説明

3次元形状計測装置

【課題】外光の存在下においても投影装置からの光出力を増加させることなく対象物の3次元形状を計測することを可能にする。
【解決手段】投影装置1からスリット光が物体Obに投影され、物体Obの表面に形成されるパターンが投影装置2により撮像される。制御回路部3は、投影装置1から光パターンを投影する照射期間と投影しない非照射期間とを設ける。撮像装置2は、電荷の集積と保持とが可能な感光部を備え、画像生成部4は、照射期間に対応する感光部からの受光出力と非照射期間に対応する感光部からの受光出力との差分である反射強度値を画素値とする反射強度画像を生成する。目的画素抽出部5は、反射強度画像において光パターンに対応する画素の位置を抽出する。位置演算部6では、目的画素抽出部5で抽出した画素の位置を用いて対象物の3次元位置を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象空間に光パターンを照射し、対象空間に存在する物体の表面に形成されるパターンの位置に基づいて、三角測量法の原理を用いて物体までの距離を計測することにより、物体の3次元形状を計測するアクティブ型の3次元形状計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、投影装置により点状の光パターンを有したスポット光を一直線上で走査しながら対象空間に照射するか、投影装置により線状の光パターンを有したスリット光を対象空間に照射し、対象空間に存在する物体の表面に光パターンを投影することにより形成されるパターンを撮像した画像を用いて、三角測量法の原理により物体までの距離を計測する光切断法と称する技術が知られている(たとえば、特許文献1、2参照)。
【0003】
パターンの撮像には、ラインイメージセンサやエリアイメージセンサのような撮像素子と、撮像素子の受光面にパターンの像を形成する受光光学系とを備える撮像装置が用いられる。したがって、投影装置からの光パターンの投影方向と、撮像素子におけるパターンに対応する画素位置との関係を用いることにより、物体においてパターンが形成されている位置を特定することができる。このように物体においてパターンが形成されている部位の3次元位置を計測することができるから、光パターンと物体との位置を相対的に変化させることにより、物体の3次元形状の計測が可能になる。
【0004】
三角測量法の原理を用いたアクティブ型の3次元計測装置には、スポット光やスリット光を用いる光切断法のほか、明度が周期的に変化する縞状の光パターンを物体に投影する位相シフト法(縞パターン投影法)、明度が2値である縞状の光パターンを物体に投影する空間コード化法(空間パターンコード化法)なども知られている。これらの縞状の光パターンを用いる技術では、3種類以上の異なる光パターンを物体に投影し、撮像したパターンの位置変化に基づいて物体の3次元形状を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−292121号公報
【特許文献2】特開2008−292434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のような三角測量法の原理を利用したアクティブ型の3次元計測装置では、物体の表面に形成されたパターンのみを撮像すれば物体の3次元形状を計測することができるにもかかわらず、パターンの情報を得るために用いる撮像装置により得られる画像には物体や背景も含まれているから、撮像装置で得られた画像から物体の表面に形成されたパターンを抽出するために、明度が極大になる部位を抽出する処理が必要になる。
【0007】
とくに、太陽光のような外光の存在下においては、投影装置から物体に投影した光パターンと外光とを判別するのが難しく、判別を容易にするために投影装置の光出力を大きくすると消費電力が大きくなるという問題を有していた。
【0008】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、撮像装置で撮像した画像から物体に投影されたパターンを容易に抽出する技術を提供し、外光の存在下においても投影装置からの光出力を増加させることなく物体の3次元形状を計測することを可能にする3次元形状計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、光パターンを対象空間に照射する投影装置と、受光光量に応じた受光出力を発生する複数個の感光部が配列され対象空間を撮像する撮像装置と、投影装置から光パターンを投影する照射期間と投影装置から光パターンを投影しない非照射期間とを設け照射期間と非照射期間とのそれぞれにおいて感光部に受光出力を発生させる制御回路部と、照射期間における各感光部の受光出力と非照射期間における各感光部の受光出力との差分である反射強度値を画素値とする反射強度画像を生成する画像生成部と、画像生成部で生成された反射強度画像に基づいて光パターンに対応する画素の位置を抽出する目的画素抽出部と、目的画素抽出部で抽出した画素の位置を用いて三角測量法の原理により対象空間に存在する物体の3次元位置を算出する位置演算部とを備えることを特徴とする。
【0010】
