説明

露光装置及びマイクロデバイスの製造方法

【課題】 第1ステージまたは第2ステージの位置ずれによる投影位置のずれを正確に補正できる露光装置を提供する。
【解決手段】 露光装置において、マスクと感光性基板のうちの一方を保持して移動する第1ステージ15の位置を計測する第1位置計測手段17X,17Yと、計測された第1ステージの位置に基づいて、マスクと感光性基板のうちの他方を保持して移動する第2ステージ20の目標位置を算出する目標位置算出手段50と、算出された第2ステージの目標位置に基づいて、第2ステージの位置を調整する調整手段18X,18Yと、調整された第2ステージの位置を計測する第2位置計測手段19X,19Yと、第2ステージの目標位置と第2ステージの位置との差分を算出する差分算出手段50と、算出された差分に基づいて、投影光学系が有する投影光学系によるマスクのパターンの感光性基板上における投影位置を補正する補正手段120とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィ工程で製造するための露光装置及び該露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロデバイスの一つである半導体素子又は液晶表示素子等を製造する場合において、マスク(レチクル、フォトマスク等)のパターンを、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布されたプレート(ガラスプレート、半導体ウエハ等)上に投影露光する投影露光装置が用いられている。
【0003】
近年、液晶表示デバイスを製造する際に基板として大型のガラス基板が用いられ、マスクステージと基板ステージとを同期走査しつつマスクのパターンを連続的に基板上に転写する走査型露光装置が用いられている。この走査型露光装置においては、1つの大型の投影光学系を使用する代わりに、複数の小型の部分投影光学系を走査方向に沿って所定間隔で複数列に配置し、各部分投影光学系においてそれぞれのマスクのパターンをプレート上に露光する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平2001−215718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1記載の走査型露光装置においては、マスクステージ及び基板ステージが走査方向及び走査方向と交差する方向に移動可能に構成されている。また、マスクステージ側及び基板ステージ側に干渉計等が設けられており、この干渉計等はマスクステージ及び基板ステージの位置の計測及び制御を行っている。従って、干渉計等により計測されたマスクステージ及び基板ステージの少なくとも一方の位置にずれが生じている場合、マスクステージ及び基板ステージを移動させることによりこの位置ずれを補正していた。
【0006】
しかしながら、基板の大型化等に伴うマスクステージ及び基板ステージの大型化により、マスクステージまたは基板ステージを高精度に移動させることが困難となり、マスクステージまたは基板ステージの位置ずれを正確に補正することができない場合があった。従って、マスクステージまたは基板ステージの位置ずれが残存した状態で露光を行うこととなり、マスクのパターン像を基板上の正確な位置に投影することができないという問題があった。
【0007】
この発明の課題は、マスクステージまたは基板ステージの位置ずれによる投影位置のずれを正確に補正することができる露光装置及び該露光装置を用いたマイクロデバイスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の露光装置は、マスクと外径が500mmよりも大きい感光性基板とを所定の方向に同期移動させて、マスクのパターンを投影光学系を介して前記感光性基板上に露光する露光装置において、前記マスクと前記感光性基板とのうちの一方を保持して移動する第1ステージの位置を計測する第1位置計測手段と、前記第1位置計測手段により計測された前記第1ステージの位置に基づいて、前記マスクと前記感光性基板とのうちの他方を保持して移動する第2ステージの目標位置を算出する目標位置算出手段と、前記目標位置算出手段により算出された前記第2ステージの目標位置に基づいて、前記第2ステージの位置を調整する調整手段と、前記調整手段により調整された前記第2ステージの位置を計測する第2位置計測手段と、前記目標位置算出手段により算出された前記第2ステージの目標位置と、前記第2位置計測手段により計測された前記第2ステージの位置との差分を算出する差分算出手段と、前記差分算出手段により算出された前記差分に基づいて、前記投影光学系が有する前記投影光学系による前記マスクのパターンの前記感光性基板上における投影位置を補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の露光装置によれば、第2ステージの目標位置と第2ステージの調整後の位置との差分を算出する差分算出手段を備えているため、第2ステージの移動による調整手段により調整することができなかった第2ステージの位置ずれの量を正確に算出することができる。また、第2ステージの目標位置と第2ステージの調整後の位置との差分に基づいて、投影光学系が有する補正手段により感光性基板上における投影位置を正確に補正することができる。従って、マスクに形成された微細なパターンを感光性基板上に高精度に露光することができる。
【0010】
