説明

p38MAPキナーゼの抑制による疼痛治療

本発明は、p38MAPキナーゼの阻害による痛みの予防、又は、治療方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は2002年9月5日に出願した米国仮特許出願 第60/408,610号に基づく優先権を主張し、その内容の全ては参照により本願に組み込まれるものとする。
【技術分野】
【0002】
この発明は、国立衛生研究所からの助成金第NS16541によって部分的に支援されたものである。合衆国政府は、この発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
痛みは、医療上の処置や治療の重要な障害となるだけでなく、身体の傷害や手術、また多くの慢性疾患にも付随してくるものである。アメリカ合衆国では1998年だけで、慢性及び急性の疼痛で、それぞれ3870万人と6380万人が治療を受けている。しかしながら、ほとんどの疼痛緩和治療は、重大な、かつ、しばしば人を弱らせるような副作用をもたらす。例えば、一般的に使用されている非ステロイド性の抗炎症剤は胃腸への副作用を有するが、一方で、より重篤な痛みに限定して処方される麻薬は、依存性、耐性の付与、便秘、胃腸疲労、呼吸の抑圧などのため処方が限定される。したがって、痛みの改善作用を残したままで、このような有害な副作用を避けることが可能な新しい治療方法を開発するという大きな需要が存在する。
【0004】
痛みは侵害性の刺激によって誘発されるが、そこで環境刺激は電気化学的及びタンパク質の信号に変換され、末梢から脳へと伝達される。生理的な痛みは、有害な機械的、化学的もしくは温度刺激の後に、末梢組織に分布している感覚侵害受容器繊維によって始まる。ついで、感覚反応は、脊髄中にある神経細胞(視床内で中継され大脳皮質に投射される)の活性化を通して痛覚を誘発する。生理的な痛みの活性化閾値は、それ以前の活性化の結果として、又は、刺激の強さや持続性から、低下する事もある。
【0005】
一方で、病理的な痛みとは、通常は痛む状態を誘発できないような害のない刺激によって痛みが生成される場合(異痛症)、又は、侵害性刺激がより大きくそして長引く痛みを引き起こす場合(痛覚過敏)である。異痛症は二つの異なる条件下で起こる:脊髄の痛み伝達ニューロンの反応性の増加(中枢性感作)、または、侵害受容器の活性化閾値の低下(末梢性感作)。中枢性感作において、痛みは一次C繊維の活性化によって生起される。末梢性感作は、侵害受容性Aδ繊維終末が組織損傷や炎症に暴露されるようになった時に形成される。C繊維末梢性感作とAδ中枢性感作の過程は、異なる行動モデルを用いて生体内(in vivo)で別個に解析することが可能である(reviewed by Yaksh, T.,Trends in Pharm. Sci. (l999) 20: 329-337)。
【0006】
炎症性疼痛と神経因性疼痛は、痛覚過敏の例となるが、そこでは組織損傷と炎症は炎症性疼痛の引き金となる。このような炎症性疼痛は痛みの過感作をもたらすが、それは一般的には正常に戻るが、それは誘発過程が制御され可逆的である場合のみである。さもなければ痛覚過敏の慢性状態が続いて生じる。同様に神経系の損傷や疾病は、神経因性疼痛の引き金となる。それは痛覚過敏の慢性状態である。そして、それは、通常は引き金となった事象が終結した後も長く持続する。
【0007】
多様な細胞内シグナル伝達分子は、ニューロンや他の細胞が環境刺激に反応することを可能としている。MAPキナーゼは細胞外から受け取った信号を核内に伝達するが、その結果として個々の細胞は、その微小環境の変化に反応することが可能である。
【0008】
p38MAPキナーゼは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPキナーゼ)として知られるシグナル分子ファミリーのメンバーである。様々な細胞ストレス、例えば、紫外線照射、浸透圧ショック、IL−1やTNFのような炎症性サイトカインによって活性化される。4つのアイソフォームが同定され、p38α、p38β、p38γ、p38δと命名されている。Jiang, Y., et al., J Biol Chem (1996) 271: 17920-17926 ; Kumar, S. , et al., Biochem Biophys Res Comm (1997) 235: 533-538; Stein, B., et al., J Biol Chem (1997) 272 : 19509-19517; Li, Z., et al., Biochem Biophys Res Comm (1996) 228: 334-340; Wang, X. , et al.,J Biol Chem (1997) 272: 23668-23674. これらのアイソフォームは、組織発現のパターンや基質の使用、直接及び間接刺激への反応、キナーゼ阻害剤への感受性において異なっている。例えば、ある研究では、p38αの活性化が筋細胞のアポトーシスを導くのに対し、p38βは、筋細胞の肥大をもたらす。Wang, Y.,et al., J Biol Chem (1998) 273: 2161-2168.
【0009】
p38MAPキナーゼの活性化は、NMDAグルタミン酸受容体を介したグルタミン酸の増加によって、確かに神経細胞(網膜神経節の神経細胞)において仲介されている。NMDA受容体は、脊髄及び中枢神経系の他領域のシナプスにおける速い興奮性伝達を担うが、侵害受容とりわけ中枢性感作において重要である(reviewed in Woolf & Salter, Science (2000) 288: 1765-1768)。生理的な条件下では、p38MAPキナーゼの活性化は一過性に現われる。活性化すると直ちに、p38は、IL−1β、TNF−α、IL−6、COX−2を含む様々な炎症性メディエーターのmRNA合成を誘導する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、p38MAPキナーゼの抑制に基づく、痛みの予防、又は、治療方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、一つの側面において、痛みを予防又は治療する必要のある哺乳動物に治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤を投与することを含む。そのような哺乳動物における痛みの予防又は治療方法を提供する。
【0012】
本発明は、もう一つの側面において、哺乳動物における痛覚の亢進状態を阻止するため治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤を投与することを含む。そのような哺乳動物における痛みの予防又は治療方法を提供する。一つの態様において阻害剤はp38αキナーゼ阻害剤である。一つの態様において、阻害剤は、p38αキナーゼに対する当該阻害剤のIC50値が、p38MAPキナーゼの他のアイソフォームに対するIC50値に比較して、少なくとも10倍少ない値を示す。
【0013】
本発明は、治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における痛覚の亢進状態を阻止する方法を提供する。好ましい態様においては、亢進された状態が痛覚過敏である。あるいは、他の好ましい態様においては、亢進された状態は異痛症である。
【0014】
本発明は、治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における痛覚の亢進状態を阻止する方法を提供する。
【0015】
本発明は、痛みを予防又は治療する必要のある哺乳動物に治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤を、末梢的又は全身的に投与することを含む。そのような哺乳動物における痛みの予防又は治療方法を提供する。
【0016】
もう一つの側面において、本発明は、痛みを予防する必要のある哺乳動物に治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤を、侵害性刺激の前に、投与することを含む。そのような哺乳動物における痛みの予防方法を提供する。
【0017】
そして、もう一つの側面においては、本発明は、痛みを予防又は治療する必要のある哺乳動物に、痛みを抑制及び/又は炎症を減弱する薬剤と組み合わせてp38キナーゼ阻害剤を、治療上有効量、投与することを含む。そのような哺乳動物における痛みの予防又は治療方法を提供する。
【0018】
また、本発明は、p38キナーゼ活性を抑制する候補化合物をアッセイし、哺乳動物細胞でp38キナーゼを抑制する化合物を、痛みを軽減もしくは抑制する化合物として同定する事を含む。そのような哺乳動物における痛みの予防又は治療に役立つ化合物を同定する方法を提供する。
【0019】
別の側面において、本発明は、p38キナーゼ活性を抑制する候補化合物をアッセイし、哺乳動物細胞でp38キナーゼを抑制する化合物を、痛みを軽減又は抑制する化合物として同定する事を含む。そのような哺乳動物の痛みを軽減又は抑制する化合物を同定する方法によって、同定された化合物を、投与することを含む。そのような哺乳動物における痛みの予防又は治療方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
開示を明瞭にするため、及び、限定する意図ではなく、発明の詳細な説明は、細かい項(subsection)に分割する。
【0021】
[定義]
別段の定義がなされていなければ、ここで使用されている全ての技術及び科学用語は、この発明の属する技術分野における通常の技術者によって一般に理解されているのと同一の意味を有する。ここで参照された全ての特許、特許出願、又は、他の出版物、GenBankの配列、若しくは他のデータベースは、参照により本願に組み込まれるものとする。本項で説明する定義が、参照により組み込まれた定義と反対の、又は矛盾する場合は、本項の定義が優先する。
【0022】
ここでの使用において、"a" または"an"とは、「少なくとも一つ」または「一つかそれ以上」を意味する。
【0023】
ここでの使用において、「異痛症(allodynia)」とは、無害な(非痛覚性)刺激に対する痛み反応を意味する。
【0024】
ここでの使用において、「痛覚過敏(hyperalgesia)」とは、痛み刺激に対する過大反応もしくは過敏を意味する。
【0025】
ここでの使用において、「IC50」とは、反応を測定するためのアッセイにおいて、最大反応の50%抑制で評価される特定の試験化合物の量、濃度、または用量を意味する。
【0026】
ここでの使用において、「侵害受容性の事象(nociceptive event)」とは、直接もしくは間接的に痛みの伝達を惹起する痛くて有害な刺激を意味する。
【0027】
ここでの使用において、「予防的鎮痛(preemptive analgesia)」とは、最初の侵害性事象の前に鎮痛薬を投与して、理論的にはあいまいではあるが、おそらく侵害受容器の活性化を予防もしくは減弱させる事を意味する。
【0028】
ここでの使用において、「痛みの予防又は治療(prevention or treatment of pain)」とは、痛み感覚の抑制又は軽減を意味する。
【0029】
ここでの使用において、「手術(surgery)」とは、手術の遂行であって、器官や組織、又ある部分の摘出の他、歯科、形成外科、美容整形、そして回復のための処置を意味し、これらに限定されない。
【0030】
ここでの使用において、「治療上有効量(therapeutically effective amount)」とは、哺乳動物の痛みの予防や治療のための投与に有効な濃度や量を意味する。
【0031】
[痛みの予防もしくは治療に関する方法]
本発明は治療に効果的な量のp38キナーゼ阻害剤の投与により哺乳動物の痛みの阻止若しくは治療方法を提供する。
【0032】
ヒトと動物の患者を含むいかなる動物に対しても本方法により治療が可能である。より好ましくは侵害受容性刺激の前にp38阻害剤を投与することにより、ヒトにおいて痛みを予防する処置が可能である。
【0033】
急性又は慢性の、どちらの型の疼痛でも、本発明の方法により治療可能である。本方法により、疼痛を治療することが可能なものは、神経学的疼痛、神経障害(ニューロパチー)、多発神経障害、糖尿病関連多発神経障害、頭痛(片頭痛及び緊張)、心的外傷(trauma)、神経痛、post-zosterian神経痛、三叉神経痛、有痛性骨萎縮症、HIV−関連疼痛、筋骨格の疼痛、骨の外傷性疼痛(例えば、骨折)、関節炎、線維筋痛、骨関節炎、関節リウマチ、幻肢痛、背痛、椎骨の疼痛、スリップドディスク手術失敗(slipped disc surgery failure)、手術後の疼痛、癌関連の疼痛、血管性疼痛、Raynaud's症候群、Horton's病、関節炎、結節状潰瘍、内臓痛、及び、分娩を含むがこれらに限定されない。
【0034】
付け加えると、いかなる型の予期される痛みも本発明により予防可能である。好ましくは、本発明は、手術に関連した予期される痛みへの使用である。早期介入治療は、絶え間なく脳に到着する痛みの信号を遮断することにより侵害性受容器の過敏化を減弱する、予防的鎮痛として、一般に知られている。
【0035】
予防的鎮痛は、一般的には、メイヤー(Mayer)他の米国特許第5,502,058号で公開されているように、歯科及び外科手術を受ける患者の術中の痛みを減弱する補助剤として、広範な適用を受けている。この技術は良く受け入れられているが、痛み刺激(例えば外科的切開)を伝達する前に脊髄の後角への求心性神経の薬理学的な遮断を含むと信じられている。麻酔の概念(concept)は、術後の痛み、並びに、麻酔性又は非経口的鎮痛の必要性を最小限にするため、また、入院と必要とされる回復期間を減らすために、大抵の歯科又は外科的手術に適用可能である。
【0036】
本発明で利用されている医薬成分は、主成分としてp38MAPキナーゼの阻害剤、医薬的に許容される担体、及び、任意な他の治療的な成分若しくはアジュバントを含む。医薬上の成分は、単位投与剤形で慣習的に表わしても、及び、薬学分野で良く知られた方法で調製してもよい。
【0037】
本発明は、知られているいくつかの投与経路で使用できる。本発明において有用な成分又は化合物は、経口的に、非経口的に、局所的に、経直腸的に、経鼻的に、経膣的に、又は、埋め込んだリザーバー経由で投与してもよい。非経口的又は全身投与は、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、滑膜内、くも膜下腔内、病巣内、又は、頭蓋内への注入を含むが、限定されるものではない。好ましくは、本発明の成分又は化合物の投与は、経口的に、くも膜下腔内へ、又は、腹腔内への、全身投与である。
【0038】
くも膜下腔内への投与は、脊髄の対応領域への化合物の局所投与、例えば、痛覚の多シナプス性中継が生じている後角領域への投与を、可能とする。くも膜下腔内投与は、大量瞬時投与又は定常注入(constant infuision)でも、化合物を直接、脳脊髄液(CSF)を含むくも膜下腔内に送達する。
【0039】
脊髄領域への中枢性投与も、くも膜の外側にある脊髄領域への硬膜外注射により効果を得られる。活性化合物の髄膜への透過性を上昇させる方法の付加により、有利になるかもしれない。このような方法は技術分野で知られており、リポソームによる被包、並びに、界面活性剤又はイオンペア形成剤を含むがこれに限定されるものではない。代わりに、又は追加的に、髄膜バリアーの浸透圧を増加させる高浸透圧性の投薬溶液の付加的な投与によって、くも膜の浸透性が効果的となる。
【0040】
緩徐な注入は、くも膜下腔内又は硬膜外投与のような中枢経路で施術する場合に特に有用である。割合を調整して、化合物を送達するのに有用な埋め込み可能又は体に装着可能なポンプは、技術分野で知られている。たとえば、米国特許第4,619,652号を参照せよ。
【0041】
いくつかの適した製剤(formulation)が、使用出来るかもしれない。技術的に知られた化合物の概要を、レミントン薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、最新版、マック出版社、イーストン・ペンシルベニア州(Mack Publishing Company, Easton, PA.)において見出せる。
【0042】
本発明において有用な化合物の投与法、製剤、及び薬用量は、気質、重篤度、特に治療される患者、及び判断する開業医に依存する;製剤(formulation)は投与の様式に依存するであろう。本発明で有用な化合物は、侵害性事象の前、侵害性事象の後、又は、それらの組み合わせによって投与することが出来る。本発明で有用な化合物は、一人の患者に対し、その治療において、一回又はそれ以上投与することが出来る。くも膜下腔内へ投与する化合物の薬用量は、0.1mgから1g/kgであり、好ましくは、1−100mg/kgである。経皮的に投与する化合物の薬用量は、0.1μgから1mg/kgであり、好ましくは、1−100μg/kgである。
【0043】
治療を行う医師は、副作用を避けるため、どのように、そして、いつ、治療を終結、中断、又は低用量の治療に切り替えるかを知らなければならない。逆に、医師は、薬への反応が十分ではない時に、どのように、そして、いつ、高用量の投与に切り替えるかを知っていなければならない。
【0044】
[p38MAPキナーゼ阻害剤]
ここでの使用において、用語「阻害剤(inhibitor)」とはp38MAPキナーゼ活性を調節するかもしれない全ての適当な分子、化合物、製剤又は物質を含む。阻害剤はタンパク質、その断片、低分子化合物、又は核酸分子であってもよい。p38MAPキナーゼの、単一のアイソフォームに対して、又は、一つ以上のアイソフォームに対して影響するかもしれない。発明の好ましい態様としては、阻害剤はp38MAPキナーゼのαアイソフォームを調節する。
【0045】
本発明によれば、阻害剤の調節作用は、p38MAPキナーゼの上流、下流又はp38MAPキナーゼに直接作用しても構わない。p38MAPキナーゼの活性を調節する阻害剤の例であるが、p38MAPキナーゼの転写量又は翻訳量を減少させるか、p38MAPキナーゼの翻訳後修飾や細胞内輸送を減少もしくは抑制するか、または、p38MAPキナーゼの半減期を短くするかもしれない。また、阻害剤はp38MAPキナーゼと可逆的もしくは非可逆的に結合して、その活性化の抑制、酵素活性の不活化、又は、下流の基質との相互作用による干渉を行うかもしれない。
【0046】
仮に阻害剤が直接p38MAPキナーゼに作用しているとすると、阻害剤のIC50の値は、約5μM前後、好ましくは500nM前後、より好ましくは100nM前後を示すはずである。p38MAPキナーゼの他のアイソフォームで同一か又は同様のアッセイを同じ阻害剤で試した場合に観察される10倍以下のIC50値がp38αアイソフォームで観察されるので、関連した態様において、阻害剤のp38MAPキナーゼに対するIC50の値はp38αアイソフォームに関係した値となるはずである。
【0047】
候補化合物が哺乳動物の痛みの治療や予防に役立つ阻害剤であるか否かを決定するために、その相対的IC50値と同様に、そのp38MAPキナーゼ活性に基づいて、評価を行う事が可能である。この評価は、様々な、簡便なインビトロアッセイ系により、実現可能である。活性化型p38MAPキナーゼの、酵素活性又はATPase活性の、抑制について評価する事を、これらのアッセイは含む。また、p38MAPキナーゼとの結合、又は、活性化型p38MAPキナーゼの既に同定されている下流作用(例えばサイトカイン分泌)の減弱又は阻止について、阻害剤の能力を評価するアッセイでも良い。
【0048】
例えば、通常の結合実験が、かなり安価にかつ簡単に行える。前述したように、p38MAPキナーゼへの分子の結合それ自体は、立体的な、アロステリックな、又は、電荷と電荷との相互作用のために、抑制的であると思われる。結合実験は、標的としてp38MAPキナーゼ又はその断片を用いて溶液中又は固相上で行える。この最初のスクリーニングを用いて、ライブラリー化合物の、p38MAPキナーゼに対する潜在的な調節活性を評価できる。
【0049】
標的は、溶液中で遊離しているか、支持体に固定されているか、又は、細胞中若しくは細胞表面に発現しているかの、いずれかで構わない。結合の有無を判定するために、標識(例えば、放射性、蛍光、消光、その他)を、標的、化合物、又は、その両者に対して、施してもよい。この方法は、天然又は人工の基質又は結合物質に対する標的の結合抑制を評価する競合的結合実験を実施する際にも用いられる。どの場合においても、結合を判定するため、遊離の標識物と結合した標識物の量を、直接又は間接的に測定する。この方法の結合活性の干渉を最小限にしシグナルを最適化する変法や適応が数多く知られている。
【0050】
インビトロにおける細胞アッセイを目的として、p38MAPキナーゼ阻害剤の候補化合物を、幾つかの方法により、細胞に投与する事が可能である。好ましくは、化合物又は組成物を、細胞が増殖できる培地−例えば組織培養用培養液に、加えることが可能である。化合物は、標準的な段階希釈又は既知の修飾物質から類推した規定量を加える。又は、阻害剤候補はコード化する核酸でもよい。すなわち、そのような核酸を細胞内に導入する。但し、細胞自身が核酸から阻害剤候補を産生することが必要不可欠である。
【0051】
阻害剤候補のインビトロの解析を含む別のアッセイ、すなわち、関連キナーゼをコード化したDNAをトランスフェクションした細胞(HeLa)を、IL−1、TNF、又はPMA(フォルボール12−ミリスチン酸13−酢酸)のような物質で活性化した。細胞ライセート(可溶化物)を免疫沈降した後、等分した一定量のキナーゼ免疫複合体を、特異的な濃度の阻害剤候補と適当時間あらかじめインキュベートした。次いで、標識されたATPと、GST−ATF2又はMBPを含む、キナーゼ基質バッファーを添加した。インキュベーション後、SDSロ−ディングバッファーを添加してリン酸化反応を止める。リン酸化された基質をSDS−PAGEにより分離し可視化し、ホスフォイメージャー(放射線画像解析装置)により定量する。リン酸化に関わるp38の調節とIC50値の両者を定量化できる。例えば、Kumar, S., McDonnell, P., Gum, R., Hand,A., Lee, J. , and Young, P. (1997)Biochem. Biophys. Res. Commun. 235,533-538 を参照。
【0052】
p38MAPキナーゼ活性と相関のあるTNFαの産生を評価する、別の、インビトロのアッセイでもよい。ある実施例として、ヒト全血アッセイがある。このアッセイでは、ボランティアの男性健常者から鮮血をヘパリンシリンジに採取し、2時間以内に使用する。試験化合物を100% DMSOに溶解し、0から1mMの範囲で濃度を振った一定量の薬物1μlを、24穴の微量定量プレートに4回分を分注する(Nunclon Delta SI, Applied Scientific, So. San Francisco, CA)。全血を1 ml/wellの量加え,混合物を、5% CO、37℃の加湿条件下で15分間継続的に攪拌しながらインキュベートする(Titer Plate Shaker, Lab-Line Instruments, Inc. , Melrose Park, IL)。全血の培養は、非希釈又はRPMI 1640 (Gibco 31800 + NaHC03, Life Technologies,Rockville,MD and Scios, Inc. , Sunnyvale, CA)による1:10希釈の、いずれかで行う。インキュベーション時間の最後に、10μlのLPS (E. coli 0111 : B4, Sigma Chemical Co., St. Louis, MO) を最終濃度が1又は0.1μg/mlになるよう非希釈又は1:10希釈の全血に、それぞれ加える。そして、さらに2時間インキュベーションを継続する。微量定量プレートを氷冷槽に置き、反応を終結させ、3000rpm、4℃で10分間、遠心し、血漿又は細胞の混入していない上清を集める。血漿試料は、ELISAでTNFαレベルを測定するまでは、-80℃で保存する。ELISAは、Quantikine Human TNF-α assay kit (R & D Systems, Minneapolis,MN)により行った。IC50値は、対照と比較して50%の減少を誘発した阻害剤の濃度から算出した。
【0053】
同様のアッセイが、濃縮単核細胞アッセイ(enriched mononuclear cell assay)である。濃縮単核細胞アッセイは、凍結保存されていたヒト末梢血単核細胞を洗浄し、温まった細胞増殖用培養液に再懸濁する事から始まる。再懸濁された細胞の、細胞数を計測し、1x10 個/穴を24穴微量定量プレートに播く。細胞が各ウエルで安定するまで、プレートを1時間ほど恒温槽の中に置く。細胞が安定した後、これまでの培養液を吸引し、100 ng/mlのサイトカイン刺激因子リポ多糖 (LPS)と試験化合物を含んだ新しい培養液を微量定量プレートの各ウエルに加える。その結果、各ウエルには、ヒト末梢血単核細胞、LPS、及び、試験化合物が含まれる。細胞を2時間インキュベートした後、腫瘍壊死因子α(TNFα)を、固相酵素免疫検定法(ELISA)により定量する。TNFαレベルを検出するためのこのようなELISAは、R & D Systemsから商品として入手可能である。サイトカイン産生の阻害剤として化合物が作用するか否かを判別するため、各ウエルと対照ウエルのヒト末梢血単核細胞によるTNF−α産生量を比較する。
【0054】
IC50値は、対照と比較して50%減少を誘導する阻害剤の濃度を用いて算出した。
【0055】
[具体的な阻害剤]
本発明の実施において有用な化合物には、下記式の化合物が含まれるが、これに限定されない:

