説明

面発光レーザモジュール、光走査装置及び画像形成装置

【課題】外力によるパッケージの変形を抑制することができる面発光レーザモジュールを提供する。
【解決手段】 面発光レーザモジュール10は、フラットパッケージ20、金属リング30、キャップ、及び面発光レーザアレイチップ60を有している。金属リング30は、フラットパッケージ20に、キャビティ領域を取り囲んで固着されている。キャップは、キャップ本体41及びガラス板42を有している。キャップ本体41は、立ち上がり部と、フランジ部と、傾斜部とを有している。フランジ部と金属リング30とはシーム溶接されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面発光レーザモジュール、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、面発光レーザ素子がフラットパッケージ内に収容されている面発光レーザモジュール、該面発光レーザモジュールを有する光走査装置、及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、基板に垂直な方向にレーザ発振する面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)が、精力的に研究されている。
【0003】
面発光レーザ素子は、端面発光レーザに比べて発振の閾値電流が低く、円形の高品質な出射ビーム形状を得ることができる。また、面発光レーザ素子は、面発光レーザアレイとして2次元的に高密度で集積することが容易であり、並列光インターコネクション用の光源、高速で高精細のプリンタシステムへの応用などが検討されている。
【0004】
面発光レーザ素子は、電流流入効率を高めるために狭窄構造体を有している。この狭窄構造体としては、Al(アルミニウム)の選択酸化による狭窄構造体(以下では、便宜上「酸化狭窄構造体」ともいう。例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)が良く用いられている。
【0005】
また、非特許文献3には、780nm帯のVCSELアレイ(面発光レーザアレイ)を用いたプリンタが開示されている。また、特許文献1には、マルチスポット光源を有するマルチスポット画像形成装置が開示されている。
【0006】
ところで、面発光レーザ素子をプリンタ等の画像形成装置に応用する場合、感光体上に集光されるビームスポット径が小さいことが望ましい。また、光学系の反射率等が偏光依存性を有するため、感光体上でのレーザ光強度の変動を防止するには偏光方向が特定の方向に調整されている必要がある(例えば、特許文献2〜5参照)。また、高速での書き込みのためにはレーザ出力が大きいことが望ましい。つまり、単一基本横モード(以下、シングルモード)動作において高出力が得られ、且つ特定の方向に偏光方向が調整されていることが必要である。その他の用途においても、シングルモード出力が大きく、特定の方向に偏光方向が調整されていることが望ましい。そこで、従来から、シングルモード出力の向上、偏光方向の安定化が精力的に検討されている(例えば、特許文献6参照)。
【0007】
また、面発光レーザアレイは、セラミックパッケージのように底面積の大きなフラットパッケージに収容されることが多くなっている(例えば、非特許文献3及び特許文献7参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、面発光レーザアレイをフラットパッケージに収容して使用する場合、特性評価を行なうために該フラットパッケージを測定装置にセットする際や、実使用のために該フラットパッケージをPCB基板などに実装する際に、該フラットパッケージに外部からの力が作用し、フラットパッケージが変形し、面発光レーザアレイが外力の影響を受けるおそれがあった。
【0009】
面発光レーザアレイが外力の影響を受けると、射出される複数のレーザ光における偏光比の低下や、偏光方向のバラツキが発生する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1の観点からすると、面発光レーザ素子と、該面発光レーザ素子が収容される凹部を有するフラットパッケージと、前記凹部の周囲を取り囲んで、前記フラットパッケージに一端が固着された筒状の中空部材と、を備える面発光レーザモジュールである。
【0011】
本発明は、第2の観点からすると、光によって被走査面を走査する光走査装置であって、本発明の面発光レーザモジュールを有する光源と、前記光源からの光を偏向する光偏向器と、前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と、を備える光走査装置である。
【0012】
本発明は、第3の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と、前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報に応じて変調された光を走査する本発明の光走査装置と、を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の面発光レーザモジュールによれば、外力によるフラットパッケージの変形を抑制することができる。
【0014】
本発明の光走査装置によれば、被走査面の光走査を精度良く行うことができる。
【0015】
