説明

配線回路基板と電子部品との接続構造

【課題】熱融着時における短絡の発生が防止された配線回路基板と電子部品との接続構造を提供する。
【解決手段】各配線パターン2は、導体層2aおよび錫めっき層2bからなり、先端部21、接続部22および信号伝送部23を含む。先端部21の幅と信号伝送部23の幅とは互いに等しく、接続部22の幅は先端部21および信号伝送部23の幅より小さい。電子部品の実装時には、各配線パターン2の接続部22と電子部品の各バンプ61とが熱融着によって接続される。距離A1,A2は、0.5μm以上に設定される。距離B1,B2は、20μm以上に設定される。錫めっき層2bの厚みは0.07μm以上0.25μm以下に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板と電子部品との接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
配線回路基板には、半導体チップ等の種々の電子部品が実装される。この場合、配線回路基板の端子部と電子部品の端子とが、例えば熱融着によって接続される(例えば特許文献1)。具体的には、例えば配線回路基板の端子部の表面を覆うように錫(Sn)めっき層が形成され、電子部品を実装する際に端子部の錫めっき層が熱融解される。これにより、配線回路基板の端子部と電子部品の端子とが確実に接続される。
【特許文献1】特開2006−13421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、配線回路基板のファインピッチ化に伴って、隣接する端子部間の距離が短くなる。それにより、熱融着を行う際に、融解した錫めっき層が隣接する端子部間において互いに接触し、短絡が発生することがある。
【0004】
本発明の目的は、熱融着時における短絡の発生が防止された配線回路基板と電子部品との接続構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に係る配線回路基板と電子部品との接続構造は、配線回路基板と電子部品の端子との接続構造であって、配線回路基板は、絶縁層と、絶縁層上に形成された線状の導体パターンとを備え、導体パターンは端子部を有し、端子部は、第1の幅を有する第1の領域と、第1の幅よりも小さな第2の幅を有する第2の領域を有し、少なくとも第2の領域が0.07μm以上0.25μm以下の厚みを有する錫を含むめっき層で被覆され、電子部品の端子と配線回路基板の第2の領域とが熱融着され、第2の領域の一方の側辺が電子部品の端子の一方の側辺より0.5μm以上内側に位置し、第2の領域の他方の側辺が電子部品の端子の他方の側辺より0.5μm以上内側に位置し、端子部の幅方向と直交する方向において第1の領域と電子部品の端子と間に20μm以上の間隔が形成されるものである。
【0006】
本発明に係る配線回路基板と電子部品との接続構造においては、配線回路基板の第2の領域と電子部品の端子とが接触する状態で、配線回路基板の第2の領域を被覆する錫を含むめっき層が熱融解される。そのめっき層が硬化することによって配線回路基板の第2の領域と電子部品の端子とが熱融着される。
【0007】
この場合、配線回路基板の第2の領域の一方の側辺が電子部品の端子の一方の側辺より0.5μm以上内側に位置し、第2の領域の他方の側辺が電子部品の端子の他方の側辺より0.5μm以上内側に位置することにより、熱融解しためっき層が電子部品の端子の外側にはみ出ることが防止される。
【0008】
また、端子部の幅方向と直交する方向において第1の領域と電子部品の端子と間に20μm以上の間隔が形成されることにより、第1の領域から電子部品の端子に熱融解しためっき層が流入することが防止される。それにより、熱融解しためっき層が電子部品の端子の外側にはみ出ることがより十分に防止される。
【0009】
さらに、めっき層の厚みが0.07μm以上であることによって端子部と電子部品の端子との接続信頼性が確保されるとともに、めっき層の厚みが0.25μm以下であることにより、熱融解するめっき層の量が過剰になることが防止される。
【0010】
これらにより、熱融解した錫めっき層が電子部品の端子の外側にはみ出ることが確実に防止される。したがって、電子部品に複数の端子が互いに近接して設けられるとともに配線回路基板に複数の端子部が互いに近接して設けられる場合でも、熱融解しためっき層が隣接する端子部間において接触することが防止される。その結果、隣接する端子部間における短絡の発生が防止される。
【0011】
また、端子部の第1の領域の幅が第2の領域の幅より大きいので、端子部とベース絶縁層との密着性が確保される。したがって、端子部がベース絶縁層から剥離することが防止される。
【0012】
