説明

適応型受信システム、適応型送受信システム及び複数チャネル送受信システム

【課題】ロックポイント付近におけるサンプリングクロックの位相の調整と、イコライザ部の制御とを安定させ、ジッタトレランスを高める。
【解決手段】位相比較部は、サンプリングタイミングとサンプリングタイミングよりも第一の所定位相分前のタイミングとの間の第一区間に、等化信号EQDATAのエッジが存在するか否かを示す位相比較信号LAG(n)を出力するとともに、サンプリングタイミングとサンプリングタイミングよりも第二の所定位相分後のタイミングとの間の第二区間に、等化信号EQDATAのエッジが存在するか否かを示す位相比較信号LEAD(n)を出力する。判定部は、検出データパターンの各ビットに対応する位相比較信号LAG(n),LEAD(n)の出力パターンを所定の比較対象パターンと比較し、合致するか否かに基づいて、等化信号EQDATAの1ビットがサンプリングクロックCKの1周期よりも長いか短いかを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適応型送信システムにより出力された送信信号を差動伝送路を介して受信信号として受信する適応型受信システム、当該適応型受信システムを備えた適応型送受信システム、及び当該適応型送受信システムを複数備えた複数チャネル送受信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、送信機からのデジタル信号を受信して周波数特性を変更するイコライザと、イコライザのゲインを調整する受信機ロジックとを備えた受信機が開示されている。この受信機では、前記受信機ロジックが、イコライザの出力をあるデータ点でサンプリングすることによりデータ値を生成するとともに、イコライザの出力をあるデータの境界点でサンプリングすることにより境界値を生成し、生成したデータ値と境界値とに基づいて前記イコライザのゲインを調整する。
【0003】
特許文献2には、入力デジタル信号に基づいてクロック信号を復元するクロックデータ復元装置が開示されている。このクロックデータ復元装置は、イコライザ部とサンプラ部とクロック生成部とイコライザ制御部とを備えている。前記イコライザ部は、入力デジタル信号のレベルを調整して調整後のデジタル信号を出力する。前記サンプラ部は、イコライザ部により出力されたデジタル信号に対し、データのビットの遷移タイミングを示すクロックCKXによるサンプリングを行って値DX(n)を取得するとともに、各ビット期間の中央時刻を示すクロックCKによるサンプリングを行って値D(n)を取得する。また、前記クロック生成部は、前記クロックCKX、及びクロックCKの位相を、特許文献2の図2に示すように、「D(n−1)≠DX(n−1)=D(n)」が成立しているときに有意値となるUP信号(位相比較信号)と、「D(n−1)=DX(n−1)≠D(n)」が成立しているときに有意値となるDN信号(位相比較信号)とに基づいて調整する。前記イコライザ制御部は、値D(n)と値DX(n)とに基づいて、イコライザ部により入力デジタル信号に付加されるオフセット電圧値を制御する。
【0004】
特許文献3には、入力データとサンプリングクロックとの位相を比較し、比較結果に応じてサンプリングクロックを生成するクロックデータリカバリ回路であって、サンプリングクロックのエッジが入力データのエッジから所定間隔以上離れるようにサンプリングクロックの位相を変化させるようにしたものが開示されている。
【0005】
特許文献4には、送信側LSIと受信側LSIとを差動伝送経路により接続した転送装置が開示されている。前記送信側LSIは、プリエンファシス回路と、所定のアルゴリズムにしたがって擬似乱数パターンを生成する擬似乱数パターン発生器とを備える。一方、前記受信側LSIは、入力バッファアンプと、前記送信側LSIの擬似乱数パターン発生器により生成された疑似乱数パターンを、前記擬似乱数パターン発生器と同じアルゴリズムで生成した期待値パターンと比較する擬似乱数パターン比較器とを備えている。前記擬似乱数パターン比較器による比較結果に基づいて、送信側LSIのプリエンファシス回路のプリエンファシス量、及び受信側LSIの入力バッファアンプのオフセット量が調節される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−22537号公報
【特許文献2】特開2008−99017号公報
【特許文献3】特開2004−180188号公報
【特許文献4】特開2008−22392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献2では、ロックポイント付近でも常に位相比較信号が出力され続けるため、ロックポイント付近におけるサンプリングクロックの位相の調整、及びイコライザ部の適応制御動作がいずれも不安定であり、ジッタトレランスが低くなる。さらに、サンプリングクロックの位相の調整と、イコライザ部により入力デジタル信号に付加されるオフセット電圧値の制御とが、いずれも値D(n)と値DX(n)とに基づいて行われるので、サンプリングクロックの位相の調整とオフセット電圧値の制御とが干渉し合い、それぞれが誤ロックしてしまう恐れがある。
【0008】
また、上記特許文献1には、イコライザの出力のサンプリングに用いられるクロックの生成方法は記載されていない。
【0009】
また、上記特許文献3では、イコライザが搭載されていないため、ISI(Inter-Symbol Interference)の影響を低減できない。サンプリングクロックの位相の調整、及びイコライザの適応制御の双方の安定性を向上させなければ、高速化を実現できない。
【0010】
また、上記特許文献4では、受信側LSIの入力バッファアンプのオフセット量だけでなく、送信側LSIのプリエンファシス回路のプリエンファシス量も調節するので、差動伝送経路の信号減衰が大きい場合でも安定した信号伝送を行える。しかし、プリエンファシス量の最適化を行うために、擬似乱数パターンによるトレーニングを行う時間を設ける必要がある。また、トレーニングにより得たプリエンファシス量を用いて通常の伝送を開始した後に、温度変化やEMI(Electro Magnetic Interference)等の環境変化が差動伝送経路に生じる場合がある。このような場合に前記プリエンファシス量を変化後の環境に適応させるためには、通常の伝送を中断して再度トレーニングを行う必要がある。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロックポイント付近におけるサンプリングクロックの位相の調整と、イコライザ部の制御とを安定させ、ジッタトレランスを高めることにある。また、疑似乱数パターンによるトレーニングを行わずに、プリエンファシス量の最適化を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様に係る適応型受信システムは、適応型送信システムにより出力された送信信号を差動伝送路を介して受信信号として受信し、前記送信信号は前記適応型送信システムが論理信号に対してプリエンファシスを施すことにより得たものである適応型受信システムであって、等化強度を示す強度調節信号に基づいて前記受信信号を等化し、等化信号を出力するイコライザ部と、サンプリングクロックと、当該サンプリングクロックよりも第一の所定位相進んだ第一クロックとに基づいて、サンプリングタイミングと当該サンプリングタイミングよりも前記第一の所定位相分前のタイミングとの間の第一区間に、前記等化信号のエッジが存在するか否かを示す第一の位相比較信号を出力するとともに、前記サンプリングクロックと、当該サンプリングクロックよりも第二の所定位相遅れた第二クロックとに基づいて、サンプリングタイミングと当該サンプリングタイミングよりも前記第二の所定位相後のタイミングとの間の第二区間に、前記等化信号のエッジが存在するか否かを示す第二の位相比較信号を出力し、前記第一区間及び第二区間は、