説明

遊技機

【課題】遊技履歴表示装置に表示される有利遊技の実行回数の見栄えを良くすることができ、特定の有利遊技の出玉率を高くすることができる遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】第1状態において第1図柄組み合わせが停止表示された場合に、特定の遊技状態へ遊技状態を移行させ、遊技状態が第1状態へ移行したときに、特定の外部信号を外部装置に送信し、演出状態が第1有利演出状態又は第2有利演出状態である場合に、第1図柄組み合わせが停止表示されることを回避するための回避報知演出を実行可能な演出制御手段150を備え、演出制御手段150を、第1有利演出状態が継続した場合には、遊技状態が第1状態から他の遊技状態へ移行するまで回避報知演出の実行を中断し、第2有利演出状態が継続した場合には、回避報知演出の実行を中断しないように形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、更に詳しくは、遊技機外部の外部装置に外部信号を送信する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機、たとえばスロットマシンでは、スロットマシンの設置店(ホール)に設置された遊技履歴表示装置などに、遊技に関する情報を送信するものとなっている。遊技履歴表示装置は、遊技者が自由に遊技の履歴を閲覧できるようになっているものである。そして、遊技者は、遊技履歴表示装置を操作して、これから遊技を行おうと考えている台の今日又は前日などのボーナス役の当選回数などを見て、その台で遊技を行うか否かの判断材料としている。
また、近年、スロットマシンでは、RT(リプレイタイム)遊技や、AT(アシストタイム)遊技や、ART(アシストリプレイタイム)遊技などの通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技が行われることがある。RT遊技は、通常遊技よりも再遊技役の当選確率を高く設定した遊技であり、また、AT遊技は、小役などの当選を遊技者に報知する遊技である。また、ART遊技は、AT遊技とRT遊技とを同時に実行する遊技である。
【0003】
そして、スロットマシンでは、RT遊技やAT遊技などの有利遊技が開始された旨の情報を遊技履歴表示装置などに送信する場合がある。たとえば、特許文献1には、RT遊技中に、20回の遊技が行われる度に、RT遊技を実行中である旨の信号であるRT信号を遊技履歴表示装置に送信するスロットマシンが開示されている。
また、スロットマシンにおいて、ART遊技を実行する場合には、たとえば、まず、AT遊技を実行し、このAT遊技において、遊技状態を特定の状態(たとえばRT状態)へ移行させるための報知演出を実行し、この報知演出に従って遊技者が遊技を行うことにより、遊技状態が特定の状態となり、ART遊技が開始されるものとなっている。このようなスロットマシンでは、たとえば、遊技状態が特定の状態になったことを契機に、RT遊技が実行された旨の情報(実質的にはART遊技が実行された旨の情報)を遊技履歴表示装置に送信するものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−183954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そして、上記した特許文献1などの従来のスロットマシンでは、遊技履歴表示装置に表示される有利遊技が実行された回数の情報は、遊技者がその台で遊技を行うか否かの判断材料となる。このため、所定の遊技回数を1セットとするART遊技などを実行するスロットマシンにおいては、ART遊技を1セット実行する度に、ART遊技が1回実行されたものとして遊技履歴表示装置に表示させたいという要望があった。
また、複数種類のART遊技を実行する場合には、複数種類のART遊技のうち特定のART遊技の出玉率(メダルの投入枚数に対する払い出し枚数の割合)を他のART遊技の出玉率よりも高くしたいといった要望があった。
【0006】
そこで、本発明は、複数種類のART遊技などの有利遊技を実行する遊技機において、有利遊技の実行回数を外部装置(たとえば遊技履歴表示装置)に表示させることができ、外部装置に表示される有利遊技の実行回数の見栄えを良くすることができるとともに、特定の有利遊技の出玉率を高くすることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
各請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、周囲に複数の図柄が付された複数の回転リール45と、すべての回転リール45の回転を開始させるためのスタートスイッチ33と、各回転リール45に対応して設けられかつ各回転リール45の回転を停止させるためのストップスイッチ34と、を備え、遊技媒体のベットにより遊技の開始を可能とし、スタートスイッチ33の操作を条件として回転リール45の回転を開始させ、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行い、該抽選の結果及びストップスイッチ34の操作に基づいて回転リール45の回転を適位置で停止させ、当選した役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたか否かの判定を行い、該判定の結果に応じて所定の利益を遊技者に付与する又は付与しないことで1回の遊技が終了する遊技機であって、少なくとも第1状態を含む複数の遊技状態の間で遊技状態の移行を制御する遊技状態移行制御手段135と、遊技機外部の外部装置に送信する信号である外部信号の送信を制御する外部信号送信制御手段140と、少なくとも第1有利演出状態と第2有利演出状態とを含む複数の演出状態の間で演出状態を移行させ、演出状態が第1有利演出状態又は第2有利演出状態である場合に、第1の特定の図柄の組み合わせ(以下、「第1図柄組み合わせ」とする。)が有効入賞ライン上に停止表示されることを回避するための回避報知演出を実行可能な演出制御手段150と、を備え、遊技状態移行制御手段135は、第1状態において、第1図柄組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合に、予め定められた特定の遊技状態へ遊技状態を移行させ、外部信号送信制御手段140は、遊技状態が第1状態へ移行したときに、特定の外部信号を外部装置に送信し、演出制御手段150は、第1有利演出状態における所定の終了時において、所定の継続条件が成立しているときには、第1有利演出状態を継続し、所定の継続条件が成立していないときには、第1有利演出状態を終了し他の演出状態へ移行させ、第2有利演出状態における所定の終了時において、第1有利演出状態の所定の継続条件と同一又は異なる継続条件が成立しているときには、第2有利演出状態を継続し、その継続条件が成立していないときには、第2有利演出状態を終了し他の演出状態へ移行させ、演出制御手段150は、演出状態が第1有利演出状態又は第2有利演出状態である場合には、原則として、回避報知演出を実行するものの、第1有利演出状態が継続した場合に、遊技状態が第1状態であるときには、遊技状態が第1状態から他の遊技状態へ移行するまで回避報知演出の実行を中断し、遊技状態が第1状態から他の遊技状態へ移行した後は、回避報知演出の実行を再開可能とするとともに、少なくとも、遊技状態が第1状態から他の遊技状態へ移行した後に再び第1状態へ移行したときには、その第1状態においては、回避報知演出を実行し、第2有利演出状態が継続した場合に、遊技状態が第1状態であるときには、回避報知演出の実行を中断することなく回避報知演出を実行し、第1有利演出状態において回避報知演出の実行を中断してから再開するまでの間のうちの少なくとも一部の期間の遊技は、第1有利演出状態又は第2有利演出状態において回避報知演出を実行する遊技よりも、同一の遊技回数を基準として遊技者にとって不利な遊技となるように形成されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、「第1図柄組み合わせ」は、役を構成する図柄の組み合わせであっても、役を構成しない図柄の組み合わせであってもよいものである。
また、「不利な遊技となる」としては、以下のような態様を挙げることができる。
たとえば、回避報知演出が実行されないことによって、第1図柄組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示され、再遊技役の当選確率が第1状態よりも低い特定の遊技状態へ移行し、これにより、演出状態が第1有利演出状態又は第2有利演出状態でかつ遊技状態が第1状態である遊技であって、回避報知演出が実行される遊技に比べて相対的に不利な遊技となる。また、たとえば、回避報知演出が実行されないことによって、第1図柄組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示され、第1状態から再遊技役の当選確率が第1状態と同一の特定の遊技状態へ移行し、この特定の遊技状態から、さらに、再遊技役の当選確率が第1状態よりも低い遊技状態へ移行し、これにより、演出状態が第1有利演出状態又は第2有利演出状態でかつ遊技状態が第1状態である遊技であって、回避報知演出が実行される遊技に比べて相対的に不利な遊技となる。また、たとえば、回避報知演出が実行されないことによって、遊技媒体の払い出しのある小役を有効入賞ライン上に停止表示させることができずに、取りこぼすこととなり、遊技媒体のロスが生じて、第1有利演出状態又は第2有利演出状態において回避報知演出が実行される遊技に比べて相対的に不利な遊技となる。
【0009】
すなわち本発明では、第1有利演出状態が継続した場合に、遊技状態が第1状態であるときには、遊技状態が第1状態から他の遊技状態へ移行するまで回避報知演出の実行を中断する。そして、その後再び遊技状態が第1状態へ移行したときには、特定の外部信号を外部装置に送信するとともに、その第1状態においては、回避報知演出を実行する。そして、本発明では、回避報知演出の実行を中断してから再開するまでの間のうちの少なくとも一部の期間の遊技は、第1有利演出状態又は第2有利演出状態において回避報知演出を実行する遊技よりも、同一の遊技回数を基準として遊技者にとって不利な遊技となる。
また、本発明では、第2有利演出状態が継続した場合に、遊技状態が第1状態であるときには、回避報知演出の実行を中断することなく回避報知演出を実行する。
【0010】
そして、たとえば、主として遊技を制御する遊技制御装置21と、主として遊技の演出を制御する演出制御装置22とを備え、第1及び第2のART遊技を含む複数種類のART遊技を実行するスロットマシン10においては、第1有利演出状態及び第2有利演出状態を、回避報知演出を実行するAT状態とすることができる。そして、本発明によれば、所定の遊技回数を1セットする第1のART遊技(演出状態が第1AT状態(第1有利演出状態)でかつ遊技状態が第1状態であるART遊技)において、1セットが経過した場合に、もう1セット第1のART遊技を実行するときには、回避報知演出の実行を中断することにより、遊技状態を第1状態から他の遊技状態へ移行させ、その後再び第1状態へ移行したときに、ART遊技が実行された旨の信号(特定の外部信号)を遊技履歴表示装置24(外部装置)に送信するとともに、1セットの第1のART遊技を開始し、回避報知演出を実行するようにすることができる。また、本発明によれば、所定の遊技回数を1セットする第2のART遊技(演出状態が第2AT状態(第2有利演出状態)でかつ遊技状態が第1状態であるART遊技)において、1セットが経過した場合に、もう1セット第2のART遊技を実行するときには、回避報知演出の実行を中断することなく1セットの第2のART遊技を開始し、回避報知演出を実行するようにすることができる。すなわち、第2のART遊技では、1セットが経過してもう1セットを開始するまでに、「第1状態→他の遊技状態→第1状態」という過程を経る必要が無い、つまり第1のART遊技又は第2のART遊技において回避報知演出を実行する遊技よりも同一の遊技回数を基準として遊技者にとって不利な遊技を経る必要が無いので、第1のART遊技に比べて出玉率を高くすることができる。
【0011】
以上より、本発明によれば、演出状態が第1有利演出状態である遊技においては、たとえば1セットを実行する度に、特定の外部信号を外部装置に送信することができるので、ART遊技などの有利遊技の実行回数を外部装置に表示させることができ、外部装置に表示される有利遊技の実行回数の見栄えを良くすることができるとともに、特定のART遊技の出玉率を高くすることができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、遊技状態として、第2状態を備え、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかをあらかじめ定めた役抽選テーブルを有し、遊技状態に応じていずれかの役抽選テーブルを参照して、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段100を備え、役抽選手段100は、第2状態においては、第1状態において参照される役抽選テーブルよりも遊技者にとって不利に設定された役抽選テーブルを参照して役抽選を行うように形成され、遊技状態移行制御手段135は、第2状態において、第2の特定の図柄の組み合わせ(以下、「第2図柄組み合わせ」とする。)が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、遊技状態を第1状態へ移行させ、第1状態において、第1図柄組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合に、特定の遊技状態としての第2状態へ遊技状態を移行させるように形成され、演出制御手段150は、継続した第1有利演出状態において、遊技状態が第1状態から第2状態へ移行したときには、その第1状態において、第2図柄組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるための特別報知演出を実行するとともに、中断した回避報知演出の実行を再開するように形成されていることを特徴とする。
【0012】
ここで、「第2図柄組み合わせ」は、役を構成する図柄の組み合わせであっても、役を構成しない図柄の組み合わせであってもよいものである。
すなわち本発明では、遊技状態が第2状態である遊技においては、第1状態において参照される役抽選テーブルよりも遊技者にとって不利に設定された役抽選テーブルを参照して役抽選を行う。つまり、本発明では、第2状態は、第1状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態である。
