説明

電気化学単電池及びエネルギー貯蔵装置

本発明は、隔離膜により隔離される平らな電極膜(Al〜An,K1〜Kn)の積層体として設けられる1対の電極(A,K)を持つ電気化学単電池(2)に関し、各電極(A、K)の電極膜(Al〜An,K1〜Kn)が、内部電極導体(4.A,4.K)を介して互いに電気接続され、異なる電極(A,K)の内部電極導体(4.A,4.K)が、電気化学単電池(2)の両側で、電極膜(Al〜An,K1〜Kn)の電極材料がない区域に設けられ、各内部電極導体(4.A,4.K)が、それぞれの電極(A,K)の電極材料がない区域に統合される所定数の溶接点(5.1〜5.z)を介して、別の内部導体素子(6.A,6.K)と接続されている。

【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
この出願は、2007年4月24日に出願されたドイツ連邦共和国特許出願第10200701962.5号、2007年4月27日に出願された第102007020465.7号及び2007年5月10日に出願された第102007022436.4号の優先権を主張するものであり、その内容はこの出願に加入されている。
【技術分野】
【0002】
本発明は、電気化学単電池、及び複数のこのような電気化学単電池を含むエネルギー貯蔵装置、及びこれを使用する電気自動車又はハイブリッド形電気自動車に関する。エネルギー貯蔵装置(電池パックとも称される)は複数の平らな電気化学単電池(電池単電池とも称される)を含み、その各々が外部端子を介して電気化学単電池を互いに接続する1対の電極を含んでいる。
【背景技術】
【0003】
応用例えば電気自動車、ハイブリッド自動車、電気工具等のための高入−出力電源のような要求を満たすため、新しいエネルギー貯蔵装置例えば鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル金属水酸化物電池、ニッケル−カドミウム電池及び電気二重層コンデンサなどが開発されている。
【0004】
これらの新しいエネルギー貯蔵装置は、駆動電動機及び車載システムに電力を供給する。エネルギー貯蔵装置の充−放電過程を制御するため、充−放電過程、制動エネルギーから電気エネルギーへの変換(回生制動)等を管理する制御器が統合されているので、エネルギー貯蔵装置は自動車の動作中に充電することができる。
【0005】
エネルギー貯蔵装置又は各電気化学単電池は、400Aの電流及び極端な条件例えば高温に対しては500Aまでの電流で、100V〜450Vの最大電圧範囲のようなよい特性を示さねばならない。連続電流は80A〜100Aの範囲にあり、応用に応じてもっと大きい範囲にある。
【0006】
このような極端な条件に対して、エネルギー貯蔵装置の電気化学単電池の接続部は、極端に応力をかけられる。
【0007】
接続は通常クリンプ、ボルト又は溶接点を介して行われる。電気化学単電池は、接続部の構成中に熱応力及び機械応力を介して損傷される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、極端な条件下例えば車両において大きい振動及び高い温度の下で例えば15年まで高い信頼性を示す接続部を持つ電気化学単電池及びエネルギー供給装置を提供することである。更にエネルギー供給装置が、良好な電流容量(即ち良好な通電能力、ただし接続抵抗が単電池内部抵抗より小さい)及び熱応力及び機械応力に抗する高い能力を示すようにする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達するため、電気化学単電池が高容量及び電極接続部の新しい接続形式を介して電流及び熱の良好な分布を持っている。
【0010】
本発明の重要な局面によれば、電気化学単電池が、少なくとも1つの隔離膜により隔離される平らな電極膜の積層体として設けられる1対の電極を持ち、各電極の電極膜が、内部電極導体を介して互いに電気接続され、異なる電極の内部電極導体が、電気化学単電池の両側で、電極膜の電極材料がない区域に設けられ、各内部電極導体が、それぞれの電極の電極材料がない区域に統合される所定数の溶接点を介して、別の内部導体素子と接続されている。
【0011】
