説明

露光装置およびデバイス製造方法

【課題】原版と基板との位置合わせの正確度または精度への迷光の影響を軽減する露光装置およびデバイス製造方法を提供する。
【解決手段】原版11の位置を表す原版基準マークと基板31の位置を表す基板基準マークのそれぞれに含まれ、XY方向に延びる二種類のマーク部を、投影光学系20を介して同時に、XY方向の各々に対応する二種類の検出部を使用して検出する検出器40と、迷光成分を検出器40の検出結果から除去した後のピーク位置に基板ステージ32を移動することによって原版11と基板31とをXY平面内で位置合わせする制御部50と、を有する露光装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は露光装置およびデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、原版又はその近傍に配置された原版基準マークと、基板又はその近傍に配置された基板基準マークとを、投影光学系を介して検出(計測)するTTL(ThroughThe Lens)検出系を有する露光装置を開示している。原版基準マークと基板基準マークは、投影光学系の光軸をZ方向とすると、X方向のパターンとY方向のパターンを含み、各パターンは別々の検出器で検出される。
【0003】
従来は両パターンを別々に検出していたが、検出時間を短縮してその後の露光のスループットを向上するために両パターンを同時に検出する需要が出てきた。しかし、両パターンを同時に検出すると、各検出部は、対応するパターン以外のパターンからの透過光(迷光)を受光して検出誤差を発生する。このため、従来は、迷光の影響が無視できる程度に両パターンを離して配置していた。
【特許文献1】特開昭58−7136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、原版と基板上のショット領域との位置合わせ(重ね合わせ)性能に関する露光装置への要求などが厳しくなるにつれて両パターンを近接して配置しなければならなくなった。また、液浸露光などにより投影光学系の基板側の開口数(NA)が増加するにつれて迷光の影響は顕著となる。このため、位置合わせ精度への迷光の影響を軽減する必要性が出てきた。
【0005】
本発明は、原版と基板との位置合わせの正確度または精度への迷光の影響を軽減することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての露光装置は、原版基準マークを有し、原版を保持して移動する原版ステージと、基板基準マークを有し、基板を保持して移動する基板ステージと、前記原版ステージに保持された原版からの光を前記基板ステージに保持された基板に投影する投影光学系と、前記原版基準マークを照明する照明光学系と、前記照明光学系により照明された前記原版基準マークと前記投影光学系とを介して照明された前記基板基準マークを介して光を検出する検出器と、前記投影光学系の光軸に直交し且つ互いに直交する2つの軸の方向に関して前記検出器の出力に基づき前記原版ステージと前記基板ステージとの位置合わせを行って、前記原版を介して前記基板を露光する制御を行う制御部と、を有する露光装置であって、前記原版基準マークおよび前記基板基準マークは、前記2つの軸にそれぞれ対応する二種類のマークをそれぞれ有し、前記検出器は、前記二種類のマークにそれぞれ対応する二つの検出部を含み、前記制御部は、前記二つの検出部にそれぞれ入射する迷光の特性に関する情報を記憶し、前記二種類のマークを前記照明光学系に同時に照明させ、前記二種類のマークを介した光を前記二つの検出部に同時に検出させ、前記二つの検出部それぞれの出力と前記情報とに基づいて前記位置合わせを行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば、原版と基板との位置合わせの正確度または精度への迷光の影響を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は実施例1の露光装置1のブロック図である。露光装置1は、ステップアンドスキャン方式の露光装置(スキャナー)であるが、ステップアンドリピート方式の露光装置(ステッパー)にも適用可能である。露光装置1は、光源2からの光を利用してマスク又はレチクルなどの原版11を照明光学系4で照明し、投影光学系20を介して半導体ウエハやガラス基板などの基板31を露光する投影露光装置である。露光前に、露光装置1は位置合わせ手段によって原版11と基板31とを位置合わせする。
【0010】
光源2は、光束を射出するエキシマレーザーであるが、水銀ランプやEUV光発生手段でもよい。
【0011】
照明光学系4は、光源2からの光束により原版11を均一に照明する。照明領域は矩形又は円弧形状の領域である。照明光学系4は、照明領域を規定するマスキングブレード(照明領域規定部)4aが原版11と光学的に共役の位置に配置されている。
【0012】
