説明

1,5−ジアリールピロール誘導体、この調製方法および治療剤におけるこの適用

本発明は、式(I)を有する化合物


(式中、Xは、式(II)を有する基を表す。)に関する。本発明によれば、RおよびRは水素原子またはアルキル基を表す。Rは、(C−C12)アルキル基;(C−C12)の非芳香族炭素環基;(C−C)シクロアルキルメチル基;フェニル基、ベンジル基、ベンズヒドリル基、ベンズヒドリルメチル基、フェネチル基、ベンゾジオキソリル基、ジヒドロベンゾフラニル基、ジヒドロベンゾジオキシニル基;(ベンゾジオキソリル基、ジヒドロベンゾフラニル基、ジヒドロベンゾジオキシニル基によって置換されている)メチル基;非置換の1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル基;または、複素環基、インドリル基、置換または非置換のベンゾチアゾリル基の中から選択される基を表し、ただし、前記基は置換または非置換である。Rは(C−C)アルキル基または(C−C)シクロアルキル基を表す。RおよびRは置換または非置換のフェニル基を表す。本発明はまた、前記誘導体を調製する方法、および、治療剤におけるこの適用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1,5−ジアリールピロール誘導体、この調製およびこの治療的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カンナビノイドCB受容体に対する親和性を有するジフェニルピラゾール誘導体が、特に、US5624941、EP0576357、EP0656354およびEP1150961の各特許に記載されている。
【0003】
特許出願WO2005/058249には、ジアリールピロール誘導体がカンナビノイド受容体調節剤として記載され、特許出願WO2003/027069には、肥満に対して活性であるジアリールピロール誘導体が記載されている。
【0004】
カンナビノイドCB受容体に対するアンタゴニスト的性質を有する新規な1,5−ジアリール−3−アミノメチルピロール誘導体が今回、見出されている。
【0005】
本発明の1つの主題は、下記の式に対応する化合物である。
【0006】
【化7】

式中、
・Xは、下記の基:
【0007】
【化8】

を表し;
・Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・Rは、
・非置換であるか、または、ヒドロキシル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基およびトリフルオロメトキシ基から独立して選ばれる1つ以上の置換基で置換されている(C−C12)アルキル基;
・非置換であるか、または、(C−C)アルキル基または(C−C)アルコキシ基で1回以上置換されている(C−C12)非芳香族炭素環基;
・非置換であるか、または、(C−C)アルキル基または(C−C)アルコキシ基で炭素環において1回以上置換されている(C−C)シクロアルキルメチル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジ(C−C)アルキルアミノ基、基S(O)Alk、(C−C)アルキルカルボニル基から、または、フェニル基、1−ピロリル基、イミダゾリル基、ピリジル基またはピラゾリル基(ただし、前記基は非置換であるか、または、(C−C)アルキル基で1回以上置換されている。)から独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基;
・ベンゾジオキソリル基、ジヒドロベンゾフリル基またはジヒドロベンゾジオキシニル基;
・ベンゾジオキソリル基、ジヒドロベンゾフリル基またはジヒドロベンゾジオキシニル基で置換されているメチル基;
・非置換であるか、または、(C−C)アルキル基で1回以上置換されている1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基およびトリフルオロメチル基またはトリフルオロメトキシ基から独立して選ばれる置換基で1回以上フェニルにおいて置換されている、および、α−非置換であるか、または、ピロリル基またはフェノキシ基でα−置換されているベンジル基;
・ベンズヒドリル基またはベンズヒドリルメチル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン、(C−C)アルキル基またはトリフルオロメチル基でフェニルにおいて置換されているフェネチル基;
・チエニル、フリル、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、オキサゾリルおよびイミダゾリルから選ばれる芳香族複素環基、前記芳香族複素環基は、非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基およびトリフルオロメトキシ基から独立して選ばれる1つ以上の置換基で置換されており;
・チエニル、フリル、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、オキサゾリルおよびイミダゾリルから独立して選ばれる複素環基で置換されているメチル基(ただし、前記複素環基は、非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基およびトリフルオロメチル基から独立して選ばれる1つ以上の置換基で置換されている。);
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、基S(O)Alk、(C−C)アルキルカルボニル基およびフェニル基から独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているインドリル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、基S(O)Alk、(C−C)アルキルカルボニル基およびフェニル基から独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているベンゾチアゾリル基;
・1つまたは2つの(C−C)アルキルで置換され、および、フェノキシ基または1−ピロリル基(ただし、前記フェノキシ基または1−ピロリル基は、非置換であるか、または、ハロゲン、(C−C)アルキル基またはトリフルオロメチル基で置換されている。)で置換されているメチル基
を表し;
・Rは(C−C)アルキル基または(C−C)シクロアルキル基を表し;
・Rは、非置換のフェニル基、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基または基S(O)Alkから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されるフェニル基を表し;
・Rは、非置換のフェニル基、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基または基S(O)Alkから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基を表し;
・Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・mは0、1または2を表し;
・Alkは(C−C)アルキル基を表す。
【0008】
式(I)の化合物は1つ以上の不斉炭素原子を含む場合がある。従って、式(I)の化合物はエナンチオマーまたはジアステレオマーの形態で存在する場合がある。これらのエナンチオマーおよびジアステレオマー、ならびに、ラセミ混合物を含むこの混合物は本発明の一部を形成する。
【0009】
式(I)の化合物は、水和物または溶媒和物の形態で、すなわち、1分子以上の水分子との会合体もしくは結合体または溶媒との会合体もしくは結合体の形態で存在する場合がある。このような水和物および溶媒和物もまた本発明の一部を形成する。
【0010】
本発明の主題である式(I)の化合物の中でも、
・Xが、下記の基:
【0011】
【化9】

