説明

CVD装置

【課題】
CVD装置において、基板の表面に形成する膜の面内均一性を向上させる。
【解決手段】
CVD装置は、複数の基板2を載置できるボート4と、ボート4の周囲を取り囲むように設けられた内管6と、内管6の外側を覆う外管8と、内管6及び外管8を保持するためのフランジ10と、フランジ10の側壁の2箇所に設けられ、外部から内管6の内側へガスを導入するためのガス導入ノズル12a,12bと、ガス導入ノズル12a,12bから導入されたガスを、混合してフランジ10内側の側壁に沿ってフランジ10の底面に略平行に流動させるために、フランジ10内側のガス導入ノズル12a,12bの噴出口近傍に設けられたガイド部14と、外管8内のガスを外管8の外部に排出するためのガス排出部16を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばシラン系ガスとN2Oガスなど、2種類のガスを混合した混合ガスを減圧下で高温に過熱したスペース内に充満させて、ボートに載置された基板の表面にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などを成膜するためのCVD(Chemical vapor deposition)装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な従来の減圧CVD(以下、LPCVDという)装置を説明する。図8は従来のCVD装置の構造の一例を示す図であり、(A)はCVD装置全体を示す断面図、(B)は(A)のC−C位置での拡大断面図である。
【0003】
表面に膜を形成する対象である、例えば半導体基板などの基板2を装置内に載置するために、装置中央部にボート4が設けられている。ボート4の下に断面形状が円形のフランジ10が配置されている。ボート4の底部はフランジ10によって支持されている。
ボート4の周囲を囲うように円筒形の内管6が配置されている。内管6はフランジ10の内管保持部10aに保持されている。内管保持部10aはフランジ10の側壁から中心側に突出した板状の部材であり、フランジ10の底面とは間隔をもっている。
内管6の外側に円筒形の外管8が配置されている。内管6は外管8によって覆われている。外管8はフランジ10の外管保持部10bに保持されている。
【0004】
フランジ10の底面と内管保持部10aの間の側壁に、内管6内に2種類のガス、例えばシラン系ガスとN2Oガスを導入するための2つのガス導入ノズル32a,32bが設けられている。ガス導入ノズル32a,32bの噴出口はフランジ10の側壁から内側に向かって数cm程度突出している。
【0005】
フランジ10の内管保持部10aと外管保持部10bの間の側壁にガス排出部16が設けられている。ガス排出部16はポンプ(図示は省略)に接続されており、そのポンプを駆動することにより外管8の内側からガスを排気することができるようになっている。
【0006】
このCVD装置は、ガス導入ノズル32a及び32bから2種類のガスを吹き出させて混合し、基板2の表面に均一な膜を形成するようになっている。ガスの流れとしては、導入部32a及び32bから導入されたガスはボート4に載置されている基板2に達し、そのまま内管6内を上昇する。内管6の最上部に達したガスは、内管6と外管8の間を通ってガス排出部16に達し、図示されていないポンプによって装置外へ排出される。
【0007】
このCVD装置では、2つのガス挿入部32a及び32bから導入された2種類のガスが十分によく混ざり合うように、ガス導入ノズル32a,32bの噴出口はフランジ10内側の側壁から内側に向かって数cm程度突出している。
また、例えば図9に示すように、ガス導入ノズル34をL字型に形成して噴出口を外管8の天井に向かって配置し、ガスを上向きに噴出するようにすることで、ガスがよく混ざり合うようにしたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
【0008】
しかし、図8及び図9に示したCVD装置であっても、ガスの混ざり具合が高さによって不均一となっていた。そのため、ボート4の高さ方向に対して温度勾配をもたせることが必要であった。
【0009】
上記問題を解決するために、ガスを導入するためのガス導入ノズルとして4本のノズルを設け、そのうち2本のノズルは従来のものと同様、フランジ内側の側壁から数cm程度内側に突出しており、残りの2本のノズルの先端はL字型に形成されていて、噴出口がボートの上部まで立ち上がっているようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
特許文献1に示されたCVD装置では、内側に突出しただけの2本のノズルから吹き出されたガスは、ボートの下半分に載置された基板の表面に膜を形成するためのものであり、L字型に形成されたノズルはボートの上半分に載置された基板の表面に膜を形成するためのものである。
