インスリンおよびGLP−1の放出を調節するTRPM5阻害物質
本発明は、インスリン放出、GLP−1放出、およびインスリン感受性を強化する方法、インスリン遺伝子発現を増加する方法、胃液分泌および胃内容排出およびグルカゴン分泌を減少させる方法、および食物の摂取を抑制する方法、並びに真性糖尿病、インスリン抵抗症候群、高血糖症、および肥満症を処置する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質を対象に投与することを含む方法に関する。本発明は、インスリンの分泌を強化するためのTRPM5阻害物質の使用を目的とする。したがって、本発明により、インスリンの増加に確実に反応する真性糖尿病などの症状を処置するために、TRPM5阻害物質を使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効量のTRPM5阻害物質、例えば、本明細書に定義する式Iによる化合物を対象に投与することによって、インスリン放出を強化し、GLP−1の放出を強化し、インスリン感受性を増加し、インスリン遺伝子発現を増加し、胃液分泌を減少させ、胃内容排出を減少させ、グルカゴン分泌を減少させる方法に関する。本発明は、有効量のTRPM5阻害物質、例えば、本明細書に定義する式Iによる化合物を対象に投与することによって、真性糖尿病、インスリン抵抗症候群、高血糖症、および肥満症を処置する方法にも関する。本発明はさらに、上記疾病の処置を必要とする動物、好ましくはヒトまたはその他の哺乳類において上記疾病を処置する際に、こうしたTRPM5阻害物質を使用する方法、および処置に有用な医薬組成物に関する。本発明の上記およびその他の態様について、以下で詳細に説明する。
【背景技術】
【0002】
真性糖尿病は、異常なインスリン産生、尿量の増加、および血糖値の上昇を特徴とする症候群である。ヒトの膵臓のβ細胞によるインスリン産生レベルに基づいて説明することが可能なサブクラスは、主に2つある。1つは、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM、つまり1型)であり、若年期に顕著であったため、正式には若年発症糖尿病と呼ばれる。1型糖尿病の場合、膵臓のβ細胞が、身体自体の免疫系によって破壊されているため、インスリンが殆どあるいはまったく産生されない。糖尿病患者全体の5〜10%はIDDMである(非特許文献1)。もう一方のタイプは、インスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM、または2型)であり、成人発症型糖尿病と呼ばれることが多い。2型糖尿病の場合、膵臓のβ細胞はインスリンを産生するが、正常な血糖値を維持するには十分な量ではない。2型糖尿病は、細胞上のインスリン機能の有効性に影響する分子機構(molecular machinery)の悪化(例えば、インスリン抵抗性および不適切なインスリン放出)から生じる。糖尿病患者全体の90〜95%はNIDDMである(非特許文献2)。
【0003】
2型糖尿病は深刻な医療問題であり、その発症は増加している。1990年から1998年にかけて、米国におけるNIDDMの有病率は33%増加し、約1,300万人に達した。さらに500万人が診断未確定のNIDDMと考えられ、さらに1,400万人が耐糖能異常である。糖尿病に関連する直接医療費は、1997年には440億ドルに達し、これは、主に、高血糖症関連の糖尿病合併症、例えば糖尿病性血管障害、アテローム性動脈硬化、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、並びに糖尿病性眼合併症、例えば網膜症、白内障形成、および緑内障によるものである。
【0004】
インスリンの代謝作用に対する抵抗性は、インスリン非依存性糖尿病の主な特徴の1つである。インスリン抵抗性は、インスリン感受性標的器官、例えば脂肪細胞および骨格筋におけるグルコースの摂取および利用が損なわれ、肝臓のグルコース産生の阻害が損なわれることに特徴がある。インスリンが機能的に欠損したり停止したりすると、肝臓のグルコース産生が抑制され、空腹時高血糖症を生じる。膵臓のβ細胞は、インスリンを増量して分泌することによってインスリン抵抗性を補償する。しかし、β細胞は、インスリン産生量を上記のように高く維持することはできないので、結局、グルコース誘発によるインスリン放出は失敗する。これは、グルコース恒常性の悪化につながり、その後、顕性糖尿病への進行を招く。
【0005】
グルコースの利用およびインスリン抵抗性の障害に関連するその他の代謝異常としては、インスリン抵抗性症候群(以下、「IRS」と呼ぶ)が挙げられ、これは、インスリン抵抗性;高インスリン血症;インスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM);動脈性高血圧;中心性(内臓)肥満症;および脂質異常症を含む徴候群を意味する。
【0006】
インスリン抵抗性治療、ひいては糖尿病治療の主な目標は、血糖値を下げて、急性および長期間にわたる疾病を予防することである。人によっては、食生活の改善および運動量の増加は、グルコースコントロールの目標を達成するのに功を奏する治療法の選択肢であり得る。食生活の改善および運動量の増加では十分とならない場合、経口抗糖尿病薬を使用する薬物療法が開始される。
【0007】
膵臓が正常に機能しないまま生活している糖尿病患者は多数いるため、インスリン放出のコントロールは非常に重要である。糖尿病のタイプによっては、インスリンの総レベルは、正常な血糖値を維持するのに必要なレベル未満に減少する。他のタイプでは、必要なインスリンは産生されても、血糖値の上昇後、信じられないほど遅くならないと、必要なインスリンは産生されない。さらに、何らかの原因で、体がインスリンの作用に耐性を示す場合もある。糖尿病の調節が不十分であると、糖尿病性合併症の原因になる可能性がある。糖尿病性合併症は、2型患者に一般的であり、患者の約50%が診断時に1つまたは複数の合併症に罹患している(非特許文献3)。
【0008】
注射による外因性インスリンは、糖尿病を管理するために臨床的に使用されるが、いくつかの欠点がある。インスリンはタンパク質であり、消化および分解によって経口で摂取することはできないため、注射しなければならない。インスリンの投与によって血糖値を良好にコントロールすることは、必ずしも可能ではない。時にはインスリン抵抗性が生じ、通常よりはるかに多量のインスリンが必要となる。インスリンのもう1つの欠点は、インスリンはホルモンの異常をコントロールし得るが、必ずしも、神経障害、網膜症、糸球体硬化症、および心臓血管疾患などの合併症の発症を予防しないことである。インスリンは、主に、2つの標的組織、つまり肝臓および筋肉に作用することによって、グルコース恒常性を調整する。肝臓は、グルコースを産生する唯一の部位であり、骨格筋は、インスリンの媒介によりグルコースを摂取する主な部位である。
【0009】
2型糖尿病の処置に有用な薬物には、いくつかの種類がある:1)インスリン放出物質であり、これは、インスリンの放出を直接刺激し、低血糖のリスクがある;2)食事中のインスリン放出物質であり、これは、グルコース誘発インスリン放出を促進し、毎食前に摂取しなければならない;3)メトホルミンを含むビグアニドであり、これは、肝臓の糖新生(糖尿病において逆説的に上昇する)を減少させる;4)インスリン増感剤、例えばチアゾリジンジオン誘導体、つまりロシグリタゾンおよびピオグリタゾンであり、これは、インスリンに対する周囲の反応を改善するが、体重増加、浮腫、場合によっては肝毒性などの副作用がある;5)インスリン注射であり、これは、膵島が、慢性の過刺激状態で不全になる2型糖尿病の末期の段階で必要になる場合が多い。現在の経口抗糖尿病療法の効果は限られているが、それは、一部には、血糖コントロールが不十分であるか、または限られているか、あるいは受け入れがたい副作用により、患者のコンプライアンスが不十分であるためである。こうした副作用としては、浮腫、体重増加、低血糖、およびさらに重大な合併症が挙げられる。
【0010】
インスリン分泌促進剤は、軽度から中度の空腹時高血糖症の2型糖尿病患者の標準的な治療法である。インスリン分泌腺としては、スルホニル尿素(SFU)および非スルホニル尿素、ナテグリニド、およびペパグリニドが挙げられる。スルホニル尿素は、次の2つのサブカテゴリに細分される:第1世代の薬剤、例えばトルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、および第2世代の薬剤、例えばグリブリド(グリベンクラミド)、グリピジド、およびグリクラジド。
【0011】
インスリン分泌促進剤は、低血糖を誘発したり、体重増加を誘発したり、一次および二次無効を高率で誘発したりする可能性があるという制約がある。患者の約10〜20%は、処置の始めから著しい処置効果を示さない(一次無効)。インスリン分泌促進剤による処置から6ヵ月後に、処置効果がさらに20〜30%失われることによって、二次無効であることが証明される。インスリン分泌促進剤の応答者の50%は、治療から5〜7年後にインスリン処置が必要となる(非特許文献4)。ナテグリニドおよびペパグリニドは、1日に3回摂取する必要がある短時間作用型薬物である。これらは、食後グルコースのコントロールにのみ使用され、空腹時グルコースのコントロールには使用されない。
【0012】
スルホニル尿素による処置は、血糖値が正常値未満に低下すると発生する低血糖(つまり、インスリンショック)の危険性を増加させる(非特許文献5)。
【0013】
消化管タンパク質ホルモンによる処置は、真性糖尿病を処置するもう1つの方法として可能性がある。消化管タンパク質ホルモンとしては、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)およびグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)が挙げられるが、これらだけに限らない。消化管タンパク質ホルモンは、食物の摂取後のランゲルハンス島のβ細胞からのインスリン合成および分泌を刺激し、それによって血糖値を低下させる。さらに、グルコースの経口投与は、静脈内グルコース投与量に比べると、血漿グルコース濃度が似ているにも関わらず、インスリンの分泌を増加することが以前から知られていた。非特許文献6。このような効果は、インクレチン効果と呼ばれるが、これが根拠となって、グルコース処理の調整ならびに糖尿病およびその関連疾病の処置に利用されている。
【0014】
最も有力な消化管タンパク質ホルモンはGLP−1であり、これは、最初は37−アミノ酸ペプチドであり、プログルカゴンの生成物である。その後、第6位置と第7位置との間が内因的に切断される(endogenous cleavage)と、生物学的に活性なGLP−1(7−37)ペプチドが生じる。GLP−1は、グルコースの摂取後に腸の管腔表面内の腸内分泌L細胞から分泌される。GLP−1は、Gタンパク質結合細胞表面受容体(GLP−1R)を介して作用し、T1R味覚受容体およびガストデューシンによって調整される。非特許文献7参照。研究によると、α−ガストデューシンは、糖質および甘味料が、腸内分泌L細胞からのGLP−1の分泌を刺激する際に、甘味受容体T1R3に結合することが証明されている。非特許文献8;非特許文献9参照。GLP−1は、いくつかの生理学的機能を有する;例えば、1)膵島細胞からのインスリン合成をグルコース依存的に刺激し、それによって血糖値を低下させる;2)膵臓からのグルカゴン分泌を低下させる;3)β細胞質量およびインスリン遺伝子発現を増加する;(4)胃液分泌および胃内容排出を阻害する;5)満腹感を増やすことによって、食物の摂取を用量依存的に阻害する;および6)体重の減少を促進する。GLP−1のいくつかの役割は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、非特許文献10;および非特許文献11に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第6,583,118号明細書
【特許文献2】米国特許第7,211,557号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0244810号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】American Diabetes Association. Diabetes 1996 Vital Statistics.Rockville,Md.:American Diabetes Association,1996
【非特許文献2】Harris,M.I,Cowie,C.C,Stern,M.P.eds.Diabetes in America,2nd.ed.National Institutes of Health.National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases.NIH Publication No.95−1468,1995
【非特許文献3】Clark,C.M.,Vinicor,F.Introduction:Risks and benefits of intensive management in non−insulin−dependent diabetes mellitus.The Fifth Regensrief Conference.Ann Intern Med, 124(1,pt2),81−85,1996
【非特許文献4】Scheen et al.,Diabetes Res.Clin.Pract.6:533 543,1989
【非特許文献5】UKPDS Group.UK Prospective Diabetes Study 33:Intensive blood−glucose control with sulphonylureas or insulin compared with conventional treatment and risk of complications in patients with type 2 diabetes. Lancet,352,837−853(1998)
【非特許文献6】Scow et al.,Am J.Physiol.,179(3):435−438(1954)
【非特許文献7】Kokrashvili et al.AChemS XXIX Abstract,246(2007)
【非特許文献8】Jang et al.Proc.Natl.Acad.Sci USA,104(38):15069−15074
【非特許文献9】Margolskee,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 104(38):15075−15080(2007)
【非特許文献10】Deacon,Regulatory Peptides 128:117−124(2005)
【非特許文献11】Turton et al,Nature,379,69−72(1996)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、GLP−1の分泌レベルを増加することによって、インスリンの分泌を直接刺激する、あるいはインスリンを間接的に刺激するために使用可能な抗糖尿病薬は、糖尿病および糖尿病に関連する疾病の処置に望ましいであろう。
【0018】
本発明は、インスリンの分泌を強化するためのTRPM5阻害物質の使用を目的とする。したがって、本発明により、インスリンの増加に確実に反応する真性糖尿病などの症状を処置するために、TRPM5阻害物質を使用することができる。
【0019】
一実施態様では、真性糖尿病を処置するための方法であって、本明細書で定義する式Iによる化合物を対象に投与することを含む方法を開示する。
【0020】
また、哺乳類の高血糖症および/またはインスリン抵抗性を処置、予防またはコントロールする方法であって、それを必要とする対象に、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0021】
本実施態様の一態様では、真性糖尿病は、2型真性糖尿病、あるいは若年発症成人型糖尿病である。別の態様では、TRPM5阻害物質は、グルコースによって刺激されるインスリン放出などのインスリン放出を強化する。他の態様では、この化合物は、超生理学的グルコース濃度によって刺激されるインスリン放出を強化し、生理学的グルコース濃度の存在下ではインスリン放出を強化しない。
【0022】
また、真性糖尿病、インスリン抵抗性症候群、および高血糖症を処置するための医薬組成物であって、式Iの化合物などのTRPM5阻害物質を含む医薬組成物も提供する。本発明の上記およびその他の態様について、本明細書でさらに詳細に説明する。
【0023】
本発明は、細胞からのGLP−1の放出を強化する方法であって、前記の細胞を有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質と接触させることを含む方法も目的とする。特定の実施態様では、TRPM5阻害物質は式Iの化合物である。
【0024】
本発明はさらに、胃液分泌および胃内容排出を減少させる方法、食物の摂取を抑制する方法、グルカゴン分泌を減少させる方法、インスリン感受性を強化し、インスリン遺伝子発現を増加する方法、および哺乳類の肥満症を処置する方法であって、それを必要とする前記哺乳類に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を、投与することを含む方法を目的とする。特定の実施態様では、TRPM5阻害物質は式Iの化合物である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】異なる条件下(A〜H)におけるβ−TC6細胞によるインスリン合成および放出の刺激を示す。条件(A〜H)は、以下のとおりである:A)KRBB緩衝液;B)KRBBおよびDMSO(賦形剤);C)KRBB、DMSO、およびLG化合物A、TRPM5を強化すると周知されている化合物(100μM);D)KRBB、DMSO、および実施例4(100μM);E)KRBBおよび2mMのグルコース;F)KRBB、2mMのグルコース、およびDMSO;G)KRBB、DMSO、2mMのグルコース、およびLG化合物A(100μM);H)KRBB、DMSO、2mMのグルコース、および実施例4。
【図1B】KRBB(緩衝液)反応を差し引いた同じ結果を示す。
【図2】グルコース(2mM)の存在下における実施例4の化合物による、β−TC6細胞のインスリン分泌の刺激を表す容量反応曲線を示す。
【図3】実施例3の化合物およびトルブタミドのインスリン放出の刺激にグルコース濃度が及ぼす影響を比較する。図3が示すように、実施例3の化合物は、グルコースのレベルに敏感ではないトルブタミドと対照的に、グルコース依存的にインスリン分泌を増加させる。
【図4】実施例3の化合物、トルブタミド、およびジアゾキシドが、マウスの膵島細胞腫β細胞株TC6によるインスリン分泌に与える影響を示す。
【図5】特定のTRPM5エンハンサが、インスリン分泌を刺激する上で無効であることを示し、さらに、実施例3の化合物がインスリン分泌を増加することを示す。
【図6】実施例4およびトルブタミドがインスリン分泌に与える付加的な効果を示す。
【図7】実施例4の化合物が、トルブタミドと対照的に、グルコース依存的にインスリン分泌を増加させることを実証する。
【図8】インスリン分泌に関するグリベンクラミドの用量反応を示す。
【図9】100μMのトルブタミドの存在下における様々な化合物の用量反応を示す。
【図10】300μMのジアゾキシドの存在下における様々な化合物の用量反応を提供する。
【図11】TRPM5でクローン化したβTC−6細胞およびHEK細胞内のカルシウム活性化イオンチャネル電流間の類似性をグラフで示した実験結果である。
【図12】Talavera,et al.,Nature 438:1022−1025(2005)により報告されているとおり、βTC−6細胞およびTRPM5チャネルにおけるカルシウム活性化電流間の温度依存性の類似性を示す。
【図13】βTC−6細胞内のカルシウム活性化電流に関する電流対時間のグラフを提供し、実施例4の化合物のパルス投与による電流の阻害を示す。
【図14】RT−PCR分析によりわかったマウスのβTC−6細胞におけるmTRPM5の存在を示すゲル電気泳動のコピーを提供する。
【図15】実施例4の化合物の鏡像異性体のHPLC分離の結果を提供する。
【図16】TRPM5阻害物質(実施例3の化合物)が、10mMグルコース存在下、GLUTag細胞中でのGLP−1分泌を強化し、TRPM5エンハンサが、10mMグルコース存在下、GLUTag細胞中でのGLP−1分泌を減少させることを示す。
【図17】実施例3および実施例23の化合物が、12.5mMグルコース存在下、GLUTag細胞中でのGLP−1分泌を増加することを示す。実施例3の化合物はGLP−1分泌の有効性を増加するが、実施例23の化合物は、実施例3の化合物より有力である。GLP−1の放出に関するグルコースの標準曲線を比較として示す。
【図18】実施例3および実施例23の化合物が、中程度に高濃度のグルコース(3.3mM)の存在下、GLUTag細胞中でのGLP−1の放出を増加することを示す。
【図19】実施例3および実施例23の化合物が、低グルコース(0.1mM)存在下、GLUTag細胞中でのGLP−1の放出を増加することを示す。これらの2つの実施例のIC50(それぞれ600nMおよび111nM)は、FLIPR膜電位アッセイで得られた値に類似していた。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、インスリン放出、GLP−1の放出、インスリン感受性、およびインスリン遺伝子発現の増加をはじめ、他の用途にも有用な方法および組成物を提供する。本発明の他の態様について、本明細書で詳細に説明する。
【0027】
使用方法
本発明の第1の態様は、インスリン分泌を強化する方法であって、TRPM5阻害物質である有効量の化合物を投与することを含む方法を目的とする。化合物は、インスリン分泌を強化するために、ある細胞に、または生体全体に投与することができる。さらに、TRPM5阻害物質は、単独で投与するか、グルコースなど、インスリン分泌を促すことが周知されている薬剤とともに投与することができる。一例として、本発明に使用されるTRPM5は、1マイクロモル以下、好ましくは100ナノモル以下のIC50を有するTRPM5阻害物質とすることができる。別の実施態様では、本方法に使用されるTRPM5阻害物質は、5マイクロモル以下の濃度で、TRPM5受容体を少なくとも75%、好ましくは90%阻害する。
【0028】
TRPM5阻害物質は、本明細書に開示するアッセイおよび方法を用いて同定することができる。さらに、2006年11月3日に出願され、引用することにより全体が本願に援用される米国特許出願第11/592,180号に開示されているアッセイは、TRPM5の阻害物質である化合物を同定するために使用することができる。また、引用することにより全体が本願に援用される米国特許出願公開第20050019830号は、TRPM5の阻害物質である化合物を同定するために使用することができる。
【0029】
特定の実施態様では、TRPM5阻害物質はタンパク質、ペプチド、小分子、または天然物でよい。好ましい場合には、本発明の方法において味覚を阻害するために、小分子のTRPM5阻害物質を使用する。例えば、TRPM5阻害物質は、約500質量単位以下の分子量を有する小分子化合物でよい。別の実施態様では、TRPM5阻害物質は、分子量が約50〜約500質量単位の小分子でよい。あるいは、TRPM5阻害物質は、約100、200、300、または400質量単位の分子量を有する小分子でよい。こうした化合物は、本明細書に記載する特定の化合物または基の何れかより選択することができる。
【0030】
本発明に有用なTRPM5阻害物質は、任意の数の化学官能基を含むことができる。本方法の特定の実施態様では、好ましいTRPM5阻害物質は、好ましい基より選択した1つまたは複数の官能基を含むであろう。一例として、好ましい場合には、本方法に使用されるTRPM5阻害物質は、約5以下の水素結合供与体(例えば、OHおよびNH基)を含むであろう。別の実施態様では、本方法に使用されるTRPM5阻害物質は、約10以下の水素結合受容体(例えば、NおよびO)を含むであろう。このような化合物は、本明細書に記載する特定の化合物または基の何れかより選択することができる。好ましい実施態様では、本方法に使用されるTRPM5阻害物質は、1〜5個の水素結合供与体および1〜5個の水素結合受容体を含むであろう。
【0031】
TRPM5阻害物質は、非制限的な例として、以下の官能基の1つまたは複数をその構造に含み得る:ピリジニル、ホモピリジニル、アミノピペリジニルカルバミン酸塩、フェニルカルバミン酸塩、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、フラニルチエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、ナフチル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズ[d]イソキサゾリル(isoxazoly)、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、およびキノキサリニル基。別の実施態様では、TRPM5阻害物質は、以下の官能基をその化学構造に含み得るが、これらだけに限らない:ピリジニル、ホモピリジニル、アミノピペリジニルカルバミン酸塩、フェニルカルバミン酸塩、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、フラニルチエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、ナフチル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズ[d]イソキサゾリル(isoxazoly)、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、およびキノキサリニル基であり、これらは、ベンゼン、ハロゲン化物、アミン、ヒドロキシルおよび/またはアルキル基と任意に置換される。こうした化合物は、本明細書に記載する特定の化合物または基の何れかより選択することができる。
【0032】
他の実施態様では、本方法に使用されるTRPM5阻害物質は、約0〜約5、好ましくは約1〜約5、または約2〜約4の分配係数(logP)を含むであろう。こうした化合物は、本明細書に記載する特定の化合物または基の何れかより選択することができる。
【0033】
さらに別の実施態様では、適切なTRPM5阻害物質は、分子量が100〜500質量単位のTRPM5阻害物質であり、1つまたは複数、好ましくは1〜3個の以下の官能基をその化学構造に有する:ピリジニル、ホモピリジニル、アミノピペリジニルカルバミン酸塩、フェニルカルバミン酸塩、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、フラニルチエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、ナフチル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズ[d]イソキサゾリル(isoxazoly)、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、およびキノキサリニル基であり、これらは、ベンゼン、ハロゲン化物、アミン、ヒドロキシルおよび/またはアルキル基で任意に置換される。こうした化合物は、本明細書に記載する特定の化合物または基の何れかより選択することができる。
【0034】
一実施態様では、この方法は、増加したインスリン放出を必要とする対象に、式Iの化合物:
【0035】
【化1】
または生理学的に許容可能なその塩を含み、式中、
R1はC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり、これらの各々は任意に置換され;
R2はH、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3はH、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであり、あるいはシアノであり;
L1は存在しないか、あるいは1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は存在しないか、あるいは1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する炭素原子とともに、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し、これらの各々は任意に置換されるものを投与することを含む。
【0036】
一実施態様では、R1は任意に置換されるC6−10アリール、例えばフェニルまたはナフチルである。別の実施態様では、R1は、任意に置換される5〜10員環、または好ましくは5〜7員環のヘテロアリール、例えばピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルがあるが、これらだけに限らず、これらの各々は任意に置換される。他の場合には、ヘテロアリール基は、ヘテロアリールを含む窒素、あるいはヘテロアリールを含む酸素である。
【0037】
別の実施態様では、R1は任意に置換される10〜14員環ヘテロアリール基、例えば9−カルバゾリルなどのカルバゾリル基、あるいは2−キノリニル基などのキノリニル基である。
【0038】
R1の別のサブセットとしては、置換アリールまたはヘテロアリール基が挙げられ、これらは、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1〜3個の置換基を有する。適切なR1基としては、4,8−ジメチルキノリン−2−イル基が挙げられる。
【0039】
別の実施態様では、R1は、任意に置換されるC3−10シクロアルキル、または任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである。別の実施態様では、R1は、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルケニルである。適切なR1基としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられるが、これらだけに限らない。シクロアルキル基としては、好ましくは7〜10個の炭素原子を有するビシクロアルキルおよびポリシクロアルキル基、例えばビシクロ[4.1.0]ヘプタニルおよびアダマンチルも挙げられる。
【0040】
R1の別のサブセットとしては、置換C3−10シクロアルキルまたはC3−10シクロアルケニルが挙げられ、これらは、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1〜3個の置換基を有する。
【0041】
さらに他の実施態様では、R1は、任意に置換されるC1−6アルキル、例えばメチル、エチル、およびプロピルである。R1は、直鎖または分枝アルキル基でよい。適切な置換アルキルとしては、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルなどが挙げられる。
【0042】
別の実施態様では、R2はHである。あるいは、R2は、C1−6アルキル、例えばメチル、エチル、またはプロピルである。R2は、直鎖または分枝アルキル基でよい。他の実施態様では、R2は、C6−10アリール(C1−6)アルキル、例えばベンジル、フェネチル、またはフェニルプロピル基である。好ましくは、R2は、C6−10アリール(C1−4)アルキルである。
【0043】
さらに他の実施態様では、R3はHである。あるいは、R3は、C1−6アルキル、例えばメチル、エチル、またはプロピルである。R3は、直鎖または分枝アルキル基でよい。さらに別の実施態様では、R3はシアノ(−CN)である。
【0044】
別の実施態様では、R4は、任意に置換されるC6−10アリール、例えばフェニルまたはナフチルである。別の実施態様では、R4は、任意に置換される5〜10員環、好ましくは5〜7員環ヘテロアリール、例えばピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルが挙げられるが、これだけに限らず、これらは各々任意に置換される。他の場合には、ヘテロアリール基は、ヘテロアリールを含む窒素である。他の場合には、ヘテロアリール基は、ヘテロアリールを含む酸素である。
【0045】
R4の別のサブセットとしては、置換アリールまたはヘテロアリール基が挙げられ、これらは、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1〜3個の置換基を有する。適切なR4基としては、3,4−ジメトキシフェニル基が挙げられる。
【0046】
別の実施態様では、R4は、任意に置換されるC3−10シクロアルキル、または任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである。別の実施態様では、R4は、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロアルケニルである。適切なR4基としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。シクロアルキル基は、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルなどのビシクロアルキル基もある。
【0047】
さらに他の実施態様では、R4は、任意に置換されるC1−6アルキル、例えばメチル、エチル、およびプロピルである。R4は、直鎖または分枝アルキル基でよい。適切な置換アルキルとしては、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルなどが挙げられる。
【0048】
一実施態様では、L1は存在しない。したがって、この実施態様によると、R1は、単結合により窒素原子に直接結合される。
【0049】
別の実施態様では、L1は、1〜10個、好ましくは1〜7個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーである。リンカーは、R1を窒素に接続する二価部分である。リンカーは、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含む任意の適切な二価部分でよい。適切なリンカーは、例えば1、2、3、4、5、または6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むであろう。
【0050】
例えば、リンカーは、1〜10個、好ましくは1〜7個の炭素原子を有する二価炭素リンカーでよく、例えばメチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2−CH2−)、プロピレン(例えば、−CH2−CH2−CH2−)、ブチレンが挙げられるが、これらだけに限らない。あるいは、L1は、メチレンシクロプロピレンなどのC3−10シクロアルキレンリンカーでよい。二価炭素リンカーは、本明細書に記載する適切な置換基と置換することができる。別のサブセットでは、好ましい群の置換基としては、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、チオール、オキソ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、アミノカルボニル、およびC2−6カルボキシアルキルが挙げられる。
【0051】
L1は、2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子およびヘテロ原子を含む二価リンカーでもよい。このようなリンカーとしては、非制限的な例として、アルキレンオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンチオ、アルキレンジオキシが挙げられる。他の適切な例は、−OCH2−、−SCH2−、−NHCH2−、−OCH2CH2−、−NHCH2CH2−、および−OCH2CH2CH2−がある。炭素原子およびヘテロ原子の両方を含む好ましいリンカーは、ヘテロ原子が式Iの窒素原子に直接結合しないリンカーであるだろう。
【0052】
リンカーL1は、1〜10個のヘテロ原子、好ましくは1、2、または3個のヘテロ原子を含んでもよい。適切なヘテロ原子リンカーとしては、−O−、−S−、−NH−、−N=N−などが挙げられる。
【0053】
他の実施態様では、リンカーL1は、1〜6員環アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン部分である。他の実施態様では、リンカーL1は、1〜6員環ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、またはヘテロアルキニレン部分である。
【0054】
リンカーL1は、本明細書に記載するように置換することができる。一実施態様では、リンカーL1は、1〜6個の炭素原子を含む二価部分であり、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、オキソ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される1、2、または3個の置換基と置換される。
【0055】
別の実施態様では、L1は、以下から成る群より選択されるリンカーである:
【0056】
【化2】
別の実施態様では、L1は、−(O)CCH2S−から成る群より選択されるリンカーである。
【0057】
さらに他の実施態様では、R1およびL1はともに、以下から成る群より選択される基を形成する。
【0058】
【化3】
一実施態様では、L2は存在しない。したがって、本発明によると、R4は、二重結合により窒素原子に結合される炭素原子に直接結合される。
【0059】
L2は、2〜10、好ましくは2〜6個の炭素原子およびヘテロ原子を含む二価リンカーでもよい。このようなリンカーとしては、非制限的な一例として、アルキレンオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンチオ、アルキレンジオキシが挙げられる。その他の適切な例としては、−OCH2−、−NHCH2−、−OCH2CH2−、−NHCH2CH2−、および−OCH2CH2CH2−が挙げられる。炭素原子およびヘテロ原子の両方を含む好ましいリンカーは、ヘテロ原子が式Iの窒素原子に直接結合しないリンカーであろうと考えられる。場合によっては、L2は環系を含まない。
【0060】
リンカーL2は、1〜10個のヘテロ原子、好ましくは1、2、または3個のヘテロ原子を有するリンカーでもよい。適切なヘテロ原子リンカーとしては、−O−、−S−、−NH−、−N=N−などが挙げられる。
【0061】
さらに他の実施態様では、R4およびL2はともに、−N=N−アリールおよび−N=N−ヘテロアリールより選択される基を形成する。−N=N−アリールの適切な例としては、フェニルが任意に置換される−N=N−フェニル、およびナフチルが任意に置換される−N=N−ナフチルが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0062】
さらに他の実施態様では、R4およびL2はともに、以下より選択される基を形成する:
【0063】
【化4】
第1サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換されるC6−10アリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキル、好ましくはC1−4アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキル、好ましくはC1−4アルキルであり;
R4は、任意に置換されるC6−10アリールである。
【0064】
この第1サブクラス内の一実施態様では、R1は、未置換フェニルである。他の場合には、フェニル基などのC6−10アリール基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1、2、または3個の基で置換される。
【0065】
さらに他の場合には、アリール基の置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0066】
別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0067】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L1は、1〜6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーである。
【0068】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L2は、1〜6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーである。
【0069】
別の実施態様では、L2は、環系を含まない。
【0070】
この第1サブクラスの別の実施態様では、R4はフェニルであり、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より選択される1〜3個の置換基で任意に置換される。
【0071】
第2のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキルであり;
R4は、任意に置換されるC6−10アリールである。
【0072】
この第2サブクラス内の一実施態様では、R1は、未置換5〜10員環ヘテロアリール、例えばインドリル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、またはキノリニルである。あるいは、R1は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0073】
さらに他の場合には、ヘテロアリール置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0074】
別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0075】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L1は、1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーである。
【0076】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L2は、1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーである。さらに他の実施態様では、L2は環系を含まない。
【0077】
第3サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換されるC6−10アリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキルであり;
R4は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0078】
この第3サブクラスの一実施態様では、R1は未置換フェニルである。他の場合には、フェニル基などのC6−10アリール基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1、2、または3個の基で置換される。
【0079】
さらに他の場合には、アリール基の置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0080】
別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0081】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L1は、1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーである。
【0082】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L2は、1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーである。さらに他の実施態様では、L2は、環系を含まない。
【0083】
この第3サブクラス内の一実施態様では、R4は、未置換5〜10員環ヘテロアリール、例えばインドリル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、またはキノリニルである。あるいは、R1は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される、1つまたは複数の置換基で置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0084】
第4のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキルであり;
R4は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0085】
この第4サブクラスの一実施態様では、R1は、未置換5〜10員環ヘテロアリール、例えば、インドリル、ピリジル、またはキノリニルである。あるいは、R1は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0086】
さらに他の場合には、ヘテロアリール置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0087】
別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0088】
この第4サブクラスの一実施態様では、R4は、未置換5〜10員環ヘテロアリール、例えば、インドリル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、またはキノリニルである。あるいは、R1は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0089】
さらに他の実施態様では、ヘテロアリール置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0090】
別の実施態様では、R4上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0091】
第5サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換されるC6−10アリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキルであり;
R4は、任意に置換されるC3−10シクロアルキルである。
【0092】
この第5サブクラス内の一実施態様では、R1は、未置換フェニルである。他の場合には、C6−10アリール基、例えばフェニル基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1、2、または3個の基で置換される。
【0093】
さらに他の実施態様では、アリール置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0094】
