説明

通信システム、通信端末および情報処理装置

【課題】本発明は、映像を好適に提供可能な通信システム、該通信システムにて利用可能な通信端末および情報処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、本発明の通信システムは、移動体に装着可能な通信端末及び情報処理装置を有する通信システムであって、情報処理装置は、映像の送信を要求する要求信号を、複数の送信相手に情報を送信する同報通信を介して、所定の範囲の通信端末に送信する要求送信部を備え、要求信号は位置を示す位置情報を含み、通信端末は、通信端末周辺の映像を撮影する撮影部と、映像を撮影した位置を取得する位置取得部と、撮影した映像と位置を対応させて記録する記録部と、要求信号を受信する受信部と、映像を送信する映像送信部とを備え、映像送信部は、記録部が受信した要求信号に含まれる位置情報が示す位置に対応した映像を記録している場合に、情報処理装置に該映像を送信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信端末および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交通事故が発生した場合に、当事者間で事故状況に対する説明の食い違いが発生する場合がある。
【0003】
特許文献1には、会員登録がなされ、撮像手段、位置情報取得手段、大容量記憶装置を有するカーナビゲーション装置及び情報通信機能付携帯電話装置を用いて情報提供を行う情報提供車両と、必要とされる場所の映像情報に最も近い前記情報提供車両を位置情報から検索し、前記情報提供車両に情報収集リクエストを行うASPセンタと、前記必要とされる場所の映像情報の配信要求がネットワーク手段を介してなされ、前記ASPセンタからの前記情報収集リクエストに応じて前記情報提供車両から前記必要とされる場所の映像情報の提供が直接的になされる会員登録された利用者媒体とを有する映像情報提供システムが記載されている(要約)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−38866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記映像情報提供システムでは、映像提供車両が、位置情報、時刻情報、映像情報を所定の間隔ごとASPセンタに送信する(0030)。しかし、多数の車両から所定の間隔ごとに映像を送信すると、通信インフラにかかる負荷が大きくなったり、ASPセンタにとって不必要な映像が多くなってしまったりする場合がある。また、情報を送信する間隔が長い場合には、ASPセンタは情報提供車両の全経路を把握できず、事故発生現場付近をどの車両が走行しているかを特定できない場合も想定しうる。
【0006】
本発明は、映像を好適に提供可能な通信システム、該通信システムにて利用可能な通信端末および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の通信システムは、移動体に装着可能な通信端末及び情報処理装置を有する通信システムであって、前記情報処理装置は、映像の送信を要求する要求信号を、複数の送信相手に情報を送信する同報通信を介して、所定の範囲の通信端末に送信する要求送信部を備え、前記要求信号は位置を示す位置情報を含み、前記通信端末は、前記通信端末周辺の映像を撮影する撮影部と、前記映像を撮影した位置を取得する位置取得部と、前記撮影した映像と前記位置を対応させて記録する記録部と、前記要求信号を受信する受信部と、映像を送信する映像送信部と、を備え、前記映像送信部は、前記記録部が前記受信した要求信号に含まれる位置情報が示す位置に対応した映像を記録している場合に、前記情報処理装置に該映像を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、映像を好適に提供可能な通信システム、該通信システムにて利用可能な通信端末および情報処理装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、通信システムの一例として、交通事故が発生した場合に、事故発生現場周囲の映像を移動体に装着した通信端末で撮影し、センタに送信する事故映像送受信システムについて説明する。
【0010】
図1は、事故映像送受信システムの概要を示した図である。なお、図1では、移動体の例として車両を示しているが、これに限定するものではない。以下の説明において、「移動体」とは人や動物や自動車のように、移動可能な物体をいう。「装着」とは、移動体に取り付けることや身に着けることをいうが、移動体が人間の場合は、鞄やポケットに入れている場合や単に把持する場合も含むものとする。また、移動体が車両等の場合は、車両等の一部として組み込む場合も含む。
【0011】
事故遭遇車両100、一般車両102は、通信端末を装着する車両である。まず、事故が発生した際、事故に遭遇した事故遭遇車両100は、装着された通信端末を使用して、事故の管理を行う通報管理センタ101に対し、事故が発生したことを表す事故発生通知を送信する(S100)。通報管理センタ101は、例えば、車両保険事業者や警察が利用するサーバやホスト等である。通報管理センタ101は、例えば、各構成を制御する制御装置1011、IPネットワーク等や公衆網を介して通信を行う通信装置1012、映像を記憶しておくためのデータベース等の記憶装置1013から構成される。S100にて通知を行う通知手段は、固定電話網、携帯電話網、IPネットワークのいずれを利用するものでもよい。ここで、事故発生の時刻と場所を明確化するため、事故発生通知には、事故発生時の時刻情報や位置情報が含まれる。事故発生の時刻と場所を特定するための別の手法として、通報管理センタ101で、交差点等に設置されたカメラをモニタし、事故の発生を検知することで、事故発生時の時刻情報や位置情報を算出しても良い。
【0012】
続いて、事故発生通知を受信した通報管理センタ101は、一般車両102に対して、事故の情報提供依頼を送信する(S101)。一般車両102は、車道を走行、または、車道で停車をしていて、事故に遭遇していない車両群を指す。映像情報提供依頼とは、事故発生時の時刻情報や位置情報を含んでおり、一般車両102が撮影した事故現場付近の映像を要求するものである。
【0013】
そして、一般車両102は、通報管理センタ101より要求された事故情報を所持している場合は、通報管理センタ101に対して事故情報を転送する(S102)。ここで事故情報とは、撮影映像と、撮影した時刻情報と位置情報を関連付けた情報のことを指す。
【0014】
このようなシステムを導入することで、通報管理センタ101は、事故遭遇車両100以外からも事故に関する有益な情報を収集することができ、事故処理の迅速化を図ることが可能となる。
【0015】
基地局104は、一般車両102や通報管理センタ101と情報との情報のやりとりを媒介する基地局である。基地局104は、例えば、移動体通信網における基地局である。また、基地局104は、例えば、データ放送を行うための放送基地局等でもよい。
【0016】
本システムでは、情報の信憑性を確保するために、S100、S101、S102で情報のやりとりを行う際、通報管理センタ101において、車両や運転車の認証処理を導入することも考えられる。認証処理は、例えば、本人認証や車両認証さらには、本サービスに加入しているかどうかの認証等である。
【0017】
続いて、図2、3、4、5、6に基づいて、第1の実施例について説明する。
【0018】
まず、図2は、通信端末の一例である、車両情報蓄積装置の構成を示す図である。車両情報蓄積装置200は、移動体に装着可能な装置であり、通信モジュール201と映像処理部205と車両周辺監視部210から構成される。
【0019】
通信モジュール201は、事故の管理を行う機関である通報管理センタ101と後述する時刻情報、位置情報、映像情報のやりとりを行うための通信装置であり、アンテナ202と無線部203と通信制御部204より構成される。映像処理部205は、前記映像情報に関連する処理全般を行う処理装置であり、映像保存転送制御部206と映像検索部207と車両異常監視部208と映像保存部209より構成される。車両周辺監視部210は、車両に設置された撮影部より車両周辺の映像を撮影し、その映像の一時的な記録を行う装置であり、映像一時記録部211と撮影部212より構成される。また、車両情報蓄積装置200は、必要に応じて、自車両の位置情報を検出する位置情報検出部213と、時刻を管理する時刻情報管理部214と、自車両の異常を検出する車両異常検出部215で管理される情報を、必要に応じて受信する。
