説明

III族窒化物化合物半導体積層構造体およびその成長方法

【課題】MBEやスパッタなどのラジカル化、プラズマ化または原子化された窒素源を用いたIII族窒化物半導体層の成膜法において、ドーパント元素の反応を抑制し、効率良くドーパントをドーピングする方法を提供すること。
【解決手段】ドーパント元素のみを供給するプロセスと、III族元素を含む化合物と窒素原料を同時に供給するプロセスを交互に繰り返すことからなる第一の工程を含む、ラジカル化、プラズマ化または原子化された窒素源を用いたIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)および電子デバイス等の作製に用いられる、量産性と特性の両方に優れたIII族窒化物化合物半導体(以下、III族窒化物化合物半導体はInGaAlNで表されるものとする)積層構造体とその製造方法に関する。特にMBEやスパッタを用いた成膜の際に、効率よくドーピングすることができるIII族窒化物化合物半導体積層構造体およびその成膜方法に関する。
【背景技術】
【0002】
III族窒化物化合物半導体は、可視光から紫外光領域に相当するエネルギーの直接遷移型のバンドギャップをもち高効率な発光が可能であるため、LEDやLDとしての製品化が成されている。また、電子デバイスとしても従来のIII−V族化合物半導体では得られない特性が得られるポテンシャルを持っている。
【0003】
III−V族化合物半導体の結晶成長には、アンモニアと有機ガリウム、有機インジウム化合物などの有機金属を高温で反応させるMOCVD法を用いるのが一般的である。そのほかにも、MBEやスパッタ法などによる結晶成長の報告もあるが(例えば、特許文献1、非特許文献1および2参照)、工業的には利用されていない。
【0004】
MOCVDを用いた場合、ドーピングを行う場合には結晶成長させる気相雰囲気にドーパント元素を含む化合物を混ぜて流通させて結晶内に取り込ませる手法が用いられる。しかし、スパッタやMBEなどの、窒素をプラズマ化またはラジカル化させて供給して反応させる気相成長法においては、上記のような元素を含む化合物ガスを流通させる方法のほかに、ドーパントの元素を蒸気で供給したり、III族元素の供給方法と同様の方法で(MBEなら蒸発、スパッタならスパッタリングなど)プラズマやラジカルの状態で供給すればよい。
【0005】
しかし、化学反応を用いた成膜と異なり、このようなプラズマ、ラジカルまたは原子を反応種とする成膜方法では、ドーパント元素もプラズマ化、ラジカル化または原子化しているために、窒素ラジカルと反応する可能性がある。例えば、Siをドーピングしたいと考えて、プラズマ化した窒素とターゲットから叩き出されたGaとが反応している雰囲気中へSiのラジカルを供給すると、Si−Nという結合を生じて、結晶中に窒化珪素の塊を生じてしまう。
このような反応の発生は、ドーパントがドーパントとして機能するのを阻害するほか、マトリクスの結晶性をも低下させるため、望ましくない。
【0006】
【特許文献1】特開昭60−39819号公報
【非特許文献1】牛玖由紀子等、高周波マグネトロンスパッタリング法によるGaN薄膜の成膜(I)、第2回21世紀連合シンポジウム−科学技術と人間−(2003、東京)
【非特許文献2】浅見亮範等、UHVスパッタリング法によるSi及びMgドープGaN単結晶の成長、第66回応用物理学会学術講演回 講演予稿集(2005秋 徳島大学)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、MBEやスパッタなどのラジカル化、プラズマ化または原子化された窒素源を用いた成膜法を用いた場合でも、ドーパント元素の反応を抑制し、効率良くドーパントをドーピングする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記の発明を提供する。
(1)窒素を、プラズマ、ラジカル、原子のうちのいずれかの状態で供給してIII族元素と反応させることにより成膜させる手法を用いたIII族窒化物化合物半導体層の成長方法において、ドーパント元素のみを供給するプロセスと、III族元素を含む化合物と窒素原料を同時に供給するプロセスを交互に繰り返すことからなる第一の工程を含むIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【0009】
(2)窒素を、プラズマ、ラジカル、原子のうちのいずれかの状態で供給してIII族元素と反応させることにより成膜させる手法がMBEまたはスパッタである上記1項に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【0010】
(3)第一の工程による成長後、熱処理を行う第二の工程をさらに有する上記1または2項に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【0011】
(4)熱処理温度が300℃から1200℃の範囲である上記3項に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【0012】