また、本発明のマイクロデバイスの製造方法は、本発明の露光装置を用いてマスクのパターンを外径が500mmよりも大きい感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、投影光学系による感光性基板上における投影位置を正確に補正することができる露光装置を用いて露光を行うため、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスの製造を高精度に行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明の露光装置によれば、投影光学系が有する補正手段により投影光学系による感光性基板上における投影位置を正確に補正することができるため、マスクに形成された微細なパターンを感光性基板上に高精度に露光することができる。
【0013】
また、この発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、この発明の露光装置を用いて露光を行うため、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスの製造を高精度に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる走査型露光装置について説明する。図1は、この実施の形態にかかる走査型露光装置の概略構成を示す図である。なお、以下の説明においては、マスク10及び外径が500mmよりも大きい感光性基板14の同期移動方向をX軸方向(走査方向)、水平面内においてX軸方向と交差する方向をY軸方向(非走査方向)、X軸方向及びY軸方向と直交する方向をZ軸方向とする。
【0015】
図1に示すように、超高圧水銀ランプ等の光源1から射出された光束は、楕円鏡2により反射され、ダイクロイックミラー3に入射する。ダイクロイックミラー3は、露光に必要な波長の光束を反射し、その他の波長の光束を透過させる。ダイクロイックミラー3により反射された光束は、光軸AX1に対して進退可能に配置されたシャッタ4を通過する。シャッタ4が開放されることにより、光束は波長選択フィルタ5に入射し、後述する投影光学系を構成する部分投影光学系12aが感光性基板14上に転写を行うのに適した波長(通常は、g,h,i線のうちの少なくとも1つの帯域)の光束となる。波長選択フィルタ5を通過した光束は、フライアイレンズ6を通過し、折曲げミラー7により反射され、コンデンサレンズ8を通過する。フライアイレンズ6及びコンデンサレンズ8は、波長選択フィルタ5を通過した光束の光強度分布、即ち光軸近傍が最も高く、周辺になると低下するガウス分布状の光強度分布を均一化する機能を有している。
【0016】
コンデンサレンズ8を通過した光束は、視野絞り9を介してマスク10のパターン面上に照射される。この視野絞り9は感光性基板14上の投影領域13aを制限する開口を有する。なお、視野絞り9とマスク10との間にレンズ系を設けて視野絞り9とマスク10のパターン面と感光性基板14の投影面とが互いに共役になるようにしてもよい。
【0017】
ここで、光源1から視野絞り9までの構成を投影光学系を構成する部分投影光学系12aに対応する照明光学系L1としたとき、この実施の形態にかかる走査型露光装置は照明光学系L1と同様の構成を有する照明光学系L2〜L5を備えている。各照明光学系L2〜L5からの光束は、投影光学系を構成する部分投影光学系12b〜12eのそれぞれに対応している。複数(この実施の形態においては5つ)の照明光学系L1〜L5のそれぞれから射出された光束は、マスク10上の異なる部分領域(照明領域)11a〜11eをそれぞれ照明する。
【0018】
マスク10上の異なる部分領域11a〜11eのそれぞれを通過した光束は、投影光学系を構成する部分投影光学系12a〜12eのそれぞれに入射する。複数(この実施の形態においては5つ)の部分投影光学系12a〜12eのうち部分投影光学系12b、12dは、Y方向(走査方向と交差する方向)に並んでおり、X方向(走査方向)の前方側に配置されている(以下、第1投影光学ユニットという。)。また、部分投影光学系12a、12c、12eは、Y方向に並んでおり、X方向の後方側に配置されている(以下、第2投影光学ユニットという。)。また、第1投影光学ユニットと第2投影光学ユニットとはX方向において対向するように配置されており、第1投影光学ユニットを構成する各部分投影光学系12b、12dと第2投影光学ユニットを構成する各部分投影光学系12a、12c、12eとは千鳥状に配置されている。すなわち、千鳥状に配置されている部分投影光学系12a〜12eのそれぞれは、隣合う部分投影光学系(例えば部分投影光学系12aと12b、12bと12c)をY方向に所定量変位させて配置されている。
【0019】
図2、図3及び図4は、部分投影光学系12a〜12eの概略構成を示す図であり、部分投影光学系12a〜12eのうちの1つを模式的に表している。部分投影光学系12a〜12eは同一の構成を有しているため、ここでは部分投影光学系12aの構成について説明する。図2に示すように、この実施の形態においては、部分投影光学系12aは結像特性調整機構120を備えており、2組のダイソン型光学系を上下に組み合わせた構成を有している。
【0020】
部分投影光学系12aは、結像特性調整機構120として、感光性基板14に転写されるマスク10のパターン像をX方向及びY方向にシフトさせるためのシフター部(41,42)を備えている。シフター部は、マスク10の直下に配置された平行平板ガラス(光学部材)41,42からなり、Xシフト用の平行平板ガラス41及びYシフト用の平行平板ガラス42を図示しないモータ等の駆動装置によって回転させることにより、感光性基板14上に転写されるマスク10のパターン像をX方向あるいはY方向にシフトさせる。また、平行平板ガラス41及び42の回転量を検出する回転量検出装置(補正量検出手段)60を備えており、回転量検出装置60は検出した回転量を含む検出信号を後述する制御装置50に対して出力する。
【0021】
