説明

電気光学装置および電子機器

【課題】 可撓性を備えた配線基板の曲げ部分の張出し量を小さくしたり、又は回路部品と液晶パネルが厚さ方向で重なることを防止したりすることにより、従来に比べて、より一層小型である電気光学装置を提供する。
【解決手段】 液晶を含む液晶パネル2と、液晶パネル2に接続されると共に液晶パネル2の方向へ曲げられたFPC5とを有する液晶表示装置1である。FPC5は、その曲げられた部分5cに、液晶パネル2の辺端に対して略平行に延びる配線52を有する。また、FPC5はその曲げられた部分5cに液晶パネル2の辺端と略平行に延び且つ略直線状に並ぶ複数の回路部品51を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路部品を実装した可撓性の配線基板を電気光学物質を含んだ電気光学パネルに接続して成る電気光学装置に関する。また、本発明は、その電気光学装置を用いて構成される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話機、携帯情報端末機等といった各種の電子機器において、液晶表示装置、EL装置等といった電気光学装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する各種の情報を視覚的に表示するための表示部として電気光学装置が用いられている。この電気光学装置において、電気光学物質として液晶を用いた装置、すなわち液晶表示装置が知られている。また、電気光学物質としてEL(Electro Luminescence)を用いたEL装置も知られている。
【0003】
例えば、液晶表示装置は電気光学パネルとしての液晶パネルを有する。この液晶パネルは、一般に、それぞれが電極を備えた一対の基板の間に液晶層を介在させた構造を有する。この液晶層は、例えば次のようにして、すなわち、前記一対の基板の間にシール材によって囲まれた空間を形成し、この空間の中に液晶を封止することによって形成される。この液晶表示装置では、液晶層に光を供給すると共に該液晶層に印加される電圧を画素ごとに制御することにより、液晶層内の液晶分子の配向を画素ごとに制御する。液晶層へ供給された光は、液晶分子の配向状態に従って変調され、この変調された光を偏光板の液晶側表面に供給することにより、その偏光板の観察側表面に文字、数字、図形等といった像が表示される。
【0004】
上記の液晶パネルには、一般に、可撓性を備えた配線基板、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)が接続される。このFPCには、液晶パネルを駆動するために必要となる回路が形成される。この回路は、通常、ベース基板上に所定のパターンで配線を形成し、さらにIC、コンデンサ、コイル、抵抗等といった回路部品をベース基板上の所定位置に実装することによって形成される。また、FPCには入力用端子が形成され、この入力用端子に外部電源や種々の外部機器が接続される。そして、液晶パネルを駆動するための信号や電力が、FPCを通して外部機器や外部電源から供給される。FPCは、一般に、液晶パネルに接続されて直線的に延びるというよりも、液晶パネルに接続された後、その液晶パネル側へ曲げられことが多い。液晶表示装置の全体形状を小型にしたいという要望があるからである。
【0005】
ところで、携帯電話機や携帯情報端末機等といった電子機器は小型化が進んでおり、それに応じて、それらの電子機器に用いる液晶表示装置等といった電気光学装置に関してもその小型化が求められている。この求めに応じるため、従来、液晶パネルを照明するための光源であるLED(Light Emitting Diode)を、FPCの曲げ部に設けた構造の液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。これらの液晶表示装置によれば、FPCを曲げた部分の内側に形成される空間内にLEDを配置することにより、つまりその空間を有効に利用することにより、液晶表示装置の小型化を図っていた。
【0006】
【特許文献1】特開2003−92020号公報(第3頁、図1)
【特許文献2】特開2000−98415号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の液晶表示装置においては、FPCの曲げ部の液晶パネルからの張出し寸法を小さくすることができなかった。仮にその張出し寸法を小さくすると、FPCが曲がり始める部分であるパネルとFPCとの接続部においてFPCがパネルから剥がれてしまうおそれがあるからである。また、仮にFPCの曲げ部の張出し寸法を小さくすると、FPCが曲がり始める部分でFPC上に実装されたLEDがFPCから剥がれてしまうおそれがあるからである。このようなFPCやLEDの剥がれを防止するため、従来の液晶表示装置では、FPCの曲げ部を液晶パネルの外側へ大きく張り出さざるを得ず、そのため、液晶表示装置を十分に小型にできなかった。
【0008】
また、上記特許文献2に開示された従来の液晶表示装置においては、FPCを曲げた状態でそのFPC上の複数の回路部品が液晶パネルに重なる位置に置かれることになり、それ故、液晶表示装置を十分に薄く出来ない可能性があった。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、可撓性を備えた配線基板の曲げ部分の張出し量を小さくしたり、又は回路部品と液晶パネルが厚さ方向で重なることを防止したりすることにより、従来に比べて、より一層小型である電気光学装置および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る第1の電気光学装置は、電気光学物質を含む電気光学パネルと、該電気光学パネルに接続されると共に該電気光学パネルの方向へ曲げられた可撓性を備えた配線基板とを有し、該配線基板は、前記曲げられた部分に、前記電気光学パネルの辺端に対して略平行に延びる線状部材を有することを特徴とする。