(2)第2の領域の両方の側辺は、第1の領域の両方の側辺よりもそれぞれ内側に位置してもよい。
【0013】
この場合、第2の領域の両側において、熱融解しためっき層が第1の領域よりも外側にはみ出ることが十分に防止される。それにより、隣接する端子部間における短絡の発生がより確実に防止される。
【0014】
(3)配線回路基板は、端子部を除いて導体パターンを覆うようにベース絶縁層上に形成されたカバー絶縁層をさらに備えてもよい。
【0015】
この場合、導体パターンの損傷が防止されるとともに、導体パターンがベース絶縁層から剥離することが防止される。
【0016】
(4)電子部品の端子は10μm以下の間隔で複数設けられ、配線回路基板の端子部は電子部品の複数の端子に対応するように複数設けられてもよい。
【0017】
この場合、端子部間における短絡の発生を防止しつつ、配線回路基板のファインピッチ化を実現することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、熱融解した錫めっき層が電子部品の端子の外側にはみ出ることが確実に防止される。それにより、熱融解しためっき層が隣接する端子部間において接触することが防止される。その結果、隣接する端子部間における短絡の発生が防止される。また、端子部とベース絶縁層との密着性が確保され、端子部がベース絶縁層から剥離することが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態に係る配線回路基板と電子部品との接続構造について図面を参照しながら説明する。
【0020】
(1)構成
図1(a)は、本実施の形態に係る配線回路基板の平面図であり、図1(b)は図1(a)の配線回路基板のP−P線断面図である。
【0021】
図1(a)および図1(b)に示すように、配線回路基板50は、例えばポリイミドからなるベース絶縁層1を有する。ベース絶縁層1上には矩型の領域Sが設けられている。領域Sの互いに対向する2辺の内側から外側に延びるように複数の配線パターン2が形成されている。
【0022】
各配線パターン2は、先端部21、接続部22および信号伝送部23を含む(図1(a))。先端部21の幅と信号伝送部23の幅とは互いに等しく、接続部22の幅は先端部21および信号伝送部23の幅より小さい。本実施の形態では、先端部21および接続部22が端子部を構成する。図1の例では、先端部21、接続部22、および信号伝送部23の一部がベース絶縁層1の領域S上に位置する。
【0023】
また、各配線パターン2は、導体層2aおよび錫めっき層2bを含む(図1(b))。導体層2aは例えば銅からなり、ベース絶縁層1上に形成されている。導体層2aの表面を覆うように錫めっき層2bが形成されている。
【0024】
複数の配線パターン2を覆うように、ベース絶縁層1上に例えばポリイミドからなるカバー絶縁層4が形成されている。カバー絶縁層4は、領域S上に開口4aを有する。配線パターン2の先端部21、接続部22、および信号伝送部23の一部は、カバー絶縁層4の開口4a内で露出している。
【0025】
配線回路基板50の製造方法としては、サブトラクティブ法およびセミアディティブ法のどちらを用いてもよい。また、サブトラクティブ法およびセミアディティブ法を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
(2)配線回路基板と電子部品との接続
次に、図1に示した配線回路基板50と電子部品との接続構造について説明する。図2は、配線回路基板50と電子部品との接続構造を示す斜視図である。図3(a)は配線回路基板50と電子部品との接続構造を示す平面図であり、図3(b)は図3(a)のQ−Q線断面図である。
【0027】
なお、図2および図3では、カバー絶縁層4が下方に向けられた状態で配線回路基板50が示される。また、配線回路基板50と電子部品との接続構造を明確に示すために、ベース絶縁層1が透過状態で示される。
【0028】
図2および図3に示す電子部品60は、例えば半導体チップである。図2に示すように、電子部品60の一面には、互いに平行な2辺に沿うように複数の凸状のバンプ61が設けられている。配線回路基板50の配線パターン2の数および配置は、電子部品60のバンプ61の数および配置に対応して設定されている。
【0029】
図3(a)および図3(b)に示すように、電子部品60の実装時には、配線回路基板50の各配線パターン2の接続部22と電子部品60の各バンプ61とが熱融着によって接続される。すなわち、各配線パターン2の接続部22と各バンプ61とが接触する状態で、接続部22の錫めっき層2b(図3(b))が熱融解され、その後、錫めっき層2bが硬化することにより接続部22とバンプ61とが熱融着される。
【0030】
