説明

高速な画像処理方法およびシステム

【課題】アルゴリズムを簡素化させると共に、ハードウェアで実現することに寄与できる画像処理方法を提供する。
【解決手段】本発明は圧縮すべき画像を色空間変換するステップAと、ステップAで得られた画素分量値に対して行内差分パルス符号化を行うステップBと、ステップBで得られた数値が予め設定された数値範囲にあるか否かを判断し、YESと判断された場合には、行内差分パルス符号化された数値に対して固定符号化テーブルを利用して可変長符号化する一方、NOと判断された場合には、行内差分パルス符号化された数値に対して動的符号化テーブルを利用して可変長符号化するステップCと、を含む画像処理方法に関しているものである。本発明は、また画像処理システムが開示されている。本発明の方法及びシステムによれば、アルゴリズムの複雑さが低く、圧縮/復号化レートが速く、ビデオをリアルタイムに伝送する要求を満たすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理技術に関し、特に、画像処理方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報技術の発展に伴い、画像伝送技術を利用する場合が多くなっている。有限な伝送帯域幅で大量な画像情報を伝送させるために、最初の画像データを圧縮しなければならない。多くの応用には、圧縮してから回復する画像が、元の画像と完全に一致しなければならないことが求められている。このため、採用された圧縮方法は可逆圧縮方法であることが必要になる。
【0003】
画像の可逆圧縮に関しては、本分野において種々の可逆圧縮規格、例えばGIF、JPEG、MPEG、JPEG2000などが提案されている。なお、GIFは、主にLZWアルゴリズムに採用して圧縮を実現し、幾何図形に対する圧縮効果が優れているが、自然な画像に対する圧縮効果が劣るものである。JPEG可逆圧縮は、2次元予測モデルを採用し、文脈を引入して予測値の自己適応補正を行うことにより、残差をゴロム(Golomb)符号化する方法を採用して圧縮を実現するものである。MPEGは、映像に適用される圧縮アルゴリズムであり、動画像のフレーム間の相似性を考えたものの、このようなアルゴリズムを利用して文字などの人工図形を処理する場合、同様にぼけを発生することになる。JPEG2000は、ウェーブレット変換と量子化とを行った後にエントロピー符号化する方法を採用しているものである。
【0004】
上記のアルゴリズムでは、2つの共通の欠陥がある。一つは、複雑さが高く、符号化/復号化の速度が遅く、画像伝送のリアルタイムに対する要求が高い場合に適用できないことである。もう一つは、要求される計算能力が高く、格納空間が大きく、ハードウェアで実現し難い又は実現コストが高いことである。
【0005】
JPEG可逆圧縮を例とすれば、採用されたのは2次元予測モデルであるので、画像を処理する場合に、必ず前の1ラインの画素情報を一旦に記憶しておくことであり、ハードウェアで実現すれば、小さくないオーバーヘッドであり、また、ホフマン(Hoffman)符号化又は算術符号化を採用し、ハードウェアで実現し難いとともに、画像の各分量の圧縮コードは連続的に保存しているので、ハードウェアで各分量を並行処理することができず、圧縮や伸張の効率の向上について極めて不利となる。
【0006】
本発明は、主に、アルゴリズムを簡素化させると共に、ハードウェアで実現することに寄与できる画像処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、画像圧縮/復号化を支持でき、アルゴリズムを簡素化させると共に、ハードウェアで実現することに寄与できる画像処理システムを提供することを目的とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の技術案は次のように実現しているものである。
【0009】
請求項1記載の本発明の画像圧縮方法は、圧縮すべき画像を色空間変換するステップAと、ステップAで得られた画素分量値に対して行内差分パルスコード変調符号化を行うステップBと、ステップBで得られた数値が予め設定された数値範囲にあるか否かを判断し、あると判断された場合には、行内差分パルスコード変調符号化された数値に対して固定符号化テーブルを利用して可変長符号化し、一方、否と判断された場合には、行内差分パルスコード変調符号化された数値に対して動的符号化テーブルを利用して可変長符号化するステップCと、を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の画像圧縮方法において、さらに、可変長符号化されたデータをパケット化するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載された画像圧縮方法である。
【0011】
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の画像圧縮方法において、前記固定符号化テーブルは指数ゴロム符号化テーブルが採用されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載の画像圧縮方法において、前記動的符号化テーブルは、プレフィックスコードの上に現在の画素分量がDPCM処理されなかった原値を合わせて符号化することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の画像圧縮方法において、前記プレフィックスコードは01010であることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の画像圧縮方法において、前記パケット単