説明

MEMS素子およびそれを用いた電気機器

【課題】真空の空洞内にMEMS構造体が封止されたMEMS素子において、封止の気密性が長期間安定に保持されるようにする。
【解決手段】MEMS構造体201が、基板301および積層構造体120により、空洞110内に気密封止されているMEMS素子500において、積層構造体120を構成する、2つの層の間に界面封止層101、102、103を設けて、気体が基板301の表面と平行な方向において、2つの層の界面を通過して空洞110内に侵入することを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMS素子およびそれを用いた電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
MEMS素子(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システムまたは微小電気機械装置)は、高周波/無線、光、加速度センサ、バイオ、およびパワーなど、多くの分野において応用が期待されている。例えば、発振器などに用いられるMEMS素子として、MEMS共振器が開発されている。MEMS共振器の利点は、従来の水晶共振器などと比較して、半導体製造方法と親和性を有する方法で製造可能であり、小型化、集積化、および低コスト化が実現可能であることである。このため、MEMS共振器の開発は、発振器の小型化に大きく貢献する技術として期待されている。
【0003】
MEMS素子を実用化する上において、封止技術が重要な開発要素の一つとなっている。封止技術はMEMS素子の高信頼性化に貢献する技術であり、封止内部の雰囲気制御、および外界の汚染物質からのMEMS素子の保護のために重要である。例えば、MEMS共振器においては、気体粘性により振動エネルギーの減衰(Squeeze film dumping)が発生し、共振の尖鋭度を示すQ値(Quality factor)が減少する。そのため、高Q値特性を実現するためにMEMS共振器を真空封止する、即ち、MEMS共振器の周囲を真空にすることが求められる。
【0004】
このように、MEMS素子は空洞を有する特有な構造をしているものが多く、MEMS素子専用の封止技術が開発されている。封止技術は、接合した蓋基板により封止する接合封止、および薄膜プロセスにより薄膜を覆い被せて封止する薄膜封止に大別される。薄膜封止は、MEMS素子を製造するプロセスと連続する薄膜プロセスにより実現可能であり、封止技術の低コスト化を実現する技術として期待されている。
【0005】
特許文献1には、シリコン窒化膜などの耐酸性の膜の開口部からエッチング液を接触させて空洞を形成し、その後に開口部を樹脂または板状部材で塞ぐ封止技術が開示されている。
【0006】
特許文献2には、空洞形成膜の貫通孔からエッチング液を用いて空洞を形成し、空洞形成膜の全体にSiOまたはSiN等からなる封止膜を形成して封止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−222956号公報
【特許文献2】特開2008−137139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、長期間にわたって気密状態を保持でき、それにより寿命が長くなるMEMS素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る微小電気機械素子は、
基板と、
前記基板上に配置された可動部を含むMEMS構造体と、
前記基板上に積層され、前記MEMS構造体を内部に含む空洞を形成する複数の層を含む積層構造体と、
を有し、
前記MEMS構造体は前記基板および前記積層構造体により、空洞内に気密封止されている、
MEMS素子であって、
前記積層構造体が、
前記空洞の前記基板の表面と平行な方向の形状および寸法を規定する支持層、
前記支持層の表面に配置され、前記空洞を形成するために用いられたエッチングホールを有する封止層、
前記封止層の表面に配置された蓋層
前記封止層と前記蓋層との間に配置され、前記エッチングホールを覆う多孔質層、および
前記封止層と前記多孔質層との間に、前記封止層と前記多孔質層に接して配置されている、前記封止層および前記多孔質層のいずれよりも緻密である、界面封止層
を有する、
MEMS素子である
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、封止された空洞を有するMEMS素子において、高い気密性を長期間にわたって維持することができ、したがって、MEMS素子の長寿命化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1におけるMEMS素子の構成を示す横断面図
【図2A】実施の形態1におけるMEMS素子において、封止層105、界面封止層101および多孔質層106の部分を拡大して示す横断面図
【図2B】実施の形態1の変形例におけるMEMS素子において、封止層105、界面封止層101および多孔質層106の部分を拡大して示す横断面図
【図3】実施の形態2におけるMEMS素子の構成を示す横断面図
【図4】実施の形態3におけるMEMS素子の構成を示す横断面図
【図5】実施の形態4におけるMEMS素子の構成を示す横断面図
【図6】実施の形態5におけるMEMS素子の構成を示す横断面図
【図6B】実施の形態6におけるMEMS素子の構成を示す横断面図
