説明

逆ホワイトバランス調整された観察者順応補償を含む確認ディスプレイを備えたカメラおよびその撮影方法

【課題】 周囲光に視覚的に順応した観察者に対して、撮影された画像の予想されるカラーバランスを表示するカメラを提供する。
【解決手段】 本発明によるカメラは、周囲光によって照らされたシーンの画像を、指定光源にバランス調整されたアーカイブ撮影媒体を用いて撮影することができるカメラである。そのカメラは、本体と、その本体に位置され、多色電子画像として周囲光画像を撮影する電子撮像部材と、電子画像を測定して、色値を与える色検出器と、電子画像の、その色値から指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する、ホワイトバランス色空間ベクトルを決定するホワイトバランス調整回路と、その色値からホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向に延びる逆色空間ベクトルを決定するリバーサル回路と、電子撮像部材に接続されるカラーバランス調整回路と、本体の外側に位置される画像ディスプレイとから成る。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真撮影術および写真撮影機材に関し、さらに詳しく言えば、逆ホワイトバランス調整された観察者順応補償を含む確認ディスプレイを備えたカメラおよびその撮影方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルム撮影−電子撮影混合型カメラの中には、フィルム画像が撮影されると電子画像を撮影し、その電子画像を、フィルム画像に何が撮影されたのかを表す確認画像として、ディスプレイ上に表示するものがある。その確認画像により、前の露出と代えるために、異なる条件下で同じ被写体の別の露出を行うなどの補正処置をとるべきか否かをユーザが判断できる十分な情報が、与えられることが望ましい。
【0003】フラッシュ照明や屋外などの異なるライティング条件下で第2の露出を行うことにより、カラーバランスに関する多くの問題を容易に解決できるため、撮影される画像のカラーバランスは、確認画像を提供するカメラを用いる撮影者にとって、特に重要なものとなる。写真潜像のカラーバランスは、シーンの光源のスペクトルパワー密度、すなわち、色温度に左右される。本願明細書において、「色温度」という用語、および、それと同様の用語は、実際の色温度と相関色温度の両方を含む意味で用いられる。1993年、ボストンのFocal Press社により出版されたStroebel,L.およびZakia,R.等による“The Focal Encyclopedia of Photography”第3版の175頁において、「相関色温度」は以下のように定義されている。「相関色温度:黒体放射源に近似せず、故に、色温度をもたない光源に割り当てられた値。相関色温度は、該当する光源の色の質に最もよく近似した黒体放射源の色温度である。相関色温度は、選択された色サンプルを該当する光源で照らし、標準的な観察者にとって最も類似した色サンプルが現れる黒体放射源の色温度を決定することにより求められる。」
また、写真潜像のカラーバランスは、使用するフィルムのタイプにも依存する。あるタイプのフィルムは、特定の指定光源に対する反応がニュートラルになるように調整される。ニュートラルな反応は、指定光源のスペクトルパワー密度に適合する。例えば、昼光によって直接露光される「デイライト」フィルムは、シアン、イエローおよびマゼンタのそれぞれのフィルム記録に対して、同等のプリント濃度を記録する。ニュートラル反応を維持するように写真仕上げ(現像・焼き付け・引き伸ばし)されて得られる写真プリントは、シーンにおける白色体が、プリントされた画像における白色体として現れるように、適切にカラーバランスがとられる。
【0004】あるタイプのフィルムが、そのフィルムタイプの指定光源とは異なるカラーバランスをもつ光源を用いて露出されると、最終的に得られる画像に色かぶりが生じ、すなわち、カラーバランスがシフトして反応がニュートラルではなくなり、シーンの白色体が色付けされて現れることになる。例えば、写真プリントにおける色かぶりは、シーンの白色体が、そのプリントを照らすために使用される「白色」光源の色温度とは著しく異なる相関色温度で再現されることを意味する。色かぶりは、感知される色が白色に取って代わるという表現で表すことができる。デイライトフィルムの場合、ニュートラルにプリントされた蛍光灯露出(すなわち、デイライト露出に使用するものと同じプリントバランス状態でプリントされた蛍光灯露出)は、結果として、昼光で見た場合に緑色がかった色かぶりをもつ画像を提供し、タングステン露出は、結果として、赤みがかったオレンジ色の色かぶりをもつ画像を提供する。
【0005】また、写真仕上げにより最終的に得られる写真画像のカラーバランスは、使用する写真プリンタまたは他の写真仕上げ機材を制御するために用いられるシーンバランスアルゴリズムにも依存する。市販されている多くの写真仕上げシステムは、蛍光灯(およびタングステン)照明により生じる色かぶりを補償できるように、プリント前に写真画像のカラーバランスを決定しようと試みる。通常、補償は部分的にしか行われない。なぜなら、部分的な補償は、異なる光源をもつものとして誤って判断されて色補償の対象として選択された高度に色付けされた画像(例えば、デイライト照明下の鮮やかな黄色体の画像)を、容認できないほど劣化させるということがないからである。部分的な補償を施した後でも、最終的な画像に、容易に目につく色かぶりが見られる。言い換えると、部分的な補償を施した後、最終的な写真仕上げ後の画像に写るシーンの白色体は、色が白以外のものとして見られる。このような色かぶりは、芸術的な効果をもたらすことができるが、ほとんどの場合、その他の色かぶりは、ユーザにとって好ましくないものである。
【0006】デジタルのスチルカメラおよびビデオカメラの中には、最終画像が、ホワイトバランス調整を施した保存画像データセットから生成されるため、このような色かぶりの問題がないものもある。このような画像は、適切な構造をもつ出力装置に出力されるときに、ニュートラルなカラーバランスをもつ。特定の装置および媒体に対する較正方法が周知である。多くのホワイトバランス調整手順が知られている。例えば、あるホワイトバランス調整方法が、Miyanoによる「自動ホワイトバランス調整装置(Auto White adjusting device)」という名称で、米国特許第5659357号に記載されている。この処理により、結果として、さまざまな光源を用いて撮影されたデジタル画像の赤(R)および青(B)のコード値が、適切なホワイトバランス補正パラメータによって定められる。これらのパラメータは、ホワイトバランス補正されたRコードおよびBコードが、シーンの白色体および無彩色体の緑(G)コードにほぼ等しくなるように決定される。
【0007】人間の視覚系は、一般的なライティング条件下で、上述したホワイトバランス調整に類似した方法で、異なる色温度を有する光源に順応する。(本願明細書では、「視覚順応」および「順応」という用語は、色順応の意味で用いられる。輝度順応は、輝度効果が色順応に影響する程度にしか含まれない。)その結果、昼光、蛍光灯、タングステンおよび他のいくつかの光源のそれぞれは、すべて白色照明として認識される。上述したように、写真フィルムは、人間の視覚系と同じ方法で機能せず、写真仕上げ後、いくつかのライティング条件で撮像された写真は、色かぶりをもつものとして認識される。観察者は、その写真を色フィルタを通したもののように感じる。
【0008】フィルム撮影−電子撮影混合型カメラを用いる撮影者は、通常、周囲の照明に順応する。従って、蛍光灯照明下で撮影された確認画像は、カラーバランスが変更されずにユーザに与えられると、撮影者の視覚順応に適合することになる。白色のシャツは、それを直接見た場合であっても、確認画像で見た場合であっても、撮影者には白色に見えることになる。このアプローチをとった場合の問題は、撮影者が確認画像で見るものが、写真仕上げ後に撮影者が最終的にプリントされた画像で見るものと違って見えることである。フィルムの画像は、写真仕上げに際して同じようにバランス調整されないため、確認画像のホワイトバランス調整は役に立たない。また、撮影者は、周囲の照明に順応したままである。
【0009】本願と共に共通に譲渡された「ディスプレイ装置の自動的輝度およびコントラスト調整(Automatic Luminance and ContrastAdjustment for Display Device)」という名称の、Miller,M.等により出願された米国特許出願第08/970327号には、周囲の光レベルを測定し、カメラ上の画像ディスプレイの輝度およびコントラストを調整するカメラが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、視覚的に順応した観察者に対して予想されるカラーバランスを表示するように、確認画像をカラーバランス調整することによって、確認画像の観察者順応が補償される改善されたカメラおよび方法を提供することが望まれる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、特許請求の範囲により規定される。本発明は、広義の解釈において、周囲光によって照らされたシーンの画像を撮影することができるカメラおよび方法を提供する。そのカメラは、本体と、その本体に位置された電子撮像部材を備える。その電子撮像部材は、多色電子画像として周囲光画像を撮影する。色検出器は、周囲光を評価して、色値を与える。ホワイトバランス調整回路は、その電子画像の、その色値から所定の指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する、ホワイトバランス色空間ベクトルを決定する。リバーサル回路は、その色値からそのホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向に延びる逆色空間ベクトルを決定する。カラーバランス調整回路は、電子撮像部材に接続される。カラーバランス調整回路は、逆色空間ベクトル上に位置される補償点にその電子画像をカラーバランス調整し、補償画像を与える。画像ディスプレイは、本体の外側に位置され、電子撮像部材と前記のカラーバランス調整回路とに接続される。その画像ディスプレイは、その補償画像を表示する。
【0012】本発明に係る第1のカメラは、周囲光によって照らされたシーンの画像を、指定光源にバランス調整されたアーカイブ撮影媒体を用いて撮影することができるカメラである。そのカメラは、本体と、前記の本体に位置され、多色電子画像として周囲光画像を撮影する電子撮像部材と、前記の電子画像を測定して、色値を与える色検出器と、前記の電子画像の、前記の色値から前記の指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する、ホワイトバランス色空間ベクトルを決定するホワイトバランス調整回路と、前記の色値から前記のホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向に延びる逆色空間ベクトルを決定するリバーサル回路と、前記の電子撮像部材に接続されるカラーバランス調整回路と、前記の本体の外側に位置される画像ディスプレイとから成る。また、前記のカラーバランス調整回路は、前記の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整し、補償画像を与える。また、前記の画像ディスプレイは、前記の電子撮像部材と前記のカラーバランス調整回路とに接続され、前記の補償画像を表示する。
【0013】本発明に係る第2のカメラは、周囲光によって照らされたシーンの画像を、指定光源にカラーバランス調整された写真フィルムを用いて撮影することができるカメラである。そのカメラは、本体と、前記の本体に位置され、多色電子画像として周囲光画像を撮影する電子撮像部材と、前記のフィルムを保持でき、かつ、露出フレームを備えるフィルム画像撮影ユニットと、周囲光画像を前記の撮像部材および前記の露出フレームに方向付ける光学系と、前記の電子画像を測定して、所定の色空間における色値を与える色検出器と、前記の電子画像の、前記の色値から前記の指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する、ホワイトバランス色空間ベクトルを決定するホワイトバランス調整回路と、前記の色空間において、前記の色値から前記のホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向に延びる逆色空間ベクトルを決定するリバーサル回路と、前記の電子撮像部材に接続されるカラーバランス調整回路と、前記の本体の外側に位置される画像ディスプレイとから成る。また、前記のカラーバランス調整回路は、前記の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整し、補償画像を与える。また、前記の画像ディスプレイは、前記の電子撮像部材と前記のカラーバランス調整回路とに接続され、前記の補償画像を表示する。
【0014】本発明に係る方法は、周囲光中で使用できる画像撮影方法である。その方法は、カメラにおける電子画像として、周囲光画像を撮影するステップと、前記の電子画像のホワイトバランス調整を決定するホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整するステップと、前記のカラーバランス調整に続いて、前記のカメラ上に取り付けられたディスプレイにおいて、前記の電子画像を表示するステップとから成る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。まず、図1、図3および図4を参照する。システム10において、撮影者がカメラ14のシャッタレリーズ12を作動させると、写真の被写体は、確認画像撮影ユニット16とアーカイブ画像撮影ユニット18を用いて撮影される。確認画像撮影ユニット16は、被写体の画像の電子画像(シーンの光画像)を撮影する。電子画像はデジタル処理されて確認画像となり、この画像が、カメラ14上に装備されたディスプレイ20に写し出される。アーカイブ画像撮影ユニット18は、写真仕上げ(現像・焼き付け・引き伸ばし)後に利用される第2の画像を撮影する。カメラ14は、確認画像が与えられると同時に、写真仕上げにより得られるアーカイブ画像が許容範囲内のカラーバランスをもつものか、または、許容範囲外の色かぶりをもつものになるか、撮影者に対して表示する。このような表示は、周囲光の色値の測定に基づいている。
【0016】本願明細書で使用する「色値」という用語は、1以上の多重表色系において特定の色刺激を規定する特性の集合をいう。色刺激は、1以上の表色系において、特定の連続または非連続のレンジを有する。このレンジは、具体的に言うと、「色値のレンジ」と呼ばれるか、または「色値」と省略してもよく、この場合、用語の範囲は変わるものではない。表色系のそれぞれは、既知の複数の基準色刺激の集合と、既知の応答性をもつ基準検出器または観測者を有する。従って、特定の色刺激は、各々の表色系に対して、対応する規定基準色刺激値の集合を有する。必要な計算を少なくするために、表色系がそれぞれ三色からなるものであり、従って、規定基準色刺激値が三刺激値であることが非常に好ましい。ある色値がある特定の色刺激を規定する1以上の表色系は、CIE(国際照明委員会)標準観測者などの人間の視覚標準に基づくものであってよいが、人間の視覚標準に制限されるものではない。相関色温度は色値である。色値は、人間の視覚標準に基づいていない表色系に対して、人間の視覚のメタメリズム(条件等色)を補償するように、較正を含むものであってよい。このような較正は、色値とは別に与えられてもよい。「色値」という用語の特定の使用に適切な1以上の表色系が本願明細書により規定される。例えば、ディスプレイに対する平均色値は、赤、緑、青(RGB)の強度の平均、さらに、色度の平均、すなわち、特定の人間標準に対する色度座標の平均である。便宜上、本願明細書では、一般的に、色値は、視覚のメタメリズムが問題とならず、色値が色度と同じものである実施の形態に関して記載される。色度に関する特殊な専門用語の使用は避けている。例えば、「色検出器」という用語は、色測定または色評価装置を広義に規定するために、「測色計」という用語の代わりに用いられる。なぜなら、「測色計」は、色度を測定するものだからである。アーカイブ撮影媒体は、指定光源に対応する特定の色値に対してカラーバランス調整される。色値は、指定光源の相関色温度として表されてよい。
【0017】アーカイブ画像撮影ユニット18は、本願明細書において「指定光源」と呼ばれる特定の光源に対してカラーバランス調整されたアーカイブ画像撮影媒体22を保持する。このような媒体22の一例は、昼光に対してカラーバランス調整された写真フィルムである。アーカイブ画像撮影の周囲ライティングが指定光源と一致すれば、確認画像に示されるカラーバランスは、写真プリントなどの最終的なアーカイブ画像において見られるものと一致する。指定光源との一致が厳密でなくてもよい場合もある。例えば、デイライト型フィルムは、一般的に、電子フラッシュに対してもカラーバランス調整される。もし、アーカイブ画像撮影の周囲ライティングが、本願明細書において「非指定光源」と呼ばれる指定光源とは異なる相関色温度をもつ光源であるなら、写真の被写体により反射され、アーカイブ画像に撮影された光は、指定光源に対してオフセットされたカラーバランスをもつことになる。指定および非指定光源は、本願明細書において、総称して「基準光源」と呼ばれる。また、このオフセットは、本願明細書において、「色かぶり」と呼ばれる。本願明細書において、基準光源は、人間の視覚系が、順応により、基準光源を白色のものとして見ることができるなら、「順応性がある」といわれる。
【0018】順応性のある基準光源は、人間の円錐体の応答により規定される制限された色域および光源パワー内にある。順応性のある基準光源に順応する撮影者は、その光源を白色のものと見て、色かぶりを感じない。例えば、アーカイブ画像撮影媒体22が、指定光源としての昼光に対してバランス調整されたカラーフィルムであれば、蛍光灯およびタングステンのライティングは、その媒体に対して順応性のある非指定光源である。これは、常に赤色であると認識される非化学線暗室光や、人間の桿状体の応答だけを活発にし、常に白色であると認識される散乱性の星明かりなど、「非順応性光源」と呼ばれる光源と対比できる。このような順応性のある光源は、相関色温度が5500°Kの写真用昼光、相関色温度が2900°Kのタングステン(100W電球)、相関色温度が3500°Kの蛍光灯(WF)、相関色温度が3000°Kの蛍光灯(WWF)、および、相関色温度が4500°Kの蛍光灯(CWF)を含む。便宜上、本発明は、本願明細書において、一般的に、指定光源として昼光をもち、従って、非指定光源として蛍光灯ライティングおよびタングステンライティングをもつアーカイブ撮影媒体に関して記載される。この記載は制限的なものではなく、他の実施の形態に対しても同様の考慮がなされる。
【0019】図1、図3および図4を参照すると、アーカイブ画像撮影ユニット18は、本願明細書において、一般的に、撮影媒体として写真フィルム22aを用いた写真フィルム撮影ユニット18aという形で記載される。確認画像撮影ユニット16は、電子撮影ユニットである。写真フィルム22aの指定光源は、画像形成層の化学的性質に応じるものである。
