説明

黄斑変性の進行を阻害して健康な視力を増進するための組成物および方法

本発明は、全身の健康を維持しながら黄斑変性進行を抑制して健康な視力を増進するための改良されたダイエタリーサプリメントおよび方法を提供する。本発明のダイエタリーサプリメントは、ビタミンE、ならびにビタミンA、ルテインおよび/またはゼアキサンチンの形態のカロテノイドを含む。本発明のダイエタリーサプリメントは、ビタミンC、銅および亜鉛もさらに含み、またローズマリー、DHA、その他のビタミンおよびミネラルなどの成分を含む場合もある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本願は、2005年12月20日に出願した米国仮出願第60/751,836号に対する優先権を主張する。
【0002】
(1.発明の分野)
本発明は、一般的に眼疾患を改善するための栄養学的方法および組成物に関し、より具体的には白内障および黄斑変性を治療するための改良された方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の説明)
黄斑変性は、加齢とドルーゼンの発生に関連しており、極めて重大な懸念のある疾患であるが、その理由は、AMD(加齢黄斑変性)が、現在米国において65歳を超える個体の失明の主要原因になっているためである。この疾患は、感覚のうちで視力の重要性が最も高くなり、娯楽手段のうちで読書やテレビ観賞の占める割合がしばしば最も高くなるまさにその時期に、高齢患者からこのような楽しみの可能性を奪ってしまう。
【0004】
眼の水晶体の疾患として広く知られるものは1つしかなく、それは白内障である。水晶体は白濁するにつれて透明性を失い、混濁化の度合いによって視力障害が起こる。白内障には、先天性病変または外傷などのよく知られた種々の病因がある。コルチゾンタイプの製剤や緑内障治療薬などの医薬品の中には、白内障を引き起こすおそれがあるものもあり、さらにはガラクトース血症、または糖尿病に至る潜伏性遺伝子障害などの代謝異常の早期発症を誘発するおそれがあるものもあるということも知られている。しかしこれらは、より馴染みのある加齢性白内障に比べると発現頻度が低い。加齢性白内障は、酸化ストレスの蓄積に関連しており、酸化ストレスの結果、タンパク質の架橋結合と沈着が生じる。
【0005】
全人口における白内障の正確な発症率は、白内障をどのように定義するかにより異なるため、測定が困難である。白内障を単に水晶体の白濁化と定義した場合には、視力に重大な影響を及ぼす水晶体の白濁化と定義した場合に比べて、発症率が著しく高くなるのは明らかである。加齢性白内障および黄斑変性の原因は十分に解明されていない。
【0006】
ドルーゼンおよびリポフスチンの蓄積、ならびに網膜色素の喪失は、黄斑変性の特徴であり、生物活性分子の生体分子誘導体が蓄積した結果であるように思われる。これらは光受容とシグナル処理に関与し、通常は無毒化され、処理され、RPE(網膜色素上皮)から排出される。リポフスチン、ならびにその主要な毒性成分であり、可視光線を毒性のあるROS(活性酸素分子種)に変換することができるAE,N−レチニリデン−N−レチニルエタノールアミン(Sparrow, 2001)の蓄積を抑制することが重要であることは認められているが、それを達成する方法は提案されていない。そのため、その損傷を制限するために現在利用可能な最良の手段の1つに、リポフスチンの生成に利用される光の量を低下させる手段がある。また、網膜下の血管異常形成、すなわち網膜下新生血管を発現した患者にレーザー光凝固法を試みる以外には、結果として生じる委縮や新脈管形成に効果的な治療法は現在のところ存在しない。進行性AMD患者の治療可能群は、はるかに大きな群の中で明確に区別できる小群である。このような罹患患者は、悪化が進行するか、相対的に安定した状態が断続的に続くかのいずれかの病状を予想することはできるものの、網膜の基本構造が破壊されてしまうため、自然な病状の改善は見込まれない。時折、視力が変動し改善しているように見えることもあるが、それは室内の照明や網膜下の液体の消失傾向などによる変動である。しかし、重要な点は、この感受性の高い神経組織が損傷すると、その損傷が永久的なものとなる点である。
【0007】
1981年に、Spector等は、一度に進行する水晶体タンパク質の酸化に関係する機序および物質、ならびに酸化と白内障発症との関係に関しては未解決の問題が残っていると述べた(非特許文献1)。彼らはまた、グルタチオン(GSH)が還元剤および遊離基捕捉剤として作用し得ることにも言及している。グルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPx)とカタラーゼは、Hを代謝するために存在する。スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)にはOを無毒化する能力があるが、光には光化学的に酸化を誘導する能力がある。しかし、光および/または代謝により誘導される酸化の機序は完全には解明されておらず、酸化産物の生成を引き起こすかどうかについては不明であるものの、過酸化水素などの細胞内酸化剤の濃度上昇と関連するようであると、Spector等は考えている。
【0008】
1987年に、Machlin等は、遊離基による損傷が白内障をはじめとする一部の疾患の一因になっていることを示す証拠がいくつかあることを報告している(非特許文献2)。このような遊離基による損傷に対する防御機構には、ビタミンE、ビタミンC、β−カロテン、亜鉛、鉄、銅、マンガン、セレンが含まれることを、彼らは指摘している。
【0009】
1988年に、Jacques等は、酸化機序と白内障形成の間には、単なる関連だけではなく因果関係があると考える方が一般的であると報告している。Jacques等による証拠によると、白内障の症状の程度が進むにつれてGSHPxとSODは減少することが示唆されている。
【0010】
Jacques等はさらに、ビタミンEが白内障形成の決定因子であると考えられ、GSHPxと相乗的に作用して酸化損傷を予防する能力を有すると報告した。彼らは、ビタミンCが白内障形成において一定の役割を果たしており、ビタミンEの再生成能力を通じてGSHPxに影響を及ぼす可能性があることを指摘している。
【0011】
ダイエタリーサプリメント(Dietary supplement)は、視力の改善または視力喪失の予防を含めた種々の理由から摂取されている。眼の健康増進に有用なダイエタリーサプリメントのセットの1例としては、ICAPS(登録商標) Dietary Supplements(Alcon Laboratories, Inc.[米国テキサス州フォートワース])がある。ダイエタリーサプリメントは、一般的に散剤、錠剤、チュアブル錠、カプセル剤、ジェルカップまたは液充填ソフトゲルの形態であり、種々のビタミン、ミネラルおよび薬草またはその他の有機成分を含む。ビーズレットに成型されているダイエタリーサプリメントもある。
【0012】
最近のデータでは、キサントフィルおよびその他のカロテノイドがダイエタリーサプリメントに含まれていると、目の健康増進に有用なすぐれたダイエタリーサプリメントが得られることが示唆されている。また一連の研究では、網膜がカロテノイドすなわちゼアキサンチンおよびルテインを、ルテイン:ゼアキサンチン比約2:1の割合で選択的に取り込むのに対して、横斑ではその比率が逆転していることが示されている(非特許文献3および4;非特許文献5および6;非特許文献7;非特許文献8;および非特許文献9)。この初期の研究では、ルテインおよびその位置異性体である[R,R]−ゼアキサンチンの両者の存在が明らかにされている。さらに最近では、ゼアキサンチンの2番目の異性体が黄斑に発見された。これはジアステレオマーのmeso−ゼアキサンチンであり、ゼアキサンチンの[R,S]−異性体に相当する(非特許文献5)。これらおよび関連する所見から、両者は眼の健康増進と黄斑の保護に不可欠であることが示唆されている。
【0013】
