説明

エッチング方法、エッチングシステムおよびエッチング装置

【課題】シリコン酸化膜にコンタクト部に到達する高アスペクト比のホールを形成する際に、ホール内のコンタクト材料とコンタクト部との間で十分なコンタクトがとれるようなホールを形成すること。
【解決手段】基板上にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜と、その上に形成された、BおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜とを有し、さらに第1の酸化膜および第2の酸化膜の界面より下方に形成されたコンタクト部を有する被処理体を準備し(ステップ1)、第2の酸化膜と前記第1の酸化膜をエッチングしてコンタクト部に到達するホールを形成し(ステップ2)、HFガスおよび不活性ガスを用いたドライプロセスにより第1の酸化膜をエッチングし、第1の酸化膜のコンタクト部上方領域のホール部分を広げる(ステップ3)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に形成されたシリコン酸化膜をエッチングしてコンタクト部に到達するストレージノードホールまたはコンタクトホール等のホールを形成するエッチング方法、エッチングシステムおよびエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、半導体デバイスの高集積化にともなってパターンサイズが著しく微細化しており、例えば、DRAMの製造工程においては、円筒形状(シリンダ型)に形成されるキャパシタ電極は益々細くなり、かつ、その高さはキャパシタンスを増加させるために益々高くなってきており、ストレージノードホールのアスペクト比が極めて高いものとなる。また、コンタクトホールについても益々高アスペクト比化が進んでいる。
【0003】
このような高アスペクト比のストレージノードホールやコンタクトホールを形状性良く形成する技術が例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
しかしながら、このような深いホールを形成する場合には、ホールがコンタクト部に到達する前に細くなり、その中のコンタクト材料とコンタクト部との間で十分なコンタクトがとれない場合が生じることが懸念される。また、たとえホール形状が良好であってもホール径が小さい場合には、十分なコンタクトをとれないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−313952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、シリコン酸化膜にコンタクト部に到達する高アスペクト比のホールを形成する際に、ホール内のコンタクト材料とコンタクト部との間で十分なコンタクトがとれるようなホールを形成することができるエッチング方法、エッチングシステムおよびエッチング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、基板上にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜と、その上に形成された、BおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜とを有し、さらに前記第1の酸化膜および第2の酸化膜の界面より下方に形成されたコンタクト部を有する被処理体を準備する工程と、前記第2の酸化膜と前記第1の酸化膜をエッチングして前記コンタクト部に到達するホールを形成する工程と、HFガスおよび不活性ガスを用いたドライプロセスにより前記第1の酸化膜をエッチングし、前記第1の酸化膜の前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる工程とを有することを特徴とするエッチング方法を提供する。
【0008】
上記第1の観点において、前記ホールを形成する工程は、プラズマエッチングにより行い、前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる工程は、プラズマレスエッチングにより行うことができる。また、前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる工程は、前記HFガスおよび不活性ガスによるドライプロセスの後、基板を加熱することにより行うことができる。さらに、前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる工程は、減圧下で行うことができる。
【0009】
上記第1の観点において、前記第1の酸化膜の前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる工程は、内部に温調機構が設けられたチャンバー内に前記被処理体を収容し、前記チャンバー内にHFガスおよび不活性ガスを供給して、前記温調機構の熱を前記被処理体に伝熱させて前記被処理体の温度を制御しながら前記ドライプロセスを行うものとすることができる。また、前記ドライプロセス終了後、前記HFガスの供給を停止する一方で前記不活性ガスの供給を継続し、前記不活性ガスによって前記チャンバー内をパージするものとすることができる。
【0010】
本発明の第2の観点では、基板上にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜と、その上に形成された、BおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜とを有し、かつ前記第1の酸化膜および第2の酸化膜の界面より下方に形成されたコンタクト部を有し、さらに前記第2の酸化膜と前記第1の酸化膜経て前記コンタクト部に到達するホールが形成された構造物に対し、HFガスおよび不活性ガスを用いたドライプロセスにより前記第1の酸化膜をエッチングし、前記第1の酸化膜の前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げることを特徴とするエッチング方法を提供する。