本発明の画像形成装置によれば、高品質の画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。
【図2】図1における光走査装置を説明するための図(その1)である。
【図3】図1における光走査装置を説明するための図(その2)である。
【図4】図1における光走査装置を説明するための図(その3)である。
【図5】図1における光走査装置を説明するための図(その4)である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、それぞれ面発光レーザモジュールを説明するための図である。
【図7】図6(A)のA−A断面図である。
【図8】面発光レーザアレイチップを説明するための図である。
【図9】1つの発光部の平面図である。
【図10】図9のA−A断面図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、それぞれ面発光レーザアレイチップの基板を説明するための図である。
【図12】フラットパッケージの平面図である。
【図13】フラットパッケージの側面図である。
【図14】図12のA−A断面図である。
【図15】金属リングを説明するための図である。
【図16】図15の側面図である。
【図17】図15のA−A断面図である。
【図18】図17の一部を拡大した図である。
【図19】ビアホールと内部配線部材を説明するための図である。
【図20】キャップを説明するための図(その1)である。
【図21】図21(A)及び図21(B)は、それぞれキャップを説明するための図(その2)である。
【図22】図22(A)及び図22(B)は、それぞれキャップの取付治具を説明するための図(その1)である。
【図23】図23(A)及び図23(B)は、それぞれキャップの取付治具を説明するための図(その2)である。
【図24】複数のサンプルについて、キャップを取り付ける前後の偏光比の測定結果を説明するための図である。
【図25】複数のサンプルについて、キャップを取り付ける前後の偏光方向の測定結果を説明するための図である。
【図26】キャップの変形例1を説明するための図である。
【図27】キャップの変形例2を説明するための図である。
【図28】キャップの変形例3を説明するための図(その1)である。
【図29】キャップの変形例3を説明するための図(その2)である。
【図30】キャップの変形例3を説明するための図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図25に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0018】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
【0019】
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をX軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をZ軸方向として説明する。
【0020】
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0021】
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、通信制御装置2080を介して受信した上位装置からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)を光走査装置2010に通知する。
【0022】
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
【0023】
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
【0024】
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
【0025】
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
【0026】
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
【0027】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
【0028】
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報に基づいて色毎に変調された光束で、対応する帯電された感光体ドラムの表面を走査する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像装置の方向に移動する。なお、光走査装置の構成については後述する。
【0029】
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
【0030】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
【0031】
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。カラー画像が転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
【0032】
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
【0033】