制御回路部としては、反射強度画像の1フレームの時間内において照射期間と非照射期間とを少なくとも1期間ずつ設けるとともに照射期間と非照射期間とのそれぞれにおいて感光部から受光出力を発生させる構成を採用し、画像生成部としては、照射期間と非照射期間とのそれぞれにおける感光部の受光出力の差分である反射強度値を感光部ごとに求めた反射強度画像を生成する構成を採用することができる。
【0011】
また、制御回路部としては、照射期間と非照射期間とのそれぞれにおいて撮像装置に対象空間を撮像させることにより照射期間と非照射期間との2種類の濃淡画像を撮像装置から出力させる構成を採用し、画像生成部としては、両濃淡画像の差分画像を反射強度画像に用いる構成を採用してもよい。
【0012】
投影装置は、発光源から放射された光を線状の光パターンであるスリット光として対象空間に投影する投光光学系を備える構成を採用することができる。
【0013】
また、この構成において、目的画素抽出部は、画像生成部が生成した反射強度画像の画素において、スリット光の長手方向に沿って並ぶ各列ごとに明度が最大である画素の位置を抽出する構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成によれば、光パターンを対象空間に投影する照射期間と投影しない非照射期間とを設け、かつ照射期間と非照射期間とにおける感光部の受光出力の差分である反射強度値を画素値とする反射強度画像を生成しているから、反射強度画像には対象空間に存在する物体が含まれず、光パターンに対応する画素の明度だけが大きくなる。したがって、太陽光のような外光の存在下であっても外光の影響がほとんど除去され、結果的に光パターンに対応する画素を明度の大きさだけで精度よく抽出することが可能になる。すなわち、外光が存在する場合でも投影装置の光出力を増加させることなく、対象空間に存在する物体の3次元形状を容易に計測することができる。
【0015】
反射強度画像の1フレームの時間内において照射期間と非照射期間とに対応した受光出力を感光部から発生させ、照射期間と非照射期間との各感光部の受光出力の差分を反射強度値とする構成を採用すると、感光部の1回の露光時間が短くなることにより感光部の飽和を防止することができるから、とくに屋外での使用に適したものになる。また、感光部の露光時間が短くなることにより、対象空間に存在する物体が移動している場合でも反射強度画像では物体を除去することが可能になるとともに、物体の位置変化に追従した反射強度画像を得ることが可能になる。
【0016】
一方、照射期間と非照射期間とのそれぞれにおいて撮像装置で撮像した濃淡画像の差分画像を反射強度画像に用いる構成を採用すると、反射強度画像を得るために少なくとも2フレームの濃淡画像が必要になるが、エリアイメージセンサとして広く提供されているCCDイメージセンサやMOSイメージセンサのような撮像素子を備えるTVカメラを撮像装置に用いることが可能になる。すなわち、導入費用の増加を抑制することができる。
【0017】
投影装置からスリット光を投影する構成を採用すると、スリット光の長手方向においては光パターンを走査する必要がないから、比較的簡単な構成で対象空間に存在する物体の3次元形状を計測することが可能になる。
【0018】
さらに、スリット光を投影する場合には、スリット光の長手方向に沿って並ぶ各列ごとに明度が最大である画素の位置を抽出すると、スリット光に対応した画素を簡単な処理で抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上に用いる撮像素子を構成する感光部の動作説明図である。
【図3】同上において投影装置と撮像装置との配置関係を示す側面図である。
【図4】同上において投影装置と撮像装置との配置関係を示す斜視図である。
【図5】同上の投影装置と撮像装置との動作タイミングを示す動作説明図である。
【図6】同上における画像生成部の動作説明図である。
【図7】同上の動作説明図である。
【図8】実施形態2の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施形態1)
以下に説明する実施形態では、図1に示すように、線状の光パターンであるスリット光を投影装置1から対象空間に照射するとともに、投影装置1から対象空間に照射したスリット光により対象空間に存在する物体Obの表面に形成されたパターンを、撮像装置2により撮像する光切断法の技術について本発明の技術を適用する例について説明する。
【0021】
投影装置1は、レーザダイオードや発光ダイオードのような発光源11と、発光源11から放射された光からスリット光を生成する投影光学系12とを備える。投影光学系12は、たとえば、発光源11からの光をビーム状の平行光線束に絞り込むコリメータと、コリメータにより得られた平行光線束を帯状に広げるシリンドリカルレンズとを組み合わせて構成される。投影光学系12の構成は限定する趣旨ではなく、ミラーとの組み合わせなどの各種形状を採用することができる。
【0022】
発光源11から放射する光は赤外線を想定しているが、可視光線あるいは紫外線であってもよい。赤外線を用いれば夜間でも投影装置1の点灯に気付かれることがないから監視カメラなどの目的に適した構成になり、可視光を用いれば人が目で見るときの状態に近い画像を得ることができる。