【0011】
上記第2の観点において、前記HFガスおよび不活性ガスによるドライプロセスによるエッチングは、プラズマレスエッチングにより行うことができる。また、前記HFガスおよび不活性ガスによるドライプロセスの後、基板を加熱することができる。さらに、前記HFガスおよび不活性ガスによるドライプロセスは、減圧下で行うことができる。
【0012】
上記第2の観点において、内部に温調機構が設けられたチャンバー内に前記構造物を収容し、前記チャンバー内にHFガスおよび不活性ガスを供給して、前記温調機構の熱を前記構造物に伝熱させて前記構造物の温度を制御しながら前記ドライプロセスを行うようにすることができる。また、前記ドライプロセス終了後、前記HFガスの供給を停止する一方で前記不活性ガスの供給を継続し、前記不活性ガスによって前記チャンバー内をパージするようにすることができる。
【0013】
本発明の第3の観点では、基板上にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜と、その上に形成された、BおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜とを有し、さらに前記第1の酸化膜および第2の酸化膜の界面より下方に形成されたコンタクト部を有する被処理体に対し、前記第2の酸化膜と前記第1の酸化膜経て前記コンタクト部に到達するホールを形成するエッチングシステムであって、前記第2の酸化膜と前記第1の酸化膜をエッチングして前記コンタクト部に到達するホールを形成する第1のエッチング装置と、HFガスおよび不活性ガスを用いたドライプロセスにより前記第1の酸化膜をエッチングし、前記第1の酸化膜の前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる第2のエッチング装置と、前記第1のエッチング装置と前記第2のエッチング装置との間で被処理体を搬送する搬送機構と、を具備することを特徴とするエッチングシステムを提供する。
【0014】
上記第3の観点において、前記第2のエッチング装置は、減圧下でエッチングを行うものとすることができる。また、前記第2のエッチング装置は、前記ドライプロセスによるエッチングを行うエッチング処理部と、その後加熱処理する加熱処理部とを有するものとすることができる。
【0015】
上記第3の観点において、前記エッチングシステムは、前記第1のエッチング装置と、前記第2のエッチング装置と、前記搬送機構を制御する制御部をさらに具備し、前記第2のエッチング装置は、被処理体を収容するチャンバーと、前記チャンバー内に設けられ、被処理体を所望の温度に温調する温調機構と、前記チャンバーに接続され、前記チャンバー内に前記HFガスを供給するHFガス供給ラインと、前記チャンバーに接続され、前記チャンバー内に前記不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインとを有し、前記制御部は、前記HFガスおよび前記不活性ガスを前記チャンバー内に同時に供給するように前記第2のエッチング装置を制御する構成とすることができる。あた、前記制御部は、前記ドライプロセス終了後、前記HFガスの供給を停止する一方で前記不活性ガスの供給を継続し、前記不活性ガスによって前記チャンバー内をパージするように前記第2のエッチング装置を制御する構成とすることができる。さらに、前記第2のエッチング装置は、前記チャンバー内に設けられ、被処理体が載置される載置台を有し、前記温調機構は前記載置台に設けられている構成とすることができる。
【0016】
本発明の第4の観点では、基板上にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜と、その上に形成された、BおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜とを有し、さらに前記第1の酸化膜および第2の酸化膜の界面より下方に形成されたコンタクト部を有する被処理体に対し、前記第2の酸化膜と前記第1の酸化膜をエッチングして前記コンタクト部に到達するホールを形成した後、前記第1の酸化膜の前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げるためのエッチングを行うエッチング装置であって、HFガスおよび不活性ガスを用いたドライプロセスにより前記第1の酸化膜をエッチングすることを特徴とするエッチング装置を提供する。
【0017】
上記第4の観点において、減圧下でエッチングを行うようにすることができる。また、前記ドライプロセスによるエッチングを行うエッチング処理部と、その後加熱処理する加熱処理部とを有する構成とすることができる。
【0018】
上記第4の観点において、前記エッチング装置は、被処理体を収容するチャンバーと、前記チャンバー内に設けられ、被処理体を所望の温度に温調する温調機構と、前記チャンバーに接続され、前記チャンバー内に前記HFガスを供給するHFガス供給ラインと、前記チャンバーに接続され、前記チャンバー内に前記不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、前記HFガスおよび前記不活性ガスを前記チャンバー内に同時に供給するように制御する制御部と
