駐車支援装置
【課題】駐車エリア内にある突出体の存在を考慮して駐車を支援できる。
【解決手段】 車両の駆動を制御する制御手段と、車両周囲の突出体を検出する検出手段と、前記突出体を囲む所定のエリア内に前記車両を誘導するための誘導経路を生成する生成手段と、を有する。前記制御手段は、前記誘導経路に従って前記所定のエリア内に前記車両を誘導する際、前記車両が前記突出体に所定の距離まで近づくと、前記車両の駆動を遅くする。
【解決手段】 車両の駆動を制御する制御手段と、車両周囲の突出体を検出する検出手段と、前記突出体を囲む所定のエリア内に前記車両を誘導するための誘導経路を生成する生成手段と、を有する。前記制御手段は、前記誘導経路に従って前記所定のエリア内に前記車両を誘導する際、前記車両が前記突出体に所定の距離まで近づくと、前記車両の駆動を遅くする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駐車を支援する駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるように、自動操縦によって車両を駐車エリア内に誘導する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−290788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来技術は、駐車エリア内にある縁石などを考慮した自動操縦がなさなれていない。その結果、駐車の際に、車輪が勢いよく縁石に衝突してしまい、ユーザに不快感を与える、という問題を生じる。
【0005】
そこで、本発明は、駐車エリア内にある突出体の存在を考慮して駐車を支援する駐車支援装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る駐車支援装置は、車両の駆動を制御する制御手段と、車両周囲の突出体を検出する検出手段と、前記突出体を囲む所定のエリア内に前記車両を誘導するための誘導経路を生成する生成手段と、を有し、前記制御手段は、前記誘導経路に従って前記所定のエリア内に前記車両を誘導する際、前記車両が前記突出体に所定の距離まで近づくと、前記車両の駆動を遅くする、という構成を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る駐車支援装置によれば、駐車エリア内にある突出体の存在を考慮して駐車を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る駐車支援装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る駐車支援装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る駐車枠パターンデータを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る突出体パターンデータを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るカメラの設置位置を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る誘導経路情報を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る駐車支援処理のフローを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る駐車支援処理の具体例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る駐車支援処理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る駐車支援装置について説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車支援装置100の概略構成を示す図である。同図に示すように、駐車支援装置100は、コントロールユニット1と、駆動制御ユニット10と、ディスプレイ30と、操舵角センサ40と、車速センサ50と、シフト位置検出センサ60と、カメラ70と、を備えている。また、駐車支援装置100を構成するこれらのユニット、各種センサ、カメラは、CAN(Controller Area Network)を介して接続され、相互にデータ伝送が可能な状態となっている。
【0011】
なお、駐車支援とは、自動操縦によって、車両を所定の駐車エリア内へ誘導することを意味するものとする。また、駐車支援装置とは、車両に搭載され、かかる駐車支援を実現するための装置を意味するものとする。
【0012】
コントロールユニット1は、他のユニット、各種センサ、カメラを制御する中心的なユニットである。コントロールユニット1は、プログラムやデータを演算処理するCPU2(Central Processing Unit)と、プログラムやデータを格納するROM3(Read Only Memory)と、ROMから読み出したプログラムやデータを一時的に格納するRAM4(Random Access Memory)と、を有している。また、これらのCPU2、ROM3、RAM4は、バス5によって相互に電気的に接続されている。また、コントロールユニット1は、他のユニット、各種センサ、カメラから出力される情報をCPU2で演算処理することにより、所定の処理を実行する。また、後述するように、ROM3には、駐車エリアを区画する駐車枠の形状を記憶した駐車枠パターンデータや、縁石などの突出体の形状を記憶した突出体パターンデータが格納されている。また、ROM3には、所定の演算処理を実行するためのプログラムや種々のデータが格納されている。なお、このようなコントロールユニット1は、例えば、車載用のナビゲーション装置に搭載されていてもよい。
【0013】
図3(a)、(b)は、駐車エリアを区画する駐車枠の形状が登録された駐車枠パターンデータを示す図である。同図に示すように、駐車枠パターンデータには、様々な角度から見た複数の駐車枠の形状が登録されている。例えば、図3(a)の登録データ201は、駐車枠を正面から見た形状であり、同図の登録データ202は、登録データ201と同一の駐車枠を左方向から見た形状を示している。また、図3(b)は、図3(a)に示す駐車枠とは異なる形状の駐車枠を示したものである。
【0014】
また、図4(a)、(b)は、突出体の形状が登録されている突出体パターンデータを示す図である。これらの図に示すように、突出体パターンデータには、様々な角度から見た複数の突出体の形状が登録されている。例えば、図4(a)の登録データ210は、突出体を正面から見た形状であり、登録データ211は、登録データ210と同一の突出体を左方向から見た形状を示している。また、図4(b)は、図4(a)に示す突出体とは異なる形状の突出体を示したものである。
【0015】
なお、これらのデータにおける駐車枠や突出体の描画には、例えば、3Dのポリゴンデータなどが用いられる。また、このような駐車枠パターンデータおよび突出体パターンデータは、後述するように、カメラ70で撮像された画像情報との間で行われるパターンマッチング処理に用いられる。
【0016】
駆動制御ユニット10は、車両の駆動部であるステアリング20、アクセル21、ブレーキ22を制御するユニットであり、操舵制御装置11と、車速制御装置12と、を有している。また、操舵制御装置11および車速制御装置12は、バス13によって相互に電気的に接続されている。駆動制御ユニット10は、コントロールユニット1から出力される情報に応じて、駆動制御ユニット10に接続される駆動部を制御する。
【0017】
操舵制御装置11は、ステアリング20を制御する装置である。具体的には、操舵制御装置11は、コントロールユニット1から出力される誘導情報を用いて、車両を誘導経路に沿って駐車エリア内に誘導するためにステアリング20の操舵角を制御する。なお、誘導情報の詳細は後述する。
【0018】
また、操舵制御装置11は、コントロールユニット1から出力される車両の移動距離情報に基づいて、誘導経路上における車両の位置を検出する。また、操舵制御装置11は、誘導経路上における車両の位置を示す位置情報を生成し、車速制御装置12に出力する。また、操舵制御装置11は、誘導情報に従った所定の処理を完了すると、処理の完了を示す情報をコントロールユニット1に出力する。また、誘導情報に従った処理が実行できない場合、操舵制御装置11は、エラー情報をコントロールユニット1に出力する。