そして、たとえば、上述したスロットマシン10においては、第2のART遊技では、1セットが経過してもう1セットを開始するまでに、「第1状態→第2状態→第1状態」という過程を経る必要が無い、つまり第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態を経る必要が無いので、第1のART遊技に比べて出玉率を高くすることができる。
【0013】
以上より、本発明によれば、演出状態が第1有利演出状態である遊技においては、たとえば1セットが経過してもう1セットを開始するまでに、第1図柄組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させて、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態を経なければならないので、第2状態を、第1状態よりも再遊技役の当選確率が低い状態とした場合には、遊技媒体のロスが生じるのに対して、演出状態が第2有利演出状態である遊技においては、たとえば1セットが経過してもう1セットを開始するまでに第1図柄組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させて第2状態を経る必要はないので、遊技媒体のロスが無くなり、これにより、特定のART遊技の出玉率を高くすることができる。
【0014】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の特徴に加え、特定役を含む複数の役のいずれかに当選か又はハズレかをあらかじめ定めた役抽選テーブルを有し、遊技状態に応じていずれかの役抽選テーブルを参照して、特定役を含む複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段100と、役抽選の結果と、各ストップスイッチ34が操作された際における対応する回転リール45の回転位置とに基づいて、各回転リール45の回転を適位置で停止させる停止制御を行う停止制御手段120と、を備え、少なくとも第1状態において参照される役抽選テーブルには、特定役を含む複数の役に重複して当選する重複当選領域が設定され、停止制御手段120は、役抽選により特定役を含む複数の役に重複して当選した場合には、ストップスイッチ34の操作態様に応じて、特定役を構成する図柄の組み合わせ又は第1図柄組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることがあるように回転リール45の回転を停止させるように形成され、演出制御手段150は、回避報知演出として、特定役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作態様を遊技者に報知するように形成されていることを特徴とする。
【0015】
すなわち本発明では、たとえば、上述したスロットマシン10において、第1図柄図柄組み合わせを、役を構成しない特定のハズレの図柄の組み合わせとし、特定役をメダルの払い出しのある小役とした場合には、第2のART遊技において、1セットが経過した場合に、もう1セット第2のART遊技を実行するときには、回避報知演出の実行を中断することなく1セットの第2のART遊技を開始し、回避報知演出を実行するので、メダルのロスが無くなり、第1のART遊技に比べて出玉率を高くすることができる。
以上より、本発明によれば、演出状態が第1有利演出状態である遊技においては、たとえば1セットが経過してもう1セットを開始するまでに第1図柄組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させなければならないので、第1図柄組み合わせをハズレの図柄の組み合わせとした場合には、遊技媒体のロスが生じるのに対して、演出状態が第2有利演出状態である遊技においては、たとえば1セットが経過してもう1セットを開始するまでに第1図柄組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させる必要はないので、遊技媒体のロスが無くなり、これにより、特定のART遊技の出玉率を高くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち本発明によれば、複数種類の有利遊技を実行する遊技機において、有利遊技の実行回数を外部装置(たとえば遊技履歴表示装置)に表示させることができ、外部装置に表示される有利遊技の実行回数の見栄えを良くすることができるとともに、特定の有利遊技の出玉率を高くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの正面図である。
【図2】各回転リールの図柄の配列を説明するための説明図である。
【図3】スロットマシンのブロック図である。
【図4】役を説明するための説明図である。
【図5】役抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図6】役抽選テーブルを説明するための説明図である。
【図7】遊技状態の移行を説明するための説明図である。
【図8】メイン制御処理の概略を示すフローチャートである。
【図9】サブ制御処理の概略を示すフローチャートである。
【図10】第1AT中の処理を示すフローチャートである。
【図11】第2AT中の処理を示すフローチャートである。
【図12】報知演出処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を、図1〜図12に基づいて説明する。
以下、「前面」とは、スロットマシン10において遊技を行う際に遊技者が向き合う面をいい、「右側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て右側をいい、「左側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て左側をいう。
(スロットマシン10)
図1に概略を示すように、遊技機としてのスロットマシン10は、前面に開口部を有する箱型の筐体11を備え、筐体11の前面には、開口部を塞ぐ前扉12を備え、筐体11の内部には、3個の回転リール45を横並びに配置したリールユニット40や、スロットマシン10を制御するための制御装置20や、遊技媒体としてのメダルを払い出すためのホッパーユニットや、スロットマシン10が備える各装置に電力を供給するための電源ユニットなどを備えている。
【0019】
また、3個の回転リール45のうち、左側に位置するのが左リール46であり、中央に位置するのが中リール47であり、右側に位置するのが右リール48である。
また、前扉12の上部には、上パネル13を備え、前扉12の下部には、下パネル14を備え、前扉12の前面における、上パネル13と下パネル14との間には、前方へ向けて突出する操作部16を備えている。
また、上パネル13のほぼ中央には、各回転リール45の周囲に付されている図柄を遊技者に見せるための図柄表示窓15が設けられている。この図柄表示窓15は、3個すべての回転リール45の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。
【0020】
また、本実施の形態では、入賞ラインとして、下段の表示位置における3個の図柄を通る「下段入賞ライン」と、左上・中央・右下の表示位置における3個の図柄を通る「右下り入賞ライン」とが設けられている。
また、上パネル13における、図柄表示窓15の上方に相当する位置には、画像を表示する表示装置55が設けられている。また、上パネル13の周囲縁には、演出用ランプ17が設けられている。
また、操作部16の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口36が設けられ、操作部16の上面左側には、スロットマシン10に電子的に貯留(クレジット)されているメダルをベットするためのベットスイッチ32が設けられ、操作部16の上面左端付近には、クレジットされているメダルを返却するための精算スイッチ35が設けられ、操作部16の前面左側には、すべての回転リール45の回転を開始させるためのスタートスイッチ33が設けられ、操作部16の前面中央には、回転リール45の回転を停止させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応している3個のストップスイッチ34が横並びに設けられている。
【0021】
また、3個のストップスイッチ34のうち、左側に位置するのが左停止スイッチ56であり、中央に位置するのが中停止スイッチ57であり、右側に位置するのが右停止スイッチ58である。また、左停止スイッチ56は左リール46に対応しており、また、中停止スイッチ57は中リール47に対応しており、また、右停止スイッチ58は右リール48に対応している。
また、前扉12の下部中央には、メダルを払い出すためのメダル払出口37が設けられ、メダル払出口37の下方には、メダル払出口37から払い出されたメダルを受け止めて貯留するためのメダル受け皿38が設けられている。また、前扉12には、図示しないスピーカが設けられている。
【0022】
(リールユニット40)
リールユニット40は、横並びに設けた3個の回転リール45と、各回転リール45を回転させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応しているステッピングモータと、これらを支持するためのフレームとを備えている。
また、各回転リール45の周囲には、複数種類の図柄が所定の配列で合計21個付されている。具体的には、回転リール45の周囲には、図2に示すように、「白7A」、「白7B」、「赤BAR」、「青BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」及び「チェリー」の図柄が付されている。
【0023】
また、各ステッピングモータの出力軸には、対応する回転リール45がそれぞれ固定されている。
また、ステッピングモータは、パルス信号によって駆動するものであって、入力されるパルス信号のパターンによって、加速・定速・減速のパターンが決まる。そして、ステッピングモータが駆動すると、ステッピングモータの出力軸を中心に、対応する回転リール45が回転する。また、ステッピングモータは、一のパルス信号の入力により、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量駆動する。そして、ステッピングモータが図柄1個分に相当する量駆動すると、対応する回転リール45が、周囲に付された図柄1個分に相当する量回転する(1コマ回転する)。
【0024】
また、各回転リール45には、インデックスセンサにより検知されるインデックスが設けられており、インデックスが検知されてからのステッピングモータのパルス数により回転リール45の回転位置及び停止位置を特定できるようになっている。
(制御装置20)
制御装置20は、図3に示すように、主として遊技を制御する遊技制御装置21と、遊技制御装置21からの信号を受信して、主として遊技の演出を制御する演出制御装置22と、外部信号を送信する外部信号送信基板23とを備えている。
遊技制御装置21は、メイン基板などとも呼ばれるものであって、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技制御装置21を構成するマイクロコンピュータが、役の抽選(役抽選)、回転リール45の回転・停止及びメダルの払い出しなどの遊技の進行を制御する遊技制御手段60として機能する。詳細には、遊技制御手段60は、図3に示すように、役抽選手段100、回転制御手段110、停止制御手段120、停止図柄判定手段130、遊技状態移行制御手段135及び外部信号送信制御手段140などとして機能する。遊技制御装置21の入力手段としては、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33、ストップスイッチ34、精算スイッチ35及びリールユニット40の各回転リール45のインデックスセンサなどが接続され、遊技制御装置21の出力手段としては、リールユニット40のステッピングモータや、ホッパーユニットなどが接続されている。
【0025】
また、演出制御装置22は、サブ基板などとも呼ばれるものであって、遊技制御装置21と同様に、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、演出制御装置22を構成するマイクロコンピュータが、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて遊技の演出を制御する演出制御手段150として機能する。演出制御装置22の入力手段としては、遊技制御装置21が接続され、演出制御装置22の出力手段としては、表示装置55や、演出用ランプ17や、図示しないスピーカなどが接続されている。
また、遊技制御装置21と演出制御装置22との間における信号の送受信は、遊技制御装置21における役抽選に関するデータ等の内部データの信頼性を担保すべく、一方通行となるように形成されている。すなわち、遊技制御装置21から演出制御装置22に向かってのみ信号が出力され、演出制御装置22から遊技制御装置21に向かっていかなる信号も出力されないように形成されている。
【0026】
また、外部信号送信基板(中継基板、外部集中端子板)23は、スロットマシン10の外部(ホール店内)に設置された遊技履歴表示装置24(外部装置)などに、遊技制御装置21から受け取った遊技に関する所定の情報を一方向で送信するものである。外部信号送信基板23の入力手段としては、遊技制御装置21が接続されている。なお、外部信号送信基板23は、演出制御装置22とは直接接続されていない。
遊技履歴表示装置24は、スロットマシン10とは別体であり、ホールに設置されたすべての又は対応するスロットマシン10と電気的に接続され、遊技の履歴を遊技者に対して開示(提供)するためのものである。遊技者は、遊技履歴表示装置24を操作することで、希望の台又は対応する台(スロットマシン10)の遊技の履歴、たとえば当日、前日又は過去数日における1日のトータル遊技回数や、ボーナス役の当選回数などを自由に検索することができる。
【0027】
また、本実施の形態では、遊技制御装置21には、遊技状態として、通常状態(第2状態)と、第1RT状態と、第2RT状態と、第3RT状態(第1状態)と、内部中状態と、ボーナス状態とが設けられている。また、ボーナス状態には、ビッグボーナス状態(BB状態)と、レギュラーボーナス状態(RB状態)とがある。なお、遊技状態としてはこれに限られるものではない。
また、本実施の形態では、演出制御装置22には、演出状態として、通常演出状態と、第1AT状態(第1有利演出状態)と、第2AT状態(第2有利演出状態)とが設けられている。演出状態の詳細については後述する。なお、演出状態としてはこれに限られるものではない。
【0028】