【図7】実施の形態7におけるMEMS素子の構成を示す横断面図
【図8】実施の形態1のMEMS素子のQ値の経時変化を示すグラフ
【図9(a)】実施の形態7のMEMS素子の製造方法の工程を示す横断面図
【図9(b)】実施の形態7のMEMS素子の製造方法の工程を示す横断面図
【図9(c)】実施の形態7のMEMS素子の製造方法の工程を示す横断面図
【図9(d)】実施の形態7のMEMS素子の製造方法の工程を示す横断面図
【図9(e)】実施の形態7のMEMS素子の製造方法の工程を示す横断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本発明に係る一実施形態を得るに至った経緯)
前記背景技術の欄に記載した技術によれば、短期間であれば気密状態を保持できるが、長期間にわたって気密状態を保持することは困難である。例えば、空洞を規定する膜を積層構造体として、その厚さを大きくし、基板の厚さ方向と平行な方向における気体の流れが空洞に進入することを防止しようとしても、気密状態を十分に保持することは困難である。その理由について発明者らが鋭意検討した結果、複数の層からなる積層構造体によって空洞が形成されている場合に、積層構造体の層間の界面が、気体のリーク経路となることを見出した。すなわち、積層構造体を構成する層の表面粗さが、当該層が形成された時点で大きいことがあり、あるいは層を形成した後でエッチング処理に付されることによって大きくなることがある。そのような表面粗さの大きい層の上に別の層が形成された場合、その界面には微小な空間が形成され、それが気体のリーク経路となる。
【0013】
本発明の一実施形態は、上記した新たな知見に基づいてなされたものであり、長期間にわたって気密状態を保持でき、それにより寿命が長くなるMEMS素子を提供することを目的とする。
【0014】
(態様1)
態様1は、
基板と、
前記基板上に配置された可動部を含むMEMS構造体と、
前記基板上に積層され、前記MEMS構造体を内部に含む空洞を形成する複数の層を含む積層構造体と、
を有し、
前記MEMS構造体は前記基板および前記積層構造体により、空洞内に気密封止されている、
MEMS素子であって、
前記積層構造体が、
前記空洞の前記基板の表面と平行な方向の形状および寸法を規定する支持層、
前記支持層の表面に配置され、前記空洞を形成するために用いられたエッチングホールを有する封止層、
前記封止層の表面に配置された蓋層
前記封止層と前記蓋層との間に配置され、前記エッチングホールを覆う多孔質層、および
前記封止層と前記多孔質層との間に、前記封止層と前記多孔質層に接して配置されている、前記封止層および前記多孔質層のいずれよりも緻密である、界面封止層
を有する、
MEMS素子である。
【0015】
態様1のMEMS素子は、封止構造である積層構造体が、封止層、蓋層、および多孔質層を有し、封止層と多孔質層の界面に界面封止層が配置されていることを特徴とする。この界面封止層は、気体が、封止層と多孔質層との界面を経由して、真空にされた空洞内に入り込むことを防止または軽減し、積層構造体による高い気密性を長期間維持することを可能にする。よって、態様1によれば、MEMS素子の長寿命化を実現することが可能となる。
【0016】
(態様2)
態様2は、前記界面封止層が、前記基板に垂直な方向から見て、前記封止層において前記空洞と連通している部分の外縁または前記空洞と連通している部分を内部に含む領域の外縁を囲んでいる、態様1のMEMS素子である。
【0017】
(態様3)
態様3は、前記封止層および前記多孔質層がシリコンを含む層である、態様1または2のMEMS素子である。
【0018】
シリコンを含む層と層との間にて、気体の漏れが生じやすいから、封止層および多孔質層がともにシリコンを含む場合には界面封止層による効果がより顕著に得られる。シリコンを含む層は、シリコンを単体として含んでよく、あるいはシリコンを化合物の形態で含んでよい。
【0019】
(態様4)
態様4は、前記界面封止層が、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、チタン、シリコンカーバイド、アルミニウムとシリコンゲルマニウムの合金、および窒化シリコンから選択される1または複数の材料を含む、態様1または2のMEMS素子である。これらの材料は緻密な膜を形成する。
【0020】
(態様5)
態様5は、別の界面封止層をさらに有し、前記別の界面封止層が前記支持層と前記封止層との間に配置されており、前記支持層と前記封止層のいずれよりも緻密である、態様1〜4のいずれかのMEMS素子である。
【0021】
(態様6)
態様6は、
前記封止層が、前記支持層の表面の一部に配置されて、前記支持層の表面が前記封止層で覆われていない領域を有し、
前記別の界面封止層が、前記支持層と前記封止層との間の界面から延在して、前記封止層で覆われていない前記支持層の表面を覆っている、
態様5のMEMS素子である。
【0022】
(態様7)
態様7は、
前記封止層が2以上の層からなり、
前記封止層の前記基板の表面と平行な2つの面の間に位置する、前記封止層の側面が、気体遮蔽層で覆われている、態様1〜6のいずれかのMEMS素子である。
(態様8)
態様8は、態様1〜7のいずれかのMEMS素子を含む電気機器である。
【0023】
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図面において、同じ要素または部材には同じ番号を付し、以下の説明において、同じ要素または部材について重複する説明を省略することがある。