前記等化信号と前記サンプリングクロックとの位相が一致した状態において前記等化信号のエッジを含まないように設定された位相比較部と、前記第一及び第二の位相比較信号に基づいて、前記等化信号と前記サンプリングクロックとの位相を一致させるように、前記サンプリングクロックの位相を調整して出力するクロック調整部と、前記等化信号に対して前記サンプリングクロックによるサンプリングを行うことにより得られる復元信号から、少なくとも2箇所のビット反転を含む連続する3ビット以上の検出データパターンを検出するパターン検出部と、前記パターン検出部により検出された検出データパターンの各ビットに対応する前記第一及び第二の位相比較信号の出力パターンを所定の比較対象パターンと比較し、合致するか否かに基づいて、前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも長いか短いかを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に基づいて前記強度調節信号を調節する適応制御用フィルタ部と、前記強度調節信号により示される等化強度が予め設定された上限閾値以上である場合に、前記プリエンファシスの強度を高めることを要求する制御信号を前記適応型送信システムに出力する第1制御と、前記強度調節信号により示される等化強度が予め設定された下限閾値以下である場合に、前記プリエンファシスの強度を低くすることを要求する制御信号を前記適応型送信システムに出力する第2制御とのうちの少なくとも一方を実行するプリエンファシス制御部を備えていることを特徴とする。
【0013】
この態様によると、等化信号のエッジがサンプリングタイミング前後の第一区間と第二区間に存在するか否かに基づいて、第一及び第二の位相比較信号が生成される。したがって、等化信号とサンプリングクロックとの位相が一致した状態、すなわちロックポイント付近において、第一及び第二の位相比較信号の値が安定し、サンプリングクロックの位相の調整が行われない。したがって、高周波ノイズに対するトレランスが高く保たれるとともに、安定したイコライザの適応動作が可能になる。また、サンプリングクロックの位相の調整と、等化強度の制御との干渉を抑制できる。
【0014】
また、検出データパターンが復元信号に含まれていれば、サンプリングクロックの位相、イコライザ部の等化強度、及びプリエンファシスの強度を調整することができる。
【0015】
さらに、強度調節信号により示される等化強度が予め設定された上限閾値以上である場合に、前記プリエンファシスの強度を高めることを要求する制御信号を前記適応型送信システムに出力する第1制御と、前記強度調節信号により示される等化強度が予め設定された下限閾値以下である場合に、前記プリエンファシスの強度を低くすることを要求する制御信号を前記適応型送信システムに出力する第2制御とのうちの少なくとも一方が実行される。これにより、差動伝送路における信号減衰が大きく、イコライザ部単独の等価強度の調節可能範囲内で十分に安定化を図ることができない場合でも、適応型送信システムにプリエンファシスの強度を調節させることにより、等化信号を適当な強度にして信号伝送を安定化させることができる。したがって、イコライザ部単独で等化強度を調節する場合よりも、より広い制御レンジで適当な強度の等化信号を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、高周波ノイズに対するトレランスが高く保たれるとともに、安定したイコライザの適応動作が可能になる。また、サンプリングクロックの位相の調整と、等化強度の制御との干渉を抑制できる。
【0017】
また、検出データパターンが復元信号に含まれていれば、復元信号から検出データパターンを検出することにより、サンプリングクロックの位相、イコライザ部の等化強度、及びプリエンファシスの強度の調整が可能になるので、擬似乱数パターンによるトレーニングを行う時間を設ける必要がない。また、受信信号の受信を開始した後に、温度変化やEMI等の環境変化が差動伝送経路に生じても、復元信号から検出データパターンが検出されれば、受信を中断することなく、サンプリングクロックの位相、イコライザ部の等化強度、及びプリエンファシスの強度を変化後の環境に適応させることができる。
【0018】
さらに、イコライザ部単独で等化強度を調節する場合よりも、より広い制御レンジで適当な強度の等化信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1に係る適応型送受信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るプリエンファシス部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る適応型受信システムの構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は、本発明の実施形態1に係るイコライザ部の構成を示す回路図である。(b)は、本発明の実施形態1に係るイコライザ部の周波数とイコライザ強度(等化強度)との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施形態1に係るクロックデータリカバリ部の位相比較動作を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施形態1に係る適応制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る送信波形が、時間幅がちょうど1UI(Unit Interval)の孤立ビットを含む場合における等化信号及び復元信号等を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の実施形態1に係る孤立ビットの時間幅の判定アルゴリズムを説明する説明図である。
【図9】本発明の実施形態1に係る孤立ビットの時間幅の判定アルゴリズムを説明する説明図である。
【図10】本発明の実施形態1に係る適応制御用フィルタ部の状態遷移を示す状態遷移図である。
【図11】本発明の実施形態1に係るグレイコードにより表された強度調節信号を示す説明図である。
【図12】(a)は、本発明の実施形態1に係る適応型送受信システム1において、制御信号CTRDTの転送時における信号の流れを示す説明図である。(b)は、適応型送信システム20がプリエンファシスの強度調整に対応していない場合の制御信号CTRDTの転送時における信号の流れを示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態1の変形例2に係る適応制御部の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施形態1の変形例2に係るパターン検出部により検出される検出データ列と、各検出データ列に対応するフィルタ段数とを示す説明図である。
【図15】本発明の実施形態2に係る複数チャネル送受信システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、他の実施形態と同様の機能を有する構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0021】
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る適応型送受信システム1を示す。この適応型送受信システム1は、適応型送信システム20と適応型受信システム10と両者間に接続された差動伝送路30及び制御バス40とを備えている。
【0022】
適応型送信システム20は、TXロジック21と、TX制御部22と、プリエンファシス部23と、TXドライバ24とを備えている。
【0023】
TXロジック21は、論理信号LGDATAを生成する。
【0024】