(5)水素ガスまたは水素原子を含む化合物のガスを含まない雰囲気中で熱処理を行う上記3または4項に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【0013】
(6)ドーパント元素がSi、GeおよびSnからなる群から選ばれた少なくとも一種である上記1〜5項のいずれか一項に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【0014】
(7)ドーパント元素がSiである上記6項に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【0015】
(8)ドーパント元素がMgおよびZnからなる群から選ばれた少なくとも一種である上記1〜5項のいずれか一項に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【0016】
(9)ドーパント元素がMgである上記8項に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【0017】
(10)III族窒化物化合物半導体の積層構造体であり、ドーパント元素からなる層とIII族窒化物化合物半導体からなる層とが交互に成膜されている積層構造体。
【0018】
(11)ドーパント元素からなる層の膜厚が0.5nmから10nmの範囲である上記10項に記載の積層構造体。
【0019】
(12)III族窒化物化合物半導体からなる層の膜厚が1nmから500nmの範囲である上記10または11項に記載の積層構造体。
【0020】
(13)III族窒化物化合物半導体からなる層とドーパント元素からなる層との厚みの比(III族窒化物化合物半導体からなる層/ドーパント元素からなる層)が10から1000である上記10〜12項のいずれか一項に記載の積層構造体。
【0021】
(14)ドーパント元素からなる層とIII族窒化物化合物半導体からなる層との繰り返し回数が1回から200回の間である上記10〜13項のいずれか一項に記載の積層構造体。
【0022】
(15)ドーパントからなる層は島状であり、III族窒化物化合物半導体からなる層を完全には覆っていない上記10〜14項のいずれか一項に記載の積層構造体。
【0023】
(16)ドーパント層を構成する各島状塊の直径(円相当直径)が0.5nm以上100nm以下の範囲である請求項15に記載の積層構造体。
【0024】
(17)ドーパント層を構成する各島状塊の間隔が2nmから100nmの範囲である上記15または16項に記載の積層構造体。
【0025】
(18)ドーパント層を構成する各島状塊の合計面積の比率が全領域に対して0.001以上0.9以下の範囲である上記15〜17項のいずれか一項に記載の積層構造体。
【0026】
(19)III族窒化物化合物半導体がGaNまたはAlGaNである上記10〜18項のいずれか一項に記載の積層構造体。
【0027】
(20)上記10〜19項のいずれか一項に記載の積層構造体を熱処理したことによって得られる、ドーパント元素が高濃度にドープされた領域と低濃度にドープされた領域が混在しているIII族窒化物化合物半導体層。
【0028】
(21)上記10〜19項のいずれか一項に記載の積層構造体を熱処理したことによって得られる、全領域に渡ってドーパント元素が均一にドープされているIII族窒化物化合物半導体層。
【0029】
(22)ドーパント元素がSi、GeおよびSnからなる群から選ばれた少なくとも一種である上記20または21項に記載のIII族窒化物化合物半導体層。
【0030】
(23)ドーパント元素がMgおよびZnからなる群から選ばれた少なくとも一種である上記20または21項に記載のIII族窒化物化合物半導体層。
【0031】
(24)基板上にIII族窒化物化合物半導体からなる、n型半導体層、発光層およびp型半導体層を積層し、該n型半導体層に負極を、該p型半導体層に正極をそれぞれ設けた発光素子において、該n型半導体層が上記22項に記載のIII族窒化物化合物半導体層である発光素子。
【0032】
(25)基板上にIII族窒化物化合物半導体からなる、n型半導体層、発光層およびp型半導体層を積層し、該n型半導体層に負極を、該p型半導体層に正極をそれぞれ設けた発光素子において、該p型半導体層が上記23項に記載のIII族窒化物化合物半導体層である発光素子。
【0033】
(26)上記24または25項に記載の発光素子からなるランプ。
(27)上記26項に記載のランプが組み込まれている電子機器。
(28)上記27項に記載の電子機器が組み込まれている機械装置。
【発明の効果】
【0034】
本発明のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法は、量産性と特性に優れた結晶成長方法である物理成膜方法を用いて成膜を行う際に、ドーパントを効率的にドーピングすることができる。このため、この方法によって得られたIII族窒化物化合物半導体積層構造体を用いて作製した発光素子類は、低い駆動電圧で動作させることができ、省電力、省エネルギーに効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の本質は、ドーパント原子の層とアンドープのIII族窒化物半導体の層を交互に積層し、ドーピングすることにある。