【0024】
(実施の形態1)
実施の形態1として、基板301とともに積層構造体120がMEMS構造体201を封止し、積層構造体120が、支持層108、109、封止層105、多孔質層106および蓋層107を含む構成を説明する。本実施の形態において、界面封止層101は、封止層105と、多孔質層106との間に形成されている。
【0025】
図1は、本実施の形態におけるMEMS素子の一部を示し、具体的にはMEMS素子用封止の構成を示す横断面図である。図1に示すMEMS素子100は、積層構造体120と、基板301上に形成されたMEMS構造体201と、電極パッド202がその表面に形成されたコンタクト構造体130とを具備する。図示した形態において、MEMS構造体は、機械的振動を行う、断面が略三角形である梁構造体の可動部、および可動部に近接して位置する電極を有する。この可動部は、断面のおよそ重心を回転中心としてねじり振動を行う。
【0026】
MEMS構造体201は、支持層109、支持層108、封止層105、および蓋層107の薄膜に覆われる形で封止されており、封止内部には空洞110が形成されている。支持層108および支持層109は、MEMS構造体201の可動部および電極を支持する役割をし、基板301の表面に平行な方向において、空洞110の形状および寸法を規定している。支持層108および109はともに、封止層105が形成されていない状態で、基板301側と反対の側に開いた空間を形成する。封止層105は、支持層108および109により形成された空間を、基板301の厚さ方向で封止するために設けられる。封止層105は、図示するように空洞110と連通しているスルーホール140を有している。このスルーホール140は、空洞110を犠牲層エッチングにより形成する際に用いられた孔である。封止層105は、例えば、シリコンを含む材料からなり、具体的には、シリコンゲルマニウム、窒化シリコン等からなる。
【0027】
多孔質層106は、封止層105の表面であって、スルーホール140が形成された領域を覆う領域に設けられている。蓋層107は、封止層105の表面であって、かつ多孔質層106の表面を覆う領域に配置されている。図示するように、蓋層107は二層構成を有し、下側層107Aは、多孔質層106の表面に設けられ、上側層107Bは、多孔質層106よりも広い領域に設けられて、一部は封止層105の表面と接している。
【0028】
多孔質層106は、空洞110を形成する前に形成される。エッチングガスは、この多孔質層106およびスルーホール140を経由し、支持層108、109の材料と反応して、空洞110を形成する。蓋層107は、空洞110を形成した後に形成される。蓋層107を形成する際に、蓋層107を構成する材料(またはそれを構成する原子)が、空洞110内に入ると、当該材料がMEMS構造体201に付着し、MEMS素子100の機能を阻害することがある。多孔質層106は蓋層107の材料の空洞110内への進入を防止するために設けられる。したがって、多孔質層106は、空洞110形成用のエッチングガスを通し、かつ蓋層107の材料を通さないように、材料および成膜方法を選択して形成される。多孔質層106は、例えば、シリコンゲルマニウム等のシリコンを含む材料からなる多孔質膜であり、あるいは、酸化アルミニウムなどを含む材料からなる、多孔質膜である。
【0029】
多孔質層106は、その多孔性のために、封止層105の表面に直接形成されると、封止層105に密に接触せず、それらの界面には、基板301の表面に平行な方向において気体が通過する、気体の通路(リーク経路)が形成されやすい。そのような通路を介して気体が空洞110内に進入すると、空洞110内の真空度が低下して、例えば、MEMS素子を共振器として用いる場合、Q値が低下する。そこで、この実施の形態においては、封止層105と多孔質層106との間に、界面封止層101が形成されて、気体の通路を排除している。界面封止層101が形成された、封止層105と多孔質層106との界面を図2Aに拡大して示す。界面封止層101のスルーホール140の直上に位置する箇所には、エッチングガスが通過できる微小な孔150が設けられる(この微小な孔150は、図1には示しておらず、図2Aに示している)。より具体的には、界面封止層101を形成してから、あるいは形成する際に、微小な孔150が設けられる。そのため、多孔質層106を半導体製造等において用いられている薄膜形成プロセスで形成すると、微小な孔150の全部または一部が多孔質層106の材料で充填されることがある(図2Aにおいては、微小な孔150全体に多孔質層106の材料が充填されている。)
【0030】
あるいは、実施の形態1の変形例において、界面封止層101は、スルーホール140の直上だけでなく、その周辺を含む領域を除く部分にて、封止層105と接するように形成されてよい。即ち、界面封止層101は、基板301の表面に垂直な方向から見て、空洞110と連通するスルーホール140を含む領域の外縁を囲むように形成されてよい。例えば、図2Bに示すように、界面封止層101は、基板301の表面と平行な方向において、封止層105と多孔質層106とが重なりあっている領域の周縁部にのみ位置するように形成されている。これは、スルーホールが通常、封止層105の中央領域に形成されることによる。気体のリークは、界面封止層101がスルーホール140を内部に含む中央領域の外縁を囲むように位置していても防止され得る。界面封止層101が形成されていない領域の一部または全部には、多孔質層106の材料が充填されていてよい。