【特許文献1】特開平1−251725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一般に縦型のLPCVD装置で基板の表面に膜を形成する場合、膜厚の面内均一性は余裕をもって3%以内を達成することができる。ところが、シラン系ガスとN2Oガスを混合して酸化膜を基板表面に形成する場合は、ボートの最下部においてガスの混合が不十分であるため、膜厚の面内均一性は5%程度が限界であった。
【0012】
特許文献1はボートの上部と下部での膜厚の均一化に主眼が置かれており、ボートの最下部においては従来の縦型LPCVD装置と同じノズルを装着しているだけである。そのため、ノズルの形状をL字型にする工夫を加えたとしても、ボート最下部における基板表面の膜厚の面内均一性を向上させることはできない。
【0013】
CVD装置で形成された膜は、例えば容量素子として使用する場合があり、その場合、膜厚及び膜質のばらつきは直接的に容量値のばらつきに結びつくことになる。そのため、特にボートの最下部に載置された基板表面の膜の膜厚及び膜質の面内均一性を他の処理位置と同等まで高めることは重要であり、そうすることで信頼性の高い半導体製品を安定して製造することができるようになる。
【0014】
そこで本発明は、CVD装置において、基板の表面に形成する膜の面内均一性を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかるCVD装置の第1の態様は、複数の基板を横向きにして縦方向に載置できる縦型ボートと、ボートの側方を取り囲むように設けられた縦型の筒状内管と、ボート及び内管の側方及び上方を覆う外管と、内管及び外管を下端で保持するためのフランジと、フランジの側壁の2箇所に設けられ、外部から内管の内側へガスを導入するためのガス導入ノズルと、外管内のガスを外管の外部に排出するためのガス排出部と、を備えたCVD装置であって、フランジ内側のガス導入ノズルの噴出口近傍に、ガス導入ノズルから導入されたガスを混合してフランジの底面と略平行な方向にフランジ内側の側壁に沿って流動させるためのガイド部が設けられていることを特徴とするものである。
ガス導入ノズルから導入されたガスを混合してフランジの底面と略平行な方向にフランジ内側の側壁に沿って流動させるためのガイド部が、フランジ内側のガス導入ノズル近傍に設けられているので、ガス導入ノズルから導入された2種類のガスはフランジ底部近傍で十分に混合される。
【0016】
上記CVD装置では、上記ガイド部は一辺を共有する2つの矩形面を備えており、一方の矩形面はフランジ内側の側壁に対して略平行に配置され、他方の上記矩形面は上記フランジ内側の側壁に対して略垂直に配置されているのが好ましい。
上記のようにすれば、ガイド部を安価で簡単に形成することができる。このようなガイド部の一例として、例えばL字型に折り曲げられたステンレス製の板によって構成されるものを挙げることができる。
ここで「矩形面」とは、長方形の面の他、湾曲した辺をもつ面など、長方形の面と同様に用いて同じ効果を得ることができるものであれば含むものとする。
【0017】
さらに、上記フランジの少なくともガイド部材が設けられている位置に、フランジ内側の側壁から中心側に向かって突出した突起板を備え、突起板、フランジ内側の底面、フランジ内側の側壁、及びガイド部で、2種類のガスを混合し、その混合ガスをフランジ内側の側壁に沿って流動させるための混合スペースを形成しているようにしてもよい。
突起板、フランジ内側の底面、フランジ内側の側壁、及びガイド部で、2種類のガスを混合し、その混合ガスをフランジ内側の内壁に沿って流動させるためのスペースを形成するようにすれば、より確実にガスを混合することができる。
【0018】
上記突起板として、内管を保持するための内管保持部を用いることができる。
内管を保持するために設けられている内管保持部を突起板として用いれば、フランジ内側の側壁に沿った流路を簡単な構成で形成することができる。
【0019】
また、本発明のCVD装置におけるガイド部として、2つのガス導入ノズルから導入されたガスが1つの流路に合流されて混合され、フランジの底面と略平行な方向にフランジ内側の側壁に沿ってその混合ガスが吹き出されるように、2つのガス導入ノズルの噴出口に接続された配管部材であってもよい。
【0020】
また、上記のCVD装置では、それぞれの上記ガス導入ノズルから導入されるガスとして、シラン系ガスとN2Oガスを挙げることができる。
シラン系ガスとは、例えばモノシラン、ジシラン、ジクロールシランなどである。従来のCVD装置では、これらシラン系ガスはN2Oガスとは混合しにくく、これらのガスを用いて形成した膜の膜厚や膜質の面内均一性は十分ではなかった。
本発明のCVD装置では、シラン系ガスとN2Oガスを用いた場合であっても、十分に混合して基板の表面全体にその混合ガスを供給することができるため、シラン系ガスとN2Oガスを本発明のCVD装置に導入するようにすれば、従来のCVD装置よりも効率よくこれらのガスを混合して反応させることができ、シラン系ガスとN2Oガスを用いて形成した膜の膜厚や膜質の面内均一性を向上させることができる。
【0021】