内部電極導体及び内部電極膜に溶接される別の導体素子をこのように設けることにより、良好な電流容量と電流及び熱の分布で高度の信頼性が得られる。更に単電池は、電極膜の空間を節約する効果的な詰め込みにより長寿命を期待される。このように設けられる単電池は、簡単かつ効率的に非常に速やかに製造可能である。電気化学単電池は、導体寸法例えば導体の厚さ及び幅において高度の融通性及び変化可能性を持っているので、単電池特に活性電極材料を持つ膜表面は、単電池の高いエネルギー密度及び高度の空間節約のため最適化可能である。
【0012】
別の内部導体素子が内部導体棒として設計されているのが好ましい。1つの可能な実施形態では、別の内部導体素子が、陽極(即ち負極又は負端子)として少なくとも銅から成っている。別の内部導体素子が陰極(正極又は正端子)として少なくともアルミニウムから成っている。
【0013】
本発明の別の局面によれば、別の内部導体素子が少なくとも1mmなるべく約1.5mmの厚さを持っている。この厚さは、例えば単一電気化学単電池の大きさの特別な応用に基いて変化可能である。単電池が大きいほど、別の内部導体素子の厚さが大きい。
【0014】
可能な実施形態では、別の内部導体素子が内部電極導体に統合されている溶接点の形状に一致する所定数の統合された膨出部又はこぶを持っている。内部電極導体が、溶接点として、統合された膨出部又はこぶを含んでいるのがよい。更に別の内部導体素子に統合されている膨出部又はこぶの数が、内部電極導体に統合されている溶接点の数と同じである。別の内部導体素子を持つ内部電極導体を介して内部電極膜を溶接接続するための接続点をこのように設けると、高度の空間節約が可能になり、かつ長寿命が期待され、大電流を分配する一定の固定接続が可能になる。
【0015】
本発明の別の実施形態では、外部電極導体が、別の内部導体素子及び内部電極導体に、統合される膨出部又はこぶ及び溶接点の同時溶接を介して接続されている。
【0016】
可能な実施形態では、外部電極導体が、別の内部導体素子の膨出部又はこぶ及び特に超音波溶接を介して一緒に溶接される内部導体の溶接点の数及び形状に一致する統合された所定数の膨出部又はこぶを持っている。
【0017】
更に外部電極導体が、保護層で被覆される少なくとも銅から成っている。良好な防食のために、保護層が錫又はニッケル又は合金例えばアルミニウムマンガン又はアルミニウム銅の合金から成っている。その代りに、外部電極導体が処理された表面例えば電子ビームで処理された表面を持つ銅から成っていることもできる。
【0018】
本発明の別の局面によれば、各外部電極導体が少なくとも1mmの厚さを持っている。この厚さは、特別な応用例えば電気化学単電池の大きさに基いて変化することができる。単電池が大きいほど、外部電極導体の厚さが大きい。例えばこの厚さは約1mm〜約3mmの範囲にある。これにより、必要な導体断面が新しい導体厚さによって与えられるので、同じ単電池外面により付加的な有効電極表面が与えられる。更にこのような導体厚さは、内部単電池と外部単電池との間の移行面の減少を可能にし、それによりこの移行面における密封性が増大する。
【0019】
電気化学単電池を他の電気化学単電池と接続するため、各外部電極導体がそれぞれの外部端子と接続されている。
【0020】
本発明の別の局面として、エネルギー貯蔵装置が、いわゆるぽかよけ(接触素子が互いん誤接触しないように設計されているようなフェイルセーフ接触)を介して、電気化学単電池の所定のフェイルセーフ接続部を備えている。
【0021】
本発明の重要な局面によれば、エネルギー貯蔵装置が複数の平らな電気化学単電池を含み、各電気化学単電池が、外部端子を介して電気化学単電池を互いに電気接続する1対の電極を含み、各電気化学単電池が、1対の外部端子としてまっすぐな外部端子と曲がった外部端子を含み、1つの電気化学単電池のまっすぐな外部端子が隣接する電気化学単電池の曲がった外部端子と接続されるように、これらの電気化学単電池が互いに接続されている。
【0022】
外部端子のこのような設計により、電気化学単電池が誤接続しないようにすることができる。更にこの設計は、1つのパック例えば電池パックまたはエネルギー貯蔵パックに電気化学単電池を効果的に空間を節約して設けるのを可能にし、このパックにおいて平らな電気化学単電池が互いに積層される。このような積層配置は、積層体を複数の単電池のモジュールに簡単かつ効果的に分割するのを可能にする。
【0023】