位はセルであり、セルの上位2ビットは色分量のタイプを認識するためのものであることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の本発明は、請求項1から6のいずれかに記載の画像圧縮方法において、前記ステップBの前に、圧縮すべき画像の画素分量値を比例ごとに縮減するステップB0を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の本発明の画像圧縮システムは、圧縮すべき画像を色空間変換する色空間変換手段と、色空間変換された画像の画素分量値に対して行内差分パルス変調符号化を行う符号化手段と、符号化手段により行内差分パルス変調符号化された画素分量値が予め設定された数値範囲にあるか否かを判断すると共に、相応する指令を符号化手段へ送信する判断手段と、を備え、前記符号化手段は、判断手段の指令に基づいて、固定符号化テーブル又は動的符号化テーブルを利用して、行内差分パルス符号化された画素分量値に対して可変長符号化することを含むことを特徴とする画像圧縮システムである。
【0017】
請求項9記載の本発明は、請求項8に記載の画像圧縮システムにおいて、さらに、可変長符号化されたデータをパケット化するパケット手段を備えることを特徴とする請求項8に記載された画像圧縮システムである。
【0018】
請求項10記載の本発明は、請求項9に記載の画像圧縮システムにおいて、前記固定符号化テーブルは指数ゴロム符号化テーブルであることを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の本発明は、請求項8から10のいずれかに記載の画像圧縮システムにおいて、さらに、色空間変換された圧縮すべき画像の画素分量値を比例ごとに縮減する画素圧縮手段を、備えることを特徴とする。
【0020】
請求項12記載の本発明の画像復号化方法は、圧縮画像の画素分量値が固定符号化テーブル又は動的符号化テーブルに属しているかを判断し、属していると判断された場合には、画像の画素分量値を可変長符号化するステップaと、可変長符号化された画素分量値を差分パルスコード変調復号化するステップbと、ステップbで得られた画素値に対して、色空間変換するステップcと、を含むことを特徴とする。
【0021】
請求項13記載の本発明は、請求項12に記載の画像圧縮システムにおいて、さらに、圧縮画像をアンパックするアンパックステップを含むことを特徴とする。
【0022】
請求項14記載の本発明は、請求項13に記載の画像圧縮システムにおいて、前記固定符号化テーブルは指数ゴロム符号化テーブルであることを特徴とする。
【0023】
請求項15記載の本発明は、請求項12から14のいずれかに記載の画像圧縮システムにおいて、前記ステップcの前に、画像の画素分量値を比例ごとに伸張するステップc0を含むことを特徴とする。
【0024】
請求項16記載の本発明の画像復号化システムは、圧縮画像の画素分量値が固定符号化テーブル又は動的符号化テーブルに属しているかを判断し、属していると判断された場合には、相応する指令を復号化手段へ送信する判断手段と、画像の画素分量値を可変長符号化し、その後、差分パルスコード変調復号化を行う復号化手段と、伸張された画素分量を色空間変換する色空間変換手段と、を備えることを特徴とする。
【0025】
請求項17記載の本発明は、請求項16に記載の画像復号化システムにおいて、さらに、パケット化された圧縮画像をアンパックして、アンパックされた圧縮画像の画素分量を判断手段へ送信するアンパック手段を備えることを特徴とする。
【0026】
請求項18記載の本発明は、請求項17に記載の画像復号化システムにおいて、前記固定符号化テーブルは指数ゴロム符号化テーブルであることを特徴とする。
【0027】
請求項19記載の本発明は、請求項16から18のいずれかに記載の画像復号化システムにおいて、さらに、差分パルスコード変調復号化を行って得られた画素分量値を比例ごとに伸張して、伸張した結果を色空間変換手段へ送信する画素伸張手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の画像圧縮/復号化方法及びシステムは、固定符号化テーブルと動的符号化テーブルとを結合する可変長符号化/復号化方法を採用しているので、アルゴリズムの複雑さが低く、圧縮/復号化レートが速く、ビデオをリアルタイムに伝送する要求を満たすことができる。同時に、可変長符号化された画像の画素分量をパケット化して画像の画素の各分量をパラレル処理でき、隣接する処理ステップは同じクロックで動作でき、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)又はチップで実現する難しさとコストとを大幅に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の画像圧縮方法の基本な考え方とは、先ず、圧縮すべき画像を色空間変換して、圧縮すべき画像の画素分量値を比例ごとに縮減するとともに、行内差分パルスコード変調符号化を行って、固定符号化テーブルと動的符号化テーブルとを結合する方式で、差分パルスコード変調符号化した数値を可変長符号化することである。
【0030】
図1は、本発明の画像圧縮方法を実現するフローチャートを示す図である。図1に示すように、該方法は、以下のステップを含んでいる。
【0031】
ステップ101:圧縮すべき画像を色空間変換する。
【0032】
最初のRGB画像の画素フォーマットを8:8:8と仮定し、即ち、8ビットでRの値を示し、8ビットでGの値を示し、8ビットでBの値を示す。ラインごとに画素のそれぞれをRGBからYUVへの変換を、次の数式(1)のように行う。
【0033】
【数1】

