説明

軸受保持器および画像形成装置

【課題】感光体ドラム等の回転体を高精度に位置決めできるとともに、回転体の回転軸の軸受部材に対する着脱作業性に優れた軸受保持器を提供する。
【解決手段】軸受保持器200は、一端部から他端部にかけて貫通している円筒状を呈している。また、軸受保持器200は、軸受部材210、凹部220A〜Dおよび凸部230A〜Dを備える。軸受部材210は、軸受保持器200の内面に配置されていて感光体ドラム回転軸12を軸支する。凹部220A〜Dは、軸受保持器200の外周面上において周方向に沿って形成される。凸部230A〜Dは、それぞれの凹部220A〜Dの間に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受を内面に配置した軸受保持器およびこの軸受保持器を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ等の画像形成装置では、感光体ドラムの周りに、感光体ドラムを帯電する帯電器、画像読取系から供給される画像情報に基づいたレーザビームを用いて感光体ドラム上に静電潜像を形成する露光ユニット、このレーザ走査装置によって感光体ドラム上に形成された静電潜像にトナーを付着して可視像を形成する現像器、感光体ドラム上のトナー像をシートに転写する転写ユニット、感光体ドラムとシートとを分離する分離装置、感光体ドラムをクリーニングするクリーナユニット、および、感光体ドラムの残留電荷を除電する除電装置等が順次配設されて構成される。
【0003】
感光体ドラムの回転軸の両端は、画像形成装置の本体フレームに設けた軸受部材に軸支されている。そして、感光体ドラムの回転軸の両端は、感光体ドラムを本体フレームに対して着脱可能とするために、対応する軸受部材に着脱可能に挿通されている。
【0004】
このような画像形成装置にあっては、例えば、感光体ドラムと現像器とのギャップが画像品質に大きく影響し、このギャップの偏差を所定範囲内に抑えることが重要となっている。このため、感光体ドラムは、感光体ドラム周りの諸装置に対して高精度に位置決めされる必要がある。
【0005】
そこで、特別な固定手段を設けなくても、軸受本体をスラスト方向に位置決めして、軸受本体がスラスト方向へ移動することを阻止できるころ軸受が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−232278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子写真式の画像形成装置においては、感光体ドラムの回転軸の端部は、軸受部材に対して着脱自在に挿通できるように、軸受部材との間に多少のクリアランスが設けられている。そのため、画像形成装置の組み立て後に、感光体ドラムがスラスト方向に変位する場合がある。いわゆるタンデム型カラー画像形成装置では、トナー像が転写される際には、シート上に各色の画像が正確に多重転写されることが重要であるが、感光体ドラムがスラスト方向に変位すると、この重なりがずれ、形成されたカラー画像に色ずれが生じる。また、複数の感光体ドラム間の平行度のずれも色ずれに関係する。
【0008】
感光体ドラムの回転軸の端部と軸受部材との間のクリアランスを必要以上に詰めると、感光体ドラムの回転時の円滑性が低下する。また、感光体ドラムの回転軸の端部は、軸受部材を貫通する構成であるため、感光体ドラムの交換時に、軸受部材からの感光体ドラム回転軸の着脱の作業性の低下等を招く問題があった。この問題は、上記特許文献1では解決できないものである。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、感光体ドラム等の回転体を高精度に位置決めできるとともに、回転体の回転軸の軸受部材に対する着脱作業性に優れた軸受保持器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の軸受保持器は、一端部から他端部にかけて貫通している円筒状を呈している。また、本発明の軸受保持器は、軸受部材、複数の凹部および複数の凸部を備える。
【0011】
軸受部材は、軸受保持器本体の内面に配置されていて回転体の回転軸を軸支する。複数の凹部は、軸受保持器本体の外周面上において周方向に沿って形成される。複数の凸部は、それぞれの凹部の間に形成される。
【0012】
この構成における軸受保持器は、感光体ドラム回転軸に用いた場合に有用である。すなわち、ユーザが、感光体ドラム回転軸に対して感光体ドラムを着脱する際、および、軸受保持器に対して感光体ドラム回転軸を着脱する際に、軸受保持器の凹部によって軸受保持器全体が握りやすくなる。したがって、各部材の着脱時の作業性が向上するとともに各部材の着脱時の安全性も向上する。
【0013】
