆積させる際に、スタンプが高温になり、大きく変形してしまっていた。通気性シート3の熱伝導率が良いので、高温になったスタンプの熱を、通気性シート3を通じて除去することができる。したがって、スタンプの変形をおさえることができる。
【0080】
また、ステップS49において、前記第2樹脂層を硬化させる工程の後、前記通気性シート3を冷却する冷却部9を前記通気性シート3に取り付けている。これにより、スタンプ8の熱を効率良く除去することができる。すなわち、さらに冷却部9を取り付けることで、放熱経路を確保でき、プロセス中のスタンプ8の温度を一定に保つことができる。
【実施例5】
【0081】
次に、図面を参照して本発明の実施例5に係る薄膜トランジスタの製造方法を説明する。図21を参照する。図21は、実施例5に係る薄膜トランジスタの製造工程を示すフローチャートであり、図22〜図27は、薄膜トランジスタの製造工程を示す縦断面図である。なお、各実施例と重複する部分の説明は省略する。
【0082】
図21に示すように、本実施例における薄膜トランジスタの製造方法として、大別して2つの工程がある。1つは、基板上にゲート電極および接着膜を形成する工程(ステップS101〜S104)であり、もう1つは、薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と称する)の半導体膜およびゲート絶縁膜を形成する工程(ステップS111〜113)である。
【0083】
〔ステップS101〕ゲート電極形成
図22に示すように、基板13の表面上にインクジェット法によりゲート電極15を形成する。基板13は、ガラスや合成樹脂等で構成される。合成樹脂の場合は、PI(ポリイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等で構成される。基板13が合成樹脂等の有機物であれば、フレキシブルな基板を製造することができる。
【0084】
ゲート電極15は、インクジェット法で形成され、Ag、Au(金)、Cu等の金属をペースト状にした金属インクで形成される。また、ITO(酸化インジウムスズ)インクや、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT/PSS)などに代表される高導電性の有機物インクを印刷することで形成してもよい。さらに、ITOとAu薄膜などを組み合わせた構成としてもよい。ゲート電極15は、インクジェット法以外にも、凸版印刷法、凹版印刷法、平板印刷法等の印刷法を用いてもよい。
【0085】
〔ステップS102〕ゲート電極形成
基板13上に形成されたゲート電極15を覆うように接着膜17を形成する。接着膜17は、インクジェット法、ディスペンサ法、スピンコート法等で形成される。厚みは、0.1〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。接着膜17は、有機物であっても無機物であってもよい。あるいは、有機物と無機物との混合物でもよい。接着層17が無機物の場合は、Si(ケイ素)の酸化膜であるSiO、や窒化膜であるSiNが好ましい。また、TiO(酸化チタン)やHfO(酸化ハフニウム)などでもよい。これらの無機物を有機溶剤中に浮遊させた状態で基板13上に塗布(コーティング)する。接着層17が有機物の場合は、アクリル系の樹脂やPIなどの合成樹脂で形成される。なお、本実施例では、接着層17としてSiOを用いる。
【0086】
〔ステップS103〕接着剤の硬化
基板13上にゲート電極15を覆うように形成された接着膜17を硬化する。硬化は、熱硬化型の場合では電気炉などで加熱して行い、紫外線硬化型の場合ではUV照射を行う。硬化後の接着膜17は絶縁膜として機能する。硬化後の接着膜17のヤング率は、後述するスタンプ5〜8(本実施例では以下、「スタンプ5」と称する)のヤング率の100倍以上であることが好ましい。例えば、PETフィルムなどの有機物のヤング率は0.1〜10GPaであり、SiOなどのガラスのヤング率100GPa程度である。
【0087】
〔ステップS104〕活性化
硬化後の接着層17に対してAr(アルゴン)プラズマ処理、またはO(酸素)プラズマ処理を実施する。このプラズマ処理により、接着膜17の膜表面に−OH基がより多く形成される。活性化処理は、プラズマ処理以外にもUVオゾン処理やHF(フッ化水素)により接着膜17の表面をエッチングする処理でもよい。
【0088】
次に、上記ステップS101〜S104とは別工程の、半導体膜および絶縁膜を形成する工程について説明する。なお、半導体膜および絶縁膜は、図23に示すように、スタンプ5の凹凸パターン表面上に形成する。PDMSのヤング率は1〜2MPaである。
【0089】
〔ステップS111〕半導体膜の形成
