説明

ウェット処理方法及びウェット処理システム

【課題】半導体装置のウェット処理において、エッチングを制御しながら薬液使用量を削減する。
【解決手段】薬液を用いて複数の基板を順次処理するウェット処理方法は、次の各工程を備える。つまり、第1の基板をウェット処理する際の設備パラメータの値を収集する工程(a)と、設備パラメータに基づいて、工程(a)における基板の被処理層のエッチングレートを算出する工程(b)と、エッチングレートと、被処理層に対して予定したエッチング量とに基づいて、処理時間を算出する工程(c)と、工程(a)の後に、第1の基板とは異なる他の基板について、処理時間のウェット処理を行なう工程(d)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板のウェット処理方法及びウェット処理システムに関し、特に、薬液を用いたウェット処理設備における基板の洗浄方法又はエッチング方法と、その処理システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置又は半導体装置が形成される半導体基板(以下、代表して半導体基板とだけ記す場合がある)のウェット処理(洗浄、エッチング等)は、微細加工、薄膜形成等に用いられ、半導体分野でULSI(Ultra Large Scale Integration )を製造する上で必要不可欠な技術となっている。
【0003】
ここで、半導体装置の更なる微細化に伴って、原材料の多様化(低誘電率材料、Cu等)が進み、ウェット処理に用いる薬液についても多様化している。また、半導体基板の大口径化に伴って処理装置も大型化していることから、薬液の使用量が増加し、これに起因して生産コストが増加している。
【0004】
また、半導体装置の微細化が進むことにより、半導体基板上の微細なパターンの形成には、プラズマを用いたドライエッチング方法が多く用いられる。このようなドライエッチング処理には、電磁波によって反応性ガスをプラズマ化し、生じたイオンと中性ラジカルとを用いたイオンアシスト反応が用いられる。
【0005】
このようなドライエッチング処理時には、半導体基板上のパターンや側壁部に、メタル、有機物、Siポリマー等の様々な副生成物が付着する。そこで、通常、ドライエッチング処理の後には、ウェット処理装置を用いて半導体基板の洗浄やエッチングを行なうことにより、これら有機ポリマーの除去を行なっている。
【0006】
しかしながら、洗浄工程に関し、従来通りポリマー等の除去能力を制御することに加えて、ウェット処理時における半導体基板やその上に形成された被エッチング膜に対するエッチング量等についても精度良く制御する必要が生じて来ている。
【0007】
例えば、特許文献1には、従来の半導体製造装置の一例として、図8に概略構成を図示するバッチ式の半導体基板の洗浄装置1が記載されている。これは、アンモニアと過酸化水素との混合水溶液(以下、APMと略す)を用い、パーティクル除去を目的とした半導体基板の洗浄に使用される洗浄装置である。尚、洗浄装置1は、洗浄槽2、オーバーフロー槽3、アンモニア秤量槽4、過酸化水素秤量槽5、純水秤量槽6、薬液補充ポンプ7、濃度モニタ8、循環用ポンプ9、フィルタ10、洗浄環境モニタ11、洗浄条件管理部12、濃度制御部13、シリコンウェハ14、液面測定器15、キャリアセンサ16及び蓋17を備える。
【0008】
図8の洗浄装置を用いると、半導体基板をAPM中に浸漬することにより、半導体基板上に付着したパーティクルが除去されると同時に下地のウェーハもエッチングされる。このことから、パーティクル除去能力だけではなく、エッチング速度等の洗浄性能についても精度よく制御する必要がある。
【0009】
しかし、一般的にAPMは60℃以上に加熱して使用されるため、その濃度は、蒸発、分解等によって減少する方向で経時的に変化する。これは、薬液の洗浄性能が低下し、半導体装置製造の歩留まりが低下する原因となる。そこで、特許文献1等では、薬液の濃度が特定の範囲になるように、薬液の交換又は薬液の補充を行っている。
【0010】
半導体基板の洗浄に使用されるAPMについて、アンモニア濃度及び過酸化水素濃度をより高精度に一定に保つため、各薬液濃度を連続的にモニタリングし、且つ、半導体基板の洗浄時における洗浄装置の稼動状態をモニタリングする。その測定結果に基づいて薬液濃度の経時変化を正確に予測し、薬液の補充量を計算・調整して薬液濃度を一定に保持し、また、薬液濃度の予測に使用する補正係数を自動的に最適化する。このようにして、洗浄能力を保持すると共に、薬液の使用量を削減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−150447号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記の技術の場合、薬液の劣化によって低下する洗浄能力を保持する(半導体基板の洗浄時におけるエッチングレートを制御する)ことを目的に、洗浄薬液の濃度が一定の範囲となるように薬液の交換及び補充を行なっている。この結果、以下に説明するように、薬液の使用量削減には限界がある。
【0013】
まず、半導体基板の表面の異物が洗浄液と反応して溶解することにより、これら反応生成物の薬液中における濃度が次第に高くなる。このことから、薬液成分の濃度(ここではアンモニア濃度及び過酸化水素濃度)を維持する目的で薬液を補充することに加えて、定期的に薬液を交換する(つまり、反応生成物の濃度が高くなった薬液を廃棄して、新しい薬液を洗浄槽に入れる)ことも必要になっている。しかしながら、薬液成分の濃度を一定に保つための薬液補充は、薬液交換の直前まで行なわれている。この結果、薬液補充は余分に行なわれることになり、薬液使用量が増加する。