シフター部を通過した光束は、部分投影光学系12aを構成する第1の部分光学系(31,32,33)に入射する。第1の部分光学系は、マスク10面に対して±45°の傾斜で配置された2つの反射面を持つ直角プリズム(光学部材)31、マスク10の面内方向に沿った光軸を有するレンズ32及び凹面鏡33を備えている。ここで、直角プリズム31は、図3に示すように、プリズム台43にピエゾ素子44a,44bを介して固定されている。直角プリズム31、プリズム台43及びピエゾ素子44a,44bは、感光性基板14上に転写されるマスク10のパターン像を回転させる結像特性調整機構120としてのローテーション補正部として機能する。ローテーション補正部では、ピエゾ素子44a,44bの少なくともどちらか一方を駆動させることにより、または両方のピエゾ素子44a,44bを逆方向に駆動させることにより、直角プリズム31を図3の矢印aの方向またはその反対方向に回転させることにより直角プリズム31を光軸の周りに回転させ、ローテーション補正が行われる。これにより投影像は直角プリズム31の回転方向と同方向に回転する。
【0022】
また、図4に示すように、両方のピエゾ素子44a,44bを同時に同じ量だけ伸長または縮短したとき、直角プリズム31が矢印cの方向またはその反対方向に移動することにより光路差が生じ、焦点位置が変化するためフォーカス位置の調整を行うことができる。なお、この実施の形態においてはピエゾ素子を2箇所に配置しているが、ピエゾ素子を3箇所に配置して直角プリズム31を3点で支持するようにしてもよい。また、ピエゾ素子44a,44bの駆動量を検出する駆動量検出装置(補正量検出手段)62を備えており、駆動量検出装置62は検出した駆動量を含む検出信号を制御装置50に対して出力する。
【0023】
直角プリズム31により反射された光束は、例えば3枚の光学レンズで構成されるズーム光学系45に入射する。ズーム光学系45は、感光性基板14上に転写されるマスク10のパターン像の倍率を調整する結像特性調整機構120としての倍率調整部として機能する。即ち、ズーム光学系45の3枚のレンズの間隔をピエゾ素子等のアクチュエータ46によって制御することにより像の投影倍率を変更することができる。また、ズーム光学系45を構成するレンズ間を空気と異なる屈折率を有する気体に置換することによっても投影倍率を変更することができる。なお、倍率を調整するズーム光学系45を一方のダイソン型光学系(第1の部分光学系)の光路に入れた際に、後述する他方のダイソン型光学系(第2の部分光学系)の光路には、そのズーム光学系45による影響を打ち消すための固定されたレンズ群からなる補正光学系47を備えるようにしてもよい。
【0024】
ズーム光学系45を通過した光束は、レンズ32を介して凹面鏡33により反射されて、再度レンズ32を介して、直角プリズム31により反射される。直角プリズム31により反射され、第1の部分光学系から射出した光束は、視野絞り34を通過して、第2の部分光学系(35,36,37)に入射する。第2の部分光学系は、マスク10面に対して±45°の傾斜で配置された2つの反射面を持つ直角プリズム35、マスク10の面内方向に沿った光軸を有するレンズ36及び凹面鏡37を備えている。直角プリズム35により反射された光束は、レンズ36を介して凹面鏡37により反射されて、再度レンズ36を介して、補正光学系47に入射する。補正光学系47は、固定されたレンズ群からなり、ズーム光学系45による影響を打ち消すために設けられている。
【0025】
補正光学系47を通過した光束は、直角プリズム35により反射され、部分投影光学系12aから射出して、感光性基板14上の所定の投影領域13aに到達する。このとき感光性基板14上の投影領域13aに形成されるマスク10の照明領域11aのパターン像は、正立正像である。
【0026】
また、他の照明光学系L2〜L5を通過してマスク10を透過した光束は、それぞれに対応する部分投影光学系12b〜12eを介して感光性基板14上の異なる投影領域13b〜13eにマスク10の照明領域11b〜11eのパターン像を結像する。このとき感光性基板14上の投影領域13b〜13eに形成されるマスク10の照明領域11b〜11eのパターン像は、正立正像である。また、各部分投影光学系12a〜12eのシフター部、ローテーション補正部、倍率調整部を制御することにより部分投影光学系の初期調整を行うことができる。
【0027】
また、各部分投影光学系12a〜12eのシフター部及びローテーション補正部を制御することにより各部分投影光学系12a〜12eの投影領域13a〜13eの位置を調整することができる(補正手段)。即ち、後述するように、マスクステージ20の位置を調整するためのマスクステージ20の移動によっては調整することができなかった後述するマスク10と感光性基板14との位置ずれを補正することができる。
【0028】
また、感光性基板14が載置されている基板ステージ(第1ステージ)15は、走査方向(X方向)に長いストロークを持ったX方向駆動装置16Xを有している。また、走査方向と交差する方向(Y方向)に移動可能に構成されており、基板ステージ15をY方向に移動させるY方向駆動装置16Yを有している。また、基板ステージ15のX方向の位置を高分解能及び高精度に計測することができる例えばレーザ干渉計等のX方向位置測定装置(第1位置計測手段)17X、及び基板ステージ15のY方向の位置を高分解能及び高精度に計測することができるY方向位置測定装置(第1位置計測手段)17Yを備えている。X方向位置測定装置17X及びY方向位置測定装置17Yの測定結果は、制御装置50に対して出力される。
【0029】
また、マスク10が載置されているマスクステージ(第2ステージ)20は、走査方向(X方向)に長いストロークを持ったX方向駆動装置(調整手段)18Xを有している。また、走査方向と交差する方向(Y方向)に移動可能に構成されており、マスクステージ20をY方向に移動させるY方向駆動装置(調整手段)18Yを有している。また、マスクステージ20のX方向の位置を高分解能及び高精度に計測することができる例えばレーザ干渉計等のX方向位置測定装置(第2位置計測手段)19X、及びマスクステージ20のY方向の位置を高分解能及び高精度に計測することができるY方向位置測定装置(第2位置計測手段)19Yを備えている。X方向位置測定装置19X及びY方向位置計測装置19Yの測定結果は、制御装置50に対して出力される。