【0023】
発光源11は、制御回路部3から出力される所定の変調周波数の変調信号により駆動される。変調信号には方形波を用い、変調周波数は10〜100kHzから選択し、デューティ比は50%としてある。したがって、投影装置1は10〜100μsの周期で点灯と消灯とを同じ時間ずつ交互に繰り返すことになる。
【0024】
発光源11が点灯と消灯とを繰り返す周期はごく短時間であるから、発光源11の点灯と消灯とは人の眼では知覚されない。つまり、投影装置1は実際には点灯と消灯とを繰り返しているが、人の目には連続して点灯しているように見えることになる。上述した変調周波数の値は一例であって適宜に設定可能である。
【0025】
一方、撮像装置2は、図2に示す構造の感光部23を複数個配列した撮像素子21を備え、撮像素子21の受光面の前方には物体Obの表面に形成されたパターンの像を撮像素子21の受光面に形成する受光光学系22が配置される。
【0026】
撮像素子21は、1枚の半導体基板に感光部23を縦横に複数個ずつ配列して構成されている。各感光部23は、光の照射により電荷を生成するとともに、生成された電荷を集積する領域のサイズを電気信号により変化させることが可能になっている。すなわち、電荷を集積する領域を広くした状態と狭くした状態との選択が可能であり、電荷を集積する領域を狭くしている間には、領域を広くしている間に集積した電荷を保持する機能を有している。各感光部23に保持された電荷は、後述するように、個々の感光部23の受光出力として撮像素子21から取り出される。
【0027】
このような機能を実現するために、本実施形態の感光部23は、図2に示すように、不純物を添加したシリコン層からなる半導体層31と、半導体層31の主表面の全面に亘って設けたシリコン酸化膜からなる絶縁膜32と、半導体層31に絶縁膜32を介して積層した制御電極33とを備えている。また、1個の感光部23について複数個(図示例では5個)の制御電極33を配列している。以下では、半導体層31の厚み方向の各表面のうち制御電極33を配置している側の表面を主表面と呼ぶ。
【0028】
すなわち、感光部23の構造は、MIS素子として知られた構造に類似しているが、1個の感光部23に1個の制御電極ではなく複数個の制御電極33を備えている点で相違する。絶縁膜32および制御電極33は投影装置1から対象空間に照射される光と同波長の光が透過するように材料が選択されている。半導体層31の導電形は、n形、p形を問わないが、本実施形態では、n形を用いるものとする。したがって、感光部23に集積する電荷は電子eになる。
【0029】
感光部23では、いずれかの制御電極33に電気信号として正の制御電圧+Vを印加すると、半導体層31において制御電圧+Vを印加した制御電極33に対応する部位に、電子eを集積するポテンシャル井戸(空乏層)34が形成される。
【0030】
半導体層31にポテンシャル井戸34が形成された状態で感光部23に光が照射されると、光の照射によりポテンシャル井戸34の近傍で半導体層31に生成された電荷(電子e)の一部はポテンシャル井戸34に捕獲されてポテンシャル井戸34に集積され、残りの電子eは半導体層31の深部での再結合により消滅する。また、ポテンシャル井戸34から離れた場所で生成された電子eも半導体層31の深部での再結合により消滅する。
【0031】
ポテンシャル井戸34は制御電圧を印加した制御電極33の近傍に形成されるから、制御電圧を印加する制御電極33の個数を変化させることにより半導体層31の主表面に沿ったポテンシャル井戸34の面積を変化させることができる。すなわち、ポテンシャル井戸34のサイズを変化させることができる。半導体層31で生成された電荷のうちポテンシャル井戸34に集積される電荷の割合は、ポテンシャル井戸34の面積が大きいほど多くなる。
【0032】
すなわち、受光強度が同じであればポテンシャル井戸34の面積を大きくするほど集積される電荷量が多くなるから、制御電圧+Vを印加する制御電極33の個数を変化させることにより、感光部23の感度を調節することができる。言い換えると、感光部23の感度をポテンシャル井戸34の面積により制御することになる。
【0033】
いま例として、図2(a)のように内側の3個の制御電極33に制御電圧+Vを印加し外側の2個の制御電極33には電圧を印加しない(0V)場合と、図2(b)のように中央の1個の制御電極33に制御電圧+Vを印加し残りの4個の制御電極33には電圧を印加しない(0V)場合とを想定する。両者では、図2(a)の状態のほうがポテンシャル井戸14が受光面に占める面積が大きくなる。したがって、同じ受光強度であれば、図2(a)の状態のほうが図2(b)の状態に比較してポテンシャル井戸34に集積される電荷の割合が多くなり、図2(a)の状態は図2(b)の状態よりも感光部23の感度を高めたことになる。
【0034】
撮像素子21は、たとえば、1枚の半導体基板の主平面に規定した2次元正方格子の格子点上に、それぞれ感光部23を配置して構成したイメージセンサであり、たとえば100個×100個の感光部23をマトリクス状に配列した構成を有している。この撮像素子21において感光部23に保持された電荷をポテンシャル井戸34から取り出すには、CCDイメージセンサと同様の技術を採用する。