【0020】
通信モジュール201のうち、アンテナ202は、通信に利用する送受信のアンテナである。無線部203は、TDMA、CDMA、無線LAN等の通信方式を利用するために必要な変復調回路、地上波デジタル放送やBCMCS(Bloadcast Multicast Service)等によって送信される情報を受信することに必要な変復調回路等で構成する。また、無線部203は各種通信プロトコルを実装する。また、無線部203は、単一の通信方式に対応していても良いし、複数の通信方式に対応していても良い。通信制御部204は、通信を制御し、管理する装置であり、通信モジュール201と映像処理部205間でやりとりされるデータの送受信の制御を行う。通信制御部204はCPUやMPU、またはDSP等の情報処理装置で構成される。
【0021】
映像処理部205は、車両に設置された撮影部212より撮影した車両周辺の映像の中から所望の映像を検索したり、新たに撮影した映像によって上書き記録されては支障をきたす映像を保存したり、保存した映像を通信制御部204へ転送するタイミングの制御を行う映像処理部である。映像保存転送制御部206は、映像保存部209に保存されている映像を通報管理センタ101に対し、通信モジュール201を介してアップロードする際、アップロードするタイミングを制御する。また、映像保存転送制御部206は、車両異常監視部208より車両が異常であることを示す通知を受けると、映像の保存開始の実施命令を映像保存部209へ送信する。また、映像保存転送制御部206は、通報管理センタ101より映像情報提供依頼通知を受信すると、映像一時記録部211に一時記録されている映像情報の中から、事故情報を所持しているかどうかを検索するための検索命令を映像検索部207へ送信する。また、映像保存転送制御部206は、車両異常監視部208より車両異常の検出通知(以下、車両異常検出通知)を受信すると、車両異常検出通知と、位置情報検出部213より取得する自車両の位置情報と、時刻情報管理部214より取得する標準時刻情報を関連付けて、通信制御部204へ送信する。映像保存転送制御部206は、例えば、CPUやMPU等の制御装置で構成する。映像検索部207は、通信モジュール201を介して通報管理センタ101より映像検索要求を受信した場合、映像一時記録部211に一時的に記録されている映像の中から、要求を受けた映像を検索し、合致するものがあるかどうかの判定を行う。車両異常監視部208は、車両に設置された車両異常検出部215を監視し、車両に異常がないかどうかをチェックする。車両に異常を検知した際は、映像保存転送制御部206に対して、それを通知する。車両異常検出部215は、加速度センサや衝撃センサなど車両の異常を検出可能なセンサ等で構成され、事故に遭遇したことや車両故障を検知する。映像保存部209は、映像一時記録部211から映像情報をコピーして保存する保存装置である。映像保存部209は、ハードディスクやメモリ等の記録装置で構成される。
【0022】
映像一時記録部211は、ハードディスクやメモリ等の記録装置で構成される。映像一時記録部211に一時的に記録される映像情報は、一定時間経過すると、新たに撮影した映像によって上書き記録され、消去される。よって、映像情報が消去されても支障をきたさぬようにするため、映像一時記録部211で記録されている映像情報を映像保存部209へコピーし、保存する。映像一時記録部211は、撮影部212より撮影された車両周辺の映像情報と、位置情報検出部213より検出された自車両の位置情報と、時刻情報管理部214より管理されている時刻情報をマッピング処理した情報(以下、映像情報)を一時的に記録する記録装置である。時刻情報管理部214は、電波受信処理部216が定期的に電波を受信することで、取得可能な正確な時刻情報を管理している。
【0023】
マッピング処理した映像情報は、例えば、図3に示すフォーマットで映像一時記録部211に一時的に記録される。図3における300から303までのフォーマットはあくまでも一例であり、少なくとも時刻情報と車両の位置情報と映像情報の3つの情報が関連付けられて記録されていれば良い。ここで、時刻情報と位置情報以外に、自車両の経路情報をマッピングしても良い。上記経路情報とは、位置情報検出部213で管理されている車両の位置情報を、不揮発性メモリ等の記録領域に対して、時系列に記録した情報の集合を指す。このように経路情報をマッピングすることで、裏道の検出など、位置情報のみでは特定できないような、更に詳しい車両位置の特定を行うことが可能となる。また、位置情報検出部213は、例えば、GPS方式等の自車の位置を算出する手法を利用した位置取得装置で構成する。また、位置情報検出部213は、ジャイロ方式とGPS方式を併用した自立航法システムを利用しても良い。これらのシステムを使用することで、より精度の高い車両位置を算出可能となる。撮影部212は、車両周辺の映像を撮影する装置であり、例えばカメラ等で構成される。
【0024】
図4は、事故が発生した際の、事故遭遇車両100と事故の管理を行う機関である通報管理センタ101と事故に遭遇していない一般車両102のそれぞれの動作を表すシーケンス図である。以下、図4を使用して、事故遭遇車両100と通報管理センタ101と一般車両102それぞれのやり取りを説明する。なお、事故遭遇車両100と一般車両102は、共に、図2の車両情報蓄積装置を搭載していることを前提とする。
【0025】
まず、S400、S401において、事故遭遇車両100と一般車両102は、それぞれ、撮影部212を使用し、車両周辺映像の撮影を開始する。S400、S401において、撮影部212が、撮影を開始するタイミングは、車両のエンジンをかけたときであっても良いし、運転手が選択した任意のタイミングであっても良い。
【0026】
続いて、S402において、事故遭遇車両100は、車両異常検出部215より車両異常を検出すると、映像保存転送制御部206へ車両異常通知を送信する。そして、S403にて、映像保存転送制御部206は、映像保存部209へ映像保存の開始命令を送信し、映像保存部209は、映像一時記録部211に一時的に記録されている映像の保存を開始する。車両異常検出部215は、加速度センサや衝撃センサ等の車両の異常を検知することが可能な手段を備え、急激な車速の変動やある一定以上の衝撃など車両の異常を検知すると、車両異常監視部208へ車両に異常が発生したことを通知する。また、車両異常を検知する手法として、例えば車両の状態が正常か異常かを表すフラグを使用することが考えられる。車両異常検出部215は、車両が正常な場合はフラグを立てず、異常を検知した場合は、フラグを立てる。車両異常監視部208は、車両異常検出部215のフラグを監視することで、車両の状態が正常であるか異常であるかを検知することが可能となる。ここで、加速度センサ以外に車両の異常を検知する手段として、エアバッグと連動させ、エアバッグ稼動時に車両異常を検出するような仕組みとしても良い。また、複数の様々なN個のセンサを使用し、n個(任意の閾値)以上のセンサが異常を検知した場合、車両の異常が発生していると判断するようにしても良い。このようにすることで、1個のセンサを使用して異常を検出するよりも、誤った異常検出を起こす確率を低減することが可能となる。
【0027】
S403において映像情報を保存する手法としては、映像一時記録部211より映像保存部209へ映像情報をコピーしても良いし、映像保存部209が、アドレス情報を使用して、映像一時記録部211の上書き記録可能なエリアとそうでないエリアを区別することで、撮影映像を記録するアドレスを管理する仕組みとしても良い。また、事故発生現場の映像を、管理センタ101に送信されるまで上書きを禁止するように映像保存転送制御部206が制御してもよい。これにより、情報蓄積装置200は、事故現場の映像を保存したまま、映像の記録を継続して行うことができる。さらに、映像の保存開始時間は、車両異常の通知を受信した時刻Tよりt[sec]前である、T−t時点からの記録映像を保存するようにしても良い。このtが大きいほど事故発生前の状況を後から確認することができるため、より詳細な事故検証を行うことが可能となる。
【0028】