を有する構成とすることができる。また、前記制御部は、前記ドライプロセス終了後、前記HFガスの供給を停止する一方で前記不活性ガスの供給を継続し、前記不活性ガスによって前記チャンバー内をパージするように制御する構成とすることができる。さらに、前記エッチング装置は、前記チャンバー内に設けられ、被処理体が載置される載置台を有し、前記温調機構は前記載置台に設けられている構成とすることができる。
【0019】
本発明の第5の観点では、コンピュータ上で動作し、エッチングシステムを制御するプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、上記第1の観点のエッチング方法が行われるように、コンピュータに前記エッチングシステムを制御させることを特徴とする記憶媒体を提供する。
【0020】
本発明の第6の観点では、コンピュータ上で動作し、エッチング装置を制御するプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、上記第2の観点のエッチング方法が行われるように、コンピュータに前記エッチング装置を制御させることを特徴とする記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0021】
BおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物は、水分を吸着するため、この水分の存在下でHFガスが供給されてこれらが反応する。このため、BおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物はHFガスによりエッチングされる。一方、BおよびPを含まないシリコン酸化物は、水分をほとんど吸着しないため、HFガスを供給してもほとんどエッチングが進行しない。したがって、基板上にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜と、その上に形成された、BおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜とを有し、さらに前記第1の酸化膜および第2の酸化膜の界面より下方に形成されたコンタクト部を有する被処理体に前記コンタクト部に到達するホールを形成し、その後、HFガスおよび不活性ガスを用いたドライプロセスにより前記第1の酸化膜をエッチングすれば、第2の酸化膜に形成されたホールをほとんど広げることなく、前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げることができ、ホール内にコンタクト材料を埋め込んだ際に、コンタクト材料とコンタクト部との接触面積を増加させて良好なコンタクトをとることができる。また、ドライプロセスの際にHFガスに加えて不活性ガスを用いることにより、被処理体への熱伝達が良好になり、被処理体の温度制御を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るエッチング方法を説明するためのフローチャート。
【図2】本発明の一実施形態に係るエッチング方法の各工程を説明するための工程断面図。
【図3】コンタクト部に到達する前に細くなったエッチングホールを示す断面図。
【図4】幅広のホール部分が形成され、ホール内にコンタクト材料が埋め込まれた状態を示す断面図。
【図5】本発明のエッチング方法を実施するためのエッチングシステムの概略構成を示す模式図。
【図6】図5のエッチングシステムに搭載されたHF含有ガスエッチング装置の概略構成を示す側面図。
【図7】図6のHF含有ガスエッチング装置に搭載されたエッチング処理部を示す断面図。
【図8】図6のHF含有ガスエッチング装置に搭載された熱処理部を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るエッチング方法を示すフローチャート、図2は各工程を説明するための工程断面図である。
【0024】
まず、被処理体として、図2(a)に示す、半導体基板200の表面にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜201が形成され、さらにその上に、TEOSやHDP等のBおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜202が形成され、第1の酸化膜201および第2の酸化膜202の界面より下方にコンタクト部203が形成されたシリコンウエハ(以下、単にウエハという)Wを準備する(ステップ1)。このようなBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物としては、BとPの両方を含むBPSG(Boro-Phospho Silicate Glass)、Bを含むBSG(Boro Silicate Glass)、Pを含むPSG(Phospho Silicate Glass)等を挙げることができる。
【0025】
次に、図2(b)に示すように、プラズマエッチングにより、レジスト膜等をエッチングマスクとして、第2の酸化膜202から第1の酸化膜201を経てコンタクト部203に至る高アスペクト比のホール204を形成する(ステップ2)。この際のエッチングは、フォトリソグラフィ技術によりパターン形成したフォトレジスト等をマスクとして、通常用いられる適宜の処理ガスのプラズマにより行われる。
【0026】
ところで、高アスペクト比のホール204をエッチングにより形成する場合には、エッチングが進むにつれてホール径が小さくなる傾向にあり、コンタクト部203までエッチングされた際に、図3に示すように、コンタクト部203近傍でホール径が小さくなってしまう場合がある。このような場合には、ホール内にコンタクト材料を埋め込んだ際に、コンタクト材料とコンタクト部203との間のコンタクト面積が小さくなり、十分なコンタクトがとれないおそれがある。また、ホール径が小さい場合には、たとえホール形状が良好であってもコンタクトが不十分になる場合もある。
