説明

オリゴマーのシルセスキオキサン、その製造方法及びその使用

本発明は、式RSi12(R、R、R、R、R、R、R、R=同じ又は異なり、置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素;a+b+c+d+e+f+g+h=8)及び構造1の完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサンの製造方法、並び完全には縮合していないシルセスキオキサン、官能化されたシルセスキオキサン、触媒及び前記触媒の出発化合物の合成のための並びにポリマーの合成及び改質のための、前記シルセスキオキサンの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オリゴマーのシルセスキオキサンは、広い使用分野を有するポリマーの合成及び改質のために使用することができる。この生じるポリマーは、例えばコーティング及び接着剤中に、プラスチックからなる成形品中に、繊維又は包装材料中に使用することができる。このシルセスキオキサンはその構造に関して大きな変動幅で製造することができることにより、シルセスキオキサンから製造されたもしくは前記シルセスキオキサンで変性されたポリマーの特性に広い範囲で影響を及ぼすことができる。ポリマーの多くの熱的及び機械的特性は、シルセスキオキサンの共重合、グラフトもしくはブレンドにより改善され、この場合、例えば多様なモジュラス、温度安定性、多様な材料に対する付着特性、酸化安定性及び引掻抵抗及び引裂抵抗を挙げることができる。
【0002】
最近では、金属含有シルセスキオキサンも、触媒としての使用可能性に関して、次第に重要になってきている(Chem. Eur. J. 2000, 6, 25-32)。
【0003】
Voronkov及びLavrent'yevが記載しているように、完全に縮合されたオリゴマーのするシルセスキオキサンの合成は、一般に、三官能性のRSiY前駆体(式中、Rは炭化水素基を表し、Yは加水分解可能基、例えばCl、アルコキシド、シロキシドを表す)の加水分解縮合により行われる(Top. Curr. Chem. 1982, 102, 199 - 236)。反応速度、オリゴマー化度及び収率は、RSiYモノマーに関する濃度、溶剤、置換基RもしくはY、温度、添加されたHOの量及び触媒に依存する。加水分解による縮合のために、酸性触媒及び塩基性触媒の使用が記載されている。塩基として、KOHの他に、MeNOH、EtNOH及びトリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシドも使用される。一般に、しかしながら、極めて長い反応時間及び極めて不十分な収量が観察される。しかしながら、式RSi12及び構造1
【0004】
【化1】

[式中、R=C11、C11、C等]の完全に縮合したシルセスキオキサンは、この方法により製造される。しかしながら、化合物(イソブチル)Si12の塩基触媒による合成は、この場合に記載されていない。
【0005】
Lichtenhan et al.は、オリゴマーのシルセスキオキサンの同様に塩基触媒による製造を記載している(WO 01/10871)。この場合、(イソブチル)SiClから出発する化合物(イソブチル)Si12の合成も記載されている。しかしながら、このために溶剤として毒性のジクロロメタンを溶剤として使用して、その溶剤中でモノマーを還流させるだけでなく、不所望にも、中間体としてのポリシルセスキオキサン[(イソブチル)SiO1.5の単離も必要である。同様に、加水分解による縮合の副生成物としてのHClの形成も欠点である。次に、別個の反応工程で行われる、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドの使用下でのポリシルセスキオキサン樹脂の塩基触媒による変換は、次いで[(イソブチル)Si12]を30%の適度な収率で提供する。この煩雑な反応手順を3回繰り返すことによってのみ、この収率を60%に向上させることができる。
【0006】
本発明の課題は、式RSi12(R、R、R、R、R、R、R、R=置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素;a+b+c+d+e+f+g+h=8)及び構造1
【0007】
【化2】

の完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサンの有効な製造方法を提供することであり、前記方法により、式RSi12及び構造1のシルセスキオキサンは、ポリマーのシルセスキオキサンの合成を介する迂回を行う必要がなく、短い反応時間でかつ高収率で、できる限り90%を上回り直接製造できる。
【0008】
意外にも、本発明による方法を用いて、式RSi12(R、R、R、R、R、R、R、R=同じ又は異なり、置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素;a+b+c+d+e+f+g+h=8)及び構造1の完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサンを短い反応時間でかつ極めて高収率で製造できることが見出された。反応中間体としてのポリシルセスキオキサンの単離を介する迂回は、本発明による方法では必要ではなく、むしろタイプRSiXのモノマーの化合物が、出発化合物として直接使用でき、その際、R=置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素、及びXは加水分解可能基及び/又は縮合可能基である。同様に、塩素化された溶剤の使用もあまり必要ではない。