図1において、X軸方向は走査方向に直交する方向であり、照明領域の長手方向である。Y軸方向が走査方向である。Z軸方向は投影光学系20の光軸OAに平行な方向である。Z軸は、X軸およびY軸の双方に直交する方向である。なお、本実施例の照明領域規定部はマスキングブレードに限定されず、原版11の近傍位置または共役位置に配置された不図示のスリット部材(スリット状開口を有する部材)やその他の部材であってもよい。
【0013】
原版11は、不図示のチャックを介して原版ステージ12に保持され、転写される回路パターンが形成されている。原版11は、原版ステージ12によって走査方向(Y軸方向)に移動される。
【0014】
投影光学系20は、原版11のパターンを基板31に縮小投影し、原版11と基板31とを光学的に共役の関係にする。図1では、投影光学系20は屈折系であるが、反射屈折系や反射系も適用可能である。投影光学系20と基板31との間隙に空気よりも屈折率の大きな液体が満たされて液浸露光を実現してもよい。このように投影光学系20のNAが大きい露光装置は、後述する迷光の影響が顕著となるため、本実施例の構成を採用するメリットは大きい。
【0015】
原版を介した基板の露光により原版上の回路パターン全体が転写される基板31上の領域をショット(またはショット領域)と呼ぶ。基板31は、不図示のチャックを介して基板ステージ32に保持されている。基板31は、基板ステージ32によって、X軸・Y軸・Z軸方向それぞれの位置および各軸周りの回転角が調整されうる。基板ステージ32の数は一つに限定されない。この場合には、例えば、フォーカス計測やアライメント計測を行う計測ステーションと露光を行う露光ステーションとを有し、計測ステーションにおける計測を経た基板が基板ステージを介して露光ステーションに搬送される構成となる。
【0016】
原版ステージ12および基板ステージ32は、不図示のバーミラーが搭載され、不図示のレ−ザ干渉計によってそれぞれ位置計測される。位置計測結果は、制御部50に送信される。制御部50は、位置計測結果に基づいて、原版ステージ12と基板ステージ32とが投影光学系20の縮小倍率に応じた速度比で移動するように、それぞれの駆動部(不図示)を制御する。それと並行して原版11の回路パターンを介し基板31を露光することにより、回路パターン全体がショットに転写される。
【0017】
検出器40は、原版基準マークと基板基準マークとを、投影光学系20を介して検出する。このように、検出器40は、投影光学系20を介して検出を行うため、TTL(through the lens)検出系を構成する。なお、ここで、TTLなる用語は、投影光学系がレンズを含むことを意図したものではなく、例えば、投影光学系は、レンズを含まずミラーを含むものであってもよい。検出器40は、後述するように、Xマーク用検出部42とYマーク用検出部44とを有する。
【0018】
原版基準マーク(アライメントマーク)は、原版11上又は原版11の近傍に配置されたおよび原版ステージ12の指標板(第1指標板)13上の少なくとも一方に設けられるが、本実施例では指標板13上に配置されている。基板基準マーク(アライメントマーク)は、基板31上又は基板31の近傍に配置されたおよび基板ステージ32の指標板(第2指標板)33上に設けられるが、本実施例では指標板33上に配置されている。
【0019】
指標板13は、原版ステージ12の上の原版11の近傍に固定され、指標板13のパターン面である反射面13aの高さが原版11の反射面11aの高さとほぼ一致するように構成されている。反射面13aには、CrやAl、Ta等の金属で形成された原版基準マークが形成されている。図1においては、走査方向であるY軸方向において原版11を挟んで2個の指標板13が配置されている。しかし、本発明は、これに限定するものではなく、指標板13は少なくとも1個配置されていればよい。
【0020】
図2(a)は、指標板13の反射面13a及び指標板33の反射面(表面)31aの平面図である。
【0021】
原版基準マークは、反射面13a上に配置されて、露光領域内の複数の像高での検出が可能なように設けられた複数の前方側マーク14と複数の後方側マーク17とを有する。
【0022】
本実施例の前方側マーク14は、図2(b)に示すようなライン状の開口P1と遮光部P2を有するラインアンドスペースのマークである。前方側マーク14は、X軸と直交する方向のラインマーク(矩形形状の開口パターン)である前方側Xマーク部15と、Y軸と直交する方向のラインマーク(矩形形状の開口パターン)である前方側Yマーク部16とを有する。但し、前方側マーク14の有する二種類のマーク部は、上述のものに限定されるものではなく、投影光学系20の光軸OAに垂直な(直交する)平面上にある互いに直交する二方向にそれぞれ延びる二種類のマーク部であれば足りる。
【0023】
前方側Xマーク部15と前方側Yマーク部16とは近接して配置される。このように、両マーク部を近接して配置する場合、後述する迷光の影響は顕著となるため、本実施例の構成を採用するメリットは大きい。
【0024】