MOCVDなどの化学気相成膜法の場合は、ガスを混合することでドーピングが可能であり、このような方法をとる必要はない。しかし、MOCVDなどの方法では、どうしても生産性や再現性に問題があり、スパッタやMBEなどの物理的な結晶成膜方法を用いた成膜法を確立したい。
【0036】
このような物理的な結晶成膜法では、窒素をプラズマ化、ラジカル化または原子化して供給する。ドーパント原子と窒素との反応を防ぐためには、ドーパント原子を供給するプロセスでは窒素をチャンバ内に供給しないことが望ましい。
【0037】
そこで、我々は鋭意思考と実験を繰り返した結果、ドーパントのみを供給するプロセスと窒素を用いてIII族窒化物化合物半導体を成膜するプロセスを交互に繰り返す成膜法を開発した。この方法によって成膜された積層構造体は、ドーパントのみからなる層とアンドープのIII族窒化物化合物半導体からなる層が交互に積層された構造となる。交互に積層する過程で、ドーパント層を構成するドーパント原子の一部がIII族窒化物化合物半導体層に拡散している場合もあるが、この段階ではドーパント原子のみからなる層が必ず存在する。
【0038】
層を成すドーパントは、p型のドーパントでも良いし、n型のドーパントでも良い。III族窒化物化合物半導体に対するドーパントとしては、p型ドーパントであればMgやZn、n型ドーパントとしてはSi、GeおよびSn等が知られている。中でも、n型ドーパントしてSi、p型ドーパントとしてMgが、ドーピング効率、活性化率共に高く、結晶性の低下も少ないので、最も好適である。
【0039】
層を成すIII族窒化物化合物半導体結晶としては、通常にコンタクト層として用いられているGaNおよびAlGaNが適している。
【0040】
ドーパント層がIII族窒化物化合物半導体層を完全に覆ってしまうと、結晶格子定数が異なるため、エピタキシャルな関係が成立しなくなり、結晶性の低下を招く。このためドーパント層は、完全な層を成さずに島状に表面に散在するように形成することが望ましい。このような形態をとることで、III族窒化物化合物半導体の結晶は露出した面を起点としてエピタキシャル成長し、横方向成長によって面を完全に埋め尽くすことが可能である。
【0041】
上記の島状ドーパント層の各島状塊の間隔は、幅2nmから100nmの範囲であることが望ましい。これよりも間隔が小さいと、III族化合物半導体結晶がその隙間を基点としてエピタキシャル成長することが難しくなり、これよりも大きいと、ドーパントが充分行き渡らず、素子とした場合に駆動電圧の上昇を招く。更に望ましくは、幅10nmから50nmの範囲である。
【0042】
島状ドーパント層の各島状塊の合計面積の、全領域に対する比は、0.001以上0.9以下であることが望ましい。これよりも大きいと、III族化合物半導体結晶が各島状塊の隙間を基点としてエピタキシャル成長することが難しくなり、これよりも小さいと、ドーパントが充分行き渡らず、素子とした場合に駆動電圧の上昇を招く。更に望ましくは、0.005から0.5である。
【0043】
島状を成すドーパント層の個々の島状塊の直径(円相当直径)は、0.5nmから100nmの間の値であることが望ましい。これよりも小さいと、ドーパントが充分行き渡らず、素子とした場合に駆動電圧の上昇を招き、これよりも大きいとIII族化合物半導体結晶の結晶性が低下する。更に望ましくは、1nmから10nmである。
【0044】
以上のような島状ドーパント層における各島状塊の直径や間隔は、断面を露出した試料を用いた透過型電子顕微鏡による観察などによって測定可能である。また、各島状塊の合計面積の全領域に対する比は、上記直径および間隔をランダムに例えば10点測定し、それらの平均値から算出することができる。
【0045】
ドーパント層を、上記のような島状の塊として形成するためには、成膜の条件を工夫すると良い。ドーパント層はIII族窒化物化合物半導体層とは格子整合していないので、マイグレーションを活発に起こす条件とすることで、島状の結晶塊を形成することができる。
一例を挙げると、基板温度を600℃以上とする、成膜時のチャンバ圧力を0.3Pa以下とする、成膜速度を0.5nm/sec以下とする、などである。
【0046】
ドーパント層の膜厚は、0.5nmから10nmであることが望ましい。これよりも薄いと、ドーパントが充分にいきわたらない可能性があり、これよりも厚いと、III族窒化物化合物半導体結晶が横方向成長しても埋め込むことが困難になる。更に望ましくは1nmから5nm程度である。
【0047】
III族窒化物化合物半導体層の膜厚は、1nmから500nmであることが望ましい。これよりも厚いと、ドーパントが充分にいきわたらない可能性があり、これよりも薄いと、III族窒化物化合物半導体結晶が横方向成長によっても埋め込むことが困難になる。更に望ましくは10nmから100nm程度である。
