説明

オレフィンの重合プロセス

下記工程を含む多工程プロセス:工程(a)プロピレン及び場合によってはエチレン又は式CH2=CHT1(式中、T1はC2−C10−アルキル基である)のαオレフィンから選択される1以上のモノマーを不活性担体上に担持された(i)式(I)の1以上のメタロセン化合物:(ii)アルモキサン又はアルキルメタロセンカチオンを形成することができる化合物;及び場合によっては(iii)有機アルミニウム化合物を含む触媒系の存在下で重合させ;工程(b)工程(a)で得られたポリマーの存在下、及び場合によっては追加の有機アルミニウム化合物の存在下で、ホモポリマーが製造されないことを条件として、重合条件下で、気相中、プロピレン又はエチレンを1以上の式CH2=CHT(式中、Tは水素又はC1−C10−アルキル基である)のαオレフィン、及び場合によっては非共役ジエンと接触させる。式(I)の化合物は明細書に記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定分類のメタロセン化合物を用いて異相プロピレンコポリマーを調製する多工程プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
2以上の反応器内で実施されるオレフィン重合用の多工程プロセスは、特許文献から公知であり、産業上の実施において特に興味のあるものである。任意の反応器において、温度、圧力、モノマーのタイプ及び濃度、水素又は他の分子量調節剤の濃度などのプロセスパラメータを独立に変動させる可能性は、単工程プロセスと比較して、最終製品の組成及び特性を制御する自由度をもっと大きくする。多工程プロセスは、一般に、種々の工程/反応器において同じ触媒を用いて実施される。1個の反応器から得られる生成物は取り出されて、触媒の性質を変えることなく、直接、次の工程/反応器に送られる。
【0003】
国際特許公開パンフレットWO 01/48034は、インデニル部位が4位において置換アリール基で置換されているビスインデニルメタロセン化合物の1分類を記載する。この文献は、この分類のメタロセン化合物を多工程プロセスに使用することを例示する。
【0004】
国際特許出願パンフレットWO 05/058916は、少なくとも1のインデニル部位が5位及び6位において縮合環で置換されているビスインデニルメタロセン化合物の1分類に関する。この文献は、異相ポリマーを調製するためのプロセスを一般的態様で記載する。この文献は、各工程をどのように実施すべきかを説明することなく、各ステージにおいて調製することができるポリマーだけを記載する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
さて、本出願人は、驚くべきことに、特定分類のビスインデニルメタロセン化合物を異相ポリマーの調製、特に高分子量を有するポリマーを高收率で達成することができるプロセス条件において、使用することを知見した。特に、異相ポリマーのゴム相が結果的に非常に高い分子量を有する。
【0006】
したがって、本発明の主題は、下記工程を含む多工程プロセスである。
工程(a)プロピレン及び場合によってはエチレン又は式CH2=CHT1(式中、T1はC2−C10アルキル基である)のαオレフィンから選択される1以上のモノマーを、
(i)式(I):
【0007】
【化1】

【0008】
の1以上のメタロセン化合物
(ii)アルモキサン又はアルキルメタロセンカチオンを形成することができる化合物;及び場合によっては
(iii)有機アルミニウム化合物;
を含む不活性担体上に担持された触媒系の存在下で、重合する工程;
工程(b)工程(a)で得られたポリマーの存在下で及び場合によっては追加の有機アルミニウム化合物の存在下で、ホモポリマーが製造されないことを条件として、重合条件下、気相中で、プロピレン又はエチレンを1以上の式CH2=CHT(式中、Tは水素又はC1−C10アルキル基である)のαオレフィン及び場合によっては非共役ジエンと接触させる工程;
ここで、工程(a)で得られるポリマーの量は全工程で得られるポリマーの5wt%〜90wt%であり、工程(b)で得られるポリマーの量は全工程で得られるポリマーの10wt%〜95wt%である。
【0009】
式(I)の化合物において、
Mは、元素周期表4族に属する遷移金属から選択される遷移金属原子であり;好ましくは、Mはジルコニウム、チタン又はハフニウムであり;
Xは、互いに同一種又は異種であり、水素原子、ハロゲン原子、R、OR、OR’O、OSO2CF3、OCOR、SR、NR2又はPR2基(式中、Rは直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基、C6−C40−アリール基、C7−C40−アルキルアリール基又はC7−C40−アリールアルキル基であり;場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含み;R’はC1−C20−アルキリデン基、C6−C20−アリーリデン基、C7−C20−アルキルアリーリデン基又はC7−C20−アリールアルキリデン基である)であり;好ましくは、Xは水素原子、ハロゲン原子、OR’O又はR基であり;より好ましくは、Xは塩素又はメチル基であり;
Lは、場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C20−アルキリデン基、C3−C20−シクロアルキリデン基、C6−C20−アリーリデン基、C7−C20−アルキルアリーリデン基又はC7−C20−アリールアルキリデン基から選択される二価橋かけ基であり、又は5個以下のケイ素原子を含むシリリデン基であり;好ましくは、LはSi(R112(式中、R11は直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40アルケニル基、C2−C40−アルキニル基、C6−C40−アリール基、C7−C40−アルキルアリール基又はC7−C40−アリールアルキル基であり;より好ましくは、LはSi(CH32又はSiPh2であり;
1及びR19は互いに異なっていて、Z1又はZ2基であり、Z1は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むα分枝C1−C20炭化水素基であり、Z2は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含む直鎖C1−C40炭化水素基であり;ただし、R1又はR19の一方がZ1であるときR19又はR1の他方はZ2であり;好ましくはZ1は式(II)の化合物:
【0010】
【化2】