本実施例の後方側マーク17は、前方側マーク14の線幅よりも太い線幅を有する、図2(c)に示すようなライン状の開口P1と遮光部P2とを有するラインアンドスペースのマークである。後方側マーク17は、X軸と直交する方向のラインマーク(矩形形状の開口パターン)である後方側Xマーク部18と、Y軸と直交する方向のラインマーク(矩形形状の開口パターン)である後方側Yマーク部19とを有する。但し、後方側マーク17の有する二種類のマーク部は、上述のものに限定されるものではなく、投影光学系20の光軸OAに垂直な平面上にある互いに直交する二方向にそれぞれ延びる二種類のマーク部であれば足りる。
【0025】
後方側Xマーク部18と後方側Yマーク部19とは近接して配置される。このように、両マーク部を近接して配置する場合、後述する迷光の影響は顕著となるため、本実施例の構成を採用するメリットは大きい。
【0026】
指標板33は、基板ステージ32の上の基板31の近傍に固定されており、指標板33の表面31aの高さが基板31の上面31aの高さとほぼ一致するように構成されている。指標板33の表面33aには、CrやAl、Ta等の金属で形成された基板基準マーク(17、18)が形成されている。図1においては、走査方向であるY軸方向において基板31の隣に一つの指標板33が配置されている。
【0027】
基板基準マークは、反射面33a上に配置されて、露光領域内の複数の像高での検出が可能なように設けられた複数の前方側マーク34と複数の後方側マーク37とを有する。
【0028】
本実施例の前方側マーク34は、図2(b)に示すようなライン状の開口P1と遮光部P2とを有するラインアンドスペースのマークである。前方側マーク34は、X軸と直交する方向のラインマーク(矩形形状の開口パターン)である前方側Xマーク部35と、Y軸と直交する方向のラインマーク(矩形形状の開口パターン)である前方側Yマーク部36とを有する。但し、前方側マーク34の有する二種類のマーク部は、上述したものに限定されるものではなく、投影光学系20の光軸OAに垂直な平面上にある互いに直交する二方向にそれぞれ延びる二種類のマーク部であれば足りる。
【0029】
本実施例の後方側マーク37は、前方側マーク34の線幅よりも太い線幅を有する、図2(c)に示すようなライン状の開口P1と遮光部P2とを有するラインアンドスペースのマークである。後方側マーク37は、X軸と直交する方向のラインマーク(矩形形状の開口パターン)である後方側Xマーク部38と、Y軸と直交する方向のラインマーク(矩形形状の開口パターン)である後方側Yマーク部39とを有する。但し、後方側マーク37の有する二種類のマーク部は、上述のものに限定されるものではなく、投影光学系20の光軸OAに垂直な平面上にある互いに直交する二方向にそれぞれ延びる二種類のマーク部であれば足りる。
【0030】
前方側マーク14及び34と後方側マーク17及び37とは、原版11と基板31との位置合わせの検出範囲や検出精度に応じて使い分けられるよう、複数組設けてもよい。
【0031】
検出器40は、前方側マーク34及び後方側マーク37の下方に設けられて、マーク部を透過した光量を検出する。検出器40は、例えば、フォトダイオード等の光検出器、1次元CCDまたは2次元CCD等の撮像素子、またはエネルギーモニタから構成されている。検出器40の検出結果は、制御系の制御部50に送信される。図1は、指標板33及び検出器40の組を一つ示してあるが、この組は、二つ以上設けられてもよい。
【0032】
TTL検出において、前方側マーク14を照明光学系4で照明し、投影光学系20を介して前方側マーク14からの透過光を前方側マーク34に投影し、前方側マーク34からの透過光量を検出器40によって得る。また、後方側マーク17及び37についても同様に行う。
【0033】
制御系(制御部)は、検出器40の検出出力(透過光量)がピークとなる基板ステージ32の位置を求める制御部50と、制御部50による動作に必要な情報を格納するメモリ52とを有する。なお、制御部50とメモリ52とを含む制御系を制御部ともいうものとする。本実施例の制御部50は、原版11と基板31とのXY平面内の位置合わせにおいて、検出器40の検出出力から迷光成分を除去する。制御部50は、AD変換部や信号処理部を内蔵しうる。メモリ52は、迷光成分をテーブルとして保持してもよいし、検出器40による検出出力のデータや制御部50によって迷光成分が除去された後のデータを保持してもよい。
【0034】
以下、前方側マーク14及び34とTTL検出系を利用したフォーカス計測について説明する。なお、後方側マーク17及び37についても同様に行う。
【0035】
まず、露光領域内の所定の像高に前方側マーク14が配置されるように原版ステージ12を移動し、次に、前方側マーク34が前方側マーク14の結像位置の近傍に配置されるように基板ステージ32を移動する。基板ステージ32を投影光学系20の光軸の方向において移動しながら前方側マーク34を透過した光量を検出器40で検出し、検出される光量が最大になる位置を探すことで、その像高での投影光学系20の最良結像位置(フォーカス)を決定する。
【0036】
図3(a)は、フォーカス計測時の検出器40の出力の一例を示すグラフであり、横軸は基板ステージ32のZ軸方向の位置であり、縦軸は検出器40の出力である。制御部50は、図3の検出出力のピーク位置(Z軸方向の基板ステージ32の位置)を最良結像位置として設定する。