【0020】図2および図5を参照すると、アーカイブ画像撮影ユニット18は、代わりに、アーカイブ画像を電子的に撮影し、その画像をデジタル形式で保存することができる。後者の場合、「撮影媒体」は、電子または磁気メモリなどのデジタル記憶媒体22である。これらの完全な電子撮影カメラの場合、アーカイブ画像は、写真仕上げのためにデジタル形式で転送される。転送は、物理的媒体上で行われるか、または送信電子信号として行われてよい。2つの電子撮影ユニットが、カメラ14(図示せず)にあってもよく、または、単一の電子撮影ユニットが、確認画像撮影ユニット16とアーカイブ画像撮影ユニット18の両方として用いられてよい。この場合、アーカイブ画像および確認画像のうちの一方は、他方から生じる。アーカイブ画像撮影ユニットは、その技術がどのようなものであっても、指定光源をもつ記憶媒体22を有する。アーカイブ画像は、指定光源下で露出されたものとして画像を処理する写真仕上げ機器によって、潜像または記憶された電子画像から視覚化される。この結果得られる最終的なアーカイブ画像は、画像が非指定光源下で露出される場合に色かぶりを示す。
【0021】再度、図1および図2を参照すると、アーカイブ画像と電子画像は、異なる期間にわたって異なるルートを辿り、視覚表示画像の形態で、最終的なアーカイブ画像および最終的な確認画像を与える。アーカイブ画像および確認画像と共に、カメラ14は、シーン光源が色かぶりをもつか否かを検出し(21)、アーカイブ画像に色かぶりの発生が予想される場合は、その予想信号を出力する(23)。
【0022】電子画像が辿るルート30において、撮影(24)が終了した後、電子画像は、デジタル画像を与えるようにデジタル化される(26)。電子画像は、電子撮像チェーン30の構成部品の入出力特性における差を調整するように較正され(28)、写真仕上げ出力34の特性に適合される(32)。次に、その結果得られる確認画像が、ディスプレイ20上に示される(36)。詳細な特徴は、さまざまなものであってよい。例えば、以下に記載するように、電子画像は、通常、撮影(24)および表示(36)の間で1回以上保存される(図1には図示せず)。
【0023】次に、図1に示されているように、撮影(40)や任意の追加の露出に続くフィルム画像のルート38を参照すると、カメラ14から、フィルム22a(フィルムカートリッジとして示されている)が取り除かれる。フィルム22aは、写真仕上げユニット(破線44によって示される)により受け取られ、現像され(46)、デジタル写真仕上げユニットを用いて、デジタル化画像を与えるように走査およびデジタル化される(48)。プリントされる画像枚数を表す磁気コードなどの、フィルム22b上またはフィルム22bと共に与えられる非画像情報が、読み取られ利用される(図示せず)。デジタル化画像は、デジタル処理される(52)。デジタル画像の場合と同様に、デジタル化画像には、使用する入出力媒体のタイプおよび他の入出力パラメータを調整するように、較正変換が施される(50)。その結果得られる較正されたデジタル化画像は、プリントされてよく、または、ハードコピーまたは他の出力を提供するように仕上げられてもよい。また、写真仕上げユニット44は、どちらの場合においても、デジタル形式ではなく光学形式であってよく、その場合には、現像されたフィルム画像は、デジタル化画像をデジタル化または較正することなくプリントされる。便宜上、本願明細書では、主に、デジタル写真仕上げユニットに限定して記載される。機器の制限内において、同様の考慮が、光学写真仕上げユニットにもなされる。
【0024】図2に示されるアーカイブデジタル画像のルートは、アーカイブフィルム画像のものと同様であるが、フィルム22aの代わりに、デジタルメモリ22b(リムーバブルメモリカードとして示されている)を使用しており、化学的現像がない。図2に示される実施の形態において、カメラ14は、単一の電子撮影ユニット16を有し、電子画像は複製される(25)。その結果得られる2つの画像のうち一方が表示され(36)、他方が記憶されて(27)写真仕上げ処理へと転送される。
【0025】デジタル画像のカメラ14における写真仕上げ経路への適合は、さまざまな特性を含んでもよい。アーカイブ画像の特性の中には、画像を撮影するときに写真仕上げ経路の特性の知識がなくても適合できるものがある。色かぶりの部分補正などの他の特性は、被写体不良抑制境界などの写真仕上げパラメータの知識を必要とする。さらなる他の特性は、写真仕上げパラメータの知識とカメラ14からの追加の露出関連情報の伝達の両方が必要である。これらの制限内で、希望に応じて、デジタル画像が、写真仕上げ経路に適合されてもよい。写真仕上げ後の最終的なアーカイブ画像の色かぶりを、撮影者の感知において、ここに記載する精度の範囲内に適合させるように、確認画像が修正され、表示される確認画像の色かぶりが減じられることが好ましい。
【0026】カメラ14が、図3から図7に示されている。便宜上、カメラ14は、一般的に、図3、図6および図7に示される実施の形態を参照して記載される。他の図面に示されるカメラ14、および、概して示されているカメラ14にも、同様の考慮がなされる。
【0027】図3、図6および図7を参照すると、この実施の形態において、カメラ14は、フィルム潜像撮影ユニット18aと電子撮影ユニット16とを保持する本体54を備える。本体54は、他の構成部品に対して、構造上の支持および保護を与える。カメラ14の本体54は、特別の使用法やスタイルを考慮して、その要求に見合うように変更されてよい。本体54が、共にシャーシ60を覆って接合されるフロントカバー56およびリアカバー58を備えると便利である。カメラ14の構成部品の多くは、シャーシ60に取り付けられてよい。フィルムドア62とはね上げ式フラッシュユニット64は、カバー56、カバー58およびシャーシ60に旋回可能に接合される。
【0028】本体54に取り付けられたアーカイブ画像撮影ユニット18は、フィルム撮影ユニット18aである。フィルム撮影ユニット18aは、使用中フィルムユニット42を保持するフィルムホルダ66を備える。フィルムホルダ66の構造は、使用するフィルムユニット42のタイプに応じたものである。図面に示すカメラ14は、フィルムの詰め替えが可能なものであり、アドバンスト・フォト・システム(「APS」)フィルムカートリッジを使用している。カメラ14は、フィルムタイプを決定するIX−DXコードリーダ(図示せず)と、各フィルムの生成されるプリント枚数を表すデータをフィルム22a上に書き込む磁気ライタ(図示せず)とを備える。これは、限定的なものではない。例えば、1つまたは2つの他のタイプのチャンバフィルムカートリッジおよびロールフィルム、および、他の適切なカメラが使用されてもよい。
【0029】フィルムホルダ66は、一対のフィルムチャンバ68、70と、フィルムチャンバ68、70の間にある露出フレーム72(「中間部分」と呼ばれることもある)とを含む。フィルムユニット42は、チャンバの一方に配置したキャニスタ74を備える。キャニスタ74によって保持されているスプールに、フィルムストリップ22aが巻き付けられる。使用中、フィルムストリップ22aは、露出フレーム72を横切るように延び、他方のチャンバにあるフィルムロール76内に巻き込まれる。露出フレーム72は開口78を備え、写真を撮るたびに、その開口を介して光像がフィルム22aのフレーム80を露光する。
【0030】フィルムストリップ22aは、フィルム搬送手段82により露出フレーム72を横切って移動する。図7に示すように、フィルム搬送手段82は、供給スプール82b内に設けられた電気モータ82aを含むが、他のタイプの電動式搬送機構や手動搬送手段が用いられてもよい。潜像は、フィルム送りまたはフィルム巻き戻しにより露出されてよい。
【0031】電子画像撮影ユニット16は、本体54に設けられた電子アレイ撮像部材84を備える。電子アレイ撮像部材84は、フィルム上の潜像に撮影されたシーンと同じシーンを撮影するように構成されている。使用される撮像部材84のタイプはさまざまなものであってよいが、撮像部材84が、利用可能ないくつかのソリッドステート撮像部材の1つであることが非常に好ましい。広く一般に使用されているタイプのソリッドステート撮像部材の1つは、電荷結合素子(「CCD」)である。利用可能ないくつかのCCDタイプのうち、2つのCCDは、容易な電子シャッタリングを可能にするため、この使用に好ましいものである。これら2つのうちの第1のタイプであるフレーム転送CCDは、光活性化により電荷を発生させ、その画像電荷の全てを遮光性の非感光性領域にシフトさせる。その後、この領域は、抽出電子画像を与えるためにクロックアウトされる。第2のタイプであるインタライン転送CCDも、電荷をシフトすることによりシャッタリングを実行するが、撮像ラインと同程度の多くの記憶領域をもつように、各画像ラインの上側または下側にある領域に電荷をシフトする。その後、記憶ラインは、適切な方法でシフトされる。これらのCCD撮像部材のそれぞれには、利点だけでなく欠点もあるが、本願ではすべてがうまく機能するであろう。典型的なCCDは、クロックドライバ、アナログ信号プロセッサ136(ASP)およびA/D変換器として作用する別々の構成部品を備える。CMOS技術を用いて製造された電子画像センサを用いることも可能である。このタイプの撮像部材は、容易に利用可能なソリッドステートプロセスにおいて簡単に製造され、単一の電源を用いた使用に向いているため、非常に使用しやすいものである。さらに、このプロセスでは、同じ半導体ダイに周辺回路を集積できる。例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサは、単一IC上に集積された、クロックドライバ、アナログ信号プロセッサ136およびA/D変換器の構成部品を含むことができる。使用可能な第3のタイプのセンサは、電荷注入素子(CID)である。このセンサは、読み取られる素子から外部に電荷がシフトされないという点で、上述した他のタイプとは異なる。読み取りは、画素内で電荷をシフトすることにより行われる。これにより、アレイにおけるどんな画素も非破壊的に読み取ることができる。素子の外部にシャッタがつけられていれば、アレイは、画像を破壊することなく繰り返し読み取られる。シャッタリングは、外部シャッタにより行われてよく、外部シャッタがない場合は、再結合のために電荷を基板に注入することにより行われてよい。
【0032】電子画像撮影ユニット16は、3色画像を撮影する。3色フィルタと共に単一の撮像部材84が使用されることが非常に好ましいが、複数の単色撮像部材およびフィルタが使用されてよい。適切な3色フィルタは、当業者に周知であり、撮像部材84と組み合わされて、一体化された構成部品となる場合もある。
【0033】以下、主に図3を参照すると、カメラ14は、本体54に設けられた1以上のレンズからなる光学系86を備える。その光学系は、破線およびいくつかのレンズ要素群85により示されている。これは、例示的なものであって、限定的なものではないことを理解されたい。光学系86は、露出フレーム72と電子アレイ撮像部材84に光を向ける。また、図3に示すように、光学系86は、ビューファインダ88を介してユーザに光を向けることが好ましい。撮像部材84は、露出フレーム72から間隔をおいて設けられているため、光学系86は、第1の経路(一点鎖線90で示す)に沿って露出フレーム72へと、そして第2の経路(一点鎖線92で示す)に沿って電子アレイ撮像部材84へと光を向ける。両経路90、92は、被写体画像の平面にあるカメラ14の前の位置に集束する。図3において、光学系86は、第1の経路90および第2の経路92をもつ。第1の経路90および第2の経路92は、被写体像で集束し、撮影用レンズユニット94、および、撮像部材レンズユニット98とビューファインダレンズユニット100の両方を含む組み合わせレンズユニット96へと延びる。組み合わせレンズユニット96は、撮像部材84への撮像部材副経路92aと、全反射ミラー104により再方向付けされ、接眼レンズ106を介して撮影者へと伝達されるビューファインダ副経路92bとの間に、第2の光路92をさらに分割する部分的に透過性のミラー102を備える。
【0034】光学系86はさまざまなものであってよい。図5に示すように、ビューファインダレンズユニットと撮像部材レンズユニットが完全に別々のものであってよく、組み合わせレンズユニットが、撮影用レンズユニットと撮像部材レンズユニット(図示せず)の両方を含むものであってもよい。また、その他の別の光学系が設けられてもよい。
【0035】再度、図3に示す実施の形態を参照すると、撮影用レンズユニット94は、ズームドライバ108により、1以上の可動要素が、1以上の静止要素に相対的に駆動される電動式ズームレンズである。また、組み合わせレンズユニット96も、ズームドライバ108により、1以上の静止要素に相対的に駆動される1以上の可動要素を含む。異なるズームドライバ108は、機械的に(図示せず)、または、同じまたは比較できる程度の範囲の焦点距離にわたってユニットのズーム要素を同時に移動させるようにズームドライバ108に信号を送るコントローラ132によって、同程度にズームするように連結される。コントローラ132は、データ操作および一般的なプログラム実行用にRAMを備える埋め込み型マイクロプロセッサなどの、適切な構造を備えたマイクロコンピュータの形態のものであってよい。
【0036】また、図3の実施の形態の撮影用レンズユニット94は、オートフォーカス式のものである。オートフォーカス式システム110は、レンジャ114に信号を送信するセンサ112を備える。このレンジャ114は、撮影用レンズユニット94の1以上の焦点合わせ可能な要素(別々に図示されていない)を動かすように、フォーカスドライバ116を操作する。オートフォーカスは、受動的または能動的なものであってよく、またはそれら2つの組み合わせであってもよい。
【0037】撮影用レンズユニット94は、例えば、単一の焦点距離、マニュアルフォーカスまたは固定焦点をもつなど、単純なものであってよいが、これは好ましいものではない。ビューファインダレンズユニット100と撮像部材レンズユニット98のいずれか一方または両方が、固定焦点距離をもつものであってよく、または、いずれか一方または両方が、異なる焦点距離間でズームできるものであってよい。また、撮像部材84用の光学ズームの代わりに、または、それと組み合わせて、デジタルズーム(光学ズームに相当するデジタル画像の拡大)が使用されてもよい。デジタルスチルカメラで広く行われているように、撮像部材84とディスプレイ20は、光学ビューファインダ88の代わりに、または、それと組み合わせて、画像を撮影する前にビューファインダとして使用されてよい。このアプローチは、バッテリー使用量が非常に増大するため、一般に好ましくない。
【0038】カメラ14は、他の方法で使用されてよいが、アーカイブ画像は、ユーザが望む写真仕上げ後の最終的な画像のベースを与えるためのものであり、確認画像は、最終的な画像に後々与えられるであろう結果をチェックするためのものである。従って、確認画像は、アーカイブ画像と同じ品質をもつ必要はない。その結果、図3のカメラ14では、撮像部材84と撮像部材84に光を向ける光学系86の一部は、小型化、簡素化および軽量化が可能である。例えば、撮影用レンズユニット94は、焦点合わせ可能なものであってよく、撮像部材レンズユニット98は、固定焦点をもつものであってよく、または、異なるレンジにわたって、または、より少数の焦点位置との間で焦点合わせできるものであってよい。
【0039】フィルムシャッタ118は、露出フレーム72への光路90を閉じる。撮像部材シャッタ120は、撮像部材84への光路92を閉じる。また、光路90と光路94の両方に、ダイアフラム/絞り板122、124が設けられてよい。シャッタ118とシャッタ120のそれぞれは、開状態と閉状態との間で切り換え可能である。「シャッタ」という用語は、広い意味で用いられ、画像撮影のために光路に沿ってフィルムストリップまたは撮像部材に光を通すことができ、他の時間ではその通路を遮断する機能を与える物理的および/または論理的要素をいう。従って、「シャッタ」は、すべてのタイプの機械式および電気機械式シャッタを含むが、これらに限定されるものではない。「シャッタ」は、フィルム搬送手段や、フィルムまたは撮像部材を光路内または光路から外に単純に移動させる同様の機構を含まない。「シャッタ」は、カメラコントローラ132の制御下で撮像操作が開始および停止することを可能にする電子アレイ撮像部材のコンピュータソフトウェアおよびハードウェアの特徴を含む。
【0040】一般的に好ましい実施の形態において、フィルムシャッタ118は、機械式または電気機械式のものであり、撮像部材シャッタ120は、機械式または電子式のものである。撮像部材シャッタ120は、機械式の撮像部材シャッタ120の位置と、電子式のシャッタの機能の両方を示すように破線で示されている。CCDを用いる場合、撮像部材84の電子シャッタリングは、非感光性領域に遮光が設けられた状態で蓄積された電荷をシフトすることにより与えられてよい。これは、フレーム転送デバイスCCDの場合のフルフレーム、または、インタライン転送デバイスCCDにおける水平ラインでありうる。適切な素子および手順は、当業者に周知である。CIDを用いる場合、各々の画素の電荷は、露出の開始時に基板に注入される。露出の終了時、各々の画素の電荷が読み取られる。この場合に生じる困難な点は、第1の画素読み取りの露出時間が、最後の画素読み取りの露出時間よりも短いことである。その時間差は、アレイ全体を読み取るのに必要な時間である。これは、全露出時間と、アレイ全体の読み取りにかかる最大時間に応じて、重要となる場合もあり、重要とならない場合もある。CMOS撮像部材は、一般的に、ローリングシャッタと呼ばれる方法で閉じられる。この方法を用いたCMOS撮像部材は、これが共通のシャッタ時間まで各個々のラインを閉じるが、各々のラインの露出時間は連続して始まるため好ましくない。これは、露出時間が短い場合であっても、移動する物体に歪みが生じることを意味する。水平方向に動く場合を考えると、縦方向の特徴は、ライン毎の露出における時間差により斜めに写し出されることになる。米国特許第5986297号には、CMOS撮像部材をシャッタリングする別の方法が記載されている。シングルフレーム撮影モードと呼ばれるこの方法では、全ての画素は、露出時間中に電荷を結合することが可能である。露出時間の終了時、全ての画素は、同時に、素子の浮遊拡散に転送される。この時点で、ライン毎の連続的な読み出しが可能である。
【0041】撮像部材84は、光像(被写体の画像)を受け取り、その光像をアナログ電気信号、すなわち、ここでは初期確認画像とも呼ばれる電子画像に変換する。(便宜上、電子画像は、本願明細書において、一般的に、単数で記載される。)電子撮像部材84は、撮像部材ドライバ126によって操作される。電子画像は、最終的に、画像ディスプレイドライバ128により操作される画像ディスプレイ20に伝送される。撮像部材84と画像ディスプレイ20との間に、制御システム130がある。
【0042】制御システム130は、カメラ10の他の構成部品を制御し、電子画像に関連する処理を実行する。図3に示す制御システム130は、コントローラ132、A/D変換器134、画像プロセッサ136、および、メモリ138を含む。制御システムの適切な構成部品は、当業者に既知である。本願明細書の他の部分に記載するような制御システム130の変形例も有用である。「メモリ」とは、半導体メモリや磁気メモリ、または、それに類似するものに設けられた物理的なメモリの1以上の適切なサイズをもつ論理ユニットをさす。例えば、メモリ138は、フラッシュEPROMメモリなどの内部メモリであってよく、この代わりとして、コンパクトフラッシュ(登録商標)カードなどのリムーバブルメモリ、または、それら両方を組み合わせたものであってもよい。コントローラ132と画像プロセッサ136は、画像記憶用に使用される同じ物理的メモリに格納されたソフトウェアにより制御されてよいが、プロセッサ136とコントローラ132は、例えば、ROMまたはEPROMファームウェアメモリなどの専用メモリに格納されたファームウェアにより制御される。