【0009】
従って、本発明の対象は、式RSi12及び構造1
【0010】
【化3】

[R、R、R、R、R、R、R、R=同じ又は異なり、置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素;a+b+c+d+e+f+g+h=8]のオリゴマーの、完全に縮合したシルセスキオキサンの製造方法において、出発物質としてタイプRSiXのモノマーの化合物を塩基触媒のもとで直接反応させて式RSi12のオリゴマーのシルセスキオキサンにし、その際、Rは置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基又は水素であることができ、Xは加水分解可能基及び/又は縮合可能基であり、その際、反応の開始時のタイプRSiXの全ての出発物質の合計対塩基の物質量比は500:1〜3:1であることを特徴とする、オリゴマーの、完全に縮合したシルセスキオキサンの製造方法である。
【0011】
同様に、本発明の対象は、請求項1から24までの少なくとも1項記載の方法により製造されたオリゴマーのシルセスキオキサン、並びに完全には縮合されていないシルセスキオキサン、官能化されたシルセスキオキサン、触媒及び前記触媒の出発化合物の合成のための並びにポリマーの合成並びに改質のための前記シルセスキオキサンの使用である。
【0012】
本発明の利点は、ポリマーを合成及び改質する適用のために直接用いられるだけでなく、更に官能化された、完全には縮合していないシルセスキオキサン及びその多様な継続生成物への更なる誘導化のための重要な出発物質として用いられ、それ自体また触媒の出発物質として並びにポリマーの合成及び改質のために用いられる、式RSi12の及び構造1のシルセスキオキサンを簡単な方法を用いて高収率で提供できることにある。今まで、構造1の化合物は、単に低収率で長い反応時間により得られており、その際、この合成は部分的に、単離された中間体としてポリシルセスキオキサンを介した迂回が必要であった。
【0013】
[(イソブチル)Si12]の特に有効な製造方法を提供することが特に有利である、それというのも出発物質として使用されるモノマー前駆体の(イソブチル)SiX(X=OMe、OEt、Cl)は大規模工業的に安価に入手できるためである。その他に、式RSi12の化合物はシルセスキオキサン化学において最も重要である、それというのも塩基触媒により官能化すべき、不完全に縮合されたシラセスキオキサン、例えばRSi(OH) 2又はRSi11(OH) 3及びRSi10(OH) 4に反応させることができ(Chem. Commun. 1999, 2309-10; Polym. Mater. Sci. Eng. 2000, 82, 301-2; WO 01/10871)、かつ従って多様な不完全に縮合されかつ官能化されたシルセスキオキサン用の基本化合物として利用できるためであり、前記シルセスキオキサンはまた触媒及びその出発化合物のために並びにポリマーの合成もしくは改質のために使用することができる。
【0014】
【化4】

【0015】
本発明による方法は、次に例示的に記載するが、この方法は本発明を制限するものではない。式RSi12及び構造1
【0016】
【化5】

[R、R、R、R、R、R、R、R=同じ又は異なり、置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素;a+b+c+d+e+f+g+h=8]のオリゴマーの、完全に縮合したシルセスキオキサンの本発明による製造方法は、出発物質としてタイプRSiXのモノマーの化合物を塩基触媒のもとで直接反応させて式RSi12のオリゴマーのシルセスキオキサンにし、その際、Rは置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基又は水素であることができ、Xは加水分解可能基及び/又は縮合可能基であり、その際、反応の開始時のタイプRSiXの全ての出発物質の合計対塩基の物質量比は500:1〜3:1であることを特徴とする。比較的小さな物質量比を使用した場合に、完全に縮合したシルセスキオキサンの収量は減少し、完全には縮合していないシルセスキオキサンの収量は増加する。
【0017】
この反応は、一つの反応容器中に各成分を添加することにより行うのが有利である。各成分の添加の後、しかしながら各成分の添加中でも、反応混合物中の各成分は十分に混合されることに配慮するのが好ましい。このことは当業者に公知の手段及び方法で、例えば撹拌又は乱流を引き起こすことにより行うことができる。
【0018】
出発物質としてタイプRSiX(式中、X=OH、ONa、OK、OR′、OCOR′、OSiR′、Cl、Br、I又はNR′、特に有利に、X=OH、OR′、OCOR′又はCl、その際、R′は有機基を表す)のモノマーの化合物を使用するのが有利である。出発物質としてタイプRSiX(式中、X=OR′、その際、R′は有機基である)のモノマーの化合物を使用するのが更に特に有利である。
【0019】