キサントフィルは、効果的な光化学的抗酸化剤であり、網膜の黄斑に局在することが知られている。特定のキサントフィルであるゼアキサンチン、およびその異性体であるルテインは、黄斑の健康および水晶体の透明性の維持または改善に有益であることが示唆されている。これらの分子は、高強度の光やその他の損傷から眼を保護する作用をいくつかの方法で有すると考えられる。網膜中心窩のタンパク質はキサントフィルに結合し、キサントフィルを網膜中心窩内に局限し、濃縮することが示唆されている(非特許文献4)。キサントフィルは、光刺激性の短波長可視光線を吸収する能力を有しているため、網膜神経とRPEに内在する光感受性細胞を保護することもできる。このような細胞は、高精細な映像に対する視覚を担っており、高強度の光への露光、または可視光線であっても長期間の暴露によって悪影響を受けることが、免疫学的研究で示されている。カロテノイドは、これらの細胞の活性を補完するだけでなく、光化学的損傷から保護すると考えられている。例えば、非特許文献10および非特許文献11を参照されたい。
【0014】
また一連の研究では、キサントフィルの堆積に関連した網膜の部分は、体内で代謝速度が最も速い部分の1つであることが示されている(非特許文献12)。この代謝を維持するエネルギーは酸化から得られる。極めて脂溶性が高いキサントフィルは、水溶性抗酸化剤または界面活性抗酸化剤が有するような速い代謝回転特性を示さないと思われるが(非特許文献8)、環境負荷および組織環境の双方に反応してキサントフィルの連続的な交換が起こると、栄養補充がなければキサントフィルが次第に減少し、組織損傷の前兆となることがある(非特許文献13および14;ならびに非特許文献11)。また、速い代謝回転が行われないと、相乗的効果を有する他の抗酸化剤、すなわちビタミンCおよびビタミンEの役割に影響が及ぶばかりでなく、最初の酸化刺激をより低エネルギーでより害の少ない分子種に引き渡す酸化還元カスケ−ドにおいて活性を有する、抗酸化作用を持つ酵素の役割にも特に影響が及ぶ。
【0015】
カロテンは、β−カロテン(プロビタミン、ビタミンA前駆物質)を含めた共役結合を有するC40化合物である。カロテンは、色が濃い化合物であり、植物界、例えばホウレンソウ、ケールなどの葉菜、ならびにメロン、パイナップルなどの色が鮮やかな果物に広く含まれている。カロテンは植物界に遍在しているが、哺乳動物では生合成により供給されないのが一般的である。カロテンは哺乳動物の健康に不可欠であるため、哺乳動物は、カロテンを含む種々の産物、例えば果物や野菜を摂取する必要がある。食事にカロテノイド、特にカロテン誘導体すなわちビタミンAが不足すると、変性眼疾患を来すことが知られている。
【0016】
高齢者または高齢患者の健康維持に重要なもう1つの要素としては、ビタミンおよびミネラルの確実な適量摂取がある。多くの高齢者および高齢患者は、生物学的吸収能が損なわれているため、食事だけではビタミンとミネラルの推奨量を摂取することができない。さらにまた、高齢患者は処方箋薬を数種類服用していることも多い。すべての処方箋薬を毎日適切な時間に必ず服用することは、高齢患者にとって負担となる場合もある。そのため、眼の健康のためにマルチビタミンや別のダイエタリーサプリメントの摂取を加えれば、日々の服薬違反を招く機会を増やすことになる。したがって、高齢者および高齢患者に必要とされているものは、ビタミンとミネラルの1日の推奨量を供給すると同時に、その他のビタミン、ミネラルおよび必須栄養素を眼の健康維持に推奨されるレベルで補強する、単一のダイエタリーサプリメントである。
【非特許文献1】Spector et al,EXP.EYE RES.33:673(1981)
【非特許文献2】Machlin et ah, Free radical tissue damage:protective role of antioxidant nutrients,FASEB J 1 :441−445(1987)
【非特許文献3】Bernstein et al., Retinal Tubulin Binds Macular Carotenoids, INV OPHTHAL & Vis Sci 38(1):167−175 (1997)
【非特許文献4】Bernstein et al. Identification and Characterization of Pi Isoform of Glutathione S−Transferase (GSTPl) as a Zeaxanthin−binding Protein in the Macula of the Eye, J.BIOL. CHEM 279(47):49447−49454(2004)
【非特許文献5】Bone and Landrum et al. Analysis of Macular Pigment by HPLC: Retinal Distribution and Age Study INV. OPHTH VlS SCI 29:843−849(1988)
【非特許文献6】Bone and Landrum et al. Macular Pigment in Donor Eyes with and without AMD: a Case−control Study,INV.OPHTH VlS Sci 42:235−240(2001)
【非特許文献7】Krinsky et ah, Biologic mechanism of the protective role of lutein and zeaxanthin in the eye, ANNUAL REV NUTR 23:171−201(2003)
【非特許文献8】Hammond et al., Dietary modification of human macular pigment density,INV OPHTHAL & VlS SCI 38(9):1795−1801(1997)
【非特許文献9】Handelman et ah, Biological control of primate macular pigment: biochemical and densitometry studies, INV OPHTHAL & VlS Sci 32(2):257−267(1991)
【非特許文献10】Snodderly,Evidence for protection against age−related macular degeneration by carotenoids and antioxidant vitamins AM J CLIN NUTR 62(suppl):1448S−1461S(1995)
【非特許文献11】Seddon et al,Dietary carotenoids, vitamins a, c and e, and advanced age−related macular degeneration, JAMA 272(8):1413−1420(1994)
【非特許文献12】Berman, BIOCHEMISTRY OF THE EYE, (Plenum, 1991)
【非特許文献13】Hammond et al., Sex differences in macular pigment optical density: relation to plasma carotenoid concentrations and dietary patterns, VISION RESEARCH 36:2001−2012(1996a)
【非特許文献14】Hammond et al., Cigarette smoking and retinal carotenoids: implications for age−related macular degeneration, VISION RESEARCH 36:3003−3009(1996b)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
(発明の要旨)
本発明は、全身の健康のために数種類の必要/必須ビタミンおよびミネラルを推奨量以上含むとともに、眼の健康の維持または増進に必要となる他のビタミン、ミネラルおよび必須栄養素の独自の組み合わせを有する、マルチビタミンダイエタリーサプリメントを提供することによって、上記およびその他の従来技術の欠点を克服する。
【0018】
