AVシステム
【課題】趣向性を向上する。
【解決手段】GPS算出部16は、現在地の位置データを算出する。CPU3は、現在地が含まれる分割エリアを選定し、現在地が含まれるLMエリアを選定する。操作部5の目的地設定ボタンを操作して、目的地を設定すると、ルート検索部8は、現在地から目的地までの走行ルートを検索し、CPU3は、LCD6に現在地から目的地までの走行ルートを表示する。CPU3は、走行ルートを表示した後、現在地の関連楽曲セクションに記憶された楽曲の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流す。シナリオ生成装置9は、CPU3で再生する楽曲の特徴量を解析し、解析結果に基づいて、シナリオを生成する。CPU3は、現在地の画像データを、LCD6に表示するとともに、シナリオに基づいて、画像の切り換え及びズームイン/ズームアウトを行う。
【解決手段】GPS算出部16は、現在地の位置データを算出する。CPU3は、現在地が含まれる分割エリアを選定し、現在地が含まれるLMエリアを選定する。操作部5の目的地設定ボタンを操作して、目的地を設定すると、ルート検索部8は、現在地から目的地までの走行ルートを検索し、CPU3は、LCD6に現在地から目的地までの走行ルートを表示する。CPU3は、走行ルートを表示した後、現在地の関連楽曲セクションに記憶された楽曲の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流す。シナリオ生成装置9は、CPU3で再生する楽曲の特徴量を解析し、解析結果に基づいて、シナリオを生成する。CPU3は、現在地の画像データを、LCD6に表示するとともに、シナリオに基づいて、画像の切り換え及びズームイン/ズームアウトを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲を再生するとともに画像を再生するAVシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)測位システムを利用して現在地の位置データを取得し、この位置データに基づいて目的地までの走行ルートを検索して表示するナビゲーションシステムを、自動車に搭載することが一般的になってきている。GPS測位システムは、地球を周回している24個のGPS衛星のうち4個以上のGPS衛星からの電波をアンテナで受信し、この受信した電波に基づき、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出する(4個以上のGPS衛星からの距離を同時に知ることにより現在地を算出する)。
【0003】
このようなナビゲーションシステムは、画像を表示するLCDと、音楽を再生するオーディオ装置(例えば、CD及びDVDを再生可能なDVDプレーヤ)とを備えており、LCDには走行ルートが表示され、DVDプレーヤでは音楽が再生される。ユーザは、気に入ったCDをDVDプレーヤにセットして再生することにより、自動車でのドライブを快適に過ごすことができる。また、DVDプレーヤでDVDを再生し、LCDにDVD画像を再生表示した場合には、走行時にはDVD画像を表示し、走行ルート上で道路を曲がるとき等の主要ポイントの周辺では、DVDを一時停止させて、走行ルートを表示する。
【0004】
DVDプレーヤ等のデジタル機器では、音楽をデジタル再生しており、このようなデジタル音源を利用して、様々な提案がされており、特許文献1では、音楽信号を標本化して取り込み、取り込んだ信号より楽曲の基準となる小節時間長を算出し、算出した小節時間長と楽曲の拍子数とから楽曲のテンポを算出する自動採譜装置等に用いられるテンポ抽出装置が提案されている。
【0005】
また、近年では、自動車での走行時の趣向性を向上するために、様々な提案がされており、特許文献2では、音楽情報データベース内の音楽情報と、画像情報データベース内の画像情報とを照合して、音楽の再生と画像情報の再生とを同時に行う車載用のオーディオシステムが提案されている。
【特許文献1】特開平5−027751号公報
【特許文献2】特開2005−339698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2では、複数の画像情報の再生を行ったときにも、表示する画像情報を切り換えることには言及しておらず、同一の画像情報を表示し続けるため、趣向性が低いという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、趣向性を向上することができるAVシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のAVシステムは、楽曲データを再生する楽曲再生装置と;前記楽曲再生装置で再生する楽曲データを入力する楽曲入力手段と;画像データを表示する画像表示装置と;を備えたAVシステムであって、施設の位置を含む施設データを有する画像データを記憶する画像データ記憶手段と;前記楽曲入力手段により入力された楽曲データの特徴を解析する解析手段と;前記解析手段での解析結果に基づいて、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記画像表示装置に表示する制御を行う制御手段と;を備えたことを特徴とする。
【0009】
なお、本発明のAVシステムは、自動車に搭載されるカーナビゲーションシステムや、携帯電話等の移動するものに実施することが好ましい。また、前記地図データとしては、世界地図、日本地図、関東地方地図、関西地方地図等の地図データが挙げられる。さらに、前記施設としては、遊園地、遊園地内の観覧車やジェットコースター、町、市等が挙げられる。
【0010】
また、現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と;施設の位置を含む施設データを有する地図データから、前記位置データ取得手段で取得した位置データを含む施設データを検索する現在地施設データ検索手段と;前記画像データ記憶手段から、前記現在地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する現在地画像データ検索手段と;を備え、前記制御手段は、前記現在地画像データ検索手段で検索された画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことが好ましい。
【0011】
さらに、前記施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、前記楽曲入力手段は、前記現在地施設データ検索手段で検索された施設データに関連付けられた楽曲データを、前記楽曲データ記憶手段から選択して入力することが好ましい。
【0012】
また、現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と;目的地を設定する設定手段と;現在地から前記設定手段で設定された目的地までの走行ルートを検索するルート検索手段と;施設の位置を含む施設データを有する地図データから、前記設定手段で設定された目的地の位置データを含む施設データを検索する目的地施設データ検索手段と;前記画像データ記憶手段から、前記目的地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する目的地画像データ検索手段と;を備え、前記制御手段は、前記目的地画像データ検索手段で検索された画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことが好ましい。
【0013】
さらに、前記施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、前記楽曲入力手段は、前記設定手段で設定された目的地の施設データに関連付けられた楽曲データを、前記楽曲データ記憶手段から選択して入力することが好ましい。
【0014】
また、前記解析手段は、解析結果に基づいて、前記画像表示装置に表示する画像データのシナリオを生成し、前記制御手段は、前記シナリオに基づいて、画像データを前記画像表示装置に表示する制御を行うことが好ましい。
【0015】
なお、前記シナリオとしては、所定の範囲を1構成として区切り、1構成毎に前記画像表示装置に表示する画像データを切り換えるようなシナリオ、テンポの変わり目で前記画像表示装置に表示する画像データを切り換えるようなシナリオ、楽曲のアクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオ、楽曲の拍に合わせて画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオ等が挙げられる。また、前記所定の範囲を1構成として区切る方法としては、拍の頭から8拍を1構成として区切る、テンポの変わり目で構成を区切り1構成とする、Aメロ,Bメロ,サビの各部分を1構成として区切る、所定の閾値以上のテンポの楽曲に対しては4拍を1構成として区切るとともに、所定の閾値以上のテンポの楽曲に対しては8拍を1構成として区切る等が挙げられる、なお、Aメロ,Bメロ,サビの部分を1構成として区切る場合には、予め楽曲データに1構成の長さを示すデータを記憶しておく。
【0016】
さらに、前記地図データを記憶する地図データ記憶手段を備えることが好ましい。また、前記制御手段は、前記目的地の施設内に位置する他の施設の施設データを有する画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のAVシステムによれば、楽曲データを再生する楽曲再生装置と;楽曲再生装置で再生する楽曲データを入力する楽曲入力手段と;画像データを表示する画像表示装置と;施設の位置を含む施設データを有する画像データを記憶する画像データ記憶手段と;楽曲入力手段により入力された楽曲データの特徴を解析する解析手段と;解析手段での解析結果に基づいて、画像データ記憶手段に記憶された画像データを画像表示装置に表示する制御を行う制御手段と;を備えたから、画像データを、再生する楽曲データの特徴に基づいて画像表示装置に表示すことができるため、画像の表示に係る趣向性を向上することができる。
【0018】
また、現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と;施設の位置を含む施設データを有する地図データから、位置データ取得手段で取得した位置データを含む施設データを検索する現在地施設データ検索手段と;画像データ記憶手段から、現在地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する現在地画像データ検索手段と;を備え、制御手段は、現在地画像データ検索手段で検索された画像データを、画像表示装置に表示する制御を行うから、ユーザは、再生されている画像を確認するだけで、現在地を把握することができる。
【0019】
さらに、施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、楽曲入力手段は、現在地施設データ検索手段で検索された施設データに関連付けられた楽曲データを、楽曲データ記憶手段から選択して入力するから、楽曲の再生に係る趣向性を向上することができ、さらには、ユーザは、再生されている楽曲を確認するだけで、現在地を把握することができる。
【0020】
また、現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と;目的地を設定する設定手段と;現在地から設定手段で設定された目的地までの走行ルートを検索するルート検索手段と;施設の位置を含む施設データを有する地図データから、設定手段で設定された目的地の位置データを含む施設データを検索する目的地施設データ検索手段と;画像データ記憶手段から、目的地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する目的地画像データ検索手段と;を備え、制御手段は、目的地画像データ検索手段で検索された画像データを、画像表示装置に表示する制御を行うから、目的地の施設データが含まれる画像データを、再生する楽曲データの特徴に基づいて画像表示装置に表示することができるため、画像の表示に係る趣向性を向上することができ、さらには、ユーザは、再生されている画像を確認するだけで、目的地を把握することができる。
【0021】
さらに、施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、楽曲入力手段は、設定手段で設定された目的地の施設データに関連付けられた楽曲データを、楽曲データ記憶手段から選択して入力するから、楽曲の再生に係る趣向性を向上することができ、さらには、ユーザは、再生されている楽曲を確認するだけで、目的地を把握することができる。
【0022】