【0011】
上記構成において、電気光学物質は、電界の変化に応じて特性が変化する物質であり、例えば、液晶、有機EL、無機EL等が考えられる。また、電気光学パネルは、電気光学物質を含むように形成されたパネル構造体である。また、可撓性を備えた配線基板は、例えば、FPCによって構成できる。このFPCは、例えば、ポリイミドやポリエステル等から成るフィルムを基材として、その上に所望の回路を作ることによって形成される。これらのフィルムは曲げ性に優れているが、同時に弾性も有している。そのため、フィルムの曲げ部が電気光学パネルの辺端から張り出す量を小さくすると、その曲げ部の近傍に実装された回路部品や、その曲げ部の近傍で接続された電気光学パネルが、フィルムの弾性によってFPCから剥がれてしまうおそれがある。
【0012】
上記第1の電気光学装置によれば、電気光学パネルの辺端に対して略平行に延びる線状部材を配線基板の曲げられた部分に設けたので、その線状部材の所で配線基板に曲げの癖を付き易くできる。このため、配線基板を容易に曲げることができ、しかも、曲げられた配線基板がその弾性によって元に戻ろうとする力を弱めることができる。この結果、配線基板の曲げ部が張り出す量を小さくした場合でも、その曲げ部近傍に設けられた回路部品や電気光学パネルが剥がれることを防止できる。故に、電気光学装置の形状を小型化できる。
【0013】
上記構成の本発明に係る電気光学装置において、前記線状部材は直線状パターンであることが望ましい。こうすれば、配線基板を曲げたときに、きれいで滑らかな曲げ癖を配線基板に与えることができる。
【0014】
また、本発明に係る電気光学装置において、前記線状部材は前記曲げられた部分の略頂部に位置することが望ましい。こうすれば、曲げ部の形状が電気光学パネル側へ片寄ったり、それと反対側へ片寄ったりすることがなくなり、曲げ部全体を一様な形状にできる。そしてその結果、曲げ部が液晶パネルから張り出す長さを短くできる。
【0015】
また、本発明に係る電気光学装置において、前記線状部材は接地線であることが望ましい。一般に、配線基板上に形成される回路には、基準電位を得るために接地線が形成される。この接地線は、通常、他の配線に比べて太く形成される。このような太い配線を配線基板の曲げ部に設けることは、曲げられた配線基板に曲げ癖を付ける上で非常に効果的である。
【0016】
また、本発明に係る電気光学装置においては、前記配線基板として、表裏両面に配線を有する構造の、いわゆる積層構造の配線基板を用いることができる。そしてこの場合には、前記電気光学パネルの辺端と略平行に延びる前記線状部材は、前記配線基板の表面のうち曲げられて縮む側の面に形成されることが望ましい。こうすれば、曲げられた配線基板に十分な曲げ癖を付与できる。
【0017】
また、本発明に係る電気光学装置において、前記配線基板の表面のうち曲げられて伸びる側の面には、該配線基板から前記電気光学パネルへ向けて延びる配線が形成されることが望ましい。ここで、配線基板から電気光学パネルへ向けて延びる配線とは、とりもなおさず、前記電気光学パネルの辺端と略平行に延びる前記線状部材に対して直角の位置関係を成す配線ということである。本実施態様のように、配線基板から電気光学パネルへ向けて延びる配線を、配線基板の表面のうち曲げられて伸びる側の面に設けるようにすれば、曲げられた配線基板に十分な曲げ癖を付与できる。
【0018】
次に、本発明に係る第2の電気光学装置は、電気光学物質を含む電気光学パネルと、該電気光学パネルに接続されると共に該電気光学パネルの方向へ曲げられた可撓性を備えた配線基板とを有し、該配線基板は前記曲げられた部分に前記電気光学パネルの辺端と略平行に延び且つ略直線状に並ぶ複数の回路部品を有することを特徴とする。
【0019】
上記構成において、複数の回路部品は、電気光学パネルを駆動するために必要となる部品であり、例えば、IC、抵抗、コイル、コンデンサ等である。従来、これらの回路部品は配線基板上の特定されない任意の場所に設けられていた。しかしながら、この場合には、配線基板を曲げた際に回路部品が厚み方向に関して電気光学パネルに重なってしまうことがあり、このことを補償するためには、配線基板と電気光学パネルの間に少なくとも回路部品の高さ以上の間隙を確保しておかなければならなかった。
【0020】
これに対し、上記第2の電気光学装置によれば、配線基板のうちの曲げられた部分に複数の回路部品を電気光学パネルの辺端に対して略平行に且つ直線状に配置させたので、電気光学装置の厚み方向に関して回路部品が電気光学パネルに重なることがない。このため、配線基板と電気光学パネルとが重なり合う領域に必要以上の間隙を確保する必要がなくなり、それら配線基板と電気光学パネルとの隙間を狭くできる。その結果、電気光学装置の形状を薄く形成できる。
【0021】
上記第2の電気光学装置において、前記複数の回路部品は、前記配線基板が曲げられた部分に形成される空間内に配置されることが望ましい。こうすれば、電気光学装置をより一層小型化できる。
【0022】
また、上記第2の電気光学装置において、前記配線基板は、前記複数の回路部品と前記電気光学パネルとの間に、該電気光学パネルの辺端に対して略平行に延びる線状部材を有することが望ましい。この実施態様は、上記第1の電気光学装置と上記第2の電気光学装置とを組み合わせた構成を有する電気光学装置に相当する。この実施態様によれば、横方向の張出し寸法及び厚み方向の寸法の両面から電気光学装置を小型化できる。
【0023】
また、上記第2の電気光学装置は構成要素として、さらに、前記電気光学パネルに対して略平行に配置された導光体と、該導光体と並べて配置された光源とを有することができる。そしてこの場合、前記配線基板は、曲げられてその先端が前記導光体の光出射面の反対面に接触する構造とすることができる。そしてさらに、前記複数の回路部品は、前記配線基板が曲げられた部分に形成される空間内であって前記光源に隣接する部分に配置されることが望ましい。こうすれば、電気光学装置をより一層小型化できる。