【0037】
次に、投影光学系20の光軸OAに垂直な平面上にある互いに直交する二方向の一例であるX軸方向・Y軸方向における位置合わせ計測について説明する。
【0038】
フォーカス計測と同様に、露光領域内の所定の像高に前方側マーク14が配置されるように原版ステージ12を移動し、次に、前方側マーク34が前方側マーク14の結像位置の近傍に配置されるように基板ステージ32を移動する。基板ステージ32を投影光学系20の光軸OAとは垂直な方向に駆動しながら前方側マーク34を透過した光量を検出する。例えば、X方向およびY方向それぞれに関して検出器40が検出する光量が最大になる位置を探すことで、その像高での前方側マーク14と前方側マーク34との位置合わせが実行される。
【0039】
図3(b)は、位置合わせ計測時の検出器40の出力の一例を示すグラフであり、横軸は基板ステージ32のXY座標であり、縦軸は検出器40の出力である。本実施例では、X軸に対して45°の方向に基板ステージ32を移動するため、移動中のX座標とY座標とは等しい。この等しいX座標・Y座標をグラフの横軸におけるXY座標としている。しかし、移動中のX座標とY座標とが異なりうる場合は、図3(b)に示すグラフの代わりに、X座標とY座標と検出器40出力との関係を示す3次元座標系を用いればよい。このことは、XY座標が横軸に設定されている他のグラフにも当てはまる。
【0040】
XY方向の位置合わせ計測においては、例えば、図1中において、X方向に基板ステージ32を移動した場合は、前方側Xマーク部35を透過した光量によってX方向の位置合わせ計測が行われる。また、Y方向に基板ステージ32を移動した場合は、前方側Yマーク部36を透過した光量によってY方向の位置合わせ計測が行われる。最低二方向の検出を行うことによって、投影光学系20の光軸OAとは垂直な平面内における位置合わせ計測を行なうことができる。但し、指標板33に形成されたマークのラインの方向と基板ステージ32の移動の方向とは上記に限定されない。種々の変更がなされた指標板13・33のマークの態様と基板ステージ32の移動態様とによっても、投影光学系20の光軸と垂直な平面内における位置合わせ計測を行なうことができる。
【0041】
本実施例では、TTL検出系の検出時間を短縮するために、投影光学系20の光軸OAとは垂直な平面内の位置合わせ計測において、X方向に延びるマーク部とY方向に延びるマーク部とを同時に検出している。
【0042】
そのために、前方側Xマーク部15と前方側Yマーク部16とを照明光学系4にて同時に照明する。図4(a)及び図4(b)はその一例を示す平面図である。図4(a)に示すように、照明光学系4のマスキングブレード4aの位置を調整し、隣接する前方側Xマーク部15と前方側Yマーク部16とを同時に照明する。また、図4(b)に示すように、異なる像高での検出を行うための前方側Xマーク部15と前方側Yマーク部16とを同時に照明してもよい。また、複数の前方側Xマーク部15と複数の前方側Yマーク部16とを同時に照明してもよい。その際に、前方側Xマーク部15および前方側Yマーク部16からの透過光を対応する前方側Xマーク部35および前方側Yマーク部36が受光できる位置に基板ステージ32を移動する。
【0043】
前方側Xマーク部15および前方側Yマーク部16からの透過光は、投影光学系20を介して、前方側Xマーク部35および前方側Yマーク部36上に投影される。そして、前方側Xマーク部35および前方側Yマーク部36からの透過光を対応する検出器40で検出することで、X軸方向およびY軸方向の同時検出が可能となる。上述したように、原版基準マークおよび基板基準マークのそれぞれは、投影光学系20の光軸OAに垂直なXY平面上にある互いに直交する二方向であるX軸方向・Y軸方向にそれぞれ延びる二種類のマーク部を有する。検出器40は、投影光学系20を介したこれら二種類のマーク部からの透過光を2つの検出部で検出する。2つの検出部は、Xマーク用検出部42およびYマーク用検出部44である。2つの検出部の一方は、直交する二方向の一方に対応し、2つの検出部の他方は、直交する二方向の他方に対応する。なお、X軸方向・Y軸方向の同時検出は、基板ステージ32をX軸方向・Y軸方向に同時に移動する軌跡において予め定められた位置で行えばよい。
【0044】
しかし、NAが増加するに従い、図5に示すように、X軸方向の検出については、前方側Xマーク部35の透過光の一部が指標板33の裏面で反射し、更に遮光部33cで反射することで、迷光としてYマーク用検出部44に入射する。また、検出器40のXマーク用検出部42で反射し、更に遮光部33cで反射することで、迷光としてYマーク用検出部44に入射する。図5(a)は、指標板33の一例を示す断面図であり、図5(b)は、指標板33の変形例である指標板33Aの断面図である。指標板33は、硝材からなる光透過部33bの投影光学系20側にパターン部33cが形成されているが、指標板33Aは、これに加えて、光透過部33bの検出器40側に拡散板(又は蛍光板)33dが形成されている。パターン部33cは、遮光部33cとマーク35乃至39とを含む。遮光部33cは遮光部P2と同一の材料から構成されてもよいし、異なる材料から構成されてもよい。