【0031】
界面封止層101は、封止層105および多孔質層106のいずれよりも緻密な層である。ここで「封止層105および多孔質層106のいずれよりも緻密な層」とは、それを封止層105と多孔質層106との間に、それらの層に接して配置したときに、それを封止層105と多孔質層106との間に配置しなかったときよりも、気体の空洞内への進入を抑制する層である。緻密な層は、膜を形成したときに結晶欠陥が形成されにくい、および膜を形成したときに粒子と粒子との界面で空隙が形成されにくい等、膜を形成したときに欠陥が形成されにくい材料からなる。
【0032】
界面封止層101は、具体的には、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、チタン、シリコンカーバイド、アルミニウムとシリコンゲルマニウムの合金、および窒化シリコンから選択される1または複数の材料を含む、または当該1または複数の材料から実質的になる層であってよい。「実質的になる」という用語は、不純物程度の他の元素を含んでよい意味で用いられる。複数の材料を用いる場合、それらは積層された形態で使用されてよい。これらの材料は、緻密な層を形成しやすく、特にシリコンを含む層よりも緻密な層を与えやすい。したがって、封止層105および多孔質層106がともにシリコン(Si)を含む層である場合、界面封止層101はこれらの材料から選択された1または複数の材料を含む、または当該材料から実質的になる層としてよく、例えば、チタン/窒化チタンの積層膜であってよい。チタン/窒化チタンの積層膜は、緻密であり、かつ強度が高い。
【0033】
界面封止層101の厚さは特に限定されず、例えば、1nm〜1μmとしてよく、特に10nm〜100nmとしてよい。この範囲内の厚さの界面封止層101は、気体の空洞110への進入を有効に防止する。
【0034】
図8は、本実施の形態1で採用するMEMS素子用封止の気密性を示すグラフである。図8は、図1に示す構成のMEMS素子を、相対湿度85%、温度85℃の雰囲気中で保存したときの、Q値の経時変化を示す試験データである。気密性が低下して気体が空洞内に進入すると、Q値が低下するので、Q値の経時変化から気密性の経時変化が分かる。このMEMS素子は、約1箇月間、高Q値(150,000)を維持しており、高い気密性を長期間維持することが可能である。したがって、かかる構成によれば、MEMS素子の長寿命化を実現することが可能となる。
【0035】
試験は、図1において、封止層105を厚さ4μmのシリコンゲルマニウムからなる層とし、多孔質層106をシリコンゲルマニウムからなる層とし、界面封止層101として、厚さ5nm/10nmのチタン/窒化チタンの積層膜を設けた構成のMEMS素子を用いて実施した。MEMS素子において、MEMS構造体201は、断面が約6.4μmである略三角形の可動部を有し、空洞110の容積は、約13200μmである。また、同じ構成を有するが、界面封止層101が設けられていないMEMS素子を同じ条件で保存すると、30日経過時では特性が劣化し、Q値の見積もりが困難となる。
【0036】
図1に示す構成のMEMS素子100は、半導体製造等において用いられている薄膜形成プロセス(スパッタリング法、CVD法、または蒸着法等)およびパターニングプロセスにより、製造することができる。その手順は、図9(a)〜図9(e)に示すとおりである。但し、図9(a)〜図9(e)は、封止層105と多孔質層106との間だけでなく、他の層と層との間にも界面封止層が設けられた構成(具体的には後述する実施の形態7)のMEMS素子を製造する方法を示しており、図1に示されない要素を含む。図1に示す構成のMEMS素子の製造においては、図9(a)〜図9(e)において、符号102、103、および104で示される層は形成されない。また、図9(a)〜(e)において、符号1051は、封止層105を2層構成とするときに形成される界面を示す。
【0037】
具体的には、まず、基板301上に、支持層109、MEMS構造体201、および支持層108をこの順形成した後、フォトリソグラフィー、およびエッチングなどのプロセスにより、支持層108、109をパターニングする。パターニングにより、MEMS構造体201を外部の要素と電気的に接続するコンタクト構造体を形成するための開口部を形成する。基板301は、シリコン等からなり、支持層108、および109は、酸化シリコン等からなる。
【0038】
次に、封止層105を形成する。封止層105は、単層構造であってもよく、あるいは積層構造であってもよい。封止層105が積層構造である場合、同じ材料からなる2以上の層が積層されていてよい。例えば、封止層105を厚い層として形成する場合には、薄膜形成プロセスを繰り返し実施してよい。薄膜形成プロセスを繰り返して形成した層は、1回のプロセスで形成した同じ厚さの層よりも、一般に良質である。続いて、封止層105にスルーホールを形成し、スルーホールを、支持層108および109と同質の材料で充填する。図9(b)は、スルーホールに支持層108および109と同質の材料が充填された状態を示す。
【0039】
次に、図9(c)に示すように、界面封止層101、および多孔質層106を形成した後、犠牲層エッチングにより支持層108および109の一部を除去して、空洞110を形成する。支持層108および109の一部を除去すること(除去される部分が空洞110を形成する犠牲層である)は、エッチャントを、多孔質層106を介してエッチングホールから導入し、MEMS構造体201の周囲の支持層108および109をエッチングする方法で実施する。