【0048】
また、両層の厚みの比(III族窒化物化合物半導体層/ドーパント層)は、10から1000であることが望ましい。これ以下だと、ドーパントが多くドープされすぎてIII族窒化物化合物半応対結晶の結晶性の低下を生じる。これ以上だと、ドーパントが充分に行きわたらず、積層構造体の抵抗率の上昇を招き、駆動電圧の上昇を招く。
【0049】
第一の工程で形成されたIII族窒化物化合物半導体層とドーパント層の繰り返し回数は、1回から200回の間であることが望ましい。200回以上の繰り返しを行ったとしても素子の機能には大きな違いが生じず、かえって結晶性の低下を招くのみである。
【0050】
窒素原料をプラズマやラジカルとして供給する手法としては、スパッタ、PLD、PEDおよびCVDなどが知られている。中でも、スパッタ法が最も簡便で量産にも適しているため、好適な手法である。DCスパッタではターゲット表面のチャージアップを招き、成膜速度が安定しない可能性が高いので、パルスDCにするか、RFスパッタ法とすることが望ましい。
【0051】
本技術に用いる、プラズマ化またはラジカル化した窒素を発生するための原料としては、一般に知られている化合物をなんら問題なく用いることができるが、特にアンモニアと窒素は取り扱いも楽で比較的安価で入手可能であり望ましい。アンモニアは分解の効率も良く、高い成長速度で成膜することが可能であるが、反応性や毒性が高く、除害設備やガス検知器を必要としたり、反応装置に使用する部材の材料を安定性の高いものにする必要があるなど、工夫を要する。逆に窒素を原料として用いると装置が簡便で済む代わりに、高い反応速度は得られない。窒素を電界や熱などにより分解してから装置に導入する方法ではアンモニアには劣るが利用可能な程度の成膜速度を得ることができ、装置コストとの兼ね合いを考えると、最も好適な窒素源である。
【0052】
スパッタを用いて成膜する場合、重要なパラメーターは、基板温度および炉内の圧力と窒素分圧である。基板温度は、一般に室温〜1200℃である。1200℃以上では結晶の分解が発生する。好ましくは200℃〜900℃である。
【0053】
炉内の圧力は0.3Pa以上であることが望ましい。これ以下の圧力では、窒素の存在量が少なく、スパッタされた金属が窒化物とならずに付着する。圧力の上限は特に定めるものではないが、プラズマを発生させることができる程度の低圧が必要なことは言うまでもない。窒素とアルゴンの流量に対する窒素流量の比は、窒素が20%以上100%以下であることが望ましい。20%以下の流量比ではスパッタ金属が金属のまま付着する。特に望ましくは50%以上90%以下である。90%以上の流量比ではアルゴンの量が少なく、スパッタ速度が低下する傾向にある。
【0054】
成膜速度は、0.01nm/秒から10nm/秒とすることが望ましい。これ以上の速度では膜が結晶体とならずに非晶質となる。これ以下の成膜速度では、膜は層とならずに島状に成長してしまい、基板の表面を覆うことができない。
【0055】
一方、ドーパント層は単一成分の層であるので、リアクティブスパッタではない。このため、スパッタ装置としてはRFスパッタとDCスパッタの両方を利用することができる。DCスパッタを用いる場合には、ターゲットが帯電しないように導電性を持たせるのが良い。例えばSiの場合など、純度の高いSiのターゲットを用いると絶縁性でありチャージアップが考えられるので、BやPをドープしたものを用いるのが良い。しかし、交互に積層する際にウエーハをチャンバ間で行き来させるのは無駄に時間を掛けることになるので、III族窒化物化合物半導体と同じチャンバで積層することが望ましく、結局、RFスパッタを用いることが望ましいことになる。
【0056】
炉内圧力や基板温度に関しても、III族窒化物化合物半導体と同じ条件で実施することが同じ理由で望ましい。成膜速度はIII族窒化物化合物半導体に比較して遅く成膜することが薄い膜厚を適正に制御しやいので、0.001nm/秒から1nm/秒とすることが望ましい。
【0057】
原子状にした原料を基板に供給する成膜手法としては、分子線エピタキシー(MBE)法がある。
MBEを用いる場合には、高真空チャンバ内に設置したセル内に金属を溶融させておき、その蒸気を蒸気圧によって基板に照射する。その際に、窒素原料を同時に供給することで基板上にて反応させてIII族窒化物化合物半導体を成長させる。窒素原料としては、ガス状のNH3を供給する方法と、N2をプラズマなどで分解してセルからガス圧で照射する方法が一般的である。本手法においては、ドーパント層を成膜する際にできるだけチャンバ内に窒素を存在させたくないという理由で、プラズマ照射の方が望ましい。
【0058】
チャンバ内の圧力は、MBEの一般的な真空度である1×10-4Paから1×10-6Paであることが望ましい。これ以上の圧力では反応元素がビームを形成せず、これ以下の圧力としてもいたずらに時間がかかるだけである。
【0059】
