説明

電池式認証カード

本発明は電池式ビデオゲームプレイカード、電池式投票者認証カード、電池式金融取引カードのためのシステムおよび方法、およびそれぞれの使用を管理する方法を提供する。カードは全般的に薄型で柔軟な基板、および基板内に配置された電池を含む。動的トークン値ジェネレータおよび/あるいはバイオメトリックセンサーが基板内に配置され、且つ電池より電源が供給される。動的トークン値ジェネレータにより生成されるトークン値を表示するために、基板上に電子ディスプレイが搭載される。トークン値は、保護された電子情報あるいは能力へのアクセスを提供するバックエンドトークン値保護識別システムと組み合わせて用いるよう設計される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に認証カード、またより具体的には、電子情報へのアクセスを提供し且つ/あるいは認証投票および金融取引を可能とする動的電池式認証カードに関する。
【0002】
本明細書は、その全文が本明細書に参照文献として組み入れられている、米国暫定特許明細書第60/855,395号(2006年10月31日提出)および60/855,392(2006年10月31日提出)の利点を主張する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータおよびビデオゲーム(本明細書では総称的に「ビデオゲーム」と呼ぶ)の人気は1980年代後半より一定して上昇している。ビデオゲーム市場はビデオゲーム機用ゲーム(例:ソニープレイステーション(商標)、マイクロソフトXbox(商標)および任天堂Wii(商標)など)、パーソナルコンピュータ(PC)ゲーム、およびオンラインコンピュータゲームを含む。これらのフォーマットのいずれにおいても、典型的なゲームは三次元グラフィックス、音響効果、音楽、物語、および双方向性を含むマルチメディアエンタテーメントを提供する。インタラクティブ機能はプレイヤーの興味をとらえ、またプレイヤーにビデオゲームの種々の環境、ストーリーライン、および目標あるいは挑戦の探索を促す。
【0004】
ゲームのプレイを促進し、プレイヤーがプレイを継続するよう促すために、ビデオゲームデザイナーは、次のレベルに進むためにそれぞれ完了しなければならない種々のレベルによってゲームを構成することが多い。プレイヤーが要求されたタスクを完了すると、ゲームは新たなレベル、「世界」、および機能をアンロックし、プレイヤーがそれらを利用できるようにする。デザイナーは、ゲーム内である連続した操作を実行するか、あるいは時に「チートコード」と呼ばれるコードを入力することによってのみアクセスできる秘密の機能もゲームに埋め込む。
【0005】
オンラインゲームの場合、ゲームのパブリッシャーは仮想オンライン世界へのアクセスをホストおよび制御することができる。典型的には、パブリッシャーはプレイヤーにゲームへの登録を要求した後、ゲームにログオンしてプレイするためのある種の認証を要求する。
【0006】
投票方法も同様の認証問題に直面する。現行の投票方法の問題の1つは、とりわけ違反であり、複数回投票が許可されていない場合にそれを行う者、他人の代わりに投票する者(適切な認証なしで)、およびその後の分析のための投票/投票者監査試験の全般的な欠如を含む。
【0007】
所与の投票システムあるいは方法の品質に対する疑義を緩和し、既知の投票システムの欠陥に対処するシステムを有することが望ましいであろう。
【0008】
金融取引も同様の認証問題に遭遇する。現行の金融取引に伴う問題の一つは、とりわけ詐欺であり、個人識別を盗んで、あるいは「フィッシング」と呼ばれる手口を用いて個人情報を取得して金融詐欺を行う者を含む。個人識別盗用(他人の個人識別を盗む者によって行われる詐欺)は、被害を受けた者にとって極めて破壊的であり、また一旦ある個人の金融個人識別が損なわれると、止めることは一般的に困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
金融取引を実行する前に個人を認証するシステムを有し、個人情報が開示されることを制限し、現行の取引システムを用いて履行上の問題を低減し、かつシステムの欠陥および限界に対処することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの実施形態によると、薄い柔軟性の基板および基板内に配置された電池を含む電池式ビデオゲームプレイカード(playing card)が提供される。基板内に動的トークン値ジェネレータを配置しかつ電池より電源を供給する。動的トークン値ジェネレータにより生成されるトークン値を表示するために、基板上に電子ディスプレイが搭載される。トークン値は、ビデオゲームのロックされた部分へのアクセスを提供するバックエンドトークン値保護識別システムと組み合わせて用いられるよう構成される。
【0011】
本発明の他の実施形態によると、薄い柔軟性の基板および基板内に配置された電池を含む電池式投票カードが提供される。基板内に動的トークン値ジェネレータを配置しかつ電池より電源を供給する。動的トークン値ジェネレータにより生成されるトークン値を表示するために、基板上に電子ディスプレイが搭載される。トークン値は、投票者を認証するバックエンドトークン値保護識別システムと組み合わせて用いられるよう構成される。
【0012】
本発明の他の実施形態によると、多数のカードを配布することを含み、各カードが薄くおおむね柔軟な形態を有し、かつその中に動的トークン値ジェネレータが搭載される、電子情報へのアクセスを提供する方法が提供される。ネットワークを通じて、多数のカードのうちの1枚において動的トークン値ジェネレータによって生成されたトークン値が受信される(トークン値はユーザーによって入力される)。受信したトークン値は、バックエンドトークン値保護識別システムによって認証され、かつ事前にはアクセスが不可能であった電子情報に対するアクセスが提供される。
【0013】
本発明の他の実施形態によると、投票者に多数の投票カードを配布することを含み、各投票カードが薄くおおむね柔軟な形態を有し、且つその中に動的トークン値ジェネレータが搭載される、投票を管理する方法が提供される。静的識別子は、投票カードを受け取る投票者に関連付けられる。個別の投票者は、その個別の投票者の個人識別を示す入力を受信し、且つ静的識別子に対応する入力を受信することによって認証される。その個別の投票者は、静的識別子がその個別の投票者に関連付けられていることを確認することにより、一次認証される。次に、バイオメトリック指紋スキャン、あるいはその個別の投票者が受け取った投票カード上に表示される即時トークン値に対応する入力が受信され、その個別の投票者はバックエンド保護個人識別システムによって、指紋スキャンあるいは即時トークン値を確認することにより二次認証される。その個別の投票者が一次および二次認証されると、その個別の投票者に対して投票に進むことが許可される。
【0014】