【0045】
更に、CrやAl、Ta等の金属面で形成されている遮光部33cで反射した光が迷光として検出器40のYマーク用検出部44に入射する。同様に、Y軸方向の検出については、前方側Yマーク部36の透過光の一部が指標板33の裏面や、Yマーク用検出部44で反射し、更に遮光部33cで反射することで、迷光としてXマーク用検出部42に入射する。
【0046】
ここで、前方側Xマーク部35を透過する光量をα、前方側Yマーク部36を透過する光量をβとする。光量αのうちXマーク用検出部42が検出する割合をa、Yマーク用検出部44が検出する(迷光の)割合をbとする。また、光量βのうちYマーク用検出部44が検出する割合をc、Xマーク用検出部42が検出する(迷光の)割合をdとする。Xマーク用検出部42で検出される光量をSx、Yマーク用検出部44で検出される光量をSyとすると、SxおよびSyはそれぞれ次式で表わされる。
【0047】
【数1】

【0048】
【数2】

【0049】
制御部50は、指標板33を透過した光量α及び光量βと、それらと対応する基板ステージ32の位置とにより、透過光量がピークとなる基板ステージ32の位置(最適位置)を算出する。しかし、Xマーク用検出部42の光量SxおよびYマーク用検出部44の光量Syが迷光の影響を受けているので、これらをそのまま使用すると、検出の正確度または精度が悪化する。このため、正確または高精度な位置合わせ計測のためには迷光成分の影響を低減する必要がある。
【0050】
図6(a)は、X軸方向およびY軸方向の同時検出時の光量Sx、Syを示すグラフであり、横軸は基板ステージ32のXY座標を示し、縦軸はXマーク用検出部42およびYマーク用検出部44の出力値を示している。図6(a)より、迷光の影響を含んだ光量Sx、Syでは、出力値のピーク位置は、波形1の領域内から得られる。
【0051】
図6(b)は、Xマーク用検出部42に入射する光量値(a×α)および(d×β)を示すグラフであり、横軸は基板ステージ32のXY座標を示し、縦軸は光量値を示している。
【0052】
図6(c)は、Yマーク用検出部44に入射する光量(b×α)および(c×β)を示すグラフであり、横軸は基板ステージ32のXY座標を示し、縦軸は光量値を示している。
【0053】
光量αに関する迷光の割合bを求めるために、X軸方向およびY軸方向を同時に検出する状態でマスキングブレード4aを駆動し、前方側Yマーク部16が照明されない状態にする。そして、図6(b)及び図6(c)の実線で示すように、光量(a×α)および(b×α)を検出し、aおよびbを求める。ここで、光量αは、例えば、前方側Xマーク部15を照明した光の強度(照度)およびマークの開口(透光部)の面積から算出することができる。同様に、光量βの迷光の割合dを求める場合、X軸方向およびY軸方向を同時に検出する状態で、マスキングブレード4aを駆動して前方側Xマーク部15が照明されない状態にする。そして、図6(b)及び(c)の破線で示すように、光量(c×β)および(d×β)を検出し、cおよびdを求める。ここで、光量βは、例えば、前方側Yマーク部16を照明した光の強度(照度)およびマークの開口(透光部)の面積から算出することができる。
【0054】
光量αおよびβは、数1及び数2から次式(数3および数4)で表わすことができる。よって、光量の割合a、b、c、dを上述のように予め求めておけば、光量αおよびβを数3および数4から求めることができる。
【0055】
【数3】

【0056】
【数4】

【0057】
従って、制御部50は、光量α、βと、光量の割合a、cより、光量Sx、Syから迷光成分を取り除いた光量(a×α)と(c×β)を求めることができる。即ち、制御部50は、2つのの検出部(Xマーク用検出部42およびYマーク用検出部44)の各々が二種類のマーク部のうち対応するマーク部以外のマーク部から受光した迷光成分を検出出力から除去した値を算出することができる。すなわち、制御部50は、迷光成分の影響が低減された透過光量値を算出することができる。更に、制御部50は、算出した光量値に基づいて、より正確または高精度な位置合わせ計測を行うことができる。よって、XY平面に平行な面内において原版11と基板31とをより正確または高精度に位置合わせすることができる。
【0058】
図7は、X軸方向およびY軸方向の同時検出の結果の一例を示すグラフであり、横軸は基板ステージ32のXY座標を示している。また、縦軸は透過光量(Xマーク用検出部42またはYマーク用検出部44の出力値および当該出力値から迷光成分を除去した算出値)を示している。
【0059】
Xマーク用検出部42またはYマーク用検出部44の出力値は、波形1の領域内でピーク値を示している。しかし、数式3または4を使用して求められた迷光成分を除去した算出値は、波形3の領域内でピーク値を示し、計測誤差を低減し得るものである。
【0060】
制御部50は、迷光成分を除去するための情報を照明光学系による原版基準マークの照明条件、二種類のマーク部の組合せ、および、基板ステージ32の位置の少なくとも1つに対応付けてメモリ52に格納(記憶)しておくのが好ましい。