また、軸受保持器の凸部によって、画像形成装置の本体フレームに対して軸受保持器が強固に保持される。したがって、感光体ドラム回転軸の回転によって生じる軸受保持器の連れ回りやスラスト方向への移動が阻止されるため、感光体ドラム回転軸を所定位置に支持することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明における軸受保持器は、感光体ドラム等の回転体を高精度に位置決めできるとともに、回転体の回転軸の軸受部材に対する着脱作業性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る軸受保持器を備える画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る軸受保持器が感光体ドラム回転軸の端部に取り付けられている状態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る軸受保持器の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る軸受保持器の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る軸受保持器が本体フレームに挿入されている状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る軸受保持器の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る軸受保持器における凹部にシボ加工が施されている状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る軸受保持器における凹部にローレット加工が施されている状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る軸受保持器を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る軸受保持器200を備える画像形成装置100の構成を示す図である。
【0018】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色または単色の画像を形成するものである。画像形成装置100は、原稿処理装置120、給紙部80、画像形成部110および排紙部90から構成されている。
【0019】
原稿処理装置120は、原稿載置台121、原稿搬送装置122および原稿読取部123を有する。原稿載置台121は、透明ガラスからなり、原稿が載置可能な構成となっている。原稿搬送装置122は、原稿トレイに積載された原稿を1枚ずつ搬送する。また、原稿搬送装置122は、矢印124方向に回動自在に構成され、原稿載置台121の上を開放することにより原稿載置台121に原稿を置くことができるようになっている。原稿読取部123は、原稿搬送装置122で搬送中の原稿または原稿載置台122に載置された原稿を読み取る。
【0020】
給紙部80は、給紙カセット81、手差し給紙カセット82、ピックアップローラ83およびピックアップローラ84が設けられている。給紙カセット81は、定形シートを蓄積しておくためのトレイである。手差し給紙カセット82は、不定形シートを載置することができるトレイである。ピックアップローラ83は、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路101に供給する。同様にピックアップローラ84は、手差し給紙カセット82の端部近傍に設けられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路101に供給する。
【0021】
画像形成部110は、画像形成ステーション31,32,33,34、露光ユニット30、中間転写ベルトユニット50および定着ユニット70から構成されている。画像形成ステーション31,32,33,34は、それぞれ感光体ドラム10、帯電器20、現像器40およびクリーナユニット60が設けられており、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。本実施形態では、画像形成ステーション31について説明する。
【0022】
感光体ドラム10は、画像形成時に回転し、現像剤像を担持するためのものである。また、感光体ドラム10の回転軸12の端部には、軸受保持器200が取り付けられている。軸受保持器200については図2以降で説明する。感光体ドラム10の周囲には、回転方向上流から帯電器20、露光ユニット30、現像器40、中間転写ベルトユニット50、クリーナユニット60の順に配置されている。定着ユニット70は、搬送路101上において画像形成部110の最も下流に位置する。
【0023】
帯電器20は、感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0024】
露光ユニット30は、帯電された感光体ドラム10を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。露光ユニット30は、レーザ射出部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット30は、レーザ光を走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム10に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット30としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書き込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0025】
現像器40は、感光体ドラム10上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化するものである。