上記のように、2種類のガスとしてシラン系ガスとN2Oガスを用いる場合、2つのガス導入ノズルは、フランジの底面を基準として同じ高さに設けられており、フランジ内側の側壁に沿ったガスの流れ方向において上流側に設けられたガス導入ノズルからはN2Oが導入され、下流側のガス導入ノズルからはシラン系ガスが導入されるようになっているのが好ましい。
LPCVD装置でシラン系ガスとN2Oガスを混合して用いる場合、その混合割合は流量比でシラン系ガス:N2Oガス=1:40〜60の関係が好ましいとされている。シラン系ガスはN2Oガスに比べて少量であるため、シラン系ガスをフランジ内側の側壁に沿ったガスの流れ方向において下流側のガス導入ノズルから導入し、シラン系ガスよりも圧倒的に多いN2Oガスを上流側のガス導入ノズルから導入するのがよい。そうすれば、少量のシラン系ガスが多量のN2Oガスによって押し流されるようになり、これらのガスがより効率よく混合される。
【0022】
また、本発明にかかるCVD装置の第2の態様は、複数の基板を横向きにして縦方向に載置できる縦型ボートと、ボートの側方を取り囲むように設けられた縦型の筒状内管と、内管の外側を覆う外管と、内管及び前記外管を下端で保持するためのフランジと、フランジの側壁に設けられ、外部から内管の内側へガスを導入するためのガス導入ノズルと、外管内のガスを外管の外部に排出するためのガス排出部と、を備えたものであって、フランジの外側に設けられた、それぞれ異なるガスを供給する2本のガス供給流路、上記ガス供給流路を合流させて減圧下で両ガス供給流路から供給されたガスを混合する混合部、及び混合部から混合ガスをガス導入ノズルに供給するためにガス導入ノズルに接続された1本のガス導入流路、からなる混合ガス供給部と、フランジ内側のガス導入ノズルの噴出口近傍に設けられ、ガス導入ノズルから導入されたガスをフランジの底面と略平行な方向にフランジ内側の側壁に沿って流動させるためのガイド部と、をさらに備えている。
上記第2の態様では、2種類のガスを予め混合してから装置内に導入するので、十分に混合されたガスを基板の表面に確実に供給することができる。
【0023】
ガイド部として、一辺を共有する2つの矩形面を備えており、一方の矩形面はフランジ内側の側壁に対して略平行に配置され、他方の矩形面はフランジ内側の側壁に対して略垂直に配置されているものを挙げることができる。このようなガイド部はL字型の板状部材で構成することができ、そうすることでガイド部を安価で容易に形成することができる。
【0024】
さらに、フランジの少なくとも上記ガイド部材が設けられている位置に、上記フランジ内側の側壁から中心側に向かって突出した突起板を備え、上記突起板、フランジ内側の底面、フランジ内側の側壁、及びガイド部で、ガス導入ノズルから導入されたガスをフランジ内側の側壁に沿って流動させるための方向変換部を形成しているのが好ましい。
この場合も、突起板として、内管を保持するための内管保持部を用いることができる。
【0025】
また、ガイド部として、ガス導入ノズルから導入されたガスをフランジの底面と略平行な方向にフランジ内側の側壁に沿って吹き出させるように、ガス導入ノズルの先端部に取り付けられた配管部材を挙げることもできる。
【0026】
上記CVD装置の第2の態様においても、それぞれの上記ガス導入ノズルから導入されるガスとして、シラン系ガスとN2Oガスを挙げることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明のCVD装置における第1の態様では、基板を載置するためのボートの周囲に設けられた内管及び外管、内管及び外管を保持するフランジ、フランジの側壁の2箇所に設けられたガス導入ノズルなどを備えたCVD装置において、フランジ内側のガス導入ノズルの噴出口近傍に、2箇所のガス導入ノズルから導入されたガスを混合してフランジ内側の側壁に沿ってフランジの底面と略平行に流動させるためのガイド部を備えているようにしたので、2箇所のガス導入ノズルから導入されたガスをフランジ底部近傍で十分に混合して、ボートに載置されている基板表面に供給することができる。これにより、ボートに載置されている複数の基板の表面に形成される膜の膜厚及び膜質の面内均一性を向上させることができる。また、ガイド部によって十分に混合されたガスがフランジの底部においてフランジ内側の側壁に沿って流動するため、ボートの最下部から最上部に載置されている基板の表面に十分に混合されたガスを供給して均一な膜を形成することができる。
【0028】
ガイド部が一辺を共有する2つの矩形面を備えており、一方の矩形面はフランジ内側の側壁に対して略平行に配置され、他方の矩形面はフランジ内側の側壁に対して略垂直に配置されているようにすれば、構成が簡単となり、安価にガイド部を設けることができる。
【0029】
さらに、フランジの少なくともガイド部材が設けられている位置に、フランジ内側の側壁から中心側に向かって突出した突起板を備え、突起板、フランジ内側の底面、フランジ内側の側壁、及びガイド部で、2種類のガスを混合し、その混合ガスをフランジ内側の側壁に沿って流すための混合スペースを形成するようにすれば、さらに2種類のガスを十分に混合することができるので、基板の表面に形成される膜の膜厚や膜質の面内均一性を向上させることができる。