別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0095】
第6サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキルであり;
R4およびL2はともに、−N=N−アリールを形成する。
【0096】
この第6サブクラス内の一実施態様では、R1は、未置換5〜10員環ヘテロアリール、例えばインドリル、ピリジル、またはキノリニルである。あるいは、R1は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換される5〜10員環ヘテロアリールである。別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0097】
この第6サブクラスでは、R4およびL2はともに、−N=N−アリールを形成し、ここで、アリールは、任意に置換されるアリール基C6−10、例えばフェニルまたはナフチルである。アリール基上の適切な置換基としては、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0098】
第7サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリール、例えばピリジル、キノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、およびインドリルであり;
R4は、任意に置換されるC6−10アリール、例えばフェニルおよびナフチルであり;
L1およびL2存在しない。
【0099】
第8サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に接触投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、C6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり、これらの各々は任意に置換され;
R2は、H、C1−6アルキル、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
L1は存在しないか、または1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであり;
R3、R4、およびL2は、炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニルから成る群より選択される基を形成する。
【0100】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、前記の式Iの化合物を対象に投与することを含み、式中、R1はヘテロアリールであり;R2はHであり;R4はヘテロアリールであり;L1は存在せず;L2はN=Nである方法を目的とする。
【0101】
他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、式中、R1は任意に置換される窒素含有ヘテロアリール基であり;R2は任意に置換されるフェニルである方法を目的とする。
【0102】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、式中、R1はビシクロアルキルであり;R2はHであり;R3はHであり;R4はアリールまたはヘテロアリールであり;L1は存在せず;L2は存在しない方法を目的とする。
【0103】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、ここでR1はアリールであり;R2はHであり;R3はHであり;R4はアリールまたはヘテロアリールであり;L1は、2〜4個炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり;L2は存在しない方法を目的とする。
【0104】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、ここでR1はシクロアルケニルであり;R2はHであり;R3はHであり;R4は、アリールまたはヘテロアリールであり;L1は、2〜4個の炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり、L2は存在しない方法を目的とする。
【0105】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、式中、R1は、任意に置換されるアリールであり;R2はHであり;R3はHであり;R4は、任意に置換されるアリールまたは任意に置換されるヘテロアリールであり;L1は、−(CH2)1−6−C(O)−であり;L2は存在しない方法を目的とする。
【0106】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、式中、R1は任意に置換されるナフチルであり;R2はHであり;R3はHであり;R4は、任意に置換されるアリールであり;L1は−(CH2)−C(O)−であり;L2は存在しない方法を目的とする。
【0107】
さらに他のサブクラスでは、本発明の方法は、R1は、1つまたは複数のC1−6アルキルで任意に置換されるキノリニルであり;L1は、任意に置換されるC1−4リンカーであり;R2は、任意に置換されるフェニル基、例えば1つまたは複数のC1−6アルコキシで置換されるフェニル基である式Iの化合物を投与することを含む。
【0108】
さらに他のサブクラスでは、本発明の方法は、R1は任意に置換されるカルバゾリルであり;L1は、1つの硫黄原子を含み、さらに任意に置換されるC1−6リンカーであり;R2は、任意に置換される、例えば1つまたは複数のC1−6アルコキシで置換されるフェニル基である式Iの化合物を投与することを含む。
【0109】
本発明の方法に使用するのに適する化合物の例としては、以下が挙げられる:
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)−酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボ−ヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13、7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−Ν’(4−モルホリノ−3−ニトロベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール1;
および生理学的に許容可能なその塩。
【0110】
その他の適切な化合物としては、3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;
および生理学的に許容可能なその塩が挙げられる。
【0111】
本発明の方法は、式Iによる化合物の生理学的に許容可能な塩の使用法も含む。生理学的に許容可能な塩という用語は、式Iによる化合物の酸および/または塩基添加塩を意味する。酸添加塩は、適切な酸を式Iによる化合物に添加することにより形成することができる。塩基添加塩は、適切な塩基を式Iによる化合物に添加することにより形成することができる。前記の酸または塩基は、式Iによる前記の化合物を実質的に劣化、分解、または破壊しない。適切な生理学的に許容可能な塩の例としては、塩酸塩、ヒドロブロミド、酢酸塩、furmate、マレイン酸塩、シュウ酸塩、およびコハク酸塩が挙げられる。その他の適切な塩としては、ナトリウム、カリウム、炭酸塩、およびトロメタミン塩が挙げられる。
【0112】
また、本発明は、立体異性体および光学異性体、例えば、このシリーズの選択された化合物における構造的非対称の結果として生じる鏡像異性体の混合物、並びに個々の鏡像異性体、およびジアステレオマーなどの使用法を含むことも考えられる。さらに、本発明は、式Iの化合物の互変異性体の使用法を含むと考えられる。互変異性体は、当該技術分野で公知であり、例えばケトン−エノール互変異性体がある。
【0113】
また、式Iの化合物は、様々な比率のヒドラゾンのEおよびZ異性体の両方を含むと考えられる。当該技術分野で公知のとおり、ヒドラゾン部分は、以下の図に示すようにEおよびZ異性体間で異性化することが可能である:
【0114】
【化5】
上記の特定の化合物は、ヒドラゾン部分、つまりEまたはZの特定の立体化学を指示し得るが、本発明は、両方の異性体を明確に示す。
【0115】
式Iの化合物は、水和を含む溶媒和もし得る。水和は、化合物、または化合物を含む組成物を生成する際に生じ得るか、あるいは水和は、化合物の吸湿性によって長時間にわたって生じ得る。
【0116】
式Iの範囲内の特定の化合物は、「プロドラッグ」と呼ばれる誘導体でよい。「プロドラッグ」という表現は、公知の直接作用する薬剤の誘導体を示し、誘導体は、治癒的価値を有し、治癒的価値は、薬剤の治癒的価値に類似するか、それより大きいか、あるいはそれより低くてよい。一般に、プロドラッグは、対象、細胞、または試験媒体に送達される時に、酵素または化学的プロセスにより、活性薬剤に転換される。特定の場合では、プロドラッグは、本発明の化合物の誘導体であり、代謝的に分裂可能な基を有し、加溶媒分解により、または生理学的条件下で、インビボで薬学的に活性な本発明の化合物になる。例えば、本発明の化合物のエステル誘導体は、多くの場合はインビボで活性であるが、インビトロでは活性ではない。本発明の化合物のその他の誘導体は、その酸および酸誘導体形態の両方で活性であるが、酸誘導体は、哺乳類の生体内における可溶性、組織適合性、または遅延放出性という利点を提供することが多い(Bundgard,H.,Design of Prodrugs,pp.7−9,21−24,Elsevier,Amsterdam 1985参照)。プロドラッグとしては、当業者が周知している酸誘導体が挙げられ、例えば親酸と適切なアルコールとの反応によって調製されるエステル、または親酸化合物とアミンとの反応により調製されるアミドがある。本発明の化合物にぶら下がっている酸性基に由来する単純な脂肪または芳香エステルは、好ましいプロドラッグである。場合によっては、二重エステル型のプロドラッグ、例えば(アルコキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを調製することが好ましい。
【0117】
任意の変数が、任意の構成要素または式I中に複数回生じる場合、特記しない限り、各々の発生に関するその変数の定義は、他の発生における変数の定義とは無関係である。また、置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定化合物が得られる場合に限り認められる。
【0118】
本明細書で単独で、または別の基の一部として使用される「アルキル」という用語は、鎖長がそれに限定されない限り、炭素が10個以下の直鎖基または分枝鎖基の両方、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、ペンチル、1−メチルブチル、イソブチル、ペンチル、t−アミル(CH3CH2(CH3)2C−)、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、またはデシルを意味する。
【0119】
本明細書で単独で、または別の基の一部として使用される「アルケニル」という用語は、2〜10個の炭素原子の直鎖基または分枝鎖基を意味し、鎖長がそれに限定されない限り、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、ペンテニル、1−ヘキセニル、および2−ヘキセニルを意味するが、これらだけに限らない。
【0120】
本明細書で単独で、または別の基の一部として使用される「アルキニル」という用語は、2〜10個の炭素原子の直鎖基または分枝鎖基を意味し、鎖長がそれに限定されない限り、ここでは、鎖中に2つの炭素原子間に少なくとも1つの三重結合があり、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ペンチニル、ヘキシニル、およびヘプチニルを含むが、これらだけに限らない。
【0121】
アルケニルまたはアルキニル部分が置換基として存在する本明細書の場合では、不飽和結合は、窒素、酸素、または硫黄部分に直接結合しないことが好ましい。
【0122】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロアルキル」という用語は、3〜14個、好ましくは3〜10個の炭素原子を含むシクロアルキル基を意味する。代表的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルである。シクロアルキルは、ビシクロアルキル、ポリシクロアルキル、およびその他の架橋シクロアルキル基も含む。
【0123】
本明細書で単独で、あるいは他の基の一部として使用される「シクロアルケニル」という用語は、3〜10個の炭素原子、および1〜3個の炭素−炭素の二重結合を含むシクロアルケニル基を意味する。代表的な例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロヘキサジエニルが挙げられる。シクロアルケニルは、ビシクロアルケニル、ポリシクロアルケニル、およびその他の架橋シクロアルケニル基も含む。
【0124】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロヘテロアルキル」という用語は、炭素原子、および1、2、3、または4個の酸素、窒素、または硫黄ヘテロ原子を含む3〜14個の環原子を有する基を意味する。代表的な例としては、2−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチエニル、2−ピロリジニル、3−イソキサゾリジニル、3−イソチアゾリジニル、1,3,4−オキサゾリジン−2−イル、2,3−ヒドロチエン−2−イル、4,5−イソキサゾリン−3−イル、3−ピペリジニル、1,3−ジオキサン−5−イル、4−ピペリジニル、2−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、キヌクリジニル、およびモルホリニルが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0125】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロアルケニル」という用語は、炭素原子、および1、2、3、または4個の酸素、窒素、または硫黄原子、並びに1、2、または3個の二重結合を有する3〜14個の環原子を含む基を意味する。代表的な例としては、上記のシクロヘテロアルキル基、特にピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、キヌクリジニル、およびモルホリニルが挙げられ、1または2個の二重結合を含むように修正される。
【0126】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルキレン」という用語は、非分枝飽和炭化水素鎖のジラジカルを意味し、これは、特記しない限り、1〜15個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、およびさらに好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。この用語は、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH2CH2−)、ブチレンなどの基によって例示される。
【0127】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルケニレン」という用語は、未分枝の不飽和炭化水素鎖のジラジカルを意味し、これは、特記しない限り、2〜15個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1〜6個のビニル不飽和部位を有する。この用語は、エテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン(−CH2CH=CH−、−CH=CHCH2−)などの基により例示される。
【0128】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルキニレン」という用語は、未分枝の不飽和炭化水素のラジカルを意味し、これは、特記しない限り、2〜15個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1〜6個のアセチレン(三重結合)不飽和部位を有する。例としては、エチニレン(−C≡C−)、プロパルギレン(−CH2−C≡C−)などのアルキニレン基が挙げられる。
【0129】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ヘテロアルキレン」という用語は、上記で定義したアルキレンで、上記の1〜5個の炭素原子が、N、O、またはS(例えば、アミノ、オキシ、チオ、アミノメチレン(−NHCH2−)、オキシメチレン(−OCH2−)など)より選択されるヘテロ原子で置換されるアルキレンを意味する。例としては、アルキレンオキシ、アルキレンアミノ、およびアルキレンチオが挙げられる。好ましくは、これらに含まれる酸素原子、窒素原子、および硫黄原子は、他のヘテロ原子との結合を形成しない。適切な基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、ペンチレンオキシ、ヘプチレンオキシ、エチレンアミノ、プロピレンアミノ、ブチレンアミノ、ペンチレンアミノ、ヘキシレンアミノ、ヘプチルアミノ、およびオクチレンアミノが挙げられる。その他の例としては、−CH2CH2−S−CH2CH2−および−CH2−S−CH2CH2−NH−CH2−が挙げられる。ヘテロアルキレン基の一実施態様では、ヘテロ原子は、両方ではなく何れかの鎖末端を占めることもできる。
【0130】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ヘテロアルケニレン」という用語は、上記で定義したアルケニレンで、上記の1〜5個の炭素原子が、N、O、またはSより選択されるヘテロ原子で置換されるアルケニレンを意味する。例としては、アルケニレンオキシ、アルケニレンアミノ、およびアルケニレンチオが挙げられる。好ましくは、これらに含まれる酸素原子、窒素原子、および硫黄原子は、他のヘテロ原子との結合を形成しない。適切な基としては、エテニレンオキシ、プロペニレンオキシ、ブチレンオキシ(butyenleneoxy)、ペンテニレンオキシ、ヘキセニレンオキシ、エチレンアミノ、プロペニレンアミノ、ブチレンアミノ(butyenleneamino)、ペンテニレンアミノ、およびヘキセニレンアミノが挙げられる。ヘテロアルケニレン基の一実施態様では、ヘテロ原子は、両方ではなく一方の鎖末端を占めることもできる。さらに、別の実施態様では、ヘテロ原子は、ビニル結合の一部を形成しない。
【0131】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ヘテロアルキニレン」という用語は、上記で定義したアルキニレンで、上記の1〜5個の炭素原子が、N、O、またはSより選択されるヘテロ原子で置換されるアルキニレンを意味する。例としては、アルキニレンオキシ、アルキニレンアミノ、およびアルキニレンチオが挙げられる。好ましくは、これらに含まれる酸素原子、窒素原子、および硫黄原子は、他のヘテロ原子との結合を形成しない。ヘテロアルキニレン基の一実施態様では、ヘテロ原子は、両方ではなく一方の鎖末端を占めることができる。さらに、ヘテロ原子は、ビニル結合の一部を形成しない。
【0132】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロアルキレン」という用語は、3〜15個の炭素原子、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する非芳香脂環式二価炭化水素ラジカルを意味する。本明細書で使用する「シクロアルキレン」の例としては、シクロプロピル−1,1−ジイル、シクロプロピル−1,2−ジイル、シクロブチル−1,2−ジイル、シクロペンチル−1,3−ジイル、シクロヘキシル−1,4−ジイルなどが挙げられるが、これらだけに限らない。さらに他の例としては、メチレンシクロプロピレン(つまり、−CH2−シクロプロピレン−)、エチレンシクロプロピレン(つまり、−CH2CH2−シクロプロピレン−)、およびメチレンシクロヘキシレン(つまり、−CH2−シクロヘキシレン−)などのアルキレン基も含む二価基が挙げられる。
【0133】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロアルケニレン」という用語は、3〜15個の炭素原子、好ましくは3〜10個を有し、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する置換脂環式二価炭化水素ラジカルを意味する。本明細書で使用される「シクロアルケニレン」の例としては、4,5−シクロペンテン−1,3−ジイル、3,4−シクロヘキセン−1,1−ジイルなどが挙げられるが、これらだけに限らない。シクロアルケニレンはさらに、シクロアルキレンに関して定義され、二重結合で置換される少なくとも1つの単結合を有する二価炭化水素ラジカルを意味する。二重結合は、環構造に含まれてよい。あるいは、可能な場合、この二重結合は、シクロアルケニレン部分の非環式部分に位置してよい。
【0134】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロヘテロアルキレン」という用語は、上記の1〜5個の炭素原子が、N、O、またはSより選択されるヘテロ原子で置換される上記のアルキレン基を意味する。一実施態様では、これらに含まれる酸素原子、窒素原子、および硫黄原子は、他のヘテロ原子との結合を形成する。適切な例としては、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、およびピロリジンのジラジカルが挙げられる。その他の適切な例としては、メチレンピペリジル、エチレンピペリジル、メチレンピペラジニル、エチレンピペラジニル、およびメチレンモルホリニルが挙げられる。
【0135】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロヘテロアルケニレン」という用語は、上記の1〜5個の炭素原子が、N、O、またはSより選択されるヘテロ原子で置換される、上記のシクロアルケニレン基を意味する。一実施態様では、これらに含まれる酸素原子、窒素原子、および硫黄原子は、他のヘテロ原子とともに結合を形成しない。
【0136】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子に結合する上記のアルキル基の何れかを意味する。代表的な例は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、sec−ブチルオキシ、およびt−ブチルオキシである。
【0137】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルケニルオキシ」という用語は、酸素原子に結合する上記のアルケニル基の何れかを意味する。代表的な例としては、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、およびヘキセニルオキシが挙げられる。
【0138】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アリール」という用語は、環部分に6〜14個の炭素、環部分に好ましくは6〜10個の炭素を含む単環式または二環式芳香基を意味する。代表的な例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、またはフルオレニルが挙げられる。
【0139】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アラルキル」または「アリールアラルキル」という用語は、ベンジル、フェニルエチル、または2−ナフチルメチルなどのアリール置換基を有する、上記で定義したC1−6アルキル基を意味する。
【0140】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ヘテロアリール」という用語は、5〜14個の環原子を有し;6、10、または14のπ電子を環式アレイ内で共有し;炭素原子、および1、2、3、または4個の酸素、窒素、または硫黄原子を有する基を意味する。ヘテロアリール基の例としては、以下の基が挙げられる:チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4αH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル、フェノキサジニル、およびテトラゾリル。さらに他のヘテロアリールは、A.R.Katritzky and C.W.Rees,eds.,Comprehensive Heterocyclic Chemistry:The Structure,Reactions,Synthesis and Use of Heterocyclic Compounds,Vol.1−8,Pergamon Press,NY(1984)に記載されている。
【0141】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルキレンジオキシ」という用語は環を意味し、特にC1−4アルキレンジオキシである。アルキレンジオキシ基は、ハロゲン(特にフッ素)と任意に置換され得る。代表的な例としては、メチレンジオキシ(−OCH2O−)またはジフルオロメチレンジオキシ(−OCF2O−)が挙げられる。
【0142】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素を意味する。
【0143】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「モノアルキルアミン」または「モノアルキルアミノ」という用語は、上記で定義したように、1個の水素がアルキル基で置換されたNH2基を意味する。
【0144】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ジアルキルアミン」または「ジアルキルアミノ」という用語は、上記で定義したように、両方の水素がアルキル基で置換されたNH2基を意味する。
【0145】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、上記のアルキル基の何れかであって、その1つまたは複数の水素が、1つまたは複数のヒドロキシル部分で置換されるアルキル基を意味する。
【0146】
本明細書で使用される「アシルアミノ」という用語は、式−NRaC(O)Rbの一部分であって、RaおよびRbが独立して水素であるか、またはアルキル基が上記で定義される部分を意味する。
【0147】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ハロアルキル」という用語は、上記のアルキル基の何れかであって、その1つまたは複数の水素が1つまたは複数のハロ部分で置換されるアルキル基を意味する。代表的な例としては、フルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロエチル、およびトリフルオロエチルが挙げられる。
【0148】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ハロアルケニル」という用語は、上記のアルケニル基の何れかであって、その1つまたは複数の水素が、1つまたは複数のハロ部分で置換されるアルケニル基を意味する。代表的な例としては、フルオロエテニル、ジフルオロエテニル、およびトリクロロエテニルが挙げられる。
【0149】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「カルボキシアルキル」という用語は、上記のアルキル基の何れかであって、その1つまたは複数の水素が、1つまたは複数のカルボン酸部分で置換されるアルキル基を意味する。
【0150】
「ヘテロ原子」という用語は、酸素原子(「O」)、硫黄原子(「S」)、または窒素原子(「N」)を意味するために本明細書で使用される。ヘテロ原子は、窒素である場合、NRaRb部分を形成することができ、ここで、RaおよびRbは、互いに独立して、水素またはアルキル、あるいはこれらが結合する窒素とともに、飽和または不飽和5−、6−、または7−員環を形成することが分かるであろう。
【0151】
「オキシ」という用語は、酸素(O)原子を意味する。
【0152】
「チオ」という用語は、硫黄(S)原子を意味する。
【0153】
一般に、および特記しない限り、本明細書で使用される「任意に置換される」という語句は、以下から成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で任意に置換される1つまたは複数の基を意味する:アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C6−10アリール(C1−6)アルキル、C6−10アリール(C2−6)アルケニル、C6−10アリール(C1−6)アルコキシ、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシC2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C6−14アリール(C1−6)アルコキシカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、C6−10アリール(C1−6)アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C6−10アリール(C1−6)アルキルスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノ。
【0154】
「任意に置換される」という語句が、アルキル、アルケニル、またはアルキニル基に関連して使用される場合、本明細書における「任意に置換される」という語句は、以下から成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で任意に置換される前記の1つまたは複数の基を意味する:アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C6−10アリール(C1−6)アルキル、C6−10アリール(C2−6)アルケニル、C6−10アリール(C1−6)アルコキシ、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシC2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、C6−14アリール(C1−6)アルコキシカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、C6−10アリール(C1−6)アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C6−10アリール(C1−6)アルキルスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノ。
【0155】
上記で使用されるすべての用語に関して詳細に定義したが、各々の用語は、当業者が理解するとおりである。
【0156】
上記で特定の実施態様に関して定義したように、リンカーL1およびL2は、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーでよい。これは、炭素原子およびヘテロ原子の数の合計が、何れかの任意の置換基を除いて、1〜10の整数に等しくなるように、炭素原子およびヘテロ原子の任意の組合せを含み得ることを意味すると考えられる。したがって、本発明によると、適切なリンカーとしては、以下が挙げられるが、必ずしもこれらだけに限らない:1個の炭素原子(例えば、CH2)を含むリンカー;1個のヘテロ原子(例えば、O)を含むリンカー;5個の炭素原子(例えば、CH2CH2CH2CH2CH2)を含むリンカー;3個の炭素原子および2個のヘテロ原子(例えば、OCH2CH2NHCH2)を含むリンカー、10個の炭素原子を含むリンカー、または9個の炭素原子および1個のヘテロ原子を含むリンカー。
【0157】
「阻害物質」という用語は、TRPM5の機能および/または特性を部分的に変更するか、または損なう分子を意味する。「阻害物質」としては、ペプチド、タンパク質、またはその小部分、模倣薬、有機化合物、および抗体が挙げられる。本発明の特定の実施態様では、阻害物質は、TRPM5の機能を完全に阻害し得る。他の実施態様では、阻害物質は、例えばIC50の価で指示されるTRPM5の活性の割合を遮断あるいは阻害し得る。
【0158】
「糖尿病」という用語は、高血糖症を誘発するグルコース利用が損なわれる1つの代謝異常を意味する。糖尿病およびその末期の合併症の病因論および形態論の概要は、当業者が、例えばRobins’ Pathologic Basis of Disease(5th Ed.pp.910−922)で知ることができる。
【0159】
TRPM5阻害物質の「有効量」という用語は、TRPM5受容体を阻害するか、あるいはTRPM5受容体に阻害効果を与える量を意味する。このような量は、単独で、あるいは他のTRPM5阻害物質と組み合わせて、TRPM5が投与される細胞または生体全体にTRPM5の阻害効果を与えるのに十分である。実施態様によっては、有効量は、合理的な利益/危険率に相応して、過度な毒性、炎症、アレルギー反応、またはその他の合併症の可能性を生じない量である。
【0160】
「インスリン抵抗症候群」(IRS)という用語は、インスリン抵抗性、高インスリン血;インスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM);動脈性高血圧;中心性(内臓)肥満症;および脂質異常症を含む徴候群を意味する。NIDDM(糖尿病性血管障害、アテローム性動脈硬化、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、および糖尿病性眼合併症、例えば網膜症、白内障形成および緑内障)という主な末期合併症のほかに、その他の多くの症状がNIDDMに関連があり、例えば脂質異常グルココルチコイド誘発インスリン抵抗性、脂質異常症、多嚢胞卵巣症候群、肥満症、高血糖症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高インスリン血、および高血圧症がある。これらの症状の簡潔な定義は、多くの医学辞書、例えばStedman’s Medical Dictionaryに記載されている。
【0161】
上記のとおり、上記の化合物は、インスリン放出を刺激するために使用し得る。このような活性は、インビトロまたはインビボでよい。TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいはインスリン放出を刺激するために使用される特定のサブグループ、サブクラス、または上記の特定の化合物の何れかの量は、インビトロと対照してインビボで使用した場合、必ずしも同じでなくてよい。特定の化合物の薬物動態学および薬力学などの要素は、インビボでインスリン放出を増加する場合に、これより多量または少量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを使用することを必要とし得る。
【0162】
本発明は、必要とする動物、好ましくは哺乳類の真性糖尿病を処置する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。この方法は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の真性糖尿病を防止する方法であって、インスリン分泌を強化する量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは特定のサブグループ、サブクラス、または上記の特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法も含む。
【0163】
本発明は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類のインスリン抵抗症候群を処置する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは特定のサブグループ、サブクラス、または上記の特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法も含む。本発明は、哺乳類のインスリン抵抗性を処置または防止する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは特定のサブグループ、サブクラス、または薬学的に許容可能なその塩を前記の哺乳類に投与することを含む方法も含む。
【0164】
本発明は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の高血糖症を処置する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。この方法は、動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の高血糖症を防止する方法であって、インスリン分泌を強化する量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは特定のサブグループ、サブクラス、または上記の特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法も含む。
【0165】
本発明は、細胞からのGLP−1の放出を強化する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を投与することを含む方法も目的とする。上記のとおり、GLP−1は、食物の摂取後に、ランゲルハンス小島のβ細胞からのインスリンの合成および分泌を刺激し、それによって血糖値を低下させる。GLP−1は、37−アミノ酸ペプチド、およびプログルカゴンの生成物である。第6および第7位置間の分裂間の後続の内生分裂は、生物学的に活性のGLP−1(7−37)ペプチドを生成する。GLP−1は、グルコース摂取後に、腸の管腔表面のL型腸内分泌細胞から分泌する。GLP−1は、その他の刺激に反応しても放出される。GLP−1は、Gタンパク質結合細胞表面受容体、特にGLP−1Rを通して作用し、T1R味覚受容体およびガストデューシンで調整される。Kokrashvili et al.,AChemS XXIX Abstract,246(2007)参照。研究では、α−ガストデューシンは、糖質および甘味料によってL型腸内分泌細胞からのGLP−1の分泌が刺激される際に、甘味受容体T1R3を結合することが証明された。Jang et al.Proc.Natl.Acad.ScL USA, 104(38):15069−15074(2007)参照。
【0166】
GLP−1は、以下のいくつかの生理学的機能を有する:1)膵島細胞からのインスリン合成をグルコース依存的に刺激し、それによって血糖値を低下させる;2)膵臓からのグルカゴン分泌を減少させる;3)β細胞の質量およびインスリン遺伝子発現を増加する;4)胃液分泌および胃内容排出を阻害する;5)満腹感を増加することによって、用量依存的に食物の摂取を抑制する;6)体重の減少を促進する。GLP−1のいくつかの役割は、米国特許第6,583,118号、米国特許第7,211,557号;米国特許出願公開第2005/0244810号;Deacon,Regulatory Peptides 128:117−124(2005);Turton et al,Nature,379:69−72(1996)に記載されている。
【0167】
GLP−1受容体の非自然のペプチドおよび小分子アゴニストを特定するために、いくつかの調査が行われた。このような化合物は、中でも2型糖尿病の処置に有用であると思われる。これらの化合物は、グルコースによって誘発される島細胞からのインスリン放出を促進するという点で、GLP−1の効果に似ている。例えば、エクセナチドは、合成バージョンのエキセンディン−4であり、これは、最初はアメリカドクトカゲの唾液から単離された自然発生的なペプチドである。エクセナチドは、現在、メトホルミン、スルホニル尿素、またはメトホルミンとスルホニル尿素との組合せを摂取しているが、適切な血糖コントロールに達していない2型真性糖尿病の患者における血糖コントロールを改善するための補助療法として、U.S.Food and Drug Administrationによって承認されている。GLP−1の効果を模倣する可能性のあるその他の薬剤は、現在開発されている。例えば、Knudsen et al.,Small−molecule agonists for the glucagon−like peptide 1 receptor,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 104(3):937−942(2007)参照。
【0168】
したがって、本発明のもう1つの態様は、TRPM5阻害物質の投与によってGLP−1の放出を刺激する方法である。先行技術では、本明細書に例示されているものなどのTRPM5阻害物質は、GLP−1の放出を強化し、それによってGLP−1の有利な効果を増加するために使用できることは示唆されていない。したがって、特定の実施態様では、本発明は、膵細胞からのインスリンの放出を強化した後の効果で、小腸細胞などの腸細胞からのGLP−1の放出を強化する方法を提供する。
【0169】
TRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、または特定の実施例の何れかは、GLP−1の放出を強化するために、ある細胞または生体全体に投与することができる。さらに、TRPM5阻害物質は、単独で投与するか、あるいはグルコースなどのGLP−1分泌物を放出させることが周知されている薬剤とともに投与することができる。例として、本発明に使用されるTRPM5は、約1ミクロモル以下、好ましくは約100ナノモル以下のIC50を有するTRPM5阻害物質でよい。実施態様によっては、この方法に使用されるTRPM5阻害物質は、5マイクロモル以下の濃度で、TRPM5受容体を少なくとも75%、好ましくは90%阻害する。
【0170】
本明細書で使用する場合、「GLP−1」またはグルコガン様ペプチド−1(GLP−1)は、グルコース、炭水化物、脂質、タンパク質、または混合アミノ酸などの栄養素を投与することによって、インスリン分泌を強化する消化管タンパク質ホルモンである。GLP−1の生理学的役割、および栄養素摂取後のGLP−1の放出に提案される様々な機序は、Kreymann et al.,Lancet 2:1300−1304(1987)and by Deacon,Regulatory Peptides 128:117−124(2005)に記載されている。特記しない限り、「GLP−1」はGLP−1(7−37)を意味する。当該技術分野の慣習では、GLP−1(7−37)のアミノ末端には、7の数が割り当てられ、カルボキシ末端には、37の数が割り当てられている。GLP−1(7−37)のアミノ酸配列は、当該技術分野で周知されているが、以下のように表される:NH2−His−Als−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Gly−COOH。
【0171】
特定の実施態様では、TRPM5阻害物質は、GLP−1の放出を約5%〜約50%、または約10%〜約70%、または約25%〜約100%増加させる。他の実施態様では、TRPM5阻害物質は、腸細胞からのGLP−1の放出量を約25%、50%、75%、または100%増加させる。
【0172】
好ましくは、GLP−1の放出を増加させる方法は、ヒトまたはその他の霊長類などの哺乳類に使用される。他の場合には、この方法の対象は、犬または猫などのペットでよい。
【0173】
GLP−1の放出の検出は、本明細書に記載する方法など、当業者が周知している方法に基づいて実行することができる。例えば、F.Reinmann,et al,Diabetes,55(Supp.2):S78−S−85(2006)参照。
【0174】
本発明は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の胃液分泌および胃内容排出を減少させる方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法も含む。
【0175】
本発明は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の食物の摂取を抑制する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法をさらに含む。GLP−1は、摂食に対する生理学的反応を調整する上で、重要な役割を果たすことが知られている。GLP−1は、プログルカゴンから処理され、食事の摂取に応じて、末端小腸および結腸に主に位置する内分泌腺のL細胞から血液中に放出される。GLP−1は、Gタンパク質共役細胞表面受容体(GLP−1R)を介して作用し、栄養素によって誘発されるインスリン合成および放出を強化する。GLP−1は、インスリン分泌(インスリン分泌作用)およびcAMPの形成を刺激する。GLP−1(7−36)アミドは、インスリン放出物質を刺激し、グルカゴン分泌を低下させ、胃液分泌および胃内容排出を阻害する。GLP−1のこうした胃腸効果は、迷走神経を切除した対象では見られず、中枢を介した効果を指示している。GLP−1は、単離されたラットの含脂肪細胞に高度の親和性で結合して、cAMPの生成を活性化し(Valverde et al.,1993)、脂質生成または脂肪分解を刺激する。GLP−1は、ラットの骨格筋におけるグリコーゲン合成、グルコース酸化、および乳酸塩の形成を刺激する。したがって、発明者の見解では、本明細書に記載するTRPM5阻害物質は、GLP−1の放出を増加するため、食物の摂取を抑制するために使用することができる。
【0176】
本発明はさらに、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類のグルカゴン分泌を減少させる方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。
【0177】
グルカゴンは、膵臓のα細胞から抽出された29個のアミノ酸残基の直鎖ポリペプチドから成るホルモンである。血糖濃度の上昇、および肝臓ホスホリラーゼなど、その生理学的役割は、当業者が、例えばStedman’s Medical Dictionary,26th Ed.(1990)729ページで知ることができる。
【0178】
本発明はさらに、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類のインスリン感受性を強化する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。
【0179】