【0043】初期電子画像は、アナログ・デジタル(A/D)変換器−増幅器134により増幅されて、デジタル電子画像に変換され、その後、画像プロセッサ136で処理されて、画像メモリ138bに記憶される。データバス140として示す信号線は、撮像部材84、コントローラ132、プロセッサ136、画像ディスプレイ20、および、他の電子構成部品を電子的に接続する。
【0044】コントローラ132は、タイミングの関連において、すべての電子構成部品に制御信号を出力するタイミング発生器を含む。EEPROMなどの較正メモリ138aに、個々のカメラ14の較正値が記憶され、コントローラ132に出力される。コントローラ132は、ズームドライバ108と、フォーカスドライバ116と、絞りドライバ142と、フィルムおよび撮像部材シャッタドライバ144、146とを含む、複数のドライバおよびメモリを操作する。コントローラ132は、フラッシュ機能を伝えるフラッシュ回路148とつながる。図示および記載される回路が、当業者に周知のさまざまな方法で変形できることを理解されたい。また、物理的な回路に関してここに記載されるさまざまな特徴が、代替的に、ファームウェアまたはソフトウェア機能、または、それら2つの組み合わせとして与えられてよいことも理解されたい。同様に、本願明細書において別々のユニットとして示す構成部品が、いくつかの実施の形態において、便宜上、組み合わされるか、または共有されてもよい。
【0045】電子確認画像は、プロセッサ136によりアクセスされ、必要に応じて、所定の出力要求に見合うように修正され、ディスプレイ20に出力される。その修正は、使用するディスプレイ20に対する較正などである。例えば、電子画像は、色および色調の補正およびエッジ強調を行うように処理されてよい。ディスプレイ20は、画像ディスプレイドライバ128により駆動され、プロセッサ136の出力を用いて、ユーザが見るディスプレイ画像を生成する。コントローラ132により、電子構成部品間での電子画像の転送が容易になり、必要に応じて、他の制御機能が与えられる。
【0046】また、制御システム130は、ディスプレイ20に対して確認画像を較正するデジタル処理を行う。較正動作には、異なる構成部品の特徴における差を調整するための電子画像の変換が含まれてよい。例えば、各々の画像を修正して、ディスプレイ20のグレースケール、色域および白色点、および、電子撮影ユニット16の撮像部材84や他の構成部品のについて異なる性能を調整する変形体が設けられてもよい。較正は、構成部品の特徴に関連するため、画像毎に一様である。また、電子画像は、画質を高めるために、他のデジタルカメラと同じ方法で修正されてもよい。例えば、確認画像は、補間およびエッジ強調を行うために、画像プロセッサ136により処理されてよい。ここでの制限は、確認画像がアーカイブ画像を確認するために存在するという点である。アーカイブ画像を改善したり、その類似度を変えたりしない強調は許容可能である。アーカイブ画像が電子画像であれば、比較できる程度の強調が、確認画像およびアーカイブ画像の両方に与えられてよい。望まれるなら、確認画像を複製する前に、単一の電子画像が較正されてよい。電子アーカイブ画像のデジタル処理には、JPEG圧縮などのファイル転送や、ファイルフォーマッティングに関する修正が含まれてよい。
【0047】較正されたデジタル画像は、選択された写真仕上げ経路の出力特性に適合するようにさらに較正されて、適合されたデジタル画像を与える。写真仕上げ関連の調整は、特定の撮影媒体ユニットに従う写真仕上げ手順についての予備知識が必要である。この予備知識は、特定の撮影媒体ユニットの写真仕上げオプションを制限することにより、または、すべての利用可能な写真仕上げを標準化することにより、または、例えば、制御パッドに文字を入力するかスイッチを設定してユーザに写真仕上げに関する選択肢を選択させることにより得利用可能になる。このような指示により、特定の写真仕上げオプションの使用が方向付けされ、確認画像における特定のオプションの効果を直接的または間接的に表すことができる。撮影媒体ユニット上の指示は、磁気または光学コードを与えることなど、当業者に既知の多数の手段により与えられてよい。カメラ内の電子撮像チェーンにおける任意の場所で差調整がなされてよい。特定の実施の形態において、差調整がなされる場所は、一般に、利便性とカメラの他の特徴に課せられる制約の問題である。例えば、写真仕上げの差調整は、ユーザが写真仕上げの選択肢から選択したものに合わせられたルックアップテーブルにおいて与えられてよい。コントローラは、選択された調整に応じて色値を変更する。
【0048】コントローラ132は、単一の構成部品として、または、分散させた場所にある同等の機能を備えた複数の構成部品として設けられてよい。プロセッサ136および他の構成部品に、同じ考慮がなされてよい。同様に、本願明細書において別のユニットとして示す構成部品が、いくつかの実施の形態において、便宜上、組み合わされるか、または共有されてもよい。
【0049】異なるタイプの画像ディスプレイ20が使用されてよい。例えば、ディスプレイ20は、液晶ディスプレイ(「LCD」)、陰極線管ディスプレイ、または有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(「OELD」、有機発光ディスプレイ「OLED」とも呼ばれる)であってよい。また、画像ディスプレイ20が、スイッチの作動により要求に応じて操作される(別に図示されない)こと、および、画像ディスプレイ20が、タイマにより、または、シャッタレリーズ12を最初に押し下げることによりオフにされることも好ましい。タイマは、コントローラ132の一機能として設けられてよい。ディスプレイ20は、写真を撮影したすぐ後に撮影者が容易に見ることができるように、本体54の背面または上面に取り付けられることが好ましい。露出残存、バッテリー状態、プリントフォマット(C、H、Pなど)、フラッシュ状態およびそれに類似するもの等のカメラ14の情報を撮影者に与えるように、本体54上に1以上の情報ディスプレイ150が設けられてよい。情報ディスプレイ150は、情報ディスプレイドライバ152により操作される。情報ディスプレイ150の代わりに、この情報は、画像ディスプレイ20上に、画像と重複するものとして、または、画像の代わりに交互に与えられてよい(図示せず)。
【0050】図6に示す画像ディスプレイ20は、本体54の背面に取り付けられる。情報ディスプレイ150は、本体54に画像ディスプレイ20に隣接して取り付けられるので、2つのディスプレイは、撮影者が一目で見ることができる単一のユーザインタフェース部分154を形成する。画像ディスプレイ20および情報ディスプレイ150は、ビューファインダ88を介して仮想ディスプレイ(図示せず)として見ることができるように、その代わりに、または、追加して取り付けられてよい。また、画像ディスプレイ20は、光学ビューファインダ88の代わりに、または、それに追加して用いられてもよい。
【0051】撮影者が確認できるものは、ディスプレイ20に映るものだけであるため、実質的に、潜像と同じ幾何学的大きさの被写体の画像を撮像部材84が撮影し、画像ディスプレイ20が示すことが好ましい。この理由から、ディスプレイ20は、潜像の85〜100パーセント、より好ましくは、潜像の95〜100パーセントのものを示すことが好ましい。
【0052】以下、特に図3を参照すると、カメラ14のユーザインタフェース154は、レンズユニットのズーミングを制御する「ズームイン」および「ズームアウト」ボタン158を含む制御装置156と、シャッタレリーズ12とを備える。シャッタレリーズ12は、シャッタ118とシャッタ120の両方を操作する。写真を撮影するために、シャッタレリーズ12がユーザにより作動され、設定状態から中間状態へ、さらにレリーズ状態へと移る。シャッタレリーズ12は、通常、押すことにより作動され、本願明細書においては、便宜上、一般的に、シャッタレリーズ12は、第1のスイッチ162を作動させて、設定状態から中間状態へとシャッタレリーズ12を変更するために、「第1のストローク」(図3に実線の矢印160で示される)により最初に押し下げられ、第2のスイッチ166を作動させて、中間状態からレリーズ状態へとシャッタレリーズ12を変更するために、「第2のストローク」(図3に破線の矢印164で示される)によりさらに押し下げられる。当業者に周知である他の2つのストロークシャッタレリーズのように、第1のストロークは、オートフォーカス、自動露光およびフラッシュユニットの準備などの露出パラメータの自動設定を作動させ、第2のストロークは、画像撮影を作動させる。
【0053】以下、図3を参照すると、シャッタレリーズ12が第1のストロークまで押される場合、撮影用レンズユニット94と組み合わせレンズユニット96は、それぞれ、自動測距ユニット114(図3の「レンジャ」)によりコントローラ132に送信された被写体の距離データを基にして検出された被写体の距離にオートフォーカスされる。また、コントローラ132は、ズームレンズユニットがズームドライバ108の一方または両方、または、ズームセンサ(図示せず)から設定される焦点距離の長さを表すデータを受信する。また、カメラ14は、フィルムユニット検出器168を用いてカメラ14に装填されるフィルムカートリッジ42のフィルム速度を検出し、この情報をコントローラ132へ中継する。カメラ14は、以下に記載するように、測光計として機能する構成部品からシーンの輝度(Bv)を得る。シーンの輝度と他の露出パラメータは、コントローラ132におけるアルゴリズムに与えられる。アルゴリズムは、焦点距離、シャッタ速度、絞り、および、オプションとして、撮像部材84により出力されるアナログ信号を増幅するためのゲイン設定を決定する。これらの値の適切な信号は、フォーカスドライバ116、フィルムおよび撮像部材絞りドライバ142、および、フィルムおよび撮像部材シャッタドライバ144、146へと、コントローラ132のモータドライバインタフェース(図示せず)を介して送信される。ゲイン設定は、A/D変換器−増幅器134に送信される。
【0054】図3に示すカメラ14において、撮影されたフィルム画像は、アーカイブ画像を与える。図4に示す別の実施の形態において、アーカイブ画像は電子画像であり、撮影媒体はリムーバブルメモリ22bである。使用するリムーバブルメモリのタイプや、光学式、磁気式または電子式など、情報の記憶方法は重要ではない。例えば、リムーバブルメモリは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD、DVD、テープカセット、または、フラッシュメモリカードまたはスティックであってよい。この実施の形態では、電子画像は、撮影された後、複製される。第1の電子画像は確認画像として使用され、第2の電子画像は、アーカイブ画像を与えるように撮影媒体に記憶される。図2に示すように、システム10は、上述したシステム10と他の点で類似しているが、写真仕上げに、化学現像およびデジタル化が含まれていない点が異なる。カメラ14が完全に電子式のものである場合、確認画像は、アーカイブ画像の、抽出された低解像度のサブセットであってよく、または、第2の低解像度の電子アレイ撮像部材(図示せず)が用いられてよい。共通に譲渡されたKuchta等の米国特許第5164831号の「最高解像度および低解像度画像の多形式記憶を備えた電子スチルカメラ(Electronic Still Camera Providing Multi−Format Storage of Full and Reduced Resolution Images)」に記載された方法を用いて、アーカイブ画像の低解像度サブセットが与えられてよく、この内容全体は本願明細書に引用により組み込まれる。
【0055】図5に示すカメラ14により、撮影者が選択して、または、1つまたは別の撮影媒体22における利用可能な記憶空間を基に、または、何らかの他のものを基に、フィルム撮影ユニット18aまたは電子撮影ユニット16のいずれかをアーカイブ撮影ユニットとして使用することができる。例えば、モードスイッチ170は、フィルム撮影モードと電子撮影モードとを選択できるものであってよい。他の点では、カメラ14は、前述した実施の形態と同じ方法で動作する。
【0056】カメラ14は、撮像部材84または別の検出器172(図面において破線で図示される)または、それらの両方を用いて、周囲照明レベルと、シーン光源の色温度に相当する周囲光の色値とを評価する。図2から図5は、撮像部材84を含む電子撮像ユニット16と、周囲検出器172(オプションの特徴として破線で示す)とを備えるカメラ14を示す。検出器172は、単一のセンサ174または複数のセンサ(図示せず)を操作する周囲検出器ドライバ173を有する。「センサ」という用語は、センサアレイを含む。ここでのセンサは、周囲光の検出が周囲領域のいろいろな部分から受けた光を別々に測定するか否かに基づいて、「単一」または「複数」のものと呼ばれる。「単一のセンサ」は、種々の色に対して別々の光検出器をもつものであってよい。周囲光の検出器またはセンサは、光学系86から光を受けるものであってよく、または、光学系86の外部で照らされるものであってもよい。
【0057】撮像部材84は、カラーバランスを決定するために使用されてよく、周囲検出器172は、シーンの輝度を決定するために使用されてよい。(撮像部材84を輝度用に使用して、周囲検出器172をカラーバランス用に使用してもよいが、これは好ましいものではない。)この代わりとして、両方の値を感知するために、撮像部材84または周囲検出器172のいずれか一方が用いられてよい。また、カメラ14は、例えば、特殊なライティング条件など、ユーザのさまざまな要求に応じて、撮像部材84と検出器172の使用法を選択的に変更できるように構成されてもよい。
【0058】それぞれのアプローチには、利点とともに欠点がある。撮像部材84を使用することにより、部品数の点でカメラ14の複雑性が低減されるが、撮影した画像に必要なデジタル処理の複雑性が増大する。撮像部材84は、周囲光を与える頭上の光源による直接照明から遮蔽される。光学系86から光を受ける1以上のセンサを備える検出器172にも、これと同じ利点がある。別の検出器172には、デジタル処理がより簡単であるという利点があり、いくつかの機能を分割できる。例えば、検出器172が、露出前に露出設定値を計算するためにシーン輝度を決定する第1の周囲光検出器と、露出時に色値を決定する第2のセンサ(図示せず)とを備えるものであってよい。撮像部材を使用することで、カメラ14の部品数が減る。シーン輝度とカラーバランスの情報処理手順は、より効率的な処理のために組み合わされてよい。このような組み合わせには、画像を露出する前に露出設定値が必要な場合など、一部の情報しか必要でない場合に、デジタル処理の負担が大きくなるという欠点がある。
【0059】シーン照明および色値の一方または両方を与えるために使用可能であり、かつ電子画像撮影ユニット16から分離している適切な周囲検出器の一例が、米国特許第4887121号に開示されており、図21に示されている。検出器172は、カメラ14の撮影用レンズユニット94のレンズ開口175と同じ方向に向いている。検出器172は、撮影用レンズユニット94により撮影されるシーン画像の方向に向けられた窓176を介して光を受ける。周囲光は、窓176に入り、第1の光パイプ178によって、液晶マスク180に向けられる。第2の光パイプ182が、液晶マスク180を介して伝達される光を受け、その光を、一連の異なる色のフィルタ184(好ましくは、赤、緑および青)に向ける。フィルタ184のそれぞれの他方側に設けられた光検出器186が、制御システム130に接続される。液晶マスク180は、色測定用に光検出器186のすべてに均一に光を伝達するように、制御システム130により制御される。液晶マスク180は、異なるパターンで露出測定を与えるように、異なる方法で部分的にブロック可能なグリッド(図示せず)を与える。
【0060】電子撮影ユニット16は、シーン輝度とカラーバランスの値を求めるために、別の検出器172の代わりに用いられてよい。このアプローチでは、撮影された電子画像のデータが抽出され、そのデータからシーンパラメータが決定される。シャッタ速度の自動設定やダイアフラム設定などの自動露出機能が画像の撮影中に使用される場合、電子撮影ユニット16は、画像を撮影する前に周囲照明レベルを得る必要がある。これは、電子撮影ユニット16の評価モードと撮影モードを与えることによって行われてよい。評価モードにおいて、電子撮影ユニット16は、電子画像の連続シーケンスを撮影する。これらの画像は、シャッタレリーズ12が第1のストロークにより作動され、その位置に維持されている限り撮影される。電子画像は、メモリに保存されてよいが、普通、メモリの使用量を減らすために、置き換え用の電子画像が撮影されると、その電子画像は、次々に破棄される。確認画像は、通常、このように連続した一連の電子画像の1つから得られ、これは、カメラシャッタの制限値内において、アーカイブ画像撮影と同時に発生するものである。言い換えれば、確認画像は、写真の撮影前、または、それと同時に撮影される一連の電子画像の最後の画像により与えられる。この代わりとして、最終的な電子画像の代わりに、または、それと共に、露出プロセスの測光データを与え、色かぶりの検出に必要なデータを与える評価画像のシーケンスの1以上の要素が用いられてよい。本願明細書で使用する「確認画像」という用語は、どちらの代替物により与えられる画像をも含むが、便宜上、本願明細書に記載する確認画像は、一般的に、最終的な電子画像から得られるものとする。本願明細書で使用する「評価画像」という用語は、アーカイブ画像の撮影を行い、確認画像に貢献しないか、または部分的にしか貢献しない一連の電子画像の部分を識別するために使用される。
【0061】評価画像は、撮影者が写真撮影前に写真の作成に使用するために画像ディスプレイ20に与えられてよい。評価画像は、色かぶり信号と共に、または、その信号を伴わずに与えられてよい。色かぶり信号を与える利点は、前もって撮影者が多くの情報を得て、進め方を上手く決定できることである。一方で、これにより、エネルギー需要が増大し、撮影者が写真作成に時間をとられている間、撮影者がほとんどすぐに使用することのない情報が与えられてしまうことがある。現在では、この目的でディスプレイ20を使用すると、バッテリーの消耗が激しくなり、光学ビューファインダー88が、バッテリーの消耗を最小限に抑えて同等の機能を提供することができるため、カメラ14は、評価画像を表示しないことが好ましい。
【0062】照明レベルに関して、電子撮影ユニット16は、組み立て中、既知の照明レベルおよび撮像部材ゲインを用いて、照明レベルの測定値を与えるように較正される。コントローラ132は、マルチスポット測光計に用いられる場合、同じ種類の測光アルゴリズムを用いて、評価画像に与えられるデータを処理してよい。後続する評価画像のそれぞれに対して、この手順が繰り返される。個々の画素または画素の集合が、マルチスポット測光計で使用される個々のセンサの代わりをする。例えば、コントローラ132は、最大値を見つけるまで、画素同士を比較して画像のピーク照明強度を決定してよい。同様に、コントローラ132は、画像の全画素の相加平均である全強度を決定してよい。測光アルゴリズムの多くは、撮像部材84アレイの一部のみの平均値または積算値を与える。別のアプローチは、複数の領域を評価して、それらの領域を別々に加重して全体の値を与える。例えば、中央重点方式では、周辺の画素より中央の画素に重点がおかれる。カメラ14は、中央重点やスポット測光などの異なるアプローチ間の手動切り換えができるものであってよい。この代わりとして、カメラ14は、シーンの内容の評価を基にして測光アプローチを自動的に選択してよい。例えば、上部に広範囲にわたって水平方向に明るい領域がある画像を空と解釈して、画像の残りの部分に対して特に重点が置かれてよい。