を表し;
・Rが水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・Rが、
・(C−C)アルキル基;
・非置換であるか、または、(C−C)アルキル基で1回以上置換されている(C−C)シクロアルキル基;
・非置換であるか、または、(C−C)アルキル基で炭素環において1回以上置換されている(C−C)シクロアルキルメチル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、基S(O)Alk、(C−C)アルキルカルボニル基およびフェニル基からから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基およびトリフルオロメチル基から独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているベンジル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、基S(O)Alk、(C−C)アルキルカルボニル基およびフェニル基からから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているインドリル基
を表し;
・Rが(C−C)アルキル基または(C−C)シクロアルキル基を表し;
・Rが、非置換のフェニル基を表し、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基および基S(O)Alkから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基を表し;
・Rが、非置換のフェニル基を表し、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基および基S(O)Alkから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基を表し;
・Rが水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・mは0、1または2を表し;
・Alkは(C−C)アルキル基を表す
式(I)の化合物が顕著である。
【0012】
用語「ハロゲン原子」は、臭素原子、塩素原子、フッ素原子またはヨウ素原子を意味する。
【0013】
用語「(C−C)アルキル」、用語「(C−C)アルキル」、用語「(C−C)アルキル」、用語「(C−C)アルキル」および用語「(C−C12)アルキル」はそれぞれ、1個から3個の炭素原子、1個から4個の炭素原子、1個から5個の炭素原子、1個から7個の炭素原子または1個から12個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖アルキル基または分枝状アルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、2−プロピルブチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基またはドデシル基を意味する。
【0014】
用語「(C−C)アルコキシ」は、1個から4個の炭素原子を有する直鎖アルコキシ基または分枝状アルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基またはtert−ブトキシ基を意味する。
【0015】
用語「(C−C)シクロアルキル」は、3個から7個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはシクロヘプチル基を意味する。
【0016】
用語「C−C12非芳香族炭素環基」は、単環式の基または縮合または架橋した二環式または三環式の基を意味する。用語「単環式の基」はシクロアルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを意味し、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロヘプチル基が好ましい。用語「縮合または架橋した二環式または三環式の基」は、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチルまたはアダマンチルを意味する。
【0017】
本発明の主題である式(I)の化合物の中でも、下記の化合物は顕著である。
・式(IA)の化合物(この場合、−X−は−CO−基を表し、置換基Rから置換基Rは式(I)の化合物について定義されている通りである。);
・式(IB)の化合物(この場合、−X−は−SO−基を表し、置換基Rから置換基Rは式(I)の化合物について定義されている通りである。);
・式(IC)の化合物(この場合、−X−は基−CON(R)−を表し、置換基Rから置換基Rは式(I)の化合物について定義されている通りである。);
・式(ID)の化合物(この場合、−X−は基−CSN(R)−を表し、置換基Rから置換基Rは式(I)の化合物について定義されている通りである。)。
【0018】
本発明の主題である式(I)の化合物の中でも、好ましい化合物は、
・Rが水素原子を表し;
・および/または、Rがメチル基を表し;
・および/または、RおよびRが、互いに独立して、2,4−ジクロロフェニル基および4−クロロフェニル基を表しまたは2,4−ジクロロフェニル基および4−ブロモフェニル基を表しまたは2,4−ジクロロフェニル基および4−メトキシフェニル基を表し;
・および/または、Rが水素原子を表し;
・RおよびXが、式(I)の化合物について定義される値のいずれかを有し;
・および/または、Rが水素原子を表す、
式(I)の化合物およびまたこの水和物または溶媒和物である。
【0019】
最も特に好ましい化合物は、
・Xが式(I)について定義される通りであり;
・Rが水素原子を表し;
・Rがメチル基を表し;
・RおよびRが、互いに独立して、2,4−ジクロロフェニル基および4−クロロフェニル基を表しまたは2,4−ジクロロフェニル基および4−ブロモフェニル基を表しまたは2,4−ジクロロフェニル基および4−メトキシフェニル基を表し;
・RおよびRが水素原子を表し;
・Rが、
・フェネチル基;
・テトラヒドロナフチル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メトキシ基またはシアノ基から独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているベンジル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メトキシ基、シアノ基およびフェニル基から独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基;
・分枝状のC−Cアルキル基;
・非置換であるか、または、メチル基で置換されているC−Cシクロアルキル基;
・非置換であるか、または、1個以上のフッ素原子で置換されているヒドロキシ(C−C)アルキル基;
・2−インドリル基;
・ピラゾリルおよびフリルから選ばれる複素環基(前記複素環基は、非置換であるか、または、(C−C)アルキル基およびトリフルオロメチル基から独立して選ばれる1つ以上の置換基で置換されている。);
・(C−C)アルキル基およびピロリル基で置換されるメチル基;
・フェニル基およびピロリル基で置換されるメチル基;
を表す、
式(I)の化合物である。
【0020】
より具体的には、好ましい化合物は、
・Rが水素原子を表し;
・Rがメチル基を表し;
・Rが、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基または2,4−ジクロロフェニル基を表し;
・Rが、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基または2,4−ジクロロフェニル基を表し;
・Rが水素原子を表し;
・Xが、−CO−基、−SO−基、−CONH−基または−CSNH−基を表し;
・Rが、クロロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、メトキシフェニル基、シアノフェニル基、2−フェニルフェニル基、トリフルオロメチルベンジル基、4−ヘプチル基、シクロヘプチル基、3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、2,2−ジメチル−1(1H−ピロール−1−イル)プロピル基、2−インドリル基、5−メチル−2−トリフルオロメチル−3−フリル基、1−エチル−3−tert−ブチル−5−ピロリル基、フェネチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフチル基および1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフチル基から選ばれる基を表す、
式(I)の化合物およびまたこの水和物または溶媒和物である。
【0021】
下記の化合物が最も特に好ましい。
・N−{[5−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル]メチル}−5−メチル−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−スルホンアミド;
・N−{[1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル]メチル}−3−シアノベンゼンスルホンアミド;
・N−{[1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル]メチル}−3−メトキシベンゼンスルホンアミド。
【0022】
本発明によれば、式(I)の化合物は、
式:
【0023】
【化10】

(式中、R、R、R、RおよびRは式(I)の化合物について定義されている通りである。)
の化合物を、
・−X−が−CO−基を表す式(I)の化合物が調製されるときには、式:
HOOC−R (III)
(式中、Rは式(I)の化合物について定義される通りである。)
の酸またはこの酸の機能的な誘導体のいずれかにより処理され、
・または、−X−が−SO−基を表す式(I)の化合物が調製されるときには、式:
Hal−SO−R (IV)
(式中、Rは式(I)の化合物について定義される通りであり、Halはハロゲン原子を表し、優先的に塩素を表す。)
のスルホニルハリドにより処理され、
・または、−X−が基−CON(R)−を表す式(I)の化合物が調製されるときには、式:
HalCOOAr (V)
(式中、Halはハロゲン原子を表し、Arはフェニル基または4−ニトロフェニル基を表す)
のハロホルマートにより処理され、
下記の式の中間体化合物:
【0024】
【化11】