また、本実施の形態では、演出制御装置22には、第2AT状態におけるモードとして、遊技回数モードと、継続率モードとが設けられている。そして、本実施の形態では、演出制御装置22は、第2AT状態においては、これらのモードに応じて、異なる制御を行うものとなっている。なお、モードとしてはこれに限られるものではない。
また、本実施の形態では、遊技として、通常遊技と、ボーナス遊技と、ART(アシストリプレイタイム)遊技とがある。また、ART遊技には、通常ART遊技と、特殊ART遊技とがある。そして、これらの各遊技は、遊技状態及び演出状態のいずれか一方又は双方により規定されている。具体的には、遊技状態が通常状態、第1RT状態又は第2RT状態でかつ演出状態が通常演出状態である遊技が通常遊技である。また、遊技状態がボーナス状態である遊技がボーナス遊技である。なお、本実施の形態では、この場合では演出状態は通常演出状態に設定される。また、演出状態が第1AT状態である遊技が通常ART遊技である。また、演出状態が第2AT状態である遊技が特殊ART遊技である。
【0029】
さらに、本実施の形態では、特殊ART遊技には、第1特殊ART遊技と、第2特殊ART遊技とがある。そして、これらの各遊技は、第2AT状態におけるモードにより規定されている。具体的には、演出状態が第2AT状態でかつモードが遊技回数モードである遊技が第1特殊ART遊技である。また、演出状態が第2AT状態でかつモードが継続率モードである遊技が第2特殊ART遊技である。
なお、遊技としてはこれに限られるものではない。
また、本実施の形態では、役として、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがボーナス遊技へ移行するボーナス役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルが払い出される小役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技を実行させる再遊技役とがある。ここで、「有効入賞ライン」とは、遊技媒体としてのメダルのベットに応じて有効になった入賞ラインである。本実施の形態では、1回の遊技につき、メダルを3枚ベットすることが可能となっており、3枚のメダルをベットすると、2本全ての入賞ラインが有効になり、有効入賞ラインとなる。なお、本実施の形態では、3枚のメダルをベットすることにより、遊技を開始することが可能となっている。
【0030】
そして、ボーナス役には、図4に示すように、BB役と、RB役とがある。BB役は、「赤BAR」「赤BAR」「赤BAR」の図柄の組み合わせにより構成される。そして、有効入賞ライン上にこの図柄の組み合わせが停止表示されることにより、ボーナス遊技としてのビッグボーナス遊技(遊技状態がBB状態である遊技)へ移行する。また、RB役は、「赤BAR」「赤BAR」「青BAR」の図柄の組み合わせにより構成される。そして、有効入賞ライン上にこの図柄の組み合わせが停止表示されることにより、ボーナス遊技としてのレギュラーボーナス遊技(遊技状態がRB状態である遊技)へ移行する。
なお、本実施の形態では、ボーナス役は、メダルの払い出しを行うことなく、ボーナス遊技へ移行するようになっているが、所定枚数(たとえば15枚)のメダルを払い出した後に、ボーナス遊技へ移行するようにしてもよい。
【0031】
また、小役には、図4に示すように、ベル1役〜ベル28役(以下、ベル1役〜ベル28役を、「ベル役」と総称する。)と、スイカ役と、チェリー役とがある。たとえば、ベル1役は、「ベルC」「ベルC」「ベルC」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、ベル28役(特定役)は、(「ベルA」、「ベルB」又は「ベルC」)(「白7A」又は「白7B」)「白7A」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、チェリー役は、「チェリー」「ANY」「ANY」(「ANY」は、いずれの図柄であってもよいことを意味する。)の図柄の組み合わせにより構成される。そして、役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に停止表示されることにより、当該役に応じた所定枚数のメダルが払い出される。たとえば、「ベルA」「白7A」「白7A」の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることにより、ベル28役に応じた所定枚数(たとえば9枚)のメダルが払い出される。
【0032】
また、再遊技役には、図4に示すように、リプレイA役と、リプレイB役と、リプレイC役と、リプレイD役とがある。たとえば、リプレイA役は、「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の図柄の組み合わせにより構成され、また、たとえば、リプレイC役は、(「白7B」又は「白7A」)(「白7B」又は「白7A」)(「白7B」又は「白7A」)の図柄の組み合わせ(第2図柄組み合わせ)により構成される。そして、いずれかの有効入賞ライン上にこの図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。
(役抽選手段100)
役抽選手段100は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行うものである。役抽選手段100は、乱数発生手段と、乱数抽出手段と、役抽選テーブルと、判定手段とを備えている。
【0033】
乱数発生手段は、役抽選用の乱数を、所定の範囲内(たとえば、10進数で0〜65535)で発生させるものである。また、乱数抽出手段は、乱数発生手段が発生させた乱数を、所定の契機(たとえば、スタートスイッチ33の操作)で抽出するものである。
また、役抽選テーブルは、乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかをあらかじめ定めたものである。本実施の形態では、役抽選テーブルには、図5に示すように、通常状態において参照される通常役抽選テーブルと、第1RT状態において参照される第1RT役抽選テーブルと、第2RT状態において用いられる第2RT役抽選テーブルと、第3RT状態において参照される第3RT役抽選テーブルと、内部中状態において参照される内部中役抽選テーブルと、ボーナス状態(BB状態及びRB状態)において参照されるボーナス役抽選テーブルとがある。各役抽選テーブルには、当選の領域と、ハズレの領域とが設定されている。なお、当選の領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域を設定することができる。たとえば、通常役抽選テーブルには、各ボーナス役の単独当選領域と、スイカ役の単独当選領域と、チェリー役の単独当選領域と、リプレイA役の単独当選領域と、ベル役の重複当選領域と、リプレイB役及びリプレイC役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を「リプレイBC役」と称する。)と、リプレイA役〜リプレイC役の重複当選領域(以下、この重複当選領域を「リプレイABC役」と称する。)とがそれぞれ所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、たとえば、第1RT役抽選テーブルには、各ボーナス役の単独当選領域と、スイカ役の単独当選領域と、チェリー役の単独当選領域と、ベル役の重複当選領域とが通常役抽選テーブルとそれぞれ同一の範囲(同一の確率)で設定されているとともに、リプレイA役及びリプレイD役の重複当選領域(リプレイAD役)が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、たとえば、第2RT役抽選テーブル及び第3RT役抽選テーブルには、各ボーナス役の単独当選領域と、スイカ役の単独当選領域と、チェリー役の単独当選領域と、ベル役の重複当選領域とが通常役抽選テーブルとそれぞれ同一の範囲(同一の確率)で設定されているとともに、リプレイA役の単独当選領域が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、たとえば、内部中役抽選テーブルには、スイカ役の単独当選領域と、チェリー役の単独当選領域と、ベル役の重複当選領域とが通常役抽選テーブルとそれぞれ同一の範囲(同一の確率)で設定されているとともに、リプレイA役の単独当選領域が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。また、たとえば、ボーナス役抽選テーブルには、ベル28役の単独当選領域が所定の範囲(所定の確率で)設定されている。
【0034】
さらに、ボーナス役抽選テーブルを除く各役抽選テーブルのぞれぞれには、図5に示すように、ベル役の重複当選領域として、「左ベルA」〜「左ベルC」、「中ベルA」〜「中ベルC」及び「右ベルA」〜「右ベルC」の9種類の重複当選領域が設定されている。そして、これらの9種類の重複当選領域のそれぞれには、図6に示すように、ベル1役〜ベル27役のうちの9種類のベル役と、ベル28役とが対応付けられている。また、これらの9種類の重複当選領域のそれぞれには、ベル役の組み合わせが互いに異なるものとなるようにベル1役〜ベル27役が割り振られている。たとえば、左ベルAの重複当選領域には、図6に示すように、ベル1役、ベル5役、ベル9役、ベル11役、ベル15役、ベル16役、ベル21役、ベル22役、ベル26役及びベル28役が対応付けられている。以下、「左ベルA」の重複当選領域を「左ベルA役」と称し、また、「左ベルB」の重複当選領域を「左ベルB役」と称し、また、「左ベルC」の重複当選領域を「左ベルC役」と称し、また、「中ベルA」の重複当選領域を、「中ベルA役」と称し、また、「中ベルB」の重複当選領域を、「中ベルB役」と称し、また、「中ベルC」の重複当選領域を、「中ベルC役」と称し、また、「右ベルA」の重複当選領域を、「右ベルA役」と称し、また、「右ベルB」の重複当選領域を、「右ベルB役」と称し、また、「右ベルC」の重複当選領域を、「右ベルC役」と称する。
【0035】
なお、重複当選領域としては、これに限られるものではなく、たとえば、各ボーナス役及びスイカ役又はチェリー役の重複当選領域を設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、第1RT役抽選テーブル及び第2RT役抽選テーブルにおいては、再遊技役の当選確率が通常役抽選テーブルよりも低い確率に設定され、また、第3RT役抽選テーブルにおいては、再遊技役の当選確率が通常役抽選テーブルよりも高い確率に設定されている。具体的には、通常役抽選テーブルにおいては、再遊技役の当選確率が約1/5.3に設定され、また、第1RT役抽選テーブル及び第2RT役抽選テーブルにおいては、約1/7.3に設定され、また、第3RT役抽選テーブルにおいては、再遊技役の当選確率が約1/1.2に設定されている。これにより、通常役抽選テーブルを参照して役抽選が行われる通常状態は、第3RT役抽選テーブルを参照して役抽選が行われる第3RT状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態となっている。なお、再遊技役の当選確率はこれに限られるものではない。
【0036】
また、判定手段は、乱数抽出手段が抽出した乱数と、役抽選テーブルとを照合して、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの判定を行うものである。具体的には、判定手段は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの判定を行う際に、その時点における遊技状態に応じて役抽選テーブルを適宜参照して、当該判定を行うものとなっている。
そして、役抽選手段100による役抽選で、いずれかの役に当選すると、当選した役に対応する当選フラグが成立する。なお、役抽選手段100による役抽選で、複数の役に重複当選した場合には、当選した複数の役それぞれに対応する当選フラグが成立する。そして、このフラグの成立中に、いずれかの有効入賞ライン上に、役抽選で当選した役を構成する図柄の組み合わせが停止表示されると、遊技者に対して、メダルの払い出しや、ボーナス遊技等の利益が付与される。
【0037】
ここで、当選フラグには、役抽選手段100による役抽選の結果が、小役の当選である場合に成立する小役当選フラグ(ベル1当選フラグ〜ベル28当選フラグ、スイカ当選フラグ及びチェリー当選フラグ)と、役抽選手段100による役抽選の結果が、再遊技役の当選である場合に成立する再遊技当選フラグ(リプレイA当選フラグ、リプレイB当選フラグ、リプレイC当選フラグ及びリプレイD当選フラグ)と、役抽選手段100による役抽選の結果が、ボーナス役の当選である場合に成立するボーナス当選フラグ(BB当選フラグ及びRB当選フラグ)とがある。
そして、小役当選フラグ及び再遊技当選フラグは、成立した遊技においてのみ有効となるものの、ボーナス当選フラグは、次の遊技へ持ち越すことができるものとなっており、当選したボーナス役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に停止表示されることにより消去されるものとなっている。
【0038】
また、役抽選手段100は、役抽選の結果を演出制御装置22に送信する。
(回転制御手段110)
回転制御手段110は、スタートスイッチ33の操作を契機に、3個すべての回転リール45の回転を開始させるとともに、3個すべての回転リール45の回転駆動を制御するものである。具体的には、回転制御手段110は、スタートスイッチ33の操作を契機に、3個すべての回転リール45の回転を通常の回転方向に開始させて、その回転速度が所定の定常速度に達するまで加速処理を行う。そして、回転制御手段110は、回転リール45の回転速度が所定の定常速度に達したときには、回転リール45を所定の定常速度で定速回転させる定速処理を行う。
【0039】
(停止制御手段120)
停止制御手段120は、ストップスイッチ34の操作を契機として、役抽選の結果と、ストップスイッチ34が操作された時点における対応する回転リール45の回転位置とに基づいて、回転リール45の回転を適位置で停止させるものである。
本実施の形態では、停止制御手段120は、各ストップスイッチ34が停止操作された際における対応する回転リール45の回転位置を、対応するインデックスが検知されてから対応するストップスイッチ34が停止操作されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数で特定しつつ、ストップスイッチ34が停止操作された時点で、有効入賞ライン上に直ちに停止できる図柄(すなわち、回転リール45の回転位置)を基準として、この図柄から回転方向に予め定められた個数(最大スベリコマ数、たとえば4コマ)移動した図柄までの範囲内で、対応する回転リール45を停止させる。ここで、「コマ」とは、回転リール45の回転量であって、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量を意味するものである。