また、解析手段は、解析結果に基づいて、画像表示装置に表示する画像データのシナリオを生成し、制御手段は、シナリオに基づいて、画像データを画像表示装置に表示する制御を行うから、画像の表示に係る趣向性をより一層向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1に示すように、本発明を実施したカーナビゲーションシステム2は、自動車に搭載されるものであり、CPU(制御手段)3、RAM(地図データ記憶手段)4、操作部(楽曲入力手段)5、LCD(画像表示装置)6、GPSユニット(位置データ取得手段)7、ルート検索部(ルート検索手段)8、シナリオ生成装置(解析手段)9を備えて構成されている。CPU3は、各部4〜9を制御するものであり、自動車に設置されたスピーカ10に接続されている。
【0024】
RAM4には、詳しくは後述する概略の日本の地図データが記憶されており、この地図データ内には、ランドマークの画像データが記憶されている。また、RAM4には、複数の楽曲データが記憶されている。本実施形態では、RAM4は、複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段としても機能する。
【0025】
操作部5は、ユーザが、カーナビゲーションシステム2を操作するためのものであり、目的地設定ボタン(設定手段)、楽曲再生ボタン、楽曲選択ボタン及びボリュームボタン等を備えて構成され、CPU3に接続されている。LCD6は、画像を表示するものであり、CPU3に接続されている。なお、操作部5を、リモコンにより構成するようにしてもよい。
【0026】
操作部5の楽曲選択ボタンを操作して、RAM4に記憶された楽曲の中から任意の楽曲を選択し、楽曲再生ボタンを操作すると、CPU3は、RAM4に記憶された楽曲データの中から、選択された楽曲の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流す。本実施形態では、CPU3は、楽曲を再生する楽曲再生装置としても機能する。なお、RAM4に記憶された楽曲データの中から任意の楽曲データを選択するときには、LCD6には、楽曲名が表示される。
【0027】
GPSユニット7は、現在地を測位してその位置データを取得するものであり、アンテナ15、GPS算出部16を有する。アンテナ15は、地球を周回している24個のGPS衛星のうち4個以上(例えば、4個)のGPS衛星からの電波を受信する。この受信した電波は、GPS算出部16に送られる。GPS算出部16には、入力された電波に基づき、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出する算出プログラムが格納されている。
【0028】
カーナビゲーションシステム2の電源がオンされると、CPU3からGPS算出部16にプログラム起動信号が出力され、GPS算出部16は、算出プログラムを起動して、アンテナ15から入力される電波に基づき、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出(4個のGPS衛星からの距離を同時に知ることにより現在位置を算出)し、算出した現在地データをCPU3に送る。詳しくは後述するように、CPU3は、現在地データが入力されたことに応答して、LCD6に現在地周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する。
【0029】
ルート検索部8は、公知のものであり、その説明は簡略化するが、現在地から、操作部5の目的地設定ボタンで設定された目的地までの走行ルートを検索する。ルート検索部8は、ルート検索が終了すると、検索した走行ルートに応じた検索ルート信号をCPU3に入力する。CPU3は、検索ルート信号が入力されたことに応答して、LCD6に表示されている地図上に、現在地から目的地までの走行ルートを表示する。
【0030】
RAM4には、概略の日本の地図データが記憶されている。この地図データは、図2に概略的に二次元で示すように、始点緯度30°、始点経度128°、終点緯度46°、終点経度147°の範囲を、緯線方向に40分(2/3°)ピッチで、経線方向に1°ピッチで等間隔に複数の分割エリアに分割した地図の地図データである。
【0031】
地図データは、図3に示す分割エリアデータテーブルと、図4に示す分割エリア一覧テーブルとを含んで構成されている。分割エリアデータテーブルには、1個の分割エリアの緯線方向の長さ(=2/3°)、1個の分割エリアの経線方向の長さ(=1°)、緯線方向の分割エリア個数(=24)、経線方向の分割エリア個数(=19)、地図の始点緯度(=30°)、地図の始点経度(=128°)が記憶されている。
【0032】
分割エリア一覧テーブルには、全ての分割エリアの始点緯度及び始点経度のデータが記憶されている。地図データは、地図の始点となる図2中ハッチングされた分割エリアA(0,0)から、地図の終点となる分割エリアA(18,23)までの456個の分割エリアで構成される。なお、上記した( )内の数値は、左側の数値が、経線方向において分割エリアA(0,0)から何個目の分割エリアかを示し、右側の数値が、緯線方向において分割エリアA(0,0)から何個目の分割エリアかを示している。例えば、分割エリアA(10,15)は、経線方向において分割エリアA(0,0)から10個目、緯線方向において分割エリアA(0,0)から15個目の分割エリアとなる。
【0033】
なお、図2〜図4においては、図面の乱雑を避けるために、1個の分割エリアが、緯線方向に40分(2/3°)、経線方向に1°となるように、地図データを等間隔で分割したが、実際には、もっと細かいピッチで分割されるものであり、例えば、1個の分割エリアは、緯線方向に10km、経線方向に10km程度であることが好ましく、分割エリアのサイズに応じて、経線方向の分割エリア個数と緯線方向の分割エリア個数とは変更されるものである。
【0034】
図5に示すように、地図データには、複数の分割エリア毎に、分割エリア内に位置する主要なランドマーク(例えば、町や遊園地や駅等)それぞれに割り振られたID番号、ランドマークの名前(LM名)、ランドマークのエリア座標(LMエリア座標)、関連楽曲、LM画像、親データ、子データの各セクションのデータが記憶されたランドマークデータテーブル(施設データ)が含まれている。本実施形態では、分割エリアA(11,8)内に、B町、C町、D町、E町、F遊園地が位置し、F遊園地内にG観覧車及びHジェットコースターが位置する実施形態について説明を行う。
【0035】
B町はID番号=101、C町はID番号=102、D町はID番号=103、E町はID番号=104、F遊園地はID番号=105、G観覧車はID番号=106、HジェットコースターはID番号=107とされている。B町には「雨のB町」というタイトルの楽曲が、C町には「C町ブルース」というタイトルの楽曲が、D町には「D町タワー」というタイトルの楽曲が、E町には「E町音頭」というタイトルの楽曲が、F遊園地には「F遊園地のマーチ」というタイトルの楽曲が、それぞれ関連付けられ、関連楽曲セクションには、各楽曲のデータが記憶されている。各ランドマークのLM画像セクションには、各ランドマーク内の画像を示す画像データが複数(例えば、100枚分)記憶されている。本実施形態では、RAM4は、施設データを有する画像データを記憶する画像データ記憶手段としても機能する。
【0036】
G観覧車及びHジェットコースターは、F遊園地内に位置するため、これらランドマークの親子関係としては、F遊園地を親としたときに、G観覧車及びHジェットコースターはF遊園地の子となる。このため、F遊園地の子データセクションには、G観覧車及びHジェットコースターのID番号である「106,107」が記憶され、G観覧車及びHジェットコースターの親データセクションには、F遊園地のID番号である「105」が記憶されている。
【0037】
RAM4は、ユーザによりデータ更新可能に設けられており、撮影位置の位置データを有する撮影画像データが記憶される。CPU3は、撮影画像データを、位置データに基づいて撮影位置を含むランドマーク毎に振り分けて、各ランドマークのLM画像セクションに記憶する。これにより、各ランドマークのLM画像セクションには、各ランドマーク内の画像を示す画像データが記憶された状態となる。なお、撮影画像データを、撮影した位置データに基づいて、撮影位置を含むランドマーク毎に振り分ける方法は、特願2005−332042号に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用できる。
【0038】
RAM4のランドマークデータテーブルにおけるLM画像セクションに記憶する画像データは、ユーザが撮影した撮影画像データに限らず、位置データを有する画像データであればよく、例えば、インターネット等を介して取得した画像データや、撮影画像データ及び取得画像データをミックスしたものでもよい。
【0039】
図6は、B町、C町、D町、E町、F遊園地の各ランドマークのエリアデータを概略的に二次元で示した平面図である。B町は、4角形状に形成されたランドマークであり、4個の頂点の各座標((Bx1,By1)(Bx2,By2)(Bx3,By3)(Bx4,By4))のデータが、ランドマークデータテーブルのLMエリア座標セクション(図5参照)に記憶されている。これら4個の頂点を通る線で囲まれたエリアが、B町LMエリアとなる。同様にして、C町、D町、E町、F遊園地は、4角形状に形成されたランドマークであり、それぞれ4個の頂点の各座標のデータが、ランドマークデータテーブルのLMエリア座標セクション(図5参照)に記憶されている。これら4個の頂点を通る線で囲まれたエリアが、各ランドマークのLMエリアとなる。本実施形態では、B町からF遊園地までの走行ルートが、C町、D町、E町を通ってF遊園地に到着する走行ルートである実施形態について説明を行う。
【0040】
図7は、F遊園地の各ランドマーク、G観覧車、Hジェットコースターのエリアデータを概略的に二次元で示した平面図である。G観覧車及びHジェットコースターは、4角形状に形成されたランドマークであり、それぞれ4個の頂点の各座標のデータが、ランドマークデータテーブルのLMエリア座標セクション(図5参照)に記憶されている。これら4個の頂点を通る線で囲まれたエリアが、各ランドマークのLMエリアとなる。
【0041】
ユーザが運転する自動車が、B町内の「(緯度=35.7°、経度=139.7°)」の地点にいるときに、カーナビゲーションシステム2の電源をオンすると、CPU3はGPS算出部16にプログラム起動信号を出力し、GPS算出部16は、算出プログラムを起動して、アンテナ15から入力される電波に基づき、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出し、算出した現在地データをCPU3に送る。CPU3は、現在地データが入力されたことに応答して、現在地データに基づき、RAM4を検索して、RAM4に記憶された地図データの全ての分割エリアから、現在地(B町)が含まれる分割エリアを選定する。
【0042】
分割エリアの検索方法としては、現在地の緯度(=35.7°)から地図の始点緯度(=30°)を減算し、減算して得られた数値(=5.7°)を1分割エリアの緯線方向の長さ(=2/3°)で除算し、除算して得られた数値(=8.55)の小数点以下を切り捨てる。こうして得られた数値(=8)が、緯線方向において始点分割エリア(図2におけるハッチングされた分割エリア)から何個目の分割エリアかを示す数値となる。
【0043】
また、現在地の経度(=139.7°)から地図の始点経度(=128°)を減算し、減算して得られた数値(=11.7°)を1分割エリアの経線方向の長さ(=1°)で除算し、除算して得られた数値(=11.7)の小数点以下を切り捨てる。こうして得られた数値(=11)が、経線方向において始点分割エリア(図2におけるハッチングされた分割エリア)から何個目の分割エリアかを示す数値となる。現在地が、「(緯度=35.7°、経度=139.7°)」の場合には、緯線方向において始点分割エリアから8個目、経線方向において始点分割エリアから11個目の分割エリアとなる。このように、現在地が含まれる分割エリアを、現在地データ(緯度・経度)を用いて計算式により検索するから、現在地データと全ての分割エリア(456個)とを対比させて、現在地が含まれる分割エリアを検索するものに比べて、検索に要する時間を短縮することができる。
【0044】
分割エリアの検索が終了すると、CPU3は、次にランドマークの検索を行う。このとき、CPU3は、上記したように検索(選定)された分割エリアA(11,8)内のみのランドマークの検索を行う。本実施形態では、CPU3は、RAM4から、GPSユニット7で取得した位置データを含む施設データを検索する現在地施設データ検索手段としても機能する。
【0045】
CPU3は、分割エリアA(11,8)内のランドマークを検索し、現在地が含まれるLMエリアを選定する。本実施形態では、検索結果として、B町LMエリアが選定される。
【0046】
CPU3は、現在地が含まれるLMエリアを選定すると、LCD6に選定されたLMエリア(B町LMエリア)周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する。この状態のときに、ユーザが、操作部5の目的地設定ボタンを操作して、目的地として「F遊園地」を設定すると、ルート検索部8は、B町からF遊園地までの走行ルートを検索する。ルート検索部8によるルート検索が終了すると、CPU3は、LCD6に表示されている地図上に、B町からF遊園地までの走行ルートまでの走行ルートを表示する(図6参照)。