(式中、R、R、R、RおよびRは式(I)の化合物について定義されている通りである。)
を得、次いで、これを、式:
HN(R)R (VII)
(式中、RおよびRは式(I)の化合物について定義されている通りである。)
のアミンと反応され、
・または、−X−が基−CSNH−を表す式(I)の化合物が調製されるときには、式R=N=C=S(VIII)のイソチオシアナートにより処理されることを特徴とする方法に従って調製することができる。
【0025】
適する場合には、Rが(C−C)アルキル基を表す式(IC)または式(ID)の化合物は、Rが水素原子を表す対応する式(I)の化合物に対するアルキル化反応によって調製することができる。
【0026】
場合により、式(I)の化合物はこの酸付加塩に変換される。
【0027】
式(I)の化合物が式(III)の酸そのものにより処理されるとき、このプロセスは、ペプチド化学で使用されるカップリング剤(例えば、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)ヘキサフルオロホスファートまたはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム(PyBOP)ヘキサフルオロホスファートまたは2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート)の存在下において、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたは4−ジメチルアミノピリジン)の存在下、溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、N−N−ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン)中、−10℃と溶媒の還流温度との間の温度で行われる。
【0028】
酸(III)の機能的な誘導体として、酸クロリド、無水物、混合無水物、アルキルが直鎖または分枝状であるC−Cアルキルエステル、および、活性化エステル(例えば、p−ニトロフェニルエステル)を使用することが可能である。
【0029】
従って、本発明によるプロセスにおいて、チオニルクロリドまたはオキサリルクロリドを式(III)の酸と反応することによって得られる酸クロリドを、溶媒(例えば、塩素化溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルム)、エーテル(例えば、テトラヒドロフランまたはジオキサン)またはアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド))中、不活性雰囲気下において、0℃と室温との間の温度で、第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはピリジン)の存在下で式(II)の化合物と反応させることができる。
【0030】
1つの変形は、エチルクロロホルマートを塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下において式(III)の酸と反応させることによって式(III)の酸の混合無水物を調製すること、および、このような混合無水物を、溶媒(例えば、ジクロロメタンなど)中、不活性雰囲気下、室温で、塩基(例えば、トリエチルアミンなど)の存在下において式(II)の化合物と反応させることよりなる。
【0031】
式(II)の化合物が式(IV)のスルホニルクロリドにより処理されるとき、このプロセスは、塩基(例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)の存在下、溶媒(例えば、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン)中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で行われる。
【0032】
式(II)の化合物が式(V)のハロホルマートにより処理されるとき、このプロセスは、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下、溶媒(例えば、ジクロロメタンなど)中、0℃と室温との間の温度で行われる。このようにして得られた式(VI)の中間体化合物は、その後、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下、0℃と溶媒の還流温度との間の温度で式(VII)のアミンと反応させられる。
【0033】
このプロセスの1つの変形によれば、−X−が基−CON(R)−(式中、R=H)を表す式(I)の化合物は、式(II)の化合物を、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で式R−N=C=O(IX)のイソシアナートと反応させることによって調製することができる。
【0034】
このプロセスの別の変形によれば、−X−が基−CON(R)−を表す式(I)の化合物は、式(II)の化合物を、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下、溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、0℃と室温との間の温度で式ClCON(R)R(IX)の化合物と反応させることによって調製することができる。
【0035】
このプロセスの別の変形によれば、Rが(C−C)アルキル基を表す式(I)の化合物はまた、R=Hである式(I)の化合物を、塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下、溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で(C−C)アルキルハリドと反応させることによって調製することができる。
【0036】
このようにして得られた式(I)の化合物は、続いて、反応液媒体から分離され、標準的な方法に従って、例えば、結晶化またはクロマトグラフィーによって精製され得る。
【0037】
式(II)の化合物は下記の反応スキームに従って調製することができる。
【0038】
【化12】

【0039】
工程(a)は、アルコール中での金属アルコキシドの存在下、例えば、エタノール中でのナトリウムエトキシドの存在下、またはエタノールおよびトルエンの混合物におけるナトリウムエトキシドの存在下0℃で行われる。
【0040】
工程(b)において、式(XIII)のアミンの付加は、プロトン性溶媒(例えば、アルコール性溶媒)中、室温と溶媒の還流温度との間の温度で行われる。式(XIV)の得られたエステルは工程(c)で塩基性媒体において加水分解され、次いで、工程(d)で、式(XV)のこのようにして得られた酸が、極性の非プロトン性溶媒(例えば、DMFまたはアセトニトリル)中において、カップリング剤(例えば、CDI(1,1’−カルボニルビス(1H−イミダゾール))または1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)ヘキサフルオロホスファートまたはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム(PyBOP)ヘキサフルオロホスファート)の存在下、アミンNHにより、または、R=Hであるときにはアンモニアガスにより処理される。工程(e)において、式(XVI)の化合物のカルボキシアミド官能基の還元は、還元剤(例えば、ボランまたは水素化アルミニウムリチウム)を使用して、溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたはisoエーテル)中で、室温と溶媒の還流温度との間の温度で行われ、続いて、酸加水分解が行われる。
【0041】
が水素である式(II)の化合物は新規であり、本発明のさらなる態様を構成する。従って、本発明の主題はまた、下記の式の化合物である。
【0042】
【化13】

式中、
・Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・Rは(C−C)アルキル基または(C−C)シクロアルキル基を表し;
・Rは、非置換のフェニル基、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基および基S(O)Alkから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基を表し;
・Rは、非置換のフェニル基を表しまたはハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基および基S(O)Alkから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されるフェニル基を表し;
・mは0、1または2を表し;
・Alkは(C−C)アルキル基を表す。
【0043】
最も具体的には、本発明は下記の式の化合物に関連する。
【0044】
【化14】