本発明の他の実施形態によると、多数の投票カードを配布することを含み、各投票カードが薄くおおむね柔軟な形態を有し、且つその中に動的トークン値ジェネレータが搭載される、投票を管理する方法が提供される。静的識別子がバックエンドシステムにおいて各投票カードと関連付けられ、さらにその関連付けられた投票カードと共に提供および配布される。個別の投票者カードは、静的識別子に対応する入力を受信し、且つバイオメトリック指紋スキャン、あるいはその個別の投票カード上に表示される即時トークン値に対応する入力を受信することによって、認証される。個別の投票カードは、静的識別子に対応する入力に基づき、バックエンド保護個人識別システムにより、指紋スキャンあるいは即時トークン値を確認することによって認証される。個別の投票者カードが認証された場合、その投票者に対して投票に進むことが許可される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態による電池式ゲームプレイカードの模式図である。
【図2A】本発明の実施形態による電池式認証選挙投票カードの模式図である。
【図2B】本発明の実施形態による電池式認証金融アクセスカードの模式図である。
【図3】本発明の他の実施形態による電池式認証投票カードの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、制限された電子情報および/あるいはシステムへのアクセスを提供することのできる、動的電池式認証カードを提供する。本発明の1つの実施形態は、たとえばビデオゲームなどへのアクセスを提供する電池式認証ゲームプレイカードを提供する。他の実施形態は、制限された投票システムへのアクセスを提供する電池式認証投票カードを提供する。さらに他の実施形態は、制限された金融情報システムへのアクセスを提供する電池式認証金融アクセスカードを提供する。
【0017】
電池式ゲームプレイカード、認証投票カード、および認証金融アクセスカード(本明細書では相称的に「認証カード」と呼ぶ)を含む本発明の全ての実施形態に関して、個別の用途に適した何らかの方法によりカードに埋込まれた電気回路を起動することができる。たとえば、回路は光センサー、音声センサー、モーションセンサー、圧力センサー、ワイヤレスセンサー、バイオメトリックセンサー、あるいは機械スイッチによって起動することができる。適切な刺激を受信すると、認証カードは光、音、および動きによって起動されるであろう。たとえば高周波識別(RFID)、ブルートゥース(商標)、超広帯域(UWB)、WiFiあるいは近距離場通信(NFC)技術などを用いたワイヤレスセンサーにより、認証カードは適切なワイヤレスシグナルで起動されるであろう。機械スイッチにより、たとえばユーザーが1つのボタンあるいは複数のボタンを押す、あるいはスイッチをスライドすることで認証カードを起動することができる。バイオメトリックセンサーにより、たとえば認証するユーザーの登録された指紋をバイオメトリックセンサー上に置く、あるいはその上で指紋を滑らせることなどで、認証カードを起動することができる。一部の実施形態においては、電力を節約しかつ認証カードの有効期限を延長するために、バイオメトリックセンサーと組み合わされたユーザー起動機械スイッチが好まれることもある。
【0018】
上記のように、本発明は、認証を提供するために時間と共に変化するトークン値を用いることができる。1つの実施形態では、本発明はスマートカード様デバイスのディスプレイにトークン値を表示する。トークン値は比較的短期間の後に(例:30〜60秒毎に)変更することができる。トークン値は、任意の静的識別値(例:登録プロセスを経て得られるカード番号あるいは個人識別番号(PIN))と組み合わされた場合に、ユーザーに固有の個人識別、およびそれによりユーザーが、ビデオゲームあるいはビデオゲームの機能などの、電子データあるいは電子システムにアクセスすることのできる安全な方法を提供する。
【0019】
このようなトークン値をサポートする適切な技術の例は、EMC(マサチューセッツ州ベッドフォード)のセキュリティ部門であるRSA(商標)により生成される。RSAのウェブサイトに記載されているように、ユーザーらは、RSA SecurIDシステムなどの、トークン値保護識別システムによって保護されたリソースにアクセスするために、秘密PIN(ユーザーらのみが知っている何か)あるいはバイオメトリック認証と動的トークン値ジェネレータあるいはオーセンチケータによって生成されるトークンコード(ユーザーらが物理的に処理する何か)を組み合わせてもよい。その結果は、ユーザーを明確に識別、あるいは認証するのに用いられる固有のワンタイムユーズパスコードである。コードがバックエンドトークン値保護識別システムによって確認されると、ユーザーは保護されたリソースへのアクセスが許可される。認識されない場合、ユーザーはアクセスを拒否される。
【0020】
RSA SecurIDなどのトークン値ハードウェアオーセンチケータにより、ユーザーのデスクトップコンピュータとのインタラクションは不要、すなわち、ユーザー(例:投票者、ビデオゲームプレイヤーあるいは金融取引)はソフトウェアをインストールあるいは保守しなくともよい。同様に重要なことに、ユーザーはトークンをプログラムする必要がない。さらに、ユーザーメンテナンスも不要である。その結果、この種の認証ソリューションは配置、管理、および使用が容易である。
【0021】
本発明の1つの実施形態によると、動的トークン値ハードウェアオーセンチケータの回路および電池は、従来のクレジットカードあるいはプレイカードと同等のサイズの基板に挿入することが可能であり、かつ少なくともISO7816の柔軟性基準を満たす。そのような装置に適した柔軟型電池は、ポリマーマトリックス電解液(PME)を用いた電池を生産する、ソリコア社(フロリダ州レークランド)より入手可能である。電池は超薄型で、柔軟で、環境にやさしく、かつ安全であり、かつ好ましくは以下の特徴を有する:
・薄型デザイン−厚さ約0.3mm;
・柔軟でありかつ折曲げたり屈曲したりしても破損あるいはひび割れしない。
・電解質を、多様なデザインに造形および成型することのできる固形の非圧縮性フィルムにすることができるという点で適合する;
・高速印刷および製本プロセス、およびカード製造プロセスに適合し、且つ高温ラミネーションプロセスで破損されない;
・幅広い温度範囲(−20℃から+60℃)にわたって使用可能;
・幅広い温度範囲に渡る高イオン伝導性を提供;
・低い自己放電率を特徴とする(1%/月未満);
・高エネルギー密度(最大300mh/l)を提供することにより、最小のパッケージで最大の性能を提供;
・自己接続端子を保有;
・無毒性、使い捨て、且つ環境に優しい;
・固形ポリマー電解質を含有−揮発性液状物あるいはゲル化剤を含まない;
・全般的な安全性を提供:ガス発生、膨潤あるいは熱暴走がない;追加的安全デバイスが不要;且つ破砕試験、落下試験および釘打ち試験のUL基準に適合し;且つ
・追加的電池安全回路の必要性を低下させる固有の安全デザインを享受する。
【0022】
他の実施形態では、電池は必ずしも柔軟ではない。たとえば、電池は柔軟あるいは半硬質基板に挿入された小型で薄いコインセル電池である。コインセル電池は、基板およびカードの全般的柔軟性に相当影響しないよう、適切に小さくすることができる。このようなコインセルタイプは、マイクロンコミュニケーションズのWaferThin(商標)コインセル、およびパナソニックのCR2004あるいはCR2404モデル電池として入手可能である。