本発明は、眼と全身の両方の健康を維持および増進するのに有用となる改良された配合物を対象とする。具体的に、改良された配合物は、AMDの進行を遅延させることがAge−Related Eye Disease Study(AREDS)で証明された、特定の組み合わせおよび量のビタミンおよびミネラルとともに、患者の全身の健康を維持するためのマルチビタミン、ミネラルおよび必須栄養素を含む。このような改良された配合物は、ルテインおよびゼアキサンチンを、網膜中に認められる比率で追加的に供給することができる。好ましい配合物は、1種以上のビオフラボノイドおよび他の植物栄養素を含み、光酸化ストレスによって生成される有害な代謝物から眼の組織を保護する抗酸化作用または信号伝達および制御機能を提供することができる。
【0019】
この特定の成分の組み合わせの利点は、必要な成分をすべてそろえていること、ならびに成分を選択することで、複数の産物を組み合わせた時に生じる可能性がある成分上の不均衡を解消できるという点である。さらには、異なる集団のセグメント、すなわち特定の栄養上の要件または制限を有するセグメントを対象とした異なるバージョンについても請求している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(好適な実施形態の詳細な説明)
本発明によれば、組成物の各要素は、遊離基および酸化剤を捕捉すること、またはその他の方法で横斑変性の疾患進行を遅延させることを対象とする。同時に本発明の配合物は、全身の健康を維持するために高齢患者が必要とするマルチビタミンの成分を提供する。本発明が対象とする遊離基には、主にスーパーオキシドおよび水酸化物遊離基が含まれる。酸化剤には主に過酸化物が含まれる。
【0021】
本発明における品目および用量は、健康食品販売店で容易に入手可能な品目および用量と一致する。好ましい剤型は、経口投与用の錠剤、カプレットまたはソフトゲルであり、患者は1回から4回分の服用量を1日に1回または2回に分けて服用する。しかし本発明は、好ましい総用量を1回で服用するか、または多回で服用することを企図する。本組成物は、時限放出型の場合もあれば、遅延放出型の場合もある。さらに、経口投与の場合、本発明の組成物は、周知の方法に従って調製された、カプセル剤、ラッカー錠剤、非ラッカー錠剤、ソフトゲル、または制御放出型散剤の混合剤の形態をとることができる。上記の好ましい多回服用に従うと、各錠剤、カプレットまたはソフトゲルは、好ましくはほぼ以下のように構成される。
【0022】
ビタミンC
高濃度のビタミンCが正常なヒトの水晶体と水晶体の周囲の房水に存在し、このビタミンCが抗酸化剤であることはすでに知られている(Harris 1933)。また、食事中のビタミンCが全般的に増加すると、房水およびヒト水晶体中のアスコルビン酸の濃度も全般的に上昇することもすでに明らかにされている(Ringvold 1985)。さらに、ビタミンCの濃度は年齢とともに減少し、特に老人性白内障患者において減少することもすでに知られている(Chatterjee 1956;Purcell 1968)。その後の研究では、ビタミンCの補強がこの水溶性抗酸化剤の水晶体中濃度を上昇させる上で効果的であることが示されており、さらには白内障の有病率を低下させる上での有用性が免疫学的データによって裏付けられている。さらにまた、ビタミンCは抗酸化カスケードに不可欠であり、この抗酸化カスケ−ドは酸素を水に還元し、生体膜に局在するビタミンEの還元型を再生成する能力があることも示されている。
【0023】
ビタミンCの最適な1日当たりの用量に関する知見はないが、米国における1日推奨量(RDA)は60mgである。しかし、全身の健康のためのサプリメントとしては、2.0g以上の用量を摂取することが多かった。アスコルビン酸またはローズヒップを使用することができるが、本発明の組成物は、好ましくはビタミンCをアスコルビン酸ナトリウムの形態で使用する。なぜなら、これは消化器系統で容易に溶解し、その刺激が比較的小さいためである。その濃度は、錠剤またはカプレット当たり約200〜250mgであるか、あるいは約0.8〜2g/日の総用量が好ましい。このような濃度の場合、ビタミンCは各錠剤またはカプレットの重量の約20〜30%を占めることになり、これには以下に記載する活性成分のほかに不活性成分も含まれる。
【0024】
ビタミンE
既述の通り、ビタミンEも抗酸化剤としてよく知られている(Mansour 1984も参照)。ビタミンEは、ビタミンCと相乗的に作用し、内因性酸化剤から生細胞機能を保護する(Orten 1982)。
【0025】
極めて一般的なビタミンEの栄養補給量としては、1日当たり400IUが挙げられる。800IU/日を超える用量を使用した一連の研究では、毒性発現と思われる兆候がみられたが、スーパーマーケットで入手可能な多くの一般的なダイエタリーサプリメントには、1日当たり1000単位のビタミンEが含まれている(例えばChaney 1986)。米国RDAは30IUである。本発明は、ビタミンEを、好ましくはd,l−α−トコフェロール酢酸エステルの形態で使用するが、この場合1mgが1IUに相当する。好ましい濃度は、錠剤またはカプレット当たりビタミンE約15IU〜400IUであるか、あるいは1日当たり30〜800IUの総用量である。これは錠剤またはカプレットの重量の約1%から、好ましくは20%未満に相当する。
【0026】
亜鉛
亜鉛は、網膜の健康およびビタミンAの機能にとって重要であることが知られている(Russell 1983; Karcioglu 1982; Leure−duPree 1982)。亜鉛は、葉酸塩の生物学的利用能の維持に必要な酵素の補因子であり(Chandler et al.1986)、葉酸は正常なDNAおよびタンパク質の合成に重要である。亜鉛は、過去の試験で使用されたことがあるサプリメントの1つであり、その試験では、亜鉛がプラセボよりも、黄斑変性の進行遅延に極めて効果的であることが示されている(Newsome 1988)。亜鉛は数多くの金属酵素、特に強力な酸化剤であるスーパーオキシドを捕捉するスーパーオキシドジスムターゼの重要な補因子であることも知られている。哺乳動物の細胞には2種のSODがある。1種は銅と亜鉛を含んでおり、細胞質ゾルおよびミトコンドリアのペリプラズムに局在している。他方はマンガンを含み、ミトコンドリアのマトリックスに存在する(概要は米国特許第4,657,928号を参照)。ミトコンドリアは、代謝活性の高い部位であって、網膜神経と網膜色素上皮(RPE)の細胞では急速な酸化プロセスが存在する部位であり、可視光線の刺激を化学的シグナルへ変換するのに必要なエネルギーを供給する。非白内障患者に比べると白内障患者の方がスーパーオキシドジスムターゼ活性と亜鉛がいずれも顕著に少ないことから、これらのSODのアイソフォームと亜鉛も白内障に関係していると考えられる(Ohrloff 1984;Varma 1977;Swanson 1971)。亜鉛は、ビタミンAの代謝に関係する酵素にも関与しており、エステル化レベルの調節に関係している。そのことによって亜鉛は、肝臓におけるレチノールの貯蔵、放出および輸送の調節に関係しており、さらにそれによって眼組織の生物学的利用能にも関係している(Russell 1983)。
【0027】
1日当たり約200mgの亜鉛摂取は、認容性は良好ではあるものの、副作用、特に銅欠乏性貧血を来すことがある銅吸収阻害を引き起こすおそれがあることが示されている(Fischer 1983)。高用量摂取は、高密度リポタンパク質の血清中濃度を低下させる効果があり、それによってアテローム性動脈硬化症に罹患する危険性を増大させる可能性があることも示されている(Hooper 1980)。
【0028】
1日当たり亜鉛100〜150mgの投与量は、これまで認容性が良好であると考えられている(Wagner 1985)。米国RDAは15mgである。硫酸塩、ピコリン酸塩、リン酸塩およびグルコン酸塩などの他の塩形態を使用することもできるが、本発明では、好ましくは、生物学的利用能が高いことから酢酸亜鉛の形態で、また亜鉛の密度が高いことから酸化亜鉛の形態で亜鉛を提供する。好ましい1日当たりの用量範囲は、酢酸亜鉛などの生物学的利用能が高い亜鉛形態では、RDAから最大約100mgである。酸化亜鉛などの生物学的利用能が劣る形態であれば、亜鉛の最大量を最高150mg/日とすることができると思われる。いずれの形態でも、錠剤、カプレット、散剤またはソフトゲルで投薬できると思われる。
【0029】