反応を制御もしくは促進するために、触媒として塩基を使用する必要がある。塩基性の触媒として、OH、R′O、R′COO、R′NH、R′CONR′、R′、CO2−、PO3−、SO2−、NO、F、NR′、R′NO(前記式中、R′は有機基を表す)から選択される化合物又はイオンを使用するのが有利である。塩基性触媒として、KOH、NaOH、(C)NOH、CCH(CHNOH、(CHNOH及び(CNから選択される少なくとも1種の化合物を使用するのが特に有利である。アルカリ金属水酸化物、例えばKOHを使用するのが更に特に有利である。これらの例の列挙は、本発明を制限するものではない、それというのもいかなる塩基性触媒を使用できるためである。
【0020】
この塩基触媒による反応は、溶液中で行われる。溶剤として、極性溶剤も、無極性溶剤も使用できる。溶剤として、アルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル、酸、エステル、無水物、アルカン、芳香族化合物及びニトリルのグループから選択されるハロゲン不含の溶剤又はこれらの溶剤の混合物を使用するのが有利である。溶剤としてアルコール、エーテル、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン又はトルエンを使用するのが特に有利である。アセトン、メタノール、エタノール又はこれらの2以上の化合物の混合物を溶剤として使用するのが更に特に有利である。
【0021】
全ての出発物質RSiXの合計の反応溶液中の濃度は、本発明による方法の場合に、有利に0.01mol/l〜10mol/l、有利に0.1mol/l〜2mol/l、特に有利に0.2〜1mol/l、更に特に有利に0.3〜0.8mol/lである。0.5mol/lのモノマー濃度が更に特に有利である。
【0022】
この方法の成果にとって重要なのは、使用された全ての出発物質RSiXの合計対使用された塩基の物質量比である。この物質量比は本発明による方法の場合に500:1〜3:1、有利に100:1〜5:1、特に有利に50:1〜10:1である。25:1の物質量比が更に特に有利である。より多量の塩基を使用することにより、式RSi12の完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサンは得られず、例えば、WO 01/10871、第26頁、13〜21行に記載されているように、不完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサンが形成される。
【0023】
反応混合物に水を添加するのが有利である。しかしながら、部分的に溶剤中に存在する痕跡量の水で十分であるかもしくはこの反応は反応の開始時に水の存在なしで行われる。本発明による方法により式RSi12の完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサンの製造のために、水対使用された出発物質RSiXの合計の物質量比1000:1〜0.1:1、有利に100:1〜0.5:1、特に有利に50:1〜1:1を使用するのが有利である。10:1〜2:1の物質量比を選択するのが更に特に有利である。
【0024】
本発明による方法は、−50〜300℃の温度で、有利に0〜200℃の温度で、特に有利に20〜100℃の温度で実施することができる。反応を、反応溶液の沸点を下回る温度で実施するのが更に特に有利である。反応の間に温度を変更することも考えられる。生成物をできる限り完全に単離するために、反応の終了時に温度を低下させるのが有利である。
【0025】
この方法は、連続的又はバッチ運転で実施することができる。
【0026】
塩基触媒による反応の終了後に、目的生成物のRSi12は、当業者に公知の手段及び方法で反応混合物から分離することができる。有利にこの目的生成物を反応混合物から沈殿させ、その際この沈殿は適当な手段、例えば塩の添加又は溶液の過冷却により促進することができる。
【0027】
場合により、この反応の開始時に、少量の目的生成物RSi12を反応溶液に添加し、目的生成物のより良好な沈殿を生じさせることができる。
【0028】
本発明の対象は、更に、本発明による方法により製造された、構造1のRSi12(式中、R、R、R、R、R、R、R、R=置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素;a+b+c+d+e+f+g+h=8)のタイプのオリゴマーのシルセスキオキサンである。
【0029】
このシルセスキオキサンは、広い使用分野を有するポリマーの合成及び改質のために使用できる。一方でR基自体に関して、他方でこの性質の官能化及びシルセスキオキサンの特性像に関して広範囲に変化させることができるため、全ての使用されたポリマーの組合せも可能である。適当なシルセスキオキサン生成物の添加は、多数のポリマーにおいてレオロジー特性、接着特性及び結合特性並びにガス及び液体に対する遮断作用に有利に影響を及ぼすことができる。このような有機ポリマーは、例えばポリオレフィン、無定形ポリアルファオレフィン、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミド化合物、ポリエステル、コポリエステル、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリカーボナート、ポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン、ポリシラン、ゴム、ゴム化合物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルコポリマー、ポリスチレン、スチレンのコポリマー、ABS−ポリマー及びオレフィンコポリマー及びオレフィンターポリマーである。ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボナート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリシロキサン、ポリシラン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル及び塩化ビニルコポリマー、ポリスチレン及びスチレンのコポリマー、ABS−ポリマー及びゴムは、タイプRSi12の完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサンとブレンドすることにより更に複合材料が形成される。生じるポリマーは、例えば被覆、塗料、射出成形又は押出成形された成形品、カレンダ処理されたシート、潤滑剤、接着剤、化粧品、医薬品、繊維、ガラス繊維又は包装材料の形で使用することができる。その他に、このポリマーは生物学的活性の及び殺菌性の生成物として、電子材料用に、宇宙航空学において、及び医学的プロテーシスの製造のために使用することができる。
【0030】
ブレンドによるポリマーの改質の他に、タイプRSi12の完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサンをポリマー表面に塗布することも可能である。タイプRSi12の完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサンのポリマー添加物としての作用は、得られるポリマー中でガラス転移温度、分解温度、ひいては使用温度を高め、引裂抵抗、衝撃抵抗、引掻抵抗及び機械的硬度を高め、密度を低下させ、伝熱性、熱膨張率及び誘電率及び粘度を低下させ、表面張力及び接着性を変更し、引火性、燃焼性及び熱発生を低下させ、O透過性、酸化安定性及び腐食安定性を高め、加工を容易にしかつ収縮プロセスを抑制することにある。
【0031】
本発明の方法により製造されたタイプRSi12(R、R、R、R、R、R、R、R=置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素;a+b+c+d+e+f+g+h=8)の化合物は、完全には縮合されていないシルセスキオキサンの製造のために使用することができる。完全には縮合されていないシルセスキオキサンの例は、例えばRSi(OH) 2、RSi11(OH) 3及びRSi10(OH) 4のタイプの化合物である。この化合物及び他の化合物はそれ自体、また多様な官能化されたシルセスキオキサンに変換することができる。タイプRSi(OH) 2の特別な化合物は、最も多様に誘導化することにより、多様な有用な官能化されたシルセスキオキサンに変換することができる。この官能化されたシルセスキオキサンは、例えばオキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シリル基、シリルアルコキシ基、カルボキシ基、ハロゲン基、エポキシ基、エステル基、フルオロアルキル基、イソシアナト基、アクリラート基、メタクリラート基、ニトリル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、ホスフィン基、シロキサン基、シラン基及びシラノール基もしくはこれにより変性された飽和又は不飽和の炭化水素基を有することができる。基Rの後からの修飾もしくは置換も、もちろん可能である。不完全に縮合した並びに特に官能化されたシルセスキオキサンは、それ自体、ブレンド、グラフト、重合、共重合又は表面上に塗布することにより、ポリマー(例えばポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボナート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリシロキサン、ポリシラン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル及び塩化ビニルコポリマー、ポリスチレン及びスチレンのコポリマー、ABSポリマー及びゴム)の合成及び改質のために利用することができる。この生じるポリマーは、タイプRSi12の完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサンについて前記した適用範囲と同様に使用することができ、その際、不完全に縮合した並びに官能化されたシルセスキオキサンは、生じるポリマーの同様に前記した特性の改善を生じさせる。ポリマー添加物としての使用の他に、この不完全に縮合した並びに官能化されたシルセスキオキサンは、それ自体、医薬品、化粧品、殺菌剤及び生物活性物質として使用することもできる。
【0032】
本発明による方法により得られる完全に縮合したオリゴマーのシルセスキオキサRSi12を介して製造可能な、不完全に縮合したシルセスキオキサン並びに官能化されたシルセスキオキサンは、触媒用の出発化合物として利用することができる。不完全に縮合したもしくは官能化されたシルセスキオキサンは、この場合に金属化合物との反応により均一系触媒及び不均一系触媒を形成することができ、これらの触媒はそれ自体、酸化、メタセシス、C−Cカップリング反応、オリゴマー化、重合、付加、還元、脱離、転移のために使用できる。この場合、ランタノイド及びアクチノイド及び第3主族及び第4主族を含めた副族の金属の金属化合物との反応が有利である。