【0034】
ただし、
【0035】
【数2】

【0036】
は端数を切り捨てて整数にならせる演算子であり、r、g、bはそれぞれR、G、B分量を8ビットの符号なし整数とした値である。
【0037】
ステップ102:圧縮すべき画像の画素分量値を比例ごとに縮減する。
【0038】
該ステップは選択可能なステップであり、すべての画素分量値を所定の定数で割ることである。人類の目は輝度の変化に対して敏感であるものの、色度の変化に対して敏感でない特性に基づいて、Y分量に対して一般に1又は2を該定数として選択し、U、V分量に対して一般に1、2又は4を該定数として選択する。定数を共に1と選択された場合、アルゴリズムは可逆アルゴリズムになる。
【0039】
ステップ103:ステップ101又はステップ102で得られた画素分量値に対して行内差分パルスコード変調符号化を行う。
【0040】
差分パルスコード変調(DPCM、Differential Pulse Code Modulation)は、線形予測により空間的な相関性を低減させることで、コードの冗長性を低減することである。本発明では、最も簡単な線形予測方法を採用している。即ち、
【0041】
【数3】

【0042】
ただし、
【0043】
【数4】

【0044】
は現在の行内におけるi番目の画素のある分量(y、u、vの中のいずれかであってもよい)の予測値であり、Ii−1はi−1番目の画素の該分量の真実値である。このため、予測誤差は、数式(3)の通りである。
【0045】
【数5】