【0024】
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載された構成の電気光学装置を有することを特徴とする。本発明に係る電気光学装置では、可撓性の配線基板の曲げ部の張出し量を小さくしたり、又は配線基板の曲げ部にできる空間内に複数の回路部品を配置することにより、その電気光学装置の全体的な形状を小型にした。この結果、この電気光学装置を用いた本発明に係る電子機器もその全体形状を小型にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(電気光学装置の実施形態)
本発明に係る第1の電気光学装置は、電気光学物質を含む電気光学パネルと、該電気光学パネルに接続されると共に該電気光学パネルの方向へ曲げられた可撓性を備えた配線基板とを有し、該配線基板は、前記曲げられた部分に、前記電気光学パネルの辺端に対して略平行に延びる配線を有することを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明に係る第2の電気光学装置は、電気光学物質を含む電気光学パネルと、該電気光学パネルに接続されると共に該電気光学パネルの方向へ曲げられた可撓性を備えた配線基板とを有し、該配線基板は、前記電気光学パネルの辺端と略平行に延び且つ略直線状に並ぶ複数の回路部品を前記曲げられた部分に有することを特徴とするものである。
【0027】
以下、上記第1の電気光学装置及び上記第2の電気光学装置の両方を電気光学装置の一例である液晶表示装置を例に挙げて説明する。なお、これ以降に説明する実施形態は本発明の一例であって、本発明を限定するものではない。また、これからの説明では必要に応じて図面を参照するが、この図面では、複数の構成要素から成る構造のうち重要な構成要素を分かり易く示すため、各要素を実際とは異なった相対的な寸法で示している。
【0028】
図1は、本発明に係る電気光学装置である液晶表示装置の一実施形態を示している。また、図2は、図1の液晶表示装置に含まれる液晶パネル及び配線基板を展開状態で示している。また、図3は、図1に示す液晶表示装置の内部の主要な断面構造を拡大して示している。なお、図2に示された液晶パネルは、図1の液晶パネルを裏返した状態に相当する。
【0029】
図1は、2端子型の非線形抵抗素子であるTFD(Thin Film Diode)素子を用いたアクティブマトリクス方式で半透過反射型の液晶表示装置1を示している。この液晶表示装置1は、図2において、液晶パネル2と、この液晶パネル2に実装された駆動用IC3と、同じく液晶パネル2に実装された可撓性の配線基板としてのFPC5と、液晶パネル2に対して略平行に配置された照明装置4とを有する。これら液晶パネル2、駆動用IC3、FPC5及び照明装置4は、図1において、金属枠50の中に収容される。
【0030】
金属枠50は、第1金属枠50aと第2金属枠50bとを適宜の結合手法を用いて結合させることによって形成されている。このような結合手法としては、例えば、両金属枠50a及び50bの適所に予め嵌合構造を形成しておく方法や、ネジ等といった締結具を用いて結合する方法等を用いることができる。第2金属枠50bには、液晶パネル2によって実現される表示を視認するための開口V0が設けられている。
【0031】
図1において、照明装置4は、矢印Aで示す観察側から見て液晶パネル2の背面側に配設されてバックライトとして機能する。この照明装置4は、透光性の樹脂によって形成された導光体7と、その導光体7の光導入口7aに対向して配置された光源としてのLED(Light Emitting Diode)6とを有する。観察側から見て導光体7の背面側には、必要に応じて、反射層8が設けられる。また、導光体7の観察側には、必要に応じて、拡散層9が設けられる。
【0032】
LED6は、図2に示すように、可撓性の配線基板であるLED基板55に実装されている。LED基板55は、例えば、FPCを用いてL字形状に形成され、そのL字の長辺部分にLED6が実装される。本実施形態では、4個のLED6が等間隔で設けられている。また、LED基板55のLED6を設けた面の裏面には、例えば、アクリルやウレタンといった樹脂から成る緩衝部材56が設けられる。この緩衝部材56は、図1において、LED基板55が他の構成部品に接触しないようにすると共に、LED6が導光体7の光導入口7aに対して所定の位置に位置できるように、当該LED6を押える働きを有する。LED6から発生した光は、光導入口7aを通して導光体7の内部へ導入され、導光体7の内部を進行した後、光出射口7bから平面的な光として出射する。なお、光源は、LED6以外の点状光源や、冷陰極管等といた線状光源によって構成することもできる。
【0033】
液晶パネル2は、図2に示すように、素子基板12と、それに対向するカラーフィルタ基板11と、それらの基板を貼り合わせている正方形又は長方形の枠状のシール材13とを有する。図3において、カラーフィルタ基板11と素子基板12とによって挟まれた間隙、いわゆるセルギャップG内に電気光学物質としての液晶14が封入されて液晶層を構成している。
【0034】
図1において、カラーフィルタ基板11は、矢印A方向から見て長方形又は正方形の第1の透光性の基板16aを有する。この第1透光性基板16aは、例えば、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成される。また、この第1透光性基板16aの外側表面には、位相差板26a及び偏光板27aが、それぞれ、貼着等によって装着される。
【0035】
図3において、第1透光性基板16aの内側表面には、樹脂層17が形成され、その上に反射層18が形成され、その上に複数の着色要素19及びそれらを取り囲む遮光部材21が形成され、その上にオーバーコート層22が形成され、その上に紙面垂直方向へ直線的に延びる複数の帯状電極23aが形成され、さらにその上に配向膜24aが形成される。配向膜24aには配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、カラーフィルタ基板11の近傍の液晶分子の配向が決められる。