【0027】
そこで、HFを含むガスを用いたプラズマレスエッチングにより、BおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜201をエッチングする(ステップ3)。このエッチングでは、BおよびPを含まない第2の酸化膜202はほとんどエッチングされず、BおよびPの少なくとも一方を含む第1の酸化膜201が選択的にエッチングされる。このときのエッチングは等方的に進行し、図2(c)に示すように、コンタクト部203の上方において横方向に広がるような形状の幅広ホール部分204aが形成される。すなわち、このHFを含むガスによるエッチングにより、第2の酸化膜202内のホール204の形状をほとんど変化させることなく、コンタクト部203近傍のみホール径を広げることができる。また、HFを含むガスによるエッチングは、通常のプラズマエッチングよりもエッチングレートを高くすることができる。また、プラズマレスであるため、下地や隣接する素子部分等にダメージを及ぼさないというメリットも得られる。
【0028】
このように、コンタクト部203の近傍に幅広ホール部分204aを形成することにより、ホール204内にコンタクト材料205を埋め込んだ際に、図4に示すように、コンタクト材料205とコンタクト部との接触面積を広くすることができ、良好なコンタクトをとることができる。
【0029】
第1の酸化膜201がHFによりエッチングされるのは、第1の酸化膜201を構成するBPSG、BSG、PSG等のBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物は水分を吸着するので、この水分の存在下でHFガスが供給されて、これらが反応することによる。一方、BおよびPを含まないTEOSやHDP等のシリコン酸化物は、水分をほとんど吸着しないため、HFを供給してもほとんどエッチングが進行しない。
【0030】
HFを含むガスとしては、HFガス単独であってもよいし、HFガスとNガスやArガス等の不活性ガスを混合したものであってもよい。さらに、他のエッチングガスを含んでいてもよい。
【0031】
このようなエッチングは、高アスペクト比のストレージノードホールやコンタクトホールの形成に有効である。
【0032】
次に、このようなエッチング方法を実施するためのエッチングシステムの一例について具体的に説明する。図5は、このようなエッチングシステムの概略構成を示す模式図である。
【0033】
このエッチングシステム10は、第1の酸化膜201および第2の酸化膜202にプラズマエッチングによりホール204を形成するプラズマエッチング装置11と、BおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜201をHFを含むガスによるプラズマレスプロセスでエッチングするHF含有ガスエッチング装置12と、これらの間でウエハWをキャリアCに収納した状態で搬送する搬送機構13と、プラズマエッチング装置11での処理、HF含有ガスエッチング装置12での処理および搬送機構13での搬送処理を制御するための制御部14とを有している。
【0034】
プラズマエッチング装置11としては、例えば平行平板電極を用いた容量結合型のものや、誘導結合型のもの等、この分野で通常用いられるものを用いることができる。
【0035】
HF含有ガスエッチング装置12としては、図6に示すような装置を用いることができる。この装置は、ウエハWを搬入出する搬入出部61と、搬入出部61に隣接させて設けられたロードロック室62と、実際のエッチング処理を行うエッチング処理部63と、エッチングが終了した後に加熱処理を行う熱処理部64とを有している。
【0036】
このHF含有ガスエッチング装置12は、ロードロック室62とエッチング処理部63と熱処理部64とが2つずつ設けられており、搬入出部61に対し、ロードロック室62、熱処理部64、エッチング処理部63が、この順に一直線上に並べて設けられている。なお、搬入出部61とロードロック室62との間、ロードロック室62と熱処理部64との間、熱処理部64とエッチング処理部63との間にはゲートバルブ(図示せず)が設けられており、これにより、これらの間が開閉可能となっている。
【0037】
搬入出部61は、ウエハWを搬送可能な搬送機構(図示せず)を有する搬送室71を有しており、搬送室71の長手方向の側部には、載置台72が設けられており、この載置台72には、ウエハWを複数並べて収容可能なキャリアCが例えば3つ備えられている。また、搬送室71に隣接して、ウエハWを回転させて偏心量を光学的に求めて位置合わせを行なうオリエンタ73が設置されている。搬送室71内の搬送機構は、これら3つのキャリアC、オリエンタ73および2つのロードロック室62の間でウエハWを一枚ずつ搬送することが可能となっている。
【0038】
ロードロック室62は、内部に搬送機構(図示せず)を有し、大気状態と真空状態との切り替えが可能に構成されている。そして、その内部を大気状態にし、搬入出部61側のゲートバルブを開けて搬送室71の搬送機構によりキャリアCからウエハWをロードロック室62の搬送機構に搬送し、搬入出部61側のゲートバルブを閉じて熱処理部64と同等の真空度に真空引きしてから、熱処理部64側のゲートバルブおよび熱処理部64とエッチング処理部63との間のゲートバルブを開けて搬送機構によりウエハWをエッチング処理部63に搬送可能となっている。また、熱処理部64で熱処理した後のウエハWを搬送機構により戻し、熱処理部64側のゲートバルブを閉じてその中を大気状態にし、その後搬入出部61側のゲートバルブを開いて搬入出部61へウエハWを搬送することが可能となっている。
【0039】