【0046】
ただし、I(i)DPCMはi番目の画素の予測誤差であり、つまり差分符号化された値である。行における1番目の画素に対して、I(1)DPCM=Iとする。
【0047】
具体的な符号化方法は以下のように述べられる。それぞれの行における1番目の画素に対して、直接的にそのY、U、V値を符号化された値とし、それぞれの行における1番目以降の画素に対して、そのY、U、V値から前の画素の該当する分量値を引いた値を符号化された値とする。
【0048】
ステップ104:ステップ103で得られた値は予め設定された数値範囲にあるか否かを判断し、YESと判断された場合には、行内差分パルス符号化された数値に対して固定符号化テーブルを利用して可変長符号化し、一方、NOと判断された場合には、行内差分パルス符号化された数値に対して動的符号化テーブルを利用して可変長符号化することである。
【0049】
可変長符号化(UVLC)とは、出現頻度の高い値に短いコードワードを与え、出現頻度の低い値に長いコードワードを与え、統計的に各種の画像に適用できる。
【0050】
本発明では、固定符号化テーブルと動的符号化テーブルとを結合する方式で可変長符号化する。採用された固定符号化テーブルは指数ゴロム(Exp−Golomb)コードであり、その生成規則が次の通りである。
【0051】
符号長が1であるコードは1つあり、その2進コードは1である;
【0052】
符号長が3であるコードは2つあり、その2進コードは001、011であり、符号長が1であるコードの前にそれぞれ00と01を添加して生成したものである;
【0053】
符号長が5であるコードは4つあり、その2進コードは00001、00011、01001、01011であり、符号長が3であるコードの前にそれぞれ00と01を添加して生成したものである;
【0054】
これに準じて類推し......
符号長が2n+1であるコードは2つあり、符号長が2n−1であるコードの前にそれぞれ00と01を添加して生成したものである。
【0055】
ただし、コードの上位5ビットは01010であれば、このコードを符号化テーブルから除去することになる。01010は既に動的符号化のプレフィックスコード(prefix code)としたからである。除去することを経た符号化テーブルは、「符号長が短ければ短いほど、絶対値の小さい数値に対応する」という原則で、表1のようにDPCM処理された数値に対応する。
【0056】
採用された動的符号化テーブルは、前の画素の該当する分量値に相関しており、生成する方法は以下の通りである。
【0057】
(i)DPCM+Ii−1の2進数の前にプレフィックスコードである01010を添加することである。ただし、I(i)DPCMは現在の画素のある分量がDPCM処理された値であり、Ii−1は前の画素のある分量がDPCM処理された値である。I(i)DPCM=I−Ii−1であるので、プレフィックスコードの上に現在の画素分量がDPCM処理されなかった原値を合わせて符号化することに相当する。
【0058】
一つの実施例として、Exp−Golombコードの長さを1〜9と選択し、31個のコードが得られる。その中の6つのコードは除去され、残りの25個のコードは−12から+12までの数値にそれぞれ対応する。この範囲以外の数値に対して、動的符号化テーブルを利用して符号化する。
【0059】
【表1】

【0060】
Y分量に対して、[0,255]の範囲の値を取り、8ビットの符号なし2進数で示され、プレフィックスコードと合わせて合計13ビットの2進数で符号化できる;U、V分量に対して、[−255,255]の範囲の値を取り、9ビットの符号付き2進数で示され、プレフィックスコードと合わせて合計14ビットの2進数で符号化できる。
【0061】
ステップ105:可変長符号化されたデータをパケット化する。
【0062】
データをパケット化することは、伝送することやハードウェアで処理することを容易に行わせるためである。パケット化する最小の単位はセル(CELL)であり、その大きさは32ビットである。
【0063】
CELLのそれぞれに含まれたコードは、画素のY、U、V分量の中の1つだけであるはずで、異なる分量のコードを1つのCELLに含むことではない。CELLの上位2ビットは、そのタイプを示すものであり、その中に含まれたデータは画素のどの分量であるかを示している。上位2ビットのコードと含まれた画素分量との対応関係は表2の通りである。
【0064】
【表2】