続いて、S404にて、車両の異常を検出した事故遭遇車両100は、通信モジュール201を介して異常検出通知を通報管理センタ101へ送信する。この際、異常検出通知に付加する情報は、時刻情報T1と位置情報L1である。T1は事故発生時刻を、L1は事故発生位置を特定するために使用する情報である。S404における事故現場の位置特定は、車両の位置情報L1を使用せず、通報管理センタ101が図1のS100で記載したように行っても良い。この場合、S404で事故遭遇車両100が送信する異常検出通知は、時刻情報T1のみとなる。また、異常検出通知には、加速度センサ等のセンサ値を含めてもよい。これにより、より詳細な状況を、通報管理センタ101にて取得することが可能となる。
【0029】
また、S404における事故発生の時刻の特定に関しても、車両の時刻情報T1を使用せず、通報管理センタ101が行っても良い。この場合、S404で事故遭遇車両100が送信する情報は、異常検出通知のみとなる。
【0030】
事故遭遇車両100より異常検出通知を受信した通報管理センタ101は、S405にて、時刻T1に、L1付近で撮影された映像の要求通知(映像要求通知)を一般車両102へ送信する。この際、異常検出通知で使用する情報は、事故遭遇車両100より受信した時刻情報T1と位置情報L1である。
【0031】
S405にて、映像要求通知を行う通信手段としては、例えば、所定の範囲に同報通信を行う同報通信手段がある。ここで、同報通信とは、特定の情報を複数の送信相手に一斉に送信することをいう。通報管理センタ101は、同報通信手段によって映像要求通知を送信する。これにより、多数の一般車両102が事故現場周辺にいたとしても、一般車両を特定する必要がなくなる。映像要求通知を送信する範囲を、事故発生現場の周辺に限定して映像要求通知を送信することにより、事故発生現場周辺にどの車両がいるかを、通報管理センタ101が把握する必要がなくなる。また、事故発生現場からかけ離れた場所にいる車両への無駄な通知を排除することが可能となる。
【0032】
この同報通信手段の例としては、VICS(登録商標)、マルチキャスト通信、地上波デジタル放送によるデータ放送がある。このうち、VICS(Vehicle Information and Communication System 道路交通情報通信システム)は、電波ビーコンや光ビーコン、FM多重放送等のメディアを利用したシステムである。VICSを用いることで、高速道路上を走行する車両や一般道路を走行する車両、さらには、FM多重放送の電波を受信可能な車両など、事故現場付近にいた様々な状況下の車両へ映像要求通知を送信することが可能となる。なお、ビーコンとは、路側に設置され、通信装置を有し、車両の位置座標や道路交通情報等を送受信する装置をいう。
【0033】
また、同報通信手段として、基地局からのマルチキャスト配信を利用して、映像要求通知を配信すれば、1つ以上の特定の基地局がカバーしているエリアの車両のみに通知を行うことができる。これにより、事故発生現場からかけ離れた場所にいる車両への無駄な通知を排除することが可能となる。
【0034】
また、同報通信手段として、地上波デジタル放送等のデータ放送を介して映像要求通知を配信しても、区域を限定してデータ放送を行えるため、事故発生現場近辺の車両のみに通知を行うことができる。
【0035】
また、これらの同報通信手段によると、プッシュ型の情報配信を行うことも可能となる。よって、事故発生現場付近に存在する一般車両102の位置を通報管理センタ101が事故発生以前に把握していない場合でも、事故発生現場付近の一般車両102にいる場合は、映像提供依頼を送信することが可能となる。もちろん、映像要求通信手段に、ユニキャスト通信を利用してもよい。
【0036】
一方、S404において、通報管理センタ101は、事故遭遇車両100からの異常検出通知に対し、通知の真偽を吟味しても良い。真偽を確認する方法としては、ドライバーに音声通信やデータ通信を使用して、状況を確認することや、事故地点の近くにいる関係者や住人に事故現場に行ってもらうことで、状況を把握することが考えられる。これにより、車両に設置された自動的に通報を実施するシステムの誤作動等による誤った異常検出通知への対応が可能となる。
【0037】
また、S402において、玉突き事故のように2台以上(n台)の車両が事故に遭遇し、n台の車両が、同一時刻に、一斉に車両異常検出を通報管理センタ101へ通知した場合、事故が発生した地点(位置情報L1)の同じ映像要求通知を一般車両102に対してn回送信することとなる。そこで、上記、重複する映像要求通知を防止するため、S404にて、通報管理センタ101は異常検出通知を受信してから、S405にて映像要求通知を発信するまで、T3[sec]の間待機することによって、同一地点からの複数の映像要求通知を一つにまとめて通知することが可能となる。しかし、上記の工夫を導入したとしても、一般車両102が同一地点、例えばL1地点の映像要求通知を複数回受信する場合も想定される。このように、一度受信した映像要求通知と同じ映像要求通知を再度受信するケースでは、一般車両102は、応答しないようにしても良い。その際、映像要求通知を既に受信しているということを表す通知を送信することで、映像を送信する意思がないことを明確にすることも考えられる。こうすることで、事故現場における同一の映像要求通知に対して、複数回映像を検索したり、複数回映像をアップロードすることを回避することができ、無駄な情報蓄積装置の処理や通信を行う際に発生する通信料や通信トラフィックを抑制する効果がある。
【0038】
続いて、S406において、映像要求通知を受信した一般車両102は、通報管理センタ101の要求する映像を映像一時記録部211で所持しているかどうかの要求映像検索を映像検索部207で行う。なお、要求された映像を所持しているかどうかの検索は、映像情報を使用して検索を行うのではなく、時刻情報T1と位置情報L1の2つの情報を使用して行う。
【0039】
S406において、映像検索部207による検索の結果、映像一時記録部211が要求映像を所持していると判定した場合、時刻T1、位置情報L1を含んだ映像情報(要求映像情報)を、S407にて、通報管理センタ101へアップロードする。S407にて、アップロードする映像情報を新たに撮影した映像によって上書き記録されても支障をきたさぬように、映像保存転送制御部206は、映像保存部209へ映像保存の開始命令を送信し、映像保存部209は、映像一時記録部211に一時的に記録されている映像の保存を開始するようにしても良い。映像情報の保存手法は、S403にて記載したとおりである。
【0040】
図4における事故遭遇車両100、通報管理センタ101、一般車両102は、時刻情報(T1)に基づいたやり取りを行うため、事故遭遇車両100、通報管理センタ101、一般車両102で管理している時刻情報の同期が取れていることが前提となる。そこで時刻の同期を取るために、電波受信処理部216によって、定期的に電波を受信して、正確な時刻を取得する必要がある。前記電波とは、長波帯標準電波JJYを指し、これを受信することで、日本標準時を取得する。また、電波以外にGPSを利用して時刻の同期を取ることも考えられる。こうすることで、同期のとれた時刻を参照して、映像情報の検索を行うことができるため、通報管理センタ101が要求していない時刻の映像のやり取りを行うといった非効率な動作を極力抑えることが可能となる。
【0041】
また、事故遭遇車両100、通報管理センタ101、一般車両102で管理している時刻の同期が完全に取れていない場合を考慮して、S405において、通報管理センタ101は、事故遭遇車両100から受信した時刻情報T1の前後にt´のマージンを持たせ、T1−t´からT1+t´時の映像要求を一般車両102に通知することも考えられる。こうすることで、通報管理センタ101が要求していない映像のやり取りを行うといった非効率な動作を極力抑えることが可能となる。一方、一般車両102が、事故遭遇車両100から受信した時刻情報T1の前後にt´´のマージンを持たせ、T1−t´´からT1+t´´時の撮影映像を映像一時記録部211から検索する構成としても良い。こうすることで、通報管理センタ101が、t´のマージンをもたせる場合と同様の効果を得ることが可能となる。
【0042】