【0019】
車速制御装置12は、車両の車速を制御する装置である。車速制御装置12は、車両を駐車エリアに誘導する際に、車速を制御するための車速制御情報をコントロールユニット1から取得する。なお、車速制御情報の詳細は後述する。また、車速制御装置12は、車両の位置情報を操舵制御装置11から取得する。
【0020】
車速制御装置12は、取得した車速制御情報および車両の位置情報を用いて、車両が所定の速度となるように、アクセル量およびブレーキ量を制御する。なお、駐車支援を実行する際に、車両を後ろ向きに駆動(バック)させる場合、車速制御装置12は、アクセル21およびブレーキ22の制御により車速を調整してもよく、クリープトルクおよびブレーキ22の制御により車速を調整してもよい。また、車速制御装置12は、車速制御情報および車両の位置情報に従った所定の処理を完了すると、処理の完了を示す情報をコントロールユニット1に出力する。また、車速制御情報および車両の位置情報に従った処理が実行できない場合、車速制御装置12は、エラー情報をコントロールユニット1に出力する。
【0021】
ディスプレイ30は、車内に設置され、カメラ70で撮像された画像情報を表示する装置である。具体的には、ディスプレイ30は、コントロールユニット1から出力される画像情報を取得し、かかる画像情報をディスプレイ30の表示部に表示させる。また、ディスプレイ30の表示部の表面側には、感圧式または静電式の入力検出素子などによって構成されるタッチパネルが搭載されている。タッチパネルは、ディスプレイ30に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換してコントロールユニット1に出力する。なお、ディスプレイ30は、ナビゲーション装置が備えるディスプレイであってもよく、テレビ放送やDVDの録画内容を表示するためのディスプレイであってもよい。
【0022】
操舵角センサ40は、ステアリング20の操舵角を検出するセンサである。操舵角センサ40は、操舵角が変動する度に、変動後の操舵角を検出し、検出した操舵角情報をコントロールユニット1へ出力する。
【0023】
車速センサ50は、車両の車速を算出するセンサである。車速の算出にあたり、車速センサ50は、車輪の回転数を検出してパルス信号に変換する。また、車速センサ50は、変換したパルス信号に基づいて、所定の時間内における車輪の回転数から車両の移動距離および車速を算出する。また、車速センサ50は、算出した車両の移動距離を示す移動距離情報および車速を示す車速情報をコントロールユニット1に出力する。
【0024】
シフト位置検出センサ60は、シフトレバーの位置を検出するセンサである。具体的には、シフト位置検出センサ60は、シフトレバーがパーキング(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)のいずれかに位置していることを検出する。また、シフト位置検出センサ60は、検出したシフトレバーの位置を示すシフトレバー情報をコントロールユニット1に出力する。
【0025】
カメラ70は、図5に示すように、車両251の後部に取り付けられ、車両後方を撮像する装置である。カメラ70には、例えば、CCD(Charge−Coupled Device)など、撮像素子および広角レンズが備わり、被写界深度の深いものが用いられる。また、カメラ70は、撮像した車両後部の画像情報をコントロールユニット1に出力する。
【0026】
次に、本実施形態に係る駐車支援装置100の機能ブロックについて説明する。図2は、本発明に係る駐車支援装置100の機能ブロックを示す図である。なお、各機能ブロックは、コントロールユニット1に実装されるCPU2が読み込んだ所定のプログラムを実行することにより構築される。そのため、ROM3には、各機能部の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0027】
また、機能ブロックは、本実施形態に係る駐車支援装置100で実現される各機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。また、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。本実施形態に係る駐車支援装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0028】
また、各機能部は、ハードウェア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0029】
図2に示すように、本実施形態に係る機能ブロックは、入力受付部101と、出力処理部102と、駐車エリア検出部103と、突出体検出部104と、誘導経路生成部105と、を有している。
【0030】
入力受付部101は、各装置、各種センサ、カメラ70、各機能部から出力される信号を受信する機能部である。例えば、入力受付部101は、操舵制御装置11および車速制御装置12から出力される所定の情報を受信する。また、入力受付部101は、ディスプレイ30に搭載されたタッチパネルを介して入力されるユーザからの指示を受け付ける。また、入力受付部101は、操舵角センサ50から出力される操舵角情報を受け付ける。また、入力受付部101は、車速センサ50から出力される車両の移動距離情報および車速情報を受け付ける。また、入力受付部101は、シフト位置検出センサ60から出力されるシフトレバー情報を受け付ける。また、入力受付部101は、カメラ70から出力される画像情報を受け付ける。
【0031】
出力処理部102は、各装置、各種センサ、カメラ70間で送受信される情報を中継したり、各機能部で処理された情報を、各装置、各種センサ、カメラ70、各機能部へ出力する機能部である。例えば、出力処理部102は、入力受付部101が取得したカメラ70による画像情報を取得し、ディスプレイ30に出力する。また、出力処理部102は、カメラ70による画像情報を駐車エリア検出部103、突出体検出部104に出力する。また、出力処理部102は、誘導経路生成部105で処理された情報を、操舵制御装置11および車速制御装置12に出力する。
【0032】
駐車エリア検出部103は、カメラ70で撮像された画像情報を用いて、駐車エリアを検出する機能部である。具体的には、駐車エリア検出部103は、入力受付部101を介して、カメラ70で撮像された車両後方の画像情報を取得する。また、駐車エリア検出部103は、取得した画像情報において、所定の閾値を超える明度差がある箇所を特徴点として抽出する。また、駐車エリア検出部103は、抽出された特徴点により、ハフ変換などを用いて画像情報から直線を検出する。また、駐車エリア検出部103は、検出した直線によって形成される形状が、駐車枠パターンデータに登録されている駐車枠の形状と一致するかについてパターンマッチングを行う。
【0033】
パターンマッチングでは、駐車エリア検出部103は、検出した直線によって形成される形状と、駐車枠パターンデータに登録されている駐車枠の形状とが、所定の閾値を超える割合で重畳するか否かを判定する。また、駐車エリア検出部103は、検出した直線によって形成される形状と、駐車枠パターンデータに登録されている駐車枠の形状とが、所定の閾値を超える割合で重畳する場合に、検出した直線によって形成される形状を駐車枠として特定し、かかる駐車枠内の領域を駐車エリアとして検出する。
【0034】
また、駐車エリア検出部103は、特定した駐車枠および駐車枠パターンデータが重畳する割合と、ディスプレイ30の表示部に占める駐車枠の大きさと、に基づいて、自車位置を基準とした地上面における駐車エリアの位置や大きさを特定する。また、駐車エリア検出部103は、特定した駐車エリアの位置、大きさを示す駐車エリア情報を生成する。また、駐車エリア検出部103は、かかる駐車エリア情報をRAM4に出力する。
【0035】
突出体検出部104は、駐車エリア内にある突出体を検出する機能部である。突出体検出部104は、カメラ70で撮像された画像情報に基づいて突出体を検出する。
【0036】