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
【0034】
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
【0035】
光走査装置2010は、一例として図2〜図5に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、光偏向器2104、4つの走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、6枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108b、2108c)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。
【0036】
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0037】
光源2200aとカップリングレンズ2201aと開口板2202aとシリンドリカルレンズ2204aと走査レンズ2105aと折り返しミラー2106aは、感光体ドラム2030aに潜像を形成するための光学部材である。
【0038】
光源2200bとカップリングレンズ2201bと開口板2202bとシリンドリカルレンズ2204bと走査レンズ2105bと折り返しミラー2106bと折り返しミラー2108bは、感光体ドラム2030bに潜像を形成するための光学部材である。
【0039】
光源2200cとカップリングレンズ2201cと開口板2202cとシリンドリカルレンズ2204cと走査レンズ2105cと折り返しミラー2106cと折り返しミラー2108cは、感光体ドラム2030cに潜像を形成するための光学部材である。
【0040】
光源2200dとカップリングレンズ2201dと開口板2202dとシリンドリカルレンズ2204dと走査レンズ2105dと折り返しミラー2106dは、感光体ドラム2030dに潜像を形成するための光学部材である。
【0041】
各カップリングレンズは、対応する光源から射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
【0042】
各開口板は、開口部を有し、対応するカップリングレンズを介した光束を整形する。
【0043】
各シリンドリカルレンズは、対応する開口板の開口部を通過した光束を、光偏向器2104の偏向反射面近傍にY軸方向に関して結像する。
【0044】
光偏向器2104は、2段構造のポリゴンミラーを有している。各ポリゴンミラーは、4面の偏向反射面を有している。そして、1段目(下段)のポリゴンミラーではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)のポリゴンミラーではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目のポリゴンミラー及び2段目のポリゴンミラーは、互いに位相が略45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
【0045】
光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、走査レンズ2105a、及び折り返しミラー2106aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。
【0046】
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、走査レンズ2105b、及び2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)を介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。
【0047】
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、走査レンズ2105c、及び2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)を介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。
【0048】
また、光偏向器2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、走査レンズ2105d、及び折り返しミラー2106dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、光偏向器2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。
【0049】
各感光体ドラムにおける光スポットの移動方向が、「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が、「副走査方向」である。
【0050】
光偏向器2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。
【0051】
各光源は、一例として図6(A)〜図7に示されるように、面発光レーザモジュール10を有している。なお、図7は、図6(A)のA−A断面図である。
【0052】
この面発光レーザモジュール10は、フラットパッケージ20、金属リング30、キャップ40、及び面発光レーザアレイチップ60を有している。