【0030】
また、基板ステージ15上には、感光性基板14を上下駆動するための図示しないZステージが設置されている。Zステージの高さを変更することによりフォーカス位置の調整を行うことができる。
【0031】
また、マスク10の上方には、図1に示すように、アライメント系20a,20bが配置されており、このアライメント系20a,20bによりマスク10に設けられたマスクマーク23を検出すると共に、投影光学系12a及び12eを介して感光性基板14上に形成された基板マーク24を検出する。即ち、アライメント系20a,20bから射出された照明光を反射鏡25a,25bを介してマスク10上に形成されたマスクマーク23に照射すると共に、複数配列した投影光学系12a〜12eのうちの両端部の光学系12a,12eを介して感光性基板14上の基板マーク24に照射する。
【0032】
感光性基板14上に形成された基板マーク24からの反射光は投影光学系12a,12e及び反射鏡25a,25bを介して、マスク10上に形成されたマスクマーク23により反射され、再び反射鏡25a,25bを介して、それぞれアライメント系20a,20bに入射する。アライメント系20a,20bは、マスク10及び感光性基板14からの反射光に基づいて各アライメントマークの位置を検出する。
【0033】
また、マスクステージ20または基板ステージ15をX方向に所定距離移動し、基板ステージ15上に設けられている基板マーク22a,22bとマスク10上のマスクマーク23をアライメント系20a,20bにより同時に検出することにより、基板ステージ15の位置座標とマスク10の位置座標とを対応させることができる。
【0034】
また、この走査型露光装置はこの走査型露光装置全体を制御する制御装置50を備えており、制御装置50は記憶装置51を備えている。制御装置50は、回転量検出装置60、駆動量検出装置62からの検出結果、位置測定装置17X,17Y,19X,19Yの測定結果及びアライメント系20a,20bのアライメント結果を取得し、記憶装置51に記憶させる。また、X方向駆動装置16X,18X及びY方向駆動装置16Y,18Yを制御するための制御信号、各投影光学系12a〜12e内部の結像特性調整機構を制御するための制御信号を出力する。なお、図1では、マスク10に設けられたマスクマーク23と感光性基板14上に形成された基板マーク24とを検出するアライメント系20a,20bを示したが、マスクマーク23と基板マーク24とをそれぞれ別々に検出するマスクアライメント系と基板アライメント系とを設け、マスク10と感光性基板14との相対位置を検出するようにしてもよい。
【0035】
次に、この実施の形態にかかる走査型露光装置の露光時におけるマスクステージ20(マスク10)と基板ステージ15(感光性基板14)との相対的な位置を調整するための動作について図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0036】
まず、制御装置50は、X方向測定装置17Xにより測定された基板ステージ15のX方向における位置、及びY方向測定装置17Yにより測定された基板ステージ15のY方向における位置を取得する(ステップS10、第1位置計測手段)。
【0037】
次に、制御装置50は、ステップS10において取得した基板ステージ15のX方向及びY方向における位置に基づいて、マスクステージ20の基板ステージ15に対する目標位置を算出する(ステップS11、目標位置算出手段)。
【0038】
次に、ステップS11において算出されたマスクステージ20の基板ステージ15に対する目標位置に基づいて、マスクステージ20の位置を調整する(ステップS12、調整手段)。例えば、マスクステージ20の現在位置が図6に示す破線で示す位置であり、マスクステージ20の基板ステージ15に対する目標位置が図6に示す実線で示す位置である場合、マスクステージ20を移動させることにより(図6の矢印)、マスクステージ20の位置を調整する。具体的には、制御装置50はX方向駆動装置18X及びY方向駆動装置18Yに対して制御信号を出力し、X方向駆動装置18X及びY方向駆動装置18Yは制御装置50による制御信号に基づいてマスクステージ20を駆動させる。
【0039】
次に、制御装置50は、X方向測定装置19Xにより測定されたマスクステージ20のX方向における位置、及びY方向測定装置19Yにより測定されたマスクステージ20のY方向における位置を取得する(ステップS13、第2位置計測手段)。
【0040】
次に、制御装置50は、ステップS11において算出されたマスクステージ20の基板ステージ15に対する目標位置と、ステップS13において取得したマスクステージ20の現在位置との差分を算出する(ステップS14、差分算出手段)。例えば、マスクステージ20の基板ステージに対する目標位置が図7に示す実線で示す位置であり、ステップS12における調整後のマスクステージ20の現在位置が図7に示す一点鎖線で示す位置である場合、マスクステージ20を移動させるべき量及び方向(図7の矢印a)と、ステップS12においてマスクステージ20を移動させた量及び方向(図7の矢印b)との差分(図7の矢印c)を算出する。
【0041】