基板温度は、スパッタを用いた場合と同じく室温以上1200℃以下が望ましい。成膜速度についても、スパッタ法と同じく、III族窒化物化合物半導体層の場合に0.01nm/秒から10nm/秒、ドーパント層の場合に0.001nm/秒から1nm/秒程度が望ましい。
【0060】
ドーパント層とIII族窒化物化合物半導体層を交互に積層した構造を形成した後、第二の工程として熱処理を行なうことが望ましい。この熱処理により、ドーパントをIII族窒化物半導体結晶中に拡散することができ、より均一なドーピングの状態にすることが可能である。
【0061】
熱処理の温度としては、300℃以上が望ましい。上限は特に設けないが、マトリクス結晶が分解してしまう温度を超えない必要があることは言うまでもない。多くのIII族窒化物化合物半導体結晶は、1200℃くらいの温度で分解する。
【0062】
熱処理時間は特に制限されないが、一般に30秒〜1時間が好ましい。30秒以下では効果が十分でなく、1時間以上では効果に変化がなく、いたずらに時間を要するのみである。
【0063】
また、熱処理中の雰囲気に関して、特にp型のドーパント層を形成してp型を示す積層構造体を作製したい場合、水素ガスおよび分子中に水素原子を含む化合物のガスを用いないことが望ましい。特に、H2ガスや高温で分解してH2ガスを生成することが知られているNH3ガスなどを用いないことが望ましい。
【0064】
熱処理後の積層構造体は、熱処理時間および温度によって、ドーパント層の痕跡としてドーパントの塊を内包する場合もあるし、ドーパントの塊は拡散して消失するものの、ドーパント濃度は高濃度の層と低濃度の層の繰り返しとなって残存する場合もあるし、ドーパントが拡散して完全に均一なドーピング層となる場合もある。
【0065】
従って、熱処理後の積層構造体は、素子の中でコンタクト層として機能する。当然ながら、p型ドーパント層を用いた場合にはpコンタクト層、n型ドーパント層を用いた場合にはnコンタクト層として用いることが可能である。
【0066】
コンタクト層には、電流を流通させるための電極を形成する。電極材料としては、一般に知られたものをなんら問題なく用いることが可能である。例えば、n電極材料としてはAl、Ti、Cr、などであり、p電極材料としてはNi、Au、Ptなどである。また、ITO、ZnO、AZO、IZOなどの導電性の酸化物を用いることも可能である。
【0067】
本発明の積層構造体を作製することに用いることができる基板としては、一般にIII族窒化物化合物半導体結晶を成膜できる基板であれば、どのような材料も用いることが可能である。例えば、サファイア、SiC、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステンおよびモリブデンなどである。
【0068】
本発明の積層構造体を用いるデバイスとしては、発光素子のほか、レーザー素子および受光素子などの光電気変換素子、またはHBTおよびHEMTなどの電子デバイスなどを挙げることができる。これらの半導体素子は各種構造のものが多数知られており、本発明のIII族窒化物化合物半導体積層構造体を用いた素子構造は、これら周知の素子構造を含めて何ら制限されない。
【0069】
特に発光素子の場合、本技術で製造した素子をパッケージしてランプとして使用することが可能である。また蛍光体と組み合わせることにより、発光色を変える技術が知られており、これをなんら問題なく利用することが可能である。例えば、蛍光体を適正に選定することにより発光素子より長波長の発光を得ることができるし、発光素子自身の発光波長と蛍光体によって変換された波長とを混ぜることによって、白色のパッケージとすることもできる。
【0070】
また、本技術で製造した発光素子をパッケージしたランプは駆動電圧が低いので、この技術によって作製したランプを組み込んだ携帯電話、ディスプレイ、パネル類などの電子機器や、その電子機器を組み込んだ自動車、コンピュータ、ゲーム機、などの機械装置類は、低電力での駆動が可能となり、高い特性を実現することが可能である。特に、携帯電話、ゲーム機、玩具、自動車部品などの、バッテリ駆動させる機器類において、省電力の効果を発揮する。
【実施例】
【0071】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、本発明のIII族窒化物化合物半導体積層構造体を用いた、III族窒化物化合物半導体発光素子の製造方法について説明する。
【0072】
本実施例で作製した積層構造体の断面図を図1に示す。エピタキシャルウェーハは、c面を有するサファイア基板(1)上に、バッファ層としてAlN層(2)を形成したのち、基板側から順に、厚さ6μmのアンドープGaN層(3)、厚さ100nmのアンドープのGaN層(4a)と 厚さ0.1nmの島状の結晶塊からなるSiの層(4b)を20回交互に積層したn型GaN層(4)、1×1018cm-3の電子濃度を持つ厚さ200ÅのIn0.1Ga0.9Nクラッド層(5)、GaN障壁層に始まりGaN障壁層に終わる、層厚を160Åとする6層のGaN障壁層(6a)と、層厚を30Åとする5層のノンドープのIn0.2Ga0.8N井戸層(6b)とからなる多重量子井戸構造の発光層(6)、厚さ50ÅのMgをドープしたAl0.1Ga0.9N拡散防止層(7)、および厚さ0.2μmのMgドープAl0.02Ga0.98N層(8)を積層した構造を有する。
