MEMSデバイス
【課題】第1の基板と第2の基板との体積が違っていても、第1の基板と第2の基板との接合部において、所望な機械的強度を確保することができるMEMSデバイスを提供すること。
【解決手段】MEMSデバイス10は、第1の接合パッド4を有する第1の基板1と、第2の接合パッド5を有し、第1の基板1に積層する第2の基板2と、第1の基板1と第2の基板2との間に介在し、第1の接合パッド4と第2の接合パッド5接合することで、第1の基板と第2の基板2とを接合させる接合部材3と、第1の基板1と第2の基板2との少なくとも一方に配設され、第1の基板1と第2の基板2との熱容量差を均一にする温度変化急峻領域6と、を具備する。
【解決手段】MEMSデバイス10は、第1の接合パッド4を有する第1の基板1と、第2の接合パッド5を有し、第1の基板1に積層する第2の基板2と、第1の基板1と第2の基板2との間に介在し、第1の接合パッド4と第2の接合パッド5接合することで、第1の基板と第2の基板2とを接合させる接合部材3と、第1の基板1と第2の基板2との少なくとも一方に配設され、第1の基板1と第2の基板2との熱容量差を均一にする温度変化急峻領域6と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMSデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、マイクロミラー素子及びその製造方法が開示されている。このマイクロミラー素子及びその製造方法は、はんだバンプの指示荷重に応答した熱溶融時の変形量を制御することでマイクロミラーチップと電極基板との間の距離を設定し、所望の距離に調整を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−316043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、マイクロミラー素子及びその製造方法では、低融点ハンダのSnBiを溶融させ固化させる際に、マイクロミラーチップはリフロー加熱のような自然冷却によって緩やかに冷却する。この場合、第1の基板である例えばマイクロミラーチップと第2の基板である例えば電極基板との体積が違うことで、熱容量が違い、ハンダを固化させる冷却速度が異なる。これにより接合界面でハンダが固まる時間に差が生じ、硬化収縮により接合界面に対して応力が偏り、接合界面で機械的にもろい箇所が発生する。よって第1の基板と第2の基板との接合部において、機械的強度が低下してしまう。
【0005】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、第1の基板と第2の基板との体積が違っていても、第1の基板と第2の基板との接合部において、所望な機械的強度を確保することができるMEMSデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は目的を達成するために、第1の接合パッドを有する第1の基板と、第2の接合パッドを有し、前記第1の基板に積層する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在し、前記第1の接合パッドと前記第2の接合パッドと接合することで、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合させる接合部材と、前記第1の基板と前記第2の基板との少なくとも一方に配設され、前記第1の基板と前記第2の基板との熱容量差を均一にする温度変化急峻領域と、を具備することを特徴とするMEMSデバイスを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1の基板と第2の基板との体積が違っていても、第1の基板と第2の基板との接合部において、所望な機械的強度を確保することができるMEMSデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】図1Aは、本発明の第1の実施形態のMEMSデバイスの分解斜視図である。
【図1B】図1Bは、裏面側からみた電極基板の斜視図である。
【図1C】図1Cは、MEMSデバイスの斜視図である。
【図1D】図1Dは、図1Cに示すA−A線におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図1E】図1Eは、図1Dに示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明の第1の実施形態における第1の変形例のMEMSデバイスの分解斜視図である。
【図2B】図2Bは、裏面側からみた電極基板の斜視図である。
【図2C】図2Cは、MEMSデバイスの斜視図である。
【図2D】図2Dは、図2Cに示すB−B線におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図2E】図2Eは、図2Dに示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図2F】図2Fは、図2Cに示すB−B線におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図であり、開口溝がマイクロミラーチップにのみ配設されている状態を示す図である。