【0023】
(典型的な電池式ゲームプレイあるいは金融情報アクセスカード)
本発明の1つの実施形態は、ビデオゲームあるいはビデオゲームの機能へのアクセスを管理するための認証を提供する電池式ゲームプレイカードを提供する。プレイカードは、埋込まれた電池および電気回路を有する薄型で柔軟な基板(例:紙、薄型カードボードストックあるいはプラスチック)を含む。プレイカードは、好ましくは従来のクレジットカードあるいはプレイカードとサイズが等しく、且つ少なくともISO7816の柔軟性基準を満たしてもよい。回路は、電池によって電源供給され、たとえば、暗号化光アレイを表示し、英数字あるいはグラフィックを表示し、あるいはボイスメッセージを再生する電子出力デバイスを起動することができる。この出力により、プレイヤーはビデオゲームあるいはビデオゲームの機能へのアクセスを認証するのに必要な情報を得ることができる。たとえば、出力は動的トークン値、すなわち時間と共に変化する値の使用を含む。プレイカードには商標を表示あるいは印刷することができ、且つ交換、収集、あるいは宣伝の一部として配布してもよい。
【0024】
ゲームプレイカードの回路は、トークン値ハードウェアオーセンチケータに加えて、認証に必要な情報をユーザーに提供する電子出力デバイスを少なくとも1つ含む。たとえば、電子出力デバイスは暗号化光アレイ、英数字、あるいはグラフィックを表示したり、あるいはボイスメッセージを再生したりことができる。その後、ユーザーは、その情報を認証の目的に用いて、ビデオゲームあるいはビデオゲームの機能へのアクセスを得るであろう。たとえば、電子出力デバイスはユーザーがビデオゲームに入力して新たなレベルのプレイ、新たな環境、あるいは新たなキャラクター機能(例:格闘ゲームにおける新しい武器)をアンロックするコードを提供することも可能である。
【0025】
同様の方法で、ゲームプレイカードについての先の記載と同様であるが、替わりに、電子ネットワークを通じて金融情報あるいは取引へのアクセスを提供するために用いられる構造要素を含んだ、電池式カードが提供される。当業者が認識するように、両方の実施形態に関する本明細書に記載の要素は相当に類似しており、したがって合わせて論じるであろう。「プレイヤー」、「ゲームプレイカード」などへの言及は、本発明の金融情報/取引実施形態における対応する参加者にも同等に適用されることも理解されるであろう。当業者は、電池式カードが、電子情報あるいは電子取引へのアクセスを許可する前にカードのユーザーを認証する、あらゆる同様の作業と関連してもよいことをさらに認識するであろう。
【0026】
1つの可能な実施においては、電池式ゲームプレイカードあるいは金融取引カードに商標を表示(例:グラフィック、ロゴ、色あるいはホモロジーなど)してカードとアクセスを提供するビデオゲームあるいは金融機関と関連付ける。電池式ゲームプレイカードあるいは金融取引カードは使い捨て(限られた一時的な用途を有してもよいという点で)としても、あるいはコレクターズアイテムとすることを意図してもよい。
【0027】
本発明による電池式カードは無料で配布しても、関係プロモーションの一部として配布しても、ビデオゲームのパッケージに含めて関係のない商品の購入に伴う景品として与えても、あるいはそれ自体を製品として単体で購入できるようにしてもよい。
【0028】
上記のように、ワンタイムパスコードを生成するために、トークン値と組み合わせたPINを採用することが、ユーザーにとって望ましい。このようなPINを取得するための1つの方法は、これを電池式カード自体に含める、別にカバーをつけてpinをユーザーに郵送する、あるいは、おそらくより好ましくは、各プレイヤーを識別し且つプレイヤーに自身に固有のPINの選択を許可するためのオンライン事前登録手順を可能にすることによる。登録によって、1つの認証レベルが追加される(すなわち、登録した者はビデオゲームにアクセスする者でもあることが、より確実になる)。静的パスワードを用いたウェブサイトへのログインの完全性は、テンキーパッドを用いてトークン生成カードに入力、あるいはカードインタフェース、あるいはRFID、NFC、ブルートゥース、あるいはUWBを介してカードに転送すべきチャレンジをウェブサイト上に提示することによってさらに保護することができる。
【0029】
本発明の1つの態様においては、プレイヤーが事前に定めた回数のみゲームにアクセスすることを確実にするために、タリーエージェントによってプレイヤーがゲームにアクセスする回数を監視することができ、且つ一旦事前に定めた回数に到達した場合は、プレイヤーのそれ以上のアクセスを遮断することができる。したがって、たとえば、プレイカードはプレイヤーのアクセスをビデオゲーム内のもう1つの環境にのみ制限することも可能である。
【0030】
本発明による電池式ゲームプレイカードの使用は、たとえばオンラインビデオゲームの機能へのアクセスを得るために、プレイヤーがダイヤルパッドよりトークン値を入力する電話によってもよい。トークン値提供電池式カードは、ショートメッセージサービス(SMS)などの携帯電話サポートアプリケーションとの使用に適していてもよい。当然、トークン値はビデーゲーム自体の中で入力してもよい。
【0031】
本発明のフォームファクタはクレジットカードあるいはプレイカードのものであるので、潜在的に異質な複数の配布チャンネルを通じて販売することがより有用である。たとえば、電池式ゲームプレイカードは店頭、トレードショウ、あるいは路上で無料配布してもよく、商標あるいは提携先を表示してもよく、メールオーダーにより発送してもよく、かつ衣料品、食品、あるいはとりわけインターネットアプリケーションと関連付けてもよい。カード自体は、周知のカード製造技術を用いて製造しても良いので、カードのグラフィックスは特定のビデオゲームジャンル、ターゲット市場、あるいは季節テーマに適合させるために容易に変更することができる。
【0032】
当業者は、本発明の電池式ゲームプレイカードが使い捨て静的IDカードと非常に異なることを認識するであろう。たとえば、静的IDカードでは、静的IDカードの真の所有者がゲームにアクセスしていると証明することは不可能であり、何者かがそのカードの静的番号をコピーしてゲームへのアクセスを試みることも可能であることを意味する。その後でカードの真の「所有者」がゲームへのアクセスを試みる可能性もあり、タリー装置/サーバーがどちらのアクセス試行が本物のユーザーからのものであるか識別することはできないであろう。静的IDカード、あるいは「スクラッチカード」によって事前登録が発生する場合でも、タリー装置/サーバーによって、たとえば、事前登録を実施したコンピュータと関連付けられたIPアドレスなどを捕捉できなければ、ある者のアクセス要求を証明あるいは確認することは不可能である。当然ながら、認証/確認がコンピュータのIPアドレスに基づく場合、たとえば図書館あるいは友人の家は、(認証/確認の基盤となっているであろう)IPアドレスが、事前登録時に保存されたIPアドレスとほぼ確実に異なると思われるので、そこからプレイすることは不可能であろう。
【0033】