【0073】
また、本実施例で作製した半導体発光素子の電極構造の平面図を図2に示す。図中、10はn側電極、11はn電極を形成するためのSiドープGaN層(4)の露出面、12はp電極ボンディングパッド、および13は透光性p電極である。
【0074】
サファイア上のAlNバッファ層(2)からn型GaN層(4)までを、RFマグネトロンスパッタを用いて成膜した。用いたスパッタ機は、ターゲットとカソードの距離が50mmのものを使用した。成膜時の基板温度は750℃とし、成膜時の圧力は0.6Paとした。
【0075】
サファイア基板としては4インチ径のものを用いた。
AlNバッファ層(2)を成膜するプロセスにおいては、アルゴンと窒素の混合ガスをチャンバ内に導入して、電場をかけてプラズマ化した窒素を窒素源として利用した。一方でプラズマ化したアルゴンによってAlのターゲットを叩いて金属原子を叩き出し、窒素と反応させて基板上に成膜させた。
【0076】
アンドープGaN層(3)を積層するプロセスにおいては、AlN製膜と同様に、アルゴンと窒素の混合ガスをチャンバ内に導入して、プラズマ化した窒素を窒素源として利用し、アルゴンプラズマでGaのターゲットからGaを叩き出し、窒素と反応させて基板上に成膜させた。
【0077】
アンドープGaN層(4a)とSiの層(4b)を交互に積層するプロセスにおいては、アンドープGaNは上記アンドープGaN層(3)と同一手順で成膜し、Si層の成膜時には、チャンバ内に導入するガスをアルゴンのみとして、Si製のターゲットから叩き出した原子をそのまま基板へ積層した。
【0078】
以上のような工程で作製した基板を、スパッタ機から取り出し、アニール炉を用いて熱処理した。熱処理温度は1100℃とし、10分間保持した。熱処理時の気相の雰囲気は窒素のみで構成した。
【0079】
なお、アニール前と後で、n型GaN層(4)を断面方向から透過式電子顕微鏡で観察した。アニール前の積層構造体には、2nmのSi層と100nmのアンドープのGaN層を20回交互に積層した構造が見られた。Si層は所々で途切れて完全な層を成してはおらず、島状であった。各島状塊の円相当直径は1nm程度であり、各島状塊の間隔は約50nm程度であった。従って、ドーパント層の総面積の比率は、全体の領域に対して0.02程度であった。しかし、アニール後のn型GaN層(4)には、明らかな層構造は見られず、ドーパント層を構成するSi原子が拡散して、GaN層に均一にドープされたものと思われた。
【0080】
続いて、上記基板をMOCVD炉に導入し、クラッド層(5)以降の層をMOCVD法によって形成した。形成時の温度、圧力、使用ガス、などは一般的なものを用いた。
以上のような手順により、半導体発光素子用のエピタキシャル層構造を有するエピタキシャルウェーハを作製した。
【0081】
次いで、上記のサファイア基板上にエピタキシャル層構造が積層されたエピタキシャルウェーハを用いて半導体発光素子の一種である発光ダイオードを作製した。作製したウェーハについて、公知のフォトリソグラフィー技術によってMgドープAl0.02Ga0.98N層(8)の表面上に、ITOからなる透明p電極13と、その上に表面側から順にチタン、アルミニウムおよび金を積層した構造を持つp電極ボンディングパッド12を形成し、p側電極とした。更にその後ウェーハにドライエッチングを行い、SiドープGaN層(4)のn側電極を形成する部分11を露出させ、露出した部分にNi、Al、TiおよびAuの4層よりなるn側電極10を作製した。これらの作業により、ウエーハ上に図2に示すような平面形状を持つ電極を作製した。
【0082】
このようにしてp側およびn側の電極を形成したウェーハについて、サファイア基板の裏面を研削および研磨してミラー状の面とした。その後、該ウェーハを350μm角の正方形のチップに切断し、電極が上になるように、リードフレーム上に載置し、金線でリードフレームへ結線して発光素子とした。上記のようにして作製した発光ダイオードのp側およびn側の電極間に順方向電流を流したところ、電流20mAにおける順方向電圧は3.0Vであった。また、p側の透光性電極を通して発光を観察したところ、発光波長は470nmであり、発光出力は電流20mAにおいて15mWを示した。このような発光ダイオードの特性は、作製したウェーハのほぼ全面から作製された発光ダイオードについて、ばらつきなく得られた。
【0083】
(実施例2)
本実施例では、実施例1と同じ構造を、サファイア上のAlNバッファ層(2)からn型GaN層(4)までを、MBEを用いて作製した。用いたMBE装置は、ターゲットとカソードの距離が300mmのものを使用した。成膜時の基板温度は750℃とした。サファイア基板としては4インチ径のものを用いた。
【0084】
AlNバッファ層(2)を成膜するプロセスにおいては、プラズマクラッカを用いてプラズマ化した窒素をチャンバ内に導入し、一方でクヌードセンセルから蒸発させたAlを導入して、窒素と反応させて基板上に成膜させた。