式中、
・RおよびRは互いに独立して、2,4−ジクロロフェニル基および4−クロロフェニル基を表しまたは2,4−ジクロロフェニル基および4−ブロモフェニル基を表しまたは2,4−ジクロロフェニル基および4−メトキシフェニル基を表す。
【0045】
式(III)の化合物は知られている。
【0046】
式(IV)の化合物は市販されているかまたは文献に記載されているかまたは文献に記載されている方法に従って(例えば、J.Org.Chem.USSR、1970、6、2454−2458;J.Am.Chem.Soc.、1952、74、2008;J.Med.Chem.、1977、20(10)、1235−1239;EP0469984;WO95/18105などに記載されている方法に従って)調製することができる。
【0047】
例えば、式(IV)の化合物を、対応するスルホン酸またはこの塩(例えば、このナトリウム塩またはカリウム塩)のハロゲン化によって調製することができる。この反応は、溶媒の非存在下において、または、溶媒(例えば、ハロゲン化炭化水素またはN,N−ジメチルホルムアミド)中で、−10℃から200℃との間の温度で、ハロゲン化剤(例えば、オキシ塩化リン、チオニルクロリド、三塩化リン、三臭化リンまたは五塩化リンなど)の存在下において行われる。
【0048】
式(V)、式(VII)、式(VIII)および式(IX)の化合物は知られているかまたは知られている方法に従って調製される。
【0049】
下記の実施例では、本発明によるいくつかの化合物の調製が記載される。これらの実施例は非限定であり、本発明を単に例示するために役立つ。例示されている化合物の番号は、下記の表1に示される番号を示し、表1には、本発明による数多くの化合物の化学構造および物理的性質が例示される。
【0050】
調製および実施例では、下記の略号が使用される。
エーテル :ジエチルエーテル
isoエーテル :ジイソプロピルエーテル
DMSO :ジメチルスルホキシド
DMF :N,N−ジメチルホルムアミド
THF :テトラヒドロフラン
TBTU :2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート
DCM :ジクロロメタン
EtOAc :酢酸エチル
DIPEA :ジイソプロピルエチルアミン
LAH :水素化アルミニウムリチウム
DBU :1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
TFA :トリフルオロ酢酸
2N塩化水素エーテル:ジエチルエーテルにおける塩化水素の2N溶液
m.p. :融点
RT :室温
b.p. :沸点
HPLC :高速液体クロマトグラフィー
SilicaH :Merck(DARMSTADT)によって販売されるシリカ60Hゲル
pH2緩衝剤溶液 :1リットルの水における16.66gのKHSOおよび32.32gのKSOの溶液。
【0051】
プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルをDMSO−dにおいて200MHzで記録する。化学シフトδが百万分率(ppm)で表される。スペクトルの解釈について、下記の略号が使用される。s:一重線、d:二重線、t:三重線、q:四重線、m:分離されない複雑なもの、mt:多重線、bs:幅広い一重線、dd:二重線の二重線。
【0052】
本発明による化合物をLC/UV/MS(液体クロマトグラフィー/UV検出/質量分析)の組合せによって分析する。分子ピーク(MH)および保持時間(rt)(分)を測定する。
【0053】
条件A:
Symmetry C18カラム(2.1×50mm、3.5μm)を30℃で使用する。0.4ml/分の流速。
溶出液は下記のように構成される。
・溶媒A:0.005%トリフルオロ酢酸(TFA)/水、pH3.15;
・溶媒B:0.005%TFA/アセトニトリル。
グラジエント:
【0054】
【表1】

UV検出をλ=210nMにおいて行い、質量検出を正のESI化学的イオン化モードで行う。
【0055】
条件MS5
XTERRA MS C18カラム(2.1×30mm、3.5μm)を使用する。1ml/分の流速。
溶出液は下記のように構成される。
・溶媒A:0.025%TFA/水、
・溶媒B:0.025%TFA/アセトニトリル。
グラジエント:
【0056】
【表2】

UV検出を210nmから400nmとの間でダイオードアレイ検出器により行い、質量検出を正のESIモードで行う。
【0057】
条件MS2
XTerra MS C18カラム(2.1×30mm、3.5μm)を30℃で使用する。0.8ml/分の流速。
溶出液は下記のように構成される。
・溶媒A:0.025%トリフルオロ酢酸(TFA)/水;
・溶媒B:0.025%TFA/アセトニトリル。
グラジエント:
【0058】
【表3】