【0040】
具体的には、停止制御手段120は、役抽選の結果がいずれかの役に当選の場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、当選した役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に極力揃うように、かつ、当選した役以外の役を構成する図柄の組み合わせについてはいずれの有効入賞ライン上にも揃わないように、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を行い、一方、役抽選の結果がハズレの場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、いずれの有効入賞ライン上にも、いずれの役を構成する図柄の組み合わせも揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。
また、本実施の形態では、複数の当選フラグが成立している場合があり、このような場合に、停止制御手段120は、引き込み制御において、当選した複数の役のうちいずれの役を優先して引き込むかを予め設定している。具体的には、停止制御手段120は、引き込み優先順位を、「再遊技役」>「小役」>「ボーナス役」に設定している。なお、引き込み優先順位は、これに限られるものではない。
【0041】
また、停止制御手段120は、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を、回転リール45の停止位置を予め定めた停止テーブルを参照して制御を行うテーブル制御や、所定の図柄を停止させるか否かを判断しながら制御を行うプログラム制御などにより行うことができる。
また、停止制御手段120は、リールユニット40の各ステッピングモータへのパルス信号の供給を停止することにより、回転リール45の回転を適位置で停止させる。
(ベル役)
つぎに、左ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、図2の図柄の配列に示すように、ベル28役を構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。一方、ベル1役〜ベル27役を構成するそれぞれの図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
【0042】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、役抽選により左ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合(役抽選により特定役を含む複数の役に重複して当選した場合)には、ストップスイッチ34の操作態様に応じて、ベル28役を構成する図柄の組み合わせ、ベル28役以外の当選した他のベル役を構成する図柄の組み合わせ又はいずれの役をも構成しない特定のハズレの図柄の組み合わせであるブランク図柄(第1図柄組み合わせ)を有効入賞ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
具体的には、本実施の形態では、左ベルA役などのベル役に関する重複当選領域のそれぞれに対して、3個のストップスイッチ34に基づく3通りの操作順序のうちのいずれかの操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が、各重複当選領域に対する正解の操作順序となっている。たとえば、左ベルA役〜左ベルC役の各重複当選領域に対しては、左停止スイッチ56を最初に操作する順序が正解の操作順序として割り当てられており、また、たとえば、中ベルA役〜中ベルC役の各重複当選領域に対しては、中停止スイッチ57を最初に操作する順序が正解の操作順序として割り当てられており、また、たとえば、右ベルA役〜右ベルC役の各重複当選領域に対しては、右停止スイッチ58を最初に操作する順序が正解の操作順序として割り当てられている。
【0043】
そして、停止制御手段120は、役抽選により左ベルA役などのベル役に関する重複当選領域に当選した場合に、当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、ベル28役以外の当選した他のベル役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させ、その正解の操作順序以外の操作順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が停止操作されると、ベル28役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ベル28役以外の当選した他のベル役を有効入賞ライン上に停止表示させることができる場合には、その役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させ、ベル28役以外の当選した他のベル役のうちのいずれも有効入賞ライン上に停止表示させることができない場合には、ブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させる。たとえば、停止制御手段120は、役抽選により左ベルA役に当選した場合に、左停止スイッチ56が最初に操作される順序(正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が操作されると、ベル1役、ベル5役、ベル9役、ベル11役、ベル15役、ベル16役、ベル21役、ベル22役及びベル26役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、ベル28役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させ、中停止スイッチ57又は右停止スイッチ58が最初に操作される順序(不正解の操作順序)で各ストップスイッチ34(56,57,58)が操作されると、ベル28役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ベル1役、ベル5役、ベル9役、ベル11役、ベル15役、ベル16役、ベル21役、ベル22役及びベル26役のうちのいずれかの役を有効入賞ライン上に停止表示させることができる場合には、その役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させ、上記役のうちのいずれも有効入賞ライン上に停止表示させることができない場合には、ブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0044】
(再遊技役)
つぎに、リプレイBC役などの再遊技役に関する重複当選領域に当選した場合の停止制御について説明する。本実施の形態では、図2の図柄の配列に示すように、リプレイA役〜リプレイD役のそれぞれを構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、リプレイBC役などの再遊技役に関する重複当選領域に当選した場合には、ストップスイッチ34の操作順序に応じて、当選したいずれかの再遊技役を有効入賞ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
【0045】
具体的には、停止制御手段120は、役抽選によりリプレイBC役に当選した場合に、中停止スイッチ57が最初に操作される順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が操作されると、リプレイB役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイC役を有効入賞ライン上に停止表示させ、左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58が最初に操作される順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が操作されると、リプレイC役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイB役を有効入賞ライン上に停止表示させる。
また、停止制御手段120は、役抽選によりリプレイABC役に当選した場合に、右停止スイッチ58が最初に操作される順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が操作されると、リプレイA役及びリプレイB役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイC役を有効入賞ライン上に停止表示させ、左停止スイッチ56又は中停止スイッチ57が最初に操作される順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が操作されると、リプレイA役及びリプレイC役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイB役を有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0046】
また、停止制御手段120は、役抽選によりリプレイAD役に当選した場合に、右停止スイッチ58が最初に操作される順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が操作されると、リプレイA役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイD役を有効入賞ライン上に停止表示させ、左停止スイッチ56又は中停止スイッチ57が最初に操作される順序で各ストップスイッチ34(56,57,58)が操作されると、リプレイD役に優先して、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、リプレイA役を有効入賞ライン上に停止表示させる。
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、すべての回転リール45の回転が停止した際に、有効入賞ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせを判定するものである。
【0047】
また、本実施の形態では、停止図柄判定手段130により判定が行われると、この判定の結果に基づいた制御が所定の手段により実行される。たとえば、停止図柄判定手段130により、いずれかの小役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、この小役に応じた所定枚数のメダルを払い出すようにする。たとえば、「ベルA」「白7A」「白7A」の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、ベル28役に応じた9数のメダルを払い出すようにする。また、たとえば、停止図柄判定手段130により、再遊技役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、再遊技を実行する制御を行う。たとえば、「白7A」「白7A」「白7A」の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されていると判定されると、遊技制御手段60は、再遊技を実行する制御を行う。
【0048】
(遊技状態移行制御手段135)
遊技状態移行制御手段135は、遊技状態の移行を制御するものである。
上述の如く、本実施の形態では、遊技状態として、通常状態と、第1RT状態と、第2RT状態と、第3RT状態と、内部中状態と、ボーナス状態(BB状態及びRB状態)とがある。そして、遊技状態移行制御手段135は、これらの遊技状態の間で、遊技状態を移行させる制御を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0049】
また、本実施の形態では、小役、リプレイA役及びリプレイD役は、遊技状態の移行条件となっていない。すなわち、たとえばベル28役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されても、遊技状態移行制御手段135は作動せず、現在の遊技状態に維持されたままとなる。
具体的には、遊技状態移行制御手段135は、図7に示すように、通常状態において、リプレイB役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、すなわちこれを契機として、遊技状態を、通常状態から第2RT状態へ移行させ、また、通常状態において、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を、通常状態から第3RT状態へ移行させる。
【0050】
また、遊技状態移行制御手段135は、第1RT状態において、ブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を、第1RT状態から通常状態へ移行させる。また、遊技状態移行制御手段135は、第2RT状態において、所定の遊技回数(たとえば30回)が経過したことを条件として、遊技状態を、第2RT状態から通常状態へ移行させる。また、遊技状態移行制御手段135は、第3RT状態において、ブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を、第3RT状態から通常状態へ移行させる。
また、遊技状態移行制御手段135は、通常状態、第1RT状態、第2RT状態又は第3RT状態において、役抽選によりボーナス役に当選した場合に、当該遊技で、当選したボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されなかったことを条件として、遊技状態を、現在の遊技状態から内部中状態へ移行させ、また、当該遊技で、当選したボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を現在の遊技状態から当該ボーナス役に対応するボーナス状態へ移行させる。また、遊技状態移行制御手段135は、内部中状態において、持ち越しているボーナス当選フラグ、すなわち当選の権利を持ち越しているボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として、遊技状態を、内部中状態から当該ボーナス役に対応するボーナス状態へ移行させる。ボーナス状態への移行によりボーナス遊技が開始される。