【0065】
有効データは3番目ビットから填入され、該当する画素の行内における順に、コードの填入を行う。CELLの末尾に次の2進コードを収容できない場合には、該CELLの残りのビットを0に設定すると共に、該2進コードを次のCELLに填入する。画像の1行は全て処理された場合に、最後のCELLの末尾の残りのビットを全て0に設定する。
【0066】
上記技術案を採用する場合に、ハードウェアで実現すれば、3色分量をパラレル処理することができる。これらの分量間の順序関係に関わらず、どの分量のCELLが先にフルになると、該分量のCELLを送信する。同一の画素に係わる各分量が最終のコードストリームにおける順序は任意であってもよいが、異なる画素の同一の分量が最終のコードストリームにおける順序は画素が画像における順序と一致することを保証しなければならない。
【0067】
上記画像圧縮方法を実現するために、本発明は、
圧縮すべき画像を色空間変換するための色空間変換手段と、
色空間変換された圧縮すべき画像の画素分量値を比例ごとに縮減するための画素圧縮手段と、
画素圧縮手段で圧縮された画像の画素分量値を、行内差分パルス符号化するための符号化手段と、
符号化手段により行内差分パルス符号化された画素分量値が予め設定された数値範囲にあるか否かを判断すると共に、相応する指令を符号化手段へ送信するための判断手段と、
符号化手段で可変長符号化されたデータをパケット化するためのパケット手段と、を備える画像圧縮システムを提供している。
【0068】
前記符号化手段は、判断手段の指令に基づいて、固定符号化テーブル又は動的符号化テーブルを利用して、行内差分パルス符号化された画素分量値に対して可変長符号化する。
【0069】
上記技術案において、画素圧縮手段は選択可能な手段である。前記固定符号化テーブルは、指数ゴロムコードテーブルである。
【0070】
本発明において、以上のような画像圧縮方法及びシステムに対して、対応する画像復号化方法及びシステムを提供している。次に、詳しく説明する。
【0071】
画像復号化方法は上記画像圧縮方法の逆変換であり、次のステップを含む。
【0072】
ステップ1:圧縮画像をアンパックする。
【0073】
圧縮コードストリームから1つのCELLを取り出し、CELLの上位2ビットに基づいて、表2を参照して、CELLにおけるデータは画素のどの分量を示しているかを判定する。
【0074】
ステップ2:ステップ1で得られた画素分量値が固定符号化テーブル又は動的符号化テーブルに属しているかを判断し、YESと判断された場合には、アンパックされた画素分量値を可変長符号化する。
【0075】
表1を参照しつつ復号化する。表1から同じコードが見当たられると、対応する数値は復号化した結果である。表1から同じコードが見当たられなかった場合、コードの最初からの5ビットが01010であるかを判断する。YESと判断されると、Y分量に対して、次の8ビットを符号なし数の値として、前の画素のY分量値を引いて得られたのは、アンパックされた値である。U、V分量に対して、次の9ビットを符号付き数の値として、前の画素の該当する分量値を引いて得られたのは、アンパックされた値である。一方、NOと判断されると、圧縮コードストリームに誤りがあると示されており、エラー処理を行う。
【0076】
ステップ3:可変長符号化された画素分量値をDPCM復号化する。
【0077】
1番目の画素の値は、直接的にUVLC復号化により得られ、他の画素の値は、UVLC復号化により得られた値に前の画素の値を合わせることで得られる。
【0078】
ステップ4:ステップ3で得られた画素分量値を比例ごとに伸張する。
【0079】
符号化して得られた画素値に対して、全て、圧縮符号化するとき縮減することに用いられた定数を乗じて、その元の値に回復させる。
【0080】
ステップ5:ステップ4で得られた画素値に対して、色空間逆変換を行う。
【0081】
ラインごとに画素のそれぞれをYUVからRGBへ逆変換する。YUVからRGBへ変換する数式は次の通りである。
【0082】
【数6】