スタンプ5に真空中にて半導体膜19を形成する。半導体膜19の形成は、真空チャンバ内にスタンプ5を収容した状態で行う。真空チャンバ内の真空度は、約1Pa以下が好ましい。あるいは、約0.1Pa以下に真空引きした後、Ar(アルゴン)、O(酸素)、N(窒素)等のガスを別途供給することで、約1Pa以下の減圧雰囲気にするものであってもよい。形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、PECVD法等が挙げられる。半導体膜19の材料としては、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)の少なくとも一つを有する酸化物半導体、例えば、ZnO(酸化亜鉛)、InGaZnO(ガリウム・インジウム酸化亜鉛)、a‐Si(アモルファスシリコン)、GaAs(ガリウム・アーセナイド)等が挙げられる。また、その他にペンタセン等の有機半導体であっても良い。
【0090】
〔ステップS112〕絶縁膜の形成
半導体膜19が形成されたスタンプ5に真空中にて連続して絶縁膜21を形成する。絶縁膜21の形成は、引き続き真空チャンバ内にスタンプ5を収容した状態で行う。形成方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、PECVD法等が挙げられる。絶縁膜21は、有機物であればPIやアクリル系樹脂、無機物であれば、SiOやSiNが挙げられる。TiO、HfO、Al(アルミナ)等の金属酸化物でもよい。
【0091】
上述のように、スタンプ5を真空チャンバ内に収容し、真空チャンバ内を真空にしてスタンプ5に連続して半導体膜19と絶縁膜21を形成する。これにより、半導体膜19と絶縁膜21との界面に有機物等の汚れが付着することで生じる界面の欠陥の欠陥密度を低下させることができる。
【0092】
〔ステップS113〕活性化
スタンプ5上に積層された絶縁膜21に対してArプラズマ処理またはOプラズマ処理を実施する。このプラズマ処理により、絶縁膜21の膜表面に−OH基がより数多く形成される。活性化処理は、プラズマ処理以外にもUVオゾン処理や、HFにより絶縁膜21の表面をエッチングする処理でもよい。
【0093】
次に、ステップS111〜S113によりスタンプ5に積層した半導体膜19と絶縁膜21とを、ステップS104後の基板13上に転写する工程について説明する。
【0094】
〔ステップS121〕転写
図24に示すように、加圧チャンバ内で基板13上に予め形成されたゲート電極15上に接着膜17を介して半導体膜19および絶縁膜21を転写する。半導体膜19と絶縁膜21が積層して形成されたスタンプ5を、ゲート電極15上の所定の位置に位置合わせしてから押圧する。加圧チャンバ内の圧力が1気圧より大きい雰囲気下で、基板13にスタンプ5を接触させた状態で、24時間以上放置する。硬化された接着膜17と絶縁膜21との界面において、各膜の表面が−OH基で終端されているので、下式(1)の様な脱水縮合反応が生じる。
【0095】
Si−OH+Si−OH → Si−O−Si + HO. …(1)
【0096】
接着膜17と絶縁膜21との接触面において脱水縮合反応が生じ、強固なSi−O−Si結合が形成される。すなわち、接着膜17と絶縁膜21との界面でSiOバルク内の原子間結合と同じ結合が形成される。
【0097】
また、硬化された接着膜17がスタンプ5の弾性よりも小さい、すなわち、ヤング率が大きいので、押圧時に接着膜17よりもスタンプ5が変形しやすい。この結果として、接着膜17の膜厚を一定に保つことができる。接着膜17とこれに結合する絶縁膜21との膜厚が一定であるので、接着膜17と絶縁膜21とから構成されるゲート絶縁膜の膜厚を一定に保つことができ、薄膜トランジスタの性能を均一に保つことができる。
【0098】
接着膜17に押圧された半導体膜19と絶縁膜21は、絶縁膜21が接着膜17に脱水結合しているので、スタンプ5を離型する際に、スタンプ5と半導体膜19との界面で剥離して転写される。これにより、基板13のゲート電極15上に、接着膜17を介して、絶縁膜21と半導体膜19が形成される。
【0099】
〔ステップS122〕レジスト膜形成
図25に示すように、基板13に転写された半導体膜19および絶縁膜21上にレジスト膜23を形成する。レジスト膜23は、インクジェット法やディスペンサ法を用いることにより、半導体膜19および絶縁膜21を覆うように形成する。
【0100】
なお、レジスト膜23をスピンコート法により基板13全面に形成する場合は、ステップS101において、TFTが形成される部分(ゲート電極)以外のゲート配線を、透明な導電性材料、たとえば、ITOで形成することが好ましい。それにより、基板13全面にレジスト膜23をおおった場合でも、後述する現像により、所定のパターンに形成することができる。
【0101】
〔ステップS123〕露光