【0063】中程度のライティング条件下では、撮像部材84によって、単一の評価画像から測光およびカラーバランスの決定がなされることが可能である。より強烈なライティング条件は、許容範囲内の電子画像が撮影されるまで露出パラメータを変えながら、一連の評価電子画像のうち2枚以上の画像を用いて調整されてよい。パラメータの変更方法は重要ではない。以下のアプローチをとると、行いやすい。未知のシーンが測定される場合、撮像部材84は、中間ゲインに設定され、対象となる画像領域が抽出される。画素が、220などのある一定の上限しきい値(TH)を超える値を測定すれば、ゲインが高すぎるとされ、初期の測定の半分のゲインで第2の測定が行われる(1ストップレス)。(ここでのTHとTLの値は、例示的に挙げたものであり、1画素当たり8ビットまたは255の最大数値に基づいたものである。)第2の測定値が前の測定値の半分であれば、その測定値は正確で代表的なものであるとされる。第2の測定値がTHを超えた状態のままであれば、前の測定値の半分の値である測定値が得られるまで、この処理が繰り返される。初期の測定値が、45などの低い閾値(TL)よりも小さい値になれば、ゲインが倍にされ、第2の測定が行われる。その結果得られた測定値が最初の測定値の2倍であれば、この測定値は正確で代表的なものとされる。これが2倍でなければ、ゲインはさらに倍にされ、高いしきい値に対して同じように測定が繰り返される。絞り設定値やシャッタ速度などの露出パラメータは、ゲインの変更とは別に、または、それと組み合わせて同様に変更されてよい。真っ暗な場合などの限られたケースでは、電子画像撮影ユニット16は、許容範囲内の画像を撮影することができない。これらのケースでは、評価器により、ユーザインタフェース154に不良信号が送られて、カメラが現在の条件では適切な測光およびカラーバランス調整を行うことができないことをユーザに知らせてもよい。これらのアプローチの適切なアルゴリズムと特徴は、当業者に周知のものである。
【0064】コントローラ132がシーンの輝度値を受け取った後、コントローラ132は、シーンの輝度をフラッシュトリップポイントと比較する。光レベルがフラッシュトリップポイントよりも低い場合、コントローラ132は、ユーザが手動でフラッシュをオフにしてないければ、フラッシュユニット64による照明機能を有効にする。
【0065】カメラ14は、撮影ごとに周囲照明レベルと周囲光色値を決定してよい。この代わりとして、デジタル処理を省くために、カメラ14は、周囲光の測定前、またはすべての処理を実行する前に、最新の露出を検査してよい。図28を参照すると、第1のストローク(188)が第1のスイッチ162を作動した後、カメラ14が、前の露出の後の所定の値よりも小さい時間遅延を見出すと(190)、カメラ14は、前に保存した色値を取り出す(192)。経過時間が所定の値よりも大きければ、カメラは、周囲光を測定し(196)、その結果得られた色値を記録する(198)。取り出された、または、評価された色値は、コントローラに送られる(200)。アーカイブ画像および確認画像が撮影され(206)、タイマが開始されて(202)、次の露出に時間の経過を与える(204)。照明レベルに対して、または、色値と照明レベルの両方に対して、同じ手順が引き続き行われてよい。このアプローチでは、周囲ライティングが、わずかに経過した時間中に感知できる程度に変化しない状況を想定している。適切な経過時間の期間は、カメラの使用によるもので、より時間が長いと、エラーの危険性が高くなり、より時間が短いと、一連の露出中にカメラにかかる処理負担が大きくなる。通常の使用では、1分未満の経過時間が好ましい。経過時間のタイマは、カメラ14がオフにされるたびにリセットされる。
【0066】同様に図28に示されている別の第2のアプローチは、フラッシュ使用時にカラーシグナリングを無効にする(208)。フラッシュユニット64は、昼光に近く、かつ、色かぶりシグナリングを行う目的で本願明細書に記載するほとんどの実施の形態において昼光を与えるものとして取り扱われることが可能な光源を与える。このアプローチは、図28に示すように、上述した経過時間の第2のアプローチを用いて実行されてよい。また、カラーシグナリングは、オプションとして、カメラが屋外で昼光照明に露出されることにより照明レベルが非常に高いという想定で、シーンの輝度が非常に高い場合、無効にされてもよい(図示せず)。これらの第2のアプローチは、制御システム(別に図示されない)におけるソフトウェアまたはファームウェアにより実行されてよく、任意の方法で前述した他の実施の形態に組み合わされてよい。また、第2のアプローチは、例えば、毎回、色値および光レベルの測定値の獲得を行い、経過時間が確約されるか、またはフラッシュが使用される場合にデジタル処理ステップのみをスキップすることにより修正されてもよい。
【0067】カメラ14は、アーカイブ画像が色かぶりをもつことが予想されるという信号を出す。この信号は、例示的または非例示的なものであってよい。例示的な信号の場合、カメラ14は、確認画像において、少なくとも色かぶりの効果に類似したものを直接示す。非例示的な信号の場合、カメラ14は、アーカイブ画像が色かぶりを示すであろうという表示360のみを与える。その確認画像に対応するアーカイブ画像上の色かぶりの効果は、撮影者の想像力に委ねられる。
【0068】「例示的シグナリング」以下、特に図3から図20を参照すると、例示的信号を与えるカメラ14において、電子画像は、撮影者が、予想される色かぶりまたはその色かぶりに類似したものを直接見ることができるように修正される。さらに詳しく言えば、カメラ14により与えられる電子確認画像は、撮影された写真が、許容範囲内のカラーバランスと、許容範囲内の構成および他の特性を備える写真仕上げ後のアーカイブ画像を与えるか否かを判断するために、撮影者によってすぐに使用されてよい。人間の視覚順応は、写真を撮影した周囲光に応答して修正された確認画像を示すことにより解消され、周囲光に対する撮影者の順応にかかわらず十分に感知できる色かぶりを増大させる。この修正は、本願明細書において、「色順応逆補償」とも呼ばれ、ホワイトバランス調整からの効果とは反対のものである。なぜなら、その修正により、初期の確認画像に対して(および予想される写真仕上げ後のアーカイブ画像に対して)、色かぶりが増大するからである。その結果得られる表示された確認画像は、実際のところ、最終的なアーカイブ画像に見られるであろうカラーバランスをもたないが、その確認画像は、視覚的に順応した撮影者に対して、カラーバランスまたは最終的なアーカイブ画像のカラーバランスに類似したものをもつように現れる。従って、撮影者は、最終的なアーカイブ画像に色かぶりが現れるか否かを判断することができ、その場合は、カメラのフラッシュを用いて撮影を繰り返すなど、補正措置をとるかどうかを判断できる。
【0069】これらの実施の形態において、画像ディスプレイ20は、指定光源からの反射光に対する色かぶりと、予想される順応性のある非指定光源からの反射光に対する補償された色かぶりとを撮影者が区別できる程度の十分な画質のカラー画像を与える。許容範囲内の画像ディスプレイは、直接またはバックライトにより放射光を与える。光は、白色点をもつ。その白色点は、カメラ14により与えられる色順応逆補償のレンジを与えるように変更されてよい。許容範囲外の画像ディスプレイは、より限定された白色点レンジをもつか、または、照明用の反射周囲光を用いる。
【0070】図8を参照すると、実際の照明(「実際」)と、撮影者が見るもの(「感知」)とを示す例示的なシグナリングを二列に示している。簡潔にするために、ここでの記載は、撮影者、すなわち、カメラ14を使用する人に限定する。同じ考慮が、確認画像を見る他の人になされる。図8に示す列は、矢印210でつながり、示された周囲光に対して撮影者の視覚系が順応することを表す。周囲ライティングにおいて、被写体212が見られ(213)、撮影される(214)。周囲光は、蛍光灯216により発光され、被写体から反射される順応性非指定光源である。カメラ14の画像ディスプレイ20上に映る確認画像218は、同じ周囲ライティングで見られ(220)、さらに、昼光(太陽の記号224で示す)中で、時間遅延後または他の作動後(222)にも見られる(221)。アーカイブ撮影媒体(図8には別々に示していない)の指定光源は昼光である。
【0071】写真撮影時、被写体212は、蛍光灯照明で照らされる。「実際」列では、撮影される被写体212からの反射光が、蛍光灯照明のカラーバランスを表す「FLUORESCENT COLOR CAST」228という用語で表されている。眼230の記号で表された撮影者の視覚系は、順応されて、被写体212からの順応性非指定光源を白色と見なす。「感知」列では、これは、「WHITEILLUMINATION」232という用語で表されている。
【0072】被写体212の写真を撮影した後、カメラ14のディスプレイ20上に、即時確認画像218が現れる。(この図に示すカメラ14の実施の形態は、周囲ライティングで検出される2倍の色かぶりを有する確認画像を与える。この実施の形態は、この記載を簡潔に行うために選択されたものである。他の実施の形態が、これと同等の方法で動作する。)カメラ14は、アーカイブ画像を撮影したものと同じ周囲光に維持される。撮影者は、周囲順応性非指定照明に順応したままであり、カメラ14の背面226から反射された光を白色照明であると見なす。「実際」列では、使用するカメラ14の背面226からの反射光は、蛍光灯照明のカラーバランスを表す「FLUORESCENT COLOR CAST」228という用語で表されている。「感知」列では、使用するカメラ14の背面226からの反射光は、撮影者が見るカラーバランスを表す「WHITE ILLUMINATION」232という用語で表されている。
【0073】再度、「実際」列を参照すると、図示しているディスプレイ20は、周囲照明への撮影者の順応を補償するために修正された即時確認画像218を示す。これは、「DOUBLED FLUORESCENT COLOR CAST」234という用語で表されている。「感知」列を参照すると、撮影者は、カメラの背面上に「WHITE ILLUMINATION」を確認し、ディスプレイ20において、写真仕上げ後に色かぶりが存在することを認識する。(「感知」列に、「FLUORESCENT COLOR CAST」228で示される。)撮影者の視覚順応により見ることができない色かぶりは、補償により元に戻される。撮影者が見るものは正確なものではないが、撮影されたフィルム画像が許容範囲内のものであるかを撮影者が正確に確認するには十分なものである。
【0074】即時確認画像の他に、カメラ14は、補償なしに色かぶりが表示される「遅延確認画像」236を与えてもよい。カメラ14は、時間遅延に引き続いて、または、ユーザの介入によって(図8の矢印(222)で示す)、スイッチ238が作動されると、即時確認画像を遅延確認画像に置き換える。遅延確認画像236は、画像撮影中に存在する非指定光源を補償しない。即時確認画像から遅延確認画像への変更は、ほとんどの場合、ユーザが場所を変更し、画像を撮影した後、異なる周囲光条件を入力するという仮定に基づいている。新しいライティング条件が未知のものであるため、指定光源(図8の昼光)が主要な光源であり、ユーザがその光源に順応することになるという推定が最も適当である。
【0075】スイッチ238は、「A」で示されている即時確認画像位置240と、「B」で示されている遅延確認画像位置242とがあるアーム238aで示されている。スイッチは、機械式のタイマを含むものであってよい。アーム238aは、2つの位置240、242間で手動で移動可能なものであるか、または、機械式タイマ244の作動下で、画像の露出後、自動的に位置「A」240から位置「B」242に移動する。(「A」と「B」とに整列させた固定式スイッチコンタクトと、2つの固定コンタクト間でアームとともに移動する可動式スイッチコンタクトは図示せず。)アーム238aは、次の画像が撮影されると、手動または自動で位置「A」240にリセットされてよい。図示したスイッチの代わりとして、都合よく、同じ機能をもたらすデジタル回路が用いられてもよい。
【0076】図8において、時間遅延またはスイッチ作動後、カメラ14は、昼光224により照らされる。撮影者は、周囲昼光照明に順応する。撮影者は、カメラ14の背面から反射された昼光照明(「実際」列の「DAYLIGHT ILLUMINATION」246)を白色照明(「感知」列の「WHITE ILLUMINATION」232)であると見なす。ディスプレイ20は、遅延確認画像248、すなわち、昼光照明に対して色かぶりをもつ非補償電子画像(「実際」列の「FLUORESCENT COLOR CAST」228)を示す。撮影者は、色かぶり(「感知」列の「FLUORECENT COLOR CAST」228)を感知する。撮影者は、写真仕上げ後に撮影されたアーカイブ画像が許容範囲内のものであるかを、再度、確認画像から判断できる。
【0077】上述した実施の形態において、確認画像撮影ユニット16は、即時確認画像218が準備され表示される第1のモードと、遅延確認画像248が準備され表示される第2のモードとを有する。
【0078】図9に示す実施の形態において、電子画像撮影ユニット16は、デジタル転送画像250が準備され表示される第3のモードも有する。デジタル転送画像250は、確認用に使用されるものではない。デジタル転送画像250は初期の電子画像の撮影(24)に端を発する。電子画像は、デジタル化され(26)、複製される(252)。それらのコピーのうちの1つが、前述したように、即時確認画像218として取り扱われる(図9には示していない)。他方のコピーは、デジタルファイルとして使用するために較正される(254)。このコピーは、写真仕上げの出力特性に適合するように較正されない。その結果得られるデジタル転送画像250は、デジタルファイルとしてメモリに記憶され(256)、メモリから取り出されて、他のデジタル画像ファイルと同じ方法で使用されてよい。
【0079】デジタル転送画像が、確認画像として使用するためではなく、デジタルファイルとして出力するためにバランス調整されるため、デジタル転送画像は、対応するアーカイブ画像とは関係なく、デジタル転送画像の外観を最適化するように修正されてよい。例えば、カメラ14の制御システム130は、画像プロセッサ136とコントローラ132に接続されるホワイトバランス制御(別に示されない)を含むものであってよい。このホワイトバランス制御は、昼光などの所定の標準に対する電子画像のカラーバランスを修正する。
【0080】デジタル転送画像は、ディスプレイ20上に示されてよく、メモリから、デジタル画像として使用するまたは写真仕上げ用の別のデジタルデバイスまたは記憶媒体へ、直接に出力ポート(図示せず)を介して、または、ネットワークを介してデジタル伝送されてよい。また、デジタル転送画像は、リムーバブルメモリ上に物理的に転送されてもよい。画像メモリは、永久メモリ、揮発性または不揮発性メモリ、および、DRAMバッファメモリなどの一時的なメモリの1以上のメモリを含むものであってよい。
【0081】カメラ14は、ユーザが確認画像ではなくデジタル転送画像を選択的に表示できるモードスイッチ170を含むものであってよい。(モードスイッチ170は、希望に応じて、複数の機能のうち1つの機能を与えるものであってよい。)モードスイッチの詳細な機能は重要なものではなく、変更可能なものである。例えば、複数の機能に関して、便利なモードスイッチ(図示せず)の1つに、デジタルキーパッドがある。
【0082】ユーザがデジタル転送画像250の表示を選択すると(258)、画像250は、記憶装置から取り出され、画像ディスプレイ20に合うように較正されて(259)、表示される(36)。このプロセスの一環として、色かぶり信号は無効にされる(260)。例示的なシグナリングの場合、周囲ライティングにおける色かぶりを示す電子画像の修正を省略し、オプションとして、ホワイトバランス調整によりあらゆる色かぶりを取り除くことにより無効処理が行われる。
【0083】「例示的シグナリング:適合された参照光源の補償」以下、図10から図13を参照すると、上述したカメラ14のいくつかの実施の形態において、測定された周囲光の色値を基に選択された所定の参照光源群の1つのカラーバランスに合わせて確認画像を修正することにより、確認画像に直接、周囲照明の色かぶりが示される。図10および図11の方法およびシステムにおいて、指定光源を有するアーカイブ媒体22を用いて、周囲光の画像が撮影される(40)。また、周囲光の画像は、カメラ14の電子画像として撮影される(24)。周囲光の色値が測定され(262)、指定された光源を与えるように、所定の参照光源群の1つに適合される(264)。参照光源は、指定光源と、1以上の非指定光源とを含む。各参照光源は、関連する補償をもつ。適合処理(264)後、割当てられた光源に関連する補償が制御システム130に供給され(266)、補償が適用される(268)。
【0084】この補償は、前に撮影された電子画像に適用されてよく、この場合、画像はメモリに記憶され、画像プロセッサにより修正される。また、補償は、次に撮影される電子画像に適用されてもよく、この場合、修正は電子画像がメモリに保存される前に適用される。(例えば、図15および図16を参照。)補償は、撮影処理の修正であってよい。この場合、画像プロセッサは、画像修正用に使用されない。(図13および図14の以下の記載を参照。)便宜上、本発明は、一般的に、記憶された電子画像の修正に関して記載されているが、撮影時の画像の修正にも同様の考慮がなされることを理解されたい。
【0085】電子画像は、電子撮像チェーンの構成部品の入出力特性における差を調整するように較正され(28)、写真仕上げ出力34の特性に適合される(32)。その後、結果として得られる確認画像が、ディスプレイ20上に示される(36)。
【0086】ディスプレイ20上に示される確認画像218は、指定光源に関する参照光源の感知される色かぶりに対してカラーバランス調整される。言い換えれば、電子画像は、指定光源に順応した撮影者が特定の参照光源により照らされた撮像シーンを見る際に感知するものを示すように修正される。ディスプレイ20上に示されるカラー画像により、順応性のある非指定光源からの継続的な周囲照明にかかわらず、撮影者は、確認画像上に色かぶりが存在するかを区別することができる。
【0087】使用する参照光源が非指定光源であれば、電子画像は、実際、指定光源に対する色かぶりをもつように、そして、使用する非指定光源に関しても色かぶりをもつように修正される。その結果得られる色かぶりは、特定の非指定光源への視覚順応にかかわらず、撮影者により感知可能である。使用する参照光源が指定光源であれば、色かぶりは存在せず、確認画像は、カラーバランス調整により変更されない。
【0088】確認画像の補償は、さまざまな光源および光源の組み合わせに対して高精度に与えられてよいが、通常の使用で、これは不要である。確認画像は、色相と強度において、撮影者が補正措置をとるか否かを判断できる程度に十分な精度しか必要としない。確認画像における色かぶりは、最終的なアーカイブ画像における色かぶりとは異なるものであってよいが、確認画像に示される色かぶりは、写真仕上げ後のアーカイブ画像に存在するであろう色かぶりに近いものであることが好ましい。また、確認画像において、異なる非指定光源に対して、異なる色かぶりが示されることは好ましい。また、確認画像に示される各々の色かぶりは、異なる光源により発生する色かぶりよりも、アーカイブ画像の光源により発生する色かぶりによく適合するように、特定の参照光源に割り当てられることが非常に好ましい。例えば、昼光が指定光源であれば、確認画像に示される色かぶりが、タングステン光源の場合オレンジ色であり、蛍光灯光源の場合緑色であることは、タングステンの場合同じ色または緑色であり、蛍光灯の場合オレンジ色である場合と比較すると、より好ましい。