ここで、
は、4-ピリジル、ピリミジニル、キノリル、イソキノリニル、キナゾリン-4-イル、1-イミダゾリル、1-ベンゾイミダゾリル、4-ピリダジニル、及び1,2,4-トリアジン-5-イル環から選択されるヘテロアリール環であり、該ヘテロアリール環はY、N(R10)C(O)R、ハロ置換モノ−若しくはジ−C1−6アルキル-置換アミノ、又はNHRにより1〜3回置換され、並びに、該ヘテロアリール環は、さらにC1−4アルキル、ハロゲン原子、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1−4アルコキシ、置換されていてもよいC1−4アルキルチオ、置換されていてもよいC1−4アルキルスルフィニル、CHOR12、アミノ、モノ-及びジ-C1−6アルキル-置換アミノ、NHR、N(R10)C(O)R、N(R10)S(O)、又はN-ヘテロシクリル環(該N-ヘテロシクリル環は5ないし7員から成り、酸素原子、硫黄原子、若しくはNR15から任意に選択される一つのヘテロ原子を含有)、により任意的に置換され;
Yは、X−Rであり;
は、酸素原子、又は硫黄原子であり;
は、C1−6アルキル、アリール、アリールC1−6アルキル、複素環、ヘテロシクリルC1−6アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−6アルキルであるが、これらの成分(moieties)について、その各々は任意的に置換されていてもよく;
は、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1−4アルキルであり;
は、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1−4アルキルであり;
は、水素原子であり;
は、フェニル、ナフス-1-イル、ナフス-2-イル、又はヘテロアリールであり、これらは任意的に1又は2の置換基によって置換され、それらの各々は独立して選択され、そして、4-フェニル、4-ナフス-1-イル、5-ナフス-2-イル、又は6-ナフス-2-イルの各置換基に対しては、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−C(Z)NR17、−C(Z)OR16、−(CR1020)COR12、−SR、−SOR、−OR12、ハロ置換-C1−4アルキル、C1−4アルキル、-ZC(Z)R12、−NR10C(Z)R16、又は−(CR1020)NR1020で、そして、置換基の他の位置に対しては、ハロゲン原子、シアノ、−C(Z)NR1314、−C(Z)OR、−(CR1020)m”COR、−S(O)、−OR、−OR12、ハロ置換C1−4アルキル、C1−4アルキル、−(CR1020)m”NR10C(Z)R、−NR10S(O)m’、−NR10S(O)m’NR17、-ZC(Z)R、-ZC(Z)R12、又は−(CR1020)m”NR1314であり;
は、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、又はRであり;
Zは、酸素原子、又は硫黄原子であり;
vは、0、1、又は2であり;
mは、0、1、又は2であり;
m’は、1、又は2であり;
m”は、0、1、2、3、4、又は5であり;
は、C1−10アルキルN、−(CR1020)n’OR、ヘテロシリル、ヘテロシシルC1−10アルキル、Cl−l0アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−10アルキル、C5−7シクロアルケニル、C5−7シクロアルケニルC1−10アルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、(CR1020)OR11、(CR1020)S(O)18、(CR1020)NHS(O)18、(CR1020)NR1314、(CR1020)NO、(CR1020)CN、(CR1020)n’SO18、(CR1020)S(O)m’NR1314、(CR1020)C(Z)R11、(CR1020)OC(Z)R11、(CR1020)C(Z)OR11、(CR1020)C(Z)NR1314、(CR1020)C(Z)NR11OR、(CR1020)NR10C(Z)R11、(CR1020)NR10C(Z)NR1314、(CR1020)N(OR)C(Z)NR1314、(CR1020)N(OR)C(Z)R11、(CR1020)C(=NOR)R11、(CR1020)NR10C(=NR19)NR1314、(CR1020)OC(Z)NR1314、(CR1020)NR10C(Z)NR1314、(CR1020)NR10C(Z)OR10、5-(R18)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、又は4-(R12)-5-(R1819)-4,5-
ジハイドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルを示すが;この中で、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル アルキル、複素環、及び、複素環アルキルの各基については、任意的に置換されていてもよく;
nは、1から10までの整数であり;
n’は、0、又は、1から10までの整数であり;
は、水素原子、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、又はNR17を示すが、−SNR17である−SR及び−SOHである−S(O)R5は除外し;
は、水素原子、医薬的に許容しうるカチオン、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、ヘテロシクリル、アロイル、又はC1−10アルカノイルであり;
及びR17は水素原子若しくはC1−4アルキルより各々独立に選択され、又は、R及びR17は窒素原子と共に水素原子若しくはC1−4アルキルと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR15から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
は、C1−10アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、(CR1020)OR11、(CR1020)S(O)18、(CR1020)NHS(O)18、又は(CR1020)NR1314を示すが、このうち、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルは任意的に置換されていてもよく;
は、水素原子、−C(Z)R11、置換されていてもよいC1−10アルキル、S(O)18、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいアリールC1−4アルキルであり;
10及びR20は、互いに独立に、水素原子又はC1−4アルキルから選択され;
11は、水素原子、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−10アルキルであり;
12は、水素原子、又はR16であり;
13及びR14は水素原子、置換されていてもよいC1−4アルキル、置換されていてもよいアリール、若しくは置換されていてもよいアリールC1−4アルキルから互いに独立に選択され、又は、窒素原子と共にこれらと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNRから選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
15は、R10、又はC(Z)C1−4アルキルであり;
16は、C1−4アルキル、ハロ置換C1−4アルキル、又はC3−7シクロアルキルであり;
18は、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−10アルキルであり;並びに、
19は、水素原子、シアノ、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、又はアリールであり;
又は、それらの医薬的に許容しうる塩で、
或いは、ここで
、Y、X、R、R、R、v、m、m’、m”、Z、n、n’、及びRが上記のように定義され、並びに、
は、水素原子、C1−10アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−10アルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、(CR1028)OR12、(CR1028)n’OR13、(CR1028)n’S(O)25、(CR1028)S(O)25、(CR1028)n’NHS(O)25、(CR1028)n’NR、(CR1028)n’NO、(CR1028)n’CN、(CR1028)n’S(O)NR、(CR1028)n’C(Z)R13、(CR1028)n’C(Z)OR13、(CR1028)n’C(Z)NR、(CR1028)n'C(Z)NR13OR12、(CR1028)n’NR10C(Z)R13、(CR1028)n’NR10C(Z)NR、(CR1028)n’N(OR21)C(Z)NR、(CR1028)n’N(OR21)C(Z)R13、(CR1028)n’C(=NOR21)R13、(CR1028)n’NR10C(=NR27)NR、(CR1028)n’OC(Z)NR、(CR1028)n’NR10C(Z)OR10、(CR1028)n’NR10C(Z)OR10、5-(R25)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、又は4-(R12)-5-(R1819)-4,5-ジハイドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルを示すが;この中で、シクロアルキル、シクロアルキル アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルの成分は任意的に置換されていてもよく;
は、水素原子、又は、Q-(Y)であり;
Qは、一つかそれ以上のアリール又はヘテロアリール基であり;
tは、1、2、又は3であり;
は、水素原子、C1−5アルキル、ハロ置換C1−5アルキル、ハロゲン原子、又は−(CR1020)より、独立に選択され;
は、OR、NO、S(O)m”11、SR、S(O)m”OR、S(O)NR、NR、O(CR1020)n’NR、C(O)R、CO、CO(CR1020)n’CONR、ZC(O)R、CN、C(Z)NR、NR10C(Z)R、C(Z)NROR、NR10C(Z)NR、NR10S(O)m”11、N(OR21)C(Z)NR、N(OR21)C(Z)R、C(=NOR21)R、NR10C(=NR15)SR11、NR10C(=NR15)NR、NR10C(=CR1424)SR11、NR10C(=CR1424)NR、NR10C(O)C(O)NR、NR10C(O)C(O)OR10、C(=NR13)NR、C(=NOR13)NR、C(=NR13)ZR11、OC(Z)NR、NR10S(O)m”CF、NR10C(Z)OR10、5-(R18)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、又は4-(R12)-5-(R1819)-4,-5-ジハイドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルであり;
は、フェニル、ナフス-1-イル、若しくはナフス-2-イルであり、それらは1若しくは2個の置換基で任意的に置換されており、その各々は独立して選択され、そして、4-フェニル、4-ナフス-1-イル、若しくは5-ナフス-2-イルの置換基に対してはハロ、ニトロ、シアノ、C(Z)NR17、C(Z)OR23、(CR1020)COR36、SR、SOR、OR36、ハロ置換-C1−4アルキル、C1−4アルキル、ZC(Z)R36、NR10C(Z)R23、若しくは(CR1020)NR1020で、そして置換基の他の位置に対してはハロ、ニトロ、シアノ、C(Z)NR1626、C(Z)OR、(CR1020)m”COR、S(O)、OR、ハロ置換-C1−4アルキル、C1−4アルキル、(CR1020)m”NR10C(Z)R、NR10S(O)m’11、NR10S(O)m’NR17、ZC(Z)R、若しくは(CR1020)m”NR1626であり;
及びR17は水素原子若しくはC1−4アルキルより各々独立して選択され、又は、R及びR17は窒素原子と共に水素原子若しくはC1−4アルキルと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR22から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
は、水素原子、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、又はR11であり;
は、水素原子、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロアリールアルキルであり、又は、R及びRは窒素原子と共にこれらと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR12から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成していてもよく;
10およびR20は、互いに独立に、水素原子あるいはC1−4アルキルから選択され;
11は、C1−10アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;
12は、水素原子、−C(Z)R13、置換されていてもよいC1−4アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−4アルキル、又はS(O)25であり;
13は、水素原子、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−10アルキルであるが、これらの成分の全ては任意的に置換されていてもよい;
14およびR24は、互いに独立に、水素原子、アルキル、ニトロ、又はシアノから選択され;
15は、水素原子、シアノ、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、又はアリールであり;
16及びR26は水素原子、置換されていてもよいC1−4アルキル、置換されていてもよいアリール、若しくは置換されていてもよいアリールC1−4アルキルから互いに独立に選択され、又は、窒素原子と共にこれらと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR12から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
18及びR19は、水素原子、C1−4アルキル、置換アルキル、置換されていてもよいアリール、若しくは置換されていてもよいアリールアルキルから互いに独立に選択され、又は、一緒に酸素原子若しくは硫黄原子を表し;
21は、水素原子、医薬的に許容しうるカチオン、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、アロイル、又はC1−10アルカノイルであり;
22は、R10、又はC(Z)-C1−4アルキルであり;
23は、C1−4アルキル、ハロ置換-C1−4アルキル、又はC3−5シクロアルキルであり;
25は、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;
27は、水素原子、シアノ、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、又はアリールであり;
28は、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1−4アルキル基であるが、それらの全ては任意的に置換されていてもよく;並びに、
36は、水素原子、又はR23であり;
或いは、それらの医薬的に許容しうる塩である。
【0056】
この式の具体的な化合物には、
1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−(3−クロロプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−(3−アジドプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−(3−アミノプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−(3−メチルスルフォンアミドプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(N−フェニルメチル)アミノプロピル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(N−フェニルメチル−N−メチル)アミノプロピル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(1−ピロリジニル)プロピル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−(3−ジエチルアミノプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(1−ピペリジニル)プロピル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(メチルチオ)プロピル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[2−(4−モルフォリニル)エチル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−4−(3−メチルチオフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
(+/−)−1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−4−(3−メチルスルフィニルフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(N−メチル−N−ベンジル)アミノプロピル]−4−(3−メチルチオフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(N−メチル−N−ベンジル)アミノプロピル]−4−(3−メチルスルフィニルフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[4−(メチルスルフィニル)フェニル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(メチルチオ)フェニル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
(+/−)−1−[3−(メチルスルフィニル)フェニル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[2−(メチルチオ)フェニル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[2−(メチルスルフィニル)フェニル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[4−(4−モルフォリニル)ブチル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−イソプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−シクロプロピルメチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−tert−ブチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−(2,2−ジエトキシエチル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−ホルミルメチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−ヒドロキシイミニルメチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−シアノメチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−メチルピリド−4−イル)イミダゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−5−(2−クロロピリジン−4−イル)イミダゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−5−(2−アミノ−4−ピリジニル)イミダゾール;
1−(4−カルボキシプロピル)プロピル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−(4−カルボキシメチル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−(3−カルボキシメチル)エチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−(3−カルボキシ)エチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]イミダゾール;
5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−ベンジルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(2−プロピル)イミダゾール;
5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(シクロプロピルメチル)イミダゾール;
5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−カルボキシエチル−4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ピペリジニル)イミダゾール;
1−メチル−4−フェニル−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−メチル−4−[3−(クロロフェニル)]−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−メチル−4−(3−メチルチオフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
(+/−)−1−メチル−4−(3−メチルスルフィニルフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
(+/−)−4−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(メチルスルフィニル)プロピル]−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−1−[(3−メチルスルフォニル)プロピル]−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−(3−フェノキシプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−[3−(フェニルチオ)プロピル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−キノリル)イミダゾール;
(+/−)−1−(3−フェニルスルフィニルプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−(3−エトキシプロピル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−(3−フェニルスルフォニルプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−4−(3−クロロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−4−(3,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ピリジル)イミダゾール;
4−[4−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−5−(4−ピリミド−2−オン−4−イル)イミダゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(メチルチオ)−4−ピリミジニル]−1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]イミダゾール;
(+/−)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(メチルスルフィニル)−4−ピリミジニル]−1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]イミダゾール;
(E)−1−(1−プロペニル)−4−(フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−(2−プロペニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
5−[2−N,N−ジメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]イミダゾール;
1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−5−(4−ピリジニル)−4−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾール;
1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−5−(4−ピリジニル)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]イミダゾール;
1−(シクロプロピルメチル)−4−(3,4−ジクロロフェニル)−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−(シクロプロピルメチル)−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
1−(シクロプロピルメチル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−メチルピリド−4−イル)イミダゾール;
1−[3−(4−モルフォリニル)プロピル]−5−(4−ピリジニル)−4−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)イミダゾール;
5−[4−(2−アミノピリミジニル)]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(2−カルボキシ−2,2−ジメチルエチル)イミダゾール;
1−(1−ホルミル−4−ピペリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチル−4−ピペリジニル)イミダゾール;
1−(2,2−ジメチル−3−モルフォリン−4−イル)プロピル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジル)−1−(2−アセトキシエチル)イミダゾール;
5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−ベンジルピロリン−3−イル)イミダゾール;
5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−N−メチルピペリジン)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−N−モルフォリノ−1−プロピル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ピペリジン)イミダゾール;
5−[(2−エチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(イソプロピル)アミノピリミジン−4−イル]−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−(2−アセトアミド−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−N−モルフォリノ−1−プロピル)イミダゾール;
5−(2−アセトアミド−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチル−4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルチオ)ピリミジニル)]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ピペリジン)イミダゾール;
4−(フルオロフェニル)−1−(メチル−4−ピペリジニル)−5−(2−メチルチオ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
4−(フルオロフェニル)−1−(メチル−4−ピペリジニル)−5−(2−メチルスルフィニル−4−ピリミジニル)イミダゾール;
1−tert−ブチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−メチルスルフィニル−4−ピリミジニル)イミダゾール;
5−[4−(2−アミノピリミジニル)]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ−4−ピリミジニル)]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロ−4−チオピラニル)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロ−4−ピラニル)イミダゾール;
5−(2−メチルアミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(2−シアノエチル)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロ−4−スルフィニルピラニル)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(テトラヒドロ−4−スルフォニルピラニル)イミダゾール;
5−(2−メチルアミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル−4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(トリフルオロアセチル−4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−(4−ピリジル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−(4−ピリジル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(1,3−ジオキシシクロペンチル)シクロヘキシル)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ケトシクロヘキシル)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−シクロヘキシルオキシム)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−シクロヘキシルヒドロキシルアミン)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(trans−4−ヒドロキシ尿素)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(cis−4−ヒドロキシ尿素)イミダゾール;
5−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ケトシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(trans−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(cis−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(cis−ピロリジニル)シクロヘキシル]イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(trans−1−ピロリジニル)シクロヘキシル]イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−エチニル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−(1−プロピニル)−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−アミノ−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−アセトアミド−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−オキシラニルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−シアノメチル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−[4−ヒドロキシ−4−(1−プロピニル)−シクロヘキシル]イミダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−イソプロピルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−フェニルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−ベンジルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−シアノメチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−(2−シアノエチル)シクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−(2−アミノエチル)シクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−(2−ニトロエチル)シクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシメチル−4−アミノシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−アミノシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−アミノシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−チオメチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−N−メチルアミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−アミノメチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−アミノ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[4−(2−アミノ)ピリミジニル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−オキシラニルシクロヘキシル)イミダゾール;
4−(フルオロフェニル)−1−(メチル−4−ピペリジニル)−5−(2−メチルスルフィニル−4−ピリミジニル)イミダゾール;
4−(フルオロフェニル)−1−(メチル−4−ピペリジニル)−5−(2−メチルチオ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
5−[(2−ベンジルアミノ)ピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
4−(フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)−5−[2−(4−テトラヒドロチオピラニル)アミノピリミジン−4−イル]イミダゾール;
4−(フルオロフェニル)−5−[(2−ヒドロキシ)エチルアミノ]ピリミジン−4−イル−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−[(2−(3−クロロベンジルアミノ)ピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−[(2−(1−ナフチルメチルアミノ)ピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−[(2−(1−ベンジル−4−ピペリジニルアミノ)ピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
4−(フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)−5−[2−[3−(モルフォリノ)プロピル]アミノピリミジン−4−イル]イミダゾール;
5−[2−[(3−ブロモフェニル)アミノ]ピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−[(2−(ピペロニルアミノ)ピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−[(2−(4−ピペリジニルアミノ)ピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−[(2−(5−クロロトリプトアミノ)ピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−[(2−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
5−[(2−[1−エトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル]アミノピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)イミダゾール;
1−(4−オキソシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−メトキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
cis−1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−メトキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
trans−1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−メトキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(4−オキソシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−メチルチオ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
trans−1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2メチルチオ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(4−オキソシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−ヒドロキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(4−オキソシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−イソプロポキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−イソプロポキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
trans−1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−メトキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
cis−1−(4−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−メトキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
trans−1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−エトキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(4−ピペリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−フェノキシピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(4−ピペリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−フェノキシ−4−ピリジニル]イミダゾール;
1−(4−ピペリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−メトキシフェノキシ)−4−ピリジニル]イミダゾール;
1−(4−ピペリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−フルオロフェノキシ)−4−ピリジニル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−メトキシフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−フルオロフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−アミノカルボニルフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−エチルフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−ベンジルフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−シアノフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−ヒドロキシフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(フェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(2,6−ジメチルフェノキシ)ピリジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−メチルフェノキシ)ピリジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−4−イル]イミダゾール;
1−[3−(N−モルフォリノ)プロピル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(フェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(3−メトキシフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−フェニルフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−フェノキシフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(3−ヒドロキシフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(3−(N−モルフォリノ)プロピル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−フルオロフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(2−ヒドロキシフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−((3,4−メチレンジオキシ)フェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(3−フルオロフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(2−フルオロフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(2−メトキシフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(3,4−ジフルオロフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(ピペリジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(4−メチルスルフォニルフェノキシ)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(4−ピペリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−チオフェノキシピリミジン−4−イル)イミダゾール;
1−(4−ピペリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[2−(1−メチルテトラゾール−5−イルチオ)ピリジン−4−イル]イミダゾール;
5−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−オキソシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリミジン−4−イル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[2−(2−tert−ブチルアミノ)エトキシピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−オキソシクロヘキシル)イミダゾール;
5−[2−(2−tert−ブチルアミノ)エトキシピリミジン−4−イル]−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)イミダゾール;
1−(4−ピペリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−イソプロポキシ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
1−(4−ピペリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−メトキシ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
5−(2−ヒドロキシ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−(2−メトキシ−4−ピリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−(2−イソプロポキシ−4−ピリジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−(2−メチルチオ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ピペリジニル)イミダゾール;
5−(2−メチルチオ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−[1−メチル−4−ピペリジニル]イミダゾール;
5−(2−エトキシ−4−ピリミジニル)−4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−ピペリジニル)イミダゾール;
1−(1−エチルカルボキシルピペリジン−4−イル)−3−(4−チオメチルフェニル)−5−[2−(チオメチル)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
1−(1−エチルカルボニルピペリジン−4−イル)−4−(4−メチルスルフィニルフェニル)−5−[(2−メチルスルフィニル)ピリミジン−4−イル]イミダゾール;
2−(4−メチルチオフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−メトキシ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
2−(4−メチルスルフィニルフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−メトキシ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
2−[(4−N,N−ジメチル)アミノメチルフェニル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−メトキシ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
2−[(4−N,N−ジメチル)アミノメチルフェニル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−フェノキシ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
(+/−)−2−(4−メチルスルフィニルフェニル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−フェノキシ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
2−(4−メチルチオフェニル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−(2−フェノキシ−4−ピリミジニル)イミダゾール;
並びにこれらの医薬的に許容しうる塩が含まれる。
【0057】
本発明の実施において有用な化合物には、下記式の化合物、或いは、それらの医薬的に許容しうる塩も含まれるが、これに限定されない:

但し、R1は、水素原子、C1-5アルキル、ハロゲン、C1-5アルコキシ、又はアリールC1-5アルキルである;
2及びR4は、独立して、水素原子、C1-5アルキル、アリール、アリールC1-5アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-5アルキル、複素環又は複素環C1-5アルキルである;
3は、水素原子又はC1-3アルキルである。
【0058】
本発明の実施において有用な化合物には、下記式の化合物、或いは、それらの医薬的に許容しうる塩も含まれるが、これに限定されない:

但し、Xは、O、CH2、S若しくはNHであり、又は、成分X−R1は、水素原子である;
1は、水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-6アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-6アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1-6アルキルであり、それらの全ては、水素原子を除いて、任意に置換されうる;
Vは、CH又はNである;
Arは、アリール又はヘテロアリール環であり、それらの何れかは、任意に置換されうる;
1及びX2のうち一方は、Nであり、他方は、NR15であるが、R15は、水素原子、C1-6アルキル、又はアリールC1-6アルキルである;
3は、共有結合又はC(R2)(R3)である;
2及びR3は、独立して、任意に置換したC1-6アルキルを表し、又はR2及びR3は、炭素原子と共に、これと結合して、任意に置換したC3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルケニル、N、O、及びSから独立して選択される3つのヘテロ原子まで含む5−から7−員の複素環を形成する;
nは、0、1、2、3、又は4である;
Yは、NR1011、NR10C(Z)NR1011、NR10COOR11、NR10SO211、又はC(O)NR45である;
4及びR5は、独立して、水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-6アルキル、ヘテロシクリル、若しくはヘテロシクリルC1-6アルキルであり、それらのうち何れかは、水素原子を除いて、任意に置換されてもよく、又はR4及びR5は、窒素原子と共に、これと結合して、4−から10−員の任意に置換した単環式若しくは二環式の環を形成する;
13は、水素原子、X−R1、ハロゲン、任意に置換したC1-6アルキルスルフィニル、CH2OR14、ジC1-6アルキルアミノ、N(R6)C(O)R7、N(R6)S(O)28、若しくはO、S、及びNR9から選択される更に多くのヘテロ原子を任意に含む5−から7−員のN−へテロシクリル環である;
14は、水素原子、−C(Z)R12若しくは任意に置換したC1-6アルキル、任意に置換したアリール、任意に置換したアリールC1-6アルキル若しくはS(O)28である;
6は、水素原子又はC1-6アルキルである;
7は、水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-6アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルC1-6アルキルである;
8は、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-6アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-6アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルC1-6アルキルである;
9は、水素原子、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル、又はアリールである;
10、R11及びR12は、独立して、水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-6アルキル、ヘテロシクリルC2-6アルケニル、アリール、アリールC1-6アルキル、アリールC2-6アルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-6アルキル及びヘテロアリールC2-6アルケニルであり、それらの全ては、任意に置換されうる;或いは、NR1011は、O、N及びSから選択される更に多くのヘテロ原子を任意に含む5−から7−員のヘテロシクリル環を表すことができる;そして
Zは、酸素原子又は硫黄原子である。
【0059】
本発明の実施において有用な化合物には、下記式の化合物、或いは、それらの医薬的に許容しうる塩も含まれるが、これに限定されない:

但し、R1は、4−ピリジル、4−ピリミジニル、4−キノリル、6−イソキノリニル、キナゾリン−4−イル、1−イミダゾリル、1−ベンゾイミダゾリル、4−ピリダジニル、及び1,2,4−トリアジン−5−イル環から選択されるヘテロアリールであり、ヘテロアリール環は、Y、NHRa、任意に置換したC1-4アルキル、ハロゲン原子、水酸基、任意に置換したC1-4アルコキシ、任意に置換したC1-4アルキルチオ、任意に置換したC1-4アルキルスルフィニル、CH2OR12、アミノ、モノ−及びジ−C1-6アルキル置換アミノ、N(R10)C(O)Rb、N(R10)S(O)2d、又は5から7員で、任意に酸素原子、硫黄原子若しくはNR15から選択される更に多くのヘテロ原子を含むN−ヘテロシクリル環により、1〜3回置換される;
Yは、X1−Raである;
1は、酸素原子又は硫黄原子である;
aは、C1-6アルキル、アリール、アリールC1-6アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-6アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1-6アルキルであり、これらの成分のそれぞれは、任意に置換されうる;
bは、水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1-4アルキルである;
dは、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1-4アルキルである;
4は、フェニル、ナフト−1−イル、ナフト−2−イル、ヘテロアリール又は縮合フェニル含有環(fused phenyl−containing ring)系であり、1又は2の置換基により任意に置換され、これらのそれぞれは、独立して選択され、4−フェニル、4−ナフト−1−イル、5−ナフト−2−イル、又は6−ナフト−2−イル置換基に対して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−C(Z)NR717、−C(Z)OR16、−(CR1020vCOR12、−SR5、−SOR5、−OR12、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルキル、−ZC(Z)R12、−NR10C(Z)R16、又は−(CR1020vNR1020、及び置換基の他の位置に対して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、フェニル、−C(Z)NR1314、−C(Z)ORf、−(CR1020m”CORf、−S(O)mf、−ORf、ハロ置換C1-4アルキル、C1-10アルキル、−ZC(Z)Rf、任意に置換したフェニル、−(CR1020m”NR10C(Z)Rf、−NR10S(O)m'8、−NR10S(O)m'NR717、−ZC(Z)R12、又は−(CR1020m”NR1314である;
fは、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-10アルキル又はR8である;
vは、0、1、又は2である;
mは、0、1、又は2である;
m’は、1又は2である;
m”は、0、1、2、3、4、又は5である;
2は、水素原子、−(CR1023nOR9、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-10アルキル、C1-10アルキル、ハロ置換C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-10アルキル、C5-7シクロアルケニル、C5-7シクロアルケニルC1-10アルキル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-10アルキル、(CR1023nOR11、(CR1023nS(O)m18、(CR1023nNHS(O)218、(CR1023nNR1314、(CR1023nNO2、(CR1023nCN、(CR1023nS(O)m'NR1314、(CR1023nC(Z)R11、(CR1023nOC(Z)R11、(CR1023nC(Z)OR11、(CR1023nC(Z)NR1314、(CR1023nC(Z)NR11OR9、(CR1023nNR10C(Z)R11、(CR1023nNR10C(Z)NR1314、(CR1023nN(OR6)C(Z)NR1314、(CR1023nN(OR6)C(Z)R11、(CR1023nC(=NOR6)R11、(CR1023nNR10C(=NR19)NR1314、(CR1023nOC(Z)NR1314、(CR1023nNR10C(Z)NR1314、(CR1023nNR10C(Z)OR10、5−(R18)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル又は4−(R12)−5−(R1819)−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルである;但し、前記アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、複素環基及び複素環アルキル基は、任意に置換されうる;
nは、0、又は1〜10の値の整数である;
Zは、酸素原子又は窒素原子である;
5は、−SNR717である−SR5及び−SOHである−S(O)R5の成分を除く、水素原子、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル又はNR717であり;
6は、水素原子、医薬的に許容しうるカチオン、C1-10アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-4アルキル、ヘテロシクリル、アロイル、又はC1-10アルカノイルである;
7及びR17は、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1-4アルキルから選択され、又はR7及びR17は、窒素原子と共に、これと結合して、5から7員の複素環を形成し、環は、任意に酸素原子、窒素原子又はNR15から選択される更に多くのヘテロ原子を含む;
8は、C1-10アルキル、ハロ置換C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-7シクロアルキル、C5-7シクロアルケニル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-10アルキル、(CR1020nOR11、(CR1020nS(O)m18、(CR1020nNHS(O)218、又は(CR1020nNR1314であり、前記アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、及びヘテロアリールアルキル基は、任意に置換されうる;
9は、水素原子、−C(Z)R11、任意に置換したC1-10アルキル、S(O)218、任意に置換したアリール又は任意に置換したアリールC1-4アルキルである;
10及びR20は、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1-4アルキルから選択される;
11は、水素原子、C1-10アルキル、C3-7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-10アルキル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールC1-10アルキルであり、前記アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルは、任意に置換されうる;
12は、水素原子又はR16である;
13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子若しくは任意に置換したC1-4アルキル、任意に置換したアリール若しくは任意に置換したアリールC1-4アルキルであり、又は窒素原子と共に、これと結合して、5から7員の複素環を形成し、環は、任意に酸素原子、窒素原子又はNR9から選択される更に多くのヘテロ原子を含む;
15は、水素原子、C1-4アルキル又はC(Z)−C1-4アルキルである;
16は、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、又はC3-7シクロアルキルである;
18は、C1-10アルキル、C3-7シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-10アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールC1-10アルキルであり、前記アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルは、任意に置換されうる;
19は、水素原子、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル又はアリールである;
23は、水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-4アルキル、ヘテロシクリル、若しくはヘテロシクリルC1-4アルキルであり、それらの全ては、任意に置換されてもよく;
又は、それらの医薬的に許容しうる塩である。
【0060】
これらの式の具体的な化合物には、
4−[1−(4−フルオロフェニル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル]ピリジン;
4−[4−ブロモ−1−(4−フルオロフェニル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル]ピリジン;
4−[1−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルチオ)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル]ピリジン;
4−[1−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルフォニル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル]ピリジン;
4−[1−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルフィニル)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル]ピリジン;
4−[1−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−3−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル]ピリジン;
4−[1−(4−フルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−3−[4−(メチルチオ)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル]ピリジン;
並びにこれらの医薬的に許容しうる塩が含まれる。
【0061】
本発明の実施において有用な化合物には、下記式の化合物、或いは、それらの医薬的に許容しうる塩も含まれるが、これらに限定されない:

但し、R1は、4−ピリジル、又は4−ピリミジニル環であり、環は、Y、C1-4アルキル、ハロゲン、水酸基、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、CH2OR12、アミノ、モノ−及びジ−C1-6アルキル置換アミノ、N(R10)C(O)Rb、又は5から7員で、任意に酸素原子、硫黄原子若しくはNR15から選択される更に多くのヘテロ原子を含むN−ヘテロシクリル環により、1回又はそれ以上置換される;
Yは、X1−Raである;
1は、酸素原子、硫黄原子又はNHである;
aは、C1-6アルキル、アリール、アリールC1-6アルキル、複素環基(heterocyclic)、ヘテロシクリルC1-6アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1-6アルキルであり、これらの成分のそれぞれは、任意に置換されうる;
bは、水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1-4アルキルであり、これらの成分のそれぞれは、任意に置換されうる;
4は、フェニル、ナフト−1−イル、ナフト−2−イル、又はヘテロアリールであり、1又は2の置換基により任意に置換され、これらのそれぞれは、独立して選択され、4−フェニル、4−ナフト−1−イル、5−ナフト−2−イル、又は6−ナフト−2−イル置換基に対して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−C(Z)NR717、−C(Z)OR16、−(CR1020vCOR12、−SR5、−SOR5、−OR12、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルキル、−ZC(Z)R12、−NR10C(Z)R16、又は−(CR1020vNR1020、及び置換基の他の位置に対して、ハロゲン、シアノ、−C(Z)NR1314、−C(Z)ORf、−(CR1020m”CORf、−S(O)mf、−ORf、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルキル、−ZC(Z)Rf、−(CR1020m”NR10C(Z)Rf、−NR10S(O)m'8、−NR10S(O)m'NR717、又は−(CR1020m”NR1314である;
fは、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-10アルキル又はR8である;
vは、0、1、又は2である;
mは、0、1、又は2である;
m’は、1又は2である;
m”は、0、1、2、3、4、又は5である;
2は、水素原子、C(H)(A)(R22)、−(CR1023nOR9、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-10アルキル、C1-10アルキル、ハロ置換C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-10アルキル、C5-7シクロアルケニル、C5-7シクロアルケニルC1-10アルキル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-10アルキル、(CR1023nOR11、(CR1023nS(O)m18、(CR1023nNHS(O)218、(CR1023nNR1314、(CR1023nNO2、(CR1023nCN、(CR1023nS(O)m'NR1314、(CR1023nC(Z)R11、(CR1023nOC(Z)R11、(CR1023nC(Z)OR11、(CR1023nC(Z)NR1314、(CR1023nC(Z)NR11OR9、(CR1023nNR10C(Z)R11、(CR1023nNR10C(Z)NR1314、(CR1023nN(OR6)C(Z)NR1314、(CR1023nN(OR6)C(Z)R11、(CR1023nC(=NOR6)R11、(CR1023nNR10C(=NR19)NR1314、(CR1023nOC(Z)NR1314、(CR1023nNR10C(Z)NR1314、(CR1023nNR10C(Z)OR10、5−(R18)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル又は4−(R12)−5−(R1819)−4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルである;但し、前記アリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、複素環基及び複素環アルキル基は、任意に置換されうる;
Aは、任意に置換したアリール、ヘテロシクリル若しくはヘテロアリール環であり、又はAは、置換したC1-10アルキル基である;
nは、0、又は1〜10の値の整数である;
Zは、酸素原子又は窒素原子である;
5は、−SNR717である−SR5及び−SOHである−S(O)R5の成分を除く、水素原子、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル又はNR717である;
6は、水素原子、医薬的に許容しうるカチオン、C1-10アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-4アルキル、ヘテロシクリル、アロイル、又はC1-10アルカノイルである;
7及びR17は、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1-4アルキルから選択され、又はR7及びR17は、窒素原子と共に、これと結合して、5から7員の複素環を形成し、環は、任意に酸素原子、窒素原子又はNR15から選択される更に多くのヘテロ原子を含む;
8は、C1-10アルキル、ハロ置換C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-7シクロアルキル、C5-7シクロアルケニル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-10アルキル、(CR1020nOR11、(CR1020nS(O)m18、(CR1020nNHS(O)218、又は(CR1020nNR1314であり、前記アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルは、任意に置換されうる;
9は、水素原子、−C(Z)R11、任意に置換したC1-10アルキル、S(O)218、任意に置換したアリール又は任意に置換したアリールC1-4アルキルである;
10及びR20は、それぞれ独立して、水素原子若しくはC1-4アルキルから選択される;
11は、水素原子、C1-10アルキル、C3-7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-10アルキル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールC1-10アルキルであり、前記アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルは、任意に置換されうる;
12は、水素原子又はR16である;
13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子若しくは任意に置換したC1-4アルキル、任意に置換したアリール若しくは任意に置換したアリールC1-4アルキルであり、又は窒素原子と共に、これと結合して、5から7員の複素環を形成し、環は、任意に酸素原子、窒素原子又はNR9から選択される更に多くのヘテロ原子を含む;
15は、R10又はC(Z)C1-4アルキルである;
16は、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、又はC3-7シクロアルキルである;
18は、C1-10アルキル、C3-7シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-10アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールC1-10アルキルである;
19は、水素原子、シアノ、C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル又はアリールである;
23は、水素原子、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、アリール、アリールC1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1-4アルキルであり、それらの全ては、任意に置換されうる。
【0062】
これらの式の具体的な化合物には、
1−(ピリド−4−イル)−3−フェニル−5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアゾール;
1−(6−アミノピリミジン−4−イル)−3−フェニル−5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアゾール;
1−[4−(6,7−ジメトキシキナゾリン)]−3−フェニル−5−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアゾール;
1−(4−フルオロフェニル)−3−フェニル−5−(2−アミノピリミジン−4−イル)−1,2,4−トリアゾール;
3−(4−フルオロフェニル)−4−(2−アミノピリミジン−4−イル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール;
並びにこれらの医薬的に許容しうる塩が含まれる。
【0063】
本発明の実施において有用な化合物には、下記式の化合物、及びそれらの医薬的に許容しうる塩、又はそれらの医薬組成物も含まれるが、これに限定されない:

但し、

は、単結合又は二重結合を表し;
は一方がCA又はCRAで、かつ、他方がCR、CR、NR又はNであるが、但し、R、R及びRは互いに独立して水素又は非妨害性置換基であり;
AはCO(X)Y、但し、YはCOR又はそのアイソスターで、並びに、Rは水素又は非妨害性置換基であり、Xはおよそ2−6Åのスペーサーで、jは0又は1であり;
はNR又はOであり;
各Rは互いに独立した非妨害性置換基であり;
nは0−3;
及びLは、それぞれリンカーであり;
各Rは互いに独立した非妨害性置換基であり;
mは0−4であり;
はCR又はN、但し、Rは水素又は非妨害性置換基であり;
l及びkは各々0−2までの整数、但し、lとkの和は0−3であり;
【0064】
Arは0−5個の非妨害性置換基で置換されたアリール基、但し、2つの非妨害性置換基が融合環を形成してもよく;及び、Lと連結したAr原子のα環の中心からの距離は、好ましくは24Å以下である。上記記述において、分子のある位置は「非妨害性置換基」であることを許容している。この術語はこれらの位置が一般的に分子の全体としての本質的な活性に関連性がないため使用される。広範な置換基がこれらの位置で使用することができ、特定の置換基が「非妨害性置換基」であるか否かを決定するのは十分に通常の技術常識である。
【0065】
本発明の実施において有用な化合物には、下記式の化合物、或いは、それらの医薬的に許容しうる塩も含まれるが、これらに限定されない:

但し、HETは、1〜4のN、S又はO原子を有する5から7員の複素環であり、複素環は、1〜3のC1−C4の分岐鎖又は直鎖のアルキル基で置換される。HETは、任意にハロ、シアノ、N(R’)2、OR’、COR’2、CON(R’)2、及びSO2N(R22で置換されうる;
Xは、O又はNR’である;
nは、1〜3である;
R’は、水素原子、(C1−C3)−アルキル、(C2−C3)−アルケニル若しくはアルキニル、フェニル又は、ハロ、メトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、水酸基、メチル若しくはエチルから独立して選択される1〜3の置換基で置換されるフェニルから選択される;或いはハロ、メトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、水酸基、メチル若しくはエチルから独立して選択される1〜3の置換基で任意に置換した5〜6員の複素環系から選択される;
1は、水素原子、(C1−C3)−アルキル、水酸基、又は(C1−C3)−アルコキシから選択される;
2は、水素原子、(C1−C3)−アルキル、又は(C1−C3)−アルケニロキシから選択される;それぞれは、任意に−N(R’)2、−OR’、−SR’、−C(O)−N(R’)2、−S(O2)−N(R’)2、−C(O)−OR’、又はR3で置換される;
3は、5〜6員の芳香族環状炭素又は複素環系から選択される。
【0066】
本発明の実施において有用な化合物には、下記式の化合物、或いは、それらの医薬的に許容しうる塩も含まれるが、これらに限定されない:

但し、R1は、アリール又はヘテロアリール環であり、環は任意に置換される;
2は、水素原子、C1-10アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-10アルキル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1-10アルキル、複素環基、又はヘテロシクリルC1-10アルキル成分である;これらの成分のそれぞれは、水素原子を除き、任意に置換される;
3は、C1-10アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキルC1-10アルキル、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリールC1-10アルキル、又はヘテロシクリルC1-10アルキル成分である;これらの成分のそれぞれは、任意に置換されうる;
Xは、R2、OR2、S(O)m2又は(CH2nNR414若しくは(CH2nNR24である;
nは、0又は1〜10の値の整数である;
mは、0又は1若しくは2の値の整数である;
4及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、任意に置換したC1-14アルキル、任意に置換したアリール、若しくは任意に置換したアリールC1-4アルキルから選択され、又はR4及びR14は、窒素原子と共に、これと結合して、5から7員の複素環を形成し、環は、任意に酸素原子、窒素原子又はNR9から選択される更に多くのヘテロ原子を含み、環は任意に置換されうる;
6は、水素原子、C1-10アルキル、C3-7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1-10アルキル、アリール、アリールC1-10アルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールC1-10アルキル成分である;これらの成分のそれぞれは、水素原子を除き、任意に置換されうる;
9は、水素原子、C(Z)R6、任意に置換したC1-10アルキル、任意に置換したアリール又は任意に置換したアリールC1-4アルキルである;
Zは、酸素原子又は硫黄原子である。
【0067】
本発明の実施において有用な化合物には、下記式の化合物、或いは、それらの医薬的に許容しうる塩も含まれるが、これらに限定されない:

但し、Q1及びQ2のそれぞれは、独立して、5から6員の芳香族環状炭素若しくは複素環系、又は芳香族環状炭素、芳香族複素環若しくは芳香族環状炭素と芳香族複素環との組み合わせを含む8から10員の二環式環系から選択される;
1を構成する前記環は、1〜4の置換基で置換され、この置換基のそれぞれは、独立して、ハロ;NR’2、OR’、CO2R’若しくはCONR’2で任意に置換されるC1−C3アルキル基;NR’2、OR’、CO2R’若しくはCONR’2で任意に置換される(C1−C3)−アルコキシ基;NR’2;OCF3;CF3;NO2;CO2R’;CONR’;SR’;S(O2)N(R’)2;SCF3;CN;N(R’)C(O)R4;N(R’)C(O)OR4;N(R’)C(O)C(O)R4;N(R’)S(O2)R4;N(R’)R4;N(R42;OR4;OC(O)R4;OP(O)32;又はN=C−N(R’)2から選択される;
2を構成する前記環は、任意に4つまでの置換基で置換され、この置換基のそれぞれは、独立して、ハロ;NR’2、OR’、CO2R’、S(O2)N(R’)2、N=C−N(R’)2、R3若しくはCONR’2で任意に置換されるC1−C3の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基;NR’2、OR’、CO2R’、S(O2)N(R’)2、N=C−N(R’)2、R3若しくはCONR’2で任意に置換される(C1−C3)−アルコキシ基;NR’2、OCF3;CF3;NO2;CO2R’;CONR’;R3;OR3;NR3;SR3;C(O)R3;C(O)N(R’)R3;C(O)OR3;SR’;S(O2)N(R’)2;SCF3;N=C−N(R’)2;又はCNから選択される;
R’は、水素原子、又はハロ、メトキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、水酸基、メチル若しくはエチルから独立して選択される1〜3の置換基で置換される(C1−C3)−アルキル;(C2−C3)−アルケニル;(C2−C3)−アルキニル;フェニルから選択される;
3は、5〜6員の芳香族環状炭素又は複素環系から選択される;
4は、N(R’)2、OR’、CO2R’、CON(R’)2、若しくはSO2N(R22で任意に置換される(C1−C4)−アルキル;或いはN(R’)2、OR’、CO2R’、CON(R’)2、若しくはSO2N(R22で任意に置換される5〜6員の環状炭素又は複素環系から選択される;
Xは、存在する場合には、−S−、−O−、−S(O2)−、−S(O)−、−S(O2)−N(R2)−、−N(R2)−S(O2)−、−N(R2)−C(O)O−、−O−C(O)−N(R2)、−C(O)−、−C(O)O−、−O−C(O)−、−C(O)−N(R2)−、−N(R2)−C(O)−、−N(R2)−、−C(R22−、又は−C(OR22−から選択される;
それぞれのRは、独立して、水素原子、−R2、−N(R22、−OR2、SR2、−C(O)−N(R22、−S(O2)−N(R22、−C(O)−OR2、から選択されるが、2つの隣接したRは、任意に互いに結合され、それぞれのYと共に、これに結合して、4〜8員の環状炭素又は複素環を形成する;
2は、水素原子、(C1−C3)−アルキル、若しくは(C1−C3)−アルケニルから選択され;それぞれ任意に、−N(R’)2、−OR’、SR’、−C(O)−N(R’)2、−S(O2)−N(R’)2、−C(O)−OR’、若しくはR3で置換される;
Yは、N又はCである;
Zは、存在する場合には、N、NH、又は、化学的に可能であれば、Oである;
Aは、存在する場合には、N又はCR’である;
nは、0又は1である;
1は、水素原子、(C1−C3)−アルキル、水酸基、(C1−C3)−アルコキシである。
【0068】
本発明の実施において有用な化合物には、下記式の化合物も含まれるが、これに限定されない:

但し、Aは、

ここで、
3’、R4’、R5’は、各々独立な、水素原子、ハロゲンによりペルハロまで任意的に置換されたC1−10アルキル、ハロゲンによりペルハロアルコキシまで任意的に置換されたC1−10アルコキシ、ハロゲン原子;NO、又はNHであり;
6’は、水素原子、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、−NHCOR;−NRCOR;NO

であり、
’、R’、又はR’のうち一つは、−X−Yであってもよく;或いは
二つの隣接したR’-R6’は共に5から12原子と一緒にアリール又はヘテロアリール環を形成してもよく、それは任意的にC1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−10アルケニル、C1−10アルカノイル、C6-12アリール、C-12ヘテロアリール、又はC6-12アラキルにより置換され;
は、ハロゲンによりペルハロまで任意的に置換されたC1−10アルキルであり;
Xは、−CH−、−S−、−N(CH)−、−NHC(O)−、−CH−S−、−S−CH−、−C(O)−、又は−O−であり;
さらにYがピリジル基である場合は、Xは単結合であり;
Yは、フェニル、ピリジル、ナフチル、ピリドン、ピラジン、ベンゾジオキサン、ベンゾピリジン、ピリミジン、又はベンゾチアゾールであるが、これらの各々はC1−10-アルキル、C1−10-アルコキシ、ハロゲン原子、OH、−SCH又はNOにより任意的に置換され、又はYがフェニルの場合は

により任意的に置換され
又は、それらの医薬的に許容しうる塩;
或いは

ここで
は、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、ペルハロまで置換されたC-C10アルキル、及びペルハロまでのハロ置換C-C10シクロアルキルから成るグループより選択され;並びに
は、C-C14アリール、C-C14ヘテロアリール、置換されたC-C14アリール、又は置換されたC-C14ヘテロアリールで;
ここで、Rが置換された基である場合、ハロゲン原子、ペルハロまでのハロ置換、及びV(n=0−3で、各々のVが、−CN、−OC(O)NR5’、−CO、−C(O)NR、−OR、−SR、−NR5’、−C(O)R、−NRC(O)OR5’、−SO−SOR、−NRC(O)R’、−NO、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、C-C14アリール、C-C13ヘテロアリール、C-C24アルクアリール、C-C24アルクヘテロアリール、置換されたC-C10アルキル、置換されたC-C10シクロアルキル、置換されたC-C14アリール、置換されたC-C13ヘテロアリール、置換されたC-C24アルクアリール、及び、置換されたC-C24アルクヘテロアリールから成るグループより独立して選択され)から成るグループより独立して選択される1若しくはそれ以上の置換基で置換されることが好ましく;
ここでVが置換された基である場合、ハロゲン原子、ペルハロまでのハロ置換、−CN、−CO、−C(O)R、−C(O)NR5’、−NR5’、−OR、−SR、−NRC(O)R5’、−NRC(O)OR5’、及び、−NOから成るグループから独立して選択される1若しくはそれ以上の置換基で置換され;
並びに、RおよびR5’は、水素原子、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、C-C14アリール、C-C13ヘテロアリール、C-C24アルクアリール、C-C23アルクヘテロアリール、ペルハロまでのハロ置換C-C10アルキル、ペルハロまでのハロ置換C-C10シクロアルキル、ペルハロまでのハロ置換C-C14アリール、及び、ペルハロまでのハロ置換C-C13ヘテロアリールから成る群より独立して選択され;
又は、それらの医薬的に許容しうる塩;
或いは
(C) 式−L−(M−Lの40炭素原子までの置換した成分
(但し、当該成分は、LがDに直接結合される5−から6−員環構造である場合には、Lは少なくとも5員の置換した環状成分を含み、Mは、少なくとも1つの原子を有する橋かけ基(bridging group)であり、qは、1〜3の整数であり;L及びLのそれぞれの環構造は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群の0〜4員のものを含み;
は、−SO、−C(O)R及び−C(NR)Rからなる群から選択される少なくとも1つの置換基により置換され;
は、水素原子又は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにペルハロまで任意にハロ置換される24の炭素原子までの炭素ベースの成分であり;
は、水素原子又は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲン、水酸基及び24の炭素原子までの炭素ベース置換基により任意に置換される30の炭素原子までの炭素ベースの成分であるが、当該24の炭素原子までの炭素ベース置換基は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換され;
は、R又はNRであるが、その場合、R及びRは、
i)独立して、水素原子、
N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲン、水酸基及び24の炭素原子までの炭素ベース置換基により任意に置換される30の炭素原子までの炭素ベース成分であって、当該24の炭素原子までの炭素ベース置換基が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換されるもの、或いは
が水素原子又は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲン、水酸基及び24の炭素原子までの炭素ベース置換基により任意に置換される24までの炭素ベース成分であって、当該24の炭素原子までの炭素ベース置換基が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換されるものである、−OSi(Rであり;或いは
ii)R及びRは、共に、N、S及びOから選択される1〜3のヘテロ原子の5〜7員の複素環構造、或いはハロゲン、水酸基、又はN、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換される24の炭素原子までの炭素ベース置換基、により置換される、N、S及びOから選択される1〜3のヘテロ原子の5〜7員の複素環構造を形成し;或いは
iii)R又はRのうち1つは、−C(O)−、C−Cの二価のアルキレン基又は、成分Lと結合して少なくとも5員の環状構造を形成する置換したC−Cの二価のアルキレン基であり、当該置換したC−Cの二価のアルキレン基の置換基は、ハロゲン、水酸基、並びにN、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み及びハロゲンにより任意に置換される24の炭素原子までの炭素ベース置換基、からなる群から選択される);
又はそれらの医薬的に許容しうる塩であり;並びに
Bは、三環系まで置換していない若しくは置換した、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群(基)の0〜4員(環)を含む少なくとも1つの5−若しくは6−員の芳香族の化学構造を有する30の炭素までの原子を伴う、アリール又はヘテロアリール成分;
(但し、Bが置換される場合には、Bは、ペルハロまでなされるハロゲン及び、nが0〜3であるWからなる群から選択される1又はそれ以上の置換基により、置換され、それぞれのWは、独立して、−CN、−CO、−C(O)NR、−C(O)R、−NO、−OR、−SR、−NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、C1−10アルキル、C2−10−アルケニル、C1−10−アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C6−14アリール、C7−24アルカリール、C3−13ヘテロアリール、C4−23アルカヘテロアリール、置換したC1−10アルキル、置換したC2−10−アルケニル、置換したC1−10−アルコキシ、置換したC3−10シクロアルキル、置換したC4−23アルカヘテロアリール及び−Q−Arからなる群から選択され;
Wが置換基である場合には、Wは、−CN、−CO、−C(O)NR、−C(O)R、−NO、−OR、−SR、−NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R及びペルハロまでなされるハロゲンからなる群から独立して選択される1又はそれ以上の置換基により置換され;
それぞれのRは、独立して、H、C1−10アルキル、C2−10−アルケニル、C3−10シクロアルキル、C6−14アリール、C3−13ヘテロアリール、C7−24アルカリール、C4−23アルカヘテロアリール、ペルハロまで置換したC1−10アルキル、ペルハロまで置換したC2−10−アルケニル、ペルハロまで置換したC3−10シクロアルキル、ペルハロまで置換したC6−14アリール及びペルハロまで置換したC3−13ヘテロアリールから選択され;
Qは、−O−、−S−、−N(R)、−(CH)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−NRC(O)NR−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−(CHO−、−(CHS−、−(CHN(R)−、−O(CH−、−CHX−、−CX−、−S−(CH−及び−N(R)(CH−であり、この場合においてm=1〜3であり、Xは、ハロゲンであり;並びに
【0069】
Arは、置換されていない、又はペルハロ置換までハロゲンにより置換され及び任意にZn1により置換される、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群(基)の0〜4員(環)を含む5〜10員の芳香族の化学構造であり、この場合においてn1は、0〜3であり、それぞれのZ置換基は独立して、−CN、−CO27、−C(O)NR77、−C(O)−NR7、−NO2、−OR7、−SR7、−NR77、−NR7C(O)OR7、−C(O)R7、−NR7C(O)R7、C1-10アルキル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C3-13ヘテロアリール、C7-24アルカリール、C4-23アルカヘテロアリール、置換したC1-10アルキル、置換したC3-10シクロアルキル、置換したC7-24アルカリール及び置換したC4-23アルカヘテロアリールからなる群から選択される;但し、Zの1又はそれ以上の置換基は、独立して、−CN、−CO27、−C(O)NR77、−OR7、−SR7、−NO2、−NR77、−NR7C(O)R7及び−NR7C(O)OR7からなる群から選択される);
又はそれらの医薬的に許容しうる塩である。
【0070】
これらの式の具体的な化合物には、
N−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−フェニルオキシフェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−(4−メトキシフェニルオキシ)フェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−(4−ピリジニルオキシ)フェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−(4−ピリジニルメチル)フェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−(4−ピリジニルチオ)フェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−(4−(4,7−メタノ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオニル)メチル)フェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−フェニルフェニル)−N’−(2,3−ジクロロフェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−(3−チエニル)フェニル)−N’−(2,3−ジクロロフェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−(N−メチルアミノカルボニル)メトキシフェニル)−N’−(2,3−ジクロロフェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−(N−メチルアミノカルボニル)メトキシフェニル)−N’−(1−ナフチル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−(N−モルフォリノカルボニル)メトキシフェニル)−N’−(2,3−ジクロロフェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−(N−モルフォリノカルボニル)メトキシフェニル)−N’−(1−ナフチル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−(3−テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)−N’−(2,3−ジクロロフェニル)尿素;
N−(5−tert−ブチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−(3−ピリジニル)メチルフェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−メチルフェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−メチル−2−フルオロフェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−フルオロ−3−クロロフェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−メチル−3−クロロフェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−メチル−3−フルオロフェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(2,4−ジフルオロフェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−フェニルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−(4−ピリジニルメチル)フェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−(4−ピリジニルチオ)フェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−(4−ピリジニルオキシ)フェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(3−(4−ピリジニルチオ)フェニル)尿素;
N−(5−トリフルオロメチル−2−メトキシフェニル)−N’−(4−(3−(N−メチルアミノカルボニル)フェニルオキシ)フェニル)尿素;
N−(5−フルオロスルフォニル)−2−メトキシフェニル)−N’−(4−メチルフェニル)尿素;
N−(5−(ジフルオロメタンスルフォニル)−2−メトキシフェニル)−N’−(4−メチルフェニル)尿素;
N−(5−(ジフルオロメタンスルフォニル)−2−メトキシフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)尿素;
N−(5−(ジフルオロメタンスルフォニル)−2−メトキシフェニル)−N’−(4−メチル−2−フルオロフェニル)尿素;
N−(5−(ジフルオロメタンスルフォニル)−2−メトキシフェニル)−N’−(4−メチル−3−フルオロフェニル)尿素;
N−(5−(ジフルオロメタンスルフォニル)−2−メトキシフェニル)−N’−(4−メチル−3−クロロフェニル)尿素;
N−(5−(ジフルオロメタンスルフォニル)−2−メトキシフェニル)−N’−(4−フルオロ−3−クロロフェニル)尿素;
N−(5−(ジフルオロメタンスルフォニル)−2−メトキシフェニル)−N’−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)尿素;
N−(5−(ジフルオロメタンスルフォニル)−2−メトキシフェニル)−N’−(2,3−ジメチルフェニル)尿素;
N−(5−(トリフルオロメタンスルフォニル)−2−メトキシフェニル)−N’−(4−メチルフェニル)尿素;
N−(3−メトキシ−2−ナフチル)−N’−(2−フルオロフェニル)尿素;
N−(3−メトキシ−2−ナフチル)−N’−(4−メチルフェニル)尿素;
N−(3−メトキシ−2−ナフチル)−N’−(3−フルオロフェニル)尿素;
N−(3−メトキシ−2−ナフチル)−N’−(4−メチル−3−フルオロフェニル)尿素;
N−(3−メトキシ−2−ナフチル)−N’−(2、3−ジメチルフェニル)尿素;
N−(3−メトキシ−2−ナフチル)−N’−(1−ナフチル)尿素;
N−(3−メトキシ−2−ナフチル)−N’−(4−(4−ピリジニルメチル)フェニル)尿素;
N−(3−メトキシ−2−ナフチル)−N’−(4−(4−ピリジニルチオ)フェニル)尿素;
N−(3−メトキシ−2−ナフチル)−N’−(4−(4−メトキシフェニルオキシ)フェニル)尿素;
N−(3−メトキシ−2−ナフチル)−N’−(4−(4−(4,7−メタノ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオニル)メチル)フェニル)尿素;
N−(2−ヒドロキシ−4−ニトロ−5−クロロフェニル)−N’−(フェニル)尿素;
N−(2−ヒドロキシ−4−ニトロ−5−クロロフェニル)−N’−(4−(4−ピリジニルメチル)フェニル)尿素;
及びそれらの医薬的に許容しうる塩である。
【0071】
そのような化合物は、公開されたPCT出願であるWO96/21452号、WO96/40143号、WO97/25046号、WO97/35856号、WO98/25619号、WO98/56377号、WO98/57966号、WO99/32110号、WO99/32121号、WO99/32463号、WO99/61440号、WO99/64400号、WO00/10563号、WO00/17204号、WO00/19824号、WO00/41698号、WO00/64422号、WO00/71535号、WO01/38324号、WO01/64679号、WO01/66539号、及び、WO01/66540号に記載されており、これらの各々は、参照により本出願に組み込まれる。
【0072】
置換基としてアルケニル又はアルキニル成分が存在する本出願における全ての場合において、不飽和結合、即ち、ビニレン又はアセチレン結合、が、ORf又は確実にR2成分における場合には、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子成分と直接結合されないことが好ましい。
【0073】
本出願において使用される「任意に置換した」は、特に規定されていない限り、フッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素等のハロゲン;水酸基;水酸基で置換したC1-10アルキル;メトキシ若しくはエトキシ等のC1-10アルコキシ;メチルチオ、メチルスルフィニル若しくはメチルスルフォニル等の、mが0、1、又は2であるS(O)mアルキル;NR717基におけるようなアミノ、モノ及びジ置換したアミノ;或いは、NR717が窒素原子と共に、これと結合して、O、N、及びSから選択される更に多くのヘテロ原子を任意に含む5−から7−員環を形成するように環化しうる場合;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル等若しくはシクロプロピルメチル等のC1-10アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキル基;CF3等のハロ置換したC1-10アルキル;アリール成分も1若しくは2回ハロゲン;水酸基;水酸基で置換したアルキル;C1-10アルコキシ;S(O)mアルキル;NR717基におけるようなアミノ、モノ及びジ置換したアミノ;アルキル若しくはCF3により置換されうる、フェニル等の任意に置換したアリール、又はベンジル、フェネチル等の任意に置換したアリールアルキル;のような基で置換されることを意味するものとする。
【0074】
本発明において有用な阻害剤は、全ての医薬的に許容しうる塩の状態で使用されうる。用語「医薬的に許容しうる塩」は、医薬的に許容しうる無毒性の塩基又は酸から調製される塩を意味する。本発明によって利用される化合物が酸性である場合には、その対応する塩を、無機塩基及び有機塩基を含む医薬的に許容しうる無毒性の塩基から、簡便に調製することができる。そのような無機塩基に由来する塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(原子価の高いもの及び原子価の小さいもの)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(原子価の高いもの及び原子価の小さいもの)、カリウム、ナトリウム、亜鉛及びその他同種類のものの塩が含まれる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が特に好ましい。医薬的に許容しうる有機の無毒性の塩基に由来する塩には、第一、第二及び第三アミン、並びに環状アミン、及び天然に存在する及び合成される置換したアミン等の置換したアミンが含まれる。無機及び有機酸の塩基性塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、フェニル酢酸及びマンデル酸 もまた含まれる。更に、前記記載の化合物の医薬的に許容しうる塩は、また、例えば、置換基がカルボキシ成分を含む場合には、医薬的に許容しうるカチオンを用いて形成されうる。適当な医薬的に許容しうるカチオンは、当業者において公知であり、これには、アルカリ性カチオン、アルカリ土類カチオン、アンモニウムカチオン及び第四アンモニウムカチオンが含まれる。
【0075】
他の医薬的に許容しうる有機の無毒性の塩基であって、これから塩を形成することができるものには、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルフォリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、及びトロメタミン等のイオン交換樹脂が含まれる。開示した化合物の合成について、U. S. Patent Application No. 09/575,060において検討しているが、ここで参照することにより、本願の中に組み込むものとする。
【0076】
p38MAPキナーゼ阻害剤を、単一の治療剤として又は他の治療剤と組み合わせて用いることができる。これらの化合物と有効に組み合わせることができる薬剤には、免疫系の細胞を標的にするモノクローナル抗体、抗体又は免疫性若しくは非免疫性サイトカインを標的にする可溶性レセプター若しくはレセプター融合蛋白、及び細胞分裂、タンパク質合成、又はmRNA転写若しくは翻訳の小さい分子の阻害剤、或いは免疫細胞の分化、活性化又は機能(例えば、サイトカイン分泌)の阻害剤が含まれる。更に、p38阻害剤は、他の鎮痛剤と組み合わせて使用する事で、効果を促進、又は、有害な副作用を軽減できるかもしれない。例えば、p38は、オペエート及び他の薬物に関連した有害な副作用(免疫抑制、タキフィラキシー、及び全身性の感染などを含むがこれに限定されない)を軽減できる。例えば、Singhal et al, Journal of lmmunology, April 15; 168 (8), 4025-33 (2002).を参照。オピエートとp38を共投与する事により、オピエートの使用量を減らす事が可能となり、その結果、オピエートを仲介した鎮痛作用を保持したまま否定的な副作用が最小限となる。ゆえに、これらの化合物の共投与が、相乗効果を生じたものと考える事が出来る。
【0077】
本出願において使用される下記用語は、下記のことを意味する:
「ハロ(halo)」又は「ハロゲン(halogen)」には、ハロゲン:クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードが含まれる;
「C1-10アルキル」又は「アルキル」は、他のことで鎖長が制限されない限り、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル等を含むが、これらに限定されない1から10の炭素原子の直鎖及び分岐鎖両方のラジカルである;
用語「シクロアルキル」は、本出願において、シクロプロピル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル等を含むが、これらに限定されない環状ラジカル、好ましくは3から8の炭素原子の環状ラジカルを意味するために、用いられる;
用語「シクロアルケニル」は、本出願において、シクロペンテニル、及びシクロヘキセニル等を含むが、これらに限定されない、少なくとも1つの二重結合を有する環状ラジカル、好ましくは5から8の炭素原子の環状ラジカルを意味するために、用いられる;
用語「アルケニル」は、全ての出現について本出願において、鎖長が制限されない限り、エテニル、1−プロペニル、2-プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、及び2-ブテニル等を含むが、これらに限定されない、鎖における二つの炭素原子間に少なくとも1つの二重結合が存在する、2〜10の炭素原子の直鎖又は分岐鎖のラジカルを意味するために、用いられる;
「アリール」は、フェニル及びナフチルである;
「ヘテロアリール」は(それ自体で又は「ヘテロアリールオキシ」若しくは「ヘテロアリールアルキル」等の、いくつかの組み合わせにおいて)、ピロール、ピラゾール、フラン、チオフェン、キノリン、イソキノリン、キナゾリニル、ピリジン、ピリミジン、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、若しくはベンゾイミダゾール等を含むが、これらに限定されない、5〜10員の芳香環系であって、1又はそれ以上の環が1又はそれ以上のN、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子を含む芳香環系である;
「ヘテロサイクリック(複素環)」は(それ自体で又は「ヘテロシクリルアルキル」等の、いくつかの組み合わせにおいて)、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、テトラヒドロピラン、若しくはイミダゾリジン等を含むが、これらに限定されない、飽和又は部分的に不飽和の4〜10員環系であって、1又はそれ以上の環が1又はそれ以上のN、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子を含む環系である;
用語「アラルキル」又は「ヘテロアリールアルキル」又は「ヘテロサイクリック(複素環)アルキル」は、本出願において、別に指示がない限り、本出願においても定義したアリール、ヘテロアリール若しくはヘテロサイクリック(複素環)成分と結合したC1-4の前記定義したアルキルを意味するために、用いられる;
「スルフィニル」は、対応するスルフィドのオキシドS(O)であり、「チオ」は、そのスルフィドを意味し、用語「スルフォニル」は、十分にオキシド化したS(O)2成分である;
「アロイル」は、Arが前記定義したようなフェニル、ナフチル、又はアリールアルキル誘導体であるC(O)Arであり、そのような基は、ベンジル及びフェネチルを含むが、これらに限定されない;
「アルカノイル」は、アルキルが前記定義されたものであるC(O)C1-10アルキルである。
【0078】
本出願における目的として、R1又はR2の「核」4−ピリミジニル成分は、下記式を意味する:

【0079】
本発明の実施において有用な化合物は、1又はそれ以上の不斉炭素原子を含むことができ、ラセミ及び任意に活性型で存在することができる。これらの化合物の全ての使用が、本発明の範囲内に含まれる。
【0080】
本発明の実施において有用な化合物には、下記表A及びBに示される複数の化合物も含まれるが、これらに限定されない:
【0081】



【0082】

































【0083】
前記の複数の化合物は、指標及び具体例を示す目的のみで提供する。本発明において有用であるとされたp38MAPキナーゼの修飾物質のどれもが、標的蛋白質と関連した十分な活性を示すということを理解すべきである。
【0084】
以下の実施例は説明のために提供するものであり、発明を限定するものではない。
【実施例】
【0085】
以下の実施例において、様々な低分子阻害剤について、痛み反応に対する予防あるいは治療効果について評価を行った。ここで、提供される化合物は、SA(化合物15、表B)、SB(ピリジニルイミダゾールベース化合物で、文献的にはp38MAPKの修飾物質として知られており、Sigma-Aldrichから市販されている;製品番号 S8307)、SC(化合物33、表B)、SD(化合物183、表B)、SE(化合物154、表B)、SF(化合物2、表B)、SG(化合物3、表B)、SH(化合物84、表B)、SI(化合物92、表B)、SJ(化合物96、表B)、SK(化合物141、表B)、SL(化合物169、表B)、SM(化合物67、表B)であるが、上記において開示されているリン酸化アッセイと同様なアッセイにおいて観察した際に(Kumarを参照)、通常、p38MAPK活性に対し、5nMより低い相対的なIC50値を示す化合物である。様々な投与法では、経口、静脈内、くも膜下腔内などの経路を用いている。
【0086】
[実施例1]中枢神経系におけるp38MAPキナーゼの存在と活性
図1Cで示すように、脊髄のタンパク質抽出物のウエスタンブロット解析を行うと、定常状態においてp38MAPKが構成的に発現していることが明らかになった。ラットを断頭し、水分を除いてから、脊髄を取り出す。腰椎部の後角を、ウサギ抗P−p38抗血清、及びウサギ抗p38抗血清 (1:1000, Cell Signaling Technology) 、並びに、COX−1又はCOX−2抗体 (1:500, Cayman)を用いて、ウエスタンブロット解析に供した。ECLにより免疫陽性バンドを検出した。良く知られているように、p38MAPKは、そのリン酸化状態(P−p38MAPK)で、活性化されるが、このリン酸化フォームの発現は、くも膜下腔内(IT)に生理食塩水を注入された脊髄から得た後角組織では、構成的に低レベルである(図1C)。しかしながら、NK1受容体を介する温熱性痛覚過敏を誘発する用量のサブスタンスP(sP)のIT投与により(図1A、B)、後角のP−p38MAPKは確実に増加する(図1C)。
【0087】
sP(サブスタンスP)又はNMDAのIT(くも膜下腔内)投与による痛覚過敏に対する、p38MAPKの効果
疼痛行動におけるp38MAPK活性化の役割を明らかにするため、くも膜下腔内へのサブスタンスPの注入による温熱性痛覚過敏において、中程度なp38MAPK阻害活性を有するSB203580 (SB)、及び、p38MAPKαに優位な(preferential)阻害活性を有するSDの作用を決定するための実験を行った。SDのp38α及びβに対する阻害活性を、大腸菌による組換え型ヒト酵素及びミエリンの塩基性蛋白質を用いたアッセイ(ClerkとKumarによる方法)により、評価した。A. Clerk, P. HOURS. Sugden, FEBS Lett 426, 93-6. (1998) 、及び、 S. Kumar, et al., Biochem Biophys Res Commun 235, 533-8. (1997) を参照。
【0088】
雄性Sprague-Dawley(SD系)ラット(300-350 g)に対し、Physiol. Behav. 17,1031 (1976).に記載された方法の変法により、腰椎部のイソフルラン麻酔下で、ポリエチレン(PE-10)カテーテルを埋め込んだ。IT 注入は、手術後5〜8日後に行った。全ての薬剤は10μlの量を注入し、続いてカテーテルを洗浄するため10μlを注入した。sP及びSB203580は、生理食塩水に溶解し、SDは5%DMSO(対照の溶媒としても使用)に溶解した。生理食塩水及び5%DMSO単独のIT投与では、行動にも、タンパク質の発現/リン酸化にも影響は無かった。
【0089】
図2に示すように、ITsPによって誘導された熱痛覚過敏は、SDとSBの両者によって、用量依存的に遮断された。くも膜下腔内へのNMDAの送達は、類似の痛覚過敏を生起するが、それはNMDAアンタゴニスト(MK801:10μg)によって逆転する(reversed)、そして、この痛覚過敏は、IT SD(3−60μg)とIT SB(1−30μg)によっても、用量依存的に逆転する。図5に示すように、もう一つのp38MAPK阻害剤であるSAもNMDA誘導性痛覚過敏を同様に減弱する。
【0090】
p38MAPKの活性化と脊髄の活性変化との関連(ホルマリン仲介性の痛覚過敏)
脊髄におけるリン酸化(活性化)p38MAPKの、求心性経路を介した誘導の存否について、決定するための評価を行った。この評価を行うため、ホルマリン仲介性痛覚過敏モデルを用いた(ホルマリンモデルでは、標準用量のホルマリンをラットの肢に注射し、その後90分間の肢の屈曲を定量する)。典型的な二相性の応答パターンが観察される;すなわち、注射後5分間に多数の反応が観察される第1相と、注射後10〜60分間に起こる第2相である。毎分のflinches数の平均値が、時間の関数として記録される。各相における反応の定量化は、flinches/min 曲線の曲線下面積を計算する事によりなされる。
【0091】
ホルマリン誘発性痛覚過敏:
ホルマリン誘発モデルは、脊髄における侵害性情報の処理過程の多様なレベルを反映している。例えば、米国特許第6,166,085号を参照。この試験(肢へのホルマリン注射)で課された侵害性刺激によって生起された遅延性感覚入力は、急性の痛覚反応である第1相を誘発し、これに第2相が続く。この第2相は、第1相の間に呈示された求心性入力によって惹起された亢進過程の状態を表し、また、薬理学的な証拠から、グルタミン酸とタキキニンという少なくとも二つの物質の放出に関わっていると考えられる。肢へのホルマリン注射は、遠心性入力による初期のバーストと、それに続く低レベルな放電を、惹起する。このモデルでは、2相性のflinchingの出現と平行した、後角のワイドダイナミックレンジニューロン(wide dynamic range neurons)の2相性の活性増加がもたらされる。
【0092】
正常な未刺激の腰髄P−p38MAPKレベルは低い。しかしながら、足底表面へのホルマリン注射5分後にホモジネートされた脊髄において、P−p38MAPK 免疫反応性を、ウエスタンブロット法により検出した。デンシトメトリによる測定に基づいて、P−p38/p38比における53%の増加が算出された(0.26±0.078対0.40±0.083;対照群 対 ホルマリン群)。肢へのホルマリン注射により誘発されたflinching行動の第2相が、くも膜下腔内へのSD又はSBの注入により、用量依存的に強力に減弱された知見(図.2A、B)より、この活性化の機能的な重要性が支持される。くも膜下腔内へのSP若しくはNMDA、又は、局所的な刺激により生起された求心性入力により惹起された痛覚過敏の回復を表すこれらの結果は、p38MAPKの活性化が実際に脊髄の興奮性の変化に貢献している事−おそらく下流の標的タンパク質のリン酸化を介している−を示している。
【0093】
p38MAPKの活性化と脊髄の活性変化との関連(カラゲナン仲介性の痛覚過敏)
ラットの足底にカラゲナン(2mg;生理的食塩水を溶媒とする20%溶液(重量/体積)で0.1ml)を注射することにより、右肢に痛覚過敏を誘発した。温熱的に惹起した肢の引っ込み時間を評価するため、Hargreaves (1988)によって作成された次に記載するような装置を使用した。Hargreaves K, Dubner R, Brown F, Flores C, Joris J. A new and sensitive method for measuring thermal nociception in cutaneous hyperalgesia, Pain, 32, 77-88 (1988)を参照。ガラス表面から成る装置の最上部にラットを乗せる。ガラス表面を、ガラス表面の下にある電球の照射により熱する。実験動物による不快感の最初の兆候が、起き上がって前肢を舐める事により表出される。この反応はあらかじめ設定された条件における疼痛の閾値を示している。のたうちや飛び跳ねは、薬物を投与されていない動物における耐えられない痛みの指標であるのに対し、薬物を投与された動物では一般的には後肢を引っ込め腹部に付けたままにしている。光源と同時にタイマーが作動し、潜時はガラス表面から肢を引っ込めるのに要した時間として定義した。Dirig D M, Isakson P C, and Yaksh T L. J Pharmacol Exp Ther., 285, 1031-8 (1998)を参照。
【0094】
IT SD 又はIT SBの前処置は、カラゲナン誘導性温熱性痛覚過敏の用量依存的な抑制を示した(図3A、B)。重要な事に、この効果は誘発された肢に関する潜時の減少においてのみ認められ、誘発されていない肢の反応潜時ではいかなる高用量の投与後でも変化は見られなかった(p>0.5、データは示さない)。
【0095】
カラゲナン誘導性痛覚過敏の減弱は、もう一つのp38阻害剤であるSEの静脈内投与によっても観察された。図6で示すように、IT SD及びSBに似た反応が評価された。投薬量を変え、観察された反応から関係のある相関を推察した。
【0096】
温熱性傷害に基づく異痛症とp38MAPKの活性化の関係
p38MAPK抑制の効果が温熱性感覚に限定されるか否かを判別するため、片側の局所的な温熱性傷害によって作成した触覚性の異痛症へのIT SDの効果を確かめた。ホットプレート(52.0±1℃)の上に、右肢の足底を45秒間置くことにより、温熱性傷害を誘発した。温熱性の逃避潜時と誘発された肢引っ込め(paw-withdrawal)反応を、ガラス下の温度刺激を用いて評価した。Dirig et al.を参照。触覚性の異痛症を、上下パラダイムで送達された、較正されたフィラメント(15.14−0.41g)によって、肢引っ込めを誘発する閾刺激を決定する事で評価した。S. R. Chaplan, F. W. Bach, J. W. Pogrel, J. M. Chung, and T. L. Yaksh, J Neurosci Methods 53, 55-63. (1994).を参照。図3C及びDで示されるように、IT SDは、用量依存的に触覚性の異痛症を抑制した。
【0097】
この火傷モデルの変形として、傷害後に対して傷害前に投与した場合のIT SD の有効性を評価した。結果を図7に示す。傷害後のIT SD投与に比較して、傷害前の投与では、触覚性の異痛症の十分に高いレベルの減弱が認められた。このことは、傷害前の阻害剤のIT(中枢性)投与が、傷害が起こった後に比べてより効果的であることを示唆している。
【0098】
侵害性刺激と関連する転写因子の調節及びタンパク質の発現に、p38MAPKが関わっているか否かを決定するため、脊髄のcFOS(神経細胞の活性化を反映する前初期遺伝子)活性化、及び、COX−2(傷害による脊髄レベルでの亢進の誘発に重要な酵素)の上方制御における、p38MAPK 抑制の効果を調べた。実験を以下のように行った:脊髄の横断切片を作成し(20μm)、L. C. Yang, et al., Cell Mol Neurobiol 20, 351-65 (2000). で記述されているように、FOS抗体(Calbiochem, 1: 50000)を用いた免疫組織化学の処理を行った。共局在の研究のため、脊髄の横断切片を作成し(10μm)、ポリクローナルp38及びP−p38抗体(Cell Signaling Technology)、並びに、モノクローナルOX−42(Biosource International, 1: 100)、Neu N(Chemicon, 1: 1000)、GFAP(Chemicon, 1: 200)及びAPC(Oncogene, 1: 500)抗体を用いて、共焦点顕微鏡で調べた。
【0099】
足底内へのホルマリン注入の後2時間で、後角の同側性腰髄2−6レベルの薄膜(lamina)1−5におけるFOS免疫反応性の認められる神経細胞の数が明白に増加した(図2C−E)。p38MAPKの選択的阻害剤であるSDを、ホルマリン注入10分前に、くも膜下腔内へ注入すると、FOS陽性神経細胞の数が、溶媒投与の対照群と比して減少した。図2を参照。
【0100】
組織損傷後のCOX−2の上方制御は、慢性的な炎症状態にある持続的な痛覚過敏の発達における重要な役割について、証明及び示唆している。そこで、脊髄におけるCOX−2タンパク質の発現レベルに対する、p38MAPKの効果を調べた。図1Dに示すように、IT sPは、注入4時間後の後角COX−2の有意な増加をもたらした。温熱性痛覚過敏を遮断する用量のIT SDによる、脊髄のp38MAPKの事前抑制は、また、IT sP後のCOX−2タンパク質の上方制御を阻害する。一方で、COX−1レベルには変化は認められなかった。これらの結果は、p38MAPK阻害は、NK−1受容体の活性化に始まる下流の経路を遮断することを示唆している。
【0101】
p38阻害剤の事前Vs事後投与(ホルマリン及び温熱性の肢への傷害)
阻害剤が、肢へのホルマリンの注入、及び、肢への温熱性の傷害の、各々5分後に投与された際に、IT SDの効果がflinching 及び触覚性の異痛症と関係があるかを調べる実験をおこなった。これらの研究において、事前投与とは対照的に、事後投与では統計学的に有意な抗痛覚過敏活性が見られなかった(図2B 及び 3Dを参照)。また、IT SDの事後投与では、IT sPで惹起される脊髄のCOX−2タンパク質の増加を阻害しなかった(図1D)。傷害前よりも傷害後に与えられた場合に効果が少なくなるという知見は、p38MAPKが、小さな求心性入力で始まる下流の処理過程の仲介を行っている事を示唆している。
【0102】
p38MAPKと関係した細胞数と脊髄の侵害受容過程
p38MAPK抑制の強く広範囲な影響が上記の研究で観察されたので、p38キナーゼが局在する細胞数がどのようになっているのかを評価することにした。生理食塩水又はIT sP投与を受けたラットから10分後に脊髄を回収し固定した。脊髄の凍結横断切片をL3−L6部位から得て、活性化型p38MAPK、マイクログリア (OX−42)、神経細胞(Neu N)、アストロサイト(GFAP)、又は、オリゴデンドロサイト(APC)に対する抗体で染色した。生理食塩水を注入された動物とは対照的に、IT sP後の動物では、P-p38MAPK陽性細胞数が有意に増加した。P−p38MAPK陽性細胞は、表層(I−II)及び深部(VI−VII)の背側薄膜(dorsal laminae)に優位に局在化していた(図4A、B)。予期に反して、共焦点顕微鏡解析により、マイクログリアにおける共局在が明らかになった(図4C−F)。P−p38MAPKの発現は、神経細胞、アストロサイト、又はオリゴデンドロサイトでは検出されなかった(図4G−I)。P−p38MAPK陽性のミクログリア細胞数の増加に加え、これらの陽性細胞では、活性化の形態学的兆候をも示していた。系統的に定性化を行っていないが、組織化学的な実験より細胞体の大きさの増加とその過程が強く示された。これらの細胞において、結節状構造様のプロフィールが、Neu N陽性細胞の限定された膜(limiting membrane)に近接した領域で観察された。これらのデータを併せてみると、活性化したミクログリアはp38の一次的なソース(source)であり、また、そのために脊髄の侵害受容過程において重要な役割を果たしているかもしれない事を示唆している。
【0103】
[実施例2]
機械刺激性及び温熱性の痛覚過敏に対するp38MAPキナーゼ阻害剤効果の評価のための追加的研究
機械刺激性及び温熱性の痛覚過敏に対するp38MAPキナーゼ阻害剤の効果を以下のように評価した。左肢の足底へのカラゲナンの注射による、カラゲナン誘導性モデルにより、SD系ラットを評価した。カラゲナン注入から約2及び4時間後に、温熱性痛覚過敏の進行とp38MAPキナーゼ阻害剤(SC)、溶媒、インドメタシン、及びインドメタシンの溶媒との関係について、各々のラットの左後肢を評価した。インドメタシンは非ステロイド性の鎮痛剤であるが、本実験では参考のための対照として用いた。機械刺激性及び温熱性痛覚過敏の評価について、それぞれ、Randall Selitto Analgesiometer 及び Hargreaves Plantar Device を用いて行った。
【0104】
機械刺激性痛覚過敏の進行(Development)
腹腔内投与の約10分後、又は、インドメタシンの経口投与の30分後に、各々の動物を軽く麻酔し(イソフルラン/酸素)、カラゲナンの左足底内への注入を行った。動物が麻酔から回復するのを待った。
【0105】
溶媒を投与された群では、投与前(156±9g)との比較で、機械刺激性痛覚過敏の進行がカラゲナン投与4時間後の時点で観察された(105±13g; P≦0.05)。カラゲナン投与2時間後においては、溶媒投与群で機械刺激性痛覚過敏の状態は認められなかった。
【0106】
機械的痛覚過敏(Randall Selitto テスト)