銅は、金属酵素のもう1つの重要な補因子であり、スーパーオキシドジスムターゼの2番目に必要な補因子である(Beem 1974)。銅は、年齢が70歳を超える個体では減少し、白内障に罹患した水晶体には基本的に含まれないことが示されている(Swanson 1971)。銅が著しく減少すると、スーパーオキシドジスムターゼの機能が低下し、それによって水晶体を保護するための重要な作用機序が妨げられることが示されている(Williams 1977)。銅には亜鉛毒性を抑制する働きもあり、亜鉛吸収を一定程度妨害することによって生物学的利用能を低下させる(Van Campen 1970)。
【0030】
1日当たり銅2〜3mgが安全であり、1日当たりの十分な摂取量と推定されている。1日当たり2mgの用量が米国RDAである。上記の通り、銅吸収は、1日当たり亜鉛100mgの摂取で一定程度抑制される(Van Campen 1970)。したがって、本発明の組成物は、好ましくは約1〜5mg/日を提供する。この量は安全であると考えられるが、なぜなら、典型的な米国の食事、特に高齢者の食事では、亜鉛と銅の摂取量が1日の最低要求量よりも著しく少ないことが多いためである。本発明の実施形態において、銅は、好ましくは、銅グルコン酸塩、銅クエン酸塩、またはアミノ酸キレートの形態で供給される。このような実施形態の銅は一般的に、ICaps(登録商標) LuteinおよびZeaxanthin Formulaのような典型的な1日2回服用のダイエタリーサプリメントの場合に錠剤またはカプレットの重量の約3%未満、またICaps(登録商標) AREDSのような典型的な1日4回服用のダイエタリーサプリメントの場合に1%未満に相当する。酸化銅も、本化合物における銅の含量が高いことから、剤型中で利用できる総スペースが極めて限られているダイエタリーサプリメントで銅素材として利用されてきた。
【0031】
β−カロテン
ビタミンAが視力に不可欠であることはよく知られている。ビタミンA、すなわちレチノールはC20アルケンであり、レチナールとして網膜のオプシンと結合してロドプシン、すなわち視物質を形成する。レチナールのcisからtransへのトランジションは、光刺激により起こる。したがって、ビタミンAが光受容に不可欠であることは明らかである。β−カロテン、すなわちプロビタミンAカロテノイドは、脂溶性のオレンジ色の色素であり、レチナールの自己制御型供給源として機能する。ビタミンAは視力ばかりでなく成長、生殖、細胞増殖、細胞分化、および適切な免疫機能にも関連していることから、レチノールの欠乏および過剰のいずれによっても胎児の異常が引き起こされる可能性がある。
【0032】
β−カロテンからレチノールへの転換量は生物学的に制御されており、レチノールの必要量によって決定される。その制御は、C40−カロテノイドからC20−レチノイドへの中心対称的な酵素分解を通じて行われる。したがって、β−カロテンではビタミンA毒性のいずれのタイプも観察されていない。にもかかわらず驚くべきことに、明らかなβ−カロテン毒性が明るみに出た。β−カロテン欠乏の治療により、食道癌および胃癌の発生率は減少したが、β−カロテンの高用量(すなわち30mg/日)を連日投与した喫煙者における肺癌および心血管疾患の治療での生体異物の使用に伴い、生体異物の危険な取扱いが認められた。その結果、(AMDの高リスク群である)喫煙者は、β−カロテン補強レベルをRDAレベル以上にしないことが推奨されている。この推奨は、約17〜24mg/日を投与した7年間ARED試験(AREDS Research Group 2002)の推奨と真っ向から矛盾するものである。
【0033】
この矛盾する推奨の解決策としては、以下に定める通り、ARED試験の参加者の3分の2が服用したマルチビタミンのビタミンおよびミネラルを含み、総カロテノイド量を15mg以下の指定レベルに維持する、完全な配合物のいくつかのバージョンを提供する方法がある。配合物の1例では、ルテインおよびゼアキサンチンをβ−カロテン含量の一部の代りに用いて、1日当たりのβ−カロテン用量をRDAすなわち3mg/日に維持する。別の例では、β−カロテンをすべてルテインおよびゼアキサンチンに置き換える。1錠剤当たりの量は特定の剤型で推奨される錠剤数、すなわち通常1日当たり2〜4錠を基準にする。
【0034】
キサントフィル
キサントフィルもC40化合物であり、カロテノイドの一種であるが、このサブクラスは、より多くの極性基を含むことによって区別される。ルテインおよびゼアキサンチンの異性体は、両末端のイオノン環にアルコール性ヒドロキシル基を有し、このことがこれらのカロテノイドの局在化と利用において大きな役割を果たす。これらの脂質に特異的な結合タンパク質が、眼の中における局在化、すなわち総絶対量と相対量の両方を制御すると考えられる。例えば、霊長類およびヒト(例えば死体の眼)の両方における所見では、ルテインが眼において最も豊富に存在するキサントフィルであるが、網膜中心窩の近辺においてはゼアキサンチンの相対量がルテインより多いことが示唆されている。キサントフィルはいずれも抗酸化剤、遊離基の消光物質、および青色光の吸収体として働き、これらの作用はいずれも、眼球内面の網膜およびその支持組織であるRPEを保護するキサントフィル分子の機能である。これらのキサントフィルはすべて相互に異性体である。ゼアキサンチンは、共役結合配列にもう1つの二重結合を有するため、ルテインとゼアキサンチンが位置異性体である。さらに、2つのゼアキサンチン異性体である3,3’−[R,R]および3,3’−[R,S](meso型)は、唯一の不斉中心上で配置が異なるジアステレオマーである。これらのジオールの3種すべてが黄班に存在することが認められている。
【0035】
キサントフィルは通常極めて安全な化合物であり、メロンからトウモロコシさらにはホウレンソウやケールに至るまでの食用植物や野菜に存在する。免疫学的研究では、上方の四分位数および五分位数の量を摂取した人ほどAMDの発症率が低くなることが示されている。ルテインは、遊離アルコール型およびエステル型の両方が安全性認定食品添加物(GRAS)として認められており、ゼアキサンチンは、遊離アルコール型がGRASとして認められている。ルテインは、ゼアキサンチンのmeso型に相互変換可能と思われるが、相互変換に関与するタンパク質はいまだ同定されておらず、そのため正確な機序と相互変換を制御する手段は不明である。その結果、食事と栄養補給の両方でこれらのキサントフィルのバランスをある程度取ることが最も注意を要するように思われる。
【0036】
黄斑中のキサントフィルのレベルが高いほど網膜を酸化ストレスから保護できることが、免疫学的および予測臨床試験の両方で示唆されている。データの中には、中高年において不足の度合いが大きくなることを裏付けているものもある。免疫学的データからは、6mg/日を超えるレベルのキサントフィルがAMDの発症を遅延させる上で有益であることが認められている。生物学的利用能に対する食事の影響についての研究により、血清中のキサントフィルのレベルは、約4〜8週間以内に増加し、黄斑色素中のレベルはやや応答が遅いものの、一般的には4〜6ヶ月以内に応答し、その応答時期は、おそらく被験体の年齢、性別およびその他の健康および危険因子により変動することが示唆されている。また、これらのデータからは、増加の速度および安定期のレベルが、毎日の摂取量だけでなくその他の個々の因子によっても異なることも示唆されている。通常の米国国内の摂取量である国民健康栄養検査調査(NHANES)レベルは約2mg/日である。したがって、本発明の方法および組成物におけるキサントフィルの1日当たり総補給量は、好ましくは2mg/日〜18mg/日の範囲、より好ましくは約16mg/日未満である。
【0037】