レジスト膜23を形成した後、基板13を挟んでレジスト膜23の反対側から紫外線(UV)を照射して露光を行う。この場合、ゲート電極15がマスクとなる。レジスト膜23のゲート電極15の影になる部分では、ゲート電極15により紫外線が遮られ紫外線が照射されず、レジスト膜23のゲート電極15の影にならない部分では、紫外線が照射される。なお、半導体膜19、絶縁膜21および接着膜17は、紫外線が透過する材料を使用し、または紫外線が透過するように厚みが調整されている。これにより、基板13を挟んでレジスト膜23の反対側から、露光することができる。
【0102】
〔ステップS124〕現像
図26に示すように、露光されたレジスト膜23を現像する。これにより、ゲート電極15でマスクされた部分を除いてレジスト膜23が除去される。現像方法としては、パドル式、ディップ式、またはシャワー式が挙げられる。パドル式では、スピン機構上で現像、洗浄、乾燥を一か所で行うことができる。
【0103】
〔ステップS125〕水素イオンのドープ処理
図26に示す状態で、半導体膜19に水素イオン(H+)をドープする処理を行う。水素イオンをドープする処理は、Ar(アルゴン)ガスなどの不活性ガスと、H(水素)ガスとを供給してプラズマ処理して行われる。ArガスとHガスを供給して電磁波を印加することにより、ArとHが励起されプラズマ状態になり、Arイオンと水素イオンが生成される。Arイオンは、半導体膜19の表面に衝突することで半導体膜19表面上の有機物等の汚れを除去することができる。一方、水素イオンは、電子を供給するドナーとして半導体膜19内にドープされる。そのため、酸化物半導体である半導体膜19の抵抗率を低下させることができる。すなわち、半導体膜19表面を洗浄することができるとともに、半導体膜19の抵抗率を低下させることができる。
【0104】
なお、半導体膜19は、図27に示すように、レジスト膜23によりマスクされて、水素イオンをドープする上述の処理がされていない部分(ゲートチャネルに相当する)を未処理部分19aとして示し、上述の処理がされて低抵抗化された部分(ソース・ドレイン部分に相当する)を処理部分19bとして示す。
【0105】
水素イオンのドープする処理は、ゲート電極15の直上に形成されたレジスト膜23により、半導体膜19内のチャネル部分はマスクされ、ソース・ドレイン部分にのみ選択的に行われる。なお、ArガスとHガスは、同時に供給してプラズマ化して処理してもよいし、Arガスを供給してプラズマ化して処理した後に、Hガスを供給してプラズマ化して処理してもよい。
【0106】
なお、上述のArガスとHガスのプラズマ処理よる水素イオンをドープする処理は、基板13をチャンバ内に収容して所定の圧力にし、ArガスとHガスを供給してプラズマ状態にして行ってもよい。また、大気圧中でArガスとHガスを供給してプラズマ状態にしたものを照射して行ってもよい。これにより、大きな真空チャンバが必要なくなり、装置の設置スペースを抑えることができる等の効果がある。
【0107】
〔ステップS126〕ソース電極・ドレイン電極の形成
水素イオンをドープする処理がされた半導体膜19上に、ゲート電極15を挟んで、ドレイン電極25とソース電極27を形成する。ドレイン電極25およびソース電極27を形成する導電体は、Ag、Au、Cu、Al等の金属をペースト状にした金属インクで形成したものでもよいし、ITOインクや、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリエチレンジオキシチオフェンなどに代表される光電導性の有機物インクを印刷することで形成してもよい。また、ITOとAu薄膜などの構成でもよい。ドレイン電極25およびソース電極27の形成方法は、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法などの印刷法を用いて形成することができる。
【0108】
なお、半導体膜19に対向する部分のゲート電極15と、半導体膜19に接続するドレイン電極25と、半導体膜19に接続するソース電極27と、半導体膜19と、絶縁膜21と、接着膜17とでTFT29を構成する。ドレイン電極25とソース電極27の形成後、ゲート電極15直上のレジスト膜23は、除去してもよいし、除去せずにそのまま封止用のキャップとしてもよい。以上により、TFT29を製造している。
【0109】
上述した実施例5に係るTFTによれば、転写印刷用スタンプ5〜8は、実施例1〜4の製造方法で製造されている。すなわち、転写印刷用スタンプ5〜8の製造方法において、通気性シート3を用いることにより、通気性シート3を通して樹脂層中に含まれる気泡を容易に脱気することができる。そのため、気泡によるパターン欠損などの問題を解消させることができる。また、通気性シート3は、樹脂層中で骨格として機能するので、転写印刷用スタンプ5〜8の強度を高めることができ、変形を抑えることができる。すなわち、転写の寸法精度を高めることができ、大面積化させることができる。したがって、高品質な転写印刷により製造された薄膜トランジスタを得ることができる。