【図3A】図3Aは、本発明の第1の実施形態における第2の変形例を示す図であり、図2Cに示すB−B線におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図4A】図4Aは、第2の実施形態に係るMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図5A】図5Aは、第2の実施形態における変形例のMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aに示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1A乃至図1Eを参照して第1の実施形態について説明する。
図1Aに示すMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス10は、例えば半導体などである。このMEMSデバイス10は、第1の基板であるMEMS基板(マイクロミラーチップ)1と、マイクロミラーチップ1に積層する第2の基板である電極基板2と、マイクロミラーチップ1と電極基板2との間に介在し、マイクロミラーチップ1と電極基板2とを接合させる接合部材であるはんだ3とを有している。はんだ3が所望する熱と例えばマイクロミラーチップ1の自重により、はんだ3がマイクロミラーチップ1と電極基板2とに接合することによって、マイクロミラーチップ1と電極基板2とは電気的且つ機械的に接合する。本実施形態では、電極基板2は、マイクロミラーチップ1よりも厚い。
【0010】
マイクロミラーチップ1は、図1Dに示すように平板状の接合パッド4を有している。電極基板2は、接合パッド4と対向するように配置されている平板状の接合パッド5を有している。接合パッド4,5は、対向し同数であれば数は限定されなく、また対向すれば所望に配置される。接合パッド5には、マイクロミラーチップ1の自重により、接合パッド4と接合するはんだ3が形成されている。はんだ3は、接合パッド4,5と接合することで、マイクロミラーチップ1と電極基板2とを電気的、且つ機械的に接合させる。
【0011】
接合パッド4と接合パッド5とは、はんだ3が接合可能な例えば金メッキ、はんだメッキ、錫メッキ等が好適である。なおはんだ3が接合パッド4と接合パッド5とに接合する際に、はんだ3は溶融し、はんだ3の熱は接合パッド4と接合パッド5とに伝わり、接合パッド4と接合パッド5とには、はんだ3の熱が溜まる。そのため、接合パッド4と接合パッド5とは、マイクロミラーチップ1や電極基板2よりも薄く形成され、マイクロミラーチップ1や電極基板2よりも熱を放熱しやすくなっている。
【0012】
またはんだ3は、SnAgCu等のフリーはんだ等が好適であるが、マイクロミラーチップ1の耐熱性を考慮して、低融点鉛フリーはんだのSnBiはんだが特に好適である。
【0013】
マイクロミラーチップ1は、可動部である複数の可動ミラー部11と、可動ミラー部11を接続支持する可動支持部12と、可動ミラー部11と可動支持部12とを機械的且つ連続的に接合しているヒンジ部13とを有している。可動ミラー部11は、所望する方向と角度で駆動するように設置される。
【0014】
可動ミラー部11は、可動支持部12の長手方向に沿って2列配置されている。可動ミラー部11は、電極基板2における静電引力によって可動する(傾く)。可動支持部12の裏面12bには、マイクロミラーチップ1を電極基板2に接合保持させる上述した平面状の接合パッド4が所望の位置に配設されている。
【0015】
なお所望のミラー駆動特性が得られ、可動ミラー部11が可動支持部12に設置できれば、可動ミラー部11は、2列に限定する必要はなく、また長手方向に沿って設置される必要もなく、所望な状態に設置でき、所望の方向に傾いてもよい。
【0016】
電極基板2は、例えばシリコンで形成された半導体基板などである。
電極基板2は、上述した接合パッド5と、可動ミラー部11を可動させる駆動電圧を印加可能な駆動電極14とを、電極基板2の表面2aに有している。接合パッド5は接合パッド4に対向して表面2aに配設され、駆動電極14は可動ミラー部11に対向して表面2aに配設されている。
【0017】
また図1Bに示すように例えば電極基板2の裏面2b側には、マイクロミラーチップ1(接合パッド4)と電極基板2(接合パッド5)との熱容量差を均一にする温度変化急峻領域6が配設されている。温度変化急峻領域6は、マイクロミラーチップ1と電極基板2とが溶融したはんだ3によって接合する際に、接合部材(はんだ3)及びその周囲における冷却速度が均一に変化する領域である。具体的には、温度変化急峻領域6は、図1Dに示すように、例えばはんだ3の配設位置である接合パッド5の界面を中心とした位置に配設されており、この位置に開口溝7を有している。
【0018】
この開口溝7は、マイクロミラーチップ1に対向する電極基板2の一方の面である表面2aから電極基板2の他方の面である裏面2bに向かって開口するように形成されている。つまり開口溝7は、電極基板2を貫通しておらず、裏面2bに向けて開口している凹部である。本実施形態では開口溝7は、立方体または直方体形状を有しているが、この形状に限定される必要はない。開口溝7は、表面2a側(接合パッド5側)にまで深さが達している。
【0019】
次に本実施形態の製造方法について説明する。