【0051】
また、遊技状態移行制御手段135は、ボーナス状態において所定枚数(たとえばBB状態においては「297枚」、また、RB状態においては「63枚」)のメダルを払い出したことを条件に、遊技状態を、ボーナス状態から第1RT状態へ移行させる。なお、ボーナス状態から第1RT状態への移行条件、すなわちボーナス遊技の終了条件としては、他の条件(たとえば遊技回数)を設定することもできる。
また、本実施の形態では、遊技状態移行制御手段135は、現在の遊技状態を示す状態信号を演出制御装置22に送信する。たとえば、遊技状態移行制御手段135は、毎遊技、現在の遊技状態を示す状態信号を演出制御装置22に送信する。なお、たとえば、遊技状態移行制御手段135は、遊技状態を移行させた場合に、移行後の遊技状態を示す状態信号を演出制御装置22に送信するようにしてもよい。
【0052】
(外部信号送信制御手段140)
外部信号送信制御手段140は、遊技履歴表示装置24(外部装置)などに送信する外部信号の送信を制御するものである。本実施の形態では、外部信号送信制御手段140は、外部信号として、ART遊技が開始された旨を示す小当たり信号(特定の外部信号)や、ボーナス遊技が開始された旨を示す大当り信号などを、外部信号送信基板23を介して、遊技履歴表示装置24などに送信するように制御する。
具体的には、外部信号送信制御手段140は、通常状態において、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合、詳細には遊技状態が通常状態から第3RT状態へ移行したことを契機に、外部信号送信基板23を介して、遊技履歴表示装置24などに小当たり信号を送信するように制御する。
【0053】
また、外部信号送信制御手段140は、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合、詳細にはボーナス状態へ移行したことを契機に、外部信号送信基板23を介して、遊技履歴表示装置24などに大当り信号を送信するように制御する。
なお、外部信号送信制御手段140は、通常状態において、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを契機に、小当たり信号を送信するように制御するようにしてもよい。同様に、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを契機に、大当り信号を送信するように制御するようにしてもよい。
【0054】
(演出制御手段150)
演出制御手段150は、表示装置55や演出用ランプ17やスピーカを制御して、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて、遊技の演出の実行を制御するものである。本実施の形態では、演出制御手段150は、各演出状態において、表示装置55に特定の画像を表示させたり、演出用ランプ17を点灯又は点滅させたり、スピーカから所定の音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げる演出を実行する。たとえば、演出制御手段150は、遊技状態がボーナス状態でかつ演出状態が通常演出状態である場合に、ボーナス遊技を盛り上げる演出を実行する。
【0055】
また、本実施の形態では、上述したように、演出状態として、通常演出状態と、第1AT状態と、第2AT状態とを備えており、演出制御手段150は、これらの演出状態の間で演出状態を切り替える(移行させる)制御を行う。
また、通常演出状態は、通常の演出状態であり、また、第1AT状態及び第2AT状態は、役抽選の結果に関する情報を遊技者に対して報知する報知演出を実行する状態である。役抽選の結果に関する情報(報知の内容)としては、当選した役の情報や、当選した役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序(押し順)などがある。
【0056】
遊技者は、たとえば当選した小役が報知されると、当選した小役を構成する図柄の組み合わせがいずれかの有効入賞ライン上に停止するようタイミングを図ってストップスイッチ34を操作することにより、報知がない場合と比較してより多くの小役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させることができ、ひいてはより多くの枚数のメダルを獲得することができる。このため、演出状態が第1AT状態又は第2AT状態である遊技は、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。特に本実施の形態では、ベル役に当選した際に、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を、遊技者に対して報知することにより、演出状態が第1AT状態又は第2AT状態である遊技は、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技(有利遊技)となっている。
【0057】
また、本実施の形態では、演出制御手段150は、演出状態が通常演出状態である場合に、所定の契機により、演出状態を第1AT状態又は第2AT状態に切り替えることを決定する。たとえば、演出制御手段150は、演出状態が通常演出状態でかつペナルティ期間中でない場合に、役抽選により所定の役(たとえばボーナス役、スイカ役又はチェリー役)に当選したときに、演出状態を第1AT状態又は第2AT状態に切り替えるか否かをAT抽選により決定することができる。また、たとえば、演出制御手段150は、ボーナス遊技において、役抽選により所定の役に当選したときに、演出状態を第2AT状態に切り替えることを決定することができる。具体的には、ボーナス状態の抽選対象として、白7(「白7A」又は「白7B」)の図柄の組み合わせが揃うリプレイC役を設定し、演出制御手段150は、ボーナス遊技において、役抽選によりリプレイC役に当選したときに、演出状態を第2AT状態とすることを決定することができる。そして、演出制御手段150は、演出状態を第1AT状態に切り替えることを決定した場合には、第1AT予約フラグを所定の記憶領域に成立させ、また、演出状態を第2AT状態とすることを決定した場合には、第2AT予約フラグを所定の記憶領域に成立させる。
【0058】
ここで、「ペナルティ期間」とは、演出状態を第1AT状態又は第2AT状態に切り替えることを決定することを禁止する期間、具体的にはAT抽選の実行を禁止する期間である。本実施の形態では、演出制御手段150は、演出状態が通常演出状態でかつ遊技状態が通常状態、第1RT状態又は第2RT状態である場合に、中停止スイッチ57又は右停止スイッチ58を最初に操作する順序でストップスイッチ34が操作されたときに、その後の所定の遊技回数(たとえば8回)をペナルティ期間に設定する。
また、本実施の形態では、上述したように、第2AT状態におけるモードとして、遊技回数モードと、継続率モードとを備えており、演出制御手段150は、第2AT状態を開始するときに、遊技者による操作(たとえばスタートスイッチ33の操作)により、モードを決定する。具体的には、演出制御手段150は、第2AT状態を開始するときに、遊技回数モードを示す画像と、継続率モードを示す画像とを、所定時間(たとえば5秒)が経過する毎に順次更新しながら表示装置55に表示し、遊技者により、たとえば遊技を開始するためのスタートスイッチ33の操作が行われたときに、表示している画像により、モードを決定するようにする。たとえば、スタートスイッチ33の操作が行われた場合に、継続率モードを示す画像を表示していたときには、演出制御手段150は、モードを継続率モードに決定する。すなわち、本実施の形態では、モードを遊技者が選択することができる、つまり特殊ART遊技においては、第1特殊ART遊技又は第2特殊ART遊技を遊技者が選択することができるものであるが、これに限られるものではなく、たとえば、第2AT状態を開始するときに、モードを抽選により決定するようにしてもよい。
【0059】
また、本実施の形態では、通常ART遊技(演出状態が第1AT状態である遊技)及び第2特殊ART遊技(演出状態が第2AT状態でかつモードが継続率モードである遊技)は、所定の遊技回数(本実施の形態では80回)を1セットとする遊技となっている。また、第1特殊ART遊技は、固定の遊技回数(本実施の形態では500回)の経過により終了する遊技となっている。なお、通常ART遊技と第2特殊ART遊技とは、それぞれ異なる遊技回数を1セットとする遊技としてもよい。
そして、演出制御手段150は、通常ART遊技又は第2特殊ART遊技において、実行中のART遊技を継続するか否かの継続抽選を行う。この継続抽選は、1セットの通常ART遊技又は第2特殊ART遊技を開始するときや、1セットが終了するときや、1セット中の適宜のタイミングなど、所定のタイミングで実行することができる。そして、演出制御手段150は、継続抽選の結果が当選である場合(所定の継続条件が成立しているとき)には、もう1セット継続するように、継続抽選の結果がハズレである場合には、実行中のART遊技を終了するように制御を行う。
【0060】
また、本実施の形態では、演出制御手段150は、通常ART遊技における継続抽選の継続率として、「50%」、「60%」及び「70%」を備え、また、第2特殊ART遊技における継続抽選の継続率として、「95%」を備えている。そして、演出制御手段150は、第1AT予約フラグを成立させたときや、通常ART遊技において継続抽選を行うときなどに、継続抽選の継続率を選択(決定)することができる。また、演出制御手段150は、継続率を一度選択するとその選択した継続率で、その後の継続した通常ART遊技において継続抽選を行う。なお、継続抽選の継続率は、これに限られるものではなく、たとえば、第2特殊ART遊技における継続抽選の継続率を複数設けるようにしてもよい。
【0061】
また、本実施の形態では、第1特殊ART遊技は500回続き、また、第2特殊ART遊技は95%の継続率で継続するので、特殊ART遊技は、通常ART遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となっている。
そして、本実施の形態では、演出制御手段150は、図3に示すように、遊技回数カウント手段160と、演出状態切替制御手段170と、演出データ記憶手段180と、演出実行手段190とを備えている。
(遊技回数カウント手段160)
遊技回数カウント手段160は、ART遊技の遊技回数をカウントするものである。本実施の形態では、遊技回数カウント手段160は、ART遊技の遊技回数をカウントための遊技回数カウンタを備えている。このカウンタは、初期値として「0」が設定されている。
【0062】
そして、本実施の形態では、遊技回数カウント手段160は、後述する演出状態切替制御手段170により演出状態が第1AT状態に設定されたとき、すなわち通常ART遊技を開始するときに、遊技回数カウンタのカウント値を「80」に設定する。
また、遊技回数カウント手段160は、通常ART遊技が継続抽選により継続した場合には、通常状態においてリプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された、すなわち遊技状態が通常状態から第3RTへ移行するときに、遊技回数カウンタのカウント値を「80」に設定する。具体的には、遊技回数カウント手段160は、演出状態が第1AT状態でかつ遊技回数カウンタのカウント値が「0」である場合に、通常状態においてリプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたときに、遊技回数カウンタのカウント値を「80」に設定する。これにより、継続した通常ART遊技の1セットが開始される。
【0063】
また、遊技回数カウント手段160は、1セットの第2特殊ART遊技を開始するときに、遊技回数カウンタのカウント値を「80」に設定する。具体的には、遊技回数カウント手段160は、後述する演出状態切替制御手段170により演出状態が第2AT状態に設定され、遊技者による操作によりモードが継続率モードに決定されたときに、遊技回数カウンタのカウント値を「80」に設定する。また、遊技回数カウント手段160は、第2特殊ART遊技が継続抽選により継続した、詳細には、演出状態が第2AT状態でモードが継続率モードで遊技回数カウンタのカウント値が「0」でかつ継続抽選の結果が当選であるときに、遊技回数カウンタのカウント値を「80」に設定する。これにより、継続した第2特殊ART遊技の1セットが開始される。
【0064】
また、遊技回数カウント手段160は、後述する演出状態切替制御手段170により演出状態が第2AT状態に設定され、遊技者による操作によりモードが遊技回数モードに決定されたとき、すなわち第1特殊ART遊技を開始するときに、遊技回数カウンタのカウント値を「500」に設定する。
また、遊技回数カウント手段160は、演出状態が第1AT状態又は第2AT状態で、遊技状態が通常状態又は第3RT状態でかつ遊技回数カウンタのカウント値が「1」以上である場合に、毎遊技の実行に伴い(たとえばスタートスイッチ33の操作を契機として)遊技回数カウンタのカウント値を「1」減算する。これにより、遊技回数カウント手段160は、ART遊技の遊技回数をカウントする。
【0065】
(演出状態切替制御手段170)
演出状態切替制御手段170は、複数の演出状態の間で演出状態を切り替える制御を行うものである。本実施の形態では、演出制御装置22には、各演出状態を管理するための管理フラグが設けられており、演出状態切替制御手段170は、この管理フラグを成立又は消去することにより、演出状態を切り替える制御を行っている。また、本実施の形態では、管理フラグとしては、第1AT状態を管理するための第1AT状態フラグと、第2AT状態フラグとがある。すなわち、第1AT状態フラグが成立している状態が第1AT状態であり、また、第2AT状態フラグが成立している状態が第2AT状態であり、また、第1AT状態フラグ及び第2AT状態フラグのいずれもが成立していない状態が通常演出状態である。そして、これにより、本実施の形態では、第1AT状態及び第2AT状態は管理状態が異なるものとしている。
【0066】
そして、本実施の形態では、演出状態切替制御手段170は、演出状態が通常演出状態でかつ第1AT予約フラグが成立している場合に、遊技状態が通常状態へ移行したとき又は遊技状態が通常状態であるときに、第1AT状態フラグを所定の記憶領域に成立させ、演出状態を第1AT状態に設定する。これにより、通常ART遊技へ移行し通常ART遊技が開始される。なおこのとき、第1AT予約フラグは消去される。