【0035】
すなわち、1個の感光部23では制御電極33を垂直方向に配列してあり、垂直方向に並ぶ感光部23の各列は一体に連続する半導体層31を共用する。このように、制御電極33を垂直方向に並設することにより、半導体層31を垂直方向への電荷の転送経路として用いることが可能になっている。垂直方向に並ぶ感光部23を形成している半導体層31の一端には、半導体層31から電荷を受け取り水平方向に電荷を転送する水平転送レジスタが設けられ、各列の感光部23から水平転送レジスタに電荷を引き渡し、水平転送レジスタが水平方向に電荷を転送することにより、各感光部23に保持した電荷を撮像素子21の外部に取り出すことができる。
【0036】
要するに、この構成では、制御電極33は、フレーム転送(FT)方式のCCDイメージセンサに類似した配列になり、各制御電極33への制御電圧の印加パターン(制御電極33の位置と印加する電圧との関係)を、フレーム転送方式のCCDイメージセンサと同様に制御することにより、ポテンシャル井戸34に保持された電荷を垂直方向(1個の感光部23における制御電極23が並ぶ方向)に転送し、水平転送レジスタ(図示せず)に電荷を引き渡した後、電荷を水平転送レジスタで水平方向に転送し、各感光部23の受光出力として撮像素子21の外部に取り出すことができる。
【0037】
上述したように、制御電極33への制御電圧の印加パターンを制御することによって電荷を転送するから、感光部23に電荷を集積する集積期間とは異なる取出期間において感光部23の電荷を取り出すことができるように制御電極33に印加する制御電圧を制御すればよく、半導体層31は電荷の生成と集積、電荷の保持、電荷の転送とに兼用されることになる。すなわち、制御電極33への制御電圧の印加パターンと、印加パターンを変化させるタイミングとを制御することにより、感光部23に電荷を集積する集積期間と、感光部23に電荷を蓄積する蓄積期間と、感光部23に蓄積した電荷を撮像素子21から取り出す取出期間とを制御することができる。
【0038】
感光部23に保持された電荷を撮像素子21から取り出す技術としては、垂直方向に並ぶ感光部23の列ごとに垂直転送レジスタを隣接して配置し、各感光部23の電荷を垂直転送レジスタに引き渡した後に垂直方向に転送し、垂直転送レジスタから水平転送レジスタに引き渡す構成を採用してもよい。この構成では、インターライン転送(IT)方式のCCDイメージセンサと同様の制御によって各感光部23の受光出力を撮像素子21から取り出すことができる。
【0039】
撮像装置2では、受光光学系22を通して撮像素子21で対象空間を撮像するから、撮像素子21において感光部23を配列した2次元平面に、対象空間である3次元空間がマッピングされる。したがって、撮像素子21から受光光学系22を通して見る視野内に存在する物体Obは感光部23に対応付けられる。
【0040】
図3に示すように、投影装置1と撮像装置2とは、互いの光軸Ax1,Ax2が同一面内で所定の角度φをなすように配置される。図示例では、投影装置1を物体Obの正面に配置し、物体Obにスリット光を投影することにより形成されたパターンを撮像装置2によって斜め方向から撮像するように配置してあり、投影装置1の光軸Ax1の方向における距離Lを計測する構成を採用している。ただし、撮像装置2を物体Obの正面に配置し、投影装置2からのスリット光を物体Obに対して斜め方向から投影する配置としてもよい。この場合は、撮像装置2の光軸Ax2の方向における距離を計測することになる。
【0041】
いま、図3の配置を採用し、スリット光の長手方向をx方向、撮像素子21の受光面においてx方向に直交する方向をy方向とし、受光面と光軸Ax2との交点(受光面の中心とする)を原点とする座標系を規定する。この場合、投影装置1の基準点(投影光学系12の中心)と投光装置2の基準点(受光光学系22の中心)との距離を基線長dとし、投影装置1の光軸Ax1と撮像装置2の光軸Ax2とがなす角度をφ、物体Obにスリット光を投影することにより撮像素子21の受光面に形成されたパターンの像のy座標(画素単位)をy1、受光光学系21の焦点距離(画素単位)をfとすると、近似的には以下の関係が成立する。なお、(画素単位)は、画素数を単位として表した長さを意味する。
L=d/tanθ …(1)
ただし、θ=tan−1(y1/f)+φ
すなわち、撮像素子21の受光面上でのy座標を求めると、投影装置1から物体Obの表面までの距離Lを算出することができる。
【0042】
x方向はスリット光の長手方向であるから、物体Obの表面におけるx方向における光軸Ax2からの距離Lxは、撮像素子21の受光面におけるx座標(画素単位)をx1とすると、近似的には以下の関係で表される。
Lx=(x1/f)・L …(2)
ここで、座標x1から受光光学系22の中心を見込む直線が受光光学系22の光軸Ax2となす角度をψとすれば、x1=f・tanψと近似することができる。
【0043】