【0061】
図8は、実施例1の位置合わせ方法を説明するためのフローチャートである。図8において、「S」はステップの略である。
【0062】
まず、制御部50は、照明光学系4において所望の偏光状態・照明状態を設定する(S101)。所望の照明状態(輪帯照明などの変形照明の状態など)の設定は、原版11を均一に照明するための不図示のオプティカルインテグレータの射出面近傍に配置された不図示の開口絞りの形状を不図示のターレットなどで変更することによって行うことができる。不図示の開口絞りは投影光学系20の瞳面と共役である。所望の偏光状態(ラジアル照明、タンジェンシャル照明など)の設定は不図示の偏光状態設定手段によって行うことができる。
【0063】
次に、制御部50は、Xマーク用検出部42及びYマーク用検出部44で受光する迷光成分が既に検出済みかどうかを判断する(S102)。
【0064】
迷光成分が未検出であると判断すると、制御部50は、前方側Xマーク部15又は前方側Yマーク部16をマスキングブレード4aで遮光し、X軸方向およびY軸方向の同時検出を行って迷光成分を検出する(S103)。次に、制御部50は、S103で遮光しなかった側のマーク部を遮光し、X軸方向およびY軸方向の同時検出を行い、迷光成分を検出する(S104)。即ち、制御部50は、照明領域規定部であるマスキングブレード4aにより二種類のマーク部の一方を遮光した状態で検出器40に第1の検出を行わせる。次いで、制御部50は、マスキングブレード4aにより二種類のマーク部の他方を遮光した状態で検出器40に第2の検出を行わせる。
【0065】
次に、制御部50は、S103、S104で得られた迷光成分をメモリ52に記憶する(S105)。
【0066】
次に、制御部50は、基板31を露光する前に、原版基準マークおよび基板基準マークを検出器40で検出し、その検出結果から事前に取得した迷光成分を除去する。即ち、制御部50は、第1の検出および第2の検出の結果に基づいて迷光成分が除去された検出器40の検出出力を求める。その後、制御部50は、透過光量がピークを示す基板ステージ32の位置(X座標・Y座標)を求める(S106)。図7において、透過光量がピークを示す基板ステージ32の位置を求める方法は周知であるので、ここでは説明を省略する。
【0067】
次に、制御部50は、S106で得られた位置合わせ計測の結果にしたがい基板ステージ32を駆動して原版11のパターンと基板31上のショットとの位置合せを行い、原版11のパターンを介してショットを露光する(S107)。なお、原版11のパターンとショットとの位置合わせには、例えば、原版11と原版基準マークとの相対位置計測および基板31上のショットと基板基準マークとの相対位置計測がさらに必要となるが、それらは周知であるので説明を省略する。
【0068】
図8を参照して、S103、S104で得られた迷光成分をメモリ52に記憶する例を説明した。しかし、光量の割合a、b、c、dを上述のようにして求めてメモリ52に記憶しておき、数3および数4を用いて、光量Sx、Syから迷光成分を取り除いた光量(a×α)、(c×β)を求めてもよい。
【実施例2】
【0069】
以下、図9〜図11を参照して、実施例2の位置合わせ計測について以下に説明する。実施例1と説明が重複する箇所については同一符号を用いると共に、説明を省略する。また、以下の説明は、前方側マーク14及び34を用いているが、後方側マーク17及び37にも同様に適用することができる。
【0070】
検出精度を維持する目的で、一般に、前方側Xマーク部15および前方側Yマーク部16の矩形開口部の長辺・短辺の寸法と開口部間ピッチとが等しく設定され、前方側Xマーク部35および前方側Yマーク部36のそれらも等しく設定されている。そのため、基板ステージ32のX軸方向速度とY軸方向速度とが等しいと、Xマーク用検出部42には前方側Xマーク部35からの透過光と前方側Yマーク部36からの迷光とが同周期で入射し、Yマーク用検出部44も同様となる。
【0071】
ここで、前方側Xマーク部35を透過し、それに対応するXマーク用検出部42に入射する透過光、前方側Yマーク部36を透過し、それに対応するYマーク用検出部44に入射する透過光を基準透過光(基準光成分)とする。本実施例では、事前に、実験的又は理論的に基準透過光の周波数特性を取得し、メモリ52は基準透過光(基準光成分)の周波数特性の情報を格納している。例えば、実施例1のように、前方側Xマーク部15又は前方側Yマーク部16をマスキングブレード4aで遮光し、基準透過光の周波数特性を計測してもよい。
【0072】
また、制御部50は、基準光成分と迷光成分とがXY平面上の座標において異なる位相で検出器40によって検出されるように設定した状態で検出器40に二種類のマーク部を検出させる。本実施例では、この設定した状態は、基板ステージ32のX軸・Y軸方向の速度を異ならせた状態である。
【0073】