【0040】
空洞110を形成した後、蓋層107の下側層107Aを形成する。下側層107Aを形成した後、フォトリソグラフィー、およびエッチングなどのプロセスにより、界面封止層101、多孔質層106、および下側層107Aをパターニングする。空洞110の雰囲気は、蓋層107(図では蓋層107の下側層107A)の形成方法により制御される。蓋層107は、アルミニウム等の金属からなり、スパッタリング法により形成される。この場合、空洞110において、アルゴン約1Paの高い真空度を達成することが可能であり、この状態でMEMS構造体201は空洞110内に封止される。パターニングにより、界面封止層101は、封止層105と多孔質層106との間の界面以外の他の領域からは除去される。界面封止層101および多孔質層106が除去された領域の一部は、後述するようにコンタクト構造体130を構成し、電極パッド202との間で良好な接触を形成する。
【0041】
次に、封止層105を、フォトリソグラフィー、およびエッチングなどのプロセスによりパターニングして、封止部材である積層構造体120と、電極パッドが形成されるコンタクト構造体130とを分離する。図9(d)は、パターニング後の状態を示す。
【0042】
次に、電極パッド202を、導電性材料を用いた薄膜形成プロセス、フォトリソグラフィープロセスおよびエッチングプロセスにより形成する。図9(e)は、電極パッド210が形成された状態を示す。電極パッド202の形成と同時に、蓋層107の上側層107Bが形成される。蓋層107の上側層107Bは下側層107Aよりも広い領域に形成される。図1に示す構成のMEMS素子は、前述のとおり、図9(e)に示す符号104の要素(後述する気体遮蔽層)を有しておらず、したがって、この要素は形成されない。
【0043】
(実施の形態2)
実施の形態2として、基板301とともに積層構造体120がMEMS構造体201を封止し、積層構造体120が、支持層108、109、封止層105、多孔質層106および蓋層107を含む構成を説明する。本実施の形態は、封止層105と多孔質層106との間に形成された界面封止層101に加えて、封止層105と蓋層107との間に形成された界面封止層1011を有する。
【0044】
図3は、本実施の形態におけるMEMS素子200の一部を示し、具体的にはMEMS素子用封止の構成を示す横断面図である。図3に示すMEMS素子200は、図1に示すMEMS素子100と、界面封止層101に加えて、界面封止層1011が設けられている点を除いては同じ構成を有する。界面封止層1011は、封止層105と蓋層107の界面に形成されて、封止層105と蓋層107との間で、基板301の表面に平行な方向において気体の通路(リーク経路)が形成されることを防止する。界面封止層1011は、後述のように、蓋層の下側層107Aを形成してから、蓋層の上側層107Bを形成する前に形成されるので、下側層107Aと上側層107Bとの間にも位置する。
【0045】
界面封止層1011は、封止層105および蓋層107のいずれよりも緻密な層であり、実施の形態1で界面封止層101の材料として例示した1または複数の材料を含む、または当該1または複数の材料から実質的になるものであってよい。例えば、界面封止層1011は、封止層105がシリコンゲルマニウムで形成され、蓋層107がアルミニウムで形成されている場合、緻密で強度が高いチタン/窒化チタンの積層膜であってよい。
【0046】
界面封止層1011の厚さは特に限定されず、例えば、1nm〜1μmとしてよく、特に10nm〜100nmとしてよい。この範囲内の厚さの界面封止層1011は、気体の空洞110への進入を有効に防止する。
【0047】
図3に示す構成のMEMS素子200は、半導体製造等において用いられている薄膜形成プロセスおよびパターニングプロセスにより、製造することができる。具体的には、MEMS素子200は、実施の形態1で説明した手順とほぼ同じ手順に従って製造することができる。界面封止層1011は、蓋層107の下側層107Aを形成し、フォトリソグラフィー、およびエッチングなどのプロセスにより、界面封止層101、多孔質層106、および下側層107Aをパターニングした後に形成される。界面封止層1011の形成直後において、界面封止層1011は、図9(d)において、蓋層107の下側層107Aの表面、封止層105の表面、およびコンタクト構造体130の表面に形成されている。蓋層107の上側層107Bを形成する前に、界面封止層1011はパターニングされて、所望の領域のみを覆うようにする。
【0048】
(実施の形態3)
実施の形態3として、基板301とともに積層構造体120がMEMS構造体201を封止し、積層構造体120が支持層108、109、および封止層105を含む構成を説明する。本実施の形態は、封止層105と多孔質層106との間に形成された界面封止層101に加えて、支持層108と、封止層105との間に形成された界面封止層102を有する。
【0049】