図1は本発明の1つの実施形態による電池式ゲームプレイカード100の図を例示する。示されるように、ゲームプレイカード100は基板104、電池106および回路108を含む。基板104は紙あるいは他の何らかの薄い柔軟な材料とすることができ、その上に好ましくはビデオゲームと関連した印刷されたコピーおよび/あるいはグラフィックス105および電池式印刷ゲームプレイカード100を使用するための指示がある。点線で示すように、電池106および回路108は基板104に埋め込まれている(例:基板104の前面と後面の間に挟まれている)。回路108は、たとえばトークン値ジェネレータ、バイオメトリックセンサー、マイクロプロセッサ、メモリ、クロック、および他の何らかの必要な回路あるいはデバイスを含んでもよいコントローラ102を含む。回路108は、押しボタンなどのスイッチ110によって制御される。回路108は、代替的に光、音声、モーションセンサーあるいは圧センサーによって制御することも可能である。回路108は、回路108に電源が供給されると起動する1つあるいはそれ以上の電子出力デバイスも含む。たとえば、回路108は照明デバイス114、ディスプレイ116、スピーカー118、および/あるいはバイブレーター120を含むことができる。
【0034】
当業者が認識すると思われるように、回路108は例示のみを目的としてのみ示し、且つ異なる構成のワイヤあるいは導電トレースを含むことも可能である。たとえば、照明デバイス114に向かう導線は、個別に各照明素子(例:各LEDあるいは各エレクトロルミネッセントデバイス)と接続することも、あるいは素子を同時に照明することが可能なように集合的に接続することも、あるいはその一部の組合せとすることも可能である。同様に、英数字あるいはグラフィックディスプレイを用いる場合、回路は何らかの望ましい順序あるいはデザインにしたがってその個々の素子を駆動するように構成される。
【0035】
1つの実施形態においては、基板104は厚紙で作られ且つ接着剤で張り合わされた前面および後面を含む。電池106、回路108および他の構成要素がすべて十分に薄く柔軟であるので、電池式ゲームプレイカードは従来の厚紙のプレイカードと同じ「感触」を有する。
【0036】
他の実施形態においては、ISO7817準拠カードのサイズのクレジットカードに用いられるものと同様、基板104はプラスチックシートより作られる前面および後面を含む。柔軟性を高めることを考慮して、より薄いプラスチック層を用いてもよい。
【0037】
電池式印刷ゲームプレイカード100は、操作時には電池106から電子出力デバイスに電源を供給、あるいは供給を可能にする回路108の完成に反応して起動する。この実施例においては、回路108はボタン110を押すことによって完成する。ゲームプレイカード100は、代替的に、センサーによって光(例:ゲームプレイカード100を包装から取り出す)、音声(例:消費者からの音声コマンド)、ワイヤレスシグナル(例:RFIDあるいはNFCリーダーあるいは送信器から)、あるいは動き(例:ゲームプレイカード100の動きから)に反応して、自動的に起動することも可能である。
【0038】
一旦回路108が閉じると、コントローラ102および回路108は、1つあるいはそれ以上の電子出力デバイス114、116、118、および120を起動する。たとえば、コントローラ102および回路108は、コードを明らかにする特定のパターンで照明デバイス114を光らせることができ、英数字メッセージあるいはグラフィックをディスプレイ116上に表示することができ、スピーカー118より音声、メッセージ、あるいは音楽(例:ビデオゲームと関連した曲あるいはコードを告げる音声)を再生することができ、あるいはコードを明らかにするパターンでバイブレーター120を起動することができる。照明デバイス114は、たとえばLEDライト、白熱灯、あるいはエレクトロルミネッセントデバイスを含むことができる。ディスプレイ116は、たとえばLCDスクリーン、エレクトロルミネッセントディスプレイ(アムステルダムのフィリップスエレクトロニクス;大阪(日本)のシャープ;あるいはオレゴン州ビーヴァトンのプラナーシステム株式会社が製造するものなど)、あるいは印刷電子インク(printable electronic ink)(マサチューセッツ州ケンブリッジのEインクあるいはカリフォルニア州パロアルトのゼロックスが製造するものなど)などを含むことができる。スピーカー118は、たとえば、タイトなフォームファクタの用途に適したミニチュアスピーカーなどを含むことができる。バイブレーター120は、たとえば、ポケットベルおよび携帯電話に関連する用途などの、タイトなフォームファクタの用途に適したミニチュアバイブレーターを含むことができる。
【0039】
本発明の1つの実施形態においては、ディスプレイ116は、コントローラ102のトークン値ジェネレータによって生成されるトークン値122を、ゲームプレイヤーに対して開示するのに用いられる。トークン値は、代替的に、あるいはディスプレイ116に加えて、スピーカー118から告知することもでき、これは視覚障害ユーザーにとって特に有用となり得る。本発明は、トークン値の提供に加えて、電子出力デバイス114,116,118および120を用いて、追加的な視覚、聴覚および触覚刺激によりゲームプレイカード100の美的価値を高めることができる。
【0040】
本発明の1つの態様では、ゲームプレイカード100は、ゲームの安全エリアあるいはプレイヤーのゲームキャラクターのための新しい能力などの、オンラインビデオゲームの機能へのアクセスをプレイヤーに提供する。プレイカード100は、プレイヤーがオンラインゲームにログオンあるいはプレイしている間に提供するトークン値を開示する。トークンは、上で論じたように事前登録プロセス(例:PINなどの静的識別値を用いる)により、あるいはプレイヤーが初回にカードを使用する際に識別番号(例:図1に示すようなカードに印刷されたシリアルナンバー124など)をプレイカード100と関連付け、さらにユーザー(例:匿名あるいはユーザーの実名)とそのカード識別番号を関連付けることにより、個別のユーザーと関連付けられる。バックエンドトークン値保護識別システムは、これらの関連を立証し、その前にカードを失効させることができる。
【0041】
さらに、バックエンドトークン値保護識別システムは、プレイヤーがゲームプレイカード100より提供されたトークン値を入力した後に、トークン値を検証し、アクセスを許可すべきか判定し、許可する場合はそのイベントを記録し、その下でトークン値を用いることのできる条件を監視する(例:一定の回数あるいは一定の時間内)。したがって、たとえば、ゲームプレイカード100が「チートコード」の1回の使用を意図したものであれば、バックエンドトークン値保護識別システムは正しいトークン値の入力を検証し、プレイヤーにチート機能へのアクセスを許可し、そのカードから受信するそれ以降のトークン値がアクセスを拒否されるよう、カードを失効させる。機能への複数回のアクセス、あるいは複数の機能へのアクセスを提供するゲームプレイカード100の場合は、バックエンドトークン値保護識別システムは各イベントを記録し、且つ残りの利用可能なアクセスイベントあるいは残りの利用可能な機能を減らすであろう。期間に基づいてアクセスを提供するゲームプレイカード100の場合、バックエンドトークン値保護識別システムは、期間が残っているか否か判定するであろう(例:3ヶ月の購読が失効したか)。