【0014】
また、以上に説明した半導体基板の洗浄において、濃度管理を行うためには、センサーや各薬液の補充機構が必要となる。そのため、設備の機構が複雑となる。
【0015】
更に、これら濃度管理の精度を保つためには、薬液の濃度を測定する濃度センサーの交換等、保守費用も必要となり、半導体装置の製造におけるトータルのコストが高くなる。
【0016】
上記に鑑み、本発明は、基板に対するエッチング量を安定して制御しながら、薬液の使用量を削減できる基板のウェット処理方法及びウェット処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記の目的を達成するため、本願発明者は種々の検討を行ない、次の点に想到した。
【0018】
つまり、前記の技術では、半導体基板のウェット処理に際し、薬液成分の濃度を保持するための制御を行なっている。しかしながら、半導体基板のウェット処理を行なう際に重要なのは、パーティクル除去の能力を保持すること、及び、導体基板等の表面のパターン又は被エッチング膜に対するエッチング量を一定に保持することである。これらの点を保持できるのであれば、エッチング速度等が変化すること、薬液の濃度が変化することについて、それら自体は特に問題にはならない。
【0019】
そこで、本願発明者は、薬液の濃度等の制御を行なうことが処理設備及び処理工程が複雑になり、薬液使用量を増大させる原因であるから、これを避けることを着想した。
【0020】
このような本願発明者による新たな着想に基づき、本発明のウェット処理方法は、薬液を用いて複数の基板を順次処理するウェット処理方法において、第1の基板をウェット処理する際の設備パラメータの値を収集する工程(a)と、設備パラメータの値に基づいて、工程(a)における基板の被処理層のエッチングレートを算出する工程(b)と、エッチングレートと、被処理層に対して予定したエッチング量とに基づいて、処理時間を算出する工程(c)と、工程(a)の後に、第1の基板とは異なる第2の基板について、前記処理時間のウェット処理を行なう工程(d)とを備える。
【0021】
このようなウェット処理方法によると、各基板について処理時間を調整することにより、薬液の濃度等を制御する必要無しに、基板の被処理層に対するエッチング量を一定に制御してウェット処理を行なうことができる。薬液は濃度等について系時変化・劣化し、制御を行なわないことから濃度等の変動は(制御を行なう場合よりも)大きくなる。しかしながら、処理時間を調整することにより、薬液の変動による影響を避けて、洗浄能力、基板の表面に付着した異物の除去能力、エッチング量等を制御することができ、ウェット処理を高精度に制御することができる。
【0022】
また、薬液の濃度等の制御が不要であるため、薬液交換サイクルを長くして、薬液使用量を削減することができる。更に、薬液内の各成分の組成、濃度等が不明瞭な薬液を使用する場合にも、濃度等に依存しない制御方法であることから、エッチング量を制御することが可能である。
【0023】
また、薬液の各成分について濃度を測定すること及び個別に補充することが不要であるため、ウェット処理の設備及び工程について簡略化することができる。
【0024】
尚、薬液の補充及び交換を行なうことなく所定数の基板を処理することが好ましい。
【0025】
前記の通り、本発明のウェット処理方法によると、薬液の濃度等について制御することを要しない。このため、薬液の補充、交換を行なうことなく所定数の基板についてウェット処理を行なうことができ、処理の簡略化及び薬液使用量の削減が可能である。所定数については、例えば、ウェット処理の均一性が許容範囲に収まる処理数として予め定めておくことができる。
【0026】
また、薬液の濃度測定を行なうことなく複数の基板を順次処理することが好ましい。
【0027】
薬液の濃度の制御が不要であるから、濃度測定を行なうことも必須ではない。そこで、これを行なわないことにより、ウェット処理の設備及び工程を簡略化することができる。また、濃度測定が困難であるような複雑な薬液についても、問題なく使用することができる。
【0028】
また、工程(b)において、予め用意したエッチングレート算出用のモデル式に設備パラメータの値を代入してエッチングレートを算出することが好ましい。
【0029】
このように、設備パラメータとエッチングレートとの関係を表すモデル式を予め求めておくことにより、それを利用して、設備パラメータの値からエッチングレートを算出することができる。
【0030】
また、設備パラメータは、前記ウェット処理装置の稼働状態に依存する第1のパラメータと、ウェット処理の操作条件に依存する第2のパラメータとからなる群より少なくとも一つ選択されることが好ましい。
【0031】
また、第1のパラメータは、ウェット処理時における薬液の供給量、薬液の循環量及び薬液の温度からなる群より少なくとも一つ選択されることが好ましい。
【0032】
また、第2のパラメータは、ウェット処理の処理回数、処理枚数、処理時間及び薬液の使用経過時間からなる群より少なくとも一つ選択されることが好ましい。
【0033】
エッチングレートを算出するための設備パラメータとして、これらを用いても良い。
【0034】
また、薬液は、洗浄用薬液又はエッチング用薬液であることが好ましい。
【0035】
このように、ウェット処理としては、洗浄処理又はエッチング処理であっても良い。
【0036】