接合パッド5には、予めはんだ3が形成されている。なお接合パッド5には、はんだ3の代わりに、はんだボールが配設される、またははんだペーストが塗布されていても良い。
【0020】
接合パッド4と接合パッド5とは対向するように位置あわせされ、マイクロミラーチップ1が電極基板2に配設(積層)される。
【0021】
この状態でマイクロミラーチップ1と電極基板2とはんだ3とは、リフロー炉に投入される。これによりはんだ3は、所望の温度によって溶融する。はんだ3が溶融した後、リフロー炉の冷却が開始され、はんだ3が接合パッド4と接合パッド5とに接合し、マイクロミラーチップ1と電極基板2とは、はんだ3によって電気的、且つ機械的に接合する。
【0022】
なお開口溝7が裏面2bに形成され、接合パッド4と接合パッド5とはマイクロミラーチップ1や電極基板2よりも薄く形成され、マイクロミラーチップ1や電極基板2よりも熱を放熱しやすくなっている。そのためはんだ3が溶融した際にはんだ3から接合パッド5に伝わる熱において、マイクロミラーチップ1(接合パッド4)と電極基板2(接合パッド5)との熱容量が均一になるよう開口溝7を電極基板2に形成する。
【0023】
このように本実施形態では、接合パッド4と接合パッド5とを薄くして放熱をさせやすくし、開口溝7によって裏面2b側に放熱させやすくしているために、マイクロミラーチップ1と電極基板2との体積が違っていても、マイクロミラーチップ1と電極基板2との接合部(接合パッド4,5)において、放熱しやすくしているために、マイクロミラーチップ1と電極基板2との体積が違っていても、マイクロミラーチップ1と電極基板2との接合部(接合パッド4,5)において、熱容量差を均一にすることができ温度差を低減し、はんだ3の硬化収縮による応力が均一にかかることで、所望な機械的強度を確保することができる。
【0024】
また本実施形態では、開口溝7によって裏面2b側に放熱させやすくしているために、マイクロミラーチップ1と電極基板2との材質による熱容量の差を均一となるように調節(熱容量の差を解消)できる。また本実施形態では、開口溝7によって裏面2b側に放熱しやすくさせているために、はんだ3を溶融した後、接合パッド4,5を冷却することができ、冷却した接合パッド4,5を通じてはんだ3を冷却することができる。これにより本実施形態では、はんだ接合界面での温度差を低減し、硬化収縮による応力の偏りをなくすことができ、マイクロミラーチップ1と電極基板2との接合部(接合パッド4,5)において、所望な機械的強度を確保することができる。
【0025】
次に第1の実施形態に関する第1の変形例について図2A乃至図2Eを参照して説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
温度変化急峻領域6(開口溝7)は、裏面2b側に限定して配設される必要はない。温度変化急峻領域6(開口溝7)は、マイクロミラーチップ1(接合パッド4)と電極基板2(接合パッド5)との熱容量差を均一にするのであれば、図2Aと図2Cとに示すようにマイクロミラーチップ1(可動支持部12)の裏面12b側にも配設されていてもよい。この場合、温度変化急峻領域6は、図2Dに示すように例えばはんだ3の配設位置である接合パッド4の界面を中心とした位置に配設されている。
【0026】
裏面12b側にも配設されている開口溝7は、電極基板2に対向するマイクロミラーチップ1の一方の面である裏面12b側からマイクロミラーチップ1の他方の面である表面12a側に向かって開口するように形成されている。つまり開口溝7は、マイクロミラーチップ1を貫通しておらず、マイクロミラーチップ1(可動支持部12)の裏面12bに向けて開口している凹部である。開口溝7は、裏面12b側(接合パッド4側)にまで深さが達している。
【0027】
このように温度変化急峻領域6(開口溝7)は、マイクロミラーチップ1(接合パッド4)と電極基板2(接合パッド5)との熱容量差を均一にするのであれば、表面12a側と裏面2b側との両方に配設されていてもよい。
【0028】
これにより本変形例では、マイクロミラーチップ1と電極基板2との接合部(接合パッド4,5)において、第1の実施形態よりも放熱することができ、第1の実施形態よりも冷却時間を低減することができる。
【0029】
なお開口溝7は、図2Fに示すように、マイクロミラーチップ1(接合パッド4)と電極基板2(接合パッド5)との熱容量差を均一にするのであれば、マイクロミラーチップ1(可動支持部12)の裏面12b側にのみ配設されていてもよい。この場合、上述した変形例と同様に、温度変化急峻領域6は、例えばはんだ3の配設位置である接合パッド5の界面を中心とした位置に配設されており、この位置に開口溝7を有している。
【0030】
このように温度変化急峻領域6(開口溝7)は、マイクロミラーチップ1と電極基板2との少なくとも一方に配設され、マイクロミラーチップ1と電極基板2との熱容量差を均一にする。より詳細には、温度変化急峻領域6は、接合パッド4の界面を中心とした位置と接合パッド5の界面とを中心とした位置との少なくとも一方に配設されており、この位置に開口溝7を有している。
【0031】
次に第1の実施形態に関する第2の変形例について図3Aと図3Bとを参照して説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