【0047】
そして、CPU3は、走行ルートを表示した後、ランドマークデータテーブルの現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲(「雨のB町」)の楽曲データを再生し、スピーカ10(図1参照)から音声を流す。本実施形態では、CPU3は、現在地(B町)の施設データに関連付けられた楽曲データを、RAM4から選択して入力する楽曲入力手段としても機能する。
【0048】
現在地データが含まれるLMエリアに関連付けられた楽曲(「雨のB町」)の楽曲データを再生する前に、CPU3は、シナリオ生成装置9(図1参照)にシナリオ生成信号を入力する。シナリオ生成装置9は、シナリオ生成信号が入力されたことに応答して、公知の解析方法により、CPU3で再生する楽曲(「雨のB町」)の特徴量を解析する。シナリオ生成装置9は、解析結果に基づいて、アクセントの部分を算出するとともに、楽曲を複数の構成として区切る。本実施形態では、シナリオ生成装置9は、拍の頭から8拍を1構成として区切り、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換えるとともに、上記アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオを生成する。そして、シナリオ生成装置9は、生成したシナリオに応じたシナリオ信号をCPU3に入力する。
【0049】
CPU3は、シナリオ信号が入力されたことに応答して、ランドマークデータテーブルの現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示する。このとき、CPU3は、現在地(B町)のランドマークの親データセクション及び子データセクションを参照し、親や子となるランドマークがあるときには、そのランドマークのLM画像セクションに記憶された画像データも、LCD6に表示する。現在地がB町のときには、親や子となるランドマークがないため、CPU3は、B町の画像データのみをLCD6に表示する。本実施形態では、CPU3は、RAM4から、現在地の施設データを有する画像データを検索する現在地画像データ検索手段としても機能する。
【0050】
ランドマークデータテーブルのB町のLM画像セクションには、100枚分のB町の画像データが記憶されており、CPU3は、上記したシナリオに基づいて、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換え、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトする制御を行う。このように、8拍毎にLCD6に表示する画像を連続して切り換えることにより、動画を再生しているようにすることができる。なお、CPU3は、LCD6に、現在地周辺の地図及び走行ルートを表示せずに、B町の画像のみを表示する。また、CPU3によるLCD6への画像の表示は、100枚分のB町の画像データの番号順に行われる。このため、ランドマークデータテーブルに記憶された100枚分のB町の画像データには、1〜100までの番号が割り振られている。
【0051】
CPU3は、ユーザが運転する自動車が、目的地であるF遊園地まで走行するために道路を曲がる必要があるポイントPA(図6参照)に達する直前(例えば、700m前)には、LCD6に走行ルートを表示し、B町の画像表示を一時停止する。そして、ユーザが運転する自動車が、ポイントPAを曲がった後(例えば、100m通過後)には、CPU3は、LCD6にB町の画像表示を再開する。これにより、走行ルートのナビゲーションの必要がない直線道路を走行中には、現在地(B町)の画像を表示し、走行ルートのナビゲーションの必要があるポイントPAを走行中には、走行ルートを表示することができ、走行ルートのナビゲーションに影響を与える(邪魔をする)ことなく、現在地(B町)の画像を表示することができる。なお、上記した700m及び100mの数値は、適宜変更可能である。
【0052】
ユーザが運転する自動車がC町に進入すると、CPU3は、RAM4に記憶された楽曲データの中から、現在地データが含まれるLMエリア(C町LMエリア)に関連付けられた楽曲(「C町ブルース」)の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流し、さらには、CPU3は、シナリオ生成装置9により生成された「C町ブルース」用のシナリオに基づいて、ランドマークデータテーブルの現在地(C町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示する。同様にして、ユーザが運転する自動車がD町、E町に進入すると、CPU3は、現在地データが含まれるLMエリアに関連付けられた楽曲(「D町タワー」、「E町音頭」)の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流し、さらには、CPU3は、シナリオ生成装置9により生成された「CD町タワー」、「E町音頭」用のシナリオに基づいて、ランドマークデータテーブルの現在地のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示する。
【0053】
ユーザが運転する自動車がF遊園地に進入すると、CPU3は、現在地データが含まれるLMエリアに関連付けられた楽曲(「F遊園地のマーチ」)の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流し、さらには、CPU3は、シナリオ生成装置9により生成された「F遊園地のマーチ」用のシナリオに基づいて、ランドマークデータテーブルのF遊園地のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示する。F遊園地内には、G観覧車及びHジェットコースターが位置しており、CPU3は、「F遊園地のマーチ」用のシナリオに基づいて、F遊園地、G観覧車及びHジェットコースターのLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示する。すなわち、ユーザが運転する自動車が進入したランドマークに子となるランドマークがあるときには、CPU3は、その親のランドマークの画像データ及び子のランドマークの画像データを、LCD6に表示する。
【0054】
また、ユーザが、目的地設定を解除すると、CPU3は、LCD6に選定されたLMエリア(現在地)周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する。
【0055】
上記のように構成されたカーナビゲーションシステム2の作用について、図8のフローチャートを用いて説明を行う。ユーザが運転する自動車が、B町内の「(緯度=35.7°、経度=139.7°)」の地点にいるときに、カーナビゲーションシステム2の電源をオンする(ステップ(以下、S)1)と、GPS算出部16は、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出する(S2)。CPU3は、現在地データに基づき、地図データの全ての分割エリアから、現在地(B町)が含まれる分割エリアを選定する(S3)。次に、CPU3は、選定された分割エリアA(11,8)内のランドマークを検索し、現在地が含まれるLMエリアを選定する(S4)。
【0056】
CPU3は、LCD6に選定されたLMエリア(B町LMエリア)周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する(S5)。この状態のときに、ユーザが、操作部5の目的地設定ボタンを操作して、目的地として「F遊園地」を設定する(S6でY)と、ルート検索部8は、B町からF遊園地までの走行ルートを検索し、CPU3は、LCD6に表示されている地図上に、B町からF遊園地までの走行ルートを表示する(S7)。
【0057】
CPU3は、走行ルートを表示した後、ランドマークデータテーブルの現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲(「雨のB町」)の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流す(S8)とともに、シナリオ生成装置9にシナリオ生成信号を入力する。
【0058】
シナリオ生成装置9は、シナリオ生成信号が入力されたことに応答して、CPU3で再生する楽曲(「雨のB町」)の特徴量を解析する(S9)。シナリオ生成装置9は、拍の頭から8拍を1構成として区切り、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換えるとともに、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオを生成し(S10)、生成したシナリオに応じたシナリオ信号をCPU3に入力する。
【0059】
CPU3は、シナリオ信号が入力されたことに応答して、現在地(B町)の100枚の画像データを、LCD6に表示するとともに、上記したシナリオに基づいて、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換え、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトする制御を行う(S11)。そして、目的地設定を解除していないとき(S12でN)には、B町からF遊園地までの走行ルートを表示する(S7)。
【0060】
このように、CPU3は、現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「雨のB町」)を再生するとともに、現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示するから、自動車の走行時における趣向性を向上することができ、さらには、ユーザは、再生されている楽曲及び画像を確認するだけで、現在地を把握することができる。
【0061】
また、再生する楽曲データに応じてシナリオを生成し、CPU3は、シナリオに応じてLCD6に表示する画像の切り換え及びズームイン/ズームアウトを行うから、より一層、趣向性を向上することができる。
【0062】
なお、上記実施形態では、CPU3は、現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「雨のB町」)を再生するとともに、現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示したが、これに限定されることなく、楽曲データの再生と画像データの表示とのうち少なくともいずれか一方を行えばよく、ユーザが任意で選択した楽曲データを再生するとともに、現在地(B町)の画像データをLCD6に表示するようにしてもよく、現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「雨のB町」)を再生するとともに、ユーザが任意で選択した画像をLCD6に表示するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0063】
また、上記実施形態では、目的地を設定し、目的地までの走行ルートを表示した後に、現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「雨のB町」)を再生するとともに、現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示したが、これに限定されることなく、目的地を設定していないときにも、現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「雨のB町」)を再生するとともに、現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0064】
さらに、上記実施形態では、100枚分のランドマークの画像データを、番号順に表示するようにしたが、これに限定されることなく、データファイル名の辞書順、データの最終更新日時順、撮影日時順、ランダムに表示するようにしてもよく、さらには、人物が撮影されている画像のみを表示するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0065】
また、上記実施形態では、RAM4のランドマークデータテーブルに、ランドマークに応じた楽曲データ及び画像データを記憶し、これら楽曲データ及び画像データを再生したが、これに限定されることなく、楽曲データ及び画像データが記憶された外部データサーバーにインターネットを介して接続可能な通信部を設け、外部データサーバーに接続して楽曲データ及び画像データをダウンロードし、このダウンロードした楽曲データ及び画像データを再生するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0066】