本実施の形態では、各配線パターン2の先端部21、接続部22および信号伝送部23が所定の形状に設定されることにより、配線パターン2とベース絶縁層1との密着性を確保しつつ、熱融着時における短絡の発生を防止することができる。
【0031】
(3)配線回路基板の端子部および電子部品のバンプの詳細
ここで、配線回路基板50の配線パターン2および電子部品60のバンプ61の詳細について説明する。図4は、配線回路基板50の配線パターン2および電子部品60のバンプ61の詳細を説明するための平面図である。
【0032】
図4に示すように、配線パターン2の接続部22における導体層2aの幅(以下、接続導体幅と呼ぶ)W1は、配線パターン2の幅方向における電子部品60のバンプ61の長さ(以下、バンプ幅と呼ぶ)W2よりも小さく設定される。また、接続部22における導体層2aの長さ(以下、接続導体長さと呼ぶ)L1は、配線パターン2の長さ方向におけるバンプ61の長さ(以下、バンプ長さと呼ぶ)L2よりも大きく設定される。
【0033】
長さ方向に沿う配線パターン2の接続部22の導体層2aの一辺とバンプ61の一辺との間の距離A1、および接続部22の導体層2aの他辺とバンプ61の他辺との間の距離A2は、それぞれ0.5μm以上に設定される。
【0034】
距離A1,A2が0.5μmよりも短い場合、次のような問題が生じる。図5は、距離A1,A2が短い場合の問題点を示す模式的側面図である。距離A1,A2が短い場合、図5に示すように、接続部22とバンプ61との熱融着時に、熱融解した錫めっき層2bが各バンプ61の外側にはみ出しやすい。そのため、熱融解した錫めっき層2bが隣接する接続部22間において接触し、短絡が発生することがある。
【0035】
それに対して、距離A1,A2が0.5μm以上であれば、図3(b)に示したように、熱融解した錫めっき層2bがバンプ61の外側にはみ出すことが防止される。それにより、隣接する接続部22間の短絡が防止される。
【0036】
また、距離A1,A2は、5μm以下であることが好ましい。この場合、距離A1,A2が5μm以下であることにより、接続導体幅W1を適正な大きさに維持することができる。すなわち、接続導体幅W1が小さくなりすぎない。それにより、接続部22とバンプ61との接続信頼性が確保される。
【0037】
さらに、接続部22とバンプ61との接続信頼性をより確実に確保しつつ隣接する接続部22間の短絡をより確実に防止するためには、距離A1,A2が2μm以上5μm以下であることがより好ましい。
【0038】
接続導体幅W1は、10μm以上18μm以下であることが好ましい。また、バンプ幅W2は、12μm以上20μm以下であることが好ましい。
【0039】
幅方向に沿う配線パターン2の先端部21の導体層2aの一辺とバンプ61の一辺との間の距離B1、および信号伝送部23の導体層2aの一辺とバンプ61の他辺との間の距離B2は、それぞれ20μm以上に設定される。
【0040】
この場合、接続部22近傍の配線パターン2の先端部21または信号伝送部23の部分の錫めっき層2bが熱融解してバンプ61上に流入することが防止される。それにより、熱融解した錫めっき層2bがバンプ61の外側にはみ出すことが防止され、接続部22間における短絡の発生が防止される。
【0041】
また、距離B1,B2は、30μm以下であることが好ましい。この場合、導体層2aとベース絶縁層1との密着性が確実に確保される。
【0042】
さらに、導体層2aとベース絶縁層1との密着性をより確実に確保しつつ接続部22間における短絡の発生をより確実に防止するためには、距離B1,B2が20μm以上25μm以下であることがより好ましい。
【0043】
接続導体長さL1は、120μm以上140μm以下であることが好ましい。また、バンプ長さL2は、60μm以上80μm以下であることが好ましい。
【0044】
配線パターン2の先端部21における導体層2aの幅(以下、先端導体幅と呼ぶ)W3、および配線パターン2の信号伝送部23における導体層2aの幅(以下、伝送導体幅と呼ぶ)W4は、それぞれ12μm以上20μm以下であることが好ましい。また、先端部21における導体層2aの長さ(以下、先端導体長さと呼ぶ)L3は、16μm以上20μm以下であることが好ましい。この場合、導体層2aとベース絶縁層1との密着性が十分に確保される。
【0045】
錫めっき層2bの厚みは0.07μm以上0.25μm以下に設定される。この場合、錫めっき層2bの厚みが0.07μm以上であることにより、接続部22と電子部品60のバンプ61との接続信頼性が確保される。また、錫めっき層2bの厚みが0.25μm以下であることにより、熱融解する錫めっき層2bの量が過剰になることが防止される。それにより、熱融解した錫めっき層2bがバンプ61の外側にはみ出すことが防止され、接続部22間における短絡の発生が防止される。