【0033】
本発明により製造されたシルセスキオキサンは、特に塗料及び印刷インキにおいて、レオロジー特性、沈殿挙動、塗工特性並びに塗工皮膜もしくは印刷皮膜の表面特性の改善のために使用できる。
【0034】
次の実施例は本発明を詳細に説明するが、本発明の保護範囲を限定しない。
【0035】
実施例1: (イソブチル)Si(OMe)からの(イソブチル)Si12の合成
アセトン4300ml中のイソブチルトリメトキシシラン((イソブチル)Si(OMe))446g(2.5mol)の溶液に、HO 200ml中のKOH 6.4(0.11mol)の溶液を撹拌しながら添加した。この反応混合物を次に30℃で3日間撹拌した。生じる沈殿物を濾別し、真空中で70℃で乾燥させた。生成物の(イソブチル)Si12が262g(96%)の収量で得られた。
【0036】
場合により、反応の開始時に(イソブチル)Si12 10gを生成物の沈殿を改善するために添加することができる。
【0037】
反応パラメータ:[Si]=0.50M、[OH]=0.02M、[HO]=2.2M。
【0038】
実施例2(本発明によるものではない): (イソブチル)Si(OMe)からの(イソブチル)Si12の合成(WO 01/10871)
(イソブチル)SiCl 8.3ml(0.05mol)を、強力に撹拌しながら、CHCl 200mlと水5mlとの混合物に添加した。引き続き、この混合物を一晩中還流させた。この反応混合物を冷却した後、CHCl相をデカントにより除去し、CaCl 5gで乾燥させた。溶剤を蒸発させた後、ポリマーの[(イソブチル)SiO1.5樹脂が定量的収量で得られた。この樹脂の29Si{H}NMR分光分析は、シルセスキオキサン樹脂に対して特徴的な広い共鳴を示し、離散した多面体のシルセスキオキサン[(イソブチル)SiO1.5(n=6、8、10、12、14)に属することができる鮮鋭な共鳴は示さなかった。ポリマーの[(イソブチル)SiO1.5樹脂の塩基触媒による反応は、メチルイソブチルケトン25ml中で還流させながら48時間加熱することにより達成され、その際、十分なCCHN(CH)OHが添加され、著しく塩基性の溶液を生じさせた(メタノール中40%の溶液約2ml)。溶剤の留去(25℃、0.01Torr)の後に、樹脂状の固体が得られ、この固体にアセトン15mlを添加した。濾別後に、[(イソブチル)SiO1.5 1.64g(収率30%)が白色の微結晶固体として得られた。アセトン溶液の蒸発により、更なるポリマーの[(イソブチル)SiO1.5]∞樹脂が生じ、これを塩基触媒による反応により更なる[(イソブチル)SiO1.5が生じた。塩基触媒による3回の反応の後の全体の収率は、一般に60%より高い。
【0039】
実施例3: (イソブチル)Si12からの(イソブチル)Si(OH)の合成(不完全に縮合したシルセスキオキサンの合成例)
55℃の温度で、(イソブチル)Si12 55g(63mmol)を、HO 5.0ml(278mmol)及びLiOH 10.0g(437mmol)を含有するアセトン−メタノール混合物(容積比84:16)500ml中に注ぎ込んだ。この反応混合物を、次いで55℃で18時間撹拌し、その後で1N塩酸500mlに添加した。5分間攪拌した後に、得られた固体を濾別し、CHOH 100mlで洗浄した。空気で乾燥させた後、(イソブチル)Si(OH) 54.8g(96%)が得られた。
【0040】
反応パラメータ:[Si]=約1.0M、[OH]=0.87M、[HO]=0.56M。
【0041】
実施例4: (イソブチル)Si(OH)と、3−クロロプロピルトリメトキシシランとの反応(官能化されたシルセスキオキサンの合成例)
THF20ml中の(イソブチル)Si(OH) 10.0g(12.6mmol)の溶液に、20℃で3−クロロプロピルトリメトキシシラン2.4mlを添加した。EtNOH(HO中の35%溶液、塩基1.2mmol、HO 18mmol)0.5mlの添加の後に一晩中撹拌した。生じた白色懸濁液に、MeOH100mlを添加した。濾別後に、この残留物をアセトン50mlで2回洗浄した。5の化合物6.0g(収率60%)が得られた。
【0042】
【化6】

【0043】
実施例5: (イソブチル)Si(OH)と、Ti(O−i−Pr)との反応(触媒の合成例)
ヘキサン25ml中の(イソブチル)Si(OH) 2.37g(3mmol)に、Ti(O−i−Pr)0.91ml(3mmol)を添加した。この混合物は、50℃の温度で1.5時間撹拌した。撹拌の完了後に溶剤を蒸発させた。白色粉末2.59gが得られ、これはH−NMR(CDCl)及び29Si−NMR(CDCl)によって化合物6として同定された。
【0044】
【化7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式RSi12及び構造1
【化1】