図9に他の実施形態を示す。上記実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を簡略化する。この実施形態では、ユーザが運転する自動車が、B町内の「(緯度=35.7°、経度=139.7°)」の地点にいるときに、カーナビゲーションシステム2の電源をオンする(S1)と、GPS算出部16は、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出する(S2)。CPU3は、現在地データに基づき、地図データの全ての分割エリアから、現在地(B町)が含まれる分割エリアを選定する(S3)。次に、CPU3は、選定された分割エリアA(11,8)内のランドマークを検索し、現在地が含まれるLMエリアを選定する(S4)。
【0067】
CPU3は、LCD6に選定されたLMエリア(B町LMエリア)周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する(S5)。この状態のときに、ユーザが、操作部5の目的地設定ボタンを操作して、目的地として「F遊園地」を設定する(S6でY)と、ルート検索部8は、B町からF遊園地までの走行ルートを検索し、CPU3は、LCD6に表示されている地図上に、B町からF遊園地までの走行ルートまでの走行ルートを表示する(S7)。
【0068】
CPU3は、走行ルートを表示した後、ランドマークデータテーブルの目的地(F遊園地)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「F遊園地のマーチ」)を再生し、スピーカ10から音声を流す(S8)とともに、シナリオ生成装置9にシナリオ生成信号を入力する。
【0069】
シナリオ生成装置9は、シナリオ生成信号が入力されたことに応答して、CPU3で再生する楽曲(「F遊園地のマーチ」)の特徴量を解析する(S9)。シナリオ生成装置9は、拍の頭から8拍を1構成として区切り、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換えるとともに、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオを生成する(S10)。
【0070】
CPU3は、シナリオ生成装置9からシナリオ信号が入力されたことに応答して、目的地(F遊園地)の100枚の画像データ及び、F遊園地の子としてのG観覧車及びHジェットコースターの各100枚の画像データを、LCD6に表示するとともに、上記したシナリオに基づいて、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換え、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトする制御を行う(S11)。そして、目的地設定を解除していないとき(S12でN)には、B町からF遊園地までの走行ルートを表示する(S7)。本実施形態では、CPU3は、RAM4から、目的地の施設データを有する画像データを検索する目的地画像データ検索手段としても機能する。
【0071】
このように、CPU3は、目的地(F遊園地)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「F遊園地のマーチ」)を再生するとともに、目的地(F遊園地)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示するから、自動車の走行時における趣向性を向上することができる。
【0072】
なお、上記実施形態では、CPU3は、目的地(F遊園地)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「F遊園地のマーチ」)を再生するとともに、目的地(F遊園地)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示したが、これに限定されることなく、楽曲データの再生と画像データの表示とのうち少なくともいずれか一方を行えばよく、ユーザが任意で選択した楽曲データを再生するとともに、目的地(F遊園地)の画像データをLCD6に表示するようにしてもよく、目的地(F遊園地)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「F遊園地のマーチ」)を再生するとともに、ユーザが任意で選択した画像をLCD6に表示するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0073】
図10及び図11に他の実施形態を示す。図1〜図8に示す実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を簡略化する。この実施形態では、カーナビゲーションシステム20には、CDプレーヤ21が設けられている。CDプレーヤ21は、CPU3及びスピーカ10に接続されている。カーナビゲーションシステム20のRAM4には、楽曲データが記憶されておらず、カーナビゲーションシステム20で楽曲を再生する場合には、ユーザは、CDプレーヤ21にCDをセットし、操作部5を操作して、CPU3によりCDプレーヤ21の駆動を制御して、CDの再生を行う。本実施形態では、CDプレーヤ21は、楽曲データを再生する楽曲再生装置として機能する。
【0074】
ユーザが運転する自動車が、B町内の「(緯度=35.7°、経度=139.7°)」の地点にいるときに、カーナビゲーションシステム2の電源をオンする(S1)と、GPS算出部16は、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出する(S2)。CPU3は、現在地データに基づき、地図データの全ての分割エリアから、現在地(B町)が含まれる分割エリアを選定する(S3)。次に、CPU3は、選定された分割エリアA(11,8)内のランドマークを検索し、現在地が含まれるLMエリアを選定する(S4)。
【0075】
CPU3は、LCD6に選定されたLMエリア(B町LMエリア)周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する(S5)。この状態のときに、ユーザが、CDプレーヤ21にCDをセットし、操作部5を操作して、CDプレーヤ21で再生する楽曲を選択する(S6でY)と、CDプレーヤ21は、選択された楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流す(S7)とともに、CPU3を介してシナリオ生成装置9に再生する楽曲データ及びシナリオ生成信号を入力する。
【0076】
シナリオ生成装置9は、楽曲データ及びシナリオ生成信号が入力されたことに応答して、入力された楽曲データ(CDプレーヤ21で再生する楽曲)の特徴量を解析する(S8)。シナリオ生成装置9は、拍の頭から8拍を1構成として区切り、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換えるとともに、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオを生成する(S9)。
【0077】
CPU3は、シナリオ生成装置9からシナリオ信号が入力されたことに応答して、現在地(B町)の100枚の画像データを、LCD6に表示するとともに、上記したシナリオに基づいて、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換え、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトする制御を行う(S10)。
【0078】
このように、CDプレーヤ21は、ユーザが選択した楽曲データを再生し、CPU3は、CDプレーヤ21で再生する楽曲データの特徴量に基づいたシナリオで、現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示するから、ユーザが任意で選択した楽曲データの特徴量に基づいたシナリオで、画像データを表示することができ、自動車の走行時における趣向性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明を実施したカーナビゲーションシステムの電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図2】地図データの地図領域を示す平面図である。
【図3】分割エリアデータテーブルの説明図である。
【図4】分割エリア一覧テーブルの説明図である。
【図5】ランドマークデータテーブルの説明図である。
【図6】B町、C町、D町、E町、F遊園地の地図領域を示す平面図である。
【図7】F遊園地、G観覧車、Hジェットコースターの地図領域を示す平面図である。
【図8】算出した現在地データに基づき、現在地の楽曲データ及び画像データを再生する流れを示すフローチャートである。
【図9】設定した目的地の楽曲データ及び画像データを再生する流れを示すフローチャートである。
【図10】CDプレーヤを設けた実施形態のカーナビゲーションシステムの電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図11】算出した現在地データに基づき、CDプレーヤでCDを再生し、現在地の画像データを再生する流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
2,20 カーナビゲーションシステム
3 CPU(制御手段)
4 RAM(地図データ記憶手段)
5 操作部(楽曲入力手段)
6 LCD(画像表示装置)
7 GPSユニット(位置データ取得手段)
8 ルート検索部(ルート検索手段)
9 シナリオ生成装置(解析手段)
10 スピーカ
21 CDプレーヤ(楽曲再生装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲を再生するとともに画像を再生するAVシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)測位システムを利用して現在地の位置データを取得し、この位置データに基づいて目的地までの走行ルートを検索して表示するナビゲーションシステムを、自動車に搭載することが一般的になってきている。GPS測位システムは、地球を周回している24個のGPS衛星のうち4個以上のGPS衛星からの電波をアンテナで受信し、この受信した電波に基づき、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出する(4個以上のGPS衛星からの距離を同時に知ることにより現在地を算出する)。
【0003】
このようなナビゲーションシステムは、画像を表示するLCDと、音楽を再生するオーディオ装置(例えば、CD及びDVDを再生可能なDVDプレーヤ)とを備えており、LCDには走行ルートが表示され、DVDプレーヤでは音楽が再生される。ユーザは、気に入ったCDをDVDプレーヤにセットして再生することにより、自動車でのドライブを快適に過ごすことができる。また、DVDプレーヤでDVDを再生し、LCDにDVD画像を再生表示した場合には、走行時にはDVD画像を表示し、走行ルート上で道路を曲がるとき等の主要ポイントの周辺では、DVDを一時停止させて、走行ルートを表示する。
【0004】
DVDプレーヤ等のデジタル機器では、音楽をデジタル再生しており、このようなデジタル音源を利用して、様々な提案がされており、特許文献1では、音楽信号を標本化して取り込み、取り込んだ信号より楽曲の基準となる小節時間長を算出し、算出した小節時間長と楽曲の拍子数とから楽曲のテンポを算出する自動採譜装置等に用いられるテンポ抽出装置が提案されている。
【0005】
また、近年では、自動車での走行時の趣向性を向上するために、様々な提案がされており、特許文献2では、音楽情報データベース内の音楽情報と、画像情報データベース内の画像情報とを照合して、音楽の再生と画像情報の再生とを同時に行う車載用のオーディオシステムが提案されている。
【特許文献1】特開平5−027751号公報
【特許文献2】特開2005−339698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2では、複数の画像情報の再生を行ったときにも、表示する画像情報を切り換えることには言及しておらず、同一の画像情報を表示し続けるため、趣向性が低いという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、趣向性を向上することができるAVシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のAVシステムは、楽曲データを再生する楽曲再生装置と;前記楽曲再生装置で再生する楽曲データを入力する楽曲入力手段と;画像データを表示する画像表示装置と;を備えたAVシステムであって、施設の位置を含む施設データを有する画像データを記憶する画像データ記憶手段と;前記楽曲入力手段により入力された楽曲データの特徴を解析する解析手段と;前記解析手段での解析結果に基づいて、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記画像表示装置に表示する制御を行う制御手段と;を備えたことを特徴とする。