UV検出を210nmから400nmとの間でダイオードアレイ検出器により行い、質量検出を正のESI化学的イオン化モードで行う。
【0059】
調製
調製1
[1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル]メタンアミニウムクロリド
A)エチル2−アセチル−4−オキソ−4−(2,4−ジクロロフェニル)ブチラート
エタノール(20ml)中の3.26mlのエチルアセトアセタートの溶液に、0.5mlのナトリウムエトキシド溶液(EtOHにおいて21%)を0℃で滴下して加える。混合物を15分間撹拌し、その後、30mlのエタノール/トルエン混合物(2/1、v/v)に事前に溶解された5.82gの2−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)エタノンを加える。混合物をRTで4時間撹拌し、その後、濃縮乾固する。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製して、予想生成物に対応する3.8gの液体を得る。
【0060】
B)エチル1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボキシラート
10gの工程A)で得られた化合物を、4.1gの4−クロロアニリンの存在下、45mlの無水エタノールに溶解する。混合物をエタノールの還流点で3日間加熱する。溶媒を蒸発させた後、予想生成物をイソプロパノール/エタノール混合物から結晶化する。12.5gの白色結晶を得る。
【0061】
C)1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸
3.7gの前工程で得られたエステルを180mlのエタノールに溶解する。5gの水酸化ナトリウムペレットを少量ずつ加え、続いて、3mlの水を加える。混合物を24時間還流する。冷却後、粗物質を濃縮し、その後、酢酸エチルに溶解する。有機相を飽和KCO溶液により処理し、その後、10%HCl水溶液により酸性化する。MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した後、2.9gの予想化合物を白色固体の形態で得る。
【0062】
D)1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド
20gの前工程で得られた酸および9.7gの1,1’−カルボニルビス(1H−イミダゾール)を250mlの無水DMFに溶解する。混合物をRTで1時間撹拌し、その後、アンモニアガスを溶液に2時間30分にわたって吹き込む。濃縮後、粗物質をアルミナゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。予想アミドに対応する16.9gの白色固体を得る。
LC/MS:MH=379、rt=9.82(条件A)。
【0063】
E)[1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル]メタンアミニウムクロリド
0℃において、THF中の、前工程で得られた化合物14gの溶液200mlを、無水THF200ml中のLAHの懸濁物に滴下して加える。その後、混合物を60℃から70℃で30分間維持する。冷却後、10mlの水を加える。溶液をろ過し、ろ液を塩酸性エーテルにより酸性にする。濃縮し、オーブン乾燥した後、9.7gの予想化合物を白色固体の形態で得る。
NMR(H):2.1ppm:s:3H;3.9ppm:s:2H;6.55ppm:s:1H;7.05−7.55ppm:m:7H;8.35ppm:s:3H。
LC/MS:MH=364、rt=9.04(条件A)。
【0064】
調製2
[1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル]メタンアミニウムクロリド。MH=364、rt=7.23(条件A)。
【0065】
調製3
[1−(4−メトキシフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル]メタンアミニウム塩酸塩
これらの化合物を、調製1で記載された手順と類似する手順を使用して得る。
【0066】
下記の手順もまた使用することができる。
【0067】
調製4
1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル)メタンアミニウム塩酸塩
この化合物は、工程A、工程B、工程Cおよび工程Dについて上記で記載された手順に従って調製される。最終工程は下記のように行われる。
【0068】
6.5gの1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−カルボキサミドを20mlのTHFに溶解した溶液を還流し、その後、5.3mlのホウ水素化物−ジメチルスルフィド複合体を滴下して加え、還流を48時間続ける。反応液媒体を室温に冷却し、50mlのメタノールを滴下して加える。反応液媒体を蒸発乾固し、34mlの塩化水素エーテル溶液(1N)を滴下して加え、混合物を室温で30分間撹拌する。得られた化合物をろ過し、エーテルにより洗浄する。4.4gの予想化合物を得る。
【実施例1】
【0069】
化合物1
N−((5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
0.9gの調製1の化合物を、0.94mlのトリエチルアミンの存在下、28mlのDCMに溶解する。0.51mlの4−トリフルオロメチルベンゾイルクロリドを加え、混合物をRTで24時間撹拌する。得られた混合物を蒸発乾固し、その後、クロマトグラフィーによって精製して、0.6gの予想化合物を固体形態で得る。
【実施例2】
【0070】
化合物5
3−クロロ−N−((1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル)メチル)ベンゼンスルホンアミド
0.9gの調製2の化合物を、0.74mlのトリエチルアミンの存在下、20mlのDCMに溶解し、0.58mgの3−クロロベンゼンスルホニルクロリドを加え、混合物をRTで20時間撹拌する。反応液媒体をペンタンに注ぐ。予想化合物が析出する。
【実施例3】
【0071】
化合物8
N−((1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル)メチル)−N’−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレア
0.9gの調製2の化合物を、0.51mlのトリエチルアミンの存在下、40mlのDCMに溶解する。0.42mlの3−トリフルオロメチルベンゼンイソシアナートを加え、混合物をRTで20時間撹拌する。得られた混合物をクロマトグラフィーによって精製して、0.9gの予想化合物を固体形態で得る。
【実施例4】
【0072】
−X−=−CO−である式(IA)のいくつかの化合物が、下記に記載されているプロセスに従ってコンビナトリアル化学によって調製される。
【0073】
式(III)の様々なカルボン酸を、3当量のDIPEAの存在下、0.25Mの濃度にDMFに溶解する。これらの溶液の120μlをそれぞれ2mlのウエルに入れ、DMF中、0.25Mの濃度のTBTUの溶液120mlを加える。DMF中式(II)のメチルアミンを0.1Mの濃度で含有する300μlの溶液及び3当量のDIPEAを、各ウエルに加える。プレートをRTで16時間振とうし、その後、蒸発させる。各ウエルにおいて形成された生成物を500μlのEtOAcにより溶解し、その後、400μlの0.1M NaCOを加え、プレートを振とうする。相を静置によって分離させた後、430μlの水相を捨て、その後、300μlの5%NaClを加え、プレートを振とうする。その後、350μlの水相を捨て、20μlをLC/UV/MS分析のために採取し、残りを真空下で蒸発させて、予想化合物を得る。
【実施例5】
【0074】
−X−=−SO−である式(IB)のいくつかの化合物が、下記に記載されるプロセスに従ってコンビナトリアル化学によって調製される。
【0075】
式(II)の様々な化合物を、3当量のDIPEAの存在下、0.1Mの濃度でDMFに溶解する。これらの溶液の300μlをそれぞれ2mlのウエルに入れ、式(IV)の対応するスルホニルクロリドを0.25Mの濃度でTHF中に含有する溶液120μlを加える。プレートをRTで16時間振とうし、その後、蒸発せさる。各ウエルにおいて形成された生成物を、500μlのEtOAcを加えることによって溶解し、400μlの0.1M NaCOを加え、プレートを振とうする。相を静置によって分離させた後、430μlの水相を捨て、300μlの5%NaClを加え、プレートを振とうする。相を静置によって分離させた後、350μlの水相を捨て、20μlをLC/UV/MSによる分析のために採取し、残りを真空下で蒸発させて、予想化合物を得る。
【実施例6】
【0076】
−X−=−CONH−である式(IC)のいくつかの化合物が、下記に記載されるプロセスに従ってコンビナトリアル化学によって調製される。
【0077】
式(II)の様々な化合物を、3当量のDIPEAの存在下、0.1Mの濃度でDMFに溶解する。これらの溶液の300μlを、それぞれ2mlのウエルに入れ、式(IX)の対応するイソシアナート化合物を0.25Mの濃度でTHFに含有する溶液120μlを加える。プレートをRTで16時間振とうする。各ウエルにおいて形成された生成物を、500μlのEtOAcを加えることによって溶解し、400μlの0.1M NaCOを加え、プレートを振とうする。相を静置によって分離させた後、430μlの水相を捨て、300μlの5%NaClを加え、プレートを振とうする。相を静置によって分離させた後、350μlの水相を捨て、20μlをLC/UV/MSによる分析のために採取し、残りを真空下で蒸発させて、予想化合物を得る。
【実施例7】
【0078】
−X−=−CSNH−である式(ID)の化合物が、下記に記載されるプロセスに従ってコンビナトリアル化学によって調製される。
【0079】
式(II)の様々な化合物を、3当量のDIPEAの存在下、0.1Mの濃度でDMFに溶解する。これらの溶液の300μlをそれぞれ2mlのウエルに入れ、式(VIII)の対応するイソチオシアナート化合物を0.25Mの濃度でTHF中に含有する溶液120μlを加える。プレートをRTで16時間振とうする。各ウエルにおいて形成された生成物を、500μlのEtOAcを加えることによって溶解し、400μlの0.1M NaCOを加え、プレートを振とうする。相を静置によって分離させた後、430μlの水相を捨て、300μlの5%NaClを加え、プレートを振とうする。相を静置によって分離させた後、350μlの水相を捨て、20μlをLC/UV/MSによる分析のために採取し、残りを真空下で蒸発させて、予想化合物を得る。
【0080】
上記実施例に従って処理することによって、式IA、式IB、式ICおよび式IDの本発明による化合物(これらは、下記の表I、表II、表IIIおよび表IVにまとめられている。)が調製される。
【0081】
これらの表において、Me、Et、Pr、iPおよびtBuは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基およびtert−ブチル基をそれぞれ示す。
【0082】
【表4】