[R、R、R、R、R、R、R、R=同じ又は異なり、置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素;a+b+c+d+e+f+g+h=8]のオリゴマーの、完全に縮合したシルセスキオキサンの製造方法において、出発物質としてタイプRSiXのモノマーの化合物を塩基触媒のもとで直接反応させて式RSi12のオリゴマーのシルセスキオキサンにし、その際、Rは置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基又は水素を表し、Xは加水分解可能な基及び/又は縮合可能な基を表し、その際、反応の開始時のタイプRSiXの全ての出発物質の合計対塩基の物質量比は500:1〜3:1であることを特徴とする、オリゴマーの、完全に縮合したシルセスキオキサンの製造方法。
【請求項2】
出発物質としてタイプRSiXのモノマーの化合物を使用し、その際、X=OH、ONa、OK、OR′、OCOR′、OSiR′、Cl、Br、I又はNR′であり、R′は有機基を表すことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
出発物質としてタイプRSiXのモノマーの化合物を使用し、その際、X=OH、OR′、OCOR′又はClであり、R′は有機基を表すことを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
塩基性の触媒として、OH、R′O、R′COO、R′NH、R′CONR′、R′、CO2−、PO3−、SO2−、NO、F、NR′、R′NO(前記式中、R′は有機基を表す)から選択される化合物又はイオンを使用することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
塩基性の触媒として、KOH、NaOH、(CNOH、CCH(CHNOH、(CHNOH及び/又は(CNを使用することを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
塩基性の触媒としてKOHを使用することを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
反応を溶液中で実施することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
溶剤として、アルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル、酸、エステル、無水物、アルカン、芳香族化合物及びニトリルから選択されるハロゲン不含の溶剤又はこれらの溶剤の混合物を使用することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
アセトン、メタノール又はエタノール又はこれらの化合物の2つ又はそれ以上の混合物を溶剤として使用することを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
タイプRSiXの全ての出発物質の合計対塩基の物質量比は100:1〜5:1であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
タイプRSiXの全ての出発物質の合計対塩基の物質量比は50:1〜10:1であることを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
塩基触媒による反応を水の存在で実施することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
使用された水対タイプRSiXの全ての出発物質の合計の物質量比は1000:1〜0.1:1であることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
使用された水対タイプRSiXの全ての出発物質の合計の物質量比は10:1〜2:1であることを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項15】
塩基触媒による反応を、−50℃〜300℃の温度で実施することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
塩基触媒による反応を、0℃〜200℃の温度で実施することを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
オリゴマーのシルセスキオキサンの製造を、溶剤の沸点を下回る温度で実施することを特徴とする、請求項7から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
タイプRSiXの出発物質の溶液中の出発濃度の合計は0.01mol/l〜10mol/lであることを特徴とする、請求項7から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
タイプRSiXの出発物質の溶液中の出発濃度の合計は0.3mol/l〜0.8mol/lであることを特徴とする、請求項18記載の方法。
【請求項20】
式RSi12(式中、R=置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素)のオリゴマーの完全に縮合したシルセスキオキサンを製造することを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
式(イソブチル)Si12のオリゴマーの完全に縮合したシルセスキオキサンを製造することを特徴とする、請求項20記載の方法。
【請求項22】