次に、ステップS14において算出されたマスクステージ20の目標位置と現在位置との差分に基づいて、部分投影光学系12a〜12eが有する補正手段としてのシフター部を用いて部分投影光学系12a〜12eのそれぞれによるマスク10のパターンの感光性基板14上における投影領域13a〜13eの投影位置を補正する(ステップS15、補正手段)。具体的には、制御装置50は、図示しないモータ等の駆動装置に対して制御信号を出力し、Xシフト用の平行平板ガラス41を回転させることにより、感光性基板14上の投影領域(投影位置)13a〜13eをX方向に移動させる。また、制御装置50は、図示しないモータ等の駆動装置に制御信号を出力し、Yシフト用の平行平板ガラス42を回転させることにより、感光性基板14上の投影領域(投影位置)13a〜13eをY方向に移動させる。これにより、ステップS12においてマスクステージ20の位置を目標位置まで正確に移動することができなかった場合においても、マスク10のパターンを感光性基板14上の所望の投影位置に露光することができる。
【0042】
なお、ステップS14においてマスクステージ20の目標位置と現在位置との回転方向による差分が算出された場合、その算出された回転方向による差分に基づいて部分投影光学系12a〜12eが有する補正手段としてのローテーション補正部を用いて部分投影光学系12a〜12eのそれぞれによるマスク10のパターンの感光性基板14上における投影領域13a〜13eの投影位置の補正を行う。具体的には、制御装置50は、ピエゾ素子44a,44bのどちらか一方を駆動させることにより、または両方のピエゾ素子44a,44bを逆方向に駆動させることにより、直角プリズム31を回転させて、感光性基板14上の投影領域(投影位置)13a〜13eを回転させる。
【0043】
次に、この実施の形態にかかる走査型露光装置の露光時における第1投影光学ユニットの投影位置に対する第2投影光学ユニットの投影位置を調整するための動作について図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0044】
まず、制御装置50は、回転量検出装置60により検出された平行平板ガラス41,42の回転量、及び駆動量検出装置62により検出された直角プリズム31の駆動量を取得する(ステップS20)。即ち、図5に示すステップS15において補正した際の実際の補正量を取得する。
【0045】
次に、制御装置50は、図5に示すステップS14において算出されたマスクステージ20の目標位置とマスクステージ20の現在位置との差分と、ステップS20において取得した補正量との差分(以下、第1の差分という。)を算出する(ステップS21、第1の差分算出手段)。例えば、図5に示すステップS12において調整を行う前のマスクステージ20の位置を図9に示す破線で示す位置としたとき、このときの各部分投影光学系12a〜12eを介して感光性基板14上に投影される投影領域13a〜13eの投影位置を図9に示す位置とする。また、マスクステージ20の基板ステージ15に対する目標位置を図9に示す実線で示す位置としたとき、図5に示すステップS14において算出された差分、即ちマスクステージ20の位置が補正されるべき量及び方向を図9に示す矢印d、図5に示すステップS15において感光性基板14上に投影される投影領域13a〜13eが実際に移動した量及び方向を図9に示す矢印eとする。
【0046】
この場合には、ステップS21において算出する第1の差分は、図9に示す矢印dと矢印eの量と方向との差分である矢印fとなる。即ち、第1の差分は、投影領域13a〜13eの投影位置が補正されるべき量及び方向(図9の矢印d)と、図5に示すステップS15において投影領域13a〜13eの投影位置が補正された量及び方向(図9の矢印e)との差分(図9の矢印f)として算出される。
【0047】
次に、制御装置50は、X方向測定装置17Xにより測定された基板ステージ15のX方向における位置、及びY方向測定装置17Yにより測定された基板ステージ15のY方向における位置を取得する(ステップS22、第1位置再計測手段)。
【0048】
次に、制御装置50は、ステップS22において取得した基板ステージ15のX方向及びY方向における位置に基づいて、マスクステージ20の基板ステージ15に対する目標位置を算出する(ステップS23、目標位置再算出手段)。
【0049】
次に、ステップS23において算出されたマスクステージ20の基板ステージ15に対する目標位置に基づいて、マスクステージ20の位置を調整する(ステップS24、再調整手段)。具体的には、制御装置50はX方向駆動装置18X及びY方向駆動装置18Yに対して制御信号を出力し、X方向駆動装置18X及びY方向駆動装置18Yは制御装置50による制御信号に基づいてマスクステージ20を駆動させる。
【0050】
次に、制御装置50は、X方向測定装置19Xにより測定されたマスクステージ20のX方向における位置、及びY方向測定装置19Yにより測定されたマスクステージ20のY方向における位置を取得する(ステップS25、第2位置再計測手段)。
【0051】
次に、制御装置50は、ステップS23において算出されたマスクステージ20の基板ステージ15に対する目標位置と、ステップS25において取得したマスクステージ20の現在位置との差分(以下、第2の差分という。)を算出する(ステップS26、第2の差分算出手段)。即ち、マスクステージ20を移動させるべき量及び方向と、ステップS24においてマスクステージ20を移動させた量及び方向との差分を算出する。
【0052】
次に、ステップS21において算出された第1の差分及びステップS26において算出された第2の差分に基づいて、第2投影光学ユニット、即ち部分投影光学系12a,12c,12eが有する補正手段としてのシフター部を用いて部分投影光学系12a,12c,12eのそれぞれによるマスク10のパターンの感光性基板14上における投影領域13a,13c,13eの投影位置を補正する(ステップS27、再補正手段)。
【0053】