TX制御部22は、制御バス40を経由して適応型受信システム10から入力される制御信号CTRDTに応じてプリエンファシスの強度調節信号EMPADJを出力する。
【0025】
プリエンファシス部23は、TXロジック21により生成された論理信号LGDATAに対してプリエンファシスを施し、送信信号TXOUTを得る。このプリエンファシス部23によるプリエンファシスは、TX制御部22により出力される強度調節信号EMPADJに応じた強度により施される。
【0026】
詳しくは、プリエンファシス部23は、図2に示すように、増幅器231と遅延素子232aと増幅器232と加算器233とを備えている。
【0027】
増幅器231は、TXロジック21により生成された論理信号LGDATAを増幅する。
【0028】
遅延素子232aは、サンプリングクロックの1周期だけ論理信号LGDATAを遅延させて出力する。
【0029】
また、増幅器232は、遅延素子232aの出力、すなわち増幅器231により増幅される論理信号LGDATAの1ビット前の論理信号LGDATAを増幅する。
【0030】
増幅器231と増幅器232の増幅率はそれぞれ可変であり、TX制御部22により出力された強度調節信号EMPADJに応じて切り替えられる。
【0031】
加算器233は、増幅器231の出力と増幅器232の出力とを加算して出力する。
【0032】
なお、適応型受信システム10と適応型送信システム20との接続直後、すなわち適応型受信システム10による受信信号RXDATAの受信開始直後において、強度調節信号EMPADJにより設定されるプリエンファシスの強度は、適応型送信システム20のプリエンファシス部23により設定可能な強度の範囲における最高値と最低値との中間値となる。
【0033】
なお、本実施形態では増幅器の搭載数を2個としているが、増幅器の搭載数を1個にしても、3個以上にしてもよい。また、プリエンファシス部23の構成は、図2の例に限らず、プリエンファシスの強度を調節できるものであれば、他の構成であってもよい。
【0034】
TXドライバ24は、プリエンファシス部23によって得られた送信信号TXOUTを差動伝送路30に出力する。
【0035】
図3は、適応型受信システム10を示す。この適応型受信システム10は、イコライザ部11とクロックデータリカバリ部12と適応制御部13とプリエンファシス制御部16とを備えている。イコライザ部11は、差動伝送路30を通過し歪の生じた受信信号RXDATAを受信し、波形等化を行って等化信号EQDATAを出力する。クロックデータリカバリ部12は、イコライザ部11により出力された等化信号EQDATAからクロックを抽出し、抽出したクロックによるサンプリングにより復元信号RDOUTを取得する。
【0036】
図4(a)は、イコライザ部11を示す。イコライザ部11は、1対のnMOSトランジスタ11a,11bと、nMOSトランジスタ11a,11bのソース間に接続された抵抗11cと、nMOSトランジスタ11a,11bのソース間に接続されたコンデンサ11dと、上記nMOSトランジスタ11aに電流を流す電流源11eと,上記nMOSトランジスタ11bに電流を流す電流源11fと、上記nMOSトランジスタ11aのドレイン側に直列に接続された抵抗11gと、上記nMOSトランジスタ11bのドレイン側に直列に接続された抵抗11hとを備えている。
【0037】
抵抗11cの抵抗値は、強度調節信号EQADJによって調節される。強度調節信号EQADJによって抵抗11cの抵抗値を調節することにより、DCゲインを調節できる。抵抗11cの抵抗値を大きくすることによりDCゲインを小さくすると、DCゲインに対して高周波ゲインが相対的に高くなる一方、抵抗11cの抵抗値を小さくすることによりDCゲインを大きくすると、DCゲインに対して高周波ゲインが相対的に低くなる。したがって、強度調節信号EQADJによって抵抗11cの抵抗値を調節することにより、等化強度を調節できる。図4(b)は、周波数とイコライザ強度(等化強度)との関係を示す。強度調節信号EQADJは連続信号であってもよいし、離散信号であってもよい。なお、イコライザ部11として他の構成のイコライザを用いてもよい。例えば、図4(a)に示したイコライザ部11を多段に接続した回路や、FFE(Feed-Forward Equalizer)やDFE(Decision Feedback Equalizer)のような離散イコライザをイコライザ部11として用いてもよい。
【0038】
クロックデータリカバリ部12は、位相比較部101と、クロック調整部102とを備えている。
【0039】
位相比較部101は、等化信号EQDATAのエッジとサンプリングクロックCKのエッジとの位相差を比較し、第一の位相比較信号LAG及び第二の位相比較信号LEADを出力する。
【0040】
クロック調整部102は、第一の位相比較信号LAG及び第二の位相比較信号LEADに基づいて、サンプリングクロックCKと、位相比較ウィンドウを規定する第一のクロックCKLAG及び第二のクロックCKLEADとに対し、位相の調整を行って出力する。位相の調整は、等化信号EQDATAとサンプリングクロックCKとの位相を一致させるように行われる。
【0041】
図5は、クロックデータリカバリ部12の位相比較動作を示す。クロックデータリカバリ部12の位相比較部101は、第一のクロックCKLAGと第二のクロックCKLEADとにより規定される位相比較ウィンドウに等化信号EQDATAのエッジが存在した場合に位相比較信号を出力する。詳しくは、位相比較部101は、第一のクロックCKLAGとサンプリングクロックCKとにより規定される第一区間、すなわち、第一のクロックCKLAGの立ち上がりエッジとサンプリングクロックCKの立ち上がりエッジとの間に等化信号EQDATAのエッジが存在した場合、第一のクロックCKLAG、サンプリングクロックCK、及び第二のクロックCKLEADの位相をそれぞれ遅らせるための第一の位相比較信号LAGを出力する。また、位相比較部101は、サンプリングクロックCKと第二のクロックCKLEADとにより規定される第二区間、すなわち、サンプリングクロックCKの立ち上がりエッジと第二のクロックCKLEADの立ち上がりエッジとの間に等化信号EQDATAのエッジが存在した場合、第一のクロックCKLAG、サンプリングクロックCK、及び第二のクロックCKLEADの位相をそれぞれ進ませるための第二の位相比較信号LEADを出力する。第一区間及び第二区間は、等化信号EQDATAとサンプリングクロックCKとの位相が一致した状態において等化信号EQDATAのエッジを含まないように設定され、例えば、サンプリングクロックCKの周期、すなわち1UIの1/3以下に設定される。
【0042】
また、クロックデータリカバリ部12の位相比較部101は、等化信号EQDATAに対してサンプリングクロックCKによるサンプリングを行うことにより復元信号RDOUTを得る。
【0043】
適応制御部13は、位相比較部101により得られた復元信号RDOUTと、第一の位相比較信号LAGと、第二の位相比較信号LEADとを受信し、イコライザ部11の等化状態を判別する。適応制御部13は、連続した少なくとも3ビットの復元信号RDOUTの各ビット毎に、対応するサンプリングクロックCKの立ち上がりエッジの直前、及び直後に存在する位相比較区間において第一の位相比較信号LAG、及び第二の位相比較信号LEADがそれぞれ活性化されたか否かを判別する。そして、判別結果を予め規定された出力パターンと比較することによって1ビットの時間幅を推定する。適応制御部13は、推定した1ビットの時間幅が1UIより大きい場合には等化強度を低くするように強度調節信号EQADJを調節する一方、推定した1ビットの時間幅が1UIより小さい場合には等化強度を高めるように強度調節信号EQADJを調節する。位相比較ウィンドウが所定の範囲に制限され、位相比較を行わない区間が存在する場合でも、連続した少なくとも3ビットの復元信号RDOUTの各ビット毎に、復元信号RDOUTと、第一の位相比較信号LAGと、第二の位相比較信号LEADとを参照することにより、1ビットの時間幅を推定することが可能である。また、位相比較ウィンドウが制限されているため、ロック時に位相比較ウィンドウ外に等化信号EQDATAのエッジが集中し、位相比較信号が活性化しない。したがって、最適な等化強度でISIを除去するとともにロックポイントでの安定性を確保でき、かつ高周波ノイズに対するトレランスを高めることができる。