【0026】
中間転写ベルトユニット50は、中間転写ベルト51、中間転写ベルト駆動ローラ52、中間転写ベルト従動ローラ53、中間転写ローラ54および中間転写ベルトクリーニングユニット55を備えている。
【0027】
中間転写ベルト駆動ローラ52、中間転写ベルト従動ローラ53および中間転写ローラ54は、中間転写ベルト51を張架して回転駆動させる。また、中間転写ローラ54は、感光体ドラム10のトナー像を、中間転写ベルト51上に転写するための転写バイアスを与える。
【0028】
中間転写ベルト51は、感光体ドラム10に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム10に形成されたトナー像を中間転写ベルト51に転写することによって、中間転写ベルト51上にトナー像を形成する機能を有している。中間転写ベルト51は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0029】
感光体ドラム10から中間転写ベルト51へのトナー像の転写は、中間転写ベルト51の裏側に接触している中間転写ローラ54によって行われる。中間転写ローラ54には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ54は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト51に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0030】
上述のように感光体ドラム10上で顕像化された静電潜像は中間転写ベルト51で積層される。このように積層された画像情報は、中間転写ベルト51の回転によって、用紙と中間転写ベルト51との接触位置に配置される転写ローラ56によって用紙上に転写される。
【0031】
このとき、中間転写ベルト51と転写ローラ56は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ56にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ56は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ56もしくは中間転写ベルト駆動ローラ52のいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0032】
また、上記のように、感光体ドラム10に接触することにより中間転写ベルト51に付着したトナーもしくは転写ローラ56によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト51上に残存したトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット55によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット55には、中間転写ベルト51に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト51は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ53で支持されている。
【0033】
クリーナユニット60は、現像・画像転写後における感光体ドラム10上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
【0034】
定着ユニット70は、加熱ローラ71および加圧ローラ72を備えており、加熱ローラ71および加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。また加熱ローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写されたトナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。また、加熱ローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0035】
排紙部90は、排紙トレイ91および排紙ローラ92を有する。定着ユニット70を通過した用紙は、排紙ローラ92を経て排紙トレイ91に排出される。排紙トレイ91は、印刷済みのシートを集積するためのトレイである。
【0036】
また、両面印字要求のときは、上記のように片面印字が終了し定着ユニット70を通過したシートの後端が排紙ローラ92で把持されたときに、排紙ローラ92が逆回転することによってシートを搬送ローラ102,103に導く。そしてその後レジストローラ104を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0037】
図2は、本発明の実施形態に係る軸受保持器200が感光体ドラム回転軸12の端部に取り付けられている状態を示す図である。
【0038】
図2においては、軸受保持器200が感光体ドラム回転軸12の端部に取り付けられている状態を示すため、感光体ドラム10を省略している。感光体ドラム10に関連する部材として、感光体ドラム回転軸12、駆動伝達ギア14および軸受保持器200が該当する。