上述した第1の実施形態と、第1の実施形態の各変形例では、開口溝7は、凹部であり、立方体または直方体形状を有しているが、これに限定する必要はない。
【0032】
マイクロミラーチップ1に配設されている開口溝7は、例えば、裏面12b側から表面12a側に向かって拡径している。
【0033】
電極基板2に配設されている開口溝7は、例えば、表面2a側から裏面2b側に向かって拡径している。
【0034】
この場合、開口溝7は、開口溝7の底面7a側よりも開口溝7の開口部7b側の方が拡径している形状を有している。より詳細には、この開口溝7は、台形形状の断面を有している。開口溝7は、例えば円錐台形形状を有していてもよい。
【0035】
これにより変形例では、拡径している開口溝7によってより放熱することができ、所望な機械的強度を確保することができる。
【0036】
次に図4Aと図4Bとを参照して第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
マイクロミラーチップ1に配設されている開口溝7は、マイクロミラーチップ1に比べて熱伝導性が良く、表面12aにまで延設されている膜7cを有している。つまり開口溝7の内壁7d(底面7aと開口溝7の側面7f)と開口溝7の外部である表面12aとには、熱伝導性の良い膜7cが配設されている。
【0037】
また電極基板2に配設されている開口溝7は、電極基板2に比べて熱伝導性が良く、裏面2bにまで延設されている膜7cを有している。つまり開口溝7の内壁7d(底面7aと側面7f)と開口溝7の外部である裏面2bとには、熱伝導性の良い膜7cが配設されている。
【0038】
マイクロミラーチップ1と電極基板2とに配設され、隣接する開口溝7同士において、膜7c同士は接続していない。このような膜7cは、例えば銅配線のような配線である。
【0039】
膜7cが接合パッド5近傍から裏面2bと接合パッド4近傍から表面12aとにまで配設されているために、熱は局所的にMEMS基板1の外部に放熱される。
このように本実施形態では、膜7cを裏面2bと表面12aとにまで延設しているために、放熱性を向上させることができ、開口溝7のみでの冷却よりもより高い冷却効果を得ることができる。
【0040】
なお膜7cは、電気的に接合パッド4,5と配線されていてもよい。これにより本実施形態では、MEMSデバイス10の設計の自由度を向上させることができる。
【0041】
なお図5Aと図5Bとに示すように、開口溝7は、底面7aと側面7fとの接続部にて曲面(アール、フィレット)7gを有していてもよい。曲面7gが形成されることで、開口溝7の底面7aと、側面7fとの角への応力集中を低減することができる。
【0042】
本発明は、上述した各実施形態とその変形例とを組みあわてもよい。
【0043】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0044】
1…マイクロミラーチップ(MEMS基板)、2…電極基板、2a…表面、2b…裏面、4,5…接合パッド、6…温度変化急峻領域、7…開口溝、7a…底面、7b…開口部、7c…膜、7d…内壁、7f…側面、7g…曲面、10…MEMSデバイス、11…可動ミラー部、12…可動支持部、12a…表面、12b…裏面、13…ヒンジ部、14…駆動電極。
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMSデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、マイクロミラー素子及びその製造方法が開示されている。このマイクロミラー素子及びその製造方法は、はんだバンプの指示荷重に応答した熱溶融時の変形量を制御することでマイクロミラーチップと電極基板との間の距離を設定し、所望の距離に調整を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−316043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、マイクロミラー素子及びその製造方法では、低融点ハンダのSnBiを溶融させ固化させる際に、マイクロミラーチップはリフロー加熱のような自然冷却によって緩やかに冷却する。この場合、第1の基板である例えばマイクロミラーチップと第2の基板である例えば電極基板との体積が違うことで、熱容量が違い、ハンダを固化させる冷却速度が異なる。これにより接合界面でハンダが固まる時間に差が生じ、硬化収縮により接合界面に対して応力が偏り、接合界面で機械的にもろい箇所が発生する。よって第1の基板と第2の基板との接合部において、機械的強度が低下してしまう。
【0005】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、第1の基板と第2の基板との体積が違っていても、第1の基板と第2の基板との接合部において、所望な機械的強度を確保することができるMEMSデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は目的を達成するために、第1の接合パッドを有する第1の基板と、第2の接合パッドを有し、前記第1の基板に積層する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在し、前記第1の接合パッドと前記第2の接合パッドと接合することで、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合させる接合部材と、前記第1の基板と前記第2の基板との少なくとも一方に配設され、前記第1の基板と前記第2の基板との熱容量差を均一にする温度変化急峻領域と、を具備することを特徴とするMEMSデバイスを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1の基板と第2の基板との体積が違っていても、第1の基板と第2の基板との接合部において、所望な機械的強度を確保することができるMEMSデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】図1Aは、本発明の第1の実施形態のMEMSデバイスの分解斜視図である。