【0036】
樹脂層17の表面には凹凸形状が形成されている。このため、その樹脂層17上に積層された反射層18は同じ凹凸形状を有する。この凹凸形状により、反射層18で反射する光は拡散する。この反射層18は、例えば、Al(アルミニウム)、Al合金等によって形成される。なお、樹脂層17の表面に形成する凹凸形状を滑らかにしたい場合には、樹脂層17を第1層及び第2層の2層構造によって形成し、第1層の表面に粗い凹凸形状を形成し、そしてその上に第2層を積層して凹凸形状を滑らかにするという方法を用いることもできる。
【0037】
着色要素19は、例えば、1つ1つが矢印A方向から見て長方形のドット状に形成され、1つの着色要素19は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のいずれか1つの光を通す材料によって形成されている。これら各色の着色要素19は、矢印A方向から見てストライプ配列、デルタ配列、モザイク配列、その他適宜の配列となるように並べられている。なお、着色要素19は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3原色によって形成することもできる。
【0038】
遮光部材21は、例えばCr(クロム)等といった遮光性の材料によって、複数の着色要素19の間を埋める状態に形成される。この遮光部材21は、ブラックマトリクスとして機能して着色要素19を透過した光によって表示される像のコントラストを向上させる。なお、遮光部材21は、Cr等といった特定の材料によって形成されることに限られず、着色要素19を構成するR,G,Bの各着色要素を重ねること、すなわち積層することによっても形成できる。
【0039】
オーバーコート層22は、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等といった感光性の樹脂によって形成される。また、複数の帯状電極23aは、例えばITO(Indium Tin Oxide)等といった金属酸化物によって形成される。また、その上に形成された配向膜24aは、例えばポリイミド等によって形成される。
【0040】
図1において、カラーフィルタ基板11に対向する素子基板12は、第2の透光性の基板16bを有する。この第2透光性基板16bは、例えば、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成される。第2透光性基板16bの外側表面には、位相差板26b及び偏光板27bが、それぞれ、貼着等によって装着される。
【0041】
図3に戻って、第2透光性基板16bの内側表面には、ライン配線33が形成され、スイッチング素子として機能する2端子型の非線形抵抗素子である複数のTFD素子31がそのライン配線33に接続して形成される。そしてさらに、それらのTFD素子31に接続するように複数のドット電極23bが形成される。ライン配線33は、カラーフィルタ基板11上に帯状電極23aに対して直角方向、すなわち図3の左右方向に延びている。
【0042】
各ドット電極23bの間には複数のフォトスペーサ15が形成され、それらの上に配向膜24bが形成される。これらのフォトスペーサ15は、例えば、感光性樹脂をフォトリソグラフィ処理によってパターニングすることによって形成される。フォトスペーサ15は、立った状態の円柱形状に形成されており、セルギャップGが均一な寸法を維持するように機能する。配向膜24bには配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、素子基板12の近傍の液晶分子の配向が決められる。ドット電極23bはITO等といった金属酸化物によって形成される。また、配向膜24bは、例えばポリイミド等によって形成される。
【0043】
素子基板12に設けられる複数の直線状のライン配線33は、それらの個々が図の左右方向に延び、全体としてストライプ状に設けられている。また、複数のTFD素子31は個々のライン配線33に適宜の間隔をおいて接続され、それらのTFD素子31にドット電極23bが接続されている。個々のTFD素子31は、カラーフィルタ基板11側の遮光部材21に対応する位置に設けられる。
【0044】
また、素子基板12に対向するカラーフィルタ基板11に設けられる複数の帯状電極23aは、それらの個々が図の紙面垂直方向に延び、全体としてストライプ状に形成されている。これらの帯状電極23aは、カラーフィルタ基板11と素子基板12とをシール材13(図2参照)によって貼り合わせたとき、ライン配線33と直角の方向に延びる。個々の帯状電極23aは、列状に並ぶ複数のドット電極23bに平面的に重なり合う。このように帯状電極23aとドット電極23bとが重なり合う領域が、表示の最小単位である表示ドット領域Dを構成する。これら複数の表示ドット領域Dは縦方向及び横方向に複数個、マトリクス状に並べられ、これら複数の表示ドット領域Dによって形成される領域、すなわち有効表示領域に文字、数字、図形等といった像が表示される。
【0045】
本実施形態のように、R,G,Bの3色に対応する3つの着色要素19に対応する3つの表示ドット領域Dによって1つの画素が形成される。他方、白黒又は任意の1色でモノカラー表示を行う場合は、1つの表示ドット領域Dによって1つの画素が形成される。
【0046】
反射層18には個々の表示ドット領域Dに対応して開口46が設けられる。これらの開口46は、矢印A方向から見て長方形状に形成されている。個々の表示ドット領域Dの中で反射層18が設けられた部分Rが反射部であり、開口46が形成された部分Tが透過部である。観察側から入射した外部光、すなわち素子基板12側から入射した外部光Loは、反射部Rで反射する。一方、図1の照明装置4の導光体7から出射した光Lsは、図3の透過部Tを透過する。