大電流で信頼性のある永久接続のために、各外部端子は少なくとも1つの膨出部なるべく2つの膨出部を持っている。
【0024】
本発明の別の局面によれば、各外部端子が少なくとも1mmの厚さを持っている。この厚さは、例えばエネルギー貯蔵装置の大きさ特に単一の電気化学単電池の大きさの応用に基いて変化可能である。装置又は単電池が大きいほど、外部端子の厚さは大きい。例えば厚さは約1mm〜約3mmの範囲になければならない。これにより、必要な端子断面が新しい端子厚さによって与えられるので、同じ単電池外面により付加的な有効電極表面が与えられる。更にこのような端子厚さは、内部単電池と外部単電池との間の移行表面の減少を可能にし、それによりこの移行面における厚さが増大する。
【0025】
本発明の可能な実施形態では、各外部端子が少なくとも銅から成っている。別の可能な実施形態では、各外部端子が、保護層で被覆される少なくとも銅から成っている。保護層は例えば錫又はニッケル又は合金例えばアルミニウムマンガン又はアルミニウム銅の合金から成っている。
【0026】
応用に応じて、電気化学単電池は直列、並列又は直並列に接続される。
【0027】
本発明は、電気自動車、ハイブリッド電気自動車特に並列ハイブリッド電気自動車、直列ハイブリッド電気自動車又は直並列ハイブリッド電気自動車において使用可能である。更に本発明は風エネルギー又は他の生産されるエネルギー例えば太陽エネルギーのためにも使用可能である。
【0028】
本発明が、図示される以下の実施例を参照して更に説明される。しかしこれらの実施例が革新的な教示の多くの有利な使用の例にすぎないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】 各単電池の外部端子対を介して互いに接続される複数の電気化学単電池を持つエネルギー貯蔵装置を示す。
【図2】 内部及び外部電極導体を持つ電気化学単電池の1つを示す。
【図3】 外部電極導体を持つ電気化学単電池の1つを示す。
【図4】 別の内部導体素子の1つを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は電気化学単電池及び複数のこれらの単電池を含むエネルギー貯蔵装置に関する。本発明は種々の応用例えばハイブリッド電気自動車において使用可能であり、それによりハイブリッド自動車は駆動電動機及び内燃機関を持ち、駆動電動機はエネルギー貯蔵装置から供給される電力により駆動される。その代りにエネルギー貯蔵装置は、エネルギー貯蔵装置から供給される電力により駆動される駆動電動機を持つ電気自動車においても使用可能である。更にエネルギー貯蔵装置は、風又は太陽のエネルギーを貯蔵するために使用可能であり、そのため装置は風又は太陽エネルギープラントに統合される。
【0031】
図1は、複数の平らな電気化学単電池2(電池単電池又は単一の単電池又は角柱単電池とも称される)を持つエネルギー貯蔵装置1(電池パックとも称される)を示す。
【0032】
各電気化学単電池2は1対の電極A及びKを持ち、電極Aの1つは陽極であり、他の電極Kは陰極である。
【0033】
電気化学単電池を互いに電気接続するため、各単電池2の電極A及びKは外部端子3.A及び3.Kと接続されている。応用に応じて電気化学単電池2は、外部端子3.A及び3.Kを介して並列、直列又は直並列に接続可能である。
【0034】
図1による実施例は、直列接続される電気化学単電池2を示している。
【0035】
電気化学単電池2の1つが図2に詳細に示されている。
【0036】
各電気化学単電池2は、例えば電極A及びKとして複数の内部電極膜A1〜An及びKl〜Knを持つ平らな単電池であり、異なる電極膜A1〜An及びK1〜Knは、図示しない隔離膜により隔離されている。この隔離膜は、例えば非水電解質ですすぐ。電極A、K用膜の代わりに、隔離板も使用可能である。
【0037】
単電池2の種類例えばリチウムイオン単電池に応じて、電極膜A1〜An,K1〜Knが2つの異なるグループに分割される。電極膜の1つのグループA1〜Anは例えば金属リチウムの陰極又は負極Kを表わし、電極膜の他のグループK1〜Knは例えばリチウム黒鉛の陽極又は正極Aを表わす。
【0038】