エッチング処理部63は、図7に示すように、ウエハWを収容する密閉構造のチャンバー80を備えており、チャンバー80内には、ウエハWが水平状態で載置される載置台81が設けられている。載置台81にはウエハWを所望の温度に調節する温調機構82が設けられている。チャンバー80の側壁には熱処理部64との間でウエハWを搬入出するための搬入出口(図示せず)が設けられている。
【0040】
また、エッチング処理部63には、チャンバー80にはエッチングガスとしてフッ化水素(HF)ガスを供給するHFガス供給ライン85と、チャンバー80内に希釈ガスとして不活性ガス例えば窒素(N)ガスを供給するNガス供給ライン86と、排気ライン87とが接続されている。HFガス供給ライン85はHFガス供給源90に接続されており、HFガス供給ライン85には、開閉およびHFガスの供給流量の調節が可能な流量調節弁91が設けられている。Nガス供給ライン86はNガス供給源95に接続され、Nガス供給ライン86には、開閉およびNガスの供給流量の調節が可能な流量調節弁96が設けられている。
【0041】
チャンバー80の天壁には、HFガス供給ライン85およびNガス供給ライン86を通って供給されたHFガスおよびNガスを、載置台81に載置されたウエハWの全面に均一に供給させるためのシャワーヘッド97が設けられている。
【0042】
排気ライン87には、圧力コントローラ100および強制排気を行うための排気ポンプ101が設けられている。排気ポンプ101を作動させつつ圧力コントローラ100を調整することによって、チャンバー80内の圧力が所定の減圧状態に制御可能となっている。
【0043】
熱処理部64は、図8に示すように、ウエハWを収容する密閉構造のチャンバー110を備えており、チャンバー110内には、ウエハWが水平状態で載置される載置台111が設けられている。載置台111にはウエハWを所定の温度に加熱するためのヒーター112が設けられている。チャンバー110の側壁には、エッチング処理部63との間でウエハWを搬入出するための搬入出口(図示せず)と、ロードロック室62との間でウエハWを搬入出するための搬入出口(図示せず)とが設けられている。
【0044】
また、熱処理部64には、チャンバー110内に雰囲気ガスとして不活性ガス、例えばNガスを供給するNガス供給ライン115とチャンバー110内を排気する排気ライン116が接続されている。Nガス供給ライン115はNガス供給源120に接続され、Nガス供給ライン115には、開閉およびNガスの供給流量の調節が可能な流量調節弁121が設けられている。
【0045】
チャンバー110の天壁には、Nガス供給ライン115を通って供給されたNガスを、載置台111に載置されたウエハWの全面に均一に供給させるためのシャワーヘッド122が設けられている。
【0046】
排気ライン116には、圧力コントローラ125および強制排気を行うための排気ポンプ126が設けられている。排気ポンプ126を作動させつつ圧力コントローラ125を調整することによって、チャンバー110内の圧力が所定の減圧状態に制御可能となっている。
【0047】
制御部14は、エッチングシステム10のプラズマエッチング装置11、HF含有ガスエッチング装置12、搬送機構13を実際に制御する、マイクロプロセッサ(コンピュータ)を備えたプロセスコントローラ15を有している。プロセスコントローラ15には、オペレータがエッチングシステム10を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、エッチングシステム10の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース16が接続されている。また、プロセスコントローラ15には、エッチングシステム10で実行される各種処理をプロセスコントローラ15の制御にて実現するための制御プログラムや処理条件に応じてエッチングシステム10の各構成部に所定の処理を実行させるための制御プログラムすなわちレシピ、さらに各種データベース等が格納された記憶部17が接続されている。レシピは記憶部17の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスク等の固定的に設けられているものであってもよいし、CDROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
【0048】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース16からの指示等にて任意のレシピを記憶部17から呼び出してプロセスコントローラ15に実行させることで、プロセスコントローラ15の制御下で、エッチングシステム10での所望の処理が行われる。
【0049】
このように構成されたエッチングシステム10において、図2に示すようにエッチングを行う際には、まず、搬送機構13によりウエハWが収納されたキャリアCをプラズマエッチング装置11の搬入出部(図示せず)に搬入する。そして、ウエハWを1枚ずつ取り出して、所定の処理ガスにより第1の酸化膜201および第2の酸化膜202にプラズマエッチングを施し、コンタクト部203に到達するホール204を形成する。この際の処理条件は、装置のタイプおよび処理ガスの種類等に応じて適宜決定される。
【0050】
プラズマエッチングによりホール204を形成した後のウエハWをキャリアCに収納する。このようにして所定枚数のウエハWに対してプラズマエッチングが終了した後、搬送機構13によりキャリアCをHF含有ガスエッチング装置12に搬送する。
【0051】