【0011】
又は場合によってはO、N、S、P及びSe原子、特にO、N及びS原子を含む2〜20個の炭素原子を含むα分枝アリール基又はアリールアルキル基、たとえば2(5−Me−チオフェニル)基又は2(5−Me−フラニル)基であり;
式(II)の化合物において、R23及びR24は互いに同一種又は異種であり、場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基であり;好ましくは場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C10炭化水素基であり;より好ましくはR23及びR24は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C20−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基であり;より好ましくはR23及びR24は直鎖又は分枝C1−C10−アルキル基、たとえばメチル基又はエチル基であり;R25は水素原子又はR23及びR24と同じ意味を有し;より好ましくはR25は水素原子であり;
好ましくはZ2は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含む直鎖C1−C20−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基であり;好ましくは、Z2は直鎖C1−C10−アルキル基であり;より好ましくは、Z2はメチル基又はエチル基であり;
2及びR3はインデニル部位のベンゼン環に縮合した4員環〜7員環の一部であり;好ましくは5員環又は6員環の一部であり;この環は場合によっては元素周期表13〜16族に属するヘテロ原子、好ましくは15〜16族に属するヘテロ原子を含み;この環を形成する各原子の原子価はR18基で置換されており;すなわちR18基で満たされており、ここでR18は互いに同一種又は異種であって、水素原子又はC1−C40炭化水素基であり;好ましくはR18は水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属する1以上のヘテロ原子を含む直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基、C6−C40−アリール基、C7−C40−アルキルアリール基又はC7−C40−アリールアルキル基であり;より好ましくは、R18は水素原子又は直鎖又は分枝C1−C20−アルキル基であり;より好ましくは、R18は水素原子又はメチル基又はエチル基であり;この環は飽和されていてもあるいは二重結合を有していてもよく;好ましくは、R2及びR3は一緒に縮合飽和3員環〜7員環を形成し;
4は水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基であり;好ましくは、R4は水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含む直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基、C6−C40−アリール基、C7−C40−アルキルアリール基又はC7−C40−アリールアルキル基であり;好ましくは、R4は水素原子又はC1−C10−アルキル基又はC6−C40−アリール基であり;
Wは、元素周期表15〜16族に属するヘテロ原子を含んでいてもよい芳香族5員環又は6員環であり;この環の各原子の原子価は水素原子で置換されていてもよく、あるいは場合によってはR5基で置換されていてもよく、ここでR5は互いに同一種又は異種であり、場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基であり;好ましくは、R5は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含む直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基、C6−C40−アリール基、C7−C40−アルキルアリール基又はC7−C40−アリールアルキル基であり;
好ましくは、Wは式(Wa)、(Wb)及び(Wc):
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、*は式(I)の化合物のインデニル部位に結合するポイントを示す)
の部位を含む基から選択され;
6、R7、R8、R9及びR10は互いに同一種又は異種であって、水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基であり;好ましくは、R6、R7、R8、R9及びR10は水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含む直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基、C6−C40−アリール基、C7−C40−アルキルアリール基又はC7−C40−アリールアルキル基であり;
1は窒素原子又はCR10基であり;Z2は窒素原子又はCR6基であり;Z3は窒素原子又はCR7基であり;Z4は窒素原子又はCR8基であり;Z5は窒素原子又はCR9基であり;ただし、Z1、Z2、Z3、Z4及びZ5の中の2以下の基は窒素原子であり、好ましくはZ1、Z2、Z3、Z4及びZ5の中の1以下の基は窒素原子であり;
6は酸素原子、硫黄原子、NR13基又はCR13基であり;Z7は酸素原子、硫黄原子、NR14基又はCR14基であり;Z8は酸素原子、硫黄原子、NR15基又はCR15基であり;Z9は酸素原子、硫黄原子、NR16基又はCR16基であり;
10は式(I)の構造のインデニル部位に結合する窒素原子又は炭素原子であり;ただし、Z6、Z7、Z8、Z9又はZ10の中の1以下の基は硫黄原子、酸素原子又はNR13、NR14、NR15、NR16及び窒素原子から選択される窒素含有基原子であり;
13、R14、R15及びR16は互いに同一種又は異種であって、水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基であり;好ましくは、R6、R7、R8、R9及びR10は水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含む直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基、C6−C40−アリール基、C7−C40−アルキルアリール基又はC7−C40−アリールアルキル基であり;より好ましくは、R6、R7、R8、R9及びR10は水素原子、C1−C40−アルキル基又はC6−C40−アリール基である。
【0014】
好ましい実施形態において、式(Wa)の部位において、R7はC1−C40−アルキル基、好ましくは分枝C1−C40−アルキル基、たとえばtertブチル基、より好ましくは、R7は分枝C1−C40−アルキル基であり、α位にある炭素原子は三級炭素原子であり、R6、R8、R9及びR10は水素原子である。
【0015】
別の好ましい実施形態において、R10及びR8はC1−C40−アルキル基であり、好ましくはこれらは直鎖C1−C40−アルキル基、たとえばメチル基であり、R7、R8及びR9は水素基である。
【0016】
別の好ましい実施形態において、R6、R7及びR8は直鎖又は分枝C1−C40−アルキル基、たとえばメチル基又はtertブチル基であり、R10及びR9は水素原子である。
別の好ましい実施形態において、R6、R7、R8、R9及びR10は水素原子である。
【0017】
好ましい実施形態において、式(Wb)の部位において、Z1は窒素原子であり、Z2、Z3、Z4及びZ5はそれぞれCR6、CR7、CR8及びCR9であり、ここでR6、R7、R8及びR9の意味は上述のとおりである。
【0018】
別の好ましい実施形態において、Z3は窒素原子であり、Z1、Z2、Z4及びZ5はそれぞれCR10、CR6、CR8及びCR9であり、ここでR10、R6、R8及びR9の意味は上述のとおりである。
【0019】
別の好ましい実施形態において、Z2は窒素原子であり、Z1、Z3、Z4及びZ5はそれぞれCR10、CR7、CR8及びCR9であり、ここでR10、R7、R8及びR9の意味は上述のとおりである。
好ましい実施形態において、式(Wc)の部位において、Z6は酸素原子、硫黄原子、NR16基であり;好ましくは、硫黄原子又はNR16であり;ここで、R16は好ましくはC1−C40−アルキル基であり;より好ましくはZ6は硫黄原子であり;Z7、Z8、Z9及びZ10はそれぞれCR14、CR15、CR16及び炭素原子であり、ここでR14は水素原子又はC1−C40−アルキル基、たとえばメチル基又はエチル基であり;R15及びR16は水素原子又はC1−C40−アルキル基であり;
20、R21及びR22は互いに同一種又は異種であって、水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基であり;好ましくは、R20及びR21は水素原子又はC1−C10アルキル基であり、ただしこれらは共にC1−C10−アルキル基ではなく;好ましくは、R22は水素原子である。
【0020】
式(I)の化合物の好ましい分類は、式(III):
【0021】
【化4】