網膜におけるルテインのゼアキサンチンに対する比率は、約2:1であることが示されている。眼の健康を維持する上では、ダイエタリーサプリメントにおいてルテインと精製ゼアキサンチンの比率をほぼ同じ比率にする方が、ルテインの比率を高くするよりも効果的である。ただし、ルテインの天然植物資源では、そのようにルテインの比率が高いことがある。したがって、本発明の好ましい態様において、配合物中のルテインとゼアキサンチンの比率は2:1となる。例えば、配合物中に4mgのルイテインが含まれる場合には、配合物中のゼアキサンチンの量は2mgとなる。同様に、ルテインが8mgの場合にはゼアキサンチンは4mgとなる、といった具合になる。
【0038】
本発明は、患者または消費者の眼と全身両方の健康を維持するための改良されたダイエタリーサプリメント配合物を対象とする。本明細書で使用される「ダイエタリーサプリメント」またはその短縮形である「サプリメント」とは、栄養素を含み、宿主、例えばヒトまたはその他の哺乳動物による摂取に適した剤型のあらゆる最終的なダイエタリーサプリメントを指す。したがって、「ダイエタリーサプリメント」という用語は、錠剤、チュアブル錠、カプレット、ジェルカップ、散剤、ソフトゲルなどのあらゆる形態のダイエタリーサプリメントを包含するものとして意図される。
【0039】
本明細書で使用される場合、「キサントフィル」とは、ヒドロキシおよびケト酸化カロテンならびにそれらの誘導体(遊離アルコール型およびエステル型を含む)を指し、「カロテン」とは、炭素数40のカロテンおよびその誘導体のすべてを指し、「レチノイド」とは、炭素数20のビタミンA(レチノール)およびその誘導体を指し、「カロテノイド」とは、キサントフィル、カロテンおよびレチノイドまたはそれらの組み合わせのすべてを示す。カロテノイドは合成により誘導される場合もあれば、天然資源から生成される場合もある。合成調製物は、天然の調製物に含まれるものとは異なるカロテノイド異性体を含む場合がある。本発明には、所期の用途に応じて、天然カロテノイド、合成カロテノイドまたは両タイプの混合物が、オイル、ケーキ、カプセル化したオイルまたは混合物、あるいはモノリシック・コビーズレットの形態で含まれる。
【0040】
キサントフィル成分は種々の資源から得ることができる。例えば、トウモロコシ、食用の緑黄色野菜およびキンセンカなどの野菜や薬草成分、オキアミなどの海産物、あるいは藻類、遺伝子組み換え細菌または酵母などの微生物資源があげられる。キサントフィルは当該技術分野で既知の方法で合成することもでき、種々の製造業者から入手することができる。キサントフィルの例には、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、クリプトキサンチンおよび関連するオレオレジン(例えば、キサントフィルの脂肪酸モノエステルおよびジエステル)が含まれるが、これらに限定されない。キサントフィルの純度および濃度は、商品によって様々に異なる。例えば、商品によっては、オイル中のキサントフィル量が約1重量%(「w/w」)以下の場合もあれば、オイル中のキサントフィル量が20%w/wを超える場合もあり(例えば、Kemin Laboratories, Inc.[米国アイオワ州デモイン])、あるいは結晶または半結晶の「ケーキ」として提供されるように50%以上を含むものもある。キサントフィルの商品は個々のキサントフィルの調整物である場合もあれば、それらを組み合わせたの調整物である場合もあり、希釈剤によって濃度が変わる場合ができる。あるいは実際には、散剤または「ケーキ」状の調製物の中には、より好ましい原材料となるものもあるため、それらを使用しないこともある。例えば、キサントフィルの調製物は、唯一のキサントフィルとしてルテインを含む場合もあれば、ゼアキサンチンのジアステレオマー([R,R’]、[R,S]、[S,R]および[S,S])の組み合わせなどのように、ルテインとゼアキサンチンの組み合わせを含む場合もある。その中で、好ましい組み合わせには、ルテイン、[R,R’]−ゼアキサンチン、meso−ゼアキサンチンの混合物が含まれる。その他の好ましい組み合わせには、[R,R’]−ゼアキサンチンとmeso−ゼアキサンチンとの混合物、および/またはゼアキサンチンのいずれか1つのジアステレオマーとルテインとの混合物が含まれる。このような組成物を、網膜に一般的に見いだされる比率、あるいは黄斑、網膜中心窩に見いだされる比率と同じ比率、具体的には摂取後に宿主の組織における比率を支える比率で宿主に提供することを意図する場合には、配合物中に特定比率のキサントフィルの組み合わせを含めることが特に重要であると考えられる。上記で例示した通り、配合物には、複合型の誘導体、例えばキサントフィルのオレオレジンとして、キサントフィルが含まれる場合もある。
【0041】
ω3系脂肪酸
ω3系脂肪酸は、冷水魚の組織中に天然かつ豊富に存在し、ヒト網膜の光受容体の視神経乳頭中にも豊富に存在する。免疫学的調査では、ω3系脂肪酸が欠乏した食事を摂取している個体の方がAMDの有病率が高く、すなわち食事中のω3系脂肪酸の量はAMDの有病率と反比例することが見出されている(Seddon and Willett et al.)。眼の健康に重要な2つの主要なω3系脂肪酸、すなわち複合脂肪酸は、DHA(ドコサヘキサエン酸)およびEPA(エイコサペンタエン酸)である。本明細書で使用される「DHA」という用語は、これら2つの主要なω3系脂肪酸のいずれか、あるいは2つの混合物を指す。すなわち、「DHA」という用語を使用する場合、当業者であれば、DHAとEPAのいずれか、あるいはEPAとDHAの混合物がその例で使用できることを理解するであろう。混合物が使用される場合のEPAとDHAの好ましい比率は、EPA:DHA=0.8:0.2〜0.2:0.8である。ドコサヘキサエン酸は発酵技術やバイオテクノロジー産物から入手しているが、好ましい混合物は、通常魚から採取した後、精製/脱臭している。
【0042】
全身の健康のためのその他のビタミン/ミネラル
ビタミン類:
ビタミンDは、カルシウムのホメオスタシスの主要な調節因子であり、正常な骨、筋肉および神経の発達と機能に必要不可欠である。ビタミンDは、骨粗しょう症を予防し、体内で抗発癌性活性と抗酸化活性を発揮することが示されている。ビタミンDの推奨1日摂取量(RDI)は、400IU/日に設定されている。
【0043】
ビタミンKは、過剰な出血を防ぐ正常な血液凝固に不可欠な、止血作用を有するタンパク質の制御に関わる補因子として含まれる。ビタミンKのRDIは、80μg/日に設定されている。
【0044】
チアミン(ビタミンB)は、エネルギーの産生および細胞代謝の維持のために炭水化物と脂肪を利用する上で不可欠である。チアミンは神経筋の発達および維持において重要である。ビタミンBは、脳などの神経組織中で抗酸化作用を発揮することが示されている。チアミンのRDIは、1.5mg/日に設定されている。
【0045】
リボフラビン(ビタミンB)は、エネルギーの産生、ならびに炭水化物、脂肪およびタンパク質の代謝プロセスを維持する上で、さらには正常な細胞機能および細胞成長のために重要である。リボフラビンは、健康な眼、神経および皮膚の機能の維持を助ける場合がある。リボフラビンのRDIは、1.7mg/日に設定されている。
【0046】
ナイアシン(ビタミンB)は、エネルギーの産生ならびに脂肪およびステロイドの合成を含めた広範な生化学反応に関与している。ビタミンBは、血清コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)、超低密度リポタンパク質(VLDL)、およびトリグリセリドの全レベルを低下させることが認められている。ナイアシンの欠乏は、皮膚炎、胃腸管の炎症、トリプトファン欠乏の諸症状を引き起こす可能性がある。ナイアシンのRDIは、20mg/日に設定されている。
【0047】
パントテン酸(ビタミンB)は、適切なエネルギーの産生、脂肪酸、ステロイド、コレステロールおよびアミノ酸の合成および分解、ならびに抗酸化剤としての機能において不可欠である。パントテン酸が組み入れられている(酸化的リン酸化に重要な)補酵素Aおよびアシル担体タンパク質の多様な機能は周知である。パントテン酸のRDIは、10mg/日に設定されている。