【0089】確認画像に与えられる色かぶり補償の程度は、撮影者が順応した色感知に対する色かぶりを撮影者が感知できる最小限の程度である。撮影者は、写真仕上げの予想結果を見ることが好ましい。完全な正確さは不可能であるが、周囲ライティングが特定の非指定光源の相関色温度をもつ場合に実際に得られるアーカイブ画像に対して、撮影者が感知する色かぶりをバランス調整することにより、種々のライティング条件に非常に類似したものが与えられてよい。指定光源数が制限されている場合、色変更に必要な値は、周知の色適合技術を用いて実験的に容易に決定可能である。この代わりとして、本願明細書において以下に記載するように、このような値は、ホワイトバランスベクトルの逆数から求められてよい。
【0090】種々の光源および補償される光源の組み合わせの数は、カメラ14の予想される扱い方に依存する。カメラ14が、デイライトフィルム(指定光源として昼光を有するフィルム)および普通の消費者の写真撮影に限定される場合、少数の光源の補償が非常に好ましい。ほとんどの使用では、光源は、昼光、タングステンおよび蛍光灯に限定される。蛍光灯のライティングは、一定の色温度ではないが、蛍光管で使用する蛍光体に応じて異なる。多数の異なる混合が一般的に使用されており、それぞれに特有の色温度があるが、それらの温度のいずれも写真の昼光(相関色温度5500°K)に近いものではない。タングステンのライティングも同様にさまざまなものである。
【0091】いくつかの実施の形態において、カメラ14には、昼光、タングステンおよび蛍光灯照明のそれぞれに対して単一の値が与えられる。例えば、4500°Kの相関色温度での蛍光灯照明が、撮影者が即時確認画像において蛍光灯色かぶりを感知する能力を下げることなく、すべての蛍光灯照明に対して使用されてよい。
【0092】特定の例において、カメラ14は、デイライトフィルムとともに使用され、順応性非昼光光源には2つの光源がある。図12に、RGB色空間図の形式で、このカメラ14のルックアップテーブル270が示されている。同図において、赤(「R」)、緑(「G」)、青(「B」)信号の相対強度が線形にプロットされており、各色は、指定頂点での100パーセントと反対側での0パーセントとの間で変化している。図270の3つの点は、1つの指定光源272と、2つの非指定光源274、276を表す。指定光源272は、相関色温度が5500°Kの昼光である。一方の非指定光源274は、相関色温度が4500°Kの蛍光灯照明として定義される。もう一方の非指定光源276は、相関色温度が2900°Kのタングステン照明として定義される。図に示すルックアップテーブル270は、蛍光領域278と、タングステン光領域280と、昼光領域282とに分割される。主に蛍光である、すなわち、蛍光領域278において一点を規定する相対RGB値をもつものとして検出される光源はすべて、相関色温度が4500°Kの蛍光灯と同じものとして扱われる。主にタングステンである、すなわち、タングステン光領域280の相対RGB値をもつ光源はすべて、相関色温度が2900°Kのタングステンと同じものとして扱われる。蛍光灯またはタングステンと一致せず、昼光領域282の相対RGB値をもつ色値が測定される残りの光源は、相関色温度が5500°Kの昼光と同じものとして扱われる。従って、この実施の形態は、確認画像を、最終的に写真仕上げされた画像の色かぶりに正確に適合させるものではないが、比較的に単純で、実行しやすく、通常の使用で実用的なものである。生成される確認画像は、写真仕上げ後の最終画像の色かぶりに近似したものである。撮影者は、前のカラーバランス問題を補正するために、第2の露出を行うか否かを適度に判断できさえすればよい。
【0093】蛍光灯およびタングステンランプは、多数の異なる相関色温度で利用可能であり、多くのタイプが、一様な結果を与えるように標準化されている。カメラ14およびその方法は、希望通りに、多くの異なる順応性非昼光光源によく適合するように、ここに詳細に記載しているものとは異なるように修正されてよい。ほとんどの使用において、指定光源は、相関色温度が6500°Kの昼光である。他のタイプのフィルムを適応させることができるように、相関色温度が2900°Kのタングステンなどの代替指定光源が与えられてもよい。
【0094】別の回路に与えられるか、またはコントローラ132の一部品として与えられてよいドライバ173を備える色検出器172(図13の破線で示す)によって色評価が実行される。色検出器172は、周囲照明の色値を評価する。色検出器172は、ルックアップテーブル270と共に、所定の参照光源の集合の1つに割り当てられる色温度レンジに適合するものとしてシーン光源を類別または分類するために使用される。色検出器172とルックアップテーブル270は、共に、光源判別器286を与える。光源判別器286は、カメラ14の制御システム130に「差調整」を与える。その後、制御システム130は、カメラ14内の電子撮像チェーンのある段階で電子画像を修正する。割り当てられる参照光源が非指定光源であれば、差調整により、電子画像においてカラーバランスが変化する。その変化は、指定光源と割り当てられた光源の両方に関して色かぶりを与える。昼光が指定光源であれば、そのカラーバランスの変化は、元の電子画像に対する色温度の低減である。割り当てられた参照光源がそのアーカイブ媒体に対する指定光源であれば、差調整によって電子画像のカラーバランスは変化しない。この実施の形態および他の実施の形態において、画像を変化させない、または、画像をわずかにしか変化させない処理動作を実行しないように、カメラ14がセットアップされてよい。この場合、指定光源が参照光源である場合、カラーバランス調整が省かれてよい。同様に、指定光源に適合される色値は、指定光源にカラーバランス調整されてよく、またはカラー適合が省かれてよい。後者は、デジタル処理が低減され、確認画像がシーン画像および撮影者の順応と同じカラーバランスに維持されるため好ましい。
【0095】色検出器172がシーンのデジタル画像からシーン光源の色温度を決定できる多数の異なる方法がある。異なる方法が同じ結論に達する場合もあるが、使用される光源に関して、異なる結論に行き着く場合もある。「グレーワールド」アプローチによれば、任意の与えられたシーンにおいて、色がすべて平均化されると、その結果はグレーになるか、または色がないものとなる。グレーからの逸脱は、色かぶりを表す。このタイプの色検出器において、赤色、緑色および青色のすべての画素の値を算術平均して、その結果をルックアップテーブル270の値のレンジと比較することにより、色が決定されてよい。また、シーンの平均化された色値は、本願明細書において、シーンの単一の「色温度」と呼ばれることもある。必要に応じて処理または適切な変換がなされる間に同じ単位系が使用される限り、色値に対して選択される有限または無限単位は重要ではない。例えば、色値は、単位が°Kの相関色温度として、または、このような色温度を特徴とする指定光源として表されてよく、または、3色チャネルのそれぞれに対するゲイン調節として表されてよい。
【0096】グレーワールドの理論が、非常に上手くいくシーンもあるが、まったく上手く作用しないシーンもある。例えば、白い砂浜と真っ青な青空の画像では、平均してグレーにはならない。同様に、壁の色が青い屋内シーンでも、平均してグレーにはならない。このような種類の問題となるシーンは、特定の問題条件の認識へ方向付けられる色決定ステップを加えることによって処理されてよい。これらの欠点により、グレーワールドアプローチを用いる色検出器172は、許容範囲内のものであるが、好ましいものではない。
【0097】代替的な「最明物体」アプローチでは、任意のシーンの最明物体、すなわち、最も輝度の高い物体が、ほとんどの場合、シーン光源を反射する中間色の物体であると仮定する。最明物体からの画素は、算術平均され、ルックアップテーブル270の値と比較される。最明物体は、シーン内の画素値を検討することにより位置決めされてよい。どの画素を平均化するのかを判断するために、さまざまな異なる手順が用いられてよい。例えば、その画素は、画素の総数の5パーセントなど、最明の部分であってよく、または、全ての画素が平均輝度の2倍より高い輝度をもつ場合など、数パーセントよりも多くのパーセント分全シーン輝度から外れた全画素であってよく、または、二重平均輝度画素など、何らかの組み合わせであってよいが、全画素のわずか5パーセントのものであってもよい。特定の実施の形態において、画素(ピクセル)は、画素累積器によってグループ(パクセル)に組み合わされる。一般的なパクセルの一例は、36×24画素ブロックである。画素累積器は、対数量子化されたRGBデジタル値を平均化して、それぞれのパクセルに対してRGBパクセル値のアレイを与える。
【0098】上記の画素測定が行われる場合、画素値が非常に大きければ、電子撮像ユニットが飽和状態になることがある。この場合、電子撮像ユニットのゲインが減らされ、再度シーンが撮像される。ゲインの減少に比例して値が減少するまで、この手順が繰り返される。これは、さまざまな方法で行われてよい。8ビット画素をもつ特定の実施の形態において、最明画素の値が240の場合、ゲインは半減され、再度シーンが撮像される。同じ画素が再度検討される。値が減少すると、これは、撮像部材84が飽和状態ではなく、画素データが有効であることを表す。赤(R)、緑(G)および青(B)のパクセル値が求められ、画素データが有効であると決定されると、赤色値と青色値の比率および緑色値と青色値の比率が計算されてよい。これらの比率は、ルックアップテーブル270のレンジと比較される色値に相当する。
【0099】図13および図14に、適切な「最明物体」タイプの色検出器172とその動作の一例が示されている。電子画像が撮影され(24)、デジタル化され(26)、フレーム記憶装置289に記憶された(288)後、ピーク値検出器290が、画素を定量化し(292)、最高画素値を決定する(294)。値が、所定のしきい値、例えば、上記に挙げた例では240を超えると、レベル調整器295が、電子画像ユニット16の全体的な「ゲイン」(例えば、センサ露出時間、またはこの代わりとして、電子増幅因子)を約半分の値に調節し、撮像部材84は、別の画像を撮影する(24)。次に、この画像は、デジタルに変換され(26)、記憶される(288)。画素データは、ピーク値検出器290により再度検討される(292)。ピーク値検出器290が、ピーク値がしきい値を超えないと判断すると(294)、それらの値は、上述したように、画素累積器300によりハイライト(パクセル)にグループ化される(298)。ピーク値がしきい値を超えれば、ゲインは再度減らされ、許容範囲内のデータが得られるまで処理が繰り返される。画素累積器300により線引きされたパクセルは、積算器304により赤色、緑色および青色において積算されて(302)、画像のハイライト領域の赤色、緑色および青色の積算平均値が与えられる。これらの平均値は、比率回路において赤色と青色の比率および緑色と青色の比率を計算するために、色比率計算器308によって組み合わされる(306)。これらの比率により、ルックアップテーブル270の参照レンジと比較される(309)色値が与えられる。
【0100】他の「最明物体」タイプの色検出器284が利用可能である。例えば、米国特許第5659357号に、このタイプの別の適切な色検出器172が開示されている。
【0101】色値が、色検出器172からルックアップテーブル270に与えられ、テーブルの値と比較される場合、ルックアップテーブル270は、その色値を、指定光源と1以上の非指定光源とを含む参照光源のあらかじめ決められた集合の値に適合させる。ルックアップテーブル270におけるシーン光源値は、標準化された光源でニュートラルなシーンを照らし、カメラの応答を記録し、補正値を計算することにより、特定のカメラモデルに対して実験的に導き出されてよい。
【0102】「ルックアップテーブル270」という用語は、1以上の計算デバイスの補足の論理メモリと、その論理メモリへのアクセスを制御し、そのアクセスを与えるのに必要な機器およびソフトウェアとの両方をいう。ルックアップテーブル270は、予め計算された最終値の記憶された集合をもつものであってよく、または、記憶されたアルゴリズムから要求されると値を発生させるものであってよく、または、これらのアプローチを組み合わせたものであってよい。便宜上、本願明細書において、ルックアップテーブル270は、一般的に、異なるシーン光源に対して予め計算された値を記憶したものとして記載される。他のタイプのルックアップテーブル270にも、同様の考慮がなされる。
【0103】ルックアップテーブル270におけるシーン光源の値は、その値が、電子撮像チェーンの1以上の構成部品を直接制御するために使用される差調整であるか、または、そのような差調整を生成させるアルゴリズムへの入力であるかに応じて、さまざまな形態をとるものであってよい。実際、どれを使用するかは、便宜上の問題であり、かつ、特定のカメラ14のデザインの計算機能に課せられた制限の問題である。
【0104】例えば、シーン光源値は、色検出器172として使用されるホワイトバランス調整回路から得られてもよい。ホワイトバランス補正は、指定光源に対する異なる参照光源ごとにあらかじめ計算され、シーン光源値としてルックアップテーブルに与えられてよい。この場合、前述したものと同じ方法で、色検出器172として、ホワイトバランス回路が使用され、ルックアップテーブルの値と比較する色値を与える。ルックアップテーブルは、小さなホワイトバランス補正値を指定光源に割り当て、より大きな補正値を多数の非指定光源の1つに適合させる。
【0105】上述したように、本発明の特定の実施の形態において、指定光源は、相関色温度が6500°Kの昼光であり、2つの非指定光源、すなわち、相関色温度が3500°Kの蛍光灯と、相関色温度が2900°Kのタングステンランプがある。この実施の形態において、ルックアップテーブル270は、色温度のレンジを光源のそれぞれと相関させる。これらのレンジは、多数の異なる蛍光灯およびタングステン(および昼光)の両方の光源でカメラ14の確認撮像ユニット16を照らし、それぞれの結果を組み合わせることにより導き出されてよい。
【0106】シーン光源値は、本願明細書において、一般的に、所定のシーン光源の相関色温度として記載される。これらの色温度は、必要な差調整を計算するアルゴリズムへ入力される。この記載は、本発明の一般的な特徴を理解する助けになるように意図されたものである。シーン光源値は、この形態で与えられてよいが、特定のタイプのアーカイブ媒体22を用いて、シーン光源値を特定のカメラ14に必要な差調整に関連させるように予め計算することが、一般的に、より効率的である。この方向における1つのステップとして、シーン光源値は、本願明細書において、指定光源の相関色温度に対するシーン光源の相関色温度のカラーシフトとして記載されることもある。さらなるステップとして、シーン光源値は、本願明細書において、アレイ撮像部材84からディスプレイ20への電子撮像チェーンの1以上の構成部品に対する、色チャネルゲインなどの特定の差調整に関連して記載されることもある。
【0107】差調整により、特定のシーン光源に人間の視覚系が順応する効果を部分的または完全に解消する確認画像のカラーバランスの変化が得られる。撮影者が認知するものを、最終的なアーカイブ画像に生成される実際の色かぶりと同じものになるように非常に緊密に適合させる試みがなされてよいが、これは、通常の使用では不要なものである。また、このアプローチは、撮影者の眼に入る光の色温度が、アーカイブ画像のシーン光源の色温度と異なる場合、問題となる。これは、例えば、カメラのレンズ系86がシーン光源の混合からのライティングにおいて使用される狭い視野をもつ場合に生じることがある。普通の使用の場合のより良いアプローチは、写真仕上げ後にアーカイブ画像において生成される色かぶりに類似したもののみを与えることである。
【0108】現在好ましいアプローチの1つは、シーン光源のレンジをルックアップテーブル270における少数の参照光源に適合させることである。参照光源の1つは、指定光源であり、他の参照光源は、一般的に見られるタイプの光源であってよい。通常の屋内および屋外での使用では、ルックアップテーブルにおける少なくとも1つの参照光源の相関色温度は、5000°Kより高いものでなければならず、それに割り当てられた昼光照明の色値を有するものでなければならず、さらにルックアップテーブルにおける少なくとも1つの参照光源の相関色温度は、5000°Kよりも低いものでなければならない。
【0109】例えば、特定の実施の形態において、3500°Kから4500°Kの色温度に相当する色値は、相関色温度が4500°KのCWF蛍光灯照明に適合され、3500°Kよりも低い色温度に相当する色値は、相関色温度が2900°Kのタングステン照明に適合され、色温度が4500°Kよりも高い温度に相当する色値は、相関色温度が5500°Kの昼光に適合される。
【0110】上述したアプローチにおいて、色温度のレンジは、共に、連続したスパンの色温度をマップする。代わりに、非連続的なスパンが設けられてよく、欠けているレンジは、昼光に割り当てられるか、または、確認画像において、近似するカラーバランスを示すことができないというメッセージ(画像ディスプレイ20または情報ディスプレイ150に表示)に割り当てられる。
【0111】フラッシュ照明、すなわち、少なくともカメラ14のフラッシュユニット64からの照明が、一般的に、ルックアップテーブル270によって昼光に割り当てられることは、昼光バランス調整アーカイブ媒体22にとって都合が良い。これは、フラッシュ64の使用時に、カメラ14にフラッシュオン信号をルックアップテーブル270に送信させることにより容易に行える。フラッシュオン信号は、色検出器172からの色値信号に優先して、昼光をシーン光源として割り当てる。この理由は、昼光の相関色温度とフラッシュユニット64により与えられるストロボ照明との間に緊密な関係があるためである。タングステンバランス調整フィルムなど、異なるアーカイブ撮影媒体の場合、この関係は維持されず、フラッシュが放出する光を測定しなければならないか、またはこの代わりとして、フラッシュオン信号が、再度、昼光をシーン光源として割り当てるために使用されてよい。
【0112】シーン光源値は、電子撮像チェーンの1以上の構成部品を制御するために、コントローラ132と画像プロセッサ136とを含む制御システム130によって使用される。シーン光源値により、コントローラ132または画像プロセッサ136、または、その両方におけるアルゴリズムを用いて、直接的または間接的に使用する差調整が得られる。差調整は、光源が昼光または別の指定光源に割り当てられる場合、何ら変化を与えない。
【0113】再度、図14および図15を参照すると、特定の実施の形態において、シーン光源値は、ルックアップテーブル270からコントローラ132に送られた後、RGBチャネルゲインに変換する(313)ためにチャネルゲイン調整器311に送られる。チャネルゲインは、撮像部材84に伝送される(315)。コントローラは、スイッチS2 166が閉じているかどうかをテストする(317)。閉じている場合、シーンの確認画像とアーカイブ画像が撮影される(319)。電子画像は、デジタル形式に変換され(26)、フレーム記憶装置289に記憶される(288)。その結果得られるデジタル画像は、ディスプレイドライバに送信され(319)、確認画像としてディスプレイ上に示される(36)。ディスプレイタイマが開始される(321)。コントローラは、タイマが時間切れになっていないかをテストし(323)、時間切れになっていれば、ディスプレイをオフにする(325)。また、コントローラは、第1のスイッチS2 162が閉じているかどうかをテストし(327)、閉じていれば、タイマもオフにされ(325)、次の露出に対してこのサイクルが繰り返される。