【0022】
を有する。式中、M、L、X、R1、R4、R14、R15、R16、R19、R20、R21、R22及びWは上述のとおりであり、R11及びR12は互いに同一種又は異種であって水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基であり;好ましくは、R11及びR12は水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含む直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基であり;より好ましくは、R11及びR12は水素原子又はC1−C10−アルキル基、たとえばメチル基又はエチル基である。
【0023】
式(I)の化合物の別の好ましい分類は、式(IV):
【0024】
【化5】

【0025】
を有する。式中、M、L、X、R1、R4、R6、R7、R8、R9、R10、R19、R20、R21、R22及びWは上述のとおりであり、R11及びR12は互いに同一種又は異種であって水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基であり;好ましくは、R11及びR12は水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含む直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基であり;より好ましくは、R11及びR12は水素原子又はC1−C10−アルキル基、たとえばメチル基又はエチル基であり;好ましくはWは上述の式(Wa)の部位である。
【0026】
式(I)の化合物は、国際特許出願PCT/EP2004/013827に準拠して調製することができる。
本発明による触媒系において成分(ii)として用いられるアルモキサンは、水と式HjAlU3-J又はHjAl26-J(式中、U置換基は同一又は異なっていて水素原子、ハロゲン原子、場合によってはケイ素原子又はゲルマニウム原子を含むC1−C20−アルキル基、C3−C20−シクロアルキル基、C6−C20−アリール基、C7−C20−アルキルアリール基又はC7−C20−アリールアルキル基であり、ただし、少なくとも1のUはハロゲンではなく、jは0〜1の範囲にある非整数である)の有機アルミニウム化合物とを反応させることにより得ることができる。この反応において、Al/水のモル比は好ましくは1:1と100:1の間である。
【0027】
本発明による触媒系において用いられるアルモキサンは、タイプ:
【0028】
【化6】

【0029】
(式中、置換基Uは同一又は異なっていて、上述のとおりである)
の少なくとも1の基を含む直鎖、分枝又は環式化合物であると考えられる。
特に、直鎖化合物の場合に、式:
【0030】
【化7】

【0031】
(式中、n1は0又は1〜40の整数であり、置換基Uは上述のとおりである)
のアルモキサンを用いることができる。
環式化合物の場合に式:
【0032】
【化8】