【0053】
ここでは、フラットパッケージ20の底面に直交する方向をz軸方向とし、z軸方向に直交する面内における互いに直交する2つの方向をx軸方向及びy軸方向とする。そして、x軸方向が主走査対応方向となり、y軸方向が副走査対応方向となるように設定されている。
【0054】
面発光レーザアレイチップ60は、一例として図8に示されるように、2次元的に配列されている40個の発光部を有している。なお、発光部の数は40個に限定されるものではない。
【0055】
40個の発光部は、全ての発光部を副走査対応方向に延びる仮想線上に正射影したときに、発光部間隔が等しく(図8では「d1」)なるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいう。
【0056】
ここでは、各発光部は、発振波長が780nm帯の垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。
【0057】
各発光部は、図9及び図10に示されるように、基板101、バッファ層102、下部半導体DBR103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、上部半導体DBR107、コンタクト層109、p側電極113、n側電極114、及びモードフィルタ115などを有している。なお、図9は、1つの発光部の平面図であり、図10は、図9のA−A断面図である。
【0058】
基板101は、表面が鏡面研磨面であり、図11(A)に示されるように、鏡面研磨面(主面)の法線方向が、結晶方位[1 0 0]方向に対して、結晶方位[1 1 1]A方向に向かって15度(θ=15度)傾斜したn−GaAs単結晶基板である。すなわち、基板101はいわゆる傾斜基板である。ここでは、図11(B)に示されるように、結晶方位[0 −1 1]方向が+x方向、結晶方位[0 1 −1]方向が−x方向となるように配置されている。
【0059】
図10に戻り、バッファ層102は、基板101の+z側の面上に積層され、n−GaAsからなる層である。
【0060】
下部半導体DBR103は、バッファ層102の+z側に積層され、n−AlAsからなる低屈折率層と、n−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層のペアを40.5ペア有している。各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた厚さ20nmの組成傾斜層が設けられている。そして、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学的厚さとなるように設定されている。なお、光学的厚さがλ/4のとき、その層の実際の厚さDは、D=λ/4n(但し、nはその層の媒質の屈折率)である。
【0061】
下部スペーサ層104は、下部半導体DBR103の+z側に積層され、ノンドープの(Al0.1Ga0.90.5In0.5Pからなる層である。
【0062】
活性層105は、下部スペーサ層104の+z側に積層され、GaInAsP/GaInPの3重量子井戸構造の活性層である。量子井戸層は780nm帯の発振波長を得るために、GaInP混晶にAsを導入したものであり0.7%の圧縮歪みを有する。バリア層は、0.6%の引張歪みを導入することによってバンドギャップを大きくし、高いキャリア閉じ込めを実現するとともに、量子井戸層の歪み補償構造を形成している。
【0063】
上部スペーサ層106は、活性層105の+z側に積層され、ノンドープの(Al0.1Ga0.90.5In0.5Pからなる層である。
【0064】
下部スペーサ層104と活性層105と上部スペーサ層106とからなる部分は、共振器構造体とも呼ばれており、その厚さが1波長の光学的厚さとなるように設定されている。なお、活性層105は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布における腹に対応する位置である共振器構造体の中央に設けられている。
【0065】
上部半導体DBR107は、上部スペーサ層106の+z側に積層され、p−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層とp−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層のペアを25ペア有している。各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層が設けられている。そして、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、λ/4の光学的厚さとなるように設定されている。
【0066】
上部半導体DBR107における低屈折率層の1つには、p−AlAsからなる被選択酸化層108が厚さ33nmで挿入されている。この被選択酸化層108の挿入位置は、電界の定在波分布において、活性層105から3番目となる節に対応する位置である。
【0067】
コンタクト層109は、上部半導体DBR107の+z側に積層され、p−GaAsからなる層である。
【0068】
なお、上記のように、基板101上に複数の半導体層が積層されたものを、以下では、便宜上「積層体」ともいう。
【0069】
次に、面発光レーザアレイチップ60の製造方法について簡単に説明する。
【0070】