また、S404、S405において、通報管理センタ101を介さずに事故遭遇車両100から一般車両102に対してアドホック通信を使用して、直接、異常検出通知を送信することも考えられる。アドホック通信は、事故遭遇車両100と一般車両102がアドホック通信モードに対応した無線LANモジュールやBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信装置を搭載することで、実行可能となる。アドホック通信を使用することにより、通報管理センタ101を介さないため、より迅速な映像要求が可能になる。また、事故遭遇車両100の周辺車両に直接映像要求ができるため、ある一定時間経過してから通報管理センタ101を介して、検索要求を通知するよりも高効率であると同時に所望の映像が見つかる確率が高くなる。アドホック通信を使用し、通報管理センタ101を介さない場合には、情報の信憑性を確保するため、車車間で、車両や運転者の認証処理を導入することも考えられる。認証処理は、例えば、本人認証や、車両認証、さらには、本サービスに加入しているかどうかの認証等である。
【0043】
また、S407において、通報管理センタ101に対して映像をアップロードするタイミングは、様々な場合が想定できる。まず、映像要求通知に合致した映像データが見つかり次第、映像をアップロードする場合が考えられる。こうすることで、通報管理センタ101が、至急、検索映像を要求する場合等、緊急の事態に対応することが可能となる。
【0044】
また、図2で示した無線部203が、CDMAや無線LAN等複数の変復調回路や通信プロトコルを搭載し、複数の通信手段をユーザが選択可能である場合は、あらかじめユーザが設定しておいた特定の通信手段が利用可能となった場合のみ、アップロードすることも考えられる。こうすることで、低額な通信手段を使用すれば、通信費を低減することが可能である。また、通信速度の速い通信手段を使用すれば、高速かつ効率良くアップロードすることが可能となる。また、ユーザ任意のタイミングで、アップロードすることも考えられる。こうすることで、ユーザがアップロード以外の他の通信を優先して実行したい場合、そちらの通信を優先して行うことが可能となる。
【0045】
また、車両が交差点等で停車した際に、アップロードすることも考えられる。このように低速度で移動しているときに通信を行うことで、電波の変動を回避し、アップロード失敗を極力避けることが可能となる。また、VICS情報等の渋滞予測を使用し、車両が多く、走行速度が低速になる場所で、通報管理センタ101へアップロードすることも考えられる。こうすることで、車両が交差点等で停車したときと同様に、低速度で移動しているときに、通信を行うことで、アップロード失敗を極力避けることが可能となる。さらには、情報蓄積装置200に移動速度を取得する速度計(図示せず)を付加し、走行速度Sを監視して、走行速度Sが任意の閾値sを下回った際にアップロードを実行しても良い。
【0046】
また、通信制御部204が無線部203より取得する受信電波強度情報を使用して、アップロードするタイミングを制御することも考えられる。これは、ユーザがあらかじめ設定した任意の電波強度よりも無線部203より取得する受信電波強度が高い場合にアップロードすることを示す。こうすることで、電波環境の良い場所で通信を行うことで、アップロード失敗を極力避けることが可能となる。前記電波強度情報とは、例えば、電波環境の良し悪しを定量的に表すRSSI、Ec/Io、C/Iのことを指す。必ずしもこれらの指標をそのまま使用する必要性はなく、アンテナバーやアンテナピクトの本数等通信端末の受信電波状況を簡略化して表す情報であっても良い。また、基地局や通報管理センタ101が指示する送信タイミングに応じて、アップロードする構成としてもよい。こうすることで、複数の車両が一斉に映像をアップロードすることを回避し、基地局の処理負荷や通信トラフィックの輻輳を低減することが可能となる。
【0047】
また、アップロードのタイミングは、映像アップロードタイミング600が「緊急」を示しているなら、合致した映像データが見つかり次第映像をアップロードし、「任意」の場合なら、前述のような走行速度や受信電波強度情報や車両の位置等によって映像をアップロードする構成としてもよい。これにより、情報蓄積装置200は、重大な事故の映像はすぐにアップロードすることにより、リアルタイムな情報提供が可能となる一方、重要でない事故の映像は、好適な条件において送信することができる。
【0048】
また、同報通信により、映像要求通知を一般車両102が受信する場合において、アップロードのタイミングをずらすことは、一斉にアップロードをするよりも、通信インフラへの負荷を抑制することができる。
【0049】
また、S407にて、要求映像情報を送信後、通報管理センタ101にて、その映像情報が通報管理センタ101の要求したものである場合、提供情報に対する謝礼を支払う等の制度を導入しても良い。謝礼制度を導入することで、より多くの情報を収集することが可能となる。謝礼制度を導入する場合、通報管理センタ101は支払う相手を特定する必要があるため、要求映像情報に連絡を取り合うための個人情報をS407にて付加する。上記個人情報とは、車両のナンバープレート情報等が考えられる。
【0050】
一方、提供情報に対する謝礼制度を導入しない場合、個人情報を隠蔽するために、S407において、個人を特定できないように、ユーザの顔や車両ナンバープレートを隠す等の仕組みを導入してもよい。個人情報の隠蔽処理を行う場所としては、通信モジュール201や通報管理センタ101のどちらであっても良い。さらには、個人情報を扱う第三者機関を設置し、通報管理センタ101への要求映像情報の送信は第三者機関を介して実施することも考えられる。
【0051】
また、保険会社や警察等の公的な機関のみ、映像情報を取り扱うことできないようにすることで、個人情報漏洩の危険性を低減すると共に、本サービスの信頼性を高めることが可能となる。
【0052】
また、撮影部212より撮影され、映像一時記録部211に一時的に記録される映像情報は、周辺車両のナンバープレート等他人の情報を含んでいることから、ユーザは映像参照を不可とし、ユーザ個人では取り扱えない仕組みとすることも考えられる。
【0053】
また、S404、S405において、一般車両102が、アドホック通信により、事故遭遇車両100より直接、異常検出通知を受信した場合、映像保存転送制御部206は、映像保存部209へ映像保存の開始命令を送信し、映像保存部209は、映像一時記録部211に一時的に記録されている映像の保存を開始するようにしても良い。こうすることで、自車両以外の他車両が事故を起こした際、その事故に関する映像情報を、提供することが可能となる。映像情報の保存手法は、S403にて記載したとおりである。
【0054】
図5は、通報管理センタ101より、通信制御部204を介して映像要求を受けたときの映像保存転送制御部206の動作例を示しており、通報管理センタ101と通信を行う車両情報蓄積装置200内の通信モジュールと車両周辺の映像を撮影、一時的に記録する車両周辺監視部間のデータのやりとりを表すフローチャート図である。
【0055】
まず、事故発生後、S500において、映像保存転送制御部206は、通信制御部204より映像要求通知を受信する。映像要求通知には、事故遭遇車両100が通報管理センタ101へ通知した事故遭遇時刻情報T1と事故現場の位置情報L1の2つの情報が付加される。上記映像要求通知のフォーマットは、例えば、図6のようなものが考えられる。図6のフォーマットは一例であり、少なくとも時刻情報と位置情報の2つが通知されれば良い。また、図6の映像アップロードタイミング600に示すように、通報管理センタ101が映像のアップロードタイミングを指定することも考えられる。例えば、映像アップロードタイミング600が「緊急」となっている場合は、映像を極力早急に送信し、「任意」となっている場合は、図4のS407の動作で示した様々なアップロードタイミングで送信することが考えられる。また、S402において、事故が重大な場合は、通報管理センタ101がこの映像アップロードタイミング600を「緊急」にして、一般車両102に通知する構成としてもよい。事故が重大な場合とは、例えば、所定の時間内、所定の範囲内(例えば、30秒以内、半径50m以内。また、例えば10秒以内、半径100m以内)を示す複数の異常検知通知を通報管理センタ101が受信した場合である。また、異常検知通知の示す事故発生地点が、予め登録されている所定の箇所、例えば大きな交差点やランドマークの近辺で起きた場合である。この所定の箇所の情報は、例えば、記憶装置1013に記録する構成としてもよい。