角度φと基線長dと焦点距離fとは既知であるから、撮像素子21の受光面においてスリット光の像が形成されている画素の座標位置(x1,y1)が決まれば、(1)(2)式を用いて物体Obの表面においてスリット光が投影されている位置(L,Lx)を求めることができる。
【0044】
いま、図4に示すように、投影光学系12の中心を原点とし、スリット光の長手方向をX方向とし、投影光学系12の光軸Ax1の方向をZ方向とする直交座標系を規定するとすれば、X=Lx、Y=0、Z=Lであるから、この直交座標系における座標位置を撮像素子21の受光面に形成されたパターンの像の位置から求めることができる。すなわち、物体Obにスリット光を投影することにより撮像素子21の受光面に形成されたパターンの座標により、スリット光が投影されている部位の物体Obの表面の3次元の座標(X,Y,Z)を算出することができる。
【0045】
上述のように、物体Obの表面の3次元の座標(X,Y,Z)を求めるには、物体Obにスリット光を投影することにより撮像素子21の受光面に形成されるパターンの像の位置を抽出必要がある。しかしながら、撮像装置2の受光出力には、背景の成分が含まれているから、外光の条件によってはパターンの像と背景との区別が困難になることがある。すなわち、物体Obの表面の3次元形状の計測が困難になることがある。
【0046】
以下では、物体Obの表面の3次元形状の計測を容易にするための構成について説明する。本実施形態では、投影装置1と撮像装置2とを、制御回路部3から出力されるタイミング信号により同期して動作するように制御している。
【0047】
投影装置1は、図5(a)に示すように、光パターンを照射する照射期間Taと、光パターンを照射しない非照射期間Tbとが生じるように、制御回路部3から出力される変調信号により制御される。投影装置1を駆動する変調信号のデューティ比は上述のように50%であるから、照射期間Taと非照射期間Tbとは等しくなっている。投影装置1から対象空間に照射され物体Obで反射された光は、図5(b)のように、物体Obまでの距離に応じた遅れ時間Tdで感光部23に入射する。ただし、遅れ時間Tdは点灯期間Taおよび消灯期間Tbに比較すると通常はごく短時間であるから無視することができる。
【0048】
制御回路部3は、制御電極33に印加する制御電圧を制御し、投影装置1の照射期間Taに感光部23に形成するポテンシャル井戸34の面積を大きくすることによって電荷を集積し、また、非照射期間Tbに感光部23に形成するポテンシャル井戸34の面積を大きくすることによって電荷を集積する。制御回路部3は、照射期間Taと非照射期間Tbとに感光部23で集積した電荷を、それぞれ各受光部23の受光出力として撮像素子21から取り出すように、制御電極33に印加する制御電圧の印加パターンを制御する。
【0049】
すなわち、照射期間Taに感光部23を高感度にした状態で感光部23に集積した電荷を撮像素子21から受光出力として取り出す状態と、非照射期間Tbに感光部23を高感度にした状態で感光部23に集積した電荷を撮像素子21から受光出力として取り出す状態とを繰り返すように、制御回路部3により制御電極33への制御電圧の印加パターンを制御する。
【0050】
撮像素子21から取り出された受光出力は、画像生成部4に与えられる。画像生成部4は、照射期間Taの受光出力と非照射期間Tbの受光出力との差分(言い換えれば、投影装置1から対象空間へ光パターンを照射していないときの各感光部23の受光出力と発光源11から対象空間へ光パターンを照射しているときの各感光部23の受光出力との差分)である反射強度値を各感光部23ごとの画素値とする反射強度画像を生成する。
【0051】
以下では説明を簡単にするために、図5(b)のように、1回の照射期間Taに対する受光出力Aaと、1回の非照射期間Tbに対する受光出力Abとを用いる。いま、図6に示すように、環境光に対応する受光出力Eが時間経過に伴って変化しているものとする。環境光に対応する受光出力Eは投影装置1の非照射期間Tbにおける感光部23の受光出力Abに相当する。一方、照射期間Taにおける受光出力Aaは光パターンの反射光成分により受光出力Abよりも大きくなる。
【0052】
このように、投影装置1が対象空間に対して光パターンを照射する状態と照射しない状態とを繰り返すことにより、照射期間Taには撮像素子21の受光出力Aaが非照射期間Tbの受光出力Ab(つまり、環境光Eに対する受光出力)よりも大きくなる。したがって、各感光部23について見れば、投影装置1から対象空間に光パターンを照射したときの受光出力Aaは、光パターンを照射しないときの受光出力Abよりも上の部分であるから、照射期間Taの受光出力Aaと非照射期間Tbの受光出力Abとの差分(Aa−Ab)を求めることにより、環境光の影響を除去して投影装置1から対象空間に照射された光パターンに対応する成分のみを抽出することができる。
【0053】
各感光部23ごとに差分(Aa−Ab)を求めて、各感光部23の位置に対応付けることにより、差分(Aa−Ab)を画素値とする画像が得られる。この画像の画素値は、外光成分が除去(ないし低減)されており、光パターンの反射強度に相当するから、本実施形態では反射強度値と呼んでおり、反射強度値を画素値に持つ画像を反射強度画像と呼んでいる。このような反射強度画像は、外光成分が除去されているから、一定の照明条件の下での物体Obの濃淡画像ということができ、たとえば画像に基づく顔認証を行う場合のように、物体Obの特徴量を画像から抽出する用途において利便性が高くなる。