具体的には、突出体検出部104は、入力受付部101を介して、カメラ70で撮像された車両後方の画像情報を取得する。また、突出体検出部104は、取得した画像情報において、駐車枠を形成する直線の検出に用いた閾値とは異なる所定の閾値を超える明度差がある箇所を特徴点として抽出する。また、突出体検出部104は、抽出された特徴点により、ハフ変換などを用いて画像情報から直線を検出する。また、突出体検出部104は、検出した直線によって形成される形状が、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状のいずれかと一致するかについてパターンマッチングを行う。
【0037】
パターンマッチングでは、突出体検出部104は、検出した直線によって形成される形状と、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状とが、所定の閾値を超える割合で重畳するか否かを判定する。また、突出体検出部104は、検出した直線によって形成される形状と、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状とが、所定の閾値を超える割合で重畳する場合に、駐車エリア内にある突出体を検出する。
【0038】
また、突出体検出部104は、車両支援を開始する際の自車位置と突出体との位置関係を特定する機能部である。突出体検出部104は、入力受付部101を介して取得した画像情報と、RAM4から取得した駐車エリア情報と、を用いて、自車位置を基準とした地上面における突出体の位置を特定する。具体的には、突出体検出部104は、画像情報に基づいて、駐車エリア内における突出体の位置を特定する。また、突出体検出部104は、自車位置と駐車エリアとの位置関係を示す駐車エリア情報を用いて、自車位置を基準とした地上面における突出体の位置を特定する。また、突出体検出部104は、特定した突出体の位置を示す突出体位置情報をRAM4に出力する。
【0039】
誘導経路生成部105は、車両を駐車エリア内に誘導するための情報を生成する機能部である。具体的には、誘導経路生成部105は、RAM4から取得した駐車エリア情報および突出体位置情報を用いて、車両を駐車エリア内へ誘導する経路を特定するための誘導情報と、誘導経路上にある車両の車速を制御するための車速制御情報と、を生成する。また、誘導経路生成部105は、出力処理部102を介して、誘導情報および車速制御情報を駆動制御ユニット10へ出力する。
【0040】
なお、誘導情報は、駐車支援を開始する車両の位置から駐車エリア内の目標駐車位置に向けて、車両の進む経路を特定した情報である。具体的には、誘導情報には、直線や円弧、曲線などを組み合わせた複数の区間から構成され、駐車エリア内に車両を誘導するための誘導経路情報と、誘導経路に沿って車両を誘導するための操舵角制御情報と、が含まれている。
【0041】
また、車速制御情報には、複数の区間から構成される誘導経路について、区間ごとに設定される車速情報が含まれている。具体的には、図6に示すように、誘導経路生成部105は、例えば直線や円弧、曲線の組み合わせに応じて、誘導経路263を第1区間〜第3区間に分割する。このとき、誘導経路生成部105は、車両の後輪261と突出体262とが所定の距離以内(例えば、1.5m以内)となるときの車両位置を、誘導経路263上の最後の区間(図6では第3区間)に設定する。また、誘導経路生成部105は、区間ごとに、所定の車速を設定する。また、誘導経路生成部105は、最後の区間における車速を0.5〜1.0km/hに設定する。なお、最後の区間の距離および各区間の車速は適宜、所定の距離および速度が設定されればよい。
【0042】
以上、本実施形態に係る駐車支援装置100の機能ブロックについて説明した。
【0043】
次に、本実施形態に係る駐車支援装置100の駐車支援処理について説明する。図7は、駐車支援処理の過程を示したフロー図である。例えば、本フローは、シフトレバーのリバース(R)位置をシフト位置検出センサ60が検出し、入力受付部101がユーザから駐車支援を行うための指示を受け付けた場合に開始される。
【0044】
本フローが開始されると、駐車エリア検出部103は、入力受付部101を介して、カメラ70から出力される車両後方の画像情報を取得する。そして、駐車エリア検出部103は、取得した撮像画像を用いて駐車エリアを検出する。具体的には、駐車エリア検出部103は、取得した画像情報から所定の閾値を超える明度差のある特徴点を抽出し、ハフ変換などの方法を用いて直線を検出する。また、駐車エリア検出部103は、検出した直線によって形成される形状が、駐車枠パターンデータに登録されている駐車枠の形状と一致するかについてパターンマッチングを行う。そして、検出した直線によって形成される形状が、駐車枠パターンデータに登録されている駐車枠の形状と一致と判定した場合に、駐車エリア検出部103は、駐車エリアを検出する(ステップS001)。
【0045】
また、駐車エリア検出部103は、検出した駐車エリアの駐車枠と駐車枠パターンデータとが重畳する割合と、ディスプレイ30の表示部に占める駐車枠の大きさと、に基づいて、自車位置を基準とした地上面における駐車エリアの位置や大きさを示す駐車エリア情報を生成する。そして、駐車エリア検出部103は、かかる駐車エリア情報をRAM4へ出力し、処理をステップS002に移行する。
【0046】
ステップS002において、突出体検出部104は、入力受付部101を介して、カメラ70で撮像された車両後方の画像情報を取得する。そして、突出体検出部104は、取得した画像情報を用いて、駐車枠を形成する直線の検出に用いた閾値とは異なる所定の閾値を超える明度差がある箇所を特徴点として抽出し、ハフ変換などの方法を用いて直線を検出する。また、突出体検出部104は、検出した直線によって形成される形状が、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状と一致するかについてパターンマッチングを行う。そして、検出した直線によって形成される形状が、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状と一致すると判定した場合に、突出体検出部104は、突出体を検出する(ステップS002でYes)。
【0047】
また、突出体検出部104は、入力受付部101を介して取得した画像情報と、RAM4から取得した駐車エリア情報と、を用いて、自車位置を基準とした地上面における突出体の位置を特定する。また、突出体検出部104は、突出体の位置を示す突出体位置情報をRAM4に出力し、処理をステップS003に移行する。
【0048】
一方で、検出した直線によって形成される形状が、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状と一致しない場合、突出体検出部104は、駐車エリア内に突出体がないと判定し(ステップS002でNo)、処理をステップS005に移行する。
【0049】
ステップS003において、誘導経路生成部105は、直線や円弧、曲線などを組み合わせ、検出した駐車エリア内へ車両を誘導するための誘導情報を生成する。また、誘導経路生成部105は、誘導経路を構成する複数の区間ごとに車速を設定した車速制御情報を生成する。また、誘導経路生成部105は、出力処理部102を介して、誘導情報および車速制御情報を操舵制御装置11および車速制御装置12に出力し、処理をステップS004に移行する。
【0050】
ステップS004、ステップS005において、操舵制御装置11および車速制御装置12は、取得した誘導情報および車速制御情報に基づいて、車両が駐車エリア内に収まるように誘導する。具体的には、操舵制御装置11は、取得した誘導情報に含まれている誘導経路に沿って車両を誘導するために、ステアリング20の操舵角を制御する。また、車速制御装置12は、車速制御情報と、車両の位置情報と、に基づいて、分割された誘導経路上の区間ごとに設定されている車速となるように、アクセル21またはクリープトルクとブレーキ22とを制御する。
【0051】
操舵制御装置11および車速制御装置12は、ステップS004の処理を実行すると、処理をステップS006に移行する。一方で、操舵制御装置11および車速制御装置12は、ステップS005の処理を実行すると、処理をステップS008に移行する。
【0052】