【0009】
なお、本発明のAVシステムは、自動車に搭載されるカーナビゲーションシステムや、携帯電話等の移動するものに実施することが好ましい。また、前記地図データとしては、世界地図、日本地図、関東地方地図、関西地方地図等の地図データが挙げられる。さらに、前記施設としては、遊園地、遊園地内の観覧車やジェットコースター、町、市等が挙げられる。
【0010】
また、現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と;施設の位置を含む施設データを有する地図データから、前記位置データ取得手段で取得した位置データを含む施設データを検索する現在地施設データ検索手段と;前記画像データ記憶手段から、前記現在地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する現在地画像データ検索手段と;を備え、前記制御手段は、前記現在地画像データ検索手段で検索された画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことが好ましい。
【0011】
さらに、前記施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、前記楽曲入力手段は、前記現在地施設データ検索手段で検索された施設データに関連付けられた楽曲データを、前記楽曲データ記憶手段から選択して入力することが好ましい。
【0012】
また、現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と;目的地を設定する設定手段と;現在地から前記設定手段で設定された目的地までの走行ルートを検索するルート検索手段と;施設の位置を含む施設データを有する地図データから、前記設定手段で設定された目的地の位置データを含む施設データを検索する目的地施設データ検索手段と;前記画像データ記憶手段から、前記目的地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する目的地画像データ検索手段と;を備え、前記制御手段は、前記目的地画像データ検索手段で検索された画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことが好ましい。
【0013】
さらに、前記施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、前記楽曲入力手段は、前記設定手段で設定された目的地の施設データに関連付けられた楽曲データを、前記楽曲データ記憶手段から選択して入力することが好ましい。
【0014】
また、前記解析手段は、解析結果に基づいて、前記画像表示装置に表示する画像データのシナリオを生成し、前記制御手段は、前記シナリオに基づいて、画像データを前記画像表示装置に表示する制御を行うことが好ましい。
【0015】
なお、前記シナリオとしては、所定の範囲を1構成として区切り、1構成毎に前記画像表示装置に表示する画像データを切り換えるようなシナリオ、テンポの変わり目で前記画像表示装置に表示する画像データを切り換えるようなシナリオ、楽曲のアクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオ、楽曲の拍に合わせて画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオ等が挙げられる。また、前記所定の範囲を1構成として区切る方法としては、拍の頭から8拍を1構成として区切る、テンポの変わり目で構成を区切り1構成とする、Aメロ,Bメロ,サビの各部分を1構成として区切る、所定の閾値以上のテンポの楽曲に対しては4拍を1構成として区切るとともに、所定の閾値以上のテンポの楽曲に対しては8拍を1構成として区切る等が挙げられる、なお、Aメロ,Bメロ,サビの部分を1構成として区切る場合には、予め楽曲データに1構成の長さを示すデータを記憶しておく。
【0016】
さらに、前記地図データを記憶する地図データ記憶手段を備えることが好ましい。また、前記制御手段は、前記目的地の施設内に位置する他の施設の施設データを有する画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のAVシステムによれば、楽曲データを再生する楽曲再生装置と;楽曲再生装置で再生する楽曲データを入力する楽曲入力手段と;画像データを表示する画像表示装置と;施設の位置を含む施設データを有する画像データを記憶する画像データ記憶手段と;楽曲入力手段により入力された楽曲データの特徴を解析する解析手段と;解析手段での解析結果に基づいて、画像データ記憶手段に記憶された画像データを画像表示装置に表示する制御を行う制御手段と;を備えたから、画像データを、再生する楽曲データの特徴に基づいて画像表示装置に表示すことができるため、画像の表示に係る趣向性を向上することができる。
【0018】
また、現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と;施設の位置を含む施設データを有する地図データから、位置データ取得手段で取得した位置データを含む施設データを検索する現在地施設データ検索手段と;画像データ記憶手段から、現在地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する現在地画像データ検索手段と;を備え、制御手段は、現在地画像データ検索手段で検索された画像データを、画像表示装置に表示する制御を行うから、ユーザは、再生されている画像を確認するだけで、現在地を把握することができる。
【0019】
さらに、施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、楽曲入力手段は、現在地施設データ検索手段で検索された施設データに関連付けられた楽曲データを、楽曲データ記憶手段から選択して入力するから、楽曲の再生に係る趣向性を向上することができ、さらには、ユーザは、再生されている楽曲を確認するだけで、現在地を把握することができる。
【0020】
また、現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と;目的地を設定する設定手段と;現在地から設定手段で設定された目的地までの走行ルートを検索するルート検索手段と;施設の位置を含む施設データを有する地図データから、設定手段で設定された目的地の位置データを含む施設データを検索する目的地施設データ検索手段と;画像データ記憶手段から、目的地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する目的地画像データ検索手段と;を備え、制御手段は、目的地画像データ検索手段で検索された画像データを、画像表示装置に表示する制御を行うから、目的地の施設データが含まれる画像データを、再生する楽曲データの特徴に基づいて画像表示装置に表示することができるため、画像の表示に係る趣向性を向上することができ、さらには、ユーザは、再生されている画像を確認するだけで、目的地を把握することができる。
【0021】
さらに、施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、楽曲入力手段は、設定手段で設定された目的地の施設データに関連付けられた楽曲データを、楽曲データ記憶手段から選択して入力するから、楽曲の再生に係る趣向性を向上することができ、さらには、ユーザは、再生されている楽曲を確認するだけで、目的地を把握することができる。
【0022】
また、解析手段は、解析結果に基づいて、画像表示装置に表示する画像データのシナリオを生成し、制御手段は、シナリオに基づいて、画像データを画像表示装置に表示する制御を行うから、画像の表示に係る趣向性をより一層向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1に示すように、本発明を実施したカーナビゲーションシステム2は、自動車に搭載されるものであり、CPU(制御手段)3、RAM(地図データ記憶手段)4、操作部(楽曲入力手段)5、LCD(画像表示装置)6、GPSユニット(位置データ取得手段)7、ルート検索部(ルート検索手段)8、シナリオ生成装置(解析手段)9を備えて構成されている。CPU3は、各部4〜9を制御するものであり、自動車に設置されたスピーカ10に接続されている。
【0024】
RAM4には、詳しくは後述する概略の日本の地図データが記憶されており、この地図データ内には、ランドマークの画像データが記憶されている。また、RAM4には、複数の楽曲データが記憶されている。本実施形態では、RAM4は、複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段としても機能する。
【0025】
操作部5は、ユーザが、カーナビゲーションシステム2を操作するためのものであり、目的地設定ボタン(設定手段)、楽曲再生ボタン、楽曲選択ボタン及びボリュームボタン等を備えて構成され、CPU3に接続されている。LCD6は、画像を表示するものであり、CPU3に接続されている。なお、操作部5を、リモコンにより構成するようにしてもよい。
【0026】
操作部5の楽曲選択ボタンを操作して、RAM4に記憶された楽曲の中から任意の楽曲を選択し、楽曲再生ボタンを操作すると、CPU3は、RAM4に記憶された楽曲データの中から、選択された楽曲の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流す。本実施形態では、CPU3は、楽曲を再生する楽曲再生装置としても機能する。なお、RAM4に記憶された楽曲データの中から任意の楽曲データを選択するときには、LCD6には、楽曲名が表示される。
【0027】
GPSユニット7は、現在地を測位してその位置データを取得するものであり、アンテナ15、GPS算出部16を有する。アンテナ15は、地球を周回している24個のGPS衛星のうち4個以上(例えば、4個)のGPS衛星からの電波を受信する。この受信した電波は、GPS算出部16に送られる。GPS算出部16には、入力された電波に基づき、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出する算出プログラムが格納されている。
【0028】
カーナビゲーションシステム2の電源がオンされると、CPU3からGPS算出部16にプログラム起動信号が出力され、GPS算出部16は、算出プログラムを起動して、アンテナ15から入力される電波に基づき、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出(4個のGPS衛星からの距離を同時に知ることにより現在位置を算出)し、算出した現在地データをCPU3に送る。詳しくは後述するように、CPU3は、現在地データが入力されたことに応答して、LCD6に現在地周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する。
【0029】
ルート検索部8は、公知のものであり、その説明は簡略化するが、現在地から、操作部5の目的地設定ボタンで設定された目的地までの走行ルートを検索する。ルート検索部8は、ルート検索が終了すると、検索した走行ルートに応じた検索ルート信号をCPU3に入力する。CPU3は、検索ルート信号が入力されたことに応答して、LCD6に表示されている地図上に、現在地から目的地までの走行ルートを表示する。
【0030】
RAM4には、概略の日本の地図データが記憶されている。この地図データは、図2に概略的に二次元で示すように、始点緯度30°、始点経度128°、終点緯度46°、終点経度147°の範囲を、緯線方向に40分(2/3°)ピッチで、経線方向に1°ピッチで等間隔に複数の分割エリアに分割した地図の地図データである。
【0031】
地図データは、図3に示す分割エリアデータテーブルと、図4に示す分割エリア一覧テーブルとを含んで構成されている。分割エリアデータテーブルには、1個の分割エリアの緯線方向の長さ(=2/3°)、1個の分割エリアの経線方向の長さ(=1°)、緯線方向の分割エリア個数(=24)、経線方向の分割エリア個数(=19)、地図の始点緯度(=30°)、地図の始点経度(=128°)が記憶されている。
【0032】
分割エリア一覧テーブルには、全ての分割エリアの始点緯度及び始点経度のデータが記憶されている。地図データは、地図の始点となる図2中ハッチングされた分割エリアA(0,0)から、地図の終点となる分割エリアA(18,23)までの456個の分割エリアで構成される。なお、上記した( )内の数値は、左側の数値が、経線方向において分割エリアA(0,0)から何個目の分割エリアかを示し、右側の数値が、緯線方向において分割エリアA(0,0)から何個目の分割エリアかを示している。例えば、分割エリアA(10,15)は、経線方向において分割エリアA(0,0)から10個目、緯線方向において分割エリアA(0,0)から15個目の分割エリアとなる。