【0033】
(式中、n2は2〜40の整数であり、U置換基は上述のとおりである)
のアルモキサンを用いることができる。
本発明により用いることが好適なアルモキサンの例は、メチルアルモキサン(MAO)、テトラ−(イソブチル)アルモキサン(TIBAO)、テトラ−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルモキサン(TIOAO)、テトラ−(2,3−ジメチルブチル)アルモキサン(TDMBAO)及びテトラ−(2,3,3−トリメチルブチル)アルモキサン(TTMBAO)である。
【0034】
特に興味深い助触媒は国際特許出願パンフレットWO 99/21899及びWO 01/21674に記載されており、アルキル基及びアリール基は特定の分枝パターンを有する。
【0035】
国際特許出願パンフレットWO 99/21899及びWO 01/21674に記載されている水と反応して好適なアルモキサン(b)を与えることができるアルミニウム化合物の非限定的例としては、トリス(2,3,3−トリメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−ヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−エチル−ヘプチル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−プロピル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−メチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジエチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−プロピル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−イソプロピル−3−メチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−イソブチル−3−メチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3−トリメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2,3,3−トリメチル−ヘキシル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3,3−ジメチル−ペンチル)アルミニウム、トリス(2−イソプロピル−3,3−ジメチル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−トリメチルシリル−プロピル)アルミニウム、トリス(2−メチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−エチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2,3−ジメチル−3−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−フェニル−プロピル)アルミニウム、トリス[2−(4−フルオロ−フェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス[2−(4−クロロ−フェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス[2−(3−イソプロピル−フェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス(2−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(3−メチル−2−フェニル−ブチル)アルミニウム、トリス(2−フェニル−ペンチル)アルミニウム、トリス[2−(ペンタフルオロフェニル)−プロピル]アルミニウム、トリス[2,2−ジフェニル−エチル]アルミニウム及びトリス[2−フェニル−2−メチル−プロピル]アルミニウム並びにヒドロカルビル基の1個が水素原子で置換されている対応する化合物及びヒドロカルビル基の1又は2個がイソブチル基で置換されている対応する化合物を挙げることができる。
【0036】
上述のアルミニウム化合物の中でも、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリス(2,4,4−トリメチル−ペンチル)アルミニウム(TIOA)、トリス(2,3−ジメチルブチル)アルミニウム(TDMBA)及びトリス(2,3,3−トリメチルブチル)アルミニウム(TTMBA)が好ましい。
【0037】
アルキルメタロセンカチオンを形成することができる化合物の非限定的例は式D+-(式中、D+はプロトンを供与することができ、式(I)のメタロセンの置換基Xと非可逆的に反応することができるブロンステッド酸Bronsted acidであり、E-は2種の化合物の反応から発生する活性触媒種を安定化させることができ、オレフィン性モノマーにより取り除かれるべく十分に不安定である相補的アニオンである)の化合物である。好ましくは、アニオンE-は1以上のホウ素原子を含む。より好ましくは、アニオンE-は式BAr4(-)(式中、同一又は異なっていてもよい置換基Arはアリール基、たとえばフェニル基、ペンタフルオロフェニル基又はビス(トリフルオロメチル)フェニル基である)のアニオンである。国際特許出願パンフレットWO 91/02012に記載されているようなテトラキス−ペンタフルオロフェニルボレートは特に好ましい化合物である。さらに、式BAr3の化合物も簡便に用いることができる。このタイプの化合物は、たとえば、国際特許出願パンフレットWO 92/00333に記載されている。アルキルメタロセンカチオンを形成することができる化合物の他の例は、式BAr3P(式中、Pは置換又は未置換のピロール基である)の化合物である。これらの化合物は、国際特許出願パンフレットWO 01/62764に記載されている。ホウ素原子を含む化合物は、ドイツ特許公開公報DE−A−19962814及びDE−A−19962910の記載に従って簡便に支持され得る。これらのホウ素原子を含む化合物のすべては、ホウ素とメタロセンの金属との間のモル比が約1:1と約10:1;好ましくは1:1と2.1;より好ましくは約1:1で用いることができる。
【0038】
式D+-の化合物の非限定的例は、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリブチルアンモニウムテトラ(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルベンジルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルヘキシルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、N,N−ジメチルベンジルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルヘキシルアンモニウム−テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ジ(プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(シクロヘキシル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0039】
化合物(iii)として用いられる有機アルミニウム化合物は、上述のように式HjAlU3-J又はHjAIi6-Jの化合物である。
本発明のプロセスにおいて用いるべき触媒系は、不活性担体上に担持されている。これは、メタロセン化合物(i)又はメタロセン化合物(i)と成分(ii)との反応生成物を不活性担体上に堆積させるか、又は成分(ii)を不活性担体上に堆積させ次いでメタロセン化合物(i)を堆積させることにより達成される。担体は、タルク、シート状シリケート、無機酸化物又は微細分割ポリマー粉末(たとえばポリオレフィン)などの多孔性固体であってよい。適切な無機酸化物は、元素周期表2族、3族、4族、5族、13族、14族、15族及び16族の元素の酸化物の中から見つけることができる。担体として好ましい酸化物の例としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及び元素カルシウム、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム又はチタンの混合酸化物、及び対応する酸化物混合物、マグネシウムハライド、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、ポリエチレン又はポリプロピレンを挙げることができる。単独又は上述の好ましい酸化物担体との組み合わせで用いることができる他の無機酸化物は、たとえば、MgO、ZrO2、TiO2又はB23である。
【0040】
用いることができる担体の適切な分類は、活性水素原子を有する基で官能基化された多孔性有機担体により構築される。特に適切なものは、有機担体が部分的に架橋したスチレンポリマーである多孔性有機担体である。このタイプの担体は欧州特許出願EP−633 272に記載されている。
【0041】
本発明に従って用いるに特に適切な不活性担体の別の分類は、ポリオレフィン多孔性プレポリマー、特にポリエチレンである。
本発明に従って用いるに適切な不活性担体の別の適切な分類は、国際特許出願パンフレットWO 95/32995に記載されているような多孔性マグネシウムハライドである。
【0042】
用いられる担体物質は、好ましくは10〜1000m2/gの範囲にある比表面積、0.1〜5ml/gの範囲にある細孔容積及び1〜500μmの範囲にある平均粒径を有する。好ましくは、50〜500m2/gの範囲にある比表面積、0.5〜3.5ml/gの範囲にある細孔容積及び5〜350μmの範囲にある平均粒径を有する担体である。特に好ましいのは、200〜400m2/gの範囲にある比表面積、0.8〜3.0ml/gの範囲にある細孔容積及び10〜300μmの範囲にある平均粒径を有する担体である。
【0043】
無機担体は、たとえば吸着された水を除去するために熱処理に供してもよい。このような乾燥処理は、一般に80〜300℃、好ましくは100〜200℃で行われ、100〜200℃での乾燥は好ましくは減圧下及び/又は不活性ガス(たとえば窒素)のブランケットで行われる。あるいは、無機担体を200〜1000℃で焼成して、固体の所望の構造を製造するか及び/又は表面上に所望のOH濃度を固定してもよい。担体は、金属アルキルなどの慣用のデシカント、好ましくはアルミニウムアルキル、クロロシラン又はSiCl4、あるいはメチルアルミノキサンを用いて化学的に処理してもよい。
【0044】
適切な処理方法は、たとえば、国際特許出願パンフレットWO 00/31090に記載されている。
無機担体物質は、化学的に修飾されてもよい。たとえば、(NH42SiF6によるシリカゲルの処理はシリカゲル表面のフッ素化を誘発し、又は窒素−、フッ素−又は硫黄−含有基を含むシランによるシリカゲルの処理は対応する修飾シリカゲル表面を誘発する。
【0045】
微細分割ポリオレフィン粉末(たとえばポリエチレン、ポリプロピレン又はポリスチレン)などの有機担体物質もまた用いることができ、好ましくは、使用前に、接着水分、溶媒残渣その他の不純物を適切な浄化及び乾燥操作によって同様に取り除く。官能基化されたポリマー担体、たとえばポリスチレン系担体を用いることもでき、それらの官能基、たとえばアンモニウム基又はヒドロキシ基を介して、少なくとも1の触媒成分を固定することができる。そのまま又は必要に応じて水で予備反応されたアルキルアルミニウム化合物のさらなる添加との組み合わせにおいて、担体上に本発明の触媒系を担持することにより得られる固体化合物も有用であり得る。
【0046】
好ましくは、工程(a)は予備重合工程(a−1)をさらに含む。
予備重合工程(a−1)は、触媒系とエチレン、プロピレン又は1以上の式CH2=CHT1(式中、T1はC2−C20−アルキル基である)のαオレフィンとを接触させることによって行うことができる。好ましくは触媒系1グラム当たり5〜500gのポリマーを含む予備重合された触媒系を得るために、好ましくは、αオレフィンは、−20℃〜70℃の範囲の温度でのプロピレン又はエチレンである。