本発明はさらに、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類のランゲルハンス小島のβ細胞質量、およびインスリン遺伝子発現を増加する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。
【0180】
本発明は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の肥満症を処置および防止する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。
【0181】
本明細書で使用する場合、「肥満症」とは、皮下結合組織における脂肪の異常な増加を意味する。Stedman’s Medical Dictionary,26th Ed.(1990)1235ページ。
【0182】
上記の方法の各々の実施態様では、方法の対象は、特に限定しない限り、この方法の特定の処置または効果を必要とする任意の動物でよい。このような動物としては、雌ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、サル、あるいはモルモットのインスリン分泌細胞が挙げられるが、これらだけに限らない。他の実施態様では、動物は、家畜化動物、家畜、または愛玩動物として飼育されている動物である。特定の実施態様では、請求される方法の対象はヒトである。
【0183】
しかし、一般に、適切な投与量は、約0.005〜約100mg/kg、例を挙げると約0.1〜約75mg/kg体重/日、例えばレシピエントの体重1キログラム当たり0.03〜約50mg/日、好ましくは0.06〜90mg/kg/日の範囲、最も好ましくは0.15〜60mg/kg/日の範囲であろう。他の実施態様では、適切な投与量は、約0.1mg/日〜約2000mg/日であり、1日の単回投与または多回投与として投与されるであろう。
【0184】
化合物は、好都合には単位剤形として投与され得る;例えば、0.05〜1000mg、好都合には0.1〜750mg、最も好都合には0.5〜500mgの有効成分を単位剤形に含む。
【0185】
TRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかは、一般的には、約0.1重量%〜約100重量%、好ましくは約1重量%〜約80重量%の範囲の量で剤形中に存在することができる。本発明は、剤形の約1重量%〜約50重量%、好ましくは約5重量%〜約20重量%、約8重量%、15重量%、または18重量%の量も意図している。
【0186】
理想的には、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物は、約0.005〜約75μM、好ましくは約0.01〜50μM、最も好ましくは約0.02〜約30μMの活性化合物のピーク血漿濃度を達成するように投与するべきである。これは、例えば、任意に生理食塩水中0.0005〜5%の有効成分の溶液を静脈内注射するか、あるいは約0.01〜1mgの有効成分を含むボーラスとして経口投与することにより達成され得る。望ましい血中濃度は、約0.0001〜5mg/kg/時を提供する連続的な注入、あるいは約0.004〜15mg/kgの有効成分(単数または複数)を含む断続的な注入によって維持され得る。
【0187】
この方法は、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物によって強化されるインスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性が、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいは約60%〜約99%、あるいは約20%〜約50%強化されるように実行され得る。したがって、より特定の実施態様では、この方法は、1つまたは複数のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物を含む剤形を投与することを含み、ここで、式Iによる1つまたは複数のこの化合物は、インスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいは約60%〜約99%、あるいは約30%〜約70%強化するのに十分な量で存在する。当然、他の実施態様では、インスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性は、異なる程度まで強化し得る。
【0188】
所望の投与量は、好都合には、単回投与量、または適切な間隔、例えば1日に2回、3回、4回、またはそれ以上の部分投与で投与される分割投与量で提示し得る。部分投与自体は、さらに分割することができ、例を挙げれば、多数の不連続の大まかな間隔の投与、例えば、吸入器から複数回吸入するか、または複数回の滴を眼に適用するなどがある。
【0189】
別の実施態様では、上記の化合物は、細胞からのインスリンまたはGLP−1分泌を強化するか、または細胞のインスリン感受性を強化するために使用し得る。このような強化は、インビトロまたはインビボでよい。インスリン分泌、インスリン感受性、またはGLP−1分泌を強化するために使用されるTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかの量は、インビトロと対照してインビボで使用する場合、必ずしも同じでなくてよい。特定の化合物の薬物動態学および薬力学などの要素は、インビボでの膵細胞の場合、これより多量または少量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを使用することを必要とし得る。したがって、本発明の一態様は、細胞からのインスリン放出およびGLP−1分泌を強化するか、または細胞のインスリン感受性を強化する方法であって、細胞をTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかに接触させることを含む方法である。
【0190】
本発明のこの態様の一実施態様では、この方法は、細胞、好ましくは膵細胞を、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかに接触させることを含み、ここで、前記の細胞は、インスリンを分泌する。
【0191】
本発明のこの態様の一実施態様では、この方法は、細胞、好ましくはL型腸内分泌細胞を、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかに接触させることを含み、前記の細胞は、GLP−1を分泌する。
【0192】
本発明は、細胞からのインスリンおよびGLP−1の放出を強化するか、または細胞のインスリン感受性を強化する方法であって、前記の細胞をTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブクラスおよび特定の化合物の何れかに接触させ、細胞のインスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいは約50%〜約99%強化することを含む方法も目的とする。別の実施態様では、この方法は、前記の細胞をTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、または上記の特定のサブクラスおよび特定の化合物の何れかに接触させ、細胞のインスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を約10%〜約50%強化することを含む。別の実施態様では、本発明は、細胞からのインスリン分泌またはGLP−1分泌を強化するか、または細胞のインスリン感受性を強化する方法であって、前記の細胞をTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、または上記の特定のサブクラスおよび特定の化合物の何れかに接触させ、インスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいは約50%〜約99%、あるいは約10%〜約50%強化し、前記の細胞が自然発生的な細胞である方法を目的とする。別の実施態様では、本発明は、細胞からのインスリン分泌またはGLP−1分泌を強化するか、または細胞のインスリン感受性を強化する方法であって、前記の細胞をTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、または上記の特定のサブクラスまたは特定の化合物の何れかに接触させ、インスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいは約50%〜約99%、あるいは約10%〜約50%強化し、前記の細胞が、自然発生的なヒトのインスリン分泌細胞またはGLP−1分泌細胞である方法を目的とする。
【0193】
所望の程度の強化を与える任意の量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物を使用することができる。例えば、約0.001〜100mg/kg体重/日、好ましくは約0.01〜約25mg/kg体重/日ベースで、単回投与、または2〜4回に分けた日用量が適している。物質は経口投与することが好ましいが、非経口経路、例えば皮下、筋肉内、静脈内、または腹腔内の経路、あるいは任意のその他の適切な送達系、例えば鼻腔内、または経皮的経路も用いることができる。
【0194】
本明細書で使用する場合、「強化」、およびその文法上の変形は、量または程度を増加することを意味する。例えば、細胞からのインスリン放出またはGLP−1の放出の強化は、当該細胞によって放出されるインスリンまたはGLP−1の量を増加することを意味する。同様に、細胞のインスリン感受性の強化は、細胞のインスリン感受性の程度を増加することを意味する。強化としては、調節、修正、活性化などが挙げられるが、必ずしもこれらに限られない。
組成物
本発明は、真性糖尿病、インスリン抵抗症候群、高血糖症、および肥満症を処置するのに有用な様々な組成物であって、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、または生理学的に許容可能なその塩を含む組成物も目的とする。
【0195】
本発明は、ランゲルハンス小島のβ細胞質量、およびインスリン遺伝子発現を増加し、胃液分泌、胃内容排出、およびグルカゴン分泌を減少させ、食物摂取を抑制するのに有用な様々な組成物であって、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、または生理学的に許容可能なその塩を含む組成物も目的とする。
【0196】
一態様では、本発明は、上記で定義する式Iの化合物などのTRPM5阻害物質を含む医薬組成物であって、上記の特定の実施態様、サブクラス、または種、および1つまたは複数の医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を目的とする。本発明の好ましい組成物は、上記の1つまたは複数の実施態様、および1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤より選択される化合物を含む医薬組成物である。
【0197】
本発明の医薬組成物は、それに意図された目的を達成するのに適する何らかの形態でよい。しかし、好ましくは、この組成物は、頬側または経口投与可能な組成物である。あるいは、医薬組成物は、任意の口腔または鼻用スプレーでよい。
【0198】
本発明の医薬組成物は、1つまたは複数のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかの有利な効果を体験可能な任意の動物に投与するのに適する任意の形態でよい。これらの動物の中で最も重要なのはヒトであるが、本発明は、ヒトに限定することを意図されていない。その他の適切な動物としては、イヌ科の動物、ネコ科の動物、イヌ、ネコ、家畜、ウマ、ウシ、ヒツジなどが挙げられる。本明細書で使用される獣医学的組成物は、ヒト以外の動物に適する医薬組成物を意味する。このような獣医学的組成物は、当該技術分野で公知である。
【0199】
本発明の医薬品は、公知の方法を使用して、例えば、従来の混合、整粒、糖衣錠製造、溶解、または凍結乾燥プロセスにより製造することができる。したがって、口腔用の医薬品は、活性化合物を固形の賦形剤と結合し、結果として得られる混合物を任意に粉砕し、錠剤または糖衣錠のコアを得るのに必要な場合、適切な助剤を添加した後に、顆粒の混合物を処理することによって得ることができる。
【0200】
医薬賦形剤は、当該技術分野でよく知られている。適切な賦形剤としては、単糖類などの充填剤、例えば乳糖または蔗糖、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸トリカルシウムまたはリン酸水素カルシウム、並びに例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドンを使用するデンプン糊などの結合剤が挙げられる。必要な場合、崩壊剤を添加することができ、例えば上記のデンプン、さらにカルボキシメチルデンブン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、あるいはアルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムを添加することができる。助剤は、先ず、流動調節剤および潤滑剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸またはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコールである。糖衣錠のコアは、必要な場合、胃液に耐性がある適切なコーティングを施される。このため、濃縮単糖類溶液を使用することができ、この溶液は、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適切な有機溶剤または溶剤混合物を任意に含み得る。胃液に耐性があるコーティングを生成するために、適切なセルロース製剤、例えばアセチルセルロースフタル酸塩、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸塩の溶液が使用される。染料または顔料は、例えば識別するため、または活性化合物用量の組合せを特徴付けるために、錠剤または糖衣錠のコーティングに添加することができる。
【0201】
経口投与のための液体剤形としては、医薬的に許容可能な乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤が挙げられる。液体剤形は、活性化合物のほかに、当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば、水またはその他の溶剤、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアルデヒド、油(特に綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、海狸香、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物を含み得る。
【0202】
懸濁液は、活性化合物のほかに、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天−寒天、およびトラガカント、並びにこれらの混合物を含み得る。
【0203】
さらに他の実施態様では、本発明は、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる1つまたは複数の化合物、および1つまたは複数の生物学的に活性の薬剤を含む咀嚼錠を目的とする。咀嚼錠は、当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第4,684,534号および第6,060,078号参照。これらの特許は各々、引用することにより全体を本願に援用する。
【0204】
別の実施態様では、本発明は、口腔内崩壊性組成物を目的とし、この口腔内崩壊性組成物は、TRPM5阻害物質、例えば式Iによる1つまたは複数の化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかをさらに含む。口腔内崩壊性錠剤は、当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第6,368,625号および第6,316,029号参照。これらの特許の各々は、引用することにより全体を本願に援用する。
【0205】
別の実施態様では、本発明は、医学的に有効な量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる1つまたは複数の化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかをさらに含む鼻腔用組成物をさらに目的とする。鼻腔用スプレーは、当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第6,187,332号参照。非制限的な例として、本発明による鼻腔用スプレー組成物は、水(例えば95〜98重量%)、クエン酸塩(例えば、0.02Mクエン酸塩陰イオン〜0.06Mクエン酸塩陰イオン)、式Iによる化合物、および任意にリン酸塩(例えば、0.03Mリン酸塩〜0.09リン酸塩)を含む。
【0206】
別の実施態様では、本発明は、水および/または唾液により活性化される発泡性顆粒、例えば、調節可能な割合の発泡性を有する顆粒、およびTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを有する顆粒を含む固形剤形を目的とする。発泡性医薬組成物は、当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第6,649,186号参照。この特許は、引用することにより、全体を本願に援用する。
【0207】
別の実施態様では、本発明は、TRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを含み、崩壊可能なフィルム状またはウエファース状医薬組成物を目的とする。このようなフィルム状またはウエファース状医薬組成物は、例を挙げると速崩壊性投与剤形、例えば1秒〜3分間で崩壊する投与剤形、あるいは持続崩壊性投与剤形、例えば3〜15分間で崩壊する投与剤形として構成することができる。
【0208】
指示された崩壊時間は、例えば、異なる崩壊性または可溶性を有するマトリックス形成ポリマーを使用して、上記の範囲に設定することができる。したがって、対応するポリマー成分を混合することにより、崩壊時間を調節することができる。さらに、崩壊は、マトリックス中に水を「吸い込み」、マトリックスを内部から破裂させることとして周知されている。結果として、本発明の特定の実施態様は、崩壊時間を調節するために、このような崩壊剤を含む。
【0209】
フィルム状またはウエファース状医薬組成物に使用するのに適するポリマーとしては、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール(例えばMOWIOL(商標))、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、セルロースエーテル、例えばエチルセルロース、およびポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリメタクリル酸塩、ポリメタクリル酸メチル、並びに上記のポリマーの誘導体および共重合体が挙げられる。
【0210】
特定の実施態様では、本発明によるフィルム状またはウエファース状医薬組成物の全体の厚さは、好ましくは5μm〜10mm、好ましくは30μm〜2mmであり、特に好ましくは0.1mm〜1mmである。この医薬品は、円形、長円形、楕円形、三角形、四角形、または多角形でよいが、丸みのある任意の形状でもよい。
【0211】
別の実施態様では、本発明は、薬学的に活性な量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは、ガムベース製剤を包囲するコーティングに含まれる上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを含む組成物を目的とする。好ましくは、このコーティングは、製品全体の少なくとも50重量%を構成する。中心が咀嚼されると、この医薬品または薬剤は唾液中に放出される。例えば、引用することにより全体が本願に援用される米国特許第6,773,716号は、ガムベース製剤を包囲するコーティング中に含まれる適切な医薬品または薬剤を開示している。式Iによる1つまたは複数の化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかは、このコーティングを調製する際に使用することができる。式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかは、約30%、50%、75%、または90%などの様々な量で存在し得る。別の実施態様では、式Iによる化合物は、約30%〜約99%で存在し得る。他の実施態様では、式Iによる化合物は、約1%〜約30%で存在し得る。
【0212】
さらに他の実施態様では、本発明は、エアロゾール投与に適する医薬組成物であって、医学的に有効な量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、および適切な担体を含む医薬組成物を目的とする。エアロゾール組成物は、当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第5,011,678号参照。この特許は、引用することにより全体を本願に援用する。非制限的な例として、本発明によるエアロゾール組成物は、TRPM5阻害物質、例えば式Iによる1つまたは複数の化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、および(ヒドロ/フルオロ)カーボン推進薬などの生体適合性推進薬を含み得る。
【0213】
さらに他の実施態様では、本発明は、医学的に有効な量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを含む経皮薬物送達組成を目的とする。デバイスなどの経皮薬物送達組成は、治療上有効な量の薬物を患者の皮膚から送達するように設計される。当該技術分野で公知のデバイスとしては、皮膚に対する薬物の放出量を制御する膜を含む貯槽タイプのデバイス、およびマトリックス中の薬物の分散を含むデバイスが挙げられる。経皮パッチなどの経皮薬物送達組成は、当該技術分野で公知である。
【0214】
特定の実施態様では、本発明の医薬組成物は、約0.001mg〜約1000mgのTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを含む。別の実施態様では、本発明の組成物は、約0.01mg〜約10mgのTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを含む。
【0215】
TRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかの活性は、当該技術分野で公知の多くの方法を用いて前記の化合物をテストすることによって判断することができる。例えば、インスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を強化するための化合物の能力は、インビボアッセイを用いることによって評価することができる。このインビボアッセイは、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物の存在下における膵細胞によるインスリン放出、またはL型腸内分泌細胞によるGLP−1の放出の量を特定する。
【0216】
TRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかは、実施例23に記載されているアッセイによって判断することもできる。
化合物の調製方法
TRPM5阻害物質は、本明細書に開示するアッセイおよび方法を用いて特定することができる。さらに、引用することにより全体を本願に援用される米国公開特許出願第20050019830号に開示されているアッセイは、TRPM5の阻害物質である化合物を特定するために使用することができる。このような化合物は、当業者にとって周知の技術を用いて調製することができる。
【0217】
式Iによる化合物は、以下の説明に概説されている方法に従って合成することができる。本発明に使用される化合物は、当該技術分野で公知の手順を用いて合成することができる。
【0218】
以下の一般的なスキームは、本発明の化合物を調製するために使用される合成方法を示す。あるプロセスでは、式Iの化合物は、スキーム1(ここで、R1、R2、R3、R4、L1、およびL2は、上記で定義されている)に示されるように、適切な有機溶剤、例えばエタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、トルエンなど、およびこれらの混合物中において、適切なケトンまたはアルデヒドで適切なアシル化ヒドラジドを縮合することによって調製することができる。分子篩または乾燥炭酸カリウムなどの水性焼入剤は、このプロセスで有用であり得る。酸または塩基触媒は、縮合を促進するために使用され得る。酸触媒としては、ρ−トルエンスルホン酸、メチルスルホン酸、リン酸、および硫酸が挙げられるが、これらだけに限らない。塩基触媒としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0219】
【化6】
別のプロセスでは、R2がHである式Iによる特定の化合物は、スキーム2(ここで、R1、R2、R3、R4、L1、およびL2は、上記で定義されている)に示されるように調製することができる。このプロセスによると、適切なカルボン酸は、式Iによる化合物を提供するのに適するアルデヒドまたはケトンのヒドラゾンで処理される。カルボニジイミダゾールおよびトリエチルアミンは、この反応で縮合剤として使用することができるが、他の適切な縮合剤を使用してもよい。
【0220】
【化7】
さらに他の実施例として、R1およびR2がアリール基である式Iの化合物は、適切な有機溶剤、例えばエタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、トルエンなど、およびこれらの混合物中において、並びに水性焼入剤、例えば分子篩または乾燥炭酸カルシウム(スキーム1)の存在下において、アルデヒド(化合物2など)でアシル化ヒドラジド(化合物1など)を縮合することによって調製することができる。酸または塩基触媒は、縮合を促進するために使用し得る。酸触媒としては、ρ−トルエンスルホン酸、メチルスルホン酸、リン酸、および硫酸が挙げられるが、これらだけに限らない。塩基触媒としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらだけに限らない。このプロセスの一例をスキーム3に示す。
【0221】
【化8】
この方法の変形は、適切なカルボン酸(化合物3など)を、適切なアルデヒド(化合物4など)のヒドラゾンで処理して、化合物Iを提供することを含むであろう。カルボニルイミダゾールおよびトリエチルアミンは、この反応で縮合剤として一般に用いられている。このプロセスの一例をスキーム4に示す。
【0222】
【化9】
この反応は、ニートで(例えば、溶剤を使用しない)で行うこともできる。反応が完了した後、結晶化によって生成物を溶剤、例えばエタノール、ジクロロメタン、エチル酢酸塩、およびトルエンなどから単離することができる。
【0223】
同様に、他の本発明の化合物は、当業者が商業的供給源から入手して調製することができる。出発原料は商業的に入手可能であるか、あるいは、当業者が調製することができる。例えば、上記の化合物1は、カルボン酸(化合物3など)と、保護されたヒドラジン(化合物5など)とをカルボニルイミダゾール/トリエチルアミンの存在下で反応させて、保護された酸ヒドラジド(化合物6など)を提供することによって調製することができる。反応が完了した後、酸ヒドラジド(化合物6など)からの保護基を標準条件下で(酸性条件など、例えばトリフルオロ酢酸)除去して、式Iの化合物を提供することができる。このプロセスの一例をスキーム5に示す。
【0224】
【化10】
本発明のその他の化合物は、本明細書に記載する方法の多少の変形により調製することができる。上記および他の方法は、文献に記載されており、例えばWyrzykiewicz and Prukala,Polish J.Chem.72:694−702(1998);およびElderfield and Wood,J.Org.Chem.27:2463−2465(1962)があり、これらは各々、引用することにより全体を本願に援用する。
【0225】
その他の式Iの化合物(L2がN=N)は、ジアゾニウム塩とヒドラゾンとを反応させることによって調製し得る。この縮合に用いられる反応条件は、有機合成の当業者に周知されている(例えば、Synthesis,577−581(1995);Chemical and Pharmaceutical Bulletin 42(11):2363−2364(1994);Tetrahedron 38(12):1793−1796(1982)参照)。出発原料は、商業的に入手し得るか、あるいは通常使用されている有機反応条件で調製し得る。
【0226】
【化11】
L2が存在せず、R3およびR4がシアノであり、R2がHであるさらに他の式Iの化合物は、マロノニトリルをジアゾニウム塩で縮合させることによって調製し得る。この反応および条件は、有機合成の当業者に周知されている(例えば、Archiv.der Pharmazie 337(3):140−147(2004);Monatshefte fuer Chemie 130(11):1409−1418(1999)参照)。
【0227】
【化12】
L1−R1であるその他の式Iの化合物は、
【0228】
【化13】
ラクトンA(Zhurnal Organischeskoi Khimii 17(3):481−486(1981)参照)をヒドラジンで、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)またはその他の溶剤中で処理し:
【0229】
【化14】
本明細書に記載するように使用可能なアシルヒドラゾンBを提供することによって調製することができる。
【0230】
L1−R1であるその他の式Iの化合物は、
【0231】
【化15】
ケト酸Cから調製することができる(Org.Syn.Coll.Vol.9,530参照)。ケト酸Cは、ジアゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタン、またはその他の試薬化合物でエステル化し、結果として得られるエステルは、水素化ホウ素ナトリウムなどの選択還元剤で、メタノールまたはエタノール中で還元させて、中間体Dおよび/またはそのラクトンを提供する。中間体D(または、そのラクトン)は、過剰なヒドラジンでアルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)またはその他の溶剤中で処理して、中間体Eを提供する。この中間体は、式Iの化合物の調製のために、本明細書に記載するように処理し得る。
【0232】
【化16】
L1が存在せず、R1が
【0233】
【化17】
であるその他の式Iの化合物は、中間体Gから調製し得る。中間体Gは、商業的に入手可能なジアゾニウムエンF(例えば、Journal of Heterocyclic Chemistry 24(4):1041−3(1987)参照)などを塩化スズで還元して調製される。
【0234】
【化18】
L1−R1が
【0235】
【化19】
であるその他の式Iの化合物は、中間体Kから調製し得る。中間体Kは、以下のスキームに示すように調製される。アニリン(H)は、炭酸カリウムなどの塩基、別の炭酸塩塩基、あるいはより強力な塩基、例えばヘキサメチルジシラザンナトリウムまたは水酸化ナトリウム、およびブロモ酢酸エチルで処理され、Jを提供する。中間体Jは、過剰なヒドラジンで、アルコールまたはその他の溶剤中で処理され、本明細書に記載するように使用されるKを提供する。
【0236】
【化20】
L1が存在せず、R1が
【0237】
【化21】
であるその他の式Iの化合物は、中間体Mから調製し得る。中間体Mは、商業的に入手可能なハロゲン化物Lを、JCS Perkin 1,2216−2221(1976)に記載されているようにピロリジンで処理することによって得られる。
【0238】
【化22】
当然、当該技術分野で公知のその他の方法および手順を使用して、特定の式Iの化合物を調製し得る。
【0239】
以下の実施例は、本発明の方法、化合物、および組成物の実例であり、制限するものではない。以下に記載する各々の化合物は、商業的に入手可能な通信販売会社、例えばAldrich RarechemLib、Aldrich Sigma、AlsInEx、Biotech Corp.、Brandon/Berlex、Calbiochem、ChemBridge、Comgenex West、Foks H、G.&J.Research、IBS、ICN Biochemicals、Institute for Chemotherapy、Kodak、Lederle Labs、Ligand−CGX、Maybridge PRI、Menai Organics、Menai/Neurocrine、Micro Source、MPA Chemists、Mybrgd/ONYX、PRI−Peakdale、RADIAN、Receptor Research、RGI、Rhone−Poulenc、SPECS/BioSPECS/SYNTHESIA、T.Glinka、Tripos Modern、VWR、Zaleska、Zelinksy/Berlex、Aeros、およびChemicaから入手し得る。これらの化合物は、HPLCなどの従来の精製手順を用いて精製した。化合物の身元は、HPLCおよび質量分析法を用いて確認した。当該技術分野で公知であり、上記で指摘したとおり、ヒドラゾン部分は、EまたはZ配座の何れかで存在することが可能である。したがって、本明細書に記載する特定の化合物には、特定の立体化学が指示され得るが、本発明は、すべての立体異性体、特にすべてのEおよびZ異性体を含むと考えられる。通常遭遇し、当業者にとって明らかな多様な条件およびパラメータのその他の適切な修正および適合は、本発明の精神および範囲に含まれる。
【実施例】
【0240】
(実施例1)
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチルプロピル)ジアゼニルジアゼニル)安息香酸塩
【0241】
【化23】
分子式:C19H19N5O2S;分子量:381.5(算出)。
【0242】
(実施例2)
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸
【0243】
【化24】
分子式:C18H14BrN3O3;分子量:400(算出)。
【0244】
(実施例3)
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド
【0245】
【化25】
分子式:C21H20N2O3;分子量:348(算出)、348(実測)。
【0246】
(実施例4)
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパンカルボヒドラジド
【0247】
【化26】
分子式:C19H20N2O3;分子量:324(算出)、324(実測)。
【0248】
実施例4の鏡像異性体(R,R, R,S, S,S,およびS,R)は、超臨界流体クロマトグラフィにより、20%メタノール(流量5mL/分、100バール、35℃)を使用して、4.6×250mmDiacel ODHカラム上で分離した。分離のHPLCクロマトグラフを図15に示す。
【0249】
(実施例5)
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)ブタンヒドラジド
【0250】
【化27】
分子式:C18H24N2O3;分子量:316.40(算出)。
【0251】
(実施例6)
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド
【0252】
【化28】
分子式:C20H30N2O4;分子量:364.5(算出)、364(実測)。
【0253】
(実施例7)
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)−メチレン)ヒドラジニル)安息香酸
【0254】
【化29】
分子式:C20H16N4O2;分子量:344.7(算出)。
【0255】
(実施例8)
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド
【0256】
【化30】
分子式:C18H20N2O4;分子量:328(算出)、328(実測)。
【0257】
(実施例9)
(E’)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)アセトヒドラジド
【0258】
【化31】
分子式:C20H21BrN2O3S;分子量:449(算出)、447.9(実測)。
【0259】
(実施例10)
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド
【0260】
【化32】
分子式:C18H24N2O;分子量:284(算出)、284(実測)。
【0261】
(実施例11)
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)エチリデン)インドリン
【0262】
【化33】
分子式:C19H20N4O2;分子量:336(算出)、336(実測)。
【0263】
(実施例12)
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパンカルボヒドラジド
【0264】
【化34】
分子式:C21H25N3O2;分子量:351(算出)、351(実測)。
【0265】
(実施例13)
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド
【0266】
【化35】
分子式:C10H5F3N4S;分子量:270.24(算出)。
【0267】
(実施例14)
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド
【0268】
【化36】
分子式:C26H22N4O3;分子量:438.5(算出)。
【0269】
(実施例15)
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸
【0270】
【化37】
分子式:C20H21N3O2;分子量:335.4(算出)。
【0271】
(実施例16)
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン
【0272】
【化38】
分子式:C19H17N3;分子量:287(算出)、287.2(実測)。
【0273】
(実施例17)
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド
【0274】
【化39】
分子式:C16H21N3O;分子量:271(算出)。
【0275】
(実施例18)
(Z)−1−(2−(4−(エチル−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)ナフタレン−2(1H)−オン
【0276】
【化40】
分子式:C20H21N3O2;分子量:335(算出)、333.2(実測)。
【0277】
(実施例19)
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチルヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール
【0278】
【化41】
分子式:C14H11ClF3N3O;分子量:345.7(算出)、344.9(実測)。
【0279】
(実施例20)
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロベンジリデン)アセトヒドラジド
【0280】
【化42】
分子式:C21H25N5O4;分子量:411.4(算出)、411.3(実測)。
【0281】
(実施例21)
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン
【0282】
【化43】
分子式:C17H23N5O2;分子量:329.4(算出)。
【0283】
(実施例22)
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール
【0284】
【化44】
分子式:C18H21N5O;分子量:323.4(算出)。
【0285】
(実施例23)
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド
【0286】
【化45】
分子式:C24H23N3O3。
【0287】
(実施例24)
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド
【0288】
【化46】
分子式:C22H22N3O3。
【0289】
(実施例25)
TRPM5阻害物質によるインスリン放出の強化を判断するためのアッセイ
βTC−6細胞は、Poitout et al.,Diabetes,44:306−313(1995)に記載されているように、膵臓のβ細胞にシミアンウイルス40(SV40)のラージT抗原を発現する遺伝子組み換えマウスから誘導されたインスリン分泌細胞系である。この細胞系は、ATCC細胞バンクのCAT# CRL−11506から入手し、5%CO2の37℃培養器内に15%のウシ胎仔血清(FBS)、4mMのグルタミン、4.5mMのグルコース、1500mg/Lの重炭酸ナトリウム、および1倍のペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質混合物を有するDulbeccoの変法イーグル培地(DMEM)中で成長させた。培養物は、規定どおり、トリプシンを利用して週に2回、1:2に分裂させた。
【0290】
アッセイの前日、0.1×106βTC−6細胞を96ウェルのプレートの各ウェル内に配置し、細胞を成長培地中で一晩培養した。
【0291】
その翌日、成長培地をプレートから除去し、単分子層をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗い流し、118.5mMのNaCl、2.54mMのCaCl2、1.19mMのKH2PO4、4.74mMのKCl、25mMのNaHCO3、1.19mMのMgSO4、10mMのHEPES緩衝剤、およびpH7.4の0.1%ウシ血清アルブミンから成るKrebs Ringerの重炭酸塩緩衝液(KRBB)中において37℃で30分間プレインキュベートした。この緩衝液を除去し、様々な濃度の12mM以下のグルコースおよび100μM以下の化合物を含む様々なインスリン放出修飾物質を含む100μLの同じ緩衝液と置換した。化合物の原液、例えば10〜20mMをDMSO中で希釈した。インキュベーション緩衝液中の最終的なDMSO濃度は0.5%以下だった。溶媒対照が含まれていた。次に、静止インキュベーションを37℃で2時間行った。全体のインキュベーション量は、インスリンアッセイのために、2時間のインキュベーション後に収集した。
【0292】
インスリン判定のためのELISAプロトコル。以下のプロトコルを用いて、Linco Research,Inc.のラット/マウスインスリンELISAキット、CAT# EZRMI−13KおよびAmplex(登録商標)Red過酸化水素/ペルオキシダーゼアッセイキット、CAT# A22188、およびAmplex(登録商標)Red試薬(10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジン)CAT# A12222を使用してELISAを実施した。
【0293】
すべての試薬は、実験を設定する前に、予熱して室温にした。
【0294】
1.10倍の洗浄緩衝液を1倍の洗浄緩衝液中に入れて希釈する。50mL+450mL脱イオン水。細胞培養上澄(βTC−6細胞インキュベーション)に1:10の希釈を行う。
【0295】
2.一般に0〜5ng/mLのインスリンの標準サンプル、並びにQC1およびQC2に、1カラム(8個のウェル)ウェルを使用する。いくつかのプレートで、インスリンの完全標準曲線は以下のように得られた。
【0296】
3.未使用のウェルを十分に覆う。1回の洗浄ごとに各々のウェルを300μLの1倍洗浄緩衝液で3回洗浄する。(シェーカー上の各洗浄ステップごとに2分間)。洗浄緩衝液をデカントして、プレートを反転させ、プレートを吸収性のタオルの上に数回軽く叩いて、残留量をすべてのウェルから除去する。次のステップに進む前に、ウェルを乾燥させない。
【0297】
4.20μLのアッセイ緩衝液をその空のウェル内に加え、10μLを標準およびサンプル用のウェルに加える。
【0298】
5.10μLのラットのインスリン標準およびサンプルを適切なウェルに加える。
【0299】
6.80μLの検出抗体をすべてのウェルに加える。プレートを覆い、室温で2時間インキュベートする。
【0300】
7.プレートカバーを引き裂き、溶液をプレートからデカントする。プレートを叩いてウェル中の残留溶液を除去する。
【0301】
8.1回の洗浄ごとに希釈洗浄緩衝液300μLで、ウェルを3回洗浄する(シェーカー上の各洗浄ステップごとに2分間)。上記のように、プレートを叩いて残留溶液を除去する。
【0302】
9.100μLの酵素溶液を各々のウェルに加える。プレートをシーラーで覆い、マイクロタイタープレートシェーカー上で適度に振って、室温で30分間インキュベートする。
【0303】
10.シーラーを除去し、溶液をプレートからデカントして、プレートを叩いて残留流体を除去する。
【0304】
11.1回の洗浄ごとに希釈洗浄緩衝液300μLで、ウェルを6回洗浄する。各々の洗浄後、プレートを叩いてデカントし、残留緩衝液を除去する。
【0305】
12.2.0mMのH2O2、4.45mLの1倍反応緩衝液+50μL、10mMのAmplex試薬+500μL、20mMのH2O2を含む100μLのAmolex Red試薬の5mL希釈溶液を調製する。
【0306】
13.100μLのAmplex Red試薬/H2O2を各々のウェルに加える。
【0307】
14.反応をインキュベートする。インキュベートは、室温で30分間、光から保護して行う(プレートを覆うフォイルを使用する)。次に、分子デバイスFlexStationの複数の時間点で、590nm(励起範囲は530〜560nm)の蛍光を測定する。
【0308】
上記の手順またはそのわずかな変形は、TRPM5阻害物質のインスリン分泌強化を判定するために使用される。
【0309】
(実施例26)
TRPM5を含む細胞の電気生理学的研究
TRPチャネル電流のホールセル記録を、急激にトリプシン処理したβTC−6細胞、およびTRPM5発現HEK細胞から取得した。槽溶液は、1.2mMのCaCl2、0.5mMのMgCl2−6H2O、0.4mMのMgSO4−7H2O、5.3mMのKCl、0.4mMのKH2PO4、137.9mMのNaCl、0.3mMのNa2HPO4−7H2O、および5.5mMのD−グルコースから成るハンクス平衡塩類溶液で、20mMのHEPES(Invitrogen)、pH7.4(NaOH)を含んでいた。内部ピペット溶液は、135mMのグルタミン酸、8mMのNaCl、9mMのCaCl2、10mMのHEPES、および10mMのEGTA、pH7.2(CsOH)(Sigma)を含んでいた。内部溶液中の遊離型カルシウムの算出濃度は、1.5μMだった(http://www.stanford.edu/〜cpatton/webmaxc/webmaxcS.htm)。記録ピペットは、Flaming/Brownマイクロピペットプラー(Sutter Instruments)を使用して、火炎研磨したホウケイ酸ガラスから約2MΩまで引っ張った。