(イソブチル)Si12の製造のための出発物質として、タイプ(イソブチル)SiX(式中、Xは加水分解可能基及び/又は縮合可能基である)のモノマーの化合物を使用することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか1項記載の方法により製造された、オリゴマーのシルセスキオキサン。
【請求項24】
完全には縮合していないシルセスキオキサン、官能化されたシルセスキオキサン、触媒及び前記触媒の出発化合物の合成のための並びにポリマーの合成もしくは改質のための、請求項23記載のオリゴマーのシルセスキオキサンの使用。
【請求項25】
完全には縮合していないシルセスキオキサン、官能化されたシルセスキオキサン、触媒及び前記触媒の出発化合物の合成のための並びにポリマーの合成もしくは改質のための、式RSi12(R=置換されているか又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素)及び構造1のオリゴマーのシルセスキオキサンの使用。
【請求項26】
ポリオレフィン、無定形ポリアルファオレフィン、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミド化合物、ポリエステル、コポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリラート、ポリカーボナート、ポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン、ポリシラン、ゴム、ゴムコンパウンド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルコポリマー、ポリスチレン、スチレンのコポリマー、ABSポリマー及びオレフィンコポリマー及びオレフィンターポリマーにおいて、接着特性及び結合特性、レオロジー特性及び/又はガス液体に対する遮断特性を改善するための、請求項23記載のオリゴマーのシルセスキオキサンの使用。
【請求項27】
塗料及び印刷インキにおいて、レオロジー特性、沈殿挙動、塗工特性並びに塗工皮膜もしくは印刷皮膜の表面特性の改善のための、請求項23記載のオリゴマーのシルセスキオキサンの使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式RSi12及び構造1
【化1】

[R、R、R、R、R、R、R、R=同じ又は異なり、置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素;a+b+c+d+e+f+g+h=8]のオリゴマーの、完全に縮合したシルセスキオキサンの製造方法において、出発物質としてタイプRSiXのモノマーの化合物を塩基触媒のもとで直接反応させて式RSi12のオリゴマーのシルセスキオキサンにし、その際、Rは置換された又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基又はヘテロアリール基又は水素を表し、Xは加水分解可能な基及び/又は縮合可能な基を表し、その際、反応の開始時のタイプRSiXの全ての出発物質の合計対塩基の物質量比は500:1〜3:1であることを特徴とする、オリゴマーの、完全に縮合したシルセスキオキサンの製造方法。
【請求項2】
出発物質としてタイプRSiXのモノマーの化合物を使用し、その際、X=OH、ONa、OK、OR′、OCOR′、OSiR′、Cl、Br、I又はNR′であり、R′は有機基を表すことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
出発物質としてタイプRSiXのモノマーの化合物を使用し、その際、X=OH、OR′、OCOR′又はClであり、R′は有機基を表すことを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
塩基性の触媒として、OH、R′O、R′COO、R′NH、R′CONR′、R′、CO2−、PO3−、SO2−、NO、F、NR′、R′NO(前記式中、R′は有機基を表す)から選択される化合物又はイオンを使用することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
塩基性の触媒として、KOH、NaOH、(CNOH、CCH(CHNOH、(CHNOH及び/又は(CNを使用することを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
塩基性の触媒としてKOHを使用することを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
反応を溶液中で実施することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
溶剤として、アルコール、ケトン、アルデヒド、エーテル、酸、エステル、無水物、アルカン、芳香族化合物及びニトリルから選択されるハロゲン不含の溶剤又はこれらの溶剤の混合物を使用することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
アセトン、メタノール又はエタノール又はこれらの化合物の2つ又はそれ以上の混合物を溶剤として使用することを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
タイプRSiXの全ての出発物質の合計対塩基の物質量比は100:1〜5:1であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