図4は、本実施の形態におけるMEMS素子300の一部を示し、具体的にはMEMS素子用封止の構成を示す横断面図である。図4に示すMEMS素子300は、図1に示すMEMS素子100と、界面封止層101に加えて、界面封止層102が設けられている点を除いては同じ構成を有する。界面封止層102は、支持層108と封止層105の界面に形成されて、支持層108と封止層105との間で、基板301の表面に平行な方向において、気体の通路(リーク経路)が形成されることを防止する。界面封止層102は、後述のように、支持層108、109を形成した後、コンタクト構造体130を形成するための開口部を形成した後に形成されるので、コンタクト構造体130と支持層108との間にも位置する。
【0050】
界面封止層102は、支持層108および封止層105のいずれよりも緻密な層であり、実施の形態1で界面封止層101の材料として例示した1または複数の材料を含む、または当該1または複数の材料から実質的になるものであってよい。界面封止層102は、図示するように、MEMS構造体201の電極およびコンタクト構造体130と接するので、導電体で形成してよい。例えば、界面封止層102の材料は、支持層108が酸化シリコンで形成され、封止層105がシリコンゲルマニウムで形成されている場合、緻密で強度が高いチタン/窒化チタンの積層膜としてよい。
【0051】
界面封止層102の厚さは特に限定されず、例えば、1nm〜1μmとしてよく、特に10nm〜100nmとしてよい。この範囲内の厚さの界面封止層102は、気体の空洞110への進入を有効に防止する。
【0052】
図4に示す構成のMEMS素子300は、半導体製造等において用いられている薄膜形成プロセスおよびパターニングプロセスにより、製造することができる。具体的には、MEMS素子300は、実施の形態1で説明した手順とほぼ同じ手順に従って製造することができる。界面封止層102は、コンタクト構造体130を形成するための開口部を形成してから形成される。界面封止層102は、封止層105をパターニングする際に、積層構造体120とコンタクト構造体130との間の支持層108の表面から除去されて、図9(d)に示すように、2つの層の界面にのみ位置する。
【0053】
(実施の形態4)
実施の形態4として、MEMS構造体201を基板301とともに封止する積層構造体120が、支持層108、109、および封止層105を含み、界面封止層103が、支持層108と封止層105との間に設けられ、かつ支持層108の表面を被覆した構成を説明する。本実施の形態は、封止層105と多孔質層106との間に形成された界面封止層101に加えて、支持層108と、封止層105との間に形成された界面封止層103を有する。
【0054】
図5は、本実施の形態におけるMEMS素子400の一部を示し、具体的にはMEMS素子用封止の構成を示す横断面図である。図5に示すMEMS素子400は、図1に示すMEMS素子100と、界面封止層101に加えて、界面封止層103が設けられている点を除いては同じ構成を有する。界面封止層103は、支持層108と封止層105の界面に形成されて、支持層108と封止層105との間で、基板301の表面に平行な方向において、気体の通路(リーク経路)が形成されることを防止する。さらに、界面封止層103は、支持層108と封止層105との間の界面から延在して、封止層105で覆われていない支持層108の表面を覆っている。
【0055】
基板301の表面に平行な方向における空洞110の寸法および形状を規定する支持層108、109においては、気体が支持層それ自体の内部を通過することがある。即ち、気体が、支持層108の表面から入り、支持層108、109の内部を通過して、空洞110に至ることがある。その場合にも、空洞110の気密性が減じることはいうまでもない。支持層108の表面に位置する界面封止層103は、このような気体の進入を有効に抑制する役割をも果たす。
【0056】
界面封止層103は、実施の形態1で界面封止層101の材料として例示した1または複数の材料を含む、または当該1または複数の材料から実質的になるものであってよい。界面封止層103は、図示するように、積層構造体120とコンタクト構造体130との間で、連続することがある。その場合、界面封止層103は、積層構造体とコンタクト構造体130とを電気的に分離するために、絶縁体で形成してよく、例えば、絶縁体の中でも緻密で強度が高いシリコンカーバイドで形成してよい。
【0057】
界面封止層103の厚さは特に限定されず、例えば、1nm〜1μmとしてよく、特に10nm〜500nmとしてよい。この範囲内の厚さの界面封止層103は、気体の空洞110への進入を有効に防止する。
【0058】
図5に示す形態のMEMS素子400は、半導体製造等において用いられている薄膜形成プロセスおよびパターニングプロセスにより、製造することができる。具体的には、MEMS素子400は、実施の形態1で説明した手順とほぼ同じ手順に従って製造することができる。界面封止層103は、支持層108を形成した後に形成される。図9(a)に示すように、界面封止層103を形成した後に、コンタクト構造体130を形成するための開口部が形成される。
【0059】
(実施の形態5)
実施の形態5として、実施の形態1の変形例であって、界面封止層101が封止層105と多孔質層106との間に形成されており、封止層105が2つの層から構成されており、かつ、封止層105の側面が気体遮蔽層104で被覆されている構成を説明する。
【0060】
図6は、本実施の形態におけるMEMS素子500の一部を示し、具体的にはMEMS素子用封止の構成を示す横断面図である。図6に示すMEMS素子500は、図1に示す素子において、封止層105が2つの層から構成され、かつ封止層105の側面に気体遮蔽層104が設けられている点を除いては同じ構成を有する。封止層105の側面は、基板301の表面に平行な方向で封止層105を規定する2つの面の間に位置する面である。封止層105は、厚さが大きく、かつ良好な質の膜となるように、同じ材料からなる2つの層で形成されている。