【0047】
図1において、素子基板12を構成する第2透光性基板16bは、対向基板であるカラーフィルタ基板11を構成する第1透光性基板16aの外側へ張り出す張出し部29を有する。図2に示すように、この張出し部29のカラーフィルタ基板11側の表面上には、3個の駆動用IC3が、例えばACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)57を用いたCOG(Chip On Glass)技術によって実装される。これらの駆動用IC3は、走査信号を出力する駆動用IC3aと、データ信号を出力する駆動用IC3bとによって構成されている。これらの駆動用IC3は、1個の駆動用ICによって走査信号とデータ信号とを出力する構成にしても良い。
【0048】
張出し部29の端部には、外部接続用端子58が形成される。この外部接続用端子58は駆動用IC3の入力用端子、例えば入力用バンプにつながる。また、この外部接続用端子58には、可撓性配線基板であるFPC5が、例えばACF57によって接続される。FPC5と外部接続用端子58との接続には、ハンダ付け、ヒートシール等といった導電接続手法を用いることもできる。
【0049】
FPC5は、例えば、ポリイミドやポリエステル等から成るフィルムを基材として形成される曲げ性に優れた基板である。このFPC5は、図2の矢印Cのように曲げられて液晶パネル2に対面する表面S1とその反対面である表面S2とを有する。また、FPC5は、回路形成部5aと、入力用端子5bと、曲げ部5cと、出力用端子5dと、LED基板接続用端子5eとを有する。回路形成部5aは電子回路を形成するための部分である。曲げ部5cはFPC5を矢印Cのように曲げたときに曲がる部分である。LED基板接続用端子5eには、例えばハンダ付けによってLED基板55が接続される。また、入力用端子5bには、携帯電話機、携帯情報端末機等といった電子機器内に設けられる制御回路、電源等が接続される。
【0050】
本実施形態ではFPC5として2層の配線構造を有するFPCを用いるものとする。従って、回路形成部5aは表面S1と表面S2との間にわたって形成され、必要に応じてスルーホールによってそれら各面間で導通がとられる。表面S1側の回路形成部5aの上には、液晶パネル2を駆動するために必要となる複数の回路部品51が実装され、また、これらの回路部品51を駆動するための電力を供給する電源用IC53が実装され、さらに、各回路部品51を接続して回路を構成する複数の配線がパターニングによって形成される。複数の回路部品51は、回路形成部5aの曲げ部5cに近い所であって、素子基板12の辺端、すなわち液晶パネル2の辺端と略平行に直線状に並べて配置される。
【0051】
電源用IC53は、直線状に配置した複数の回路部品51と同じ直線上であって、回路形成部5aの角部にACF57を用いて実装される。電源用IC53が実装される部分の回路形成部5aと曲げ部5cとの間には図2(a)に示すように切欠きBが形成される。この切欠きBを設けたことにより、FPC5を曲げ部5cの所で曲げたとき、電源用IC53を実装した部分の回路形成部5aは曲げ部5cの曲がり状態に影響されることなく平面形状を維持する。このため、電源用IC53がFPC5から剥がれるという不都合は生じない。また、曲げ部5cは電源用IC53の影響を受けることなく曲がることができる。
【0052】
曲げ部5cの表面S1は曲げられたときに縮む側の表面である。一方、曲げ部5cの反対側の表面S2は曲げられたときに伸びる側の表面である。曲げ部5cの縮み側表面S1には、液晶パネル2の辺端に対して略平行に線状部材としての配線52が形成される。この配線52は、直線状のパターンに形成される。また、配線52は、回路形成部5a上に形成された電子回路のGND線、すなわち接地線として機能する。一般に、接地線は他の配線に比べて太い線幅を有する。この直線状配線52は、曲げ部5c上であって、回路形成部5aと曲げ部5cとの境界線と液晶パネル2の辺端との間の略中央の位置に形成される。
【0053】
曲げ部5cの伸び側表面S2には、回路形成部5aから液晶パネル2へ向けて延びる複数の配線54が設けられる。これらの配線54は、縮み側表面S1に形成された接地用配線52に対して直角方向へ延びている。また、これらの配線54は、回路形成部5a上の電子回路の出力信号を出力用端子5dへ伝送するための配線である。出力用端子5dへ伝送された信号は、液晶パネル2の外部接続用58を通して駆動用IC3へ伝送される。
【0054】
図2の液晶パネル2、駆動用IC3、FPC5、LED基板55、そして導光体4を用いて図1に示す液晶表示装置1を組み立てるに際しては、まず、駆動用IC3を液晶パネル2の張出し部29に実装し、図1の位相差板26a,26b及び偏光板27a,27bを液晶パネル2に装着する。次に、FPC5を液晶パネル2の張出し部29の外部接続用端子58を設けた部分に接続し、さらにFPC5のLED基板接続用端子5eの部分にLED基板55を接続する。
【0055】
次に、液晶パネル2のカラーフィルタ基板11側に導光体7を置き、FPC5を矢印Cのように図2の上方、従って図1の下方へ、FPC5の先端が導光体7に接触するまで曲げる。このとき、FPC5はその曲げ部5cの所で曲がる。そして、図1において、第1金属枠50aを導光体7の側から液晶パネル2に組み付け、さらに第2金属枠50bを液晶パネル2の素子基板12側から液晶パネル2に組み付け、さらに両金属枠50a及び50bを適宜の接続手法を用いて結合させて、1つの金属枠50を形成する。こうして、液晶パネル2、照明装置4、FPC5が所定の位置関係で金属枠50の中に収容されて、液晶表示装置1が作製される。
【0056】