【0033】
なお、図2〜図4においては、図面の乱雑を避けるために、1個の分割エリアが、緯線方向に40分(2/3°)、経線方向に1°となるように、地図データを等間隔で分割したが、実際には、もっと細かいピッチで分割されるものであり、例えば、1個の分割エリアは、緯線方向に10km、経線方向に10km程度であることが好ましく、分割エリアのサイズに応じて、経線方向の分割エリア個数と緯線方向の分割エリア個数とは変更されるものである。
【0034】
図5に示すように、地図データには、複数の分割エリア毎に、分割エリア内に位置する主要なランドマーク(例えば、町や遊園地や駅等)それぞれに割り振られたID番号、ランドマークの名前(LM名)、ランドマークのエリア座標(LMエリア座標)、関連楽曲、LM画像、親データ、子データの各セクションのデータが記憶されたランドマークデータテーブル(施設データ)が含まれている。本実施形態では、分割エリアA(11,8)内に、B町、C町、D町、E町、F遊園地が位置し、F遊園地内にG観覧車及びHジェットコースターが位置する実施形態について説明を行う。
【0035】
B町はID番号=101、C町はID番号=102、D町はID番号=103、E町はID番号=104、F遊園地はID番号=105、G観覧車はID番号=106、HジェットコースターはID番号=107とされている。B町には「雨のB町」というタイトルの楽曲が、C町には「C町ブルース」というタイトルの楽曲が、D町には「D町タワー」というタイトルの楽曲が、E町には「E町音頭」というタイトルの楽曲が、F遊園地には「F遊園地のマーチ」というタイトルの楽曲が、それぞれ関連付けられ、関連楽曲セクションには、各楽曲のデータが記憶されている。各ランドマークのLM画像セクションには、各ランドマーク内の画像を示す画像データが複数(例えば、100枚分)記憶されている。本実施形態では、RAM4は、施設データを有する画像データを記憶する画像データ記憶手段としても機能する。
【0036】
G観覧車及びHジェットコースターは、F遊園地内に位置するため、これらランドマークの親子関係としては、F遊園地を親としたときに、G観覧車及びHジェットコースターはF遊園地の子となる。このため、F遊園地の子データセクションには、G観覧車及びHジェットコースターのID番号である「106,107」が記憶され、G観覧車及びHジェットコースターの親データセクションには、F遊園地のID番号である「105」が記憶されている。
【0037】
RAM4は、ユーザによりデータ更新可能に設けられており、撮影位置の位置データを有する撮影画像データが記憶される。CPU3は、撮影画像データを、位置データに基づいて撮影位置を含むランドマーク毎に振り分けて、各ランドマークのLM画像セクションに記憶する。これにより、各ランドマークのLM画像セクションには、各ランドマーク内の画像を示す画像データが記憶された状態となる。なお、撮影画像データを、撮影した位置データに基づいて、撮影位置を含むランドマーク毎に振り分ける方法は、特願2005−332042号に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用できる。
【0038】
RAM4のランドマークデータテーブルにおけるLM画像セクションに記憶する画像データは、ユーザが撮影した撮影画像データに限らず、位置データを有する画像データであればよく、例えば、インターネット等を介して取得した画像データや、撮影画像データ及び取得画像データをミックスしたものでもよい。
【0039】
図6は、B町、C町、D町、E町、F遊園地の各ランドマークのエリアデータを概略的に二次元で示した平面図である。B町は、4角形状に形成されたランドマークであり、4個の頂点の各座標((Bx1,By1)(Bx2,By2)(Bx3,By3)(Bx4,By4))のデータが、ランドマークデータテーブルのLMエリア座標セクション(図5参照)に記憶されている。これら4個の頂点を通る線で囲まれたエリアが、B町LMエリアとなる。同様にして、C町、D町、E町、F遊園地は、4角形状に形成されたランドマークであり、それぞれ4個の頂点の各座標のデータが、ランドマークデータテーブルのLMエリア座標セクション(図5参照)に記憶されている。これら4個の頂点を通る線で囲まれたエリアが、各ランドマークのLMエリアとなる。本実施形態では、B町からF遊園地までの走行ルートが、C町、D町、E町を通ってF遊園地に到着する走行ルートである実施形態について説明を行う。
【0040】
図7は、F遊園地の各ランドマーク、G観覧車、Hジェットコースターのエリアデータを概略的に二次元で示した平面図である。G観覧車及びHジェットコースターは、4角形状に形成されたランドマークであり、それぞれ4個の頂点の各座標のデータが、ランドマークデータテーブルのLMエリア座標セクション(図5参照)に記憶されている。これら4個の頂点を通る線で囲まれたエリアが、各ランドマークのLMエリアとなる。
【0041】
ユーザが運転する自動車が、B町内の「(緯度=35.7°、経度=139.7°)」の地点にいるときに、カーナビゲーションシステム2の電源をオンすると、CPU3はGPS算出部16にプログラム起動信号を出力し、GPS算出部16は、算出プログラムを起動して、アンテナ15から入力される電波に基づき、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出し、算出した現在地データをCPU3に送る。CPU3は、現在地データが入力されたことに応答して、現在地データに基づき、RAM4を検索して、RAM4に記憶された地図データの全ての分割エリアから、現在地(B町)が含まれる分割エリアを選定する。
【0042】
分割エリアの検索方法としては、現在地の緯度(=35.7°)から地図の始点緯度(=30°)を減算し、減算して得られた数値(=5.7°)を1分割エリアの緯線方向の長さ(=2/3°)で除算し、除算して得られた数値(=8.55)の小数点以下を切り捨てる。こうして得られた数値(=8)が、緯線方向において始点分割エリア(図2におけるハッチングされた分割エリア)から何個目の分割エリアかを示す数値となる。
【0043】
また、現在地の経度(=139.7°)から地図の始点経度(=128°)を減算し、減算して得られた数値(=11.7°)を1分割エリアの経線方向の長さ(=1°)で除算し、除算して得られた数値(=11.7)の小数点以下を切り捨てる。こうして得られた数値(=11)が、経線方向において始点分割エリア(図2におけるハッチングされた分割エリア)から何個目の分割エリアかを示す数値となる。現在地が、「(緯度=35.7°、経度=139.7°)」の場合には、緯線方向において始点分割エリアから8個目、経線方向において始点分割エリアから11個目の分割エリアとなる。このように、現在地が含まれる分割エリアを、現在地データ(緯度・経度)を用いて計算式により検索するから、現在地データと全ての分割エリア(456個)とを対比させて、現在地が含まれる分割エリアを検索するものに比べて、検索に要する時間を短縮することができる。
【0044】
分割エリアの検索が終了すると、CPU3は、次にランドマークの検索を行う。このとき、CPU3は、上記したように検索(選定)された分割エリアA(11,8)内のみのランドマークの検索を行う。本実施形態では、CPU3は、RAM4から、GPSユニット7で取得した位置データを含む施設データを検索する現在地施設データ検索手段としても機能する。
【0045】
CPU3は、分割エリアA(11,8)内のランドマークを検索し、現在地が含まれるLMエリアを選定する。本実施形態では、検索結果として、B町LMエリアが選定される。
【0046】
CPU3は、現在地が含まれるLMエリアを選定すると、LCD6に選定されたLMエリア(B町LMエリア)周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する。この状態のときに、ユーザが、操作部5の目的地設定ボタンを操作して、目的地として「F遊園地」を設定すると、ルート検索部8は、B町からF遊園地までの走行ルートを検索する。ルート検索部8によるルート検索が終了すると、CPU3は、LCD6に表示されている地図上に、B町からF遊園地までの走行ルートまでの走行ルートを表示する(図6参照)。
【0047】
そして、CPU3は、走行ルートを表示した後、ランドマークデータテーブルの現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲(「雨のB町」)の楽曲データを再生し、スピーカ10(図1参照)から音声を流す。本実施形態では、CPU3は、現在地(B町)の施設データに関連付けられた楽曲データを、RAM4から選択して入力する楽曲入力手段としても機能する。
【0048】
現在地データが含まれるLMエリアに関連付けられた楽曲(「雨のB町」)の楽曲データを再生する前に、CPU3は、シナリオ生成装置9(図1参照)にシナリオ生成信号を入力する。シナリオ生成装置9は、シナリオ生成信号が入力されたことに応答して、公知の解析方法により、CPU3で再生する楽曲(「雨のB町」)の特徴量を解析する。シナリオ生成装置9は、解析結果に基づいて、アクセントの部分を算出するとともに、楽曲を複数の構成として区切る。本実施形態では、シナリオ生成装置9は、拍の頭から8拍を1構成として区切り、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換えるとともに、上記アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオを生成する。そして、シナリオ生成装置9は、生成したシナリオに応じたシナリオ信号をCPU3に入力する。
【0049】
CPU3は、シナリオ信号が入力されたことに応答して、ランドマークデータテーブルの現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示する。このとき、CPU3は、現在地(B町)のランドマークの親データセクション及び子データセクションを参照し、親や子となるランドマークがあるときには、そのランドマークのLM画像セクションに記憶された画像データも、LCD6に表示する。現在地がB町のときには、親や子となるランドマークがないため、CPU3は、B町の画像データのみをLCD6に表示する。本実施形態では、CPU3は、RAM4から、現在地の施設データを有する画像データを検索する現在地画像データ検索手段としても機能する。
【0050】
ランドマークデータテーブルのB町のLM画像セクションには、100枚分のB町の画像データが記憶されており、CPU3は、上記したシナリオに基づいて、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換え、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトする制御を行う。このように、8拍毎にLCD6に表示する画像を連続して切り換えることにより、動画を再生しているようにすることができる。なお、CPU3は、LCD6に、現在地周辺の地図及び走行ルートを表示せずに、B町の画像のみを表示する。また、CPU3によるLCD6への画像の表示は、100枚分のB町の画像データの番号順に行われる。このため、ランドマークデータテーブルに記憶された100枚分のB町の画像データには、1〜100までの番号が割り振られている。
【0051】
CPU3は、ユーザが運転する自動車が、目的地であるF遊園地まで走行するために道路を曲がる必要があるポイントPA(図6参照)に達する直前(例えば、700m前)には、LCD6に走行ルートを表示し、B町の画像表示を一時停止する。そして、ユーザが運転する自動車が、ポイントPAを曲がった後(例えば、100m通過後)には、CPU3は、LCD6にB町の画像表示を再開する。これにより、走行ルートのナビゲーションの必要がない直線道路を走行中には、現在地(B町)の画像を表示し、走行ルートのナビゲーションの必要があるポイントPAを走行中には、走行ルートを表示することができ、走行ルートのナビゲーションに影響を与える(邪魔をする)ことなく、現在地(B町)の画像を表示することができる。なお、上記した700m及び100mの数値は、適宜変更可能である。
【0052】
ユーザが運転する自動車がC町に進入すると、CPU3は、RAM4に記憶された楽曲データの中から、現在地データが含まれるLMエリア(C町LMエリア)に関連付けられた楽曲(「C町ブルース」)の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流し、さらには、CPU3は、シナリオ生成装置9により生成された「C町ブルース」用のシナリオに基づいて、ランドマークデータテーブルの現在地(C町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示する。同様にして、ユーザが運転する自動車がD町、E町に進入すると、CPU3は、現在地データが含まれるLMエリアに関連付けられた楽曲(「D町タワー」、「E町音頭」)の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流し、さらには、CPU3は、シナリオ生成装置9により生成された「CD町タワー」、「E町音頭」用のシナリオに基づいて、ランドマークデータテーブルの現在地のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示する。