【0030】
上記突起板として内管保持部を用いれば、混合スペースを、専用の突起板を設けることなく形成することができるので、製造コストを低減させることができる。
【0031】
シラン系ガスとN2Oガスを本発明のCVD装置で用いるようにすれば、従来のCVD装置では混合しにくかったシラン系ガスとN2Oガスを十分に混合することができ、従来のCVD装置よりも、シラン系ガスとN2Oガスを用いて形成した膜の膜厚や膜質の面内均一性を向上させることができる。
【0032】
シラン系ガスとN2Oガスをガス導入ノズルから導入する場合、N2Oガスはフランジ内側の側壁に沿ったガスの流れ方向において上流側に設けられたガス導入ノズルから導入され、シラン系ガスは下流側のガス導入ノズルから導入されるようにすれば、少量のシラン系ガスが多量のN2Oガスに押し流されて混合されるようになり、さらに効率よくシラン系ガスとN2Oガスを混合することができる。これにより、ボートに載置されている基板の表面に形成される膜の面内均一性をさらに向上させることができる。
【0033】
また、本発明の第2の態様では、基板を載置するためのボートの周囲に配置された内管及び外管、内管及び外管を下端で保持するためのフランジ、フランジの側壁に設けられたガス導入ノズルなどを備えたCVD装置であって、このCVD装置はさらに、フランジの外側に設けられた、2種類のガスを減圧下で混合するための混合部を備えた混合ガス供給部と、ガス導入ノズルから導入されたガスをフランジ底面と略平行な方向にフランジ内側の側壁に沿って流動させるためのガイド部を備えているようにしたので、2種類のガスが予め十分に混合された状態で装置内に導入されて基板の表面に供給される。これにより、基板表面に形成される膜の膜厚や膜質の面内均一性を向上させることができる。さらに、ガイド部によって、装置内に導入された混合ガスがフランジの底部においてフランジ内側の側壁に沿って流動するため、ボートの最下部から最上部に載置されている基板の表面に十分に混合されたガスを供給して均一な膜を形成することができる。
【0034】
上記第2の態様において、ガイド部が一辺を共有する2つの矩形面を備えており、一方の矩形面はフランジ内側の側壁に対して略平行に配置され、他方の矩形面はフランジ内側の側壁に対して略垂直に配置されているようにすれば、安価で容易にガイド部を形成することができる。
【0035】
さらに上記第2の態様において、フランジの少なくとも上記ガイド部材が設けられている位置に突起板を備え、突起板、フランジ内側の底面、フランジ内側の側壁、及び上記ガイド部でフランジの底面に略平行な方向にフランジ内側の側壁に沿ってガスを流動させるための流路を形成するようにすれば、フランジの底部近傍において、混合ガスをフランジ内側の側壁に沿って流動させやすくなり、ボートの最下部から最上部に載置されている基板の表面に十分に混合されたガスを供給して均一な膜を形成することができる。
【0036】
上記突起板として内管保持部を用いれば、フランジ内側の側壁に沿った流路を専用の突起板を形成することなく形成することができるので、製造コストを低減させることができる。
【0037】
また、ガイド部が、ガス導入ノズルから導入されたガスをフランジの底面と略平行な方向にフランジ内側の側壁に沿って吹き出させるように、ガス導入ノズルの先端部に取り付けられた配管部材であるようにしても、安価で容易にガイド部を形成することができる。
【0038】
2種類のガスとしてシラン系ガスとN2Oガスを用いれば、従来のCVD装置では混合しにくかったシラン系ガスとN2Oガスを十分に混合させることができ、これらのガスを用いて基板の表面に形成した膜の膜厚や膜質の面内均一性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に、本発明のCVD装置の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はCVD装置の一実施例の構造を示す図であり、(A)は全体の構造を示す断面図、(B)は(A)におけるA−A位置での断面拡大図である。
【0040】
表面に膜を形成する対象である、例えば半導体基板などの基板2を装置内に載置するために、装置中央部にボート4が設けられている。ボート4は例えば石英で形成されており、最上部から最下部にかけて例えば50枚の基板2を載置することができるようになっている。ボート4の下に断面形状が円形のフランジ10が配置されている。ボート4の底部はフランジ10によって支持されている。
【0041】
ボート4の周囲に円筒形の内管6が配置されている。内管6はフランジ10の内管保持部10aに保持されている。内管保持部10aはフランジ10の側壁から中心側に突出したドーナツ円盤形の板状部材であり、フランジ10の底面とは間隔をもっている。
内管6の外側に円筒形の外管8が配置されている。外管8は内管6とは間隔をもった状態で内管6を覆うように配置されている。外管8はフランジ10の底面を基準にして、フランジ10の側壁の内管保持部10aよりも高い位置に設けられた外管保持部10bに保持されている。