【図1B】図1Bは、裏面側からみた電極基板の斜視図である。
【図1C】図1Cは、MEMSデバイスの斜視図である。
【図1D】図1Dは、図1Cに示すA−A線におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図1E】図1Eは、図1Dに示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明の第1の実施形態における第1の変形例のMEMSデバイスの分解斜視図である。
【図2B】図2Bは、裏面側からみた電極基板の斜視図である。
【図2C】図2Cは、MEMSデバイスの斜視図である。
【図2D】図2Dは、図2Cに示すB−B線におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図2E】図2Eは、図2Dに示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図2F】図2Fは、図2Cに示すB−B線におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図であり、開口溝がマイクロミラーチップにのみ配設されている状態を示す図である。
【図3A】図3Aは、本発明の第1の実施形態における第2の変形例を示す図であり、図2Cに示すB−B線におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図4A】図4Aは、第2の実施形態に係るMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図5A】図5Aは、第2の実施形態における変形例のMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aに示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1A乃至図1Eを参照して第1の実施形態について説明する。
図1Aに示すMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス10は、例えば半導体などである。このMEMSデバイス10は、第1の基板であるMEMS基板(マイクロミラーチップ)1と、マイクロミラーチップ1に積層する第2の基板である電極基板2と、マイクロミラーチップ1と電極基板2との間に介在し、マイクロミラーチップ1と電極基板2とを接合させる接合部材であるはんだ3とを有している。はんだ3が所望する熱と例えばマイクロミラーチップ1の自重により、はんだ3がマイクロミラーチップ1と電極基板2とに接合することによって、マイクロミラーチップ1と電極基板2とは電気的且つ機械的に接合する。本実施形態では、電極基板2は、マイクロミラーチップ1よりも厚い。
【0010】
マイクロミラーチップ1は、図1Dに示すように平板状の接合パッド4を有している。電極基板2は、接合パッド4と対向するように配置されている平板状の接合パッド5を有している。接合パッド4,5は、対向し同数であれば数は限定されなく、また対向すれば所望に配置される。接合パッド5には、マイクロミラーチップ1の自重により、接合パッド4と接合するはんだ3が形成されている。はんだ3は、接合パッド4,5と接合することで、マイクロミラーチップ1と電極基板2とを電気的、且つ機械的に接合させる。
【0011】
接合パッド4と接合パッド5とは、はんだ3が接合可能な例えば金メッキ、はんだメッキ、錫メッキ等が好適である。なおはんだ3が接合パッド4と接合パッド5とに接合する際に、はんだ3は溶融し、はんだ3の熱は接合パッド4と接合パッド5とに伝わり、接合パッド4と接合パッド5とには、はんだ3の熱が溜まる。そのため、接合パッド4と接合パッド5とは、マイクロミラーチップ1や電極基板2よりも薄く形成され、マイクロミラーチップ1や電極基板2よりも熱を放熱しやすくなっている。
【0012】
またはんだ3は、SnAgCu等のフリーはんだ等が好適であるが、マイクロミラーチップ1の耐熱性を考慮して、低融点鉛フリーはんだのSnBiはんだが特に好適である。
【0013】
マイクロミラーチップ1は、可動部である複数の可動ミラー部11と、可動ミラー部11を接続支持する可動支持部12と、可動ミラー部11と可動支持部12とを機械的且つ連続的に接合しているヒンジ部13とを有している。可動ミラー部11は、所望する方向と角度で駆動するように設置される。
【0014】