【0056】
続いて、S501において、映像保存転送制御部206は、映像検索部207へ通報管理センタ101が要求している映像の検索命令(映像検索命令)を送信する。この際、映像検索部207に対して、映像検索に使用する時刻情報T1と位置情報L1を合わせて転送する。
【0057】
その後、S502にて、映像保存転送制御部206は、映像検索部207より映像検索命令の検索結果(検索結果)を受信する。
【0058】
続いて、S503において、映像保存転送制御部206は、S502で受信した検索結果に、通報管理センタ101から送信を要求されている映像(要求映像)が有るか判定する。S503にて要求映像が有ると判定した場合、映像保存転送制御部206は、S504にて、時刻T1の映像情報を保存するための命令(保存命令)を映像保存部209へ送信する。映像保存部209での保存完了後、S505にて、映像保存転送制御部206は、保存を完了したことを表す通知(保存完了通知)を映像保存部209より受信する。その後、通信モジュール201を介して通報管理センタ101へ映像を送信するため、S506にて、映像保存部209に保存された映像を通信制御部204へ転送する。通報管理センタ101へ映像の送信が完了すると、S507にて、映像保存転送制御部206は、アップロードの正常終了を表すアップロード完了通知を受信してシーケンス終了となる。
【0059】
S507にて、映像保存転送制御部206は、通信モジュール201を介してアップロードの失敗を表すアップロード失敗通知を基地局より受信した場合、図4のS407に記載したタイミングで再度送信のリトライを行う。送信リトライは、アップロードが成功するまで繰り返し送信を行なっても良いし、また、一回目の送信と送信リトライでアップロードタイミングをそれぞれ変えても良い。
【0060】
一方、S503において、映像保存転送制御部206が、通報管理センタ101からの要求映像(要求映像)が見つからなかったという検索結果を受信した場合、要求映像を所持していないことを表す通知(不所持通知)を通信制御部204へ送信する(S508)。そして、S509において、映像保存転送制御部206は、不所持通知のアップロードが正常に完了したことを表す通知(アップロード完了通知)を通信制御部204より受信してシーケンス終了となる。
【0061】
また、S505にて、映像保存転送制御部206は、映像を保存せずに、映像一時記録部211より映像を直接転送しても良い。すなわち、図5におけるS504とS505の処理がないシーケンスとなる。こうすることで、一旦、映像保存部209へ保存する場合と比較して、通報管理センタ101に対して迅速な映像転送が可能となる。
【0062】
続いて、図3、4、7、8、9に基づいて、第2の実施例を説明する。
【0063】
第1の実施例との相違点は、後述する記録容量監視部を新たに付加した点である。記録容量監視部を付加することで、通報管理センタ101が必要とする事故情報を、自車両の情報蓄積装置に所持しているかどうかを自発的に確認することができるため、通報管理センタ101が必要とする事故情報を消去してしまうことを防止することが可能となり、通報管理センタ101に対して、より確実な事故情報の提供が可能となる。
【0064】
まず、図7は、通信モジュールと映像処理部と車両周辺監視部を搭載した車両情報蓄積装置の構成を示す図である。なお、図7において、図2と同等の部分には同じ符号を付した。
【0065】
車両情報蓄積装置700は、通信モジュール201と映像保存転送制御部701と車両周辺監視部210から構成される。映像処理部は、CPU等の制御装置及びメモリやハードディスク等の記憶装置により構成する。
【0066】
通信モジュール201は、事故の管理を行う機関である通報管理センタ101と後述する時刻情報、位置情報、映像情報のやりとりを行うための通信モジュールであり、アンテナ202と無線部203と通信制御部204より構成される。
【0067】
映像処理部701は、前記映像情報に関連する処理全般を行う映像処理装置であり、記録容量監視部702と映像保存転送制御部703と映像検索部704と車両異常監視部705と映像保存部706より構成される。
【0068】
車両周辺監視部210は、車両に設置された撮影部より車両周辺の映像を撮影し、その映像の一時的な記録を行う装置であり、映像一時記録部211と撮影部212より構成される。また、車両情報蓄積装置700は、必要に応じて、自車両の位置情報を検出する位置情報検出部213と、時刻を管理する時刻情報管理部214と、自車両の異常を検出する車両異常検出部215で管理される情報を必要に応じて受信する。
【0069】
記録容量監視部702は、映像一時記録部211で一時的に記録可能な空き容量を監視する装置である。記録容量監視部702は、例えば、CPU等の制御装置で構成される。映像保存転送制御部703は、映像保存部706に保存されている映像を通報管理センタ101へ通信モジュール201を介してアップロードする際、アップロードするタイミングを制御する。また、映像保存転送制御部703は、車両に設置された撮影部212より撮影した車両周辺の映像の中から所望の映像を検索するための検索命令を送信する。また、映像保存転送制御部703は、新たに撮影した映像によって上書き記録されては支障をきたす映像を保存するように保存命令の送信する。また、映像保存転送制御部703は、車両異常監視部705より車両異常の検出通知(以下、車両異常検出通知)を受信すると、車両異常検出通知と、位置情報検出部213より取得する自車両の位置情報と、時刻情報管理部214より取得する標準時刻情報を関連付けて、通信制御部204へ送信する。映像保存転送制御部703は、例えば、CPU等の制御装置で構成される。
【0070】
映像検索部704は、通信モジュール201を介して通報管理センタ101より映像検索要求を受信した場合、映像保存転送制御部703より映像の検索命令を受信し、映像一時記録部211に一時的に記録されている映像の中から、映像保存転送制御部703より要求を受けた映像を検索し、合致するものがあるかどうかの判定を行う。車両異常監視部705は、車両に設置された車両異常検出部215を監視し、車両に異常がないかどうかをチェックする。車両に異常を検知した際は、映像保存部706に対して、映像一時記録部211で一時的に記録されている映像情報を、新たに撮影した映像によって上書き記録されても支障をきたさぬように、保存する命令を送信する。なお、車両異常検出部215は、加速度センサや衝撃センサなど車両の異常を検出可能なセンサを備え、事故に遭遇したことや車両故障を検知する。映像検索部704は、例えば、CPU等の制御装置で構成される。
【0071】
映像保存部706は、映像一時記録部211で一時的に記録されている映像情報を映像一時記録部211からコピーして保存する装置である。映像保存部706は、例えば、ハードディスクやメモリ等の記録装置で構成される。
【0072】
図8は、事故が発生した際の、事故遭遇車両100と事故の管理を行う機関である通報管理センタ101と事故に遭遇していない一般車両102のそれぞれの動作を表すシーケンス図である。
【0073】
以下、図8を使用して、事故遭遇車両100と通報管理センタ101と一般車両102それぞれのやり取りを説明する。なお、事故遭遇車両100と一般車両102は、ともに図7の車両情報蓄積装置を搭載していることを前提とする。
【0074】
まず、S800、S801において、事故遭遇車両100と一般車両102は、それぞれ、撮影部212を使用し、車両周辺映像の撮影を開始する。S800、S801において、撮影を開始するタイミングは、車両のエンジンをかけたときであっても良いし、運転手が選択した任意のタイミングであっても良い。
【0075】
続いて、S802において、事故遭遇車両100は、車両異常検出部215が車両異常を検出するとS803にて、映像保存部706により、映像の保存を開始する。異常の検出の方法は、S402における方法と同様である。車両異常検出部215は、車両が正常な場合はフラグを立てず、異常を検出した場合は、フラグを立てる。車両異常監視部705は、車両異常検出部215のフラグを管理することで、車両の状態が正常であるか異常であるかを検知することが可能となる。
【0076】