【0042】
このCVD装置内に2種類のガス、例えばシラン系ガスとN2Oガスを導入するために、フランジ10の底面と内管保持部10aの間の側壁の2箇所に2つのガス導入ノズル12a,12bが配置されている。2つのガス導入ノズル12a,12bはフランジ10の底面を基準として同じ高さに設けられている。ガス導入ノズル12a,12bはそれぞれフランジ10の中心に向かってガスを噴出するようになっている。
【0043】
フランジ10底面と内管保持部10aの間の、ガス導入ノズル12a,12bの噴出口の近傍にガイド部14が配置されている。ガイド部14の上端は内管保持部10aの下面に接しており、ガイド部14の下端はフランジ10の底面に接している。ガイド部14は、一辺を共有する2つの矩形面14a,14bで構成されている。矩形面14aはガス導入ノズル12a及び12bから導入されるガスの流れを妨げるように、フランジ10の側壁とは例えば40mmの間隔をもって、ガス導入ノズル12a及び12bのガスの導入方向に対して略垂直に配置されている。矩形面14aはフランジ10の内壁に沿うように湾曲している。矩形面14bはフランジ10内側の側壁に対して略垂直に配置されて、フランジ10側壁におけるガス導入ノズル12bの側方に固定されている。
【0044】
この実施例において、ガイド部14は、例えば厚みが2mmのステンレス板が略L字型に折り曲げられて形成されている。このように、略L字型の板状部材を用いれば、安価で簡単にガイド部14を設けることができる。
【0045】
フランジ10の底面を基準として、フランジ10の側壁の内管保持部10aよりも高い位置にガス排出部16が設けられている。ガス排出部16はポンプ(図示は省略)に接続されており、そのポンプを駆動することによって外管8の内側からガスを排気することができるようになっている。また、ポンプを駆動することによって外管8より内側(装置内)は減圧状態となる。
【0046】
この実施例では、ガイド部14が、例えば図2に示されるように、矩形面14aが内管保持部10aの最内側端面に接して配置され、矩形面14bは矩形面14aよりも高さ寸法が小さく形成されて、内管保持部10aの下面とフランジ10の底面との間に挿入されているため、ガス導入ノズル12a及び12bの噴出口近傍に、フランジ10の底面、フランジ10の側壁、内管保持部10a及びガイド部14の矩形面14a,14bで囲まれたスペース18が形成される。これにより、ガス導入ノズル12a及び12bから導入された2種類のガスはスペース18で十分に混合され、混合ガスはスペース18から略水平方向に噴出されてフランジ10内側の側壁に沿って流動するようになっている。
【0047】
ガス導入ノズル12a及び12bから導入されたガスは、ガイド部14の矩形面14bがフランジ10内側の側壁に対して略垂直に配置されていることで、一定の方向(図では反時計方向)にしか流れないようになっている。このフランジ10の側壁に沿ったガスの流れを基準にすれば、ガス導入ノズル12bは上流側に位置し、ガス導入ノズル12aはガス導入ノズル12bよりも下流側に位置する。
【0048】
上記のように、ガスの流れ方向において、上流から導入されるガスとそれよりも下流側から導入されるガスが存在するCVD装置においては、2種類のガスのうち、相対的に、一方の導入量が小量で他方の導入量が多量である場合は、少量しか導入されない一方のガスをガス導入ノズル12aから導入し、それよりも多量に導入されるガスをガス導入ノズル12bから導入するのが好ましい。そうすれば、下流側のガス導入ノズル12aから導入された少量のガスを、上流側のガス導入ノズル12bから導入された多量のガスで押し流し、これら2種類のガスを効率よく混合することができる。
【0049】
シラン系ガスとN2Oガスを用いる場合の混合比は、流量比でシラン系ガス:N2Oガス=1:40〜60の関係が好ましいとされている。この実施例では、シラン系ガスとしてSiH4を用い、SiH4ガスが25cc/m、N2Oガスが1225cc/mの割合で混合されるように、SiH4ガスをガス導入ノズル12aから導入し、N2Oガスをガス導入ノズル12bから導入する。
【0050】
なお、図示は省略されているが、CVD装置は上記で説明した構成物の他、装置内を加熱するためのヒータやボート4を下方向に引き出して基板2の取出し又は載置を行なうためのボートエレベータと呼ばれる機構などを備えている。
【0051】
次に、上記実施例のCVD装置の動作を説明する。この実施例では、ヒータを用いてボート4の最上部から最下部までに等間隔に設けられた4点での温度が823℃、803℃、798℃、793℃となるようにし、さらにポンプを用いて装置内の圧力を0.1KPaにする。2種類のガスとしてSiH4ガスとN2Oガスを用い、SiH4ガスをガス導入ノズル12a、N2Oガスをガス導入ノズル12bからそれぞれ導入する。
【0052】