【0044】
ここで、適応制御部13の詳細な構成及び動作について説明する。適応制御部13は、図6に示すように、パターン検出部103、判定部104、及び適応制御用フィルタ部105を備えている。
【0045】
パターン検出部103は、復元信号RDOUTから、予め規定された検出データパターンを検出した場合に、活性化された検出フラグ信号PTFRGを出力する。検出データパターンは、kビットの連続する0の後に010が続くパターン、及びkビットの連続する1の後に101が続くパターンである。ここで、kは0以上の整数である。ISIによる歪みの大きさは、到来するパターンに大きく依存する。図7に示すように、複数回連続して同一データが到来した後、反転した1ビットのデータが到来し、さらに反転したデータが到来する場合、例えばデータパターンが00010や11101である場合、ISIの影響が強く生じる。
【0046】
送信側から出力されたデータの送信波形TXOUTが、時間幅がちょうど1UIの孤立ビットを含む場合、例えば図7に示すように、受信側で受け取られるデータRXDATAの孤立ビットの時間幅は、差動伝送路30を通過したことにより減衰し、1UIより小さくなる。イコライザ部11は、このようなISIによる歪みの生じた波形を等化して送信波形TXOUTにできるだけ近づけようとするが、等化強度が弱いアンダーブースト状態において、孤立ビットの時間幅は1UIよりも小さいままである。一方、等化強度が強いオーバーブースト状態においては、孤立ビットのエッジが強調された後、振幅が安定する前にデータが反転してしまうため、孤立ビットの時間幅は逆に1UIよりも大きくなる。このように、複数回連続して同一データが到来した後、反転した1ビットのデータが到来し、さらに反転したデータが到来する場合、孤立ビットの時間幅を検知することにより、現在の等化状態がアンダーブースト状態であるかオーバーブースト状態であるかを判別できる。したがって、パターン検出部103は、時刻t=(n−1)T(nは1以上の整数)においてサンプルされた復元信号RDOUTと時刻t=nTにおいてサンプルされた復元信号RDOUTとが異なり、さらに時刻t=nTにおいてサンプルされた復元信号RDOUTと時刻t=(n+1)Tにおいてサンプルされた復元信号RDOUTとが異なることを検出するとともに、時刻t=(n−1)Tにおいてサンプルされた復元信号RDOUTが時刻t=(n−1)T以前の連続するk回分のサンプルにより得られる復元信号RDOUTと等しくなっている(低周波信号となっている)ことを検出した場合、活性化された検出フラグ信号PTFRGを判定部104に出力する。
【0047】
判定部104は、復元信号RDOUT、第一の位相比較信号LAG、及び第二の位相比較信号LEADに基づいて、孤立ビットの時間幅が1UIより長いか短いかを判定し、1UIより長い場合にはイコライザ部11の等化強度を低くするために、活性化された第一の調整信号EQADJ−DNを出力する。一方、孤立ビットの時間幅が1UIより短い場合にはイコライザ部11の等化強度を高めるために、活性化された第二の調整信号EQADJ−UPを出力する。本実施形態では、位相比較ウィンドウがある範囲に制限され、データとデータの境界点を判別するためのクロックを用いない。そのため、境界点でのサンプリングデータを参照して孤立ビットの時間幅を判定することはできない。しかし、孤立ビット(2箇所の反転)を含む少なくとも3ビットの連続する復元信号RDOUTと、その復元信号RDOUTの各ビットに対応するサンプリングクロックCKの直前、直後の位相比較ウィンドウで比較された第一の位相比較信号LAG、及び第二の位相比較信号LEADの活性状態を解析することにより、孤立ビットの時間幅を判定できる。
【0048】
図8及び図9は、孤立ビットの時間幅の判定アルゴリズムを示す。図8は、孤立ビットの時間幅が1UI以上であることを判定するためのアルゴリズム、図9は孤立ビットの時間幅が1UI以下であることを判定するためのアルゴリズムを示す。
【0049】
図8及び図9において、位相比較ウィンドウ(n−1)、位相比較ウィンドウ(n)、及び位相比較ウィンドウ(n+1)は、3つの連続する位相比較ウィンドウであり、LAG(n−1)/LEAD(n−1)、LAG(n)/LEAD(n)、LAG(n+1)/LEAD(n+1)は、それぞれの位相比較ウィンドウに等化信号EQDATAのエッジが存在した場合に活性化される第一及び第二の位相比較信号を示す。CK(n−1)によりサンプリングされたデータとCK(n)によりサンプリングされたデータとが異なり、かつCK(n)によりサンプリングされたデータとCK(n+1)によりサンプリングされたデータとが異なる場合、即ちデータパターンが010又は101というデータ列を含む場合には、孤立ビットの時間幅判定が可能である。
【0050】
このような条件の下、図8のEQDATA(パターン1)、EQDATA(パターン2)、EQDATA(パターン3)が到来した場合、孤立ビットの時間幅は1UIを超えていると判定される。孤立ビットの時間幅が1UI以上であるか否かは、位相比較ウィンドウ(n)において、第一の位相比較信号LAG(n)及び第二の位相比較信号LEAD(n)が共に不活性状態であるという条件と、位相比較ウィンドウ(n−1)の第二の位相比較信号LEAD(n−1)と位相比較ウィンドウ(n+1)の第一の位相比較信号LAG(n+1)とのうちの少なくとも一方が活性化されるという条件とを満たすか否かに基づいて判定できる。これらの条件がいずれも満たされる場合には、孤立ビットの時間幅が1UIを超えていると判定され、第一の調整信号EQADJ−DNが活性化される一方、これらの一方又は両方の条件が満たされない場合には、孤立ビットの時間幅が1UIを超えていないと判定され、第一の調整信号EQADJ−DNは活性化されない。
【0051】
また、図9のEQDATA(パターン1)、EQDATA(パターン2)、EQDATA(パターン3)が到来した場合、孤立ビットの時間幅は1UI未満であると判定できる。孤立ビットの時間幅が1UI未満であるか否かは、位相比較ウィンドウ(n−1)及び位相比較ウィンドウ(n+1)において第一の位相比較信号LAG(n−1)/LAG(n+1)及び第二の位相比較信号LEAD(n−1)/LEAD(n+1)が共に不活性状態であるという条件と、位相比較ウィンドウ(n)の第一の位相比較信号LAG(n)及び第二の位相比較信号LEAD(n)のうちの少なくとも一方が活性化されるという条件とを満たすか否かに基づいて判定できる。これらの条件がいずれも満たされる場合には、孤立ビットの時間幅が1UI未満であると判定され、第二の調整信号EQADJ−UPが活性化される一方、これらの一方又は両方の条件が満たされない場合には、孤立ビットの時間幅が1UIを超えていないと判定され、第二の調整信号EQADJ−UPは活性化されない。
【0052】
適応制御用フィルタ部105は、判定部104により出力された第一の調整信号EQADJ−DN、及び第二の調整信号EQADJ−UPに基づいて、強度調節信号EQADJを出力する。適応制御用フィルタ部105のフィルタ段数は3段である。
【0053】