Randall Selitto テストを用いて、機械刺激性痛覚過敏を調べた。Randall, L. & Selitto, J., ArchInt Plaarnaacodyn (1957) 110: 409-419。カラゲナンモデルは上記のように確立した。足底へのカラゲナン注入約30分後の、SCの投与は、投与から4時間の時点で、溶媒投与群(105±13 g)との比較において、機械刺激性痛覚過敏の進行を有意に弱めた(153±14g;P≦0.05)。SCを投与された同一の動物において、肢引っ込めの閾値が、投与前の159±8gから177±17gへと、カラゲナン投与2時間後に増加した。図8及び9を参照。同じ実験で、インドメタシンの経口投与(10mg/kg)は、インドメタシン投与のための溶媒と比して(各々、120±15及び114±22g)、2時間後(180±21g;P≦0.05)と4時間後(188±17g;P≦0.05)の時点で、肢引っ込め閾値は統計学的に有意な増加を示した。
【0107】
温熱性痛覚過敏の評価 (Plantar Test)
カラゲナンモデルを上記のように実施し、SCの効果について、温熱性痛覚過敏の進行を弱める事に関係があるかを、カラゲナン投与の2及び4時間後に評価した。機械刺激性痛覚過敏に関しては上のようであるが、統計的に有意な温熱性痛覚過敏の進行が、溶媒投与前の測定値(12.7±1.0s)との比較により、2及び4時間(各々、8.2±1.5s;P≦0.05及び7.0±1.5s;P≦0.01)で観察された。SCに関しては、2時間後に溶媒群(8.2±1.5s)と比較して二つの用量レベル(各々、11.5±1.1及び11.6±1.1s)で、また、4時間後に溶媒群(7.0±1.5s)と比較して二つの用量レベル(各々、10.2±1.5及び10.2±0.9s)で、減少傾向が観察された。図8及び10を参照。
【0108】
参照物質であるインドメタシン(10mg/kg p.o.)の投与は、4時間後の時点(12.5±1.4s;P≦0.01)でのみ、インドメタシン溶媒を投与された群(6.8±1.4s)と比して、温熱性痛覚過敏の進行を有意に減弱させた。インドメタシン投与動物における引っ込め潜時は、カラゲナン投与2時間後に増加しているが、これは有意ではなかった。
【0109】
上述の結果より、SCを腹腔内投与された動物は、4時間後において機械刺激性痛覚過敏の進行が有意に減弱された。2時間後の評価では、1つ以上のSC用量で、機械刺激性痛覚過敏の減弱傾向が示された。SCの温熱性痛覚過敏の進行における効果も、調べた両方の用量において減弱傾向を示した。
【0110】
要約すると、SCには、機械刺激性痛覚過敏の進行を有意に減弱させる効果が示された。また、温熱性痛覚過敏の進行を減弱させる傾向についても、調べた両方の用量で観察された。これらの結果は、SCが、選択的な鎮痛作用を有しているかもしれないことを示している。
【0111】
予期されたように、0.6%w/vカラゲナンの足底への注入による機械刺激性及び温熱性の痛覚過敏は、インドメタシン10mg/kg(p.o.)の前投与により有意に減弱された。これらの結果より、SCの鎮痛作用が示された。
【0112】
[実施例3]
p38阻害剤の経口投与の効果
上記の実験2で述べたように、足底へのカラゲナン注入モデルでSD系ラットを評価した。p38MAPキナーゼ阻害剤SA、溶媒、インドメタシン、及び、インドメタシンの溶媒を動物に投与した。投与後、Randall Selitto Analgesiometer 及び Hargreaves Plantar Device の各々を用いて機械刺激性痛覚過敏 及び 温熱性痛覚過敏の進行について、動物を評価した。
【0113】
機械刺激性痛覚過敏 (Randall Selittoテスト)
このモデルにおいて、機械刺激性痛覚過敏の進行が、カラゲナン投与4時間後の溶媒投与群(121±15g;P≦0.05)で、投与前の値(167±12g)との比較で認められた。
【0114】
足底へのカラゲナン注入30分前に、物質A(SA)を、経口投与した。図11及び12に示すように、SAは、投与4時間後に、溶媒投与群(103±13g)との比較において、機械刺激性痛覚過敏の有意な減弱をもたらした(159±19g;P≦0.05)。インドメタシン(10mg/kg)の経口投与から4時間後では、インドメタシンの溶媒投与群(105±10g)と比較して、機械刺激性痛覚過敏の進行が有意に減弱した(177±6g;P≦0.001)。
【0115】
温熱性痛覚過敏 (Plantarテスト)
このモデルにおいて、温熱性痛覚過敏の進行が、投与の4時間後(7.9±1.2s;P≦0.01)に、投与前の値(12.4±0.6s)との比較で認められた。
【0116】
SAの経口投与について、4時間後で、溶媒投与群(7.9±1.2s)と比較すると、引っ込み潜時の顕著な短縮は認められず(11.1±1.4s;P≦0.05)、温熱性痛覚過敏の進行が阻止された。SAのより低い用量の投与では、有意な減弱は観察されなかった。参照物質であるインドメタシン投与(10mg/kg p.o.)は、2及び4時間後の両方で、インドメタシンの溶媒投与群(各々、8.8±1.5及び4.7±1.0s)と比較して、温熱性痛覚過敏の進行の有意な減弱があった(各々、13.1±0.9s;P≦0.05及び9.3±1.3s;P≦0.05)。
【0117】
要約すると、SAの経口投与は、機械刺激性痛覚過敏を有意に減弱する。本実験では、温熱性痛覚過敏の進行の減弱も認められた。これらの結果は、SAが、選択的、又は非選択的な鎮痛作用を有しているかもしれない事を示している。
【0118】
結論
上記の研究は、予想に反して、p38MAPKが、組織及びその他の末梢の損傷によって開始する痛みの伝達と関連した急性及び慢性の事象において重要な役割を果たしている事を示唆している。p38MAPKは、刺激性の事象と下流の細胞内プロセスを結びつける、脊髄における初期の要素であると思われる。また、p38MAPKは、末梢の損傷部位で誘導されるものと思われる。末梢性と同じく、くも膜下腔内への投与で、p38の修飾物質は効果的であり、作用点が末梢と脊髄にあることを示唆している。その作用機序にかかわらず、くも膜下腔内への効果的な用量のp38MAPK阻害剤投与は、哺乳類における痛みを予防又は治療する。
【0119】
[実施例4]
歯科治療に関連した痛みの治療
虫歯の穴を埋める歯科処置を受ける予定の患者に対し、40 mg/kgのp38MAPキナーゼ阻害剤SFを処置の開始およそ1時間前に投与する。他の鎮痛剤又は麻酔剤は投与しない。歯科処置は完了し、患者は、鎮痛剤又は麻酔薬無しの処置を受けた患者と比較して、不快感の減少を感じる。
【0120】
[実施例5]
歯科治療に関連した痛みの治療
虫歯の穴を埋める歯科処置を受ける予定の患者に対し、20mg/kgのp38MAPキナーゼ阻害剤SGを処置の開始およそ1時間前に投与する。他の鎮痛剤又は麻酔剤は投与しない。歯科処置は完了し、患者は、鎮痛剤又は麻酔薬無しの処置を受けた患者と比較して、不快感の減少を感じる。
【0121】
[実施例6]
運動競技の障害(athletic injuries)に関連した痛みの治療
長距離走の運動競技の準備中の者に対し、50mg/kgのSHを競技の始まる約30分前に投与する。他の鎮痛剤又は麻酔剤は投与しない。運動選手は競技に参加し、競技は終了する。運動選手は、同様の生理的条件の者が、同様の競技に参加した時と比較して、運動後の関連した不快感の減少を感じる。
【0122】
[実施例7]
運動競技の障害(athletic injuries)に関連した痛みの治療
長距離走の運動競技の準備中の者に対し、20mg/kgのSIを競技の始まる約30分前に投与する。他の鎮痛剤又は麻酔剤は投与しない。運動選手は競技に参加し、競技は終了する。運動選手は、同様の生理的条件の者が、同様の競技に参加した時と比較して、運動後の関連した不快感の減少を感じる。
【0123】
[実施例8]
運動競技の障害(athletic injuries)に関連した痛みの治療
長距離走の運動競技の準備中の者に対し、40mg/kgのSMを競技の始まる約30分前に投与する。他の鎮痛剤又は麻酔剤は投与しない。運動選手は競技に参加し、競技は終了する。運動選手は、同様の生理的条件の者が、同様の競技に参加した時と比較して、運動後の関連した不快感の減少を感じる。
【0124】
[実施例9]
分娩前麻酔の補助剤
帝王切開を予定されている女性が、標準的なガイドラインに従って準備している。1−2リットルのクリスタロイド溶液の投与後、くも膜下ブロックを座位で行う。局所麻酔薬の皮膚湿潤を、L2−L3、又はL3−L4の間隙(interspace)に行う。脊髄針導入器(spinal needle introducer)を、患者に針を挿入し易くするために用いる。針が硬膜外腔に導入され、硬膜に穿孔する。脳脊髄液が出てくることが、針が適切な位置にあることの指標となる。約60 mg/kgのSLを含んだオピオイド溶液を、10から15秒間隔で徐々に注入して投与する。溶液中のオピエートの濃度は、溶液中にp38MAPキナーゼ阻害剤が存在する事により、減らしている。その後、針を抜き、出来た創傷を処置(dressed)する。帝王切開は、標準的な手順に従って実施する。女性は、麻酔薬中のオピオイド濃度の減少により内蔵機能への抑制作用が減り、手術から急速に回復する。
【0125】
[実施例10]
分娩前麻酔の補助剤
帝王切開を予定されている女性が、標準的なガイドラインに従って準備している。1−2リットルのクリスタロイド溶液の投与後、くも膜下ブロックを座位で行う。局所麻酔薬の皮膚湿潤を、L2−L3、又はL3−L4の間隙(interspace)に行う。脊髄針導入器(spinal needle introducer)を、患者に針を挿入し易くするために用いる。針が硬膜外腔に導入され、硬膜に穿孔する。脳脊髄液が出てくることが、針が適切な位置にあることの指標となる。約630 mg/kgのSJを含んだオピオイド溶液を、10から15秒間隔で徐々に注入して投与する。溶液中のオピエートの濃度は、溶液中にp38MAPキナーゼ阻害剤が存在する事により、減らしている。その後、針を抜き、出来た創傷を処置(dressed)する。帝王切開は、標準的な手順に従って実施する。女性は、麻酔薬中のオピオイド濃度の減少により内蔵機能への抑制作用が減り、手術から急速に回復する。
【0126】
[実施例11]
分娩前麻酔の補助剤
帝王切開を予定されている女性が、標準的なガイドラインに従って準備している。1−2リットルのクリスタロイド溶液の投与後、くも膜下ブロックを座位で行う。局所麻酔薬の皮膚湿潤を、L2−L3、又はL3−L4の間隙(interspace)に行う。脊髄針導入器(spinal needle introducer)を、患者に針を挿入し易くするために用いる。針が硬膜外腔に導入され、硬膜に穿孔する。脳脊髄液が出てくることが、針が適切な位置にあることの指標となる。約50mg/kgのSKを含んだオピオイド溶液を、10から15秒間隔で徐々に注入して投与する。溶液中のオピエートの濃度は、溶液中にp38MAPキナーゼ阻害剤が存在する事により、減らしている。その後、針を抜き、出来た創傷を処置(dressed)する。帝王切開は、標準的な手順に従って実施する。女性は、麻酔薬中のオピオイド濃度の減少により内蔵機能への抑制作用が減り、手術から急速に回復する。
【0127】
その技術分野の技術者にとって明らかである、発明を実施するための上述の態様の修正ないし改良は、後述する請求項の範囲内である事を意図している。本明細書の中で引用した全ての出版物、特許、及び特許出願は、あたかもそれら個々の出版物、特許、及び特許出願が具体的かつ個別的に参照により組み込まれるべく示されているように、ここに参照により組み込まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】(A)温熱性の逃避潜時について、くも膜下腔内に生理的食塩水、SD(60μg)、又はSB203580(SB)(30μg)を前投与(10分前)したラットへの、くも膜下腔内(IT)サブスタンスP(sP)(30nmol/10μL)注入による温熱性痛覚過敏の誘発後の時間と対比して、プロットした。(B)IT SD又はSBの後で観察された痛覚過敏の指標のパーセンテージ(# は、IT溶媒でIT sP無しの対照群との対比でP<0.001、及び、*は、IT溶媒+IT sPを受けた群との対比でP<0.001を示す)。(C)くも膜下腔内に生理的食塩水又はsP(30nmol/10μL)を注入した10分後のリン酸化p38MAPK(P−p38MAPK)(上段)と総p38MAPK(下段)を表すウエスタンブロットのバンド。(D)生理的食塩水、及びsP(30nmol/10μL)のIT注入4時間後に回収した脊髄におけるCOX−2及びCOX−1たんぱく質の発現を示す代表的なウエスタンブロット。IT SD(60μg)(−10分間 対 +5分間)は、事前投与では、COX−2の発現増加を抑制したが、事後投与では抑制しなかった。レーンは、異なるラットからのホモジネートを表しており、(+)は、精製されたウシCOX−2酵素を示す。
【図2】(A)Flinching行動について、くも膜下腔内へ生理的食塩水、SD(60μg)、又はSB(30μg)を前投与(−10min)されたラットの左下肢背側面へのホルマリン注入後の時間との対比でプロットした。(B)異なる用量のIT SD又はSBの後に観察された第2相(10−60分、総数)におけるflinchesの累積数。(p)は投与後(post−treatment)を示しており、足底へのホルマリン注入5分後に、くも膜下腔内にSDが投与された。(図2C−F)左下肢足底(IPLT)へのホルマリン投与2時間後の同側の後角におけるFOS陽性神経細胞の組織化学的検討:(C)溶媒投与ラット、(D)IT溶媒とIPLTホルマリンを受けたラット、又は、(E)IT SD(60μg)とIPLTホルマリンを受けたラット。(F)FOS一次抗体非存在下で組織処理を行ったホルマリン投与ラットの脊髄切片。(G)IT溶媒単独、IT溶媒+IPLTホルマリン、又は、IT SD(60μg)+IPLTホルマリン を受けた後の、ラット同側および対側後角におけるFOS陽性神経細胞の数を示した棒グラフ(n=4−6ラット/群、10切片/解析個体)。足底へのホルマリンは、FOS陽性神経細胞における同側性の有意な増加をもたらし#(p<0.001) 、また、この増加はIT SDの前投与で阻害された *(p<0.001、ホルマリン単独投与との比較)。
【図3】SD (60μg) 又は SB (30μg/10μL)をくも膜下腔内に前投与(−10min)されたラットへの、IPLTカラゲナン注入後の時間との対比で、温熱性刺激への逃避潜時(thermal escape latency) をプロットした。対照群は、溶媒のITのみで、カラゲナン投与は受けていない。(B)異なる用量の IT SD又はSBの後に観察された痛覚過敏の指標。 (#) は対照群(IT溶媒のみでカラゲナン無し)との比較でP<0.001を示し、(+) P<0.05及び (*) P<0.001は、溶媒投与のカラゲナン注入群との比較を示す。(C)触覚性の閾値 (tactile thresholds) (グラム)は、 生理的食塩水、又はSD (60μg)をくも膜下腔内へ前投与 (−10 min) した、ラットの片側踵へ温熱性傷害を加え、同側の肢で計測する。(D)異なる用量のIT SDの後に、痛覚過敏の指標を観察した。(p) はIT SD (60μg)の投与後を示しており、SD投与は温熱性傷害から5分後である。(#) は対照(溶媒ITのみで温熱性傷害は無い) との対比でP<0.001を表し、 (*)は、溶媒投与で温熱性傷害の群との対比で P<0.001を表す。
【図4】(A) IT 生理的食塩水、及び (B) IT サブスタンスP (sP) (30nmol/10μL)の10分後の、腰髄の後角におけるP−p38MAPK免疫反応性(緑色蛍光)。sPの後、後角の表層で、p38MAPKの免疫反応性が顕著に増大した。一次抗体とのインキュベーション無しの脊髄切片は、(C) 坑ウサギ二次抗体、又は、(D) 坑マウス二次抗体との非特異的な結合は見られなかった。(E) p38MAPKとマイクログリア様構造との共局在。切片は、坑P−p38MAPK (緑) および マイクログリアのマーカーである坑OX−43 (赤)で2重標識した。破線の囲み(dashed box)の中は、細胞の拡大撮影を示しており、それぞれ別個の(F) 坑OX−43染色(赤) および (G) 坑P−p38染色(緑)、そして (H) はOX−43及びP−p38標識の共局在(黄)である. サブスタンスP(30nmol/10μL)のITから10分後の腰髄後角において、p38MAPK免疫反応性(緑) と (I) 神経細胞のマーカー(Neu N)、(J) オリゴデンドロサイトのマーカー(APC)、又は(K) アストロサイトのマーカー(GFAP)との共局在は検出されなかった。I及びJへの挿入は、細胞の拡大写真である。切片E−Kは、核のマーカーであるDAPI (青)でも染色されている。
【図5】逃避潜時について、10μgのSAを前投与されたラットと対照ラットにおける、NMDA(0.3μg)のくも膜下腔内(IT) 投与による痛覚過敏の誘発後の時間と対比してプロットした。
【図6】Flinching 行動について、ラットの下肢足底(IPLT) へのカラゲナン注入による温熱性痛覚過敏の誘発後の時間と対比してプロットした。SEは、傷害の前に、図に示した用量を静脈内に投与した。
【図7】Flinching 行動について、ラットの下肢足底(IPLT) へのカラゲナン注入による温熱性痛覚過敏の誘発後の時間と対比してプロットした。SDは、侵害性事象の、前および後に、くも膜下腔内に投与した。
【図8】SCの投与効果に関する表データ。
【図9】Randall SelittoテストにおけるSC投与を受けたラットの肢引っ込め(paw withdrawal)のデータを表したグラフ。
【図10】Plantar テストにおけるSC投与を受けたラットの肢引っ込め(paw withdrawal)のデータを表したグラフ。
【図11】SAの投与効果に関する表データ。
【図12】(A−B) SA投与を受けたラットの肢引っ込め(paw withdrawal)のデータを表したグラフ; Randall Selittoテスト(A) および Plantarテスト(B)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
痛みを予防又は治療する必要のある哺乳動物に対して、治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤を投与することを含む哺乳動物における痛みの予防又は治療方法。
【請求項2】
前記p38MAPキナーゼ阻害剤が、式