【0039】
感光体ドラム回転軸12は、ビス穴16を有する。ビス穴16は、感光体ドラム10を感光体ドラム回転軸12に固定するために設けられた穴である。感光体ドラム10の端部にはビス孔が設けられており、感光体ドラム10のビス孔とビス穴16とをビスで連結することにより、感光体ドラム10を感光体ドラム回転軸12に固定する。そして、感光体ドラム10のビス孔とビス穴16とのビスによる連結を解除すれば、感光体ドラム10は感光体ドラム回転軸12から脱離可能となる。
【0040】
また、感光体ドラム回転軸12は、感光体ドラム10に挿入され、感光体ドラム10を回転させる機能を有する。駆動伝達ギア14は、図示しない駆動モータからの駆動力を感光体ドラム回転軸12に伝達するためのギアである。軸受保持器200は、一端部から他端部にかけて貫通している円筒状を呈している。また、軸受保持器200は、感光体ドラム回転軸12の両端にそれぞれ取り付けられ、本体フレーム130の固定位置に挿入され、感光体ドラム回転軸12の位置決めをする機能を有する。
【0041】
図3および図4は、本発明の実施形態に係る軸受保持器200の構成を示す斜視図である。
【0042】
軸受保持器200は、軸受部材210、凹部220A〜D、凸部230A〜D、ストッパ240A,Bおよび軸支持部材250A,Bを備える。
【0043】
軸受部材210は、軸受保持器200の内面に配置されていて感光体ドラム回転軸12を軸支する。感光体ドラム10は、本発明の回転体に相当する。凹部220A〜Dは、軸受保持器200の外周面上において周方向に沿って形成される。凸部230A〜Dは、それぞれの凹部(例えば、凹部220Aと凹部220B)の間に形成される。ストッパ240A,Bは、軸受保持器200の本体フレーム130への挿入時に、軸受保持器200が本体フレーム130へ挿入されすぎるのを防止する機能を有する。軸支持部材250A,Bは、軸受部材210に軸支された感光体ドラム回転軸12を補助的に支持する機能を有する。
【0044】
この構成では、ユーザが、感光体ドラム回転軸12に対して感光体ドラム10を着脱する際、および、軸受保持器200に対して感光体ドラム回転軸12を着脱する際に、軸受保持器200の凹部220A〜Dによって軸受保持器200全体が握りやすくなる。したがって、各部材の着脱時の作業性が向上するとともに各部材の着脱時の安全性も向上する。
【0045】
なお、本実施形態では、本発明の回転体として感光体ドラム10を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。回転体としての他の例として、例えば、加熱ローラ71や加圧ローラ72が挙げられる。
【0046】
図5は、本発明の実施形態に係る軸受保持器200が本体フレーム130に挿入されている状態を示す斜視図である。
【0047】
軸受保持器200は、外周面上に凹部220A〜Dを備えているため、仮に凸部230A〜Dを備えていない場合において軸受保持器200をそのまま孔132に挿入すると、凹部220A〜Dに係る外径と孔132の直径とに差が生じる。そこで、凸部230A〜Dを備えることにより、孔132の直径と凸部230A〜Dに係る外径とをほぼ同じとすることができるため、軸受保持器200が孔132に対してがたつきが生じることを防止することができる。
【0048】
また、軸受保持器200の凸部230A〜Dによって、画像形成装置100の本体フレーム130に対して軸受保持器200が強固に保持される。したがって、感光体ドラム回転軸12の回転によって生じる軸受保持器200の連れ回りやスラスト方向への移動が阻止されるため、感光体ドラム回転軸12を所定位置に支持することができる。
【0049】
図6は、本発明の実施形態に係る軸受保持器200の構成を示す断面図である。
【0050】
凹部220A〜Dは、軸受保持器200の外周面上において周方向に形成されるのであれば、軸受保持器200における周方向の長さおよびその配置間隔はどのような態様であっても構わないが、図6に示すように、凹部220A〜Dは、軸受保持器200における周方向の長さが全て等しく、かつ、等間隔に配置されると好ましい。
【0051】
この構成では、ユーザが、感光体ドラム回転軸12に対して感光体ドラム10を着脱する際、および、軸受保持器200に対して感光体ドラム回転軸12を着脱する際に、軸受保持器200の凹部220A〜Dによって軸受保持器200全体がさらに握りやすくなる。したがって、各部材の着脱時の作業性がさらに向上するとともに各部材の着脱時の安全性もさらに向上する。
【0052】
また、凸部(本実施形態においては、230A〜D)は、軸受保持器200の外周面上においてその配置箇所は2箇所以上であれば何箇所であっても構わないが、図6に示すように、凹部220A〜Dが、軸受保持器200における周方向の長さが全て等しく、かつ、等間隔に配置されることに加えて、凸部230A〜Dは、4箇所に配置されると好ましい。
【0053】
この構成では、軸受保持器200の外周面上における周方向において90度間隔で凸部230A〜Dが配置されるため、画像形成装置100の本体フレーム130における孔132に対してバランスがよいので、軸受保持器200が本体フレーム130に対してさらに強固に保持される。したがって、感光体ドラム回転軸12の回転によって生じる軸受保持器200の連れ回りやスラスト方向への移動が効果的に阻止されるため、感光体ドラム回転軸12を所定位置に支持することができる。