(1)上記積層体を有機金属気相成長法(MOCVD法)あるいは分子線エピタキシャル成長法(MBE法)による結晶成長によって作成する。
【0071】
ここでは、MOCVD法の場合には、III族の原料には、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)を用い、V族の原料には、フォスフィン(PH)、アルシン(AsH)を用いている。また、p型ドーパントの原料には四臭化炭素(CBr)、ジメチルジンク(DMZn)を用い、n型ドーパントの原料にはセレン化水素(HSe)を用いている。
【0072】
(2)積層体の表面に一辺が25μmの正方形状のレジストパターンを形成する。
【0073】
(3)Clガスを用いるECRエッチング法で、上記レジストパターンをフォトマスクとして四角柱状のメサ構造体(以下では、便宜上「メサ」と略述する)を形成する。ここでは、エッチングの底面は下部スペーサ層104中に位置するようにした。
【0074】
(4)フォトマスクを除去する。
【0075】
(5)積層体を水蒸気中で熱処理する。これにより、被選択酸化層108中のAl(アルミニウム)がメサの外周部から選択的に酸化され、メサの中央部に、Alの酸化層108aによって囲まれた酸化されていない領域108bが残留する。すなわち、発光部の駆動電流の経路をメサの中央部だけに制限する、いわゆる酸化狭窄構造体が形成される。上記酸化されていない領域108bが電流通過領域(電流注入領域)である。このようにして、例えば幅4μm程度の略正方形状の電流通過領域が形成される。
【0076】
(6)気相化学堆積法(CVD法)を用いて、SiNからなる保護層111を形成する。ここでは、保護層111の光学的厚さがλ/4となるようにした。具体的には、SiNの屈折率nが1.86、発振波長λが780nmであるため、実際の膜厚(=λ/4n)は約105nmに設定した。
【0077】
(7)レーザ光の射出面となるメサ上部に、いわゆる窓開けを行うためのエッチングマスク(マスクMという)を作成する。ここでは、メサ上面の周囲、及びメサ上面の中心部を挟んで所望の偏光方向(ここでは、x軸方向)に平行な方向に関して対向している2つの小領域(第1の小領域と第2の小領域)がエッチングされないようにマスクMを作成する。
【0078】
(8)BHFにて保護層111をエッチングする。
【0079】
(9)マスクMを除去する。そして、第1の小領域に残存している保護層111及び第2の小領域に残存している保護層111がモードフィルタ115となる。このように、モードフィルタ115は、射出領域内でその中心部から外れた部分に設けられ、該部分の反射率を中心部の反射率よりも低くする機能を有している。
【0080】
(10)メサ上部の光射出部となる領域(射出領域)に一辺10μmの正方形状のレジストパターンを形成し、p側の電極材料の蒸着を行なう。p側の電極材料としてはCr/AuZn/Auからなる多層膜、もしくはTi/Pt/Auからなる多層膜が用いられる。
【0081】
(11)光射出部となる領域に蒸着された電極材料をリフトオフし、p側電極113を形成する。このp側電極113で囲まれた領域が射出領域である。
【0082】
(12)基板101の裏側を所定の厚さ(例えば100μm程度)まで研磨した後、n側電極114を形成する。ここでは、n側電極114はAuGe/Ni/Auからなる多層膜である。
【0083】
(13)アニールによって、p側電極113とn側電極114のオーミック導通をとる。これにより、メサは発光部となる。
【0084】
(14)チップ毎に切断する。
【0085】
そして、種々の後工程を経て、面発光レーザアレイチップ60となる。
【0086】
この面発光レーザアレイチップ60では、シングルモード出力が大きく、射出される複数の光束の偏光方向が揃っている。
【0087】
面発光レーザアレイチップ60は、40個の発光部を有しており、端子の数が多いため、面発光レーザアレイチップ60をいわゆるキャンパッケージに収容するのは、極めて困難である。そこで、面発光レーザアレイチップ60は、平面実装が可能で、リードとなる電極端子の取り出しが容易なフラットパッケージ20に収容されている。
【0088】
フラットパッケージ20は、一例として、図12〜図14に示されるように、マウント部21、複数のリード端子22、複数の接続端子23、金めっき部24などを有するセラミックパッケージである。なお、図14は、図12のA−A断面図である。
【0089】
マウント部21は、面発光レーザアレイチップ60が実装される部分であり、フラットパッケージ20の凹部の底面である。なお、フラットパッケージ20の凹部は、キャビティ領域とも呼ばれている。
【0090】
複数のリード端子22は、マウント部21からフラットパッケージ20の外周に向かって放射状に伸びている。
【0091】
複数の接続端子23は、面発光レーザモジュールをプリント基板等と接続するための端子であり、キャステレーションとも呼ばれている。複数の接続端子23は、複数のリード端子22と個別に電気的に接続されている。
【0092】
金めっき部24は、めっき厚が約1μmである。
【0093】
金めっき部24は、無電解めっきよりも緻密で密着性に優れた電気めっきにより形成されている。これにより、キャップ40内部の気密性をより高めることができる。
【0094】
ここでは、一例として図19に示されるように、フラットパッケージ20内における、金めっき部24の下にビアホールを設け、内部配線部材と接続している。この内部配線部材の他端は、パッケージ側面まで延伸され露出している。
【0095】