可動ミラー部11は、可動支持部12の長手方向に沿って2列配置されている。可動ミラー部11は、電極基板2における静電引力によって可動する(傾く)。可動支持部12の裏面12bには、マイクロミラーチップ1を電極基板2に接合保持させる上述した平面状の接合パッド4が所望の位置に配設されている。
【0015】
なお所望のミラー駆動特性が得られ、可動ミラー部11が可動支持部12に設置できれば、可動ミラー部11は、2列に限定する必要はなく、また長手方向に沿って設置される必要もなく、所望な状態に設置でき、所望の方向に傾いてもよい。
【0016】
電極基板2は、例えばシリコンで形成された半導体基板などである。
電極基板2は、上述した接合パッド5と、可動ミラー部11を可動させる駆動電圧を印加可能な駆動電極14とを、電極基板2の表面2aに有している。接合パッド5は接合パッド4に対向して表面2aに配設され、駆動電極14は可動ミラー部11に対向して表面2aに配設されている。
【0017】
また図1Bに示すように例えば電極基板2の裏面2b側には、マイクロミラーチップ1(接合パッド4)と電極基板2(接合パッド5)との熱容量差を均一にする温度変化急峻領域6が配設されている。温度変化急峻領域6は、マイクロミラーチップ1と電極基板2とが溶融したはんだ3によって接合する際に、接合部材(はんだ3)及びその周囲における冷却速度が均一に変化する領域である。具体的には、温度変化急峻領域6は、図1Dに示すように、例えばはんだ3の配設位置である接合パッド5の界面を中心とした位置に配設されており、この位置に開口溝7を有している。
【0018】
この開口溝7は、マイクロミラーチップ1に対向する電極基板2の一方の面である表面2aから電極基板2の他方の面である裏面2bに向かって開口するように形成されている。つまり開口溝7は、電極基板2を貫通しておらず、裏面2bに向けて開口している凹部である。本実施形態では開口溝7は、立方体または直方体形状を有しているが、この形状に限定される必要はない。開口溝7は、表面2a側(接合パッド5側)にまで深さが達している。
【0019】
次に本実施形態の製造方法について説明する。
接合パッド5には、予めはんだ3が形成されている。なお接合パッド5には、はんだ3の代わりに、はんだボールが配設される、またははんだペーストが塗布されていても良い。
【0020】
接合パッド4と接合パッド5とは対向するように位置あわせされ、マイクロミラーチップ1が電極基板2に配設(積層)される。
【0021】
この状態でマイクロミラーチップ1と電極基板2とはんだ3とは、リフロー炉に投入される。これによりはんだ3は、所望の温度によって溶融する。はんだ3が溶融した後、リフロー炉の冷却が開始され、はんだ3が接合パッド4と接合パッド5とに接合し、マイクロミラーチップ1と電極基板2とは、はんだ3によって電気的、且つ機械的に接合する。
【0022】
なお開口溝7が裏面2bに形成され、接合パッド4と接合パッド5とはマイクロミラーチップ1や電極基板2よりも薄く形成され、マイクロミラーチップ1や電極基板2よりも熱を放熱しやすくなっている。そのためはんだ3が溶融した際にはんだ3から接合パッド5に伝わる熱において、マイクロミラーチップ1(接合パッド4)と電極基板2(接合パッド5)との熱容量が均一になるよう開口溝7を電極基板2に形成する。
【0023】
このように本実施形態では、接合パッド4と接合パッド5とを薄くして放熱をさせやすくし、開口溝7によって裏面2b側に放熱させやすくしているために、マイクロミラーチップ1と電極基板2との体積が違っていても、マイクロミラーチップ1と電極基板2との接合部(接合パッド4,5)において、放熱しやすくしているために、マイクロミラーチップ1と電極基板2との体積が違っていても、マイクロミラーチップ1と電極基板2との接合部(接合パッド4,5)において、熱容量差を均一にすることができ温度差を低減し、はんだ3の硬化収縮による応力が均一にかかることで、所望な機械的強度を確保することができる。
【0024】
また本実施形態では、開口溝7によって裏面2b側に放熱させやすくしているために、マイクロミラーチップ1と電極基板2との材質による熱容量の差を均一となるように調節(熱容量の差を解消)できる。また本実施形態では、開口溝7によって裏面2b側に放熱しやすくさせているために、はんだ3を溶融した後、接合パッド4,5を冷却することができ、冷却した接合パッド4,5を通じてはんだ3を冷却することができる。これにより本実施形態では、はんだ接合界面での温度差を低減し、硬化収縮による応力の偏りをなくすことができ、マイクロミラーチップ1と電極基板2との接合部(接合パッド4,5)において、所望な機械的強度を確保することができる。
【0025】
次に第1の実施形態に関する第1の変形例について図2A乃至図2Eを参照して説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
温度変化急峻領域6(開口溝7)は、裏面2b側に限定して配設される必要はない。温度変化急峻領域6(開口溝7)は、マイクロミラーチップ1(接合パッド4)と電極基板2(接合パッド5)との熱容量差を均一にするのであれば、図2Aと図2Cとに示すようにマイクロミラーチップ1(可動支持部12)の裏面12b側にも配設されていてもよい。この場合、温度変化急峻領域6は、図2Dに示すように例えばはんだ3の配設位置である接合パッド4の界面を中心とした位置に配設されている。
【0026】