【0042】
本発明のこの態様が適用されるオンラインコンピュータロールプレイングゲームの1つのタイプは、多数のプレイヤーが1つのバーチャル世界において互いにインタラクションする多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)である。全てのロールプレイングゲームにおけると同様、プレイヤーは架空のキャラクターの役割を演じ、またそのキャラクターの多くの行動を制御する。したがって、本発明の1つの実施形態においては、ゲームプレイカードはプレイヤー間に幅広く配布され、各カードは個々のプレイヤーと関連付けられる。異なる多くのプレイヤーよりトークン値を受信する際、バックエンドトークン値保護識別システムは、各プレイヤーによるゲームの機能へのアクセスを制御および監視し、各カードについて確立されたルール(例:3つの新しいキャラクターの能力をアンロックあるいは購読期間内に数に制限なく能力をアンロック)(好ましくはそれに応じてプレイヤーに告知するためにカード上にも印刷する)に従って、アクセスを許可および遮断する。
【0043】
本発明のその他の態様においては、ゲームプレイカード100は、ビデオゲーム機用ゲームあるいはPCゲームにおいて事前にプログラムされたアクセスコード(例:チートコードなど)へのアクセスを、プレイヤーに提供する。ゲームプレイカード100は、たとえばウェブサイトにログオン、ビデオゲーム機にコードを入力、あるいはコールセンター(例:インタラクティブ音声応答システムを有する)に電話することによってプレイヤーがバックエンドトークン値保護識別システムに提供するトークン値を表示する。さらなる実施例として、トークン値は携帯電話、PDAおよびコンピュータを含むネットワーク端末あるいはインターネット機器に入力することができる。次に、ゲームプレイカード100は、静的識別値による事前登録などの上記の手段のいずれかを用いて、プレイヤーと関連付けられる。トークン値および必要とされる他の何らかの識別が正しい場合、新しい機能へのアクセスを得るためにプレイヤーが後で別個にビデオゲーム機ゲームあるいはPCゲームに入力するアクセスコードが、プレイヤーに提供される。オンラインゲームと同様、バックエンドトークン値保護識別システムは、イベントを記録し、プレイヤーがカードの再使用を試みた場合にアクセスを拒否することができる。
【0044】
本発明の他の態様においては、ゲームプレイカード100は、ファンタジースポーツプレイヤーなどのユーザーに、ウェブサイト上の特別機能へのアクセスを提供する。たとえば、マルチプレイカードをスポーツイベントおよびスポーツトレードショウでファンおよびファンタジースポーツプレイヤーに配布することも可能である。これらのユーザーは、その後、そのカードを用いてウェブサイトのスポーツハイライトへのアクセスを得、たとえば、そのファンタジーチームプレイヤーのスコアリングプレイのビデオハイライトを視聴することなどが可能である。上記のように、カードはユーザーの機能へのアクセスを安全に制御し、たとえば毎週一定数のビデオハイライトのみを提供することなどが可能である。
【0045】
本発明の他の態様においては、ゲームプレイカード100は、たとえば、ビデオゲームと提携することも可能な、テレビショウ、映画の予告編、あるいは映画の本編などのビデオ製品へのユーザーによるアクセスを制御する。この態様においては、ユーザーがインターネットビデオサービスプロバイダーに事前登録することも可能である。その後で、ビデオサービスプロバイダーはユーザーにカードを配布し、さらに上記の方法でビデオコンテンツへの彼らのアクセスを制御するであろう。他の態様においては、カードは特定の映画などの特定のビデオコンテンツに関連付けられ、またビデオコンテンツについての情報、およびビデオコンテンツに由来するグラフィックスをカード自体に印刷することも可能である。カードは、ビデオコンテンツへの保証されたワンタイムアクセスを、ユーザーに提供する。この方法では、インターネットビデオサービスプロバイダーは、そのビデオコンテンツおよび帯域幅へのアクセスを制御することも可能である。1つの実施においては、記録メディアに記録した実際のビデオコンテンツを配送する(ネットフリックス(商標)がDVDの配送で行っているように)代わりに、ビデオコンテンツプロバイダーがカード100を配布し、それらを使ってインターネット上でのコンテンツへのアクセスを確実に制御することができる。さらに、カードは使い捨てとし、ユーザーがビデオコンテンツプロバイダーに何も返却する必要がないようにすることも可能である。
【0046】
(典型的な電池式投票カード)
本発明の他の実施形態によると、単回の投票を、所望のように個別に記録し、認証し、その後監査することもできるシステムが提供される。投票システムは、上記の電池式ゲームプレイカードと同様に、主として動的トークン値の使用に基づくことができる。好ましい実施形態においては、比較的短時間(例:30〜60秒ごと)で変化するトークン値をユーザー(すなわち投票者)に提示するディスプレイを含むスマートカード様デバイス上に、トークン値が表示される。任意の静的識別値、たとえばカード番号、バイオメトリック指紋スキャン、あるいは登録プロセスを経て得られたPINなどと組み合わせた場合、これと関連付けられるあらゆる投票は投票者に固有のものとなり、監査が比較的簡便になる。
【0047】
ある電子投票の専門家が公言しているように、投票と典型的に関係する6つの戒めがある:
1.各投票者の選択を不可侵の秘密とすべし。
2.各有資格投票者には1回のみ、且つ票を投じる権限を与えられた官職についてのみ許可すべし。
3.投票システムへの干渉も、票と金銭との交換も許すべからず。
4.全ての投票を正確に報告すべし。
5.投票システムは各選挙を通じて運用可能とすべし。
6.戒め2〜4に対する違反を発見するために追跡監査を続けよ。ただしその追跡監査は戒め1に違反すべからず。
(M.Shamos、1993年)
【0048】
他の者は、投票システムについてのいくつかの望ましい条件を同じ傾向で指摘している:
1.登録された投票者のみが投票してよい。
2.各投票者は、特に許可がない限り1回のみ投票できる。
3.投票の秘密(機密保持)。
4.選挙結果の普遍的な検証可能性。
5.堅牢性。
6.投票者が相互に干渉しない。
7.投票の重複(ある者の暗号化した投票を、投票内容を知ることなくコピーする)、あるいは影響を与える他の手段(投票の中間結果)。
8.強制、買収がない。
【0049】
本発明の1つの実施態様は、これらの望ましい投票ルールを念頭に置き、投票用途にトークン生成カードを用いる。上記のゲームプレイカードと同様、投票カードは、この場合は世論調査(例:CNN用)、ゲームショウ、リアリティショウ(例:アメリカンアイドル(商標))、賞金レースなどへの認証投票に対応し、投票自体が真正であることを認証する保護サイトへの認証を目的として使用される、暗号化光アレイ、あるいは数字、あるいはグラフィックディスプレイ配列を表示してもよい。電池式投票カードが確実に個人と匿名的あるいは確定的に(すなわち事前登録プロセスを経て)関連付けられる場合、政府の投票などを含むこのような用途のために、個人に対して投票を認証することができる。