【0054】
なお、反射強度値は、隣接した照射期間Taの受光出力Aaと非照射期間Tbの受光出力Abとから求めており(図示例では照射期間Taとその直後の非照射期間Tbとにおける受光出力Aa,Abを用いている)、反射強度値としての差分(Aa−Ab)を求める照射期間Taと非照射期間Tbとを合わせた程度の期間では、環境光の受光強度は実質的な変化がないものとして扱っている。
【0055】
ところで、上述した構成では、感光部23を電荷の生成と集積と保持と転送とに兼用しているから、ポテンシャル井戸34の面積を小さくして感光部23が低感度になるように制御電極33に制御電圧を印加している期間やポテンシャル井戸34に保持した電荷を転送している期間であっても、感光部23に光が入射しているとポテンシャル井戸34に電荷が集積される。
【0056】
したがって、感光部23を高感度に設定することにより生成した電荷には、他の期間に生成された電荷が混入する。ただし、ポテンシャル井戸34に電荷を保持したり電荷を転送したりしている期間には、感光部23は低感度であってポテンシャル井戸34の面積が小さくなっているから不要な電荷の混入量は比較的少ない。なお、照射期間Taの電荷と非照射期間Tbの電荷とをそれぞれポテンシャル井戸34に保持している期間において混入する不要な電荷に対応する成分は、差分を求める際に環境光に対応する成分とともに除去される。
【0057】
図2(b)のように、感光部23を低感度にしている間に形成したポテンシャル井戸34に保持している電荷への他の電荷の混入を抑制するには、この期間において制御電圧を印加する制御電極33の近傍を遮光膜で覆う構成を採用してもよい。また、上述したように、照射期間Taと非照射期間Tbとの全期間に亘って感光部23を高感度に維持しておく必要はなく、照射期間Taと非照射期間Tbとの一部期間において感光部23を高感度にする期間を設ければよいから、物体Obまで距離が既知である場合には、物体Obまでの距離に応じた遅れ時間Tdを考慮し、投影装置1が光パターンの照射を開始するか照射を停止するタイミングから遅れ時間Tdが経過した後に感光部23を高感度にして感光部23に電荷を集積してもよい。この場合、感光部23において集積される電荷の量は、図5に示した制御を行う場合に比較すると、遅れ時間Tdに相当する分だけ少なくなるが、照射期間Taと非照射期間Tbとにおける受光光量を正確に反映した受光出力Aa,Abが得られるから、環境光の影響をより確実に除去できる。
【0058】
また、受光出力は、照射期間Taの全期間と非照射期間Tbの全期間とのそれぞれについて集積した電荷を用いなくてもよく、照射期間Taの一部期間と非照射期間Tbの一部期間とのそれぞれについて集積した電荷を用いるようにしてもよい。この場合、電荷を集積する期間を等しくしておけば、照射期間Taと非照射期間Tbとのデューティを50%以外とすることができるとともに、受光出力における遅れ時間Tdの影響による誤差を除去することができる。
【0059】
上述の構成では、照射期間Taと非照射期間Tbとは短時間であって、1回の照射期間Taあるいは非照射期間Tbでは画像生成部4において反射強度画像を生成するのに必要な大きさの受光出力を得ることが難しい場合もある。このような場合には、照射期間Taと非照射期間Tbとをそれぞれ複数回ずつ設け、複数回の照射期間Taないし非照射期間Tbにおいて感光部23のポテンシャル井戸34に集積した電荷を、照射期間Taないし非照射期間Tbの受光出力に用いるようにしてもよい。要するに、複数回の照射期間Taあるいは非照射期間Tbにおいて、感光部23を高感度にする状態と低感度にする状態とを繰り返し、複数回の照射期間Taあるいは非照射期間Tbにおいて電荷を蓄積し、その後、撮像素子21から受光出力を取り出すようにしてもよい。
【0060】
ところで、図7(a)のように、撮像装置2の視野に物体Obが存在している場合を想定する。ここで、図7(b)のように、投影装置1から物体Obに対してスリット光を照射すると、物体Obの表面にはスリット光によるパターンPが形成される。非照射期間Tbの受光出力は図7(a)のようになり、照射期間Taの受光出力は図7(b)のようになるから、画像生成部4により反射強度画像を生成すると、図5(c)のように、パターンPのみが抽出される。すなわち、パターンPに対応しない画素については、反射強度画像では画素値が0(もしくは、ほぼ0)になり、パターンPに対応する画素についてのみ比較的大きい画素値が得られることになる。
【0061】
画像生成部4で生成された反射強度画像は目的画素抽出部5に入力される。目的画素抽出部5では、反射強度画像において明度の大きい画素のうちスリット光に対応する画素を抽出する。
【0062】