外部端子3.A,3.Kを各電気化学単電池2のそれぞれの電極A,Kと接続するために、単電池2は内部電極導体4.A,4.Kを持っている。詳細には、それぞれの電極A及びKの内部電極膜A1〜An及びK1〜Knは、内部電極導体4.A及び4.Kを介して互いに電気接続されて、異なる電極A及びKの内部電極導体4.A及び4.Kが、電気化学単電池2の両側で、それぞれの電極膜A1〜An及びK1〜Knの電極材料なしの区域に設けられるようにしている。
【0039】
各電極A及びKの内部電極膜A1〜An及びK1〜Knの固定接続のために、各内部電極導体4.A及び4.Kは、それぞれの電極A及びKのそれぞれの電極膜A1〜An及びK1〜Knの電極材料なしの区域に所定数の溶接点5.1〜5.zを備えている。内部電極膜A1〜An及びK1〜Knのこのような固定接続により、電極膜A1〜An,K1〜Knの間に設けられる隔離膜の固定接続が可能になる。
【0040】
更に各内部電極導体4.A及び4.Kは、隠されている別の内部導体素子6.A及び6.K(隠されている別の内部導体素子6.A及び6.Kは破線で示される)と接続されている。
【0041】
別の内部導体素子6.A及び6.Kは、例えば内部導体棒として設けられている。陰極Kとしての別の内部導体素子6.Kは、少なくともアルミニウムから成っているのがよい。他の別の内部導体素子6.Aは陽極Aを表わし、少なくとも銅から成っている。更に各内部導体素子6.A又は6.Kは、約1mm特に約1.5mmの厚さを持っている。
【0042】
別の内部導体素子6.A,6.Kを内部電極導体4.A,4.K及び内部電極膜A1〜An,K1〜Knと接続するために、別の内部導体素子6.A及び6.Kは、形状及び数において内部電極導体4.A及び4.Kの溶接点5.1〜5.zと一致する複数の膨出部7.1〜7.z又はこぶを持っているので、内部電極導体4.A,4.Kをそれぞれ別の内部導体素子6.A,6.Kと接続するために、溶接が一緒に行われる。
【0043】
別の内部導体素子6.A,6.Kの膨出部7.1〜7.zは、単電池2を包囲する単電池ケーシング例えば膜ケーシング特にアルミニウム積層膜ケーシングを通って突出せしめられている。
【0044】
図3は外部電極導体8.A,8.Kを示す。1つの外部電極導体8.A又は8.Kは1つの電極A又はKを表わす。外部電極導体8.A,8.Kは、別の内部導体素子6.A,6.Kと一緒に溶接される膨出部又はこぶを介して接続されている。詳細には、各外部電極導体8.A,8.Kは、内部電極導体4.A,4.Kの統合された溶接点5.1〜5.z及び別の内部導体素子6.A,6.Kの統合された膨出部7.1〜7.zに数及び形状が一致する複数の統合された膨出部又はこぶ(図示せず)を持っている。
【0045】
外部電極導体8.A,8.Kは、例えば錫又はニッケル又は合金例えばアルミニウムマンガン又はアルミニウム銅の合金から成る保護層で付加的に被覆された少なくとも銅から成っているのがよい。外部電極導体8.A,8.Kは導体棒として設けられていてもよい。
【0046】
その代りに外部電極導体8.A,8.Kは、処理された表面例えば電子ビームで処理された表面を持つ少なくとも銅から成っていてもよい。更に各外部電極導体8.A,8.Kは少なくとも1mmの厚さを持っている。この厚さは、特別な応用例えば電気化学単電池2の大きさに基いて変化することができる。単電池2が大きいほど、外部電極導体8.A,8.Kの厚さが大きい。例えば厚さは約1mm〜約3mmの範囲にある。
【0047】
図3に示すように、各外部電極導体8.A,8.Kは、更にそれぞれの外部端子3.A,3.Kに接続されている。
【0048】
更に別の膜を持つ電極膜A1〜An,K1〜Knの装置は、ケーシング9により包囲されることができる。ケーシング9は、単電池2を他の単電池に対して絶縁する膜ケーシング又は板ケーシングとして設けられることができる。
【0049】
単電池2は少なくとも電気的に互いに隔離されている。更に単電池2は、使用される材料に応じて互いに熱的に隔離されることができる。その代りに、単電池2は、ケーシング表面を介して互いに電気的に接続可能である。他の実施例では、材料例えば樹脂が電気絶縁のため単電池2の間に満たされている。
【0050】
エネルギー貯蔵装置1全体は、図示しないケーシングにより、例えば板ケーシング又は膜ケーシング(ソフトパックとも称される)により包囲されることもできる。
【0051】
その代りに、温度センサ素子のようなセンサ素子を、外部端子3.A,3.Kに直接統合することができる。これは非常に異なる温度測定を可能にする。