【0310】
電圧固定記録は、Clampex 9.2ソフトウェア(Axon Instruments)上で動作するMultiClamp700B増幅器、およびDigidata1 322A変換器を使用して、ホールセルモードで取得した。記録は室温で行った。記録プロトコルは、−80mV電位〜+80mVのランプの後、−80mVのステップから構成した。3つの異なる電圧でピーク電流を測定した;−80mV、+80mVにランプした後、次に−80mVに戻った。直列抵抗は、ブレークイン直後に自動的に補正され、結果として得られたキャパシタンスの測定値を使用して、電流密度を計算した。5kHzでデータを抽出し、1kHZで濾過した。
【0311】
化合物は、DMSOストックとして調製した。実験当日、DMSOストックを槽溶液中で溶解し、0.1%の最終DMSO濃度にした。マルチバレルアプリケータ(SF−72、Warner)を使用して、急速な溶液の交換(約100ms)が達成された。
【0312】
(実施例27)
マウスのβTC−6細胞におけるmTRPM5の存在
βTC−6細胞を成長させてから遠沈させ、QiagenのRNeasyミニキット(Cat #:74104)を使用して、RNAプレップを作成した。このプレップは、Invitrogen DNase I(Cat #:18068−015)を使って、2回目にDNase処理した。RT−PCR用のInvitrogen Superscriptの第1鎖合成システム(Cat #:12731−019)を使用して、第1鎖cDNA合成を用意した。RT(+)およびRT(−)cDNAsの両方を作成して、ゲノム汚染の可能性を検査した。
【0313】
InvitrogenのプラチナTaq DNAポリメラーゼ(Cat #:10966−018)、およびmtrpM5に特異的なフォワードおよびリバースプライマーを使用して、RT(+)およびRT(−)cDNAの両方をPCR処理した。正しいサイズの帯域は、RT(+)生成物に見られ、RT(−)cDNAの帯域が存在しない場合に見ることができるように、ゲノム汚染はなかった。結果を図14に示す。
【0314】
(実施例28)
選択した化合物の活性
本発明の選択された化合物について、インスリン分泌を増加する能力をテストした。結果を以下の表に示す。この化合物を10μMの濃度でテストした。このデータは、グルコース依存性インスリン産生と対照したテスト化合物によって生成されるインスリン分泌の強化率を示す。また、30μMでテストしたトルブタミドの活性も表に示す。
【0315】
【表1】
(実施例29)
TRPM5阻害物質によるGLP−1の放出を、GLUTag細胞を用いて検出するためのアッセイ
マウスのGLUTag細胞は、TRPM5を発現する自然の腸細胞系である。この細胞系は、トロント大学医学部内分泌学科のDr.Daniel J.Druckerから入手し、5%CO2の37℃培養器内に10%のウシ胎仔血清(FBS)、1倍のペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質混合物を有するInvitrogen Dulbeccoの変法イーグル培地(DMEM)高グルコース(Cat #:11995)中で成長させた。
【0316】
すべての試薬は、実験を開始する前に、予熱して室温にした。基質希釈剤および感光性基質は、使用直前に解凍状態にした。
細胞プレートの播種
GLUTag細胞を有するBD96−ウェルマトリゲル塗布プレート(Fisher,Cat #:08−774−166)は、100μLのプレーティング媒体(10%のFBSおよび1倍のペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質混合物を有するInvitrogenの(Cat #:31985)OPTI−変法イーグル培地(MEM))を使用して再水和し、5%CO2の37℃培養器内で30分間インキュベートした。次に、GLUTag細胞をトリプシン処理し、カウントした。GLUTag細胞の播種密度7.5×105細胞/mlで、細胞希釈を行った。再水和培地は、マトリゲル塗布プレートから吸引した。100μLの細胞希釈液を、プレートの各々のウェル中にプレーティングした。次に、このプレートを5%CO2の37℃培養器内で一晩インキュベートした。
【0317】
以下のプロトコルは、MilliporeのGLP−1ELISAキット(Cat.#:EGLP−35K)を使用して、TRPM5阻害物質/エンハンサおよびグルコースが存在する状態でのGLUTag細胞からのGLP−1分泌物を分析した。
1日目のELISAアッセイ
TRPM5阻害物質またはエンハンサの原液および希釈プレートを調製した。1%のウシ血清アルブミン(BSA)を、使用直前にKrebb’s Ringerの重炭酸塩緩衝液(KRBB)に加えた。KRBBは、118.5mMのNaCl、2.54mMのCaCl2・2H2O、1.19mMのKH2PO4、4.74mMのKCl、25mMのNaHCO3、1.19mMのMgSO4・7H2O、および10mMのpH7.4のHEPES緩衝液で構成される。細胞プレートは、100μLのKRBBで30分間インキュベートした。次に、KRBB緩衝液を吸引した。このインキュベーションステップを1回繰り返した。KRBB緩衝液を吸引して、様々な濃度のTRPM5阻害物質またはエンハンサおよびグルコース、つまり12.5mMのグルコースおよび1.5μMのTRPM5阻害物質を含む150μLの同じ緩衝液と置換した。TRPM5阻害物質/エンハンサおよびグルコースを含まないKRBB緩衝液もトリプリケートでテストした。処理した細胞の静止インキュベーションを、5%CO2の37℃培養器内で2時間行った。
【0318】
2時間のインキュベーションのうち、最後の30分間で、96ウェルELISAプレートを以下のように作成した。抗GLP−1モノクローナル抗体を塗布したGLP−1(活性)ELISAプレートは、300μL/ウェルの洗浄緩衝液(1:10希釈の洗浄緩衝液濃度(Tween20およびアジ化ナトリウムを含む10mMのPBS緩衝液)で3回洗浄した。次に、200μLの量のアッセイ緩衝液(Tween20、0.08%のアジ化ナトリウム、および1%のBSAを含むプロテアーゼ阻害物質を有するpH6.8の0.05MのPBS)を、非特異的な結合ウェルA10−A12に加えた。100μLの量のアッセイ緩衝液をGLP−1標準ウェルに加えた。総量100μLのアッセイ緩衝液(98μL)とジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害物質との組合せ(Linco Cat# DPP4)(2μL)をすべての細胞サンプルウェルに加えた。100μLの量のGLP−1アミドELISA標準(アッセイ緩衝液中のGLP−1(7−36アミド):2、5、10、20、50、および100pM)を昇順で、デュプリケートで適切なウェルに加えた。次に、100μLの量のサンプルを細胞プレートから残りのウェルに加えた。ELISAプレートを静かに振り、適切に混合した。
【0319】
次に、ELISAプレートを接着シールで覆い、4℃で一晩(20〜24時間)インキュベートした。
【0320】
次に、ELISAプレートからの液体をデカントして、過剰な流体を吸収性のタオル上にプレートを叩いて出した。ELISAプレートを、ウェルごとに300μLの洗浄緩衝液で5回洗浄し、4回目の洗浄で、洗浄緩衝液中において室温で5分間インキュベートした。過剰な緩衝液は、5回目の洗浄後、吸収性のタオル上にプレートを叩いて出した。次に、200μLの量の検出共役体(抗GLP−1アルカリ性リン酸塩共役体)を直ちに各々のウェル内に加えた後、室温で2時間インキュベートした。次に、検出共役体をデカントし、300μLの洗浄緩衝液で各々のウェルを3回洗浄した。過剰な流体は、ペーパータオル上にプレートを叩いて出した。200μL中の希釈基質を各々のウェルに加えて、室温の暗がりで少なくとも20分間インキュベートした。感光性基質MUP(メチルウンベリフェリルリン酸)10mgをMilliporeのGLP−1ELISAキット内に供給し、使用直前に1mLの脱イオン水で水和した。1:200希釈液を基質希釈液中で生成した(例えば、20mLの基質希釈液中に100μLの水和基質)。希釈は、使用直前にその都度新しく行った。20分後、355nm/460nmでプレートを読み取った。プレート読取装置から読み取った標準曲線の最低点(つまり、2pM)内に十分な信号対雑音比があり、最高標準点(つまり、100pM)が最大相対蛍光単位(RFU)内にあった場合、追加のインキュベーション期間は不要だった。さもなければ、追加のインキュベーション時間が必要だった。
【0321】
信号が十分だった場合、50μLの停止溶液を各々のウェル内に、基質を追加した順序と同じ順序で加えた後、室温の暗がりで、5分間のインキュベーション期間を続けて、ホスファターゼの活性を停止した。次に、355nm/460nmの励起/放射波長で、蛍光プレート読取装置上でELISAプレートを読み取った。結果を図16〜19に示す。
【0322】
本発明について十分に説明してきたが、当業者には、同じことは、本発明の範囲、またはその何らかの実施態様に影響することなく、条件、処方、およびその他のパラメータの広範かつ等価な範囲で実行できることが理解されるであろう。本明細書に引用するすべての特許および文献は、引用することにより全体的に完全に本願に援用される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効量のTRPM5阻害物質、例えば、本明細書に定義する式Iによる化合物を対象に投与することによって、インスリン放出を強化し、GLP−1の放出を強化し、インスリン感受性を増加し、インスリン遺伝子発現を増加し、胃液分泌を減少させ、胃内容排出を減少させ、グルカゴン分泌を減少させる方法に関する。本発明は、有効量のTRPM5阻害物質、例えば、本明細書に定義する式Iによる化合物を対象に投与することによって、真性糖尿病、インスリン抵抗症候群、高血糖症、および肥満症を処置する方法にも関する。本発明はさらに、上記疾病の処置を必要とする動物、好ましくはヒトまたはその他の哺乳類において上記疾病を処置する際に、こうしたTRPM5阻害物質を使用する方法、および処置に有用な医薬組成物に関する。本発明の上記およびその他の態様について、以下で詳細に説明する。
【背景技術】
【0002】
真性糖尿病は、異常なインスリン産生、尿量の増加、および血糖値の上昇を特徴とする症候群である。ヒトの膵臓のβ細胞によるインスリン産生レベルに基づいて説明することが可能なサブクラスは、主に2つある。1つは、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM、つまり1型)であり、若年期に顕著であったため、正式には若年発症糖尿病と呼ばれる。1型糖尿病の場合、膵臓のβ細胞が、身体自体の免疫系によって破壊されているため、インスリンが殆どあるいはまったく産生されない。糖尿病患者全体の5〜10%はIDDMである(非特許文献1)。もう一方のタイプは、インスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM、または2型)であり、成人発症型糖尿病と呼ばれることが多い。2型糖尿病の場合、膵臓のβ細胞はインスリンを産生するが、正常な血糖値を維持するには十分な量ではない。2型糖尿病は、細胞上のインスリン機能の有効性に影響する分子機構(molecular machinery)の悪化(例えば、インスリン抵抗性および不適切なインスリン放出)から生じる。糖尿病患者全体の90〜95%はNIDDMである(非特許文献2)。
【0003】
2型糖尿病は深刻な医療問題であり、その発症は増加している。1990年から1998年にかけて、米国におけるNIDDMの有病率は33%増加し、約1,300万人に達した。さらに500万人が診断未確定のNIDDMと考えられ、さらに1,400万人が耐糖能異常である。糖尿病に関連する直接医療費は、1997年には440億ドルに達し、これは、主に、高血糖症関連の糖尿病合併症、例えば糖尿病性血管障害、アテローム性動脈硬化、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、並びに糖尿病性眼合併症、例えば網膜症、白内障形成、および緑内障によるものである。
【0004】
インスリンの代謝作用に対する抵抗性は、インスリン非依存性糖尿病の主な特徴の1つである。インスリン抵抗性は、インスリン感受性標的器官、例えば脂肪細胞および骨格筋におけるグルコースの摂取および利用が損なわれ、肝臓のグルコース産生の阻害が損なわれることに特徴がある。インスリンが機能的に欠損したり停止したりすると、肝臓のグルコース産生が抑制され、空腹時高血糖症を生じる。膵臓のβ細胞は、インスリンを増量して分泌することによってインスリン抵抗性を補償する。しかし、β細胞は、インスリン産生量を上記のように高く維持することはできないので、結局、グルコース誘発によるインスリン放出は失敗する。これは、グルコース恒常性の悪化につながり、その後、顕性糖尿病への進行を招く。
【0005】
グルコースの利用およびインスリン抵抗性の障害に関連するその他の代謝異常としては、インスリン抵抗性症候群(以下、「IRS」と呼ぶ)が挙げられ、これは、インスリン抵抗性;高インスリン血症;インスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM);動脈性高血圧;中心性(内臓)肥満症;および脂質異常症を含む徴候群を意味する。
【0006】
インスリン抵抗性治療、ひいては糖尿病治療の主な目標は、血糖値を下げて、急性および長期間にわたる疾病を予防することである。人によっては、食生活の改善および運動量の増加は、グルコースコントロールの目標を達成するのに功を奏する治療法の選択肢であり得る。食生活の改善および運動量の増加では十分とならない場合、経口抗糖尿病薬を使用する薬物療法が開始される。
【0007】
膵臓が正常に機能しないまま生活している糖尿病患者は多数いるため、インスリン放出のコントロールは非常に重要である。糖尿病のタイプによっては、インスリンの総レベルは、正常な血糖値を維持するのに必要なレベル未満に減少する。他のタイプでは、必要なインスリンは産生されても、血糖値の上昇後、信じられないほど遅くならないと、必要なインスリンは産生されない。さらに、何らかの原因で、体がインスリンの作用に耐性を示す場合もある。糖尿病の調節が不十分であると、糖尿病性合併症の原因になる可能性がある。糖尿病性合併症は、2型患者に一般的であり、患者の約50%が診断時に1つまたは複数の合併症に罹患している(非特許文献3)。
【0008】
注射による外因性インスリンは、糖尿病を管理するために臨床的に使用されるが、いくつかの欠点がある。インスリンはタンパク質であり、消化および分解によって経口で摂取することはできないため、注射しなければならない。インスリンの投与によって血糖値を良好にコントロールすることは、必ずしも可能ではない。時にはインスリン抵抗性が生じ、通常よりはるかに多量のインスリンが必要となる。インスリンのもう1つの欠点は、インスリンはホルモンの異常をコントロールし得るが、必ずしも、神経障害、網膜症、糸球体硬化症、および心臓血管疾患などの合併症の発症を予防しないことである。インスリンは、主に、2つの標的組織、つまり肝臓および筋肉に作用することによって、グルコース恒常性を調整する。肝臓は、グルコースを産生する唯一の部位であり、骨格筋は、インスリンの媒介によりグルコースを摂取する主な部位である。
【0009】
2型糖尿病の処置に有用な薬物には、いくつかの種類がある:1)インスリン放出物質であり、これは、インスリンの放出を直接刺激し、低血糖のリスクがある;2)食事中のインスリン放出物質であり、これは、グルコース誘発インスリン放出を促進し、毎食前に摂取しなければならない;3)メトホルミンを含むビグアニドであり、これは、肝臓の糖新生(糖尿病において逆説的に上昇する)を減少させる;4)インスリン増感剤、例えばチアゾリジンジオン誘導体、つまりロシグリタゾンおよびピオグリタゾンであり、これは、インスリンに対する周囲の反応を改善するが、体重増加、浮腫、場合によっては肝毒性などの副作用がある;5)インスリン注射であり、これは、膵島が、慢性の過刺激状態で不全になる2型糖尿病の末期の段階で必要になる場合が多い。現在の経口抗糖尿病療法の効果は限られているが、それは、一部には、血糖コントロールが不十分であるか、または限られているか、あるいは受け入れがたい副作用により、患者のコンプライアンスが不十分であるためである。こうした副作用としては、浮腫、体重増加、低血糖、およびさらに重大な合併症が挙げられる。
【0010】
インスリン分泌促進剤は、軽度から中度の空腹時高血糖症の2型糖尿病患者の標準的な治療法である。インスリン分泌腺としては、スルホニル尿素(SFU)および非スルホニル尿素、ナテグリニド、およびペパグリニドが挙げられる。スルホニル尿素は、次の2つのサブカテゴリに細分される:第1世代の薬剤、例えばトルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、および第2世代の薬剤、例えばグリブリド(グリベンクラミド)、グリピジド、およびグリクラジド。
【0011】
インスリン分泌促進剤は、低血糖を誘発したり、体重増加を誘発したり、一次および二次無効を高率で誘発したりする可能性があるという制約がある。患者の約10〜20%は、処置の始めから著しい処置効果を示さない(一次無効)。インスリン分泌促進剤による処置から6ヵ月後に、処置効果がさらに20〜30%失われることによって、二次無効であることが証明される。インスリン分泌促進剤の応答者の50%は、治療から5〜7年後にインスリン処置が必要となる(非特許文献4)。ナテグリニドおよびペパグリニドは、1日に3回摂取する必要がある短時間作用型薬物である。これらは、食後グルコースのコントロールにのみ使用され、空腹時グルコースのコントロールには使用されない。
【0012】
スルホニル尿素による処置は、血糖値が正常値未満に低下すると発生する低血糖(つまり、インスリンショック)の危険性を増加させる(非特許文献5)。
【0013】
消化管タンパク質ホルモンによる処置は、真性糖尿病を処置するもう1つの方法として可能性がある。消化管タンパク質ホルモンとしては、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)およびグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)が挙げられるが、これらだけに限らない。消化管タンパク質ホルモンは、食物の摂取後のランゲルハンス島のβ細胞からのインスリン合成および分泌を刺激し、それによって血糖値を低下させる。さらに、グルコースの経口投与は、静脈内グルコース投与量に比べると、血漿グルコース濃度が似ているにも関わらず、インスリンの分泌を増加することが以前から知られていた。非特許文献6。このような効果は、インクレチン効果と呼ばれるが、これが根拠となって、グルコース処理の調整ならびに糖尿病およびその関連疾病の処置に利用されている。
【0014】
最も有力な消化管タンパク質ホルモンはGLP−1であり、これは、最初は37−アミノ酸ペプチドであり、プログルカゴンの生成物である。その後、第6位置と第7位置との間が内因的に切断される(endogenous cleavage)と、生物学的に活性なGLP−1(7−37)ペプチドが生じる。GLP−1は、グルコースの摂取後に腸の管腔表面内の腸内分泌L細胞から分泌される。GLP−1は、Gタンパク質結合細胞表面受容体(GLP−1R)を介して作用し、T1R味覚受容体およびガストデューシンによって調整される。非特許文献7参照。研究によると、α−ガストデューシンは、糖質および甘味料が、腸内分泌L細胞からのGLP−1の分泌を刺激する際に、甘味受容体T1R3に結合することが証明されている。非特許文献8;非特許文献9参照。GLP−1は、いくつかの生理学的機能を有する;例えば、1)膵島細胞からのインスリン合成をグルコース依存的に刺激し、それによって血糖値を低下させる;2)膵臓からのグルカゴン分泌を低下させる;3)β細胞質量およびインスリン遺伝子発現を増加する;(4)胃液分泌および胃内容排出を阻害する;5)満腹感を増やすことによって、食物の摂取を用量依存的に阻害する;および6)体重の減少を促進する。GLP−1のいくつかの役割は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、非特許文献10;および非特許文献11に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第6,583,118号明細書
【特許文献2】米国特許第7,211,557号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0244810号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】American Diabetes Association. Diabetes 1996 Vital Statistics.Rockville,Md.:American Diabetes Association,1996
【非特許文献2】Harris,M.I,Cowie,C.C,Stern,M.P.eds.Diabetes in America,2nd.ed.National Institutes of Health.National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases.NIH Publication No.95−1468,1995
【非特許文献3】Clark,C.M.,Vinicor,F.Introduction:Risks and benefits of intensive management in non−insulin−dependent diabetes mellitus.The Fifth Regensrief Conference.Ann Intern Med, 124(1,pt2),81−85,1996
【非特許文献4】Scheen et al.,Diabetes Res.Clin.Pract.6:533 543,1989
【非特許文献5】UKPDS Group.UK Prospective Diabetes Study 33:Intensive blood−glucose control with sulphonylureas or insulin compared with conventional treatment and risk of complications in patients with type 2 diabetes. Lancet,352,837−853(1998)
【非特許文献6】Scow et al.,Am J.Physiol.,179(3):435−438(1954)
【非特許文献7】Kokrashvili et al.AChemS XXIX Abstract,246(2007)
【非特許文献8】Jang et al.Proc.Natl.Acad.Sci USA,104(38):15069−15074
【非特許文献9】Margolskee,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 104(38):15075−15080(2007)
【非特許文献10】Deacon,Regulatory Peptides 128:117−124(2005)
【非特許文献11】Turton et al,Nature,379,69−72(1996)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、GLP−1の分泌レベルを増加することによって、インスリンの分泌を直接刺激する、あるいはインスリンを間接的に刺激するために使用可能な抗糖尿病薬は、糖尿病および糖尿病に関連する疾病の処置に望ましいであろう。
【0018】
本発明は、インスリンの分泌を強化するためのTRPM5阻害物質の使用を目的とする。したがって、本発明により、インスリンの増加に確実に反応する真性糖尿病などの症状を処置するために、TRPM5阻害物質を使用することができる。
【0019】
一実施態様では、真性糖尿病を処置するための方法であって、本明細書で定義する式Iによる化合物を対象に投与することを含む方法を開示する。
【0020】
また、哺乳類の高血糖症および/またはインスリン抵抗性を処置、予防またはコントロールする方法であって、それを必要とする対象に、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0021】
本実施態様の一態様では、真性糖尿病は、2型真性糖尿病、あるいは若年発症成人型糖尿病である。別の態様では、TRPM5阻害物質は、グルコースによって刺激されるインスリン放出などのインスリン放出を強化する。他の態様では、この化合物は、超生理学的グルコース濃度によって刺激されるインスリン放出を強化し、生理学的グルコース濃度の存在下ではインスリン放出を強化しない。
【0022】
また、真性糖尿病、インスリン抵抗性症候群、および高血糖症を処置するための医薬組成物であって、式Iの化合物などのTRPM5阻害物質を含む医薬組成物も提供する。本発明の上記およびその他の態様について、本明細書でさらに詳細に説明する。
【0023】
本発明は、細胞からのGLP−1の放出を強化する方法であって、前記の細胞を有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質と接触させることを含む方法も目的とする。特定の実施態様では、TRPM5阻害物質は式Iの化合物である。
【0024】
本発明はさらに、胃液分泌および胃内容排出を減少させる方法、食物の摂取を抑制する方法、グルカゴン分泌を減少させる方法、インスリン感受性を強化し、インスリン遺伝子発現を増加する方法、および哺乳類の肥満症を処置する方法であって、それを必要とする前記哺乳類に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を、投与することを含む方法を目的とする。特定の実施態様では、TRPM5阻害物質は式Iの化合物である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】異なる条件下(A〜H)におけるβ−TC6細胞によるインスリン合成および放出の刺激を示す。条件(A〜H)は、以下のとおりである:A)KRBB緩衝液;B)KRBBおよびDMSO(賦形剤);C)KRBB、DMSO、およびLG化合物A、TRPM5を強化すると周知されている化合物(100μM);D)KRBB、DMSO、および実施例4(100μM);E)KRBBおよび2mMのグルコース;F)KRBB、2mMのグルコース、およびDMSO;G)KRBB、DMSO、2mMのグルコース、およびLG化合物A(100μM);H)KRBB、DMSO、2mMのグルコース、および実施例4。
【図1B】KRBB(緩衝液)反応を差し引いた同じ結果を示す。
【図2】グルコース(2mM)の存在下における実施例4の化合物による、β−TC6細胞のインスリン分泌の刺激を表す容量反応曲線を示す。
【図3】実施例3の化合物およびトルブタミドのインスリン放出の刺激にグルコース濃度が及ぼす影響を比較する。図3が示すように、実施例3の化合物は、グルコースのレベルに敏感ではないトルブタミドと対照的に、グルコース依存的にインスリン分泌を増加させる。
【図4】実施例3の化合物、トルブタミド、およびジアゾキシドが、マウスの膵島細胞腫β細胞株TC6によるインスリン分泌に与える影響を示す。
【図5】特定のTRPM5エンハンサが、インスリン分泌を刺激する上で無効であることを示し、さらに、実施例3の化合物がインスリン分泌を増加することを示す。
【図6】実施例4およびトルブタミドがインスリン分泌に与える付加的な効果を示す。
【図7】実施例4の化合物が、トルブタミドと対照的に、グルコース依存的にインスリン分泌を増加させることを実証する。
【図8】インスリン分泌に関するグリベンクラミドの用量反応を示す。
【図9】100μMのトルブタミドの存在下における様々な化合物の用量反応を示す。
【図10】300μMのジアゾキシドの存在下における様々な化合物の用量反応を提供する。
【図11】TRPM5でクローン化したβTC−6細胞およびHEK細胞内のカルシウム活性化イオンチャネル電流間の類似性をグラフで示した実験結果である。
【図12】Talavera,et al.,Nature 438:1022−1025(2005)により報告されているとおり、βTC−6細胞およびTRPM5チャネルにおけるカルシウム活性化電流間の温度依存性の類似性を示す。
【図13】βTC−6細胞内のカルシウム活性化電流に関する電流対時間のグラフを提供し、実施例4の化合物のパルス投与による電流の阻害を示す。
【図14】RT−PCR分析によりわかったマウスのβTC−6細胞におけるmTRPM5の存在を示すゲル電気泳動のコピーを提供する。
【図15】実施例4の化合物の鏡像異性体のHPLC分離の結果を提供する。
【図16】TRPM5阻害物質(実施例3の化合物)が、10mMグルコース存在下、GLUTag細胞中でのGLP−1分泌を強化し、TRPM5エンハンサが、10mMグルコース存在下、GLUTag細胞中でのGLP−1分泌を減少させることを示す。
【図17】実施例3および実施例23の化合物が、12.5mMグルコース存在下、GLUTag細胞中でのGLP−1分泌を増加することを示す。実施例3の化合物はGLP−1分泌の有効性を増加するが、実施例23の化合物は、実施例3の化合物より有力である。GLP−1の放出に関するグルコースの標準曲線を比較として示す。
【図18】実施例3および実施例23の化合物が、中程度に高濃度のグルコース(3.3mM)の存在下、GLUTag細胞中でのGLP−1の放出を増加することを示す。
【図19】実施例3および実施例23の化合物が、低グルコース(0.1mM)存在下、GLUTag細胞中でのGLP−1の放出を増加することを示す。これらの2つの実施例のIC50(それぞれ600nMおよび111nM)は、FLIPR膜電位アッセイで得られた値に類似していた。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、インスリン放出、GLP−1の放出、インスリン感受性、およびインスリン遺伝子発現の増加をはじめ、他の用途にも有用な方法および組成物を提供する。本発明の他の態様について、本明細書で詳細に説明する。
【0027】
使用方法
本発明の第1の態様は、インスリン分泌を強化する方法であって、TRPM5阻害物質である有効量の化合物を投与することを含む方法を目的とする。化合物は、インスリン分泌を強化するために、ある細胞に、または生体全体に投与することができる。さらに、TRPM5阻害物質は、単独で投与するか、グルコースなど、インスリン分泌を促すことが周知されている薬剤とともに投与することができる。一例として、本発明に使用されるTRPM5は、1マイクロモル以下、好ましくは100ナノモル以下のIC50を有するTRPM5阻害物質とすることができる。別の実施態様では、本方法に使用されるTRPM5阻害物質は、5マイクロモル以下の濃度で、TRPM5受容体を少なくとも75%、好ましくは90%阻害する。
【0028】
TRPM5阻害物質は、本明細書に開示するアッセイおよび方法を用いて同定することができる。さらに、2006年11月3日に出願され、引用することにより全体が本願に援用される米国特許出願第11/592,180号に開示されているアッセイは、TRPM5の阻害物質である化合物を同定するために使用することができる。また、引用することにより全体が本願に援用される米国特許出願公開第20050019830号は、TRPM5の阻害物質である化合物を同定するために使用することができる。
【0029】
特定の実施態様では、TRPM5阻害物質はタンパク質、ペプチド、小分子、または天然物でよい。好ましい場合には、本発明の方法において味覚を阻害するために、小分子のTRPM5阻害物質を使用する。例えば、TRPM5阻害物質は、約500質量単位以下の分子量を有する小分子化合物でよい。別の実施態様では、TRPM5阻害物質は、分子量が約50〜約500質量単位の小分子でよい。あるいは、TRPM5阻害物質は、約100、200、300、または400質量単位の分子量を有する小分子でよい。こうした化合物は、本明細書に記載する特定の化合物または基の何れかより選択することができる。
【0030】
本発明に有用なTRPM5阻害物質は、任意の数の化学官能基を含むことができる。本方法の特定の実施態様では、好ましいTRPM5阻害物質は、好ましい基より選択した1つまたは複数の官能基を含むであろう。一例として、好ましい場合には、本方法に使用されるTRPM5阻害物質は、約5以下の水素結合供与体(例えば、OHおよびNH基)を含むであろう。別の実施態様では、本方法に使用されるTRPM5阻害物質は、約10以下の水素結合受容体(例えば、NおよびO)を含むであろう。このような化合物は、本明細書に記載する特定の化合物または基の何れかより選択することができる。好ましい実施態様では、本方法に使用されるTRPM5阻害物質は、1〜5個の水素結合供与体および1〜5個の水素結合受容体を含むであろう。
【0031】
TRPM5阻害物質は、非制限的な例として、以下の官能基の1つまたは複数をその構造に含み得る:ピリジニル、ホモピリジニル、アミノピペリジニルカルバミン酸塩、フェニルカルバミン酸塩、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、フラニルチエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、ナフチル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズ[d]イソキサゾリル(isoxazoly)、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、およびキノキサリニル基。別の実施態様では、TRPM5阻害物質は、以下の官能基をその化学構造に含み得るが、これらだけに限らない:ピリジニル、ホモピリジニル、アミノピペリジニルカルバミン酸塩、フェニルカルバミン酸塩、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、フラニルチエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、ナフチル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズ[d]イソキサゾリル(isoxazoly)、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、およびキノキサリニル基であり、これらは、ベンゼン、ハロゲン化物、アミン、ヒドロキシルおよび/またはアルキル基と任意に置換される。こうした化合物は、本明細書に記載する特定の化合物または基の何れかより選択することができる。
【0032】
他の実施態様では、本方法に使用されるTRPM5阻害物質は、約0〜約5、好ましくは約1〜約5、または約2〜約4の分配係数(logP)を含むであろう。こうした化合物は、本明細書に記載する特定の化合物または基の何れかより選択することができる。
【0033】
さらに別の実施態様では、適切なTRPM5阻害物質は、分子量が100〜500質量単位のTRPM5阻害物質であり、1つまたは複数、好ましくは1〜3個の以下の官能基をその化学構造に有する:ピリジニル、ホモピリジニル、アミノピペリジニルカルバミン酸塩、フェニルカルバミン酸塩、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、フラニルチエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ベンズイミダゾリル、ナフチル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズ[d]イソキサゾリル(isoxazoly)、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、およびキノキサリニル基であり、これらは、ベンゼン、ハロゲン化物、アミン、ヒドロキシルおよび/またはアルキル基で任意に置換される。こうした化合物は、本明細書に記載する特定の化合物または基の何れかより選択することができる。
【0034】
一実施態様では、この方法は、増加したインスリン放出を必要とする対象に、式Iの化合物:
【0035】
【化1】
または生理学的に許容可能なその塩を含み、式中、
R1はC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり、これらの各々は任意に置換され;
R2はH、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3はH、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであり、あるいはシアノであり;
L1は存在しないか、あるいは1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は存在しないか、あるいは1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する炭素原子とともに、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し、これらの各々は任意に置換されるものを投与することを含む。
【0036】
一実施態様では、R1は任意に置換されるC6−10アリール、例えばフェニルまたはナフチルである。別の実施態様では、R1は、任意に置換される5〜10員環、または好ましくは5〜7員環のヘテロアリール、例えばピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルがあるが、これらだけに限らず、これらの各々は任意に置換される。他の場合には、ヘテロアリール基は、ヘテロアリールを含む窒素、あるいはヘテロアリールを含む酸素である。
【0037】
別の実施態様では、R1は任意に置換される10〜14員環ヘテロアリール基、例えば9−カルバゾリルなどのカルバゾリル基、あるいは2−キノリニル基などのキノリニル基である。
【0038】
R1の別のサブセットとしては、置換アリールまたはヘテロアリール基が挙げられ、これらは、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1〜3個の置換基を有する。適切なR1基としては、4,8−ジメチルキノリン−2−イル基が挙げられる。
【0039】
別の実施態様では、R1は、任意に置換されるC3−10シクロアルキル、または任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである。別の実施態様では、R1は、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルケニルである。適切なR1基としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられるが、これらだけに限らない。シクロアルキル基としては、好ましくは7〜10個の炭素原子を有するビシクロアルキルおよびポリシクロアルキル基、例えばビシクロ[4.1.0]ヘプタニルおよびアダマンチルも挙げられる。
【0040】
R1の別のサブセットとしては、置換C3−10シクロアルキルまたはC3−10シクロアルケニルが挙げられ、これらは、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1〜3個の置換基を有する。
【0041】
さらに他の実施態様では、R1は、任意に置換されるC1−6アルキル、例えばメチル、エチル、およびプロピルである。R1は、直鎖または分枝アルキル基でよい。適切な置換アルキルとしては、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルなどが挙げられる。
【0042】
別の実施態様では、R2はHである。あるいは、R2は、C1−6アルキル、例えばメチル、エチル、またはプロピルである。R2は、直鎖または分枝アルキル基でよい。他の実施態様では、R2は、C6−10アリール(C1−6)アルキル、例えばベンジル、フェネチル、またはフェニルプロピル基である。好ましくは、R2は、C6−10アリール(C1−4)アルキルである。
【0043】
さらに他の実施態様では、R3はHである。あるいは、R3は、C1−6アルキル、例えばメチル、エチル、またはプロピルである。R3は、直鎖または分枝アルキル基でよい。さらに別の実施態様では、R3はシアノ(−CN)である。
【0044】
別の実施態様では、R4は、任意に置換されるC6−10アリール、例えばフェニルまたはナフチルである。別の実施態様では、R4は、任意に置換される5〜10員環、好ましくは5〜7員環ヘテロアリール、例えばピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルが挙げられるが、これだけに限らず、これらは各々任意に置換される。他の場合には、ヘテロアリール基は、ヘテロアリールを含む窒素である。他の場合には、ヘテロアリール基は、ヘテロアリールを含む酸素である。
【0045】
R4の別のサブセットとしては、置換アリールまたはヘテロアリール基が挙げられ、これらは、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1〜3個の置換基を有する。適切なR4基としては、3,4−ジメトキシフェニル基が挙げられる。
【0046】
別の実施態様では、R4は、任意に置換されるC3−10シクロアルキル、または任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである。別の実施態様では、R4は、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロアルケニルである。適切なR4基としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。シクロアルキル基は、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニルなどのビシクロアルキル基もある。
【0047】
さらに他の実施態様では、R4は、任意に置換されるC1−6アルキル、例えばメチル、エチル、およびプロピルである。R4は、直鎖または分枝アルキル基でよい。適切な置換アルキルとしては、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキルなどが挙げられる。
【0048】
一実施態様では、L1は存在しない。したがって、この実施態様によると、R1は、単結合により窒素原子に直接結合される。
【0049】
別の実施態様では、L1は、1〜10個、好ましくは1〜7個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーである。リンカーは、R1を窒素に接続する二価部分である。リンカーは、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含む任意の適切な二価部分でよい。適切なリンカーは、例えば1、2、3、4、5、または6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むであろう。
【0050】
例えば、リンカーは、1〜10個、好ましくは1〜7個の炭素原子を有する二価炭素リンカーでよく、例えばメチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2−CH2−)、プロピレン(例えば、−CH2−CH2−CH2−)、ブチレンが挙げられるが、これらだけに限らない。あるいは、L1は、メチレンシクロプロピレンなどのC3−10シクロアルキレンリンカーでよい。二価炭素リンカーは、本明細書に記載する適切な置換基と置換することができる。別のサブセットでは、好ましい群の置換基としては、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、チオール、オキソ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、アミノカルボニル、およびC2−6カルボキシアルキルが挙げられる。
【0051】
L1は、2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子およびヘテロ原子を含む二価リンカーでもよい。このようなリンカーとしては、非制限的な例として、アルキレンオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンチオ、アルキレンジオキシが挙げられる。他の適切な例は、−OCH2−、−SCH2−、−NHCH2−、−OCH2CH2−、−NHCH2CH2−、および−OCH2CH2CH2−がある。炭素原子およびヘテロ原子の両方を含む好ましいリンカーは、ヘテロ原子が式Iの窒素原子に直接結合しないリンカーであるだろう。
【0052】
リンカーL1は、1〜10個のヘテロ原子、好ましくは1、2、または3個のヘテロ原子を含んでもよい。適切なヘテロ原子リンカーとしては、−O−、−S−、−NH−、−N=N−などが挙げられる。
【0053】
他の実施態様では、リンカーL1は、1〜6員環アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン部分である。他の実施態様では、リンカーL1は、1〜6員環ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、またはヘテロアルキニレン部分である。
【0054】
リンカーL1は、本明細書に記載するように置換することができる。一実施態様では、リンカーL1は、1〜6個の炭素原子を含む二価部分であり、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、オキソ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される1、2、または3個の置換基と置換される。
【0055】
別の実施態様では、L1は、以下から成る群より選択されるリンカーである:
【0056】
【化2】
別の実施態様では、L1は、−(O)CCH2S−から成る群より選択されるリンカーである。
【0057】
さらに他の実施態様では、R1およびL1はともに、以下から成る群より選択される基を形成する。
【0058】
【化3】
一実施態様では、L2は存在しない。したがって、本発明によると、R4は、二重結合により窒素原子に結合される炭素原子に直接結合される。
【0059】
L2は、2〜10、好ましくは2〜6個の炭素原子およびヘテロ原子を含む二価リンカーでもよい。このようなリンカーとしては、非制限的な一例として、アルキレンオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンチオ、アルキレンジオキシが挙げられる。その他の適切な例としては、−OCH2−、−NHCH2−、−OCH2CH2−、−NHCH2CH2−、および−OCH2CH2CH2−が挙げられる。炭素原子およびヘテロ原子の両方を含む好ましいリンカーは、ヘテロ原子が式Iの窒素原子に直接結合しないリンカーであろうと考えられる。場合によっては、L2は環系を含まない。