【0047】
よって、好ましくは、工程(a)は、
(a−1)好ましくは触媒系1グラム当たり5〜500gのポリマー、好ましくは触媒系1グラム当たり5〜100gのポリマーを含む予備重合された触媒系を得るために、上述の触媒系をエチレン及び/又はプロピレン及び/又は1以上の式CH2=CHT1(式中、T1はC2−C20−アルキル基である)のαオレフィン、好ましくはプロピレン又はエチレンと接触させる工程;
(a−2)工程(a−1)で得た予備重合された触媒系の存在下で、プロピレン及び場合によってはエチレン及び式CH2=CHT1(式中、T1はC2−C20−アルキル基である)のαオレフィンから選択される1以上のモノマーを重合させる工程
を含む。
【0048】
本発明の工程(a)は、重合媒体が不活性炭化水素溶媒であるか重合媒体が液体プロピレンであってよく、場合によっては不活性炭化水素溶媒の存在下、及びエチレン又は式CH2=CHT1の1以上のコモノマーの存在下で、液相中で行うことができ、あるいは工程(a)は気相中で行うことができる。この炭化水素溶媒は、芳香族(トルエンなど)又は脂肪族(プロパン、ヘキサン、ヘプタン、イソブタン、シクロヘキサン及び2、2、4−トリメチルペンタンなど)のいずれであってもよい。
【0049】
好ましくは、重合媒体は液体プロピレンである。場合によっては、少量(40wt%以下、好ましくは20wt%以下、より好ましくは5wt%以下)の不活性炭化水素溶媒又はエチレン又は式CH2=CHT1のαオレフィンなどの1以上のコモノマーを含んでいてもよい。コモノマー及び不活性炭化水素溶媒の両方の混合物が存在していてもよい。
【0050】
工程(a)は、水素の存在下で行うことができる。重合反応中に存在する水素/プロピレンの割合は、好ましくは反応器中に存在するプロピレンに対して1ppmよりも高く;より好ましくは反応器中に存在するプロピレンに対して5〜2000ppmの範囲であり;さらにより好ましくは反応器中に存在するプロピレンに対して6〜500ppmの範囲である。水素は、重合反応の初期に添加してもあるいは予備重合工程が行われた後のより遅いステージで添加してもよい。工程(a)で得られたプロピレンポリマーは、プロピレンホモポリマー又はエチレン又は1以上の式CH2=CHT1のαオレフィンの誘導単位を20mol%以下、好ましくは0.1〜10mol%、より好ましくは1mol%〜5mol%含むプロピレンコポリマーである。本発明のプロセスにおいて用いることができる式CH2=CHT1のαオレフィンの非限定的例は、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4、6−ジメチル−1−ヘプテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−エイコサンである。好ましいコモノマーはエチレン又は1−ブテンである。
【0051】
工程(a)で得られたポリマーの量は、全プロセスで製造されるポリマー総量の5wt%〜90wt%、好ましくは全プロセスで製造されるポリマー総量の10wt%〜70wt%;より好ましくは全プロセスで製造されるポリマー総量の30wt%〜60wt%である。
【0052】
好ましくは、工程(a)において、プロピレンホモポリマー又は10wt%未満のエチレン含量を有するプロピレン/エチレンコポリマーが調製される。
工程(b)は、気相中、好ましくは流動床反応器内又は連続撹拌槽反応器内で行われる。重合温度は、一般に−100℃と+200℃の間、好ましくは10℃と+100℃との間である。重合圧力は、一般に0.5barと100barとの間である。工程(b)で得られるポリマーの量は、全プロセスで製造されるポリマーの10wt%〜95wt%の範囲、好ましくは全プロセスで製造されるポリマーの30wt%〜90wt%、より好ましくは全プロセスで製造されるポリマーの70wt%〜40wt%の範囲であり;別の有用な範囲は全プロセスで製造されるポリマーの61wt%〜80wt%である。
【0053】
工程(b)は、水素の存在下で行うことができる。重合反応中に存在する水素/エチレンの比率は、反応器内に存在する優勢なモノマーが何であるかに依存して、エチレン又はプロピレンに対して好ましくは1ppmよりも高く;より好ましくは5ppm〜2000ppmであり;さらにより好ましくは6ppm〜500ppmである。
【0054】
工程(b)において、4mol%〜90mol%、好ましくは15mol%〜60mol%の式CH2=CHTのコモノマーの誘導単位及び場合によっては20%以下の非共役ジエンの誘導単位を有するエチレン又はプロピレンコポリマーが製造される。本発明の工程(b)において用いることができる式CH2=CHTのコモノマーの例は、プロピレン及びエチレンの他には、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4、6−ジメチル−1−ヘプテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−エイコサンである。
【0055】
本発明の工程(b)において、プロピレンコポリマー又はエチレンコポリマーを製造することができる。プロピレンコポリマーが製造される場合、プロピレンは、工程(a)で得られたポリマーの存在下及び場合によっては追加の有機アルミニウム化合物の存在下で、式CH2=CHT(式中、Tは水素又はC1−C10−アルキル基である)のαオレフィン、及び場合によっては非共役ジエンと共重合される。ただし、ホモポリマーは製造されない。適切な式CH2=CHTのコモノマーの例は、上述のとおりである。プロピレンと一緒に用いられるべき好ましいコモノマーは、エチレン、1−ブテン及び1−ヘキセンである。
【0056】
エチレンコポリマーが製造される場合、工程(a)で得られたポリマーの存在下及び場合によっては追加の有機アルミニウム化合物の存在下で、エチレンは式CH2=CHT(式中、Tは水素又はC1−C10−アルキル基である)のαオレフィン、及び場合によっては非共役ジエンと共重合される。ただし、ホモポリマーは製造されない。式CH2=CHTの適切なコモノマーの例は、上述のとおりである。エチレンと一緒に用いられるべき好ましいコモノマーは1−ブテン及び1−ヘキセンである。
【0057】
工程(b)で得られたポリマーは、場合によっては20mol%以下の非共役ジエンを含んでいてもよい。非共役ジエンは、6〜20個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖又は環式炭化水素ジエンであってもよい。適切な非共役ジエンの例は、
−直鎖非環式ジエン、たとえば1,4−ヘキサジエン及び1,6−オクタジエン;
−分枝鎖非環式ジエン、たとえば5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン及びジヒドロミリセン(dihydromyricene)及びジヒドロオシネン(dihydroocinene)の混合異性体;
−単環脂環式ジエン、たとえば1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン及び1,5−シクロドデカジエン;
−多環脂環式縮合及びブリッジ環ジエン、たとえばテトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ(2,2,l)−ヘプタ−2,5−ジエン;及び
−アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル及びシクロアルキリデンノルボルネン、たとえば5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロへキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン及びノルボルナジエンである。
【0058】
好ましいジエンは、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)及びジシクロペンタジエン(DCPD)である。
【0059】
特に好ましいジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)及び1,4−ヘキサジエン(HD)である。
存在する場合には、非共役ジエンは一般に、0.1mol%〜約20mol%の量で;好ましくは1mol%〜15mol%の量で、より好ましくは2mol%〜7mol%の量でポリマーに組み込まれる。所望であれば、1以上のジエンが同時に、たとえばHD及びENBが、上述の限定量内の総ジエン量で組み込まれてもよい。
【0060】
本発明のプロセスは、1個の反応器内又は直列の2以上の反応器内で行われてもよい。
以下の実施例は本発明を限定することなく本発明を説明する。
【実施例】
【0061】
[一般的特性]
[デカヒドロナフタレン中での極限粘度(IV)]
デカヒドロナフタレン(DHN)中での極限粘度は、デカリン中135℃で、S5測定ヘッドを有するUbbelohde粘度計PVS1で測定した(いずれもLauda製)。サンプルを調製するために、135℃で2時間かけて、20mgのポリマーを20mlのデカリンに溶解させた。15mlの溶液を粘度計内に置いた。一定の結果が得られるまで、機器を最低3回、到達時間の測定(minimum of three running-out time measurements)を行った。IVは、IV=(t/t0−1)×1/c(式中、tは溶液の到達時間(running-out time)を意味し、t0は溶媒の到達時間(running-out time)を意味し、cは溶液の濃度(g/ml)を意味する)に従い到達時間(running-out times)から計算した。
【0062】
[テトラヒドロナフタレン中極限粘度(IV)]
実施例1〜5に対する測定は、ポリマーを135℃で1時間かけて溶解させることにより得たテトラヒドロナフタレン(THN)溶液中で行った。
【0063】
[25℃でのキシレン可溶分]
135℃で30分間撹拌しながら、2.5gのポリマーを250mlのo−キシレン中に溶解させ、次に、溶液を25℃まで冷却し、30分後に不溶性ポリマーを濾去した。得られた溶液を窒素流中で蒸発させ、残渣を乾燥させて秤量し、可溶性ポリマーのパーセンテージを測定した。
【0064】
[融点Tm]
示差走査熱量計DSC Mettlerを用いて熱量測定を行った。機器は、インジウム及びスズ標準で較正した。秤量したサンプル(5〜10mg)をアルミニウムパンに密封して、200℃まで加熱して、全結晶を完全に溶融させるに十分な時間(5分間)、この温度を維持した。続いて、20℃/分で−20℃まで冷却した。5分間、0℃に放置した後、サンプルを200℃まで20℃/分の速度で加熱した。この2回目の加熱の際に、ピーク温度を融点(Tm)とし、面積を全溶融エンタルピー(ΔH)とした。
【0065】
[ゲル透過クロマトグラフィー]
GPC装置150C(Waters製)を用いて、145℃、1,2,4−トリクロロベンゼン中で、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を行った。データをソフトウェアWin−GPC(HS-Entwicklungsgesellschaft furwissenschaftliche Hard- und Software mbH、Ober-Hilbersheim)を用いて評価した。カラムの較正は、モル質量100〜107g/molを有するポリプロピレン標準により行った。ポリマーの質量平均モル質量(Mw)及び数平均モル質量(Mn)を測定した。Q値は、数平均(Mn)に対する質量平均(Mw)の割合である。
【0066】
[化学物質及び特徴付け]
全化学物質を標準Schlenk技術を用いて取り扱った。
メチルアルモキサン(MAO)は、Albemarleから30% wt/wt トルエン溶液として入手し、そのまま使用した。シリカはINEOS(ES70Y、100ミクロン)から入手した。
【0067】
疑似racジメチルシランジイル−(6−メチル−4−(4’−tert−ブチルフェニル)−l,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン−7−イル)(2−イソプロピル−4−(4’−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)−ジルコニウムジクロライド(C−I)
【0068】
【化9】