裏面12b側にも配設されている開口溝7は、電極基板2に対向するマイクロミラーチップ1の一方の面である裏面12b側からマイクロミラーチップ1の他方の面である表面12a側に向かって開口するように形成されている。つまり開口溝7は、マイクロミラーチップ1を貫通しておらず、マイクロミラーチップ1(可動支持部12)の裏面12bに向けて開口している凹部である。開口溝7は、裏面12b側(接合パッド4側)にまで深さが達している。
【0027】
このように温度変化急峻領域6(開口溝7)は、マイクロミラーチップ1(接合パッド4)と電極基板2(接合パッド5)との熱容量差を均一にするのであれば、表面12a側と裏面2b側との両方に配設されていてもよい。
【0028】
これにより本変形例では、マイクロミラーチップ1と電極基板2との接合部(接合パッド4,5)において、第1の実施形態よりも放熱することができ、第1の実施形態よりも冷却時間を低減することができる。
【0029】
なお開口溝7は、図2Fに示すように、マイクロミラーチップ1(接合パッド4)と電極基板2(接合パッド5)との熱容量差を均一にするのであれば、マイクロミラーチップ1(可動支持部12)の裏面12b側にのみ配設されていてもよい。この場合、上述した変形例と同様に、温度変化急峻領域6は、例えばはんだ3の配設位置である接合パッド5の界面を中心とした位置に配設されており、この位置に開口溝7を有している。
【0030】
このように温度変化急峻領域6(開口溝7)は、マイクロミラーチップ1と電極基板2との少なくとも一方に配設され、マイクロミラーチップ1と電極基板2との熱容量差を均一にする。より詳細には、温度変化急峻領域6は、接合パッド4の界面を中心とした位置と接合パッド5の界面とを中心とした位置との少なくとも一方に配設されており、この位置に開口溝7を有している。
【0031】
次に第1の実施形態に関する第2の変形例について図3Aと図3Bとを参照して説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
上述した第1の実施形態と、第1の実施形態の各変形例では、開口溝7は、凹部であり、立方体または直方体形状を有しているが、これに限定する必要はない。
【0032】
マイクロミラーチップ1に配設されている開口溝7は、例えば、裏面12b側から表面12a側に向かって拡径している。
【0033】
電極基板2に配設されている開口溝7は、例えば、表面2a側から裏面2b側に向かって拡径している。
【0034】
この場合、開口溝7は、開口溝7の底面7a側よりも開口溝7の開口部7b側の方が拡径している形状を有している。より詳細には、この開口溝7は、台形形状の断面を有している。開口溝7は、例えば円錐台形形状を有していてもよい。
【0035】
これにより変形例では、拡径している開口溝7によってより放熱することができ、所望な機械的強度を確保することができる。
【0036】
次に図4Aと図4Bとを参照して第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
マイクロミラーチップ1に配設されている開口溝7は、マイクロミラーチップ1に比べて熱伝導性が良く、表面12aにまで延設されている膜7cを有している。つまり開口溝7の内壁7d(底面7aと開口溝7の側面7f)と開口溝7の外部である表面12aとには、熱伝導性の良い膜7cが配設されている。
【0037】
また電極基板2に配設されている開口溝7は、電極基板2に比べて熱伝導性が良く、裏面2bにまで延設されている膜7cを有している。つまり開口溝7の内壁7d(底面7aと側面7f)と開口溝7の外部である裏面2bとには、熱伝導性の良い膜7cが配設されている。
【0038】
マイクロミラーチップ1と電極基板2とに配設され、隣接する開口溝7同士において、膜7c同士は接続していない。このような膜7cは、例えば銅配線のような配線である。
【0039】
膜7cが接合パッド5近傍から裏面2bと接合パッド4近傍から表面12aとにまで配設されているために、熱は局所的にMEMS基板1の外部に放熱される。
このように本実施形態では、膜7cを裏面2bと表面12aとにまで延設しているために、放熱性を向上させることができ、開口溝7のみでの冷却よりもより高い冷却効果を得ることができる。
【0040】
なお膜7cは、電気的に接合パッド4,5と配線されていてもよい。これにより本実施形態では、MEMSデバイス10の設計の自由度を向上させることができる。
【0041】
なお図5Aと図5Bとに示すように、開口溝7は、底面7aと側面7fとの接続部にて曲面(アール、フィレット)7gを有していてもよい。曲面7gが形成されることで、開口溝7の底面7aと、側面7fとの角への応力集中を低減することができる。
【0042】
本発明は、上述した各実施形態とその変形例とを組みあわてもよい。
【0043】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0044】
1…マイクロミラーチップ(MEMS基板)、2…電極基板、2a…表面、2b…裏面、4,5…接合パッド、6…温度変化急峻領域、7…開口溝、7a…底面、7b…開口部、7c…膜、7d…内壁、7f…側面、7g…曲面、10…MEMSデバイス、11…可動ミラー部、12…可動支持部、12a…表面、12b…裏面、13…ヒンジ部、14…駆動電極。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接合パッドを有する第1の基板と、