また、演出状態切替制御手段170は、演出状態が通常演出状態でかつ第2AT予約フラグが成立している場合に、遊技状態が通常状態へ移行したとき又は遊技状態が通常状態であるときに、第2AT状態フラグを所定の記憶領域に成立させ、演出状態を第2AT状態に設定する。なおこのとき、第2AT予約フラグは消去される。また、上述の如く、この後、遊技者による操作によりモードが決定され、これにより、第1特殊ART遊技又は第2特殊ART遊技が開始される。
【0067】
また、演出状態切替制御手段170は、1セットの通常ART遊技が終了する場合に、継続抽選の結果がハズレであるときに、第1AT状態フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。具体的には、演出状態切替制御手段170は、演出状態が第1AT状態で、遊技回数カウンタのカウント値が「0」でかつ継続抽選の結果がハズレである場合に、第1AT状態フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。これにより、通常ART遊技が終了する。
また、演出状態切替制御手段170は、1セットの第2特殊ART遊技が終了する場合に、継続抽選の結果がハズレであるときに、第2AT状態フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。具体的には、演出状態切替制御手段170は、演出状態が第2AT状態で、モードが継続率モードで、遊技回数カウンタのカウント値が「0」でかつ継続抽選の結果がハズレである場合に、第2AT状態フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。これにより、第2特殊ART遊技が終了する。
【0068】
また、演出状態切替制御手段170は、演出状態が第2AT状態で、モードが遊技回数モードでかつ遊技回数カウンタのカウント値が「0」である場合に、第2AT状態フラグを消去して、演出状態を通常演出状態に設定する。これにより、第1特殊ART遊技が終了する。
(演出データ記憶手段180)
演出データ記憶手段180は、実行する演出の演出データ及び演出パターンなどを記憶するものである。演出データとしては、表示装置55に表示するための画像データ及びスピーカから発するためのサウンドデータなどがある。
【0069】
また、演出パターンは、遊技の進行に伴って、どのようなタイミング(たとえば、スタートスイッチ33の操作時や各ストップスイッチ34の操作時など)で、どのような演出を実行するか(たとえば、演出用ランプ17をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカからどのようなサウンドを発するか、及び表示装置55にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
(演出実行手段190)
演出実行手段190は、演出を実行するものである。演出実行手段190は、各演出状態において、役抽選の結果などに基づいて、演出データ記憶手段180により記憶されている演出データなどを参照して、遊技を盛り上げる演出を実行する。
【0070】
また、本実施の形態では、演出実行手段190は、演出状態が第1AT状態又は第2AT状態である場合に、役抽選により左ベルA役〜左ベルC役、中ベルA役〜中ベルC役及び右ベルA役〜右ベルC役のいずれかに当選したときに、ベル28役を有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序、言い換えれば当選した重複当選領域に対して割り当てられている正解の操作順序を遊技者に報知するベル報知演出(回避報知演出)を実行可能となっている。
また、本実施の形態では、演出実行手段190は、通常ART遊技において、1セットが経過してもう1セット継続する場合に、遊技状態が第3RT状態であるときには、遊技状態が第3RT状態から他の遊技状態(本実施の形態では通常状態、内部中状態又はボーナス状態)へ移行するまで、ベル報知演出の実行を中断する。そして、通常ART遊技において、ベル報知演出の実行の中断により遊技状態が第3RT状態から通常状態へ移行した場合には、その通常状態において、演出実行手段190は、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序を遊技者に報知するリプレイ報知演出(特別報知演出)を実行するとともに、中断したベル報知演出を再開する。そして、通常ART遊技において、遊技状態が第3RT状態から通常状態へ移行し、リプレイ報知演出に従って遊技者がストップスイッチの操作を行うことにより再び第3RT状態へ移行すると、1セットの遊技回数のカウントが遊技回数カウント手段160により開始され、演出実行手段190は、この1セットの遊技回数をカウントしている状態の通常ART遊技においては、ベル報知演出を実行する。
【0071】
具体的には、演出実行手段190は、演出状態が第1AT状態で、遊技状態が通常状態又は第3RT状態でかつ遊技回数カウンタのカウント値が「1」以上である場合に、役抽選により左ベルA役〜左ベルC役、中ベルA役〜中ベルC役及び右ベルA役〜右ベルC役のいずれかに当選したときに、ベル報知演出を実行する。たとえば、演出実行手段190は、役抽選により左ベルA役に当選した場合には、ベル報知演出として、左停止スイッチ56を最初に操作する順序を遊技者に報知する。そして、この報知に従ってストップスイッチ34(56,57,58)を操作すると、ベル28役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示される。
【0072】
また、演出実行手段190は、演出状態が第1AT状態で、遊技状態が第3RT状態でかつ遊技回数カウンタのカウント値が「0」である場合に、役抽選により左ベルA役〜左ベルC役、中ベルA役〜中ベルC役及び右ベルA役〜右ベルC役のいずれかに当選したときには、ベル報知演出を実行しない。これにより、演出実行手段190は、ベル報知演出の実行を中断する。
また、演出実行手段190は、演出状態が第1AT状態で、遊技状態が通常状態でかつ遊技回数カウンタのカウント値が「0」である場合に、役抽選により左ベルA役〜左ベルC役、中ベルA役〜中ベルC役及び右ベルA役〜右ベルC役のいずれかに当選したときに、ベル報知演出を実行する。これにより、演出実行手段190は、ベル報知演出の実行を再開する。
【0073】
また、演出実行手段190は、演出状態が第2AT状態でかつ遊技状態が通常状態又は第3RT状態である場合に、役抽選により左ベルA役〜左ベルC役、中ベルA役〜中ベルC役及び右ベルA役〜右ベルC役のいずれかに当選したときに、ベル報知演出を実行する。
また、本実施の形態では、演出実行手段190は、演出状態が第1AT状態又は第2AT状態でかつ遊技状態が通常状態である場合に、役抽選によりリプレイBC役又はリプレイABC役に当選したときに、リプレイ報知演出を実行する。たとえば、演出実行手段190は、役抽選によりリプレイBC役に当選した場合には、リプレイ報知演出として、中停止スイッチ57を最初に操作する順序を遊技者に報知する。そして、この報知に従ってストップスイッチ34(56,57,58)を操作すると、リプレイC役が有効入賞ライン上に停止表示される。
【0074】
なお、ベル報知演出及びリプレイ報知演出としては、ストップスイッチ34の操作順序を1、2、3の数字で表示装置55に表示するものや、ストップスイッチ34の操作順序を、左、中、右の音声でスピーカから出力するものなどとすることができる。
(スロットマシン10の動作)
以下、図8〜図12に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10の動作の概略を説明する。まず、スロットマシン10の遊技制御装置21における処理であるメイン制御処理について説明する。
図8に示すステップ100において、遊技制御手段60により、規定枚数(本実施の形態では3枚)のメダルがベットされたか否かが判断される。ここで、ベットされたと判断されると、ステップ101に進む。一方、ベットされていないと判断されると、再度ステップ100となる。
【0075】
ステップ101において、遊技制御手段60により、スタートスイッチ33が操作されたか否かが判断される。ここで、操作されたと判断されると、ステップ102に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ101となる。
ステップ102において、役抽選手段100により、役抽選が行われるとともに、役抽選の結果が演出制御装置22に送信され、ステップ103において、回転制御手段110より、3個すべての回転リール45の回転が開始される。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、遊技制御手段60により、ストップスイッチ34が操作されたか否かが判断される。ここで、操作されたと判断されると、ステップ105に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ104となる。
【0076】
ステップ105において、停止制御手段120により、操作されたストップスイッチ34に対応する回転リール45の停止制御が行われる。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、遊技制御手段60により、すべての回転リール45の回転が停止したか否かが判断される。ここで、すべての回転リール45の回転が停止したと判断されると、ステップ107に進む。一方、すべての回転リール45の回転が停止していないと判断されると、ステップ104に戻る。
ステップ107において、停止図柄判定手段130により、有効入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせを判定する停止表示図柄判定処理が行われ、判定の結果が演出制御装置22に送信される。そして、次のステップ108に進む。
【0077】
ステップ108において、遊技制御手段60により、停止表示された図柄の組み合わせに応じた処理が行われる。たとえば、いずれかの小役を構成する図柄の組み合わせが停止表示された場合には、遊技制御手段60により、当該役に応じた枚数のメダルの払い出しが行われる。また、たとえば、いずれかの再遊技役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技制御手段60により、再遊技を実行するための処理、具体的には前回の遊技でベットした枚数と同数のメダルを自動的にベットする処理が行われる。
また、たとえば、いずれかのボーナス役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技状態移行制御手段135により、当該役に応じたボーナス状態へ遊技状態が移行され、また、たとえば、ボーナス遊技の終了条件を満たした場合には、遊技状態が第1RT状態へ移行される。また、たとえば、通常状態においてリプレイC役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技状態が第3RT状態へ移行され、また、たとえば、通常状態においてリプレイB役が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技状態が第2RT状態へ移行され、また、第1RT状態又は第3RT状態においてブランク図柄が有効入賞ライン上に停止表示された場合には、遊技状態が通常状態へ移行される。また、たとえば、第2RT状態において、所定の遊技回数(本実施の形態では30回)が経過した場合には、遊技状態が通常状態へ移行される。そして、次のステップ109に進む。
【0078】
ステップ109において、外部信号送信制御手段140により、遊技履歴表示装置24などに外部信号を送信する外部信号送信処理が行われる。具体的には、通常状態においてリプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された、すなわち遊技状態が通常状態から第3RT状態へ移行した場合に、外部信号送信基板23を介して、遊技履歴表示装置24などに小当たり信号が送信される。また、ボーナス役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された、すなわち遊技状態がボーナス状態へ移行した場合に、外部信号送信基板23を介して、遊技履歴表示装置24などに大当り信号が送信される。そして、当該メイン制御処理が終了する。
【0079】
つぎに、スロットマシン10の演出制御装置22における処理であるサブ制御処理について説明する。
図9に示すステップ200において、演出状態が通常演出状態であるか否かが判断される。ここで、演出状態が通常演出状態であると判断されると、ステップ201に進む。一方、演出状態が通常演出状態でないと判断されると、ステップ202に進む。
ステップ201において、演出状態が通常演出状態である場合における処理である通常中の処理が行われる。具体的には、たとえば、演出制御手段150により、ペナルティ期間中でない場合に、役抽選により所定の役に当選したときに、AT抽選を実行する処理が行われる。また、たとえば、演出状態切替制御手段170により、第1AT予約フラグが成立している場合に、遊技状態が通常状態へ移行したとき又は遊技状態が通常状態であるときに、第1AT状態フラグを所定の記憶領域に成立させ、演出状態を第1AT状態に設定する処理が行われる。また、たとえば、遊技回数カウント手段160により、演出状態切替制御手段170により演出状態が第1AT状態に設定されたときに、遊技回数カウンタのカウント値を「80」に設定する処理が行われる。また、たとえば、演出状態切替制御手段170により、第2AT予約フラグが成立している場合に、遊技状態が通常状態へ移行したとき又は遊技状態が通常状態であるときに、第2AT状態フラグを所定の記憶領域に成立させ、演出状態を第2AT状態に設定する処理が行われる。そして、当該サブ制御処理が終了する。
【0080】
ステップ202において、演出状態が第1AT状態であるか否かが判断される。ここで、演出状態が第1AT状態であると判断されると、ステップ203に進む。一方、演出状態が第1AT状態でないと判断されると、ステップ204に進む。
ステップ203において、演出状態が第1AT状態である場合における処理である第1AT中の処理が行われる。そして、当該サブ制御処理が終了する。
ステップ204において、演出状態が第2AT状態であるか否かが判断される。ここで、演出状態が第2AT状態であると判断されると、ステップ205に進む。一方、演出状態が第2AT状態でないと判断されると、当該サブ制御処理が終了する。
【0081】
ステップ205において、演出状態が第2AT状態である場合における処理である第2AT中の処理が行われる。そして、当該サブ制御処理が終了する。
つぎに、上述したステップ203の第1AT中の処理について説明する。