第1金属枠50aと第2金属枠50bとを結合させたとき、液晶パネル2の全体はそれらの金属枠50a及び50bに所定の圧力で挟持されて位置ズレしないように保持される。また、LED6は、緩衝材56及び液晶パネル2の張出し部29を間に挟んで第1金属枠50aと第2金属枠50bとによって所定の圧力で挟持されて位置ズレしないように保持される。これにより、LED6は導光体7の光導入口7aに対して所定の位置に正確に置かれる。また、図2においてFPC5の回路形成部5aの曲げ部5cに近い所に実装された複数の回路部品51は、FPC5を曲げることによって形成された空間であって、LED6を挟んで液晶パネル2の反対側の位置に収納される。
【0057】
以上のようにして作製された液晶表示装置1は反射型表示及び透過型表示を選択的に実行できるものであり、反射型表示が行われる場合には、図3において、太陽光、室内光等といった外部光Loが反射部Rで反射して液晶層14へ供給される。一方、透過型表示が行われる場合には、図1の照明装置4が点灯し、導光体7から出射する平面状の光が、図3の透過部Tを通して液晶層14へ供給される。
【0058】
こうして液晶層14へ光が供給される間、液晶層14を挟持する帯状電極23a及びドット電極23bの一方に走査信号が印加され、その他方にデータ信号が印加され、これにより液晶層14にかかる電界が表示ドット領域Dごとに制御される。そして、この電圧制御により、液晶層14を通過する光が表示ドット領域Dごとに変調され、この変調された光が偏光板27bの内側に与えられることにより、その偏光板27bの外側、すなわち観察側に文字、数字、図形等といった像が表示される。こうして得られた表示は、図1において、第2金属枠50bの開口V0を通して矢印A方向から観察者によって視認される。
【0059】
ところで、液晶表示装置1を小型化するためには、図1において、曲げ部5cが液晶パネル2の外側に張り出す長さXを短くすることが望ましい。しかしながら、何等の措置も講じられていない普通のFPCをFPC5として用いるものとすると、張出し長さXが短い場合には、FPC5が有する弾性に起因してFPC5と液晶パネル2との接続部においてFPC5が液晶パネル2から剥がれるおそれがある。また、FPC5の曲げられた部分の近傍に実装された回路部品がFPC5から剥がれるおそれがある。これらのため、普通のFPCを用いてFPC5を形成した場合には、張出し長さXを小さくできず、それ故、液晶表示装置1の幅方向の長さが長くならざるを得なかった。
【0060】
このことに関し、本実施形態では、図2に示すように、液晶パネル2の辺端に対して略平行な配線52をFPC5の曲げ部5c上に形成した。このため、FPC5を曲げたときに曲げ部5cに曲げ癖が付与されるようになった。この曲げ癖のため、FPC5を曲げたときの曲げ部5cの張出し長さXを小さくしても、曲げ部5cの曲がり初め部分においてFPC5が液晶パネル2から剥がれ難くなった。また、同じ理由により、曲げ部5cの曲がり初め部分の近傍に実装された回路部品がFPC5から剥がれ難くなった。これらのため、本実施形態では、FPC5の曲げ部5cの張出し長さXを小さくできるようになり、それ故、液晶表示装置1の横方向の長さを小さくできるようになった。
【0061】
特に、本実施形態では、配線52が直線状パターンを有するものであって、湾曲形状や段々形状ではないので、FPC5には効果的な曲げ癖が付与される。また、本実施形態では、配線52を曲げ部5cの頂部に位置するように形成した。このため、曲げ部5cの形状がFPC5と液晶パネル2との接続部分側へ片寄ったり、それと反対側へ片寄ったりすることがなく、曲げ部5cの全体を一様な形状にできるので、曲げ部5cの液晶パネル2から張出し長さXをより一層短くできる。
【0062】
また、本実施形態では、曲げ部5cに設ける配線52を電子回路の接地線とした。一般に、接地線は他の配線よりも太い配線である。この太い配線は曲げ部5cを曲げたときにその曲げ部5cに、FPC5が液晶パネル2から剥がれること及び回路部品がFPC5から剥がれることを防止する上で望ましい強い曲げ癖を付けることができる。
【0063】
また、本実施形態では、FPC5として2層構造の配線基板を用いた。そして、液晶パネル2の辺端と略平行に延びる配線52は、FPC5の表面のうち曲げられて縮む側の面S1に形成した。この配線構造は、FPC5が曲げ部5cの曲がり初め部分において液晶パネル2から剥がれることを防止する上で、さらには、回路部品51がFPC5の曲げ部5cの曲がり初め部分においてFPC5から剥がれることを防止する上で、非常に好ましい配線構造である。
【0064】
また、本実施形態では、図2において、FPC5から液晶パネル2へ向けて延びる配線54がFPC5の表面のうち曲げられて伸びる側の面S2に設けられている。こうすれば、配線54を曲げ部5cの縮み側表面S1に設ける場合に比べて、FPC5の曲げ部5cに十分な曲げ癖を付与できる。
【0065】
また、本実施形態では、液晶パネル2の辺端と略平行に延び且つ略直線状に並ぶ複数の回路部品51をFPC5の曲げ部5cの所に実装した。このため、液晶表示装置1の厚み方向に関して回路部品51が液晶パネル2に重なることがなくなり、FPC5と液晶パネル2とが重なり合う領域に必要以上の間隙を確保する必要がなくなり、FPC5と液晶パネル2との隙間を狭くできるようになった。その結果、液晶表示装置1の厚み方向の形状を薄く形成できるようになった。
【0066】
また、本実施形態では、図1に示すように、FPC5が曲げられた部分に形成される空間内に複数の回路部品51を収納するようにした。これにより、液晶表示装置1の厚み方向の寸法をより一層小型化できるようになった。
【0067】
(変形例)
本発明に係る第1の電気光学装置は、電気光学物質を含む電気光学パネルと、該電気光学パネルに接続されると共に該電気光学パネルの方向へ曲げられた可撓性を備えた配線基板とを有し、該配線基板は、前記曲げられた部分に、前記電気光学パネルの辺端に対して略平行に延びる配線を有することを特徴とするものである。
【0068】