図10は、適応制御用フィルタ部105の状態遷移を示す。活性化された第一の調整信号EQADJ−DNを受信する毎に状態が1つ右に移動し、活性化された第二の調整信号EQADJ−UPを受信する毎に状態が1つ左に移動する。第一の調整信号EQADJ−DN及び第二の調整信号EQADJ−UPがいずれも不活性状態にあるときには状態は移動しない。活性化された第一の調整信号EQADJ−DNの受信回数が、活性化された第二の調整信号EQADJ−UPの受信回数を3回、すなわちフィルタ段数(規定回数)分上回った場合、イコライザ部11の等化強度を低くするように強度調節信号EQADJを一段階変更する。一方、活性化された第二の調整信号EQADJ−UPの受信回数が、活性化された第一の調整信号EQADJ−DNの受信回数を3回、すなわちフィルタ段数分上回った場合、イコライザ部11の等化強度を高めるように強度調節信号EQADJを一段階変更する。強度調節信号EQADJの変更を行った後、状態は初期状態(Initial State)に戻る。このような適応制御用フィルタ部105を搭載することにより、ロック時の動作をさらに安定させることできる。なお、適応制御用フィルタ部105のフィルタ段数は3段に限られない。
【0054】
また、適応型受信システム10と適応型送信システム20との接続直後、すなわち適応型受信システム10による受信信号RXDATAの受信開始直後において、強度調節信号EQADJにより設定される等化強度は、設定可能な等化強度の範囲における最高値と最低値との中間値となる。
【0055】
また、プリエンファシス制御部16は、適応制御部13の適応制御用フィルタ部105により出力された強度調節信号EQADJにより示される等化強度が予め設定された上限閾値以上である場合に、前記適応型送信システム20に対し、プリエンファシス部23によるプリエンファシスの強度を高めることを要求する制御信号CTRDTを制御バス40を介して出力する第1制御と、前記強度調節信号EQADJにより示される等化強度が予め設定された下限閾値以下である場合に、前記プリエンファシスの強度を低くすることを要求する制御信号CTRDTを前記適応型送信システム20に制御バス40を介して出力する第2制御とを行う。なお、強度調節信号EQADJにより示される等化強度が上記上限閾値以上でなく、かつ強度調節信号EQADJにより示される等化強度が上記下限閾値以下でない場合、制御信号CTRDTは前記プリエンファシスの強度の変化を要求しないものとなる。
【0056】
詳しくは、プリエンファシス制御部16は、要求信号生成部14と、RX制御部15とで構成されている。
【0057】
要求信号生成部14は、適応制御用フィルタ部105から出力される強度調節信号EQADJと、予め設定された上限閾値及び下限閾値を比較し、強度調節信号EQADJが予め設定された上限閾値以上であると判定された場合には、適応型送信システム20のプリエンファシスの強度を高める要求を要求信号REQとして出力する。一方、前記比較により、強度調節信号EQADJが予め設定された下限閾値以下であると判定された場合には、適応型送信システム20のプリエンファシスの強度を低くする要求を要求信号REQとして出力する。
【0058】
RX制御部15は、適応型送信システム20のTX制御部22との間で、制御バス40を介して制御信号CTRDTの通信を行うためのインターフェースである。具体的には、RX制御部15は、要求信号生成部14により出力された要求信号REQを、制御バス40の通信プロトコルに変換し、変換後の信号を制御信号CTRDTとして制御バス40に出力する。適応型送受信システム1において、差動伝送路30及び制御バス40は、共通のHDMIケーブルにより実現される。なお、差動伝送路30及び制御バス40は、HDMIケーブルに限らず、他のケーブルにより実現されてもよいし、互いに独立したケーブルにより実現されてもよい。また、制御信号CTRDTは適応型受信システム10から適応型送信システム20に送信されるが、制御信号CTRDTを伝送する制御バス40は双方向バスであっても構わない。
【0059】
このようなプリエンファシス制御部16を搭載することにより、適応型受信システム10のイコライザ部11の強度調節だけでは十分に受信動作を安定させることができない場合に、適応型送信システム20のプリエンファシス部23の強度を調節することが可能となり、結果として適応型受信システム10の受信動作を安定させることができる。
【0060】
強度調節信号EQADJは、図11の右側に示すようにグレイコードによって表される。図11の左側に示すように、強度調節信号EQADJがバイナリコードである場合、繰り上がり時に変化するビットの数が多い。例えば、等化強度が強度3から強度4に切り換わる際、011から100に変化するため、トータルで3ビット変化したことになる。イコライザ部11と適応制御部13とが物理的に離れて配置されると、各桁の信号を伝送する配線の配線距離や寄生容量がそれぞれ異なってしまうため、信号の遅延時間がばらつき、一瞬所望の強度とは異なる強度に設定される。この場合、等化信号EQDATAにはグリッチが生じ、復元信号RDOUTにエラーが生じる。しかし、本実施形態1では、グレイコードによって強度調節信号EQADJを表すので、強度が1段階切り換わる際に、強度調節信号EQADJの値は1ビットずつしか変化しない。したがって、強度調節信号EQADJの各ビットの遅延にばらつきが生じても、等化強度が変更前か後の強度に設定され、グリッチは生じにくい。なお、グリッチを防止する効果を得ることはできなくなるが、強度調節信号EQADJをバイナリコード等、グレイコード以外の方式で表すようにしてもよい。
【0061】
また、制御バス40は、CEC(Consumer Electronics Control)バスである。CECバスは、HDMI(High Definition Multimedia Interface)に使用されるバスである。適応型受信システム10から適応型送信システム20へ制御信号CTRDTを伝送する場合、適応型受信システム10がイニシエータ(Initiator)となり、適応型送信システム20がフォロワ(Follower)となる。本実施形態では、適応型送信システム20のプリエンファシスの強度を高めるための制御信号CTRDTとして、<Adjust PreEmphasis Increment>というCECメッセージを示す信号を用い、適応型送信システム20のプリエンファシスの強度を低くするための制御信号CTRDTとして、<Adjust PreEmphasis Decrement>というCECメッセージを示す信号を用いる。なお、HDMI規格Ver1.4aにおけるCECでは、このようなプリエンファシスの強度を調節するためのメッセージは規定されていない。
【0062】
本実施形態1に係る適応型送受信システム1における制御信号CTRDTの転送時の信号の流れについて、図12の(a)を参照して説明する。
【0063】
まず、適応型受信システム10の要求信号生成部14がプリエンファシスの強度を高める要求信号REQを出力した場合、RX制御部15が要求信号REQをCECのプロトコルに変換し、<Adjust PreEmphasis Increment>のメッセージを送信する。そして、適応型送信システム20のTX制御部22が、<Adjust PreEmphasis Increment>のメッセージを受信し、プリエンファシスの強度を1段階高めるための調節信号EMPADJをプリエンファシス部23に対して出力する。
【0064】
一方、適応型受信システム10の要求信号生成部14がプリエンファシスの強度を低くする要求信号REQを出力した場合、RX制御部15が要求信号REQをCECのプロトコルに変換し、<Adjust PreEmphasis Decrement>のメッセージを送信する。そして、適応型送信システム20のTX制御部22が、<Adjust PreEmphasis Decrement>のメッセージを受信し、プリエンファシスの強度を1段階低くするための調節信号EMPADJをプリエンファシス部23に対して出力する。
【0065】
仮に、CECのFollowerとしての適応型送信システム20がプリエンファシスの強度調整に対応していない場合、制御信号CTRDTの転送時における信号の流れは、図12の(b)に示すようになる。
【0066】