【0048】
ピリドキシン(ビタミンB)は、体内のタンパク質、脂肪および炭水化物の代謝において重要である。ビタミンBの補給は、高血圧患者の心臓収縮圧と拡張圧を下げ、血小板誘発性損傷から血管内皮細胞を保護し、アテローム性動脈硬化症を予防することが認められている。ピリドキシンは、ヘモグロビンの形成に不可欠であり、貯蔵グルコースの利用に重要であることが知られている。ピロドキシンのRDIは、2mg/日に設定されている。
【0049】
ビタミンB12はコバルトを含有する酵素の補因子であり、正常な細胞増殖および発達、特に赤血球細胞の発達に重要であり、体内、特に高齢者における神経変性疾患を予防する。菜食主義者はビタミンB12が欠乏しやすい傾向がある。ビタミンB12の摂取不足は貧血の一因となる場合がある。ビタミンB12がアテローム性動脈硬化症の危険性を低下させる場合もある。ビタミンB12のRDIは、6μg/日に設定されている。
【0050】
葉酸(ビタミンBの1つであり、ビタミンBと呼ばれることもある)は、適切な細胞成長および発達、ならびに先天性神経障害の予防に不可欠である。葉酸の欠乏は、貧血、および感染性疾患と戦う上で重要な役割を果たす白血球の欠乏を引き起こすおそれがある。葉酸は、抗発癌性作用を示し、特に高齢者において心血管疾患を予防する上で一定の役割を果たすことが示されている。葉酸の摂取不足は、貧血の一因となる場合がある。葉酸のレベル低下は、ホモシステインの上昇に加えて、アテローム性動脈硬化症の重要な危険因子である遺伝子異常(SNP、一塩基突然変異)の決定因子の1つである。葉酸のRDIは、400μg/日に設定されている。
【0051】
ビオチン(ビタミンBの1つであり、ビタミンHと呼ばれることもある)は、脂肪および炭水化物の生合成、ならびにアミノ酸の代謝に関与する酵素の補因子であり、その働きは部分的にCOの固定における機能による。ビオチンの補給は、耐糖能を改善し、インスリン抵抗性を緩和することが認められている。ビオチンのRDIは、300μg/日に設定されている。
【0052】
植物性薬品:
リコピンはカルテノイドの1種であり、酸素ラジカルと光による損傷から細胞を保護する強力な抗酸化作用を有する。リコピンが前立腺癌および冠動脈疾患を予防する可能性を有することが研究により示されている。現在までのところ、リコピンのRDIは設定されていない。
【0053】
ローズマリーは薬用植物の1種であり、ビオフラボノイド、ならびにカルノソールおよびカルノジック酸などの強力な抗酸化剤を含む。ローズマリーのビオフラボノイドのRDIは設定されておらず、これらの抗酸化剤は哺乳動物では生合成されない。
【0054】
ミネラル類:
カルシウムは骨の健康維持と細胞制御に必要である。カルシウムの補給は、高血圧患者における血圧低下のほかにヒト血清コレステロールレベルの低下にも関係する。カルシウムのRDIは、1,000mg/日に設定されている。
【0055】
クロムは必須微量元素の1つであり、グルコースを細胞内に輸送するためにインスリンとともに作用することにより血糖の制御を助ける。クロムはインスリンとともに作用し、炭水化物および脂肪をエネルギーに変換する。クロムのRDIは、120μg/日に設定されている。
【0056】
ヨウ素は必須微量元素の1つであり、甲状腺の機能に極めて重要である。ヨウ素は、正常な発育および代謝速度の制御に不可欠である甲状腺ホルモンの必須成分である。ヨウ素のRDIは、150μg/日に設定されている。
【0057】
マグネシウムはATPの産生およびカルシウム濃度の制御に必要な必須ミネラルである。マグネシウムの補給は、体内における高血圧抑制、血糖値コントロール、および心臓保護の効果がある。マグネシウムは、神経および筋肉の正常な機能ならびに正常な骨形成に不可欠であり、神経筋の連携作用に影響を及ぼす。マグネシウムは冠動脈疾患の予防を助ける場合がある。マグネシウムのRDIは、400mg/日に設定されている。
【0058】
マンガンは、正常な細胞内代謝に不可欠であるいくつかの主要な酵素に認められる必須微量元素であり、反応性酸素分子種のレベルとそれによる損傷を抑制して酸化損傷を予防する作用を維持するのを助ける。マンガンは、グルコースの利用、軟骨のムコ多糖の合成、およびステロイドの生合成に必要となる。マンガンのRDIは、2mg/日に設定されている。
【0059】
モリブデンは、神経および眼の健康、ならびに処理しなければ有害になる可能性がある多くの体内化学物質の処理に必要となる必須微量元素であり、プリン塩基の代謝において重要な役割を果たすキサンチンオキシダーゼの酵素補因子として機能することが知られている。モリブデンのRDIは、75μg/日に設定されている。
【0060】
リンは必須ミネラルの1つであり、DNA、細胞膜、ならびに細胞内におけるエネルギーの産生および貯蔵の中心的な成分である。リンはカルシウムとならんで、骨および歯の形成および硬化に不可欠である。リンのRDIは、1,000mg/日に設定されている。
【0061】
カリウムは、必須ミネラルの1つであり、細胞内緊張性および正常な血圧を維持し、体内の神経シグナルの伝達において主要な役割を果たしている。一連の研究によれば、カリウムの補給により、脳卒中、心血管疾患、およびその他の変性疾患が予防できることが示されている。カリウムのRDIは、3,500mg/日に設定されている。
【0062】
セレンは必須微量元素の1つであり、ビタミンCおよびビタミンEとともに作用し、細胞内の酸化損傷を予防する。セレンは、特に肝臓組織の健康を維持する。セレンは神経細胞の成長および発達、ならびに肝臓の健康を促進する。セレンは、酵素の補因子として心筋の正常な機能に不可欠である。セレンのRDIは、70μg/日に設定されている。
【0063】
その他の留意事項
成分としてのカロテン、レチノイドまたはそれらの組み合わせ(以下、「カロテン/レチノイド」と称する)は、トウモロコシ、葉菜、およびバイオテクノロジー業界から入手可能な発酵製品を含めた、野菜、薬草などの種々の供給源から得ることができる。カロテン/レチノイドは、当該技術分野で既知の方法で合成することもできる。カロテノイドの例には、α−、β−、γ−、δ−、ε−、およびψ−カロテン、ならびにそれらの異性体が含まれるが、これらに限定されない。レチノイドの例には、ビタミンAおよびビタミンAの類似体(例えば、レチノイン酸)が含まれるが、これらに限定されない。カロテン/レチノイドの純度および濃度は、商品によって様々に異なる。例えば、カロテン/レチノイドが約1%w/w以下の商品を、オイル、オイル懸濁液、あるいはコビーズレットなどの保護乾燥型のいずれかの形態で提供している例もある。
【0064】
配合物中のキサントフィルおよびカロテン/レチノイドの濃度は変動するものの、ダイエタリーサプリメントにおいては有用な量を含むことになる。一般的に、配合物におけるキサントフィルおよびカロテン/レチノイドの合算した濃度は、約0.1〜10%w/wの範囲である。カロテノイドの濃度は、どのキサントフィルおよびカロテン/レチノイドを選択し、その相対比率によって通常異なるが、好ましくは約0.5〜7%w/wである。キサントフィルおよびカロテン/レチノイドの個々の濃度は必ずしも同じではない。非喫煙者の一般的な集団に好ましい配合物では、キサントフィルとカロテン/レチノイドの濃度比が約1:10〜約10:1となり、最も好ましくはキサントフィルとカロテン/レチノイドの濃度比が約2:1〜約1:2である。喫煙者集団に好ましい配合物では、β−カロテンの濃度が0%〜RDAの範囲となる。
【0065】
本発明の最も好ましい配合物には、実施例1〜4に示す配合物が含まれる。
【0066】