【0050】
1つの実施形態においては、電池式当票カードは個別の投票の用途(例:アメリカンアイドル(商標)の各シーズンの投票あるいはパーティ参加など)に関連付けられたグラフィックス、ロゴ、色、ホログラムなどにより商標を表示される。同様に、電池式投票カードは特定の世論調査(例:大統領支持率など)、あるいは選挙(例:2006年中間選挙など)に用いてもよい。この方法では、電池式カードは使い捨て(限られた一時的な用途を有してもよいという点で)としてもよく、且つ/あるいはその替わりにコレクターズアイテムとしてもよい。
【0051】
図2Aおよび2Bに関しては、たとえば政治選挙あるいは金融取引などに用いてもよい電池式カード200が示される。薄く柔軟なプラスチック、カードボードストック、紙、あるいは他の材料で作られた基板204が提供され、識別および/あるいは美的目的のためにその上にグラフィック表示205が印刷されてもよい。図2Aに示す実施形態においては、たとえば表示205は、カードが2006年11月の選挙における投票のために用いられることを示し、且つ美的目的で米国国旗を描出している。図2Bにおいては、表示205はカードの発行者および金融取引が目的であることを示す。
【0052】
カード200を用いるために、ユーザーはコンピュータ端末を有する投票ブース、バンクキオスク、あるいは他の指定の場所にカード200を持参してもよい。ユーザーは、次にボタン210を押すだけでカードの回路を起動することができる。図2Bに示す実施形態によると、埋め込まれたバイオメトリックセンサー224でユーザーの指紋を認証することによって、カードの回路を起動してもよい。次に、カード200の内部トークン値ジェネレータにより生成されたトークン値222を提供するよう、回路がディスプレイデバイス216を照明することもできる。ユーザーは数値222をコンピュータ端末に入力し、バックエンドトークン値オーセンチケータがユーザーを認証するか判定する。一旦認証されたならば、たとえば投票の場合、コンピュータ端末は次に投票ソフトウェアを実行し、既知の方法に従って投票者と対話して投票者の選挙選択を記録する。金融取引の場合、コンピュータ端末は、次にソフトウェアを実行してユーザーと対話し、ユーザーに金融情報および取引へのアクセスを提供する。
【0053】
さらに図2Bに関して、バイオメトリックセンサー224をトークン値ジェネレータと組み合わせて、あるいはこれと独立して認証のために用いてもよい。この方法においては、登録プロセス中にユーザーの指紋スキャンの記録を入手し、バックエンド保護認証システムに保存してもよい。次に、たとえば、ユーザーが投票あるいは金融カード200の使用を試みるとき、静的識別子(例:PINあるいはカードのシリアルナンバー)を投票あるいは金融端末に入力してもよい。次に、指紋スキャンを端末に入力してもよく、これはその後で認証用の登録ユーザーの保存記録と比較するために、バックエンドシステムに受信される。指紋スキャンは、ブルートゥース(商標)、RF、NFCなどのワイヤレスシグナルによって、カード200に配置された送信器および端末に設置された受信器を経て、カードから端末に送信される。
【0054】
指紋スキャン認証は単独の認証方法として遂行してもよく、あるいは、本明細書に記載のトークン値認証などの、他の何らかの認証方法と組み合わせて用いてもよい。他の実施形態においては、指紋スキャンは静的識別子として用いられ、且つ認証プロセスは、本明細書に記載のトークン値認証プロセスを利用する二次レベルの認証を含む。さらに他の実施形態においては、バイオメトリック指紋センサー224はカード200内の回路の起動のみを目的として用いられ、認証のためにバックエンドシステムに送信されることはない。
【0055】
さらにバックエンド認証は、個別の投票カードに関連付けられた投票者が一旦その選挙選択を記録したならば、オーセンチケータはその後の全ての試行においてそのユーザーを認証しないようプログラムされるよう、タリー装置と共に提供される。タリー装置は、投票カード200が使用される1つあるいは複数の選挙の構成に応じて、あらゆる回数の認証を許可するようプログラムすることができる。
【0056】
図3は、たとえばアメリカンアイドル(商標)のような、テレビショウの出場者に対する投票に使用されるよう構成された、市販の投票カード300である。選挙投票カード200と同様に、市販の投票カード300は、その中に種々のデバイス(すなわち電池、回路、軌道装置、トークン値ジェネレータ、全て示さず)が搭載された基板304を含む。基板304上には識別および/あるいは美観を目的とした種々のグラフィック表示305が印刷される。カード300は、トークン値322を表示するためのディスプレイ316をさらに含む。ディスプレイ316は、カード上に配置されたたとえば音声センサー、光センサー、モーションセンサー、バイオメトリックセンサーあるいは機械スイッチなどのスイッチあるいはセンサーをトリガすると、起動することができる。
【0057】
本発明の電池式投票カードは、LEDあるいはエレクトロルミネッセントディスプレイ(ELD)技術(たとえばアムステルダムのフィリップスエレクトロニクス;大阪(日本)のシャープ、あるいはオレゴン州ビーヴァトンのプラナーシステム株式会社より入手可能)を含む光手段、および/あるいは音声機能のためのスピーカーと共に提供されてもよい。
【0058】
電池式カードは、電力を節約するために、ディスプレイあるいはセンサーを使用可能にする手動スイッチを提供してもよい。この方法では、電池式カードの有効期限を相当延長することができる。その替わりに、スイッチは光感受性、圧感受性、あるいはワイヤレス起動可能としてもよい。
【0059】
本発明に準拠した電池式カードは無料で贈与しても、関係プロモーションの一部として贈与しても、関係のない商品の購入に伴う景品として与えても、あるいはそれ自体を単体で購入できるようにしてもよい。
【0060】
上記のように、ユーザーがワンタイムパスコードを生成するために、トークン値と組み合わせたPINを採用することが望ましい。このようなPINを得るための一つの方法は、これを電池式カードそれ自体に含める、あるいは、おそらくより好ましくは、個々の投票者を識別し、且つ投票者にその固有のPINなどの選択を許可するオンライン事前登録手続きを可能にすることによる。登録によって1つの認証レベルが追加される(すなわち、登録した者は投票する者でもあることがより確実になる)。
【0061】
所与の長さの時間内に、電池式カードによって、票が1回のみ(あるいは何らかの事前に定められた投票回数)のみ投じられることを確実とするため、一旦票が投じられ、タリー装置に受信されたならば、同カードを用いたその後の投票を所与の長さの時間遮断してもよい。したがって、アメリカンアイドル(商標)のシナリオにおいて、たとえば放送/期間/シーズンなどの度に適切な回数の投票を行うために、同カードを採用することも可能である。結果として、受信された票が実際に異なる個人によって投じられたこと(あるいはある所与の個人が一定回数以上投票していないこと)の信頼性を高めることができる。
【0062】