かかる場合、適応型受信システム10の要求信号生成部14がプリエンファシスの強度を高める要求信号REQを出力すると、RX制御部15が要求信号REQをCECのプロトコルに変換し、<Adjust PreEmphasis Increment>のメッセージを送信する。そして、適応型送信システム20のTX制御部22が、<Adjust PreEmphasis Increment>のメッセージを受信し、このメッセージが非対応のメッセージであると認識し、受信メッセージが非対応であることを示す<Feature Abort>のメッセージを適応型受信システム10に返信する。
【0067】
一方、適応型受信システム10の要求信号生成部14がプリエンファシスの強度を低くする要求信号REQを出力すると、RX制御部15が要求信号REQをCECのプロトコルに変換し、<Adjust PreEmphasis Decrement>のメッセージを送信する。そして、適応型送信システム20のTX制御部22が、<Adjust PreEmphasis Decrement>のメッセージを受信し、このメッセージが非対応のメッセージであると認識し、受信メッセージが非対応であることを示す<Feature Abort>のメッセージを適応型受信システム10に返信する。
【0068】
適応型受信システム10は、<Feature Abort>のメッセージを受信することにより、適応型送信システム20が適応的なプリエンファシスの強度調節に対応していないことを認識することができる。適応型送信システム20が適応的なプリエンファシスの強度調節に対応していない場合であっても、適応型受信システム10においてイコライザの等化強度を適応的に調節することが可能である。
【0069】
なお、本実施形態では、制御バス40がCECバスである場合を例示したが、制御バス40はCECバスに限定されない。
【0070】
《実施形態1の変形例1》
本発明の実施形態1の変形例1に係る適応型送受信システム1では、要求信号生成部14が、適応制御部13の適応制御用フィルタ部105により出力される強度調節信号EQADJと、予め規定された上限閾値および下限閾値との大小関係に加え、判定部104により出力される第一の調整信号EQADJ−DN及び第二の調整信号EQADJ−UPの活性化状態に応じて、要求信号REQを出力する。
【0071】
具体的には、本変形例1の要求信号生成部14は、適応制御用フィルタ部105から出力される強度調節信号EQADJと、予め設定された上限閾値及び下限閾値を比較し、強度調節信号EQADJが予め規定された上限閾値以上であると判定され、かつ第二の調整信号EQADJ−UPが活性化されている場合に、適応型送信システム20のプリエンファシスの強度を高める要求を要求信号REQとして出力する。一方、前記比較により、強度調節信号EQADJが予め規定された下限閾値以下と判定され、かつ第一の調整信号EQADJ−DNが活性化されている場合には、適応型送信システム20のプリエンファシスの強度を低くする要求を要求信号REQとして出力する。
【0072】
本変形例1によると、強度調節信号EQADJが予め規定された上限閾値以上と判定されるか、もしくは強度調節信号EQADJが予め規定された下限閾値以下と判定されるだけでは要求信号REQが出力されないため、強度調節信号EQADJの設定可能レンジを広く使うことができる。また、要求信号REQの出力感度を、実施形態1に比べて細かく制御することができる。
【0073】
《実施形態1の変形例2》
本発明の実施形態1の変形例2に係る適応型送受信システム1は、実施形態1の適応制御部13に代えて、図13に示す適応制御部213を備えている。
【0074】
この適応制御部213は、パターン検出部203、判定部104、及び適応制御用フィルタ部205を備えている。
【0075】
パターン検出部203は、図14の(1)〜(8)の検出データパターンを検出し、検出したデータパターンに応じた値の検出フラグ信号PTFLGを出力する。具体的には、パターン検出部203は、(1)〜(8)の各データパターンを検出した場合、検出フラグ信号PTFLGとして1〜8を出力する。(1)〜(8)のいずれのデータパターンも検出されなかった場合には、PTFLG=0を出力する。 適応制御用フィルタ部205は、8つのフィルタ205a〜205h、選択回路205i及びOR回路205jを備え、フィルタ205a〜205hのフィルタ段数は互いに異なっている。
【0076】
選択回路205iは、いずれのフィルタ205a〜205hを用いるかを、検出フラグ信号PTFLGの値、すなわちパターン検出部203により(1)〜(8)のデータパターンのうちのいずれが検出されたかに応じて決定する。そして、用いるフィルタ205a〜205hに、検出フラグ信号PTFLGと、第一及び第二の調整用信号EQADJ−DN/EQADJ−UPとを入力する。例えば、PTFLG=1である場合にはフィルタ段数128段のフィルタ205aが使用され、PTFLG=8である場合にはフィルタ段数1段のフィルタ205hが使用される。各フィルタ205a〜205hの出力はOR回路205jに入力され、OR回路205jの出力が強度調節信号EQADJとなる。検出データパターンの種類、数、検出フラグ信号の値、フィルタの段数は上述の例に限定されない。
【0077】
ISIによる歪の大きさは、図7で示したように、孤立ビット以前のデータパターンに強く依存する。上述したkの値が大きいときほどISIによる歪が大きくなり、逆にkの値が小さいときほどISIによる歪が小さくなる。ISIの影響を最小化するには、kの値に依存せず孤立ビットの時間幅を1Tに近づけるように波形等化を行う必要があるが、図14に示すようにkの値が大きくなるほど、そのデータパターンの出現確率は減少する。0/1がランダムに出現する場合、各データの出現確率は1/2であるため、kの値が1つ増加するごとにパターンの出現確率には1/2が乗算される。
【0078】
適応制御用フィルタ部205のフィルタ段数が1種類に固定されていた場合、出現確率が高いパターンに対しては頻繁に第一及び第二の調整用信号EQSET−DN/EQSET−UPが活性化されるため、十分ISIの影響は除去される。しかし、逆に出現確率の低いパターンは、出現頻度が低いため、ISIの影響が残留する。
【0079】
その他の構成は実施形態1と同じであるのでその説明を省略する。また、要求信号生成部14として、上記変形例1の要求信号生成部14を用いてもよい。
【0080】
本変形例2によると、図14に示すように、検出データ列の出現確率に応じて異なる段数のフィルタが使用される。詳しくは、検出データ列の出現確率が2倍増加するごとにフィルタの段数も2倍増加する。これにより、第一及び第二の調整用信号EQSET−DN/EQSET−UPが活性化される頻度はデータパターンによらず一定となり、最適に等化強度を調節できる。
【0081】
《実施形態1の変形例3》
本発明の実施形態1の変形例3に係る適応型送受信システム1では、適応型受信システム10と適応型送信システム20との接続直後、すなわち適応型受信システム10による受信信号RXDATAの受信開始直後において、強度調節信号EQADJにより設定されるイコライザ部11の等化強度は、設定可能な等化強度の範囲における最低値となる。
【0082】
本変形例3によると、適応型受信システム10による受信信号RXDATAの受信開始直後において、適応型送信システム20のプリエンファシス部23によるプリエンファシスの強度を高めることを要求する制御信号CTRDTが出力され、プリエンファシス強度が高められる。すると、これに応じて、適応型受信システム10のイコライザ部11の等化強度が低くされる。したがって、受信信号RXDATAの送受信を継続している間、適応型受信システム10のイコライザ部11の等化強度の調節可能範囲を広く確保でき、ジッタトレランスを高めることができる。
【0083】
《実施形態1の変形例4》
本発明の実施形態1の変形例4に係る適応型送受信システム1では、適応型受信システム10と適応型送信システム20との接続直後、すなわち適応型受信システム10による受信信号RXDATAの受信開始直後において、強度調節信号EMPADJにより設定されるプリエンファシス部23のプリエンファシス強度は、適応型送信システム20のプリエンファシス部23により設定可能な強度の範囲における最高値となる。