上述の通り、配合物は1種以上の他の抗酸化剤を含むこともある。抗酸化剤は親油性であってもよければ、親水性であってもよい。抗酸化剤は、カロテノイド成分の酸化的、光化学的および/または熱的分解の防止に役立つ。抗酸化剤は健康栄養状態の維持に有用であるとも考えられることから、宿主に一定の栄養上の利益をもたらすと思われる。一般的に、抗酸化剤は、天然の抗酸化剤または天然抗酸化剤由来の物質である。天然の抗酸化剤および関連する誘導体の例には、トコトリエノール、α−、β−、γ−、δ−およびε−トコフェロールなどのビタミンEおよび関連する誘導体、ならびに対応する酢酸塩、コハク酸塩などの誘導体、ビタミンCならびにアスコルビン酸パルミチン酸エステルなどの関連する誘導体、ならびにローズマリーオイルなどの天然オイルが含まれるが、これらに限定されない。好ましい配合物は親油性の抗酸化剤を1種以上含む。配合物に含まれる抗酸化剤の量は、カロテノイド成分の酸化的、光化学的および/または熱的分解を防止または抑制するのに効果的な量とする。本明細書においては、このような量を「1種以上の抗酸化剤の効果的な量」と呼ぶ。一般的に、このような量は、キサントフィルおよびカロテン/レチノイド成分、ならびにビオフラボノイドなどのその他いずれかの化学的反応性の有する成分の量の約0.1〜10倍とする。好ましい配合物は一般的に、カロテノイドを単独でまたはビオフラボノイドも含めて約0.5〜25%w/w含み、抗酸化剤を約2〜10%w/w含む。抗酸化剤は、剤型に混入する前に、コビーズレット用の単独の容器中で指定された栄養素と組み合わせることができる。コビーズレットは、いずれも参考として本明細書で援用される、米国特許第6,582,721号および第6,716,447号、米国特許出願第2005/0106272号および第2005/0147698号に記載のものを含め、本発明の配合物において有用であると思われる。
【0067】
配合物はまた、1種以上の凝固剤、賦形剤、および凝集剤(本明細書では「凝固剤」と総称する)も含む。凝固剤は、錠剤化、およびビーズレットなどの固体様担体の作製に使用され、錠剤化に必要な造粒、混合および圧縮に適した安定した凝集物にオイルを変える働きがある。配合物の調製に有用な凝固剤の例には、スクロース、グルコース、フルクトース、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)、シロップ(例えば、コーンシロップ)、ならびにイオン性および非イオン性ポリマーが含まれるが、これらに限定されない。イオン性および非イオン性ポリマーには、PEGおよびその他のポリエーテル様アルコキシセルロース化合物(HPMC)、ジェラン、カラゲナン)、Eucheuma gelatenae、グアル、ヒアルロン酸塩、アルギン酸塩、コンドロイチン硫酸、ペクチン、およびタンパク質(例えばコラーゲンまたはその加水分解産物[例えばゼラチンまたはポリペプチド])が含まれるが、これらに限定されない。ダイエタリーサプリメントの調製の当業者に既知のその他の凝固剤も、本発明の配合物の調製に使用することができる。凝固剤の量は、配合物に含まれるその他の成分により異なるが、一般的にはダイエタリーサプリメントの大部分の重量および容量を占める。
【0068】
場合により、本発明の配合物は、1種以上のビオフラボノイドおよび/または糖化ビオフラボノイドを含む場合もある。ビオフラボノイドまたは「フラボノイド」は、主に果物や野菜に認められるフラボンおよびイソフラボン様の構造物である。ビオフラボノイドは市販されているが、当該技術分野で既知の方法により合成することもできる。ビオフラボノイドの例には、クエルセチン、アカセチン、リキリチン、ルチン、タキシホリン、ノビレチン、タンゲレチン、アピゲニン、クリシン、ミリセチン、ゲニステイン、ダイゼイン、ルテオリン、ナリンゲニンおよびケンフェロール、ならびに対応するメトキシ置換類縁体などの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。ビオフラボノイドは、in vivoにおける酵素介在性反応速度のモジュレーターとして健康栄養状態の維持に有用であると考えられる。ビオフラボノイドは抗酸化作用も有する場合があり、この目的のために配合物に含まれる場合もある。
【0069】
本発明の配合物にはその他のオイルも含まれる場合がある。配合物に添加するカロテン/レチノイドまたはキサントフィル成分は、希釈植物オイルまたはオイル懸濁液として、あるいはオレオレジン抽出物として通常市販されているため、配合物は一定量の植物オイルまたはオレオレジンを含むことが多いであろう。このようなオイル/オレオレジンの量は、一般的に配合物中のキサントフィルまたはカロテン含量の約1〜100倍である。例えば、ダイエタリーサプリメントに含まれるキサントフィルの抽出物は、20%w/wのルテイン、2%w/wのゼアキサンチン、および78%の植物オイル/オレオレジンを含む場合がある。その他のオイルも配合物に含まれる場合がある。
【0070】
本発明の配合物は、ダイエタリーサプリメントを調製および最終製品化するのに有用な他の添加剤も含む場合がある。このような添加剤には、消化管において配合物の崩壊時間を引き延ばすのに役立つ時限放出型ポリマーコーティング剤が含まれる場合がある。このようなポリマーの例には、PEGおよびポリエーテル様アルコキシセルロース化合物(HPMC)、ジェラン、カラゲナン、Eucheuma gelatenae、デンプン、ヒアルロン酸塩、コンドロイチン硫酸、ペクチン、およびタンパク質(例えばコラーゲン)が含まれるが、これらに限定されない。キサントフィル/カロテンは強力に着色されているため、均一な色のダイエタリーサプリメントを提供する目的でコーティング技術をダイエタリーサプリメントに応用することができる。カラーコーティング剤の例には、ポリマー、着色剤、シーラント、および界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。界面活性剤には、脂肪酸およびエステル、ジグリセリドおよびトリグリセリド、モノアルキルグリセリルリン酸およびジアルキルグリセリルリン酸などのリン脂質、非イオン性化合物(糖、多糖類、例えば、HPMCおよびポリソルベート80)、ならびにイオン性物質が含まれるが、これらに限定されない。
【0071】
場合によっては、配合物に含まれる上記の成分が、ダイエタリーサプリメント中でマイクロスフィアを形成する場合もある。ダイエタリーサプリメントは種々の大きさおよび形状をとる場合がある。
【0072】
ダイエタリーサプリメントは当該技術分野で既知のいくつかの技法を使用して製造することができる。1日当たりの推奨摂取数のダイエタリーサプリメントを服用する場合には、本発明のダイエタリーサプリメントには、本明細書に記載した成分が、1日用量(1日当たりの服用量)に相当する十分な量で含まれるのが好ましい。しかし、本明細書に記載のダイエタリーサプリメントは、少なくともビタミンC、ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチン、銅および亜鉛を記載した量含むことが極めて重要である。本発明の好ましいダイエタリーサプリメントにはβ−カロテンが含まれる場合もあれば、含まれない場合もある。
【0073】
ソフトゲルなどのいくつかの剤型では、栄養素の濃縮オイル相を使用することが望ましいことがある。これらは、フロアブルコンポジットのコア中に結合し、一般的な希釈剤や抗酸化剤を補助的に使用して保護する場合がある。
【0074】
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために記載されている。以下の実施例で開示する技法により、本発明者が発見した技法の典型を示し、その発見技術が本発明の実施において十分に機能しており、したがって実施例が本発明の実施に好ましい様式を構成すると考えられることを、当業者は理解しなければならない。ただし、当業者は、本開示内容に照らして、開示した特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、さらにその変更によって、本発明の趣旨および適用範囲を逸脱することなく、同等または同様の結果を得ることができることも理解しなければならない。
【実施例】
【0075】
(実施例1)
【0076】
【表12】