【0114】与えられる補償の量、すなわち、チャネルゲインまたは何らかの他の形態のカラーシフトは、さまざまな方法で決定されてよい。最も簡単な方法は、カメラ14および標準化された光源を用いて試行錯誤することである。写真仕上げの色かぶり低減は、カメラ14および標準化された光源および所望の写真仕上げ処理を用いて得られた最終的なアーカイブ画像を用いる第2の試行錯誤によって考慮されてよい。
【0115】非常に高精度の補償が望ましければ、色値を予測するために、フォン・クリース(Von ries)変換など、人間の視覚順応をモデル化する変換が用いられてよい。フォン・クリース変換は、第1の光源に順応したユーザに対するXYZ三刺激値を、第2の光源に順応したユーザに対する相当のXYZ三刺激値に変換する。そして、フォン・クリース変換により、第1の光源aの三刺激値が第2の光源bに変換される。
【0116】慣例により、フォン・クリース変換において、Y=100であり、XおよびZは、x、y色度座標から計算される。フォン・クリース変換によれば、x+y+z=1 故に、z=1−x−yX=x(Y/y)=x(100/y)
Z=z(Y/y)=z(100/y)
フォン・クリースマトリックス(以下、「vK」という。)は、

である。パラメータρ、γおよびβが人間の円錐体の応答値であるとき、その変換は、

である。
【0117】「例示的シグナリング:逆ホワイトバランス補正」以下、図15から図20を参照すると、別の実施の形態において、カメラ14は、色値を所定のルックアップテーブル値に適合させず、逆色順応補償を与える。この代わりに、カメラ14は、ホワイトバランス補正を規定する第1の色空間ベクトルを決定し、そのホワイトバランス補正と逆方向の第2の色空間ベクトルを決定し、その後、電子画像を、逆色空間ベクトルの中性点にカラーバランス調整する。このカラーバランス調整で加えられた変化を、本願明細書において、「逆ホワイトバランス補正」と呼ぶ。調整(以下に記載)によって修正が施されなければ、逆ホワイトバランス補正は、逆色空間ベクトルの大きさに等しい。逆ホワイトバランス補正は、最初にホワイトバランス補正を決定せずに決定可能であるが、現在では、最初にホワイトバランス補正を計算した後、逆ホワイトバランス補正を計算することが好ましい。これは、このアプローチにより、さまざまな既知のホワイトバランス調整回路を使用できるからである。
【0118】ホワイトバランス補正は、アーカイブ記憶媒体22の中性点に対するものである。従って、ホワイトバランス補正を電子画像に適用することは、グレーの被写体が、色空間図の指定光源の中性点(「白色点」とも呼ぶ)の色値を有するように、電子画像をアーカイブ記憶媒体22の指定光源の相関色温度にカラーバランス調整することである。このグレー被写体は、指定光源に視覚的に順応した観察者には無色または白色として見える。
【0119】図15から図18は、このアプローチの一例を示す。カメラ14のフラッシュを用いずに、タングステン照明下で(昼光バランス調整フィルム上に)写真が露出される。電子撮像部材84は、シーン画像を電子画像として撮影し、この画像は、A/D変換器134によりデジタル化される。電子画像は、RGB(赤、緑、青)コード値の形でメモリ138bに転送される。ホワイトバランサがそのコード値にアクセスし、ホワイトバランス補正を決定して、D55白色点を与える。(D55は、「写真昼光」として一般に知られる昼光照明タイプを表す国際照明委員会(CIE:Commission Internationale del’Eclairage)標準光源である。従って、デイライトフィルムは、D55照明に対してバランス調整され、D55は、このフィルムの指定光源である。)図17は、RGB色空間図上に、色調整器310により決定されるホワイトバランス補正がデジタル画像に適用された場合の結果を示す。無彩色体は、ホワイトバランス調整を施す前、R>>Bの平均コード値をもつが、B値がR値よりもかなり大きい因子で乗算されるため、ホワイトバランス調整後、R=G=Bの平均コード値をもつことになる。物体の画像中性点は、色空間ベクトル312に沿って、タングステン白色点314(円で示す)からD55白色点316(円で示す)まで移動する。図18は、デジタル画像に逆ホワイトバランス補正が適用された場合の結果を示す。物体の画像中性点は、逆色空間ベクトル318に沿って、ホワイトバランスの逆方向に、新しい中性点320(本願明細書において、「補償点」320とも呼ばれる)へと移動する。この場合、補償点は、逆色空間ベクトル318の目的地にある。カラーバランス調整により、画像の中性点がD55白色点とタングステン中性点から離れる結果、タングステン周囲照明下で順応した観察者に明らかな色かぶりが生じる。
【0120】カメラは、カラーバランス調整を決定する色調整器310を備える。図15に示す実施の形態において、色調整器310は、ホワイトバランス回路322(「ホワイトバランサ322」とも呼ぶ)と、リバーサル回路324とを含む。使用する特定のホワイトバランス回路322は重要ではない。さまざまなホワイトバランス回路は、当業者に既知のものであり、計算力、メモリ要求、エネルギー使用量、サイズ制限などを考慮して、カメラ14において使用されてよい。多くのホワイトバランス回路は、平均値が無色を現すように、RGBコード値のバランスを単に調節するだけである。カラーバランス調整が、シーンのコンテンツを含む全てのカラーバランスではなく、シーンの光源に対するものでなければならないため、このアプローチは好ましくない。好ましいホワイトバランス回路は、シーン光源の色を評価する。
【0121】米国特許第5659357号に、このタイプの適切なホワイトバランス回路の一例が開示されている。同様の回路が、図15、図16、図19および図20に示されている。このホワイトバランス回路322は、ブロック代表値計算回路326を備え、この回路に、画像信号入力端子328からRGBデジタル画像信号が入力される。図19に示すように、画像信号は、ブロック代表値計算回路326により複数のブロック350に分割され、その後、分割されたそれぞれのブロックのブロック代表値が求められる。ブロックは、正方形のものであり、分割方法に従って規則正しく配列される。ブロック代表値計算回路326は、ブロック代表値として分割されたそれぞれのブロックに含まれる画像信号の値を得る。例えば、ブロックにあるすべての画素(R、G、B)からの信号の平均値が、RGB代表値として使用される。この代わりとして、ブロック内の選択された画素(4番目のライン毎の4番目の画素など)からの信号の平均値またはブロックの画像信号の中央値またはモードが、代表RGB値として使用されてもよい。
【0122】ブロック代表値計算回路326により求められたブロック代表値は、蛍光灯ブロック平均値計算回路330、タングステン光ブロック平均値計算回路332、昼光ブロック平均値計算回路333、最明ブロック検索回路338、および、最明ブロック平均値計算回路340のそれぞれにおいて、所定の手順を介して処理される。
【0123】蛍光灯ブロック平均値計算回路330において、蛍光灯白色信号領域に含まれるブロック代表値が、ブロック代表値計算回路326により求められたブロック代表値の中から選択され、平均値および選択されたブロック代表値の数が、それぞれ、蛍光灯ブロック平均値および蛍光灯ブロックの数として求められる。蛍光灯白色信号領域は、蛍光灯により照射される白色被写体からの画像信号が分布する領域として規定される。蛍光灯ブロック平均値計算回路330は、選択されたブロック代表値の数をカウントして、その代表値が蛍光灯白色信号領域に含まれるブロックの数(蛍光灯ブロック数)を求める。
【0124】タングステン光ブロック平均値計算回路332が、すべてのブロック代表値の中から、タングステン光白色信号領域に属するブロック代表値を選択し、選択されたブロック代表値の平均値(タングステン光ブロック平均値)と、選択されたブロックの数(タングステン光ブロック数)とを求める。タングステン光白色信号領域は、タングステンランプの光により照射される白色被写体からの画像信号が分布する領域として規定される。
【0125】昼光ブロック平均値計算回路333が、すべてのブロック代表値の中から昼光白色信号領域に属するブロック代表値を選択し、選択されたブロック代表値の平均値(昼光ブロック平均値)と、選択されたブロックの数(昼光ブロック数)とを求める。昼光白色信号領域は、昼光照明により照射される白色被写体からの画像信号が分布する領域として規定される。
【0126】最明ブロック検索回路338は、画像信号のすべてのブロックのうち最も明るいブロックを選択する。最明ブロックは、ブロックの輝度が最も高く、ブロック代表値のR、G、B成分は、それぞれの所定のR閾値、G閾値、B閾値以上の値を示す。最明ブロック検索回路338は、最明ブロックの代表値(最明ブロック代表値)を出力する。特定の実施の形態において、最明ブロック検索回路338は、そのR、G、B成分がそれぞれの所定のR、G、B閾値よりも大きいブロックを選別し、画像信号における最明ブロックとして選別されたブロックから最明輝度を有するブロックを選択する。輝度Lは、以下のように規定される。
【数1】
L=(2G+R+B)/4または L=(6G+3R+B)/10 (1)
上記の式(1)以外の式で規定される輝度が用いられてよい。最明ブロック検索回路338は、最明ブロック平均値計算回路340へ、選択により得られた最明ブロックの代表値(最明ブロック代表値)を出力する。
【0127】最明ブロック平均値計算回路340は、最明ブロック検索回路338から入力された最明ブロック代表値に基づいて、最明ブロック信号領域を得る。所定の色の最明ブロック代表値が分布する領域は、最明ブロック信号領域として規定される。最明ブロック信号領域を求める方法が、図20を参照して記載される。入力された最明ブロック代表値が、DG−DI平面346にプロットされている。DG軸348およびDI軸350の値は、以下により規定される。
【数2】
DG=(2G−R−B)/4 DI=(B−R)/2 (2)
DG−DI平面346における値(DI−BR,DG−BR)は、式(2)により、最明ブロック代表値のR、G、B成分の値から計算される。原点と点(DI−BR,DG−BR)とを結ぶ線分が、DG−DI平面346に設定される。線分を含み、線分に平行な辺をもつ矩形領域352が、最明ブロック信号領域として規定される(図5)。この例において、原点と点(DI−BR,DG−BR)とを結ぶ線分に平行な辺の長さは、線分の長さの所定倍であり、線分に垂直な辺の長さは、あらかじめ決められる。両方の長さは、試行錯誤によって決定されてよい。
【0128】最明ブロック平均値計算回路340は、ブロック代表値計算回路326から入力されたブロック代表値の中から、最明ブロック信号領域に含まれるブロック代表値を選択し、選択されたブロック代表値の平均値(最明ブロック平均値)と、選択されたブロックの数(最明ブロック数)とを求める。
【0129】蛍光灯ブロック重み回路334が、蛍光灯ブロック平均化回路330からの入力データに基づいて、蛍光灯ブロック重み係数を計算する。蛍光灯ブロック重み回路334は、蛍光灯ブロック平均値と蛍光灯ブロック数を、蛍光灯ブロック重み係数で乗算して、加重された蛍光灯ブロック平均値と加重された蛍光灯ブロック数とを得る。蛍光灯ブロック平均値と蛍光灯ブロック数が、蛍光灯ブロック平均値計算回路330から蛍光灯ブロック重み回路334に入力されると、被写体輝度が、被写体輝度入力端子343から蛍光灯ブロック重み回路334に入力される。
【0130】蛍光灯ブロック重み回路334は、所定の手順を介して入力されたデータに基づいて蛍光灯ブロック重み係数を計算する。この重み係数の計算方法の例が以下に記載されている。ここで、被写体輝度をBVで表し、蛍光灯ブロック平均値を(R F,G F,B F)で表し、蛍光灯ブロック平均値の飽和をS Fで表す。飽和S Fは、以下の式(3)により規定される。
【数3】
S F=(DGDG+DIDI) (3)
蛍光灯ブロック平均値(R F,G F,B F)のDI値およびDG値は、式(2)により求められる。S Fは、上記で求めたDI値およびDG値を式(3)にあてはまめることにより求められてよい。
【0131】この重み係数決定方法によれば、蛍光灯によって照射される白色の被写体や太陽光にある青々とした草地から生じる色不良を防止するために、被写体の輝度がより高いときに、より小さな蛍光灯ブロック重み係数W Fが設定される。被写体の輝度が高いということは、被写体が明るいということを示し、その被写体が蛍光灯によって照射されているのではなく太陽光の下にいることを示している。太陽光中の青々とした草地から得られる画像信号は、おそらく、蛍光灯によって照射される白色の被写体から得られる画像信号の場合よりもむしろ、蛍光灯白色信号領域に含まれる。被写体の輝度が高い場合、蛍光灯によって照射される被写体のホワイトバランス調整の効果は、蛍光灯ブロック平均値を加重する蛍光灯ブロック重み係数を、ゼロに近い小さな値まで下げることにより減少させることが要求される。蛍光灯ブロック重み係数は、以下の条件により、所定の閾値BV0、BV1、BV2およびBV3を用いて決定されてよい。
(1)BV<BV0であれば、W F=1.0(2)BV0≦BV<BV1であれば、W F=0.75(3)BV1≦BV<BV2であれば、W F=0.5(4)BV2≦BV<BV3であれば、W F=0.25(5)BV3≦BVであれば、WF=0.0ここで、BV0<BV1<BV2<BV3
【0132】上記の条件において、W Fは、被写体輝度BVのみに基づいて決定される。この決定方法の基本は、被写体輝度BVが高いとき、蛍光灯ブロック重み係数WFを小さい値に設定し、飽和度が十分に小さいとき、被写体の輝度の値に関係なく、1に設定することである。さらに、蛍光灯ブロック重み係数は、飽和度SFが非常に大きいとき、BVの値に関係なく、小さい値に設定されてよい。上記の条件の代わりに、S Fは、可変蛍光灯ブロック平均値の特定の関数f(RF,G F,B F)および被写体輝度BVを用いて求められてよい。
【0133】この方法により求められる蛍光灯ブロック重み係数W Fにより、以下のことが可能になる。被写体輝度BVが低いとき、すなわち、被写体が、おそらく、蛍光灯によって照射されているような場合、ホワイトバランス調整により、蛍光灯による照明の効果が取り除かれる。被写体輝度BVが高いとき、すなわち、被写体が、おそらく、昼光中の青々とした草地であるような場合、蛍光灯の光に関連するホワイトバランス調整が減少する。
【0134】蛍光灯ブロック重み回路334は、蛍光灯ブロック平均値と蛍光灯ブロック数とを、決定された蛍光灯ブロック重み係数で乗算する。
【0135】タングステン光ブロック重み回路336が、所定の手順により、タングステン光ブロック平均値計算回路332から入力されたタングステン光ブロック平均値に基づいて、タングステン光重み係数を計算し、タングステン光ブロック平均値とタングステン光ブロック数を、タングステン光重み係数で乗算して、加重されたタングステン光ブロック平均値と加重されたタングステン光ブロック数とを求める。
【0136】昼光ブロック重み回路337が、所定の手順を介して、昼光ブロック平均値計算回路333から入力された昼光ブロック平均値に基づいて、昼光重み係数を計算し、昼光ブロック平均値と昼光ブロック数とを、昼光重み係数で乗算して、加重された昼光/タングステン光ブロック平均値と加重された昼光ブロック数とを求める。
【0137】最明ブロック平均値と最明ブロック数は、最明ブロック平均値計算回路340から最明ブロック重み回路342に入力される。最明ブロック重み回路342は、最明ブロック平均値に基づいて最明ブロック重み係数を求め、最明ブロック平均値および最明ブロック数を、最明ブロック重み係数で乗算して、加重された最明ブロック平均値および加重された最明ブロック数とを求める。
【0138】ブロック平均値計算回路330、332、333およびブロック重み回路334、336、337の上記に説明した回路は、ホワイトバランス調整用に使用されてよいが、最明ブロック検索回路338と、最明ブロック平均値計算回路340と、最明ブロック重み回路342とを含むことにより、バランス調節が最明ブロックも考慮することが好ましい。
【0139】昼光およびタングステン光ブロック平均値は、昼光ブロック重み回路337およびタングステン光ブロック重み回路336にそれぞれ入力される。昼光ブロック重み回路337およびタングステン光ブロック重み回路336は、それぞれ、所定の手順を介して入力されたデータに基づいて、昼光ブロック重み係数およびタングステン光ブロック重み係数を決定する。例えば、昼光ブロック平均値またはタングステン光ブロック平均値を(R D,G D,B D)で表し、昼光またはタングステン光ブロック平均値の飽和をS Dで表してよい。飽和S Dは、前述したS Fと同様に、式(3)によって得られる。この決定方法によれば、昼光またはタングステン光ブロック重み係数W Dは、S Dが大きい場合、小さい値に設定される。
【0140】上述した条件ではなく、昼光およびタングステン光ブロック重み係数W Dを決定する別の方法が用いられてよい。例えば、W Dは、S Dを用いる上記の条件ではなく、可変昼光またはタングステン光ブロック平均値(R D,G D,BD)の特定の関数f(R D,G D,B D)を用いて求められてよい。この方法により求められた昼光およびタングステン光ブロック重み係数により、人間の眼が太陽光中のような状況に完全に順応できない場合、ホワイトバランスの過度の調整を防止できる。
【0141】タングステン光ブロック重み回路336は、タングステン光ブロック平均値とタングステン光ブロック数を、決定されたタングステン光ブロック重み係数で乗算し、昼光ブロック重み回路337は、昼光ブロック平均値と昼光ブロック数とを、決定された昼光ブロック重み係数で乗算する。
【0142】最明ブロック平均値と最明ブロック数が、最明ブロック平均値計算回路340から最明ブロック重み回路342に入力される。最明ブロック重み回路342は、所定の手順を介して、入力されたデータに基づいて最明ブロック重み係数を求める。
【0143】例えば、最明ブロック平均値を、(R B,G B,B B)で表し、最明ブロック平均値の飽和をS Bで表す。飽和S Bは、S Fと同様に、式(3)で求められる。最明ブロック重み係数W Bを決定するこの方法は、所定の閾値S0B、S1 Bを用いて、以下の条件により決定される。
(1)S B<S0 Bであれば、W B=1.0(2)S0 B≦S Bおよび(B B≧R Bまたは2G B−R B−B B≦0)であれば、W B=0.0(3)S0 B<S B≦S1 Bおよび(B B<R Bおよび2G B−R B−B B>0)であれば、W B=1.0(4)S1 B<S Bおよび(B B<R Bおよび2G B−R B−B B>0)であれば、W B=0.75ここで、S0 B<S1 B
【0144】この条件において、最明ブロック重み係数W Bは、B B≧R Bまたは2G B−R B−B B≦0のとき、ゼロに設定される。上述の条件を満たす最明ブロック代表値は、画像がおそらく青空から得られたことを示す。これらの条件下において、最明ブロックの状態を強く反映するまとまった最明ブロック重み係数を用いてホワイトバランス調整すると、色不良が生じ易い。上述の方法は、最明ブロック重み係数を決定する方法の一例である。最明ブロック重み係数は、主に使用されている光源、主に撮像されている被写体などの使用条件に応じて適切に決定されてよい。