【0084】
本変形例4によると、適応型受信システム10による受信信号RXDATAの受信開始直後において、適応型送信システム20のプリエンファシス強度が高められているので、強度調節信号EQADJはイコライザ部11の等化強度を低くするように作用する。したがって、受信信号RXDATAの送受信を継続している間、適応型受信システム10のイコライザ部11の等化強度の調節可能範囲を広く確保でき、ジッタトレランスを高めることができる。
【0085】
《実施形態1のその他変形例》
上記実施形態1では、イコライザ部11の適応制御(等化強度の調整)に、3ビット分の復元信号RDOUT及び位相比較信号LAG/LEADを用いたが、4ビット以上のビット分の復元信号RDOUT及び位相比較信号LAG/LEADを用いてもよい。
【0086】
図4(a)の回路を複数段接続してイコライザ部11を構成する場合、各段のイコライザの零点を異なる周波数に配置することが多い。連続する3ビット以上のビットの出力状態を監視することにより、各段の等化強度を独立に調整できる。例えば、等化信号EQDATAのビット時間幅が1UIよりも長いか短いかの判定に、孤立ビットを含むビット列を用いる場合(010、101)には、ビット列が最も高い周波数成分を含むため、零点が最も高い周波数に配置されている段の等化強度を調整する。一方、等化信号EQDATAのビット時間幅が1UIよりも長いか短いかの判定に、2箇所のビット反転の間に2ビットの連続同一値を含むビット列を用いる場合(0110、1001)には、このビット列が、孤立ビットを含むビット列よりも低い周波数成分を含むため、零点が2番目に高い周波数に配置されている段の等化強度を調整する。このように、2箇所の反転間の連続同一値のビット数が多くなるほど、信号に含まれる周波数成分は低くなっていくため、イコライザ部11の各段の等化強度を独立して調整できる。これによりイコライザ部11の等化特性をより最適な状態に調整できる。
【0087】
《実施形態2》
図15は、本発明の実施形態2に係る複数チャネル送受信システム2を示す。この複数チャネル送受信システム2は、3組の適応型送受信システム1a〜1cを備え、これら適応型送受信システム1a〜1cはそれぞれ実施形態1に係る適応型送受信システム1と同じ構成を有している。
【0088】
また、複数チャネル送受信システム2に含まれる3組の差動伝送路30、及び制御バス40は、共通のHDMIケーブルにより実現される。しかし、3組の差動伝送路30及び制御バス40は、HDMIケーブルに限らず、他のケーブルにより実現されてもよいし、互いに独立したケーブルにより実現されてもよい。
【0089】
その他の構成は実施形態1と同じであるのでその説明を省略する。
【0090】
本実施形態2によると、3組の差動伝送路30のそれぞれに対応するイコライザ部11及びプリエンファシス部23の強度調節を独立して行い、強度の最適化を図ることができる。
【0091】
また、本実施形態2では、複数チャネル送受信システム2が3組の適応型送受信システム1a〜1cを備えていたが、適応型送受信システム1の数は3組に限らず、2組でもよいし、4組以上であってもよい。この場合でも、各差動伝送路30に対応するイコライザ部11及びプリエンファシス部23の強度の最適化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明に係る適応型受信システム及び適応型送受信システムは、例えば、Gb/sを超える超高速伝送システム等に有用である。
【符号の説明】
【0093】
1 適応型送受信システム
2 複数チャネル送受信システム
10 適応型受信システム
11 イコライザ部
16 プリエンファシス制御部
20 適応型送信システム
101 位相比較部
102 クロック調整部
103 パターン検出部
104 判定部
105 適応制御用フィルタ部
203 パターン検出部
205 適応制御用フィルタ部
213 適応制御部
231 増幅器
232 増幅器
233 加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適応型送信システムにより出力された送信信号を差動伝送路を介して受信信号として受信し、前記送信信号は前記適応型送信システムが論理信号に対してプリエンファシスを施すことにより得たものである適応型受信システムであって、
等化強度を示す強度調節信号に基づいて前記受信信号を等化し、等化信号を出力するイコライザ部と、
サンプリングクロックと、当該サンプリングクロックよりも第一の所定位相進んだ第一クロックとに基づいて、サンプリングタイミングと当該サンプリングタイミングよりも前記第一の所定位相分前のタイミングとの間の第一区間に、前記等化信号のエッジが存在するか否かを示す第一の位相比較信号を出力するとともに、前記サンプリングクロックと、当該サンプリングクロックよりも第二の所定位相遅れた第二クロックとに基づいて、サンプリングタイミングと当該サンプリングタイミングよりも前記第二の所定位相後のタイミングとの間の第二区間に、前記等化信号のエッジが存在するか否かを示す第二の位相比較信号を出力し、前記第一区間及び第二区間は、前記等化信号と前記サンプリングクロックとの位相が一致した状態において前記等化信号のエッジを含まないように設定された位相比較部と、
前記第一及び第二の位相比較信号に基づいて、前記等化信号と前記サンプリングクロックとの位相を一致させるように、前記サンプリングクロックの位相を調整して出力するクロック調整部と、
前記等化信号に対して前記サンプリングクロックによるサンプリングを行うことにより得られる復元信号から、少なくとも2箇所のビット反転を含む連続する3ビット以上の検出データパターンを検出するパターン検出部と、
前記パターン検出部により検出された検出データパターンの各ビットに対応する前記第一及び第二の位相比較信号の出力パターンを所定の比較対象パターンと比較し、合致するか否かに基づいて、前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも長いか短いかを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて前記強度調節信号を調節する適応制御用フィルタ部と、
前記強度調節信号により示される等化強度が予め設定された上限閾値以上である場合に、前記プリエンファシスの強度を高めることを要求する制御信号を前記適応型送信システムに出力する第1制御と、前記強度調節信号により示される等化強度が予め設定された下限閾値以下である場合に、前記プリエンファシスの強度を低くすることを要求する制御信号を前記適応型送信システムに出力する第2制御とのうちの少なくとも一方を実行するプリエンファシス制御部を備えていることを特徴とする適応型受信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の適応型受信システムにおいて、
前記第1制御は、前記強度調節信号により示される等化強度が前記上限閾値以上であっても、前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも短いと前記判定部により判定されなかった場合には、前記プリエンファシスの強度を高めることを要求する制御信号を前記適応型送信システムに出力しないものであることを特徴とする適応型受信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の適応型受信システムにおいて、