【0069】
は、PCT/EP2004/013827に従って合成した。
疑似racジメチルシランジイル−(6−メチル−4−フェニル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン−7−イル)−(2−イソプロピル−4−(4’−tert−ブチルフェニル)−1−インデニル)−ジルコニウムジクロライド(C−2)
【0070】
【化10】

【0071】
は、PCT/EP2004/013827に従って合成した。
rac−ジメチルシランジイル(2−メチル−4−(4’−tert−ブチルフェニル)インデニル)(2−イソプロピル−4−(4’−tetr−ブチルフェニル)インデニル)ジルコニウムジクロライド(C−3)
【0072】
【化11】

【0073】
は、国際特許出願パンフレットWO 01/48034に記載されている手順に従って調製した。
[担持触媒系の調製]
6.3gのSiO2をKPG撹拌機を装備する丸底フラスコ内に置いて、0℃で30mlトルエン中に懸濁させた。滴下漏斗を介して、15.1mlのMAOを0℃でゆっくり添加した。添加後、懸濁液を室温(RT)にして、次いで2時間撹拌した。反応混合物をフィルター(サイズP3)を装備する撹拌機付ガラスフラスコに置いて、溶媒を濾去した。残留物を20mlトルエン中に懸濁させ、15分間室温で撹拌し、濾去した。担体を20mlトルエン中に懸濁させ、次に80℃にして、この温度で30分間撹拌してから、熱濾去した。再び、担体を20mlトルエン中に懸濁させ、次に80℃にして、この温度で30分間撹拌してから、熱濾去した。MAO/シリカを15℃で20mlトルエン中に懸濁させた。撹拌しながら、table 1に示す2mlのMAO及び2mlトルエン中メタロセンの0.25mmol(207mg、40μmol/g担体)溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を1時間、15℃で撹拌し、温度を40℃まで昇温させた後、再び2時間撹拌した。次いで、濾去した。残留固体を各20mlトルエンで60℃で3回洗浄した(撹拌:3×30分)。最後の濾過後、反応生成物をいくらかのトルエンと一緒にガラスフリット(サイズP3)に移し、再び濾過した。質量が一定になるまで高真空中室温で乾燥した後、触媒を移した。
【0074】
[重合例1〜3(多工程重合)]
工程(a)
予め窒素パージ下に一晩維持しておいた2.5Lオートクレーブに、2mmolトリエチルアルミニウム(TEA)(10%w/vヘキサン溶液として)を反応器スカベンジャーとして添加した。さらに、0.5bar−gのプロピレンを供給して、反応器内への空気挿入を防止した。
【0075】
予備重合:252gのプロピレンをオートクレーブ中に、0℃で供給した。触媒系を反応器に注入し、プロピレンを30℃で5分間にわたり予備重合した。この工程の最後に、反応器温度を30℃から70℃まで昇温させた(10分間で)。温度上昇中に、さらに2.63mmolのH2に対応する59ccのH2を供給した。
【0076】
バルク内でのプロピレン重合:この工程は、液体プロピレンが総合的に消費されるまで30bar−g圧力、70℃で行い、反応器内部圧力は減少し始めた。この工程が完了したら、PPマトリックス重合時間を記録し、圧力を開放して0.1bar−gプロピレンとした。同時に、温度は30℃まで低下した。
【0077】
工程(b)
エチレン及びプロピレンをエチレン(C2)/プロピレン(C3)+エチレン(C2)のモル比0.5で反応器に供給して、圧力を21bar−gとし、次に温度を60℃まで昇温させ、232gのモノマーが消費されるまでエチレン/プロピレン混合物を一定圧力で供給した。
【0078】
次に、反応器を排気して、室温まで冷却した。こうして、反応を停止させた。
ポリマーを集めて、減圧下60℃で乾燥させた。
得られたポリマーを上述の手順に従って25℃でキシレン抽出に供した。25℃キシレン中に溶解するポリマーのフラクションをこのプロセスで製造されたエチレンプロピレンコポリマーの量とした。重合データをtable 1に示す。
【0079】
【表1】