例えば、ステップS21において算出された第1の差分の量及び方向を図10に示す矢印f、ステップS26において算出された第2の差分の量及び方向を図10に示す矢印gとしたとき、第1の差分及び第2の差分を加味した投影領域13a,13c,13eの投影位置の補正量(図10の矢印h)を算出し、算出された補正量に基づいて投影領域13a,13c,13eの投影位置の補正を行う。具体的には、制御装置50は、図示しないモータ等の駆動装置に対して制御信号を出力して、Xシフト用の平行平板ガラス41を回転させることにより、感光性基板14上の投影領域(投影位置)13a,13c,13eをX方向に移動させる。また、制御装置50は、図示しないモータ等の駆動装置に制御信号を出力して、Yシフト用の平行平板ガラス42を回転させることにより、感光性基板14上の投影領域(投影位置)13a,13c,13eをY方向に移動させる。これにより、第1投影光学ユニットによる投影位置と第2投影光学ユニットによる投影位置との継ぎ部を正確に一致させることができる。
【0054】
即ち、図5に示すステップS15において投影領域13a〜13eの投影位置の補正が行われた後に、第2投影光学ユニットによる投影領域13a,13c,13eの露光の前に第1投影光学ユニットによる投影領域13b,13dの露光が行われる。このとき、図5に示すステップS15において投影領域13b,13dは図9の矢印eに示す量及び方向に移動し、移動した投影位置に対応するマスクパターンが露光される。投影領域13b,13dの投影位置が図9の矢印dに示す補正すべき量及び方向に補正されなかったため、図9の矢印fに示す量及び方向の誤差が生じ、その誤差が補正されることなく投影領域13b,13dの露光が行われる。
【0055】
次に、第2投影光学ユニットによる投影領域13a,13c,13eの露光が行われる際に、ステップS24においてマスクステージ20の位置と基板ステージ15の位置との調整が再度行われる。そして、ステップS27において、投影領域13a,13c,13eの投影位置は、図10の矢印gに示す第2の差分の量及び方向でなく、第2の差分の量及び方向に図10の矢印fに示す第1の差分の量及び方向の誤差を加味した量及び方向(図10の矢印h)に補正されるため、第1投影光学ユニットの投影領域と第2投影光学ユニットの投影領域との継ぎ部のずれを防止することができる。
【0056】
なお、ステップS21において算出された第1の差分とステップS26において算出された第2の差分との回転方向による差分が生じている場合、第1の差分と第2の差分との回転方向による差分に基づいて、第2投影光学ユニットを構成する部分投影光学系12a,12c,12eが有する補正手段としてのローテーション部を用いて部分投影光学系12a,12c,12eのそれぞれによるマスク10のパターンの感光性基板14上における投影領域13a,13c,13eの投影位置を補正する。具体的には、制御装置50は、ピエゾ素子44a,44bのどちらか一方を駆動させることにより、または両方のピエゾ素子44a,44bを逆方向に駆動させることにより、直角プリズム31を回転させて、感光性基板14上の投影領域(投影位置)13a,13c,13eを回転させる。
【0057】
この実施の形態にかかる走査型露光装置によれば、マスクステージの目標位置とマスクステージの調整後の位置との差分を算出するため、マスクステージを移動することにより調整することができなかったマスクステージの基板ステージに対する位置ずれの量を正確に算出することができる。また、マスクステージの目標位置とマスクステージの調整後の位置との差分に基づいて、各部分投影光学系が有するシフター部またはローテーション補正部を用いて感光性基板上における投影位置を正確に補正することができる。
【0058】
また、各部分投影光学系が有するXシフト用の平行平板ガラスを回転させることにより投影位置を走査方向(X方向)へシフトすることできるため、感光性基板上における投影位置のX方向へのずれを正確に補正することができる。また、各部分投影光学系が有するYシフト用の平行平板ガラスを回転させることにより投影位置を走査方向と交差する方向(Y方向)へシフトすることができるため、感光性基板上における投影位置のY方向へのずれを正確に補正することができる。また、各部分投影光学系が有する直角プリズムを用いて投影位置をローテーションすることにより補正を行うため、感光性基板上における投影位置の回転方向へのずれを正確に補正することができる。
【0059】
従って、マスクステージの基板ステージに対する位置が正確に調整されなかった場合においても、新たな光学部材等を設置することなく、既存の部分投影光学系の結像特性調整機構を用いて感光性基板上における投影位置を補正することができ、マスクのパターンを感光性基板上の所望の位置に露光することができる。
【0060】
更に、マスクステージ20の目標位置とマスクステージ20の現在位置との差分と、ステップS20において取得した補正量との第1の差分を算出するため、各部分投影光学系が有する結像特性調整機構により補正することができなかった投影領域の投影位置のずれ量を正確に算出することができる。また、第1の差分、及びマスクステージを再度移動することにより再調整することができなかったマスクステージの位置ずれの量とマスクステージの目標位置との第2の差分に基づいて、第2投影光学ユニットを構成する部分投影光学系が有する結像特性調整機構により感光性基板上における投影位置を正確に補正することができる。
【0061】
従って、既に露光を終えた第1投影光学ユニットによる感光性基板上における投影位置(露光位置)に応じて第2投影光学ユニットによる感光性基板上における投影位置を調整することができるため、第1投影光学ユニットの投影領域と第2投影光学ユニットの投影領域の継ぎ部のずれを防止することができ、マスクに形成された微細なパターンを感光性基板上に高精度に露光することができる。
【0062】