ステップS006において、車速制御装置12は、操舵制御装置11から取得した車両の位置情報に基づいて、車両が誘導経路上の最後の区間に位置するか否かを判定する。すなわち、車速制御装置12は、車両の後輪と突出体とが所定の距離以内であるか否かを判定する。そして、車両の位置が誘導経路上の最後の区間に位置する場合(ステップS006でYes)、車速制御装置12は、車速が0.5〜1.0km/hとなるように減速させ(ステップS007)、処理をステップS008に移行する。
【0053】
一方で、車両の後輪と突出体との距離が所定の距離以内ではないと判定した場合、すなわち、車両の位置が誘導経路上の最後の区間ではないと判定した場合(ステップS006でNo)、車速制御装置12は、処理をステップS004に戻し、車両が位置する誘導経路上の区間に設定されている車速において、車両を駐車エリア内に誘導する処理を続ける。
【0054】
ステップS008において、誘導経路生成部105は、誘導情報および車速制御情報による指示に従って車両が駐車されたか否かを判定する。具体的には、誘導経路生成部105は、操舵制御装置11および車速制御装置12から出力される処理完了情報を取得すると、車両が検出した駐車エリア内に駐車したと判定する(ステップS008でYes)。また、駐車エリア内に車両が駐車されたと判定すると、誘導経路生成部105は、本フローを終了する。
【0055】
一方で、誘導経路生成部105は、操舵制御装置11および車速制御装置12から出力されるエラー情報を取得すると、処理をステップS001に戻す。そして、駐車エリア検出部103は、改めて、駐車エリアを検出する処理を実行する(ステップS001)。
【0056】
以上、駐車支援処理のフローについて説明した。
【0057】
次に、本実施形態の具体例について説明する。図8、図9は、本実施形態に係る駐車支援処理を実行した際の車両の動作を示した図である。なお、フローの各ステップに対応する説明には、括弧書きでステップ番号を付す。
【0058】
図8は、本実施形態に係る駐車支援装置100が、ユーザから駐車支援処理の実行指示を受け付けた際の駐車エリア301および車両の位置関係を示した図である。駐車支援装置100は駐車支援処理の実行にあたり、図7に示すフローを実行する。
【0059】
駐車支援装置100は、シフトレバーがリバース(R)の位置にあり、ユーザから駐車支援を行うための指示を受け付けると、図7に示すフローを実行する。本具体例では、図8に示す車両位置において、駐車支援処理のフローが開始されたものとする。
【0060】
まず、駐車支援装置100は、駐車エリアを検出するための処理を実行する(ステップS001)。具体的には、駐車支援装置100は、カメラ70で撮像された画像情報から抽出される特徴点に基づいて駐車エリア301を検出する。また、駐車支援装置100は、自車位置を基準とした地上面における駐車エリア301の位置や大きさを特定する。
【0061】
また、駐車支援装置100は、突出体302を検出するための処理を実行する(ステップS002)。具体的には、駐車支援装置100は、カメラ70により撮像された画像情報を取得し、駐車エリア301の検出とは異なる基準によって抽出された特徴点に基づいて、突出体302を検出する。
【0062】
また、駐車支援装置100は、自車位置を基準とした地上面における駐車エリア301の位置および大きさと、駐車エリア301内における突出体302の位置に基づいて、自車位置を基準とした地上面における突出体302の位置を特定する。
【0063】
また、駐車支援装置100は、駐車エリア301内における突出体302の位置を考慮して、駐車エリア301内に車両を誘導する誘導情報および車速制御情報を生成する(ステップS003)。特に、駐車支援装置100は、車両の後輪303と突出体302とが所定の距離以内(例えば、1.5m以内)となるときの車両位置を、誘導経路304上の最後の区間(図8の例では第3区間)に設定する。
【0064】
また、駐車支援装置100は、誘導経路304の区間ごとに所定の車速を設定した車速制御情報を生成する。また、駐車支援装置100は、誘導情報および車速制御情報に基づいて、車両を駐車エリア301内へ誘導する(ステップS004、ステップS005)。
【0065】
図9は、車両の後輪303と突出体302とが所定の距離以内まで近づいた場合に車両を減速させる場面を示した図である。具体的には、駐車支援装置100は、車両の位置が誘導経路304の最後の区間に位置する場合(ステップS006でYes)、車速が0.5〜1.0km/hとなるように減速させる(ステップS007)。
【0066】
一方で、車両の後輪303と突出体302との距離が所定の距離以内ではない場合、すなわち、車両の位置が誘導経路304上の最後の区間ではない場合(ステップS006でNo)、駐車支援装置100は、車両が位置する誘導経路304上の各区間に設定されている車速において、車両を駐車エリア301内に誘導する処理を続ける。
【0067】
また、駐車支援装置100は、誘導情報および車速制御情報に基づく処理が完了したことを示す情報が生成された場合、駐車支援処理を終了する。一方で、駐車支援装置100は、誘導情報および車速制御情報に基づく処理が完了していないことを示すエラー情報を生成した場合、改めて、駐車エリア301を検出する処理を実行する(ステップS001)。
【0068】
このような本発明に係る駐車支援装置によれば、駐車エリア内にある突出体の存在を考慮して駐車を支援することができる。その結果、車輪が勢いよく縁石に衝突してしまい、ユーザに不快感を与える、という問題を解消することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、カメラで撮像された画像情報を用いて、自車位置を基準とした地上面における駐車エリアの位置や大きさや、自車位置を基準とした地上面における突出体の位置を特定した。しかしながら、本発明は本実施形態に限られるものではない。本実施形態の変形例に係る駐車支援装置では、カメラに加えて、超音波センサが用いられる。そして、突出体の検出や、駐車エリア内における突出体の位置の特定は、超音波センサから出力される所定の情報に基づいて実行される。なお、超音波センサは、カメラと同様に、車両の後部に設置されていればよい。
【0070】
ここで、超音波センサとは、送波器および受波器を有し、送波器から発信した超音波を被写体で反射させ、反射した超音波を受波器で受信することにより、対象物(突出体)の有無の検出や対象物までの距離を算出できるセンサをいう。
【0071】
本発明の変形例に係る駐車支援装置では、このような超音波センサを用いることにより、突出体の存在の有無の検出や、駐車エリア内における突出体の位置の特定を行う。また、駐車支援装置は、超音波センサによって特定した駐車エリア内における突出体の位置を考慮した誘導情報および車速制御情報を生成し、かかる誘導情報および車速制御情報を用いて駐車支援処理を実行する。
【0072】
このような本発明の変形例に係る駐車支援装置によっても、駐車エリア内にある突出体の存在を考慮して駐車を支援することができる。その結果、車輪が勢いよく縁石に衝突してしまい、ユーザに不快感を与える、という問題を解消することができる。
【符号の説明】
【0073】
100・・・駐車支援装置、
1・・・コントロールユニット、10・・・駆動制御ユニット、30・・・ディスプレイ、40・・・操舵角センサ、50・・・車速センサ、60・・・シフト位置検出センサ
70・・・カメラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駐車を支援する駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるように、自動操縦によって車両を駐車エリア内に誘導する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−290788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来技術は、駐車エリア内にある縁石などを考慮した自動操縦がなさなれていない。その結果、駐車の際に、車輪が勢いよく縁石に衝突してしまい、ユーザに不快感を与える、という問題を生じる。
【0005】