【0053】
ユーザが運転する自動車がF遊園地に進入すると、CPU3は、現在地データが含まれるLMエリアに関連付けられた楽曲(「F遊園地のマーチ」)の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流し、さらには、CPU3は、シナリオ生成装置9により生成された「F遊園地のマーチ」用のシナリオに基づいて、ランドマークデータテーブルのF遊園地のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示する。F遊園地内には、G観覧車及びHジェットコースターが位置しており、CPU3は、「F遊園地のマーチ」用のシナリオに基づいて、F遊園地、G観覧車及びHジェットコースターのLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示する。すなわち、ユーザが運転する自動車が進入したランドマークに子となるランドマークがあるときには、CPU3は、その親のランドマークの画像データ及び子のランドマークの画像データを、LCD6に表示する。
【0054】
また、ユーザが、目的地設定を解除すると、CPU3は、LCD6に選定されたLMエリア(現在地)周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する。
【0055】
上記のように構成されたカーナビゲーションシステム2の作用について、図8のフローチャートを用いて説明を行う。ユーザが運転する自動車が、B町内の「(緯度=35.7°、経度=139.7°)」の地点にいるときに、カーナビゲーションシステム2の電源をオンする(ステップ(以下、S)1)と、GPS算出部16は、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出する(S2)。CPU3は、現在地データに基づき、地図データの全ての分割エリアから、現在地(B町)が含まれる分割エリアを選定する(S3)。次に、CPU3は、選定された分割エリアA(11,8)内のランドマークを検索し、現在地が含まれるLMエリアを選定する(S4)。
【0056】
CPU3は、LCD6に選定されたLMエリア(B町LMエリア)周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する(S5)。この状態のときに、ユーザが、操作部5の目的地設定ボタンを操作して、目的地として「F遊園地」を設定する(S6でY)と、ルート検索部8は、B町からF遊園地までの走行ルートを検索し、CPU3は、LCD6に表示されている地図上に、B町からF遊園地までの走行ルートを表示する(S7)。
【0057】
CPU3は、走行ルートを表示した後、ランドマークデータテーブルの現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲(「雨のB町」)の楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流す(S8)とともに、シナリオ生成装置9にシナリオ生成信号を入力する。
【0058】
シナリオ生成装置9は、シナリオ生成信号が入力されたことに応答して、CPU3で再生する楽曲(「雨のB町」)の特徴量を解析する(S9)。シナリオ生成装置9は、拍の頭から8拍を1構成として区切り、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換えるとともに、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオを生成し(S10)、生成したシナリオに応じたシナリオ信号をCPU3に入力する。
【0059】
CPU3は、シナリオ信号が入力されたことに応答して、現在地(B町)の100枚の画像データを、LCD6に表示するとともに、上記したシナリオに基づいて、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換え、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトする制御を行う(S11)。そして、目的地設定を解除していないとき(S12でN)には、B町からF遊園地までの走行ルートを表示する(S7)。
【0060】
このように、CPU3は、現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「雨のB町」)を再生するとともに、現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示するから、自動車の走行時における趣向性を向上することができ、さらには、ユーザは、再生されている楽曲及び画像を確認するだけで、現在地を把握することができる。
【0061】
また、再生する楽曲データに応じてシナリオを生成し、CPU3は、シナリオに応じてLCD6に表示する画像の切り換え及びズームイン/ズームアウトを行うから、より一層、趣向性を向上することができる。
【0062】
なお、上記実施形態では、CPU3は、現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「雨のB町」)を再生するとともに、現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示したが、これに限定されることなく、楽曲データの再生と画像データの表示とのうち少なくともいずれか一方を行えばよく、ユーザが任意で選択した楽曲データを再生するとともに、現在地(B町)の画像データをLCD6に表示するようにしてもよく、現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「雨のB町」)を再生するとともに、ユーザが任意で選択した画像をLCD6に表示するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0063】
また、上記実施形態では、目的地を設定し、目的地までの走行ルートを表示した後に、現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「雨のB町」)を再生するとともに、現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示したが、これに限定されることなく、目的地を設定していないときにも、現在地(B町)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「雨のB町」)を再生するとともに、現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0064】
さらに、上記実施形態では、100枚分のランドマークの画像データを、番号順に表示するようにしたが、これに限定されることなく、データファイル名の辞書順、データの最終更新日時順、撮影日時順、ランダムに表示するようにしてもよく、さらには、人物が撮影されている画像のみを表示するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0065】
また、上記実施形態では、RAM4のランドマークデータテーブルに、ランドマークに応じた楽曲データ及び画像データを記憶し、これら楽曲データ及び画像データを再生したが、これに限定されることなく、楽曲データ及び画像データが記憶された外部データサーバーにインターネットを介して接続可能な通信部を設け、外部データサーバーに接続して楽曲データ及び画像データをダウンロードし、このダウンロードした楽曲データ及び画像データを再生するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0066】
図9に他の実施形態を示す。上記実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を簡略化する。この実施形態では、ユーザが運転する自動車が、B町内の「(緯度=35.7°、経度=139.7°)」の地点にいるときに、カーナビゲーションシステム2の電源をオンする(S1)と、GPS算出部16は、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出する(S2)。CPU3は、現在地データに基づき、地図データの全ての分割エリアから、現在地(B町)が含まれる分割エリアを選定する(S3)。次に、CPU3は、選定された分割エリアA(11,8)内のランドマークを検索し、現在地が含まれるLMエリアを選定する(S4)。
【0067】
CPU3は、LCD6に選定されたLMエリア(B町LMエリア)周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する(S5)。この状態のときに、ユーザが、操作部5の目的地設定ボタンを操作して、目的地として「F遊園地」を設定する(S6でY)と、ルート検索部8は、B町からF遊園地までの走行ルートを検索し、CPU3は、LCD6に表示されている地図上に、B町からF遊園地までの走行ルートまでの走行ルートを表示する(S7)。
【0068】
CPU3は、走行ルートを表示した後、ランドマークデータテーブルの目的地(F遊園地)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「F遊園地のマーチ」)を再生し、スピーカ10から音声を流す(S8)とともに、シナリオ生成装置9にシナリオ生成信号を入力する。
【0069】
シナリオ生成装置9は、シナリオ生成信号が入力されたことに応答して、CPU3で再生する楽曲(「F遊園地のマーチ」)の特徴量を解析する(S9)。シナリオ生成装置9は、拍の頭から8拍を1構成として区切り、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換えるとともに、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオを生成する(S10)。
【0070】
CPU3は、シナリオ生成装置9からシナリオ信号が入力されたことに応答して、目的地(F遊園地)の100枚の画像データ及び、F遊園地の子としてのG観覧車及びHジェットコースターの各100枚の画像データを、LCD6に表示するとともに、上記したシナリオに基づいて、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換え、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトする制御を行う(S11)。そして、目的地設定を解除していないとき(S12でN)には、B町からF遊園地までの走行ルートを表示する(S7)。本実施形態では、CPU3は、RAM4から、目的地の施設データを有する画像データを検索する目的地画像データ検索手段としても機能する。
【0071】
このように、CPU3は、目的地(F遊園地)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「F遊園地のマーチ」)を再生するとともに、目的地(F遊園地)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示するから、自動車の走行時における趣向性を向上することができる。
【0072】
なお、上記実施形態では、CPU3は、目的地(F遊園地)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「F遊園地のマーチ」)を再生するとともに、目的地(F遊園地)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示したが、これに限定されることなく、楽曲データの再生と画像データの表示とのうち少なくともいずれか一方を行えばよく、ユーザが任意で選択した楽曲データを再生するとともに、目的地(F遊園地)の画像データをLCD6に表示するようにしてもよく、目的地(F遊園地)の関連楽曲セクションに記憶された楽曲データ(「F遊園地のマーチ」)を再生するとともに、ユーザが任意で選択した画像をLCD6に表示するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0073】