【0060】
リンカーL2は、1〜10個のヘテロ原子、好ましくは1、2、または3個のヘテロ原子を有するリンカーでもよい。適切なヘテロ原子リンカーとしては、−O−、−S−、−NH−、−N=N−などが挙げられる。
【0061】
さらに他の実施態様では、R4およびL2はともに、−N=N−アリールおよび−N=N−ヘテロアリールより選択される基を形成する。−N=N−アリールの適切な例としては、フェニルが任意に置換される−N=N−フェニル、およびナフチルが任意に置換される−N=N−ナフチルが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0062】
さらに他の実施態様では、R4およびL2はともに、以下より選択される基を形成する:
【0063】
【化4】
第1サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換されるC6−10アリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキル、好ましくはC1−4アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキル、好ましくはC1−4アルキルであり;
R4は、任意に置換されるC6−10アリールである。
【0064】
この第1サブクラス内の一実施態様では、R1は、未置換フェニルである。他の場合には、フェニル基などのC6−10アリール基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1、2、または3個の基で置換される。
【0065】
さらに他の場合には、アリール基の置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0066】
別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0067】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L1は、1〜6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーである。
【0068】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L2は、1〜6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーである。
【0069】
別の実施態様では、L2は、環系を含まない。
【0070】
この第1サブクラスの別の実施態様では、R4はフェニルであり、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より選択される1〜3個の置換基で任意に置換される。
【0071】
第2のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキルであり;
R4は、任意に置換されるC6−10アリールである。
【0072】
この第2サブクラス内の一実施態様では、R1は、未置換5〜10員環ヘテロアリール、例えばインドリル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、またはキノリニルである。あるいは、R1は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0073】
さらに他の場合には、ヘテロアリール置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0074】
別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0075】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L1は、1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーである。
【0076】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L2は、1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーである。さらに他の実施態様では、L2は環系を含まない。
【0077】
第3サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換されるC6−10アリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキルであり;
R4は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0078】
この第3サブクラスの一実施態様では、R1は未置換フェニルである。他の場合には、フェニル基などのC6−10アリール基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1、2、または3個の基で置換される。
【0079】
さらに他の場合には、アリール基の置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0080】
別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0081】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L1は、1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーである。
【0082】
この第1サブクラスの別の実施態様では、L2は、1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーである。さらに他の実施態様では、L2は、環系を含まない。
【0083】
この第3サブクラス内の一実施態様では、R4は、未置換5〜10員環ヘテロアリール、例えばインドリル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、またはキノリニルである。あるいは、R1は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される、1つまたは複数の置換基で置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0084】
第4のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキルであり;
R4は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0085】
この第4サブクラスの一実施態様では、R1は、未置換5〜10員環ヘテロアリール、例えば、インドリル、ピリジル、またはキノリニルである。あるいは、R1は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0086】
さらに他の場合には、ヘテロアリール置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0087】
別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0088】
この第4サブクラスの一実施態様では、R4は、未置換5〜10員環ヘテロアリール、例えば、インドリル、ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、またはキノリニルである。あるいは、R1は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換される5〜10員環ヘテロアリールである。
【0089】
さらに他の実施態様では、ヘテロアリール置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0090】
別の実施態様では、R4上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0091】
第5サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換されるC6−10アリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキルであり;
R4は、任意に置換されるC3−10シクロアルキルである。
【0092】
この第5サブクラス内の一実施態様では、R1は、未置換フェニルである。他の場合には、C6−10アリール基、例えばフェニル基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1、2、または3個の基で置換される。
【0093】
さらに他の実施態様では、アリール置換基は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より選択される。
【0094】
別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0095】
第6サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;
R2は、HまたはC1−6アルキルであり;
R3は、HまたはC1−6アルキルであり;
R4およびL2はともに、−N=N−アリールを形成する。
【0096】
この第6サブクラス内の一実施態様では、R1は、未置換5〜10員環ヘテロアリール、例えばインドリル、ピリジル、またはキノリニルである。あるいは、R1は、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、C2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノから成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換される5〜10員環ヘテロアリールである。別の実施態様では、R1上の置換基は、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルから成る群より独立して選択される。
【0097】
この第6サブクラスでは、R4およびL2はともに、−N=N−アリールを形成し、ここで、アリールは、任意に置換されるアリール基C6−10、例えばフェニルまたはナフチルである。アリール基上の適切な置換基としては、ニトロ、ブロモ、クロロ、カルボキシ、メトキシカルボニル、メトキシ、ジエチルアミノ、ヒドロキシメチル、メチル、アリルオキシ、トリフルオロメチルチオ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、モルホリニル、およびピロリジニルが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0098】
第7サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリール、例えばピリジル、キノリニル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、およびインドリルであり;
R4は、任意に置換されるC6−10アリール、例えばフェニルおよびナフチルであり;
L1およびL2存在しない。
【0099】
第8サブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に接触投与することを含む方法を目的とする:ここで
R1は、C6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり、これらの各々は任意に置換され;
R2は、H、C1−6アルキル、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
L1は存在しないか、または1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであり;
R3、R4、およびL2は、炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニルから成る群より選択される基を形成する。
【0100】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、前記の式Iの化合物を対象に投与することを含み、式中、R1はヘテロアリールであり;R2はHであり;R4はヘテロアリールであり;L1は存在せず;L2はN=Nである方法を目的とする。
【0101】
他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、式中、R1は任意に置換される窒素含有ヘテロアリール基であり;R2は任意に置換されるフェニルである方法を目的とする。
【0102】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、式中、R1はビシクロアルキルであり;R2はHであり;R3はHであり;R4はアリールまたはヘテロアリールであり;L1は存在せず;L2は存在しない方法を目的とする。
【0103】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、ここでR1はアリールであり;R2はHであり;R3はHであり;R4はアリールまたはヘテロアリールであり;L1は、2〜4個炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり;L2は存在しない方法を目的とする。
【0104】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、ここでR1はシクロアルケニルであり;R2はHであり;R3はHであり;R4は、アリールまたはヘテロアリールであり;L1は、2〜4個の炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり、L2は存在しない方法を目的とする。
【0105】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、式中、R1は、任意に置換されるアリールであり;R2はHであり;R3はHであり;R4は、任意に置換されるアリールまたは任意に置換されるヘテロアリールであり;L1は、−(CH2)1−6−C(O)−であり;L2は存在しない方法を目的とする。
【0106】
さらに他のサブクラスでは、本発明は、インスリン放出を増加する方法であって、式Iの化合物を対象に投与することを含み、式中、R1は任意に置換されるナフチルであり;R2はHであり;R3はHであり;R4は、任意に置換されるアリールであり;L1は−(CH2)−C(O)−であり;L2は存在しない方法を目的とする。
【0107】
さらに他のサブクラスでは、本発明の方法は、R1は、1つまたは複数のC1−6アルキルで任意に置換されるキノリニルであり;L1は、任意に置換されるC1−4リンカーであり;R2は、任意に置換されるフェニル基、例えば1つまたは複数のC1−6アルコキシで置換されるフェニル基である式Iの化合物を投与することを含む。
【0108】
さらに他のサブクラスでは、本発明の方法は、R1は任意に置換されるカルバゾリルであり;L1は、1つの硫黄原子を含み、さらに任意に置換されるC1−6リンカーであり;R2は、任意に置換される、例えば1つまたは複数のC1−6アルコキシで置換されるフェニル基である式Iの化合物を投与することを含む。
【0109】
本発明の方法に使用するのに適する化合物の例としては、以下が挙げられる:
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)−酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボ−ヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13、7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−Ν’(4−モルホリノ−3−ニトロベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール1;
および生理学的に許容可能なその塩。
【0110】
その他の適切な化合物としては、3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;
および生理学的に許容可能なその塩が挙げられる。
【0111】
本発明の方法は、式Iによる化合物の生理学的に許容可能な塩の使用法も含む。生理学的に許容可能な塩という用語は、式Iによる化合物の酸および/または塩基添加塩を意味する。酸添加塩は、適切な酸を式Iによる化合物に添加することにより形成することができる。塩基添加塩は、適切な塩基を式Iによる化合物に添加することにより形成することができる。前記の酸または塩基は、式Iによる前記の化合物を実質的に劣化、分解、または破壊しない。適切な生理学的に許容可能な塩の例としては、塩酸塩、ヒドロブロミド、酢酸塩、furmate、マレイン酸塩、シュウ酸塩、およびコハク酸塩が挙げられる。その他の適切な塩としては、ナトリウム、カリウム、炭酸塩、およびトロメタミン塩が挙げられる。
【0112】
また、本発明は、立体異性体および光学異性体、例えば、このシリーズの選択された化合物における構造的非対称の結果として生じる鏡像異性体の混合物、並びに個々の鏡像異性体、およびジアステレオマーなどの使用法を含むことも考えられる。さらに、本発明は、式Iの化合物の互変異性体の使用法を含むと考えられる。互変異性体は、当該技術分野で公知であり、例えばケトン−エノール互変異性体がある。
【0113】
また、式Iの化合物は、様々な比率のヒドラゾンのEおよびZ異性体の両方を含むと考えられる。当該技術分野で公知のとおり、ヒドラゾン部分は、以下の図に示すようにEおよびZ異性体間で異性化することが可能である:
【0114】
【化5】
上記の特定の化合物は、ヒドラゾン部分、つまりEまたはZの特定の立体化学を指示し得るが、本発明は、両方の異性体を明確に示す。
【0115】
式Iの化合物は、水和を含む溶媒和もし得る。水和は、化合物、または化合物を含む組成物を生成する際に生じ得るか、あるいは水和は、化合物の吸湿性によって長時間にわたって生じ得る。
【0116】
式Iの範囲内の特定の化合物は、「プロドラッグ」と呼ばれる誘導体でよい。「プロドラッグ」という表現は、公知の直接作用する薬剤の誘導体を示し、誘導体は、治癒的価値を有し、治癒的価値は、薬剤の治癒的価値に類似するか、それより大きいか、あるいはそれより低くてよい。一般に、プロドラッグは、対象、細胞、または試験媒体に送達される時に、酵素または化学的プロセスにより、活性薬剤に転換される。特定の場合では、プロドラッグは、本発明の化合物の誘導体であり、代謝的に分裂可能な基を有し、加溶媒分解により、または生理学的条件下で、インビボで薬学的に活性な本発明の化合物になる。例えば、本発明の化合物のエステル誘導体は、多くの場合はインビボで活性であるが、インビトロでは活性ではない。本発明の化合物のその他の誘導体は、その酸および酸誘導体形態の両方で活性であるが、酸誘導体は、哺乳類の生体内における可溶性、組織適合性、または遅延放出性という利点を提供することが多い(Bundgard,H.,Design of Prodrugs,pp.7−9,21−24,Elsevier,Amsterdam 1985参照)。プロドラッグとしては、当業者が周知している酸誘導体が挙げられ、例えば親酸と適切なアルコールとの反応によって調製されるエステル、または親酸化合物とアミンとの反応により調製されるアミドがある。本発明の化合物にぶら下がっている酸性基に由来する単純な脂肪または芳香エステルは、好ましいプロドラッグである。場合によっては、二重エステル型のプロドラッグ、例えば(アルコキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを調製することが好ましい。
【0117】
任意の変数が、任意の構成要素または式I中に複数回生じる場合、特記しない限り、各々の発生に関するその変数の定義は、他の発生における変数の定義とは無関係である。また、置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定化合物が得られる場合に限り認められる。
【0118】
本明細書で単独で、または別の基の一部として使用される「アルキル」という用語は、鎖長がそれに限定されない限り、炭素が10個以下の直鎖基または分枝鎖基の両方、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、ペンチル、1−メチルブチル、イソブチル、ペンチル、t−アミル(CH3CH2(CH3)2C−)、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、またはデシルを意味する。
【0119】
本明細書で単独で、または別の基の一部として使用される「アルケニル」という用語は、2〜10個の炭素原子の直鎖基または分枝鎖基を意味し、鎖長がそれに限定されない限り、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、ペンテニル、1−ヘキセニル、および2−ヘキセニルを意味するが、これらだけに限らない。
【0120】
本明細書で単独で、または別の基の一部として使用される「アルキニル」という用語は、2〜10個の炭素原子の直鎖基または分枝鎖基を意味し、鎖長がそれに限定されない限り、ここでは、鎖中に2つの炭素原子間に少なくとも1つの三重結合があり、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ペンチニル、ヘキシニル、およびヘプチニルを含むが、これらだけに限らない。
【0121】
アルケニルまたはアルキニル部分が置換基として存在する本明細書の場合では、不飽和結合は、窒素、酸素、または硫黄部分に直接結合しないことが好ましい。
【0122】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロアルキル」という用語は、3〜14個、好ましくは3〜10個の炭素原子を含むシクロアルキル基を意味する。代表的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルである。シクロアルキルは、ビシクロアルキル、ポリシクロアルキル、およびその他の架橋シクロアルキル基も含む。
【0123】
本明細書で単独で、あるいは他の基の一部として使用される「シクロアルケニル」という用語は、3〜10個の炭素原子、および1〜3個の炭素−炭素の二重結合を含むシクロアルケニル基を意味する。代表的な例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロヘキサジエニルが挙げられる。シクロアルケニルは、ビシクロアルケニル、ポリシクロアルケニル、およびその他の架橋シクロアルケニル基も含む。
【0124】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロヘテロアルキル」という用語は、炭素原子、および1、2、3、または4個の酸素、窒素、または硫黄ヘテロ原子を含む3〜14個の環原子を有する基を意味する。代表的な例としては、2−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチエニル、2−ピロリジニル、3−イソキサゾリジニル、3−イソチアゾリジニル、1,3,4−オキサゾリジン−2−イル、2,3−ヒドロチエン−2−イル、4,5−イソキサゾリン−3−イル、3−ピペリジニル、1,3−ジオキサン−5−イル、4−ピペリジニル、2−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、キヌクリジニル、およびモルホリニルが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0125】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロアルケニル」という用語は、炭素原子、および1、2、3、または4個の酸素、窒素、または硫黄原子、並びに1、2、または3個の二重結合を有する3〜14個の環原子を含む基を意味する。代表的な例としては、上記のシクロヘテロアルキル基、特にピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、キヌクリジニル、およびモルホリニルが挙げられ、1または2個の二重結合を含むように修正される。
【0126】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルキレン」という用語は、非分枝飽和炭化水素鎖のジラジカルを意味し、これは、特記しない限り、1〜15個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、およびさらに好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。この用語は、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH2CH2−)、ブチレンなどの基によって例示される。
【0127】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルケニレン」という用語は、未分枝の不飽和炭化水素鎖のジラジカルを意味し、これは、特記しない限り、2〜15個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1〜6個のビニル不飽和部位を有する。この用語は、エテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン(−CH2CH=CH−、−CH=CHCH2−)などの基により例示される。
【0128】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルキニレン」という用語は、未分枝の不飽和炭化水素のラジカルを意味し、これは、特記しない限り、2〜15個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1〜6個のアセチレン(三重結合)不飽和部位を有する。例としては、エチニレン(−C≡C−)、プロパルギレン(−CH2−C≡C−)などのアルキニレン基が挙げられる。
【0129】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ヘテロアルキレン」という用語は、上記で定義したアルキレンで、上記の1〜5個の炭素原子が、N、O、またはS(例えば、アミノ、オキシ、チオ、アミノメチレン(−NHCH2−)、オキシメチレン(−OCH2−)など)より選択されるヘテロ原子で置換されるアルキレンを意味する。例としては、アルキレンオキシ、アルキレンアミノ、およびアルキレンチオが挙げられる。好ましくは、これらに含まれる酸素原子、窒素原子、および硫黄原子は、他のヘテロ原子との結合を形成しない。適切な基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、ブチレンオキシ、ペンチレンオキシ、ヘプチレンオキシ、エチレンアミノ、プロピレンアミノ、ブチレンアミノ、ペンチレンアミノ、ヘキシレンアミノ、ヘプチルアミノ、およびオクチレンアミノが挙げられる。その他の例としては、−CH2CH2−S−CH2CH2−および−CH2−S−CH2CH2−NH−CH2−が挙げられる。ヘテロアルキレン基の一実施態様では、ヘテロ原子は、両方ではなく何れかの鎖末端を占めることもできる。
【0130】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ヘテロアルケニレン」という用語は、上記で定義したアルケニレンで、上記の1〜5個の炭素原子が、N、O、またはSより選択されるヘテロ原子で置換されるアルケニレンを意味する。例としては、アルケニレンオキシ、アルケニレンアミノ、およびアルケニレンチオが挙げられる。好ましくは、これらに含まれる酸素原子、窒素原子、および硫黄原子は、他のヘテロ原子との結合を形成しない。適切な基としては、エテニレンオキシ、プロペニレンオキシ、ブチレンオキシ(butyenleneoxy)、ペンテニレンオキシ、ヘキセニレンオキシ、エチレンアミノ、プロペニレンアミノ、ブチレンアミノ(butyenleneamino)、ペンテニレンアミノ、およびヘキセニレンアミノが挙げられる。ヘテロアルケニレン基の一実施態様では、ヘテロ原子は、両方ではなく一方の鎖末端を占めることもできる。さらに、別の実施態様では、ヘテロ原子は、ビニル結合の一部を形成しない。
【0131】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ヘテロアルキニレン」という用語は、上記で定義したアルキニレンで、上記の1〜5個の炭素原子が、N、O、またはSより選択されるヘテロ原子で置換されるアルキニレンを意味する。例としては、アルキニレンオキシ、アルキニレンアミノ、およびアルキニレンチオが挙げられる。好ましくは、これらに含まれる酸素原子、窒素原子、および硫黄原子は、他のヘテロ原子との結合を形成しない。ヘテロアルキニレン基の一実施態様では、ヘテロ原子は、両方ではなく一方の鎖末端を占めることができる。さらに、ヘテロ原子は、ビニル結合の一部を形成しない。
【0132】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロアルキレン」という用語は、3〜15個の炭素原子、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する非芳香脂環式二価炭化水素ラジカルを意味する。本明細書で使用する「シクロアルキレン」の例としては、シクロプロピル−1,1−ジイル、シクロプロピル−1,2−ジイル、シクロブチル−1,2−ジイル、シクロペンチル−1,3−ジイル、シクロヘキシル−1,4−ジイルなどが挙げられるが、これらだけに限らない。さらに他の例としては、メチレンシクロプロピレン(つまり、−CH2−シクロプロピレン−)、エチレンシクロプロピレン(つまり、−CH2CH2−シクロプロピレン−)、およびメチレンシクロヘキシレン(つまり、−CH2−シクロヘキシレン−)などのアルキレン基も含む二価基が挙げられる。
【0133】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロアルケニレン」という用語は、3〜15個の炭素原子、好ましくは3〜10個を有し、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する置換脂環式二価炭化水素ラジカルを意味する。本明細書で使用される「シクロアルケニレン」の例としては、4,5−シクロペンテン−1,3−ジイル、3,4−シクロヘキセン−1,1−ジイルなどが挙げられるが、これらだけに限らない。シクロアルケニレンはさらに、シクロアルキレンに関して定義され、二重結合で置換される少なくとも1つの単結合を有する二価炭化水素ラジカルを意味する。二重結合は、環構造に含まれてよい。あるいは、可能な場合、この二重結合は、シクロアルケニレン部分の非環式部分に位置してよい。
【0134】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロヘテロアルキレン」という用語は、上記の1〜5個の炭素原子が、N、O、またはSより選択されるヘテロ原子で置換される上記のアルキレン基を意味する。一実施態様では、これらに含まれる酸素原子、窒素原子、および硫黄原子は、他のヘテロ原子との結合を形成する。適切な例としては、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、およびピロリジンのジラジカルが挙げられる。その他の適切な例としては、メチレンピペリジル、エチレンピペリジル、メチレンピペラジニル、エチレンピペラジニル、およびメチレンモルホリニルが挙げられる。
【0135】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「シクロヘテロアルケニレン」という用語は、上記の1〜5個の炭素原子が、N、O、またはSより選択されるヘテロ原子で置換される、上記のシクロアルケニレン基を意味する。一実施態様では、これらに含まれる酸素原子、窒素原子、および硫黄原子は、他のヘテロ原子とともに結合を形成しない。
【0136】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子に結合する上記のアルキル基の何れかを意味する。代表的な例は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、sec−ブチルオキシ、およびt−ブチルオキシである。
【0137】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルケニルオキシ」という用語は、酸素原子に結合する上記のアルケニル基の何れかを意味する。代表的な例としては、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、およびヘキセニルオキシが挙げられる。
【0138】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アリール」という用語は、環部分に6〜14個の炭素、環部分に好ましくは6〜10個の炭素を含む単環式または二環式芳香基を意味する。代表的な例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、またはフルオレニルが挙げられる。
【0139】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アラルキル」または「アリールアラルキル」という用語は、ベンジル、フェニルエチル、または2−ナフチルメチルなどのアリール置換基を有する、上記で定義したC1−6アルキル基を意味する。
【0140】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ヘテロアリール」という用語は、5〜14個の環原子を有し;6、10、または14のπ電子を環式アレイ内で共有し;炭素原子、および1、2、3、または4個の酸素、窒素、または硫黄原子を有する基を意味する。ヘテロアリール基の例としては、以下の基が挙げられる:チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4αH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル、フェノキサジニル、およびテトラゾリル。さらに他のヘテロアリールは、A.R.Katritzky and C.W.Rees,eds.,Comprehensive Heterocyclic Chemistry:The Structure,Reactions,Synthesis and Use of Heterocyclic Compounds,Vol.1−8,Pergamon Press,NY(1984)に記載されている。
【0141】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「アルキレンジオキシ」という用語は環を意味し、特にC1−4アルキレンジオキシである。アルキレンジオキシ基は、ハロゲン(特にフッ素)と任意に置換され得る。代表的な例としては、メチレンジオキシ(−OCH2O−)またはジフルオロメチレンジオキシ(−OCF2O−)が挙げられる。
【0142】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素を意味する。
【0143】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「モノアルキルアミン」または「モノアルキルアミノ」という用語は、上記で定義したように、1個の水素がアルキル基で置換されたNH2基を意味する。
【0144】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ジアルキルアミン」または「ジアルキルアミノ」という用語は、上記で定義したように、両方の水素がアルキル基で置換されたNH2基を意味する。
【0145】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、上記のアルキル基の何れかであって、その1つまたは複数の水素が、1つまたは複数のヒドロキシル部分で置換されるアルキル基を意味する。
【0146】
本明細書で使用される「アシルアミノ」という用語は、式−NRaC(O)Rbの一部分であって、RaおよびRbが独立して水素であるか、またはアルキル基が上記で定義される部分を意味する。
【0147】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ハロアルキル」という用語は、上記のアルキル基の何れかであって、その1つまたは複数の水素が1つまたは複数のハロ部分で置換されるアルキル基を意味する。代表的な例としては、フルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロエチル、およびトリフルオロエチルが挙げられる。
【0148】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「ハロアルケニル」という用語は、上記のアルケニル基の何れかであって、その1つまたは複数の水素が、1つまたは複数のハロ部分で置換されるアルケニル基を意味する。代表的な例としては、フルオロエテニル、ジフルオロエテニル、およびトリクロロエテニルが挙げられる。
【0149】
本明細書で単独で、あるいは別の基の一部として使用される「カルボキシアルキル」という用語は、上記のアルキル基の何れかであって、その1つまたは複数の水素が、1つまたは複数のカルボン酸部分で置換されるアルキル基を意味する。
【0150】
「ヘテロ原子」という用語は、酸素原子(「O」)、硫黄原子(「S」)、または窒素原子(「N」)を意味するために本明細書で使用される。ヘテロ原子は、窒素である場合、NRaRb部分を形成することができ、ここで、RaおよびRbは、互いに独立して、水素またはアルキル、あるいはこれらが結合する窒素とともに、飽和または不飽和5−、6−、または7−員環を形成することが分かるであろう。
【0151】
「オキシ」という用語は、酸素(O)原子を意味する。
【0152】
「チオ」という用語は、硫黄(S)原子を意味する。
【0153】
一般に、および特記しない限り、本明細書で使用される「任意に置換される」という語句は、以下から成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で任意に置換される1つまたは複数の基を意味する:アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C6−10アリール(C1−6)アルキル、C6−10アリール(C2−6)アルケニル、C6−10アリール(C1−6)アルコキシ、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシC2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、アミノカルボニル、C6−14アリール(C1−6)アルコキシカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、C6−10アリール(C1−6)アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C6−10アリール(C1−6)アルキルスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノ。
【0154】
「任意に置換される」という語句が、アルキル、アルケニル、またはアルキニル基に関連して使用される場合、本明細書における「任意に置換される」という語句は、以下から成る群より独立して選択される1つまたは複数の置換基で任意に置換される前記の1つまたは複数の基を意味する:アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、C3−6シクロヘテロアルキル、C3−6シクロヘテロアルケニル、C6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C6−10アリール(C1−6)アルキル、C6−10アリール(C2−6)アルケニル、C6−10アリール(C1−6)アルコキシ、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシ、ジ(C1−4)アルキルアミノ(C2−6)アルコキシC2−10モノ(カルボキシアルキル)アミノ、ビス(C2−10カルボキシアルキル)アミノ、C6−14アリール(C1−6)アルコキシカルボニル、C2−6アルキニルカルボニル、C1−6アルキルスルホニル、C2−6アルキニルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、C6−10アリール(C1−6)アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホンアミド、C6−10アリールスルホンアミド、C6−10アリール(C1−6)アルキルスルホンアミド、C1−6アルキルイミノアミノ、ホルミルイミノアミノ、C2−6カルボキシアルコキシ、C2−6カルボキシアルキル、およびカルボキシ(C1−6)アルキルアミノ。
【0155】
上記で使用されるすべての用語に関して詳細に定義したが、各々の用語は、当業者が理解するとおりである。
【0156】
上記で特定の実施態様に関して定義したように、リンカーL1およびL2は、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーでよい。これは、炭素原子およびヘテロ原子の数の合計が、何れかの任意の置換基を除いて、1〜10の整数に等しくなるように、炭素原子およびヘテロ原子の任意の組合せを含み得ることを意味すると考えられる。したがって、本発明によると、適切なリンカーとしては、以下が挙げられるが、必ずしもこれらだけに限らない:1個の炭素原子(例えば、CH2)を含むリンカー;1個のヘテロ原子(例えば、O)を含むリンカー;5個の炭素原子(例えば、CH2CH2CH2CH2CH2)を含むリンカー;3個の炭素原子および2個のヘテロ原子(例えば、OCH2CH2NHCH2)を含むリンカー、10個の炭素原子を含むリンカー、または9個の炭素原子および1個のヘテロ原子を含むリンカー。
【0157】
「阻害物質」という用語は、TRPM5の機能および/または特性を部分的に変更するか、または損なう分子を意味する。「阻害物質」としては、ペプチド、タンパク質、またはその小部分、模倣薬、有機化合物、および抗体が挙げられる。本発明の特定の実施態様では、阻害物質は、TRPM5の機能を完全に阻害し得る。他の実施態様では、阻害物質は、例えばIC50の価で指示されるTRPM5の活性の割合を遮断あるいは阻害し得る。
【0158】
「糖尿病」という用語は、高血糖症を誘発するグルコース利用が損なわれる1つの代謝異常を意味する。糖尿病およびその末期の合併症の病因論および形態論の概要は、当業者が、例えばRobins’ Pathologic Basis of Disease(5th Ed.pp.910−922)で知ることができる。
【0159】
TRPM5阻害物質の「有効量」という用語は、TRPM5受容体を阻害するか、あるいはTRPM5受容体に阻害効果を与える量を意味する。このような量は、単独で、あるいは他のTRPM5阻害物質と組み合わせて、TRPM5が投与される細胞または生体全体にTRPM5の阻害効果を与えるのに十分である。実施態様によっては、有効量は、合理的な利益/危険率に相応して、過度な毒性、炎症、アレルギー反応、またはその他の合併症の可能性を生じない量である。
【0160】
「インスリン抵抗症候群」(IRS)という用語は、インスリン抵抗性、高インスリン血;インスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM);動脈性高血圧;中心性(内臓)肥満症;および脂質異常症を含む徴候群を意味する。NIDDM(糖尿病性血管障害、アテローム性動脈硬化、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、および糖尿病性眼合併症、例えば網膜症、白内障形成および緑内障)という主な末期合併症のほかに、その他の多くの症状がNIDDMに関連があり、例えば脂質異常グルココルチコイド誘発インスリン抵抗性、脂質異常症、多嚢胞卵巣症候群、肥満症、高血糖症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高インスリン血、および高血圧症がある。これらの症状の簡潔な定義は、多くの医学辞書、例えばStedman’s Medical Dictionaryに記載されている。
【0161】
上記のとおり、上記の化合物は、インスリン放出を刺激するために使用し得る。このような活性は、インビトロまたはインビボでよい。TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいはインスリン放出を刺激するために使用される特定のサブグループ、サブクラス、または上記の特定の化合物の何れかの量は、インビトロと対照してインビボで使用した場合、必ずしも同じでなくてよい。特定の化合物の薬物動態学および薬力学などの要素は、インビボでインスリン放出を増加する場合に、これより多量または少量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを使用することを必要とし得る。
【0162】
本発明は、必要とする動物、好ましくは哺乳類の真性糖尿病を処置する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。この方法は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の真性糖尿病を防止する方法であって、インスリン分泌を強化する量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは特定のサブグループ、サブクラス、または上記の特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法も含む。
【0163】
本発明は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類のインスリン抵抗症候群を処置する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは特定のサブグループ、サブクラス、または上記の特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法も含む。本発明は、哺乳類のインスリン抵抗性を処置または防止する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは特定のサブグループ、サブクラス、または薬学的に許容可能なその塩を前記の哺乳類に投与することを含む方法も含む。
【0164】