タイプRSiXの全ての出発物質の合計対塩基の物質量比は50:1〜10:1であることを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
塩基触媒による反応を水の存在で実施することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
使用された水対タイプRSiXの全ての出発物質の合計の物質量比は1000:1〜0.1:1であることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
使用された水対タイプRSiXの全ての出発物質の合計の物質量比は10:1〜2:1であることを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項15】
塩基触媒による反応を、−50℃〜300℃の温度で実施することを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
塩基触媒による反応を、0℃〜200℃の温度で実施することを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
オリゴマーのシルセスキオキサンの製造を、溶剤の沸点を下回る温度で実施することを特徴とする、請求項7から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
タイプRSiXの出発物質の溶液中の出発濃度の合計は0.01mol/l〜10mol/lであることを特徴とする、請求項7から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
タイプRSiXの出発物質の溶液中の出発濃度の合計は0.3mol/l〜0.8mol/lであることを特徴とする、請求項18記載の方法。
【請求項20】
式RSi12(式中、R=置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素)のオリゴマーの完全に縮合したシルセスキオキサンを製造することを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
式(イソブチル)Si12のオリゴマーの完全に縮合したシルセスキオキサンを製造することを特徴とする、請求項20記載の方法。
【請求項22】
(イソブチル)Si12の製造のための出発物質として、タイプ(イソブチル)SiX(式中、Xは加水分解可能基及び/又は縮合可能基である)のモノマーの化合物を使用することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
完全には縮合していないシルセスキオキサン、官能化されたシルセスキオキサン、触媒及び前記触媒の出発化合物の合成のための並びにポリマーの合成もしくは改質のための、請求項1から22のいずれか1項記載の方法により製造されたオリゴマーのシルセスキオキサンの使用。
【請求項24】
完全には縮合していないシルセスキオキサン、官能化されたシルセスキオキサン、触媒及び前記触媒の出発化合物の合成のための並びにポリマーの合成もしくは改質のための、式RSi12(R=置換されているか又は非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、シクロアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又は水素)及び構造1のオリゴマーのシルセスキオキサンの使用。
【請求項25】
ポリオレフィン、無定形ポリアルファオレフィン、ポリアミド、コポリアミド、ポリアミド化合物、ポリエステル、コポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリラート、ポリカーボナート、ポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン、ポリシラン、ゴム、ゴムコンパウンド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルコポリマー、ポリスチレン、スチレンのコポリマー、ABSポリマー及びオレフィンコポリマー及びオレフィンターポリマーにおいて、接着特性及び結合特性、レオロジー特性及び/又はガス液体に対する遮断特性を改善するための、請求項1から22のいずれか1項記載の方法により製造されたオリゴマーのシルセスキオキサンの使用。
【請求項26】
塗料及び印刷インキにおいて、レオロジー特性、沈殿挙動、塗工特性並びに塗工皮膜もしくは印刷皮膜の表面特性の改善のための、請求項1から22のいずれか1項記載の方法により製造されたオリゴマーのシルセスキオキサンの使用。

【公表番号】特表2006−513240(P2006−513240A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565920(P2004−565920)
【出願日】平成15年1月9日(2003.1.9)
【国際出願番号】PCT/EP2003/000133
【国際公開番号】WO2004/063207
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(501073862)デグサ アクチエンゲゼルシャフト (837)
【Fターム(参考)】