【0085】
アンドープGaN層(3)を積層するプロセスにおいては、AlN製膜と同様に、プラズマクラッカを用いてクラッキングした窒素をチャンバ内に導入し、クヌードセンセルから蒸発させたGaを導入して、窒素と反応させて基板上に成膜させた。
【0086】
アンドープGaN層(4a)とSiの層(4b)を交互に積層するプロセスにおいては、アンドープGaNは上記アンドープGaN層(3)と同一手順で成膜し、Si層の成膜時には、チャンバ内に導入する窒素を停止し、同様にクヌードセンセルから導入したSi蒸気をそのまま基板へ積層した。
【0087】
上記のようにして作製したウエーハを、実施例1と同様にして発光ダイオードチップとした。p側およびn側の電極間に順方向電流を流したところ、電流20mAにおける順方向電圧は3.0Vであった。また、p側の透光性電極を通して発光を観察したところ、発光波長は530nmであり、発光出力は電流20mAにおいて9mWを示した。このような発光ダイオードの特性は、作製したウェーハのほぼ全面から作製された発光ダイオードについて、ばらつきなく得られた。
【0088】
(実施例3)
本実施例で作製した積層構造の断面図は、MgをドープしたAlGaN層を除いて、基本的には図1に示したものと同じである。
【0089】
c面を有するサファイア基板上に、基板側から順に、AlNバッファ層、厚さ6μmのアンドープGaN層、1×1019cm-3のSiをドープしたn型GaN層、1×1018cm-3の電子濃度を持つ厚さ200ÅのIn0.1Ga0.9Nクラッド層、およびGaN障壁層に始まりGaN障壁層に終わる、層厚を160Åとする6層のGaN障壁層と、層厚を30Åとする5層のノンドープのIn0.2Ga0.8N井戸層とからなる多重量子井戸構造の発光層をMOCVD法により作製し、これをMOCVD炉から取り出し、RFスパッタ機に導入して、厚さ100nmのAl0.1Ga0.9Nからなる層と厚さ2nmのMgからなる層を、交互に2回積層した構造を成膜した。その後、このウエーハをRFスパッタ機から取り出し、アニール炉を用いて900℃にて1分間熱処理した。
【0090】
上記のようにして作製したウエーハを、実施例1と同様にして発光ダイオードチップとした。p側およびn側の電極間に順方向電流を流したところ、電流20mAにおける順方向電圧は3.1Vであった。また、p側の透光性電極を通して発光を観察したところ、発光波長は470nmであり、発光出力は電流20mAにおいて15mWを示した。このような発光ダイオードの特性は、作製したウェーハのほぼ全面から作製された発光ダイオードについて、ばらつきなく得られた。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本技術を用いて作製した素子は、低い電圧で駆動することができる。また、本技術を用いることで、安定した特性の素子を安価で大量に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施例1において作製した半導体発光素子用のIII族窒化物化合物半導体積層構造体の断面を示す模式図である。
【図2】本発明の実施例1において作製した半導体発光素子の電極構造を示す平面図である。
【符号の説明】
【0093】
1 基板
2 AlNバッファ層
3 アンドープGaN層
4 n型GaN層
4a アンドープGaN層
4b Si層
5 In0.1Ga0.9Nクラッド層
6 発光層
6a GaN障壁層
6b In0.2Ga0.8N井戸層
7 MgドープのAl0.1Ga0.9N拡散防止層
8 MgドープAl0.02Ga0.98N層
10 n側電極
11 n型GaN層のn側電極を形成する部分
12 p電極ボンディングパッド
13 透光性p電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素を、プラズマ、ラジカル、原子のうちのいずれかの状態で供給してIII族元素と反応させることにより成膜させる手法を用いたIII族窒化物化合物半導体層の成長方法において、ドーパント元素のみを供給するプロセスと、III族元素を含む化合物と窒素原料を同時に供給するプロセスを交互に繰り返すことからなる第一の工程を含むIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【請求項2】
窒素を、プラズマ、ラジカル、原子のうちのいずれかの状態で供給してIII族元素と反応させることにより成膜させる手法がMBEまたはスパッタである請求項1に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【請求項3】
第一の工程による成長後、熱処理を行う第二の工程をさらに有する請求項1または2に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【請求項4】
熱処理温度が300℃から1200℃の範囲である請求項3に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【請求項5】