本発明は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の高血糖症を処置する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。この方法は、動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の高血糖症を防止する方法であって、インスリン分泌を強化する量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは特定のサブグループ、サブクラス、または上記の特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法も含む。
【0165】
本発明は、細胞からのGLP−1の放出を強化する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を投与することを含む方法も目的とする。上記のとおり、GLP−1は、食物の摂取後に、ランゲルハンス小島のβ細胞からのインスリンの合成および分泌を刺激し、それによって血糖値を低下させる。GLP−1は、37−アミノ酸ペプチド、およびプログルカゴンの生成物である。第6および第7位置間の分裂間の後続の内生分裂は、生物学的に活性のGLP−1(7−37)ペプチドを生成する。GLP−1は、グルコース摂取後に、腸の管腔表面のL型腸内分泌細胞から分泌する。GLP−1は、その他の刺激に反応しても放出される。GLP−1は、Gタンパク質結合細胞表面受容体、特にGLP−1Rを通して作用し、T1R味覚受容体およびガストデューシンで調整される。Kokrashvili et al.,AChemS XXIX Abstract,246(2007)参照。研究では、α−ガストデューシンは、糖質および甘味料によってL型腸内分泌細胞からのGLP−1の分泌が刺激される際に、甘味受容体T1R3を結合することが証明された。Jang et al.Proc.Natl.Acad.ScL USA, 104(38):15069−15074(2007)参照。
【0166】
GLP−1は、以下のいくつかの生理学的機能を有する:1)膵島細胞からのインスリン合成をグルコース依存的に刺激し、それによって血糖値を低下させる;2)膵臓からのグルカゴン分泌を減少させる;3)β細胞の質量およびインスリン遺伝子発現を増加する;4)胃液分泌および胃内容排出を阻害する;5)満腹感を増加することによって、用量依存的に食物の摂取を抑制する;6)体重の減少を促進する。GLP−1のいくつかの役割は、米国特許第6,583,118号、米国特許第7,211,557号;米国特許出願公開第2005/0244810号;Deacon,Regulatory Peptides 128:117−124(2005);Turton et al,Nature,379:69−72(1996)に記載されている。
【0167】
GLP−1受容体の非自然のペプチドおよび小分子アゴニストを特定するために、いくつかの調査が行われた。このような化合物は、中でも2型糖尿病の処置に有用であると思われる。これらの化合物は、グルコースによって誘発される島細胞からのインスリン放出を促進するという点で、GLP−1の効果に似ている。例えば、エクセナチドは、合成バージョンのエキセンディン−4であり、これは、最初はアメリカドクトカゲの唾液から単離された自然発生的なペプチドである。エクセナチドは、現在、メトホルミン、スルホニル尿素、またはメトホルミンとスルホニル尿素との組合せを摂取しているが、適切な血糖コントロールに達していない2型真性糖尿病の患者における血糖コントロールを改善するための補助療法として、U.S.Food and Drug Administrationによって承認されている。GLP−1の効果を模倣する可能性のあるその他の薬剤は、現在開発されている。例えば、Knudsen et al.,Small−molecule agonists for the glucagon−like peptide 1 receptor,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 104(3):937−942(2007)参照。
【0168】
したがって、本発明のもう1つの態様は、TRPM5阻害物質の投与によってGLP−1の放出を刺激する方法である。先行技術では、本明細書に例示されているものなどのTRPM5阻害物質は、GLP−1の放出を強化し、それによってGLP−1の有利な効果を増加するために使用できることは示唆されていない。したがって、特定の実施態様では、本発明は、膵細胞からのインスリンの放出を強化した後の効果で、小腸細胞などの腸細胞からのGLP−1の放出を強化する方法を提供する。
【0169】
TRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、または特定の実施例の何れかは、GLP−1の放出を強化するために、ある細胞または生体全体に投与することができる。さらに、TRPM5阻害物質は、単独で投与するか、あるいはグルコースなどのGLP−1分泌物を放出させることが周知されている薬剤とともに投与することができる。例として、本発明に使用されるTRPM5は、約1ミクロモル以下、好ましくは約100ナノモル以下のIC50を有するTRPM5阻害物質でよい。実施態様によっては、この方法に使用されるTRPM5阻害物質は、5マイクロモル以下の濃度で、TRPM5受容体を少なくとも75%、好ましくは90%阻害する。
【0170】
本明細書で使用する場合、「GLP−1」またはグルコガン様ペプチド−1(GLP−1)は、グルコース、炭水化物、脂質、タンパク質、または混合アミノ酸などの栄養素を投与することによって、インスリン分泌を強化する消化管タンパク質ホルモンである。GLP−1の生理学的役割、および栄養素摂取後のGLP−1の放出に提案される様々な機序は、Kreymann et al.,Lancet 2:1300−1304(1987)and by Deacon,Regulatory Peptides 128:117−124(2005)に記載されている。特記しない限り、「GLP−1」はGLP−1(7−37)を意味する。当該技術分野の慣習では、GLP−1(7−37)のアミノ末端には、7の数が割り当てられ、カルボキシ末端には、37の数が割り当てられている。GLP−1(7−37)のアミノ酸配列は、当該技術分野で周知されているが、以下のように表される:NH2−His−Als−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Gly−COOH。
【0171】
特定の実施態様では、TRPM5阻害物質は、GLP−1の放出を約5%〜約50%、または約10%〜約70%、または約25%〜約100%増加させる。他の実施態様では、TRPM5阻害物質は、腸細胞からのGLP−1の放出量を約25%、50%、75%、または100%増加させる。
【0172】
好ましくは、GLP−1の放出を増加させる方法は、ヒトまたはその他の霊長類などの哺乳類に使用される。他の場合には、この方法の対象は、犬または猫などのペットでよい。
【0173】
GLP−1の放出の検出は、本明細書に記載する方法など、当業者が周知している方法に基づいて実行することができる。例えば、F.Reinmann,et al,Diabetes,55(Supp.2):S78−S−85(2006)参照。
【0174】
本発明は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の胃液分泌および胃内容排出を減少させる方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法も含む。
【0175】
本発明は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の食物の摂取を抑制する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法をさらに含む。GLP−1は、摂食に対する生理学的反応を調整する上で、重要な役割を果たすことが知られている。GLP−1は、プログルカゴンから処理され、食事の摂取に応じて、末端小腸および結腸に主に位置する内分泌腺のL細胞から血液中に放出される。GLP−1は、Gタンパク質共役細胞表面受容体(GLP−1R)を介して作用し、栄養素によって誘発されるインスリン合成および放出を強化する。GLP−1は、インスリン分泌(インスリン分泌作用)およびcAMPの形成を刺激する。GLP−1(7−36)アミドは、インスリン放出物質を刺激し、グルカゴン分泌を低下させ、胃液分泌および胃内容排出を阻害する。GLP−1のこうした胃腸効果は、迷走神経を切除した対象では見られず、中枢を介した効果を指示している。GLP−1は、単離されたラットの含脂肪細胞に高度の親和性で結合して、cAMPの生成を活性化し(Valverde et al.,1993)、脂質生成または脂肪分解を刺激する。GLP−1は、ラットの骨格筋におけるグリコーゲン合成、グルコース酸化、および乳酸塩の形成を刺激する。したがって、発明者の見解では、本明細書に記載するTRPM5阻害物質は、GLP−1の放出を増加するため、食物の摂取を抑制するために使用することができる。
【0176】
本発明はさらに、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類のグルカゴン分泌を減少させる方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。
【0177】
グルカゴンは、膵臓のα細胞から抽出された29個のアミノ酸残基の直鎖ポリペプチドから成るホルモンである。血糖濃度の上昇、および肝臓ホスホリラーゼなど、その生理学的役割は、当業者が、例えばStedman’s Medical Dictionary,26th Ed.(1990)729ページで知ることができる。
【0178】
本発明はさらに、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類のインスリン感受性を強化する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。
【0179】
本発明はさらに、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類のランゲルハンス小島のβ細胞質量、およびインスリン遺伝子発現を増加する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。
【0180】
本発明は、必要とする動物、好ましくはヒト、またはその他の哺乳類の肥満症を処置および防止する方法であって、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、または薬学的に許容可能なその塩を対象に投与することを含む方法を含む。
【0181】
本明細書で使用する場合、「肥満症」とは、皮下結合組織における脂肪の異常な増加を意味する。Stedman’s Medical Dictionary,26th Ed.(1990)1235ページ。
【0182】
上記の方法の各々の実施態様では、方法の対象は、特に限定しない限り、この方法の特定の処置または効果を必要とする任意の動物でよい。このような動物としては、雌ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、サル、あるいはモルモットのインスリン分泌細胞が挙げられるが、これらだけに限らない。他の実施態様では、動物は、家畜化動物、家畜、または愛玩動物として飼育されている動物である。特定の実施態様では、請求される方法の対象はヒトである。
【0183】
しかし、一般に、適切な投与量は、約0.005〜約100mg/kg、例を挙げると約0.1〜約75mg/kg体重/日、例えばレシピエントの体重1キログラム当たり0.03〜約50mg/日、好ましくは0.06〜90mg/kg/日の範囲、最も好ましくは0.15〜60mg/kg/日の範囲であろう。他の実施態様では、適切な投与量は、約0.1mg/日〜約2000mg/日であり、1日の単回投与または多回投与として投与されるであろう。
【0184】
化合物は、好都合には単位剤形として投与され得る;例えば、0.05〜1000mg、好都合には0.1〜750mg、最も好都合には0.5〜500mgの有効成分を単位剤形に含む。
【0185】
TRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかは、一般的には、約0.1重量%〜約100重量%、好ましくは約1重量%〜約80重量%の範囲の量で剤形中に存在することができる。本発明は、剤形の約1重量%〜約50重量%、好ましくは約5重量%〜約20重量%、約8重量%、15重量%、または18重量%の量も意図している。
【0186】
理想的には、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物は、約0.005〜約75μM、好ましくは約0.01〜50μM、最も好ましくは約0.02〜約30μMの活性化合物のピーク血漿濃度を達成するように投与するべきである。これは、例えば、任意に生理食塩水中0.0005〜5%の有効成分の溶液を静脈内注射するか、あるいは約0.01〜1mgの有効成分を含むボーラスとして経口投与することにより達成され得る。望ましい血中濃度は、約0.0001〜5mg/kg/時を提供する連続的な注入、あるいは約0.004〜15mg/kgの有効成分(単数または複数)を含む断続的な注入によって維持され得る。
【0187】
この方法は、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物によって強化されるインスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性が、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいは約60%〜約99%、あるいは約20%〜約50%強化されるように実行され得る。したがって、より特定の実施態様では、この方法は、1つまたは複数のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物を含む剤形を投与することを含み、ここで、式Iによる1つまたは複数のこの化合物は、インスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいは約60%〜約99%、あるいは約30%〜約70%強化するのに十分な量で存在する。当然、他の実施態様では、インスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性は、異なる程度まで強化し得る。
【0188】
所望の投与量は、好都合には、単回投与量、または適切な間隔、例えば1日に2回、3回、4回、またはそれ以上の部分投与で投与される分割投与量で提示し得る。部分投与自体は、さらに分割することができ、例を挙げれば、多数の不連続の大まかな間隔の投与、例えば、吸入器から複数回吸入するか、または複数回の滴を眼に適用するなどがある。
【0189】
別の実施態様では、上記の化合物は、細胞からのインスリンまたはGLP−1分泌を強化するか、または細胞のインスリン感受性を強化するために使用し得る。このような強化は、インビトロまたはインビボでよい。インスリン分泌、インスリン感受性、またはGLP−1分泌を強化するために使用されるTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかの量は、インビトロと対照してインビボで使用する場合、必ずしも同じでなくてよい。特定の化合物の薬物動態学および薬力学などの要素は、インビボでの膵細胞の場合、これより多量または少量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを使用することを必要とし得る。したがって、本発明の一態様は、細胞からのインスリン放出およびGLP−1分泌を強化するか、または細胞のインスリン感受性を強化する方法であって、細胞をTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかに接触させることを含む方法である。
【0190】
本発明のこの態様の一実施態様では、この方法は、細胞、好ましくは膵細胞を、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかに接触させることを含み、ここで、前記の細胞は、インスリンを分泌する。
【0191】
本発明のこの態様の一実施態様では、この方法は、細胞、好ましくはL型腸内分泌細胞を、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかに接触させることを含み、前記の細胞は、GLP−1を分泌する。
【0192】
本発明は、細胞からのインスリンおよびGLP−1の放出を強化するか、または細胞のインスリン感受性を強化する方法であって、前記の細胞をTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブクラスおよび特定の化合物の何れかに接触させ、細胞のインスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいは約50%〜約99%強化することを含む方法も目的とする。別の実施態様では、この方法は、前記の細胞をTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、または上記の特定のサブクラスおよび特定の化合物の何れかに接触させ、細胞のインスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を約10%〜約50%強化することを含む。別の実施態様では、本発明は、細胞からのインスリン分泌またはGLP−1分泌を強化するか、または細胞のインスリン感受性を強化する方法であって、前記の細胞をTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、または上記の特定のサブクラスおよび特定の化合物の何れかに接触させ、インスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいは約50%〜約99%、あるいは約10%〜約50%強化し、前記の細胞が自然発生的な細胞である方法を目的とする。別の実施態様では、本発明は、細胞からのインスリン分泌またはGLP−1分泌を強化するか、または細胞のインスリン感受性を強化する方法であって、前記の細胞をTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、または上記の特定のサブクラスまたは特定の化合物の何れかに接触させ、インスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、あるいは約50%〜約99%、あるいは約10%〜約50%強化し、前記の細胞が、自然発生的なヒトのインスリン分泌細胞またはGLP−1分泌細胞である方法を目的とする。
【0193】
所望の程度の強化を与える任意の量のTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物を使用することができる。例えば、約0.001〜100mg/kg体重/日、好ましくは約0.01〜約25mg/kg体重/日ベースで、単回投与、または2〜4回に分けた日用量が適している。物質は経口投与することが好ましいが、非経口経路、例えば皮下、筋肉内、静脈内、または腹腔内の経路、あるいは任意のその他の適切な送達系、例えば鼻腔内、または経皮的経路も用いることができる。
【0194】
本明細書で使用する場合、「強化」、およびその文法上の変形は、量または程度を増加することを意味する。例えば、細胞からのインスリン放出またはGLP−1の放出の強化は、当該細胞によって放出されるインスリンまたはGLP−1の量を増加することを意味する。同様に、細胞のインスリン感受性の強化は、細胞のインスリン感受性の程度を増加することを意味する。強化としては、調節、修正、活性化などが挙げられるが、必ずしもこれらに限られない。
組成物
本発明は、真性糖尿病、インスリン抵抗症候群、高血糖症、および肥満症を処置するのに有用な様々な組成物であって、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、または生理学的に許容可能なその塩を含む組成物も目的とする。
【0195】
本発明は、ランゲルハンス小島のβ細胞質量、およびインスリン遺伝子発現を増加し、胃液分泌、胃内容排出、およびグルカゴン分泌を減少させ、食物摂取を抑制するのに有用な様々な組成物であって、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、または生理学的に許容可能なその塩を含む組成物も目的とする。
【0196】
一態様では、本発明は、上記で定義する式Iの化合物などのTRPM5阻害物質を含む医薬組成物であって、上記の特定の実施態様、サブクラス、または種、および1つまたは複数の医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を目的とする。本発明の好ましい組成物は、上記の1つまたは複数の実施態様、および1つまたは複数の医薬的に許容可能な賦形剤より選択される化合物を含む医薬組成物である。
【0197】
本発明の医薬組成物は、それに意図された目的を達成するのに適する何らかの形態でよい。しかし、好ましくは、この組成物は、頬側または経口投与可能な組成物である。あるいは、医薬組成物は、任意の口腔または鼻用スプレーでよい。
【0198】
本発明の医薬組成物は、1つまたは複数のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかの有利な効果を体験可能な任意の動物に投与するのに適する任意の形態でよい。これらの動物の中で最も重要なのはヒトであるが、本発明は、ヒトに限定することを意図されていない。その他の適切な動物としては、イヌ科の動物、ネコ科の動物、イヌ、ネコ、家畜、ウマ、ウシ、ヒツジなどが挙げられる。本明細書で使用される獣医学的組成物は、ヒト以外の動物に適する医薬組成物を意味する。このような獣医学的組成物は、当該技術分野で公知である。
【0199】
本発明の医薬品は、公知の方法を使用して、例えば、従来の混合、整粒、糖衣錠製造、溶解、または凍結乾燥プロセスにより製造することができる。したがって、口腔用の医薬品は、活性化合物を固形の賦形剤と結合し、結果として得られる混合物を任意に粉砕し、錠剤または糖衣錠のコアを得るのに必要な場合、適切な助剤を添加した後に、顆粒の混合物を処理することによって得ることができる。
【0200】
医薬賦形剤は、当該技術分野でよく知られている。適切な賦形剤としては、単糖類などの充填剤、例えば乳糖または蔗糖、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤および/またはリン酸カルシウム、例えばリン酸トリカルシウムまたはリン酸水素カルシウム、並びに例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドンを使用するデンプン糊などの結合剤が挙げられる。必要な場合、崩壊剤を添加することができ、例えば上記のデンプン、さらにカルボキシメチルデンブン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、あるいはアルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムを添加することができる。助剤は、先ず、流動調節剤および潤滑剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸またはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム、および/またはポリエチレングリコールである。糖衣錠のコアは、必要な場合、胃液に耐性がある適切なコーティングを施される。このため、濃縮単糖類溶液を使用することができ、この溶液は、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適切な有機溶剤または溶剤混合物を任意に含み得る。胃液に耐性があるコーティングを生成するために、適切なセルロース製剤、例えばアセチルセルロースフタル酸塩、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸塩の溶液が使用される。染料または顔料は、例えば識別するため、または活性化合物用量の組合せを特徴付けるために、錠剤または糖衣錠のコーティングに添加することができる。
【0201】
経口投与のための液体剤形としては、医薬的に許容可能な乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤が挙げられる。液体剤形は、活性化合物のほかに、当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば、水またはその他の溶剤、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアルデヒド、油(特に綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、海狸香、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物を含み得る。
【0202】
懸濁液は、活性化合物のほかに、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天−寒天、およびトラガカント、並びにこれらの混合物を含み得る。
【0203】
さらに他の実施態様では、本発明は、有効量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる1つまたは複数の化合物、および1つまたは複数の生物学的に活性の薬剤を含む咀嚼錠を目的とする。咀嚼錠は、当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第4,684,534号および第6,060,078号参照。これらの特許は各々、引用することにより全体を本願に援用する。
【0204】
別の実施態様では、本発明は、口腔内崩壊性組成物を目的とし、この口腔内崩壊性組成物は、TRPM5阻害物質、例えば式Iによる1つまたは複数の化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかをさらに含む。口腔内崩壊性錠剤は、当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第6,368,625号および第6,316,029号参照。これらの特許の各々は、引用することにより全体を本願に援用する。
【0205】
別の実施態様では、本発明は、医学的に有効な量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる1つまたは複数の化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかをさらに含む鼻腔用組成物をさらに目的とする。鼻腔用スプレーは、当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第6,187,332号参照。非制限的な例として、本発明による鼻腔用スプレー組成物は、水(例えば95〜98重量%)、クエン酸塩(例えば、0.02Mクエン酸塩陰イオン〜0.06Mクエン酸塩陰イオン)、式Iによる化合物、および任意にリン酸塩(例えば、0.03Mリン酸塩〜0.09リン酸塩)を含む。
【0206】
別の実施態様では、本発明は、水および/または唾液により活性化される発泡性顆粒、例えば、調節可能な割合の発泡性を有する顆粒、およびTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを有する顆粒を含む固形剤形を目的とする。発泡性医薬組成物は、当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第6,649,186号参照。この特許は、引用することにより、全体を本願に援用する。
【0207】
別の実施態様では、本発明は、TRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを含み、崩壊可能なフィルム状またはウエファース状医薬組成物を目的とする。このようなフィルム状またはウエファース状医薬組成物は、例を挙げると速崩壊性投与剤形、例えば1秒〜3分間で崩壊する投与剤形、あるいは持続崩壊性投与剤形、例えば3〜15分間で崩壊する投与剤形として構成することができる。
【0208】
指示された崩壊時間は、例えば、異なる崩壊性または可溶性を有するマトリックス形成ポリマーを使用して、上記の範囲に設定することができる。したがって、対応するポリマー成分を混合することにより、崩壊時間を調節することができる。さらに、崩壊は、マトリックス中に水を「吸い込み」、マトリックスを内部から破裂させることとして周知されている。結果として、本発明の特定の実施態様は、崩壊時間を調節するために、このような崩壊剤を含む。
【0209】
フィルム状またはウエファース状医薬組成物に使用するのに適するポリマーとしては、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール(例えばMOWIOL(商標))、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、セルロースエーテル、例えばエチルセルロース、およびポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリメタクリル酸塩、ポリメタクリル酸メチル、並びに上記のポリマーの誘導体および共重合体が挙げられる。
【0210】
特定の実施態様では、本発明によるフィルム状またはウエファース状医薬組成物の全体の厚さは、好ましくは5μm〜10mm、好ましくは30μm〜2mmであり、特に好ましくは0.1mm〜1mmである。この医薬品は、円形、長円形、楕円形、三角形、四角形、または多角形でよいが、丸みのある任意の形状でもよい。
【0211】
別の実施態様では、本発明は、薬学的に活性な量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは、ガムベース製剤を包囲するコーティングに含まれる上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを含む組成物を目的とする。好ましくは、このコーティングは、製品全体の少なくとも50重量%を構成する。中心が咀嚼されると、この医薬品または薬剤は唾液中に放出される。例えば、引用することにより全体が本願に援用される米国特許第6,773,716号は、ガムベース製剤を包囲するコーティング中に含まれる適切な医薬品または薬剤を開示している。式Iによる1つまたは複数の化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかは、このコーティングを調製する際に使用することができる。式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかは、約30%、50%、75%、または90%などの様々な量で存在し得る。別の実施態様では、式Iによる化合物は、約30%〜約99%で存在し得る。他の実施態様では、式Iによる化合物は、約1%〜約30%で存在し得る。
【0212】
さらに他の実施態様では、本発明は、エアロゾール投与に適する医薬組成物であって、医学的に有効な量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、および適切な担体を含む医薬組成物を目的とする。エアロゾール組成物は、当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第5,011,678号参照。この特許は、引用することにより全体を本願に援用する。非制限的な例として、本発明によるエアロゾール組成物は、TRPM5阻害物質、例えば式Iによる1つまたは複数の化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れか、および(ヒドロ/フルオロ)カーボン推進薬などの生体適合性推進薬を含み得る。
【0213】
さらに他の実施態様では、本発明は、医学的に有効な量のTRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを含む経皮薬物送達組成を目的とする。デバイスなどの経皮薬物送達組成は、治療上有効な量の薬物を患者の皮膚から送達するように設計される。当該技術分野で公知のデバイスとしては、皮膚に対する薬物の放出量を制御する膜を含む貯槽タイプのデバイス、およびマトリックス中の薬物の分散を含むデバイスが挙げられる。経皮パッチなどの経皮薬物送達組成は、当該技術分野で公知である。
【0214】
特定の実施態様では、本発明の医薬組成物は、約0.001mg〜約1000mgのTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを含む。別の実施態様では、本発明の組成物は、約0.01mg〜約10mgのTRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかを含む。
【0215】
TRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかの活性は、当該技術分野で公知の多くの方法を用いて前記の化合物をテストすることによって判断することができる。例えば、インスリン分泌、GLP−1分泌、またはインスリン感受性を強化するための化合物の能力は、インビボアッセイを用いることによって評価することができる。このインビボアッセイは、TRPM5阻害物質、例えば式Iの化合物の存在下における膵細胞によるインスリン放出、またはL型腸内分泌細胞によるGLP−1の放出の量を特定する。
【0216】
TRPM5阻害物質、例えば式Iによる化合物、あるいは上記の特定のサブグループ、サブクラス、または特定の化合物の何れかは、実施例23に記載されているアッセイによって判断することもできる。
化合物の調製方法
TRPM5阻害物質は、本明細書に開示するアッセイおよび方法を用いて特定することができる。さらに、引用することにより全体を本願に援用される米国公開特許出願第20050019830号に開示されているアッセイは、TRPM5の阻害物質である化合物を特定するために使用することができる。このような化合物は、当業者にとって周知の技術を用いて調製することができる。
【0217】
式Iによる化合物は、以下の説明に概説されている方法に従って合成することができる。本発明に使用される化合物は、当該技術分野で公知の手順を用いて合成することができる。
【0218】
以下の一般的なスキームは、本発明の化合物を調製するために使用される合成方法を示す。あるプロセスでは、式Iの化合物は、スキーム1(ここで、R1、R2、R3、R4、L1、およびL2は、上記で定義されている)に示されるように、適切な有機溶剤、例えばエタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、トルエンなど、およびこれらの混合物中において、適切なケトンまたはアルデヒドで適切なアシル化ヒドラジドを縮合することによって調製することができる。分子篩または乾燥炭酸カリウムなどの水性焼入剤は、このプロセスで有用であり得る。酸または塩基触媒は、縮合を促進するために使用され得る。酸触媒としては、ρ−トルエンスルホン酸、メチルスルホン酸、リン酸、および硫酸が挙げられるが、これらだけに限らない。塩基触媒としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらだけに限らない。
【0219】
【化6】
別のプロセスでは、R2がHである式Iによる特定の化合物は、スキーム2(ここで、R1、R2、R3、R4、L1、およびL2は、上記で定義されている)に示されるように調製することができる。このプロセスによると、適切なカルボン酸は、式Iによる化合物を提供するのに適するアルデヒドまたはケトンのヒドラゾンで処理される。カルボニジイミダゾールおよびトリエチルアミンは、この反応で縮合剤として使用することができるが、他の適切な縮合剤を使用してもよい。
【0220】
【化7】
さらに他の実施例として、R1およびR2がアリール基である式Iの化合物は、適切な有機溶剤、例えばエタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、トルエンなど、およびこれらの混合物中において、並びに水性焼入剤、例えば分子篩または乾燥炭酸カルシウム(スキーム1)の存在下において、アルデヒド(化合物2など)でアシル化ヒドラジド(化合物1など)を縮合することによって調製することができる。酸または塩基触媒は、縮合を促進するために使用し得る。酸触媒としては、ρ−トルエンスルホン酸、メチルスルホン酸、リン酸、および硫酸が挙げられるが、これらだけに限らない。塩基触媒としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらだけに限らない。このプロセスの一例をスキーム3に示す。
【0221】
【化8】
この方法の変形は、適切なカルボン酸(化合物3など)を、適切なアルデヒド(化合物4など)のヒドラゾンで処理して、化合物Iを提供することを含むであろう。カルボニルイミダゾールおよびトリエチルアミンは、この反応で縮合剤として一般に用いられている。このプロセスの一例をスキーム4に示す。
【0222】
【化9】
この反応は、ニートで(例えば、溶剤を使用しない)で行うこともできる。反応が完了した後、結晶化によって生成物を溶剤、例えばエタノール、ジクロロメタン、エチル酢酸塩、およびトルエンなどから単離することができる。
【0223】
同様に、他の本発明の化合物は、当業者が商業的供給源から入手して調製することができる。出発原料は商業的に入手可能であるか、あるいは、当業者が調製することができる。例えば、上記の化合物1は、カルボン酸(化合物3など)と、保護されたヒドラジン(化合物5など)とをカルボニルイミダゾール/トリエチルアミンの存在下で反応させて、保護された酸ヒドラジド(化合物6など)を提供することによって調製することができる。反応が完了した後、酸ヒドラジド(化合物6など)からの保護基を標準条件下で(酸性条件など、例えばトリフルオロ酢酸)除去して、式Iの化合物を提供することができる。このプロセスの一例をスキーム5に示す。
【0224】
【化10】
本発明のその他の化合物は、本明細書に記載する方法の多少の変形により調製することができる。上記および他の方法は、文献に記載されており、例えばWyrzykiewicz and Prukala,Polish J.Chem.72:694−702(1998);およびElderfield and Wood,J.Org.Chem.27:2463−2465(1962)があり、これらは各々、引用することにより全体を本願に援用する。
【0225】
その他の式Iの化合物(L2がN=N)は、ジアゾニウム塩とヒドラゾンとを反応させることによって調製し得る。この縮合に用いられる反応条件は、有機合成の当業者に周知されている(例えば、Synthesis,577−581(1995);Chemical and Pharmaceutical Bulletin 42(11):2363−2364(1994);Tetrahedron 38(12):1793−1796(1982)参照)。出発原料は、商業的に入手し得るか、あるいは通常使用されている有機反応条件で調製し得る。
【0226】
【化11】
L2が存在せず、R3およびR4がシアノであり、R2がHであるさらに他の式Iの化合物は、マロノニトリルをジアゾニウム塩で縮合させることによって調製し得る。この反応および条件は、有機合成の当業者に周知されている(例えば、Archiv.der Pharmazie 337(3):140−147(2004);Monatshefte fuer Chemie 130(11):1409−1418(1999)参照)。
【0227】
【化12】
L1−R1であるその他の式Iの化合物は、
【0228】
【化13】
ラクトンA(Zhurnal Organischeskoi Khimii 17(3):481−486(1981)参照)をヒドラジンで、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)またはその他の溶剤中で処理し:
【0229】
【化14】
本明細書に記載するように使用可能なアシルヒドラゾンBを提供することによって調製することができる。
【0230】
L1−R1であるその他の式Iの化合物は、
【0231】
【化15】
ケト酸Cから調製することができる(Org.Syn.Coll.Vol.9,530参照)。ケト酸Cは、ジアゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタン、またはその他の試薬化合物でエステル化し、結果として得られるエステルは、水素化ホウ素ナトリウムなどの選択還元剤で、メタノールまたはエタノール中で還元させて、中間体Dおよび/またはそのラクトンを提供する。中間体D(または、そのラクトン)は、過剰なヒドラジンでアルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)またはその他の溶剤中で処理して、中間体Eを提供する。この中間体は、式Iの化合物の調製のために、本明細書に記載するように処理し得る。
【0232】
【化16】
L1が存在せず、R1が
【0233】
【化17】
であるその他の式Iの化合物は、中間体Gから調製し得る。中間体Gは、商業的に入手可能なジアゾニウムエンF(例えば、Journal of Heterocyclic Chemistry 24(4):1041−3(1987)参照)などを塩化スズで還元して調製される。
【0234】
【化18】
L1−R1が
【0235】
【化19】
であるその他の式Iの化合物は、中間体Kから調製し得る。中間体Kは、以下のスキームに示すように調製される。アニリン(H)は、炭酸カリウムなどの塩基、別の炭酸塩塩基、あるいはより強力な塩基、例えばヘキサメチルジシラザンナトリウムまたは水酸化ナトリウム、およびブロモ酢酸エチルで処理され、Jを提供する。中間体Jは、過剰なヒドラジンで、アルコールまたはその他の溶剤中で処理され、本明細書に記載するように使用されるKを提供する。
【0236】
【化20】
L1が存在せず、R1が
【0237】
【化21】
であるその他の式Iの化合物は、中間体Mから調製し得る。中間体Mは、商業的に入手可能なハロゲン化物Lを、JCS Perkin 1,2216−2221(1976)に記載されているようにピロリジンで処理することによって得られる。
【0238】
【化22】
当然、当該技術分野で公知のその他の方法および手順を使用して、特定の式Iの化合物を調製し得る。
【0239】
以下の実施例は、本発明の方法、化合物、および組成物の実例であり、制限するものではない。以下に記載する各々の化合物は、商業的に入手可能な通信販売会社、例えばAldrich RarechemLib、Aldrich Sigma、AlsInEx、Biotech Corp.、Brandon/Berlex、Calbiochem、ChemBridge、Comgenex West、Foks H、G.&J.Research、IBS、ICN Biochemicals、Institute for Chemotherapy、Kodak、Lederle Labs、Ligand−CGX、Maybridge PRI、Menai Organics、Menai/Neurocrine、Micro Source、MPA Chemists、Mybrgd/ONYX、PRI−Peakdale、RADIAN、Receptor Research、RGI、Rhone−Poulenc、SPECS/BioSPECS/SYNTHESIA、T.Glinka、Tripos Modern、VWR、Zaleska、Zelinksy/Berlex、Aeros、およびChemicaから入手し得る。これらの化合物は、HPLCなどの従来の精製手順を用いて精製した。化合物の身元は、HPLCおよび質量分析法を用いて確認した。当該技術分野で公知であり、上記で指摘したとおり、ヒドラゾン部分は、EまたはZ配座の何れかで存在することが可能である。したがって、本明細書に記載する特定の化合物には、特定の立体化学が指示され得るが、本発明は、すべての立体異性体、特にすべてのEおよびZ異性体を含むと考えられる。通常遭遇し、当業者にとって明らかな多様な条件およびパラメータのその他の適切な修正および適合は、本発明の精神および範囲に含まれる。
【実施例】
【0240】
(実施例1)
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチルプロピル)ジアゼニルジアゼニル)安息香酸塩
【0241】
【化23】
分子式:C19H19N5O2S;分子量:381.5(算出)。
【0242】
(実施例2)
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸
【0243】
【化24】
分子式:C18H14BrN3O3;分子量:400(算出)。
【0244】
(実施例3)
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド
【0245】
【化25】
分子式:C21H20N2O3;分子量:348(算出)、348(実測)。
【0246】
(実施例4)
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパンカルボヒドラジド
【0247】
【化26】
分子式:C19H20N2O3;分子量:324(算出)、324(実測)。
【0248】
実施例4の鏡像異性体(R,R, R,S, S,S,およびS,R)は、超臨界流体クロマトグラフィにより、20%メタノール(流量5mL/分、100バール、35℃)を使用して、4.6×250mmDiacel ODHカラム上で分離した。分離のHPLCクロマトグラフを図15に示す。
【0249】
(実施例5)
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)ブタンヒドラジド
【0250】
【化27】
分子式:C18H24N2O3;分子量:316.40(算出)。
【0251】
(実施例6)
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド
【0252】
【化28】
分子式:C20H30N2O4;分子量:364.5(算出)、364(実測)。
【0253】
(実施例7)
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)−メチレン)ヒドラジニル)安息香酸
【0254】
【化29】
分子式:C20H16N4O2;分子量:344.7(算出)。
【0255】
(実施例8)
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド
【0256】
【化30】
分子式:C18H20N2O4;分子量:328(算出)、328(実測)。
【0257】
(実施例9)
(E’)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)アセトヒドラジド
【0258】
【化31】
分子式:C20H21BrN2O3S;分子量:449(算出)、447.9(実測)。
【0259】
(実施例10)
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド
【0260】
【化32】
分子式:C18H24N2O;分子量:284(算出)、284(実測)。
【0261】
(実施例11)
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)エチリデン)インドリン