図10に示すステップ300において、演出制御手段150により、継続抽選を行う継続抽選処理が行われる。本実施の形態では、継続抽選処理は、1セットの通常ART遊技を開始するときに行われる。言い換えれば、1セットの通常ART遊技を開始するとき以外は、当該処理は行われない。そして、次のステップ301にすすむ。
ステップ301において、演出実行手段190により、報知演出に関する報知演出処理が行われる。そして、次のステップ302に進む。
【0082】
ステップ302において、遊技回数カウント手段160により、ART遊技の遊技回数をカウントする遊技回数カウント処理が行われる。具体的には、遊技状態が通常状態又は第3RT状態でかつ遊技回数カウンタのカウント値が「1」以上である場合に、たとえばスタートスイッチ33の操作を契機として、遊技回数カウンタのカウント値を「1」減算する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、遊技回数カウンタのカウント値が「0」であるか否かが判断される。ここで、「0」である(第1有利演出状態における所定の終了時)と判断されると、ステップ304に進む。一方、「0」でないと判断されると、当該第1AT中の処理が終了する。
【0083】
ステップ304において、継続抽選の結果が当選であったか否かが判断される。ここで、当選であった(所定の継続条件が成立している)と判断されると、ステップ305に進む。一方、ハズレであったと判断されると、ステップ308に進む。
ステップ305において、遊技状態が通常状態であるか否かが判断される。ここで、通常状態であると判断されると、ステップ306に進む。一方、通常状態でないと判断されると、当該第1AT中の処理が終了する。
ステップ306において、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたか否かが判断される。ここで、停止表示されたと判断されると、ステップ307に進む。一方、停止表示されていないと判断されると、当該第1AT中の処理が終了する。
【0084】
ステップ307において、遊技回数カウント手段160により、遊技回数カウンタのカウント値が「80」に設定される。これにより、継続した通常ART遊技の1セットが開始される。そして、当該第1AT中の処理が終了する。
ステップ308において、通常ART遊技を終了するための終了時初期化処理が行われる。具体的には、演出状態切替制御手段170により、演出状態が通常演出状態に設定される。また、遊技回数カウント手段160により、遊技回数カウンタのカウント値が「0」にリセットされる。そして、当該第1AT中の処理が終了する。
つぎに、上述したステップ205の第2AT中の処理について説明する。
【0085】
図11に示すステップ400において、モードが継続率モードであるか否かが判断される。ここで、継続率モードであると判断されると、ステップ401に進む。一方、継続率モードでない、すなわち遊技回数モードであると判断されると、ステップ402に進む。
ステップ401において、演出制御手段150により、継続抽選を行う継続抽選処理が行われる。本実施の形態では、継続抽選処理は、1セットの第2特殊ART遊技を開始するときに行われる。言い換えれば、1セットの第2特殊ART遊技を開始するとき以外は、当該処理は行われない。そして、次のステップ402にすすむ。
ステップ402において、演出実行手段190により、報知演出に関する報知演出処理が行われる。そして、次のステップ403に進む。
【0086】
ステップ403において、遊技回数カウント手段160により、ART遊技の遊技回数をカウントする遊技回数カウント処理が行われる。具体的には、遊技状態が通常状態又は第3RT状態でかつ遊技回数カウンタのカウント値が「1」以上である場合に、たとえばスタートスイッチ33の操作を契機として、遊技回数カウンタのカウント値を「1」減算する。そして、次のステップ404に進む。
ステップ404において、遊技回数カウンタのカウント値が「0」であるか否かが判断される。ここで、「0」である(第2有利演出状態における所定の終了時)と判断されると、ステップ405に進む。一方、「0」でないと判断されると、当該第2AT中の処理が終了する。
【0087】
ステップ405において、モードが継続率モードであるか否かが判断される。ここで、継続率モードであると判断されると、ステップ406に進む。一方、継続率モードでない、すなわち遊技回数モードであると判断されると、ステップ408に進む。
ステップ406において、継続抽選の結果が当選であったか否かが判断される。ここで、当選であった(継続条件が成立している)と判断されると、ステップ407に進む。一方、ハズレであったと判断されると、ステップ409に進む。
ステップ407において、遊技回数カウント手段160により、遊技回数カウンタのカウント値が「80」に設定される。これにより、継続した第2特殊ART遊技の1セットが開始される。そして、当該第2AT中の処理が終了する。
【0088】
ステップ408において、モードが遊技回数モードであるか否かが判断される。ここで、遊技回数モードであると判断されると、ステップ409に進む。一方、遊技回数モードでないと判断されると、当該第2AT中の処理が終了する。
ステップ409において、特殊ART遊技を終了するための終了時初期化処理が行われる。具体的には、演出状態切替制御手段170により、演出状態が通常演出状態に設定される。また、遊技回数カウント手段160により、遊技回数カウンタのカウント値が「0」にリセットされる。そして、当該第2AT中の処理が終了する。
つぎに、上述したステップ301及びステップ402の報知演出処理について説明する。
【0089】
図12に示すステップ500において、ベル役に当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ501に進む。一方、当選していないと判断されると、ステップ507に進む。
ステップ501において、演出状態が第1AT状態であるか否かが判断される。ここで、第1AT状態であると判断されると、ステップ502に進む。一方、第1AT状態でないと判断されると、ステップ503に進む。
ステップ502において、遊技回数カウンタのカウント値が「1」以上であるか否かが判断される。ここで、「1」以上であると判断されると、ステップ504に進む。一方、「1」以上でない、すなわち「0」であると判断されると、ステップ505に進む。
【0090】
ステップ503において、演出状態が第2AT状態であるか否かが判断される。ここで、第2AT状態であると判断されると、ステップ504に進む。一方、第2AT状態でないと判断されると、当該報知演出処理が終了する。
ステップ504において、遊技状態が通常状態又は第3RT状態であるか否かが判断される。ここで、通常状態又は第3RT状態であると判断されると、ステップ506に進む。一方、通常状態及び第3RT状態のいずれでもないと判断されると、当該報知演出処理が終了する。
ステップ505において、遊技状態が通常状態であるか否かが破断される。ここで、通常状態であると判断されると、ステップ506に進む。一方、通常状態でないと判断されると、当該報知演出処理が終了する。
【0091】
ステップ506において、ベル報知演出が実行される。そして、当該報知演出処理が終了する。
ステップ507において、リプレイBC役又はリプレイABC役に当選したか否かが判断される。ここで、リプレイBC役又はリプレイABC役に当選したと判断されると、ステップ508に進む。一方、リプレイBC役及びリプレイABC役のいずれにも当選していないと判断されると、当該報知演出処理が終了する。
ステップ508において、遊技状態が通常状態であるか否かが破断される。ここで、通常状態であると判断されると、ステップ509に進む。一方、通常状態でないと判断されると、当該報知演出処理が終了する。
【0092】
ステップ509において、リプレイ報知演出が実行される。そして、当該報知演出処理が終了する。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態では、演出状態が第1AT状態又は第2AT状態になると、通常状態において役抽選によりリプレイBC役又はリプレイABC役に当選したときに、リプレイ報知演出を実行する。この報知に従ってストップスイッチ34を操作すると、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示され、遊技状態が通常状態から第3RT状態へ移行する。遊技状態が通常状態から第3RT状態へ移行すると、外部信号送信基板23を介して、遊技履歴表示装置24などに小当たり信号を送信する。これにより、遊技履歴表示装置24では、ART遊技の実行回数を表示することができる。
【0093】
また、本実施の形態では、通常ART遊技において、1セットが経過した場合に、継続抽選の結果が当選であったときには、もう1セット通常ART遊技を継続する。具体的には、第1AT状態を継続する。この場合において、遊技状態が第3RT状態であるときには、遊技状態が第3RT状態から他の遊技状態(本実施の形態では通常状態、内部中状態又はボーナス状態)へ移行するまで、ベル報知演出の実行を中断する。具体的には、遊技状態が第3RT状態から他の遊技状態(本実施の形態では通常状態、内部中状態又はボーナス状態)へ移行するまで、ベル役に当選してもベル報知演出を実行しない。
そして、ベル報知演出の実行の中断により遊技状態が第3RT状態から通常状態へ移行した場合には、その通常状態において、役抽選によりリプレイBC役又はリプレイABC役に当選したときに、リプレイ報知演出を実行するとともに、中断したベル報知演出を再開する。リプレイ報知演出に従ってストップスイッチ34を操作すると、リプレイC役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示され、遊技状態が通常状態から第3RT状態へ再び移行する。遊技状態が通常状態から第3RT状態へ移行すると、外部信号送信基板23を介して、遊技履歴表示装置24などに小当たり信号を送信する。そして、1セットの遊技回数のカウントを開始し、1セットの通常ART遊技を開始する。これにより、通常ART遊技を1セット実行する度に、遊技履歴表示装置24などに小当たり信号を送信するようにすることができるようになる。
【0094】
すなわち、本実施の形態では、通常ART遊技においては、1セットが経過してもう1セット通常ART遊技を実行する場合には、ベル報知演出の実行を中断することにより遊技状態を第3RT状態から他の遊技状態へ移行させ、再び第3RT状態へ移行させるようにしている。これにより、本実施の形態によれば、通常ART遊技を1セット実行する度に、遊技履歴表示装置24などに小当たり信号を送信するようにすることができるので、遊技履歴表示装置24に表示されるART遊技の実行回数の見栄えを良くすることができ、遊技者に遊技を行う動機を与えることができる。
これに対して、第2特殊ART遊技においては、1セットが経過してもう1セット第2特殊ART遊技を実行する場合には、ベル報知演出の実行を中断することなく、1セットの遊技回数のカウントを開始し、1セットの第2特殊ART遊技を開始する。これにより、本実施の形態によれば、第2特殊ART遊技において、1セットが経過してもう1セット第2特殊ART遊技を実行する場合に、ベル役に当選したときにベル役を取りこぼして、ブランク図柄を停止表示させて、遊技状態を第3RT状態から通常状態へ移行させる必要はないので、メダルのロスが無くなり、第2特殊ART遊技の出玉率を通常ART遊技よりも高くすることができる。具体的には、通常ART遊技においては、1セットが経過してもう1セットを開始するまでにベル役を取りこぼして、ブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させなければならないので、1セットが経過してもう1セットを実行する度に、メダルのロスが生じる。これに対して、第2特殊ART遊技においては、1セットが経過してもう1セットを開始するまでに、ベル役を取りこぼしてブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させる必要はないので、メダルのロスが無くなり、これにより、第2特殊ART遊技の出玉率を通常ART遊技よりも高くすることができる。
【0095】
以上より、本実施の形態では、出玉率の異なる複数種類のART遊技を実行可能となっているので、遊技の興趣を向上させることができる。なお、本実施の形態では、第1特殊ART遊技も通常ART遊技よりも出玉率が高くなっている。
また、本実施の形態では、演出状態が第1AT状態でかつ遊技状態が第3RT状態である遊技(通常ART遊技)において、ベル報知演出の実行が中断されている期間は、メダルのロスが生じるので、演出状態が第1AT状態又は第2AT状態で遊技状態が第3RT状態でかつベル報知演出を実行する遊技よりも、同一の遊技回数を基準として遊技者にとって不利な遊技となっている。
【0096】
また、通常状態は、再遊技役の当選確率が第3RT状態よりも低いので、演出状態が第1AT状態でかつ遊技状態が通常状態である遊技は、演出状態が第1AT状態又は第2AT状態でかつ遊技状態が第3RT状態である遊技よりも、同一の遊技回数を基準として遊技者にとって不利な遊技となっている。
また、本実施の形態では、第2AT状態を第2有利演出状態としたが、詳細には、演出状態が第2AT状態であってモードが継続率モードである状態を第2有利演出状態ということができる。
(他の実施の形態)
また、上述した実施の形態では、第2AT状態におけるモードは、遊技回数モードと、継続率モードとであるが、これに限られるものではない。たとえば、モードとして、セット数モードや、上乗せモードなどを設けることができる。そして、セット数モードの場合には、演出制御手段150は、モードを決定したときに、セット数を決定し、1セットが経過する度に、決定したセット数を減算し、セット数が無くなるまで、ART遊技を継続するようにすることができる。また、上乗せモードの場合には、演出制御手段150は、モードを決定したときに、遊技回数を決定し、ART遊技中における所定の契機(たとえば、いずれかの役の当選や、毎遊技の実行)により、遊技回数を加算し、具体的には遊技回数カウンタのカウント値に所定の値を加算し、遊技回数が無くなるまで、具体的には遊技回数カウンタのカウント値が「0」になるまで、ART遊技を継続するようにすることができる。なお、これらのモードにおいては、遊技回数モードや、継続率モードにおいて遊技者が獲得できるメダルの期待値と同様となるように各種の値(たとえばセット数モードにおいてはセット数や、上乗せモードにおいては遊技回数を加算する確率や、加算する遊技回数など)を設定することができる。
【0097】
また、上述した実施の形態では、上記した上乗せモードと同様に、ART遊技中における所定の契機により、ART遊技の遊技回数を加算するようにすることもできる。