第2の接合パッドを有し、前記第1の基板に積層する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在し、前記第1の接合パッドと前記第2の接合パッドと接合することで、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合させる接合部材と、
前記第1の基板と前記第2の基板との少なくとも一方に配設され、前記第1の基板と前記第2の基板との熱容量差を均一にする温度変化急峻領域と、
を具備することを特徴とするMEMSデバイス。
【請求項2】
前記温度変化急峻領域は、前記第1の接合パッドの界面を中心とした位置と前記第2の接合パッドの界面とを中心とした位置との少なくとも一方に配設され、前記位置に開口溝を有していることを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項3】
前記第1の基板に配設されている前記開口溝は、前記第2の基板に対向する前記第1の基板の一方の面側から前記第1の基板の他方の面側に向かって開口するように形成され、
前記第2の基板に配設されている前記開口溝は、前記第1の基板に対向する前記第2の基板の一方の面側から前記第2の基板の他方の面側に向かって開口するように形成されていることを特徴とする請求項2に記載のMEMSデバイス。
【請求項4】
前記第1の基板に配設されている前記開口溝は、前記第1の基板に比べて熱伝導性が良く、前記第1の基板の前記他方の面にまで延設されている膜を有し、
前記第2の基板に配設されている前記開口溝は、前記第2の基板に比べて熱伝導性が良く、前記第2の基板の前記他方の面にまで延設されている膜を有していることを特徴とする請求項3に記載のMEMSデバイス。
【請求項5】
前記第1の基板に配設されている前記開口溝は、前記第2の基板に対向する前記第1の基板の一方の面側から前記第1の基板の他方の面側に向かって拡径し、
前記第2の基板に配設されている前記開口溝は、前記第1の基板に対向する前記第2の基板の一方の面側から前記第2の基板の他方の面側に向かって拡径していることを特徴とする請求項4に記載のMEMSデバイス。
【請求項6】
前記開口溝は、前記開口溝の底面と前記開口溝の側面との接続部にて曲面を有していることを特徴とする請求項5に記載のMEMSデバイス。
【請求項1】
第1の接合パッドを有する第1の基板と、
第2の接合パッドを有し、前記第1の基板に積層する第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に介在し、前記第1の接合パッドと前記第2の接合パッドと接合することで、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合させる接合部材と、
前記第1の基板と前記第2の基板との少なくとも一方に配設され、前記第1の基板と前記第2の基板との熱容量差を均一にする温度変化急峻領域と、
を具備することを特徴とするMEMSデバイス。
【請求項2】
前記温度変化急峻領域は、前記第1の接合パッドの界面を中心とした位置と前記第2の接合パッドの界面とを中心とした位置との少なくとも一方に配設され、前記位置に開口溝を有していることを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項3】
前記第1の基板に配設されている前記開口溝は、前記第2の基板に対向する前記第1の基板の一方の面側から前記第1の基板の他方の面側に向かって開口するように形成され、
前記第2の基板に配設されている前記開口溝は、前記第1の基板に対向する前記第2の基板の一方の面側から前記第2の基板の他方の面側に向かって開口するように形成されていることを特徴とする請求項2に記載のMEMSデバイス。
【請求項4】
前記第1の基板に配設されている前記開口溝は、前記第1の基板に比べて熱伝導性が良く、前記第1の基板の前記他方の面にまで延設されている膜を有し、
前記第2の基板に配設されている前記開口溝は、前記第2の基板に比べて熱伝導性が良く、前記第2の基板の前記他方の面にまで延設されている膜を有していることを特徴とする請求項3に記載のMEMSデバイス。
【請求項5】
前記第1の基板に配設されている前記開口溝は、前記第2の基板に対向する前記第1の基板の一方の面側から前記第1の基板の他方の面側に向かって拡径し、
前記第2の基板に配設されている前記開口溝は、前記第1の基板に対向する前記第2の基板の一方の面側から前記第2の基板の他方の面側に向かって拡径していることを特徴とする請求項4に記載のMEMSデバイス。
【請求項6】
前記開口溝は、前記開口溝の底面と前記開口溝の側面との接続部にて曲面を有していることを特徴とする請求項5に記載のMEMSデバイス。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【公開番号】特開2010−240779(P2010−240779A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92340(P2009−92340)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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