本発明にしたがった電池式カードの使用は、投票者がダイヤルパッドよりトークン値を入力する電話によるものであってもよい。投票は、たとえばワールドワイドウェブ、あるいはインターネットを用いたコンピュータ接続を用いて実施してもよい。トークン提供電池式カードは、ショートメッセージサービス(SMS)などの携帯電話サポートアプリケーションとの併用にも適することがある。より具体的には、ユーザーは、トークン番号末尾(あるいはその先頭)に投票内容(例:「はい」に投票は1、「いいえ」に投票は2、あるいは事前に指定する特定の人/事柄への投票は1など)を連結したトークン値をSMSメッセージに入力してもよい。
【0063】
本発明のフォームファクタはクレジットカードあるいはプレイカードのそれと同様であるので、潜在的に異質な複数の配布チャンネルを通じて販売することがより有用である。たとえば、電池式投票カードは店頭、コンサート、あるいは路上で無料配布してもよく、商標あるいは提携商標を表示してもよく、メールオーダーにより発送してもよく、かつ衣料品、食品、あるいはとりわけインターネットアプリケーションと関連付けてもよい。カード自体は周知のカード製造技術を用いて製造してよいので、カードのグラフィックスは特定の投票キャンペーン、ターゲット市場、あるいは季節テーマに合わせるために容易に変更することができる。
【0064】
当業者は、本発明の電池式投票カードが、使い捨て静的IDカードと大きく異なることを認識するであろう。たとえば、静的IDカードでは、行われた投票が実際にカード自体からのものであると認証することは不可能であり、何者かがカードの静的番号をコピーして投票することも可能であることを意味する。カードの真の「所有者」もその後に投票する可能性もあるので、タリー装置/サーバーはどちらの投票が本物のユーザーからのものであるか識別することはできないであろう。静的IDカード、あるいは「スクラッチカード」番号によって事前登録が発生する場合、タリー装置/サーバーによって、たとえば、事前登録を実施したコンピュータと関連付けられたIPアドレスなどを捕捉できなければ、ある者の投票を認証あるいは確認することは不可能であろう。当然ながら、認証/確認がコンピュータのIPアドレスに基づく場合、たとえば図書館あるいは友人の家は、IPアドレス(認証/確認の基準)が事前登録時に保存されたIPアドレスとほぼ確実に異なると思われるので、そこからは投票することは不可能であろう。
【0065】
本発明の1つの実施形態によると、ある方法を実施するためにプロセッサにより実行されるよう適合化された指示が、コンピュータ読取り可能メディアに保存される。コンピュータ読み取り可能メディアは、実行するよう適合化された指示を実行するのに適したプロセッサによってアクセスすることができる。用語「実行するよう構成された指示」および「実行される指示」は、その現在の形態(例:マシンコード)でプロセッサにより実行できる状態にある、あるいはプロセッサによって実行できる状態となるためにさらなる操作(例:コンパイル、解読、あるいはアクセスコードと共に提供される)を必要とするあらゆる指示を包含することを意味する。
【0066】
本文書の文脈においては、「コンピュータ読み取り可能なメディア」は指示実行システム、機器あるいはデバイスによって、あるいはこれと関連して使用するためのプログラムを収容、保存、通信、伝播、あるいは移送することのできるあらゆる手段とすることができる。コンピュータ読み取り可能メディアは、たとえば電子、磁気、光学、バイオメトリック、電磁、赤外線あるいは半導体システム、機器、デバイスあるいは伝播メディアとすることができるが、これに限定されない。コンピュータ読み取り可能メディアのより具体的な例(非網羅的リスト)は以下のものを含むであろう:1本あるいはそれ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用記憶メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROMあるいはフラッシュメモリ)、光ファイバー、および再生専用光ディスク(CDROM)。プログラムは、たとえば紙あるいは他のメディアを光学スキャンすることなどにより電子的に捕捉した後、コンパイル、翻訳、あるいは必要に応じてその他の適切な方法で処理し、その後コンピュータメモリに保存することができるので、コンピュータ読み取り可能メディアは、プログラムを印刷することのできる紙、あるいは他の適切なメディアとすることさえ可能であることに留意されたい。
【0067】
前述の本発明の好ましい実施形態の開示は、例示および説明を目的として提示されている。網羅的であること、あるいは本発明を開示された厳密な形態に限定することを意図していない。本明細書に記載した実施形態の多くの変法あるいは改変は、上記の開示に鑑みて当業者に明らかであろう。本発明の範囲は請求項およびその同等のものによってのみ定義されるものとする。
【0068】
さらに、本発明の代表的な実施形態を記載する際、明細書は本発明の方法および/あるいはプロセスを特定の操作の順序として提示していることがある。しかし、その方法あるいはプロセスが、本明細書に記載する特定の操作の順序に依拠していない範囲で、その方法あるいはプロセスを記載された特定の操作の順序に限定すべきではない。当業者が認識すると思われるように、他の操作順序が可能なこともある。したがって、明細書に記載した具体的な操作の順序は、請求項に対する制限と解釈すべきではない。さらに、本発明の方法および/あるいはプロセスに向けられた請求項は、書かれた順序でのそれらの手順の実行に限定すべきではなく、また当業者は、順序は変更してもよく、且つそれでもなお本発明の趣旨および範囲内に留まることを容易に認識することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄型、柔軟性基板;
前記基板内に配置された電池;
動的トークン値ジェネレータが前記電池より電源を供給される、前記基板内に配置された前記動的トークン値ジェネレータ;
前記動的トークン値ジェネレータにより生成されるトークン値を表示するために前記基板上に搭載された電子ディスプレイを含み、
前記トークン値がビデオゲームのロックされた部分へのアクセスを提供するためのバックエンドトークン値保護識別システムと組み合わせて用いられるよう構成される、電池式ビデオゲームプレイカード。
【請求項2】
ビデオゲームの前記のロックされた部分が隠しレベルあるいはチートコードである、請求項1に記載の前記電池式ビデオゲームプレイカード。
【請求項3】
薄型、柔軟性基板;
前記基板内に配置された電池;
動的トークン値ジェネレータが前記電池より電源を供給される、前記基板内に配置された前記動的トークン値ジェネレータ;
前記動的トークン値ジェネレータにより生成されるトークン値を表示するために前記基板上に搭載された電子ディスプレイを含み、
前記トークン値が投票者を認証するバックエンドトークン値保護識別システムと組み合わせて用いられるよう構成される、電池式投票カード。
【請求項4】
前記の表示されたトークン値が認証のために前記バックエンドトークン値保護識別システムと通信することを目的としてネットワーク端末に入力されるよう構成される、請求項3に記載の前記電池式投票カード。