また、複数の基板を一つずつ処理するウェット処理方法であり、第1の基板がn番目の基板であるとき、第2の基板はn+1番目の基板であることが好ましい。
【0037】
また、2つ以上の基板を一つのロットとして、複数の基板をロット毎に処理するウェット処理方法であり、第1の基板がn番目のロットに含まれるとき、第2の基板はn+1番目のロットに含まれることが好ましい。
【0038】
上記のようにすると、基板を一つずつ処理する場合と、複数の基板を一つのロットとして、ロット毎に同時に処理する場合との、どちらにも本発明の処理方法を適用することが出来る。また、n番目の処理の設備パラメータを用いて、直後であるn+1番目の処理の処理時間を求めることから、より高精度の処理が可能となる。
【0039】
また、被処理層は、半導体基板又は半導体基板上に形成された材料膜であることが好ましい。
【0040】
このように、基板のウェット処理としては、半導体装置の製造工程における半導体基板のウェット処理であっても良いし、半導体基板上に形成された材料膜のウェット処理であっても良い。
【0041】
次に、前記の目的を達成するため、本発明の基板のウェット処理システムは、薬液を用いて複数の基板を順次処理するウェット処理方法において、
第1の基板をウェット処理する際の設備パラメータの値を収集する工程(a)と、設備パラメータの値に基づいて、工程(a)における基板の被処理層のエッチングレートを算出する工程(b)と、エッチングレートと、被処理層に対して予定したエッチング量とに基づいて、処理時間を算出する工程(c)と、工程(a)の後に、第1の基板とは異なる第2の基板について、処理時間のウェット処理を行なう工程(d)とを備える。
【0042】
このような基板のウェット処理システムによると、先に説明した本発明の基板の処理方法を実施することができる。つまり、薬液の濃度等の制御が不要となり、ウェット処理の設備及び工程について簡略化すると共に薬液使用量を削減することができる基板のウェット処理システムを実現することができる。更に、薬液内の各成分の組成、濃度等が不明瞭な薬液を使用する場合にも、エッチング量を制御することが可能である。
【0043】
尚、薬液の補充及び交換を行なうことなく所定数の基板を処理することが好ましい。
【0044】
また、薬液の濃度測定を行なうことなく複数の基板を順次処理することが好ましい。
【0045】
これらのことにより、薬液使用量の削減と、設備及び工程の簡略化を実現できる。
【0046】
また、演算手段は、予め用意したエッチングレート算出用のモデル式に設備パラメータの値を代入してエッチングレートを算出することが好ましい。
【0047】
エッチングレートを算出するために、このようにしても良い。
【0048】
また、設備パラメータは、ウェット処理設備の稼働状態に依存する第1のパラメータと、ウェット処理の操作条件に依存する第2のパラメータとからなる群より少なくとも一つ選択されることが好ましい。
【0049】
また、第1のパラメータは、ウェット処理時における薬液の供給量、薬液の循環量及び薬液の温度からなる群より選択されることが好ましい。
【0050】
また、第2のパラメータは、ウェット処理の処理回数、処理枚数、処理時間及び薬液の使用経過時間からなる群より少なくとも一つ選択されることが好ましい。
【0051】
エッチングレートの算出に用いる設備パラメータとして、これらを用いることができる。
【0052】
また、ウェット処理設備は洗浄設備であり且つ薬液は洗浄用薬液であるか、又は、ウェット処理設備はエッチング設備であり且つ薬液はエッチング用薬液であることが好ましい。
【0053】
このように、ウェット処理としては、洗浄処理又はエッチング処理であっても良い。
【0054】
また、複数の基板を一つずつ処理するウェット処理システムであり、第1の基板がn番目の基板であるとき、第2の基板はn+1番目の基板であることが好ましい。
【0055】
また、2つ以上の基板を一つのロットとして、複数の基板をロット毎に処理するウェット処理システムであり、第1の基板がn番目のロットに含まれるとき、第2の基板はn+1番目のロットに含まれることが好ましい。
【0056】
上記のようにすると、基板を一つずつ処理する場合と、複数の基板を一つのロットとして、ロット毎に同時に処理する場合との、どちらにも本発明の処理方法を適用することが出来る。また、n番目の処理の設備パラメータを用いて、直後であるn+1番目の処理の処理時間を求めることから、より高精度の処理が可能となる。
【0057】
また、被処理層は、半導体基板又は半導体基板上に形成された材料膜であることが好ましい。
【0058】
このように、ウェット処理としては、半導体装置の製造工程における半導体基板のウェット処理であっても良いし、半導体基板上に形成された材料膜のウェット処理であっても良い。
【発明の効果】
【0059】
本発明の基板のウェット処理方法及びウェット処理システムによると、処理時間を制御することにより薬液の濃度等の制御が不要となる。このため、ウェット処理の設備及び工程を簡略化すると共に、薬液使用量を削減することができる。更に、薬液内の各成分の組成、濃度等が不明瞭な薬液を使用する場合にも、エッチング量を制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、本発明の一実施形態における例示的半導体基板の洗浄装置を示す概略構成図である。