(実施例2)
【0077】
【表13】

(実施例3)
【0078】
【表14】

以下の実施例、すなわち実施例4は、単にゼアキサンチンの異性体のいずれもというだけでなく、異なる異性体の組み合わせを推奨する所見があることを示している。あるいは、実施例3において、正しく推論すると、「ゼアキサンチン」という用語は、0から無限大までの比率のゼアキサンチン、すなわちいずれの異性体もすべて意味すると解釈できると思われる。その他の組の実施例についても記載通りに同様の推定ができると思われる。
【0079】
(実施例4)
【0080】
【表15】

以下の実施例、すなわち実施例5は、血清中または黄斑色素中レベルが低い個体、あるいは栄養補給が奏効しにくい個体に対する高濃度のカロテノイドを提供する。
【0081】
(実施例5)
【0082】
【表16】

実施例6の組成物は、眼の健康維持に関心があり、大型錠剤(または他の剤型)を服用することが困難ではない個体に有効な配合物を説明している。実施例6の組成物および投与レジメンは、このような患者の毎日の栄養補給要件に適切かつ十分なものであると思われる。
【0083】
(実施例6)
【0084】
【表17】

実施例6の組成物と同じく、実施例7の組成物は、眼の健康維持に関心があり、さらに血清中または黄斑色素中レベルのいずれかが低いためにより高レベルのカロテノイドが必要な個体に有効な配合物を説明している。実施例7の組成物および投与レジメンは、このような患者の毎日の栄養補給要件に適切かつ十分なものであると思われる。
【0085】
(実施例7)
【0086】
【表18】

実施例8の組成物は、眼の健康維持に関心があり、さらに食事にマルチビタミンの補給が必要でない個体に有効な配合物を説明している。実施例8の組成物および投与レジメンは、このような患者の毎日の栄養補給要件に適切かつ十分なものであると思われる。
【0087】
(実施例8)
【0088】
【表19】

実施例9の組成物は、眼の健康維持に関心があり、キサントフィルの必要性が高い個体に有効な配合物を説明している。本組成物および投与レジメンは、このような患者の毎日の栄養補給要件に適切かつ十分なものであると思われる。
【0089】
(実施例9)
【0090】
【表20】

(実施例10)
AREDSソフトゲル ― NHANESの正常摂取およびソフトゲルを想定した最低レベル、すなわち正常な食事に対するサプリメント
【0091】
【表21】

(実施例11)
【0092】
【表22】

本明細書で開示および請求する組成物および/または方法はいずれも、本開示内容を参考にすれば、不必要な実験を行うことなく製造および実施することができる。以上において本発明の組成物および方法を好ましい実施形態の点から記載してきたが、本発明の概念、趣旨および適用範囲から逸脱しない範囲で、組成および/または方法、ならびに本明細書に記載した方法の手順またはその順序に変更が加えられることは、当業者に明らかになるであろう。より具体的には、化学的かつ構造的に関連する特定の物質を、本明細書に記載した物質の代わりに使用して同様の効果を達成できることが明らかになるであろう。当業者に明らかなこのような置換および変更は、添付の特許請求の範囲で定義する通り、本発明の趣旨、範囲および概念の範囲内に含まれると考えられる。
【0093】
参考文献
以下の参考文献は、本明細書に記載の内容の補足となる手順またはその他の詳細例を示す範囲において、具体的に本明細書で参考として援用される。
【0094】
【表23】

【0095】
【表24】

【0096】
【表25】

【0097】
【表26】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイエタリーサプリメントであって、約0.03重量%〜0.3重量%の銅、約0.2重量%〜4重量%の亜鉛、ならびにビタミンC、ビタミンE、ならびにビタミンA、ルテインおよび/またはゼアキサンチンの形態の活性カロテノイドを含み、該ダイエタリーサプリメント中のビタミンCの濃度が約10重量%〜30重量%であり、該ダイエタリーサプリメント中のビタミンEの濃度が約0.5重量%〜25重量%のビタミンEであり、そしてビタミンA、ルテインおよび/またはゼアキサンチンの形態の活性カロテノイドが約0重量%〜30重量%であり、さらにビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、葉酸塩、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、リン、ヨウ素、マグネシウム、セレン、マンガン、クロム、モリブデン、カリウム、リコピン、ドコサヘキサエン酸(DHA)、およびローズマリーからなる群から選択される少なくとも2種以上の化合物を含む、ダイエタリーサプリメント。
【請求項2】
前記ビタミンAがβ−カロテンの形態である、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項3】
以下:
【表1】

を含み、1日あたり4つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項4】
以下:
【表2】

を含み、1日あたり4つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項5】
以下:
【表3】

を含み、1日あたり4つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項6】
以下:
【表4】

を含み、1日あたり4つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項7】
以下:
【表5】

を含み、1日あたり4つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項8】
以下:
【表6】

を含み、1日あたり2つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項9】
以下:
【表7】

を含み、1日あたり2つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項10】
以下:
【表8】

を含み、1日あたり2つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項11】
以下:
【表9】

を含み、1日あたり2つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項12】
以下:
【表10】

を含み、前記サプリメントがソフトゲルであり、1日あたり2つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。
【請求項13】
以下:
【表11】

を含み、前記サプリメントがソフトゲルであり、1日あたり4つのサプリメントを摂取して1日の投与量が提供される、請求項1に記載のダイエタリーサプリメント。

【公表番号】特表2009−523127(P2009−523127A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547759(P2008−547759)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/062434
【国際公開番号】WO2007/076416
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(508185074)アルコン リサーチ, リミテッド (160)
【Fターム(参考)】