S803において映像情報を保存する手法としては、映像一時記録部211より映像保存部706へ映像情報をコピーしても良いし、映像保存部706が、アドレス情報を使用して、映像一時記録部211の上書き記録可能なエリアとそうでないエリアを区別することで、撮影映像を記録するアドレスを管理する仕組みとしても良い。さらに、映像の保存開始時間は、車両異常の通知を受信した時刻Tよりt[sec]前である、T−t時点からの記録映像を保存するようにしても良い。このtが大きいほど事故発生前の状況を後から確認することができるため、より詳細な事故検証を行うことが可能となる。
【0077】
そして、S804にて、車両は、通信モジュール201を介して異常検出通知を通報管理センタ101へ送信する。この際、異常検出通知に付加する情報は、時刻情報T4と位置情報L4である。T4は事故発生時刻を、L4は事故発生位置を特定するために使用する情報である。S804における事故現場の位置特定は、事故遭遇車両100の位置情報L4を使用せず、通報管理センタ101が行っても良い。この場合、S804で事故遭遇車両100が送信する異常検出通知は、時刻情報T4のみとなる。
【0078】
また、S804における事故発生の時刻の特定に関しても、車両の時刻情報T4を使用せず、通報管理センタ101が行っても良い。この場合、S804で事故遭遇車両100が送信する情報は、異常検出通知のみとなる。
【0079】
また、通報管理センタ101はこの異常検出通知に対して、真偽を吟味しても良い。
【0080】
一方、一般車両102は、車両周辺映像の撮影開始後、撮影中に、映像一時記録部211の記録可能な領域(残容量)Cが、任意に設定した閾値cより低下したことを検出する(S805)。残容量の低下を検出すると、映像一時記録部211に一時的に記録されている映像データを上書き記録する前に、映像データを通報管理センタ101へ提供する必要があるかどうかの上書き記録実施通知を、通信モジュール201を介して、S806にて通報管理センタ101へ送信する。この際、映像データ提供通知に使用する情報は、映像を記録していた時間を表す時間情報T5と車両が走行した経路を表す経路情報L5である。
【0081】
S805において、上書き記録実施通知を送信するトリガは、映像一時記録部211の残容量以外に、情報蓄積装置への記録を開始してからの経過時間T6であっても良い。時刻情報管理部214より時刻情報を定期的に取得し、撮影を開始してから経過した時間T6と任意に設定した閾値t2との判定処理を行う。判定処理により、T6がt2を超過していると判定した場合は、映像一時記録部211に記録されている映像データの上書き記録実施通知を通報管理センタ101へ送信する。T6がt2を超過していないと判定した場合は、何もせず、映像保存部706へ映像データの一時的な記録を行う。この際、上書き記録実施通知に使用する情報は、上記と同様の情報である。映像データ提供通知を送信するトリガは、上記残容量判定や経過時間判定のほかに、ユーザが車両情報蓄積装置の記録内容を任意のタイミングで全消去する場合であっても良い。こうすることで、ユーザは、所望のタイミングで記録内容を全消去することが可能となり、車両情報蓄積装置の使い勝手を向上することが可能となる。また、エンジンを停止したのをトリガとして、上書き記録実施通知の送信を行っても良い。こうすることで、映像一時記録部211に記録されている映像を定期的に削除することができるため、情報蓄積装置700に蓄積されている映像データを少なくすることができる。これにより、後述する通報管理センタ101からの映像問い合わせに対する映像の検索を容易にすることが可能となる。
【0082】
通報管理センタ101は、一般車両102より上書き記録実施通知を受信後、S804にて事故遭遇車両100が通知した情報を、S806にて一般車両102が通知した情報が記録しているかどうかの判定処理である、時刻及び位置一致判定処理行う(S807)。これは、事故遭遇車両100の周辺に、通報管理センタ101へ上記映像データ提供通知を行った一般車両102が存在したか、即ち、事故現場付近の映像情報を一般車両102が記録しているかどうかを判定する。
【0083】
上記、S807において、一致していると判定した場合、即ち、時間情報T5の中に時刻情報T4が含まれ、かつ、経路情報L5の中に位置情報L4が含まれると判定した場合、一般車両102に対して、映像情報の提供を依頼する映像情報提供依頼通知を送信する。また、前記映像情報提供依頼通知とともに、S808において、通報管理センタ101は、事故遭遇車両100より受信した時刻情報T4を通知し、一般車両102へ時刻T4時点の映像情報の提供を依頼する。
【0084】
映像情報提供依頼通知を受信した一般車両102は、S809において、時刻T4で撮影した映像を検索する。
【0085】
続いて、S810において、検索の結果、合致した映像データが見つかった場合、時刻T4時点の映像を通報管理センタ101へ送信する。ここで、S810における映像アップロードのタイミングは、図4のS407にて記載した様々なタイミングを想定することができ、アップロードするタイミングによって様々な効果を得ることが可能となる。
【0086】
一方、図8のシーケンスに記載していないが、S807において、不一致である判定した場合、即ち、時間情報T5の中に時刻情報T4が含まれない、または、経路情報L5の中に位置情報L4が含まれないと判定した場合、通報管理センタ101は、一般車両102に対して、映像情報の提供を依頼しないことを表す非依頼通知を送信する。非依頼を受信した一般車両102は、S809にて、映像を検索せず、映像一時記録部211の残容量が閾値を下回っていないときと同様に、映像情報を一時的に記録し、残容量がない場合は、上書き記録をすることで情報蓄積装置に記録されている情報を更新する。
【0087】
また、S805にて、情報蓄積装置の残容量を監視し、残容量が任意の閾値を下回った時点で、上書き記録実施通知を通報管理センタ101へ送信せずに、これまで記録していた全ての映像情報を無条件で、通報管理センタ101へアップロードしても良い。こうすることで、新たに撮影された映像によって、上書き記録されてしまうことを回避することができると同時に、全車両の撮影映像を通報管理センタ101は回収することができるため、確実かつ詳細な事故検証及び事故原因究明を可能となる。
【0088】
また、S810において、S407と同様に、謝礼制度を導入してもよいし、個人情報の隠蔽処理を導入してもよい。
【0089】
なお、図8においても、電波受信処理部216によって正確な時刻を取得し、事故遭遇車両、通報管理センタ101、一般車両102の間で同期をとることが有用である。
【0090】
図9は、図7における記録容量監視部702の動作例を示し、車両に設置されている撮影部212より撮影された映像情報の一時的な記録を行う際の情報蓄積装置700の動作を表すフローチャート図である。
【0091】
まず、S900にて、記録容量監視部702は、映像一時記録部211より記録可能な容量Cが任意の閾値cを下回ったことを表す通知(容量低下通知)を受信する。映像一時記録部211が702へ上記通知を送信するタイミングとして、映像一時記録部211の残容量以外に、映像一時記録部211へ映像情報の記録を開始してからの経過時間により判定することが考えられる。撮影開始してからの経過時間T6が任意の閾値t2を上回っているかどうかの判定処理を行い、上回っている場合は、任意の閾値t2を上回ったことを表す通知を記録容量監視部702へ送信する。また、映像一時記録部211に記録可能な容量Cが任意の閾値cを下回ったことを表す別の手法として、フラグを使用する手法が考えられる。記録容量監視部702は、映像一時記録部211の残容量を監視し、閾値cを下回るまではフラグを立てず、下回った時点でフラグをたてる。映像保存転送制御部703は、記録容量監視部702で管理されているフラグを監視することで、映像一時記録部211の残容量の状況を把握することが可能となる。またこれは映像情報の記録を開始してからの経過時間で判定する場合もフラグを使用することで同様な効果を得ることが可能となる。
【0092】
記憶装置の残容量が所定の値より減ったときに、上書実施通知を発信するため、一般車両102が一定容量以上の映像を録画した場合に、通報管理センタ101との間で映像の送受信を行うこととなる。これにより、映像一時記録部211の記録可能領域に、映像を少量しか記録していない状態で、上書き実施通知を通報管理センタ101との間で行うことがなくなり、通報管理センタ101と通信を行う回数が減る。
【0093】