【0145】最明ブロック重み回路342は、最明ブロック平均値と最明ブロック数とを、決定された重み係数で乗算する。
【0146】ホワイトバランス調整信号計算回路344が、蛍光灯ブロック重み回路334と、タングステン光ブロック重み回路336と、昼光ブロック重み回路337と、最明ブロック重み回路342とによって得られた重み値に基づいて、ホワイトバランス調整信号を計算する。ホワイトバランス調整信号計算回路344は、加重された、蛍光灯ブロック、昼光ブロック、タングステン光ブロックおよび最明ブロックの数の比率に比例して加重されたブロック平均値を組み合わせ、その組み合わせた値に基づいてホワイトバランス調整信号を得る。この演算において、ホワイトバランス調整信号に対する蛍光灯ブロック、昼光ブロック、タングステンブロックおよび最明ブロックの貢献の比率(組み合わせの比率)は、まず、以下の式(4)、式(5)および式(6)により求められる。
【数4】
M F=W FCNT F/(W FCNT F+W DCNT D+W BCNT B) (4)
【数5】
M D=W DCNT D/(W FCNT F+W DCNT D+W BCNT B) (5)
【数6】
M B=W BCNT B/(W FCNT F+W DCNT D+W BCNT B) (6)
式(4)、式(5)および式(6)において、M F、M DおよびM Bは、それぞれ、蛍光灯ブロック、昼光/タングステン光ブロックおよび最明ブロックの組み合わせの比率である。CNT F、CNT DおよびCNT Bは、それぞれ、蛍光灯ブロック、昼光/タングステン光ブロックおよび最明ブロックの数である。上記の式(4)、式(5)および式(6)におけるそれぞれのWCNTは、加重されたブロック数である。組み合わせの比率は、全てのブロック数に対する、加重された光源(蛍光灯、昼光/タングステン光および最明光からのうち1つ)ブロック数の割合である。
【0147】それぞれの光源の組み合わせの比率に基づいて、混合信号(Rmix、Gmix、Bmix)が得られる。
【数7】
Rmix=M FR F+M DR D+M BR B Gmix=M FG F+M DG D+M BG B Bmix=M FB F+M DB D+M BB B (7)
【0148】RadjおよびBadjのホワイトバランス調整信号は、以下の式(8)により、混合信号の3つの成分に基づいて得られる。
【数8】
Radj=Gmix−RmixBadj=Gmix−Bmix (8)
【0149】前述のRadjおよびBadjを用いる代わりに、MAX=max(Rmix,Gmix,Bmix)を求めた後、ホワイトバランス調整信号として、MAX−Rmix、MAX−GmixおよびMAX−Bmixが用いられてよい。演算子max(a,b,...)は、括弧内のすべての値から最大値を選択することを意味する。
【0150】この実施の形態において、ホワイトバランス調整は、最明ブロックの画像信号情報によって影響を受ける場合がある。その結果、ホワイトバランス調整信号(および逆ホワイトバランス調整信号)は、所定の光源以外の光源により照射された被写体から導き出される画像に対して適切に決定される。
【0151】再度、図16を参照すると、ホワイトバランス調整信号の計算結果が、リバーサル回路324に送られ、この回路が、以下の式(9)を用いて、ホワイトバランス調整信号の逆ベクトルを計算し、逆ホワイトバランス調整信号、すなわち、逆ホワイトバランス補正を与える。
【数9】
Radj(rev)=1/Radj Badj(rev)=1/Badj (9)
【0152】逆ホワイトバランス調整信号は、カラーバランス調整回路354(カラーバランス調整器354とも呼ばれる)に送信され、この回路は、逆ホワイトバランス調整信号を用いて、入力された画像信号のカラーバランスを調整する。カラーバランス調整器354は、カラーバランスを調整して、補償された色かぶりを表示する確認画像である補償画像を与えるために、カラーバランス調整信号を、全ての画像画素のR成分およびB成分にそれぞれ加える。次に、カラーバランス調整回路354は、補償信号出力端子356を介して、補償画像、すなわち、確認画像を出力する。
【0153】上述した他の実施の形態の場合と同様に、別のステップとして、または、電子画像の他の修正と組み合わせて、この色調整手順に、写真仕上げ色かぶり補正または他の調整が加えられてよい。このような修正は、標準的な調整をすべての決定に割り当てるか、または、異なる調整ごとに適切なルックアップテーブルを使用することにより調整されてよい。このようなルックアップテーブルは、フィルムのタイプ、色値およびそれに類似するものに関する入力を用いて、異なる写真仕上げ色かぶり低減または他の調整を与えてよい。入力は手動式のものであってよく、または、フィルムセンサまたはそれら2つを組み合わせたものを使用してもよい。任意の調整により、逆ホワイトバランス補正の大きさが変化するが、逆色空間ベクトル上の補償点は維持されることが非常に好ましい。これは、認知する色かぶりの原因に関してユーザを混乱させるかもしれない色相におけるシフトを防ぎ、また、実際の写真仕上げ操作を反映する。例えば、いくつかの写真仕上げ処理により、色かぶりの80パーセントが低減されるが、カラーネガフィルムからの写真仕上げ後の画像において、残りの色かぶりの色相における変化はない。これは、カメラでカラーネガフィルムが使用されているときはいつでもまたは常時、逆ホワイトバランス補正の大きさの80パーセント低減を計算して、この修正を適用することによって、カメラにおいて調整できる。
【0154】記載する実施の形態において、オプションの自動ホワイトバランス調整回路346が、ホワイトバランス調整信号を用いて入力された画像信号のホワイトバランスを調整する。その結果得られるホワイトバランス調整されたRGB画像、すなわち、転送画像は、ホワイトバランス調整された画像信号出力端子348から出力される。
【0155】自動ホワイトバランス調整回路346は、ホワイトバランスを調整し、従って、後の電子転送のために転送画像を提供するために、ホワイトバランス調整信号を、全ての画像画素のR成分およびB成分にそれぞれ加える。希望に応じて、このコピーが表示されてよく、電子メールや他の電子転送用に使用される他のデジタル画像に合わせて修正されてよい。例えば、電子画像は、Exif/JPEG画像ファイルなど、特定の形式の圧縮ファイルとして記憶されてよい。希望に応じて、ホワイトバランス補正パラメータが、バランス調整されていない画像に再変換できるように、共有画像と共に記憶されてよい。
【0156】「非例示的シグナリング」以下、図22から図27、図29および図31を参照すると、特定の実施の形態において、カメラ14は、アーカイブ画像が色かぶりをもつという間接的な表示360を与える。これらの実施の形態において、カメラ14は、認知できる程度に元のシーンと適合するカラーバランスをもつか、または元のシーンには依存しないカラーバランスをもつ電子確認画像を表示する。写真仕上げ後のアーカイブ画像に色かぶりが存在すると、そのことが、確認画像のカラーバランスに依存しない表示360により示される。
【0157】図22および図23を参照すると、カメラ14は、アーカイブ画像撮影媒体22(図23に破線で示す)の非指定光源である蛍光灯ライティングにより照らされるシーン画像を撮影する(359)。そのシーン画像は、前述したように処理され、かつ、確認画像としてディスプレイ20上に示される電子画像として、アーカイブ媒体22に撮影される。確認画像は、検出された色かぶりに対して変化しない色値をもつか、またはホワイトバランス調整により変化した色かぶりをもつ。(アーカイブ画像は、ホワイトバランス調整に左右されない。)色かぶりをもつ周囲光に順応した撮影者は、確認画像において、アーカイブ画像に現れる実際の色かぶりを認知できないであろう。ライティングによる色かぶりは、上述した方法の任意の方法により検出され(361)、写真仕上げ後のアーカイブ画像における色かぶりの存在の表示360が、確認画像と共に与えられる(363)。
【0158】好ましい実施の形態において、色検出器は、電子撮像部材からの赤色、緑色および青色(RGB)信号を平均化し、信号の強度を比較して、主色、すなわち、赤色、緑色、青色、または、RGB信号の組み合わせである白色/中間色を決定する。これに応答して、ユーザインタフェースは、主色がカットオフよりも下でなければ、その主色に関してユーザに知らせる表示を与える。主色がカットオフよりも下であれば、ユーザに白色/中間色が知らされる。現在の好ましいカットオフは、組み合わされたRGB信号の全強度の60パーセントである。白色/中間色のバランスは、「赤色」、「緑色」または「青色」の信号の欠如により伝達される。このアプローチは、単純であるという利点をもち、周囲光によるシーンの色かぶりと、シーンのコンテンツにおいて一色が多量にあることを知らせる。このアプローチは、赤色、緑色および青色の信号の中で比較を行い、赤色、緑色および青色以外の主色を決定できるように、これらの信号のいろいろな比率を与えるように修正されてよい。
【0159】表示360は、別の表示ディスプレイ362上に与えられてよく、または、画像ディスプレイ20上に与えられる確認画像に重ね合わせられ(合成写真処理され)てよい。いずれの場合も、表示360は、周囲照明の色値に少なくともほぼ対応する波長の一様なカラーパッチ、または、英数字メッセージや非英数字の指標であってよい。ディスプレイ20上に指標を与えるか、または、画像に表示360を合成写真処理するアルゴリムは、当業者に周知のものである。例えば、非常に単純なアルゴリズムは、確認画像の画素を表示360の画素に置き換える(図23を参照)。
【0160】図29は、表示ディスプレイ362と、信号ライン366によってコントローラ132に接続される表示ディスプレイドライバ364とを含むように修正された、図3のカメラの図を部分的に拡張した図を示す。図23は、同じカメラ14の外側を示し、「COLOR CAST」という言葉が表示され、外方向に放射状に延びる破線を有する別の表示ディスプレイ362を示す。これらの言葉および破線は、それぞれ、英数字表示360およびカラーパッチ表示360の代替表示である。画像ディスプレイ20、情報ディスプレイ150、および表示ディスプレイ362の相対位置は、特定のカメラデザインの空間的および美的必要性に見合うように変更されてよい。表示ディスプレイ362の形状および大きさは変更されてよい。図26に示す実施の形態において、表示ディスプレイ362は、画像ディスプレイ20を取り囲み、アーカイブ画像に予想される色かぶりを表すカラーパッチを示す。表示ディスプレイ362は、画像ディスプレイ20と同じ種類の構成部品を用いてよい。表示ディスプレイ362の構成部品の選択は重要ではない。例えば、図24および図25は、画像ディスプレイ20用のOLEDまたは他の自己発光型ディスプレイ、および、ランプ369によってバックライトを当てられたLCD368を用いる第2の情報表示ディスプレイ365を備えるカメラ14を示す。
【0161】図23に示す実施の形態は、画像ディスプレイ20と情報ディスプレイ150に加え、表示ディスプレイ362を備える。代わりに、表示ディスプレイ362は、図24および図25に示すように、情報ディスプレイ150と共に、または図31に示すように、画像ディスプレイ20と共に組み合わされてよい。色かぶり表示360は、これらのすべての代替において、カラーパッチまたは指標として同じように与えられる。図31に示すカメラ14は、確認画像に合成写真処理された「COLOR CAST」という言葉の英数字表示360を有する。図26は、画像および表示360ディスプレイが、連続的な画素化パネル371の第1および第2の部分となるように、確認画像を取り囲むカラーパッチを備える。この場合、カラーパッチと確認画像の両方が、画像ディスプレイ20上に与えられる。単一のディスプレイ20上に確認画像と共に表示する合成写真テキストまたはカラーパッチのアルゴリズムは、当業者に周知のものである。また、図26および図27に示すカメラ14は、転送画像の準備も行う。コントローラ132に接続されたスイッチ368により、確認画像(「V」で示す)および周囲にあるカラーパッチまたは転送画像のみ(「T」で示す)をユーザが選択的にディスプレイ20に表示できる。
【0162】「ユーザインタフェース周囲光検出器」以下、図30から図33を参照すると、上述のカメラ14は、シーンを撮影したときの周囲光ではなく、画像をディスプレイ上で見るときに撮影者の眼で周囲光を検出するように、ユーザインタフェース154に配置されたユーザインタフェース周囲光検出器370を含むように修正されてよい。ユーザインタフェース周囲光検出器370は、撮像部材84または露出設定値を決定するために使用する別の光センサ172(「シーン周囲検出器172」とも呼ばれる)とは異なる方向に向く。ユーザインタフェース周囲光検出器370は、電子画像のカラーバランスを変更し、例示的な色かぶり信号を与えるカメラ14に特に好ましい。これは、確認画像が、特に画像を見るときにユーザの視覚順応を解消するように修正できるためである。
【0163】図31および図32は、ユーザインタフェース周囲光検出器370を備えるカメラ14を示す。検出器370は、ユーザインタフェース周囲センサドライバ372と、1以上のセンサ374とを備える。図32に、周囲センサドライバ173とは別のものであるセンサドライバ372が示されているが、これらの機能は、単一のセンサドライバ(示されていない)に組み合わされてよい。ユーザインタフェース周囲光検出器370は、必ず撮像部材84とは別に設けられる。ユーザインタフェース周囲光検出器370の1以上のセンサ374は、ビューファインダー88内に設けられてよいが、好ましくは、光学系86から独立して、撮影用レンズ開口175よりも画像ディスプレイ20に近い位置にある。特定の実施の形態において、センサ374は、図31に示すように、カメラ本体54の上側背面に取り付けられ、ユーザインタフェースおよびユーザの眼の位置で周囲光を正確に測定しやすくする。これらの制限内において、ユーザインタフェース周囲光検出器370は、シーン周囲検出器172に関してすでに記載したものと同じように、1以上の要素センサを用いてよい。また、カメラ14は、ユーザインタフェース周囲光検出器370のセンサ374として、第2の撮像部材を用いてもよい。この第2の撮像部材は、電子画像撮影ユニット16で使用される撮像部材84よりも解像度がかなり低いものであってよい。
【0164】図30は、ユーザ周囲光検出器370を備えるカメラ14の使用を示す。ユーザは、被写体212を見て(213)、蛍光灯ライティングにおいて画像を撮影する(214)。次に、ユーザは、画像の撮影(214)と同じ蛍光灯ライティングで、確認画像218を見る(220)。タングステンライティング(タングステンランプ373の記号で示す)に変更(371)した後、ユーザは、再度、確認画像218を見る(376)。ライティング条件が同じであるため、図30の「実際」列と「感知」列は、蛍光灯照明において撮影し、即時見ることに対して、図8に示すものに似ている。図8は、タングステン照明において遅延して見る状態を示していない。図8のカメラの場合、その結果は次善のものである。なぜなら、タングステン照明に対するユーザの順応は補償されないからである。これとは対照的に、図30では、カメラ14により、確認画像を見るときにライティング条件が補償される。従って、周囲照明を変更(375)した後、カメラは、タングステンライティング(「TUNGSTEN ILLUMINATION」377)により照らされ、確認画像は、タングステン照明に対して補償された色かぶり(「FLUORESCENT COLOR CAST COMPENSATED FOR TUNGSTEN」378)を示し、ユーザは、他の周囲ライティング条件にある場合と同じ蛍光灯色かぶり228を見る。図30は、例示的なものである。カメラ14は、所定の参照光源と他のカメラの特徴により課せられる制限内において、他の光源に対して、前述した方法と同様の方法で動作する。例えば、昼光において確認画像を見ることは、図8の遅延確認画像を昼光で見る場合に示したものと似ている。
【0165】確認画像は、メモリに記憶された画像のコピーとして与えられる。このコピーは、現在の周囲ライティングに見合うようにカラーバランス調整され、好ましくは、ユーザが選択することにより、スイッチが作動されるとユーザに表示される。表示後、すなわち、カメラのユーザがモードを変更したり、カメラをオフにしたりした場合、カラーバランス調整されたコピーは破棄される。記憶された画像は、ユーザにより転送または削除されるまで、確認画像とは独立して保持される。
【0166】ユーザインタフェース周囲光検出器370は、上述と同じ方法で、ユーザの視覚順応を解消する電子画像の修正を提供するために使用される色値を与える。ユーザインタフェース周囲光検出器370が、電子画像が表示されるたびに、現在の周囲ライティング情報を与えるように使用され、故に、色度順応逆補償が、ディスプレイ20上の電子画像を見るたびに正確に適用されることは非常に好ましい。このような実施の形態において、カメラ14は、見ている間の周囲ライティング条件に基づいて即時に見る、または、後で見るために修正される単一の確認画像を有する。また、色度順応逆補償が、同じ方法で、転送画像またはディスプレイ20上に示される任意の他の画像に適用されてもよい。
【0167】以下、図33を参照すると、シーン画像が、電子画像として撮影され(24)、デジタル化され(26)、入出力に合わせて較正され(28)、記憶される(27)。ユーザが選択を行う(380)(例えば、図32に示すモードスイッチ170を使用して)と、ユーザインタフェース周囲検出器370が作動して、色値が測定される(382)。カラーバランス補償が決定される(384)。電子画像は、記憶装置から取りだされ(386)、色度順応逆補償を与えるようにカラーバランス調整され(388)、表示される(36)。スイッチ170は、タイマまたはユーザにより作動解除され、表示が終了する。
【0168】色かぶりに対する補償は、所定の値のルックアップテーブルを用いる上述の手順または逆ホワイトバランス調整のいずれかを用いて決定されてよい。現在、カメラ14は、第2の撮像部材を備え、図15および図20に示す上述の「最明物体」の逆ホワイトバランス調整アプローチを用いることが好ましい。
【0169】以下、図34を参照すると、カメラ14は、この代わりとして、図13に示す周囲検出器172に類似した特徴を備える色調整器310を有するものであってよい。図34のカメラにおいて、色調整器310は、破線で示されている。色調整器310は、センサとして第2の撮像部材374aを用いる。レンズ系392が、光を第2の撮像部材374aに向ける。第2の撮像部材374aによって撮影された電子画像は、A/D変換器134と、画素累積器300と、泊セル積算器304と、色比率計算器308とを通る。また、色調整器は、シーン光源値ルックアップテーブル270と、コントローラ132と、画像メモリ138aとを備える。これらの構成部品は、図13のカメラに関してすでに記載した方法で利用されるが、異なる点は、図34に示す実施の形態では、スイッチ394が作動されると、画像プロセッサ390が使用され、メモリ289に保持された電子画像に画像修正が適応される(明確にするために、図34には、ピーク値検出器などの図13に示すいくつかの特徴が示されていないが、前述したように、これらが含まれて利用されてよい。)コントローラ132により与えられる画像調整が、撮像部材で適用される修正ゲインではなく、記憶された電子画像に作用するため、ここでは、図13に示すチャネルゲイン調整器311は不要である。本願明細書のいずれにおいても、A/D変換器134などの同様の機能を与える構成部品は、異なる使用のために再現されてよく、または、必要に応じて異なる機能を与えるように、構成部品の単一のセットが制御されてよい。また、図13に示すカメラ14は、図34に示された、メモリに保持される画像を示す特徴を含むように修正されてもよい。チャネルゲイン調整器は省かれてよく、希望に応じて、すべての画像の修正を行うために、画像プロセッサが使用されてよい。