で表される化合物から選択される請求項1に記載の方法であり、
ここで、
は、4-ピリジル、ピリミジニル、キノリル、イソキノリニル、キナゾリン-4-イル、1-イミダゾリル、1-ベンゾイミダゾリル、4-ピリダジニル、及び1,2,4-トリアジン-5-イル環から選択されるヘテロアリール環であり、該ヘテロアリール環はY、N(R10)C(O)R、ハロ置換モノ−若しくはジ−C1−6アルキル-置換アミノ、又はNHRにより1〜3回置換され、並びに、該ヘテロアリール環は、さらにC1−4アルキル、ハロゲン原子、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1−4アルコキシ、置換されていてもよいC1−4アルキルチオ、置換されていてもよいC1−4アルキルスルフィニル、CHOR12、アミノ、モノ-及びジ-C1−6アルキル-置換アミノ、NHR、N(R10)C(O)R、N(R10)S(O)、又はN-ヘテロシクリル環(該N-ヘテロシクリル環は5ないし7員から成り、酸素原子、硫黄原子、若しくはNR15から任意に選択される一つのヘテロ原子を含有)、により任意的に置換され;
Yは、X−Rであり;
は、酸素原子、又は硫黄原子であり;
は、C1−6アルキル、アリール、アリールC1−6アルキル、複素環、ヘテロシクリルC1−6アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−6アルキルであるが、これらの成分(moieties)について、その各々は任意的に置換されていてもよく;
は、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1−4アルキルであり;
は、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1−4アルキルであり;
は、水素原子であり;
は、フェニル、ナフス-1-イル、ナフス-2-イル、又はヘテロアリールであり、これらは任意的に1又は2の置換基によって置換され、それらの各々は独立して選択され、そして、4-フェニル、4-ナフス-1-イル、5-ナフス-2-イル、又は6-ナフス-2-イルの各置換基に対しては、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−C(Z)NR17、−C(Z)OR16、−(CR1020)COR12、−SR、−SOR、−OR12、ハロ置換-C1−4アルキル、C1−4アルキル、-ZC(Z)R12、−NR10C(Z)R16、又は−(CR1020)NR1020で、そして、置換基の他の位置に対しては、ハロゲン原子、シアノ、−C(Z)NR1314、−C(Z)OR、−(CR1020)m”COR、−S(O)、−OR、−OR12、ハロ置換C1−4アルキル、C1−4アルキル、−(CR1020)m”NR10C(Z)R、−NR10S(O)m’、−NR10S(O)m’NR17、-ZC(Z)R、-ZC(Z)R12、又は−(CR1020)m”NR1314であり;
は、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、又はRであり;
Zは、酸素原子、又は硫黄原子であり;
vは、0、1、又は2であり;
mは、0、1、又は2であり;
m’は、1、又は2であり;
m”は、0、1、2、3、4、又は5であり;
は、C1−10アルキルN、−(CR1020)n’OR、ヘテロシリル、ヘテロシシルC1−10アルキル、Cl−l0アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−10アルキル、C5−7シクロアルケニル、C5−7シクロアルケニルC1−10アルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、(CR1020)OR11、(CR1020)S(O)18、(CR1020)NHS(O)18、(CR1020)NR1314、(CR1020)NO、(CR1020)CN、(CR1020)n’SO18、(CR1020)S(O)m’NR1314、(CR1020)C(Z)R11、(CR1020)OC(Z)R11、(CR1020)C(Z)OR11、(CR1020)C(Z)NR1314、(CR1020)C(Z)NR11OR、(CR1020)NR10C(Z)R11、(CR1020)NR10C(Z)NR1314、(CR1020)N(OR)C(Z)NR1314、(CR1020)N(OR)C(Z)R11、(CR1020)C(=NOR)R11、(CR1020)NR10C(=NR19)NR1314、(CR1020)OC(Z)NR1314、(CR1020)NR10C(Z)NR1314、(CR1020)NR10C(Z)OR10、5-(R18)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、又は4-(R12)-5-(R1819)-4,5-ジハイドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルを示すが;この中で、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル アルキル、複素環、及び、複素環アルキルの各基については、任意的に置換されていてもよく;
nは、1から10までの整数であり;
n’は、0、又は、1から10までの整数であり;
は、水素原子、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、又はNR17を示すが、−SNR17である−SR及び−SOHである−S(O)R5は除外し;
は、水素原子、医薬的に許容しうるカチオン、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、ヘテロシクリル、アロイル、又はC1−10アルカノイルであり;
及びR17は水素原子若しくはC1−4アルキルより各々独立に選択され、又は、R及びR17は窒素原子と共に水素原子若しくはC1−4アルキルと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR15から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
は、C1−10アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、(CR1020)OR11、(CR1020)S(O)18、(CR1020)NHS(O)18、又は(CR1020)NR1314を示すが、このうち、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルは任意的に置換されていてもよく;
は、水素原子、−C(Z)R11、置換されていてもよいC1−10アルキル、S(O)18、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいアリールC1−4アルキルであり;
10及びR20は、互いに独立に、水素原子又はC1−4アルキルから選択され;
11は、水素原子、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−10アルキルであり;
12は、水素原子、又はR16であり;
13及びR14は水素原子、置換されていてもよいC1−4アルキル、置換されていてもよいアリール、若しくは置換されていてもよいアリールC1−4アルキルから互いに独立に選択され、又は、窒素原子と共にこれらと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNRから選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
15は、R10、又はC(Z)C1−4アルキルであり;
16は、C1−4アルキル、ハロ置換C1−4アルキル、又はC3−7シクロアルキルであり;
18は、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−10アルキルであり;並びに、
19は、水素原子、シアノ、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、又はアリールであり;
又は、それらの医薬的に許容しうる塩で、
或いは、ここで
、Y、X、R、R、R、v、m、m’、m”、Z、n、n’、及びRが上記のように定義され、並びに、
は、水素原子、C1−10アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−10アルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、(CR1028)OR12、(CR1028)n’OR13、(CR1028)n’S(O)25、(CR1028)S(O)25、(CR1028)n’NHS(O)25、(CR1028)n’NR、(CR1028)n’NO、(CR1028)n’CN、(CR1028)n’S(O)NR、(CR1028)n’C(Z)R13、(CR1028)n’C(Z)OR13、(CR1028)n’C(Z)NR、(CR1028)n'C(Z)NR13OR12、(CR1028)n’NR10C(Z)R13、(CR1028)n’NR10C(Z)NR、(CR1028)n’N(OR21)C(Z)NR、(CR1028)n’N(OR21)C(Z)R13、(CR1028)n’C(=NOR21)R13、(CR1028)n’NR10C(=NR27)NR、(CR1028)n’OC(Z)NR、(CR1028)n’NR10C(Z)OR10、(CR1028)n’NR10C(Z)OR10、5-(R25)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、又は4-(R12)-5-(R1819)-4,5-ジハイドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルを示すが;この中で、シクロアルキル、シクロアルキル アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルの成分は任意的に置換されていてもよく;
は、水素原子、又は、Q-(Y)であり;
Qは、一つかそれ以上のアリール又はヘテロアリール基であり;
tは、1、2、又は3であり;
は、水素原子、C1−5アルキル、ハロ置換C1−5アルキル、ハロゲン原子、又は−(CR1020)より、独立に選択され;
は、OR、NO、S(O)m”11、SR、S(O)m”OR、S(O)NR、NR、O(CR1020)n’NR、C(O)R、CO、CO(CR1020)n’CONR、ZC(O)R、CN、C(Z)NR、NR10C(Z)R、C(Z)NROR、NR10C(Z)NR、NR10S(O)m”11、N(OR21)C(Z)NR、N(OR21)C(Z)R、C(=NOR21)R、NR10C(=NR15)SR11、NR10C(=NR15)NR、NR10C(=CR1424)SR11、NR10C(=CR1424)NR、NR10C(O)C(O)NR、NR10C(O)C(O)OR10、C(=NR13)NR、C(=NOR13)NR、C(=NR13)ZR11、OC(Z)NR、NR10S(O)m”CF、NR10C(Z)OR10、5-(R18)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、又は4-(R12)-5-(R1819)-4,-5-ジハイドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルであり;
は、フェニル、ナフス-1-イル、若しくはナフス-2-イルであり、それらは1若しくは2個の置換基で任意的に置換されており、その各々は独立して選択され、そして、4-フェニル、4-ナフス-1-イル、若しくは5-ナフス-2-イルの置換基に対してはハロ、ニトロ、シアノ、C(Z)NR17、C(Z)OR23、(CR1020)COR36、SR、SOR、OR36、ハロ置換-C1−4アルキル、C1−4アルキル、ZC(Z)R36、NR10C(Z)R23、若しくは(CR1020)NR1020で、そして置換基の他の位置に対してはハロ、ニトロ、シアノ、C(Z)NR1626、C(Z)OR、(CR1020)m”COR、S(O)、OR、ハロ置換-C1−4アルキル、C1−4アルキル、(CR1020)m”NR10C(Z)R、NR10S(O)m’11、NR10S(O)m’NR17、ZC(Z)R、若しくは(CR1020)m”NR1626であり;
及びR17は水素原子若しくはC1−4アルキルより各々独立して選択され、又は、R及びR17は窒素原子と共に水素原子若しくはC1−4アルキルと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR22から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
は、水素原子、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、又はR11であり;
は、水素原子、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロアリールアルキルであり、又は、R及びRは窒素原子と共にこれらと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR12から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成していてもよく;
10およびR20は、互いに独立に、水素原子あるいはC1−4アルキルから選択され;
11は、C1−10アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;
12は、水素原子、−C(Z)R13、置換されていてもよいC1−4アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−4アルキル、又はS(O)25であり;
13は、水素原子、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−10アルキルであるが、これらの成分の全ては任意的に置換されていてもよい;
14およびR24は、互いに独立に、水素原子、アルキル、ニトロ、又はシアノから選択され;
15は、水素原子、シアノ、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、又はアリールであり;
16及びR26は水素原子、置換されていてもよいC1−4アルキル、置換されていてもよいアリール、若しくは置換されていてもよいアリールC1−4アルキルから互いに独立に選択され、又は、窒素原子と共にこれらと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR12から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
18及びR19は、水素原子、C1−4アルキル、置換アルキル、置換されていてもよいアリール、若しくは置換されていてもよいアリールアルキルから互いに独立に選択され、又は、一緒に酸素原子若しくは硫黄原子を表し;
21は、水素原子、医薬的に許容しうるカチオン、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、アロイル、又はC1−10アルカノイルであり;
22は、R10、又はC(Z)-C1−4アルキルであり;
23は、C1−4アルキル、ハロ置換-C1−4アルキル、又はC3−5シクロアルキルであり;
25は、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;
27は、水素原子、シアノ、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、又はアリールであり;
28は、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1−4アルキル基であるが、それらの全ては任意的に置換されていてもよく;並びに、
36は、水素原子、又はR23であり;
並びに、それらの医薬的に許容しうる塩である。
【請求項3】
前記p38MAPキナーゼ阻害剤が、式

で表わされる化合物、
及び、それらの医薬的に許容しうる塩、又はそれらの医薬組成物から選択される請求項1に記載の方法であり、ここで、

は、一重又は二重結合を表わし;
は一方がCA又はCRAで、かつ、他方がCR、CR、NR又はNであるが、但し、R、R及びRは互いに独立して水素又は非妨害性置換基であり;
AはCO(X)Y、但し、YはCOR又はそのアイソスターで、並びに、Rは水素又は非妨害性置換基であり、Xはおよそ2−6Åのスペーサーで、jは0又は1であり;
はNR又はOであり;
各Rは互いに独立した非妨害性置換基であり;
nは0−3;
及びLは、それぞれリンカーであり;
各Rは互いに独立した非妨害性置換基であり;
mは0−4であり;
はCR又はN、但し、Rは水素又は非妨害性置換基であり;
l及びkは各々0−2までの整数、但し、lとkの和は0−3であり;
Arは0−5個の非妨害性置換基で置換されたアリール基、但し、2つの非妨害性置換基が融合環を形成してもよく;並びに、
と連結したAr原子のα環の中心からの距離は、およそ4.5−24Åである。
【請求項4】
前記p38MAPキナーゼ阻害剤が、式

で表される化合物から選択される請求項1に記載の方法であり、
ここで、Aは、

ここで、
3’、R4’、R5’は、各々独立な、水素原子、ハロゲンによりペルハロまで任意的に置換されたC1−10アルキル、ハロゲンによりペルハロアルコキシまで任意的に置換されたC1−10アルコキシ、ハロゲン原子;NO、又はNHであり;
6’は、水素原子、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、−NHCOR;−NRCOR;NO

であり、
’、R’、又はR’のうち一つは、−X−Yであってもよく;或いは
二つの隣接したR’-R6’は共に5から12原子と一緒にアリール又はヘテロアリール環を形成してもよく、それは任意的にC1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−10アルケニル、C1−10アルカノイル、C6-12アリール、C-12ヘテロアリール、又はC6-12アラキルにより置換され;
は、ハロゲンによりペルハロまで任意的に置換されたC1−10アルキルであり;
Xは、−CH−、−S−、−N(CH)−、−NHC(O)−、−CH−S−、−S−CH−、−C(O)−、又は−O−であり;
さらにYがピリジル基である場合は、Xは単結合であり;
Yは、フェニル、ピリジル、ナフチル、ピリドン、ピラジン、ベンゾジオキサン、ベンゾピリジン、ピリミジン、又はベンゾチアゾールであるが、これらの各々はC1−10-アルキル、C1−10-アルコキシ、ハロゲン原子、OH、−SCH又はNOにより任意的に置換され、又はYがフェニルの場合は

により任意的に置換され
並びに、それらの医薬的に許容しうる塩;
或いは

ここで
は、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、ペルハロまで置換されたC-C10アルキル、及びペルハロまでのハロ置換C-C10シクロアルキルから成るグループより選択され;並びに
は、C-C14アリール、C-C14ヘテロアリール、置換されたC-C14アリール、又は置換されたC-C14ヘテロアリールで;
ここで、Rが置換された基である場合、ハロゲン原子、ペルハロまでのハロ置換、及びV(n=0−3で、各々のVが、−CN、−OC(O)NR5’、−CO、−C(O)NR、−OR、−SR、−NR5’、−C(O)R、−NRC(O)OR5’、−SO−SOR、−NRC(O)R’、−NO、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、C-C14アリール、C-C13ヘテロアリール、C-C24アルクアリール、C-C24アルクヘテロアリール、置換されたC-C10アルキル、置換されたC-C10シクロアルキル、置換されたC-C14アリール、置換されたC-C13ヘテロアリール、置換されたC-C24アルクアリール、及び、置換されたC-C24アルクヘテロアリールから成るグループより独立して選択され)から成るグループより独立して選択される1若しくはそれ以上の置換基で置換されることが好ましく;
ここでVが置換された基である場合、ハロゲン原子、ペルハロまでのハロ置換、−CN、−CO、−C(O)R、−C(O)NR5’、−NR5’、−OR、−SR、−NRC(O)R5’、−NRC(O)OR5’、及び、−NOから成るグループから独立して選択される1若しくはそれ以上の置換基で置換され;
並びに、RおよびR5’は、水素原子、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、C-C14アリール、C-C13ヘテロアリール、C-C24アルクアリール、C-C23アルクヘテロアリール、ペルハロまでのハロ置換C-C10アルキル、ペルハロまでのハロ置換C-C10シクロアルキル、ペルハロまでのハロ置換C-C14アリール、及び、ペルハロまでのハロ置換C-C13ヘテロアリールから成る群より独立して選択され;
並びに、それらの医薬的に許容しうる塩;
或いは
(C) 式−L−(M−Lの40炭素原子までの置換した成分
(但し、当該成分は、LがDに直接結合される5−から6−員環構造である場合には、Lは少なくとも5員の置換した環状成分を含み、Mは、少なくとも1つの原子を有する橋かけ基(bridging group)であり、qは、1〜3の整数であり;L及びLのそれぞれの環構造は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群の0〜4員のものを含み;
は、−SO、−C(O)R及び−C(NR)Rからなる群から選択される少なくとも1つの置換基により置換され;
は、水素原子又は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにペルハロまで任意にハロ置換される24の炭素原子までの炭素ベースの成分であり;
は、水素原子又は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲン、水酸基及び24の炭素原子までの炭素ベース置換基により任意に置換される30の炭素原子までの炭素ベースの成分であるが、当該24の炭素原子までの炭素ベース置換基は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換され;
は、R又はNRであるが、その場合、R及びRは、
i)独立して、水素原子、
N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲン、水酸基及び24の炭素原子までの炭素ベース置換基により任意に置換される30の炭素原子までの炭素ベース成分であって、当該24の炭素原子までの炭素ベース置換基が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換されるもの、或いは
が水素原子又は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲン、水酸基及び24の炭素原子までの炭素ベース置換基により任意に置換される24までの炭素ベース成分であって、当該24の炭素原子までの炭素ベース置換基が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換されるものである、−OSi(Rであり;或いは
ii)R及びRは、共に、N、S及びOから選択される1〜3のヘテロ原子の5〜7員の複素環構造、或いはハロゲン、水酸基、又はN、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換される24の炭素原子までの炭素ベース置換基、により置換される、N、S及びOから選択される1〜3のヘテロ原子の5〜7員の複素環構造を形成し;或いは
iii)R又はRのうち1つは、−C(O)−、C−Cの二価のアルキレン基又は、成分Lと結合して少なくとも5員の環状構造を形成する置換したC−Cの二価のアルキレン基であり、当該置換したC−Cの二価のアルキレン基の置換基は、ハロゲン、水酸基、並びにN、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み及びハロゲンにより任意に置換される24の炭素原子までの炭素ベース置換基、からなる群から選択される);
並びに、それらの医薬的に許容しうる塩であり;並びに
Bは、三環系まで置換していない若しくは置換した、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群(基)の0〜4員(環)を含む少なくとも1つの5−若しくは6−員の芳香族の化学構造を有する30の炭素までの原子を伴う、アリール又はヘテロアリール成分;
(但し、Bが置換される場合には、Bは、ペルハロまでなされるハロゲン及び、nが0〜3であるWからなる群から選択される1又はそれ以上の置換基により、置換され、それぞれのWは、独立して、−CN、−CO、−C(O)NR、−C(O)R、−NO、−OR、−SR、−NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、C1−10アルキル、C2−10−アルケニル、C1−10−アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C6−14アリール、C7−24アルカリール、C3−13ヘテロアリール、C4−23アルカヘテロアリール、置換したC1−10アルキル、置換したC2−10−アルケニル、置換したC1−10−アルコキシ、置換したC3−10シクロアルキル、置換したC4−23アルカヘテロアリール及び−Q−Arからなる群から選択され;
Wが置換基である場合には、Wは、−CN、−CO、−C(O)NR、−C(O)R、−NO、−OR、−SR、−NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R及びペルハロまでなされるハロゲンからなる群から独立して選択される1又はそれ以上の置換基により置換され;
それぞれのRは、独立して、H、C1−10アルキル、C2−10−アルケニル、C3−10シクロアルキル、C6−14アリール、C3−13ヘテロアリール、C7−24アルカリール、C4−23アルカヘテロアリール、ペルハロまで置換したC1−10アルキル、ペルハロまで置換したC2−10−アルケニル、ペルハロまで置換したC3−10シクロアルキル、ペルハロまで置換したC6−14アリール及びペルハロまで置換したC3−13ヘテロアリールから選択され;
Qは、−O−、−S−、−N(R)、−(CH)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−NRC(O)NR−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−(CHO−、−(CHS−、−(CHN(R)−、−O(CH−、−CHX−、−CX−、−S−(CH−及び−N(R)(CH−であり、この場合においてm=1〜3であり、Xは、ハロゲンであり;並びに
Arは、置換されていない、又はペルハロ置換までハロゲンにより置換され及び任意にZn1により置換される、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群(基)の0〜4員(環)を含む5〜10員の芳香族の化学構造であり、この場合においてn1は、0〜3であり、それぞれのZ置換基は独立して、−CN、−CO27、−C(O)NR77、−C(O)−NR7、−NO2、−OR7、−SR7、−NR77、−NR7C(O)OR7、−C(O)R7、−NR7C(O)R7、C1-10アルキル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C3-13ヘテロアリール、C7-24アルカリール、C4-23アルカヘテロアリール、置換したC1-10アルキル、置換したC3-10シクロアルキル、置換したC7-24アルカリール及び置換したC4-23アルカヘテロアリールからなる群から選択される;但し、Zの1又はそれ以上の置換基は、独立して、−CN、−CO27、−C(O)NR77、−OR7、−SR7、−NO2、−NR77、−NR7C(O)R7及び−NR7C(O)OR7からなる群から選択される);
並びに、それらの医薬的に許容しうる塩である。
【請求項5】
前記阻害剤がp38αキナーゼ阻害剤である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記阻害剤は、p38αキナーゼに対するIC50値が、p38MAPキナーゼの他のアイソフォームに対するIC50値に比較して、少なくとも10倍小さい値を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における痛覚の亢進状態を阻止する方法。
【請求項8】
前記亢進状態が痛覚過敏を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記亢進状態が異痛症を含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
痛みを予防又は治療する必要のある哺乳動物に、痛みを抑制及び/又は炎症を減弱する薬剤と組み合わせてp38キナーゼ阻害剤を、治療上有効量、投与することを含む、哺乳動物における痛みの予防又は治療方法。
【請求項11】
痛みを予防する必要のある哺乳動物に治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤を、侵害性刺激の前に、投与することを含む、哺乳動物における痛みの予防方法。
【請求項12】
痛みを予防する必要のある哺乳動物に、痛みを抑制及び/又は炎症を減弱する薬剤と組み合わせてp38キナーゼ阻害剤を、治療上有効量、投与することを含む、哺乳動物における痛みの予防方法。
【請求項13】
p38キナーゼ活性を抑制する候補化合物をアッセイし、哺乳動物細胞でp38キナーゼを抑制する化合物を、痛みを軽減又は抑制する化合物として、同定する事を含む、哺乳動物における痛みの予防又は治療に役立つ化合物を同定する方法。
【請求項14】
痛みを予防又は治療する必要のある哺乳動物に、請求項13に記載の方法により同定した化合物を投与することを含む、哺乳動物における痛みの予防又は治療方法。
【請求項15】
哺乳動物の痛みを予防又は治療するための、薬物の製造における、治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤の使用。
【請求項16】
前記p38MAPキナーゼ阻害剤が、式