HF含有ガスエッチング装置12においては、キャリアCを搬入出部61の載置台72に載置し、搬送室71内の搬送機構によりキャリアCから1枚のウエハWが取り出され、ロードロック室62内に搬入される。ロードロック室62にウエハWが搬入されるとゲートバルブが閉じられてその中が密閉状態となり、真空排気することにより、エッチング処理部63のチャンバー80および熱処理部64のチャンバー110と同等の減圧状態となり、ゲートバルブを開いてこれらと連通することが可能となる。
【0052】
この状態でウエハWは、まず、エッチング処理部63のチャンバー80内に搬入される。そして、デバイス形成面を上面とした状態で載置台81上に載置される。その後、ゲートバルブを閉じてチャンバー80を密閉状態とし、温調機構82によりウエハWを例えば40℃以下の所定の温度に温調される。また、チャンバー80内は、排気ポンプ101と圧力コントローラ100の調整によって、例えば400〜4000Pa(3〜30Torr)に制御される。
【0053】
この状態で、HFガスおよび必要に応じて希釈ガスとしてのNガスをチャンバー80内に供給する。このとき流量調整弁91によりHFガスの供給量が1000〜3000mL/min(sccm)に調整される。なお、エッチングガスであるHFガスに加えてNガスチャンバー80内に供給することにより、載置台81内の温調機構82の熱がウエハWに効率良く伝導され、ウエハWを正確に温度制御することができる。Nガスを供給する場合には、その供給量を500〜3000mL/min(sccm)とする。
【0054】
このようにHFガスが減圧下で供給されることにより、BおよびPの少なくとも一方を含有するシリコン酸化物からなる第1の酸化膜201とHFガスとが反応し、エッチングが進行する。この際に、反応生成物としてフルオロケイ酸系の反応生成物が生成するが、上述したように、BおよびPの少なくとも一方を含有するシリコン酸化物は水分を吸着するので、水の存在下で反応が促進され、高エッチングレートでエッチングが進行する。
【0055】
このようなHF含有ガスによるドライエッチング処理が終了後、流量調整弁91が閉じられ、HFガスの供給が停止される。このときNガスの供給は継続され、これによりチャンバー80内がNガスによってパージされる。
【0056】
このエッチング処理部63により処理後、HFガスによって生成された反応生成物は水分の存在により揮発しやすい状態となっており、チャンバー80内である程度揮発可能であるが、エッチング面に残存する反応生成物を除去する目的で、エッチング処理後のウエハWを熱処理部64へ搬送する。この際には、チャンバー80とチャンバー110との間のゲートバルブが開かれてこれらが連通し、この状態でロードロック室62内の搬送機構によりチャンバー80内のウエハWを熱処理部64のチャンバー110に搬送する。
【0057】
熱処理部64において、ウエハWはデバイス形成面を上面とした状態でチャンバー110内の載置台111上に載置される。そして、ゲートバルブが閉じられてチャンバー110が密閉状態とされ、熱処理工程が開始される。このとき、ヒーター112によりウエハWの温度を100〜400℃の所定の温度にされる。また、チャンバー110内は、排気ポンプ126と圧力コントローラ125の調整によって、例えば133〜400Pa(1〜3Torr)に制御される。そして、Nガスが所定の流量でチャンバー110内に供給される。この時のNガスの供給量は、例えば500〜3000mL/min(sccm)に調整される。これにより、載置台111に設けられたヒーター112の熱がウエハWに効率良く伝達され、ウエハWの温度が正確に制御される。
【0058】
このような熱処理が終了すると、流量調整弁121が閉じられてNガスの供給が停止される。そして、熱処理部64とロードロック室62との間のゲートバルブが開かれ、ウエハWが熱処理部64からロードロック室62へ搬入される。そして、ゲートバルブを閉じてロードロック室62を密閉状態とし、大気圧とされた後、ロードロック室62と搬入出部61とを連通してウエハWを搬入出部61のキャリアC内に収納する。以上のようにして所定枚数のウエハWの処理が終了すると、処理後のウエハWを収納したキャリアCを搬送機構13によりエッチングシステム10から搬出する。
【0059】
以上のようなエッチング処理においては、プラズマエッチングにより第2の酸化膜202および第1の酸化膜201を経てコンタクト部203に至るホール204を形成した後、HF含有ガスによるドライエッチングを行うことにより、第1の酸化膜201のコンタクト部203の近傍部分がエッチングされ、コンタクト部203の近傍に幅広ホール部分204aが形成される。一方、水分の吸着がほとんどないBおよびPを含まないTEOSやHDP等のシリコン酸化物からなる第2の酸化膜202はエッチングがほとんど進行しない。したがって、ホール204の第2の酸化膜202に対応する部分の形状をほとんど変化させることなく、コンタクト部203の近傍に幅広ホール部分204aを形成することができ、その後にホール204内にコンタクト材料を埋め込んだ際に良好なコンタクトを確保することができる。
【0060】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、ホールを形成する際にプラズマエッチングを用いたがこれに限るものではない。また、希釈ガス等に用いる不活性ガスとしてNガスを用いたが、その他の不活性ガス、例えばArガス、Heガス、Xeガス等の他の不活性ガスを用いることができる。
【0061】
また、上記実施形態ではアプリケーションを特定せずに原理的な説明を行ったが、上記実施形態で説明した工程を含むものである限り、種々のデバイス形成に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、半導体デバイスの製造工程において、高アスペクト比のホール、例えばストレージノードホールやコンタクトホールを形成してコンタクト部に対するコンタクトをとる用途全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