SiH4ガスとN2Oガスはそれぞれガス導入ノズル12a,12bからフランジ10を経てこのCVD装置に導入される。ガス導入ノズル12a,12bの噴出口から吹き出されたガスはガイド部14などによって形成されたスペース18で十分に混合されて、フランジ10内側の側壁に沿って流動し、その後、内管6内部を上昇する。内管6内を上昇したガスは外管8の最上部に達すると、外管8と内管6の間を通ってガス排出部16に達し、ポンプによって装置外へ排出される。
【0053】
上述のように、このCVD装置では、ガス導入ノズル12a及び12bの噴出口近傍にスペース18が形成されていることで、別々のノズル12a,12bから吹き出された2種類のガスを十分に混合することができ、これらのガスを用いて形成された膜の面内均一性を向上させることができる。さらに、スペース18を形成するガイド14の形状により、混合されたガスはスペース18から略水平方向に噴出され、フランジ10の底部においてフランジ10内側の側壁に沿って流動する。これにより、ボート4の最下部から最上部まで十分に混合されたガスが供給されるので、ボート4の最下部から最上部に載置されている複数の基板2の表面に均一な膜を形成することができる。
【0054】
図3及び図4は基板のボートにおける処理位置(高さ)と基板表面に形成された膜の面内均一性の関係を示すグラフであり、図3は膜厚の面内均一性、図4は膜に光を照射したときの屈折率の面内均一性を示している。図3において、横軸は測定対象の基板の処理位置(ボートにおける高さ、TOPはボート最上部、CNTはボート中央部、BTMはボート最下部をそれぞれ示す)、縦軸は半導体基板表面に形成された膜の膜厚の面内均一性(%)を示している。また、図4において、横軸は測定対象の基板の処理位置、縦軸は半導体基板表面に形成された膜の屈折率の面内均一性(%)を示している。
【0055】
図3において、破線で示されたデータ(X)はノズル12の近傍にガイド部14を配置しないで形成した膜、1点差線で示されたデータ(Y)はノズル12の近傍にガイド部14を配置し、かつSiH4ガスを上流側ノズル12bから導入して形成した膜、実線で示されたデータ(Z)は、図1及び図2に示されているCVD装置と同様に、ノズル12の近傍にガイド部14を配置し、かつSiH4ガスを下流側ノズル12aから導入して形成した膜、の膜厚面内均一性を示している。
図4において、破線で示されたデータ(X)はノズル12の近傍にガイド部14を配置しないで形成した膜、実線で示されたデータ(Y)は、図1及び図2に示されているCVD装置と同様に、ノズル12の近傍にガイド部14を配置し、かつSiH4ガスを下流側ノズル12aから導入して形成した膜、の屈折率面内均一性を示している。
【0056】
なお、図3、図4に示した膜厚面内均一性A1(%)、屈折率面内均一性A2(%)は以下の式(1),(2)を用いて算出している。
1=(最大膜厚−最少膜厚)/2/面内平均膜厚×100 (1)
2=(最大屈折率−最少屈折率)/2/面内平均屈折率×100 (2)
また、図4に示された、膜に光を照射したときの屈折率は膜質を表しており、面内での屈折率のばらつきが小さいほど、均一な膜質の膜が形成されていることを意味する。
【0057】
図3及び図4から、ガス導入ノズル12a,12bの噴出口近傍にガイド部14を配置することで、基板に形成される膜の膜厚及び膜質の面内均一性が改善されることがわかる。そして、その効果はボート4の下部に載置された基板に対して顕著に現れている。また、図3に示されているように、下流側のガス導入ノズル12aからSiH4を導入し、上流側のガス導入ノズル12bからN2Oを導入すれば、基板表面に形成された膜の膜厚の面内均一性がさらに0.3%程度改善されていることがわかる。
【0058】
この実施例では、ガイド部14としてL字型のステンレス板のみを用い、2種類のガスを混合するためのスペース18を内管保持部10aを利用して形成しているので、低コストで、2種類のガスを十分に混合した状態で基板2表面に供給できるCVD装置を製造することができる。
ただし、実施例では、フランジ10の底面、フランジ10の側壁、内管保持部10a及びガイド部14によってスペース18を形成しているが、本発明のCVD装置はこれに限定されるものではなく、例えば内管保持部10aをスペース18の壁面として用いずに、内管保持部10aとは異なる別の突起板をフランジ10の内側に形成し、スペース18の壁面として利用したものであってもよいし、スペース18の壁面として内管保持部10aも内管保持部10aの代わりとなる部材も設けていないものであってもよい。
後述する図7を参照して説明する実施例でも同様である。
【0059】
L字型のステンレス板をガイド部14として用いない場合は、例えば図5(A)に示すように、ガス導入ノズル12a及び12bの噴出口に接続され、ガス導入ノズル12aと12bを合流させて、フランジ10内側の側壁に沿って略水平方向に混合ガスを噴出する配管部材15を本発明のガイド部として配置してもよい。この場合には、配管部材15の内部が2種類のガスを混合させるためのスペース18aとなる。配管部材15をガイド部として用いた場合には、ガス導入ノズル12a及び12bから導入された2種類のガスが、配管部材15内部のスペース18aで十分に混合された後、フランジ10内側の側壁に沿って略水平方向に噴出されて流動するので、ボート4の最下部から最上部に載置された複数の基板2の表面に十分に混合されたガスを供給することができ、基板2の表面に面内均一性のよい膜を形成することができる。