【0046】
さらに、接続部22とバンプ61との接続信頼性をより確実に確保しつつ接続部22間における短絡の発生をより確実に防止するためには、錫めっき層2bの厚みが0.10μm以上0.20μm以下であることがより好ましい。
【0047】
電子部品60の隣接するバンプ61間の距離は、8μm以上10μm以下であることが好ましい。この場合、接続部22間における短絡の発生を防止しつつ、配線回路基板50のファインピッチ化が実現される。
【0048】
(4)実施例および比較例
ポリイミドおよび銅箔からなる2層基材を用意し、銅箔を所定のパターンでエッチングすることによってベース絶縁層1上に導体層2aを形成した。次いで、導体層2aの表面を錫めっき層2bによって被覆することにより配線パターン2を形成した。次いで、複数の配線パターン2を覆うようにベース絶縁層1上にカバー絶縁層4を形成し、配線回路基板50を得た。また、電子部品60として、複数の金(Au)バンプを有する半導体チップを用意した。
【0049】
配線回路基板50の先端導体幅W3、伝送導体幅W4、接続導体幅W1、および接続導体長さL1を調整することによって、上記の距離A1,A2および距離B1,B2を種々の値に設定した。また、錫めっき層2bの厚みを種々の値に設定した。
【0050】
なお、先端導体長さL3を18μmに設定した。また、電子部品60のバンプ61のバンプ幅W2は18μmであり、バンプ長さL2は80μmであった。また、隣接するバンプ61のバンプ幅方向における間隔は9μmであった。
【0051】
(4−1)実施例1〜6
【0052】
【表1】

【0053】
表1に示すように、実施例1〜6においては、距離A1,A2を0.5μm以上1μm以下の範囲で互いに等しく設定し、距離B1,B2を20μm以上25μm以下の範囲で互いに等しく設定した。また、錫めっき層2bの厚みを0.07μm以上0.25μm以下の範囲で設定した。
【0054】
(4−2)比較例1〜4
【0055】
【表2】

【0056】
表2に示すように、比較例1〜4においては、距離A1,A2を0.1μm以上1μm以下の範囲で互いに等しく設定し、距離B1,B2を15μm以上25μm以下の範囲で互いに等しく設定した。また、錫めっき層2bの厚みを0.05μm以上0.28μm以下の範囲で設定した。
【0057】
(4−3)評価
実施例1〜6および比較例1〜4に示す条件で配線回路基板50の接続部22と電子部品60のバンプ61とを熱融着により接続し、短絡の発生率を調べた。その結果を表3に示す。ここで、短絡とは、図5に示したように、熱融解した錫めっき層2bが隣接する接続部22間で接触する場合をいう。
【0058】
【表3】

【0059】
表1〜3に示すように、距離A1,A2を0.5μm以上1μm以下の範囲で設定した実施例1〜3では短絡が発生しなかったが、距離A1,A2を0.1μmに設定した比較例1では短絡が発生した。このことから、距離A1,A2を0.5μm以上に設定することにより、短絡の発生を防止できることがわかった。
【0060】
また、距離B1,B2を20μmとした実施例4では短絡が発生しなかったが、距離B1,B2を15μmとした比較例2では短絡が発生した。このことから、距離B1,B2を20μm以上に設定することにより、短絡の発生を防止できることがわかった。
【0061】
また、錫めっき層2bの厚みを0.07μmに設定した実施例5および0.25μmに設定した実施例6では短絡が発生しなかったが、錫めっき層2bの厚みを0.28μmに設定した比較例4では短絡が発生した。また、錫めっき層2bの厚みを0.05μmに設定した比較例3では、短絡は発生しなかったが、接続部22とバンプ61との電気的接続が不良であった。このことから、錫めっき層2bの厚みを0.07μm以上0.25μm以下の範囲で設定することにより、短絡の発生を防止できることがわかった。
【0062】
これらの結果、距離A1,A2を0.5μm以上に設定し、距離B1,B2を20μm以上に設定し、錫めっき層2bの厚みを0.07μm以上0.25μm以下の範囲で設定することにより、短絡の発生を十分に防止できることがわかった。
【0063】
(5)他の実施の形態
上記実施の形態では、配線パターン2の信号伝送部23の幅が接続部22の幅より大きく設定されるが、これに限定されない。図6は、配線パターン2の変形例を示す平面図である。図6の例では、配線パターン2の信号伝送部23の幅が接続部22の幅と等しく設定される。なお、信号伝送部23とベース絶縁層1との密着性は、信号伝送部23がカバー絶縁層4で覆われることにより確保される。
【0064】
上記実施の形態では、配線パターン2の先端部21が矩形であるが、先端部21とベース絶縁層1との密着性が十分に確保されるのであれば、先端部21を任意の形状に形成することができる。例えば、図7に示すように、配線パターン2の先端部21を略円形状に形成してもよい。また、配線パターン2の先端部21を三角形、U字状等の他の形状に形成してもよい。