【0170】ユーザインタフェース周囲光検出器370は、ユーザインタフェース154で周囲輝度を検出し、それに応答して画像ディスプレイ20の輝度を調整するために用いられてよい。この特徴を与えるさまざまな出力ディスプレイは、当業者に既知のものである。
【0171】(本発明の他の特徴)
1.本発明によるカメラは、周囲光によって照らされたシーンの画像を撮影することができるカメラである。そのカメラは、本体と、前記の本体に位置され、多色電子画像として周囲光画像を撮影する電子撮像部材と、前記の周囲光を評価して、色値を与える色検出器と、前記の電子画像の、前記の色値から所定の指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する、ホワイトバランス色空間ベクトルを決定するホワイトバランス調整回路と、前記の色値から前記のホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向に延びる逆色空間ベクトルを決定するリバーサル回路と、前記の電子撮像部材に接続されるカラーバランス調整回路と、前記の本体の外側に位置される画像ディスプレイとから成る。また、前記のカラーバランス調整回路は、前記の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整し、補償画像を与え、前記の画像ディスプレイは、前記の電子撮像部材と前記のカラーバランス調整回路とに接続され、前記の補償画像を表示する。
2.好ましくは、第1項目の文章に記載されたカメラは、さらに、前記の指定光源に対してカラーバランス調整されたアーカイブ画像記憶媒体を含む。
3.好ましくは、第1項目の文章に記載されたカメラにおいて、前記の補償点は、前記の逆色空間ベクトルの終点にある。
4.好ましくは、第1項目の文章に記載されたカメラは、さらに、フィルム撮影ユニット、光学系およびシャッタレリーズを含む。前記のフィルム撮影ユニットは、露出フレームを含み、前記の光学系は、前記の周囲光画像を、前記の露出フレームおよび前記の電子撮像部材に方向付ける。前記のシャッタレリーズは、前記の周囲光画像を、前記の露出フレームと前記の電子撮像部材とに同時に方向付けるよう、選択的に作動可能である。
5.好ましくは、第4項目の文章に記載されたカメラは、さらに、前記のフィルム撮影ユニットに位置される写真フィルムを備える。前記のフィルムは、前記の指定光源にカラーバランス調整される。
6.好ましくは、第1項目の文章に記載されたカメラにおいて、前記の色検出器は、前記の電子撮像部材に接続され、前記の電子画像を測定する。
7.好ましくは、第6項目の文章に記載されたカメラにおいて、前記の電子画像は、画素化され、前記の色検出器は、前記の電子画像を画素のブロックに分割するブロック代表値計算回路を含み、前記のブロックを測定する。
8.好ましくは、第1項目の文章に記載されたカメラにおいて、前記の色検出器は、前記の本体に取り付けられた、前記の電子撮像部材から独立している周囲光センサを備える。
9.本発明によるカメラは、周囲光によって照らされたシーンの画像を、指定光源にバランス調整されたアーカイブ撮影媒体を用いて撮影することができる。そのカメラは、本体と、前記の本体に位置され、多色電子画像として周囲光画像を撮影する電子撮像部材と、前記の電子画像を測定して、色値を与える色検出器と、前記の電子画像の、前記の色値から所定の指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する、ホワイトバランス色空間ベクトルを決定するホワイトバランス調整回路と、前記の色値から前記のホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向に延びる逆色空間ベクトルを決定するリバーサル回路と、前記の電子撮像部材に接続されるカラーバランス調整回路と、前記の本体の外側に位置される画像ディスプレイとから成る。前記のカラーバランス調整回路は、前記の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整し、補償画像を与え、前記の画像ディスプレイは、前記の電子撮像部材と前記のカラーバランス調整回路とに接続され、前記の補償画像を表示する。
10.本発明に係るカメラは、周囲光によって照らされたシーンの画像を、指定光源にカラーバランス調整された写真フィルムを用いて撮影することができる。そのカメラは、本体と、前記の本体に位置され、多色電子画像として周囲光画像を撮影する電子撮像部材と、前記のフィルムを保持でき、かつ、露出フレームを備えるフィルム画像撮影ユニットと、周囲光画像を前記の撮像部材および前記の露出フレームに方向付ける光学系と、前記の電子画像を測定して、所定の色空間における色値を与える色検出器と、前記の電子画像の、前記の色値から前記の指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する、ホワイトバランス色空間ベクトルを決定するホワイトバランス調整回路と、前記の色空間において、前記の色値から前記のホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向に延びる逆色空間ベクトルを決定するリバーサル回路と、前記の電子撮像部材に接続されるカラーバランス調整回路と、前記の本体の外側に位置される画像ディスプレイとから成る。前記のカラーバランス調整回路は、前記の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整し、補償画像を与え、前記の画像ディスプレイは、前記の電子撮像部材と前記のカラーバランス調整回路とに接続され、前記の補償画像を表示する。
11.好ましくは、第10項目の文章に記載されたカメラにおいて、前記の補償点は、前記の逆色空間ベクトルの終点にある。
12.本発明による方法は、周囲光中で使用できる画像撮影方法である。その方法は、カメラにおける電子画像として、周囲光画像を撮影するステップと、前記の電子画像のホワイトバランス調整を決定するホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整するステップと、前記のカラーバランス調整に続いて、前記のカメラ上に取り付けられたディスプレイにおいて、前記の電子画像を表示するステップとから成る。
13.好ましくは、第12項目の文章に記載された方法において、前記の補償点は、前記の逆色空間ベクトルの終点にある。
14.好ましくは、第12項目の文章に記載された方法は、さらに、前記の周囲光画像に相当するアーカイブ画像を記憶媒体に記憶するステップを含む。
15.好ましくは、第12項目の文章に記載された方法は、前記の周囲光画像に相当するアーカイブ画像を、指定光源にカラーバランス調整された記憶媒体に記憶するステップと、前記の周囲光画像の色値を評価するステップとを含む。ここで、前記のホワイトバランス色空間ベクトルは、前記の色値から前記の指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する。
16.本発明による方法は、周囲光中で使用できる画像撮影方法である。その方法は、カメラにおける電子画像として、周囲光画像を撮影する撮影ステップと、前記の周囲光画像に相当するアーカイブ画像を、指定光源にカラーバランス調整された記憶媒体に記憶する記憶ステップと、前記の周囲光画像の色値を評価する評価ステップと、前記の色値から前記の指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する、ホワイトバランス色空間ベクトルを決定するホワイトバランス色空間ベクトル決定ステップと、前記の色値から前記のホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向に延びる逆色空間ベクトルを決定する逆色空間ベクトル決定ステップと、前記の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整し、補償画像を提供する補償画像提供ステップと、前記の補償画像を、前記のカメラ上に取り付けられたディスプレイに表示する表示ステップとから成る。
17.好ましくは、第16項目の文章に記載された方法において、前記の記憶媒体は、感光フィルムである。
18.好ましくは、第16項目の文章に記載された方法において、前記のホワイトバランス色空間ベクトル決定ステップは、さらに、前記の電子画像をサンプリングするステップを含む。
19.好ましくは、第16項目の文章に記載された方法は、さらに、前記の電子画像を複製し、第2の画像を提供するステップと、前記の第2の画像をホワイトバランス調整するステップとを含む。
20.好ましくは、第19項目の文章に記載された方法において、前記の表示ステップは、さらに、前記の補償画像および前記の第2の画像を、選択的に交互に表示するステップを含む。
21.好ましくは、第20項目の文章に記載された方法は、さらに、前記の表示ステップに先立ち、前記の電子画像と前記の第2の画像とを前記のディスプレイに対して較正するステップを含む。
22.好ましくは、第19項目の文章に記載された方法は、さらに、前記の撮影ステップに続く期間中に前記の電子画像を表示するステップと、前記の期間の終了後に前記の第2の画像を表示するステップとを含む。
23.好ましくは、第22項目の文章に記載された方法は、さらに、前記の期間に続いて、前記の電子画像を削除するステップを含む。
24.好ましくは、第22項目の文章に記載された方法は、さらに、前記の期間中に、前記の第2の画像を選択的に表示するステップを含む。
【発明の効果】本発明によるカメラおよびその方法により、周囲光に視覚的に順応した観察者に対して、撮影された画像の予想されるカラーバランスが表示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるシステムの実施の形態の図式的な図。
【図2】 本発明によるシステムの別の実施の形態の図式的な図。
【図3】 本発明によるカメラの実施の形態の図式的な図。
【図4】 本発明によるカメラの別の実施の形態の図式的な図。
【図5】 本発明によるカメラの別の実施の形態の図式的な図。
【図6】 図3のカメラの背面斜視図。
【図7】 図3のカメラの部分分解図。
【図8】 例示的な色かぶり信号を与えるカメラの実施の形態の動作を示す図。
【図9】 図1と同じ図で示されたシステムの変形例を示す図。
【図10】 画像撮影方法の実施の形態を示す図。
【図11】 図1と同じ図で示されたシステムの別の変形例を示す図。
【図12】 RGB色空間の図として示された、図11のカメラのルックアップテーブルの図。
【図13】 本発明によるカメラの別の実施の形態の簡略図。
【図14】 図13のカメラの動作のフローチャートを示す図。
【図15】 図13のカメラの変形例を示す簡略図。
【図16】 図15のカメラのカラーバランス調整回路の詳細図。
【図17】 図15のカメラにおけるホワイトバランス調整を示すRGB色空間の図。
【図18】 図15のカメラにおけるカラーバランス調整を示すRGB色空間の図。
【図19】 図17および図18のホワイトバランスおよびカラーバランス調整用のブロックに分割される電子画像を示す図。
【図20】 図17および図18のホワイトバランスおよびカラーバランス調整用のDG−DI平面における最も明るいブロック信号領域の図。
【図21】 撮像部材から分離している周囲光検出器の詳細を示すカメラの実施例の部分的かつ図式的な図。
【図22】 画像撮影方法の実施の形態を示す図。
【図23】 蛍光灯のライティングにより照らされたシーン画像を撮影するカメラの別の実施の形態の半図式的な斜視図。
【図24】 本発明によるカメラの別の実施の形態の背面図。
【図25】 図24のカメラにおける、画像ディスプレイと、表示および情報ディスプレイを組み合わせたディスプレイとの斜視図。
【図26】 確認画像および表示ディスプレイを示すカメラのさらなる別の実施の形態の背面図。
【図27】 転送画像を示す図26と同じ図。
【図28】 色かぶりシグナリングの第2のアプローチのフローチャートの図。
【図29】 表示ディスプレイおよび表示ディスプレイドライバを含むように変形された図3のカメラの図の部分拡大図。
【図30】 画像が表示されたときに周囲のライティングに合わせて調整された例示的な色かぶり信号を与えるカメラの実施の形態の動作の図。
【図31】 図30に従って動作する図21のカメラの変形例の斜視図。
【図32】 図31のカメラの図式的な図。
【図33】 図31のカメラの電子撮影および表示の図式的な図。
【図34】 本発明によるカメラの実施の形態のユーザインタフェース周囲光検出器とそれに関連する特徴の図式的な図。
【符号の説明】
12 シャッタレリーズ
14 カメラ
16 電子撮影ユニット
18 アーカイブ画像撮影ユニット
18a フィルム撮影ユニット
20 ディスプレイ
22a 写真フィルム
84 電子アレイ撮像部材
86 光学系
94 撮影用レンズユニット
96 撮像部材レンズユニットとビューファインダレンズユニットの組み合わせレンズユニット
100 ビューファインダレンズユニット
118 フィルムシャッタ
120 撮像部材シャッタ
122、124 ダイアフラム/絞り板
130 制御システム
154 ユーザインタフェース
172 シーン周囲検出器
174 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 周囲光によって照らされたシーンの画像を、指定光源にバランス調整されたアーカイブ撮影媒体を用いて撮影することができるカメラであって、本体と、前記の本体に位置され、多色電子画像として周囲光画像を撮影する電子撮像部材と、前記の電子画像を測定して、色値を与える色検出器と、前記の電子画像の、前記の色値から前記の指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する、ホワイトバランス色空間ベクトルを決定するホワイトバランス調整回路と、前記の色値から前記のホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向に延びる逆色空間ベクトルを決定するリバーサル回路と、前記の電子撮像部材に接続されるカラーバランス調整回路と、前記の本体の外側に位置される画像ディスプレイとから成り、前記のカラーバランス調整回路は、前記の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整し、補償画像を与え、前記の画像ディスプレイは、前記の電子撮像部材と前記のカラーバランス調整回路とに接続され、前記の補償画像を表示することを特徴とするカメラ。
【請求項2】 周囲光によって照らされたシーンの画像を、指定光源にカラーバランス調整された写真フィルムを用いて撮影することができるカメラであって、本体と、前記の本体に位置され、多色電子画像として周囲光画像を撮影する電子撮像部材と、前記のフィルムを保持でき、かつ、露出フレームを備えるフィルム画像撮影ユニットと、周囲光画像を前記の撮像部材および前記の露出フレームに方向付ける光学系と、前記の電子画像を測定して、所定の色空間における色値を与える色検出器と、前記の電子画像の、前記の色値から前記の指定光源の白色点までのホワイトバランス調整を決定する、ホワイトバランス色空間ベクトルを決定するホワイトバランス調整回路と、前記の色空間において、前記の色値から前記のホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向に延びる逆色空間ベクトルを決定するリバーサル回路と、前記の電子撮像部材に接続されるカラーバランス調整回路と、前記の本体の外側に位置される画像ディスプレイとから成り、前記のカラーバランス調整回路は、前記の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整し、補償画像を与え、前記の画像ディスプレイは、前記の電子撮像部材と前記のカラーバランス調整回路とに接続され、前記の補償画像を表示することを特徴とするカメラ。
【請求項3】 周囲光中で使用できる画像撮影方法であって、カメラにおける電子画像として、周囲光画像を撮影するステップと、前記の電子画像のホワイトバランス調整を決定するホワイトバランス色空間ベクトルと反対方向の逆色空間ベクトル上に位置される補償点に前記の電子画像をカラーバランス調整するステップと、前記のカラーバランス調整に続いて、前記のカメラ上に取り付けられたディスプレイにおいて、前記の電子画像を表示するステップとから成る方法。

【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図1】
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【図2】
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【図22】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図20】
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【図13】
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【図15】
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【図25】
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【図16】
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【図21】
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【図24】
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【図26】
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【図23】
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【図27】
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【図30】
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【図28】
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【図29】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2002−290979(P2002−290979A)
【公開日】平成14年10月4日(2002.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−391719(P2001−391719)
【出願日】平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】