ところで、反射強度画像では、スリット光に対応する画素以外の画素値は理想的には0になるが、スリット光に対応する画素ではなくとも外光の変化などにより画素値が0ではない画素が生じることがある。そこで、目的画素抽出部5では、適宜の閾値を用いて反射強度画像の明度に対する2値化を行った後に8近傍の画素(着目画素を囲む8個の画素)について連結成分を抽出し、連結成分に含まれる画素数が規定の範囲内であるときに、スリット光に対応したパターンの像であると判断する。また、他の連結成分は破棄する。
【0063】
さらに、細線化処理により各連結成分の長手方向に沿った中心線を抽出し、当該中心線上の画素をスリット光の投影により形成されたパターンに対応する画素として用いる。ここに、中心線を抽出することにより、Y方向における面の傾きによるパターンの幅の広がりの影響を受けずに、物体Obの表面においてスリット光が投影されている部位を特定することが可能になる。
【0064】
上述した目的画素抽出部5の処理は一例であって、物体Obの表面においてスリット光が投影されている部位と、撮像素子21においてパターンの像が形成される部位とを対応付けることができればよい。たとえば、反射強度画像の画素において、スリット光の長手方向(つまり、X方向)に沿って並ぶ各列(つまり、Y方向の一直線上に並ぶ画素の列)ごとに、明度が最大である画素の位置(x,y)を抽出してもよい。また、微分演算によりx方向において明度が極大となる画素をy方向の各位置ごとに求めるとともに孤立点を除去し、さらに濃度勾配の方向が所定方向である画素のみを抽出するとともに、抽出した画素を濃度勾配の方向に交差する方向に追跡することにより、パターンの像に対応する画素を抽出するようにしてもよい。
【0065】
目的画素抽出部5においてパターンの像に対応する画素の座標(x,y)は位置演算部6に入力され、位置演算部6では、上述した(1)(2)式を適用することにより、物体Obの表面の3次元の座標(X,Y,Z)を算出する。
【0066】
上述の動作は、物体Obの定位置にスリット光を投影している状態であるが、物体Obの全体について3次元形状を計測するには、スリット光の長手方向に交差する方向において、物体Obとスリット光との位置を相対的に移動させる必要がある。
【0067】
たとえば、生産ラインにおいて物体Obがコンベアにより搬送される場合には、スリット光を定位置に投影しておき、物体Obがスリット光を通過するときの3次元の座標(X,Y,Z)を算出する。また、静止している物体Obに対しては、スリット光の長手方向に直交する方向に、投影装置1と撮像装置2とを物体Obに対して移動させる構成を採用することができる。また、静止している物体Obに対して、スリット光の長手方向に直交する方向にスリット光を走査する構成を採用してもよい。
【0068】
上述したように、物体Obに対してスリット光を投影する照射期間Taと、物体Obに対してスリット光を投影しない非照射期間Tbとを設け、照射期間Taに対応した撮像素子21の受光出力と非照射期間Tbに対応した撮像素子21の受光出力との差分から反射強度画像を生成し、反射強度画像からスリット光に対応する像の画素の座標(x,y)を抽出するから、スリット光の投影により形成されたパターンを背景から分離することができ、とくに外光の存在下においても、投影装置1の光出力を増加させたりすることなく、パターンのみを容易に抽出することができ、結果的に対象物の3次元形状を精度よくかつ容易に計測することが可能になる。
【0069】
なお、電荷を集積する領域のサイズを変化させる構成には、上述したように複数個の制御電極33を設ける構成のほか、1個の制御電極33からの距離に応じて半導体層31の不純物濃度に変化を持たせる構成を採用することも可能である。たとえば、制御電極33の直下の不純物濃度を周囲よりも高くすることにより、制御電極33に印加する制御電圧が低い状態で電荷を保持できるようにし、制御電圧を高くすると不純物濃度が低い領域にポテンシャル井戸を形成して電荷の集積を可能にする構成を採用することも可能である。
【0070】
(実施形態2)
実施形態1の構成では、感度調節が可能な感光部23を用いるとともに、投影装置1に設けた発光源11の変調周波数を10〜100kHzとし、1フレーム(30分の1秒ないし60分の1秒)の時間内において照射期間Taと非照射期間Tbとを複数回設けているが、本実施形態では、撮像装置2において、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサのようなエリアイメージセンサからなる撮像素子21を用いる。撮像素子21は濃淡画像を出力する構成であれば、モノクロ画像かカラー画像かは問わない。
【0071】
本実施形態で用いる撮像素子21は、実施形態1の撮像素子21と同様に感光部がマトリクス状に配列されているが、各感光部では感度の調節は行わず、各感光部の受光光量に応じた画素値を出力するものであり、1フレームの時間内において、照射期間Taと非照射期間Tbとを設けることはできない。
【0072】
したがって、撮像装置21は、撮像毎に画像生成部4に濃淡画像を出力するように制御回路部3により動作が制御される。濃淡画像の撮像は、照射期間Taと非照射期間Tbとに同期させているが、図8に示すように、撮像期間Tcの長さは照射期間Taおよび非照射期間Tbよりも短く設定してある。撮像装置2は、撮像期間Tcに撮像した濃淡画像を、照射期間Taあるいは非照射期間Tbと撮像期間Tcとの差分の期間において画像生成部4に出力する。