【請求項5】
前記の表示されたトークン値が認証のために前記バックエンドトークン値保護識別システムと通信することを目的としてポーリングステーション端末に入力されるよう構成される、請求項3に記載の前記電池式投票カード。
【請求項6】
各カードが薄型で且つおおむね柔軟な形態を有し且つその中に動的トークン値ジェネレータが搭載される、多数のカードを配布;
前記多数のカードのうちの1枚において動的トークン値ジェネレータによって生成されたトークン値を、ネットワークを通じて受信(前記トークン値はユーザーによって入力される);
バックエンドトークン値保護識別システムにより前記の受信されたトークン値を認証;および
前記トークン値が認証された場合は、事前にはアクセス不可能な電子情報へのアクセスを提供することを含む、電子情報へのアクセスを提供する方法。
【請求項7】
前記トークン値が暗号化光アレイ、英数字、グラフィック、あるいは音声メッセージである、請求項6に記載の前記方法。
【請求項8】
前記電子情報がオンラインビデオゲームの一部分である、請求項6に記載の前記方法。
【請求項9】
前記電子情報がメディアファイルである、請求項6に記載の前記方法。
【請求項10】
前記ユーザーに関連付けられたパスワードを、前記ネットワークを通じて、受信することをさらに含む、請求項6に記載の前記方法。
【請求項11】
前記ユーザーが電子情報にアクセスする回数を監視すること、および事前に規定された回数を超えたアクセスを制限することをさらに含む、請求項6に記載の前記方法。
【請求項12】
機械スイッチ、光センサー、音声センサー、モーションセンサー、バイオメトリックセンサー、およびワイヤレスシグナルのうち少なくとも1つによるカード回路の起動時に前記カードが前記ユーザーに前記トークン値を表示する、請求項6に記載の前記方法。
【請求項13】
前記多数のカードのうち特定の1枚を特定のユーザーに関連付けることをさらに含む、請求項6に記載の前記方法。
【請求項14】
前記の関連付けが永久的カードシリアルナンバーによって達成される、請求項13に記載の前記方法。
【請求項15】
前記の関連付けが静的識別値を用いた事前登録によって達成される、請求項13に記載の前記方法。
【請求項16】
前記の関連付けがバイオメトリック指紋スキャンによって達成される、請求項13に記載の前記方法。
【請求項17】
前記多数のカードが多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲームのプレイヤーに配布される、請求項6に記載の前記方法。
【請求項18】
各投票カードが薄型且つおおむね柔軟な形態を有し且つその中に動的トークン値ジェネレータが搭載される、多数の投票カードの投票者への配布;
静的識別子と投票カードを受け取る投票者の関連付け;および
個別の投票者の個人識別を示す入力の受信;
静的識別子が前記個別の投票者に関連付けられていることを確認することにより前記個別の投票者が一次認証される、前記静的識別子に対応する入力の受信;
バックエンド保護個人識別システムによってバイオメトリック指紋スキャンおよび即時トークン値のうち少なくとも1つのうち少なくとも1つを確認することにより前記個別の投票者が二次認証される、バイオメトリック指紋スキャンおよび前記個別の投票者によって受け取られた前記投票カード上に表示される即時トークン値のうち少なくとも1つに対応する入力の受信による前記個別の投票者の認証を含み、
前記個別の投票者が一次および二次認証された場合、前記個別の投票者に対して投票に進むことを許可する、投票を管理する方法。
【請求項19】
前記静的識別子が前記個別の投票者と関連付けられたバイオメトリック指紋スキャンであり、且つ前記バックエンドシステムによって前記即時トークン値を確認することにより前記個別の投票者が二次認証される、請求項18に記載の前記方法。
【請求項20】
各投票カードが薄型且つおおむね柔軟な形態を有し且つその中に動的トークン値ジェネレータが搭載される、多数の投票カードの投票者への配布;
各静的識別子がその関連付けされた投票カードと共に提供および配布される、バックエンドシステムにおける各投票カードと静的識別子の関連付け;および
静的識別子に対応する入力の受信;
静的識別子に対応する入力に基づきバックエンド保護個人識別システムによってバイオメトリック指紋スキャンおよび即時トークン値のうち少なくとも1つのうち少なくとも1つを確認することにより個別の投票者カードが認証される、バイオメトリック指紋スキャンおよび前記個別の投票カード上に表示される即時トークン値のうち少なくとも1つに対応する入力の受信による前記個別の投票者カードの認証を含み、
前記個別の投票者カードが認証された場合、前記個別の投票者に対して投票に進むことを許可する、投票を管理する方法。
【請求項21】
タリーエージェントによって、許可された最大の票数が投じられたか否かを判定すること、および前記の許可された最大の票数に達した場合に投票者がさらなる票を投じることを防止することをさらに含む、請求項20に記載の前記方法。
【請求項22】
機械スイッチ、光センサー、音声センサー、モーションセンサー、バイオメトリックセンサー、およびワイヤレスシグナルのうち少なくとも1つによるカード回路の起動時に前記投票カードが前記投票者にトークン値を表示する、請求項20に記載の前記方法。
【請求項23】
前記のバイオメトリック指紋スキャンおよび即時トークン値のうち少なくとも1つに対応する受信された入力が即時トークン値に対応し、且つ前記即時トークン値が固定あるいは携帯電話を経て投票者により入力される、請求項20に記載の前記方法。
【請求項24】
前記のバイオメトリック指紋スキャンおよび即時トークン値のうち少なくとも1つに対応する受信された入力が即時トークン値に対応し、且つ前記即時トークン値がコンピュータ端末を経て投票者により入力される、請求項20に記載の前記方法。
【請求項25】
前記のバイオメトリック指紋スキャンおよび即時トークン値のうち少なくとも1つに対応する受信された入力が即時トークン値に対応し、且つ前記即時トークン値がショートメッセージサービスによりモバイル機器を経て投票者により入力される、請求項20に記載の前記方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−508601(P2010−508601A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535289(P2009−535289)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/022864
【国際公開番号】WO2008/054714
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(505418180)ソリコア インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】SOLICORE,Incorporated
【住所又は居所原語表記】2700 Interstate Drive,Lakeland,FL 33805,U.S.A.
【Fターム(参考)】