【0083】
【表5】






【0084】
【表6】







【0085】
【表7】


【0086】
式(I)の化合物は、CBカンナビノイド受容体に対する非常に良好なインビトロ親和性(IC50≦5×10M)を、M.Rinaldi−Carmona et al.(FEBS Letters、1994、350、240−244)によって記載されている実験条件のもとで示す。
【0087】
式(I)の化合物のアンタゴニスト性質は、M.Bouaboula et al.、J.Biol.Chem.、1995、270、13973−13980;M.Rinaldi−Carmona et al.、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1996、278、871−878;および、M.Bouaboula et al.、J.Biol.Chem.、1997、272、22330−22339に記載されているようなアデニル酸シクラーゼの阻害のモデルで得られた結果によって明らかにされた。
【0088】
式(I)の化合物の毒性は医薬品としてのこの使用に適合し得る。
【0089】
従って、本発明の態様の別の態様によれば、本発明の主題は、式(I)の化合物を、または、医薬的に許容される酸とのこの酸付加塩を、あるいは、式(I)の化合物の溶媒和物もしくは水和物を含む医薬品である。
【0090】
従って、本発明による化合物は、CBカンナビノイド受容体が関与する疾患の処置または防止においてヒトまたは動物において使用することができる。
【0091】
例えば、また、非限定的な様式にて、式(I)の化合物は、向精神性医薬品として、特に、不安、うつ病、気分障害、不眠症、せん妄障害、強迫性障害、一般に精神病、統合失調症、多動性小児(MBD)における注意・過活動障害(AHD)を含む精神医学的障害を処置するための向精神性医薬品として有用であり、また同様に、向精神性物質の使用に関連した障害を処置するための向精神性医薬品として、特に物質乱用および/または物質依存症(アルコール依存症およびニコンチン依存症を含む)の場合において有用である。
【0092】
本発明による式(I)の化合物は、片頭痛、ストレス、精神身体起源の疾患、パニック発作、てんかん、運動性障害(具体的には、ジスキネジーまたはパーキンソン病)、震えおよびジストニーを処置するための医薬品として使用することができる。
【0093】
本発明による式(I)の化合物はまた、記憶障害、認知障害の処置における医薬品として、具体的には、老人性認知症およびアルツハイマー病の処置における医薬品として、また同様に、注意障害または意識障害の処置における医薬品として使用することができる。さらに、式(I)の化合物は、虚血、頭部外傷の処置、および、神経変性疾患(舞踏病、ハンティングトン舞踏病およびトゥレット症候群を含む)の処置において神経保護剤として有用である場合がある。
【0094】
本発明による式(I)の化合物は、痛み(神経障害性の痛み、急性末梢痛、炎症性起源の慢性痛)の処置における医薬品として使用することができる。
【0095】
本発明による式(I)の化合物は、食欲障害、欲求障害(糖、炭水化物、薬物、アルコールまたは食欲をそそる任意の物質について)、および/または、摂食行動障害の処置における医薬品として、特に、肥満または過食症の処置のために、また同様に、II型糖尿病またはインスリン非依存性糖尿病の処置のために、また、異常脂質血症およびメタボリック症候群の処置のために使用することができる。従って、本発明による式(I)の化合物は、肥満、および、肥満に関連した危険性(特に、心臓血管の危険性)の処置において有用である。さらに、本発明による式(I)の化合物は、胃腸障害、下痢障害、潰瘍、嘔吐、膀胱および泌尿器の障害、内分泌腺起源の障害、心臓血管障害、低血圧症、出血性ショック、敗血症性ショック、慢性的肝硬変、肝臓脂肪症、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、喘息、レイノー症候群、緑内障、生殖障害、妊娠中絶、早産、炎症性現象、免疫系疾患(具体的には、自己免疫疾患および神経炎症性障害、例えば、リウマチ様関節炎、反応性関節炎、脱髄をもたらす疾患、多発性硬化症)、感染性疾患およびウイルス性疾患(例えば、脳炎など)、卒中の処置における医薬品として、また同様に、抗ガン化学療法のための医薬品として、ギラン・バレー症候群の処置のための医薬品として、また、骨粗鬆症の処置のための医薬品として使用することができる。
【0096】
本発明によれば、式(I)の化合物は、精神病性障害、具体的には、統合失調症、多動性小児(MBD)における注意・過活動障害(AHD)を処置するために、食欲障害および肥満障害を処置するために、II型糖尿病を処置するために、記憶障害および認知障害を処置するために、アルコール依存症およびニコチン依存症を処置するために、すなわち、アルコールからの離脱およびタバコからの離脱のために最も特に有用である。
【0097】
より具体的には、本発明による式(I)の化合物は、食欲障害、代謝性障害、胃腸障害、炎症性現象、免疫系疾患、精神病性障害、アルコール依存症およびニコチン依存症を処置および防止するために有用である。
【0098】
本発明の態様の1つによれば、本発明は、上記で示された障害および疾患を処置するための、式(I)の化合物、この医薬的に許容される塩およびこの溶媒和物または水和物の使用に関する。
【0099】
本発明の態様の別の態様によれば、本発明は、有効成分として本発明による化合物を含む医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物は、本発明による少なくとも1つの化合物、または、前記化合物の医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物の効果的な用量を含有し、少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤もまた含有する。
【0100】
本発明による医薬組成物は、式(I)の化合物と一緒に、上記で示された障害および疾患の処置において有用である1つ(または複数)の他の有効成分を含有し得る。
【0101】
従って、本発明の主題はまた、本発明による式(I)の化合物を、下記の治療剤クラスの1つから選ばれる1つ(または複数)の有効成分との組合せで含有する医薬組成物である。
・アンギオテンシンII AT受容体アンタゴニスト(単独、または、利尿剤との組合せで);
・変換酵素阻害剤(単独、または、利尿剤またはカルシウムアンタゴニストとの組合せで);
・カルシウムアンタゴニスト;
・β遮断剤(単独、または、利尿剤またはカルシウムアンタゴニストとの組合せで);
・抗高脂肪血症剤または抗高コレステロール血症剤;
・抗糖尿病剤;
・別の肥満防止剤;
・ニコチンアゴニストまたは部分ニコチンアゴニスト;
・抗うつ剤または抗精神病剤;
・抗ガン剤または抗増殖剤;
・オピオイドアンタゴニスト;
およびまた、
・アルコール症または離脱症候群の処置において有用な薬剤;
・骨粗鬆症を処置するために有用な薬剤;
・非ステロイド系抗炎症剤またはステロイド系抗炎症剤;
・抗感染症剤;
・鎮痛剤。
【0102】
用語「アンギオテンシンII AT受容体アンタゴニスト」は、カンデサルタン、シレキシチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタンカリウム、オルメサルタンメドキソミル、テルミサルタンまたはバルサルタンなどの化合物を意味する(これらの化合物自体のそれぞれは、利尿剤(例えば、ヒドロクロロチアジドなど)と組み合わされであろう)。
【0103】