図10及び図11に他の実施形態を示す。図1〜図8に示す実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を簡略化する。この実施形態では、カーナビゲーションシステム20には、CDプレーヤ21が設けられている。CDプレーヤ21は、CPU3及びスピーカ10に接続されている。カーナビゲーションシステム20のRAM4には、楽曲データが記憶されておらず、カーナビゲーションシステム20で楽曲を再生する場合には、ユーザは、CDプレーヤ21にCDをセットし、操作部5を操作して、CPU3によりCDプレーヤ21の駆動を制御して、CDの再生を行う。本実施形態では、CDプレーヤ21は、楽曲データを再生する楽曲再生装置として機能する。
【0074】
ユーザが運転する自動車が、B町内の「(緯度=35.7°、経度=139.7°)」の地点にいるときに、カーナビゲーションシステム2の電源をオンする(S1)と、GPS算出部16は、現在地の位置データ(緯度・経度)を算出する(S2)。CPU3は、現在地データに基づき、地図データの全ての分割エリアから、現在地(B町)が含まれる分割エリアを選定する(S3)。次に、CPU3は、選定された分割エリアA(11,8)内のランドマークを検索し、現在地が含まれるLMエリアを選定する(S4)。
【0075】
CPU3は、LCD6に選定されたLMエリア(B町LMエリア)周辺の地図を表示するとともに、その地図上に、現在地を示すアイコンを表示する(S5)。この状態のときに、ユーザが、CDプレーヤ21にCDをセットし、操作部5を操作して、CDプレーヤ21で再生する楽曲を選択する(S6でY)と、CDプレーヤ21は、選択された楽曲データを再生し、スピーカ10から音声を流す(S7)とともに、CPU3を介してシナリオ生成装置9に再生する楽曲データ及びシナリオ生成信号を入力する。
【0076】
シナリオ生成装置9は、楽曲データ及びシナリオ生成信号が入力されたことに応答して、入力された楽曲データ(CDプレーヤ21で再生する楽曲)の特徴量を解析する(S8)。シナリオ生成装置9は、拍の頭から8拍を1構成として区切り、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換えるとともに、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトするようなシナリオを生成する(S9)。
【0077】
CPU3は、シナリオ生成装置9からシナリオ信号が入力されたことに応答して、現在地(B町)の100枚の画像データを、LCD6に表示するとともに、上記したシナリオに基づいて、8拍の1構成毎にLCD6に表示する画像を切り換え、アクセントの部分で画像をズームイン/ズームアウトする制御を行う(S10)。
【0078】
このように、CDプレーヤ21は、ユーザが選択した楽曲データを再生し、CPU3は、CDプレーヤ21で再生する楽曲データの特徴量に基づいたシナリオで、現在地(B町)のLM画像セクションに記憶された画像データを、LCD6に表示するから、ユーザが任意で選択した楽曲データの特徴量に基づいたシナリオで、画像データを表示することができ、自動車の走行時における趣向性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明を実施したカーナビゲーションシステムの電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図2】地図データの地図領域を示す平面図である。
【図3】分割エリアデータテーブルの説明図である。
【図4】分割エリア一覧テーブルの説明図である。
【図5】ランドマークデータテーブルの説明図である。
【図6】B町、C町、D町、E町、F遊園地の地図領域を示す平面図である。
【図7】F遊園地、G観覧車、Hジェットコースターの地図領域を示す平面図である。
【図8】算出した現在地データに基づき、現在地の楽曲データ及び画像データを再生する流れを示すフローチャートである。
【図9】設定した目的地の楽曲データ及び画像データを再生する流れを示すフローチャートである。
【図10】CDプレーヤを設けた実施形態のカーナビゲーションシステムの電気的構成を示す機能ブロック図である。
【図11】算出した現在地データに基づき、CDプレーヤでCDを再生し、現在地の画像データを再生する流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
2,20 カーナビゲーションシステム
3 CPU(制御手段)
4 RAM(地図データ記憶手段)
5 操作部(楽曲入力手段)
6 LCD(画像表示装置)
7 GPSユニット(位置データ取得手段)
8 ルート検索部(ルート検索手段)
9 シナリオ生成装置(解析手段)
10 スピーカ
21 CDプレーヤ(楽曲再生装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲データを再生する楽曲再生装置と、前記楽曲再生装置で再生する楽曲データを入力する楽曲入力手段と、画像データを表示する画像表示装置と、を備えたAVシステムであって、
施設の位置を含む施設データを有する画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記楽曲入力手段により入力された楽曲データの特徴を解析する解析手段と、
前記解析手段での解析結果に基づいて、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記画像表示装置に表示する制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とするAVシステム。
【請求項2】
現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と、
施設の位置を含む施設データを有する地図データから、前記位置データ取得手段で取得した位置データを含む施設データを検索する現在地施設データ検索手段と、
前記画像データ記憶手段から、前記現在地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する現在地画像データ検索手段と、を備え、
前記制御手段は、前記現在地画像データ検索手段で検索された画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことを特徴とする請求項1記載のAVシステム。
【請求項3】
前記施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、
前記楽曲入力手段は、前記現在地施設データ検索手段で検索された施設データに関連付けられた楽曲データを、前記楽曲データ記憶手段から選択して入力することを特徴とする請求項2記載のAVシステム。
【請求項4】
現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と、
目的地を設定する設定手段と、
現在地から前記設定手段で設定された目的地までの走行ルートを検索するルート検索手段と、
施設の位置を含む施設データを有する地図データから、前記設定手段で設定された目的地の位置データを含む施設データを検索する目的地施設データ検索手段と、
前記画像データ記憶手段から、前記目的地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する目的地画像データ検索手段と、を備え、
前記制御手段は、前記目的地画像データ検索手段で検索された画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことを特徴とする請求項1記載のAVシステム。
【請求項5】
前記施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、
前記楽曲入力手段は、前記設定手段で設定された目的地の施設データに関連付けられた楽曲データを、前記楽曲データ記憶手段から選択して入力することを特徴とする請求項4記載のAVシステム。
【請求項6】
前記解析手段は、解析結果に基づいて、前記画像表示装置に表示する画像データのシナリオを生成し、
前記制御手段は、前記シナリオに基づいて、画像データを前記画像表示装置に表示する制御を行うことを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載のAVシステム。
【請求項7】
前記地図データを記憶する地図データ記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし6いずれか1つ記載のAVシステム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記目的地の施設内に位置する他の施設の施設データを有する画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことを特徴とする請求項4ないし7いずれか1つ記載のAVシステム。
【請求項1】
楽曲データを再生する楽曲再生装置と、前記楽曲再生装置で再生する楽曲データを入力する楽曲入力手段と、画像データを表示する画像表示装置と、を備えたAVシステムであって、
施設の位置を含む施設データを有する画像データを記憶する画像データ記憶手段と、
前記楽曲入力手段により入力された楽曲データの特徴を解析する解析手段と、
前記解析手段での解析結果に基づいて、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを前記画像表示装置に表示する制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とするAVシステム。
【請求項2】
現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と、
施設の位置を含む施設データを有する地図データから、前記位置データ取得手段で取得した位置データを含む施設データを検索する現在地施設データ検索手段と、
前記画像データ記憶手段から、前記現在地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する現在地画像データ検索手段と、を備え、
前記制御手段は、前記現在地画像データ検索手段で検索された画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことを特徴とする請求項1記載のAVシステム。
【請求項3】
前記施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、
前記楽曲入力手段は、前記現在地施設データ検索手段で検索された施設データに関連付けられた楽曲データを、前記楽曲データ記憶手段から選択して入力することを特徴とする請求項2記載のAVシステム。
【請求項4】
現在地の位置データを取得する位置データ取得手段と、
目的地を設定する設定手段と、
現在地から前記設定手段で設定された目的地までの走行ルートを検索するルート検索手段と、
施設の位置を含む施設データを有する地図データから、前記設定手段で設定された目的地の位置データを含む施設データを検索する目的地施設データ検索手段と、
前記画像データ記憶手段から、前記目的地施設データ検索手段で検索された施設データを有する画像データを検索する目的地画像データ検索手段と、を備え、
前記制御手段は、前記目的地画像データ検索手段で検索された画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことを特徴とする請求項1記載のAVシステム。
【請求項5】
前記施設データが関連付けられた複数の楽曲データを記憶した楽曲データ記憶手段を備え、
前記楽曲入力手段は、前記設定手段で設定された目的地の施設データに関連付けられた楽曲データを、前記楽曲データ記憶手段から選択して入力することを特徴とする請求項4記載のAVシステム。
【請求項6】
前記解析手段は、解析結果に基づいて、前記画像表示装置に表示する画像データのシナリオを生成し、
前記制御手段は、前記シナリオに基づいて、画像データを前記画像表示装置に表示する制御を行うことを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載のAVシステム。
【請求項7】
前記地図データを記憶する地図データ記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし6いずれか1つ記載のAVシステム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記目的地の施設内に位置する他の施設の施設データを有する画像データを、前記画像表示装置に表示する制御を行うことを特徴とする請求項4ないし7いずれか1つ記載のAVシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−1308(P2008−1308A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175186(P2006−175186)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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