【0054】
さらに、凹部220A〜Dは、軸受保持器200における周方向の長さはどのような態様であっても構わないが、図6に示すように、凹部220A〜Dは、凸部230A〜Dの長さよりも長く形成されていると好ましい。
【0055】
この構成では、ユーザが、感光体ドラム回転軸12に対して感光体ドラム10を着脱する際、および、軸受保持器200に対して感光体ドラム回転軸12を着脱する際に、軸受保持器200の凹部220A〜Dによって軸受保持器200全体がさらに握りやすくなる。したがって、各部材の着脱時の作業性がさらに向上するとともに各部材の着脱時の安全性もさらに向上する。
【0056】
図7は、本発明の実施形態に係る軸受保持器200における凹部220A〜Dにシボ加工が施されている状態を示す斜視図である。
【0057】
凹部220A〜Dは、軸受保持器200の外周面上において周方向に沿って形成されていれば、それに加えて必須の条件はないが、図7に示すように、凹部220A〜Dは、シボ加工が施されていると好ましい。
【0058】
この構成では、ユーザが、感光体ドラム回転軸12に対して感光体ドラム10を着脱する際、および、軸受保持器200に対して感光体ドラム回転軸12を着脱する際に、軸受保持器200の凹部220A〜Dにおけるシボ加工よって手が滑り難くなる。したがって、各部材の着脱時の作業性がさらに向上するとともに各部材の着脱時の安全性もさらに向上する。
【0059】
図8は、本発明の実施形態に係る軸受保持器200における凹部220A〜Dにローレット加工が施されている状態を示す斜視図である。
【0060】
凹部220A〜Dは、軸受保持器200の外周面上において周方向に沿って形成されていれば、それに加えて必須の条件はないが、図8に示すように、凹部220A〜Dは、ローレット加工が施されていると好ましい。
【0061】
この構成では、ユーザが、感光体ドラム回転軸12に対して感光体ドラム10を着脱する際、および、軸受保持器200に対して感光体ドラム回転軸12を着脱する際に、軸受保持器200の凹部220A〜Dにおけるローレット加工によって手が滑り難くなる。したがって、各部材の着脱時の作業性がさらに向上するとともに各部材の着脱時の安全性もさらに向上する。
【0062】
また、軸受部材210は、すべり軸受から構成されてもよいし、玉軸受から構成されてもよいし、ころ軸受から構成されてもよい。本実施形態に用いられる軸受部材210は、上記のように、軸受の種類が限定されないため、用途に応じて軸受の種類を任意に選択できる。
【0063】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0064】
10 −感光体ドラム
12 −感光体ドラム回転軸
100 −画像形成装置
110 −画像形成部
200 −軸受保持器
210 −軸受部材
220A−凹部
220B−凹部
220C−凹部
220D−凹部
230A−凸部
230B−凸部
230C−凸部
230D−凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部から他端部にかけて貫通している円筒状の軸受保持器であって、
前記軸受保持器本体の内面に配置されていて回転体の回転軸を軸支する軸受部材と、
前記軸受保持器本体の外周面上において周方向に沿って形成される複数の凹部と、
それぞれの前記凹部の間に形成される複数の凸部と、
を備える軸受保持器。
【請求項2】
前記凹部は、前記軸受保持器本体における周方向の長さが全て等しく、かつ、等間隔に配置される
請求項1に記載の軸受保持器。
【請求項3】
前記凸部は、4箇所に配置される
請求項2に記載の軸受保持器。
【請求項4】
前記凹部は、前記軸受保持器本体における周方向の長さが前記凸部の長さよりも長く形成されている
請求項1〜3のいずれか1項に記載の軸受保持器。
【請求項5】
前記凹部は、シボ加工が施されている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の軸受保持器。
【請求項6】
前記凹部は、ローレット加工が施されている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の軸受保持器。
【請求項7】
前記軸受部材は、すべり軸受から構成される
請求項1〜6のいずれか1項に記載の軸受保持器。
【請求項8】
前記軸受部材は、玉軸受から構成される
請求項1〜6のいずれか1項に記載の軸受保持器。
【請求項9】
前記軸受部材は、ころ軸受から構成される
請求項1〜6のいずれか1項に記載の軸受保持器。
【請求項10】
シート上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に含まれる感光体ドラムの回転軸を軸支する請求項1〜9のいずれか1項に記載の軸受保持器と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−113214(P2012−113214A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263462(P2010−263462)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】