この発明に基づけば、上記実施形態において、図2に示すようにFPC5の曲げ部5cの所に配線52を設けることは必須の構成要件であるが、図1に示すように回路部品51をFPC5の曲げ部5cの所に実装することは、必ずしも実施しなくても良い。
【0069】
また、本発明に係る第2の電気光学装置は、電気光学物質を含む電気光学パネルと、該電気光学パネルに接続されると共に該電気光学パネルの方向へ曲げられた可撓性を備えた配線基板とを有し、該配線基板は、前記電気光学パネルの辺端と略平行に延び且つ略直線状に並ぶ複数の回路部品を前記曲げられた部分に有することを特徴とするものである。
【0070】
この発明に基づけば、上記実施形態いおいて、図1に示すように回路部品51をFPC5の曲げ部5cの所に実装することは必須の構成要件であるが、図2に示すようにFPC5の曲げ部5cの所に配線52を設けることは、必ずしも実施しなくても良い。
【0071】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0072】
例えば、以上に説明したそれぞれの実施形態では、半透過反射型の液晶表示装置に本発明を適用したが、本発明は、反射型表示だけを行う液晶表示装置および透過型表示だけを行う液晶表示装置のいずれにも適用できる。
【0073】
また、上記それぞれの実施形態では、TFD素子を用いた液晶表示装置に本発明を適用したが、本発明は、TFD素子以外の2端子型スイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置にも適用できる。また、本発明は、TFT(Thin Film Transistor)等といった3端子型スイッチング素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置にも適用できる。また、本発明は、スイッチング素子を用いない単純マトリクス方式の液晶表示装置にも適用できる。
【0074】
また、本発明は、液晶表示装置以外の電気光学装置、例えば、有機EL(Electro Luminescence)装置、無機EL装置、プラズマディスプレイ装置(PDP:Plasma Display)、電気泳動ディスプレイ(EPD:Electrophoretic Display)、フィールドエミッションディスプレイ装置(FED:Field Emission Display:電界放出表示装置)LED表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)にも適用できる。
【0075】
(電子機器の実施形態)
次に、本発明に係る電子機器の実施形態を図面を用いて説明する。図4は、本発明に係る電子機器の一実施形態のブロック図を示している。ここに示す電子機器は、液晶表示装置1と、これを制御する制御回路70とを有する。液晶表示装置1は、液晶パネル71と、半導体IC等で構成される駆動回路72とを有する。また、制御回路70は、表示情報出力源73と、表示情報処理回路74と、電源回路76と、タイミングジェネレータ77とを有する。
【0076】
表示情報出力源73は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等から成るメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等から成るストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを有する。この表示情報出力源73は、タイミングジェネレータ77によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路74に供給する。
【0077】
表示情報処理回路74は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等といった周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路72へ供給する。駆動回路72は、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路76は、上記の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0078】
液晶表示装置1は、例えば、図1に示した液晶表示装置1によって構成できる。この液晶表示装置1では、FPC5の曲げ部5cに直線パターン状の配線52を形成しているので、FPC5の曲げ部5cの張出し寸法を小さく形成できる。また、液晶表示装置1は、曲げ部5cに回路部品51を直線状に設けているので装置を薄く形成できる。故に、これを用いた本電子機器も小型化できる。
【0079】
図5は、本発明を電子機器の一例である携帯電話機に適用した場合の一実施形態を示している。ここに示す携帯電話機80は、本体部81と、これに開閉可能に設けられた表示体部82とを有する。液晶表示装置等といった電気光学装置によって構成された表示装置83は、表示体部82の内部に配置され、電話通信に関する各種表示は、表示体部82にて表示画面84によって視認できる。本体部81には操作ボタン86が配列されている。
【0080】
表示体部82の一端部にはアンテナ87が伸縮自在に取付けられている。表示体部82の上部に設けられた受話部88の内部には、図示しないスピーカが配置される。また、本体部81の下端部に設けられた送話部89の内部には図示しないマイクが内蔵されている。表示装置83の動作を制御するための制御部は、携帯電話機の全体の制御を司る制御部の一部として、又はその制御部とは別に、本体部81又は表示体部82の内部に格納される。
【0081】
表示装置83は、例えば、図1に示した液晶表示装置1によって構成できる。この液晶表示装置1では、FPC5の曲げ部5cに直線パターン状の配線52を形成しているので、FPC5の曲げ部5cの張出し寸法を小さく形成できる。また、液晶表示装置1は、曲げ部5cに回路部品51を直線状に設けているので装置を薄く形成できる。故に、これを用いた図5の携帯電話機80も小型化できる。