具体的には、フラットパッケージ20における金めっき部24が形成される領域に、タングステンによるめっき電極を形成する。そして、上記ビアホールを形成し、めっき電極と内部配線部材である埋め込みタングステンとを電気的に接続する。
【0096】
これにより、めっき電極が形成されている領域に、電気めっきにより金めっきを施すことができる。
【0097】
フラットパッケージ20の外形は、一辺の長さC(図13参照)が約14.2mmの正方形である。また、フラットパッケージ20の厚さD(図13参照)は、約1.88mmである。
【0098】
金属リング30は、一例として、図15〜図17に示されるように、金めっき部24の+z側に取り付けられている。この金属リング30は、キャビティ領域を囲むように開口部が形成された略正方形状の金属部材である。
【0099】
金属リング30は、フラットパッケージ20の材料であるセラミックと熱膨張率の近いコバールでできている。金属リング30の表面には金めっきが施されている。金属リング30は、銀ロウを用いて金めっき部24に固着されている。
【0100】
ここでは、金属リング30の厚さE(図18参照)は0.5mmである。また、フラットパッケージ20の最上面と金めっき部24が形成されている段部との段差は0.2mmである。そこで、金属リング30は、フラットパッケージ20の最上面よりも、約0.3mm突き出た状態となる。なお、金属リング30の厚さEは、剛性が確保できる厚さであれば良く、0.3mmから1mm程度であることが好ましい。
【0101】
キャップ40は、一例として図20に示されるように、金属で形成されているキャップ本体41、及び光を透過させるガラス板42を有している。キャップ本体41は、図21(A)及び図21(B)に示されるように、z軸方向に延びる立ち上がり部41aと、立ち上がり部41aの−z側の端部に設けられたフランジ部41bと、立ち上がり部41aの+z側の端部に設けられた傾斜部41cとを有している。ここでは、一例として、図21(A)における符号Hを0.1mm、符号h1を2.5mm、符号h2を0.5mmとしている。
【0102】
フランジ部41bは、金属リング30と接続される平坦状の部分である。傾斜部41cは、ガラス板42が取り付けられる部分である。面発光レーザアレイチップ60から射出されガラス板42で反射された光束が面発光レーザアレイチップ60に戻らないように、ガラス板42は、z軸方向に直交する面に対して、所定の角度だけ傾斜して傾斜部41cに取り付けられている。ここでは、一例として、傾斜角を約15°としている。
【0103】
ガラス板42は、キャップ本体41の内側から、低融点ガラス43で傾斜部41cに固定されている(図20参照)。
【0104】
また、キャップ本体41におけるフランジ部41bの長さF(図21(B)参照)は、金属リング30の長さGよりも小さい。更に、フランジ部41bの長さFと金属リング30の長さGの差が、フランジ部41bにおける厚さH(図21(A)参照)の約2倍となるように設定されている。すなわち、次の(1)式の関係が満足されている。
【0105】
G−F≒2H ……(1)
【0106】
このような形状で、金属リング30及びキャップ40を形成することにより、フラットパッケージ20上での金属リング30とキャップ40との位置合せを容易に行うことができる。
【0107】
例えば、図22(A)〜図23(B)に示されるように、45°の角度の傾斜を有する4つの取付治具70により、金属リング30とキャップ40との位置合せを容易に行うことができる。具体的には、図22(A)及び図22(B)に示されるように、金属リング30上にキャップ40を設置し、取付治具70を4方に配置する。この後、図23(A)及び図23(B)に示されるように、取付治具70を4方よりキャップ40に向けて寄せることにより、金属リング30に対するキャップ40の相対的な位置合せを容易に行うことができる。すなわち、金属リング30とキャップ40のフランジ部41bとの間隔が、4辺において、フランジ部41bの厚さHと略同じ長さとなるように位置合せをすることができる。なお、図22(B)は図22(A)のA−A断面図であり、図23(B)は図23(A)のA−A断面図である。
【0108】
この後、金属リング30とキャップ本体41のフランジ部41bとをシーム溶接法により溶接することにより、気密性の高い面発光レーザモジュールを得ることができる。
【0109】
このようにして作製された面発光レーザモジュールについて、キャップ40を取り付ける前の形態における偏光特性の測定結果と、キャップ40を取り付けた後の偏光特性の測定結果が図24及び図25に示されている。なお、各サンプルは、40個の発光部を有しており、サンプル毎に、平均値(ave)と最大値(max)と最小値(min)が示されている。
【0110】
また、その測定の際には、フラットパッケージ20の上面側を押さえ、下面側を突き上げることでフラットパッケージ20を固定し、フラットパッケージ20の上面側を平面の基準面とする装置を用いた。
【0111】
この測定装置を用いて測定を行なう場合、下面側からの突き上げの圧力の違いにより、偏光比や偏光方向の変動があり、突き上げの圧力が高いと、面発光レーザアレイチップが外力の影響を受けて、偏光比が低くなり、偏光方向にバラツキを生じることが確認されている。そのため、突き上げの圧力を一定として、測定を行なった。
【0112】