【図2】図2(a)〜(d)は、TEOS(テトラエトキシシラン)膜について、エッチング量と、液交換からの処理枚数、液交換からの薬液の使用経過時間、薬液の温度又は薬液の流量の平均値との関係を示す図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、順に、半導体基板洗浄後における半導体基板表面上のパーティクル数と薬液交換からの処理枚数との関係、及び、TEOS膜エッチング量均一性と薬液の使用経過時間との関係を示す図である。
【図4】図4は、洗浄処理時間とTEOS膜のエッチング量均一性との相関を示す図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態における制御のフローを示す概略構成図である。
【図6】図6は、TEOS膜のエッチング量について、実測値と予測値との関係を示す図である。
【図7】図7(a)及び(b)は、本発明の一実施形態において、半導体基板の洗浄時間を補正することにより、TEOSエッチング量と液交換からの処理枚数との関係を改善できることを説明する図である。
【図8】図8は、背景技術の半導体基板の洗浄処理装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。具体例として、半導体装置又は半導体基板(以下では、代表して半導体基板とだけ記す場合がある)の枚葉式洗浄装置を説明する。
【0062】
図1は、半導体基板の洗浄に用いられる本実施形態の例示的洗浄装置及び例示的洗浄システムを概略構成として示す図である。図1に示す通り、洗浄装置114は、薬液を貯蔵する薬液タンク108と、半導体基板104を保持する保持チャック103及び半導体基板104を回転させるステージ102と、半導体基板104上に薬液を吐出するための薬液吐出アーム106と、洗浄装置114を制御するための洗浄装置制御部115を備える。また、洗浄装置114に加えてモニタリング装置116、演算部117及び生産管理システム118を含む洗浄処理システムが構成されている。
【0063】
本実施形態の場合、薬液としては、NH4 F、有機酸、有機塩、アミド、純水等の混合液を一例として用いている。これは、半導体基板のCu配線形成工程において、配線溝又はコンタクトホールの形成時に発生する有機ポリマーを洗浄するための洗浄溶液である。しかし、薬液はこれには限られず、例えば、アンモニアと過酸化水素水との混合液、フッ化水素、硝酸、硫酸と過酸化水素との混合液等、様々な種類の薬液を用いることができる。
【0064】
薬液タンク108内の薬液は、薬液圧送ポンプ109により薬液温度調整器110に送られ、温度調整される。本実施形態では、20℃〜25℃に調整している。薬液温度調整器110の後、薬液はフィルター111を通る。ここで、半導体基板104の洗浄処理を行なっていない時には、第2バルブ113を閉じ且つ第1バルブ112を開くことにより、薬液を薬液タンク108に戻す。これにより、薬液タンク108内及び配管内の薬液について、温度を維持すると共に、フィルター濾過により清浄性を保っている。
【0065】
半導体基板104の処理を行なう際には、第2バルブ113を開くと共に第1バルブ112を閉じ、薬液を薬液吐出アーム106に送る。薬液吐出アーム106はアーム回転モータ107を備え、これによって半導体基板104上を水平に移動することができるようになっている。
【0066】
半導体基板104は保持チャック103によりステージ102上に固定され、ステージ回転モータ101によってステージ102が回転することにより、半導体基板104も回転する。これにより、半導体基板104を回転させながら薬液吐出アーム106から薬液を吐出して供給することにより、半導体基板104を洗浄する。ここで、半導体基板104自体を洗浄するのであっても良いし、半導体基板104上に形成された材料膜(図示省略)を洗浄するのであっても良い。また、半導体基板104としては、例えばシリコンウェハを挙げることができる。
【0067】
薬液吐出アーム106から吐出され、半導体基板104の洗浄に用いられた薬液は、ステージ102の周囲に設けられたカップ105を経由して薬液タンク108に戻り、循環される。
【0068】
被処理層(半導体基板104又はその上に形成された材料膜)のエッチングレートに影響する要素としては、洗浄装置114に起因するものと、半導体基板104の洗浄操作条件に起因するものとがあると考えられる。
【0069】
そこで、洗浄装置114の稼働状態に依存するパラメータとして、半導体基板104への薬液供給量又は薬液供給ラインにおける循環量と、薬液の温度とを考える。また、半導体基板104の洗浄操作に依存するパラメータとしては、新しい薬液を洗浄装置114に供給してからの半導体基板104の洗浄処理回数、洗浄処理枚数(枚葉式の処理であれば、洗浄処理回数と同じ値)、洗浄処理時間、薬液の使用経過時間等を考える。これらのデータについては、洗浄装置114に備えられたモニタリング装置116によって収集する。
【0070】
モニタリング装置116によって収集されたデータ(パラメータの値)は、演算部117に送られる。該データと予め設定した算出式に基づいて、演算部117は、半導体基板104における被処理層の予測されるエッチングレートを算出する。更に、算出されたエッチングレートの予測値と、予め設定した被処理層のエッチング量(エッチングするべき量として設定した値)とに基づいて、次に処理する半導体基板104の処理時間を算出する。
【0071】
生産管理システム118は、次に処理する半導体基板104の処理時間を演算部117に問い合わせる。演算部117は、算出した処理時間を生産管理システム118に応答する。生産管理システム118は、受け取った洗浄時間と、次の半導体基板104の処理条件とを洗浄装置制御部115に指示する。これに基づいて、洗浄装置114において次の半導体基板104の洗浄処理が行なわれる。