で表される化合物から選択される請求項15に記載の使用であり、
ここで、
は、4-ピリジル、ピリミジニル、キノリル、イソキノリニル、キナゾリン-4-イル、1-イミダゾリル、1-ベンゾイミダゾリル、4-ピリダジニル、及び1,2,4-トリアジン-5-イル環から選択されるヘテロアリール環であり、該ヘテロアリール環はY、N(R10)C(O)R、ハロ置換モノ−若しくはジ−C1−6アルキル-置換アミノ、又はNHRにより1〜3回置換され、並びに、該ヘテロアリール環は、さらにC1−4アルキル、ハロゲン原子、ヒドロキシル、置換されていてもよいC1−4アルコキシ、置換されていてもよいC1−4アルキルチオ、置換されていてもよいC1−4アルキルスルフィニル、CHOR12、アミノ、モノ-及びジ-C1−6アルキル-置換アミノ、NHR、N(R10)C(O)R、N(R10)S(O)、又はN-ヘテロシクリル環(該N-ヘテロシクリル環は5ないし7員から成り、酸素原子、硫黄原子、若しくはNR15から任意に選択される一つのヘテロ原子を含有)、により任意的に置換され;
Yは、X−Rであり;
は、酸素原子、又は硫黄原子であり;
は、C1−6アルキル、アリール、アリールC1−6アルキル、複素環、ヘテロシクリルC1−6アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−6アルキルであるが、これらの成分(moieties)について、その各々は任意的に置換されていてもよく;
は、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1−4アルキルであり;
は、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1−4アルキルであり;
は、水素原子であり;
は、フェニル、ナフス-1-イル、ナフス-2-イル、又はヘテロアリールであり、これらは任意的に1又は2の置換基によって置換され、それらの各々は独立して選択され、そして、4-フェニル、4-ナフス-1-イル、5-ナフス-2-イル、又は6-ナフス-2-イルの各置換基に対しては、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、−C(Z)NR17、−C(Z)OR16、−(CR1020)COR12、−SR、−SOR、−OR12、ハロ置換-C1−4アルキル、C1−4アルキル、-ZC(Z)R12、−NR10C(Z)R16、又は−(CR1020)NR1020で、そして、置換基の他の位置に対しては、ハロゲン原子、シアノ、−C(Z)NR1314、−C(Z)OR、−(CR1020)m”COR、−S(O)、−OR、−OR12、ハロ置換C1−4アルキル、C1−4アルキル、−(CR1020)m”NR10C(Z)R、−NR10S(O)m’、−NR10S(O)m’NR17、-ZC(Z)R、-ZC(Z)R12、又は−(CR1020)m”NR1314であり;
は、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、又はRであり;
Zは、酸素原子、又は硫黄原子であり;
vは、0、1、又は2であり;
mは、0、1、又は2であり;
m’は、1、又は2であり;
m”は、0、1、2、3、4、又は5であり;
は、C1−10アルキルN、−(CR1020)n’OR、ヘテロシリル、ヘテロシシルC1−10アルキル、Cl−l0アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−10アルキル、C5−7シクロアルケニル、C5−7シクロアルケニルC1−10アルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、(CR1020)OR11、(CR1020)S(O)18、(CR1020)NHS(O)18、(CR1020)NR1314、(CR1020)NO、(CR1020)CN、(CR1020)n’SO18、(CR1020)S(O)m’NR1314、(CR1020)C(Z)R11、(CR1020)OC(Z)R11、(CR1020)C(Z)OR11、(CR1020)C(Z)NR1314、(CR1020)C(Z)NR11OR、(CR1020)NR10C(Z)R11、(CR1020)NR10C(Z)NR1314、(CR1020)N(OR)C(Z)NR1314、(CR1020)N(OR)C(Z)R11、(CR1020)C(=NOR)R11、(CR1020)NR10C(=NR19)NR1314、(CR1020)OC(Z)NR1314、(CR1020)NR10C(Z)NR1314、(CR1020)NR10C(Z)OR10、5-(R18)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、又は4-(R12)-5-(R1819)-4,5-ジハイドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルを示すが;この中で、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル アルキル、複素環、及び、複素環アルキルの各基については、任意的に置換されていてもよく;
nは、1から10までの整数であり;
n’は、0、又は、1から10までの整数であり;
は、水素原子、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、又はNR17を示すが、−SNR17である−SR及び−SOHである−S(O)R5は除外し;
は、水素原子、医薬的に許容しうるカチオン、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、ヘテロシクリル、アロイル、又はC1−10アルカノイルであり;
及びR17は水素原子若しくはC1−4アルキルより各々独立に選択され、又は、R及びR17は窒素原子と共に水素原子若しくはC1−4アルキルと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR15から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
は、C1−10アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、(CR1020)OR11、(CR1020)S(O)18、(CR1020)NHS(O)18、又は(CR1020)NR1314を示すが、このうち、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロアリールアルキルは任意的に置換されていてもよく;
は、水素原子、−C(Z)R11、置換されていてもよいC1−10アルキル、S(O)18、置換されていてもよいアリール、又は置換されていてもよいアリールC1−4アルキルであり;
10及びR20は、互いに独立に、水素原子又はC1−4アルキルから選択され;
11は、水素原子、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−10アルキルであり;
12は、水素原子、又はR16であり;
13及びR14は水素原子、置換されていてもよいC1−4アルキル、置換されていてもよいアリール、若しくは置換されていてもよいアリールC1−4アルキルから互いに独立に選択され、又は、窒素原子と共にこれらと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNRから選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
15は、R10、又はC(Z)C1−4アルキルであり;
16は、C1−4アルキル、ハロ置換C1−4アルキル、又はC3−7シクロアルキルであり;
18は、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−10アルキルであり;並びに、
19は、水素原子、シアノ、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、又はアリールであり;
又は、それらの医薬的に許容しうる塩で、
或いは、ここで
、Y、X、R、R、R、v、m、m’、m”、Z、n、n’、及びRが上記のように定義され、並びに、
は、水素原子、C1−10アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキルC1−10アルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、(CR1028)OR12、(CR1028)n’OR13、(CR1028)n’S(O)25、(CR1028)S(O)25、(CR1028)n’NHS(O)25、(CR1028)n’NR、(CR1028)n’NO、(CR1028)n’CN、(CR1028)n’S(O)NR、(CR1028)n’C(Z)R13、(CR1028)n’C(Z)OR13、(CR1028)n’C(Z)NR、(CR1028)n'C(Z)NR13OR12、(CR1028)n’NR10C(Z)R13、(CR1028)n’NR10C(Z)NR、(CR1028)n’N(OR21)C(Z)NR、(CR1028)n’N(OR21)C(Z)R13、(CR1028)n’C(=NOR21)R13、(CR1028)n’NR10C(=NR27)NR、(CR1028)n’OC(Z)NR、(CR1028)n’NR10C(Z)OR10、(CR1028)n’NR10C(Z)OR10、5-(R25)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、又は4-(R12)-5-(R1819)-4,5-ジハイドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルを示すが;この中で、シクロアルキル、シクロアルキル アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルの成分は任意的に置換されていてもよく;
は、水素原子、又は、Q-(Y)であり;
Qは、一つかそれ以上のアリール又はヘテロアリール基であり;
tは、1、2、又は3であり;
は、水素原子、C1−5アルキル、ハロ置換C1−5アルキル、ハロゲン原子、又は−(CR1020)より、独立に選択され;
は、OR、NO、S(O)m”11、SR、S(O)m”OR、S(O)NR、NR、O(CR1020)n’NR、C(O)R、CO、CO(CR1020)n’CONR、ZC(O)R、CN、C(Z)NR、NR10C(Z)R、C(Z)NROR、NR10C(Z)NR、NR10S(O)m”11、N(OR21)C(Z)NR、N(OR21)C(Z)R、C(=NOR21)R、NR10C(=NR15)SR11、NR10C(=NR15)NR、NR10C(=CR1424)SR11、NR10C(=CR1424)NR、NR10C(O)C(O)NR、NR10C(O)C(O)OR10、C(=NR13)NR、C(=NOR13)NR、C(=NR13)ZR11、OC(Z)NR、NR10S(O)m”CF、NR10C(Z)OR10、5-(R18)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、又は4-(R12)-5-(R1819)-4,-5-ジハイドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルであり;
は、フェニル、ナフス-1-イル、若しくはナフス-2-イルであり、それらは1若しくは2個の置換基で任意的に置換されており、その各々は独立して選択され、そして、4-フェニル、4-ナフス-1-イル、若しくは5-ナフス-2-イルの置換基に対してはハロ、ニトロ、シアノ、C(Z)NR17、C(Z)OR23、(CR1020)COR36、SR、SOR、OR36、ハロ置換-C1−4アルキル、C1−4アルキル、ZC(Z)R36、NR10C(Z)R23、若しくは(CR1020)NR1020で、そして置換基の他の位置に対してはハロ、ニトロ、シアノ、C(Z)NR1626、C(Z)OR、(CR1020)m”COR、S(O)、OR、ハロ置換-C1−4アルキル、C1−4アルキル、(CR1020)m”NR10C(Z)R、NR10S(O)m’11、NR10S(O)m’NR17、ZC(Z)R、若しくは(CR1020)m”NR1626であり;
及びR17は水素原子若しくはC1−4アルキルより各々独立して選択され、又は、R及びR17は窒素原子と共に水素原子若しくはC1−4アルキルと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR22から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
は、水素原子、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、又はR11であり;
は、水素原子、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、若しくはヘテロアリールアルキルであり、又は、R及びRは窒素原子と共にこれらと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR12から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成していてもよく;
10およびR20は、互いに独立に、水素原子あるいはC1−4アルキルから選択され;
11は、C1−10アルキル、ハロ置換C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−7シクロアルキル、C5−7シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;
12は、水素原子、−C(Z)R13、置換されていてもよいC1−4アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−4アルキル、又はS(O)25であり;
13は、水素原子、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールC1−10アルキルであるが、これらの成分の全ては任意的に置換されていてもよい;
14およびR24は、互いに独立に、水素原子、アルキル、ニトロ、又はシアノから選択され;
15は、水素原子、シアノ、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、又はアリールであり;
16及びR26は水素原子、置換されていてもよいC1−4アルキル、置換されていてもよいアリール、若しくは置換されていてもよいアリールC1−4アルキルから互いに独立に選択され、又は、窒素原子と共にこれらと結合して5から7員の複素環(該環は酸素原子、硫黄原子、若しくはNR12から選択される一個以上の付加的なヘテロ原子を任意的に含む)を形成し;
18及びR19は、水素原子、C1−4アルキル、置換アルキル、置換されていてもよいアリール、若しくは置換されていてもよいアリールアルキルから互いに独立に選択され、又は、一緒に酸素原子若しくは硫黄原子を表し;
21は、水素原子、医薬的に許容しうるカチオン、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、アロイル、又はC1−10アルカノイルであり;
22は、R10、又はC(Z)-C1−4アルキルであり;
23は、C1−4アルキル、ハロ置換-C1−4アルキル、又はC3−5シクロアルキルであり;
25は、C1−10アルキル、C3−7シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルC1−10アルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;
27は、水素原子、シアノ、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、又はアリールであり;
28は、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−4アルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルC1−4アルキル基であるが、それらの全ては任意的に置換されていてもよく;並びに、
36は、水素原子、又はR23であり;
並びに、それらの医薬的に許容しうる塩である。
【請求項17】
前記p38MAPキナーゼ阻害剤が、式

で表される化合物、
及び、それらの医薬的に許容しうる塩、又はそれらの医薬組成物から選択される請求項15に記載の使用で、ここで、

は、一重又は二重結合を表わし;
は一方がCA又はCRAで、かつ、他方がCR、CR、NR又はNであるが、但し、R、R及びRは互いに独立して水素又は非妨害性置換基であり;
AはCO(X)Y、但し、YはCOR又はそのアイソスターで、並びに、Rは水素又は非妨害性置換基であり、Xはおよそ2−6Åのスペーサーで、jは0又は1であり;
はNR又はOであり;
各Rは互いに独立した非妨害性置換基であり;
nは0−3;
及びLは、それぞれリンカーであり;
各Rは互いに独立した非妨害性置換基であり;
mは0−4であり;
はCR又はN、但し、Rは水素又は非妨害性置換基であり;
l及びkは各々0−2までの整数、但し、lとkの和は0−3であり;
Arは0−5個の非妨害性置換基で置換されたアリール基、但し、2つの非妨害性置換基が融合環を形成してもよく;並びに、
と連結したAr原子のα環の中心からの距離は、およそ4.5−24Åである。
【請求項18】
前記p38MAPキナーゼ阻害剤が、式

で表される化合物から選択される請求項15に記載の使用であり、
ここで、Aは、

ここで、
3’、R4’、R5’は、各々独立な、水素原子、ハロゲンによりペルハロまで任意的に置換されたC1−10アルキル、ハロゲンによりペルハロアルコキシまで任意的に置換されたC1−10アルコキシ、ハロゲン原子;NO、又はNHであり;
6’は、水素原子、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、−NHCOR;−NRCOR;NO

であり、
’、R’、又はR’のうち一つは、−X−Yであってもよく;或いは
二つの隣接したR’-R6’は共に5から12原子と一緒にアリール又はヘテロアリール環を形成してもよく、それは任意的にC1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C2−10アルケニル、C1−10アルカノイル、C6-12アリール、C-12ヘテロアリール、又はC6-12アラキルにより置換され;
は、ハロゲンによりペルハロまで任意的に置換されたC1−10アルキルであり;
Xは、−CH−、−S−、−N(CH)−、−NHC(O)−、−CH−S−、−S−CH−、−C(O)−、又は−O−であり;
さらにYがピリジル基である場合は、Xは単結合であり;
Yは、フェニル、ピリジル、ナフチル、ピリドン、ピラジン、ベンゾジオキサン、ベンゾピリジン、ピリミジン、又はベンゾチアゾールであるが、これらの各々はC1−10-アルキル、C1−10-アルコキシ、ハロゲン原子、OH、−SCH又はNOにより任意的に置換され、又はYがフェニルの場合は

により任意的に置換され
並びに、それらの医薬的に許容しうる塩;
或いは

ここで
は、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、ペルハロまで置換されたC-C10アルキル、及びペルハロまでのハロ置換C-C10シクロアルキルから成るグループより選択され;並びに
は、C-C14アリール、C-C14ヘテロアリール、置換されたC-C14アリール、又は置換されたC-C14ヘテロアリールで;
ここで、Rが置換された基である場合、ハロゲン原子、ペルハロまでのハロ置換、及びV(n=0−3で、各々のVが、−CN、−OC(O)NR5’、−CO、−C(O)NR、−OR、−SR、−NR5’、−C(O)R、−NRC(O)OR5’、−SO−SOR、−NRC(O)R’、−NO、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、C-C14アリール、C-C13ヘテロアリール、C-C24アルクアリール、C-C24アルクヘテロアリール、置換されたC-C10アルキル、置換されたC-C10シクロアルキル、置換されたC-C14アリール、置換されたC-C13ヘテロアリール、置換されたC-C24アルクアリール、及び、置換されたC-C24アルクヘテロアリールから成るグループより独立して選択され)から成るグループより独立して選択される1若しくはそれ以上の置換基で置換されることが好ましく;
ここでVが置換された基である場合、ハロゲン原子、ペルハロまでのハロ置換、−CN、−CO、−C(O)R、−C(O)NR5’、−NR5’、−OR、−SR、−NRC(O)R5’、−NRC(O)OR5’、及び、−NOから成るグループから独立して選択される1若しくはそれ以上の置換基で置換され;
並びに、RおよびR5’は、水素原子、C-C10アルキル、C-C10シクロアルキル、C-C14アリール、C-C13ヘテロアリール、C-C24アルクアリール、C-C23アルクヘテロアリール、ペルハロまでのハロ置換C-C10アルキル、ペルハロまでのハロ置換C-C10シクロアルキル、ペルハロまでのハロ置換C-C14アリール、及び、ペルハロまでのハロ置換C-C13ヘテロアリールから成る群より独立して選択され;
並びに、それらの医薬的に許容しうる塩;
或いは
(C) 式−L−(M−Lの40炭素原子までの置換した成分
(但し、当該成分は、LがDに直接結合される5−から6−員環構造である場合には、Lは少なくとも5員の置換した環状成分を含み、Mは、少なくとも1つの原子を有する橋かけ基(bridging group)であり、qは、1〜3の整数であり;L及びLのそれぞれの環構造は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群の0〜4員のものを含み;
は、−SO、−C(O)R及び−C(NR)Rからなる群から選択される少なくとも1つの置換基により置換され;
は、水素原子又は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにペルハロまで任意にハロ置換される24の炭素原子までの炭素ベースの成分であり;
は、水素原子又は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲン、水酸基及び24の炭素原子までの炭素ベース置換基により任意に置換される30の炭素原子までの炭素ベースの成分であるが、当該24の炭素原子までの炭素ベース置換基は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換され;
は、R又はNRであるが、その場合、R及びRは、
i)独立して、水素原子、
N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲン、水酸基及び24の炭素原子までの炭素ベース置換基により任意に置換される30の炭素原子までの炭素ベース成分であって、当該24の炭素原子までの炭素ベース置換基が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換されるもの、或いは
が水素原子又は、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲン、水酸基及び24の炭素原子までの炭素ベース置換基により任意に置換される24までの炭素ベース成分であって、当該24の炭素原子までの炭素ベース置換基が、N、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換されるものである、−OSi(Rであり;或いは
ii)R及びRは、共に、N、S及びOから選択される1〜3のヘテロ原子の5〜7員の複素環構造、或いはハロゲン、水酸基、又はN、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み並びにハロゲンにより任意に置換される24の炭素原子までの炭素ベース置換基、により置換される、N、S及びOから選択される1〜3のヘテロ原子の5〜7員の複素環構造を形成し;或いは
iii)R又はRのうち1つは、−C(O)−、C−Cの二価のアルキレン基又は、成分Lと結合して少なくとも5員の環状構造を形成する置換したC−Cの二価のアルキレン基であり、当該置換したC−Cの二価のアルキレン基の置換基は、ハロゲン、水酸基、並びにN、S及びOから選択されるヘテロ原子を任意に含み及びハロゲンにより任意に置換される24の炭素原子までの炭素ベース置換基、からなる群から選択される);
並びに、それらの医薬的に許容しうる塩であり;並びに
Bは、三環系まで置換していない若しくは置換した、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群(基)の0〜4員(環)を含む少なくとも1つの5−若しくは6−員の芳香族の化学構造を有する30の炭素までの原子を伴う、アリール又はヘテロアリール成分;
(但し、Bが置換される場合には、Bは、ペルハロまでなされるハロゲン及び、nが0〜3であるWからなる群から選択される1又はそれ以上の置換基により、置換され、それぞれのWは、独立して、−CN、−CO、−C(O)NR、−C(O)R、−NO、−OR、−SR、−NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R、C1−10アルキル、C2−10−アルケニル、C1−10−アルコキシ、C3−10シクロアルキル、C6−14アリール、C7−24アルカリール、C3−13ヘテロアリール、C4−23アルカヘテロアリール、置換したC1−10アルキル、置換したC2−10−アルケニル、置換したC1−10−アルコキシ、置換したC3−10シクロアルキル、置換したC4−23アルカヘテロアリール及び−Q−Arからなる群から選択され;
Wが置換基である場合には、Wは、−CN、−CO、−C(O)NR、−C(O)R、−NO、−OR、−SR、−NR、−NRC(O)OR、−NRC(O)R及びペルハロまでなされるハロゲンからなる群から独立して選択される1又はそれ以上の置換基により置換され;
それぞれのRは、独立して、H、C1−10アルキル、C2−10−アルケニル、C3−10シクロアルキル、C6−14アリール、C3−13ヘテロアリール、C7−24アルカリール、C4−23アルカヘテロアリール、ペルハロまで置換したC1−10アルキル、ペルハロまで置換したC2−10−アルケニル、ペルハロまで置換したC3−10シクロアルキル、ペルハロまで置換したC6−14アリール及びペルハロまで置換したC3−13ヘテロアリールから選択され;
Qは、−O−、−S−、−N(R)、−(CH)−、−C(O)−、−CH(OH)−、−NRC(O)NR−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−(CHO−、−(CHS−、−(CHN(R)−、−O(CH−、−CHX−、−CX−、−S−(CH−及び−N(R)(CH−であり、この場合においてm=1〜3であり、Xは、ハロゲンであり;並びに
Arは、置換されていない、又はペルハロ置換までハロゲンにより置換され及び任意にZn1により置換される、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群(基)の0〜4員(環)を含む5〜10員の芳香族の化学構造であり、この場合においてn1は、0〜3であり、それぞれのZ置換基は独立して、−CN、−CO27、−C(O)NR77、−C(O)−NR7、−NO2、−OR7、−SR7、−NR77、−NR7C(O)OR7、−C(O)R7、−NR7C(O)R7、C1-10アルキル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C3-13ヘテロアリール、C7-24アルカリール、C4-23アルカヘテロアリール、置換したC1-10アルキル、置換したC3-10シクロアルキル、置換したC7-24アルカリール及び置換したC4-23アルカヘテロアリールからなる群から選択される;但し、Zの1又はそれ以上の置換基は、独立して、−CN、−CO27、−C(O)NR77、−OR7、−SR7、−NO2、−NR77、−NR7C(O)R7及び−NR7C(O)OR7からなる群から選択される);
並びに、それらの医薬的に許容しうる塩である。
【請求項19】
前記阻害剤がp38αキナーゼの阻害剤である、請求項15から18のいずれかに記載の使用。
【請求項20】
前記阻害剤は、p38αキナーゼに対するIC50値が、p38MAPキナーゼの他のアイソフォームに対するIC50値に比較して、少なくとも10倍小さい値を示す、請求項15から18のいずれかに記載の使用。
【請求項21】
哺乳動物が痛覚の亢進状態に対して感受性のある、請求項15から18のいずれかに記載の使用。
【請求項22】
前記亢進状態が痛覚過敏を含む請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記亢進状態が異痛症を含む請求項21に記載の使用。
【請求項24】
更に、痛みの抑制作用及び/又は炎症を弱める作用が、薬物に治療上有効量含まれる、請求項15から23のいずれかに記載の使用。
【請求項25】
痛みを予防する必要のある哺乳動物に治療上有効量のp38キナーゼ阻害剤を、侵害性刺激の前に、投与することを含む、請求項15から23のいずれかに記載の使用。

【公表番号】特表2006−503025(P2006−503025A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−534535(P2004−534535)
【出願日】平成15年9月5日(2003.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2003/027631
【国際公開番号】WO2004/021988
【国際公開日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(504177206)サイオス インク. (5)
【出願人】(305046169)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (1)
【Fターム(参考)】