水素ガスまたは水素原子を含む化合物のガスを含まない雰囲気中で熱処理を行う請求項3または4に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【請求項6】
ドーパント元素がSi、GeおよびSnからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか一項に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【請求項7】
ドーパント元素がSiである請求項6に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【請求項8】
ドーパント元素がMgおよびZnからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか一項に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【請求項9】
ドーパント元素がMgである請求項8に記載のIII族窒化物化合物半導体層の成長方法。
【請求項10】
III族窒化物化合物半導体の積層構造体であり、ドーパント元素からなる層とIII族窒化物化合物半導体からなる層とが交互に成膜されている積層構造体。
【請求項11】
ドーパント元素からなる層の膜厚が0.5nmから10nmの範囲である請求項10に記載の積層構造体。
【請求項12】
III族窒化物化合物半導体からなる層の膜厚が1nmから500nmの範囲である請求項10または11に記載の積層構造体。
【請求項13】
III族窒化物化合物半導体からなる層とドーパント元素からなる層との厚みの比(III族窒化物化合物半導体からなる層/ドーパント元素からなる層)が10から1000である請求項10〜12のいずれか一項に記載の積層構造体。
【請求項14】
ドーパント元素からなる層とIII族窒化物化合物半導体からなる層との繰り返し回数が1回から200回の間である請求項10〜13のいずれか一項に記載の積層構造体。
【請求項15】
ドーパントからなる層は島状であり、III族窒化物化合物半導体からなる層を完全には覆っていない請求項10〜14のいずれか一項に記載の積層構造体。
【請求項16】
ドーパント層を構成する各島状塊の直径(円相当直径)が0.5nm以上100nm以下の範囲である請求項15に記載の積層構造体。
【請求項17】
ドーパント層を構成する各島状塊の間隔が2nmから100nmの範囲である請求項15または16に記載の積層構造体。
【請求項18】
ドーパント層を構成する各島状塊の合計面積の比率が全領域に対して0.001以上0.9以下の範囲である請求項15〜17のいずれか一項に記載の積層構造体。
【請求項19】
III族窒化物化合物半導体がGaNまたはAlGaNである請求項10〜18のいずれか一項に記載の積層構造体。
【請求項20】
請求項10〜19のいずれか一項に記載の積層構造体を熱処理したことによって得られる、ドーパント元素が高濃度にドープされた領域と低濃度にドープされた領域が混在しているIII族窒化物化合物半導体層。
【請求項21】
請求項10〜19のいずれか一項に記載の積層構造体を熱処理したことによって得られる、全領域に渡ってドーパント元素が均一にドープされているIII族窒化物化合物半導体層。
【請求項22】
ドーパント元素がSi、GeおよびSnからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項20または21に記載のIII族窒化物化合物半導体層。
【請求項23】
ドーパント元素がMgおよびZnからなる群から選ばれた少なくとも一種である請求項20または21に記載のIII族窒化物化合物半導体層。
【請求項24】
基板上にIII族窒化物化合物半導体からなる、n型半導体層、発光層およびp型半導体層を積層し、該n型半導体層に負極を、該p型半導体層に正極をそれぞれ設けた発光素子において、該n型半導体層が請求項22に記載のIII族窒化物化合物半導体層である発光素子。
【請求項25】
基板上にIII族窒化物化合物半導体からなる、n型半導体層、発光層およびp型半導体層を積層し、該n型半導体層に負極を、該p型半導体層に正極をそれぞれ設けた発光素子において、該p型半導体層が請求項23に記載のIII族窒化物化合物半導体層である発光素子。
【請求項26】
請求項24または25に記載の発光素子からなるランプ。
【請求項27】
請求項26に記載のランプが組み込まれている電子機器。
【請求項28】
請求項27に記載の電子機器が組み込まれている機械装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−21745(P2008−21745A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190786(P2006−190786)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】