10;エッチングシステム
11;プラズマエッチング装置
12;HF含有ガスエッチング装置
13;搬送機構
14;制御部
15;プロセスコントローラ
61;搬入出部
62;ロードロック室
63;エッチング処理部
64;熱処理部
80;チャンバー
81;載置台
82;温調機構
90;HFガス供給源
200:シリコン基板
201;第1の酸化膜
202;第2の酸化膜
203;コンタクト部
204;ホール
204a;幅広ホール部分
205;コンタクト材料
W;ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜と、その上に形成された、BおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜とを有し、さらに前記第1の酸化膜および第2の酸化膜の界面より下方に形成されたコンタクト部を有する被処理体を準備する工程と、
前記第2の酸化膜と前記第1の酸化膜をエッチングして前記コンタクト部に到達するホールを形成する工程と、
HFガスおよび不活性ガスを用いたドライプロセスにより前記第1の酸化膜をエッチングし、前記第1の酸化膜の前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる工程と
を有することを特徴とするエッチング方法。
【請求項2】
前記ホールを形成する工程は、プラズマエッチングにより行われ、前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる工程は、プラズマレスエッチングにより行われることを特徴とする請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項3】
前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる工程は、前記HFガスおよび不活性ガスによるドライプロセスの後、基板を加熱することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエッチング方法。
【請求項4】
前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる工程は、減圧下で行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項5】
前記第1の酸化膜の前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる工程は、内部に温調機構が設けられたチャンバー内に前記被処理体を収容し、前記チャンバー内にHFガスおよび不活性ガスを供給して、前記温調機構の熱を前記被処理体に伝熱させて前記被処理体の温度を制御しながら前記ドライプロセスを行うことを特徴とする請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項6】
前記ドライプロセス終了後、前記HFガスの供給を停止する一方で前記不活性ガスの供給を継続し、前記不活性ガスによって前記チャンバー内をパージすることを特徴とする請求項5に記載のエッチング方法。
【請求項7】
基板上にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜と、その上に形成された、BおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜とを有し、かつ前記第1の酸化膜および第2の酸化膜の界面より下方に形成されたコンタクト部を有し、さらに前記第2の酸化膜と前記第1の酸化膜を経て前記コンタクト部に到達するホールが形成された構造物に対し、
HFガスおよび不活性ガスを用いたドライプロセスにより前記第1の酸化膜をエッチングし、前記第1の酸化膜の前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げることを特徴とするエッチング方法。
【請求項8】
前記HFガスおよび不活性ガスによるドライプロセスによるエッチングは、プラズマレスエッチングにより行われることを特徴とする請求項7に記載のエッチング方法。
【請求項9】
前記HFガスおよび不活性ガスによるドライプロセスの後、前記構造物を加熱することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のエッチング方法。
【請求項10】
前記HFガスおよび不活性ガスによるドライプロセスは、減圧下で行われることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項11】
内部に温調機構が設けられたチャンバー内に前記構造物を収容し、前記チャンバー内にHFガスおよび不活性ガスを供給して、前記温調機構の熱を前記構造物に伝熱させて前記構造物の温度を制御しながら前記ドライプロセスを行うことを特徴とする請求項7に記載のエッチング方法。
【請求項12】
前記ドライプロセス終了後、前記HFガスの供給を停止する一方で前記不活性ガスの供給を継続し、前記不活性ガスによって前記チャンバー内をパージすることを特徴とする請求項11に記載のエッチング方法。
【請求項13】
基板上にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜と、その上に形成された、BおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜とを有し、さらに前記第1の酸化膜および第2の酸化膜の界面より下方に形成されたコンタクト部を有する被処理体に対し、前記第2の酸化膜と前記第1の酸化膜を経て前記コンタクト部に到達するホールを形成するエッチングシステムであって、