【0083】
RGB色空間が数式(1)に基づいて変換され、また数式(4)に基づいてRGB色空間に戻ることは可逆である。
【0084】
上記画像復号化方法を実現する画像復号化システムは、画像圧縮システムと類似する。ただ、画像圧縮システムにおけるパケット化動作は画像復号化システムにおけるアンパック動作になり、符号化動作が復号化動作になり、圧縮動作が伸張動作になることである。
【0085】
該画像復号化システムは、
圧縮画像をアンパックするアンパック手段と、
アンパックされた画素分量値が固定符号化テーブル又は動的符号化テーブルに属しているかを判断すると共に、相応する指令を復号化手段へ送信する判断手段と、
アンパックされた画素分量値を可変長符号化し、その後、DPCM復号化を行う復号化手段と、
DPCM復号化して得られた画素分量値を比例ごとに伸張する画素伸張手段と、
伸張された画素分量を色空間変換する色空間変換手段と、を備える。
【0086】
上記技術案において、前記固定符号化テーブルは指数ゴロムコードテーブルである。
【0087】
以上は本発明の最適実施例であるだけで、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の画像圧縮方法を実現するフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0089】
101〜105 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮すべき画像を色空間変換するステップAと、
ステップAで得られた画素分量値に対して行内差分パルスコード変調符号化を行うステップBと、
ステップBで得られた数値が予め設定された数値範囲にあるか否かを判断し、あると判断された場合には、行内差分パルスコード変調符号化された数値に対して固定符号化テーブルを利用して可変長符号化する一方、否と判断された場合には、行内差分パルスコード変調符号化された数値に対して動的符号化テーブルを利用して可変長符号化するステップCと、
を含むことを特徴とする画像圧縮方法。
【請求項2】
可変長符号化されたデータをパケット化するステップを、さらに含むことを特徴とする請求項1に記載の画像圧縮方法。
【請求項3】
前記固定符号化テーブルは指数ゴロム符号化テーブルが採用されていることを特徴とする請求項2に記載の画像圧縮方法。
【請求項4】
前記動的符号化テーブルは、プレフィックスコードの上に現在の画素分量がDPCM処理されなかった原値を合わせて符号化することを特徴とする請求項3に記載の画像圧縮方法。
【請求項5】
前記プレフィックスコードは01010であることを特徴とする請求項4に記載の画像圧縮方法。
【請求項6】
前記パケット単位はセルであり、
セルの上位2ビットは色分量のタイプを認識するためのものであることを特徴とする請求項5に記載の画像圧縮方法。
【請求項7】
前記ステップBの前に、圧縮すべき画像の画素分量値を比例ごとに縮減するステップB0を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像圧縮方法。
【請求項8】
圧縮すべき画像を色空間変換するための色空間変換手段と、
色空間変換された画像の画素分量値に対して行内差分パルス符号化を行うための符号化手段と、
符号化手段により行内差分パルス変調符号化された画素分量値が予め設定された数値範囲にあるか否かを判断すると共に、相応する指令を符号化手段へ送信するための判断手段と、を備え、
前記符号化手段は、判断手段の指令に基づいて、固定符号化テーブル又は動的符号化テーブルを利用して、行内差分パルス符号化された画素分量値に対して可変長符号化することを特徴とする画像圧縮システム。
【請求項9】
可変長符号化されたデータをパケット化するパケット手段を、さらに備えることを特徴とする請求項8に記載の画像圧縮システム。
【請求項10】
前記固定符号化テーブルは指数ゴロム符号化テーブルであることを特徴とする請求項9に記載の画像圧縮システム。
【請求項11】
色空間変換された圧縮すべき画像の画素分量値を比例ごとに縮減する画素圧縮手段を、さらに備えていることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の画像圧縮システム。
【請求項12】
圧縮画像の画素分量値が固定符号化テーブル又は動的符号化テーブルに属しているかを判断し、属していると判断された場合には、画像の画素分量値を可変長符号化するステップaと、
可変長符号化された画素分量値を差分パルスコード変調復号化するステップbと、
ステップbで得られた画素値に対して、色空間変換するステップcと、
を含むことを特徴とする画像復号化方法。
【請求項13】
圧縮画像をアンパックするアンパックステップを、さらに含むことを特徴とする請求項12に記載の画像復号化方法。
【請求項14】
前記固定符号化テーブルは指数ゴロム符号化テーブルであることを特徴とする請求項13に記載の画像復号化方法。
【請求項15】
前記ステップcの前に、画像の画素分量値を比例ごとに伸張するステップc0を含むことを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の画像復号化方法。
【請求項16】
圧縮画像の画素分量値が固定符号化テーブル又は動的符号化テーブルに属しているかを判断し、属していると判断された場合には、相応する指令を復号化手段へ送信する判断手段と、
画像の画素分量値を可変長符号化し、その後、差分パルスコード変調復号化を行う復号化手段と、
伸張された画素分量を色空間変換する色空間変換手段と、
を備えることを特徴とする画像復号化システム。
【請求項17】
パケット化された圧縮画像をアンパックして、アンパックされた圧縮画像の画素分量を判断手段へ送信するアンパック手段を、さらに備えることを特徴とする請求項16に記載の画像復号化システム。
【請求項18】
前記固定符号化テーブルは指数ゴロム符号化テーブルであることを特徴とする請求項17に記載の画像復号化システム。
【請求項19】
差分パルスコード変調復号化を行って得られた画素分量値を比例ごとに伸張して、伸張した結果を色空間変換手段へ送信する画素伸張手段を、さらに備えることを特徴とする請求項16から18のいずれかに記載の画像復号化システム。

【図1】
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【公開番号】特開2009−10954(P2009−10954A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169268(P2008−169268)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(504425196)聯想(北京)有限公司 (38)
【氏名又は名称原語表記】LENOVO(BEIJING) LIMITED
【Fターム(参考)】