【0262】
【化33】
分子式:C19H20N4O2;分子量:336(算出)、336(実測)。
【0263】
(実施例12)
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパンカルボヒドラジド
【0264】
【化34】
分子式:C21H25N3O2;分子量:351(算出)、351(実測)。
【0265】
(実施例13)
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド
【0266】
【化35】
分子式:C10H5F3N4S;分子量:270.24(算出)。
【0267】
(実施例14)
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド
【0268】
【化36】
分子式:C26H22N4O3;分子量:438.5(算出)。
【0269】
(実施例15)
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸
【0270】
【化37】
分子式:C20H21N3O2;分子量:335.4(算出)。
【0271】
(実施例16)
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン
【0272】
【化38】
分子式:C19H17N3;分子量:287(算出)、287.2(実測)。
【0273】
(実施例17)
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド
【0274】
【化39】
分子式:C16H21N3O;分子量:271(算出)。
【0275】
(実施例18)
(Z)−1−(2−(4−(エチル−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)ナフタレン−2(1H)−オン
【0276】
【化40】
分子式:C20H21N3O2;分子量:335(算出)、333.2(実測)。
【0277】
(実施例19)
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチルヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール
【0278】
【化41】
分子式:C14H11ClF3N3O;分子量:345.7(算出)、344.9(実測)。
【0279】
(実施例20)
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロベンジリデン)アセトヒドラジド
【0280】
【化42】
分子式:C21H25N5O4;分子量:411.4(算出)、411.3(実測)。
【0281】
(実施例21)
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン
【0282】
【化43】
分子式:C17H23N5O2;分子量:329.4(算出)。
【0283】
(実施例22)
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール
【0284】
【化44】
分子式:C18H21N5O;分子量:323.4(算出)。
【0285】
(実施例23)
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド
【0286】
【化45】
分子式:C24H23N3O3。
【0287】
(実施例24)
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド
【0288】
【化46】
分子式:C22H22N3O3。
【0289】
(実施例25)
TRPM5阻害物質によるインスリン放出の強化を判断するためのアッセイ
βTC−6細胞は、Poitout et al.,Diabetes,44:306−313(1995)に記載されているように、膵臓のβ細胞にシミアンウイルス40(SV40)のラージT抗原を発現する遺伝子組み換えマウスから誘導されたインスリン分泌細胞系である。この細胞系は、ATCC細胞バンクのCAT# CRL−11506から入手し、5%CO2の37℃培養器内に15%のウシ胎仔血清(FBS)、4mMのグルタミン、4.5mMのグルコース、1500mg/Lの重炭酸ナトリウム、および1倍のペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質混合物を有するDulbeccoの変法イーグル培地(DMEM)中で成長させた。培養物は、規定どおり、トリプシンを利用して週に2回、1:2に分裂させた。
【0290】
アッセイの前日、0.1×106βTC−6細胞を96ウェルのプレートの各ウェル内に配置し、細胞を成長培地中で一晩培養した。
【0291】
その翌日、成長培地をプレートから除去し、単分子層をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗い流し、118.5mMのNaCl、2.54mMのCaCl2、1.19mMのKH2PO4、4.74mMのKCl、25mMのNaHCO3、1.19mMのMgSO4、10mMのHEPES緩衝剤、およびpH7.4の0.1%ウシ血清アルブミンから成るKrebs Ringerの重炭酸塩緩衝液(KRBB)中において37℃で30分間プレインキュベートした。この緩衝液を除去し、様々な濃度の12mM以下のグルコースおよび100μM以下の化合物を含む様々なインスリン放出修飾物質を含む100μLの同じ緩衝液と置換した。化合物の原液、例えば10〜20mMをDMSO中で希釈した。インキュベーション緩衝液中の最終的なDMSO濃度は0.5%以下だった。溶媒対照が含まれていた。次に、静止インキュベーションを37℃で2時間行った。全体のインキュベーション量は、インスリンアッセイのために、2時間のインキュベーション後に収集した。
【0292】
インスリン判定のためのELISAプロトコル。以下のプロトコルを用いて、Linco Research,Inc.のラット/マウスインスリンELISAキット、CAT# EZRMI−13KおよびAmplex(登録商標)Red過酸化水素/ペルオキシダーゼアッセイキット、CAT# A22188、およびAmplex(登録商標)Red試薬(10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジン)CAT# A12222を使用してELISAを実施した。
【0293】
すべての試薬は、実験を設定する前に、予熱して室温にした。
【0294】
1.10倍の洗浄緩衝液を1倍の洗浄緩衝液中に入れて希釈する。50mL+450mL脱イオン水。細胞培養上澄(βTC−6細胞インキュベーション)に1:10の希釈を行う。
【0295】
2.一般に0〜5ng/mLのインスリンの標準サンプル、並びにQC1およびQC2に、1カラム(8個のウェル)ウェルを使用する。いくつかのプレートで、インスリンの完全標準曲線は以下のように得られた。
【0296】
3.未使用のウェルを十分に覆う。1回の洗浄ごとに各々のウェルを300μLの1倍洗浄緩衝液で3回洗浄する。(シェーカー上の各洗浄ステップごとに2分間)。洗浄緩衝液をデカントして、プレートを反転させ、プレートを吸収性のタオルの上に数回軽く叩いて、残留量をすべてのウェルから除去する。次のステップに進む前に、ウェルを乾燥させない。
【0297】
4.20μLのアッセイ緩衝液をその空のウェル内に加え、10μLを標準およびサンプル用のウェルに加える。
【0298】
5.10μLのラットのインスリン標準およびサンプルを適切なウェルに加える。
【0299】
6.80μLの検出抗体をすべてのウェルに加える。プレートを覆い、室温で2時間インキュベートする。
【0300】
7.プレートカバーを引き裂き、溶液をプレートからデカントする。プレートを叩いてウェル中の残留溶液を除去する。
【0301】
8.1回の洗浄ごとに希釈洗浄緩衝液300μLで、ウェルを3回洗浄する(シェーカー上の各洗浄ステップごとに2分間)。上記のように、プレートを叩いて残留溶液を除去する。
【0302】
9.100μLの酵素溶液を各々のウェルに加える。プレートをシーラーで覆い、マイクロタイタープレートシェーカー上で適度に振って、室温で30分間インキュベートする。
【0303】
10.シーラーを除去し、溶液をプレートからデカントして、プレートを叩いて残留流体を除去する。
【0304】
11.1回の洗浄ごとに希釈洗浄緩衝液300μLで、ウェルを6回洗浄する。各々の洗浄後、プレートを叩いてデカントし、残留緩衝液を除去する。
【0305】
12.2.0mMのH2O2、4.45mLの1倍反応緩衝液+50μL、10mMのAmplex試薬+500μL、20mMのH2O2を含む100μLのAmolex Red試薬の5mL希釈溶液を調製する。
【0306】
13.100μLのAmplex Red試薬/H2O2を各々のウェルに加える。
【0307】
14.反応をインキュベートする。インキュベートは、室温で30分間、光から保護して行う(プレートを覆うフォイルを使用する)。次に、分子デバイスFlexStationの複数の時間点で、590nm(励起範囲は530〜560nm)の蛍光を測定する。
【0308】
上記の手順またはそのわずかな変形は、TRPM5阻害物質のインスリン分泌強化を判定するために使用される。
【0309】
(実施例26)
TRPM5を含む細胞の電気生理学的研究
TRPチャネル電流のホールセル記録を、急激にトリプシン処理したβTC−6細胞、およびTRPM5発現HEK細胞から取得した。槽溶液は、1.2mMのCaCl2、0.5mMのMgCl2−6H2O、0.4mMのMgSO4−7H2O、5.3mMのKCl、0.4mMのKH2PO4、137.9mMのNaCl、0.3mMのNa2HPO4−7H2O、および5.5mMのD−グルコースから成るハンクス平衡塩類溶液で、20mMのHEPES(Invitrogen)、pH7.4(NaOH)を含んでいた。内部ピペット溶液は、135mMのグルタミン酸、8mMのNaCl、9mMのCaCl2、10mMのHEPES、および10mMのEGTA、pH7.2(CsOH)(Sigma)を含んでいた。内部溶液中の遊離型カルシウムの算出濃度は、1.5μMだった(http://www.stanford.edu/〜cpatton/webmaxc/webmaxcS.htm)。記録ピペットは、Flaming/Brownマイクロピペットプラー(Sutter Instruments)を使用して、火炎研磨したホウケイ酸ガラスから約2MΩまで引っ張った。
【0310】
電圧固定記録は、Clampex 9.2ソフトウェア(Axon Instruments)上で動作するMultiClamp700B増幅器、およびDigidata1 322A変換器を使用して、ホールセルモードで取得した。記録は室温で行った。記録プロトコルは、−80mV電位〜+80mVのランプの後、−80mVのステップから構成した。3つの異なる電圧でピーク電流を測定した;−80mV、+80mVにランプした後、次に−80mVに戻った。直列抵抗は、ブレークイン直後に自動的に補正され、結果として得られたキャパシタンスの測定値を使用して、電流密度を計算した。5kHzでデータを抽出し、1kHZで濾過した。
【0311】
化合物は、DMSOストックとして調製した。実験当日、DMSOストックを槽溶液中で溶解し、0.1%の最終DMSO濃度にした。マルチバレルアプリケータ(SF−72、Warner)を使用して、急速な溶液の交換(約100ms)が達成された。
【0312】
(実施例27)
マウスのβTC−6細胞におけるmTRPM5の存在
βTC−6細胞を成長させてから遠沈させ、QiagenのRNeasyミニキット(Cat #:74104)を使用して、RNAプレップを作成した。このプレップは、Invitrogen DNase I(Cat #:18068−015)を使って、2回目にDNase処理した。RT−PCR用のInvitrogen Superscriptの第1鎖合成システム(Cat #:12731−019)を使用して、第1鎖cDNA合成を用意した。RT(+)およびRT(−)cDNAsの両方を作成して、ゲノム汚染の可能性を検査した。
【0313】
InvitrogenのプラチナTaq DNAポリメラーゼ(Cat #:10966−018)、およびmtrpM5に特異的なフォワードおよびリバースプライマーを使用して、RT(+)およびRT(−)cDNAの両方をPCR処理した。正しいサイズの帯域は、RT(+)生成物に見られ、RT(−)cDNAの帯域が存在しない場合に見ることができるように、ゲノム汚染はなかった。結果を図14に示す。
【0314】
(実施例28)
選択した化合物の活性
本発明の選択された化合物について、インスリン分泌を増加する能力をテストした。結果を以下の表に示す。この化合物を10μMの濃度でテストした。このデータは、グルコース依存性インスリン産生と対照したテスト化合物によって生成されるインスリン分泌の強化率を示す。また、30μMでテストしたトルブタミドの活性も表に示す。
【0315】
【表1】
(実施例29)
TRPM5阻害物質によるGLP−1の放出を、GLUTag細胞を用いて検出するためのアッセイ
マウスのGLUTag細胞は、TRPM5を発現する自然の腸細胞系である。この細胞系は、トロント大学医学部内分泌学科のDr.Daniel J.Druckerから入手し、5%CO2の37℃培養器内に10%のウシ胎仔血清(FBS)、1倍のペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質混合物を有するInvitrogen Dulbeccoの変法イーグル培地(DMEM)高グルコース(Cat #:11995)中で成長させた。
【0316】
すべての試薬は、実験を開始する前に、予熱して室温にした。基質希釈剤および感光性基質は、使用直前に解凍状態にした。
細胞プレートの播種
GLUTag細胞を有するBD96−ウェルマトリゲル塗布プレート(Fisher,Cat #:08−774−166)は、100μLのプレーティング媒体(10%のFBSおよび1倍のペニシリン/ストレプトマイシン抗生物質混合物を有するInvitrogenの(Cat #:31985)OPTI−変法イーグル培地(MEM))を使用して再水和し、5%CO2の37℃培養器内で30分間インキュベートした。次に、GLUTag細胞をトリプシン処理し、カウントした。GLUTag細胞の播種密度7.5×105細胞/mlで、細胞希釈を行った。再水和培地は、マトリゲル塗布プレートから吸引した。100μLの細胞希釈液を、プレートの各々のウェル中にプレーティングした。次に、このプレートを5%CO2の37℃培養器内で一晩インキュベートした。
【0317】
以下のプロトコルは、MilliporeのGLP−1ELISAキット(Cat.#:EGLP−35K)を使用して、TRPM5阻害物質/エンハンサおよびグルコースが存在する状態でのGLUTag細胞からのGLP−1分泌物を分析した。
1日目のELISAアッセイ
TRPM5阻害物質またはエンハンサの原液および希釈プレートを調製した。1%のウシ血清アルブミン(BSA)を、使用直前にKrebb’s Ringerの重炭酸塩緩衝液(KRBB)に加えた。KRBBは、118.5mMのNaCl、2.54mMのCaCl2・2H2O、1.19mMのKH2PO4、4.74mMのKCl、25mMのNaHCO3、1.19mMのMgSO4・7H2O、および10mMのpH7.4のHEPES緩衝液で構成される。細胞プレートは、100μLのKRBBで30分間インキュベートした。次に、KRBB緩衝液を吸引した。このインキュベーションステップを1回繰り返した。KRBB緩衝液を吸引して、様々な濃度のTRPM5阻害物質またはエンハンサおよびグルコース、つまり12.5mMのグルコースおよび1.5μMのTRPM5阻害物質を含む150μLの同じ緩衝液と置換した。TRPM5阻害物質/エンハンサおよびグルコースを含まないKRBB緩衝液もトリプリケートでテストした。処理した細胞の静止インキュベーションを、5%CO2の37℃培養器内で2時間行った。
【0318】
2時間のインキュベーションのうち、最後の30分間で、96ウェルELISAプレートを以下のように作成した。抗GLP−1モノクローナル抗体を塗布したGLP−1(活性)ELISAプレートは、300μL/ウェルの洗浄緩衝液(1:10希釈の洗浄緩衝液濃度(Tween20およびアジ化ナトリウムを含む10mMのPBS緩衝液)で3回洗浄した。次に、200μLの量のアッセイ緩衝液(Tween20、0.08%のアジ化ナトリウム、および1%のBSAを含むプロテアーゼ阻害物質を有するpH6.8の0.05MのPBS)を、非特異的な結合ウェルA10−A12に加えた。100μLの量のアッセイ緩衝液をGLP−1標準ウェルに加えた。総量100μLのアッセイ緩衝液(98μL)とジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害物質との組合せ(Linco Cat# DPP4)(2μL)をすべての細胞サンプルウェルに加えた。100μLの量のGLP−1アミドELISA標準(アッセイ緩衝液中のGLP−1(7−36アミド):2、5、10、20、50、および100pM)を昇順で、デュプリケートで適切なウェルに加えた。次に、100μLの量のサンプルを細胞プレートから残りのウェルに加えた。ELISAプレートを静かに振り、適切に混合した。
【0319】
次に、ELISAプレートを接着シールで覆い、4℃で一晩(20〜24時間)インキュベートした。
【0320】
次に、ELISAプレートからの液体をデカントして、過剰な流体を吸収性のタオル上にプレートを叩いて出した。ELISAプレートを、ウェルごとに300μLの洗浄緩衝液で5回洗浄し、4回目の洗浄で、洗浄緩衝液中において室温で5分間インキュベートした。過剰な緩衝液は、5回目の洗浄後、吸収性のタオル上にプレートを叩いて出した。次に、200μLの量の検出共役体(抗GLP−1アルカリ性リン酸塩共役体)を直ちに各々のウェル内に加えた後、室温で2時間インキュベートした。次に、検出共役体をデカントし、300μLの洗浄緩衝液で各々のウェルを3回洗浄した。過剰な流体は、ペーパータオル上にプレートを叩いて出した。200μL中の希釈基質を各々のウェルに加えて、室温の暗がりで少なくとも20分間インキュベートした。感光性基質MUP(メチルウンベリフェリルリン酸)10mgをMilliporeのGLP−1ELISAキット内に供給し、使用直前に1mLの脱イオン水で水和した。1:200希釈液を基質希釈液中で生成した(例えば、20mLの基質希釈液中に100μLの水和基質)。希釈は、使用直前にその都度新しく行った。20分後、355nm/460nmでプレートを読み取った。プレート読取装置から読み取った標準曲線の最低点(つまり、2pM)内に十分な信号対雑音比があり、最高標準点(つまり、100pM)が最大相対蛍光単位(RFU)内にあった場合、追加のインキュベーション期間は不要だった。さもなければ、追加のインキュベーション時間が必要だった。
【0321】
信号が十分だった場合、50μLの停止溶液を各々のウェル内に、基質を追加した順序と同じ順序で加えた後、室温の暗がりで、5分間のインキュベーション期間を続けて、ホスファターゼの活性を停止した。次に、355nm/460nmの励起/放射波長で、蛍光プレート読取装置上でELISAプレートを読み取った。結果を図16〜19に示す。
【0322】
本発明について十分に説明してきたが、当業者には、同じことは、本発明の範囲、またはその何らかの実施態様に影響することなく、条件、処方、およびその他のパラメータの広範かつ等価な範囲で実行できることが理解されるであろう。本明細書に引用するすべての特許および文献は、引用することにより全体的に完全に本願に援用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞からのインスリン放出を強化する方法であって、前記細胞を有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質と接触させることを含む方法。
【請求項2】
前記TRPM5阻害物質が式Iの化合物:
【化47】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2はH、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3はH、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニル、あるいはシアノであり;
L1は存在しないか、または任意に置換される1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むリンカーであり;
L2は存在しないか、または任意に置換される1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R1が、任意に置換されるC6−10アリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
R1が、任意に置換される5〜14員環ヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
R1が、任意に置換されるC3−10シクロアルキル、または任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
R1が、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルケニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
R1が、任意に置換されるC1−6アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
R2がHである、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
R2がC1−6アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
R2がC6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
R3がHである、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
R3がC1−6アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
R3がC6−10アリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
R3がシアノである、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
R4が任意に置換されるC1−6アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
R4が、任意に置換されるC6−10アリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
R4が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
R4が、任意に置換されるC3−10シクロアルキル、または任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
R4が、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルケニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
L1が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項21】
L1が、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むリンカーであり、任意に置換される、請求項2に記載の方法。
【請求項22】
L2が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項23】
L2が、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むリンカーであり、任意に置換される、請求項2に記載の方法。
【請求項24】
R1が未置換フェニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項25】
R1がフェニルまたはナフチルであり、これらの各々が、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換される、請求項2に記載の方法。
【請求項26】
R1が、窒素を含むヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項27】
R1が、各々が任意に置換されるピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルから成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項28】
R4が未置換フェニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項29】
R4がフェニルまたはナフチルであり、これらの各々が、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換される、請求項2に記載の方法。
【請求項30】
R4が、窒素を含むヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項31】
R4が、各々が任意に置換されるピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルから成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項32】
R1が任意に置換されるC6−10アリールであり;R2が、HまたはC1−6アルキルであり;R3が、HまたはC1−6アルキルであり;R4が任意に置換されるC6−10アリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項33】
R1が任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が任意に置換されるC6−10アリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項34】
R1が任意に置換されるC6−10アリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項35】
R1が任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項36】
R1が任意に置換されるC6−10アリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が任意に置換されるC3−10シクロアルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項37】
R1が任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;並びにR4およびL2がともに、−N=N−アリールを形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項38】
R1が任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R4が任意に置換されるC6−10アリール、例えばフェニルおよびナフチルであり;並びにL1およびL2が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項39】
R1が、各々が任意に置換されるC6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニル、またはC1−6アルキルであり;R2がH、C1−6アルキル、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;L1が存在しないか、または1〜6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであり;並びにR3、R4、およびL2が、前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項40】
R1がヘテロアリールであり;R2がHであり;R4がヘテロアリールであり;L1が存在せず;およびL2がN=Nである、請求項2に記載の方法。
【請求項41】
R1がビシクロアルキルであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が存在せず;およびL2が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項42】
R1がアリールであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が、2〜4個の炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり;L2が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項43】
R1がシクロアルケニルであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が、2〜4個の炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり;L2が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項44】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項2に記載の方法。
【請求項45】
前記細胞がヒト以外の膵細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記ヒト以外の膵細胞が、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギまたはサルの膵細胞である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記細胞がヒトの膵細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記式Iによる化合物が、医薬組成物として投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項49】
前記式Iによる化合物が、獣医学的組成物として投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項50】
前記式Iによる化合物が、重量百分率基準で約1%〜約10%の濃度で投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項51】
前記式Iによる化合物が、約0.01mg〜約10mgの量で投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項52】
前記細胞がインビトロである、請求項1に記載の方法。
【請求項53】
哺乳類のインスリン放出を強化する方法であって、前記インスリン放出の強化を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項54】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化48】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
前記化合物は、インスリン放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記式Iの化合物が
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記対象がヒトである、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記化合物が、約0.01mg〜約100mgの量で投与される、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記化合物が、医薬製品の成分として投与される、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記化合物が、約0.01重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
哺乳類の真性糖尿病を処置する方法であって、前記インスリン放出の強化を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項61】
前記TRPM5阻害物質が式Iの化合物、
【化49】
または生理学的に許容可能なその塩であり:ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらは、任意に置換されるリンカーであるか;または
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合している前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
前記化合物は、インスリンの放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記対象がヒトである、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記化合物が、約0.01mg〜約100mgの量で投与される、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記化合物が、医薬製品の成分として投与される、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記化合物が、約0.01重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
哺乳類のインスリン抵抗症候群を処置する方法であって、
前記方法を必要とする対象に1つまたは複数の式Iの化合物:
【化50】
または生理学的に許容可能なその塩を投与し、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
前記化合物は、インスリンの放出を強化するのに十分な量で投与される方法。
【請求項68】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記対象がヒトである、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記化合物が、約0.01mg〜約100mgの量で投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記化合物が、医薬製品の成分として投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記化合物が、約0.01重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記化合物が、約1重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項67に記載の方法。
【請求項74】
哺乳類の高血糖症を処置する方法であって、前記インスリン放出の強化を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項75】
前記TRPM5阻害物質が式Iの化合物:
【化51】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または任意に置換される1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むリンカーであり;
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルを形成し;
前記化合物は、インスリンの放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドより選択される、
請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記対象がヒトである、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記化合物が、約0.01mg〜約195mgの量で投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記化合物が、医薬製品の成分として投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記化合物が、約0.01重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項75に記載の方法。
【請求項81】
前記化合物が、約1重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項75に記載の方法。
【請求項82】
哺乳類のGLP−1の放出を強化する方法であって、前記GLP−1の放出の強化を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項83】
前記TRPM5阻害物質が式Iの化合物:
【化52】
または生理学的に許容可能なその塩であり;ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであり;
L2が存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであるか;または
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項82に記載の方法。
【請求項84】
R1が、任意に置換されるC6−10アリールである請求項83に記載の方法。
【請求項85】
R1が、任意に置換される5〜14員環ヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
R1が、任意に置換されるC3−10シクロアルキルまたは任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
R1が、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルケニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項88】
R1が、任意に置換されるC1−6アルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項89】
R2がHである、請求項83に記載の方法。
【請求項90】
R2がC1−6アルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項91】
R2が、C6−10アリールまたはC6−10アリール(C1−6)アルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項92】
R3がHである、請求項83に記載の方法。
【請求項93】
R3がC1−6アルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項94】
R3がC6−10アリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項95】
R3がシアノである、請求項83に記載の方法。
【請求項96】
R4が、任意に置換されるC1−6アルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項97】
R4が、任意に置換されるC6−10である、請求項83に記載の方法。
【請求項98】
R4が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項99】
R4が、任意に置換されるC3−10シクロアルキルまたは任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項100】
R4が、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルケニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項101】
L1が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項102】
L1が、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーである、請求項83に記載の方法。
【請求項103】
L2が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項104】
L2が、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーである、請求項83に記載の方法。
【請求項105】
R1が未置換フェニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項106】
R1が、フェニルまたはナフチルで、これらの各々が、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換される、
請求項83に記載の方法。
【請求項107】
R1が、窒素を含むヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項108】
R1が、各々が任意に置換されるピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルから成る群より選択される、請求項83に記載の方法。
【請求項109】
R4が未置換フェニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項110】
R4が、フェニルまたはナフチルであり、これらの各々が、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換される、
請求項83に記載の方法。
【請求項111】
R4が、窒素を含むヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項112】
R4が、各々が任意に置換されるピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルから成る群より選択される、請求項83に記載の方法。
【請求項113】
R1が、任意に置換されるC6−10アリールであり;R2が、HまたはC1−6アルキルであり;R3が、HまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換されるC6−10アリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項114】
R1が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2が、HまたはC1−6アルキルであり;R3が、HまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換されるC6−10アリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項115】
R1が、任意に置換されるC6−10アリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項116】
R1が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項117】
R1が、任意に置換されるC6−10アリールであり;R2が、HまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換されるC3−10シクロアルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項118】
R1が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4およびL2がともに、−N=N−アリールを形成する、請求項83に記載の方法。
【請求項119】
R1が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R4が、任意に置換されるC6−10アリール、例えばフェニルおよびナフチルであり;L1およびL2が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項120】
R1が、各々が任意に置換されるC6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニル、またはC1−6アルキルであり;R2がH、C1−6アルキル、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;L1が存在しないか、または1〜6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;R3、R4、およびL2が、前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成する、
請求項83に記載の方法。
【請求項121】
R1が、ヘテロアリールであり;R2がHであり;R4がヘテロアリールであり;L1が存在せず;およびL2がN=Nである、請求項83に記載の方法。
【請求項122】
R1が、ビシクロアルキルであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が存在せず;およびL2が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項123】
R1がアリールであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が、2〜4個の炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり;L2が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項124】
R1がシクロアルケニルであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が、2〜4個の炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり;L2が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項125】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項83に記載の方法。
【請求項126】
前記対象がヒトである、請求項82に記載の方法。
【請求項127】
前記化合物が、約0.01mg〜約100mgの量で投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項128】
前記化合物が、医薬製品の成分として投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項129】