このように、感光性基板の大型化に伴い、基板ステージも大型化し、その重量も増大している。また、感光性基板の大型化に伴いマスクも大型化しており、マスクステージも大型化しており、感光性基板及びマスクの位置決めにおいて精細な制御を行うことが極めて困難となっている。しかし、このような場合においても、投影光学系の像シフト機構等の位置調整機構を有効に動作させることにより、投影像の位置ずれの発生を低減させることができる。従って、本発明は、大型基板、特に基板外径が500mmを超えるような基板に露光を行う露光装置に対して特に有効である。
【0063】
なお、この実施の形態にかかる走査型露光装置においては、マスクステージの基板ステージに対する目標位置に基づいてマスクステージの位置を補正しているが、基板ステージ(第2ステージ)のマスクステージ(第1ステージ)に対する目標位置に基づいて基板ステージの位置を補正してもよい。この場合には、制御装置50は算出された基板ステージの目標位置に基づいてX方向駆動装置16X及びY方向駆動装置16Yに対して制御信号を出力し、X方向駆動装置16X及びY方向駆動装置16Yは制御装置50からの制御信号に基づいて基板ステージの位置を移動させる。
【0064】
また、この実施の形態にかかる走査型露光装置においては、第2投影光学ユニットによる露光が終えた後に、第1投影光学ユニットによる投影位置の補正のみを行っているが、第1投影光学ユニット及び第2投影光学ユニットによる投影位置の補正を行うようにしてもよい。
【0065】
上述の実施の形態にかかる露光装置では、照明光学系によってレチクル(マスク)を照明し、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板(ウエハ)に露光することにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて感光性基板としてウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図11のフローチャートを参照して説明する。
【0066】
まず、図11のステップS301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターン像が投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップS304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行なわれた後、ステップS305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行なうことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。
【0067】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述のマイクロデバイス製造方法によれば、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスの製造を高精度に行うことができる。なお、ステップS301〜ステップS305では、ウエハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウエハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0068】
また、上述の実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図12のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図12において、パターン形成工程S401では、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S402へ移行する。
【0069】
次に、カラーフィルタ形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0070】
その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスの製造を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】この実施の形態にかかる走査型露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】この実施の形態にかかる部分投影光学系の構成を示す図である。
【図3】この実施の形態にかかる部分投影光学系の構成を示す斜視図である。
【図4】この実施の形態にかかる部分投影光学系の構成を示す図である。
【図5】この実施の形態にかかる走査型露光装置の露光時におけるマスクステージと基板ステージとの相対的な位置を調整するための動作について説明するためのフローチャートである。
【図6】この実施の形態にかかるマスクステージの現在位置と目標位置を説明するための図である。
【図7】この実施の形態にかかるマスクステージの調整後の位置と目標位置を説明するための図である。
【図8】この実施の形態にかかる走査型露光装置の露光時における第2投影光学ユニットの投影位置に対する第1投影光学ユニットの投影位置を調整するための動作について説明するためのフローチャートである。
【図9】この実施の形態にかかるマスクステージの現在位置と目標位置を説明するための図である。
【図10】この実施の形態にかかるマスクステージの調整後の位置と目標位置を説明するための図である。
【図11】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