【0072】
以上のようにして、洗浄装置114において、洗浄装置114の稼働状態及び半導体基板104の洗浄操作に依存して変化するエッチングレートを考慮し、半導体基板104の洗浄時間を制御しながら洗浄処理が行なわれる。
【0073】
本願発明者は、半導体基板104の洗浄装置114における各種のパラメータの変動に着目し、エッチングレートを予測することができるという知見を得ている。これを以下に説明する。
【0074】
図2(a)〜(d)に、TEOS(テトラエトキシシラン)膜の洗浄処理時において、エッチング量と、液交換からの処理枚数、液交換からの薬液の使用経過時間、薬液の温度及び半導体基板への薬液の吐出量(薬液の流量)との関係を示す。ここで、TEOS膜は、半導体装置の層間絶縁膜として用いられる膜である。また、薬液としては、前記の通り、NH4 F、有機酸、有機塩、アミド、純水等の混合液を用いている。薬液の流量は、循環ラインにおける流量と同じ値である。
【0075】
ここで、半導体基板の洗浄時間は1分としている。このため、図1(a)〜(d)には、1分あたりのTEOS膜のエッチングレートについて表されていると考えて良い。図2(a)〜(d)から、前記のパラメータと、1分あたりのエッチング量であるエッチングレートとについて、相関関係があることが分かる。これは、薬液の成分の変化に従って、エッチング量が増加することによると考えられる。より具体的には、NH4 F、有機酸、有機塩、アミド、純水等の混合液について、半導体基板の洗浄処理に循環して使用されるに従って成分のうちの水が揮発し、H4 FのF濃度が上昇するので、エッチング量が増加すると考えられる。また、薬液の温度が変化すると、NH4 Fや有機酸とTEOS膜との反応が促進されると考えられる。図2(c)では相関関数は低いが、薬液の温度を更に上昇させた場合には、前記反応が促進すると考えられる。
【0076】
次に、図3(a)は、洗浄処理後の半導体基板104表面上におけるパーティクル数と、液交換からの処理枚数との関係を示す。図3(a)に示される通り、液交換からの処理枚数が増えても、洗浄処理後の半導体基板104表面上に残留するパーティクル数に変化は無い。これは、循環ライン中にフィルター111を備え、パーティクルを除去しているためと考えられる。
【0077】
以上から、半導体基板104のCu配線形成工程のうち、配線溝又はコンタクトホールの形成時に発生する有機ポリマーの洗浄において、エッチングレートの変動は、前記の4つのパラメータによって説明できることが分かる。つまり、液交換からの処理枚数、液交換からの薬液の使用経過時間、薬液の温度及び半導体基板への薬液の吐出量(薬液の流量)によって説明できる。
【0078】
また、図3(b)は、TEOS膜のエッチング量均一性と薬液の使用経過時間との関係を示す。ここで、エッチング量均一性とは、半導体基板104面内におけるエッチング量の最大値と最小値との差を、エッチング量の平均値の2倍で割った値である。この値が小さいほど、半導体基板104面内においてエッチングが均一に行なわれたことを意味する。
【0079】
図3(b)に示す通り、液交換からの薬液の使用経過時間が増加しても、TEOS膜のエッチング量均一性に劣化は見られない。つまり、TEOS膜のエッチング量均一性は、薬液の劣化に影響されないことが分かる。このことから、本実施形態のウェット処理方法によると、薬液交換サイクルを延長可能であることが分かる。
【0080】
次に、図4に、一枚の半導体基板104の洗浄処理時間と、TEOS膜のエッチング量均一性との関係を示す。本実施形態の有機ポリマー洗浄液を用いた洗浄処理の場合、処理時間が短くなると、均一性が悪くなる傾向にある。
【0081】
これは、次のような理由によるものと考える。つまり、枚葉式のスピン回転による処理装置の場合、回転させた半導体基板104上に薬液を吐出すると、薬液は半導体基板104上を内側から外側に均一に向かって遠心力により移動する。この結果、基板表面における内側と外側とでは、薬液とTEOS膜との反応時間に差が生じる。この反応時間の差が反応時間に対して占める割合は、反応時間が短くなるほど大きくなる。よって、反応時間が短くなると、半導体基板104の内側と外側とでエッチング量の差が大きくなる。
【0082】
そこで、本実施形態において、エッチング量均一性の許容上限値を50%とした。この場合、図4にも示す通り、最短の洗浄時間を70秒とした。70秒よりも洗浄時間が短くなると、エッチング量均一性が50%を越えてしまい、許容できない。但し、許容上限値を50%とするのは単に一例であり、他の値に設定しても良い。
【0083】
以上の内容に基づき、洗浄装置114を用いた洗浄処理における洗浄時間の算出方法について、図5を参照して説明する。前記の通り、洗浄装置114は半導体基板104を一枚ずつ処理する枚葉式の洗浄装置である。
【0084】
まず、n枚目の半導体基板104を処理する際の設備パラメータを収集する(ステップS1)。これには、モニタリング装置116を用いる(図1を参照)。
【0085】
次に、収集した設備パラメータを元に、n枚目の半導体基板104の洗浄処理におけるエッチングレートVMrate(n) を算出する(ステップS2)。これは、予め開発したエッチングレート予測用のモデル式に、設備パラメータを代入することによって行なう。
【0086】