そこで、本発明は、駐車エリア内にある突出体の存在を考慮して駐車を支援する駐車支援装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る駐車支援装置は、車両の駆動を制御する制御手段と、車両周囲の突出体を検出する検出手段と、前記突出体を囲む所定のエリア内に前記車両を誘導するための誘導経路を生成する生成手段と、を有し、前記制御手段は、前記誘導経路に従って前記所定のエリア内に前記車両を誘導する際、前記車両が前記突出体に所定の距離まで近づくと、前記車両の駆動を遅くする、という構成を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る駐車支援装置によれば、駐車エリア内にある突出体の存在を考慮して駐車を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る駐車支援装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る駐車支援装置の機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る駐車枠パターンデータを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る突出体パターンデータを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るカメラの設置位置を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る誘導経路情報を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る駐車支援処理のフローを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る駐車支援処理の具体例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る駐車支援処理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る駐車支援装置について説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車支援装置100の概略構成を示す図である。同図に示すように、駐車支援装置100は、コントロールユニット1と、駆動制御ユニット10と、ディスプレイ30と、操舵角センサ40と、車速センサ50と、シフト位置検出センサ60と、カメラ70と、を備えている。また、駐車支援装置100を構成するこれらのユニット、各種センサ、カメラは、CAN(Controller Area Network)を介して接続され、相互にデータ伝送が可能な状態となっている。
【0011】
なお、駐車支援とは、自動操縦によって、車両を所定の駐車エリア内へ誘導することを意味するものとする。また、駐車支援装置とは、車両に搭載され、かかる駐車支援を実現するための装置を意味するものとする。
【0012】
コントロールユニット1は、他のユニット、各種センサ、カメラを制御する中心的なユニットである。コントロールユニット1は、プログラムやデータを演算処理するCPU2(Central Processing Unit)と、プログラムやデータを格納するROM3(Read Only Memory)と、ROMから読み出したプログラムやデータを一時的に格納するRAM4(Random Access Memory)と、を有している。また、これらのCPU2、ROM3、RAM4は、バス5によって相互に電気的に接続されている。また、コントロールユニット1は、他のユニット、各種センサ、カメラから出力される情報をCPU2で演算処理することにより、所定の処理を実行する。また、後述するように、ROM3には、駐車エリアを区画する駐車枠の形状を記憶した駐車枠パターンデータや、縁石などの突出体の形状を記憶した突出体パターンデータが格納されている。また、ROM3には、所定の演算処理を実行するためのプログラムや種々のデータが格納されている。なお、このようなコントロールユニット1は、例えば、車載用のナビゲーション装置に搭載されていてもよい。
【0013】
図3(a)、(b)は、駐車エリアを区画する駐車枠の形状が登録された駐車枠パターンデータを示す図である。同図に示すように、駐車枠パターンデータには、様々な角度から見た複数の駐車枠の形状が登録されている。例えば、図3(a)の登録データ201は、駐車枠を正面から見た形状であり、同図の登録データ202は、登録データ201と同一の駐車枠を左方向から見た形状を示している。また、図3(b)は、図3(a)に示す駐車枠とは異なる形状の駐車枠を示したものである。
【0014】
また、図4(a)、(b)は、突出体の形状が登録されている突出体パターンデータを示す図である。これらの図に示すように、突出体パターンデータには、様々な角度から見た複数の突出体の形状が登録されている。例えば、図4(a)の登録データ210は、突出体を正面から見た形状であり、登録データ211は、登録データ210と同一の突出体を左方向から見た形状を示している。また、図4(b)は、図4(a)に示す突出体とは異なる形状の突出体を示したものである。
【0015】
なお、これらのデータにおける駐車枠や突出体の描画には、例えば、3Dのポリゴンデータなどが用いられる。また、このような駐車枠パターンデータおよび突出体パターンデータは、後述するように、カメラ70で撮像された画像情報との間で行われるパターンマッチング処理に用いられる。
【0016】
駆動制御ユニット10は、車両の駆動部であるステアリング20、アクセル21、ブレーキ22を制御するユニットであり、操舵制御装置11と、車速制御装置12と、を有している。また、操舵制御装置11および車速制御装置12は、バス13によって相互に電気的に接続されている。駆動制御ユニット10は、コントロールユニット1から出力される情報に応じて、駆動制御ユニット10に接続される駆動部を制御する。
【0017】
操舵制御装置11は、ステアリング20を制御する装置である。具体的には、操舵制御装置11は、コントロールユニット1から出力される誘導情報を用いて、車両を誘導経路に沿って駐車エリア内に誘導するためにステアリング20の操舵角を制御する。なお、誘導情報の詳細は後述する。
【0018】
また、操舵制御装置11は、コントロールユニット1から出力される車両の移動距離情報に基づいて、誘導経路上における車両の位置を検出する。また、操舵制御装置11は、誘導経路上における車両の位置を示す位置情報を生成し、車速制御装置12に出力する。また、操舵制御装置11は、誘導情報に従った所定の処理を完了すると、処理の完了を示す情報をコントロールユニット1に出力する。また、誘導情報に従った処理が実行できない場合、操舵制御装置11は、エラー情報をコントロールユニット1に出力する。
【0019】
車速制御装置12は、車両の車速を制御する装置である。車速制御装置12は、車両を駐車エリアに誘導する際に、車速を制御するための車速制御情報をコントロールユニット1から取得する。なお、車速制御情報の詳細は後述する。また、車速制御装置12は、車両の位置情報を操舵制御装置11から取得する。
【0020】
車速制御装置12は、取得した車速制御情報および車両の位置情報を用いて、車両が所定の速度となるように、アクセル量およびブレーキ量を制御する。なお、駐車支援を実行する際に、車両を後ろ向きに駆動(バック)させる場合、車速制御装置12は、アクセル21およびブレーキ22の制御により車速を調整してもよく、クリープトルクおよびブレーキ22の制御により車速を調整してもよい。また、車速制御装置12は、車速制御情報および車両の位置情報に従った所定の処理を完了すると、処理の完了を示す情報をコントロールユニット1に出力する。また、車速制御情報および車両の位置情報に従った処理が実行できない場合、車速制御装置12は、エラー情報をコントロールユニット1に出力する。
【0021】
ディスプレイ30は、車内に設置され、カメラ70で撮像された画像情報を表示する装置である。具体的には、ディスプレイ30は、コントロールユニット1から出力される画像情報を取得し、かかる画像情報をディスプレイ30の表示部に表示させる。また、ディスプレイ30の表示部の表面側には、感圧式または静電式の入力検出素子などによって構成されるタッチパネルが搭載されている。タッチパネルは、ディスプレイ30に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換してコントロールユニット1に出力する。なお、ディスプレイ30は、ナビゲーション装置が備えるディスプレイであってもよく、テレビ放送やDVDの録画内容を表示するためのディスプレイであってもよい。