【0082】
(変形例)
本発明に係る電子機器としては、以上に説明した携帯電話機の他にも、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、デジタルスチルカメラ、腕時計、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、その他各種の機器が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る電気光学装置の一実施形態を示す液晶表示装置の断面図である。
【図2】図1の液晶表示装置を展開状態で示す斜視図である。
【図3】図1の要部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明に係る電子機器の一実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る電子機器の他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0084】
1.液晶表示装置(電気光学装置)、 2.液晶パネル(電気光学パネル)、
3.駆動用IC、 4.照明装置、 5.FPC(配線基板)、 5a.回路形成部、 5b.入力用端子、 5c.曲げ部、 5d.出力用端子、
5e.LED基板接続用端子、 6.LED、 7.導光体、
7a.導光体の光入射面、 8.反射層、 9.拡散層、 11.カラーフィルタ基板、 12.素子基板、 14.液晶、 15.フォトスペーサ、
16a,16b.透光性基板 、17.樹脂層、 18.反射層、 19.着色要素、 21.遮光部材、 22.オーバーコート層、 23a.帯状電極、
23b.ドット電極、 24a,24b.配向膜、 26a,26b.位相差板、
27a,27b.偏光板、 29.張出し部、 31.TFD素子、
33.ライン配線、 46.開口、 51.回路部品、
52.接地線(線状部材)、 53.電源用IC、 55.LED基板、
56.緩衝部材、 57.ACF、 58.外部接続用端子、
80.携帯電話機(電子機器)、 83.液晶表示装置、 D.表示ドット領域、
Lo.外部光、 Ls.透過光、 R.反射部、 T.透過部、 S1.表側面、
S2.裏側面、 X.曲げ部の張り出し長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学物質を含む電気光学パネルと、
該電気光学パネルに接続されると共に該電気光学パネルの方向へ曲げられた可撓性を備えた配線基板とを有し、
該配線基板は、前記曲げられた部分に、前記電気光学パネルの辺端に対して略平行に延びる線状部材を有する
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
請求項1記載の電気光学装置において、前記線状部材は直線状パターンであることを特徴とする電気光学装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の電気光学装置において、前記線状部材は前記曲げられた部分の略頂部に位置することを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電気光学装置において、前記線状部材は前記電気光学パネルの駆動用の接地線であることを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の電気光学装置において、
前記配線基板は表裏両面に配線を有し、
前記電気光学パネルの辺端と略平行に延びる前記線状部材は、前記配線基板の表面のうち曲げられて縮む側の面に形成される
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項5記載の電気光学装置において、前記配線基板の表面のうち曲げられて伸びる側の面には、該配線基板から前記電気光学パネルへ向けて延びる配線が形成されることを特徴とする電気光学装置。
【請求項7】
電気光学物質を含む電気光学パネルと、
該電気光学パネルに接続されると共に該電気光学パネルの方向へ曲げられた可撓性を備えた配線基板とを有し、
該配線基板は前記曲げられた部分に前記電気光学パネルの辺端と略平行に延び且つ略直線状に並ぶ複数の回路部品を有する
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
請求項7記載の電気光学装置において、前記複数の回路部品は、前記配線基板が曲げられた部分に形成される空間内に配置されることを特徴とする電気光学装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8記載の電気光学装置において、
前記配線基板は、前記複数の回路部品と前記電気光学パネルとの間に、該電気光学パネルの辺端に対して略平行に延びる線状部材を有する
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項10】
請求項7から請求項9のいずれか1つに記載の電気光学装置において、
前記電気光学パネルに対して略平行に配置された導光体と、
該導光体と並べて配置された光源とをさらに有し、
前記配線基板は、曲げられてその先端が前記導光体の光出射面の反対面に接触し、
前記複数の回路部品は、前記配線基板が曲げられた部分に形成される空間内であって前記光源に隣接する部分に配置される
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−30829(P2006−30829A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−212605(P2004−212605)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】