図24に示されるように、キャップ40を取り付ける前の測定結果では、偏光比は、ほとんどのサンプルで発光部間のバラツキが大きく、最小値(min)が著しく低くなっていたのに対し、キャップ40を取り付け後の測定結果では、バラツキ幅が大きく改善され、それに伴って、最小値(min)や、わずかながら平均値(ave)も向上している。
【0113】
また、図25に示されるように、偏光方向の測定結果においても、キャップ40の取り付け前は、1つのサンプルで発光部間のバラツキ幅が著しく大きくなっていたのに対して、キャップ40を取り付け後には、そのバラツキ幅が大きかったサンプルのバラツキ幅は大幅に改善され、それ以外のサンプルについては、バラツキ幅が減少またはキャップ40の取り付け前と同等、という結果となっている。
【0114】
すなわち、キャップ40を取り付けた後では、キャップ40を取り付ける前に比べて、偏光特性の発光部間のバラツキが大きく改善され、キャップ40を取り付けることにより、偏光が不安定化される不都合が改善されることが確認された。
【0115】
以上説明したように、本実施形態に係る面発光レーザモジュール10によると、フラットパッケージ20、金属リング30、キャップ40、及び面発光レーザアレイチップ60を有している。
【0116】
金属リング30は、フラットパッケージ20に、キャビティ領域を取り囲んで固着されている。
【0117】
そして、キャップ40は、金属で形成されているキャップ本体41、及び光を透過させるガラス板42を有している。キャップ本体41は、キャビティ領域を囲み、z軸方向に延びる立ち上がり部41aと、立ち上がり部41aの−z側の端部に設けられたフランジ部41bと、立ち上がり部41aの+z側の端部に設けられ、ガラス板42が取り付けられる傾斜部41cとを有している。傾斜部41cは、キャビティ領域を部分的に覆っている。
【0118】
フランジ部41bと金属リング30は、シーム溶接されている。
【0119】
この場合は、測定装置にセットする際や、PCB基板などに実装する際に、外力によりフラットパッケージ20が変形するのを抑制することができる。
【0120】
そして、本実施形態に係る光走査装置2010によると、各光源が面発光レーザモジュール10を有しているため、被走査面の光走査を精度良く行うことができる。
【0121】
また、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、光走査装置2010を備えているため、その結果として、高品質の画像を形成することができる。
【0122】
なお、上記実施形態では、キャップ40における窓が円形の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図26に示されるように、キャップ40における窓が四角形であっても良い。
【0123】
また、上記実施形態において、一例として図27に示されるように、キャップ40における前記ガラス板42がなくても良い。この場合に、一例として図28に示されるように、キャップ本体41における傾斜部41cがなくても良い。前記ガラス板42及び傾斜部41cがない場合の面発光レーザモジュール10の平面図が図29に示され、側面図が図30に示されている。
【0124】
また、上記実施形態において、キャップ本体41の立ち上がり部41a及び傾斜部41cの少なくとも一方が樹脂製やセラミック製であっても良い。
【0125】
また、上記実施形態では、フランジ部41bと金属リング30との固着がシーム溶接によってなされる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0126】
また、上記実施形態において、前記フランジ部41bをなくし、立ち上がり部41aが金属リング30と固着されても良い。
【0127】
また、上記実施形態では、基板の主面の法線方向が、結晶方位[1 0 0]方向に対して、結晶方位[1 1 1]A方向に向かって傾斜している場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、主面の法線方向が、結晶方位<1 0 0>の一の方向に対して、結晶方位<1 1 1>の一の方向に向かって傾斜している基板であれば良い。
【0128】
また、上記実施形態では、発光部の発振波長が780nm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではない。感光体の特性に応じて、発光部の発振波長を変更しても良い。
【0129】
また、上記面発光レーザモジュールは、画像形成装置以外の用途にも用いることができる。その場合には、発振波長は、その用途に応じて、650nm帯、850nm帯、980nm帯、1.3μm帯、1.5μm帯等の波長帯であっても良い。この場合に、活性層を構成する半導体材料は、発振波長に応じた混晶半導体材料を用いることができる。例えば、650nm帯ではAlGaInP系混晶半導体材料、980nm帯ではInGaAs系混晶半導体材料、1.3μm帯及び1.5μm帯ではGaInNAs(Sb)系混晶半導体材料を用いることができる。
【0130】
また、各反射鏡の材料及び構成を発振波長に応じて選択することにより、任意の発振波長に対応した発光部を形成することができる。例えば、AlGaInP混晶などのAlGaAs混晶以外のものを用いることができる。なお、低屈折率層及び高屈折率層は、発振波長に対して透明で、かつ可能な限り互いの屈折率差が大きく取れる組み合わせが好ましい。
【0131】
また、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、単色のプリンタであっても良い。