【0061】
封止層105が同じ材料からなる複数の層で形成される場合、層と層との間の界面1051に他の材料からなる層を形成すると、膜としての同一性を保持して、厚い膜を形成することが困難となることがある。したがって、封止層105を複数の層で形成する場合に、層と層との間に界面封止層を形成するよりは、むしろ界面が露出している部分を気体が通過しにくい材料で覆うことが好ましい場合もある。また、封止層105の内部を通過して、気体が空洞110に進入することもある。気体遮蔽層104は、封止層105の界面1051、および封止層105の内部を通過して、気体が空洞110に進入することを防止している。気体遮蔽層104を設けることにより、空洞110の気密封止がより良好に保持され、MEMS素子500の寿命をより長くすることができる。
【0062】
この形態においては、図示したように、封止層105の側面が傾斜していてよい。その場合、気体遮蔽層104を形成するときに均一な層が形成される。
【0063】
気体遮蔽層104は、外部からの気体の進入を防止または軽減する材料からなってよい。具体的には、気体遮蔽層104は、実施の形態1において、界面封止層101の材料として例示した1もしくは複数の材料、または金属系材料(例えば、アルミニウム、もしくはアルミニウムとシリコンゲルコニウムとの合金)を含む、または当該1もしくは複数の材料から実質的になる層であってよい。電極パッド202が例えば、アルミニウムからなる場合、気体遮蔽層104もまた、アルミニウムからなってよい。電極パッド202および気体遮蔽層104の材料を共通にすることによって、電極パッド202および気体遮蔽層104を同一のプロセスで形成することができ、製造プロセスを簡素化できる。気体遮蔽層104は、他の形態(例えば、前述の実施の形態1〜4)のMEMS素子においても形成してよい。
【0064】
図6に示す形態のMEMS素子500は、半導体製造等において用いられている薄膜形成プロセスおよびパターニングプロセスにより、製造することができる。具体的には、MEMS素子500は、実施の形態1で説明した手順とほぼ同じ手順に従って製造することができる。気体遮蔽層104は、蓋層の上側層107Bおよび電極パッド202を形成するときに、同時に形成することができる。
【0065】
(実施の形態6)
実施の形態6として、界面封止層101に加えて、界面封止層1055が形成されたMEMS素子を説明する。具体的には、実施の形態6においては、図6Bに示すように、MEMS構造体201を基板301とともに封止する積層構造体120が、支持層108、109、および封止層105を含み、封止層105が2つの層105A、105Bから構成されており、界面封止層1055が、封止層105を構成する2つの層105A、105Bの間に設けられている。
【0066】
図6Bは、本実施の形態におけるMEMS素子500Bの一部を示し、具体的にはMEMS素子用封止の構成を示す横断面図である。図6に示すMEMS素子は、図1に示す素子において、封止層105が2つの層105A、および105Bからなる点、ならびに界面封止層101に加えて界面封止層1055が設けられている点を除いては同じ構成を有する。界面封止層1055は、封止層105を構成する2つの層105Aおよび105Bの界面に形成されて、これらの層の間で、基板301の表面に平行な方向において、気体の通路(リーク経路)が形成されることを防止する。界面封止層1055は、封止層105を異なる材料からなる複数の層で形成する場合に特に有効である。
【0067】
界面封止層1055は、封止層105を構成する2つの層105Aおよび105Bのいずれよりも緻密な層であり、実施の形態1で界面封止層101の材料として例示した1または複数の材料を含む、または当該1または複数の材料から実質的になるものであってよい。例えば、封止層105を構成する2つの層がいずれもシリコンゲルマニウムで形成されている場合、緻密で強度が高いチタン/窒化チタンの積層膜としてよい。
【0068】
界面封止層1055の厚さは特に限定されず、例えば、1nm〜1μmとしてよく、特に10nm〜100nmとしてよい。この範囲内の厚さの界面封止層1055は、気体の空洞110への進入を有効に防止する。
【0069】
図6Bに示す形態のMEMS素子500Bは、半導体製造等において用いられている薄膜形成プロセスおよびパターニングプロセスにより、製造することができる。具体的には、MEMS素子500Bは、実施の形態1で説明した手順とほぼ同じ手順に従って製造することができる。界面封止層1055は、下側の封止層を形成した後に形成される。
【0070】
(実施の形態7)
実施の形態7として、実施の形態1、実施の形態3、実施の形態4および実施の形態5で説明した界面封止層101、102、および103、ならびに気体遮蔽層104を具備した構成を説明する。図7は、本実施の形態におけるMEMS素子600の一部を示し、MEMS素子用封止の構成を示す横断面図である。
【0071】
各界面封止層101、102、および103、ならびに気体遮蔽層104は実施の形態1、3、4および5で説明したとおりであるから、ここではその説明を省略する。この実施の形態は、より多くの界面封止層を有するので、空洞110の気密封止をより良好に保持し、MEMS素子の寿命をより長くすることができる。