用語「変換酵素阻害剤」は、アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラト、ホシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリルまたはゾフェノプリルなどの化合物を意味する(これらの化合物のそれぞれ自体は、利尿剤(例えば、ヒドロクロロチアジドまたはインダパミド)と、または、カルシウムアンタゴニスト(例えば、アムロジピン、ジルチアゼム、フェロジピンまたはベラパミル)と組み合わされであろう)。
【0104】
用語「カルシウムアンタゴニスト」は、アムロジピン、アラニジピン、ベニジピン、ベプリジル、シルニジピン、ジルチアゼム、エホニジピンハイドロクロリドエタノール、ファスジル、フェロジピン、イサラジピン、ラシジピン、塩酸レルカニジピン、マニジピン、塩酸ミベフラジル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、テロジリンまたはベラパミルなどの化合物を意味する。
【0105】
用語「β遮断剤」は、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ブフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブニトロロール、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、クロラノロール、エパノロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、ランジオロール、レボブノロール、レボモプロロール、メピンドロール、ミチプラノロール、メトプロロール、ナドロール、ネビボロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロパノロール、サルメテロール、ソタロール、タリノロール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、エクサモテロールまたはキシベノロールなどの化合物を意味する。
【0106】
用語「抗高脂肪血症剤または抗高コレステロール血症剤」は、フィブラート系薬剤(例えば、アルフィブラート、ベクロブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラートまたはフェノフィブラートなど)から選ばれる化合物;スタチン系薬剤(HMG−CoAレダクターゼ阻害剤)(例えば、アトルバスタチン、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンまたはシムバスタチン)から選ばれる化合物;または、アシピモクス、ニコチン酸アルミニウム、アザコステロール、コレスチラミン、デキストロチロキシン、メグルトール、ニセリトロール、ニコクロナート、ニコチン酸、β−シトステリンまたはチアデノールなどの化合物を意味する。
【0107】
用語「抗糖尿病剤」は、下記のクラスのいずれかに属する化合物を意味する。スルホニルウレア系薬剤、ビグアニジン系薬剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジンジオン系薬剤、メチグリニド系薬剤、例えば、アカルボース、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブゾール、グリミジン、メタヘキサミド、メトホルミン、ミグリトール、ネテグリニド、ピオグリタゾン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トログリタゾンまたはボグリボース、ならびに、インスリンおよびインスリンアナログ。
【0108】
用語「別の肥満防止剤」は、アンフェプラモン、ベンフルオレクス、ベンズフェタミン、インダノレクス、マジンドール、メフェノレクス、メタンフェタミン、D−ノルシュードエフェドリンまたはシブトラミンなどの化合物、リパーゼ阻害剤(オルリスタットまたはセチリスタット)、PPARアゴニスト、ドーパミンアゴニスト、レプチン受容体アゴニスト、セロトニン受容体阻害剤、β−3アゴニスト、CCK−Aアゴニスト、NPY阻害剤、MC4受容体アゴニストまたはボンベシンアゴニストを意味する。
【0109】
用語「オピオイドアンタゴニスト」は、ナルトレキソン、ナロキソンまたはナルメフェンなどの化合物を意味する。
【0110】
用語「アルコール症または離脱症候群の処置において有用な薬剤」は、アカムプロサート、ベンゾジアゼピン系薬剤、β遮断剤、クロニジンおよびカルバマゼピンを意味する。
【0111】
用語「骨粗鬆症を処置するために有用な薬剤」は、例えば、ビスホスホナート系薬剤(例えば、エチドロナート、クロドロナート、チルドロナートまたはリセドロナート)を意味する。
【0112】
本発明による医薬組成物において、賦形剤は、当業者に知られている通常の賦形剤から、薬学的形態および所望される投与形態に従って選ばれる。
【0113】
経口投与、舌下投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、局所投与、局部投与、気管内投与、鼻腔内投与、経皮投与または直腸投与のための本発明の医薬組成物において、上記の式(I)またはこの可能な塩、溶媒和物または水和物の有効成分を、上記の障害または疾患の予防または処置のために、ヒトおよび動物に対して、標準的な医薬用賦形剤との混合物として単位投与形態物で投与することができる。
【0114】
適切な単位投与形態物には、経口経路形態物(例えば、錠剤、ソフトゲルカプセルまたはハードゲルカプセル、粉末剤、顆粒および経口用の溶液または懸濁物)、舌下投与形態物、口内投与形態物、気管内投与形態物、眼内投与形態物および鼻腔内投与形態物、吸入による投与のための形態物、局所投与形態物、経皮投与形態物、皮下投与形態物、筋肉内投与形態物または静脈内投与形態物、直腸投与形態物ならびにインプラントが含まれる。局所適用のために、本発明による化合物は、クリーム、ゲル、ポマードまたはローションで使用することができる。
【0115】
例として、錠剤での本発明による化合物の投与単位形態物は下記の成分を含むことができる。
【0116】
本発明による化合物 : 50.0mg
マンニトール : 223.75mg
ナトリウムクロスカルメロース : 6.0mg
トウモロコシデンプン : 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース : 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム : 3.0mg
【0117】
経口経路を介しては、1日あたりの投与される有効成分の用量は1回以上の投薬摂取において0.01mg/kgから100mg/kg(優先的に0.02mg/kgから50mg/kg)であり得る。
【0118】
これよりも大きい投薬量または少ない投薬量が適切である特定の場合があり得るが、このような投薬量は本発明の関連から逸脱しない。通常的な実施によれば、それぞれの患者に対して適切である投薬量は、投与様式ならびに前記患者の体重および応答に従って医師によって決定される。
【0119】
本発明の態様の別の態様によれば、本発明はまた、本発明による化合物またはこの医薬的に許容される塩または水和物または溶媒和物の効果的な用量を患者に投与することを含む、上記で示された病状を処置するための方法に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物およびまたこの水和物または溶媒和物。
【化1】