前記第2の酸化膜と前記第1の酸化膜をエッチングして前記コンタクト部に到達するホールを形成する第1のエッチング装置と、
HFガスおよび不活性ガスを用いたドライプロセスにより前記第1の酸化膜をエッチングし、前記第1の酸化膜の前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げる第2のエッチング装置と、
前記第1のエッチング装置と前記第2のエッチング装置との間で被処理体を搬送する搬送機構と、
を具備することを特徴とするエッチングシステム。
【請求項14】
前記第2のエッチング装置は、減圧下でエッチングを行うことを特徴とする請求項13に記載のエッチングシステム。
【請求項15】
前記第2のエッチング装置は、前記ドライプロセスによるエッチングを行うエッチング処理部と、その後加熱処理する加熱処理部とを有することを特徴とする請求項13または請求項14に記載のエッチングシステム。
【請求項16】
前記エッチングシステムは、前記第1のエッチング装置と、前記第2のエッチング装置と、前記搬送機構を制御する制御部をさらに具備し、
前記第2のエッチング装置は、
被処理体を収容するチャンバーと、
前記チャンバー内に設けられ、被処理体を所望の温度に温調する温調機構と、
前記チャンバーに接続され、前記チャンバー内に前記HFガスを供給するHFガス供給ラインと、
前記チャンバーに接続され、前記チャンバー内に前記不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと
を有し、
前記制御部は、前記HFガスおよび前記不活性ガスを前記チャンバー内に同時に供給するように前記第2のエッチング装置を制御することを特徴とする請求項13に記載のエッチングシステム。
【請求項17】
前記制御部は、前記ドライプロセス終了後、前記HFガスの供給を停止する一方で前記不活性ガスの供給を継続し、前記不活性ガスによって前記チャンバー内をパージするように前記第2のエッチング装置を制御する請求項16に記載のエッチングシステム。
【請求項18】
前記第2のエッチング装置は、前記チャンバー内に設けられ、被処理体が載置される載置台を有し、
前記温調機構は前記載置台に設けられていることを特徴とする請求項16に記載のエッチングシステム。
【請求項19】
基板上にBおよびPの少なくとも一方を含むシリコン酸化物からなる第1の酸化膜と、その上に形成された、BおよびPを含まないシリコン酸化物からなる第2の酸化膜とを有し、さらに前記第1の酸化膜および第2の酸化膜の界面より下方に形成されたコンタクト部を有する被処理体に対し、前記第2の酸化膜と前記第1の酸化膜をエッチングして前記コンタクト部に到達するホールを形成した後、前記第1の酸化膜の前記コンタクト部上方領域のホール部分を広げるためのエッチングを行うエッチング装置であって、
HFガスおよび不活性ガスを用いたドライプロセスにより前記第1の酸化膜をエッチングすることを特徴とするエッチング装置。
【請求項20】
減圧下でエッチングを行うことを特徴とする請求項19に記載のエッチング装置。
【請求項21】
前記ドライプロセスによるエッチングを行うエッチング処理部と、その後加熱処理する加熱処理部とを有することを特徴とする請求項19または請求項20に記載のエッチング装置。
【請求項22】
前記エッチング装置は、
被処理体を収容するチャンバーと、
前記チャンバー内に設けられ、被処理体を所望の温度に温調する温調機構と、
前記チャンバーに接続され、前記チャンバー内に前記HFガスを供給するHFガス供給ラインと、
前記チャンバーに接続され、前記チャンバー内に前記不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインと、
前記HFガスおよび前記不活性ガスを前記チャンバー内に同時に供給するように制御する制御部と
を有することを特徴とする請求項19に記載のエッチング装置。
【請求項23】
前記制御部は、前記ドライプロセス終了後、前記HFガスの供給を停止する一方で前記不活性ガスの供給を継続し、前記不活性ガスによって前記チャンバー内をパージするように制御する請求項22に記載のエッチング装置。
【請求項24】
前記エッチング装置は、前記チャンバー内に設けられ、被処理体が載置される載置台を有し、
前記温調機構は前記載置台に設けられていることを特徴とする請求項22に記載のエッチング装置。
【請求項25】
コンピュータ上で動作し、エッチングシステムを制御するプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、請求項1から請求項6のいずれかのエッチング方法が行われるように、コンピュータに前記エッチングシステムを制御させることを特徴とする記憶媒体。
【請求項26】
コンピュータ上で動作し、エッチング装置を制御するプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、請求項7から請求項12のいずれかのエッチング方法が行われるように、コンピュータに前記エッチング装置を制御させることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−49566(P2012−49566A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256191(P2011−256191)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【分割の表示】特願2007−105434(P2007−105434)の分割
【原出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】