【0052】
特にエネルギー貯蔵装置1の大きさに応じて、各外部端子3.A,3・Kの厚さが1mm〜3mmの範囲内で変化してもよい。1つの実施例では、各外部端子3.A,3.Kが少なくとも1mmの厚さを持つことができる。その代りに外部端子3.A,3.Kは、利用可能な空間及び必要な小ささ及び密封性に応じて上述した範囲内で異なる厚さを持つことができる。
【0053】
更に外部端子3.A,3.Kは、それぞれの単電池2からの電流分配が効果的に行われるように、異なるように形成可能である。例えば各外部端子3.A,3.Kの接続端部は、円錐形状を持つことができる。各外部端子3.A,3.Kの接続端部は、端子3.A,3Kをそれぞれの内部電極導体8.A,8.Kと接続する端部である。
【0054】
フェイルセーフ取付け及び組立てのために、特に電気化学単電池2相互のフェイルセーフ接続のために、各単電池2の外部端子3.A及び3.Kの対が異なるように設計されて、外部端子の1つ例えば外部陽極端子3.Aがまっすぐな形状を持ち、同じ単電池2の他の外部端子例えば外部陽極端子3.Kが曲がった形状等を持っている。更に隣接する電気化学単電池2の互いに接続される外部端子3.A及び3.Kが異なるように設計されて、接続される外部端子の1つ例えば1つの電気化学単電池2の外部陽極端子3.Aがまっすぐな形状を持っている。即ちこれらの単電池2が互いに並列接続される場合、隣接する電気化学単電池2の外部陽極端子3.Aは曲がった形状を持っている。
【0055】
換言すれば、エネルギー貯蔵装置1全体の空間を節約するフェイルセーフ設置及び組立てのために、接続の種類例えば並列又は直列又は直並列接続に応じて、1つの電気化学単電池2のまっすぐな外部端子3.A又は3.Kが、隣接する電気化学単電池2の曲がった外部端子3.A又は3.Kに接続されるように、電気化学単電池2が互いに接続されている。
【0056】
各外部端子3.A,3.Kが少なくとも銅から成っているのがよい。各外部端子3.A,3.Kは同じ材料から成っている。これにより同じ溶接温度が可能になる。更に各外部端子3.A,3.Kは、保護層で被覆される少なくとも銅から成っていてもよい。保護層はなるべく耐食性の錫又はニッケルから成っている。保護層は非常に薄い。例えば保護層は数μmの厚さを持っている。
【0057】
図4は、それぞれの内部電極導体4.Aの統合された点5.1〜5.z及びそれぞれの外部電極導体8.Aの図示しない統合された膨出部との同時溶接のための統合された膨出部7.1〜7.zを持つ別の内部導体素子6.Aの可能な実施例を示す。点5.1〜5.z及び膨出部7.1〜7.zの形状及び数は、応用及び/又は単電池2の大きさに応じて変化することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 エネルギー貯蔵装置
2 電気化学単電池
3.A 陽極の外部端子
3.K 陰極の外部端子
4.A 内部電極導体(陽極導体)
4.K 内部電極導体(陰極導体)
5.1〜5.z 溶接点
7.1〜7.z 膨出部
7.A 別の内部導体素子(陽極導体)
7.K 別の内部導体素子(陰極導体)
A 陽極
K 陰極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔離膜により隔離される平らな電極膜(Al〜An,K1〜Kn)の積層体として設けられる1対の電極(A,K)を持つ電気化学単電池(2)であって、
各電極(A、K)の電極膜(Al〜An,K1〜Kn)が、内部電極導体(4.A,4.K)を介して互いに電気接続され、
異なる電極(A,K)の内部電極導体(4.A,4.K)が、電気化学単電池(2)の両側で、電極膜(Al〜An,K1〜Kn)の電極材料がない区域に設けられ、
各内部電極導体(4.A,4.K)が、それぞれの電極(A,K)の電極材料がない区域に統合される所定数の溶接点(5.1〜5.z)を介して、別の内部導体素子(6.A,6.K)と接続されている
電気化学単電池。
【請求項2】
別の内部導体素子(6.A,6.K)が内部導体棒として設計されている、請求項1に記載の電気化学単電池。
【請求項3】
別の内部導体素子(6.A,6.K)が、陽極(A)として少なくとも銅から成っている、請求項1に記載の電気化学単電池。
【請求項4】