ここで、設備パラメータとしては、洗浄薬液の供給量又は薬液供給ラインにおける薬液の循環量V(n)、薬液の温度T(n)、液交換からの洗浄処理枚数A(n)、液交換からの薬液の使用経過時間T1(n)、洗浄処理時間T2(n)を考える。これらのパラメータを含む重回帰式を用い、TEOS膜のエッチング量VMrate(n)を、次の式(1)により表すことができる。
【0087】
VMrate(n)={a+b×V(n)+c×T1(n)+d×A(n)+e×T(n)}/T2(n) …… (1)
尚、各定数a、b、c、d及びeについては、TEOS膜のエッチング量に関する実績値を用いて重回帰式により算出しておく。尚、式(1)及び設備パラメータについては一例として挙げるものであって、好ましいものではあるが、上記の記載内容には限らない。
【0088】
次に、n+1枚目の洗浄処理におけるエッチングレートVMrate(n+1)を予測する(ステップS3)。ここでは、n枚目の基板洗浄について予測したエッチングレートVMrate(n)と、その次に処理するn+1枚目の基板洗浄の際のエッチングレートVMrate(n+1)とが等しいと仮定し、VMrate(n)の値をVMrate(n+1)の予測値として代入する。
【0089】
尚、単にVMrate(n)とVMrate(n+1)とが等しいと仮定するには限らず、VMrate(n)に基づいてVMrate(n)を算出する計算式を作成し、それを使用しても良い。本実施形態の例の場合、エッチングレートの変化は十分に小さいため、単に等しいと仮定することができる。
【0090】
次に、n+1枚目の半導体基板104の洗浄処理について、洗浄時間T2(n+1)を算出する(ステップS4)。具体的には、n+1枚目の洗浄処理について予測したエッチングレートVMrate(n+1)と、予め設定しているエッチング量Tt(エッチングするべき量として設定している量)とに基づいて、次の式(2)によって計算する。
【0091】
T2(n+1)=Tt/VMrate(n) ……(2)
次に、n+1枚目の半導体基板104について、処理時間T2(n+1)の洗浄処理を行なう(ステップS5)。
【0092】
その後、更に次の半導体基板104、つまり、n+2枚目の半導体基板104の処理に移る。n+2枚目の半導体基板104の処理は、n+1枚目の半導体基板104を処理する際の設備パラメータに基づいて算出した処理時間の処理とする。つまり、n+1をnと考えて、ステップS1から順に繰り返せばよい。
【0093】
以上のような洗浄処理方法によると、TEOS膜(半導体基板104における被処理層)のエッチングレートが変動するとしても、洗浄時間を調整することにより、エッチング量Ttを制御することができる。このようにして、常に同様に半導体基板104の洗浄処理を行なうことができる。
【0094】
図6には、本実施形態の洗浄処理において処理時間を1分に固定した場合に、TEOS膜のエッチング量について、実測値と予測値(計算値)との関係を示す。実測値と予測値とには相関係数0.8の強い相関があり、エッチングレートVMrate(n)が予測可能であることが分かる。
【0095】
更に、図7(a)及び(b)には、処理時間を補正しない場合と補正する場合とについて、TEOS膜のエッチング量と液交換からの処理枚数との関係を示す。図7(a)は処理時間を300秒に固定した場合であり、液交換からの処理枚数が多くなるに従ってTEOS膜のエッチング量が増加していく。これに対し、図7(b)には、本実施形態の方法によって処理時間を補正した場合である。図7(b)から、液交換からの処理枚数が多くなるに従って処理時間を短くすることにより、TEOS膜のエッチング量の変化を概ね一定に制御できることが分かる。
【0096】
また、先に図4としてエッチング時間とエッチング量均一性との関係を示した通り、洗浄処理時間が短くなるとエッチング量均一性が劣化する。このため、本実施形態において許容上限として設定したエッチング量均一性50%以下を満たすのは、処理時間が初期値の300秒から、70秒になるまでの範囲である。この間であれば、薬液の交換無しに半導体基板104の洗浄処理を行なうことができると考えられる。
【0097】
具体例として、背景技術において600枚の半導体基板104を処理した時点で薬液を交換していたのに対し、1700枚まで薬液の交換無しに処理を行なうことができる。このように、薬液の使用時間の延長により、薬液の使用量を削減することができる。更に、背景技術においては600枚の処理を行なう間にも薬液成分の濃度調整等のために薬液を補充していたのに対し、本実施形態の場合、1700枚の処理を行なうまでの間に、薬液成分の濃度調整等のため薬液の補充は行なわない。このことからも、薬液の使用量を削減することができる。
【0098】
以上に説明した通り、本実施形態のウェット処理方法及びウェット処理システムによると、処理時間を最適化することにより、薬液の劣化に影響されず、薬液の濃度制御無しに高精度に制御された半導体基板の処理を行なうことができる。また、薬液の各成分について濃度の測定及び個別の補充(処理装置又は処理システムとして考える場合は、薬液の濃度測定のためのセンサー、薬液を個別に補充するための設備等)は不要であり、処理工程及び処理設備を簡略化することができる。但し、そのような設備等を備えていたとしても何ら問題は無い(既存の設備を流用する場合等)。
【0099】
更に、背景技術においては薬液の成分濃度を制御し、半導体基板の処理時間を一定にしていたのに対し、本実施形態の場合、薬液交換から処理枚数が増えるに連れて、個々の半導体基板についての処理時間を短くしている。つまり、多くの半導体基板の処理をより短時間に行なうことができる。
【0100】