即ち、基板ステージ32のX軸方向およびY軸方向の速度が等しいと、基準透過光および迷光は同周期となるから検出器40が検出出力をフーリエ変換しても基準透過光および迷光との周波数成分を分離することができない。このため、本実施例では、基板ステージ32のX軸方向およびY軸方向への速度を異ならせ、X軸方向・Y軸方向の同時検出を行っている。これにより、図9及び図10に示すように、基準透過光および迷光の強度変化の周波数成分を分離することができる。
【0074】
なお、本発明における前記設定した状態は、二種類のマーク部のうち一方の開口部と他方の開口部との間で寸法又はピッチを異ならせた状態である場合も含む。
【0075】
分離の際には、制御部50は、検出器40の検出出力をフーリエ変換し、フーリエ変換した結果とメモリ52に格納された情報とに基づき迷光成分を特定及び除去する。除去後は、逆フーリエ変換を行う。そして、迷光成分の除去されたデータから透過光の強度がピークとなる基板ステージ32の位置を算出する。制御部50は、迷光成分及び/又は基準光成分の周波数特性を照明光学系による原版基準マークの照明条件、二種類のマーク部の組合せ、および、基板ステージ32の位置の少なくとも1つに対応付けて記憶しておくことが好ましい。
【0076】
図11は、実施例2の位置合わせ方法を説明するためのフローチャートを示す。図11において、「S」はステップの略である。
【0077】
まず、制御部50は、S101と同様に、照明光学系4において所望の偏光状態、照明状態を設定する(S201)。
【0078】
次に、制御部50は、基板ステージ32のX軸方向およびY軸方向の速度を異ならせ、X軸方向およびY軸方向の同時検出を行う(S202)。上述したように、基準光成分および迷光成分の周期を異ならせる手段は別の手段であってもよい。
【0079】
次に、制御部50は、S202で得られた検出出力をフーリエ変換する(S203)。
【0080】
次に、制御部50は、事前に求めてメモリ52に記憶させた基準透過光及び/又は迷光の周波数特性に基づき、例えば、フーリエ変換により得られたデータに対してフィルタリングを行って、迷光成分を除去する。(S204)。
【0081】
次に、制御部50は、S204で得られたデータを逆フーリエ変換し、得られたデータから透過光の強度がピークとなる基板ステージ32の位置を算出する(S205)。
【0082】
最後に、制御部は、S107と同様に、S205で得られた位置合わせ計測の結果にしたがい基板ステージ32を駆動して原版11のパターンと基板31上のショットとの位置合せを行い、原版11のパターンを介してショットを露光する。なお、原版11のパターンとショットとの位置合わせには、例えば、原版11と原版基準マークとの相対位置計測および基板31上のショットと基板基準マークとの相対位置計測がさらに必要となるが、それらは周知であるので説明を省略する。
【0083】
以上説明した位置合わせ計測において、原版11と基板31とは迷光の影響が低減されて正確または高精度に位置合わせ計測が行われる。そのため、重ね合わせの正確度または精度が向上し、また、X軸方向およびY軸方向の同時検出によって位置合わせ計測時間が短縮するので、露光装置のスループットも向上する。
[デバイス製造方法の実施形態]
つぎに、本発明の一実施形態のデバイス(半導体デバイス、液晶表示デバイス等)の製造方法について説明する。当該方法において、本発明を適用した露光装置を使用し得る。
【0084】
半導体デバイスは、ウエハ(半導体基板)に集積回路を作る前工程と、前工程で作られたウエハ上の集積回路チップを製品として完成させる後工程とを経ることにより製造される。前工程は、前述の露光装置を用いて、感光剤が塗布されたウエハを露光する工程と、その工程で露光されたウエハを現像する工程とを含みうる。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)と、パッケージング工程(封入)とを含みうる。また、液晶表示デバイスは、透明電極を形成する工程を経ることにより製造される。透明電極を形成する工程は、透明導電膜が蒸着されたガラス基板に感光剤を塗布する工程と、前述の露光装置を用いて、感光剤が塗布されたガラス基板を露光する工程と、その工程で露光されたガラス基板を現像する工程とを含みうる。
【0085】
本実施形態のデバイス製造方法は、デバイスの生産性、品質および生産コストの少なくとも一つにおいて従来よりも有利である。
【0086】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例1の露光装置のブロック図である。
【図2】図1に示す原版基準マーク又は基板基準マークの概略平面図である。
【図3】基板ステージのZ方向とこれに垂直な方向の位置と検出器との関係を示すグラフである。
【図4】図1に示す原版基準マーク又は基板基準マークの概略平面図である。
【図5】図1に示す検出器近傍の概略断面図である。
【図6】基板ステージのX方向又はY方向の位置と検出器の出力との関係を示すグラフである。
【図7】基板ステージのX方向又はY方向の位置と検出器の出力との関係を示すグラフである。
【図8】実施例1の位置合わせ方法を説明するフローチャートである。
【図9】実施例2の位置合わせ方法の原理を説明するためのグラフである。