別の内部導体素子(6.K)が陰極(K)として少なくともアルミニウムから成っている、請求項1に記載の電気化学単電池。
【請求項5】
別の内部導体素子(6.A,6.K)が所定数の統合された膨出部(7.l〜7.z)を含み、膨出部の形状が、内部電極導体(4.A,4.K)に統合されている溶接点(5.l〜5.z)の形状に一致している、請求項1に記載の電気化学単電池。
【請求項6】
内部電極導体(4.A,4.K)が、溶接点(5.1〜5.z)として、統合された膨出部又はこぶを含んでいる、請求項1に記載の電気化学単電池。
【請求項7】
別の内部導体素子(6.A,6.K)に統合されている膨出部(7.1〜7.z)の数が、内部電極導体(4.A,4.K)に統合されている溶接点(5.1〜5.z)の数と同じである、請求項6に記載の電気化学単電池。
【請求項8】
外部電極導体(8.A,8.K)が、別の内部導体素子(6.A,6.K)及び内部電極導体(4.A,4.K)に、統合される膨出部(7.1〜7.z)及び溶接点(5.1〜5.z)の同時溶接を介して接続されている、請求項7に記載の電気化学単電池。
【請求項9】
外部電極導体(8.A,8.K)が、保護層で被覆される少なくとも銅又はアルミニウムから成っている、請求項8に記載の電気化学単電池。
【請求項10】
保護層が錫又はニッケル又は合金例えばアルミニウムマンガン又はアルミニウム銅の合金から成っている、請求項9に記載の電気化学単電池。
【請求項11】
外部電極導体(8.A,8.K)が処理された表面例えば電子ビームで処理された表面を持つ銅から成っている、請求項8に記載の電気化学単電池。
【請求項12】
各外部電極導体(8.A,8.K)がそれぞれの外部端子(3.A,3.K)と接続されている、請求項8に記載の電気化学単電池。
【請求項13】
別の内部導体素子(6.A,6.K)の膨出部(7.1〜7.z)が、単電池(2)を包囲する単電池ケーシング(9)を通って突出している、請求項1に記載の電気化学単電池。
【請求項14】
単電池ケーシング(9)が膜ケーシングたとえばアルミニウム積層膜ケーシングである、請求項13に記載の電気化学単電池。
【請求項15】
請求項1に記載の複数の平らな電気化学単電池を持つエネルギー貯蔵装置。
【請求項16】
各電気化学単電池(2)が、外部端子(3.A,3.K)を介して各電気化学単電池(2)を他の各電気化学単電池と電気接続する1対の電極(A,K)を含んでいる、請求項15に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項17】
電気化学単電池(2)が直列接続されている、請求項15に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項18】
電気化学単電池(2)が並列接続されている、請求項15に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項19】
電気化学単電池(2)が直並列接続されている、請求項15に記載のエネルギー貯蔵装置。
【請求項20】
請求項15に記載のエネルギー貯蔵装置(1)から供給される電力により駆動される駆動電動機を持つ電気自動車。
【請求項21】
駆動電動機及び内燃機関を持つハイブリッド形電気自動車であって、駆動電動機が請求項15に記載のエネルギー貯蔵装置から供給される電力により駆動される、ハイブリッド形電気自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−527499(P2010−527499A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507819(P2010−507819)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003273
【国際公開番号】WO2008/128771
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(507243175)テミツク・オートモテイーベ・エレクトリツク・モータース・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (11)
【出願人】(397009152)エナックス株式会社 (23)
【Fターム(参考)】