【0022】
操舵角センサ40は、ステアリング20の操舵角を検出するセンサである。操舵角センサ40は、操舵角が変動する度に、変動後の操舵角を検出し、検出した操舵角情報をコントロールユニット1へ出力する。
【0023】
車速センサ50は、車両の車速を算出するセンサである。車速の算出にあたり、車速センサ50は、車輪の回転数を検出してパルス信号に変換する。また、車速センサ50は、変換したパルス信号に基づいて、所定の時間内における車輪の回転数から車両の移動距離および車速を算出する。また、車速センサ50は、算出した車両の移動距離を示す移動距離情報および車速を示す車速情報をコントロールユニット1に出力する。
【0024】
シフト位置検出センサ60は、シフトレバーの位置を検出するセンサである。具体的には、シフト位置検出センサ60は、シフトレバーがパーキング(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)のいずれかに位置していることを検出する。また、シフト位置検出センサ60は、検出したシフトレバーの位置を示すシフトレバー情報をコントロールユニット1に出力する。
【0025】
カメラ70は、図5に示すように、車両251の後部に取り付けられ、車両後方を撮像する装置である。カメラ70には、例えば、CCD(Charge−Coupled Device)など、撮像素子および広角レンズが備わり、被写界深度の深いものが用いられる。また、カメラ70は、撮像した車両後部の画像情報をコントロールユニット1に出力する。
【0026】
次に、本実施形態に係る駐車支援装置100の機能ブロックについて説明する。図2は、本発明に係る駐車支援装置100の機能ブロックを示す図である。なお、各機能ブロックは、コントロールユニット1に実装されるCPU2が読み込んだ所定のプログラムを実行することにより構築される。そのため、ROM3には、各機能部の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0027】
また、機能ブロックは、本実施形態に係る駐車支援装置100で実現される各機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。また、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。本実施形態に係る駐車支援装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0028】
また、各機能部は、ハードウェア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0029】
図2に示すように、本実施形態に係る機能ブロックは、入力受付部101と、出力処理部102と、駐車エリア検出部103と、突出体検出部104と、誘導経路生成部105と、を有している。
【0030】
入力受付部101は、各装置、各種センサ、カメラ70、各機能部から出力される信号を受信する機能部である。例えば、入力受付部101は、操舵制御装置11および車速制御装置12から出力される所定の情報を受信する。また、入力受付部101は、ディスプレイ30に搭載されたタッチパネルを介して入力されるユーザからの指示を受け付ける。また、入力受付部101は、操舵角センサ50から出力される操舵角情報を受け付ける。また、入力受付部101は、車速センサ50から出力される車両の移動距離情報および車速情報を受け付ける。また、入力受付部101は、シフト位置検出センサ60から出力されるシフトレバー情報を受け付ける。また、入力受付部101は、カメラ70から出力される画像情報を受け付ける。
【0031】
出力処理部102は、各装置、各種センサ、カメラ70間で送受信される情報を中継したり、各機能部で処理された情報を、各装置、各種センサ、カメラ70、各機能部へ出力する機能部である。例えば、出力処理部102は、入力受付部101が取得したカメラ70による画像情報を取得し、ディスプレイ30に出力する。また、出力処理部102は、カメラ70による画像情報を駐車エリア検出部103、突出体検出部104に出力する。また、出力処理部102は、誘導経路生成部105で処理された情報を、操舵制御装置11および車速制御装置12に出力する。
【0032】
駐車エリア検出部103は、カメラ70で撮像された画像情報を用いて、駐車エリアを検出する機能部である。具体的には、駐車エリア検出部103は、入力受付部101を介して、カメラ70で撮像された車両後方の画像情報を取得する。また、駐車エリア検出部103は、取得した画像情報において、所定の閾値を超える明度差がある箇所を特徴点として抽出する。また、駐車エリア検出部103は、抽出された特徴点により、ハフ変換などを用いて画像情報から直線を検出する。また、駐車エリア検出部103は、検出した直線によって形成される形状が、駐車枠パターンデータに登録されている駐車枠の形状と一致するかについてパターンマッチングを行う。
【0033】
パターンマッチングでは、駐車エリア検出部103は、検出した直線によって形成される形状と、駐車枠パターンデータに登録されている駐車枠の形状とが、所定の閾値を超える割合で重畳するか否かを判定する。また、駐車エリア検出部103は、検出した直線によって形成される形状と、駐車枠パターンデータに登録されている駐車枠の形状とが、所定の閾値を超える割合で重畳する場合に、検出した直線によって形成される形状を駐車枠として特定し、かかる駐車枠内の領域を駐車エリアとして検出する。
【0034】
また、駐車エリア検出部103は、特定した駐車枠および駐車枠パターンデータが重畳する割合と、ディスプレイ30の表示部に占める駐車枠の大きさと、に基づいて、自車位置を基準とした地上面における駐車エリアの位置や大きさを特定する。また、駐車エリア検出部103は、特定した駐車エリアの位置、大きさを示す駐車エリア情報を生成する。また、駐車エリア検出部103は、かかる駐車エリア情報をRAM4に出力する。
【0035】
突出体検出部104は、駐車エリア内にある突出体を検出する機能部である。突出体検出部104は、カメラ70で撮像された画像情報に基づいて突出体を検出する。
【0036】
具体的には、突出体検出部104は、入力受付部101を介して、カメラ70で撮像された車両後方の画像情報を取得する。また、突出体検出部104は、取得した画像情報において、駐車枠を形成する直線の検出に用いた閾値とは異なる所定の閾値を超える明度差がある箇所を特徴点として抽出する。また、突出体検出部104は、抽出された特徴点により、ハフ変換などを用いて画像情報から直線を検出する。また、突出体検出部104は、検出した直線によって形成される形状が、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状のいずれかと一致するかについてパターンマッチングを行う。
【0037】
パターンマッチングでは、突出体検出部104は、検出した直線によって形成される形状と、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状とが、所定の閾値を超える割合で重畳するか否かを判定する。また、突出体検出部104は、検出した直線によって形成される形状と、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状とが、所定の閾値を超える割合で重畳する場合に、駐車エリア内にある突出体を検出する。
【0038】
また、突出体検出部104は、車両支援を開始する際の自車位置と突出体との位置関係を特定する機能部である。突出体検出部104は、入力受付部101を介して取得した画像情報と、RAM4から取得した駐車エリア情報と、を用いて、自車位置を基準とした地上面における突出体の位置を特定する。具体的には、突出体検出部104は、画像情報に基づいて、駐車エリア内における突出体の位置を特定する。また、突出体検出部104は、自車位置と駐車エリアとの位置関係を示す駐車エリア情報を用いて、自車位置を基準とした地上面における突出体の位置を特定する。また、突出体検出部104は、特定した突出体の位置を示す突出体位置情報をRAM4に出力する。