【図10】図9をフーリエ展開した結果を示すグラフである。
【図11】実施例2の位置合わせ方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1 露光装置
4 照明光学系
4a マスキングブレード
11 原版
13、33 指標板
20 投影光学系
31 基板
14、34 前方側マーク
17、37 後方側マーク
15、35 前方側Xマーク部
16、36 前方側Yマーク部
18、38 後方側Xマーク部
19、39 後方側Yマーク部
40 検出器
42 Xマーク用検出部
44 Yマーク用検出部
50 制御部
52 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原版基準マークを有し、原版を保持して移動する原版ステージと、
基板基準マークを有し、基板を保持して移動する基板ステージと、
前記原版ステージに保持された原版からの光を前記基板ステージに保持された基板に投影する投影光学系と、
前記原版基準マークを照明する照明光学系と、
前記照明光学系により照明された前記原版基準マークと前記投影光学系とを介して照明された前記基板基準マークを介して光を検出する検出器と、
前記投影光学系の光軸に直交し且つ互いに直交する2つの軸の方向に関して前記検出器の出力に基づき前記原版ステージと前記基板ステージとの位置合わせを行って、前記原版を介して前記基板を露光する制御を行う制御部と、
を有する露光装置であって、
前記原版基準マークおよび前記基板基準マークは、前記2つの軸にそれぞれ対応する二種類のマークをそれぞれ有し、
前記検出器は、前記二種類のマークにそれぞれ対応する二つの検出部を含み、
前記制御部は、前記二つの検出部にそれぞれ入射する迷光の特性に関する情報を記憶し、前記二種類のマークを前記照明光学系に同時に照明させ、前記二種類のマークを介した光を前記二つの検出部に同時に検出させ、前記二つの検出部それぞれの出力と前記情報とに基づいて前記位置合わせを行う、
ことを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記二種類のマークの一方のみを前記照明光学系に照明させて前記二つの検出部に光を同時に検出させる第1の検出を行い、前記二種類のマークの他方のみを前記照明光学系に照明させて前記二つの検出部に光を同時に検出させる第2の検出を行い、前記第1の検出および前記第2の検出に基づいて前記二つの検出部それぞれに入射する迷光の特性を求め、それに関する情報を記憶する、ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記迷光の特性は、前記二つの検出部それぞれに入射する迷光の強度である、ことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記2つの軸に関して互いに異なる速度で前記基板ステージを移動させ、
前記迷光の特性は、前記2つの軸それぞれに関して、前記基板ステージの位置に対する前記二つの検出部のうち対応する検出部に入射する迷光の強度変化の周波数特性である、ことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項5】
前記二種類のマークは、それぞれ開口部および遮光部を含み、且つ前記開口部の寸法またはピッチが互いに異なり、
前記迷光の特性は、前記2つの軸それぞれに関して、前記基板ステージの位置に対する前記二つの検出部のうち対応する検出部に入射する迷光の強度変化の周波数特性である、ことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記二つの検出部それぞれの出力に対してフーリエ変換を行い、前記フーリエ変換により得られたデータに対して前記周波数特性に応じたフィルタリングを行い、前記フィルタリングにより得られたデータに対して逆フーリエ変換を行い、前記逆フーリエ変換により得られたデータに基づいて前記位置合わせを行う、ことを特徴とする請求項4または5に記載の露光装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記照明光学系による前記原版基準マークの照明条件、前記二種類のマークの組合せ、および前記基板ステージの位置の少なくとも1つに対応づけて前記情報を記憶する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の露光装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記工程で露光された基板を現像する工程と、
を有することを特徴とするデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−135475(P2010−135475A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308453(P2008−308453)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】