また、以上では、被処理層として基板上に形成したTEOS膜を例に説明したが、他の材料からなる層であっても良いし、基板自体を被処理層とするウェット処理であっても良い。
【0101】
また、ウェット処理の種類によっては、使用する薬液における各成分組成及び濃度が不明瞭である(測定、調整することが困難である)場合もある。このような場合、薬液の濃度制御を行なう方法を適用することは難しく、また事実上不可能であることも考えられる。しかしながら、本実施形態の方法であれば、濃度測定及び制御は不要であるから、各成分組成及び濃度が不明瞭な薬液を用いる際にも適用可能であり、大きな困難なくエッチング量(物理特性)を制御することができる。このように、本実施形態の方法は、インラインでの濃度測定及び濃度調整が難しい薬液、分析及び濃度調整が高コストになる薬液等を用いた洗浄及びエッチングにも有効である。
【0102】
また、以上では半導体基板の洗浄処理を例として説明したが、エッチング処理等の他の種類のウェット処理であっても良い。そのための薬液についても、例えばアンモニアと過酸化水素水との混合液、フッ化水素、硝酸、硫酸と過酸化水素水との混合液等、広範に使用することができ、産業上有益な優れた効果を奏する。
【0103】
また、以上では、n枚目の処理の際に算出した処理時間をn+1枚目の処理に適用する場合を説明した。これは、個々の半導体基板についてより適切な処理時間とするためには好ましい方法であるが、必須というわけではない。例えば、n枚目の処理の際に算出した処理時間をn+2枚目の処理に適用しても良いし、薬液の変化が緩やかである場合等には、n+1枚目以降の複数枚の処理に適用する簡略化した方法を用いることもできる。
【0104】
また、以上では半導体基板104を一枚ずつ処理する枚葉式の洗浄装置を例として説明したが、これには限らない。複数枚の半導体基板を一つのロットとして、ロット毎に同時に処理する(例えば、処理槽において複数枚の半導体基板を同時に薬液に浸漬する)バッチ式の洗浄装置についても、本発明の処理方法及び処理システムを適用することができる。この場合、以上の説明におけるn枚目の半導体基板、n+1枚目の半導体基板等の記載について、順に、n番目のロットに含まれる半導体基板、n+1番目のロットに含まれる半導体基板と考えればよい。
【0105】
尚、図1における演算部117が実施する手順の一部又は全部をコンピュータに実行させるためのプログラムは、インターネット等の電気通信回路を用いる、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に格納する等により、他者に提供することができる。例えば、プログラムの指令を電気信号、光信号、磁気信号等により実現し、その信号を運搬波に載せて送信することにより、同軸ケーブル、銅線、光ファイバのような伝送媒体によって提供することができる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、CD−ROM、DVD−ROM等の光学メディアや、フレキシブルディスクのような磁気メディア、フラッシュメモリ、RAM等の半導体メモリを利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明のウェット処理方法及びウェット処理システムは、薬液の濃度制御を不要としながらエッチングの制御及び薬液の使用量削減を可能とし、半導体装置の微細化、半導体ウェハの大口径化にも対応できるため、半導体基板のコスト削減にも有用である、
【符号の説明】
【0107】
101 ステージ回転モータ
102 ステージ
103 半導体基板保持チャック
104 半導体基板
105 カップ
106 薬液吐出アーム
107 アーム回転モータ
108 薬液タンク
109 薬液圧送ポンプ
110 薬液温度調整器
111 フィルター
112 第1バルブ
113 第2バルブ
114 洗浄装置
115 洗浄装置制御部
116 モニタリング装置
117 演算部
118 生産管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液を用いて複数の基板を順次処理するウェット処理方法において、
第1の基板をウェット処理する際の設備パラメータの値を収集する工程(a)と、
前記設備パラメータの値に基づいて、前記工程(a)における前記基板の被処理層のエッチングレートを算出する工程(b)と、
前記エッチングレートと、前記被処理層に対して予定したエッチング量とに基づいて、処理時間を算出する工程(c)と、
前記工程(a)の後に、前記第1の基板とは異なる第2の基板について、前記処理時間のウェット処理を行なう工程(d)とを備えることを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記薬液の補充及び交換を行なうことなく所定数の前記基板を処理することを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記薬液の濃度測定を行なうことなく前記複数の基板を順次処理することを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つにおいて、
前記工程(b)において、予め用意したエッチングレート算出用のモデル式に前記設備パラメータの値を代入して前記エッチングレートを算出することを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つにおいて、