前記化合物が、約0.01重量%〜約50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項83に記載の方法。
【請求項130】
細胞からのGLP−1の放出を強化する方法であって、前記細胞を有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質と接触させることを含む方法。
【請求項131】
前記TRPM5阻害物質が式Iの化合物:
【化53】
または生理学的に許容可能なその塩であり;ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびL3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記細胞が、腸内のヒト以外の腸内分泌細胞である、請求項130に記載の方法。
【請求項134】
前記ヒト以外の腸内分泌細胞が、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギまたはサルの腸内分泌細胞である、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記細胞が、ヒトの腸内分泌細胞である、請求項130に記載の方法。
【請求項136】
前記式Iによる化合物が、医薬または獣医学的組成物として投与される、請求項131に記載の方法。
【請求項137】
前記式Iによる化合物が、重量百分率基準で約1%〜約10%の濃度で投与される、請求項131に記載の方法。
【請求項138】
前記式Iによる化合物が、約0.01mg〜約10mgの量で投与される、請求項131に記載の方法。
【請求項139】
前記細胞がインビトロである、請求項130に記載の方法。
【請求項140】
哺乳類の胃液分泌および胃内容排出を減少させる方法であって、前記胃機能の低下を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項141】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化54】
または生理学的に許容可能なその塩であり;ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドからなる群より選択される、
請求項141に記載の方法。
【請求項143】
哺乳類の食物摂取を抑制する方法であって、前記食物摂取の抑制を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項144】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化55】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、シアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物が、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドからなる群より選択される、
請求項144に記載の方法。
【請求項146】
哺乳類のグルカゴン分泌を減少させる方法であって、前記グルカゴン分泌の減少を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項147】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化56】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか、あるいは、
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および、
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項147に記載の方法。
【請求項149】
哺乳類のインスリン感受性を強化する方法であって、前記インスリン感受性の強化を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項150】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化57】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリールまたはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物が、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項149に記載の方法。
【請求項151】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項150に記載の方法。
【請求項152】
ある対象においてインスリン遺伝子発現を増加する方法であって、前記インスリン遺伝子発現の増加を必要とする前記対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項153】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化58】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項153に記載の方法。
【請求項155】
ある対象において肥満症を処置または防止する方法であって、前記肥満症の処置を必要とする前記対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項156】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化59】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項155に記載の方法。
【請求項157】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項156に記載の方法。
【請求項1】
細胞からのインスリン放出を強化する方法であって、前記細胞を有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質と接触させることを含む方法。
【請求項2】
前記TRPM5阻害物質が式Iの化合物:
【化47】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2はH、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3はH、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニル、あるいはシアノであり;
L1は存在しないか、または任意に置換される1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むリンカーであり;
L2は存在しないか、または任意に置換される1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R1が、任意に置換されるC6−10アリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
R1が、任意に置換される5〜14員環ヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
R1が、任意に置換されるC3−10シクロアルキル、または任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
R1が、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルケニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
R1が、任意に置換されるC1−6アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
R2がHである、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
R2がC1−6アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
R2がC6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
R3がHである、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
R3がC1−6アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
R3がC6−10アリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
R3がシアノである、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
R4が任意に置換されるC1−6アルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
R4が、任意に置換されるC6−10アリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
R4が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
R4が、任意に置換されるC3−10シクロアルキル、または任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項19】
R4が、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルケニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
L1が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項21】
L1が、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むリンカーであり、任意に置換される、請求項2に記載の方法。
【請求項22】
L2が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項23】
L2が、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むリンカーであり、任意に置換される、請求項2に記載の方法。
【請求項24】
R1が未置換フェニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項25】
R1がフェニルまたはナフチルであり、これらの各々が、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換される、請求項2に記載の方法。
【請求項26】
R1が、窒素を含むヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項27】
R1が、各々が任意に置換されるピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルから成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項28】
R4が未置換フェニルである、請求項2に記載の方法。
【請求項29】
R4がフェニルまたはナフチルであり、これらの各々が、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換される、請求項2に記載の方法。
【請求項30】
R4が、窒素を含むヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項31】
R4が、各々が任意に置換されるピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルから成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項32】
R1が任意に置換されるC6−10アリールであり;R2が、HまたはC1−6アルキルであり;R3が、HまたはC1−6アルキルであり;R4が任意に置換されるC6−10アリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項33】
R1が任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が任意に置換されるC6−10アリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項34】
R1が任意に置換されるC6−10アリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項35】
R1が任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項2に記載の方法。
【請求項36】
R1が任意に置換されるC6−10アリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が任意に置換されるC3−10シクロアルキルである、請求項2に記載の方法。
【請求項37】
R1が任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;並びにR4およびL2がともに、−N=N−アリールを形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項38】
R1が任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R4が任意に置換されるC6−10アリール、例えばフェニルおよびナフチルであり;並びにL1およびL2が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項39】
R1が、各々が任意に置換されるC6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニル、またはC1−6アルキルであり;R2がH、C1−6アルキル、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;L1が存在しないか、または1〜6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであり;並びにR3、R4、およびL2が、前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項40】
R1がヘテロアリールであり;R2がHであり;R4がヘテロアリールであり;L1が存在せず;およびL2がN=Nである、請求項2に記載の方法。
【請求項41】
R1がビシクロアルキルであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が存在せず;およびL2が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項42】
R1がアリールであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が、2〜4個の炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり;L2が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項43】
R1がシクロアルケニルであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が、2〜4個の炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり;L2が存在しない、請求項2に記載の方法。
【請求項44】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項2に記載の方法。
【請求項45】
前記細胞がヒト以外の膵細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記ヒト以外の膵細胞が、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギまたはサルの膵細胞である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記細胞がヒトの膵細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記式Iによる化合物が、医薬組成物として投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項49】
前記式Iによる化合物が、獣医学的組成物として投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項50】
前記式Iによる化合物が、重量百分率基準で約1%〜約10%の濃度で投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項51】
前記式Iによる化合物が、約0.01mg〜約10mgの量で投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項52】
前記細胞がインビトロである、請求項1に記載の方法。
【請求項53】
哺乳類のインスリン放出を強化する方法であって、前記インスリン放出の強化を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項54】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化48】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
前記化合物は、インスリン放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記式Iの化合物が
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記対象がヒトである、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記化合物が、約0.01mg〜約100mgの量で投与される、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記化合物が、医薬製品の成分として投与される、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記化合物が、約0.01重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
哺乳類の真性糖尿病を処置する方法であって、前記インスリン放出の強化を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項61】
前記TRPM5阻害物質が式Iの化合物、
【化49】
または生理学的に許容可能なその塩であり:ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらは、任意に置換されるリンカーであるか;または
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合している前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
前記化合物は、インスリンの放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記対象がヒトである、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記化合物が、約0.01mg〜約100mgの量で投与される、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記化合物が、医薬製品の成分として投与される、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記化合物が、約0.01重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
哺乳類のインスリン抵抗症候群を処置する方法であって、
前記方法を必要とする対象に1つまたは複数の式Iの化合物:
【化50】
または生理学的に許容可能なその塩を投与し、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
前記化合物は、インスリンの放出を強化するのに十分な量で投与される方法。
【請求項68】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記対象がヒトである、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記化合物が、約0.01mg〜約100mgの量で投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項71】
前記化合物が、医薬製品の成分として投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
前記化合物が、約0.01重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記化合物が、約1重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項67に記載の方法。
【請求項74】
哺乳類の高血糖症を処置する方法であって、前記インスリン放出の強化を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項75】
前記TRPM5阻害物質が式Iの化合物:
【化51】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または任意に置換される1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含むリンカーであり;
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルを形成し;
前記化合物は、インスリンの放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドより選択される、
請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記対象がヒトである、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記化合物が、約0.01mg〜約195mgの量で投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記化合物が、医薬製品の成分として投与される、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記化合物が、約0.01重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項75に記載の方法。
【請求項81】
前記化合物が、約1重量%〜50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項75に記載の方法。
【請求項82】
哺乳類のGLP−1の放出を強化する方法であって、前記GLP−1の放出の強化を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項83】
前記TRPM5阻害物質が式Iの化合物:
【化52】
または生理学的に許容可能なその塩であり;ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであり;
L2が存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーであるか;または
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項82に記載の方法。
【請求項84】
R1が、任意に置換されるC6−10アリールである請求項83に記載の方法。
【請求項85】
R1が、任意に置換される5〜14員環ヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
R1が、任意に置換されるC3−10シクロアルキルまたは任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
R1が、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルケニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項88】
R1が、任意に置換されるC1−6アルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項89】
R2がHである、請求項83に記載の方法。
【請求項90】
R2がC1−6アルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項91】
R2が、C6−10アリールまたはC6−10アリール(C1−6)アルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項92】
R3がHである、請求項83に記載の方法。
【請求項93】
R3がC1−6アルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項94】
R3がC6−10アリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項95】
R3がシアノである、請求項83に記載の方法。
【請求項96】
R4が、任意に置換されるC1−6アルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項97】
R4が、任意に置換されるC6−10である、請求項83に記載の方法。
【請求項98】
R4が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項99】
R4が、任意に置換されるC3−10シクロアルキルまたは任意に置換されるC3−10シクロアルケニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項100】
R4が、任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルキル、または任意に置換される3〜10員環シクロヘテロアルケニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項101】
L1が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項102】
L1が、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーである、請求項83に記載の方法。
【請求項103】
L2が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項104】
L2が、1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、これらが任意に置換されるリンカーである、請求項83に記載の方法。
【請求項105】
R1が未置換フェニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項106】
R1が、フェニルまたはナフチルで、これらの各々が、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換される、
請求項83に記載の方法。
【請求項107】
R1が、窒素を含むヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項108】
R1が、各々が任意に置換されるピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルから成る群より選択される、請求項83に記載の方法。
【請求項109】
R4が未置換フェニルである、請求項83に記載の方法。
【請求項110】
R4が、フェニルまたはナフチルであり、これらの各々が、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、チオール、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C1−6ハロアルキル、C1−6アルコキシ、C3−6アルケニルオキシ、C1−6アルキレンジオキシ、C1−6アルコキシ(C1−6)アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6ヒドロキシアルキル、C2−6ヒドロキシアルコキシ、モノ(C1−4)アルキルアミノ、ジ(C1−4)アルキルアミノ、C2−6アルキルカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニルアミノ、C2−6アルコキシカルボニル、カルボキシ、(C1−6)アルコキシ(C2−6)アルコキシ、C2−6カルボキシアルコキシ、およびC2−6カルボキシアルキルから成る群より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換される、
請求項83に記載の方法。
【請求項111】
R4が、窒素を含むヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項112】
R4が、各々が任意に置換されるピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、インドリル、アザインドリル、キノリニル、ピロリル、ベンズイミダゾリル、およびベンゾチアゾリルから成る群より選択される、請求項83に記載の方法。
【請求項113】
R1が、任意に置換されるC6−10アリールであり;R2が、HまたはC1−6アルキルであり;R3が、HまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換されるC6−10アリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項114】
R1が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2が、HまたはC1−6アルキルであり;R3が、HまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換されるC6−10アリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項115】
R1が、任意に置換されるC6−10アリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項116】
R1が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールである、請求項83に記載の方法。
【請求項117】
R1が、任意に置換されるC6−10アリールであり;R2が、HまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4が、任意に置換されるC3−10シクロアルキルである、請求項83に記載の方法。
【請求項118】
R1が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R2がHまたはC1−6アルキルであり;R3がHまたはC1−6アルキルであり;R4およびL2がともに、−N=N−アリールを形成する、請求項83に記載の方法。
【請求項119】
R1が、任意に置換される5〜10員環ヘテロアリールであり;R4が、任意に置換されるC6−10アリール、例えばフェニルおよびナフチルであり;L1およびL2が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項120】
R1が、各々が任意に置換されるC6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニル、またはC1−6アルキルであり;R2がH、C1−6アルキル、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;L1が存在しないか、または1〜6個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;R3、R4、およびL2が、前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−10アリール、5〜10員環ヘテロアリール、C3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルケニル、3〜10員環シクロヘテロアルキル、3〜10員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成する、
請求項83に記載の方法。
【請求項121】
R1が、ヘテロアリールであり;R2がHであり;R4がヘテロアリールであり;L1が存在せず;およびL2がN=Nである、請求項83に記載の方法。
【請求項122】
R1が、ビシクロアルキルであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が存在せず;およびL2が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項123】
R1がアリールであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が、2〜4個の炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり;L2が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項124】
R1がシクロアルケニルであり;R2がHであり;R3がHであり;R4がアリールまたはヘテロアリールであり;L1が、2〜4個の炭素原子またはヘテロ原子を含む、任意に置換されるリンカーであり;L2が存在しない、請求項83に記載の方法。
【請求項125】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項83に記載の方法。
【請求項126】
前記対象がヒトである、請求項82に記載の方法。
【請求項127】
前記化合物が、約0.01mg〜約100mgの量で投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項128】
前記化合物が、医薬製品の成分として投与される、請求項83に記載の方法。
【請求項129】
前記化合物が、約0.01重量%〜約50重量%の量で前記医薬品中に存在する、請求項83に記載の方法。
【請求項130】
細胞からのGLP−1の放出を強化する方法であって、前記細胞を有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質と接触させることを含む方法。
【請求項131】
前記TRPM5阻害物質が式Iの化合物:
【化53】
または生理学的に許容可能なその塩であり;ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびL3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記細胞が、腸内のヒト以外の腸内分泌細胞である、請求項130に記載の方法。
【請求項134】
前記ヒト以外の腸内分泌細胞が、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、ウサギまたはサルの腸内分泌細胞である、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記細胞が、ヒトの腸内分泌細胞である、請求項130に記載の方法。
【請求項136】
前記式Iによる化合物が、医薬または獣医学的組成物として投与される、請求項131に記載の方法。
【請求項137】
前記式Iによる化合物が、重量百分率基準で約1%〜約10%の濃度で投与される、請求項131に記載の方法。
【請求項138】
前記式Iによる化合物が、約0.01mg〜約10mgの量で投与される、請求項131に記載の方法。
【請求項139】
前記細胞がインビトロである、請求項130に記載の方法。
【請求項140】
哺乳類の胃液分泌および胃内容排出を減少させる方法であって、前記胃機能の低下を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項141】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化54】
または生理学的に許容可能なその塩であり;ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドからなる群より選択される、
請求項141に記載の方法。
【請求項143】
哺乳類の食物摂取を抑制する方法であって、前記食物摂取の抑制を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項144】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化55】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、シアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物が、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドからなる群より選択される、
請求項144に記載の方法。
【請求項146】
哺乳類のグルカゴン分泌を減少させる方法であって、前記グルカゴン分泌の減少を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項147】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化56】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか、あるいは、
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および、
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項147に記載の方法。
【請求項149】
哺乳類のインスリン感受性を強化する方法であって、前記インスリン感受性の強化を必要とする対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項150】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化57】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリールまたはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物が、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項149に記載の方法。
【請求項151】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項150に記載の方法。
【請求項152】
ある対象においてインスリン遺伝子発現を増加する方法であって、前記インスリン遺伝子発現の増加を必要とする前記対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項153】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化58】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであるか;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項153に記載の方法。
【請求項155】
ある対象において肥満症を処置または防止する方法であって、前記肥満症の処置を必要とする前記対象に、有効量の1つまたは複数のTRPM5阻害物質を投与することを含む方法。
【請求項156】
前記TRPM5阻害物質が式Iによる化合物:
【化59】
または生理学的に許容可能なその塩であり、ここで
R1は、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニル、およびC1−6アルキルであり;
R2は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはC6−10アリール(C1−6)アルキルであり;
R3は、H、C1−6アルキル、C6−10アリール、またはシアノであり;
R4は、各々が任意に置換されるC1−6アルキル、C6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、または3〜14員環シクロヘテロアルケニルであるか、またはシアノであり;
L1は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;
L2は、存在しないか、または1〜10個の炭素原子および/またはヘテロ原子を含み、任意に置換されるリンカーであり;あるいは
R3、R4、およびL2は、L2およびR3が結合する前記炭素原子とともに、各々が任意に置換されるC6−14アリール、5〜14員環ヘテロアリール、C3−14シクロアルキル、C3−14シクロアルケニル、3〜14員環シクロヘテロアルキル、3〜14員環シクロヘテロアルケニルより選択される基を形成し;
ここで、前記化合物は、GLP−1の放出を強化するのに十分な量で投与される、
請求項155に記載の方法。
【請求項157】
前記式Iの化合物が、
メチル4−((E)−((Z)−1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)ヒドラゾノ)−2−メチル−プロピル)ジアゼニル)安息香酸塩;
(E)−2−(4−ブロモ−2−((2−(キノリン−8−イル)ヒドラゾノ)メチル)フェノキシ)酢酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(ナフタレン−1−イル)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−フェニルシクロプロパン−カルボヒドラジド;
(E)−3−シクロヘキセニル−4−ヒドロキシ−N’−(4−メトキシベンジリデン)−ブタンヒドラジド;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−4−ヒドロキシヘキサンヒドラジド;
2−((Z)−2−(フェニル−((E)−フェニルジアゼニル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−N’−(3,4−ジメトキシベンジリデン)−2−(m−トリルオキシ)アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−(アリルオキシ)−3−メトキシベンジリデン)−2−(3−ブロモベンジルチオ)−アセトヒドラジド;
(E)−N’−(4−イソプロピルベンジリデン)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−カルボヒドラジド;
(Z)−1,3,3−トリメチル−2−((E)−2−(2−(4−ニトロフェニル)ヒドラゾノ)−エチリデン)インドリン;
(E)−N’−(4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンジリデン)−2−フェニルシクロ−プロパンカルボヒドラジド;
(4−(トリフルオロメチルチオ)フェニル)カルボノヒドラゾノイルジシアニド;
N−((E)−3−((Z)−2−(1,5−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イリデン)ヒドラジニル)−3−オキソ−1−フェニルプロップ−1−エン−2−イル)ベンズアミド;
(Z)−2−(2−((1−ブチル−1H−インドール−3−イル)メチレン)ヒドラジニル)安息香酸;
(E)−4−((2−ベンジル−2−フェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジン;
(Z)−N’−((1H−ピロール−2−イル)メチレン)トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−3−カルボヒドラジド;
(Z)−1−(2−(4−(エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)ヒドラゾノ)−ナフタレン−2−(1H)−オン;
(E)−4−((2−(5−クロロ−3−(トリフルオロメチル)ピリジニ−2−イル)−2−2−メチル−ヒドラゾノ)メチル)ベンゼン−1,3−ジオール;
(E)−2−(3,4−ジメチルフェニルアミノ)−N’−(4−モルホリノ−3−ニトロ−ベンジリデン)アセトヒドラジド;
(Z)−3−(2−ニトロ−5−(ピロリジン−1−イル)フェニル)ヒドラゾノ)キヌクリジン;
(E)−2−((2−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)ヒドラゾノ)メチル)−5−(ジエチルアミノ)フェノール;
3−カルバゾール−9−イルプロピオン酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジド;および
(4,8−ジメチルキノリン−2−イルスルファニル)酢酸(3,4−ジメトキシベンジリデン)ヒドラジドから成る群より選択される、
請求項156に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2010−518008(P2010−518008A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548330(P2009−548330)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/001445
【国際公開番号】WO2008/097504
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(507414557)レッドポイント バイオ コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/001445
【国際公開番号】WO2008/097504
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(507414557)レッドポイント バイオ コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]