【0110】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0111】
(1)上述した実施例2において、第2樹脂層200を硬化させた後に、第3樹脂層300を硬化させていたが、第2樹脂層200と第3樹脂層300を同時に硬化させてもよい。すなわち、図6において、ステップS17における第2樹脂層200の硬化の工程を、ステップS20における第3樹脂層300の硬化の工程に含ませて、第2樹脂層200と第3樹脂層300を同時に硬化させる。また、ステップS16における第2樹脂層200の脱気の工程を、ステップS19における第3樹脂層300の脱気の工程に含ませて、第2樹脂層200と第3樹脂層300を同時に脱気させてもよい。それにより、第2樹脂層200および第3樹脂層300中に含まれる気泡を通気性シート3の隙間を通じて、同時にかつ容易に脱気させることができ、また硬化させることができる。そのため、製造工程を簡単にすることができる。
【0112】
(2)上述した実施例1〜4では、第1〜第4樹脂は、シリコーンゴムを用いていたが、この構成に限られない。すなわち、第1〜第4樹脂は、同じ物質であってもよいし、それぞれ異なる物質であってもよい。例えば、シリコーン(Si)系のものの他に、アクリル系やウレタン系のものが挙げられる。また、第1樹脂は、少なくとも、シリコーン系の有機物であることが好ましい。すなわち、弾力性があるものが好ましい。硬い場合は、原版から剥離させるときに、スタンプは薄いシート状をしているので割れてしまうおそれがある。第1樹脂として、例えば、Sylgard184(東レ・ダウコーニング株式会社製)やX-32-3095(信越化学工業株式会社)のシリコーンゴムが挙げられる。また、第3樹脂は、少なくとも、硬化収縮および熱膨張率が小さく、硬化物が硬いという特徴を持つことが好ましい。例えば、エポキシ系のものであってもよい。
【0113】
(3)上述した実施例1〜4において、第1〜第4樹脂は、完全に有機物であっても、無機物を含むハイブリッド品であってもよい。例えば、ガラス繊維(細切れや粒子)を含むアクリル系の樹脂であってもよく、また、カーボン繊維を含むエポキシ樹脂であってもよい。
【0114】
(4)上述した実施例1〜4において、実施例1の第1樹脂、また実施例2〜4の第2〜第4樹脂は、通気性シート3に容易に染み込むように、粘度が5000mPa・s以下であることが好ましい。
【0115】
(5)上述した実施例1〜4では、通気性シート3を載置する前後で1回または2回に分けて第1〜第4樹脂をコーティングしているが、これに限定されない。すなわち、3回などの複数回に分けて樹脂をコーティングするようにしてもよい。
【0116】
(6)上述した実施例1〜4では、第1〜第4樹脂層を硬化させる前に、それぞれの樹脂層の周囲を減圧しているが、これに限定されない。積極的に脱気させなくても第1〜第4樹脂層から十分に脱気することができる場合は、例えば、真空状態等に減圧などの方法により脱気しなくてもよい。
【0117】
(7)上述した実施例5では、実施例1〜4で製造された転写印刷用スタンプ5〜8を用いてTFTを製造しているが、これに限定されない。例えば、コンデンサや抵抗など、TFT以外の電子デバイスを製造してもよい。また、このような電子デバイスで構成されるパソコンやテレビなどの画像表示ディスプレイやX線画像を検出するなどのイメージセンサを製造してもよい。この画像表示ディスプレイやイメージセンサは、フレキシブルなものであっても、そうでなくともよい。
【符号の説明】
【0118】
1 … 原版
3 … 通気性シート
5〜8… スタンプ
9 … 冷却部
11 … 熱伝導部
29 … 薄膜トランジスタ(TFT)
100… 第1樹脂層
200… 第2樹脂層
300… 第3樹脂層
400… 第4樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原版に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層を形成する工程と、
前記第1樹脂層上に通気性シートを載置して前記通気性シートに前記第1樹脂を含浸させる工程と、
前記第1樹脂層を硬化させる工程と、
を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の転写印刷用スタンプの製造方法において、
前記第1樹脂層を硬化させる前に、前記第1樹脂層の周囲を減圧する工程を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項3】
原版に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層を形成する工程と、