【0060】
また、配管部材15の代わりに、例えば図5(B)に示されるような、内部にガス導入ノズル12aと12bを合流させて、フランジ10内側の側壁に沿って略水平方向に混合ガスを噴出するための流路が形成された配管ブロック15aを用いてもよい。この場合にも、配管部材15を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0061】
上記の配管部材15又は配管ブロック15aを配置した場合においても、ガイド部14を配置した場合(図1及び図2を参照)と同様に、上流側のガス導入ノズル12bからN2Oを導入し、下流側のガス導入ノズル12aからシラン系ガスを導入すれば、2種類のガスがさらに効率よく混合されて基板2の表面に形成される膜の面内均一性をさらに高めることができる。
【0062】
上述したCVD装置の実施例は、2箇所に設けられたガス導入ノズル12a及び12bによって2種類のガスを装置内に導入し、ガス導入ノズル12a及び12bの近傍でこれらのガスを混合するようになっているが、本発明のCVD装置は2種類のガスを予め混合してから装置内に導入するようになっていてもよい。以下にその実施例を説明する。
【0063】
図6はCVD装置の他の実施例の構造を示す断面図であり、(A)はCVD装置全体を示す断面図、(B)は(A)におけるB−B位置での拡大断面図である。
図6に示されているCVD装置は、フランジ10の側壁の1箇所にガス導入ノズル13が設けられている。ガス導入ノズル13のフランジ10内側の噴出口13aはL字型に曲がっていて、ガスをフランジ10内側の側壁に沿って略水平に噴出するようになっている。
【0064】
ガス導入ノズル13には、例えばシラン系ガスとN2Oガスとを1:50の割合で混合した混合ガスを供給することができる混合ガス供給部20がフランジ10の外側から接続されている。混合ガス供給部20は、シラン系ガス、N2Oガスをそれぞれ供給するためのガス供給流路22,24と、ガス供給流路22,24を合流させ、減圧下で両ガス供給流路22,24により供給されるガスを混合する混合部26で構成されている。混合部26はガス導入ノズル13に接続されている。
【0065】
この実施例のCVD装置は、混合ガス供給部20の混合部26で十分に混合されたガスがフランジ10内側の側壁に沿って略水平に噴き出されるので、図1及び図2に示したCVD装置と同様に、ボート4に載置された基板の表面に均一な膜を形成することができる。
ここでは、噴出口13aとしてL字型の管を用いているが、管に代えて図5(B)に示したような配管ブロックを用いてもよい。
【0066】
また、図7に示されるように、混合ガス供給部20に、図1及び図2に示したガス導入ノズル12a又は12bと同様にフランジ10の中心に向かって噴出するノズル27を接続し、ノズル27の噴出口近傍にガイド部14(図1及び図2を参照)を配置して、導入された混合ガスをフランジ10内側の側壁に沿って流動させるようにしてもよい。
【0067】
以上、本発明のCVD装置の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば寸法、形状、配置、材料などは実施が可能な範囲内において変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】一実施例のCVD装置の構造を示す図であり、(A)は全体の構造を示す断面図、(B)は(A)のA−A位置における拡大断面図である。
【図2】ガイド部の配置例を示す拡大断面斜視図である。
【図3】基板が配置されているボートの位置と基板に形成された膜の膜厚の面内均一性を示すグラフである。
【図4】基板が配置されているボートの位置と基板に形成された膜の屈折率の面内均一性を示すグラフである。
【図5】CVD装置の他の実施例を示す断面図である。
【図6】CVD装置のさらに他の実施例を示す図であり、(A)は全体の構造を示す断面図、(B)は(A)のB−B位置における拡大断面図である。
【図7】CVD装置のさらに他の実施例を示す断面図である。
【図8】従来のCVD装置の構造の一例を示す断面図である。
【図9】従来のCVD装置の構造の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0069】
2 半導体基板
4 ボート
6 内管
8 外管
10 フランジ
10a 内管保持部
10b 外管保持部
12,12a,12b,13,27 ガス導入ノズル
14 ガイド部
14a,14b 矩形面
15 配管部材
16 ガス排出部
18,18a スペース
20 混合ガス供給部
22,24 ガス供給流路