【0080】
[重合例4(多工程重合)]
工程(a)
予め窒素パージ下で一晩維持しておいた2.5Lオートクレーブに、2mmolトリエチルアルミニウム(TEA)(10%w/vヘキサン溶液として)を反応器スカベンジャーとして添加した。さらに、0.5bar−gのプロピレンを供給して、反応器への空気挿入を防止した。
【0081】
予備重合:134gのプロピレンをオートクレーブに0℃で供給した。触媒系を反応器に注入し、プロピレンを30℃5分間で予備重合した。この工程の最後に、反応器温度を30℃から80℃まで昇温させた(10分間で)。
【0082】
気相中プロピレン重合:この工程は、70gのプロピレンが消費されるまで24bar−g圧力及び80℃で行い、反応器内部の圧力は減少し始めた。この工程が完了すると、PPマトリックス重合時間を記録し、圧力を開放して0.1bar−gプロピレンとした。同時に温度は30℃に低下した。
【0083】
工程(b)
エチレン及びプロピレンを反応器にモル比(エチレン/(プロピレン+エチレン))0.3で供給し、温度を昇温させ、圧力を21bar−g及び温度70℃にした。次に、232gのモノマーが消費されるまで、エチレン/プロピレン混合物を一定圧力で供給した。
【0084】
次に、反応器を排気して、室温まで冷却した。こうして、反応を停止させた。
ポリマーを集めて、減圧下、低下させた温度で乾燥させた。
結果をtable 2に示す。
【0085】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程(a)及び(b)を含む多工程プロセスであって、
工程(a):プロピレン及び場合によってはエチレン又は式CH2=CHT1(式中、T1はC2−C10−アルキル基である)のαオレフィンから選択される1以上のモノマーを不活性担体上に担持された触媒系の存在下で重合する工程であって、触媒系は
(i)式(I):
【化1】

の1以上のメタロセン化合物;
(ii)アルモキサン又はアルキルメタロセンカチオンを形成することができる化合物;及び場合によっては
(iii)有機アルミニウム化合物;
を含み;
工程(b):前記工程(a)で得られたポリマーの存在下で、及び場合によっては追加の有機アルミニウム化合物の存在下で、ホモポリマーが製造されないことを条件として、重合条件下で、気相中、プロピレン又はエチレンと、1以上の式CH2=CHT(式中、Tは水素又はC1−C10アルキル基である)のαオレフィンとを、及び場合によっては非共役ジエンとを接触させる工程;
ここで、工程(a)で得られるポリマーの量は、全工程で得られるポリマーの5wt%〜90wt%の範囲であり、工程(b)で得られるポリマーの量は、全工程で得られるポリマーの10wt%〜95wt%であり;
式(I)の化合物において:
Mは、元素周期表4族に属する遷移金属から選択される遷移金属原子であり;
Xは、互いに同一種又は異種であり、水素原子、ハロゲン原子、R、OR、OR’O、OSO2CF3、OCOR、SR、NR2又はPR2基(式中、Rは、直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基、C6−C40−アリール基、C7−C40−アルキルアリール基又はC7−C40−アリールアルキル基であり;場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含み;R’はC1−C20−アルキリデン基、C6−C20−アリーリデン基、C7−C20−アルキルアリーリデン基又はC7−C20−アリールアルキリデン基である)であり;
Lは、場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C20−アルキリデン基、C3−C20−シクロアルキリデン基、C6−C20−アリーリデン基、C7−C20−アルキルアリーリデン基又はC7−C20−アリールアルキリデン基から選択される二価橋かけ基であるか、又は5個以下のケイ素原子を含むシリリデン基であり;
1及びR19は互いに異なっていて、Z1又はZ2基(式中、Z1は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むα分枝C1−C20炭化水素基であり、Z2は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含む直鎖C1−C40炭化水素基であり;ただし、R1又はR19の一方がZ1の場合、R19又はR1の他方はZ2であり;
2及びR3はインデニル部位のベンゼン環に縮合した4員環〜7員環の一部であり;好ましくは5員環又は6員環であり;この環は、場合によっては元素周期表13〜16族に属するヘテロ原子を含み;この環を形成する各原子の原子価はR18基(R18は互いに同一種又は異種であり、水素原子又はC1−C40炭化水素基である)で満たされ;この環は飽和しているか又は二重結合を含んでいてもよく;
4は、水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基であり;
Wは、元素周期表15〜16族に属するヘテロ原子を含み得る芳香族5員環又は6員環であり;この環の各原子の原子価は水素原子で満たされるか又は場合によってはR5基(R5は互いに同一種又は異種であり、場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基である)で置換されていてもよく;
20、R21及びR22は互いに同一種又は異種であり、水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基である、多工程プロセス。
【請求項2】
前記式(I)の化合物において、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、OR'O基又はR基であり;
Lは、Si(R112(式中、R11は直鎖又は分枝、環式又は非環式のC1−C40−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基、C6−C40−アリール基、C7−C40−アルキルアリール基又はC7−C40−アリールアルキル基である)であり;
4は、水素原子、C1−C10−アルキル基又はC6−C40−アリール基であり;
18は、水素原子又は直鎖又は分枝のC1−C20−アルキル基であり;
2及びR3は場合によっては元素周期表13〜16族に属するヘテロ原子を含む縮合飽和3員環〜7員環を一緒に形成し;
20及びR21は水素原子又はC1−C10−アルキル基であり、ただし両者が共にC1−C10−アルキル基であることはない、請求項1に記載の多工程プロセス。
【請求項3】
Wは、式(Wa)、(Wb)及び(Wc)の部位:
【化2】