前記第1樹脂層上に第2樹脂をコーティングして第2樹脂層を形成する工程と、
前記第2樹脂層上に通気性シートを載置して、前記通気性シートに前記第2樹脂を含浸させながら前記第1樹脂層上に前記通気性シートを載置する工程と、
前記第2樹脂層を硬化させる工程と、
を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の転写印刷用スタンプの製造方法において、
前記第2樹脂層を硬化させる前に、前記第2樹脂層の周囲を減圧する工程を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項5】
請求項3または4に記載の転写印刷用スタンプの製造方法において、
前記第2樹脂層から突出している前記通気性シートに第3樹脂をコーティングして前記通気性シートに第3樹脂を含浸させて第3樹脂層を形成する工程と、
前記第3樹脂層を硬化させる工程と、
を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の転写印刷用スタンプの製造方法において、
前記第3樹脂層を硬化させる前に、前記第3樹脂層の周囲を減圧する工程を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項7】
原版に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層を形成する工程と、
前記第1樹脂層上に第2樹脂をコーティングして第2樹脂層を形成する工程と、
前記第2樹脂層上に通気性シートを載置して、前記通気性シートに前記第2樹脂を含浸させながら前記第1樹脂層上に前記通気性シートを載置する工程と、
前記第2樹脂層から突出している前記通気性シートに第3樹脂をコーティングして前記通気性シートに第3樹脂を含浸させて第3樹脂層を形成する工程と、
前記第2樹脂層および前記第3樹脂層を硬化させる工程と、
を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の転写印刷用スタンプの製造方法において、
前記第2樹脂層および前記第3樹脂層を硬化させる前に、前記第2樹脂層および前記第3樹脂層の周囲を減圧する工程を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項9】
原版に第1樹脂をコーティングして第1樹脂層を形成する工程と、
前記第1樹脂層上に通気性シートを載置する工程と、
前記通気性シートに第4樹脂をコーティングして前記通気性シートに第4樹脂を含浸させて第4樹脂層を形成する工程と、
前記第4樹脂層を硬化させる工程と、
を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の転写印刷用スタンプの製造方法において、
前記第4樹脂層を硬化させる前に、前記第4樹脂層の周囲を減圧する工程を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項11】
請求項3または4に記載の転写印刷用スタンプの製造方法において、
前記第2樹脂層を硬化させる工程の後、前記通気性シートを冷却するための冷却部を前記通気性シートに取り付ける工程を備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項12】
請求項1から10のいずれかに記載の転写印刷用スタンプの製造方法において、
前記通気性シートは、ガラス繊維で構成されることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれかに記載の転写印刷用スタンプの製造方法において、
前記通気性シートは、金属またはカーボン繊維で構成されることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項14】
請求項3から13のいずれかに記載の転写印刷用スタンプの製造方法において、
前記通気性シートを載置する前に前記第1樹脂層を硬化させる工程とを備えていることを特徴とする転写印刷用スタンプの製造方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の転写印刷用スタンプの製造方法で製造された前記転写印刷用スタンプを用いて製造された電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−119572(P2012−119572A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269431(P2010−269431)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】