【0132】
また、上記実施形態では、トナー画像を記録紙に転写する画像形成装置について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
【0133】
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
【符号の説明】
【0134】
10…面発光レーザモジュール、20…フラットパッケージ、30…金属リング、40…キャップ、41…キャップ本体(中空部材)、41a…立ち上がり部、41b…フランジ部、41c…傾斜部(延設部)、60…面発光レーザアレイチップ、70…取付治具、101…基板、103…下部半導体DBR(下部反射鏡)、104…下部スペーサ層(共振器構造体の一部)、105…活性層、106…上部スペーサ層(共振器構造体の一部)、107…上部半導体DBR(上部反射鏡)、113…p側電極、115…モードフィルタ、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2104…光偏向器、2105a〜2105d…走査レンズ(走査光学系の一部)、2200a〜2200d…光源。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0135】
【特許文献1】特許第3687290号公報
【特許文献2】特許第3955925号公報
【特許文献3】特開2007−201398号公報
【特許文献4】特許第4381017号公報
【特許文献5】特開2010−34506号公報
【特許文献6】特許第3566902号公報
【特許文献7】特許第4363016号公報
【非特許文献】
【0136】
【非特許文献1】K.D.Choquette、K.L.Lear、R.P.Schneider,Jr.、K.M.Geib、「Cavity characteristics of selectively oxidized vertical−cavity lasers」、Applied Physics Letters、vol.66、No.25、pp.3413−3415、1995
【非特許文献2】K.D.Choquette、R.P.Schneider,Jr.、K.L.Lear、K.M.Geib、「Low threshold voltage vertical−cavity lasers fabricated by selective oxidation」、Electronics Letters、No.24、Vol.30、pp.2043−2044、1994
【非特許文献3】H.Nakayama、T.Nakamura、M.Funada、Y.Ohashi、M.Kato、「780nm VCSELs for Home Networks and Printers」、Electronic Components and Technology Conference Proceedings、54th、Vol.2、June、2004、pp.1371−1375

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面発光レーザ素子と、
該面発光レーザ素子が収容される凹部を有するフラットパッケージと、
前記凹部の周囲を取り囲んで、前記フラットパッケージに一端が固着された筒状の中空部材と、を備える面発光レーザモジュール。
【請求項2】
前記フラットパッケージは、前記凹部の周囲を取り囲む金属部分を有し、
前記中空部材における少なくとも前記フラットパッケージに固着される部分は金属製であり、前記金属部分に溶接されていることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザモジュール。
【請求項3】
前記中空部材は、前記フラットパッケージに対して直交する方向に延びる立ち上がり部と、該立ち上がり部の下端に接続されたフランジ部とを有し、
該フランジ部が前記フラットパッケージに固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光レーザモジュール。
【請求項4】
前記中空部材は、前記凹部を部分的に覆うように前記立ち上がり部の上端から延設された延設部を有することを特徴とする請求項3に記載の面発光レーザモジュール。
【請求項5】
光によって被走査面を走査する光走査装置であって、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の面発光レーザモジュールを有する光源と、
前記光源からの光を偏向する光偏向器と、
前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面上に集光する走査光学系と、を備える光走査装置。
【請求項6】
少なくとも1つの像担持体と、
前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報に応じて変調された光を走査する請求項5に記載の光走査装置と、を備える画像形成装置。
【請求項7】
前記画像情報は、多色の画像情報であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−16617(P2013−16617A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148052(P2011−148052)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】