【0039】
誘導経路生成部105は、車両を駐車エリア内に誘導するための情報を生成する機能部である。具体的には、誘導経路生成部105は、RAM4から取得した駐車エリア情報および突出体位置情報を用いて、車両を駐車エリア内へ誘導する経路を特定するための誘導情報と、誘導経路上にある車両の車速を制御するための車速制御情報と、を生成する。また、誘導経路生成部105は、出力処理部102を介して、誘導情報および車速制御情報を駆動制御ユニット10へ出力する。
【0040】
なお、誘導情報は、駐車支援を開始する車両の位置から駐車エリア内の目標駐車位置に向けて、車両の進む経路を特定した情報である。具体的には、誘導情報には、直線や円弧、曲線などを組み合わせた複数の区間から構成され、駐車エリア内に車両を誘導するための誘導経路情報と、誘導経路に沿って車両を誘導するための操舵角制御情報と、が含まれている。
【0041】
また、車速制御情報には、複数の区間から構成される誘導経路について、区間ごとに設定される車速情報が含まれている。具体的には、図6に示すように、誘導経路生成部105は、例えば直線や円弧、曲線の組み合わせに応じて、誘導経路263を第1区間〜第3区間に分割する。このとき、誘導経路生成部105は、車両の後輪261と突出体262とが所定の距離以内(例えば、1.5m以内)となるときの車両位置を、誘導経路263上の最後の区間(図6では第3区間)に設定する。また、誘導経路生成部105は、区間ごとに、所定の車速を設定する。また、誘導経路生成部105は、最後の区間における車速を0.5〜1.0km/hに設定する。なお、最後の区間の距離および各区間の車速は適宜、所定の距離および速度が設定されればよい。
【0042】
以上、本実施形態に係る駐車支援装置100の機能ブロックについて説明した。
【0043】
次に、本実施形態に係る駐車支援装置100の駐車支援処理について説明する。図7は、駐車支援処理の過程を示したフロー図である。例えば、本フローは、シフトレバーのリバース(R)位置をシフト位置検出センサ60が検出し、入力受付部101がユーザから駐車支援を行うための指示を受け付けた場合に開始される。
【0044】
本フローが開始されると、駐車エリア検出部103は、入力受付部101を介して、カメラ70から出力される車両後方の画像情報を取得する。そして、駐車エリア検出部103は、取得した撮像画像を用いて駐車エリアを検出する。具体的には、駐車エリア検出部103は、取得した画像情報から所定の閾値を超える明度差のある特徴点を抽出し、ハフ変換などの方法を用いて直線を検出する。また、駐車エリア検出部103は、検出した直線によって形成される形状が、駐車枠パターンデータに登録されている駐車枠の形状と一致するかについてパターンマッチングを行う。そして、検出した直線によって形成される形状が、駐車枠パターンデータに登録されている駐車枠の形状と一致と判定した場合に、駐車エリア検出部103は、駐車エリアを検出する(ステップS001)。
【0045】
また、駐車エリア検出部103は、検出した駐車エリアの駐車枠と駐車枠パターンデータとが重畳する割合と、ディスプレイ30の表示部に占める駐車枠の大きさと、に基づいて、自車位置を基準とした地上面における駐車エリアの位置や大きさを示す駐車エリア情報を生成する。そして、駐車エリア検出部103は、かかる駐車エリア情報をRAM4へ出力し、処理をステップS002に移行する。
【0046】
ステップS002において、突出体検出部104は、入力受付部101を介して、カメラ70で撮像された車両後方の画像情報を取得する。そして、突出体検出部104は、取得した画像情報を用いて、駐車枠を形成する直線の検出に用いた閾値とは異なる所定の閾値を超える明度差がある箇所を特徴点として抽出し、ハフ変換などの方法を用いて直線を検出する。また、突出体検出部104は、検出した直線によって形成される形状が、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状と一致するかについてパターンマッチングを行う。そして、検出した直線によって形成される形状が、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状と一致すると判定した場合に、突出体検出部104は、突出体を検出する(ステップS002でYes)。
【0047】
また、突出体検出部104は、入力受付部101を介して取得した画像情報と、RAM4から取得した駐車エリア情報と、を用いて、自車位置を基準とした地上面における突出体の位置を特定する。また、突出体検出部104は、突出体の位置を示す突出体位置情報をRAM4に出力し、処理をステップS003に移行する。
【0048】
一方で、検出した直線によって形成される形状が、突出体パターンデータに登録されている突出体の形状と一致しない場合、突出体検出部104は、駐車エリア内に突出体がないと判定し(ステップS002でNo)、処理をステップS005に移行する。
【0049】
ステップS003において、誘導経路生成部105は、直線や円弧、曲線などを組み合わせ、検出した駐車エリア内へ車両を誘導するための誘導情報を生成する。また、誘導経路生成部105は、誘導経路を構成する複数の区間ごとに車速を設定した車速制御情報を生成する。また、誘導経路生成部105は、出力処理部102を介して、誘導情報および車速制御情報を操舵制御装置11および車速制御装置12に出力し、処理をステップS004に移行する。
【0050】
ステップS004、ステップS005において、操舵制御装置11および車速制御装置12は、取得した誘導情報および車速制御情報に基づいて、車両が駐車エリア内に収まるように誘導する。具体的には、操舵制御装置11は、取得した誘導情報に含まれている誘導経路に沿って車両を誘導するために、ステアリング20の操舵角を制御する。また、車速制御装置12は、車速制御情報と、車両の位置情報と、に基づいて、分割された誘導経路上の区間ごとに設定されている車速となるように、アクセル21またはクリープトルクとブレーキ22とを制御する。
【0051】
操舵制御装置11および車速制御装置12は、ステップS004の処理を実行すると、処理をステップS006に移行する。一方で、操舵制御装置11および車速制御装置12は、ステップS005の処理を実行すると、処理をステップS008に移行する。
【0052】
ステップS006において、車速制御装置12は、操舵制御装置11から取得した車両の位置情報に基づいて、車両が誘導経路上の最後の区間に位置するか否かを判定する。すなわち、車速制御装置12は、車両の後輪と突出体とが所定の距離以内であるか否かを判定する。そして、車両の位置が誘導経路上の最後の区間に位置する場合(ステップS006でYes)、車速制御装置12は、車速が0.5〜1.0km/hとなるように減速させ(ステップS007)、処理をステップS008に移行する。
【0053】
一方で、車両の後輪と突出体との距離が所定の距離以内ではないと判定した場合、すなわち、車両の位置が誘導経路上の最後の区間ではないと判定した場合(ステップS006でNo)、車速制御装置12は、処理をステップS004に戻し、車両が位置する誘導経路上の区間に設定されている車速において、車両を駐車エリア内に誘導する処理を続ける。
【0054】
ステップS008において、誘導経路生成部105は、誘導情報および車速制御情報による指示に従って車両が駐車されたか否かを判定する。具体的には、誘導経路生成部105は、操舵制御装置11および車速制御装置12から出力される処理完了情報を取得すると、車両が検出した駐車エリア内に駐車したと判定する(ステップS008でYes)。また、駐車エリア内に車両が駐車されたと判定すると、誘導経路生成部105は、本フローを終了する。
【0055】
一方で、誘導経路生成部105は、操舵制御装置11および車速制御装置12から出力されるエラー情報を取得すると、処理をステップS001に戻す。そして、駐車エリア検出部103は、改めて、駐車エリアを検出する処理を実行する(ステップS001)。
【0056】
以上、駐車支援処理のフローについて説明した。
【0057】
次に、本実施形態の具体例について説明する。図8、図9は、本実施形態に係る駐車支援処理を実行した際の車両の動作を示した図である。なお、フローの各ステップに対応する説明には、括弧書きでステップ番号を付す。