続いて、S901にて、映像保存転送制御部703は、映像一時記録部211に一時的に記録している映像情報が上書き記録される前に、その映像データを通報管理センタ101へ提供する必要があるかどうかを認知するための上書き記録実施通知を、通信モジュール201を介して通報管理センタ101へ送信するため、上記上書き記録実施通知を通信制御部204へ転送する。
【0094】
その後、S902において、映像保存転送制御部703は、通信制御部204より、上書き記録実施通知に対する通報管理センタ101からの回答(センタ回答)を受信する。
【0095】
その後、S903にて、映像保存転送制御部703は、センタ回答に、映像情報の提供依頼通知が含まれているかを判断する。
【0096】
S903にて、センタ回答が、一般車両102に対して、映像情報の提供を依頼しない回答(非依頼通知)である場合はS913に遷移する。S913では、S904において、映像一時記録部211の残容量が閾値を下回っていないときと同様に、映像情報を上書き記録し、情報蓄積装置に記録されている情報を更新する。
【0097】
一方、S903にて、センタ回答が、映像情報の提供を依頼する映像情報提供依頼通知である場合、S904において、映像保存転送制御部703は、映像情報提供依頼通知に含まれる時刻T6の映像の検索命令を映像検索部704へ送信する。その後、映像保存転送制御部703は、S905にて、映像検索部704より映像検索命令の検索結果(検索結果)を受信する。
【0098】
S906において、映像保存転送制御部703は、映像検索結果より通報管理センタ101からの要求映像(要求映像)が有るか否かを判定する。要求映像が有る場合、映像保存転送制御部703は、S907にて、要求映像を保存するための命令(保存命令)を映像保存部710へ送信する。ここで、保存とは、映像一時記録部211に一時的に記録されている映像情報を上書き記録されても支障をきたさぬように、映像保存部706へコピーすることを指す。
【0099】
また、コピー以外の手法としては、映像保存部706が、アドレス情報を使用して、映像一時記録部211の上書き記録可能なエリアとそうでないエリアを区別することで、撮影映像を記録するアドレスを管理する仕組みとしても良い。
【0100】
映像保存部706への映像保存完了後、S908にて、保存を完了したことを表す通知(保存完了通知)を706より受信する。その後、通信モジュール201を介して通報管理センタ101へ要求映像を送信するため、S909にて、映像保存部706より保存した要求映像を通信制御部204から送信する。また、要求された映像が有る場合は、映像保存部706に一旦、映像を保存せずに、映像一時記録部211より直接、通信制御部204へ映像を転送しても良い。その場合、S907とS908の処理を実施しないこととなる。映像の転送が完了した場合、S910にて、映像転送完了通知を受信する。一方、S906にて、検索結果より通報管理センタ101からの要求映像(要求映像)が見つからなかったと判定した場合、映像保存転送制御部703は、要求映像を所持していないことを表す不所持通知を通信制御部204へ送信する。そして、この不所持通知を、アンテナ202を介して正常に送信することが出来た場合、映像保存転送制御部703は、S912にて、通信制御部204より転送完了通知を受信し、シーケンス終了となる。S910、S912にて、映像のアップロードまたは不所持通知の異常終了を表す要求映像転送失敗通知や転送失敗通知を受信した場合、図4のS407に記載したタイミングで再度送信のリトライを行う。また、一回目の送信と送信リトライでアップロードタイミングをそれぞれ変えることも考えられる。アップロードのタイミングは図4のS407にて記載した通りである。
【0101】
さらに、第1の実施例、第2の実施例で説明した一連の通信をバックグラウンド、つまり利用者の注意を喚起しない状態にて行ってもよい。例えば、一般車両102のドライバーにとっては、S404にて、映像要求通知を受信したことを報知されると運転の妨げになり得る。バックグラウンドで処理することによって、この問題を解決することができる。また、S404にて、同報通信によって映像要求通知を受信する場合には、実際には、時刻T1にて、位置L1の映像等を撮影していない多数の一般車両102が映像要求通知を受信する場合が生じ得る。よって、このような場合においてバックグラウンド処理を行うと、多数の一般車両102の運転者に対する運転の妨げが軽減される。
【0102】
そして、このバックグラウンド処理を行うためには、情報蓄積装置201あるいは情報蓄積装置701に、通信モジュール201を2台装着することが有用である。図10に、その装置の構成例を示す。図10は、通信モジュール201に加え、通信モジュール2011を備える、通信モジュール2011は通信モジュール201と同様の機能を備える。これにより、一つの通信モジュール201が、映像情報の送信を行っている場合においても、利用者は他の通信モジュール2011を用いて通話等を行うことができるため、利用者にとっては、使い勝手がよい。また、上記各実施例は、任意に組合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】車両映像通信システムの概要を示した図である。
【図2】第1の実施例における通信モジュールを搭載した車両情報蓄積装置の構成例を示す図である。
【図3】第1、第2の実施例における映像一時記録部に映像を記録する際の映像情報のフォーマットの一例を示す図である。
【図4】第1の実施例における事故発生時の車両と通報管理センタの動作例を示す図である。
【図5】第1の実施例における映像保存転送制御部の動作例を示す図である。
【図6】第1の実施例における通報管理センタから車両に対する映像要求通知のフォーマットの一例を示す図である。
【図7】第2の実施例における通信モジュールを搭載した車両情報蓄積装置の構成を示す図である。
【図8】第2の実施例における事故発生時の車両と通報管理センタの動作例を示す図である。
【図9】第2の実施例における記録容量監視部の処理例を示す図である。
【図10】通信モジュールを搭載した車両情報蓄積装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0104】
100…事故遭遇車両、101…通報管理センタ、102…一般車両、S101…映像情報提供依頼通知、S102…映像情報転送、200…車両情報蓄積装置、201…通信モジュール、202…アンテナ、203…無線部、204…通信制御部、205…映像処理部、206…映像保存転送制御部、207…映像検索部、208…車両異常監視部、209…映像保存部、210…車両周辺監視部、211…映像一時記録部、212…撮影部、213…位置情報検索部、214…時刻情報監視部、215…車両異常検出部、216…電波受信処理部、300、301、302、303…情報記録フォーマット、S400、S401…映像開始処理、S402…車両異常検出処理、S403…映像記録開始処理、S404…異常検出通知処理、S405…映像要求通知処理、S406…要求映像検索処理、S407…映像送信処理、S500…映像要求通知受信処理、S501…映像検索処理、S502…検索結果受信処理、S503…要求映像所持判定処理、S504…保存命令送信処理、S505…保存完了通知受信処理、S506…保存映像転送処理、S507…アップロード完了通知受信処理、S508…不所持通知処理、S509…アップロード完了通知受信処理、600、601、602…映像要求通知フォーマット、700…車両情報蓄積装置、701…映像処理部、702…記録容量監視部、703…映像保存転送制御部、704…映像検索部、705…車両異常監視部、706…映像保存部、S800、S801…撮影開始処理、S802…車両異常検出処理、S803…映像記録開始処理、S804…異常検出通知処理、S805…映像記録部残容量低下検出処理、S806…上書き更新実施通知処理、S807…時刻/位置判定処理、S808…映像情報提供依頼通知、S809…映像検索処理、S810…映像送信処理、S900…容量低下通知受信処理、S901…上書き記録実施通知送信処理、S902…センタ回答受信処理、S903…映像情報提供依頼判定処理、S904…映像検索命令送信処理、S905…検索結果受信処理、S906…要求映像所持判定処理、S907…映像記録命令送信処理、S908…記録完了通知受信処理、S909…要求映像送信処理、S910…転送完了通知受信処理、S911…不所持通知処理、S912…転送完了通知受信処理、2011…通信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に装着可能な通信端末及び情報処理装置を有する通信システムであって、