また、上述した実施の形態では、ベル役に当選したときに、ストップスイッチ34の操作態様に応じて、当選したベル役を構成する図柄の組み合わせ又はブランク図柄を有効入賞ライン上が停止表示されるようにしたが、これに限られるものではない。たとえば、左リール46に「赤7」「青7」及び「BAR」の図柄を互いに引き込み範囲より離間して配列し、「赤7」「ベル」「ベル」により構成される赤7ベル役、「青7」「ベル」「ベル」により構成される青7ベル役及び「BAR」「ベル」「ベル」により構成されるBARベル役を設定し、役抽選により赤7ベル役、青7ベル役又はBARベル役に単独当選したときに、当選した役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させることができないときに、ブランク図柄を有効入賞ライン上に停止表示させるようにすることができる。この場合には、演出実行手段190は、第1AT状態又は第2AT状態において、役抽選により役抽選により赤7ベル役、青7ベル役又はBARベル役に単独当選したときに、当選した役を遊技者に報知する報知演出を実行することができる。さらに、通常ART遊技においては、1セットが経過してもう1セット通常ART遊技を実行する場合には、この報知演出の実行を中断するようにすることができる。つまり、この場合には、この報知演出が「回避報知演出」に相当することとなる。
【0098】
また、上述した実施の形態では、いずれの役をも構成しないブランク図柄を、「第1図柄組み合わせ」としたが、「第1図柄組み合わせ」としては、役を構成する図柄の組み合わせであってもよい。具体的には、たとえば、正解役(特定役)と、正解役とは異なる不正解役とを設け、正解役と不正解役とが重複して当選する重複当選領域を複数設定する。また、これらの複数の重複当選領域のそれぞれに対して、ストップスイッチ34の操作順序(正解の操作順序)を割り当てる。また、正解役及び不正解役のそれぞれを構成する図柄の組み合わせは、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるように配列する。また、不正解役の払い出し枚数を、正解役の払い出し枚数より少なく設定する。
【0099】
そして、正解の操作順序でストップスイッチ34の操作が行われた場合には、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、不正解役に優先して正解役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させ、正解の操作順序以外の操作順序でストップスイッチ34の操作が行われた場合には、ストップスイッチ34の操作のタイミングに関わらず、正解役に優先して不正解役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させる。このような場合には、不正解役を構成する図柄の組み合わせを、「第1図柄組み合わせ」とすることができる。すなわち、「第1図柄組み合わせ」としては、特定役よりも払い出し枚数の少ない役を構成する図柄の組み合わせとすることができる。
【0100】
また、上述した実施の形態では、演出実行手段190は、演出状態が第1AT状態で、遊技状態が第3RT状態でかつ遊技回数カウンタのカウント値が「0」である場合に、ベル報知演出を実行しないことにより、ベル報知演出の実行を中断するものであるがこれに限られるものではない。たとえば、演出実行手段190は、演出状態が第1AT状態で、継続抽選の結果が当選でかつ遊技回数カウンタのカウント値が「0」になったときに、ベル報知演出中断フラグを所定の記憶領域に成立させ、遊技状態が第3RT状態から他の遊技状態へ移行したときに、ベル報知演出中断フラグを消去するようにし、ベル報知演出中断フラグが成立しているときには、ベル役に当選してもベル報知演出を実行しないようにし、ベル報知演出中断フラグが成立していないときには、ベル報知演出を実行するようにすることができる。すなわち、ベル報知演出の実行を中断する中断期間を設定することができる。このようにしても、ベル報知演出の実行を中断することができる。
【0101】
また、上述した実施の形態では、第3RT状態(第1状態)からは通常状態へ移行するものであるが、これに限られるものではない。たとえば、第3RT状態から第1RT状態や第2RT状態へ移行するようにしてもよい。また、たとえば、遊技状態としてさらに、第4RT状態などを設け、第3RT状態から第4RT状態などへ移行するようにしてもよい。なお、これらの場合における遊技状態の移行条件については、適宜設定することができる。すなわち、「第1状態」から移行する「特定の遊技状態」については、通常状態に限られるものではない。
また、上述した実施の形態では、第3RT状態(第1状態)へ移行する遊技状態は、通常状態であるが、これに限られるものではない。たとえば、第1RT状態や、第2RT状態から第3RT状態へ移行するようにしてもよい。また、たとえば、遊技状態としてさらに、第4RT状態などを設け、第4RT状態から第3RT状態などへ移行するようにしてもよい。なお、これらの場合における遊技状態の移行条件については、適宜設定することができ、たとえば、所定の遊技回数の経過などを移行条件とすることができる。すなわち、「第1状態」への移行条件については特に限定されるものではない。また、上述した実施の形態では、通常状態から第3RT状態へ移行したことを契機に、小当たり信号(特定の外部信号)を送信するようにしているが、「特定の外部信号」を送信する契機としては、通常状態から第3RT状態への移行に限られるものではなく、予め定められた所定の遊技状態から第1状態への移行を契機とすることができる。
【0102】
また、上述した実施の形態では、遊技状態が第3RT状態から他の遊技状態へ移行したときに、中断したベル報知演出を再開するようにしたが、これに限られるものではなく、再開のタイミングとしては、遊技状態が第3RT状態(第1状態)から他の遊技状態へ移行した後から再び第3RT状態へ移行するまでの間であればいつでもよい。
また、上述した実施の形態では、遊技回数カウント手段160は、演出状態が第1AT状態に設定されたときに、遊技回数カウンタのカウント値を「80」に設定し、遊技回数のカウントを開始するものであるが、遊技回数のカウントを開始するタイミングとしては、これに限られるものではない。たとえば、遊技回数カウント手段160は、演出状態が第1AT状態に設定された後に、遊技状態が第3RT状態へ移行したことを契機に、遊技回数のカウントを開始するようにしてもよい。なお、遊技回数カウント手段160は、第1特殊ART遊技及び第2特殊ART遊技についても、同様のタイミングで、遊技回数のカウント開始するようにすることができる。
【0103】
また、上述した実施の形態では、通常ART遊技は、通常遊技から移行するものであるがこれに限られるものではなく、たとえば、第1特殊ART遊技又は第2特殊ART遊技から移行するようにしてもよい。具体的には、たとえば、演出制御手段150は、第1特殊ART遊技又は第2特殊ART遊技において、所定の契機により、演出状態を第1AT状態に切り替えることを決定し、第1AT予約フラグを所定の記憶領域に成立させる。そして、演出状態切替制御手段170は、第1特殊ART遊技又は第2特殊ART遊技が終了した場合に、第1AT予約フラグが成立しているときに、演出状態を第1AT状態に設定することができる。この場合には、演出実行手段190は、遊技状態が第3RT状態である場合には、遊技状態が第3RT状態から通常状態へ移行するまで、ベル報知演出の実行を中断し、ベル報知演出の実行の中断により遊技状態が第3RT状態から通常状態へ移行したときには、その通常状態において、リプレイ報知演出を実行するとともに、中断したベル報知演出を再開するようにすることができる。
【0104】
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。
【符号の説明】
【0105】
10 スロットマシン(遊技機) 24 遊技履歴表示装置(外部装置)
33 スタートスイッチ 34 ストップスイッチ
45 回転リール
100 役抽選手段 120 停止制御手段
135 遊技状態移行制御手段 140 外部信号送信制御手段
150 演出制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲に複数の図柄が付された複数の回転リールと、
すべての回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
各回転リールに対応して設けられかつ各回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチと、を備え、
遊技媒体のベットにより遊技の開始を可能とし、スタートスイッチの操作を条件として回転リールの回転を開始させ、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行い、該抽選の結果及びストップスイッチの操作に基づいて回転リールの回転を適位置で停止させ、当選した役を構成する図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたか否かの判定を行い、該判定の結果に応じて所定の利益を遊技者に付与する又は付与しないことで1回の遊技が終了する遊技機であって、
少なくとも第1状態を含む複数の遊技状態の間で遊技状態の移行を制御する遊技状態移行制御手段と、
遊技機外部の外部装置に送信する信号である外部信号の送信を制御する外部信号送信制御手段と、
少なくとも第1有利演出状態と第2有利演出状態とを含む複数の演出状態の間で演出状態を移行させ、演出状態が第1有利演出状態又は第2有利演出状態である場合に、第1の特定の図柄の組み合わせ(以下、「第1図柄組み合わせ」とする。)が有効入賞ライン上に停止表示されることを回避するための回避報知演出を実行可能な演出制御手段と、を備え、
遊技状態移行制御手段は、
第1状態において、第1図柄組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合に、予め定められた特定の遊技状態へ遊技状態を移行させ、
外部信号送信制御手段は、
遊技状態が第1状態へ移行したときに、特定の外部信号を外部装置に送信し、
演出制御手段は、
第1有利演出状態における所定の終了時において、所定の継続条件が成立しているときには、第1有利演出状態を継続し、所定の継続条件が成立していないときには、第1有利演出状態を終了し他の演出状態へ移行させ、
第2有利演出状態における所定の終了時において、第1有利演出状態の所定の継続条件と同一又は異なる継続条件が成立しているときには、第2有利演出状態を継続し、その継続条件が成立していないときには、第2有利演出状態を終了し他の演出状態へ移行させ、
演出制御手段は、
演出状態が第1有利演出状態又は第2有利演出状態である場合には、原則として、回避報知演出を実行するものの、第1有利演出状態が継続した場合に、遊技状態が第1状態であるときには、遊技状態が第1状態から他の遊技状態へ移行するまで回避報知演出の実行を中断し、遊技状態が第1状態から他の遊技状態へ移行した後は、回避報知演出の実行を再開可能とするとともに、少なくとも、遊技状態が第1状態から他の遊技状態へ移行した後に再び第1状態へ移行したときには、その第1状態においては、回避報知演出を実行し、
第2有利演出状態が継続した場合に、遊技状態が第1状態であるときには、回避報知演出の実行を中断することなく回避報知演出を実行し、
第1有利演出状態において回避報知演出の実行を中断してから再開するまでの間のうちの少なくとも一部の期間の遊技は、第1有利演出状態又は第2有利演出状態において回避報知演出を実行する遊技よりも、同一の遊技回数を基準として遊技者にとって不利な遊技となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技状態として、第2状態を備え、
複数の役のいずれかに当選か又はハズレかをあらかじめ定めた役抽選テーブルを有し、遊技状態に応じていずれかの役抽選テーブルを参照して、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段を備え、
役抽選手段は、
第2状態においては、第1状態において参照される役抽選テーブルよりも遊技者にとって不利に設定された役抽選テーブルを参照して役抽選を行うように形成され、
遊技状態移行制御手段は、
第2状態において、第2の特定の図柄の組み合わせ(以下、「第2図柄組み合わせ」とする。)が有効入賞ライン上に停止表示された場合に、遊技状態を第1状態へ移行させ、
第1状態において、第1図柄組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合に、特定の遊技状態としての第2状態へ遊技状態を移行させるように形成され、
演出制御手段は、
継続した第1有利演出状態において、遊技状態が第1状態から第2状態へ移行したときには、その第1状態において、第2図柄組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるための特別報知演出を実行するとともに、中断した回避報知演出の実行を再開するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
特定役を含む複数の役のいずれかに当選か又はハズレかをあらかじめ定めた役抽選テーブルを有し、遊技状態に応じていずれかの役抽選テーブルを参照して、特定役を含む複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段と、
役抽選の結果と、各ストップスイッチが操作された際における対応する回転リールの回転位置とに基づいて、各回転リールの回転を適位置で停止させる停止制御を行う停止制御手段と、を備え、
少なくとも第1状態において参照される役抽選テーブルには、特定役を含む複数の役に重複して当選する重複当選領域が設定され、
停止制御手段は、
役抽選により特定役を含む複数の役に重複して当選した場合には、ストップスイッチの操作態様に応じて、特定役を構成する図柄の組み合わせ又は第1図柄組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることがあるように回転リールの回転を停止させるように形成され、
演出制御手段は、
回避報知演出として、特定役を構成する図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチの操作態様を遊技者に報知するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−13594(P2013−13594A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148957(P2011−148957)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】