【0058】
図8は、本実施形態に係る駐車支援装置100が、ユーザから駐車支援処理の実行指示を受け付けた際の駐車エリア301および車両の位置関係を示した図である。駐車支援装置100は駐車支援処理の実行にあたり、図7に示すフローを実行する。
【0059】
駐車支援装置100は、シフトレバーがリバース(R)の位置にあり、ユーザから駐車支援を行うための指示を受け付けると、図7に示すフローを実行する。本具体例では、図8に示す車両位置において、駐車支援処理のフローが開始されたものとする。
【0060】
まず、駐車支援装置100は、駐車エリアを検出するための処理を実行する(ステップS001)。具体的には、駐車支援装置100は、カメラ70で撮像された画像情報から抽出される特徴点に基づいて駐車エリア301を検出する。また、駐車支援装置100は、自車位置を基準とした地上面における駐車エリア301の位置や大きさを特定する。
【0061】
また、駐車支援装置100は、突出体302を検出するための処理を実行する(ステップS002)。具体的には、駐車支援装置100は、カメラ70により撮像された画像情報を取得し、駐車エリア301の検出とは異なる基準によって抽出された特徴点に基づいて、突出体302を検出する。
【0062】
また、駐車支援装置100は、自車位置を基準とした地上面における駐車エリア301の位置および大きさと、駐車エリア301内における突出体302の位置に基づいて、自車位置を基準とした地上面における突出体302の位置を特定する。
【0063】
また、駐車支援装置100は、駐車エリア301内における突出体302の位置を考慮して、駐車エリア301内に車両を誘導する誘導情報および車速制御情報を生成する(ステップS003)。特に、駐車支援装置100は、車両の後輪303と突出体302とが所定の距離以内(例えば、1.5m以内)となるときの車両位置を、誘導経路304上の最後の区間(図8の例では第3区間)に設定する。
【0064】
また、駐車支援装置100は、誘導経路304の区間ごとに所定の車速を設定した車速制御情報を生成する。また、駐車支援装置100は、誘導情報および車速制御情報に基づいて、車両を駐車エリア301内へ誘導する(ステップS004、ステップS005)。
【0065】
図9は、車両の後輪303と突出体302とが所定の距離以内まで近づいた場合に車両を減速させる場面を示した図である。具体的には、駐車支援装置100は、車両の位置が誘導経路304の最後の区間に位置する場合(ステップS006でYes)、車速が0.5〜1.0km/hとなるように減速させる(ステップS007)。
【0066】
一方で、車両の後輪303と突出体302との距離が所定の距離以内ではない場合、すなわち、車両の位置が誘導経路304上の最後の区間ではない場合(ステップS006でNo)、駐車支援装置100は、車両が位置する誘導経路304上の各区間に設定されている車速において、車両を駐車エリア301内に誘導する処理を続ける。
【0067】
また、駐車支援装置100は、誘導情報および車速制御情報に基づく処理が完了したことを示す情報が生成された場合、駐車支援処理を終了する。一方で、駐車支援装置100は、誘導情報および車速制御情報に基づく処理が完了していないことを示すエラー情報を生成した場合、改めて、駐車エリア301を検出する処理を実行する(ステップS001)。
【0068】
このような本発明に係る駐車支援装置によれば、駐車エリア内にある突出体の存在を考慮して駐車を支援することができる。その結果、車輪が勢いよく縁石に衝突してしまい、ユーザに不快感を与える、という問題を解消することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、カメラで撮像された画像情報を用いて、自車位置を基準とした地上面における駐車エリアの位置や大きさや、自車位置を基準とした地上面における突出体の位置を特定した。しかしながら、本発明は本実施形態に限られるものではない。本実施形態の変形例に係る駐車支援装置では、カメラに加えて、超音波センサが用いられる。そして、突出体の検出や、駐車エリア内における突出体の位置の特定は、超音波センサから出力される所定の情報に基づいて実行される。なお、超音波センサは、カメラと同様に、車両の後部に設置されていればよい。
【0070】
ここで、超音波センサとは、送波器および受波器を有し、送波器から発信した超音波を被写体で反射させ、反射した超音波を受波器で受信することにより、対象物(突出体)の有無の検出や対象物までの距離を算出できるセンサをいう。
【0071】
本発明の変形例に係る駐車支援装置では、このような超音波センサを用いることにより、突出体の存在の有無の検出や、駐車エリア内における突出体の位置の特定を行う。また、駐車支援装置は、超音波センサによって特定した駐車エリア内における突出体の位置を考慮した誘導情報および車速制御情報を生成し、かかる誘導情報および車速制御情報を用いて駐車支援処理を実行する。
【0072】
このような本発明の変形例に係る駐車支援装置によっても、駐車エリア内にある突出体の存在を考慮して駐車を支援することができる。その結果、車輪が勢いよく縁石に衝突してしまい、ユーザに不快感を与える、という問題を解消することができる。
【符号の説明】
【0073】
100・・・駐車支援装置、
1・・・コントロールユニット、10・・・駆動制御ユニット、30・・・ディスプレイ、40・・・操舵角センサ、50・・・車速センサ、60・・・シフト位置検出センサ
70・・・カメラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動を制御する制御手段と、
車両周囲の突出体を検出する検出手段と、
前記突出体を囲む所定のエリア内に前記車両を誘導するための誘導経路を生成する生成手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記誘導経路に従って前記所定のエリア内に前記車両を誘導する際、前記車両が前記突出体に所定の距離まで近づくと、前記車両の駆動を遅くする
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車支援装置において、
前記生成手段は、
複数の区間で構成される誘導経路を生成し、該誘導経路の最後の区間には、前記車両の駆動を遅くし始める前記所定の距離を設定する
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の駐車支援装置において
前記制御手段は、
前記車両のブレーキを制御して該車両の駆動を遅くする
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項1】
車両の駆動を制御する制御手段と、
車両周囲の突出体を検出する検出手段と、
前記突出体を囲む所定のエリア内に前記車両を誘導するための誘導経路を生成する生成手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記誘導経路に従って前記所定のエリア内に前記車両を誘導する際、前記車両が前記突出体に所定の距離まで近づくと、前記車両の駆動を遅くする
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車支援装置において、
前記生成手段は、
複数の区間で構成される誘導経路を生成し、該誘導経路の最後の区間には、前記車両の駆動を遅くし始める前記所定の距離を設定する
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の駐車支援装置において
前記制御手段は、
前記車両のブレーキを制御して該車両の駆動を遅くする
ことを特徴とする駐車支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−86614(P2013−86614A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227872(P2011−227872)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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