1…光源、2…楕円鏡、3…ダイクロイックミラー、4…シャッタ、5…波長選択フィルタ、6…フライアイレンズ、7…折曲げミラー、8…コンデンサレンズ、L1〜L5…照明光学系、9…視野絞り、10…マスク、11a〜11e…照明領域、12a〜12e…部分投影光学系、13a〜13e…投影領域、14…感光性基板、15…基板ステージ、16X…X方向駆動装置、16Y…Y方向駆動装置、17X…X方向位置測定装置、17Y…Y方向位置測定装置、18X…X方向駆動装置、18Y…Y方向駆動装置、19X…X方向位置測定装置、19Y…Y方向位置測定装置、20…マスクステージ、20a,20b…アライメント系、22a,22b,24…基板マーク、23…マスクマーク、25a,25b…反射鏡、31,35…直角プリズム、32,36…レンズ、33,37…凹面鏡、34…視野絞り、41,42…平行平板ガラス、43…プリズム台、44a,44b…ピエゾ素子、45…ズーム光学系、46…アクチュエータ、47…補正光学系、50…制御装置、51…記憶装置、60…回転量検出装置、62…駆動量検出装置、120…結像特性調整機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクと外径が500mmよりも大きい感光性基板とを所定の方向に同期移動させて、マスクのパターンを投影光学系を介して前記感光性基板上に露光する露光装置において、
前記マスクと前記感光性基板とのうちの一方を保持して移動する第1ステージの位置を計測する第1位置計測手段と、
前記第1位置計測手段により計測された前記第1ステージの位置に基づいて、前記マスクと前記感光性基板とのうちの他方を保持して移動する第2ステージの目標位置を算出する目標位置算出手段と、
前記目標位置算出手段により算出された前記第2ステージの目標位置に基づいて、前記第2ステージの位置を調整する調整手段と、
前記調整手段により調整された前記第2ステージの位置を計測する第2位置計測手段と、
前記目標位置算出手段により算出された前記第2ステージの目標位置と、前記第2位置計測手段により計測された前記第2ステージの位置との差分を算出する差分算出手段と、
前記差分算出手段により算出された前記差分に基づいて、前記投影光学系が有する前記投影光学系による前記マスクのパターンの前記感光性基板上における投影位置を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記第1ステージは、前記感光性基板を保持して移動し、
前記第2ステージは、前記マスクを保持して移動することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記投影光学系を構成する光学部材の少なくとも1つを用いて、前記投影位置を前記走査方向へシフトすることにより補正することを特徴とする請求項1または請求項2記載の露光装置。
【請求項4】
前記補正手段は、前記投影光学系を構成する光学部材の少なくとも1つを用いて、前記投影位置を前記走査方向と交差する方向へシフトすることにより補正することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項5】
前記補正手段は、前記投影光学系を構成する光学部材の少なくとも1つを用いて、前記投影位置をローテーションすることにより補正することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項6】
前記投影光学系は、前記走査方向の前方側に配置された第1投影光学ユニットと前記走査方向の後方側に配置された第2投影光学ユニットとを備え、
前記補正手段による補正量を計測する補正量計測手段と、
前記補正量計測手段により計測された前記補正量と前記差分算出手段により算出された前記差分との第1の差分を算出する第1の差分算出手段と、
前記第1ステージの位置を計測する第1位置再計測手段と、
前記第1位置再計測手段により計測された前記第1ステージの位置に基づいて、前記第2ステージの目標位置を算出する目標位置再算出手段と、
前記目標位置再算出手段により算出された前記第2ステージの目標位置に基づいて、前記第2ステージの位置を調整する再調整手段と、
前記再調整手段により調整された前記第2ステージの位置を計測する第2位置再計測手段と、
前記目標位置再算出手段により算出された前記第2ステージの目標位置と、前記第2位置再計測手段により計測された前記第2ステージの位置との第2の差分を算出する第2の差分算出手段と、
前記第1の差分再算出手段により算出された前記第1の差分及び前記第2の差分算出手段により算出された前記第2の差分に基づいて、前記第2投影光学ユニットが有する前記第2投影光学ユニットによる前記マスクのパターンの前記感光性基板上における投影位置を補正する再補正手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の露光装置。
【請求項7】
前記補正量計測手段は、前記第1投影光学ユニット及び前記第2投影光学ユニットが有する前記補正手段による前記補正量を計測することを特徴とする請求項6記載の露光装置。
【請求項8】
前記第1投影光学ユニット及び前記第2投影光学ユニットは、少なくとも1つの部分投影光学系により構成されており、
前記補正手段は、前記部分投影光学系のそれぞれに備えられていることを特徴とする請求項6または請求項7記載の露光装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の露光装置を用いてマスクのパターンを外径が500mmよりも大きい感光性基板上に露光する露光工程と、
前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程と、
を含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−173233(P2006−173233A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−361066(P2004−361066)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】