(式中、*は、当該部位が式(I)の化合物のインデニル部位に結合するポイントを示し;
6、R7、R8、R9及びR10は互いに同一種又は異種であり、水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40−炭化水素基であり;
1は、窒素原子又はCR10基であり;
2は、窒素原子又はCR6基であり;
3は、窒素原子又はCR7基であり;
4は、窒素原子又はCR8基であり;
5は、窒素原子又はCR9基であり;
ただし、Z1、Z2、Z3、Z4及びZ5のうち2基以下は窒素原子であり;
6は、酸素原子、硫黄原子、NR13基又はCR13基であり;
7は、酸素原子、硫黄原子、NR14基又はCR14基であり;
8は、酸素原子、硫黄原子、NR15基又はCR15基であり;
9は、酸素原子、硫黄原子、NR16基又はCR16基であり;
10は、式(I)の構造のインデニル部位に結合する窒素原子又は炭素原子であり;
ただし、Z6、Z7、Z8、Z9又はZ10のうち1基以下は、硫黄原子、酸素原子又はNR13、NR14、NR15、NR16及び窒素原子から選択される窒素含有基原子であり;
13、R14、R15及びR16は互いに同一種又は異種であり、水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40−炭化水素基である)
を含む基から選択される、請求項1又は2に記載の多工程プロセス。
【請求項4】
式(Wa)の部位において、R7は、C1−C40−アルキル基であり、R6、R8、R9及びR10は水素原子である、請求項1〜3のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項5】
式(Wa)の部位において、R10及びR8はC1−C40−アルキル基であり、R7、R8及びR9は水素基である、請求項1〜3のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項6】
式(Wa)の部位において、R6、R7及びR8は直鎖又は分枝のC1−C40−アルキル基であり、R10及びR9は水素原子である、請求項1〜3のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項7】
式(Wa)の部位において、R6、R7、R8、R9及びR10は水素原子である、請求項1〜3のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項8】
式(Wb)の部位において、Z1は窒素原子で且つZ2、Z3、Z4及びZ5はそれぞれCR6、CR7、CR8及びCR9(式中、R6、R7、R8及びR9の意味は請求項3に記載したとおりである)であり;さもなければZ3は窒素原子で且つZ1、Z2、Z4及びZ5はそれぞれCR10、CR6、CR8及びCR9(式中、R10、R6、R8及びR9の意味は請求項3に記載したとおりである)であり;さもなければZ2は窒素原子で且つZ1、Z3、Z4及びZ5はそれぞれCR10、CR7、CR8及びCR9(式中、R10、R7、R8及びR9の意味は請求項3に記載したとおりである)である、請求項1〜3のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項9】
式(Wc)の部位において、Z6は酸素原子、硫黄原子又はNR16基(式中、R16はC1−C40−アルキル基である)である、請求項1〜3のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項10】
1は式(II):
【化3】

の化合物であるか、又は2〜20個の炭素原子を含み、場合によってはO、N、S、P及びSe原子、特にO、N及びS原子を含むα分枝アリール基又はアリールアルキル基であり;
式(II)の化合物において、
23及びR24は互いに同一種又は異種であり、場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40−炭化水素基であり;
25は水素原子であるか又はR23及びR24と同じ意味を有し;
2は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含む直鎖C1−C20−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40−アルキニル基である、請求項1〜9のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項11】
23及びR24は、場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C20−アルキル基、C2−C40−アルケニル基、C2−C40アルキニル基であり;
25は、水素原子であり;
2は、直鎖C1−C10−アルキル基である、請求項10に記載の多工程プロセス。
【請求項12】
式(I)の化合物は式(III):
【化4】

(式中、M、L、X、R1、R4、R14、R15、R16、R19、R20、R21、R22及びWは請求項1〜11に記載した意味を有し;R11及びR12は互いに同一種又は異種であって水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基である)を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項13】
式(I)の化合物は、式(IV):
【化5】

(式中、M、L、X、R1、R4、R6、R7、R8、R9、R10、R19、R20、R21、R22及びWは請求項1〜11に記載した意味を有し;R11及びR12は互いに同一種又は異種であって水素原子又は場合によっては元素周期表13〜17族に属するヘテロ原子を含むC1−C40炭化水素基である)を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項14】
Wは式(Wa)の部位である、請求項13に記載の多工程プロセス。
【請求項15】
工程(a)は、予備重合工程(a−1)をさらに含む、請求項1〜14のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項16】
工程(a)は、重合媒体が不活性炭化水素溶媒であってもよく又は重合媒体が場合によっては不活性炭化水素溶媒、エチレン又は式CH2=CHT1の1以上のコモノマーの存在下での液体プロピレンであってもよい液相中で行われるか、又は工程(a)は気相中で行われてもよい、請求項1〜15のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項17】
工程(a)は水素の存在下で行われる、請求項1〜16のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項18】
工程(a)で得られるプロピレンポリマーは、プロピレンホモポリマー又はエチレン又は1以上の式CH2=CHT1のαオレフィンの誘導単位20mol%以下を含むプロピレンコポリマーである、請求項1〜17のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項19】
工程(a)において、プロピレンホモポリマー又は10wt%未満のエチレン含量を有するプロピレン/エチレンコポリマーが調製される、請求項18に記載の多工程プロセス。
【請求項20】
工程b)は水素の存在下で行われる、請求項1〜19のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項21】
工程(b)において、エチレン又は式CH2=CHTのコモノマーの誘導単位4mol%〜90mol%、及び場合によっては非共役ジエンの誘導単位20%以下を有するプロピレンコポリマーが製造される、請求項1〜20のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項22】
工程(b)において、工程(a)で得られたポリマーの存在下で、及び場合によっては追加の有機アルミニウム化合物の存在下で、ホモポリマーが製造されないことを条件として、プロピレンは、式CH2=CHT(式中、Tは水素又はC1−C10アルキル基である)のオレフィン、及び場合によっては非共役ジエンと共重合する、請求項1〜21のいずれかに記載の多工程プロセス。
【請求項23】
工程(b)において、工程(a)で得られたポリマーの存在下で、及び場合によっては追加の有機アルミニウム化合物の存在下で、ホモポリマーが製造されないことを条件として、エチレンは式CH2=CHT(式中、Tは水素又はC1−C10アルキル基である)のαオレフィン、及び場合によっては非共役ジエンと共重合される、請求項1〜21のいずれかに記載の多工程プロセス。

【公表番号】特表2008−534706(P2008−534706A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502409(P2008−502409)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060957
【国際公開番号】WO2006/100269
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(500289758)バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー (118)
【Fターム(参考)】