[式中、
・Xは、基:
【化2】

を表し;
・Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・Rは、
・非置換であるか、または、ヒドロキシル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基およびトリフルオロメトキシ基から独立して選ばれる1つ以上の置換基で置換されている(C−C12)アルキル基;
・非置換であるか、または、(C−C)アルキル基または(C−C)アルコキシ基で1回以上置換されている(C−C12)非芳香族炭素環基;
・非置換であるか、または、(C−C)アルキル基または(C−C)アルコキシ基で炭素環において1回以上置換されている(C−C)シクロアルキルメチル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジ(C−C)アルキルアミノ基、基S(O)Alk、(C−C)アルキルカルボニル基から、または、フェニル基、1−ピロリル基、イミダゾリル基、ピリジル基またはピラゾリル基(ただし、前記基は非置換であるか、または、(C−C)アルキル基で1回以上置換されている。)から独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基;
・ベンゾジオキソリル基、ジヒドロベンゾフリル基またはジヒドロベンゾジオキシニル基;
・ベンゾジオキソリル基、ジヒドロベンゾフリル基またはジヒドロベンゾジオキシニル基で置換されているメチル基;
・非置換であるか、または、(C−C)アルキル基で1回以上置換されている1,2,3,4−テトラヒドロナフチル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基およびトリフルオロメチル基またはトリフルオロメトキシ基から独立して選ばれる置換基で1回以上フェニルにおいて置換されている、および、α−非置換であるか、または、ピロリル基またはフェノキシ基でα−置換されているベンジル基;
・ベンズヒドリル基またはベンズヒドリルメチル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン、(C−C)アルキル基またはトリフルオロメチル基でフェニルにおいて置換されているフェネチル基;
・チエニル、フリル、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、オキサゾリルおよびイミダゾリルから選ばれる芳香族複素環基(前記芳香族複素環基は、非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基およびトリフルオロメトキシ基から独立して選ばれる1つ以上の置換基で置換されている。);
・チエニル、フリル、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、オキサゾリルおよびイミダゾリルから独立して選ばれる複素環基で置換されているメチル基(ただし、前記複素環基は、非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基およびトリフルオロメチル基から独立して選ばれる1つ以上の置換基で置換されている。);
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、基S(O)Alk、(C−C)アルキルカルボニル基およびフェニル基から独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているインドリル基;
・非置換であるか、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、基S(O)Alk、(C−C)アルキルカルボニル基およびフェニル基から独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているベンゾチアゾリル基;
・1つまたは2つの(C−C)アルキルで置換され、および、フェノキシ基または1−ピロリル基(ただし、前記フェノキシ基または1−ピロリル基は、非置換であるか、または、ハロゲン、(C−C)アルキル基またはトリフルオロメチル基で置換されている。)で置換されているメチル基
を表し;
・Rは(C−C)アルキル基または(C−C)シクロアルキル基を表し;
・Rは、非置換のフェニル基、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基または基S(O)Alkから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基を表し;
・Rは、非置換のフェニル基、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基または基S(O)Alkから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基を表し;
・Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・mは0、1または2を表し;
・Alkは(C−C)アルキル基を表す。]
【請求項2】
・Rが水素原子を表し;
・および/または、Rがメチル基を表し;
・および/または、RおよびRが、互いに独立して、2,4−ジクロロフェニル基および4−クロロフェニル基を表しまたは2,4−ジクロロフェニル基および4−ブロモフェニル基を表しまたは2,4−ジクロロフェニル基および4−メトキシフェニル基を表し;
・Rが水素原子を表し;
・RおよびXが式(I)の化合物について請求項1で定義される通りであり;
・および/または、Rが水素原子を表す、
式(I)の請求項1に記載の化合物およびまたこの水和物または溶媒和物。
【請求項3】
・Rが水素原子を表し;
・Rがメチル基を表し;
・Rが4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基または2,4−ジクロロフェニル基を表し;
・Rが4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基または2,4−ジクロロフェニル基を表し;
・Rが水素原子を表し;
・Xが−CO−基、−SO−基、−CONH−基または−CSNH−基を表し;
・Rが、クロロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、メトキシフェニル基、シアノフェニル基、2−フェニルフェニル基、トリフルオロメチルベンジル基、4−ヘプチル基、シクロヘプチル基、3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、2,2−ジメチル−1(1H−ピロール−1−イル)プロピル基、2−インドリル基、5−メチル−2−トリフルオロメチル−3−フリル基、1−エチル−3−tert−ブチル−5−ピロリル基、フェネチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフチル基および1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフチル基から選ばれる基を表す、
式(I)の請求項1および2に記載の化合物およびまたこの水和物または溶媒和物。
【請求項4】
・N−{[5−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル]メチル}−5−メチル−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−スルホンアミド;
・N−{[1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル]メチル}−3−シアノベンゼンスルホンアミド;
・N−{[1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−メチル−1H−ピロール−3−イル]メチル}−3−メトキシベンゼンスルホンアミド
から選ばれる請求項1に記載の化合物およびまたこの水和物または溶媒和物。
【請求項5】
式:
【化3】

(式中、R、R、R、RおよびRは式(I)の化合物について定義されている通りである。)
の化合物を、
・−X−が−CO−基を表す式(I)の化合物が調製されるときには、式:
HOOC−R (III)
(式中、Rは式(I)の化合物について請求項1で定義される通りである。)
の酸またはこの酸の機能的な誘導体のいずれかにより処理され、
・または、−X−が−SO−基を表す式(I)の化合物が調製されるときには、式:
Hal−SO−R (IV)
(式中、Rは式(I)の化合物について請求項1で定義される通りであり、Halはハロゲン原子を表し、優先的に塩素を表す。)
のスルホニルハリドにより処理され、
・または、−X−が基−CON(R)−を表す式(I)の化合物が調製されるときには、式:
HalCOOAr (V)
(式中、Halはハロゲン原子を表し、Arはフェニル基または4−ニトロフェニル基を表す。)
のハロホルマートにより処理され、
下記の式の中間体化合物:
【化4】

(式中、R、R、R、RおよびRは式(I)の化合物について請求項1で定義される通りである。)
を得、次いで、これを、式:
HN(R)R (VII)
(式中、RおよびRは式(I)の化合物について請求項1で定義される通りである。)
のアミンと反応され、
・または、−X−が−CSNH−を表す式(I)の化合物が調製されるときには、式:
=N=C=S (VIII)
(式中、Rは式(I)の化合物について請求項1で定義される通りである。)
のイソチオシアナートにより処理されることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物を調製するための方法。
【請求項6】
式:
【化5】

[式中、
・Rは水素原子または(C−C)アルキル基を表し;
・Rは(C−C)アルキル基または(C−C)シクロアルキル基を表し;
・Rは、非置換のフェニル基を表し、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基および基S(O)Alkから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基を表し;
・Rは、非置換のフェニル基を表し、または、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル基および基S(O)Alkから独立して選ばれる置換基で1回以上置換されているフェニル基を表し;
・mは0、1または2であり;
・Alkは(C−C)アルキル基を表す。]
の化合物。
【請求項7】
式:
【化6】

(式中、
・RおよびRは、互いに独立して、2,4−ジクロロフェニル基および4−クロロフェニル基を表し、または、2,4−ジクロロフェニル基および4−ブロモフェニル基を表し、または、2,4−ジクロロフェニル基および4−メトキシフェニル基を表す。)
を有する、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含むことを特徴とする医薬品。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはこの化合物の水和物もしくは溶媒和物とおよび少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤とを含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項10】
食欲障害、胃腸障害、炎症性現象、免疫系疾患、精神病性障害、アルコール依存症およびニコチン依存症を処置および防止するための医薬品を調製するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−530187(P2008−530187A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555665(P2007−555665)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000356
【国際公開番号】WO2006/087476
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】