前記情報処理装置は、映像の送信を要求する要求信号を、複数の送信相手に情報を送信する同報通信を介して、所定の範囲の通信端末に送信する要求送信部を備え、
前記要求信号は位置を示す位置情報を含み、
前記通信端末は、前記通信端末周辺の映像を撮影する撮影部と、前記映像を撮影した位置を取得する位置取得部と、前記撮影した映像と前記位置を対応させて記録する記録部と、前記要求信号を受信する受信部と、映像を送信する映像送信部と、を備え、
前記映像送信部は、前記記録部が前記受信した要求信号に含まれる位置情報が示す位置に対応した映像を記録している場合に、前記情報処理装置に該映像を送信することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信端末は、前記映像を撮影した時刻を取得する時刻取得部を備え、
前記要求信号は時刻を示す時刻情報を含み、
前記記録部は、前記撮影した映像と前記位置と前記時刻を対応させて記録し、
前記映像送信部は、前記受信した要求信号に含まれる位置情報が示す位置及び時刻情報が示す時刻に対応した映像を記録している場合に前記情報処理装置に該映像を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記所定の範囲とは、所定の基地局がカバーするエリアであることを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記要求送信部は、道路に設置された通信装置であるビーコンを介して前記要求信号を送信することを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項5】
前記要求送信部は、データ放送を介して前記要求信号を送信することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の通信システム。
【請求項6】
前記通信端末は、前記要求信号に応じた映像が送信されるまで該映像の上書きを禁止する上書禁止処理部を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の通信システム。
【請求項7】
前記映像送信部は、前記移動体が渋滞に巻き込まれている場合に、前記要求信号に応じた映像を送信し、前記移動体が渋滞に巻き込まれていない場合に、前記要求信号に応じた映像を送信しないことを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記映像送信部は、前記移動体の移動速度が所定の値より低い場合に前記要求信号に応じた映像を送信し、前記移動体の移動速度が所定の値より高い場合は、前記要求信号に応じた映像を送信することを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項9】
前記映像送信部は、電波強度を示す電波強度情報が所定の値より高い場合に、前記要求信号に応じた映像を送信し、前記電波強度情報が所定の値より低い場合は、前記要求信号に応じた映像を送信しないことを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項10】
移動体に装着可能な通信端末であって、
映像を撮影する撮影部と、
前記映像を撮影した位置を取得する位置取得部と、
前記撮影した映像と前記位置を対応させて記録する記録部と、
映像の送信を要求する信号であり、位置を示す位置情報を含む信号である要求信号を受信する受信部と、
前記記録部が、前記受信した要求信号に含まれる位置情報が示す位置にて撮影した映像を記録している場合に、該映像が送信されるまで上書きを禁止する上書禁止処理部と、
前記要求信号応じた映像を、所定の条件を満たす場合に送信する映像送信部と、を備えることを特徴とする送信部を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項11】
前記通信端末は、前記映像を撮影した時刻を取得する時刻取得部を備え、
前記記録部は、前記撮影した映像と前記位置と前記時刻取得部が取得した時刻を対応させて記録し、
前記要求信号は、時刻を示す時刻情報を含み、
前記上書禁止処理部は、前記受信した要求信号に含まれる位置情報が示す位置及び時刻情報が含まれる時刻にて撮影した映像を記録している場合に該映像が送信されるまで上書きを禁止することを特徴とする請求項10に記載の通信端末。
【請求項12】
前記所定の条件を満たす場合とは、前記移動体が渋滞に巻き込まれている場合であることを特徴とする請求項10または11に記載の通信端末。
【請求項13】
前記所定の条件を満たす場合とは、前記移動体の速度が所定の値より低い場合であることを特徴とする請求項10または11に記載の通信端末。
【請求項14】
前記所定の条件を満たす場合とは、電波強度を示す電波強度情報が所定の値より高い場合であることを特徴とする請求項10または11に記載の通信端末。
【請求項15】
前記要求信号は、近距離無線通信にて受信することを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載の通信端末。
【請求項16】
移動体に装着可能な通信端末であって、
前記通信端末周辺の映像を取得する撮像部と、
前記映像を撮影した位置を取得する位置取得部と、
前記撮影した映像と前記取得した位置を対応させて記録する記録部と、
前記記録部が所定量以上の映像を記録した旨を示す信号を情報処理装置に送信する送信部と、
映像の送信を要求する信号であり、位置を示す位置情報を含む信号である要求信号を前記情報処理装置から受信する受信部と、
前記要求信号に含まれる位置情報が示す位置にて取得した映像が前記記録部に記録されている場合に、該映像を前記情報処理装置に送信する映像送信部と、を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項17】
第1の通信端末、移動体に装着可能な第2の通信端末及び情報処理装置を有する通信システムであって、
前記第1の通信端末は、位置を示す位置情報を送信する第1の送信部を備え、
前記情報処理装置は、前記第1の送信部により送信された位置情報を受信する受信部と、
前記位置情報を含む信号であり、映像の送信を要求する信号である映像要求信号を、前記第2の端末に送信する要求送信部と、を備え、
前記要求送信部は、前記第1の端末より互いに所定の距離内にある位置を示す複数の位置情報を受信した場合には、前記映像要求信号に、第1の信号を含めることを特徴とし、
前記第2の端末は、前記第2の端末周辺の映像を撮影する撮影部と、前記映像を撮影した位置を取得する位置取得部と、前記撮影した映像と、前記取得した位置を対応させて記録する記録部と、前記要求信号を受信する要求受信部と、前記要求信号に含まれる位置情報が示す位置で撮影した映像を送信する映像送信部と、を備え、
前記映像送信部は、前記受信した要求信号に前記第1の信号が含まれている場合には、前記要求信号に対応した映像を前記情報処理装置に送信し、前記第1の信号が含まれない場合には、所定の条件を満たす場合に前記要求信号に対応した映像を前記情報処理装置に送信することを特徴とする通信システム。
【請求項18】
第1の位置情報及び第2の位置情報を受信する受信部と、
前記第1の位置情報の示す位置または第2の位置情報の示す位置の映像の送信を要求する要求信号を通信端末に送信する要求送信部と、
前記要求信号に応じた映像を受信する映像受信部と、を備え、
前記要求送信部は、前記第1の位置情報の示す位置と前記第2の位置情報の示す位置が互いに所定の距離内にある場合は、前記要求信号に第1の信号を付加し、前記第2の処理を特徴とし、前記第1の位置情報の示す位置と前記第2の位置情報の示す位置が互いに所定の距離内にない場合は、前記要求信号に第2の信号を付加することを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−328477(P2007−328477A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157983(P2006−157983)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】