【0072】
図7に示すMEMS素子600は、半導体製造等において用いられている薄膜形成プロセスおよびエッチングプロセスにより、製造することができる。具体的には、図9(a)〜図9(e)に示す手順に従って製造される。各層の形成方法は、実施の形態1、3、4および5で説明したとおりであるから、ここではその説明を省略する。
【0073】
本発明は実施の形態1〜7に限定されない。他の形態において、MEMS構造体は、基板の厚さ方向に振動する可動部と、この可動部に近接して位置する電極を有するものであってよい。また、実施の形態1〜6を2以上組み合わせてよい。
【0074】
実施の形態1〜7のMEMS素子は、例えば、スイッチ素子、共振器、フィルタ、発振器、ジャイロスコープ、圧力センサ、および質量検出素子等のデバイス、ならびにそれらを用いた電機機器に広く適用され得る。電気機器は、例えば、携帯電話などである。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の実施形態はいずれも、高度に気密封止された空洞にMEMS構造体が配置されるMEMS素子に適用することができ、例えば、MEMS共振器、MEMS発振器、およびMEMS圧力センサとして有用である。
【符号の説明】
【0076】
100、200、300、400、500、600 MEMS素子
101、1011、102、103 界面封止層
104 気体遮蔽層
105 封止層
1051 界面
106 多孔質層
107 蓋層
108、109 支持層
110 空洞
140 スルーホール
150 微小な孔
201 MEMS構造体
202 電極パッド
301 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置された可動部を含むMEMS構造体と、
前記基板上に積層され、前記MEMS構造体を内部に含む空洞を形成する複数の層を含む積層構造体と、
を有し、
前記MEMS構造体は前記基板および前記積層構造体により、空洞内に気密封止されている、
MEMS素子であって、
前記積層構造体が、
前記空洞の前記基板の表面と平行な方向の形状および寸法を規定する支持層、
前記支持層の表面に配置され、前記空洞を形成するために用いられたエッチングホールを有する封止層、
前記封止層の表面に配置された蓋層
前記封止層と前記蓋層との間に配置され、前記エッチングホールを覆う多孔質層、および
前記封止層と前記多孔質層との間に、前記封止層と前記多孔質層に接して配置されている、前記封止層および前記多孔質層のいずれよりも緻密である、界面封止層
を有する、
【請求項2】
前記界面封止層が、前記基板に垂直な方向から見て、前記封止層において前記空洞と連通している部分の外縁または前記空洞と連通している部分を内部に含む領域の外縁を囲んでいる、請求項1に記載のMEMS素子。
【請求項3】
前記封止層および前記多孔質層はシリコンを含む層である、
請求項1または2に記載のMEMS素子。
【請求項4】
前記界面封止層は、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、チタン、シリコンカーバイド、アルミニウムとシリコンゲルマニウムの合金、および窒化シリコンから選択される1または複数の材料を含む、請求項1または2に記載のMEMS素子。
【請求項5】
別の界面封止層をさらに有し、前記別の界面封止層が前記支持層と前記封止層との間に配置されており、前記支持層と前記封止層のいずれよりも緻密である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のMEMS素子。
【請求項6】
前記封止層が、前記支持層の表面の一部に配置されて、前記支持層の表面が前記封止層で覆われていない領域を有し、
前記別の界面封止層が、前記支持層と前記封止層との間の界面から延在して、前記封止層で覆われていない前記支持層の表面を覆っている、
請求項5に記載のMEMS素子。
【請求項7】
前記封止層が2以上の層からなり、
前記封止層の前記基板の表面と平行な2つの面の間に位置する、前記封止層の側面が、気体遮蔽層で覆われている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のMEMS素子。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のMEMS素子を含む電気機器。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図9(c)】
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【図9(d)】
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【図9(e)】
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【公開番号】特開2013−59855(P2013−59855A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−181674(P2012−181674)
【出願日】平成24年8月20日(2012.8.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(591060898)アイメック (302)
【氏名又は名称原語表記】IMEC
【Fターム(参考)】