【0065】
ベース絶縁層1およびカバー絶縁層4の材料は、ポリイミドに限らず、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルニトリルフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム等の他の絶縁材料を用いてもよい。
【0066】
配線パターン2の材料は、銅に限らず、銅合金、金、アルミニウム等の他の金属材料を用いてもよい。
【0067】
本発明は、フレキシブル配線回路基板、リジッド配線回路基板等の種々の配線回路基板に適用することができる。また、電子部品60としては、半導体チップに限らず、コンデンサ等の他の電子部品を用いてもよい。
【0068】
(6)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0069】
上記実施の形態では、導体層2aが導体パターンの例であり、先端導体幅W3が第1の幅の例であり、接続導体幅W1が第2の幅の例であり、先端部21が第1の領域の例であり、接続部22が第2の領域の例である。
【0070】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、種々の配線回路基板と電子部品との接続する場合に有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施の形態に係る配線回路基板を示す図である。
【図2】配線回路基板と電子部品との接続構造を示す図である。
【図3】配線回路基板と電子部品との接続構造を示す図である。
【図4】配線回路基板の配線パターンおよび電子部品のバンプの詳細を説明するための平面図である。
【図5】従来の配線回路基板の問題点を示す模式的側面図である。
【図6】配線パターンの変形例を示す平面図である。
【図7】配線パターンの変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 ベース絶縁層
2 配線パターン
2a 導体層
2b 錫めっき層
4 カバー絶縁層
21 先端部
22 接続部
23 信号伝送部
50 配線回路基板
60 電子部品
61バンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線回路基板と電子部品の端子との接続構造であって、
前記配線回路基板は、
絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された線状の導体パターンとを備え、
前記導体パターンは端子部を有し、
前記端子部は、第1の幅を有する第1の領域と、前記第1の幅よりも小さな第2の幅を有する第2の領域を有し、少なくとも前記第2の領域が0.07μm以上0.25μm以下の厚みを有する錫を含むめっき層で被覆され、
前記電子部品の端子と前記配線回路基板の前記第2の領域とが熱融着され、
前記第2の領域の一方の側辺が前記電子部品の端子の一方の側辺より0.5μm以上内側に位置し、前記第2の領域の他方の側辺が前記電子部品の端子の他方の側辺より0.5μm以上内側に位置し、
前記端子部の幅方向と直交する方向において前記第1の領域と前記電子部品の端子と間に20μm以上の間隔が形成されることを特徴とする配線回路基板と電子部品との接続構造。
【請求項2】
前記第2の領域の両方の側辺は、前記第1の領域の両方の側辺よりもそれぞれ内側に位置することを特徴とする請求項1記載の配線回路基板と電子部品との接続構造。
【請求項3】
前記配線回路基板は、前記端子部を除いて前記導体パターンを覆うように前記ベース絶縁層上に形成されたカバー絶縁層をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の配線回路基板と電子部品との接続構造。
【請求項4】
前記電子部品の前記端子は10μm以下の間隔で複数設けられ、
前記配線回路基板の前記端子部は前記電子部品の前記複数の端子に対応するように複数設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の配線回路基板と電子部品との接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−16451(P2009−16451A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174420(P2007−174420)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】