前記設備パラメータは、ウェット処理装置の稼働状態に依存する第1のパラメータと、ウェット処理の操作条件に依存する第2のパラメータとからなる群より少なくとも一つ選択されることを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1のパラメータは、ウェット処理時における薬液の供給量、薬液の循環量及び薬液の温度からなる群より少なくとも一つ選択されることを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項7】
請求項5において、
前記第2のパラメータは、ウェット処理の処理回数、処理枚数、処理時間及び薬液の使用経過時間からなる群より少なくとも一つ選択されることを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一つにおいて、
前記薬液は、洗浄用薬液又はエッチング用薬液であることを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つにおいて、
前記複数の基板を一つずつ処理するウェット処理方法であり、
前記第1の基板がn番目の基板であるとき、前記第2の基板はn+1番目の基板であることを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一つにおいて、
2つ以上の前記基板を一つのロットとして、前記複数の基板をロット毎に処理するウェット処理方法であり、
前記第1の基板がn番目のロットに含まれるとき、前記第2の基板はn+1番目のロットに含まれることを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一つにおいて、
前記被処理層は、半導体基板又は前記半導体基板上に形成された材料膜であることを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項12】
薬液を用いて複数の基板を順次処理するウェット処理システムにおいて、
前記基板のウェット処理を行なうウェット処理設備と、
第1の基板をウェット処理する際の設備パラメータの値を収集するモニタリング手段と、
前記設備パラメータの値に基づいて、前記基板の被処理層のエッチングレートを算出すると共に、前記エッチングレートと、前記被処理層に対して予定したエッチング量とに基づいて、処理時間を算出する演算手段と、
前記第1の基板を処理した後、前記第1の基板とは異なる第2の基板を処理する際に、前記ウェット処理設備に前記処理時間を指示する生産管理手段とを備えることを特徴とする基板のウェット処理システム。
【請求項13】
請求項12において、
前記薬液の補充及び交換を行なうことなく所定数の前記基板を処理することを特徴とする基板のウェット処理方法。
【請求項14】
請求項12又は13において、
前記薬液の濃度測定を行なうことなく前記複数の基板を順次処理することを特徴とする基板のウェット処理システム。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれか一つにおいて、
前記演算手段は、予め用意したエッチングレート算出用のモデル式に前記設備パラメータの値を代入して前記エッチングレートを算出することを特徴とする基板のウェット処理システム。
【請求項16】
請求項12〜15のいずれか一つにおいて、
前記設備パラメータは、前記ウェット処理設備の稼働状態に依存する第1のパラメータと、ウェット処理の操作条件に依存する第2のパラメータとからなる群より少なくとも一つ選択されることを特徴とする基板のウェット処理システム。
【請求項17】
請求項16において、
前記第1のパラメータは、ウェット処理時における薬液の供給量、薬液の循環量及び薬液の温度からなる群より少なくとも一つ選択されることを特徴とする基板のウェット処理システム。
【請求項18】
請求項16において、
前記第2のパラメータは、ウェット処理の処理回数、処理枚数、処理時間及び薬液の使用経過時間からなる群より少なくとも一つ選択されることを特徴とする基板のウェット処理システム。
【請求項19】
請求項12〜18のいずれか一つにおいて、
前記ウェット処理設備は洗浄設備であり且つ前記薬液は洗浄用薬液であるか、又は、前記ウェット処理設備はエッチング設備であり且つ前記薬液はエッチング用薬液であることを特徴とする基板のウェット処理システム。
【請求項20】
請求項12〜19のいずれか一つにおいて、
前記複数の基板を一つずつ処理するウェット処理システムであり、
前記第1の基板がn番目の基板であるとき、前記第2の基板はn+1番目の基板であることを特徴とする基板のウェット処理システム。
【請求項21】
請求項12〜19のいずれか一つにおいて、
2つ以上の前記基板を一つのロットとして、前記複数の基板をロット毎に処理するウェット処理システムであり、
前記第1の基板がn番目のロットに含まれるとき、前記第2の基板はn+1番目のロットに含まれることを特徴とする基板のウェット処理システム。
【請求項22】
請求項12〜21のいずれか一つにおいて、
前記被処理層は、半導体基板又は前記半導体基板上に形成された材料膜であることを特徴とする基板のウェット処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−29443(P2011−29443A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174304(P2009−174304)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】