前記第2制御は、前記強度調節信号により示される等化強度が前記下限閾値以下であっても、前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも長いと前記判定部により判定されなかった場合には、前記プリエンファシスの強度を低くすることを要求する制御信号を前記適応型送信システムに出力しないものであることを特徴とする適応型受信システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の適応型受信システムにおいて、
前記第一区間及び第二区間の長さは、1/3UI以下であることを特徴とする適応型受信システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の適応型受信システムにおいて、
前記パターン検出部により検出される検出データパターンは、中央ビットの値が前後のビットの値と異なっている連続する3ビットを含むことを特徴とする適応型受信システム。
【請求項6】
請求項5に記載の適応型受信システムにおいて、
前記パターン検出部により検出される検出データパターンは、前記中央ビットの前に2以上連続する同一の値のビットを含むことを特徴とする適応型受信システム。
【請求項7】
請求項5に記載の適応型受信システムにおいて、
前記比較対象パターンは、前記中央ビットの直前のビットに対応する前記第二の位相比較信号が、エッジが存在することを示し、かつ、前記中央ビットに対応する前記第一及び第二の位相比較信号が、いずれもエッジが存在しないことを示すものであり、
前記判定部は、前記出力パターンが前記比較対象パターンと合致した場合に、前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも長いと判定することを特徴とする適応型受信システム。
【請求項8】
請求項5に記載の適応型受信システムにおいて、
前記比較対象パターンは、前記中央ビットの直後のビットに対応する前記第一の位相比較信号が、エッジが存在することを示し、かつ、前記中央ビットに対応する前記第一及び第二の位相比較信号が、いずれもエッジが存在しないことを示すものであり、
前記判定部は、前記出力パターンが前記比較対象パターンと合致した場合に、前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも長いと判定することを特徴とする適応型受信システム。
【請求項9】
請求項5に記載の適応型受信システムにおいて、
前記比較対象パターンは、前記中央ビットに対応する第一又は第二の位相比較信号のいずれか一方が、エッジが存在することを示し、前記中央ビットの直前及び直後のビットに対応する前記第一及び第二の位相比較信号が、いずれもエッジが存在しないことを示すものであり、
前記判定部は、前記出力パターンが前記比較対象パターンと合致した場合に、前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも短いと判定することを特徴とする適応型受信システム。
【請求項10】
請求項5に記載の適応型受信システムにおいて、
前記比較対象パターンは、前記中央ビットに対応する第一及び第二の位相比較信号の両方が、エッジが存在することを示し、前記中央ビットの直前及び直後のビットに対応する第一及び第二の位相比較信号が、いずれもエッジが存在しないことを示すものであり、
前記判定部は、前記出力パターンが前記比較対象パターンと合致した場合に、前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも短いと判定することを特徴とする適応型受信システム。
【請求項11】
請求項5〜10のいずれか1項に記載の適応型受信システムにおいて、
前記適応制御用フィルタ部は、前記判定部により前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも長いと判定された回数が、前記判定部により前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも短いと判定された回数を所定の規定回数分上回っている場合に、等化強度を低くするように前記強度調節信号を変更する一方、前記判定部により前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも短いと判定された回数が、前記判定部により前記等化信号のビット時間幅が1UIよりも長いと判定された回数を前記所定の規定回数分上回っている場合に、等化強度を高めるように前記強度調節信号を変更することを特徴とする適応型受信システム。
【請求項12】
請求項11に記載の適応型受信システムにおいて、
前記パターン検出部は、複数種類の検出データパターンを検出し、
前記適応制御用フィルタ部は、前記パターン検出部により前記複数種類の検出データパターンのうちのいずれが検出されたかに応じて、前記所定の規定回数を決定する選択回路を備えていることを特徴とする適応型受信システム。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の適応型受信システムにおいて、
前記強度調節信号は、グレイコードにより強度を表すものであることを特徴とする適応型受信システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の適応型受信システムにおいて、
前記受信信号の受信開始直後において、前記強度調節信号により設定される等化強度は、設定可能な等化強度の範囲における最高値と最低値との中間値であることを特徴とする適応型受信システム。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の適応型受信システムにおいて、
前記受信信号の受信開始直後において、前記強度調節信号により設定される等化強度は、設定可能な等化強度の範囲における最低値であることを特徴とする適応型受信システム。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の適応型受信システムと、
前記適応型送信システムと、
前記差動伝送路と、
前記適応型受信システムのプリエンファシス制御部により出力された制御信号を前記適応型送信システムに伝送するための制御バスとを備えた適応型送受信システム。
【請求項17】
請求項16に記載の適応型送受信システムにおいて、
前記適応型送信システムによるプリエンファシスは、
前記論理信号を前記制御信号に応じた増幅率で増幅する少なくとも1つの増幅器と、
前記少なくとも1つの増幅器の出力を加算し、その加算結果を前記受信信号として出力する加算器とを用いて行われることを特徴とする適応型送受信システム。
【請求項18】
請求項16又は請求項17に記載の適応型送受信システムにおいて、
前記適応型受信システムによる受信信号の受信開始直後において、前記プリエンファシスの強度は、前記適応型送信システムにより設定可能なプリエンファシスの強度の範囲における最高値と最低値との中間値に設定されることを特徴とする適応型送受信システム。
【請求項19】
請求項16又は請求項17に記載の適応型受信システムにおいて、
前記適応型受信システムによる受信信号の受信開始直後において、前記プリエンファシスの強度は、前記適応型送信システムにより設定可能なプリエンファシスの強度の範囲における最高値に設定されることを特徴とする適応型送受信システム。
【請求項20】
請求項16〜19のいずれか1項に記載の適応型送受信システムにおいて、
前記制御バスはCEC(Consumer Electronics Control)バスであることを特徴とする適応型送受信システム。
【請求項21】
請求項16〜20のいずれか1項に記載の適応型送受信システムを複数備えた複数チャネル送受信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−217081(P2012−217081A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81816(P2011−81816)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】