26 ガス混合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を横向きにして縦方向に載置できる縦型ボートと、前記ボートの側方を取り囲むように設けられた縦型の筒状内管と、前記ボート及び前記内管の側方及び上方を覆う外管と、前記内管及び前記外管を下端で保持するためのフランジと、前記フランジの側壁の2箇所に設けられ、外部から前記内管の内側へガスを導入するためのガス導入ノズルと、前記外管内のガスを前記外管の外部に排出するためのガス排出部と、を備えたCVD装置において、
前記フランジ内側の前記ガス導入ノズルの噴出口近傍に、前記ガス導入ノズルから導入されたガスを混合して前記フランジの底面と略平行な方向に前記フランジ内側の側壁に沿って流動させるためのガイド部が設けられていることを特徴とするCVD装置。
【請求項2】
前記ガイド部は一辺を共有する2つの矩形面を備えており、一方の前記矩形面は前記フランジ内側の側壁に対して略平行に配置され、他方の前記矩形面は前記フランジ内側の側壁に対して略垂直に配置されている請求項1に記載のCVD装置。
【請求項3】
前記フランジの少なくとも前記ガイド部材が設けられている位置に、前記フランジ内側の側壁から中心側に向かって突出した突起板を備え、
前記突起板、前記フランジ内側の底面、前記フランジ内側の側壁、及び前記ガイド部で、前記2種類のガスを混合し、その混合ガスを前記フランジ内側の側壁に沿って流動させるための混合スペースを形成している請求項2に記載のCVD装置。
【請求項4】
前記突起板は前記内管を保持するための内管保持部である請求項3に記載のCVD装置。
【請求項5】
前記ガイド部は、2つの前記ガス導入ノズルから導入されたガスが、1つの流路に合流されて混合され、前記フランジの底面と略平行な方向に前記フランジ内側の側壁に沿って吹き出されるように、2つの前記ガス導入ノズルの噴出口に接続された配管部材である請求項1に記載のCVD装置。
【請求項6】
それぞれの前記ガス導入ノズルから導入されるガスは、シラン系ガスとN2Oガスである請求項1から5のいずれかに記載のCVD装置。
【請求項7】
2つの前記ガス導入ノズルは同じ高さに設けられており、前記フランジ内側の側壁に沿ったガスの流れ方向において、上流側に設けられた前記ガス導入ノズルからはN2Oが導入され、下流側の前記ガス導入ノズルからはシラン系ガスが導入されるようになっている請求項6に記載のCVD装置。
【請求項8】
複数の基板を横向きにして縦方向に載置できる縦型ボートと、前記ボートの側方を取り囲むように設けられた縦型の筒状内管と、前記ボート及び前記内管の側方及び上方を覆う外管と、前記内管及び前記外管を下端で保持するためのフランジと、前記フランジの側壁に設けられ、外部から前記内管の内側へガスを導入するためのガス導入ノズルと、前記外管内にあるガスを前記外管の外部に排出するためのガス排出部と、を備えたCVD装置において、
前記フランジの外側に設けられ、それぞれ異なるガスを供給する2本のガス供給流路、前記ガス供給流路を合流させて減圧下で両前記ガス供給流路から供給されたガスを混合する混合部、及び前記混合部から混合ガスを前記ガス導入ノズルに供給するために前記ガス導入ノズルに接続された1本のガス導入流路、からなる混合ガス供給部と、
前記フランジ内側の前記ガス導入ノズルの噴出口近傍に設けられ、前記ガス導入ノズルから導入されたガスを前記フランジの底面と略平行な方向に前記フランジ内側の側壁に沿って流動させるためのガイド部と、をさらに備えていることを特徴とするCVD装置。
【請求項9】
前記ガイド部は一辺を共有する2つの矩形面を備えており、一方の前記矩形面は前記フランジ内側の側壁に対して略平行に配置され、他方の前記矩形面は前記フランジ内側の側壁に対して略垂直に配置されている請求項8に記載のCVD装置。
【請求項10】
前記フランジの少なくとも前記ガイド部材が設けられている位置に、前記フランジ内側の側壁から中心側に向かって突出した突起板を備え、
前記突起板、前記フランジ内側の底面、前記フランジ内側の側壁、及び前記ガイド部で、前記ガス導入ノズルから導入されたガスを、前記フランジの底面と平行で前記フランジ内側の側壁に沿って流動させるための流路を形成している請求項9に記載のCVD装置。
【請求項11】
前記突起板は前記内管を保持するための内管保持部である請求項10に記載のCVD装置。
【請求項12】
前記ガイド部は、前記ガス導入ノズルから導入されたガスを前記フランジの底面と略平行な方向に前記フランジ内側の側壁に沿って吹き出させるように、前記ガス導入ノズルの先端部に取り付けられた配管部材である請求項8に記載のCVD装置。
【請求項13】
前記ガス導入ノズルから導入されるガスは、シラン系ガスとN2Oガスである請求項8から12のいずれかに記載のCVD装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−81186(P2007−81186A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267892(P2005−267892)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】