【0073】
したがって、撮像装置2からは、照射期間Taに撮像した濃淡画像と、非照射期間Tbに撮像した濃淡画像との2種類の濃淡画像が出力される。ここで、両濃淡画像を撮像した露光時間は等しく、両濃淡画像を撮像した時間差は十分に短く、両濃淡画像を撮像した時間内では外光が変化していないものとする。
【0074】
両濃淡画像は画像生成部4に入力され、画像生成部4において、両濃淡画像の反射強度画像(同位置の画素の画素値の差分値を画素値とする画像)が生成される。すなわち、画像生成部4は、照射期間Taに撮像した濃淡画像と非照射期間Tbに撮像した濃淡画像との少なくとも一方を記憶する記憶部(図示せず)と、両濃淡画像の反射強度画像を生成する演算部(図示せず)とを備えている。
【0075】
反射強度画像から目的画像抽出部5においてパターンを抽出し、さらに位置演算部6において物体Obの3次元の座標を求める処理は、実施形態1と同様である。
【0076】
上述したように、本実施形態では、物体Obに対してスリット光を投影する照射期間Taと、物体Obに対してスリット光を投影しない非照射期間Tbとを設け、照射期間Taに撮像した濃淡画像と非照射期間Tbに撮像した濃淡画像との差分画像を反射強度画像とし、反射強度画像からスリット光に対応する像の画素の座標(x,y)を抽出するから、実施形態1と同様に、スリット光の投影により形成されたパターンを背景から分離することができる。しかも、実施形態1のように感度調節が可能な感光部23を用いるのではなく、CCDイメージセンサやMOSイメージセンサのように、感光部で生成された電荷を転送するだけであって、感度の制御が不要であり制御が容易である。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0077】
なお、投影装置1としては、線状の光パターンであるスリット光を投影する構成ではなく、点状の光パターンであるスポット光をポリゴンミラーや振動ミラーにより一直線上で走査する構成を採用することも可能である。また、光切断法ではなく位相シフト法や空間コード化法であっても本発明の技術思想は適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 投影装置
2 撮像装置
3 制御回路部
4 画像生成部
5 目的画素抽出部
6 位置演算部
Ob 物体
Ta 照射期間
Tb 非照射期間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光パターンを対象空間に照射する投影装置と、受光光量に応じた受光出力を発生する複数個の感光部が配列され対象空間を撮像する撮像装置と、投影装置から光パターンを投影する照射期間と投影装置から光パターンを投影しない非照射期間とを設け照射期間と非照射期間とのそれぞれにおいて感光部に受光出力を発生させる制御回路部と、照射期間における各感光部の受光出力と非照射期間における各感光部の受光出力との差分である反射強度値を画素値とする反射強度画像を生成する画像生成部と、画像生成部で生成された反射強度画像に基づいて光パターンに対応する画素の位置を抽出する目的画素抽出部と、目的画素抽出部で抽出した画素の位置を用いて三角測量法の原理により対象空間に存在する物体の3次元位置を算出する位置演算部とを備えることを特徴とする3次元形状計測装置。
【請求項2】
前記制御回路部は、反射強度画像の1フレームの時間内において照射期間と非照射期間とを少なくとも1期間ずつ設けるとともに照射期間と非照射期間とのそれぞれにおいて前記感光部から受光出力を発生させ、前記画像生成部は、照射期間と非照射期間とのそれぞれにおける感光部の受光出力の差分である反射強度値を感光部ごとに求めた反射強度画像を生成することを特徴とする請求項1記載の3次元形状計測装置。
【請求項3】
前記制御回路部は、照射期間と非照射期間とのそれぞれにおいて前記撮像装置に対象空間を撮像させることにより照射期間と非照射期間との2種類の濃淡画像を撮像装置から出力させ、前記画像生成部は、両濃淡画像の差分画像を反射強度画像に用いることを特徴とする請求項1記載の3次元形状計測装置。
【請求項4】
前記投影装置は、発光源から放射された光を線状の光パターンであるスリット光として対象空間に投影する投光光学系を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の3次元形状計測装置。
【請求項5】
前記目的画素抽出部は、前記画像生成部が生成した反射強度画像の画素において、前記スリット光の長手方向に沿って並ぶ各列ごとに明度が最大である画素の位置を抽出することを特徴とする請求項4記載の3次元形状計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−80965(P2011−80965A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235651(P2009−235651)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】